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特許7023368内視鏡システム及び内視鏡検査装置の作動方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-10
(45)【発行日】2022-02-21
(54)【発明の名称】内視鏡システム及び内視鏡検査装置の作動方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220214BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220214BHJP
【FI】
A61B1/00 552
A61B1/00 640
G02B23/24 A
A61B1/00 682
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020538225
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(86)【国際出願番号】 JP2019027226
(87)【国際公開番号】W WO2020039776
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】P 2018156077
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 香織
(72)【発明者】
【氏名】清水 崇聡
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-507104(JP,A)
【文献】特開2003-290129(JP,A)
【文献】特表2003-524443(JP,A)
【文献】特開2007-330348(JP,A)
【文献】国際公開第2011/155383(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/217162(WO,A1)
【文献】特開2008-011913(JP,A)
【文献】国際公開第2015/002097(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁界発生素子と、
内視鏡における被検体に挿入する挿入部の位置検出用の第1波形を生成する第1生成部と、
前記第1波形とは周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが異なる、前記第1波形と判別可能な同期タイミング検出用の第2波形を生成する第2生成部と、
前記第2波形によって前記磁界発生素子を駆動させた後に、前記第1波形によって前記複数の磁界発生素子を駆動させる駆動部と、
複数の磁界検出素子と、
前記磁界検出素子により前記第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々により検出された前記第1波形に対応する信号を取得する取得部と、
前記取得部により取得された信号に基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々の位置を導出する導出部と、
を含む内視鏡システム。
【請求項2】
前記駆動部は、前記複数の磁界発生素子の各々を同じタイミングで前記第2波形によって駆動させる
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記複数の磁界発生素子は、3個ずつの組み合わせとされ、
前記駆動部は、各組み合わせ内の3個の前記磁界発生素子を同じタイミングで、かつ同じ前記第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の3個の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させる
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記複数の磁界発生素子は、3個ずつの組み合わせとされ、
前記駆動部は、各組み合わせ内の3個の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ同じ前記第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の3個の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させる
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記複数の磁界発生素子は、磁界の発生する向きの異なる2個以上の組み合わせとされ、
前記駆動部は、各組み合わせ内の前記磁界発生素子を同じタイミングで、かつ同じ前記第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させる
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記複数の磁界発生素子は、磁界の発生する向きの異なる2個以上の組み合わせとされ、
前記駆動部は、各組み合わせ内の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ同じ前記第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の3個の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させる
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記駆動部は、前記複数の磁界発生素子の各々を、異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させる
請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記第2波形は、周波数が異なるか、又は駆動させる前記磁界発生素子の識別情報を表す波形であることによって互いに判別可能である
請求項2から請求項7の何れか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記取得部は、前記複数の磁界検出素子により前記第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々により検出された前記第1波形に対応する信号を取得する
請求項1から請求項8の何れか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記導出部により前回に導出された前記複数の磁界検出素子の各々の位置、又は前回に前記複数の磁界検出素子により検出された前記第1波形に対応する信号の強度に応じて、前記第2波形によって駆動させる対象の前記磁界発生素子を選択する選択部を更に含み、
前記駆動部は、前記選択部により選択された前記磁界発生素子を前記第2波形によって駆動させる
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記導出部により前回に導出された前記複数の磁界検出素子の各々の位置、又は前回に前記複数の磁界検出素子により検出された前記第1波形に対応する信号の強度に応じて、前記第2波形に対応する信号の検出対象の前記磁界検出素子を選択する選択部を更に含み、
前記取得部は、前記選択部により選択された磁界検出素子により前記第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々から前記第1波形に対応する信号を取得する
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記磁界発生素子を前記第2波形によって駆動した後に前記第1波形で駆動する駆動タイミング情報を予め記憶した記憶部を備え
前記導出部は、前記記憶部に記憶された前記駆動タイミング情報に基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々の位置を導出する請求項1から請求項11の何れか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記磁界発生素子、前記第1生成部、前記第2生成部及び前記駆動部と、前記磁界検出素子、前記取得部及び前記導出部は電気的に接続されていない請求項1から請求項12の何れか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項14】
前記磁界発生素子、前記第1生成部、前記第2生成部及び前記駆動部と、前記磁界検出素子、前記取得部、前記導出部及び前記記憶部は電気的に接続されていない請求項12に記載の内視鏡システム。
【請求項15】
複数の磁界発生素子と、内視鏡における被検体に挿入する挿入部の位置検出用の第1波形を生成する第1生成部と、前記第1波形とは周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが異なる、前記第1波形と判別可能な同期タイミング検出用の第2波形を生成する第2生成部と、前記第2波形によって前記磁界発生素子を駆動させた後に、前記第1波形によって前記複数の磁界発生素子を駆動させる駆動部と、複数の磁界検出素子と、前記磁界検出素子により前記第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々により検出された前記第1波形に対応する信号を取得する取得部と、前記取得部により取得された信号に基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々の位置を導出する導出部と、を含む内視鏡検査装置の作動方法であって、
前記第1生成部が、前記第1波形を生成するステップと
前記第2生成部が、前記第2波形を生成するステップと
前記駆動部が、前記第2波形によって前記磁界発生素子を駆動させた後に、前記第1波形によって前記複数の磁界発生素子を駆動させるステップと
前記取得部が、前記磁界検出素子により前記第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々により検出された前記第1波形に対応する信号を取得するステップと
前記導出部が、取得した信号に基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々の位置を導出するステップと、
を含む作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡システム及び内視鏡検査装置の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】

従来、内視鏡による被検体の体内の検査(以下、「内視鏡検査」という)において、被検体の体内に挿入された内視鏡の挿入部の形状を検出し、検出した挿入部の形状を表す形状画像を表示部に表示させることにより、内視鏡検査を支援することが行われている。また、この内視鏡の挿入部の形状の検出には、複数の磁界発生素子と複数の磁界検出素子とが用いられる。
【0003】

