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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-09
(45)【発行日】2022-02-18
(54)【発明の名称】バッテリーパック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20220210BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220210BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20220210BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20220210BHJP
   H01M 50/291 20210101ALI20220210BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20220210BHJP
【FI】
H01M50/204 401D
H01M10/48 301
H01M50/213
H01M10/48 P
H01M50/284
H01M50/291
H01M50/569
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020121305
(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公開番号】P2021022562
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0090485
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】薛 地煥
【審査官】原 和秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-197723(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0169289(US,A1)
【文献】特開2002-199609(JP,A)
【文献】特開2005-080373(JP,A)
【文献】特開2011-103258(JP,A)
【文献】特開2002-025633(JP,A)
【文献】国際公開第2014/122905(WO,A1)
【文献】特開2006-035942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/48
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿って第1及び第2端部と、前記第1及び第2端部の間の外周面とを含むバッテリーセルと、
前記バッテリーセルをモニタリングするための回路基板と、
前記回路基板から前記バッテリーセルに向かって延び、前記バッテリーセルの外周面に対して接触するセンサユニットと、を含み、
前記センサユニットは、
筐体と、
前記筐体内のサーミスタチップから前記筐体の外部に引き出されて、回路基板に連結されるリード線と、
前記筐体内に満たされた充填材と、を含み、
前記筐体は、
前記バッテリーセルの丸みを帯びた外周面と整合されるように、凹な曲面を含む第1面と、
前記第1面と反対側に形成された第2面と、を含み、
前記第1面は、前記筐体の断面のうち、一番長い辺を画定するように形成され、
前記第2面は、前記筐体の断面のうち、前記第1面によって画定される辺よりも短い辺を画定するように形成されることを特徴とするバッテリーパック。
【請求項2】
前記センサユニットは、前記バッテリーセルの長手方向に追従し、前記回路基板に対して直立した姿勢で延びることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記リード線は、前記筐体の開放端部を介して前記筐体の外部に引き出され、前記回路基板のリードホールに直立した姿勢で嵌め込まれて結合されることを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記開放端部の両側から前記回路基板に向かって突出する結合突起の対をさらに含み、
前記結合突起の対は、前記回路基板に形成された一対の結合ホールに嵌め込まれることを特徴とする請求項3に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記筐体はさらに、
前記第1面と前記第2面とを連結する側面であって、前記第1面と接する第1側面、及び前記第2面と接する第2側面を含む側面と、を備え、
前記第2面は扁平な平面を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記第1面、前記第2面及び前記側面は、前記筐体の閉鎖された断面を形成することを特徴とする請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記第1側面は、前記第1面から前記第1及び第2側面の境界に向かって拡張する傾向の勾配を有し、
前記第2側面は、前記第1及び第2側面の境界から第2面に向かって縮小する傾向の勾配を有することを特徴とする請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記バッテリーセルの前記外周面に向かって、前記センサユニットを圧迫する加圧部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記加圧部材は、前記センサユニットのうち、前記バッテリーセルと接触する第1面と反対側の第2面に接触することを特徴とする請求項8に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記バッテリーセルは、複数のバッテリーセルを含み、
前記複数のバッテリーセルについての組立位置を提供し、前記複数のバッテリーセルを構造的に結束するセルホルダーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項11】
前記バッテリーセルの前記外周面に向かって、前記センサユニットを圧迫する加圧部材をさらに含み、
前記加圧部材は、
