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特許7023826連続成膜方法、連続成膜装置、サセプタユニット、及びサセプタユニットに用いられるスペーサセット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-14
(45)【発行日】2022-02-22
(54)【発明の名称】連続成膜方法、連続成膜装置、サセプタユニット、及びサセプタユニットに用いられるスペーサセット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20220215BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20220215BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20220215BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/458
C23C16/52
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018229825
(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2020092227
(43)【公開日】2020-06-11
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】醍醐 佳明
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228708(JP,A)
【文献】特開2008-244274(JP,A)
【文献】特開2001-274104(JP,A)
【文献】特開2006-319043(JP,A)
【文献】特開2005-277369(JP,A)
【文献】特開2011-258859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
C23C 16/458
C23C 16/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のウェハを順次成膜処理する連続成膜方法であって、
前記複数のウェハを、支持部材と、載置される前記ウェハの外周を囲むように支持部材上に設けられる側面ガイドと、前記ウェハの上面と前記側面ガイドの上面との相対高さを調整するための調整部材と、を含むサセプタユニット上に載置し、
載置された前記ウェハの上面にプロセスガスを供給しながら、前記ウェハを加熱及び回転させることにより、所定の膜を堆積させる成膜処理を順次行い、
堆積された前記所定の膜の厚さに基づいて、前記調整部材を用いて前記相対高さを調整する、
ことを含む連続成膜方法。
【請求項2】
前記調整部材は、前記側面ガイドの下部に設けられる請求項1に記載の連続成膜方法。
【請求項3】
ウェハの上面に所定の膜を堆積させ成膜処理を行う反応室と、
前記反応室にプロセスガスを供給する供給口と、
前記反応室から排気ガスを排出する排気口と、
前記ウェハを加熱するヒータと、
ウェハを載置するサセプタユニットであって、支持部材と、載置される前記ウェハの外周を囲むように前記支持部材の上に設けられる側面ガイドと、堆積した前記所定の膜の厚さに基づいて前記ウェハの上面と前記側面ガイドの上面との相対高さを調整するために交換可能な調整部材と、を有するサセプタユニットと、
を備える、連続成膜装置。
【請求項4】
ウェハの上に所定の膜を堆積する成膜装置において、前記ウェハを載置するために用いられるサセプタユニットであって、
支持部材と、
載置される前記ウェハの外周を囲むように前記支持部材の上に設けられる側面ガイドと、
堆積された前記所定の膜の厚さに応じて、前記側面ガイドの上面と前記ウェハの上面との相対高さが所定の範囲内となるように、予め準備された複数のスペーサの中から選択される1又は2以上のスペーサと、
を備えるサセプタユニット。
【請求項5】
ウェハの上面に所定の膜を堆積させ成膜処理を行う成膜装置において、支持部材と、載置される前記ウェハの外周を囲むように前記支持部材上に設けられる側面ガイドと、を備えるサセプタユニットに使用されるスペーサセットであって、
堆積した前記所定の膜の厚さに応じて、前記支持部材と前記側面ガイドとの間、又は、前記支持部材と前記ウェハとの間に、少なくとも何れかが選択されて挿入されることにより前記側面ガイドの上面と前記ウェハの上面との相対高さを調整する複数のスペーサを含む、スペーサセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続成膜方法、連続成膜装置、サセプタユニット、及びサセプタユニットに用いられるスペーサセットに関する。
【背景技術】
【0002】
エピタキシャル成長によって、ウェハ上に結晶膜を形成する成膜装置が知られている。例えば、化学気相堆積(Chemical Vapor Deposition: CVD)法を用いた成膜装置では、プロセスガスの濃度や化学反応温度などが管理された成膜チャンバが設けられる。ウェハは、サセプタに保持され、成膜チャンバの内部に配置される。成膜チャンバでは、ウェハにプロセスガスが供給され、その結果、ウェハ表面に結晶膜が形成される。
【0003】
サセプタは、例えば、カーボン、SiC(炭化ケイ素)、SiCで被覆したカーボン、TaC(炭化タンタル)で被覆したカーボンなどで形成される。成膜装置では、ウェハ表面のみならず、サセプタにも化合物が堆積して堆積物の層が形成される。成膜処理が繰り返されると、サセプタの上面に形成される堆積物の層は厚みを増す。その結果、成膜前のウェハの表面と、堆積物の層が形成されたサセプタの上面との高さ関係が変化し、成膜条件も変化することがある。このような成膜条件の変化は、ウェハに形成される膜の厚みや性質に影響を与えることがある。
【0004】
例えば特許文献1には、ウェハ表面と、堆積物の層が形成されるサセプタの上面との高さ関係を調整するために、ウェハ表面の高さに対して、サセプタが搭載された基台の高さを相対的に変化させるモータを備えたサセプタ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-180153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、サセプタユニットに堆積物の層が形成されても、ウェハに対する成膜条件を維持しつつ、安定した成膜処理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、複数のウェハを順次成膜処理する連続成膜方法は、以下のことを含む。前記複数のウェハを、支持部材と、載置される前記ウェハの外周を囲むように支持部材上に設けられる側面ガイドと、前記ウェハの上面と前記側面ガイドの上面との相対高さを調整するための調整部材と、を含むサセプタユニット上に載置する。載置された前記ウェハの上面にプロセスガスを供給しながら、前記ウェハを加熱及び回転させることにより、所定の膜を堆積させる成膜処理を順次行う。堆積された前記所定の膜の厚さに基づいて、前記調整部材を用いて前記相対高さを調整する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、サセプタユニットに堆積物の層が形成されても、ウェハに対する成膜条件を維持しつつ、安定した成膜処理を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る成膜システムの構成例の概略を示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る成膜装置の構成例の概略を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す斜視図である。
