(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】極紫外光を発生させる装置
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20220210BHJP
G03F 1/84 20120101ALI20220210BHJP
H05H 1/24 20060101ALI20220210BHJP
H05G 2/00 20060101ALI20220210BHJP
G01N 21/956 20060101ALI20220210BHJP
G01N 21/84 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
G03F7/20 503
G03F1/84
H05H1/24
H05G2/00 K
G01N21/956 A
G01N21/84 E
(21)【出願番号】P 2020013989
(22)【出願日】2020-01-30
(62)【分割の表示】P 2016529812の分割
【原出願日】2014-07-21
【審査請求日】2020-01-30
(32)【優先日】2013-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2013-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビカノフ アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ホディキン オレク
(72)【発明者】
【氏名】ワック ダニエル シー
(72)【発明者】
【氏名】ツィグツキン コンスタンティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル レイトン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ ジョーセフ
(72)【発明者】
【氏名】チレセ フランク
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ルディ エフ
(72)【発明者】
【氏名】アール ブライアン
【審査官】今井 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-054551(JP,A)
【文献】特開2001-015296(JP,A)
【文献】特開2008-294393(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0063803(US,A1)
【文献】特開2012-169241(JP,A)
【文献】特開2003-257698(JP,A)
【文献】特開昭64-006349(JP,A)
【文献】特開2007-109451(JP,A)
【文献】特開2001-057298(JP,A)
【文献】米国特許第06320937(US,B1)
【文献】特開2009-260019(JP,A)
【文献】特開2001-357998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027、21/30
G03F 7/20-7/24、9/00-9/02
H05G 1/00-2/00
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極紫外(EUV)光を発生させる装置であって:
真空チャンバと;
プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有しかつ真空チャンバ内に設けられている回転可能な円筒対称要素と;
プラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源と;
前記回転可能な円筒対称要素の表面の部分上に前記1つ以上のレーザーパルスを集束するように構成されている集束光学系のセットと;
前記プラズマ形成ターゲット材料の励起に応答して発生するプラズマから発せられるEUV光を受けるように構成されており、中間焦点に照明を方向付けるようにさらに構成されている集光系のセットと;
前記回転可能な円筒対称要素の表面にプラズマ形成ターゲット材料を供給するように構成されているガス供給サブシステムを含むガス管理システムと
を含み、
前記回転可能な円筒対称要素の軸方向位置を制御して前記駆動レーザー源の照射位置を前記円筒対称要素の軸方向に整列させる1つ以上の作動デバイスをさらに含み、
前記回転可能な円筒対称要素の表面は、円周方向に離散的にピットを有し、前記ピット内に質量制限ターゲットが埋め込まれ、円周方向に隣接するピット間の前記回転可能な円筒対称要素の表面は、
前記回転可能な円筒対称要素の非プラズマ形成部分による加熱を低減するための反射性
IRコーティング層を有し、前記回転可能な円筒対称要素の内部は、前記質量制限ターゲットを凍結状態に維持する液体で満たされる
装置。
【請求項2】
前記回転可能な円筒対称要素が:
円筒体
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上のレーザーパルスが:
前記プラズマ形成ターゲット材料の部分の励起を介してEUV光を発生させるのに十分な一連のレーザーパルス
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プラズマ形成ターゲット材料の部分の励起を介してEUV光を発生させるのに十分な一連のレーザーパルスが:
前記プラズマ形成ターゲット材料の部分を非熱的にアブレーションするのに十分な1つ以上のプレパルスと;
前記プラズマ形成ターゲット材料の非熱的アブレーション部分の一部の励起を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のメインパルスと
を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のレーザーパルスが、5~50nsの範囲の持続時間を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のレーザーパルスが、1~50kHzの範囲の周波数で繰り返し生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記駆動レーザー源が:
1つ以上の駆動レーザー
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動レーザー源が:
第1駆動レーザーと;
少なくとも1つのさらなる駆動レーザーと;
前記第1駆動レーザーによって発生する一連のパルスを前記少なくとも1つのさらなる駆動レーザーによって発生する一連のパルスと組み合わせて一連の組み合わせレーザーパルスにするビーム組み合わせ器と
を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の作動デバイスと連通する制御システムであって、前記1つ以上の作動デバイスにパルス状の軸方向の並進プロセスを実施させるように構成されている制御システム
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記パルス状の軸方向の並進プロセスが:
前記回転可能な円筒対称要素の第1軸方向位置で前記駆動レーザー源を整列させることと;
前記回転可能な円筒対称要素を回転させて、前記駆動レーザー源の1つ以上のレーザーパルスに、前記第1軸方向位置に沿って、前記回転可能な円筒対称要素の外周を横断させることと;
回転可能な円筒対称要素を前記駆動レーザー源に対して軸方向に並進させ、続いて、回転可能な円筒対称要素を完全に回転させて、前記回転可能な円筒対称要素の第2軸方向位置で前記駆動レーザー源を整列させるようにすることと;
前記回転可能な円筒対称要素を回転させて、前記駆動レーザー源の1つ以上のレーザーパルスに、前記第2軸方向位置に沿って、前記回転可能な円筒対称要素の外周を横断させることと
を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記パルス状の軸方向の並進プロセスが:
前記回転可能な円筒対称要素の下降ストロークにおいて一連のパルス状の軸方向並進を実施することと;
回転可能な円筒対称要素の上昇ストロークにおいて一連のパルス状の軸方向並進を実施することと
を含み、
前記下降ストロークにおける一連のパルス状の軸方向並進に関連する軸方向位置が、前記上昇ストロークにおける一連のパルス状の軸方向並進に関連する軸方向位置と交錯している、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動レーザー源によって発生する1つ以上のレーザーパルスの1つ以上の特性をモニタリングするように構成されているビーム診断サブシステムと;
前記ビーム診断サブシステムからの1つ以上のモニタリングされたパラメータを受信するように構成されている制御システムであって、前記駆動レーザー源の1つ以上のパラメータ、前記回転可能な円筒対称要素の1つ以上のパラメータ、前記真空チャンバの1つ以上のパラメータ、前記集束光学系のセットの1つ以上のパラメータおよび前記ガス供給サブシステムの1つ以上のパラメータのうち少なくとも1つを調整するようにさらに構成されている制御システムと
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記回転可能な円筒対称要素のプラズマ発生領域上に前記駆動レーザー源からの1つ以上のレーザーパルスを能動集束するように構成されている1つ以上の集束光学系と;
前記1つ以上の集束光学系に通信可能に連結されており、前記駆動レーザー源からの1つ以上のレーザーパルスの焦点を調整するように構成されている制御システムと
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ガス管理システムが:
プラズマ形成材料リサイクルサブシステム
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記真空チャンバ内に設けられ、前記真空チャンバ内の1つ以上の金属表面を前記プラズマ形成ターゲット材料のエネルギーイオンまたは中性種から遮蔽するように構成されている1つ以上の低温パネルをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
発生したEUV光の1つ以上の特性をモニタリングするように構成されている1つ以上のEUV診断ツールと;
前記1つ以上のEUV診断ツールからの1つ以上のモニタリングされたパラメータを受信するように構成されている制御システムであって、回転可能な円筒対称要素におけるプラズマ位置および前記集光系の第1焦点のうち少なくとも1つを調整するように構成されている制御システムと
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
照明サブシステムであって:
真空チャンバと;
プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有しかつ前記真空チャンバ内に設けられている回転可能な円筒対称要素と;
前記プラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源と;
前記回転可能な円筒対称要素の表面の部分上に前記1つ以上のレーザーパルスを集束するように構成されている集束光学系のセットと;
前記プラズマ形成ターゲット材料の励起に応答して発生するプラズマから発せられるEUV光を受けるように構成されており、中間焦点に照明を方向付けるようにさらに構成されている集光系のセットと;
前記回転可能な円筒対称要素の表面にプラズマ形成ターゲット材料を供給するように構成されているガス供給サブシステムを含むガス管理システムと;
を含む照明サブシステムと;
1つ以上の集光要素からの照明を1つ以上の試料に方向付けるように構成されている照明器光学系のセットと;
検出器と;
前記1つ以上の試料の表面からの照明を受け、前記1つ以上の試料からの照明を前記検出器に方向付けるように構成されている投影光学系のセットと
を含み、
前記回転可能な円筒対称要素の軸方向位置を制御して前記駆動レーザー源の照射位置を前記円筒対称要素の軸方向に整列させる1つ以上の作動デバイスをさらに含み、
前記回転可能な円筒対称要素の表面は、円周方向に離散的にピットを有し、前記ピット内に質量制限ターゲットが埋め込まれ、円周方向に隣接するピット間の前記回転可能な円筒対称要素の表面は、
前記回転可能な円筒対称要素の非プラズマ形成部分による加熱を低減するための反射性
IRコーティング層を有し、前記回転可能な円筒対称要素の内部は、前記質量制限ターゲットを凍結状態に維持する液体で満たされる
検査システム。
【請求項18】
前記検査システムが、ウェハ検査システムとして構成されている、請求項17に記載の検査システム。
【請求項19】
検査システムが、マスク検査システムとして構成されている、請求項17に記載の検査システム。
【請求項20】
前記照明が、極紫外光を含む、請求項17に記載の検査システム。
【請求項21】
照明サブシステムであって:
真空チャンバと;
プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有しかつ前記真空チャンバ内に設けられている回転可能な円筒対称要素と;
前記プラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源と;
前記回転可能な円筒対称要素の表面の部分上に前記1つ以上のレーザーパルスを集束するように構成されている集束光学系のセットと;
前記プラズマ形成ターゲット材料の励起に応答して発生するプラズマから発せられるEUV光を受けるように構成されており、中間焦点に照明を方向付けるようにさらに構成されている集光系のセットと;
前記回転可能な円筒対称要素の表面にプラズマ形成ターゲット材料を供給するように構成されているガス供給サブシステムを含むガス管理システムと;
を含む照明サブシステムと;
収集された照明をマスクに方向付けるように構成されている照明器光学系のセットと;
前記マスクから反射された照明を受け、マスクから反射された照明を1つ以上のウェハに方向付けるように構成されている投影光学系のセットと
を含み、
前記回転可能な円筒対称要素の軸方向位置を制御して前記駆動レーザー源の照射位置を前記円筒対称要素の軸方向に整列させる1つ以上の作動デバイスをさらに含み、
