(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220216BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220216BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220216BHJP
G03G 21/02 20060101ALI20220216BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20220216BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
B41J29/38 204
H04N1/00 C
H04N1/00 E
G03G21/00 370
G03G21/02
B41J29/42 F
B41J29/00 Z
(21)【出願番号】P 2017250838
(22)【出願日】2017-12-27
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】峰岸 沙央里
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-090558(JP,A)
【文献】特開2012-027266(JP,A)
【文献】特開2002-182529(JP,A)
【文献】特開2012-014274(JP,A)
【文献】特開2011-064801(JP,A)
【文献】特開2010-168134(JP,A)
【文献】特開2011-242967(JP,A)
【文献】特開2007-086646(JP,A)
【文献】特開2005-047133(JP,A)
【文献】特開2002-077567(JP,A)
【文献】特開2012-118845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0041796(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
H04N 1/00
G03G 21/00
G03G 21/02
B41J 29/42
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に関する原稿情報を取得する取得部と、
前記原稿情報と、前記原稿を複写して媒体へ印刷する実行部の有する機能と、に基づいて
、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の前記媒体の使用量の削減率を導出
する導出部と、
複数の設定項目毎に前記導出部が導出した前記推奨設定が設定された第1推奨画面を表示
部に表示する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記第1推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記削減率を
含む第2推奨画面を前記表示部に表示し、
前記実行部は、前記第2推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記第1推奨画面
に表示された推奨設定に基づいて印刷を実行する情報処理装置。
【請求項2】
前記機能は、
前記原稿の前記媒体への印刷方法に関する機能である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機能は、
前記原稿の原稿面を前記媒体の両面へ印刷する両面印刷機能、複数の前記原稿面を前記媒体へ集約して印刷する集約機能、および、前記原稿の原稿面を二つ折りの本になるように振り分けて印刷する製本印刷機能、の少なくとも1つを含む、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記原稿情報は、
印刷対象の前記原稿の枚数を示す枚数情報、前記原稿における印刷対象の原稿面が片面または両面であるかを示す原稿面情報、を含む、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザによる操作入力を受付ける受付部を備え、
前記取得部は、前記受付部から前記原稿情報を取得する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
製本印刷に適した前記原稿の枚数に応じた、互いに異なる枚数範囲の複数の選択欄を含む画面を前記表示部に表示し、
前記取得部は、
前記選択欄を介して操作入力された枚数範囲を示す前記枚数情報を含む前記原稿情報を、前記受付部から取得する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記原稿情報は、
前記原稿面の色情報を更に含む、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記導出部は、前記原稿情報と、前記実行部の有する機能と、に基づいて、前記削減率が第1の閾値以上の前記推奨設定を導出する、
請求項1~請求項7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記導出部は、
前記原稿情報と、前記実行部の有する機能と、に基づいて、前記削減率が前記第1の閾値以上であり、且つ、コピー時に前記実行部で用いる色材の数が第2の閾値以下、および、前記原稿を印刷された前記媒体の見易さの度合いが第3の閾値以上、の少なくとも一つを満たす、前記推奨設定を導出する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記導出部は、
前記原稿情報に応じて前記原稿を前記媒体へ印刷したときの第1の使用料金に対する、前記原稿を前記推奨設定で前記媒体へ印刷したときの第2の使用料金の料金削減率を更に導出し、
前記表示制御部は、
前記推奨設定
が設定された前記第1推奨画面を前記表示部に表示し、前記第1推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記削減率
および前記料金削減率
を含む
前記
第2推奨画面を前記表示部に表示する、
請求項1~請求項9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、
前記削減率を示すグラフ画像を前記表示部に表示する、
請求項1~請求項10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記第2推奨画面は、前記第1推奨画面に表示された推奨設定に基づく前記削減率と、印刷部数の設定部材とを含む、
請求項1~請求項11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
原稿に関する原稿情報を取得するステップと、
前記原稿情報と、前記原稿を複写して媒体へ印刷する実行部の有する機能と、に基づいて、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の前記媒体の使用量の削減率を導出するステップと、
複数の設定項目毎に導出した前記推奨設定が設定された第1推奨画面を表示部に表示するステップと、
前記第1推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記削減率を含む第2推奨画面を前記表示部に表示するステップと、
前記第2推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記第1推奨画面に表示された推奨設定に基づいて印刷を実行するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
原稿に関する原稿情報を取得するステップと、