図4図4は、一実施形態に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図である。
図5A図5Aは、成膜処理中のプロセスガスの流れについて説明するための模式図であって、サセプタユニットの側面ガイドの上面と、ウェハの表面との高低差が小さい場合を示す図である。
図5B図5Bは、成膜処理中のプロセスガスの流れについて説明するための模式図であって、サセプタユニットの側面ガイドの上面と、ウェハの表面との高低差が大きい場合を示す図である。
図6A図6Aは、一実施形態に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層が形成された場合を示す図である。
図6B図6Bは、一実施形態に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層がさらに形成された場合を示す図である。
図7図7は、一実施形態において成膜処理が繰り返される場合における手順の一例の概略を示すフローチャートである。
図8A図8Aは、第1の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図である。
図8B図8Bは、第1の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層が形成された場合を示す図である。
図8C図8Cは、第1の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層がさらに形成された場合を示す図である。
図9A図9Aは、第2の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図である。
図9B図9Bは、第2の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層が形成された場合を示す図である。
図9C図9Cは、第2の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層がさらに形成された場合を示す図である。
図10A図10Aは、第3の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略の一部を示す断面図である。
図10B図10Bは、第3の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略の一部を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層が形成された場合を示す図である。
図10C図10Cは、第3の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略の一部を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層がさらに形成された場合を示す図である。
図11A図11Aは、第4の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略の一部を示す断面図である。
図11B図11Bは、第4の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略の一部を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層が形成された場合を示す図である。
図11C図11Cは、第4の変形例に係るサセプタユニットの構成例の概略の一部を示す断面図であり、サセプタユニットの側面ガイドに堆積物の層がさらに形成された場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る成膜システムについて図面を参照して説明する。本実施形態の成膜システムは、CVD法を用いて成膜を行うためのシステムである。その表面に成膜されるウェハは、サセプタユニットに保持されて成膜チャンバに設置される。成膜チャンバ内では、ウェハ上で結晶が成長する。ウェハを交換しながら次々と成膜を行う場合に、サセプタユニットの上面にも堆積物の層が形成され、成膜処理の繰り返しによってその層の厚みが増す。本実施形態は、サセプタユニットの上面に堆積物の層が形成されても、そのことよってウェハに対する成膜条件が変化しないように工夫されている。より具体的には、ウェハの表面(成膜の対象となる面)と、サセプタユニットの上面との高さ関係が許容値を超えて変化しないように、サセプタユニットに設けられたスペーサが、厚さが異なるものに適宜に交換することができる。なお、本実施形態に係る技術は、CVD法や他の気相成長法、及びその他のエピタキシャル成長法を用いた成膜処理に用いることができる。
【0011】
[システム構成]
〈成膜システム〉
本実施形態に係る成膜システム1の構成例の概略を図1に示す。成膜システム1は、準備室10と、トランスファチャンバ20とを備える。また、成膜システム1は、第1のロードロックチャンバ30aと、第2のロードロックチャンバ30bと、第1のサセプタ交換チャンバ40aと、第2のサセプタ交換チャンバ40bと、第1の成膜チャンバ50aと、第2の成膜チャンバ50bとを備える。第1のロードロックチャンバ30aと第2のロードロックチャンバ30bとは同等のものであり、第1のサセプタ交換チャンバ40aと第2のサセプタ交換チャンバ40bとは同等のものであり、第1の成膜チャンバ50aと第2の成膜チャンバ50bとは同等のものである。すなわち、成膜システム1は、2系統の成膜装置を有する。
【0012】
第1のロードロックチャンバ30aは、第1のゲートバルブ32aを介して準備室10とつながっており、また、第2のゲートバルブ34aを介してトランスファチャンバ20とつながっている。同様に、第2のロードロックチャンバ30bは、第3のゲートバルブ32bを介して準備室10とつながっており、また、第4のゲートバルブ34bを介してトランスファチャンバ20とつながっている。第1のロードロックチャンバ30a及び第2のロードロックチャンバ30bによって、準備室10とトランスファチャンバ20との間で、ウェハの出し入れを行うことができる。
【0013】
第1のサセプタ交換チャンバ40aは、第5のゲートバルブ42aを介して外部とつながっており、また、第6のゲートバルブ44aを介してトランスファチャンバ20とつながっている。同様に、第2のサセプタ交換チャンバ40bは、第7のゲートバルブ42bを介して外部とつながっており、また、第8のゲートバルブ44bを介してトランスファチャンバ20とつながっている。第1のサセプタ交換チャンバ40a及び第2のサセプタ交換チャンバ40bによって、外部とトランスファチャンバ20との間で、サセプタユニットの出し入れを行うことができる。
【0014】
第1の成膜チャンバ50aは、第9のゲートバルブ52aを介してトランスファチャンバ20とつながっている。同様に、第2の成膜チャンバ50bは、第10のゲートバルブ52bを介してトランスファチャンバ20とつながっている。