例えば、特許文献1には、複数の磁界検出素子による検出信号における、磁界発生素子から磁界を発生させるための駆動信号の周波数に相当する周波数成分を用いて、内視鏡の挿入部の形状を算出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】

【文献】特開2006-136413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】

複数の磁界発生素子と複数の磁界検出素子とを用いて内視鏡の挿入部の形状を算出する場合、磁界発生素子に磁界を発生させる発生装置から、磁界検出素子による検出信号を検出する検出装置へ以下のタイミングを通知する。すなわち、この場合、発生装置から、磁界発生素子に磁界を発生させるタイミングを検出装置へ通知する。検出装置では、通知されたタイミングに基づいて、磁界検出素子により検出された信号を取得する。
【0006】

上記のタイミングの通知が有線通信によって行われる場合、例えば、発生装置と検出装置とを接続するケーブルが、被検体が横たわるベッドを跨る場合が多い。このため、内視鏡を操作する検査者は、ケーブルの取り回しに注意することとなり、ユーザビリティが低下してしまう。
【0007】

これに対し、上記のタイミングの通知を無線LAN(Local Area Network)及びBluetooth(登録商標)等の予め定められた通信規格に従った無線通信で行うことが考えられる。しかしながら、この場合、磁界を発生させるタイミングを通知するための無線通信部が必要となってしまう。また、この場合、無線通信を行う機器間での認証等の処理も必要となる。
【0008】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、磁界を発生させるタイミングを通知するための無線通信部を設けることなく、磁界を発生させる装置と磁界を検出する装置との間を無線化することができる内視鏡システム及び内視鏡検査装置の作動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】

上記目的を達成するために、本開示の内視鏡システムは、複数の磁界発生素子と、内視鏡における被検体に挿入する挿入部の位置検出用の第1波形を生成する第1生成部と、第1波形とは周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが異なる、第1波形と判別可能な同期タイミング検出用の第2波形を生成する第2生成部と、第2波形によって磁界発生素子を駆動させた後に、第1波形によって複数の磁界発生素子を駆動させる駆動部と、複数の磁界検出素子と、磁界検出素子により第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、複数の磁界検出素子の各々により検出された第1波形に対応する信号を取得する取得部と、取得部により取得された信号に基づいて、複数の磁界検出素子の各々の位置を導出する導出部と、を含む。
【0010】

なお、本開示の内視鏡システムは、駆動部が、複数の磁界発生素子の各々を同じタイミングで第2波形によって駆動させてもよい。
【0011】

また、本開示の内視鏡システムは、複数の磁界発生素子が、3個ずつの組み合わせとされ、駆動部が、各組み合わせ内の3個の磁界発生素子を同じタイミングで、かつ同じ第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の3個の磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な第2波形によって駆動させてもよい。
【0012】

また、本開示の内視鏡システムは、複数の磁界発生素子が、3個ずつの組み合わせとされ、駆動部が、各組み合わせ内の3個の磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ同じ第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の3個の磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な第2波形によって駆動させてもよい。

また、本開示の内視鏡システムは、複数の磁界発生素子が、磁界の発生する向きの異なる2個以上の組み合わせとされ、駆動部が、各組み合わせ内の前記磁界発生素子を同じタイミングで、かつ同じ前記第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させてもよい。

また、本開示の内視鏡システムは、複数の磁界発生素子が、磁界の発生する向きの異なる2個以上の組み合わせとされ、駆動部が、各組み合わせ内の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ同じ第2波形によって駆動させ、各組み合わせ間の3個の前記磁界発生素子を異なるタイミングで、かつ周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、互いに判別可能な前記第2波形によって駆動させてもよい。
【0013】

また、本開示の内視鏡システムは、駆動部が、複数の磁界発生素子の各々を、異なるタイミングで、かつ互いに周波数、位相、振幅及び波形のうち少なくとも1つが異なり、互いに判別可能な第2波形によって駆動させてもよい。
【0014】

また、本開示の内視鏡システムは、第2波形が、周波数が異なるか、又は駆動させる磁界発生素子の識別情報を表す波形であることによって互いに判別可能であってもよい。
【0015】

また、本開示の内視鏡システムは、取得部が、複数の磁界検出素子により第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、複数の磁界検出素子の各々により検出された第1波形に対応する信号を取得してもよい。
【0016】

また、本開示の内視鏡システムは、導出部により前回に導出された複数の磁界検出素子の各々の位置、又は前回に複数の磁界検出素子により検出された第1波形に対応する信号の強度に応じて、第2波形によって駆動させる対象の磁界発生素子を選択する選択部を更に含み、駆動部が、選択部により選択された磁界発生素子を第2波形によって駆動させてもよい。
【0017】
また、本開示の内視鏡システムは、導出部により前回に導出された複数の磁界検出素子の各々の位置、又は前回に複数の磁界検出素子により検出された第1波形に対応する信号の強度に応じて、第2波形に対応する信号の検出対象の磁界検出素子を選択する選択部を更に含み、取得部が、選択部により選択された磁界検出素子により第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、複数の磁界検出素子の各々から第1波形に対応する信号を取得してもよい。
また、本開示の内視鏡システムは、磁界発生素子を第2波形によって駆動した後に第1波形で駆動する駆動タイミング情報を予め記憶した記憶部をさらに備え、導出部は、記憶部に記憶された駆動タイミング情報に基づいて、複数の磁界検出素子の各々の位置を導出してもよい。
また、本開示の内視鏡システムは、磁界発生素子、第1生成部、第2生成部及び駆動部と、磁界検出素子、取得部及び導出部は電気的に接続されていなくてもよい。
また、本開示の内視鏡システムは、磁界発生素子、第1生成部、第2生成部及び駆動部と、磁界検出素子、取得部、導出部及び記憶部は電気的に接続されていなくてもよい。
【0018】
一方、上記目的を達成するために、本開示の内視鏡検査装置の作動方法は、複数の磁界発生素子と、内視鏡における被検体に挿入する挿入部の位置検出用の第1波形を生成する第1生成部と、第1波形とは周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが異なる、第1波形と判別可能な同期タイミング検出用の第2波形を生成する第2生成部と、第2波形によって磁界発生素子を駆動させた後に、第1波形によって複数の磁界発生素子を駆動させる駆動部と、複数の磁界検出素子と、磁界検出素子により第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、複数の磁界検出素子の各々により検出された第1波形に対応する信号を取得する取得部と、取得部により取得された信号に基づいて、複数の磁界検出素子の各々の位置を導出する導出部と、を含む内視鏡検査装置の作動方法であって、第1生成部が、第1波形を生成するステップと第2生成部が、第2波形を生成するステップと駆動部が、第2波形によって磁界発生素子を駆動させた後に、第1波形によって複数の磁界発生素子を駆動させるステップと取得部が、磁界検出素子により第2波形に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、複数の磁界検出素子の各々により検出された第1波形に対応する信号を取得するステップと導出部が、取得した信号に基づいて、複数の磁界検出素子の各々の位置を導出するステップと、を含むものである。
【発明の効果】
【0019】