前記回転可能な円筒対称要素の表面は、円周方向に離散的にピットを有し、前記ピット内に質量制限ターゲットが埋め込まれ、円周方向に隣接するピット間の前記回転可能な円筒対称要素の表面は、
前記回転可能な円筒対称要素の非プラズマ形成部分による加熱を低減するための反射性
IRコーティング層を有し、前記回転可能な円筒対称要素の内部は、前記質量制限ターゲットを凍結状態に維持する液体で満たされる
リソグラフィシステム。
【請求項22】
前記照明が、極紫外光を含む、請求項21に記載のリソグラフィシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本願は、現在、同時係属中、または現在の同時係属出願が出願日の利益を受ける権利を有している出願である、2013年7月22日に提出された、Alexander Bykanovらによるタイトル「EUV LIGHT SOURCE FOR LITHOGRAPHY MASK INSPECTION TOOLS」の米国特許仮出願第61/857,231号に対する米国特許法第119(e)条の下での優先権を主張する。
【0002】
本願は、現在、同時係属中、または現在の同時係属出願が出願日の利益を受ける権利を有している出願である、2013年10月21日に提出された、Layton Haleらによるタイトル「CONTACTLESS THERMAL CONTROL OF MIRROR」の米国特許仮出願第61/893,344号に対する米国特許法第119(e)条の下での優先権をさらに主張する。上記で参照した仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、概して、照明システムの分野に関し、より詳細には、プラズマ系照明システムに関する。
【背景技術】
【0004】
かつてないほど小型の特徴を有するリソグラフィ系デバイス構造に対する要求が増え続けるに従い、これらのかつてないほど縮小したデバイスをリソグラフィ印刷する関連するレチクルの検査に用いられる改良された照明源に対する必要性が拡大し続けている。リソグラフィシステムにおいて利用される1つのかかる照明源は、高出力レーザー源(例えば、CO2レーザー)によって金属ターゲット(例えば、Snターゲット)を介して発生するレーザー生成プラズマ(LPP)を使用する。リソグラフィシステムにおいて現在利用されているEUV光源の使用は、EUV系マスク検査システムにおける使用には適していない。例えば、リソグラフィシステムにおいて現在利用されているEUV源は、EUVマスク検査に必要とされる出力レベルを超える出力レベルを有しており、EUVマスク検査のセッティングにおいて実装されるとき不必要な複雑さおよびコストを生じている。さらに、EUVマスク検査システムにおける金属ターゲットの使用が、所与のEUVマスク検査システムの光学系および真空環境をひいては汚染する場合がある微粒子および金属蒸気デブリの発生につながる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2008/0197298号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そのため、上記で特定されている従来技術の欠点を是正する方法およびシステムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の1つの例示的実施形態による、極紫外(EUV)光を発生させる装置を開示する。一実施形態において、装置は、真空チャンバを含む。別の例示的実施形態において、装置は、プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有しかつ真空チャンバ内に設けられている回転可能な円筒対称要素を含む。別の例示的実施形態において、装置は、プラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源を含む。別の例示的実施形態において、装置は、回転可能な円筒対称要素の表面の部分上に1つ以上のレーザーパルスを集束するように構成されている集束光学系のセットを含む。別の例示的実施形態において、装置は、プラズマ形成ターゲット材料の励起に応答して発生するプラズマから発せられるEUV光を受けるように構成されており、かつ、中間焦点に照明を方向付けるようにさらに構成されている集光系のセットを含む。別の例示的実施形態において、装置は、回転可能な円筒対称要素の表面にプラズマ形成ターゲット材料を供給するように構成されているガス供給サブシステムを含むガス管理システムを含む。
【0008】
本開示の1つの例示的実施形態により、検査システムを開示する。1つの例示的実施形態において、検査システムは、真空チャンバと;プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有しかつ真空チャンバ内に設けられている回転可能な円筒対称要素と;プラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源と;回転可能な円筒対称要素の表面の部分上に1つ以上のレーザーパルスを集束するように構成されている集束光学系のセットと;プラズマ形成ターゲット材料の励起に応答して発生するプラズマから発せられるEUV光を受けるように構成されており、中間焦点に照明を方向付けるようにさらに構成されている集光系のセットと;回転可能な円筒対称要素の表面にプラズマ形成ターゲット材料を供給するように構成されているガス供給サブシステムを含むガス管理システムとを含む照明サブシステムを含む。別の例示的実施形態において、検査システムは、1つ以上の集光要素からの照明を1つ以上の試料に方向付けるように構成されている照明器光学系のセットを含む。別の例示的実施形態において、検査システムは、検出器を含む。別の例示的実施形態において、検査システムは、1つ以上の試料の表面からの照明を受け、1つ以上の試料からの照明を検出器に方向付けるように構成されている投影光学系のセットを含む。
【0009】
本開示の1つの例示的実施形態により、リソグラフィシステムを開示する。1つの例示的実施形態において、リソグラフィシステムは、真空チャンバと;プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有しかつ真空チャンバ内に設けられている回転可能な円筒対称要素と;プラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源と;回転可能な円筒対称要素の表面の部分上に1つ以上のレーザーパルスを集束するように構成されている集束光学系のセットと;プラズマ形成ターゲット材料の励起に応答して発生するプラズマから発せられるEUV光を受けるように構成されており、中間焦点に照明を方向付けるようにさらに構成されている集光系のセットと;回転可能な円筒対称要素の表面にプラズマ形成ターゲット材料を供給するように構成されているガス供給サブシステムを含むガス管理システムと;収集された照明をマスクに方向付けるように構成されている照明器光学系のセットと;を含む照明サブシステムと;マスクから反射された照明を受け、マスクから反射された照明を1つ以上のウェハに方向付けるように構成されている投影光学系のセットとを含む。
【0010】
本開示の1つの例示的実施形態により、冷却ミラー装置を開示する。1つの例示的実施形態において、冷却ミラー装置は、ミラーアセンブリにおいて、第1側に位置付けられているミラーと、第1側と対向する第2側に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素とを含むミラーアセンブリを含む。別の例示的実施形態において、冷却ミラー装置は、第1パターンに適合する第2パターンに形成されている第2の複数の熱伝達要素を含む温度制御アセンブリを含む。別の例示的実施形態において、温度制御アセンブリは、第1の複数の熱伝達要素を第2の複数の熱伝達要素と交互配置するためにミラーアセンブリに対して位置付けられている。別の例示的実施形態において、第2の複数の熱伝達要素は、選択されたオフセット距離だけ第1の複数の熱伝達要素からオフセットされている。別の例示的実施形態において、第1の複数の熱伝達要素は、放射およびガス伝導のうち少なくとも一方を介して第2の複数の熱伝達要素に熱を伝達するように構成されている。
【0011】
本開示の1つの例示的実施形態により、検査システムを開示する。1つの例示的実施形態において、検査システムは、照明源からの照明を収集するように構成されている1つ以上のミラーを含む集光系のセットを含む照明サブシステムを含む。別の例示的実施形態において、検査システムは、集光系の1つ以上のミラーからの照明を1つ以上の試料に方向付けるように構成されている1つ以上のミラーを含む照明器光学系のセットを含む。別の例示的実施形態において、検査システムは、検出器を含む。別の例示的実施形態において、検査システムは、1つ以上の試料の表面からの照明を受け、1つ以上の試料からの照明を検出器に方向付けるように構成されている1つ以上のミラーを含む投影光学系のセットを含む。別の例示的実施形態において、集光系のセットの1つ以上のミラー、照明器光学系のセットの1つ以上のミラーおよび投影光学系のセットの1つ以上のミラーのうちの少なくとも1つが、冷却ミラーデバイスを含む。1つの例示的実施形態において、冷却ミラーデバイスは、ミラーアセンブリにおいて、第1側に位置付けられているミラーと、第1側と対向する第2側に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素とを含むミラーアセンブリと;第1パターンに適合する第2パターンに形成されている第2の複数の熱伝達要素を含む温度制御アセンブリにおいて、温度制御アセンブリが、第1の複数の熱伝達要素を第2の複数の熱伝達要素と交互配置するためにミラーアセンブリに対して位置付けられており、第2の複数の熱伝達要素が、選択されたオフセット距離だけ第1の複数の熱伝達要素からオフセットされており、第1の複数の熱伝達要素が、放射およびガス伝導のうち少なくとも一方を介して第2の複数の熱伝達要素に熱を伝達するように構成されている、温度制御アセンブリとを含む。
【0012】
本開示の1つの例示的実施形態により、リソグラフィシステムを開示する。1つの例示的実施形態において、リソグラフィシステムは、照明源からの照明を収集するように構成されている1つ以上のミラーを含む集光系のセットを含む照明サブシステムを含む。別の例示的実施形態において、リソグラフィシステムは、収集された照明をマスクに方向付ける1つ以上のミラーを含む照明器光学系のセットを含む。別の例示的実施形態において、リソグラフィシステムは、マスクから反射された照明を受け、マスクから反射された照明を1つ以上のウェハに方向付ける1つ以上のミラーを含む投影光学系のセットを含む。別の例示的実施形態において、集光系のセットの1つ以上のミラー、照明器光学系のセットの1つ以上のミラーおよび投影光学系のセットの1つ以上のミラーのうちの少なくとも1つが、冷却ミラーデバイスを含む。別の例示的実施形態において、冷却ミラーデバイスは、ミラーアセンブリにおいて、第1側に位置付けられているミラーと、第1側と対向する第2側に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素とを含むミラーアセンブリと;第1パターンに適合する第2パターンに形成されている第2の複数の熱伝達要素を含む温度制御アセンブリにおいて、温度制御アセンブリが、第1の複数の熱伝達要素を第2の複数の熱伝達要素と交互配置するためにミラーアセンブリに対して位置付けられており、第2の複数の熱伝達要素が、選択されたオフセット距離だけ第1の複数の熱伝達要素からオフセットされており、第1の複数の熱伝達要素が、放射およびガス伝導のうち少なくとも一方を介して第2の複数の熱伝達要素に熱を伝達するように構成されている、温度制御アセンブリとを含む。
【0013】
以上の一般的な記載および以下の詳細な記載の両方が、単に例示的かつ説明的であること、ならびに必ずしも本開示を制限するものではないことが理解されよう。本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図は、本開示の主題を示している。詳細な記載および図は、共に、本開示の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の多くの利点は、添付の図の参照により当業者によってより良好に理解され得る。
【0015】
【
図1】本開示の実施形態によるEUV光源を示すブロック図である。
【
図2A】本開示の実施形態による、1つ以上のプレパルスおよび1つ以上のメインパルスを含む一連のレーザーパルスの概念図である。
【
図2B】本開示の実施形態による、1つ以上のプレパルスおよび1つ以上のメインパルスを含む一連のレーザーパルスの概念図である。
【
図2C】本開示の実施形態による、1つ以上のプレパルスおよび1つ以上のメインパルスを含む一連のレーザーパルスの概念図である。
【
図3】本開示の実施形態による、パルス状の軸方向並進スキームを示すブロック図である。
【
図4A】本開示の実施形態による、一連の質量制限プラズマ形成ターゲットを備えた回転可能な円筒体の断面図である。
【
図4B】本開示の実施形態による、一連の質量制限プラズマ形成ターゲットを備えた回転可能な円筒体の断面図である。
【
図5】本開示の実施形態による、一連の接着構造を備えた回転可能な円筒体の断面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、1つ以上の低温パネルを備えたEUV光源のブロック図である。
【
図7】本開示の実施形態による、プラズマ系EUV源を含む光学システムを示すブロック図である。
【
図8A】本開示の実施形態による、軸対称構成に配置されている熱伝達要素を有する冷却ミラーデバイスの等角図を示す。
【
図8B】本開示の実施形態による、軸対称構成に配置されている熱伝達要素を有する冷却ミラーデバイスの断面図を示す。
【
図9】本開示の実施形態による、異なる熱伝導特性を有する多重コーティングを備えた冷却ミラーデバイスの等角図を示す。
【
図10】本開示の実施形態による、異なる熱伝導特性を有する多重セグメントを備えた冷却ミラーデバイスの等角図を示す。
【
図11A】本開示の実施形態による、平行構成に配置されている熱伝達要素を有する冷却ミラーデバイスの等角図を示す。
【
図11B】本開示の実施形態による、平行構成に配置されている熱伝達要素を有する冷却ミラーデバイスの断面図を示す。