前記原稿情報と、前記原稿を複写して媒体へ印刷する実行部の有する機能と、に基づいて、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の前記媒体の使用量の削減率を導出するステップと、
複数の設定項目毎に導出した前記推奨設定が設定された第1推奨画面を表示部に表示するステップと、
前記第1推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記削減率を含む第2推奨画面を前記表示部に表示するステップと、
前記第2推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記第1推奨画面に表示された推奨設定に基づいて印刷を実行するステップと、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷の際に、印刷設定を自動で変更する画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、ユーザが設定した条件設定より用紙を削減できる別の条件設定を提示し、印刷するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、印刷を実行する実行部は、構成によって異なる機能を有する場合がある。しかし、従来の技術では、実行部の機能に応じた、推奨設定や該推奨設定を用いたことによる効果を示す情報は提供されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷を実行する実行部の機能に応じた、推奨設定および該推奨設定を用いたことによる効果を示す情報を提供することができる、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原稿に関する原稿情報を取得する取得部と、前記原稿情報と、前記原稿を複写して媒体へ印刷する実行部の有する機能と、に基づいて、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の前記媒体の使用量の削減率を導出する導出部と、複数の設定項目毎に前記導出部が導出した前記推奨設定が設定された第1推奨画面を表示部に表示する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記第1推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記削減率を含む第2推奨画面を前記表示部に表示し、前記実行部は、前記第2推奨画面において実行指示を受け付けた場合、前記第1推奨画面に表示された推奨設定に基づいて印刷を実行する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷を実行する実行部の機能に応じた、推奨設定および該推奨設定を用いたことによる効果を示す情報を提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、MFPのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、MFPの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、ホーム画面の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、初期画面の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、色情報選択画面の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、色味変更選択画面の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7は、原稿枚数選択画面の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、原稿面選択画面の一例を示す模式図である。
【
図9】
図9は、原稿方向設定画面の一例を示す模式図である。
【
図10】
図10は、推奨設定管理情報のデータ構成の一例を示す模式図である。
【
図11】
図11は、削減率管理情報のデータ構成の一例を示す模式図である。
【
図16】
図16は、情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
以下では、情報処理装置を、複合機(MFP:Multifunction Peripheral(以下、MFPと称する))に適用した場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。なお、複合機とは、印刷機構、コピー機構、スキャナ機構、およびファクス機構のうち少なくとも2つの機構を有する装置である。本実施の形態では、MFPは、少なくともコピー機構を有する。
【0011】
図1は、本実施の形態のMFP100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0012】
MFP100は、本体10と、操作部20と、を備える。
【0013】
本体10は、コピー機構、スキャナ機構、ファクス機構、プリンタ機構、などの各種の機構を実現可能な装置である。本実施の形態では、本体10は、少なくともコピー機構を備える。
【0014】
操作部20は、ユーザの操作入力を受け付けると共に、各種の表示画面を表示する。操作部20は、詳細は後述するが、独自のOSを有する。ユーザによる操作入力を受け付けるとは、ユーザの操作やユーザの操作指示に応じて入力される情報を受け付けることを含む。
【0015】
本体10と操作部20は、専用の通信路19を介して相互に通信可能に接続されている。通信路19は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることもできるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであってよい。また、通信路19は、インターネット等のネットワークや電話回線等であってもよい。
【0016】
なお、本体10は、操作部20で受け付けた入力に応じた動作を行うことができる。また、本体10は、外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
【0017】
次に、本体10のハードウェア構成例について説明する。本体10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、通信I/F(インターフェース)15と、接続I/F16と、エンジン部17と、を備え、これらがシステムバス18を介して相互に接続されている。
【0018】
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12またはHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上述したコピー機構、スキャナ機構、ファクス機構、プリンタ機構などの各種機構を実現する。
【0019】
通信I/F15は、ネットワーク30と接続するためのインターフェースである。接続I/F16は、通信路19を介して操作部20と通信するためのインターフェースである。
【0020】
エンジン部17は、コピー機構、スキャナ機構、ファクス機構、プリンタ機構、などの機構を実現させるための、汎用的な情報処理および通信以外の処理を行う、ハードウェアである。例えば、エンジン部17は、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ、読取った画像の画像データや外部装置などから取得した画像データの画像を用紙等の媒体へ印刷するプロッタ、ファクス通信を行うファクスなどを備える。さらに、印刷済み媒体を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置:Auto Document Feeder)のような特定のオプションを備えることもできる。