前記セルホルダーに対して固定された一端側の固定部と、
前記一端側の固定部から延びて、前記センサユニットに対して接触する他端側の加圧部と、を含むことを特徴とする請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項12】
前記加圧部材は、前記センサユニットから離隔された前記一端側の固定部から、前記センサユニットに向かって斜めに延びていて、前記他端側の加圧部で前記センサユニットに密着して、前記センサユニットと共に、前記バッテリーセルの長手方向に沿って垂直に延びることを特徴とする請求項11に記載のバッテリーパック。
【請求項13】
前記セルホルダーは、前記回路基板と前記バッテリーセルとの間に形成され、
前記セルホルダーには、前記回路基板と前記バッテリーセルとの間で延びる前記センサユニットが貫通するセンサ貫通孔が形成されることを特徴とする請求項10に記載のバッテリーパック。
【請求項14】
前記筐体と前記充填材とは、相異なる樹脂素材を含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項15】
前記筐体は、熱可塑性樹脂を含み、
前記充填材は、熱硬化性樹脂を含むことを特徴とする請求項14に記載のバッテリーパック。
【請求項16】
前記センサユニットは、前記バッテリーセルの第1及び第2端部のうちいずれか一端部と電気的に連結されるタブ部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項17】
前記タブ部材は、前記バッテリーセルの前記外周面を横切って、前記筐体を貫通するように延び、前記バッテリーセルの一端部と前記回路基板とを電気的に連結することを特徴とする請求項16に記載のバッテリーパック。
【請求項18】
前記タブ部材は、前記筐体の開放端部を介して、前記リード線と並んで前記筐体の外部に引き出されて、前記回路基板に連結され、
前記開放端部と反対側の、前記筐体の底部を貫通して、前記バッテリーセルの一端部に延びることを特徴とする請求項17に記載のバッテリーパック。
【請求項19】
前記充填材は、前記タブ部材と前記リード線との間に介在され、電気的な絶縁を提供することを特徴とする請求項18に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、二次電池は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池である。二次電池は、モバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自転車、無停電電源供給装置(uninterruptible power supply)などのエネルギー源として使われ、適用される外部機器の種類によって、単一電池の形態で使われたり、複数の電池を連結して一つの単位としてまとめたパック形態で使われたりする。
【0003】
携帯電話のような小型モバイル機器は、単一電池の出力及び容量で所定時間作動が可能であるが、電力消耗の多い電気自動車及びハイブリッド自動車のように、長期間駆動及び高電力駆動が必要な場合には、出力及び容量の問題により、複数の電池を含むパック形態が好まれ、内蔵された電池の個数によって、出力電圧や出力電流が高められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリーセルの温度を敏感に測定し、バッテリーセルの異常過熱を漏れなく捕捉して、充放電の中止のような保護動作を迅速に取ることが可能なバッテリーパックを提供するところにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、バッテリーセルの温度情報と共に、バッテリーセルの電圧情報を伝達する統合型センサユニットを適用することにより、温度情報及び電圧情報の伝達のための小信号配線構造が単純化され、かつ相異なる情報を伝達する小信号配線間の短絡や、周辺の他の構成との物理的な干渉や電気的な短絡の危険が除去されるバッテリーパックを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するために、本発明のバッテリーパックは、長手方向に沿って第1及び第2端部と、第1及び第2端部の間の外周面とを含むバッテリーセルと、バッテリーセルをモニタリングするための回路基板と、回路基板からバッテリーセルに向かって延び、バッテリーセルの外周面に対して接触するセンサユニットと、を含み、センサユニットは、バッテリーセルの外周面に向かって凹な曲面を含む筐体と、筐体内のサーミスタチップから筐体の外部に引き出されて、回路基板に連結されるリード線と、筐体内に満たされた充填材と、を含む。
【0007】
例えば、センサユニットは、バッテリーセルの長手方向に追従し、回路基板に対して直立した姿勢で延びてもよい。
【0008】
例えば、リード線は、筐体の開放端部を介して筐体の外部に引き出され、回路基板のリードホールに直立した姿勢で嵌め込まれて結合されてもよい。
【0009】
例えば、センサユニットは、開放端部の両側から回路基板に向かって突出する結合突起の対をさらに含み、結合突起の対は、回路基板に形成された一対の結合ホールに嵌め込まれてもよい。
【0010】
例えば、筐体は、バッテリーセルの丸みを帯びた外周面と整合されるように、凹な曲面を含む第1面と、第1面と反対側に形成され、扁平な平面を含む第2面と、第1面と第2面とを連結する側面であって、第1面と接する第1側面、及び第2面と接する第2側面を含む側面と、を備えてもよい。
【0011】
例えば、第1面、第2面及び側面は、筐体の閉鎖された断面を形成してもよい。
【0012】
例えば、第1面は、筐体の断面のうち、一番長い辺を画定するように形成され、第2面は、筐体の断面のうち、第1面によって画定される辺よりも短い辺を画定するように形成されてもよい。
【0013】
例えば、第1側面は、第1面から第1及び第2側面の境界に向かって拡張する傾向の勾配を有し、第2側面は、第1及び第2側面の境界から第2面に向かって縮小する傾向の勾配を有してもよい。
【0014】
例えば、バッテリーパックは、バッテリーセルの外周面に向かって、センサユニットを圧迫する加圧部材をさらに含んでもよい。
【0015】
例えば、加圧部材は、センサユニットのうち、バッテリーセルと接触する第1面と反対側の第2面に接触してもよい。