【
図12】本開示の実施形態による、1つ以上の冷却ミラーデバイスを含む光学システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図に示されている、開示されている主題を詳細にここで参照する。
【0017】
図1~7は、本発明の1つ以上の実施形態による、極紫外(EUV)光を発生させるためのシステムおよび方法の実施形態を概して示す。
【0018】
本開示の実施形態は、回転性円筒対称要素(例えば、円筒体)を駆動レーザー源(例えば、駆動レーザー)からの1つ以上のレーザーパルスに暴露することによりEUV光出力を発生させることを対象とする。プラズマ系照明(例えば、EUV光)の場合、円筒対称要素は、安定で均一な固体プラズマ形成材料表面(例えば、キセノン表面)を付与する。本開示のさらなる実施形態は、本明細書に記載のプラズマ系回転性円筒体源を組み込んだマスク検査システム、ウェハ検査システムまたはリソグラフィシステム(または他の光学システム)を提供する。
【0019】
リソグラフィツール用に設計されているEUV光源は、中心波長が13.5nmの2%の帯域幅において高い平均出力(例えば、100W以上)を典型的には有する。かかるシステムは、金属ターゲット(例えば、Sn)および高出力レーザー(例えば、10.6μmの波長を有するCO2)と共にレーザー生成プラズマ(LPP)を典型的には使用する。かかる組み合わせは、高い変換効率(帯域において最大4~5%)および高い平均出力(約100W以上)を達成するのによく適している。
【0020】
かかるリソグラフィ系光源の検査目的での使用は、余剰の出力レベルにつながり、高い複雑さおよびコストを結果としてもたらす。さらに、金属ターゲットの使用は、光学系および真空チャンバを汚染させる場合がある微粒子および金属蒸気の形態でのデブリの発生を結果として引き起こす。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態は、高い出力を概して要求しないEUVマスク検査システムを対象とする。EUV系マスク検査に関しては、むしろ、輝度が典型的にはより大きな関心事である。これに関連して、本発明は、EUVマスク検査システムに関して用いられるとき、小さな光源サイズを有しながら、中程度の平均出力(例えば、10W未満)を示すことができ、高い輝度(例えば、10W/mm2sr超)を結果として生じさせる。さらに、本開示のマスク検査システムの小さなEUV源サイズは、(例えば、直径50~100μm未満のスポットに)駆動レーザーをタイトフォーカスすることによって達成され得る。
【0022】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態によるEUV光源100のブロック図を示す。一実施形態において、システム100は、プラズマ形成ターゲット材料で少なくとも部分的にコーティングされた表面を有し、真空チャンバ101内に設けられている回転可能な円筒対称要素102を含む。別の実施形態において、システム100は、回転可能な円筒対称要素102においてプラズマ形成ターゲット材料の励起によるプラズマの形成を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のレーザーパルスを発生させるように構成されている駆動レーザー源104を含む。別の実施形態において、システム100は、回転可能な円筒対称要素102の表面にプラズマ形成ターゲット材料103を供給するように構成されているガス供給サブシステム116を含むガス管理システム112を含む。別の実施形態において、システム100は、システム100の1つ以上のサブシステムの1つ以上の機能を制御するように構成されている1つ以上の制御システム114を含む。
【0023】
一実施形態において、駆動レーザー源104は、回転可能な円筒対称要素102の表面上に一旦設けられた材料103においてプラズマを起動させるおよび/または維持するのに好適である。これに関連して、駆動レーザー源104は、プラズマ形成ターゲット材料を迅速に加熱するのに必要とされるエネルギーを、EUV光をひいては放出するプラズマに供給することができる。
【0024】
一実施形態において、駆動レーザー源104は、限定されないが、1つ以上の駆動レーザーを含むことができる。駆動レーザー源104において用いられるレーザーの数および種類は、限定されないが、個々のレーザーの所要の出力、所望のEUV光出力、およびEUV光発生プロセスの効率を含めた多くの因子に依ることができる。例として、EUV光は、フォトリソグラフィマスク検査システムによって用いられるが、かかるシステムは、一次フォトリソグラフィシステムの高いEUV光出力を必要としない。EUVマスク検査システムは、小さな面積において高輝度であるが、10Wの範囲のEUV光を必要とするのみであり得る。マスク検査システムの場合、必要とされるのは数キロワットの範囲の合計レーザー出力であり、該出力が、小さなターゲットスポット(例えば、直径100μm未満)上に集束されている。
【0025】
駆動源104は、当該分野において公知の任意のパルスまたは変調照明源を含んでいてよい。例えば、駆動レーザー源104は、限定されないが、パルスレーザーを含むことができる。一実施形態において、駆動レーザー源104は、限定されないが、1つ以上の固体レーザーを含むことができる。例えば、駆動レーザー源104は、限定されないが、1つ以上のNd:YAG、Er:YAG、Yb:YAG、Ti:サファイア、Nd:バナジウム酸塩および同様のレーザーを含むことができる。別の実施形態において、駆動レーザー源104は、限定されないが、ガス放電レーザーを含むことができる。例えば、駆動レーザー源104は、限定されないが、1つ以上のエキシマーレーザーを含むことができる。別の実施形態において、駆動レーザー源104は、限定されないが、1μm未満の波長を有する光を放出することが可能である任意のレーザーシステムを含むことができる。
【0026】
別の実施形態において、駆動レーザー源104は、2つ以上のレーザーを含む。例えば、
図1に示すように、駆動レーザー源104は、第1レーザー122aおよび第2レーザー122bを含んでいてよい。別の実施形態において、第1レーザー122aは、放射線126aを放出し、第2レーザー122bは、放射線126bを放出する。別の実施形態において、放射線126aおよび126bは、ビーム組み合わせ器124を介して組み合わせビーム107に組み合わされる。別の実施形態において、ビーム組み合わせ器124は、ビーム調整、例えば、ビーム拡大または視準をさらに付与する。
【0027】
別の実施形態において、システム100は、ビーム診断ツール128を含む。例えば、ビーム診断ツール128は、ビーム組み合わせ器124からの出力を受信するように位置付けられていてよい。これに関連して、組み合わせビーム107は、ビーム診断ツール128を通してビーム組み合わせ器124によって放出される。一実施形態において、ビーム診断ツール128は、駆動レーザー源104によって発生するビーム107の1つ以上のレーザーパルスの1つ以上の特性を測定および/またはモニタリングする。これに関連して、ビーム診断ツール128は、ビーム107に関する情報、例えば、ビームの方向、時間特性、および質を取得することができる。別の実施形態において、ビーム診断ツール128は、制御システム114に通信可能に連結される。これに関連して、ビーム診断ツール128は、取得したビーム情報を制御システム114に伝送することができる。一実施形態において、制御システム114は、ビーム診断サブシステム128からの1つ以上のモニタリングされたパラメータを受信し、次いで、モニターのビームパラメータに応じてシステム100の1つ以上のパラメータを調整することができる。例えば、制御システム114は、駆動レーザー源の1つ以上のパラメータ、回転可能な円筒対称要素102の1つ以上のパラメータ、真空チャンバ101の1つ以上のパラメータ、集束光学系または集光系のセット1つ以上のパラメータおよびガス供給サブシステムの1つ以上のパラメータを調整することができる。別の実施形態において、制御システム114は、メモリにおいてビーム診断ツール128によって取得され、ならびに/またはシステム100および種々のサブシステム(例えば、駆動レーザー源104)を安全にモニタリングするのに用いられる、測定された情報を格納することができる。
【0028】
別の実施形態において、EUV源100は、集束光学系130のセットを含む。一実施形態において、1つ以上の集束光学系は、回転可能な円筒対称要素のプラズマ発生領域上に駆動レーザー源からの1つ以上のレーザーパルスを能動集束するように構成されている。一実施形態において、制御システム114は、1つ以上の集束光学系に通信可能に連結されており、駆動レーザー源104からの1つ以上のレーザーパルスの焦点を調整するように構成されている。例えば、制御システム114は、制御システム114によって受信された種々のモニタリングされたパラメータ(例えば、ビーム107の特性、EUV光の特性、円筒体107に対するレーザービーム107の位置、円筒体102の傾斜など)に応じて、駆動レーザー源104からの1つ以上のレーザーパルスを調整することができる。
【0029】
例えば、レーザービーム107は、制御システム114によって制御される並進および/または回転ステージによって調整され得る(例えば、X、YおよびZ方向ならびに傾斜において調整され得る)光学系130によって焦点に集束され得る。さらに、EUV源100は、中NAレンズ130による100μm未満の直径を有するスポットへのレーザービーム107の集束を付与して、軸方向コレクタの場合にはEUVコレクタに関して相当に小さな直径を維持しながら、光学系を保護する手段を付与することができる。このように、レーザーの波長は、回折限界焦点の上記基準を満たすために、約1μm以下であるように選択され得る。
【0030】
別の実施形態において、真空チャンバ101は、1つ以上の真空窓132を含む。例えば、レーザービーム107は、集束光学要素として働くこともできる真空窓132を通過する。本明細書において、EUV源100が、多重レーザーからの多重ビームを同じ焦点内で組み合わせるいくつかの入力窓を含み得ることに注意されたい。別の実施形態において、入力窓132は、レーザービーム経路において真空チャンバ内に設置されているペリクル(図示せず)によって、プラズマ119によって放出されるエネルギーストリームから保護され得る。
【0031】
図2A~2Cは、本開示の1つ以上の実施形態による、駆動レーザー源104の一連の波形を示す。一実施形態において、駆動レーザー源104によって発生する1つ以上のレーザーパルスは、プラズマ形成ターゲット材料の部分の励起を介してEUV光を発生させるのに十分な一連のレーザーパルスを含む。例えば、一連のレーザーパルスは、1つ以上の低エネルギーパルス、続いての1つ以上の高エネルギーパルスによる一連の等しくないレーザーパルスを含むことができる。本明細書において、単一のレーザーパルスセット内で強度を変動させることで、システム100のプラズマ発生プロセスに対する制御を付与しており、ここで、パルスのパラメータ、例えば、パルス間のエネルギー分布、パルス持続時間、および遅延が、システム100の最適な(または少なくとも適切な)性能のために調整され得ることに注意されたい。一実施形態において、
図2A~2Cに示すように、一連のレーザーパルスは、プラズマ形成ターゲット材料の部分の励起を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のプレパルス(例えば、202、212、222)および1つ以上のメインパルス(例えば、204、214、224)を含む。例えば、一連のレーザーパルスは、プラズマ形成ターゲット材料の部分を非熱的にアブレーションするのに十分な1つ以上のプレパルス(例えば、202、212、222)、およびプラズマ形成ターゲット材料の非熱的アブレーション部分の一部の励起を介してEUV光を発生させるのに十分な1つ以上のメインパルス(例えば、204、214、224)を含む。本開示の目的で、用語「プレパルス」は、主要なまたは「メインパルス」に先行し、「メイン」パルスよりも小さな強度を有する任意のパルスを意味する。本開示の目的で、用語「メインパルス」は、プラズマ形成材料をEUV光発生状態に励起するのに用いられ得る、全強度を有するパルスを意味する。
【0032】
一実施形態において、
図2Aに示すように、波形200は、プレパルス202およびメインパルス204を含む。これに関連して、プレパルス202は、メインパルス204の強度の何分の1かである強度を有する。別の実施形態において、
図2Bに示すように、波形210は、2つのプレパルス212およびメインパルス214を含む。これに関連して、両方のプレパルス212は、メインパルス214の強度の何分の1かである強度を有する。別の実施形態において、
図2Cに示すように、波形220は、単一のプレパルス222および2つのメインパルス224を含む。これに関連して、プレパルス222は、メインパルス224の強度の何分の1かである強度を有する。
【0033】
一実施形態において、ビーム107の1つ以上のレーザーパルスは、5~50nsの範囲の持続時間を有するパルスの列を含むことができる。別の実施形態において、駆動レーザー源104によって出力されるビーム107の合計平均出力は、1~10kWの範囲であり得る。別の実施形態において、多重レーザーの出力の組み合わせは、多重レーザーを同期トリガすることを含むことができる。このことは、同じ繰り返し率を有する多重レーザーを用いることによってまたは連続トリガを介して達成され得、これにより、多重レーザーが、等間隔で1つずつトリガされる。一実施形態において、(多重レーザーの組み合わせ後の)駆動レーザー源104のレーザーパルスの全体の繰り返し率は、1~50kHzの範囲であってよい。
【0034】
例として、プレパルスは、1ns未満である持続時間を有することにより、EUV発生に必要とされる、ターゲットからアブレーションされてメインパルスに暴露される材料の量を結果として最小にすることができる。例えば、1つ以上のプレパルスレーザーパルスは、回転可能な円筒対称要素102の表面に設けられたXeの非熱的アブレーションを容易にするpsまたはfsのレーザーパルスの形態で送達され得る。これに関連して、プレパルスは、Xe氷層に最小の熱負荷を付与し、これにより、Xeの蒸発を最小にし、回転可能な円筒対称要素102から蒸発または昇華されたXeガスによる放出されたEUV放射線の再吸収に起因してXeプラズマの輝度を低減させる。