【0015】
トランスファチャンバ20には、ロボット22が設けられている。ロボット22は、ウェハ又はウェハが載せられたサセプタユニットを、第1のロードロックチャンバ30a、第2のロードロックチャンバ30b、第1のサセプタ交換チャンバ40a、第2のサセプタ交換チャンバ40b、第1の成膜チャンバ50a、又は第2の成膜チャンバ50bの内外に出し入れするように構成されている。
【0016】
準備室10には、ロボット12と、アライナ14と、第1のカセット16aと、第2のカセット16bとが設けられている。第1のカセット16aには、第1のロードロックチャンバ30aを介して出し入れされるウェハが配置される。第2のカセット16bには、第2のロードロックチャンバ30bを介して出し入れされるウェハが配置される。ロボット12及びアライナ14を用いて、ウェハは、準備室10と第1のロードロックチャンバ30aとの間、及び準備室10と第2のロードロックチャンバ30bとの間で搬送される。
【0017】
第1のサセプタ交換チャンバ40aには、第5のゲートバルブ42aを介して外部からサセプタユニットが装填される。同様に、第2のサセプタ交換チャンバ40bには、第7のゲートバルブ42bを介して外部からサセプタユニットが装填される。
【0018】
トランスファチャンバ20のロボット22は、第1のロードロックチャンバ30a内のウェハを第2のゲートバルブ34aを介して取り出し、第1のサセプタ交換チャンバ40aに装填されたサセプタユニットの上に載せる。ロボット22は、第1のサセプタ交換チャンバ40a内のウェハが載せられたサセプタユニットを第1のサセプタ交換チャンバ40aから取り出し、第1の成膜チャンバ50a内に設置する。第1の成膜チャンバ50a内で、例えばCVD法により、ウェハ上に、例えばSiCのエピタキシャル膜が成膜される。なお、サセプタユニットは、カーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどにより形成することができる。また、サセプタユニットを構成する個々の部品は、これらの材料を目的に応じて個別に選択することができる。
【0019】
トランスファチャンバ20のロボット22は、成膜後のウェハを保持したサセプタユニットを第1の成膜チャンバ50aから取り出し、第1のサセプタ交換チャンバ40a内に配置する。ロボット22は、第1のサセプタ交換チャンバ40a内で、サセプタユニットから成膜後のウェハを取り出し、第1のロードロックチャンバ30a内に入れる。第1のロードロックチャンバ30a内の成膜後のウェハは、準備室10のロボット12によって取り出され、第1のカセット16aに入れられる。
【0020】
このような工程が繰り返されて、複数のウェハに、順次、結晶膜が成膜される。なお、第1のロードロックチャンバ30a及び第1のサセプタ交換チャンバ40aにカセットが設けられ、各チャンバに複数のウェハが配置される構成であってもよい。
【0021】
準備室10、第2のロードロックチャンバ30b、第2のサセプタ交換チャンバ40b、及び第2の成膜チャンバ50bの間でのウェハの出し入れも同様である。
【0022】
成膜システム1は、成膜システム1の各部の動作を制御する制御装置80を備える。制御装置80は、バスラインを介して互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)81と、RAM(Random Access Memory)82と、ROM(Read Only Memory)83と、ストレージ84と、入力装置85と、表示装置86と、インターフェース(I/F)87とを備える。
【0023】
CPU81は、各種信号処理等を行う。CPU81の動作は、例えば、RAM82、ROM83に記憶されたプログラムやデータに従って行われる。ストレージ84には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等が用いられる。ストレージ84には、制御装置80の機能を実行するために必要なプログラム群、パラメータ等各種情報が記録されている。制御装置80の動作に必要なプログラムは、ストレージ84からRAM82にロードされ、CPU81によって実行される。ROM83は、制御装置80の起動時にストレージ84からRAM82にプログラムをロードするため、ブート処理プログラムを記憶してもよい。各デバイスには、同等の機能を有していればどのような種類のデバイスが用いられてもよい。I/F87を介して、制御装置80は、成膜システム1の各部の制御を行うために、成膜システム1の各部と接続され、制御のために必要な情報の入出力を行っている。
【0024】
〈成膜装置〉
図2は、第1の成膜チャンバ50a及び第2の成膜チャンバ50bに設けられた成膜装置100の構成例の概略を示す図である。図2に示した成膜装置100は、ホットウォール型熱CVD装置である。成膜装置100は、例えばSiCエピタキシャル膜の成膜に用いられる。
【0025】
成膜装置100は、成膜チャンバとしてのチャンバ112を備える。チャンバ112内には、例えば円筒型のホットウォール116が設けられ、ホットウォール116の内側が、反応室としての成膜領域120となっている。成膜領域120の下方には、サセプタユニット210に保持されたウェハ310が配置される。成膜領域120には、上方に設けられた供給口からプロセスガスが供給される。成膜装置100では、サセプタユニット210に保持されたウェハ310上でプロセスガスが反応し、気相成長反応によって、例えばSiCエピタキシャル膜が形成される。
【0026】
サセプタユニット210は、回転ホルダ150に設置される。回転ホルダ150は、円筒部152と、円筒部152の下部に固定された回転軸154とを有している。円筒部152は、その上部にサセプタユニット210が搭載されるように構成されている。円筒部152は、サセプタユニット210が配置される側に大きな開口を有する。回転軸154には、図示しないモータが接続されている。回転ホルダ150は、このモータによって回転するように構成されている。成膜時には、回転ホルダ150が回転することで、そこに搭載されたサセプタユニット210に保持されたウェハ310は回転する。なお、ウェハ310を保持しているサセプタユニット210は、搬入口126を介してチャンバ112に出し入れされる。
【0027】
円筒部152の内部には、底部ヒータ132が設けられている。底部ヒータ132は、円筒部152の開口とサセプタユニット210の下部を介して、ウェハ310をその裏面から加熱する。底部ヒータ132は、中央部に配置された円盤形のインヒータ133と、インヒータ133の外周に配置された環状のアウトヒータ134とを含む。インヒータ133及びアウトヒータ134には、電気抵抗による加熱ヒータを用いることができる。例えば、インヒータ133及びアウトヒータ134は、所定の抵抗値を持つカーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどで構成することができる。底部ヒータ132は、回転軸154内に設けられた図示しない配線によって給電される。
【0028】
円筒部152内には、底部ヒータ132の下方に、底部ヒータ132によるウェハ310の加熱効率を上げるためのリフレクタ142が設けられている。リフレクタ142は、カーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどの耐熱性の高い材料を用いて形成される。リフレクタ142は1枚の板で形成されてもよいし、複数枚の板が積層されて形成されてもよい。リフレクタ142は、加熱時のヒータの電力消費を抑制することに貢献する。