【0021】
エンジン部17は、実行部の一例である。本実施の形態では、エンジン部17は、少なくともコピー機構を備える。コピー機構とは、詳細には、原稿を複写して媒体へ印刷する仕組みである。
【0022】
媒体とは、画像形成可能な物であり、例えば、用紙、樹脂シート、などである。本実施の形態では、媒体が、用紙である場合を一例として説明する。このため、以下では、媒体を、単に“用紙”と称して説明する場合がある。
【0023】
原稿とは、コピー対象の紙媒体である。すなわち、本実施の形態では、原稿は、データではなく、コピー対象の媒体を意味する。具体的には、原稿は、原稿用紙を意味する。
【0024】
また、本実施の形態では、エンジン部17は、コピー機構に関する1または複数の機能を有する。本実施の形態では、エンジン部17の有する機能とは、原稿の媒体への印刷方法に関する機能である。
【0025】
具体的には、エンジン部17の有する機能は、両面印刷機能、集約機能、製本印刷機能、の少なくとも1つである。
【0026】
両面印刷機能とは、原稿の原稿面を用紙の両面へ印刷する機能である。原稿面とは、原稿における、コピー対象の面を示す。集約機能とは、複数の原稿面を用紙へ集約して印刷する機能である。集約機能は、集約数に応じた数の原稿面を、1枚の用紙へ集約して印刷する機能を含む。
【0027】
製本印刷機能とは、原稿の原稿面を二つ折りの本になるように振り分けて印刷する機能である。詳細には、製本印刷機能は、複数の原稿面を集約するとともに用紙の両面へ印刷し、且つ、印刷時の原稿面の配置が、製本後に原稿面の読取順に応じて視認されるように、原稿面を用紙へ印刷するときの配置を調整する機能である。
【0028】
なお、製本印刷機能は、更に、複数の機能を含んでいてもよい。例えば、製本印刷機能は、ミニ本印刷機能、週刊誌印刷機能、等の機能を含んでいてもよい。ミニ本印刷機能は、読取った複数の原稿面を、用紙を折った後に重ねた時に原稿面の読取順に参照されるように配置して、用紙の両面の各々に2つの原稿面ずつ集約して印刷する機能である。週刊誌印刷機能は、読取った複数の原稿面を、用紙を重ねた後に折った時に原稿面の読取順に参照されるように配置して、用紙の両面の各々に2つの原稿面ずつ集約して印刷する機能である。
【0029】
また、製本印刷機能は、集約機能を更に組み合わせた集約製本印刷機能を更に含んでいてもよい。集約製本印刷機能とは、製本印刷する印刷ページ毎に、複数枚の原稿面を集約して印刷する機能である。
【0030】
本実施の形態では、エンジン部17は、製本印刷機能として、週刊誌印刷機能と、集約製本印刷機能と、を備える場合を一例として説明する。
【0031】
次に、操作部20のハードウェア構成例を説明する。操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F29と、接続I/F26と、操作パネル27と、外部接続I/F28とを備え、これらがシステムバス2を介して相互に接続されている。
【0032】
CPU21は、操作部20の動作を統括的に制御する。CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22またはフラッシュメモリ24等に格納されたプログラムを実行することで、操作部20全体の動作を制御し、ユーザから受け付けた入力に応じた情報(画像)の表示などの後述する各種機能を実現する。
【0033】
通信I/F29は、ネットワーク30と接続するためのインターフェースである。接続I/F26は、通信路19を介して本体10と通信するためのインターフェースである。外部接続I/F28は、ICカードリーダなどと接続するためのインターフェースである。
【0034】
操作パネル27は、表示部の一例である。操作パネル27は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報を表示する。例えば、操作パネル27は、受け付けた入力に応じた情報や、各種の画面などを表示する。
【0035】
本実施の形態では、操作パネル27は、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機構が搭載された有機EL表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えてまたはこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示機構を設けることもできる。
【0036】
なお、本実施の形態では、機構の独立性を保つために、本体10側のソフトウェアと操作部20側のソフトウェアが互いに異なる。すなわち、本体10と操作部20は、別々のオペレーティングシステムで互いに独立して動作する。例えば、本体10側のソフトウェアとしてLinux(登録商標)を用い、操作部20側のソフトウェアとしてAndroid(登録商標)を用いることも可能である。
【0037】
本実施の形態のMFP100では、本体10と操作部20が別々のオペレーティングシステムで動作するため、本体10と操作部20との間の通信は、共通の装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行われる。操作部20が受け付けたユーザからの指示内容を本体10へ伝達する動作(コマンド通知)や、本体10が操作部20へイベントを通知する動作などがこれに該当する。
【0038】
例えば、操作部20が本体10へコマンド通信を行うことにより、本体10の機構を使用することができる。また、本体10から操作部20に通知するイベントには、本体10における動作の実行状況、本体10側で設定された内容などが挙げられる。
【0039】
なお、本実施の形態のMFP100では、本体10と操作部20とが一つの装置に含まれた構成である場合を説明する。しかし、本体10と操作部20とは、複数の装置に分かれて構成されていてもよい。すなわち、本体10と操作部20とは、装置本体とタブレット端末装置のように、別体として構成されていてもよい。
【0040】
次に、MFP100の機能構成を説明する。
図2は、MFP100の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0041】
MFP100の本体10は、印刷制御部121を備える。印刷制御部121は、本体10全体を制御する。印刷制御部121は、CPU11、ROM12、およびRAM13により実現する。
【0042】
印刷制御部121には、ハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するための、1または複数のアプリケーションソフトウェアが予めインストールされている。なお、以下の説明では、アプリケーションソフトウェアを、単に「アプリ」と称して説明する場合がある。アプリは、例えば、コピー機構を提供するためのコピーアプリ、スキャナ機構を提供するためのスキャナアプリ、ファクス機構を提供するためのファクスアプリ、プリンタ機構を提供するためのプリンタアプリなどが挙げられる。
【0043】
本実施の形態では、印刷制御部121は、操作部20から受付けた実行情報に応じて、エンジン部17を制御する。また、印刷制御部121は、操作部20からエンジン部17の有する機能の問合せ要求を受付けると、エンジン部17の有する機能を示す機能情報を、操作部20へ通知する。
【0044】
MFP100の操作部20は、処理部40と、操作パネル27と、記憶部25と、を備える。処理部40と操作パネル27および記憶部25とは、データや信号を授受可能に接続されている。
【0045】