【0016】
例えば、バッテリーセルは、複数のバッテリーセルを含み、バッテリーパックは、複数のバッテリーセルについての組立位置を提供し、複数のバッテリーセルを構造的に結束するセルホルダーをさらに含んでもよい。
【0017】
例えば、バッテリーパックは、バッテリーセルの外周面に向かって、センサユニットを圧迫する加圧部材をさらに含み、加圧部材は、セルホルダーに対して固定された一端側の固定部と、一端側の固定部から延びて、センサユニットに対して接触する他端側の加圧部と、を含んでもよい。
【0018】
例えば、加圧部材は、センサユニットから離隔された一端側の固定部から、センサユニットに向かって斜めに延びていて、他端側の加圧部でセンサユニットに密着して、センサユニットと共に、バッテリーセルの長手方向に沿って垂直に延びてもよい。
【0019】
例えば、セルホルダーは、回路基板とバッテリーセルとの間に形成され、セルホルダーには、回路基板とバッテリーセルとの間で延びるセンサユニットが貫通するセンサ貫通孔が形成されてもよい。
【0020】
例えば、筐体と充填材とは、相異なる樹脂素材を含んでもよい。
【0021】
例えば、筐体は、熱可塑性樹脂を含み、充填材は、熱硬化性樹脂を含んでもよい。
【0022】
例えば、センサユニットは、バッテリーセルの第1及び第2端部のうちいずれか一端部と電気的に連結されるタブ部材をさらに含んでもよい。
【0023】
例えば、タブ部材は、バッテリーセルの外周面を横切って、筐体を貫通するように延び、バッテリーセルの一端部と回路基板とを電気的に連結してもよい。
【0024】
例えば、タブ部材は、筐体の開放端部を介して、リード線と並んで筐体の外部に引き出されて、回路基板に連結され、開放端部と反対側の、筐体の底部を貫通して、バッテリーセルの一端部に延びてもよい。
【0025】
例えば、充填材は、タブ部材とリード線との間に介在され、電気的な絶縁を提供してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の望ましい実施形態に係るバッテリーパックの分解斜視図である。
図2】本発明の望ましい実施形態に係るバッテリーパックの分解斜視図である。
図3図1に示したバッテリーセルの電気的な連結状態を示す図面である。
図4】本発明の一実施形態に係るセンサユニットを説明するための図面であって、センサユニットの分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係るセンサユニットを説明するための図面であって、センサユニットの装着状態を示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係るセンサユニットを説明するための図面であって、図5のVI-VI線に沿って取った断面図である。
図7】加圧部材を説明するための図面である。
図8】本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図である。
図9図8の一部を示す斜視図である。
図10図9に示したセンサユニットの側面を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態によるバッテリーパックについて説明する。
【0028】
図1及び図2は、本発明の望ましい実施形態に係るバッテリーパックの相異なる分解斜視図である。図3は、図1に示したバッテリーセル10の電気的な連結状態を示す図面である。
【0029】
図1及び図2を参照すれば、バッテリーパックは、複数のバッテリーセル10と、複数のバッテリーセル10が嵌め込まれるセルホルダー20と、セルホルダー20上に配置される回路基板50とを含む。
【0030】
理解の便宜上、まず、図3を参照して、本発明の一実施形態によるバッテリーセル10、及びバッテリーセル10の電気的な連結について説明した後、図1及び図2を参照して、本発明によるバッテリーパックの全体的な構造について具体的に説明する。
【0031】
図3を参照すれば、バッテリーセル10は、第1及び第2端部10a,10bと、第1及び第2端部10a,10bを連結する外周面10cとを含む。本発明の一実施形態において、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bには、相異なる極性の端子が形成され、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bと連結される第1及び第2タブプレート11,12を介して、相異なるバッテリーセル10と直列、並列または直並列混合方式により互いに電気的に連結される。但し、本発明において、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bは、バッテリーセル10の長手方向に沿って、相対的に上側に配置された端部と、相対的に下側に配置された端部とを区別するためのものであり、空間的な配置による区分であるので、相異なるバッテリーセル10の第1端部10aは、同じ極性を有するか、または相異なる極性を有し、同様に、相異なるバッテリーセル10の第2端部10bは、同じ極性を有するか、または相異なる極性を有する。例えば、互いに隣接したバッテリーセル10の間で上下反転されるように、上下逆さまに配置された場合、それらのバッテリーセル10の第1端部10a及び第2端部10bは、相異なる極性を有する。
【0032】
本発明の一実施形態において、バッテリーセル10は、円筒状のバッテリーセル10として設けられ、第1及び第2端部10a,10bは、所定の半径を有する円形に形成され、第1及び第2端部10a,10bを連結する外周面10cは、丸みを帯びた形状に形成される。本明細書において、上下方向または垂直方向とは、バッテリーセル10の長手方向、すなわち、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bを連結する外周面10cの延長方向を意味する。
【0033】
バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bは、それぞれ第1及び第2タブプレート11,12を介して、電気的に連結される。後述するように、第1及び第2タブプレート11,12は、それぞれ相異なる第1及び第2セルホルダー21,22(図1)上に配置され、第1及び第2タブプレート11,12は、それぞれ第1及び第2タブプレート11,12から回路基板50に延びる第1及び第2タブ11a,12aを介して、回路基板50に電気的に連結される。第1及び第2タブプレート11,12と回路基板50との連結構造については、より具体的に後述する。