【0029】
また、リフレクタ142の下方には断熱材144が設けられている。リフレクタ142及び断熱材144は、底部ヒータ132の熱が成膜装置100の下方に伝わることを防止する。
【0030】
チャンバ112内の側方に設けられたホットウォール116は、カーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどの耐熱性の高い材料を用いて形成されている。チャンバ112内のホットウォール116の外側には、側面ヒータ138が設けられている。側面ヒータ138にも、電気抵抗による加熱ヒータを用いることができる。側面ヒータ138で発生した熱は、ホットウォール116を介して、成膜領域120やウェハ310、サセプタユニット210などを加熱する。側面ヒータ138とチャンバ112の内壁との間には断熱材118が設けられている。断熱材118は、側面ヒータ138の熱がチャンバ112の壁に伝わることを防止する。
【0031】
チャンバ112の下部には、ガスを排気するための排気口122が設けられている。排気口122は、図示しない調整バルブ及び真空ポンプを有する排気機構に接続されている。排気機構を介して、チャンバ112内は所定の圧力に調整されている。
【0032】
チャンバ112内の成膜領域120の上部には、熱効率を上げるために、底部ヒータ132や側面ヒータ138からの輻射熱を反射するリフレクタ124が設けられている。リフレクタ124は、カーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどを用いた板により形成することができる。リフレクタ124は、1枚の板で形成されてもよいし、複数枚の板が積層されて形成されもよい。また、リフレクタ124に不図示の複数のガス穴を設けて、リフレクタ124の上部空間から成膜領域120へ整流ガスを導入するようにしてもよい。整流ガスを導入することで、成膜領域120のリフレクタ124近傍におけるガスの対流を抑制して、リフレクタ124への堆積物の付着が抑制される。リフレクタの上部空間へは不図示のガスパイプからガスを導入することができる。整流ガスとしては水素ガスやアルゴンガスなどが用いられる。
【0033】
チャンバ112の上部には、ガス供給部160が設けられている。ガス供給部160は、成膜領域120にキャリアガス、ソースガス、ドーピングガス等のプロセスガスを供給する。ガス供給部160は、例えば、第1のガスパイプ1611と、第1の仕切板1612と、第1のガス配管161と、第2のガスパイプ1621と、第2の仕切板1622と、第2のガス配管162と、第3のガスパイプ1631と、第3の仕切板1632と、第3のガス配管163とを備える。第1のガスパイプ1611へは、第1のガス配管161からガスが供給され、第2のガスパイプ1621へは、第2のガス配管162からガスが供給され、第3のガスパイプ1631へは、第3のガス配管163からガスが供給される。仕切板1612、1622、1632は、ガス配管161、162、163から導入されるガスが、ガス供給部160内部で混合されるのを防ぐ。例えばSiCを成膜する場合、第1のガスパイプ1611は、成膜領域120に、例えば、水素ガスを供給する。第2のガスパイプ1621は、成膜領域120に、例えば、SiCソースガスとしてシランガス、成長速度向上のためのHClガス、及びそれらのキャリアガスとしての水素ガス等を供給する。第3のガスパイプ1631は、成膜領域120に、例えば、SiCソースガスとしてプロパンガス、ドーピングガスとして窒素ガス、及びそれらのキャリアガスとしての水素ガス等を供給する。なお、図2は成膜装置100の典型的な一断面の一例を示しており、実際のガス供給部160は、第1のガスパイプ1611、第2のガスパイプ1621、第3のガスパイプ1631を、それぞれ複数本を備えることができる。また、第1のガスパイプ1611、第2のガスパイプ1621、第3のガスパイプ1631の配置については、特に限定されるものではなく、膜厚分布やキャリア濃度分布などの均一性を高められる配置を任意に選択することができる。
【0034】
ウェハ310の温度を測定する目的で、ガス供給部160の上部には放射温度計171が設けられている。放射温度計171は、ガス供給部160の上部に設けられた石英ガラスで形成された窓172と、パイプ173とを介して、ウェハ310の温度を測定する。放射温度計171は、ウェハ310の中央部から外周部にかけての複数個所の温度をモニタする。
【0035】
例えば、ウェハ310上にSiCエピタキシャル膜を成膜する場合、チャンバ112内の圧力は、例えば26.7kPaに調整される。ウェハ310は、底部ヒータ132及び側面ヒータ138を用いて、1500℃以上になるまで加熱される。ウェハ310の表面温度は、放射温度計171を用いて監視され、例えば、インヒータ133の出力をフィードバック制御することで、±1℃以内の精度で1620℃に維持される。回転ホルダ150によってウェハ310は、例えば600rpmで回転させられる。この条件下で、ガス供給部160からSiCソースガス及びドーピングガスがウェハ表面に供給されると、ウェハ310の表面にSiCエピタキシャル膜が形成される。例えば約30乃至45分かけて、例えば5乃至10μmの厚さのSiC膜が成膜される。
【0036】
〈サセプタユニット〉
本実施形態に係るサセプタユニット210の構成例について説明する。図3は、サセプタユニット210の構成例の概略を示す斜視図である。図4は、サセプタユニット210の構成例の概略を示す断面図である。これら図に示すように、サセプタユニット210は、少なくとも、裏面支持部材221と、スペーサ232と、側面ガイド234とを有する。
【0037】
裏面支持部材221は、ウェハ310を支持する支持部材である。一例としての裏面支持部材221は、おおよそ円盤形状をしている。裏面支持部材221は、上面と底面とが平行で平らであり、ウェハ310とほぼ同じ直径を有する円盤形状の中央部223と、中央部223の周囲にあり中央部223よりもやや薄い周縁部224とを有する。
【0038】
一例としてのスペーサ232は、円環形状をしている。スペーサ232は、裏面支持部材221の周縁部224の上に配置されるように構成されている。すなわち、スペーサ232の内径は、例えば、裏面支持部材221の中央部223の直径とほぼ同じである。スペーサ232の外径は、例えば、裏面支持部材221の外径とほぼ同じである。スペーサ232は、裏面支持部材221の中央部223を囲むように裏面支持部材221に嵌め込まれる。スペーサ232は、後述するとおり、厚さが異なるものが種々用意されるが、スペーサ232の厚さは、裏面支持部材221の中央部223と周縁部224との厚さの差よりも薄い。スペーサは、後述するように、ウェハ310の上面と側面ガイド234の上面との相対高さを調整するための調整部材である。
【0039】
一例としての側面ガイド234は、円環形状をしている。側面ガイド234は、スペーサ232の上に配置されるように構成されている。すなわち、側面ガイド234の内径は、例えば、裏面支持部材221の中央部223の直径とほぼ同じである。側面ガイド234の外径は、例えば、裏面支持部材221の外径とほぼ同じである。側面ガイド234は、裏面支持部材221の中央部223を囲むように裏面支持部材221に嵌め込まれる。言い換えると、側面ガイド234は、ウェハ310の成膜面に対して垂直な方向から見たときに、ウェハ310の外周を囲むように支持部材上に設けられるように構成されている。