記憶部25は、各種のデータを記憶する。記憶部25は、例えば、HDD、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、光ディスク、RAM、及びROMなどの磁気的、光学的、又は電気的に記憶可能な記憶装置により実現する。具体的には、記憶部25は、例えば、フラッシュメモリ24やROM22で実現する(
図1参照)。
【0046】
本実施の形態では、記憶部25は、推奨設定管理情報25Aおよび削減率管理情報25Bを予め記憶する。推奨設定管理情報25Aおよび削減率管理情報25Bの詳細は後述する。
【0047】
処理部40は、操作部20を制御する。処理部40は、CPU21、ROM22、およびRAM23で実現する(
図1参照)。
【0048】
処理部40は、取得部40Aと、受付部40Bと、導出部40Cと、表示制御部40Dと、を有する。
【0049】
取得部40A、受付部40B、導出部40Cおよび表示制御部40Dは、1または複数のプロセッサにより実現される。例えば上記各部は、CPU21などのプロセッサにプログラムを実行させること、すなわちソフトウェアにより実現してもよい。上記各部は、専用のIC(Integrated Circuit)などのプロセッサ、すなわちハードウェアにより実現してもよい。上記各部は、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。複数のプロセッサを用いる場合、各プロセッサは、各部のうち1つを実現してもよいし、各部のうち2以上を実現してもよい。
【0050】
取得部40Aは、コピー対象の原稿に関する原稿情報を取得する。原稿情報は、コピー対象の原稿の状態を示す情報である。具体的には、原稿情報は、コピー対象の原稿の枚数を示す枚数情報、原稿における印刷対象の原稿面が片面または両面であるかを示す原稿面情報、を含む。
【0051】
また、原稿情報は、他の情報を更に含んでいてもよい。例えば、原稿情報は、原稿の原稿面の色情報、色味変更情報、および原稿方向情報、の少なくとも1つを更に含んでいてもよい。
【0052】
色情報は、原稿面に示される文字や画像がカラーであるかモノクロ(白黒)であるかを示す情報である。色味変更情報は、原稿面の色の色味を変更して印刷することを許可するか否かを示す情報である。原稿方向情報は、本体10の原稿の載置部に原稿を配置する方向である。
【0053】
本実施の形態では、取得部40Aは、受付部40Bを介して操作パネル27から、原稿情報を取得する。受付部40Bは、ユーザによる操作入力を受付ける。ユーザは、操作パネル27を操作することで、原稿情報を操作入力する。受付部40Bは、操作パネル27から原稿情報を受付け、取得部40Aへ出力する。この処理により、取得部40Aは、原稿情報を取得する。
【0054】
また、取得部40Aは、本体10の印刷制御部121から、機能情報を取得する。取得部40Aは、エンジン部17の有する機能の問合要求信号を印刷制御部121へ送信する。問合要求信号を受付けた印刷制御部121は、エンジン部17の有する機能を示す機能情報を、処理部40へ通知する。処理部40の取得部40Aは、印刷制御部121から機能情報を取得する。
【0055】
本実施の形態では、機能情報は、両面印刷機能、集約機能、および製本印刷機能の少なくとも1つの機能を含む、情報である。
【0056】
表示制御部40Dは、各種情報や表示画面を操作パネル27へ表示する制御を行う。
【0057】
本実施の形態では、表示制御部40Dは、ホーム画面、受付画面、および推奨画面などの表示画面を、操作パネル27へ表示する制御を行う。
【0058】
ホーム画面は、MFP100への電源投入後に最初に表示される、基本画面である。
図3は、ホーム画面50の一例を示す模式図である。ホーム画面50には、複数種類のアプリと1対1に対応する複数のアイコン(ボタン画像)が含まれる。
【0059】
例えば、ホーム画面50は、コピーアプリ、スキャナアプリ、ファクスアプリ、およびプリンタアプリの各々に対応するアイコンを含む。
【0060】
ここで、本実施の形態では、処理部40には、削減率診断アプリが搭載されている。削減率診断アプリは、原稿のコピー時の推奨設定および該推奨設定を用いることによる効果を診断するためのアプリケーションである。推奨設定を用いる事による効果は、推奨設定を用いることによる用紙削減率、推奨設定を用いることによる使用する色材の数の削減率、料金削減率、などである。削減率診断アプリを実現するためのプログラムは、情報処理プログラムの一例である。
【0061】
ホーム画面50は、削減率診断アプリの実行を指示するためのアイコン50Aを含む。
【0062】
表示制御部40Dは、ホーム画面50を操作パネル27へ表示する制御を行う。ユーザは、操作パネル27に表示されたホーム画面50を参照し、削減率診断アプリの実行を指示するためのアイコン50Aを操作指示する。すると、受付部40Bが、削減率診断アプリの実行指示を受付け、処理部40は、本実施の形態の情報処理プログラムを実行する。なお、ホーム画面50におけるコピーアプリに対応するアイコン画像50Bが操作指示されたときに、処理部40は、本実施の形態の情報処理プログラムを実行してもよい。
【0063】
表示制御部40Dは、受付部40Bで削減率診断アプリの実行指示を受付けると、受付画面を操作パネル27へ表示する制御を行う。受付画面は、原稿情報の入力を受付けるための表示画面である。
【0064】
図4~
図9は、受付画面58の一例を示す模式図である。
【0065】
図4は、初期画面51の一例を示す模式図である。初期画面51は、受付画面58の一例である。初期画面51は、削減率診断アプリ実行時に最初に表示される画面である。初期画面51は、実行を指示するためのアイコン51Aを含む。ユーザが操作パネル27を操作することでアイコン51Aが操作指示されると、受付部40Bは、削減率診断アプリの実行指示を示す情報を受付け、表示制御部40Dへ出力する。
【0066】
表示制御部40Dは、削減率診断アプリの実行指示を示す情報を受付けると、色情報選択画面を操作パネル27へ表示する。
【0067】
図5は、色情報選択画面52の一例を示す模式図である。色情報選択画面52は、受付画面58の一例である。色情報選択画面52は、コピー対象の原稿の原稿面の色情報を受付けるための受付画面58である。色情報選択画面52は、例えば、“カラー”または“モノクロ”の選択を受付けるためのアイコン52Cと、実行指示を受付けるためのアイコン52Aと、前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン52Bと、を含む。
【0068】
ユーザは、操作パネル27を操作し、コピー対象の原稿の原稿面の色情報に対応するアイコン52Cを操作指示することで、色情報を入力する。
図5には、“カラー”を選択することで、“カラー”を示す情報を操作入力した形態を一例として示した。そして、ユーザがアイコン52Aを操作指示すると、受付部40Bは、操作入力された色情報を受付け、取得部40Aおよび表示制御部40Dへ出力する。なお、ユーザが前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン52Bを操作指示した場合、表示制御部40Dは、前回表示した受付画面58を操作パネル27へ表示すればよい。
【0069】
表示制御部40Dは、操作入力された色情報を受付けると、色味変更選択画面を操作パネル27へ表示する。
【0070】
図6は、色味変更選択画面53の一例を示す模式図である。色味変更選択画面53は、受付画面58の一例である。色味変更選択画面53は、色味変更情報を受付けるための受付画面58である。色味変更選択画面53は、例えば、“色味変更不可”、“モノクロ”、“2色を用いたコピー”の何れかの選択を受付けるためのアイコン53Cと、実行指示を受付けるためのアイコン53Aと、前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン53Bと、を含む。