本開示によれば、磁界を発生させるタイミングを通知するための無線通信部を設けることなく、磁界を発生させる装置と磁界を検出する装置との間を無線化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】

図1】各実施形態に係る内視鏡システムの構成の一例を示す構成図である。
図2】各実施形態に係る内視鏡システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3】各実施形態に係る受信コイルユニット及び送信コイルユニットの一例を示す構成図である。
図4】第1実施形態に係る送信制御部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る第1波形及び第2波形を説明するための図である。
図6】第1実施形態に係る全体制御部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図7】各実施形態に係る送信制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図8】各実施形態に係る全体制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9】各実施形態に係る磁界発生処理の一例を示すフローチャートである。
図10】第1実施形態に係る位置導出処理の一例を示すフローチャートである。
図11】変形例に係る第1波形及び第2波形を説明するための図である。
図12】変形例に係る第1波形及び第2波形を説明するための図である。
図13】第2実施形態に係る送信制御部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図14】第2実施形態に係る第1波形及び第2波形を説明するための図である。
図15】第2実施形態に係る全体制御部の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図16】第2実施形態に係る位置導出処理の一例を示すフローチャートである。
図17】変形例に係る第1波形及び第2波形を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】

以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0022】

[第1実施形態]

まず、図1を参照して、本実施形態に係る内視鏡システム1の構成について説明する。図1に示すように、内視鏡システム1は、被検体Wの体内の画像(以下、「内視鏡画像」という)を撮像する内視鏡10及び内視鏡検査装置12を備えている。
【0023】

内視鏡10は、挿入部10A及び操作部10Bを備え、内視鏡検査を行う場合、検査者は、操作部10Bを操作して、挿入部10Aを被検体Wの体内に挿入し、被検体Wの体内の内視鏡画像を撮像する。ケーブル11により内視鏡10と接続された内視鏡検査装置12は、ビデオプロセッサ34、全体制御部40、送信部41、及び液晶ディスプレイ等の表示部52を備えている。ビデオプロセッサ34は、内視鏡10による内視鏡画像の撮像の制御を行う。全体制御部40は、内視鏡システム1の全体を制御する。
【0024】

ビデオプロセッサ34、全体制御部40、及び表示部52は、それぞれ同一の設置台に設置され、互いにケーブルによって通信可能に接続されている。送信部41は、内視鏡検査装置12の他の各部とは離れて設置され、電源にはケーブルで接続されているが、内視鏡検査装置12の他の各部とはケーブルで接続されていない。すなわち、検査者は、送信部41を内視鏡検査装置12の他の各部とは独立して移動させることが可能である。
【0025】

次に、図2を参照して、内視鏡10及び内視鏡検査装置12の詳細な構成について説明する。図2に示すように、内視鏡10は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、及びCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を含む画像センサ30を備えている。内視鏡10は、ビデオプロセッサ34による制御により光源36から出射された光を伝送路(図示省略)によって伝送し、挿入部10Aの先端に設けられた出射部(図示省略)から出射し、出射した光によって被検体Wの体内を照明する。この照明光による被検体Wからの反射光が対物レンズ(図示省略)によって画像センサ30に結像し、結像した光学像である内視鏡画像に応じた画像信号が、ケーブル11を介して内視鏡検査装置12のビデオプロセッサ34に出力される。ビデオプロセッサ34により、入力された画像信号に対して予め定められた画像処理が行われ、この画像処理によって得られた内視鏡画像の画像データは、全体制御部40に出力される。
【0026】

また、送信部41は、送信制御ユニット42及び送信コイルユニット48を備えている。送信コイルユニット48は、図3にも示すように、複数(本実施形態では、12個)の送信コイル491X、491Y、491Z、492X、492Y、492Z、493X、493Y、493Z、494X、494Y、及び494Zを備える。図3に示すように、本実施形態の送信コイル49は軸が、X軸、Y軸、及びZ軸の各々の方向に向いた3個ずつの組み合わせとされ、送信コイルユニット48は、4組の送信コイル群を備える。なお、本実施形態では、送信コイル49について、総称する場合は、単に「送信コイル49」といい、各組の送信コイル群を総称する場合は、「送信コイル49」の後にアルファベットを省略した数字の符号(・・・)を付す。また、本実施形態では、送信コイル49について、個々を区別する場合は、「送信コイル49」の後に個々を表す符号(1X・・・4Z)を付す。各送信コイル49が、磁界発生素子の一例である。
【0027】

