(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】ポンプ設備に使用されるケーブル保持装置
(51)【国際特許分類】
H02G 9/00 20060101AFI20220210BHJP
F04D 13/08 20060101ALI20220210BHJP
H02G 3/30 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
H02G9/00
F04D13/08 U
H02G3/30
(21)【出願番号】P 2018054171
(22)【出願日】2018-03-22
【審査請求日】2021-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】安田 誠
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-296188(JP,A)
【文献】特開昭62-7328(JP,A)
【文献】特開2008-125224(JP,A)
【文献】実公昭44-16853(JP,Y1)
【文献】実公平1-10480(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/00
H02G 3/30
F04D 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルをそれぞれ保持するための複数のケーブルクランプと、
前記複数のケーブルクランプにそれぞれ固定された複数の第1ロッドと、
前記複数の第1ロッドにそれぞれ装着された複数の第1ばねと、
前記複数の第1ばねの前記複数の第1ロッドに対する相対位置を固定する第1ばね固定機構と、
前記複数の第1ばね
に接触している中間プレートと、
前記複数の第1ロッドに隣接する第2ロッドと、
前記第2ロッドに装着された第2ばねと、
前記第2ばねの前記第2ロッドに対する相対位置を固定する第2ばね固定機構とを備え、
前記中間プレートは、前記第2ばね
に接触していることを特徴とするケーブル保持装置。
【請求項2】
前記複数の第1ばねは、前記中間プレートの上側に配置された複数の上側第1ばねと、前記中間プレートの下側に配置された複数の下側第1ばねから構成され、
前記複数の上側第1ばねは、前記第1ばね固定機構と前記中間プレートの上面との間に配置され、
前記複数の下側第1ばねは、前記第1ばね固定機構と前記中間プレートの下面との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル保持装置。
【請求項3】
前記第2ばねは、前記中間プレートの上側に配置された上側第2ばねと、前記中間プレートの下側に配置された下側第2ばねを備えており、
前記上側第2ばねは、前記第2ばね固定機構と前記中間プレートの上面との間に配置され、
前記下側第2ばねは、前記第2ばね固定機構と前記中間プレートの下面との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル保持装置。
【請求項4】
前記第2ばね固定機構は、前記上側第2ばねに接触する上側第2ばねストッパを有しており、前記上側第2ばねストッパには、吊り下げ用リングが固定されていることを特徴とする請求項3に記載のケーブル保持装置。
【請求項5】
前記第2ロッドは複数の第2ロッドであり、前記第2ばねは複数の第2ばねであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のケーブル保持装置。
【請求項6】
前記複数のケーブルクランプの下方を延び、かつ前記中間プレートに接続された保護フレームをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のケーブル保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ設備に使用されるケーブル保持装置に関し、特に、コラム内に配置された水中ポンプ装置から延びるケーブルを保持するためのケーブル保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、水中ポンプ装置を備えた従来のポンプ設備の一例を示す模式図である。
図5に示すように、水中ポンプ装置500は、水槽510に設置されたコラム501内に設置される。水中ポンプ装置500には、電力や制御信号などを送るための複数のケーブル503が接続されている。これらのケーブル503は、コラム501の外に配置された支持金具508によって保持されており、ケーブル503は支持金具508を経由してコラム501の内部に延びている。