【0040】
スペーサ232の上に側面ガイド234が重ねられたとき、側面ガイド234の上面は、裏面支持部材221の中央部223よりも高くなるように構成されている。すなわち、裏面支持部材221にスペーサ232及び側面ガイド234が嵌め込まれたとき、裏面支持部材221の中央部223の上に窪みができる。この窪みに、ウェハ310は配置される。ウェハ310の外周が側面ガイド234によって囲まれることで、成膜時に、ウェハ310を保持するサセプタユニット210が回転ホルダ150によって回転しても、ウェハ310が遠心力によってずれることがない。
【0041】
ウェハ310の厚さは、これに限らないが、例えば350μm程度である。スペーサ232の厚さは、最も厚いもので、例えば3mm程度に設定される。強度を考慮すると、スペーサ232の厚さは、300μm以上であることが好ましい。側面ガイド234の厚さは、例えば1mm程度である。また、ウェハ310の直径は、例えば100乃至150mm程度である。円環形状のスペーサ232及び側面ガイド234の幅は、例えば10mm程度である。
【0042】
ウェハ310の上面を流れるプロセスガスの流れを乱さないことを考慮すると、ウェハ310の上面の高さは、側面ガイド234の上面の高さとほぼ同じ、あるいは、側面ガイド234の上面よりやや高いことが好ましい。一方で、ウェハ310が薄い場合、成膜時の回転による遠心力の影響を受けて、ウェハ310が側面ガイド234を越えてずれる可能性がある。ウェハ310がずれないように、側面ガイド234の上面の高さは、ウェハ310の上面の高さよりも、例えば150μm程度高くなるように調整されてもよい(図4)。すなわち、ウェハ310の成膜面と側面ガイド234の上面との高さ関係は、上記した所定の範囲内にあることが好ましい。
【0043】
裏面支持部材221は、例えばカーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどで形成することができる。ウェハ310上にSiCエピタキシャル膜を成膜する場合、裏面支持部材221としては、カーボン又はTaCで被覆したカーボンが好ましく用いられる。これは、SiC又はSiCで被覆したカーボンは、高温でSiCが昇華し、ウェハ310の裏面に昇華したSiCが転写する恐れがあるためである。また、側面ガイド234は、例えばカーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどで形成することができる。このとき、スペーサ232は、例えばカーボン、SiC、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンなどで形成することができる。ウェハ310上にSiCエピタキシャル膜を成膜する場合、側面ガイド234としてはSiCが好ましく用いられる。これは、カーボン、SiCで被覆したカーボン、TaCで被覆したカーボンは、側面ガイド234上に成膜される堆積物(SiC)との熱膨張係数差により、冷却時に反りやすいためである。また、このとき、スペーサ232としては、カーボン又はTaCで被覆したカーボンが好ましく用いられる。これは、SiC、SiCで被覆したカーボンは、側面ガイド234のSiCとの間で、一方のSiCが昇華し、他方に転写しやすいためである。さらに、成膜時のウェハ310の温度分布の制御を容易にするために、側面ガイド234とスペーサ232とは比熱が同等であり、熱伝導性も同等である物質であることが好ましい。側面ガイド234の比熱とスペーサ232の比熱との差は、例えば0.3J/gK以下であることが好ましい。例えばSiCの比熱は製法によっても異なるが、おおよそ0.65-0.67J/gKであるのに対して、カーボンの比熱は、製法によっても異なるが、おおよそ0.60-0.85J/gKである。このように、SiCとカーボンとの組み合わせは適切である。なお、サセプタユニット210を構成する部材は、成膜処理時の温度に耐えられるような耐熱性を有する必要がある。また、スペーサ232の比熱と成膜される材料の比熱とも同等であることが好ましい。スペーサ232の比熱と成膜される材料の比熱との差は、例えば0.3J/gK以下であることが好ましい。なお、側面ガイド234に、SiCを用いる場合は、CVDで形成したSiCとすることができる。
【0044】
図5Aは、成膜時のウェハ310の表面におけるプロセスガス332の流れを模式的に示す図である。プロセスガス332は、ウェハ310の表面に沿って中央から外側に向けて流れる。ウェハ310の上面と側面ガイド234の上面との高低差が小さいとき、プロセスガス332は、側面ガイド234の周辺においても乱れることなくサセプタユニット210の外側へと滑らかに流れる。この場合、ウェハ310の周辺部においてプロセスガス332が滞留することがなく、ウェハ310の成膜面において膜厚分布やキャリア濃度分布がよい膜を形成することができる。
【0045】
成膜処理においては、ウェハ310の表面に膜が形成されるのはもちろんのこと、側面ガイド234の上面にも同様の堆積物の層が形成される。成膜処理が繰り返し行われると、側面ガイド234の上面に堆積物の層が次々と堆積し、次第に厚い堆積物の層となる。
【0046】
図5Bに示すように、側面ガイド234の上面に形成される堆積物の層334の厚さが増してくると、堆積物の層334が形成された側面ガイド234の上面と、成膜処理の度に交換される成膜処理前のウェハ310の上面との高低差は次第に大きくなる。この高低差が大きくなってくると、プロセスガス332の流れに乱れが生じる。例えば、図5Bに示すように、ウェハ310の周辺部でプロセスガス332の滞留が生じる。このようなプロセスガス332の流れの変化は、ウェハ310上に形成される膜の膜厚分布、キャリア濃度分布等を変化させるおそれがある。
【0047】
そこで、本実施形態に係るサセプタユニット210では、図6A及び図6Bに示すように、堆積物の層334が厚くなるに従って、スペーサ232が薄いものに交換される。このようにして、堆積物の層が形成された側面ガイド234の上面と、成膜面であるウェハ310の上面との高低差は、所定の範囲内に収まるように調整される。
【0048】
例えば、堆積物の層334の厚さが150乃至500μm増加したら、スペーサ232が交換される。例えば、堆積物の層334の厚さが150μm増加したときにスペーサ232が交換される場合、例えば1回の成膜処理で10μmの膜が形成されるとすると、15回の成膜処理ごとにスペーサ232が交換される。この例では、最も厚いスペーサ232の厚さが3mm(3000μm)であるとすると、次に交換されるスペーサは、2850μmの厚みのスペーサになる。例えば、厚さが異なる複数種類のスペーサ232が用意され、それらが成膜処理の回数に応じて交換されることになる。このように、本実施形態では、複数のスペーサ232を有するスペーサセットが用意されている。
【0049】