【0034】
図1及び図2を参照すれば、セルホルダー20は、バッテリーセル10を挟んで、互いに対向して結合される第1及び第2セルホルダー21,22を含む。第1及び第2セルホルダー21,22には、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bを包み込むように、収容部20’が形成され、それぞれのバッテリーセル10は、第1及び第2端部10a,10bが収容部20’に嵌め込まれるように、第1及び第2セルホルダー21,22に組み立てられつつ、バッテリーセル10の位置が固定される。すなわち、セルホルダー20は、複数のバッテリーセル10それぞれについての組立位置を提供しつつ、複数のバッテリーセル10を構造的に結束することが可能であり、複数のバッテリーセル10は、セルホルダー20に組み立てられつつ、一つのバッテリーパック形態にモジュール化されることが可能である。
【0035】
収容部20’は、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bを包み込むように円形に形成され、収容部20’により包み込まれた第1及び第2端部10a,10bの少なくとも一部は、セルホルダー20の外側に露出される。セルホルダー20の外側に露出されたバッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bは、第1及び第2タブプレート11,12と電気的に連結される。本発明の一実施形態において、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bは、収容部20’の開口部を介して、セルホルダー20の外側に露出され、収容部20’の開口部周辺に形成されたストッパ25(図2)により、バッテリーセル10が収容部20’の開口部を通じて離脱しないように位置固定される。
【0036】
第1及び第2セルホルダー21,22、または第1及び第2セルホルダー21,22の収容部20’は、バッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bを包み込むように、バッテリーセル10の長手方向に沿って、所定の厚さを有する。例えば、収容部20’は、所定の厚さに形成され、バッテリーセル10の長手方向に沿って、外周面10cの少なくとも一部を露出させ、露出されたバッテリーセル10の外周面10cには、バッテリーセル10の温度情報を検出するためのセンサユニット30が接触する。より具体的には、第1及び第2セルホルダー21,22、または第1及び第2セルホルダー21,22の収容部20’は、バッテリーセル10の長手方向に沿って、所定の厚さを有するが、バッテリーセル10の長手方向に沿って、中央領域では、収容部20’が排除されるように、第1及び第2セルホルダー21,22、または第1及び第2セルホルダー21,22の収容部20’の厚さが制限される。この時、第1及び第2セルホルダー21,22の収容部20’から露出されたバッテリーセル10の外周面10cには、センサユニット30が接触する。センサユニット30は、バッテリーセル10の外周面10cに接触して、バッテリーセル10の温度情報を出力することができる。センサユニット30についての技術的事項は、より具体的に後述する。
【0037】
セルホルダー20上には、相異なるバッテリーセル10の電気的な連結のための第1及び第2タブプレート11,12、並びに第1及び第2タブプレート11,12と電気的に連結される回路基板50が配置される。すなわち、第1及び第2セルホルダー21,22上には、それぞれ相異なるバッテリーセル10の第1及び第2端部10a,10bを電気的に連結するための第1及び第2タブプレート11,12が配置され、第1及び第2セルホルダー21,22のうちいずれか一つのセルホルダー20、例えば、第1セルホルダー21上には、回路基板50が配置される。
【0038】
回路基板50は、バッテリーセル10の状態をモニタリングするために、バッテリーセル10の電圧情報及び温度情報を入手し、入手したバッテリーセル10の電圧情報及び温度情報に基づいて、バッテリーセル10の充放電動作を制御するか、または、回路基板50と別途の回路構成により、バッテリーセル10の充放電動作を制御することが可能である。
【0039】
回路基板50は、第1及び第2タブ11a,12aを介して、第1及び第2タブプレート11,12と電気的に連結され、第1及び第2タブプレート11,12と連結されたバッテリーセル10の電圧情報を入手することができる。第1及び第2タブ11a,12aは、それぞれ第1及び第2タブプレート11,12から延びて、回路基板50に連結され、第1及び第2タブプレート11,12と連結されたバッテリーセル10の電圧情報を回路基板50に伝達する。この時、回路基板50は、セルホルダー20上に配置されるが、第1及び第2セルホルダー21,22のうち、選択的に第1セルホルダー21上に配置されるので、相対的に第2タブプレート12よりも第1タブプレート11に隣接した位置に形成される。それによって、第1タブプレート11と回路基板50との間の第1タブ11aの長さは、相対的に短く形成され、第2タブプレート12と回路基板50との間の第2タブ12aの長さは、相対的に長く形成される。例えば、第2タブ12aは、セルホルダー20の外側面に沿って延び、第1及び第2セルホルダー21,22の外側面に沿って延びて、回路基板50に連結される。第2タブ12aとバッテリーセル10の外周面10cとの間に、セルホルダー20が介在されることにより、第2タブ12aとバッテリーセル10との電気的な干渉や短絡が防止できる。
【0040】
第1及び第2タブ11a,12aは、回路基板50のタブホール51に嵌め込まれ、セルホルダー20上に回路基板50を装着しつつ、回路基板50のタブホール51に、第1及び第2タブ11a,12aが共に嵌め込まれるように組み立てられることにより、一括的に第1及び第2タブ11a,12aと回路基板50との電気的な連結が同時に行われる。第1及び第2タブ11a,12aは、回路基板50のタブホール51にソルダリング結合されてもよい。