【0003】
コラム501の側壁には、吐出管505が接続されている。水中ポンプ装置500の吸込口は、コラム501の底部に形成された図示しない開口に接続されている。水中ポンプ装置500が運転されると、水槽510内の液体は水中ポンプ装置500に吸い込まれる。水中ポンプ装置500から吐き出された液体は、コラム501内を上方に流れ、さらに吐出管505に流入する。このようにして、水槽510内の液体は水中ポンプ装置500によって汲み上げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-177963号公報
【文献】実開平1-10480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
支持金具508は、ケーブル503がコラム501内に落ち込まないようにケーブル503を固く保持している。しかしながら、ケーブル503への異物の付着や、コラム501内の液体の流れなどに起因してケーブル503に過負荷が掛かると、支持金具508のケーブル保持機能が失われ、ケーブル503がコラム501内に垂れ下がってしまうことがある。コラム501内に垂れ下がったケーブル503は、水中ポンプ装置500の運転に伴う液体の流れにより暴れて、ケーブル503の被覆が傷つき、絶縁不良を起こす。さらに、電線が露出すると、地絡により水中ポンプ装置500の運転不能に至ってしまう。
【0006】
そこで、本発明は、1つのケーブルに過負荷が掛かった場合でも、複数のケーブルと連携するばね機構を利用することで全体を支持することができるケーブル保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、複数のケーブルをそれぞれ保持するための複数のケーブルクランプと、前記複数のケーブルクランプにそれぞれ固定された複数の第1ロッドと、前記複数の第1ロッドにそれぞれ装着された複数の第1ばねと、前記複数の第1ばねの前記複数の第1ロッドに対する相対位置を固定する第1ばね固定機構と、前記複数の第1ばねに接触している中間プレートと、前記複数の第1ロッドに隣接する第2ロッドと、前記第2ロッドに装着された第2ばねと、前記第2ばねの前記第2ロッドに対する相対位置を固定する第2ばね固定機構とを備え、前記中間プレートは、前記第2ばねに接触していることを特徴とするケーブル保持装置が提供される。
【0008】
一態様では、前記複数の第1ばねは、前記中間プレートの上側に配置された複数の上側第1ばねと、前記中間プレートの下側に配置された複数の下側第1ばねから構成され、前記複数の上側第1ばねは、前記第1ばね固定機構と前記中間プレートの上面との間に配置され、前記複数の下側第1ばねは、前記第1ばね固定機構と前記中間プレートの下面との間に配置されている。
一態様では、前記第2ばねは、前記中間プレートの上側に配置された上側第2ばねと、前記中間プレートの下側に配置された下側第2ばねを備えており、前記上側第2ばねは、前記第2ばね固定機構と前記中間プレートの上面との間に配置され、前記下側第2ばねは、前記第2ばね固定機構と前記中間プレートの下面との間に配置されている。
一態様では、前記第2ばね固定機構は、前記上側第2ばねに接触する上側第2ばねストッパを有しており、前記上側第2ばねストッパには、吊り下げ用リングが固定されている。
一態様では、前記第2ロッドは複数の第2ロッドであり、前記第2ばねは複数の第2ばねである。
一態様では、前記ケーブル保持装置は、前記複数のケーブルクランプの下方を延び、かつ前記中間プレートに接続された保護フレームをさらに備える。
【発明の効果】
【0009】
ケーブルに接触する液体の流れや、ケーブルに付着した異物などによってケーブルに過負荷が加わった場合でも、過負荷は第1ばねおよび第2ばねに分散され、第1ばねおよび第2ばねは互いの中間プレートを介して他のばねによって柔軟に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】ケーブル保持装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】ケーブル保持装置の他の実施形態を示す正面図である。
【
図3】ケーブル保持装置を備えたポンプ設備の一実施形態を示す模式図である。
【
図4】ケーブル保持装置を備えたポンプ設備の他の実施形態を示す模式図である。
【