【0035】
図1を再び参照すると、一実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、軸の周囲の回転に好適である。一実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、
図1に示すように、円筒体を含む。他の実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、当該分野における任意の円筒対称形状を含む。例えば、回転可能な円筒対称要素102は、限定されないが、円筒体、錐体、球体、楕円体などを含むことができる。さらに、円筒対称要素102は、2つ以上の形状からなる複合形状を含むことができる。本明細書において、記載の便宜上の目的で、システム100および関連する実施形態を、
図1に示すように回転可能なまたは回転性円筒体102に関連して説明しているが、このことは、本発明の限定として解釈されるべきでないことに注意されたい。
【0036】
別の実施形態において、回転可能な円筒体102は、プラズマ形成ターゲット材料103で少なくとも部分的にコーティングされている。プラズマ形成ターゲット材料103は、照明源によって励起されたときにプラズマを発生させる当該分野において公知の任意の材料を含むことができる。例えば、ターゲット材料103は、限定されないが、キセノンを含むことができる。別の実施形態において、ターゲット材料103は、回転可能な円筒体102の表面に設けられた固体材料を含むことができる。例えば、ターゲット材料103は、限定されないが、回転可能な円筒体102の表面上で凍結したキセノンを含むことができる。
【0037】
一実施形態において、真空チャンバ101は、EUV光源として働くプラズマが発生し、得られたEUV光が収集かつ集束される低圧容器である。EUV光が、ガスによって強く吸収されるため、真空チャンバ101内での圧力の低減が、光源内でのEUV光の減衰を低減させる働きをする。
【0038】
一実施形態において、ガス管理システム112のガス供給サブシステム116は、真空チャンバ101内で回転可能な円筒体102の表面に選択された材料103を供給することができる。例えば、ガス供給サブシステム116は、ノズル111を介して回転可能な円筒体102の表面に選択された材料103を供給することができる。一実施形態において、ガス供給サブシステム116は、円筒体102の表面上に該円筒体が回転するに従いガス、液体ストリームまたはスプレーを方向付けることができ、選択された材料の凝固点未満の温度に維持される。例えば、選択された材料として、限定されないが、キセノンおよび同様の材料を挙げることができる。例えば、回転可能な円筒体102は、キセノンの凝固点(例えば、-111.8℃)未満に冷却され得る。次いで、キセノンが、回転可能な円筒体102の表面に適用されて、回転可能な円筒体102の表面上で該円筒体が回転するに従いキセノンを凍結させ、これにより、円筒体102の外面上に固体キセノン層を形成することができる。一実施形態において、回転可能な円筒体102は、クーラント材料を含有するための内部リザーバを含むことができる。例えば、キセノンの場合、回転可能な円筒体102は、適用されたキセノンをキセノンの凝固点未満に冷却するのに用いられるある体積の液体窒素を保持する内部リザーバを含むことができる。
【0039】
別の実施形態において、システム100は、円筒体102におけるプラズマ形成材料層の質を改良するのに用いられる機構を含むことができる。一実施形態において、システム100は、円筒体102の表面に均一なプラズマ形成材料層を形成する(または維持する)のを補助するのに適した、円筒体102の外側に位置する熱的デバイスおよび/または機械的デバイスを含むことができる。例えば、キセノンの場合、システム100は、限定されないが、円筒体102の表面に形成されるキセノン氷層の密度を平滑化または制御するように配置されている加熱要素を含むことができる。別の例として、キセノンの場合、システム100は、限定されないが、円筒体102の表面に形成されるキセノン氷層の密度を平滑化および/または制御するように配置されているブレードデバイスを含むことができる。
【0040】
別の実施形態において、ガス供給サブシステム116は、円筒体102の1つ以上の部分を「再」コーティングし、続いて駆動レーザー源104からのビーム107に暴露する働きもすることができる。
【0041】
別の実施形態において、ガス供給システム116は、1つ以上の緩衝ガスを真空チャンバ101内に供給する。例えば、ガス供給システム116は、真空チャンバに対して、当該分野で公知の任意の緩衝ガス、例えば、限定されないが、水素、ヘリウム、アルゴン、または他の不活性ガスを供給することができる。緩衝ガスは、内部集束モジュール142の動的ガスロック機能を保護する働きもする。
【0042】
別の実施形態において、ガス管理システム112は、プラズマ形成材料リサイクルサブシステム118を含む。一実施形態において、材料リサイクルシステム118は、真空チャンバ101からのプラズマ形成材料(例えば、キセノン)を回収して、ガス供給システム116に再供給する。
【0043】
別の実施形態において、真空チャンバ101は、真空チャンバ101の低圧環境を確立かつ維持するのに好適な真空システム120を含む。例えば、真空システム120は、乾燥ポンプユニットが裏打ちされ、揮発性ガス、例えば、H2の安全な利用のための排気システム(図示せず)を備えた、1つ以上の真空ポンプ、例えば、限定されないが、ターボポンプおよび/またはルーツポンプを含むことができる。
【0044】
別の実施形態において、システム100は、少なくとも1つの作動デバイス110を含む。一実施形態において、作動デバイス110は、回転可能な円筒体102を作動するように構成されている。一実施形態において、作動デバイス110は、回転可能な円筒体102の軸方向位置を制御するように構成されている。例えば、作動デバイス110は、駆動レーザー源104からのビーム107に対して軸方向113に沿って回転可能な円筒体102を並進させるように構成されている線形アクチュエータ(例えば、線形並進ステージ)を含む。別の実施形態において、作動デバイス110は、回転可能な円筒体102の回転状態を制御するように構成されている。例えば、作動デバイス110は、ビーム107が選択された軸方向位置で円筒体102の表面に沿って横断するように、回転方向117に沿って回転可能な円筒体102を選択された回転速度で回転させるように構成されている回転アクチュエータ(例えば、回転ステージ)を含むことができる。別の実施形態において、作動デバイス110は、回転可能な円筒体102の傾斜を制御するように構成されている。例えば、作動デバイス110の傾斜機構は、プラズマ位置119を集光系106の第1焦点と整列させるために円筒体102の傾斜を調整するのに用いられ得る。
【0045】
別の実施形態において、回転可能な円筒体102は、軸115を介して作動デバイス110に連結されていてよい。本明細書において、本発明が、本明細書において先に記載されているように、作動デバイス110に限定されないことを認識されたい。このように、先に提供した詳細な説明は、単に説明的であると解釈されるべきである。例えば、駆動源104は、円筒体102に対してのビーム107の並進を付与する作動ステージ(図示せず)に設けられていてよい。別の例において、ビーム107を種々の光学要素によって制御して、ビームに所望により円筒体102の表面を横断させることができる。円筒体102、駆動源104およびビーム107の制御の任意の組み合わせが、本発明によって必要とされる円筒体102を横切ってビーム107を横断させるのに用いられ得ることをさらに認識されたい。
【0046】
別の実施形態において、作動デバイス110および/または駆動レーザー源104は、制御システム114に通信可能に連結されている。一実施形態において、制御システム114は、駆動レーザー源104に対して軸方向113に沿って回転可能な円筒体102の作動を制御する。別の実施形態において、制御システム114は、駆動レーザー源104(例えば、パルスタイミング、方向など)を制御する。これに関連して、制御システム114は、本開示に記載の任意の方法で、円筒体が回転するに従い作動デバイス110および円筒体102を方向付けて、円筒体の表面を横切ってパルス状の照明107を追跡することができる。
【0047】
図3は、本開示の一実施形態による、パルス状の並進プロセスに関連した追跡経路の概念図を示す。一実施形態において、制御システム114は、作動デバイス110を方向付けて、駆動レーザー源104に対して回転性円筒体102を繰り返し軸方向に作動させ、パルス状の軸方向の並進プロセスを実施するようにすることができる。これに関連して、制御システム114は、作動デバイス110を方向付けて、回転可能な円筒対称要素102の第1軸方向位置301で駆動レーザー源104を整列させることができる。次いで、作動デバイス110は、回転可能な円筒対称要素を回転させて、駆動レーザー源104のビーム107(1つ以上のレーザーパルスを含む)に、第1軸方向位置301に沿って、回転可能な円筒対称要素102の外周を横断させることができる。第1軸方向位置301において駆動レーザー源104によって追跡される経路は、実線302によって描かれている。次いで、制御システム114は、作動デバイス110を方向付け、駆動レーザー源に対して、回転可能な円筒対称要素102を軸方向に並進させて、回転可能な円筒対称要素102の第2軸方向位置303で駆動レーザー源を整列させることができる。次に、作動デバイス110は、回転可能な円筒対称要素102を回転させて、駆動レーザー源のビーム107に、第2軸方向位置303に沿って、回転可能な円筒対称要素102の外周を横断させることができる。第2軸方向位置303において駆動レーザー源104によって追跡される経路は、実線304によって描かれている。これに関連して、制御システム114は、作動デバイス110を方向付けて、一連のNのパルス状の並進を実行し、ビーム107が、Nの軸方向位置のそれぞれにおいて、回転可能な円筒対称要素102の外周を横断することを可能にすることができる。
【0048】
別の実施形態において、パルス状の並進プロセスは、
図3における下向きの矢印によって示されている、回転可能な円筒対称要素102の「下降ストローク」の際の一連の軸方向位置(例えば、301、303など)におけるビーム107の整列を含むことができる。例えば、
図3に示すように、実線は、(
図3に示さない)ビーム107に対して要素102の「下向きの」パルス状の軸方向並進によって形成される、Nの軸方向位置のそれぞれにおけるビーム経路107を示す。
【0049】
別の実施形態において、パルス状の並進プロセスは、
図3における上向きの矢印によって示されている、回転可能な円筒対称要素102の「上昇ストローク」の際の一連の軸方向位置(例えば、305および307)におけるビーム107の整列を含むことができる。例えば、
図3に示すように、点線(例えば、306および308)は、ビーム107に対して要素102の「上向きの」パルス状の軸方向並進によって形成される、Mの軸方向位置のそれぞれにおけるビーム107によって追跡される経路を示す。
【0050】
別の実施形態において、制御システム114は、作動デバイス110を方向付けて、回転可能な円筒対称要素102の上昇ストロークの軸方向位置に対して、回転可能な円筒対称要素102の下降ストロークの軸方向位置をオフセットすることができる。これに関連して、回転可能な円筒対称要素102の下降ストロークの際に実施されるビーム107の追跡は、
図3に示すように、回転可能な円筒対称要素102の上昇ストロークの際に実施されるビーム107の追跡と交錯する。記載の便宜上の目的で、単一の下降ストローク(下向きの矢印)に関する追跡(例えば、302、304など)および単一の上昇ストローク(上向きの矢印)に関する追跡(例えば、306、308など)を
図3に示す。本明細書において、本発明が、単一の下降ストロークおよび単一の上昇ストロークに限定されないことに注意されたい。本明細書において、任意の数の上昇および下降ストロークが、作動デバイス110を介した下向きかつ上向き軸方向並進間の繰り返される反転によって光源100によって実施され得ることを認識されたい。さらに、本明細書において、一連のストロークの各ストローク(下降または上昇)に関連する軸方向位置は、回転可能な円筒対称要素102の表面に沿ったビーム107の各追跡が「新規の」または「新たな」プラズマ形成材料を横断するようにオフセットされていてよいことを認識されたい。これに関連して、上昇ストローク(例えば、306、308など)に関連する追跡は、限定されないが、
図3の円筒体102の表面を横断する交錯した点線または実線によって示されているように、下降ストローク(例えば、302、304など)に関連する追跡と交錯していてよい。
【0051】
本明細書において、本明細書に記載のパルス状の軸方向並進スキームは、回転可能な円筒対称要素102の表面全体を横切ってプラズマ形成材料層(例えば、固体Xe層)のより均一なEUV放出の補充を付与することができることを認識されたい。例として、並進パルスの際の回転可能な円筒対称要素102の軸速度は、1m/s~50m/sの範囲である(例えば、10m/s)。さらに、パルス並進速度は、回転可能な円筒対称要素102の回転速度(例えば、20Hz未満)と相関している。
【0052】
別の実施形態において、制御システム114は、作動デバイス110を方向付けて、駆動レーザー源104に対して回転する冷却円筒体102を軸方向に作動させ、これにより、駆動レーザー源104のビーム107に、連続またはほぼ連続の並進プロセスで回転可能な円筒対称要素102の表面にらせん状パターンを描かせるようにすることができる。連続の並進プロセスは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年6月19日に提出された、Haleらの米国特許出願第14/309,393号に記載されている。
【0053】
別の実施形態において、ガス供給サブシステム116は、回転可能な円筒体の部分をプラズマ形成材料103で再コーティングするように構成されている。一実施形態において、ガス供給サブシステム116は、回転可能な円筒体102の予め照射された部分をプラズマ形成材料103で再コーティングするように構成されている。例えば、ガス供給サブシステム116は、照明105によって予め「攻撃」されたスポットを、プラズマ形成材料、例えば、限定されないが、キセノンで再コーティングすることができる。さらに、円筒体102の長さおよび円筒体102の軸速度は、プラズマ形成材料(例えば、キセノン)に、次の照明の暴露の前に円筒体102上で固体化するのに十分な時間を付与するように選択され得る。