【0041】
回路基板50は、センサユニット30を介して、バッテリーセル10の温度情報を入手することができる。センサユニット30は、バッテリーセル10の外周面10c上に密着して、バッテリーセル10の温度情報についての電気的な信号を出力し、出力した温度情報は回路基板50に伝達される。センサユニット30は、バッテリーセル10に対して密着し、バッテリーセル10に対して密着する第1面S1と反対側の、センサユニット30の第2面S2には、セルホルダー20から延びる加圧部材40が接触しつつ、センサユニット30をバッテリーセル10に対して密着させることが可能である。
【0042】
図4ないし図6は、本発明の一実施形態に係るセンサユニット30を説明するための図面である。より具体的には、図4は、センサユニット30の分解斜視図であり、図5は、センサユニット30の装着状態を示す斜視図であり、図6は、図5のVI-VI線に沿って取った断面図である。
【0043】
図4を参照すれば、センサユニット30は、筐体31と、筐体31内に収容されたサーミスタチップ32と、サーミスタチップ32から筐体31の外部に引き出される一対のリード線33と、筐体31内に満たされた充填材35とを含む。
【0044】
筐体31は、サーミスタチップ32、及びサーミスタチップ32と連結された一対のリード線33を内部に収容するように、内部が空いているチューブ状に形成される。例えば、筐体31は、外部に向かって開放された開放端部OPを含み、開放端部OPを介して、一対のリード線33が連結されたサーミスタチップ32が筐体31内に収容される。この時、筐体31の開放端部OPを介して、充填材35が注入されつつ、サーミスタチップ32が位置固定され、筐体31からサーミスタチップ32に向かう熱フローが円滑に行われ、筐体31の内部のサーミスタチップ32が、充填材35を経由して、バッテリーセル10の温度を敏感に捕捉することができる。開放端部OPを除いた筐体31の他の部分は、密閉された形態に形成されるので、液状またはゲル状に注入される充填材35を漏れることなく収容することができる。
【0045】
充填材35は、流動性を有する液状またはゲル状に注入された後に硬化可能であるように、熱硬化性樹脂で形成され、例えば、熱伝導性の面で有利なエポキシ樹脂で形成される。充填材35は、バッテリーセル10と直接接触を形成する筐体31から、サーミスタチップ32に向かう熱フローが円滑に行われるように、熱伝導性に優れた素材で形成される。
【0046】
本発明の一実施形態において、サーミスタチップ32は、温度によって抵抗が変化する可変抵抗体を含み、一対のリード線33を連結する可変抵抗体を含むので、一対のリード線33の両端の電圧差を測定する方式により、温度変化を捕捉することができる。サーミスタチップ32と、一対のリード線33とは、互いに電気的に連結され、一対のリード線33が連結されたサーミスタチップ32が、筐体31の開放端部OPを介して、筐体31の内部に収容された後、筐体31の内部に充填材35を注入することにより、一対のリード線33が連結されたサーミスタチップ32が、筐体31内で位置固定される。
【0047】
図6を参照すれば、筐体31は、バッテリーセル10の外周面10cと対向する第1面S1と、第1面S1と反対側の第2面S2と、第1及び第2面S1,S2を互いに連結する側面S3とを含む。この時、筐体31の第1面S1、第2面S2及び側面S3は、筐体31の閉鎖された断面を形成する。一方、筐体31は、センサユニット30の外形を形成するものであり、筐体31の第1面S1、第2面S2及び側面S3は、センサユニット30の第1面S1、第2面S2及び側面S3に該当する。
【0048】
筐体31の第1面S1は、丸みを帯びたバッテリーセル10の外周面10cと対向する凹な曲面を含む。例えば、バッテリーセル10は、円筒状のバッテリーセル10として設けられ、この時、第1面S1は、円筒状のバッテリーセル10の外周面10cに整合されるように、一定の曲率を有する凹な曲面を含み、バッテリーセル10を包み込む円弧の一部として形成される。筐体31の第1面S1が、バッテリーセル10の外周面10cを包み込みつつ密着するように、バッテリーセル10の外周面10cに対応する凹な曲面として形成されることにより、筐体31とバッテリーセル10とが離れたり、それらの間に隙間が生じたりすることがなく、それによって、筐体31とバッテリーセル10との間の熱抵抗が減少することができる。筐体31の第1面S1は、センサユニット30のうち、バッテリーセル10と対向する外面を形成し、バッテリーセル10に対して接触する部分であって、筐体31の第1面S1が、バッテリーセル10との隙間なくバッテリーセル10に対して密着することにより、バッテリーセル10の温度を敏感に測定し、バッテリーセル10の異常過熱を漏らさず捕捉して、それによって、充放電の中止のような保護動作を迅速に取ることができる。本発明の一実施形態において、筐体31の第1面S1は、バッテリーセル10との十分な接触面積を確保するように、筐体31の断面のうち、一番広い面積で形成される。例えば、筐体31の第1面S1は、反対側の第2面S2や、第1面S1と第2面S2とを連結する側面S3よりも広い面積で形成される。
【0049】
第2面S2は、凹な曲面を含む第1面S1と反対側に形成され、扁平な平面を含む。第2面S2には、センサユニット30をバッテリーセル10の外周面10cに向かって圧迫する加圧部材40が接触し、加圧部材40との安定した面接触を維持するように、第2面S2は、第1面S1と異なり、扁平な平面を含む。本発明の一実施形態において、筐体31の第2面S2は、筐体31の断面のうち、一番狭い面積で形成される。例えば、筐体31の第2面S2は、反対側の第1面S1や、第1面S1と第2面S2とを連結する側面S3よりも狭い面積で形成される。筐体31は、センサユニット30の外形を形成するものであり、周辺の他の構成との物理的な干渉を引き起こすこともあり、例えば、センサユニット30は、稠密に配列されたバッテリーセル10の間に介在されるので、測定対象のバッテリーセル10から一番遠く配置されるようにし、周辺の他のバッテリーセル10との干渉が懸念される筐体31の第2面S2は、一番狭い面積で形成される。筐体31の第2面S2は、加圧部材40との面接触により、十分な圧力を発揮できる限度に十分に狭く形成されることにより、周辺の他のバッテリーセル10との干渉を回避することができる。