図5】水中ポンプ装置を備えた従来のポンプ設備の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下に説明するケーブル保持装置1は、コラムに配置される水中ポンプ装置に接続される複数のケーブルを保持するために使用される。ケーブルの例としては、電力を水中ポンプ装置に送るための電力ケーブル、制御信号を水中ポンプ装置に送るための制御信号ケーブルが挙げられる。
【0012】
図1は、ケーブル保持装置1の一実施形態を示す正面図である。
図1に示すように、ケーブル保持装置1は、複数のケーブル3をそれぞれ保持するための複数のケーブルクランプ5と、複数のケーブルクランプ5にそれぞれ固定された複数の第1ロッド7と、複数の第1ロッド7にそれぞれ装着された複数組の第1ばね8A,8Bと、複数組の第1ばね8A,8Bの複数の第1ロッド7に対する相対位置を固定する第1ばね固定機構10と、複数の第1ばね8A,8Bを介して複数の第1ロッド7に連結された中間プレート11とを備えている。
【0013】
ケーブルクランプ5は、ケーブル3がその長手方向に動かないように、ケーブル3をしっかりと把持する機能を有する。本実施形態では、ケーブルクランプ5は、ケーブル3が水平方向に延びた状態で該ケーブル3を把持(保持)するように構成されているが、ケーブルクランプ5がケーブル3をしっかりと把持することができる限り、ケーブルクランプ5の構成は特に限定されない。
【0014】
中間プレート11には通孔14が形成されており、第1ロッド7は、通孔14を通って鉛直方向に延びている。第1ロッド7の下端はケーブルクランプ5にそれぞれ固定されている。本実施形態では、第1ロッド7には、頭部のない長ねじが使用されている。第1ばね8A,8Bは、中間プレート11の上側に配置された複数の上側第1ばね8Aと、中間プレート11の下側に配置された複数の下側第1ばね8Bから構成されている。第1ロッド7は、上側第1ばね8Aおよび下側第1ばね8Bを貫通して延びている。
【0015】
第1ばね固定機構10は、中間プレート11の上方に配置された複数の上側第1ばねストッパ16と、中間プレート11の下方に配置された複数の下側第1ばねストッパ17と、上側第1ばねストッパ16を第1ロッド7に固定する複数組の上側第1ナット20と、下側第1ばねストッパ17を第1ロッド7に固定する複数組の下側第1ナット21を備えている。各上側第1ばねストッパ16は、各組の上側第1ナット20の間に挟まれている。同様に、各下側第1ばねストッパ17は、各組の下側第1ナット21の間に挟まれている。
【0016】
複数の上側第1ばね8Aは、第1ばね固定機構10と中間プレート11の上面との間に配置されており、上側第1ばねストッパ16は上側第1ばね8Aに接触している。より具体的には、上側第1ばね8Aは、上側第1ばねストッパ16と中間プレート11の上面との間に挟まれている。複数の下側第1ばね8Bは、第1ばね固定機構10と中間プレート11の下面との間に配置されており、下側第1ばねストッパ17は下側第1ばね8Bに接触している。より具体的には、下側第1ばね8Bは、下側第1ばねストッパ17と中間プレート11の下面との間に挟まれている。中間プレート11は、上側第1ばね8Aと下側第1ばね8Bを介して第1ロッド7に弾性的に連結されている。
【0017】
ケーブルクランプ5は第1ロッド7に固定されており、第1ロッド7と一体に上下動する。第1ロッド7およびケーブルクランプ5の上方への動きは、下側第1ばね8Bによって支えられ、第1ロッド7およびケーブルクランプ5の下方への動きは、上側第1ばね8Aによって支えられる。
【0018】
ケーブル保持装置1は、複数の第1ロッド7に隣接する複数の第2ロッド24と、複数の第2ロッド24に装着された複数組の第2ばね9A,9Bと、複数組の第2ばね9A,9Bの複数の第2ロッド24に対する相対位置を固定する第2ばね固定機構26とをさらに備えている。複数の第1ロッド7と複数の第2ロッド24は交互に配列されている。本実施形態では、3つのケーブルクランプ5と、3つの第1ロッド7と、2つの第2ロッド24が設けられているが、本発明は本実施形態には限定されない。複数の第1ロッド7は、複数の第2ロッド24と平行である。
【0019】
中間プレート11には通孔29が形成されており、第2ロッド24は、通孔29を通って鉛直方向に延びている。各第2ロッド24は、2つの第1ロッド7の間に配置されている。本実施形態では、第2ロッド24には、頭部のない長ねじが使用されている。第2ばね9A,9Bは、中間プレート11の上側に配置された複数の上側第2ばね9Aと、中間プレート11の下側に配置された複数の下側第2ばね9Bから構成されている。第2ロッド24は、上側第2ばね9Aおよび下側第2ばね9Bを貫通して延びている。
【0020】