【0071】
ユーザは、操作パネル27を操作し、コピー対象の原稿の原稿面の色味の変更内容の希望に応じて、アイコン53Cを操作指示する。
図6には、“モノクロ”を選択することで、“モノクロ”への色味変更を許可することを示す色味変更情報を操作入力した形態を、一例として示した。そして、ユーザがアイコン53Aを操作指示すると、受付部40Bは、操作入力された、色味変更不可、モノクロへの色味変更、2色を用いたコピーへの色味変更、の何れかを示す、色味変更情報を受付け、取得部40Aおよび表示制御部40Dへ出力する。なお、ユーザが前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン53Bを操作指示した場合、表示制御部40Dは、前回表示した受付画面58を操作パネル27へ表示すればよい。
【0072】
表示制御部40Dは、操作入力された色味変更情報を受付けると、原稿枚数選択画面を操作パネル27へ表示する。
【0073】
図7は、原稿枚数選択画面54の一例を示す模式図である。原稿枚数選択画面54は、受付画面58の一例である。原稿枚数選択画面54は、コピー対象の原稿の枚数を示す枚数情報を受付けるための受付画面58である。原稿枚数選択画面54は、例えば、選択欄54Cと、実行指示を受付けるためのアイコン54Aと、前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン54Bと、を含む。
【0074】
選択欄54Cは、原稿の枚数を選択するための領域である。本実施の形態では、原稿枚数選択画面54に含まれる、原稿の枚数情報を選択するための選択欄54Cは、互いに異なる枚数範囲の選択欄54C(選択欄54C1、選択欄54C2、選択欄54C3)を含む。上記枚数範囲は、製本印刷に適した枚数に応じて、予め区切った範囲である。
【0075】
本実施の形態では、選択欄54Cは、製本印刷に適する枚数範囲を選択するための選択欄54C2と、該枚数範囲未満の範囲を選択するための選択欄54C1と、該枚数範囲を超える範囲を選択するための選択欄54C3と、を含む。
図7には、一例として、製本印刷に適する枚数範囲“9~32枚”、該枚数範囲未満の範囲“8枚以下”、該枚数範囲以上の範囲“33枚以上”を示した。なお、枚数範囲の上限および下限の数値は一例であり、
図7に示す形態に限定されない。また、枚数範囲は、2段階または4段階以上であってもよい。
【0076】
表示制御部40Dが、製本印刷に応じた枚数範囲の選択欄54Cを操作パネル27へ表示することで、ユーザは、製本印刷を考慮しながら枚数を入力する必要がない。このため、入力作業の簡易化を図ることができる。
【0077】
なお、原稿枚数選択画面54は、コピー対象の原稿の枚数情報を直接入力するための入力欄を含む形態であってもよい。
【0078】
ユーザは、操作パネル27を操作し、コピー対象の原稿の枚数を含む枚数範囲の選択欄(選択欄54C1、選択欄54C2、選択欄54C3の何れか)を選択する。
図7には、製本印刷に適した枚数範囲“9~32枚”が選択された状態を、一例として示した。
【0079】
そして、ユーザがアイコン54Aを操作指示すると、受付部40Bは、操作入力された、原稿の枚数情報を受付け、取得部40Aおよび表示制御部40Dへ出力する。本実施の形態では、取得部40Aは、選択欄を介して操作入力された枚数範囲を示す枚数情報を取得する。
【0080】
なお、ユーザが前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン54Bを操作指示した場合、表示制御部40Dは、前回表示した受付画面58を操作パネル27へ表示すればよい。
【0081】
表示制御部40Dは、操作入力された枚数情報を受付けると、原稿面選択画面を操作パネル27へ表示する。
【0082】
図8は、原稿面選択画面55の一例を示す模式図である。原稿面選択画面55は、受付画面58の一例である。原稿面選択画面55は、原稿における印刷対象の原稿面が片面または両面であるかを示す原稿面情報を受付けるための受付画面58である。原稿面選択画面55は、例えば、アイコン55Cと、実行指示を受付けるためのアイコン55Aと、前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン55Bと、を含む。
【0083】
アイコン55Cは、原稿面情報を選択するためのアイコン画像である。本実施の形態では、アイコン55Cは、“片面”、“両面(左右開き)”、“両面(上下開き)”の何れかを選択するためのアイコン画像である。なお、“両面(左右開き)”は、コピー対象の原稿の原稿面が両面であり、且つ、原稿における原稿面の配置が“左右開き”であることを意味する。“左右開き”とは、原稿の表裏の天地が同じ向きであることを示す。また、“両面(上下開き)”は、コピー対象の原稿の原稿面が両面であり、且つ、原稿における原稿面の配置が“上下開き”であることを意味する。“上下開き”とは、原稿の表裏の天地が逆向きであることを示す。
【0084】
ユーザは、操作パネル27を操作し、アイコン55Cを操作指示することで、原稿面情報を操作入力する。
図8には、“両面(上下開き)”が操作入力された状態を、一例として示した。
【0085】
そして、ユーザがアイコン55Aを操作指示すると、受付部40Bは、操作入力された、原稿面情報を受付け、取得部40Aおよび表示制御部40Dへ出力する。なお、ユーザが前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン55Bを操作指示した場合、表示制御部40Dは、前回表示した受付画面58を操作パネル27へ表示すればよい。
【0086】
表示制御部40Dは、操作入力された原稿面情報を受付けると、原稿方向設定画面を操作パネル27へ表示する。
【0087】
図9は、原稿方向設定画面56の一例を示す模式図である。原稿方向設定画面56は、受付画面58の一例である。原稿方向設定画面56は、本体10の原稿の載置部に、原稿を配置する方向を示す原稿方向情報を受付けるための、受付画面58である。原稿方向設定画面56は、例えば、アイコン56Cと、実行指示を受付けるためのアイコン56Aと、前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン56Bと、を含む。
【0088】
アイコン56Cは、原稿方向を選択するためのアイコン画像である。本実施の形態では、アイコン56Cは、“タテ”または“ヨコ”を選択するためのアイコン画像である。
【0089】
ユーザは、操作パネル27を操作し、アイコン56Cを操作指示することで、原稿方向情報を操作入力する。
図9には、原稿方向“ヨコ”が操作入力された状態を、一例として示した。
【0090】
そして、ユーザがアイコン56Aを操作指示すると、受付部40Bは、操作入力された、原稿方向情報を受付け、取得部40Aおよび表示制御部40Dへ出力する。なお、ユーザが前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン56Bを操作指示した場合、表示制御部40Dは、前回表示した受付画面58を操作パネル27へ表示すればよい。
【0091】
上記のように、表示制御部40Dが受付画面58を操作パネル27へ表示し、受付部40Bがユーザによる操作入力を受付けることで、受付部40Bは、原稿情報を受付ける。そして、取得部40Aは、受付部40Bから原稿情報を取得する。なお、本実施の形態では、取得部40Aは、原稿の枚数情報、原稿面情報、色情報、色味変更情報、および原稿方向情報を含む原稿情報を取得する場合を、一例として説明する。なお、取得部40Aは、少なくとも枚数情報および原稿面情報を含む原稿情報を取得すればよく、取得部40Aが取得する原稿情報に含まれる情報は、上記情報に限定されない。