具体的には、送信コイルユニット48は、X軸方向に向いた送信コイル491X、Y軸方向に向いた送信コイル491Y、及びZ軸方向に向いた送信コイル491Zの組と、X軸方向に向いた送信コイル492X、Y軸方向に向いた送信コイル492Y、及びZ軸方向に向いた送信コイル492Zの組と、を備える。また、送信コイルユニット48は、X軸方向に向いた送信コイル493X、Y軸方向に向いた送信コイル493Y、及びZ軸方向に向いた送信コイル493Zの組と、X軸方向に向いた送信コイル494X、Y軸方向に向いた送信コイル494Y、及びZ軸方向に向いた送信コイル494Zの組と、を備える。このように、本実施形態の送信コイルユニット48は、4組の3軸コイルを送信コイル49として備えた状態と同等となっている。
【0028】

また、送信制御ユニット42は、送信制御部44と、各送信コイル49に1対1で対応して接続された送信回路461X、461Y、461Z、462X、462Y、462Z、463X、463Y、463Z、464X、464Y、及び464Zとを備えている。なお、本実施形態では、送信回路46についても、送信コイル49と同様に、総称する場合は、単に「送信回路46」といい、各組の送信回路群を総称する場合は、「送信回路46」の後にアルファベットを省略した数字の符号(・・・)を付す。また、本実施形態では、送信回路46についても、送信コイル49と同様に、個々を区別する場合は、「送信回路46」の後に個々を表す符号(1X・・・4Z)を付す。
【0029】

送信制御部44は、内視鏡10における被検体Wに挿入する挿入部10Aの位置検出用の第1波形(以下、単に「第1波形」という)を生成する。また、送信制御部44は、第1波形とは異なる、第1波形と判別可能な同期タイミング検出用の第2波形(以下、単に「第2波形」という)を生成する。送信制御部44は、各波形を送信回路46に出力する。なお、送信制御部44の詳細については後述する。
【0030】

各送信回路46は、送信制御部44から入力された波形によって、各々接続されている送信コイル49を駆動させる。具体的には、各送信回路46は、送信制御部44から入力された波形に応じた駆動信号を各々接続されている送信コイル49に出力することによって、各々接続されている送信コイル49を駆動させる。送信回路46が、駆動部の一例である。各送信コイル49は、各々接続されている送信回路46から入力された駆動信号に応じて、磁界を発生させる。
【0031】

一方、内視鏡10の挿入部10Aの内部に設けられた受信部21は、受信制御部20、受信コイルユニット22、受信回路24(24~2416)、ADC(Analog-to-Digital Converter)26(26~2616)、及びI/F(Interface)29を備える。受信制御部20は、受信部21の全体を制御する。
【0032】

受信コイルユニット22は、図3にも示すように、一例として16個(図3の例では6個を図示)の受信コイル23~2316を備える。なお、本実施形態では、送信コイル49と同様に、受信コイル23、受信回路24、及びADC26の各々について、総称する場合は、単に「受信コイル23」、「受信回路24」、及び「ADC26」という。また、本実施形態では、送信コイル49と同様に、受信コイル23、受信回路24、及びADC26の各々について、個々を区別する場合は、「受信コイル23」、「受信回路24」、及び「ADC26」の後に個々を表す符号(・・・16)を付す。
【0033】

各受信コイル23は、内視鏡10の挿入部10Aに、被検体Wに挿入される方向に沿って配置されている。受信コイル23は、送信コイルユニット48の各送信コイル49で発生した磁界を検出する。各受信コイル23は、受信回路24に接続されており、検出した磁界に応じた信号(以下、「検出信号」という)を受信回路24に出力する。各受信コイル23が、磁界検出素子の一例である。受信回路24は、LPF(Low Pass Filter)及び増幅器(いずれも図示省略)等を含み、LPFによって外乱ノイズが除去され、増幅器により増幅された検出信号をADC26に出力する。ADC26は、入力されたアナログの検出信号をデジタルの検出信号に変換して受信制御部20に出力する。受信制御部20は、各ADC26から入力された検出信号を、I/F29を介して、内視鏡検査装置12へ送信する。
【0034】

内視鏡10の受信部21から内視鏡検査装置12へ送信された検出信号は、I/F53を介して、全体制御部40に入力される。
【0035】

全体制御部40は、入力された検出信号に基づいて、各受信コイル23の位置及び向き

(姿勢)を導出する。また、全体制御部40は、導出した各受信コイル23の位置及び向きに基づいて、内視鏡10の挿入部10Aの形状を導出する。なお、全体制御部40の詳細については後述する。
【0036】

次に、図4を参照して、本実施形態に係る送信制御部44の機能的な構成を説明する。

図4に示すように、送信制御部44は、第1生成部60、第2生成部62、及び出力部64を含む。第1生成部60は、第1波形を生成する。第2生成部62は、第2波形を生成する。本実施形態では、第1波形と第2波形とが異なる波形形状とされることによって、第1波形と第2波形とが判別可能とされる。なお、第1波形と第2波形とが判別可能であれば、第1波形と第2波形とは同じ波形形状であってもよい。例えば、第1波形と第2波形とが、同じ波形形状であってかつ周波数、振幅又は位相が異なる波形とする形態が例示される。第1波形と第2波形の周波数、位相、振幅及び波形形状のうちの少なくとも1つを異ならせることで、第1波形と第2波形は判別可能とすることが出来る。
【0037】

出力部64は、第2波形を送信回路46に出力した後に、第1波形を送信回路46に出力する。これにより、送信回路46は、第2波形によって送信コイル49を駆動させた後に、第1波形によって送信コイル49を駆動させる。
【0038】