なお、上述の例では、裏面支持部材221が一つの部材で形成されている例を示したが、これに限らない。裏面支持部材221が複数の部材から形成されていてもよい。例えば、ウェハ310のサセプタユニット210への設置及びサセプタユニット210からの取り出しが容易となるように、裏面支持部材221は中央部分が持ち上がるように構成されていてもよい。この場合、持ち上がる中央部分とその他の部分とは別体として形成され、全体として裏面支持部材221として機能する。また、図6A、6Bは、裏面支持部材221の上面がウェハ310の裏面と接する態様を示す。しかし、裏面支持部材221の上面とウェハ310の裏面との間に空間を設けるように、裏面支持部材221が、例えば、裏面支持部材221の上面に階段状の構造を持つなどの構成であってもよい。
【0050】
[システムの動作]
本実施形態に係る成膜システム1を用いた複数のウェハの順次成膜処理について説明する。ここで説明する方法は、スペーサ232及び側面ガイド234の交換を含む連続成膜方法である。ここに示す処理の全てが、制御装置80の制御下で全自動的に行われてもよい。このとき、制御装置80は、動作を行う各部に制御のための信号を出力する。また、ここに示す処理の一部がオペレータによって手動で行われてもよい。このとき、制御装置80は、表示装置86に、オペレータが行うべき作業に関する情報を提示してもよい。すなわち、制御装置80は、その情報を表示するためのデータや信号を、表示装置86に出力する。
【0051】
ステップS1において、側面ガイド234の上面に堆積している堆積物の層の厚さを示す合計膜厚が初期値に設定される。成膜処理に新しい側面ガイド234が用いられるとき、又は、後述するクリーニング処理によって堆積物の層が除去された側面ガイド234が用いられるときには(ステップS9)、合計膜厚は0に設定される。後述するステップS8に示されるように、合計膜厚の値は、合計膜厚が初期値に再設定される(ステップS9→ステップS1)まで、成膜処理が行われる度に、合計膜厚に所定値が累積加算される。ウェハ310に対する1回の成膜処理によって、ウェハ310に形成される膜の厚さと同程度の厚みをもった堆積物の層が、側面ガイド234の上面に形成される場合、合計膜厚に加算される所定値は、この設計値であってよい。すなわち、ウェハ310に対する1回の成膜処理でウェハ310に形成される膜の厚さは設計値として既知であるので、合計膜厚には、成膜処理を繰り返す度に、この設計値の厚さが加算される。また、ウェハ310に対する1回の成膜処理によって、ウェハ310に形成される膜の厚さと、側面ガイド234の上面に形成される堆積物の層の厚みとが大きく異なる場合は、ウェハ310に形成される膜の厚さと、側面ガイド234の上面に形成される堆積物の厚みの関係性を事前に調べておくことで、合計膜厚を設定することができる。
【0052】
ステップS1において、厚さが異なる複数のスペーサのうち何れのスペーサが用いられているかを示すスペーサ種別のインジケータも、最初に使用されるスペーサの種別に設定される。新しい側面ガイド234が用いられ、最も厚いスペーサ232が用いられるときには、最も厚いスペーサを示すインジケータに設定される。他のスペーサ232が用いられるときには、その種別のスペーサに対応するインジケータに設定される。
【0053】
なお、合計膜厚及びスペーサ種別のインジケータの情報は、例えばRAM82又はストレージ84に記憶され、処理に用いられる。RAM82又はストレージ84に記憶されたこれらの情報は、後述するステップS5、ステップS8、ステップS9の処理で更新することができる。
【0054】
ステップS2において、現在の合計膜厚の値に基づいて、堆積物の層334が形成された側面ガイド234の上面(初期状態では、堆積物の層334がないので、側面ガイド234の上面)と、成膜面であるウェハ310の上面との高低差が算出される。側面ガイド234の上面の高さは、使用されているスペーサ232の種別に対応するスペーサ232の厚みと側面ガイド234の厚みがわかっているので、合計膜厚に基づいて求まる。ウェハ310の上面の高さも、既知であるウェハ310の厚さによって求まる。
【0055】
ステップS3において、ステップS2で算出された高低差が許容値よりも大きいか否かが判定される。高低差が許容値以下であるとき、成膜処理を行うことが可能であるので、処理はS6に進み、後述するように成膜準備が行われて成膜処理が実行される。
【0056】
ステップS3において、高低差が許容値よりも大きいと判定されたとき、処理はステップS4に進む。ステップS4において、交換可能なスペーサがあるか否かが判定される。交換可能なスペーサとは、現在使用しているスペーサよりも薄いスペーサである。
【0057】
ステップS4において、交換可能なスペーサがあると判定されたとき、処理はステップS5に進む。ステップS5において、スペーサ232が交換される。すなわち、サセプタ交換チャンバにおいて、側面ガイド234とスペーサ232とが裏面支持部材221から取り外され、それまで使用していたスペーサの代わりに、より薄いスペーサが設置され、その上に取り外した使用中の側面ガイド234が設置される。このとき、使用中のスペーサの種別を示す記憶されたインジケータは、交換後のスペーサの種別を示すインジケータに変更される。なお、スペーサ232の交換は、オペレータによって手作業で行われてもよいし、専用の装置が設けられてもよい。その後、処理はステップS6に進む。すなわち、次に示すように、成膜準備が行われて成膜処理が実行される。
【0058】
成膜処理の開始前に、ステップS6において、ウェハ310及びサセプタユニット210のチャンバ112内への搬送、チャンバ112内の温度の調整などの成膜準備が行われる。ステップS7において、成膜処理が実行される。すなわち、適温に加熱されたチャンバ112内で、回転ホルダ150を用いてサセプタユニット210が回転させられる。この状態でプロセスガスが供給され、ウェハ310上に例えばSiCの結晶膜といった膜が形成される。同時に、側面ガイド234の上面にも、例えばSiCの堆積物の層が形成される。
【0059】
ステップS7の成膜処理が終了すると、側面ガイド234上に新たな堆積物の層が堆積したことになるので、ステップS8において、合計膜厚にステップS7の成膜処理でウェハ310上に形成された膜の厚さ、又は、事前に調べられたウェハ310に形成される膜の厚さと、側面ガイド234の上面に形成される堆積物の厚みとの関係性から求められる、側面ガイド234の上面に形成される堆積物の厚みが加算される。すなわち、記憶された合計膜厚は、当該成膜処理後の側面ガイド234上の堆積物の層の厚さを示す値に更新される。その後、処理はステップS2に戻り、高低差を算出して次の成膜が許容されるか判断される。
【0060】
ステップS4において、交換可能なスペーサがないと判定されたとき、処理はステップS9に進む。これは、側面ガイド234に堆積している堆積物の層334の厚さが、スペーサ232の交換では対応できないほど厚い場合である。そこで、ステップS9において、側面ガイド234とスペーサ232とが交換される。すなわち、スペーサ交換チャンバにおいて、今まで使用されていた側面ガイド234とスペーサ232とが裏面支持部材221から取り外され、代わりに、最も厚いスペーサ232が設置され、その上に堆積物の層334が形成されていない新しい又はクリーニング済みの側面ガイド234が設置される。なお、今まで使用されていたスペーサは、繰り返し用いることができる。その後、処理はステップS1に進む。すなわち、記憶された合計膜厚は0にリセットされ、最も厚いスペーサの種別に対応するインジケータが、使用中のスペーサの種別を示す記憶されたインジケータに設定される。その後の処理は、上述と同様である。これらの手順は、一連の成膜処理が繰り返されている間は繰り返され、一連の成膜処理が終了すれば終了する。