【0092】
図2に戻り説明を続ける。次に、導出部40Cについて説明する。導出部40Cは、取得部40Aで取得した原稿情報とエンジン部17の有する機能に基づいて、コピー時の推奨設定と、該推奨設定でコピーした場合の用紙の使用量の削減率を導出する。
【0093】
推奨設定とは、エンジン部17の有する機能(両面印刷機能、集約機能、製本印刷機能)に対する、処理部40が推奨するコピー時の条件を示す。詳細には、推奨設定は、エンジン部17の有する1または複数の機能(両面印刷機能、集約機能、製本印刷機能(週刊誌印刷機能、集約製本印刷機能))の内の何れかの機能と、集約数と、を含む。すなわち、推奨設定は、エンジン部17の有する1または複数の機能の内の何れを用いて、何れの数の集約数で原稿を用紙へコピーするか、を示す情報である。
【0094】
用紙の使用量の削減率は、原稿情報に示される設定で原稿を用紙へコピーした場合の用紙の使用量に対する、推奨設定で原稿を用紙へコピーした場合の用紙の使用量の、削減の割合を示す。なお、以下では、用紙の使用量の削減率を、“用紙削減率”と称して説明する場合がある。
【0095】
導出部40Cは、取得部40Aで取得した原稿情報と、エンジン部17の有する機能と、に基づいて、用紙削減率が第1の閾値以上の、推奨設定を導出する。第1の閾値は、予め定めればよい。第1の閾値は、例えば、50%、60%、75%、などであるが、これらに限定されない。なお、導出部40Cは、用紙削減率が最も高い推奨設定を導出してもよい。また、導出部40Cは、ユーザによる操作パネル27の操作指示などに応じて、第1の閾値を適宜変更可能としてもよい。また、導出部40Cは、用紙削減率が最も高いものから順に予め定めた数の推奨設定を導出してもよい。
【0096】
また、導出部40Cは、原稿情報と、エンジン部17の有する機能と、に基づいて、用紙削減率が第1の閾値以上であり、且つ、コピー時にエンジン部17で用いる色材の数が第2の閾値以下、および、原稿をコピーされた用紙の見易さの度合いが第3の閾値以上、の少なくとも1つを満たす、推奨設定を導出してもよい。
【0097】
色材の数は、本実施の形態では、エンジン部17で用いる色材の種類の数を示す。本実施の形態では、単に、色材の数と称して説明する。エンジン部17が電子写真方式の画像形成部である場合、色材は、トナーである。エンジン部17がインクジェット方式の画像形成部である場合、色材は、インクである。コピーに用いる色材の種類の数が少ないほど、また、色材が特殊な色ではないほど、用いる色材の種類の削減やコスト削減を図ることができる。これらの観点から、導出部40Cは、色材の数の第2の閾値を、予め定めればよい。また、第2の閾値は、ユーザによる操作パネル27の操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
【0098】
用紙の見易さの度合いは、例えば、用紙に形成された画像や文字がユーザによって視認しやすい大きさであるほど、また、画像や文字の鮮鋭度が高いほど、高い値を示す。導出部40Cは、見易さの度合いを算出するための算出式を予め用意する。なお、用紙に形成された画像や文字の鮮鋭度は、公知の方法で算出すればよい。例えば、導出部40Cは、エンジン部17の機能および集約数の組合せごとに、各機能および集約数で原稿の用紙へのコピーを行った場合の見易さの度合いを算出する。そして、導出部40Cは、見易さの度合いが第3の閾値以上の推奨設定を導出すればよい。第3の閾値は、予め定めればよい。また、第3の閾値は、ユーザによる操作パネル27の操作指示などに応じて適宜変更可能としてもよい。
【0099】
本実施の形態では、導出部40Cは、推奨設定管理情報25Aおよび削減率管理情報25Bを予め記憶部25へ記憶する。そして、本実施の形態では、導出部40Cは、推奨設定管理情報25Aおよび削減率管理情報25Bを用いて、推奨設定および用紙削減率を導出する。
【0100】
図10は、推奨設定管理情報25Aのデータ構成の一例を示す模式図である。推奨設定管理情報25Aは、エンジン部17の有する機能ごとに、原稿面情報および枚数情報に対する推奨設定を規定したものである。
【0101】
エンジン部17の有する機能は、上述したように、両面印刷機能、集約機能、製本印刷機能、の少なくとも1つである。
図10には、一例として、“製本印刷機能サポート機種”と、“製本印刷機能非サポート機種”と、を示した。製本印刷機能サポート機種とは、エンジン部17が、両面印刷機能、集約機能、製本印刷機能、を有することを示す。製本印刷機能非サポート機能とは、エンジン部17が、両面印刷機能および集約機能を有し、製本印刷機能を有さないことを示す。
【0102】
本実施の形態では、推奨設定管理情報25Aには、エンジン部17が製本印刷機能を有するか否かに応じて、原稿面情報である片面原稿および両面原稿と、原稿の枚数範囲の各々と、の各々に対応する、1つの推奨設定が予め登録されているものとする。
【0103】
なお、推奨設定管理情報25Aには、製本印刷機能を有するか否かに応じて、原稿面情報である片面原稿および両面原稿と、原稿の枚数範囲の各々と、に対応する、複数の推奨設定を予め登録してもよい。また、推奨設定管理情報25Aには、エンジン部17が有する機能の様々な組合せの各々と、原稿面情報と、原稿の枚数情報と、の組合せの各々に対応する1または複数の推奨設定を、予め登録してもよい。
【0104】
なお、
図10中、“週刊誌印刷+2ページごと集約”は、集約数“2”の集約製本印刷機能を意味する。また、
図10中、“両面印刷+2ページごと集約”は、集約数“2”の両面印刷機能を示す。また、
図10中、“両面印刷+4ページごと集約”は、集約数“4”の両面印刷機能を示す。また、
図10中、“両面印刷”は、集約無(集約数“1”)の両面印刷機能を示す。
【0105】
なお、
図10に記載した各推奨設定は一例であり、エンジン部17の有する機能、原稿面情報、および原稿の枚数情報に対応する推奨設定は、
図10に示す形態に限定されない。
【0106】
本実施の形態では、導出部40Cは、取得部40Aで取得した機能情報によって示される、エンジン部17の有する機能と、取得部40Aで取得した原稿情報に示される原稿の枚数情報と、該原稿情報に示される原稿面情報と、に対応する推奨設定を、推奨設定管理情報25Aから読取ることで、推奨設定を導出する。
【0107】
なお、導出部40Cは、原稿情報と、エンジン部17の有する機能と、に基づいて、用紙削減率が第1の閾値以上であり、且つ、コピー時にエンジン部17で用いる色材の数が第2の閾値以下、および、原稿をコピーされた用紙の見易さの度合いが第3の閾値以上、の少なくとも1つを満たす、推奨設定を導出するための演算式を、公知の学習方法などを用いて予め定めてもよい。そして、導出部40Cは、該演算式を用いて、推奨設定を演算してもよい。
【0108】
なお、導出部40Cは、エンジン部17の有する機能の内、ユーザによって選択された機能と、取得部40Aで取得した原稿情報と、に基づいて、コピー時の推奨設定を導出してもよい。
【0109】
この場合、導出部40Cは、ユーザによって選択された機能を示す情報を、取得部40Aおよび受付部40Bを介して操作パネル27から取得すればよい。例えば、導出部40Cは、製本印刷機能を利用するか否かを示す情報を、ユーザによって選択された機能を示す情報として受け付ける。この場合、表示制御部40Dは、製本印刷機能を利用するか否かをユーザに選択させるための選択画面を、操作パネル27へ表示すればよい。この選択画面を表示するタイミングは、導出部40Cが推奨設定を導出する前のタイミングであればよい。
【0110】
例えば、表示制御部40Dは、初期画面51(