具体的には、一例として図5に示すように、出力部64は、まず、全ての送信回路46の各々に対し、同じタイミングで第2波形H2を出力する。そして、出力部64は、第2波形H2を出力した後、全ての送信回路46の各々に対し、異なるタイミングで第1波形H1を出力する。本実施形態では、出力部64は、全ての送信回路46の各々に対し、予め定められた順番に従って第1波形H1を出力する。すなわち、全ての送信コイル49から同じタイミングで第2波形H2に応じた磁界が発生した後、各送信コイル49から予め定められた順番に従って異なるタイミングで第1波形H1に応じた磁界が発生する。なお、出力部64が第1波形H1を出力する送信回路46の順番は特に限定されない。本実施形態では、各送信コイル49に識別情報の一例としての番号(例えば、1~12)が割り当てられており、出力部64は、番号が小さい順に、送信コイル49に対応する送信回路46に第1波形H1を出力する場合について説明する。また、この出力部64が第1波形H1を出力する送信回路46の順番を表す情報は、全体制御部40にも保持されている。

また、本実施形態では、1つの第1波形H1が入力されている期間はnミリ秒(例えば、数十ミリ秒)である場合について説明する。なお、図5における第1波形H1の数字(1、2、3、・・・、12)は、各送信コイル49に割り当てられている番号を表す。
【0039】

次に、図6を参照して、本実施形態に係る全体制御部40の機能的な構成を説明する。

図6に示すように、全体制御部40は、受信部70、検出部72、取得部74、導出部76、及び表示制御部78を含む。
【0040】

前述したように、各送信コイル49で発生した磁界は、各受信コイル23により検出され、検出された磁界に応じた検出信号が、内視鏡10の受信制御部20からI/F29を介して内視鏡検査装置12へ送信される。
【0041】

受信部70は、内視鏡10の受信制御部20から送信された検出信号を、I/F53を介して受信する。検出部72は、受信部70により受信された検出信号から、第2波形H2によって送信コイル49で発生した磁界に応じて受信コイル23により検出された信号を検出する。これにより、検出部72は、受信コイル23により第2波形H2に対応する信号が検出されたタイミングを検出する。この検出部72が、第2波形H2によって送信コイル49で発生した磁界に応じて受信コイル23により検出された信号を検出したタイミングを、以下では「同期タイミング」という。
【0042】

取得部74は、各受信コイル23に対応して検出部72により検出された同期タイミングに基づいて、受信部70により受信された各受信コイル23に対応する検出信号から、第1波形H1に対応する信号を取得する。具体的には、取得部74は、各検出信号から、同期タイミングを基準として、前述したnミリ秒毎に第1波形H1に対応する信号を取得する。すなわち、取得部74がnミリ秒毎に第1波形H1を取得した順番と、第1波形H1に応じた磁界を発生させた送信コイル49の順番とが対応する。従って、各受信コイル23により検出された検出信号の各々について、各送信コイル49に対応する第1波形H1に応じた信号が取得部74により取得される。
【0043】

導出部76は、取得部74により取得された信号に基づいて、各受信コイル23の位置及び向きを導出する。導出部76が取得部74により取得された信号に基づいて受信コイル23の位置及び向きを導出する方法は、特に限定されず、例えば、特許第3432825号公報に記載されている技術を適用することができる。特許第3432825号公報に記載されている技術では、各送信コイル49によって発生された第1波形H1に対応する磁界の測定値、及び受信コイル23の方向の推定値から、特定の送信コイル49から受信コイル23までの距離の推定値を計算する。次に、各送信コイル49から受信コイル23までの距離の推定値と、送信コイル49の既知の位置とから受信コイル23の位置の推定値を計算する。次に、受信コイル23の推定された位置、及び受信コイル23の第1波形H1に対応する磁界の測定値から受信コイル23の方向の新しい推定値を計算する。そして、受信コイル23の方向の新しい推定値を用いて、前述した送信コイル49から受信コイル23までの距離の推定値の計算と、受信コイル23の位置の推定値の計算とを繰り返すことにより、受信コイル23の位置及び方向を導出する。
【0044】

更に、導出部76は、導出した各受信コイル23の位置及び方向に基づいて、内視鏡10の挿入部10Aの形状を導出する。
【0045】

表示制御部78は、ビデオプロセッサ34から入力された画像データが示す内視鏡画像を表示部52の一部の表示領域に表示する制御を行う。また、表示制御部78は、導出部76により導出された形状に応じた内視鏡10の挿入部10Aを表す画像を表示部52の内視鏡画像の表示領域以外の表示領域に表示する制御を行う。なお、内視鏡検査装置12が複数の表示部を備えている場合、表示制御部78は、内視鏡画像と内視鏡10の挿入部10Aを表す画像とを別々の表示部に表示する制御を行ってもよい。
【0046】

次に、図7を参照して、本実施形態に送信制御部44のハードウェア構成を説明する。

図7に示すように、送信制御部44は、CPU(Central Processing Unit)80、一時記憶領域としてのメモリ81、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部82、及び各送信回路46が接続される外部I/F83を含む。CPU80、メモリ81、記憶部82、及び外部I/F83は、バス84に接続される。
【0047】

記憶部82には、磁界発生プログラム88が記憶される。CPU80は、記憶部82から磁界発生プログラム88を読み出してからメモリ81に展開し、展開した磁界発生プログラム88を実行する。CPU80が磁界発生プログラム88を実行することで、図4に示す第1生成部60、第2生成部62、及び出力部64として機能する。なお、本実施形態に係る受信制御部20は、送信制御部44と同様のハードウェアにより実現される。
【0048】

次に、図8を参照して、本実施形態に全体制御部40のハードウェア構成を説明する。

図8に示すように、全体制御部40は、CPU90、一時記憶領域としてのメモリ91、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部92、及びビデオプロセッサ34と表示部52とI/F53とが接続される外部I/F93を含む。CPU90、メモリ91、記憶部92、及び外部I/F93は、バス94に接続される。
【0049】

記憶部92には、位置導出プログラム98が記憶される。CPU90は、記憶部92から位置導出プログラム98を読み出してからメモリ91に展開し、展開した位置導出プログラム98を実行する。CPU90が位置導出プログラム98を実行することで、図6に示す受信部70、検出部72、取得部74、導出部76、及び表示制御部78として機能する。
【0050】