【0050】
第1面S1と第2面S2との間の側面S3は、第1面S1と接する第1側面S31、及び第2面S2と接する第2側面S32を含む。側面S3は、一番広い第1面S1と、一番狭い第2面S2とを連結する。より具体的には、第1側面S31は、第1面S1から第1及び第2側面S31,S32の境界に向かって拡張する傾向の勾配を有する斜面を含み、第1面S1から拡張しつつ、第1面S1を安定して支持することができる。第2側面S32は、第1及び第2側面S31,S32の境界から第2面S2に向かって縮小する傾向の勾配を有する斜面を含み、第2面S2に向かって縮小しつつ、周辺の他のバッテリーセル10との物理的な干渉を回避することができる。例えば、第1側面S31と第2側面S32とは、互いに逆になる勾配を有し、第1及び第2側面S31,S32の境界で勾配が反転される「く」字形の側面を形成する。
【0051】
そのため、第1面は、第1面、第2面及び側面によって画定される筐体の閉鎖された断面のうち、一番長い辺を画定するように形成され、第2面は、筐体の閉鎖された断面のうち、第1面によって画定される辺よりも短い辺を画定するように形成されうる。
【0052】
本発明の一実施形態において、第1側面S31よりも第2側面S32が相対的に広く形成され、それによって、周辺の他のバッテリーセル10との干渉を最大限回避するように設計されることが可能である。
【0053】
筐体31は、バッテリーセル10の外周面10cに対して密着するように、弾性や柔軟性を有する軟性素材で形成され、例えば、熱可塑性樹脂で形成される。例えば、筐体31は、バッテリーセル10の外周面10cに対して加圧接触するが、この時、筐体31は、柔軟に変形しつつ、バッテリーセル10の外周面10cを包み込み、バッテリーセル10の外周面10cに対して密着する。
【0054】
図5を参照すれば、筐体31には、回路基板50に向かって突出した結合突起38の対が形成される。結合突起38の対は、回路基板50に形成された結合ホール58の対に嵌め込まれつつ、筐体31を含むセンサユニット30を位置固定させる。結合突起38は、筐体31の開放端部OPに形成され、開放端部OPから回路基板50に向かって突出するように形成される。より具体的には、結合突起38は、開放端部OPの両端部に対で形成され、対で形成された結合突起38の内側に一対のリード線33が引き出される。センサユニット30の結合突起38が、回路基板50の結合ホール58に嵌め込まれつつ、センサユニット30は、回路基板50に対して直立した状態で結合される。
【0055】
センサユニット30は、バッテリーセル10の長手方向に追従しつつ、回路基板50に対して直立した状態で結合される。ここで、センサユニット30が、回路基板50に対して直立した状態で結合されるということは、センサユニット30が、バッテリーセル10の長手方向に沿って、回路基板50から垂直または垂直に近く立てられた形態に延びつつ、バッテリーセル10の外周面10cに接触するということを意味する。ここで、センサユニット30の延長方向は、一対のリード線33の延長方向を意味し、一対のリード線33は、回路基板50から垂直または垂直に近く立てられた形態に延びる。一対のリード線33は、直立した姿勢で、回路基板50の相異なるリードホール53に嵌め込まれて導電性結合され、一対のリード線33の結合により、センサユニット30が回路基板50に対して結合される。すなわち、本発明の一実施形態において、センサユニット30と回路基板50とは、センサユニット30の結合突起38と、回路基板50の結合ホール58との嵌め込み結合、及びセンサユニット30の一対のリード線33と、回路基板50のリードホール53との導電性結合により、二重に位置固定される。例えば、一次的に、センサユニット30の結合突起38と、回路基板50の結合ホール58との嵌め込み結合により、センサユニット30が安定して位置固定された状態で、二次的に、センサユニット30の一対のリード線33と、回路基板50のリードホール53との導電性結合が行われる。一対のリード線33と回路基板50との導電性結合は、ソルダリング結合により行われ、一対のリード線33は、SMT(surface mount technology)によりリフローソルダリングされる。本発明の一実施形態において、一対のリード線33は、剛性金属ロードまたは金属薄板で形成され、一対のリード線33は、回路基板50のリードホール53に嵌め込まれた後、リフローソルダリングにより回路基板50と結合される。本発明の他の実施形態において、一対のリード線33は、柔軟な金属ワイヤで形成され、一対のリード線33は、回路基板50の導電パッド(図示せず)上にソルダリング結合されてもよい。
【0056】
センサユニット30は、回路基板50から垂直または垂直に近く立てられた形態に延びつつ、バッテリーセル10の外周面10cに接触する。この時、回路基板50に対して結合されたセンサユニット30の結合位置Pと、バッテリーセル10の外周面10cとは、互いに垂直に位置整列されるか、またはセンサユニット30の結合位置Pは、バッテリーセル10の外周面10cからギャップを置いて形成されるが、センサユニット30の結合位置Pから延びるセンサユニット30が、加圧部材40によりバッテリーセル10の外周面10cに対して圧迫されつつ、バッテリーセル10の外周面10cに対して密着する。
【0057】
図7は、加圧部材40を説明するための図面である。
【0058】