図4参照)内に、製本印刷機能を利用するか否かを設定するためのボタン画像を表示する。そして、ユーザが該ボタン画像を操作指示した場合に、表示制御部40Dは、製本印刷機能を利用するか否かをユーザに選択させるための選択画面を、操作パネル27へ表示する。そして、ユーザが、該選択画面を操作指示することで、製本印刷機能を利用するか否かを選択すると、受付部40Bは、製本印刷機能を利用するか否かを示す情報を受付け、取得部40Aへ出力すればよい。
【0111】
そして、導出部40Cは、製本印刷機能を利用するか否かを示す情報を、ユーザによって選択された機能を示す情報として、取得部40Aから受け付ける。
【0112】
エンジン部17の有する機能に製本印刷機能が含まれ、且つ、ユーザによって選択された機能を示す情報が“製本印刷機能を利用する”事を示すと仮定する。この場合、導出部40Cは、取得部40Aで取得した機能情報によって示される、エンジン部17の有する機能(製本印刷機能を含む)と、取得部40Aで取得した原稿情報に示される原稿の枚数情報と、該原稿情報に示される原稿面情報と、に対応する推奨設定を、推奨設定管理情報25Aから読取ることで、推奨設定を導出する。
【0113】
一方、エンジン部17の有する機能に製本印刷機能が含まれ、且つ、ユーザによって選択された機能を示す情報が“製本印刷機能を利用しない”事を示すと仮定する。この場合、導出部40Cは、取得部40Aで取得した機能情報によって示される、エンジン部17の有する機能の内、製本印刷機能以外の機能と、取得部40Aで取得した原稿情報に示される原稿の枚数情報と、該原稿情報に示される原稿面情報と、に対応する推奨設定を、推奨設定管理情報25Aから読取ることで、推奨設定を導出すればよい。
【0114】
次に、導出部40Cは、導出した推奨設定で原稿を用紙へコピーした場合の用紙の使用量の、原稿情報に示される設定で原稿を用紙へコピーした場合の用紙の使用量に対する、用紙削減率を導出する。
【0115】
例えば、導出部40Cは、原稿情報に示される原稿の枚数情報によって示される枚数から、推奨設定で原稿をコピーした場合に使用する用紙の枚数を減算した値を、原稿情報に示される原稿の枚数情報によって示される枚数で除算した結果を、用紙削減率として導出する。
【0116】
なお、導出部40Cは、削減率管理情報25Bを用いて、用紙削減率を算出してもよい。
図11は、削減率管理情報25Bのデータ構成の一例を示す模式図である。削減率管理情報25Bは、推奨設定管理情報25Aに示される(
図10参照)、エンジン部17の有する機能ごとの原稿面情報および枚数情報に対する推奨設定に対応する、用紙削減率を規定したものである。
図11には、一例として、最大の用紙削減率が規定されている場合を示した。
【0117】
この場合、導出部40Cは、取得部40Aで取得したエンジン部17の有する機能と、原稿情報に示される原稿の枚数情報と、該原稿情報に示される原稿面情報と、に対応する用紙削減率を削減率管理情報25Bから読取ることで、導出した推奨設定に対応する用紙削減率を導出する。
【0118】
なお、導出部40Cは、原稿情報に応じて原稿を用紙へコピーしたときの第1の使用料金に対する、原稿を導出した推奨設定で用紙へコピーしたときの第2の使用料金の、料金削減率を更に導出してもよい。
【0119】
この場合、例えば、導出部40Cは、用紙1枚あたりの使用料金を予め記憶部25へ記憶する。そして、導出部40Cは、原稿情報に示される原稿の枚数情報によって示される枚数に用紙1枚あたりの使用料金を乗算した結果を、第1使用料金として算出する。また、導出部40Cは、導出した推奨設定で原稿をコピーした場合に使用する用紙の枚数に、用紙1枚あたりの使用料金を乗算した結果を、第2の使用料金として算出する。そして、導出部40Cは、第1使用料金から第2使用料金を減算した値を、第1使用料金で除算した結果を、料金削減率として導出すればよい。
【0120】
図2に戻り説明を続ける。表示制御部40Dは、導出部40Cで導出された推奨設定および用紙削減率を含む推奨情報を、操作パネル27へ表示する。本実施の形態では、導出部40Cは、推奨情報を含む推奨画面を、操作パネル27へ表示する。
【0121】
【0122】
例えば、表示制御部40Dは、
図12に示す推奨画面61を、操作パネル27へ表示する。推奨画面61は、推奨画面60の一例である。推奨画面61は、推奨設定64を含む。
【0123】
なお、推奨設定64には、推奨設定64に含まれる各項目(機能、集約、色材)を変更するための変更ボタン64Aが表示されている。ユーザは、操作パネル27に表示された変更ボタン64Aを操作することで、推奨設定64に示される各項目の内容を変更することが可能である。
【0124】
また、推奨画面61は、推奨画面61に表示された推奨設定64の実行指示を受付けるためのアイコン61Aと、前画面に戻る指示を受付けるためのアイコン61Bと、を含む。
【0125】
ユーザは、操作パネル27を操作し、表示された推奨設定64を確認、または、適宜推奨設定64の各項目の内容を変更した後に、アイコン61Aを操作指示する。表示制御部40Dは、操作パネル27から受付部40Bを介して実行指示を受付けると、用紙削減率を含む推奨画面60を操作パネル27へ表示する。
【0126】
図13は、用紙削減率65を含む推奨画面66の一例を示す模式図である。推奨画面66は、推奨画面60の一例である。
図13に示すように、表示制御部40Dは、用紙削減率65を示すグラフ画像を操作パネル27へ表示してもよい。グラフ画像は、原稿情報に応じてコピーを実行した場合に対する、推奨設定64でコピーを実行した場合の効果を、視覚化した図形や画像で表したものである。
【0127】
なお、グラフ画像は、
図13に示すような円グラフであってもよいし、棒グラフなどであってもよく、グラフの形態は限定されない。例えば、用紙削減率65を示すグラフ画像は、
図14に示すような、棒グラフで表されるグラフ画像65’であってもよい。
【0128】
用紙削減率65を示すグラフ画像を操作パネル27へ表示することで、表示制御部40Dは、ユーザに対して直観的に分かりやすい形態で、用紙削減率65を示す情報を提供することができる。
【0129】
ユーザは、操作パネル27を操作することで、原稿を印刷する部数を入力した後に、コピー実行を示すアイコン66Aを操作指示する。すると、受付部40Bは、原稿を、表示された推奨設定64で、入力された部数、コピーすることを示すコピー実行情報を、取得部40Aを介して本体10の印刷制御部121へ出力する。コピー実行情報は、実行情報の一例である。印刷制御部121は、受付けたコピー実行情報に応じてエンジン部17を制御することで、コピー実行情報に含まれる推奨設定64で、原稿を用紙へコピーする。
【0130】
なお、表示制御部40Dは、料金削減率を更に含む推奨情報62を、操作パネル27へ表示してもよい。
【0131】
図15は、用紙削減率65と料金削減率68を含む推奨画面67の一例を示す模式図である。推奨画面67は、推奨画面60の一例である。
図15に示すように、表示制御部40Dは、用紙削減率65を示すグラフ画像と、料金削減率68を示すグラフ画像と、を含む推奨情報62を、操作パネル27へ表示してもよい。
【0132】
なお、表示制御部40Dは、推奨設定64と、用紙削減率65と、を一つの推奨画面60に配置して操作パネル27へ表示してもよい。また、表示制御部40Dは、推奨設定64と用紙削減率65と料金削減率68を1つの推奨画面60に配置して操作パネル27へ表示してもよい。
【0133】
このように、表示制御部40Dは、推奨設定64と用紙削減率65を含む推奨情報62を操作パネル27へ表示する。
【0134】
ここで、推奨設定64は、上述したように、エンジン部17の有する機能(両面印刷機能、集約機能、製本印刷機能)に対する、処理部40が推奨するコピー時の条件を示す。そして、上述したように、推奨設定64は、原稿情報とエンジン部17の有する機能と、に基づいた、用紙削減率が第1の閾値以上の推奨設定64である。また、用紙削減率65は、原稿情報に示される設定で原稿を用紙へコピーした場合の用紙の使用量に対する、推奨設定64で原稿を用紙へコピーした場合の、用紙の使用量の削減の割合を示す。