【0054】
図4Aおよび4Bは、本発明の1つ以上の実施形態による、質量制限プラズマ形成材料ターゲットを有する回転可能な円筒対称要素102の断面図を示す。一実施形態において、
図4Aおよび4Bに示すように、多重の質量制限ターゲット(例えば、404または406)は、回転可能な円筒対称要素102の表面内に埋め込まれている。これに関連して、各質量制限ターゲットは、回転可能な円筒対称要素102の表面における「ピット」内でのプラズマ形成固体(例えば、Xe氷)の形成によって形成される。別の実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、所与のプラズマ形成材料を凍結させ、該材料を凍結状態に維持する働きをする低温液体408(例えば、液体窒素)で満たされている。
【0055】
別の実施形態において、質量制限ターゲットは、ビーム107による追跡対象の1つ以上の経路に沿って回転可能な円筒対称要素102の表面内に埋め込まれていてよい。これに関連して、制御システム114は、ビーム107が回転可能な円筒対称要素102の表面を横切ってビーム107の所与の経路(例えば、パルス状の並進プロセスによって画定されるらせん状経路)に沿って質量制限ターゲットから質量制限ターゲットに移動するように作動デバイス110および/または駆動レーザー源104を方向付けることができる。
【0056】
本明細書において、回転可能な円筒対称要素102の表面のピット内に設けられている質量制限ターゲットの実装が、隣接する質量制限ターゲット(例えば、Xeターゲット)間に熱障壁を付与する働きをすることができることを認識されたい。このように、回転可能な円筒対称要素102の表面のピット内に設けられている質量制限ターゲットの使用は、プラズマ形成材料の過剰な蒸発(例えば、固体Xe層の場合にはXeガスの形成)に一般的につながるスポットからスポットへの熱拡散の低減を補助することができる。
【0057】
一実施形態において、
図4Aに示すように、多重の錐体形状の質量制限ターゲット404は、回転可能な円筒対称要素102の表面内に埋め込まれている。別の実施形態において、
図4Bに示すように、多重の台形状の質量制限ターゲット404は、回転可能な円筒対称要素102の表面内に埋め込まれている。本明細書において、
図4Bに示すように薄肉の底部の台形状の質量制限ターゲットは、ピット内での材料(例えば、Xe)の凍結を介して底部から上部への形成を促進することができることに注意されたい。
【0058】
別の実施形態において、示していないが、質量制限ターゲットは、回転可能な円筒対称要素102の表面内に埋め込まれかつ軸方向に沿って離間しているプラズマ形成材料のリングからなることができる。本明細書において、かかるリング構造は、軸方向に沿ったプラズマ形成材料の蒸発の低減も付与しながら、要素102の周りでの1回転の際に連続するEUV光発生を付与することができることに注意されたい。
【0059】
本明細書において、本発明は、錐体-および台形状の質量制限ターゲットに限定されないことにさらに注意されたい。本明細書において、質量制限ターゲットは、当該分野において公知の任意の幾何学形状(または幾何学形状の部分)、例えば、限定されないが、錐体、台形、ピラミッド、円筒体、楕円体、球体、リングなどの形状をとることができることを認識されたい。
【0060】
別の実施形態において、回転可能な円筒対称要素102の表面は、高反射性コーティング407(例えば、高反射IRコーティング)でコーティングされて、回転可能な円筒対称要素102への熱負荷を最小にすることができる。例えば、反射性層407は、ビーム107によって、回転可能な円筒対称要素102の非プラズマ形成部分による加熱を低減する働きをすることができる。反射性コーティング407として、限定されないが、金属コーティング(例えば、Cu、Ag、Au、Mo、Ptなど)または多層誘電体コーティングを挙げることができる。本明細書において、高いレーザー閾値を有する特有のコーティングが、回転可能な円筒対称要素102の表面変性および/またはアブレーションの防止を補助することにより、システム寿命を増大させることができることをさらに認識されたい。
【0061】
別の実施形態において、
図4Aおよび4Bに示すように、質量制限ターゲットは、ビーム107に関連するビームウエストよりも大きく構造化されていてよい。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態による、反射性表面を有する回転可能な円筒対称要素102の断面図を示す。一実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、所与のプラズマ形成材料の三重点未満の温度を有する要素102内に、高い熱伝導率(例えば、Cu壁)を有する金属壁504、および低温流体408(例えば、液体窒素)を有する。本明細書において、レーザー放射線107が、固体プラズマ形成層502(例えば、凍結Xe層)を部分的に透過して、回転可能な円筒対称要素102の表面の劣化を引き起こし得ることを認識されたい。本明細書において、高反射性表面506は、プラズマ形成層502を透過する放射線を反射することによって円筒対称要素102の表面劣化の防止を補助することにより、システム寿命を増大させることができることをさらに認識されたい。
【0063】
一実施形態において、高反射性表面506は、回転可能な円筒対称要素102の表面の研磨を介して得られる。例えば、回転可能な円筒対称要素102は、高導電性材料(例えば、Cu、Ag、Au、Mo、Ptなど)から形成され、次いで研磨されて、高反射性表面を得ることができる。
【0064】
別の実施形態において、高反射性表面506は、回転可能な円筒対称要素102上に金属層を堆積させ、次いで堆積層の表面を研磨することによって得られる。例えば、層は、金属、例えば、限定されないが、Cu、Ag、Au、Mo、Ptなどから形成され、次いで研磨されて高反射性表面を得ることができる。
【0065】
別の実施形態において、高反射性表面506は、回転可能な円筒対称要素102を誘電体多層でコーティングすることによって得られる。例えば、誘電体コーティングは、プラズマ形成層502の屈折率と一致する屈折率を有する多層コーティングを含むことができる。
【0066】
本明細書において、本明細書に記載の反射性表面および/またはコーティングは、回転可能な円筒対称要素102の任意の構成と組み合わせて実装されてよく、
図4A、4Bおよび5に示す構成に限定されないことを認識されたい。
【0067】
別の実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、駆動レーザー源104からのビーム107に実質的に透明であってよい。例えば、回転可能な円筒対称要素102は、高導電性であるが透明の材料、例えば、限定されないが、サファイア(例えば、合成サファイア)から形成されていてよい。
【0068】
本明細書において、レーザービーム107からの放射線が金属製の回転可能な円筒対称要素102の外面によって該要素102における所与のスポットで吸収されるに従い、スポットが、損傷することとなり、多数の高エネルギー粒子を要素107から外側に放出する場合があることを認識されたい。これらの粒子は、光学系のすぐ近くで損傷する場合がある。また、円筒対称要素102自体が、経時的に蓄積する損傷を受け、要素102を最終的に使用不可能にする。例えば、キセノンプラズマおよび銅またはステンレス鋼円筒体102の場合、既存の銅またはステンレス鋼要素が、高出力パルスレーザービーム107に暴露されることがある。レーザー放射線107の部分は、(本開示を通して議論されているように)キセノンによって吸収されてキセノンプラズマを発生させることに注意されたい。しかし、レーザーエネルギーのいくらかは、キセノンを通って伝送されて、銅またはステンレス鋼基材によって吸収される。その結果、高強度レーザービーム107は、回転可能な円筒対称要素102の損傷を引き起こすことがあり、ひいては、真空チャンバ101において粒子を放出することがある。また、回転可能な円筒対称要素102の壁によって吸収される熱は、回転可能な円筒対称要素102内の内部低温流体(例えば、液体窒素)に壁を通って伝達され得る。
【0069】
本明細書において、駆動レーザー104からの放射線107に対して見かけ上は透明である壁を有する回転可能な円筒対称要素102の使用は、プラズマ119の生成に用いられない光が、回転可能な円筒対称要素102の壁を通って伝達されて低温流体(例えば、液体窒素)によって直接吸収されることを可能にすることを認識されたい。このように、透明壁を通って伝達されない少量の光だけによって、壁の潜在的な損傷をもたらすことがある。
【0070】
一実施形態において、回転可能な円筒対称要素102は、サファイア円筒体を含むことができる。本明細書において、サファイアは、硬質の結晶性材料であり、所与の吸収エネルギー量で金属よりも少ない損傷を一般に経験することに注意されたい。駆動レーザー源104は、サファイアが駆動レーザー波長(例えば、1μm)に対して概して透明であるように選択され得るため、回転可能な円筒対称要素102によって吸収される出力が少ないことにさらに注意されたい。また、サファイアは、低温(例えば、液体窒素温度)で高い熱伝導率を示すため、サファイア壁によって吸収される任意のレーザー出力が、回転可能な円筒対称要素102の中心内で低温流体に迅速に伝達される(例えば、
図4A、4Bおよび5における408を参照されたい)。
【0071】
別の実施形態において、サファイア系の回転可能な円筒対称要素は、他の界面に取り付けるための上部および底部におけるステンレス鋼端板(図示せず)に接続され得る。別の実施形態において、要素102が室温から低温(例えば、液体窒素温度)に、かつその逆で循環するときのサファイア(または同様の材料)とステンレス鋼(または同様の材料)との間の熱膨張の差に対応するために、薄い可撓性材料(例えば、Kovar)の遷移スリーブ(図示せず)が実装されていてよい。別の実施形態において、可撓性材料のスリーブをサファイアに付着させるために、まず、サファイアの端部が、材料、例えば、限定されないが、モリブデン-タングステンおよび同様の材料の薄層によって金属化される。別の実施形態において、次いで、可撓性材料リングが、サファイア要素の両端部において金属化された部分にロウ付けされてよい。別の実施形態において、ロウ付け操作が完了した後、ステンレス鋼フランジが、タングステン不活性ガス(TIG)プロセス、電子ビーム、またはレーザーのうち少なくとも1つを用いて可撓性材料のスリーブに溶接される。
【0072】
本明細書において、透明回転可能な円筒対称要素102がサファイアに限定されないことを認識されたい。利用される放射線を伝達し、かつプラズマ生成を支持するのに好適な当該分野において公知の任意の透明の結晶性材料が本発明において用いられ得る。
【0073】
例えば、合理的に高い熱伝導率を有するが同時にレーザー放射線107に対して透明である任意の材料が、回転可能な円筒対称要素102を構築するのに用いられてよい。例えば、回転可能な円筒対称要素102は、ダイヤモンドから形成されていてよい。
【0074】
別の実施形態において、透明材料は、透明材料の結晶構造を有する1つ以上のドーパント材料を含むことができる。例えば、サファイア円筒体要素102の場合、サファイアは、その結晶構造内の種々のドーパントによって成長し得る。例えば、これらのドーパントとして、限定されないが、クロム(サファイアよりもむしろルビーを作り出す)、マグネシウム、イットリウムまたはバナジウムを挙げることができる。本明細書において、これらのドーパントは、成長試験の際に見られる酸化アルミニウム粒子が、サファイアドラムに由来するのか、または、そうではなくて、光源100に見られる種々の裸アルミニウム表面の1つに由来するのかのいずれであるかを判断するための追跡用要素として作用することができることにさらに注意されたい。これらの裸アルミニウム表面は、その製造および設置の際にある程度まで酸化する傾向があるため、作り出される対応する粒子が、サファイア円筒体が構成される酸化アルミニウムと化学的に同一であり得る酸化アルミニウムからなる傾向があることに注意されたい。
【0075】
別の実施形態において、
図5にも示すように、回転可能な円筒対称要素102の外面に対するプラズマ形成材料502の接着は、回転可能な円筒対称要素102の壁504における多重接着構造508の形成によって改良される。例えば、
図5に示すように、接着構造は、円筒形状の接着構造、または「くぼみ」を含むことができる。本明細書において、接着構造508は、当該分野において公知の任意の幾何学形状(または幾何学形状の部分)、例えば、限定されないが、錐体、台形、ピラミッド、円筒体、楕円体、球体、リングなどの形状をとることができることを認識されたい。
【0076】
別の実施形態において、システム100は、円筒体102におけるプラズマ形成領域から発せられるプラズマ系照明を収集するように配置された集光系106のセットを含む。例えば、EUV光が駆動レーザー源104によって励起されたプラズマによって発生した後、次いで、光が、コレクタ106によって収集され得る。例えば、コレクタ106として、当該分野において公知の任意のコレクタを挙げることができる。例えば、コレクタ106として、EUV光に適合する、当該分野において公知の任意のコレクタが挙げられる。別の実施形態において、集光系106は、1つ以上の下流の光学要素に、回転可能な円筒対称要素102から発せられる照明を方向付けるおよび/または集束させることができる。別の実施形態において、集光系106は、
図1に示すように、中間焦点108に、回転可能な円筒対称要素102から発せられる照明を集束させるように構成されていてよい。本明細書において、集光系106のセット(「コレクタ」と称することがある)は、プラズマ119と中間焦点108との間に配置された1つ以上のミラーを含んでいてよいことに注意されたい。
【0077】