図5及び図7を共に参照すれば、加圧部材40は、センサユニット30をバッテリーセル10の外周面10cに対して圧迫する。すなわち、加圧部材40は、センサユニット30の第2面S2と面接触を形成しつつ、センサユニット30をバッテリーセル10の外周面10cに対して圧迫して、センサユニット30の第1面S1をバッテリーセル10の外周面10cに対して密着させる。加圧部材40は、一端側の固定部41と、他端側の加圧部42とを含む。本発明の一実施形態において、加圧部材40は、セルホルダー20に固定され、セルホルダー20に固定された一端側の固定部41から、センサユニット30に沿って下方に延びつつ、他端側の加圧部42によりセンサユニット30を圧迫する。すなわち、加圧部材40は、一端側の固定部41からセンサユニット30に向かって斜めに延びていて、加圧部42に達してセンサユニット30に対して密着しつつ、反り変形され、センサユニット30と並んでバッテリーセル10の長手方向に沿って垂直に延びる。すなわち、加圧部材40は、センサユニット30のうち、一対のリード線33が形成された上部よりも、サーミスタチップ32が形成された下部を集中的に圧迫し、加圧部材40のうち、一対のリード線33と対向する固定部41側は、センサユニット30から離隔されるものの、サーミスタチップ32と対向する加圧部42側は、センサユニット30に対して密着しつつ、センサユニット30、より具体的には、サーミスタチップ32をバッテリーセル10の外周面10cの方向に圧迫する。センサユニット30のうち、サーミスタチップ32は、実質的にバッテリーセル10の温度を測定する部分に該当するので、バッテリーセル10との熱的接触が円滑に行われるように、サーミスタチップ32は、バッテリーセル10に向かって圧迫される。このように、加圧部材40は、センサユニット30の全体ではない、サーミスタチップ32が配置された下部を集中的に加圧することにより、サーミスタチップ32をバッテリーセル10に向かって効果的に密着させることができる。
【0059】
センサユニット30に関して、セルホルダー20には、加圧部材40と共に、センサ貫通孔21’が形成される。例えば、加圧部材40及びセンサ貫通孔21’は、第1及び第2セルホルダー21,22のうち、回路基板50が配置された第1セルホルダー21に選択的に形成される。センサユニット30は、第1セルホルダー21に形成されたセンサ貫通孔21’を経由して、第1セルホルダー21上の回路基板50と、第1セルホルダー21下のバッテリーセル10との間で延びる。すなわち、センサユニット30は、回路基板50から直立した姿勢で延びつつ、セルホルダー20のセンサ貫通孔21’を通過して、バッテリーセル10の外周面10cに接触する。この時、加圧部材40は、センサ貫通孔21’の周辺に形成された一端側の固定部41から延びて、センサユニット30とほぼ平行な方向に沿って、直立した姿勢で延び、他端側の加圧部42によりセンサユニット30を圧迫する。
【0060】
図8は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックの分解斜視図であり、図9は、図8の一部を示す斜視図である。そして、図10は、図9に示したセンサユニット130の側面を示す図面である。
【0061】
図8を参照すれば、バッテリーパックは、バッテリーセル10と、バッテリーセル10が嵌め込まれたセルホルダー20と、セルホルダー20上に配置される回路基板50と、回路基板50と連結されるセンサユニット130とを含む。本発明の実施形態において、センサユニット130は、バッテリーセル10の温度信号と共に、電圧信号を回路基板50に伝達する。すなわち、図1に示した実施形態におけるセンサユニット30は、バッテリーセル10の温度信号を伝達し、バッテリーセル10の電圧信号は、別途の第1及び第2タブ11a,12aを介して、回路基板50に伝達される構造を有しているものの、図8に示した実施形態におけるセンサユニット130は、バッテリーセル10の温度信号はいうまでもなく、電圧信号も共に回路基板50に伝達する。
【0062】
図9を参照すれば、センサユニット130は、筐体131と、筐体131内に収容されたサーミスタチップ132と、サーミスタチップ132から筐体131の外部に引き出される一対のリード線133と、筐体131を貫通するように延びつつ、バッテリーセル10の一端部、例えば、第2端部10bと電気的に連結されるタブ部材136と、筐体131内に満たされた充填材135とを含む。
【0063】
筐体131は、バッテリーセル10の外周面10cに対して密着し、加圧部材(図示せず)により、バッテリーセル10の外周面10cに対して圧迫される。筐体131の断面構造は、図4ないし図6を参照して述べられたように、バッテリーセル10の外周面10cに向かって凹な曲面を含む第1面S1と、第1面S1と反対側の扁平な第2面S2と、第1及び第2面S1,S2を連結する側面S3とを含む。そして、側面S3は、相対的に広い第1面S1と、相対的に狭い第2面S2とを連結しつつ、第1面S1と連結される第1側面S31、及び第2面S2と連結される第2側面S32を含む。筐体131及び充填材135の素材特性やその他の技術的事項は、前述したところと事実上同様であるので、反復的な説明は省略する。
【0064】
図9及び図10を共に参照すれば、タブ部材136は、筐体131を貫通するように延びる。より具体的には、タブ部材136は、回路基板50に連結された一端の第1導電部136aと、バッテリーセル10の一端部、例えば、第2端部10bと電気的に連結される他端の第2導電部136bと、第1及び第2導電部136bの間で、筐体131を横切って延びる延長部136cとを含む。
【0065】
本発明の一実施形態において、タブ部材136の第2導電部136bは、バッテリーセル10の第2端部10bと電気的に連結され、バッテリーセル10の外周面10c、より具体的には、筐体131を横切って延びつつ、回路基板50から相対的に遠く配置されたバッテリーセル10の第2端部10bと電気的に連結される。本発明は、それに限定されず、タブ部材136の第2導電部136bは、バッテリーセル10の第1端部10aと電気的に連結されてもよい。但し、タブ部材136は、バッテリーセル10の外周面10c、より具体的には、筐体131を横切って延びつつ、回路基板50とバッテリーセル10の一端部、例えば、第2端部10bとを連結するので、相対的に回路基板50に隣接したバッテリーセル10の第1端部10aよりも、相対的に回路基板50から遠く配置されたバッテリーセル10の第2端部10bと電気的に連結されることが望ましい。例えば、バッテリーセル10の第2端部10bは、バッテリーセル10の外周面10c、より具体的には、筐体131を横切って、相対的に長尺状に延びるものの、バッテリーセル10の第1端部10aは、相対的に短尺状に延びる第1タブ11a(図8)を介して、回路基板50と電気的に連結されるので、バッテリーセル10の外周面10c、より具体的には、筐体131を経由するように迂回しない。
【0066】