第2ばね固定機構26は、中間プレート11の上方に配置された上側第2ばねストッパ30と、中間プレート11の下方に配置された下側第2ばねストッパ31と、上側第2ばねストッパ30を第2ロッド24に固定する複数組の上側第2ナット34と、下側第2ばねストッパ31を第2ロッド24に固定する複数組の下側第2ナット35を備えている。本実施形態では、上側第2ばねストッパ30は、複数の(本実施形態では2つの)第2ロッド24に固定された共通のばねストッパである。上側第2ばねストッパ30は、上記複数組の上側第2ナット34の間に挟まれている。上側第2ばねストッパ30は、中間プレート11と平行に配置される。下側第2ばねストッパ31は、複数の第2ロッド24に対応して複数設けられている。各下側第2ばねストッパ31は、各組の下側第2ナット35の間に挟まれている。
【0021】
複数の上側第2ばね9Aは、第2ばね固定機構26と中間プレート11の上面との間に配置されており、上側第2ばねストッパ30は上側第2ばね9Aに接触している。より具体的には、上側第2ばね9Aは、上側第2ばねストッパ30と中間プレート11の上面との間に挟まれている。複数の下側第2ばね9Bは、第2ばね固定機構26と中間プレート11の下面との間に配置されており、下側第2ばねストッパ31は下側第2ばね9Bに接触している。より具体的には、下側第2ばね9Bは、下側第2ばねストッパ31と中間プレート11の下面との間に挟まれている。中間プレート11は、上側第2ばね9Aと下側第2ばね9Bを介して第2ロッド24に弾性的に連結されている。
【0022】
中間プレート1の上方への動きは、上側第2ばね9Aによって支えられ、中間プレート1の下方への動きは、下側第2ばね9Bによって支えられる。上側第2ばねストッパ30には、吊り下げ用リング40が固定されている。吊り下げ用リング40には、アイボルトを使用することができる。ケーブル保持装置1の全体は、吊り下げ用リング40に係合されたフック50によって支えられる。吊り下げ用リング40は、第2ばね9A,9B、第2ロッド24、中間プレート11、第1ばね8A,8B、および第1ロッド7を介してケーブルクランプ5に連結されている。
【0023】
上述した構成によれば、第1ばね8A,8Bおよび第2ばね9A,9Bの両方は中間プレート11に接触している。より具体的には、上側第1ばね8Aと下側第1ばね8Bは中間プレート11を挟むように配置され、同様に、上側第2ばね9Aと下側第2ばね9Bは中間プレート11を挟むように配置されている。ケーブル3を保持するケーブルクランプ5の上下動は、第1ばね8A,8Bおよび第2ばね9A,9Bの両方によって支持される。すなわち、ケーブルクランプ5の上方への動きは、下側第1ばね8Bおよび上側第2ばね9Aによって支持され、ケーブルクランプ5の下方への動きは、上側第1ばね8Aおよび下側第2ばね9Bによって支持される。
【0024】
上記実施形態によれば、ケーブル3に接触する液体の流れや、ケーブル3に付着した異物などによってケーブル3に過負荷が加わった場合でも、過負荷は第1ばね8A,8Bおよび第2ばね9A,9Bに分散され、第1ばね8A,8Bおよび第2ばね9A,9Bは過負荷を柔軟に支持することができる。各ケーブル3は、対応する第1ばね8A,8Bによって個別に支えられながら、全てのケーブル3は第2ばね9A,9Bによって支えられる。このような構成によれば、ケーブル保持装置1は、各ケーブル3の上下動に応じてそのケーブル3を柔軟に支持することができるとともに、全てのケーブル3を確実に支持することができる。
【0025】
図2は、ケーブル保持装置1の他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成は、
図1に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、ケーブル保持装置1は、中間プレート11に接続された保護フレーム45をさらに備えている。保護フレーム45と中間プレート11は一体構成であるが、一実施形態では別構成としてもよい。保護フレーム45の両端は中間プレート11に接続されており、中間プレート11から下方に延び、さらに複数の(本実施形態では3つの)ケーブルクランプ5の下方に延びている。保護フレーム45は、上述したケーブルクランプ5を保護するために設けられている。
【0026】
ケーブルクランプ5の数はケーブル3の数に対応して設けられる。上述した各実施形態では、3つのケーブル3を保持するために3つのケーブルクランプ5が設けられているが、4つ以上のケーブルクランプ5を設けてもよい。さらに、2つのケーブル3のみの場合は、2つのケーブルクランプ5を設けてもよい。この場合、ケーブル保持装置1は、1つの第2ロッド24および1組の第2ばね9A,9Bを備えてもよい。