次に、図9及び図10を参照して、本実施形態に係る内視鏡システム1の作用を説明する。CPU80が磁界発生プログラム88を実行することによって、図9に示す磁界発生処理が実行される。図9に示す磁界発生処理は、例えば、送信部41の電源スイッチがオン状態とされた場合に実行される。なお、送信部41が磁界発生のオン及びオフを切り替えるスイッチを備えている場合は、このスイッチがオン状態とされた場合に、図9に示す磁界発生処理が実行されてもよい。
【0051】

また、CPU90が位置導出プログラム98を実行することによって、図10に示す位置導出処理が実行される。図10に示す位置導出処理は、例えば、全体制御部40の電源スイッチがオン状態とされた場合に実行される。なお、全体制御部40が挿入部10Aの形状検出のオン及びオフを切り替えるスイッチを備えている場合は、このスイッチがオン状態とされた場合に、図10に示す位置導出処理が実行されてもよい。
【0052】

図9のステップS10で、第2生成部62は、第2波形H2を生成する。ステップS12で、出力部64は、全ての送信回路46の各々に対し、ステップS10の処理により生成された第2波形H2を出力する。
【0053】

ステップS14で、第1生成部60は、第1波形H1を生成する。ステップS16で、出力部64は、前述したように、全ての送信回路46の各々に対し、予め定められた順番に従って第1波形H1を出力する。ステップS16の処理が終了すると、処理はステップS10に戻る。
【0054】

図9に示す磁界発生処理は、例えば、送信部41の電源スイッチがオフ状態とされた場合に終了する。なお、送信部41が磁界発生のオン及びオフを切り替えるスイッチを備えている場合は、このスイッチがオフ状態とされた場合に、図9に示す磁界発生処理が終了してもよい。
【0055】

図9に示す磁界発生処理により各送信コイル49で発生した磁界は、各受信コイル23により検出され、検出された磁界に応じた検出信号が、内視鏡10の受信制御部20からI/F29を介して内視鏡検査装置12へ送信される。
【0056】

図10のステップS20で、受信部70は、内視鏡10の受信制御部20から送信された検出信号を、I/F53を介して受信する。ステップS22で、検出部72は、ステップS20の処理により受信された検出信号から、第2波形H2によって送信コイル49で発生した磁界に応じて受信コイル23により検出された信号を検出したか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS20に戻り、肯定判定となった場合は、処理はステップS24に移行する。
【0057】

ステップS24で、取得部74は、ステップS20の処理により受信された各検出信号から、ステップS22の処理により検出された同期タイミングを基準として、nミリ秒毎に第1波形H1に対応する信号を取得する。ステップS26で、導出部76は、前述したように、ステップS24の処理により取得された信号に基づいて、各受信コイル23の位置及び向きを導出する。
【0058】

ステップS28で、導出部76は、ステップS26の処理により導出した各受信コイル23の位置及び方向に基づいて、内視鏡10の挿入部10Aの形状を導出する。ステップS30で、表示制御部78は、ステップS28の処理により導出された形状に応じた内視鏡10の挿入部10Aを表す画像を表示部52の内視鏡画像の表示領域以外の表示領域に表示する制御を行う。ステップS30の処理が終了すると、処理はステップS20に戻る。
【0059】

図10に示す位置導出処理は、例えば、全体制御部40の電源スイッチがオフ状態とされた場合に終了する。なお、全体制御部40が挿入部10Aの形状検出のオン及びオフを切り替えるスイッチを備えている場合は、このスイッチがオフ状態とされた場合に、図10に示す位置導出処理が終了してもよい。
【0060】

以上説明したように、本実施形態によれば、第2波形H2によって送信コイル49を駆動させた後に、第1波形H1によって送信コイル49を駆動させている。また、受信コイル23により第2波形H2に対応する信号が検出されたタイミングに基づいて、各受信コイル23より検出された第1波形H1に対応する信号を取得している。そして、取得した信号に基づいて、各受信コイル23の位置を導出している。従って、磁界を発生させるタイミングを通知するための無線通信部を設けることなく、送信部41と受信部21との間を無線化することができる。即ち、本実施形態によれば、送制御部44が、各送信コイル49を第2波形H2で駆動した後に各送信コイル49の各々を前記第1波形で駆動する駆動タイミング情報を予め全体制御部40の記憶部92に記憶し、導出部は、全体制御部40で記憶された駆動タイミング情報に基づいて、前記複数の磁界検出素子の各々の位置を導出する。これにより、送信制御部44、送信回路46(駆動部)、送信コイル49を含む送信部41と、受信側である受信コイル23、導出部76、取得部74、記憶部92とを無線化できる(無線化とは、送信制御部44、送信回路46、送信コイル49を含む送信部41と、受信側である受信コイル23、導出部76、取得部74及び記憶部92が電気的に接続しないことを指す。)。尚、駆動タイミング情報とは、各送信コイル49を第2波形で駆動した後に第1波形で駆動するまでのタイミングを特定する情報である。駆動タイミング情報としては、各送信コイル49を第2波形で駆動してから第1波形で駆動するまでの時間、各送信コイル49を第1波形で駆動する順番等が例示される。
【0061】

なお、第1実施形態において、出力部64は、全ての送信回路46の各々に対し、異なるタイミングで第2波形H2を出力してもよい。この場合、一例として図11に示すように、全ての送信回路46の各々に対し、予め定められた順番に従って、第2波形H2を出力した直後に第1波形H1を出力する形態が例示される。この形態例では、各送信回路46に、第2波形H2及び第1波形H1の組み合わせが、それぞれ異なるタイミングで入力される。また、この形態例では、各送信回路46に対応する第2波形H2が、それぞれ周波数が異なることによって互いに判別可能とされる。尚、各送信回路46に対応する第2波形H2は、周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つを互いに異ならせることで互いに判別可能としてもよい。
【0062】