本発明において、タブ部材136の第2導電部136bが、バッテリーセル10の第2端部10bと電気的に連結されるということは、タブ部材136の第2導電部136bが、直接バッテリーセル10の第2端部10bに連結されることと、第2タブプレート12を介して、バッテリーセル10の第2端部10bと連結されることの両方を包括する。本発明の一実施形態において、タブ部材136の第2導電部136bは、第2タブプレート12に連結され、第2タブプレート12を介して、バッテリーセル10の第2端部10bと電気的に連結される。但し、本発明の他の実施形態において、タブ部材136の第2導電部136bは、直接バッテリーセル10の第2端部10bに連結されてもよい。
【0067】
図9を参照すれば、タブ部材136は、筐体131の開放端部OPを介して、一対のリード線133と共に並んで外部に引き出される。筐体131の開放端部OPには、一対の結合突起138が形成され、結合突起138の内側で、タブ部材136と一対のリード線133とが並んで外部に引き出される。この時、タブ部材136の第1導電部136aと、一対のリード線133とは、回路基板50で互いに隣接して形成されたタブ部材ホール56及びリードホール53に連結されることにより、タブ部材136を介して入手される電圧情報と、一対のリード線133を介して入手される温度情報とを処理する回路領域が互いに密集された形態に形成されるので、回路領域の面積が減少し、それほど回路基板50の面積が減少するか、または節約された面積が他の処理のための回路領域として割り当てられる。例えば、タブ部材136の第1導電部136aと、一対のリード線133とは、直立した姿勢で、回路基板50のタブ部材ホール56及びリードホール53に嵌め込まれて結合され、例えば、回路基板50のタブ部材ホール56及びリードホール53にソルダリング結合される。この時、一対のリード線133と共に、タブ部材136が回路基板50に結合されつつ、センサユニット130をより堅固に位置固定させることができ、例えば、外部振動や衝撃にもかかわらず、センサユニット130が遊動せずに堅固に位置固定できる。
【0068】
タブ部材136は、開放端部OPと反対側の、筐体131の底部を貫通して、バッテリーセル10の第2端部10bに向かって延びる。筐体131の底部には、タブ部材136の貫通孔(図示せず)が形成され、貫通孔(図示せず)とタブ部材136との間はシーリング処理されて、筐体131の内部に注入される充填材135が漏れないようにする。
【0069】
センサユニット130は、回路基板50に対して直立した状態で結合される。すなわち、センサユニット130は、バッテリーセル10の長手方向に追従し、回路基板50から垂直または垂直に近く立てられた形態に延びつつ、バッテリーセル10の外周面10cに接触する。ここで、センサユニット30の延長方向とは、タブ部材136の延長方向を意味し、かつ、一対のリード線133の延長方向を意味する。少なくともタブ部材136のうち延長部136cは、一対のリード線133と並んで、回路基板50から垂直または垂直に近く立てられた形態に延びつつ、センサユニット130の延長方向を形成する。タブ部材136と一対のリード線133とは、相異なる電気信号、すなわち、電圧情報及び温度情報を伝達するものであり、筐体131内に注入された充填材135により、互いに離隔が確保され、互いに電気的な絶縁が確保される。本実施形態では、回路基板50に対して、バッテリーセル10の温度情報と共に、バッテリーセル10の電圧情報を伝達する統合型センサユニット130を適用することにより、温度情報及び電圧情報の伝達のための小信号配線構造が単純化され、かつ相異なる情報を伝達する小信号配線間の短絡や、周辺の他の構成との物理的な干渉や電気的な短絡の危険を除去できる。同様な筐体131内で、タブ部材136と一対のリード線133とを位置固定させることにより、全体的に配線構造を単純化させることができ、例えば、図1に示したように、センサユニット30と別に形成されつつ、相対的に長く延びる第2タブ12aが省略される。例えば、図1に示した実施形態において、第2タブ12aは、バッテリーセル10との電気的な短絡を避けるために、セルホルダー20の外側面に沿って延びつつ、第2タブ12aの遊動やガタツキにより、周辺の他の構成との物理的な干渉や電気的な短絡の危険があるものの、図10に示した実施形態では、センサユニット130を介して、タブ部材136を堅固に位置固定させることができ、筐体131を介在して、バッテリーセル10や周辺の他の構成との絶縁を確保することができる。
【0070】
本発明によれば、バッテリーセルの温度情報を出力するセンサユニットを、バッテリーセルの外周面に対して密着させることにより、バッテリーセルの温度を敏感に測定し、バッテリーセルの異常過熱を漏れなく捕捉して、それによって、充放電の中止のような保護動作を迅速に取ることが可能である。
【0071】
本発明によれば、バッテリーセルの温度情報と共に、バッテリーセルの電圧情報を伝達する統合型センサユニットを適用することにより、温度情報及び電圧情報の伝達のための小信号配線構造が単純化され、かつ相異なる情報を伝達する小信号配線間の短絡や、周辺の他の構成との物理的な干渉や電気的な短絡の危険を除去することが可能である。
【0072】
本発明は、図面に示した実施形態を参考にして説明したが、それは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、それらから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲により決まらなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、例えば、二次電池保護関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 バッテリーセル
10a 第1端部
10b 第2端部
10c 外周面
11 第1タブプレート
11a 第1タブ
12 第2タブプレート
12a 第2タブ
20 セルホルダー
20’ 収容部
21 第1セルホルダー
21’ センサ貫通孔
22 第2セルホルダー
25 ストッパ
30 センサユニット
31 筐体
32 サーミスタチップ
33 リード線
35 充填材
38 結合突起
40 加圧部材
50 回路基板
51 タブホール
53 リードホール
58 結合ホール
OP 開放端部
S1 第1面
S2 第2面
S3 側面
S31 第1側面
S32 第2側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10