一実施形態において、プラズマ119は、集光系106の第1焦点にも一致するビーム107の焦点に対応する位置で発生する。例えば、集光系106は、2つの焦点を有する長球の軸外セグメントを含むことができる。一実施形態において、集光系106は、EUV反射に好適な多層ミラー(例えば、Mo/SiまたはNbC/Si)でコーティングされた高品質の研磨表面を含むことができる。別の実施形態において、プラズマ119から放出されたEUV放射線は、集光系106によって反射され(例えば、端線134aおよび134bを参照されたい)、第2焦点108、または「中間焦点」に集束される。本明細書において、軸外コレクタの、回転可能な円筒対称要素102への使用が、回転可能な円筒対称要素102による反射ビームの掩蔽を最小にすることに注意されたい。次に、回転可能な円筒対称要素102の表面におけるプラズマ形成材料が、熱負荷の低減を経ることにより、プラズマ形成材料、例えば、キセノンの蒸発が低減される。
【0078】
別の実施形態において、集光系106は、本明細書においてさらにより詳細に記載されているように、1つ以上の冷却ミラーデバイス(
図8における冷却ミラーデバイス800を参照されたい)を含むことができる。
【0079】
別の実施形態において、システム100は、システム100のEUV発生サブシステムと、本明細書においてさらにより詳細に記載されている、EUV源としてシステム100を実装する光学システム(例えば、検査システム、計測システムなど)の投影光学系との間の分離を付与するのに好適な界面(IF)モジュール142を含む。これに関連して、焦点108におけるEUVビームの集束は、所与の光学システムの投影光学系との界面142を配置することを可能にし、これにより、システム100によって発生する可能性のあるデブリおよび汚染物質からの保護を付与することができる。
【0080】
別の実施形態において、EUV源100は、発生したEUV光の1つ以上の特性をモニタリングするように構成されている1つ以上のEUV診断ツール136、138および140を含む。別の実施形態において、1つ以上のEUV診断ツール136、138および140は、制御システム114に通信可能に連結される。これに関連して、制御システム114は、EUV診断ツール136、138および140からの1つ以上のモニタリングされたパラメータを受信することができる。別の実施形態において、制御システム114は、EUV診断ツール136、138および140からの1つ以上のモニタリングされたパラメータに応じて回転可能な円筒対称要素102における少なくとも1つのプラズマ119の位置を調整するようにさらに構成されている。例えば、制御システム114は、レーザービーム107に対する回転可能な円筒対称要素102の軸方向の回転および/または傾斜作動状態を(作動デバイス110によって)制御することによって回転可能な円筒対称要素102におけるプラズマ119の位置を調整することができる。別の例によると、制御システム114は、回転可能な円筒対称要素102の表面に対するビーム位置を(能動光学要素130を介して)制御する(例えば、誘導する)ことによって回転可能な円筒対称要素102におけるプラズマ119の位置を調整することができる。別の実施形態において、制御システム114は、EUV診断ツール136、138および140からの1つ以上のモニタリングされたパラメータに応じて駆動レーザー源104の出力レベルを調整するようにさらに構成されている。別の実施形態において、制御システム114は、EUV診断ツール136、138および140からの1つ以上のモニタリングされたパラメータに応じて集光系106の第1焦点を調整するようにさらに構成されている。
【0081】
一実施形態において、1つ以上のEUV診断ツール(例えば、ツール136)は、光学および/またはEUVプラズマ画像ツールを含むことができる。別の実施形態において、1つ以上のEUV診断ツール(例えば、ツール138)は、プラズマ119によって放出されるEUV出力の測定のための1つ以上のEUV出力計を含むことができる。本明細書において、光源100は、プラズマ系EUV光生成に関連する1つ以上のパラメータをモニタリングするのに好適な当該分野において公知の任意の診断ツールを使用することができることを認識されたい。例えば、1つ以上のEUV診断ツール(例えば、ツール140)は、ガスモニタリングデバイス(例えば、残存ガス分析器)、温度モニター、圧力モニターおよび/または放射線モニターをさらに含むことができる。
【0082】
図6は、本発明の1つ以上の実施形態による、1つ以上の低温ペイン602a、602bおよび/または602cを備えたEUV源100のブロック図を示す。本明細書において、高速の中性子、イオンおよび/またはフラグメントとしての形態のプラズマ形成材料(例えば、Xeデブリ)からのデブリは、金属プラズマ材料をスパッタリングすることにより二次的な金属デブリを生じさせ得ることに注意されたい。さらに、真空チャンバ101内の種々の光学要素(例えば、集光要素106、レーザー集束光学系など)における金属デブリの凝縮は、システム寿命を大幅に制限し得る。本明細書において、1つ以上の低温パネル602a、602bおよび/または602cの実装は、真空チャンバ101内の集光要素106および他の光学要素の劣化を防止または少なくとも低減することができることを認識されたい。一実施形態において、1つ以上の低温パネル602a、602bおよび/または602cは、真空チャンバ101内に設置されて、プラズマ形成デブリ(例えば、Xeデブリ)が真空チャンバ101内の多重の金属表面のいずれか1つに衝突するのを制限する。一実施形態において、1つ以上の低温パネル602a、602bおよび/または602cは、1つ以上のパネル構造を含み、該構造は、その表面に予め設けられたプラズマ形成材料(例えば、Xe)の薄層(例えば、1~10μm)を有する。
【0083】
別の実施形態において、光源100は、温度管理システム144を含む。別の実施形態において、制御システム114は、温度制御システム144に通信可能に連結されて、光源100を通して配置されている種々の温度測定デバイス(図示せず)を介して得られる1つ以上の温度読み取り値に応じて光源100の温度を制御するように構成されている。一実施形態において、温度管理システム144は、真空チャンバ101の温度を制御するためのウォータージャケットを含むことができる。別の実施形態において、温度管理システム144は、システム118を介して、回転可能な円筒対称要素102の温度および/またはプラズマ形成リサイクルプロセスを制御するための低温システムを含むことができる。
【0084】
別の実施形態において、1つ以上の制御システム114は、EUV源100の種々のサブシステムおよび測定デバイスのいずれか1つからデータ取得するように構成されている。別の実施形態において、制御システム114は、メモリ(図示せず)に全ての受信データを格納または記録することができる。別の実施形態において、種々のサブシステムからの1つ以上の信号に基づいて、制御システム114は、1つ以上のサブシステム(例えば、集束要素130、作動デバイス110、駆動源104、ガス管理システム112、真空システム120、温度管理システム144など)の1つ以上の状況または状態をひいては制御または調整することができる。別の実施形態において、制御システム114は、EUV源100を実装する検査システム(例えば、以下の検査システム700および1200を参照されたい)のメイン制御システムに通信可能に連結されていてよい。
【0085】
図7は、本発明の一実施形態による、プラズマ系照明源100を組み込んだ検査システム700のブロック図を示す。一実施形態において、システム700は、照明サブシステム702を含む。一実施形態において、照明サブシステム702は、本開示を通して記載されているEUV光源100を組み込んでいる。別の実施形態において、
図7に示していないが、システム700は、照明器光学系のセットを含む。一実施形態において、照明器光学系は、試料ステージ706に置かれた1つ以上の試料704にEUV光源100から発せられる照明109を方向付けることができる。例えば、1つ以上の試料704として、限定されないが、ウェハ(例えば、半導体ウェハ)を挙げることができる。別の例によると、1つ以上の試料704として、限定されないが、レチクルを挙げることができる。別の実施形態において、システム700は、1つ以上の検出器710を含む。別の実施形態において、システム700は、試料704から散乱され、反射されまたは他の場合には発せられる光を収集し、該光を1つ以上の検出器(例えば、CCD、TDI-CCD、PMTなど)に方向付けるのに好適な投影光学系709のセットを含む。別の実施形態において、システム700は、検出器710からの測定結果を受信および/または分析するための制御システム712を含む。
【0086】
一実施形態において、検査システム700は、ウェハ検査システムまたはレチクル検査システムとして構成されている。これに関連して、検査システム700は、EUVスペクトル範囲で操作するのに好適な当該分野において公知の任意のウェハまたはレチクル検査の光学アーキテクチャを含んでいてよい。検査システム700は、EUVマスクブランク検査システムとして構成されていてよいことをさらに認識されたい。EUV系マスクブランク検査は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年4月29日に発行された、Stokowskiへの米国特許第8,711,346号に記載されている。EUV系マスクブランク検査は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年3月12日に提出された、Xiongらの米国特許出願第13/417,982号に概して記載されている。EUV系レチクル検査は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2013年5月30日に提出された、Nasser-Ghodsiらの米国特許出願第13/905,449号に概して記載されている。
【0087】
別の実施形態において、示していないが、本発明を通して記載されているEUV光源100は、EUVリソグラフィシステム内に実装されていてよい。一実施形態において、光学リソグラフィシステム(図示せず)は、EUV光源100からの出力光をEUV適合リソグラフィマスク(例えば、EUV反射性マスク)に方向付けるように構成されている照明器光学系のセットを含むことができる。別の実施形態において、リソグラフィシステムは、マスクから反射された照明を受け、マスクから反射された照明をウェハステージに設けられた1つ以上のウェハに方向付けるように構成されている投影光学系のセットを含む。光学リソグラフィシステムとして、当該分野において公知の任意のEUVリソグラフィシステムを挙げることができる。EUV系リソグラフィは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年3月13日に提出された、Wangの米国特許出願第13/419,042号に概して記載されている。
【0088】
図8A~11は、本開示の1つ以上の実施形態による、冷却ミラーデバイス800の概略図を示す。EUV源における集光ミラーにおいて観察されるように、ミラーは、所与のミラーを横切って必ずしも均一に分布されない相当量のエネルギーに暴露される場合が多い。この不均一さは、多くの場合、必ずではないが、ミラーの中心の周りに軸対称であって、空間熱分布が時間の関数として比較的安定である。冷却ミラーデバイス800は、真空または低圧環境において光学要素(例えば、ミラー)の温度を制御するのに利用され得る。本明細書においてさらに議論されているように、温度制御は、光学要素(例えば、ミラー)と対応する熱制御デバイスとの間の機械的接触を必要とすることなく、冷却ミラーデバイス800によって達成され、該要素が、他の利点の中でも、少ない振動および/または圧力リップルで操作することを可能にする。
【0089】
一実施形態において、冷却ミラーデバイス800は、本明細書において先に記載されているEUV光源100および/またはEUV系光学システム700内に実装されていてよい。本明細書において、冷却ミラーデバイス800が、EUV光源100およびEUV系光学システム700の関連内で記載されているが、冷却ミラーデバイス800は、これらの光学環境に限定されないことに注意されたい。本明細書において、本開示を通して記載されている冷却ミラーデバイス800が、1つ以上のミラー状表面の冷却を必要とする任意の光学システム(例えば、集光系、照明器光学系、投影光学系、集束光学系など)内に実装されていてよいことを認識されたい。さらに、冷却ミラーデバイス800は、当該分野において公知の任意の光学範囲内に実装されていてよい。冷却ミラーデバイス800が、EUV光の関連で記載されているが、本明細書において、冷却ミラーデバイス800は、限定されないが、DUV、EUV、UV、可視、およびIRスペクトル範囲を含めた任意の光学形態に拡大されてよいことに注意されたい。
【0090】
一実施形態において、冷却ミラーデバイス800は、ミラーアセンブリ802を含む。一実施形態において、ミラーアセンブリ802は、ミラーアセンブリ802の第1側(例えば、
図8においてミラーアセンブリの上側)に位置付けられているミラー801を含む。別の実施形態において、ミラーアセンブリ802は、ミラーアセンブリ802の第1側に対向する、ミラーアセンブリの第2側(例えば、
図8においてミラーアセンブリの底側)に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素803を含む。
【0091】
別の実施形態において、冷却ミラーデバイス800は、温度制御アセンブリ804を含む。一実施形態において、温度制御アセンブリ804は、第2の複数の熱伝達要素805を含む。一実施形態において、熱伝達要素805は、第1面(例えば、
図8において温度制御アセンブリ804の上面)に形成されている。別の実施形態において、温度制御アセンブリの第2の複数の熱伝達要素805は、第2パターンに形成されている。一実施形態において、第2の複数の熱伝達要素805の第2パターンは、ミラーアセンブリ802の第1の複数の熱伝達要素803の第1パターンに適合または一致する。一実施形態において、温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805は、これらがミラーアセンブリ802の熱伝達要素803と交互になるように配置されていてよい。この交互配置は、
図8に示すように、熱伝達要素803の第1セットと熱伝達要素805の第2セットとの間の物理的接触または「タッチング」がないようになされ得ることにさらに注意されたい。