また、この形態例では、取得部74は、各検出信号から、同期タイミングを基準として、nミリ秒の第1波形H1に対応する信号を取得する。また、取得部74は、検出部72により検出された信号の周波数に従って、取得した信号が何れの送信コイル49に対応する信号かを特定することができる。
【0063】

また、この形態例において、一例として図12に示すように、第2波形H2として、各送信コイル49の識別情報の一例である番号を表す波形を適用してもよい。
【0064】

[第2実施形態]

開示の技術の第2実施形態を説明する。なお、内視鏡システム1の構成(図1図3参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0065】

図13を参照して、本実施形態に係る送信制御部44の機能的な構成を説明する。なお、図13における図4と同一の機能を有する機能部については、同一の符号を付して説明を省略する。図13に示すように、送信制御部44は、第1生成部60、第2生成部62A、及び出力部64Aを含む。
【0066】

第2生成部62Aは、一例として図14に示すように、各組み合わせ内の3個の送信コイル49については同じ第2波形H2を生成する。また、第2生成部62Aは、3個の送信コイル49の各組み合わせ間については、周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが互いに異なり、判別可能な第2波形H2を生成する。本実施形態では、第2波形H2は、3個の送信コイル49の各組み合わせ間で周波数が異なることによって、互いに判別可能とされる。また、本実施形態でも、第1波形H1と第2波形H2とが周波数、位相、振幅及び波形形状のうち少なくとも1つが異なる波形とされることによって、第1波形H1と第2波形H2とが判別可能とされる。
【0067】

出力部64Aは、第2波形H2を送信回路46に出力した後に、第1波形H1を送信回路46に出力する。具体的には、図14に示すように、出力部64Aは、各組み合わせ内の3個の送信コイル49に対応する送信回路46の各々に対し、同じタイミングで第2波形H2を出力する。また、出力部64Aは、第2波形H2を出力した後、各組み合わせ内の3個の送信コイル49に対応する送信回路46の各々に対し、異なるタイミングで第1波形H1を出力する。本実施形態では、出力部64Aは、第1実施形態と同様に、各組み合わせ内の3個の送信コイル49に対応する送信回路46の各々に対し、予め定められた順番に従って第1波形H1を出力する。
【0068】

また、出力部64は、以上の第1波形H1及び第2波形H2の出力を、各組み合わせ間で異なるタイミングで行う。本実施形態では、出力部64は、送信コイル49の番号が小さい組み合わせから順に、以上の第1波形H1及び第2波形H2の出力を行う。
【0069】

すなわち、各組み合わせ内の3個の送信コイル49から同じタイミングで第2波形H2に応じた磁界が発生した後、予め定められた順番に従って第1波形H1に応じた磁界が発生する。また、各組み合わせ間の3個の送信コイル49から異なるタイミングで第1波形H1及び第2波形H2に応じた磁界が発生する。
【0070】

次に、図15を参照して、本実施形態に係る全体制御部40の機能的な構成を説明する。なお、図15における図6と同一の機能を有する機能部については、同一の符号を付して説明を省略する。図15に示すように、全体制御部40は、受信部70、検出部72、取得部74A、導出部76、及び表示制御部78を含む。
【0071】

取得部74Aは、各受信コイル23に対応して検出部72により検出された同期タイミングに基づいて、受信部70により受信された各受信コイル23に対応する検出信号から、第1波形H1に対応する信号を取得する。具体的には、取得部74Aは、各検出信号から、同期タイミングを基準として、nミリ秒毎に第1波形H1に対応する信号を3回取得する。また、取得部74Aは、検出部72により検出された信号の周波数から、取得した信号が何れの組み合わせの3個の送信コイル49により発生された第1波形H1に応じた磁界によるものかを特定する。すなわち、取得部74Aは、検出部72により検出された信号の周波数と、nミリ秒毎に第1波形H1を取得した順番とから、取得した信号と送信コイル49とを対応付けることができる。取得部74Aは、以上の処理を4組の3個の送信コイルの組み合わせそれぞれについて行う。これにより、各受信コイル23について、各送信コイル49により第1波形H1に応じて発生された磁界に対応する信号が取得される。
【0072】

送信制御部44のハードウェア構成及び全体制御部40のハードウェア構成は、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0073】

次に、図16を参照して、本実施形態に係る内視鏡システム1の作用を説明する。なお、本実施形態に係る磁界発生処理は、第1実施形態に係る磁界発生処理(図9参照)を、3個の送信回路46の組み合わせ毎に繰り返し実行する点以外は同様であるため、説明を省略する。また、図16における図10と同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】

図16のステップS22の判定が肯定判定となった場合、処理はステップS24Aに移行する。ステップS24Aで、取得部74Aは、前述したように、ステップS20の処理により受信された各検出信号から、ステップS22の処理により検出された同期タイミングを基準として、nミリ秒毎に第1波形H1に対応する信号を3回取得する。また、取得部74Aは、ステップS22の処理により検出された信号の周波数から、取得した信号が何れの組み合わせの3個の送信コイル49により発生された第1波形H1に応じた磁界によるものかを特定する。
【0075】

ステップS25で、取得部74Aは、ステップS24Aの処理が、4組全ての3個の送信コイル49の組み合わせについて完了したか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS26に移行し、否定判定となった場合は、処理はステップS20に戻る。
【0076】

以上説明したように、本実施形態によれば、3個の送信コイル49の組み合わせ毎に第1波形H1及び第2波形H2により磁界を発生させている。従って、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。更に、第2波形H2によって同時に駆動させる送信コイル49が3個になるため、第2波形H2を表すアナログ信号を生成する回路を共通化することによって3個に低減することができる。また、3軸直交している3個の送信コイル49を1組として同じタイミングで第2波形H2によって駆動させているため、各受信コイル23の向きによらず、送信コイル49と受信コイル23との距離に応じた強度の信号を得ることができる。尚、本実施形態では、3個の送信コイル49の組み合わせ毎に同じ第2波形H2を生成したが、これに限らず、磁界の発生する向きの異なる2個以上の送信コイルの組み合わせ毎に同じ第2波形H2を生成してもよい。また、隣り合うコイルを組み合わせてもよいし、隣り合わないコイルを組み合わせてもよい。磁界の発生する向きの異なる2個以上の送信コイルの組み合わせ毎に同じ第2波形H2を生成することで、送信コイルの磁界の発生する方向によらずに、受信コイルで磁界を検出することが容易となる。
【0077】