【0061】
以上のような本実施形態によれば、スペーサ232の交換によって側面ガイド234の上面(堆積物の層334の上面)とウェハ310の上面との高低差が所定範囲内に収まる。したがって、成膜処理において、ウェハ310の上面におけるプロセスガスの流れは、成膜処理が繰り返されても、形成される膜の膜厚や性質に影響するような変化をすることがなくなる。
【0062】
さらに、前述のように、スペーサ232、側面ガイド234、及び堆積物の層334の比熱がほとんど同じである。また、堆積物の層334の厚みが増したとしても、スペーサ232、側面ガイド234、及び堆積物の層334を合計した体積は、許容の範囲内にある。したがって、スペーサ232、側面ガイド234、及び堆積物の層334を合わせた熱容量は、堆積物の層334の厚みが増したとしても、許容の範囲内で一定となる。すなわち、ウェハ310の外周部の温度を、許容の範囲内で一定とすることができる。
【0063】
さらに、成膜処理の対象となるウェハ310の表面のチャンバ112における位置は、繰り返される成膜処理を通じて変化しない。また、ウェハ310がサセプタユニット210上に搭載される形態も変わらない。以上のことから、堆積物の層334の厚みが増したとしても、あるいは、スペーサ232を交換したとしても、繰り返される成膜処理を通して成膜条件を一定とすることができる。その結果、ウェハ310上に形成される膜も均質なものとなる。
【0064】
前述のように、成膜処理の対象となるウェハ310のチャンバ112における位置は、繰り返される成膜処理を通じて変化しない。すなわち、成膜処理が繰り返されても、成膜の対象となるウェハ310の上面の高さは、チャンバ112の他の構成要素に対して変化することがない。このことは、例えば、放射温度計171による温度計測など、成膜プロセスの状態を把握するための情報取得も安定的に行われやすくなることを意味する。この点も、ウェハ310上に形成される膜を均質なものとすることに寄与する。
【0065】
本実施形態は、特にSiC膜を形成する場合において効果を奏する。堆積物の層334が形成された側面ガイド234に対し、クリーニング処理を施して、堆積物を除去することが考えられる。クリーニング処理とは、化学的な処理によって、あるいは、機械的に削りとるといった処理によって、側面ガイド234に形成された堆積物の層を除去する処理である。側面ガイド234の上面に形成された堆積物の層334の組成がSi又はGaNの場合には、成膜処理に引き続いて、その場でガスエッチングなどの方法で堆積物を除去することが可能である(in-situクリーニング)。しかし、堆積物の層334の組成がSiCの場合は、そのようなガスによるクリーニング手法が確立されていない。したがって、SiCの堆積物の層が形成された側面ガイド234は、例えば研磨によって、SiCの堆積物の層を除去する必要がある。機械的なクリーニングは手間がかかり、側面ガイド234にダメージを与えるおそれもある。また、化学的な処理であっても、例えば、堆積物の組成がSiCで、側面ガイド234もSiCで形成されている場合、堆積物の除去とともに側面ガイドの一部も除去されてしまう(オーバーエッチング)おそれがある。すなわち、側面ガイド234の上面に形成されたSiCの堆積物の層のみを除去することが困難であり、また、可能であったとしても、高コストである。
【0066】
SiCの場合、一回の成膜処理でウェハ310に形成される膜の厚さが一般に5μm以上と比較的厚い。ウェハ310に形成される膜の膜厚分布などに影響を与えない側面ガイド234上の堆積物の層334の厚みは、150乃至500μm程度が限度である。したがって、少ない回数の成膜処理で限度に達してしまうので、図5Bを参照して説明したような、側面ガイド234の上面とウェハ310の上面との高低差が問題になりやすい。したがって、何も対策をとらないと、側面ガイド234の交換頻度が高くなり、そのコストも問題になる。
【0067】
本実施形態によれば、以上のような問題が、モータを用いた昇降機構などの特別な機構をサセプタユニット210又は成膜装置100に設けることなく解決することができる。また、本実施形態によれば、サセプタユニット210と、例えばヒータ、ガス供給部160、放射温度計171などといった成膜装置100の構成要素との位置関係は変わらない。したがって、ウェハ310に対する成膜装置100の設定条件を維持しつつ、スペーサ232の交換という簡単な手法で上記の問題を解決することができる。
【0068】
また、本実施形態に係る成膜装置100の構成では、サセプタユニット210の下方に底部ヒータ132が設けられており、サセプタユニット210の下方から加熱が行われている。本実施形態では、サセプタユニット210の下部が変化しない。例えば、裏面支持部材221とアウトヒータ134との位置関係、又は、裏面支持部材221とウェハ310との位置関係が変化しない。このため、成膜処理の繰り返しを通じて各種条件が変わらず、成膜条件の調整が不要又は容易になるという効果が得られる。
【0069】
なお、本実施形態では、スペーサ232として、厚さが異なる複数のスペーサが用意されており、形成された堆積物の層334の厚さに応じて、使用されるスペーサが選択される。しかしながら、これに限らない。堆積物の層334の厚さに応じて、スペーサ232の挿入の有無が選択されてもよい。また、サセプタユニット210に同時に挿入されるスペーサ232の数は、1枚に限らない。複数枚のスペーサ232が挿入されてもよいし、スペーサ232の枚数で厚さが調整されてもよい。ただし、スペーサ232は、ある程度の厚さがあった方が、取り扱いが容易であり、また耐久性が高い。したがって、複数のスペーサ232が用いられる場合には、取り扱いやすさも考慮してスペーサ232の厚さが決定されるべきである。何れの場合にも、スペーサ232は、堆積物の層の厚さに応じて選択的に挿入される。
【0070】
[変形例]
上述の実施形態にいくつかの変形例を示す。ここでは、上述の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0071】
〈第1の変形例〉
上述の実施形態では、側面ガイド234の上面とウェハ310の上面との位置関係を調整するために、側面ガイド234の下に、すなわち、側面ガイド234と裏面支持部材221との間に配置されたスペーサの厚さを変更している。これに対して本実施形態では、裏面支持部材221とウェハ310との間にスペーサ242を挿入する。すなわち、スペーサ242の厚さによってウェハ310の上面の高さを上げることで、側面ガイド234の上面とウェハ310の上面との位置関係を調整する。
【0072】
本変形例の模式図を図8A図8B及び図8Cに示す。図8Aに示すように、側面ガイド234の上に堆積物の層がないとき、裏面支持部材221の上にウェハ310が配置される。図8Bに示すように、側面ガイド234の上に堆積物の層334が形成されたとき、その厚さに応じた厚さを有するスペーサ242が裏面支持部材221の上に配置され、その上にウェハ310が配置される。図8Cに示すように、堆積物の層334の厚さがさらに厚くなったとき、それに応じてスペーサ242は、さらに厚い物に交換される。なお、スペーサ242の形状は、リング状など、ウェハ310の背面の全面を支持しなくてもよい。
【0073】