【0092】
これに関連して、第1の複数の熱伝達要素803は、放射および/またはガス伝導を介して第2の複数の熱伝達要素805に熱を伝達するように構成されている。例えば、放射を介してミラー801と温度制御アセンブリ805との間で熱が伝達され得、これは、熱伝達要素803と熱伝達要素805との間の表面積の増加によって向上される。さらに、ミラー801と温度制御アセンブリ805との間の熱伝達は、周囲の雰囲気が有意なガス伝導を維持するのに十分なガス分子密度を有する設定でガス伝導によっても促進される。例えば、かかるガス伝導は、約0.05~2,000Pa以上の圧力形態において第1の複数の熱伝達要素803と第2の複数の熱伝達要素805との間に存在し得る。
【0093】
本明細書において、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803と温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805との間に十分な間隔を付与することで、温度制御要素804の位置を調整することなく、ミラー801の位置の調整(例えば、ビーム誘導目的での調整)を可能にすることに注意されたい。また、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803と温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805との間の十分な間隔は、ミラーアセンブリ802と温度制御アセンブリ804との間の少量の相対運動を可能にすることによって温度制御アセンブリ804とミラーアセンブリ802との間の振動単離を付与する。
【0094】
一実施形態において、第2の複数の熱伝達要素805は、選択されたオフセット距離で第1の複数の熱伝達要素803からオフセットされ得る。一実施形態において、温度制御アセンブリ804は、作動デバイス(例えば、線状並進デバイス、回転並進デバイスまたはこれらの組み合わせ)に機械的に連結されていてよい。これに関連して、作動デバイス(図示せず)は、第1の複数の熱伝達要素803と第2の複数の熱伝達要素805との間のオフセット距離を制御または調整する働きをすることができる。別の実施形態において、作動デバイスは、制御システム(図示せず)に通信可能に連結されている。一実施形態において、制御システムは、第1の複数の熱伝達要素803と第2の複数の熱伝達要素805との間のオフセット距離を制御または調整するために、作動デバイスを方向付けてミラーアセンブリに対する温度制御アセンブリの位置を制御することができる。例えば、制御システムまたはユーザーは、所与のミラーおよび/または用途に必要とされる熱伝達に基づいて熱伝達要素803と熱伝達要素805との間のオフセット距離を調整することができる。
【0095】
これに関連して、ミラー801と温度制御アセンブリ804との間の熱伝達率は、ミラーアセンブリ802の近くまたは遠くに温度制御アセンブリ804を移動させることによって時間の関数として変動され得る。このように、所要の熱伝達の低速時間変動による変化は、(例えば、加熱または冷却要素を介して)所与の温度制御要素の温度を単に調整するよりも優れた制御を付与することができる温度制御要素804を移動させることによってなされ得る。
【0096】
一実施形態において、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805は、熱伝達突起を含む。例えば、
図8に示すように、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805は、熱伝達フィンを含むことができる。
【0097】
一実施形態において、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803のサイズもしくは間隔および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805のサイズもしくは間隔は、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804を横切って空間的に変動してよい。例えば、熱伝達要素803、805間のサイズ(例えば、高さおよび/もしくは厚さ)ならびに/または間隔は、ミラーアセンブリ802を横切って局所的な熱伝達制御を向上させるように調整され得る。例えば、放射線(例えば、EUV放射線)への衝突よりも高い温度をさもなければ示し得るミラー801の領域において、熱伝達要素803、805は、より大きくてよく、かつ/または、より密に離間されて、より大きくてよく、かつ/または、より密に離間されており、局所的な熱伝達の増加をもたらす。
【0098】
別の実施形態において、ミラーアセンブリの熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805の突起のレベルは、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804を横切って空間的に変動してよい。例えば、
図8に示すように、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803が温度制御要素804の熱伝達要素805間のスペース内に突出している程度は、ミラーアセンブリ802を横切って位置の関数として変動してよい。例えば、放射線(例えば、EUV放射線)への衝突よりも高い温度をさもなければ示し得るミラー801の領域において、ミラーアセンブリ101の熱伝達要素803は、温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805間のスペース内により深く突出していてよく、局所的な熱伝達の増加をもたらす。
【0099】
図9は、本発明の一実施形態による、デバイス800のミラーアセンブリ802を横切って位置の関数として熱伝達を制御する、多重コーティング902、904を有する冷却ミラーデバイス800の概略図を示す。一実施形態において、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805は、ミラー801を横切って熱伝達を空間的に変動させるために、1つ以上のコーティングでコーティングされている。これに関連して、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805の異なる領域が、異なる熱伝導特性を有する異なるコーティングによって処理されていてよい。例えば、放射線の熱伝達は、(存在するとき)ガス伝導を介して熱伝達に影響することなくミラーアセンブリ802および/または温度制御要素804の異なる領域において異なる放射率のコーティングを用いることにより、ミラーアセンブリ802を横切って位置の関数としてカスタマイズされ得る。
【0100】
例えば、
図9に示すように、内側の環状リングの群に設けられた第1放射率を有する第1コーティング904は、第2放射率を有する第2コーティング902でコーティングされた外側環状リングの群よりも高い放射熱伝達特性を有し、これにより、ミラーアセンブリ802の縁部におけるよりもミラーアセンブリ802の中心においてより大きな熱伝達度をもたらすことができる。
【0101】
図10は、本発明の一実施形態による、デバイス800のミラーアセンブリ802を横切って位置の関数として熱伝達を制御する、多重セグメント1002a~1002dを有する冷却ミラーデバイス800の概略図を示す。一実施形態において、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805は、ミラー801を横切って熱伝達を空間的に変動させるために、多重セグメント1002a~1002dを含む。これに関連して、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805の異なるセグメント1002a~1002dは、1つ以上の異なる構造特性を有することができ、異なるセグメント1002a~1002dの少なくともいくつかに異なる熱伝導特性を表示させる。例えば、異なるセグメント1002a~1002dの変動する構造特性として、限定されないが、ミラーアセンブリ802の熱伝達要素803および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素805の間隔、サイズ、突起レベルおよび構造材料を挙げることができる。別の実施形態において、セグメント1002a~1002dの少なくともいくつかは、独立して作動可能である。例えば、セグメント1002a~1002dは、それぞれ、制御システム(図示せず)によってひいては制御される専用の作動デバイスに連結されていてよい。これに関連して、制御システムは、温度制御アセンブリ804の所与のセグメント1002a、1002b、1002cまたは1002dとミラーアセンブリ802との間のオフセット距離を独立して制御することができる。かかる配置は、ミラーアセンブリ802を横切って位置の関数として熱伝達を細かく調整することを可能にする。
【0102】
一実施形態において、
図8A~10に示すように、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素803、805は、軸対称に配置された熱伝達フィンを含むことができる。例えば、
図8に示すように、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達フィンは、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804を横切って同軸に形成された環状フィンを含むことができる。
【0103】
別の実施形態において、
図11aおよび11bに示すように、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達要素803、805は、平行に配置された熱伝達フィンを含むことができる。例えば、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804の熱伝達フィンは、ミラーアセンブリ802および/または温度制御アセンブリ804を横切って形成された線状配置のフィンを含むことができる。
【0104】
本明細書において、上記の例は、本発明に対する限定を表すのではなく、単に説明目的で提供されていることに注意されたい。本明細書において、本発明の熱伝達要素(またはフィン)は、例えば、限定されないが、同軸に配置された環状フィン、同軸に配置された楕円形のフィン、同軸に配置された多角形のフィン、線形離間したフィン、非線形離間したフィン、線形離間したフィンの群などの当該分野において公知の任意の幾何学形状(または幾何学形状の部分)をとってよいことを認識されたい。さらに、本明細書において、本発明のフィンは、均一であることを必要としないことを認識されたい。例えば、所与のフィンは、高さの関数として厚さが変動してよい。
【0105】
本明細書において、例えば、
図8A~10において、交互配置のフィンが軸対称であるとき、ミラーアセンブリ802および温度アセンブリ804は、フィンが存在する名目上の平面に対して垂直に移動しなければならないことを認識されたい。いくつかの用途において、ミラーアセンブリを垂直方向よりもむしろ横方向に(すなわち、フィンが存在する名目上の平面に平行の方向に)取り除くことが有利であり得る。この場合、フィンは、
図11Aおよび11Bに示すように、これらが全て所望の抽出方向に平行であるように配置され得る。
【0106】
一実施形態において、冷却ミラーデバイス800のミラー801として、当該分野において公知の任意のミラーを挙げることができる。例えば、ミラー801として、限定されないが、EUV光と共に用いるのに好適なミラーを挙げることができる。例えば、ミラー801として、限定されないが、多層EUVミラーを挙げることができる。
【0107】
図12は、本発明の一実施形態による、1つ以上の冷却ミラーデバイス800を組み込んだ検査システム1200のブロック図を示す。
【0108】
一実施形態において、システム800は、照明サブシステム1202を含む。一実施形態において、照明サブシステム1202は、照明源(例えば、プラズマ系EUV源、例えば、限定されないが、光源100)を含む。別の実施形態において、照明サブシステム1202は、照明源からの照明を収集するように構成されている1つ以上のミラーを含む集光系のセットを含む。例えば、照明サブシステム1202の集光ミラーの1つ以上が、冷却ミラーデバイス800を含むことができる。
【0109】
別の実施形態において、システム1200は、ステージ1206に設けられた1つ以上の試料1204に集光系の1つ以上のミラーからの照明1201を方向付けるように構成されている1つ以上のミラーを含む照明器光学系1207のセットを含む。例えば、1つ以上の試料1204として、限定されないが、ウェハ(例えば、半導体ウェハ)を挙げることができる。別の例によると、1つ以上の試料1204として、限定されないが、レチクルを挙げることができる。例えば、照明光学系1207の1つ以上の照明器ミラーとして、冷却ミラーデバイス800を挙げることができる。
【0110】
別の実施形態において、システム1200は、試料1204から散乱され、反射されまたは他の場合には発せられる光を収集し、該光を1つ以上の検出器1210(例えば、CCD、TDI-CCD、PMTなど)に方向付けるのに好適な1つ以上のミラーを含む投影光学系1209のセットのセットを含む。例えば、投影光学系1209の1つ以上のミラーとして、冷却ミラーデバイス800を挙げることができる。
【0111】
一実施形態において、
図12に示していないが、冷却ミラーデバイス800は、マスク検査システム(例えば、EUVマスク検査システム)において1つ以上の集束光学系のミラーとして利用されてよい。別の実施形態において、冷却ミラーデバイス800は、ウェハ検査システム(例えば、EUVウェハ検査システム)において1つ以上の集束光学系のミラーとして利用されてよい。別の実施形態において、冷却ミラーデバイス800は、リソグラフィシステム(例えば、EUVリソグラフィシステム)において1つ以上の集束光学系のミラーとして利用されてよい。
【0112】
別の実施形態において、システム1200は、検出器1210からの測定結果を受信および/または分析するための制御システム1212を含む。