【0027】
次に、上述した各実施形態に係るケーブル保持装置1を備えたポンプ設備について説明する。
図3は、ケーブル保持装置1を備えたポンプ設備の一実施形態を示す模式図である。
図3に示すケーブル保持装置1は、
図1または
図2に示す実施形態に係るケーブル保持装置1である。
図3では、ケーブル保持装置1は模式的に描かれている。
【0028】
図3に示すように、ポンプ設備は、吸込水槽65に設置されたコラム70と、コラム70内に設置された水中ポンプ装置75とを備えている。コラム70は、吸込水槽65の上壁に形成された設置孔68を通って吸込水槽65の上方から吸込水槽65の内部に延びている。コラム70の側壁には吐出管69が接続されている。
【0029】
水中ポンプ装置75は、吸込ベルマウス78を備えた立軸ポンプである。水中ポンプ装置75は、その吸込ベルマウス78がコラム70の底部から下方に突出した状態で、コラム70内に設置される。一実施形態では、水中ポンプ装置75の全体がコラム70内に配置されてもよい。水中ポンプ装置75は、電動機80と、電動機80の駆動軸に固定された羽根車81を備えている。羽根車81は吸込ベルマウス78内に配置されている。
【0030】
水中ポンプ装置75には、電力や制御信号などを送るための複数のケーブル3が接続されている。これらのケーブル3は、コラム70の外に配置されたケーブル保持装置1によって保持されている。ケーブル保持装置1に保持されたケーブル3は、コラム70の蓋84を通ってコラム70の内部に延びている。ケーブル3と蓋84との間の隙間を封止するためのシール85が蓋84に設けられている。シール85は、コラム70内の液体をコラム70外に漏洩することを防ぐことができる一方で、ケーブル3がその長手方向に移動することを許容するように構成されている。
【0031】
羽根車81が電動機80によって回転されると、吸込水槽65内の液体は水中ポンプ装置75に吸い込まれる。水中ポンプ装置75から吐き出された液体は、コラム70内を上方に流れ、さらに吐出管69に流入する。このようにして、吸込水槽65内の液体は水中ポンプ装置75によって汲み上げられる。
【0032】
ケーブル保持装置1は、コラム70に固定された吊り下げアーム90に吊り下げられている。より具体的には、ケーブル保持装置1の吊り下げ用リング40は、吊り下げアーム90に固定されたフック50に係合している。吊り下げアーム90は、旋回軸91に固定されている。この旋回軸91は回転可能とされており、吊り下げアーム90は旋回軸91を中心に旋回可能となっている。
【0033】
図3に示す実施形態によれば、水中ポンプ装置75から吐き出された液体の流れによってケーブル3が激しく動いても、ケーブル保持装置1はケーブル3を柔軟に支えることができ、ケーブル3の保持状態を維持することができる。
【0034】
図4は、ケーブル保持装置1を備えたポンプ設備の他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成は、
図3に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。本実施形態では、ケーブル保持装置1はコラム70内に設置されている。すなわち、コラム70の蓋84の下面にはフック50が固定されており、ケーブル保持装置1の吊り下げ用リング40は、フック50に係合している。
【0035】
図4に示す実施形態でも、水中ポンプ装置75から吐き出された液体の流れによってケーブル3が激しく動いても、ケーブル保持装置1はケーブル3を柔軟に支えることができ、ケーブル3の保持状態を維持することができる。
【0036】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 ケーブル保持装置
3 ケーブル
5 ケーブルクランプ
7 第1ロッド
8A,8B 第1ばね
9A,9B 第2ばね
10 第1ばね固定機構
11 中間プレート
14 通孔
16 上側第1ばねストッパ
17 下側第1ばねストッパ
20 上側第1ナット
21 下側第1ナット
24 第2ロッド
26 第2ばね固定機構
29 通孔
30 上側第2ばねストッパ
31 下側第2ばねストッパ
34 上側第2ナット
35 下側第2ナット
40 吊り下げ用リング
45 保護フレーム
50 フック
65 吸込水槽
68 設置孔
69 吐出管
70 コラム
75 水中ポンプ装置
78 吸込ベルマウス
80 電動機
81 羽根車
84 蓋
85 シール
90 吊り下げアーム
91 旋回軸