なお、上記第2実施形態において、出力部64Aは、各組み合わせ内の送信回路46の各々に対し、異なるタイミングで同じ第2波形H2を出力してもよい。この場合、一例として図17に示すように、各組み合わせ内の送信回路46の各々に対し、予め定められた順番に従って、同じ第2波形H2を出力した直後に第1波形H1を出力する形態が例示される。
【0078】

また、上記各実施形態において、前回に導出された各受信コイル23の位置に応じて、全ての送信コイル49から第2波形H2によって駆動させる対象の送信コイル49を選択してもよい。この場合、上記第1実施形態では、前回に導出された各受信コイル23の位置に近い順(例えば、各受信コイル23への距離の平均値又は合計値が小さい順)に、所定数(例えば、4個)の送信コイル49を選択する形態が例示される。また、この場合、上記第2実施形態では、各組み合わせの3個の送信コイル49から、受信コイル23の位置に近い順に、所定数(例えば、1個)の送信コイル49を選択する形態が例示される。

この場合、例えば、CPU80が、第2波形H2によって駆動させる対象の送信コイル49を選択する選択部として機能する。これにより、同期タイミング検出用の部品を低減することができる。
【0079】

また、この形態例において、各受信コイル23の位置に変えて、各受信コイル23により検出された第1波形H1に対応する信号の強度に応じて、全ての送信コイル49から第2波形H2によって駆動させる対象の送信コイル49を選択してもよい。この場合、上記第1実施形態では、前回に各受信コイル23により検出された第1波形H1に対応する信号の強度が高い順に、所定数(例えば、4個)の送信コイル49を選択する形態が例示される。また、この場合、上記第2実施形態では、各組み合わせの3個の送信コイル49から、受信コイル23により検出された第1波形H1に対応する信号の強度が高い順に、所定数(例えば、1個)の送信コイル49を選択する形態が例示される。この場合、例えば、CPU80が、第2波形H2によって駆動させる対象の送信コイル49を選択する選択部として機能する。これにより、同期タイミング検出用の部品を低減することができる。
【0080】

また、上記各実施形態において、前回に導出された各受信コイル23の位置に応じて、全ての受信コイル23から第2波形H2に対応する信号の検出対象の受信コイル23を選択してもよい。この場合、前回に導出された位置が各送信コイル49に最も近い受信コイル23を選択する形態が例示される。この場合、例えば、CPU90又は受信制御部20が備えるCPUが、第2波形H2に対応する信号の検出対象の受信コイル23を選択する選択部として機能する。これにより、同期タイミング検出用の部品を低減することができる。
【0081】

また、この形態例において、各受信コイル23の位置に変えて、各受信コイル23により検出された第1波形H1に対応する信号の強度に応じて、全ての受信コイル23から第2波形H2に対応する信号の検出対象の受信コイル23を選択してもよい。この場合、前回に検出された第1波形H1に対応する信号の強度が最も高い受信コイル23を選択する形態が例示される。この場合、例えば、CPU90又は受信制御部20が備えるCPUが、第2波形H2に対応する信号の検出対象の受信コイル23を選択する選択部として機能する。これにより、同期タイミング検出用の部品を低減することができる。
【0082】

また、上記各実施形態において、全体制御部40が備える機能の少なくとも一部を受信制御部20が備えてもよい。この場合、検出部72、及び取得部74、74Aを受信制御部20が備える形態が例示される。
【0083】

また、上記各実施形態では、磁界発生素子及び磁界検出素子としてコイルを適用した場合について説明したが、これに限定されない。磁界発生素子として、例えば、スピントルク発振素子等の磁界を発生させる素子を適用してもよい。また、磁界検出素子として、例えば、ホール素子及びMR(Magneto Resistive)素子等の磁界を検出する素子を適用してもよい。
【0084】

また、上記各実施形態において、例えば、第1生成部60、第2生成部62、62A、出力部64、受信部70、検出部72、取得部74、74A、導出部76、及び表示制御部78といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0085】

1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。

複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0086】

更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0087】

また、上記各実施形態では、磁界発生プログラム88が記憶部82に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。磁界発生プログラム88は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、磁界発生プログラム88は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0088】

また、上記各実施形態では、位置導出プログラム98が記憶部92に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。位置導出プログラム98は、CD-ROM、DVD-ROM、及びUSBメモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、位置導出プログラム98は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0089】

1 内視鏡システム

10 内視鏡

10A 挿入部

10B 操作部

11 ケーブル

12 内視鏡検査装置

20 受信制御部

21、70 受信部

22 受信コイルユニット

23~2316 受信コイル

24~2416 受信回路

26~2616 ADC29、53 I/F30 画像センサ

34 ビデオプロセッサ

36 光源

40 全体制御部

41 送信部

42 送信制御ユニット

44 送信制御部

461X、461Y、461Z~464X、464Y、464Z 送信回路

48 送信コイルユニット

491X、491Y、491Z~494X、494Y、494Z 送信コイル

52 表示部

60 第1生成部

62、62A 第2生成部

64、64A 出力部

72 検出部

74、74A 取得部

76 導出部

78 表示制御部

80、90 CPU81、91 メモリ

82、92 記憶部

83、93 外部I/F84、94 バス

88 磁界発生プログラム

98 位置導出プログラム

H1 第1波形

H2 第2波形

W 被検体
図1
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