【0113】
一実施形態において、検査システム1200は、ウェハ検査システムまたはレチクル検査システムとして構成されている。これに関連して、検査システム1200は、任意のスペクトル範囲(例えば、EUVスペクトル範囲)における操作に好適な当該分野において公知の任意のウェハまたはレチクル検査の光学アーキテクチャを含んでいてよい。検査システム1200は、EUVマスクブランク検査システムとして構成されていてよいことをさらに認識されたい。EUV系マスクブランク検査は、全体が参照により上記に組み込まれる、2014年4月29日に発行された、Stokowskiへの米国特許第8,711,346号に概して記載されている。EUV系マスクブランク検査は、全体が参照により上記に組み込まれる、2012年3月12日に提出された、Xiongらの米国特許出願第13/417,982号に概して記載されている。EUV系レチクル検査は、全体が参照により上記に組み込まれる、2013年5月30日に提出された、Nasser-Ghodsiらの米国特許出願第13/905,449号に概して記載されている。
【0114】
当業者は、本明細書に記載のプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が具現化され得る種々の媒体(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)が存在すること、ならびに好ましい媒体がプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術が展開される事情によって変動することを認識する。いくつかの実施形態において、種々の工程、機能、および/または操作は、以下:電子回路、論理ゲート、マルチプレクサー、プログラム可能論理回路、ASIC、アナログもしくはディジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、または1つ以上の制御システム(例えば、制御システム114、制御システム712または制御システム1212);のうち1つ以上によって行われる。制御システムとして、限定されないが、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並行プロセッサ、または当該分野において公知の任意の他のコンピュータデバイス/制御装置を含めたコンピュータシステムを挙げることができる。一般に、用語「制御システム」および「コントローラ」(例えば、制御システム114、制御システム712または制御システム1212)は、キャリア媒体(例えば、メモリ)からのプログラム指示を実行する1つ以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含すると広範に定義される。本明細書に記載の方法などを実行するプログラム指示は、キャリア媒体上に伝送されても、該媒体に格納されてもよい。キャリア媒体として、伝送媒体、例えば、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤレス伝送リンクを挙げることができる。キャリア媒体として、記憶媒体、例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートメモリ、磁気もしくは光ディスク、または磁気テープを挙げることもできる。
【0115】
本明細書に記載の方法は、全て、記憶媒体に方法の実施形態の1つ以上の工程の結果を格納することを含むことができる。かかる結果は、本明細書に記載のいずれの結果を含んでもよく、当該分野において公知の任意の方法で格納されてよい。記憶媒体として、本明細書に記載の任意の記憶媒体、または当該分野において公知の任意の他の好適な記憶媒体を挙げることができる。かかる結果は、格納された後、記憶媒体においてアクセスされ、本明細書に記載の方法またはシステムの実施形態のいずれかによって用いられ、ユーザーによってディスプレイにフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、方法またはシステムなどによって用いられ得る。さらに、かかる結果は、「永久に」、「半永久に」、一時的に、またはある期間にわたって格納され得る。例えば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってよく、かかる結果は、必ずしも記憶媒体に無限に固執しなくてよい。
【0116】
本発明の特定の実施形態を示したが、本発明の種々の変形例および実施形態が上記開示の範囲および精神から逸脱することなく当業者によって作られ得ることが明らかである。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。また、本発明は以下の事項を含むことを付言する。
(1)ミラーアセンブリの第1側に位置付けられているミラーと、前記第1側と対向する前記ミラーアセンブリの第2側に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素とを含むミラーアセンブリと;
前記第1パターンに適合する第2パターンに形成されている第2の複数の熱伝達要素を含む温度制御アセンブリであって、前記温度制御アセンブリが、前記第1の複数の熱伝達要素を前記第2の複数の熱伝達要素と交互配置するために前記ミラーアセンブリに対して位置付けられており、前記第2の複数の熱伝達要素が、選択されたオフセット距離だけ前記第1の複数の熱伝達要素からオフセットされており、前記第1の複数の熱伝達要素が、放射およびガス伝導のうち少なくとも一方を介して前記第2の複数の熱伝達要素に熱を伝達するように構成されている温度制御アセンブリと
を含む冷却ミラー装置。
(2)前記温度制御アセンブリに機械的に連結されている作動デバイスと;
前記作動デバイスに通信可能に連結され、作動デバイスを方向付けて、前記ミラーアセンブリに対する前記温度制御アセンブリの位置を制御するように構成されている制御システムと
をさらに含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(3)前記制御システムが、前記温度制御アセンブリを並進させることによって、前記第1の複数の熱伝達要素と前記第2の複数の熱伝達要素との間の前記選択されたオフセット距離を調整するように構成されている、(2)に記載の冷却ミラー装置。
(4)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つが、軸対称パターンを形成する、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(5)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つが、平行パターンを形成する、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(6)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つが:
複数の熱伝達突起
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(7)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つの前記熱伝達突起が:
線状熱伝達突起および環状熱伝達突起の少なくとも1つを含む、(6)に記載の冷却ミラー装置。
(8)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つのサイズおよび間隔の少なくとも1つが、前記ミラーアセンブリおよび前記温度制御アセンブリの少なくとも1つを横切って空間的に変動する、(6)に記載の冷却ミラー装置。
(9)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つが、前記ミラーを横切って熱伝達を空間的に変動させるために、複数のセグメント状要素を含み、前記セグメント状要素の少なくともいくつかが、異なる熱伝導特性を有する、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(10)前記複数のセグメント状要素のそれぞれが、独立して作動可能である、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(11)前記第1の複数の熱伝達要素および前記第2の複数の熱伝達要素の少なくとも1つが、前記ミラーを横切って熱伝達を空間的に変動させるために、複数のコーティングでコーティングされており、前記コーティングの少なくともいくつかが、異なる熱伝導特性を有する、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(12)冷却ミラーデバイスが、ガス伝導を阻害するのに十分に低い圧力で操作される真空チャンバ内に設けられている、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(13)冷却ミラーデバイスが、ガス伝導を可能にするのに十分に高い圧力で操作される真空チャンバ内に設けられている、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(14)前記ミラーアセンブリのミラーが:
極紫外(EUV)光を反射するのに好適なミラー
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(15)前記極紫外(EUV)光を反射するのに好適なミラーが:
多層EUVミラー
を含む、(14)に記載の冷却ミラー装置。
(16)前記ミラーアセンブリのミラーが:
プラズマ系EUV光源のミラー
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(17)前記ミラーアセンブリのミラーが:
EUVマスク検査システム、EUVウェハ検査システムおよびEUVリソグラフィシステムのうち少なくとも1つにおける1つ以上の投影光学系のミラー
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(18)前記ミラーアセンブリのミラーが:
EUVマスク検査システム、EUVウェハ検査システムおよびEUVリソグラフィシステムのうち少なくとも1つにおける1つ以上の集光系のミラー
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(19)前記ミラーアセンブリのミラーが:
EUVマスク検査システム、EUVウェハ検査システムおよびEUVリソグラフィシステムのうち少なくとも1つにおける1つ以上の集束光学系のミラー
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(20)前記ミラーアセンブリのミラーが:
EUVマスク検査システム、EUVウェハ検査システムおよびEUVリソグラフィシステムのうち少なくとも1つにおける1つ以上の照明器光学系のミラー
を含む、(1)に記載の冷却ミラー装置。
(21)照明源からの照明を収集するように構成されている1つ以上のミラーを含む集光系のセットを含む照明サブシステムと;
前記集光系の1つ以上のミラーからの照明を1つ以上の試料に方向付けるように構成されている1つ以上のミラーを含む照明器光学系のセットと;
検出器と;
前記1つ以上の試料の表面からの照明を受け、前記1つ以上の試料からの照明を前記検出器に方向付けるように構成されている1つ以上のミラーを含む投影光学系のセットと
を含む検査システムであって、前記集光系のセットの1つ以上のミラー、前記照明器光学系のセットの1つ以上のミラーおよび前記投影光学系のセットの1つ以上のミラーのうちの少なくとも1つが:
ミラーアセンブリの第1側に位置付けられているミラーと、前記第1側と対向する前記ミラーアセンブリの第2側に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素とを含むミラーアセンブリと;
前記第1パターンに適合する第2パターンに形成されている第2の複数の熱伝達要素を含む温度制御アセンブリであって、前記温度制御アセンブリが、前記第1の複数の熱伝達要素を前記第2の複数の熱伝達要素と交互配置するために前記ミラーアセンブリに対して位置付けられており、前記第2の複数の熱伝達要素が、選択されたオフセット距離だけ前記第1の複数の熱伝達要素からオフセットされており、前記第1の複数の熱伝達要素が、放射およびガス伝導のうち少なくとも一方を介して前記第2の複数の熱伝達要素に熱を伝達するように構成されている温度制御アセンブリと
を含む検査システム。
(22)前記検査システムが、ウェハ検査システムとして構成されている、(21)に記載の検査システム。
(23)前記検査システムが、マスク検査システムとして構成されている、(21)に記載の検査システム。
(24)前記照明が、極紫外光を含む、(21)に記載の検査システム。
(25)照明源からの照明を収集するように構成されている1つ以上のミラーを含む集光系のセットを含む照明サブシステムと;
収集された照明をマスクに方向付ける1つ以上のミラーを含む照明器光学系のセットと;
前記マスクから反射された照明を受け、前記マスクから反射された照明を1つ以上のウェハに方向付ける1つ以上のミラーを含む投影光学系のセットと
を含むリソグラフィシステムであって、前記集光系のセットの1つ以上のミラー、前記照明器光学系のセットの1つ以上のミラーおよび前記投影光学系のセットの1つ以上のミラーのうちの少なくとも1つが:
ミラーアセンブリの第1側に位置付けられているミラーと、前記第1側と対向する前記ミラーアセンブリの第2側に位置付けられている第1パターンに形成されている第1の複数の熱伝達要素とを含むミラーアセンブリと;
前記第1パターンに適合する第2パターンに形成されている第2の複数の熱伝達要素を含む温度制御アセンブリであって、前記温度制御アセンブリが、前記第1の複数の熱伝達要素を前記第2の複数の熱伝達要素と交互配置するために前記ミラーアセンブリに対して位置付けられており、前記第2の複数の熱伝達要素が、選択されたオフセット距離だけ前記第1の複数の熱伝達要素からオフセットされており、前記第1の複数の熱伝達要素が、放射およびガス伝導のうち少なくとも一方を介して前記第2の複数の熱伝達要素に熱を伝達するように構成されている温度制御アセンブリと
を含む、リソグラフィシステム。
(26)前記照明が、極紫外光を含む、(25)に記載のリソグラフィシステム。