本変形例によっても、側面ガイド234の上の堆積物の層334の上面とウェハ310の上面との高低差は、所定の範囲内に収まる。したがって、上述の実施形態と同様に、ウェハ310の上面におけるプロセスガスの流れについて、繰り返される成膜処理を通じて、許容できないような乱れなどの変化は生じない。したがって、ウェハ310上に形成される膜は均質なものとなる。
【0074】
〈第2の変形例〉
上述の実施形態のようにスペーサ242を用いるのではなく、裏面支持部材221が交換されてもよい。すなわち、図9A図9B及び図9Cに示すように、側面ガイド234の上の堆積物の層334の厚さに応じて、中央部223又は周縁部224、あるいは中央部223及び周縁部224の両方の厚さが異なる複数の裏面支持部材221の中から、適切な裏面支持部材221が選択されてもよい。なお、裏面支持部材221は、ウェハ310の背面の全面を支持する構造でなくてもよい。
【0075】
本変形例によっても、側面ガイド234の上面とウェハ310の上面との高低差が所定範囲内に収まる。したがって、ウェハ310の上面におけるプロセスガスの流れについて、繰り返される成膜処理を通じて、許容できないような乱れなどの変化は生じない。さらに、裏面支持部材221、側面ガイド234及び堆積物の層334を合わせた大きさがほとんど同じになるように調整されることで、それらの熱容量、ウェハ310の表面高さ、ウェハ310の裏面側の構成などが変化しない。その結果、ウェハ310に対する成膜装置100の設定条件を変える必要がなくなり、ウェハ310上に形成される膜も均質なものとなる。
【0076】
本変形例のように、スペーサを用いないことで、部品点数を減らすことができる。一方で、スペーサを用いることで、裏面支持部材221を共通化することができる。
【0077】
なお、上述の実施形態と、第1の変形例と、第2の変形例とは、組み合わせて用いられてもよい。すなわち、裏面支持部材221と側面ガイド234との間に挿入されるスペーサ232と、裏面支持部材221とウェハ310との間に挿入されるスペーサ242とが同時に用いられたり、さらに裏面支持部材221が交換されたりしてもよい。
【0078】
〈第3の変形例〉
プロセスガスによる反応生成物は、側面ガイド234の上面のみならず、側面ガイド234及びスペーサ232の側面にも、付着することがある。さらに、スペーサ232と側面ガイド234との加工バラつきによって、スペーサ232と側面ガイド234との間にも、反応生成物は侵入することがある。側面ガイド234とスペーサ232との間に反応生成物が侵入し、側面ガイド234とスペーサ232との何れか一方に反応生成物が付着すると、スペーサ232と側面ガイド234との密着性が徐々に悪くなり、側面ガイド234がスペーサ232から一部浮いている状態になることがある。このような状態は、側面ガイド234とスペーサ232との間にがたつきを生じさせ、回転ホルダ150によって高速回転されたときの安定性に悪い影響を与える。また、側面ガイド234とスペーサ232との接触面積が異なることになり、ウェハ310の外周部の温度を、許容の範囲内で一定に保つことが困難になる。
【0079】
そこで、図10Aに示す本変形例のように、側面ガイド234の周縁部の形状は、スペーサ232に覆いかぶさるような形状であってもよい。側面ガイド234の周縁部の形状をこのようにすることで、図10B及び図10Cに示すように、反応生成物335が、側面ガイド234とスペーサ232との界面に侵入しにくくなる。
【0080】
〈第4の変形例〉
図11Aに示す本変形例のように、スペーサ232及び側面ガイド234は、スペーサ232の外径が変更できるように構成されていてもよい。側面ガイド234の周縁部の形状がスペーサ232に覆いかぶさるような形状である点は、第3の変形例と同様である。図11Bに示すように、反応生成物335が側面ガイド234の外周下側に回り込まないときには、スペーサ232の外径は変更されない。反応生成物335の付着がさらに増して、側面ガイド234の外周下側に回り込むときには、スペーサ232は、外径が小さいものに交換される。このようにスペーサ232の外径を小さくすることで、付着した反応生成物335が側面ガイド234とスペーサ232との界面に影響を与えないように、スペーサ232及び側面ガイド234は構成されてもよい。
【0081】
なお、ウェハ310の側面と、側面ガイド234の内側面との間には、加工バラつきや熱膨張、ウェハの搬送精度等を考慮した隙間が設けられていてもよい。また、スペーサ232及び側面ガイド234の内側面と、裏面支持部材221における中央部223の側面との間には、加工バラつきや熱膨張を考慮した隙間が設けられていてもよい。
【0082】
また、堆積物の層334は、側面ガイド234の上面のみならず、側面ガイド234の内側面にも形成され、側面ガイド234の内周方向に堆積物の層334がせり出してくることがある。このような場合、ウェハ310と干渉し、サセプタユニット210からウェハ310が取り外せなくなることがある。したがって、図7のステップS3に示す高低差の許容値として、高低差だけでなく、せり出し量も考慮した値を決めることもできる。せり出し量は、事前にウェハ310に形成される膜の厚さとの関係性を求めておくことで、図7のステップS3における許容値に反映させることができる。また、このような堆積物の層334のせり出した部分であれば、簡易的な研削装置により短時間で除去ができるため、ステップS3とステップS4との間に、一時的に側面ガイド234を取り出し、堆積物の層334のせり出した部分を研削するステップを追加しても良い。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0084】
1…成膜システム、10…準備室、12…ロボット、14…アライナ、16a…第1のカセット、16b…第2のカセット、20…トランスファチャンバ、22…ロボット、30a…第1のロードロックチャンバ、30b…第2のロードロックチャンバ、32a…第1のゲートバルブ、32b…第3のゲートバルブ、34a…第2のゲートバルブ、34b…第4のゲートバルブ、40a…第1のサセプタ交換チャンバ、40b…第2のサセプタ交換チャンバ、42a…第5のゲートバルブ、42b…第7のゲートバルブ、44a…第6のゲートバルブ、44b…第8のゲートバルブ、50a…第1の成膜チャンバ、50b…第2の成膜チャンバ、52a…第9のゲートバルブ、52b…第10のゲートバルブ、80…制御装置、81…CPU、82…RAM、83…ROM、84…ストレージ、85…入力装置、86…表示装置、87…インターフェース(I/F)、100…成膜装置、112…チャンバ、116…ホットウォール、118…断熱材、120…成膜領域、122…排気口、124…リフレクタ、126…搬入口、132…底部ヒータ、133…インヒータ、134…アウトヒータ、138…側面ヒータ、142…リフレクタ、144…断熱材、150…回転ホルダ、152…円筒部、154…回転軸、160…ガス供給部、161…第1のガス配管、1611…第1のガスパイプ、1612…第1の仕切板、162…第2のガス配管、1621…第2のガスパイプ、1622…第2の仕切板、163…第3のガス配管、1631…第3のガスパイプ、1632…第3の仕切板、171…放射温度計、172…窓、173…パイプ、210…サセプタユニット、221…裏面支持部材、223…中央部、224…周縁部、232…スペーサ、234…側面ガイド、242…スペーサ、310…ウェハ、332…プロセスガス、334…堆積物の層、335…反応生成物。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C