【0135】
このため、表示制御部40Dは、印刷を実行するエンジン部17の機能に応じた推奨設定64、および該推奨設定64を用いたことによる効果を示す情報を、操作パネル27へ表示することができる。
【0136】
また、上述したように、推奨設定64は、用紙削減率が第1の閾値以上であり、且つ、コピー時にエンジン部17で用いる色材の数が第2の閾値以下、および、原稿をコピーされた用紙の見易さの度合いが第3の閾値以上、の少なくとも1つを満たすものであってもよい。この場合、表示制御部40Dは、用紙削減率、色材の数、および原稿を印刷された用紙の見易さの度合い、を考慮した推奨設定64や、該推奨設定64を用いたことによる効果を示す情報を、操作パネル27へ表示することができる。
【0137】
次に、MFP100が実行する情報処理の手順の一例を説明する。
【0138】
図16は、本実施の形態のMFP100が実行する、情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0139】
MFP100への電力供給が開始されると、表示制御部40Dが、ホーム画面50を操作パネル27へ表示する(
図3参照)(ステップS200)。
【0140】
次に、受付部40Bが、削減率診断アプリの選択を受付けたか否かを判断する(ステップS202)。ステップS202で否定判断した場合(ステップS202:No)、MFP100は、通常処理を行い、本ルーチンを終了する。通常処理とは、ホーム画面50に表示された各種アプリを示すアイコンの内、ユーザによって指示されたアイコンに対応する機構を実行するように、エンジン部17を制御する処理である。
【0141】
一方、ステップS202で肯定判断すると(ステップS202:Yes)、ステップS204へ進む。ステップS204では、取得部40Aが、本体10の印刷制御部121から、機能情報を取得する(ステップS204)。
【0142】
次に、表示制御部40Dが、操作パネル27に初期画面51を表示する(
図4参照)(ステップS206)。次に、受付部40Bが、削減率診断アプリの実行指示を示す情報を受付けたと判断するまで、否定判断を繰返す(ステップS208:No)。ステップS208で肯定判断すると(ステップS208:Yes)、ステップS210へ進む。なお、ステップS208で否定判断した場合(ステップS208:No)、本ルーチンを終了してもよい。
【0143】
ステップS210では、表示制御部40Dが、色情報選択画面52を操作パネル27へ表示する(
図5参照)(ステップS210)。受付部40Bは、色情報を受付けたと判断するまで、否定判断を繰返す(ステップS212:No)。ステップS212で肯定判断すると(ステップS212:Yes)、ステップS214へ進む。なお、ステップS212で否定判断した場合(ステップS212:No)、本ルーチンを終了してもよい。
【0144】
ステップS214では、表示制御部40Dが、色味変更選択画面53を操作パネル27へ表示する(
図6参照)(ステップS214)。受付部40Bは、操作パネル27から受付けた色味変更情報が、“色味変更不可”を示すか否かを判断する(ステップS216)。色味変更不可を示す場合(ステップS216:Yes)、ステップS224へ進む。ステップS224では、取得部40Aは、色情報として“カラー”を取得する(ステップS224)。そして、後述するステップS226へ進む。
【0145】
一方、操作パネル27から受付けた色味変更情報が“色味変更不可”を示さない場合(ステップS216:No)、ステップS218へ進む。ステップS218では、受付部40Bは、操作パネル27から受付けた色味変更情報が“モノクロ”および“2色を用いたコピー”の何れを示すかを判断する(ステップS218)。
【0146】
ステップS218で、色味変更情報が“モノクロ”を示すと判断した場合(ステップS218:モノクロ)、ステップS220へ進む。ステップS220では、取得部40Aは、色情報として“モノクロ”を取得する(ステップS220)。そして、後述するステップS226へ進む。
【0147】
一方、ステップS218で、色味変更情報が“2色を用いたコピー”を示すと判断した場合(ステップS218:2色)、ステップS222へ進む。ステップS222では、取得部40Aは、色情報として“2色”を取得する(ステップS222)。そして、後述するステップS226へ進む。
【0148】
ステップS212~ステップS224の処理によって、取得部40Aは、コピー対象の原稿の原稿面の色情報を取得する。
【0149】
次に、ステップS226では、表示制御部40Dが原稿枚数選択画面54を操作パネル27へ表示する(
図7参照)(ステップS226)。次に、受付部40Bは、原稿の枚数情報を受付けたと判断するまで、否定判断を繰返す(ステップS228:No)。ステップS228で肯定判断すると(ステップS228:Yes)、ステップS230へ進む。なお、ステップS228で否定判断した場合(ステップS228:No)、本ルーチンを終了してもよい。
【0150】
ステップS230では、取得部40Aが、ステップS228で受付けた原稿の枚数情報を取得する(ステップS230)。
【0151】
次に、表示制御部40Dは、原稿面選択画面55を操作パネル27へ表示する(
図8参照)(ステップS232)。次に、受付部40Bは、原稿面情報を受付けたと判断するまで、否定判断を繰返す(ステップS234:No)。ステップS234で肯定判断すると(ステップS234:Yes)、ステップS236へ進む。なお、ステップS234で否定判断した場合(ステップS234:No)、本ルーチンを終了してもよい。
【0152】
ステップS236では、取得部40Aが、ステップS234で受付けた原稿面情報を取得する。
【0153】
次に、表示制御部40Dが原稿方向設定画面56を操作パネル27へ表示する(
図9参照)(ステップS238)。次に、受付部40Bは、原稿方向情報を受付けたと判断するまで、否定判断を繰返す(ステップS240:No)。ステップS240で肯定判断すると(ステップS240:Yes)、ステップS242へ進む。なお、ステップS240で否定判断した場合(ステップS240:No)、本ルーチンを終了してもよい。
【0154】
ステップS242では、取得部40Aが、ステップS240で受付けた原稿方向情報を取得する(ステップS242)。
【0155】
ステップS206~ステップS242の処理によって、取得部40Aは、原稿情報を取得する。
【0156】
次に、導出部40Cが、ステップS204で取得した機能情報と、ステップS206~ステップS242の処理によって取得した原稿情報と、に基づいて、推奨情報62を導出する(ステップS244)。
【0157】
次に、表示制御部40Dが、推奨情報62を含む推奨画面60(
図12~
図15参照)を、操作パネル27へ表示する(ステップS246)。
【0158】
次に、受付部40Bが、コピー実行指示を操作パネル27から受付けたか否かを判断する(ステップS248)。ステップS248で肯定判断すると(ステップS248:Yes)、取得部40Aは、推奨画面60に表示された推奨設定64で指定された部数、原稿の用紙へのコピーを実行することを示すコピー実行情報を、印刷制御部121へ出力する(ステップS250)。印刷制御部121は、受付けたコピー実行情報に含まれる推奨設定64で、該コピー実行情報に含まれる部数の用紙へ、原稿のコピーを実行するように、エンジン部17を制御する。そして、本ルーチンを終了する。
【0159】
一方、ステップS248で否定判断すると(ステップS248:No)、ステップS252へ進む。ステップS252では、表示制御部40Dが、上記ステップS244で導出した推奨情報62を含む推奨画面60(
図12~
図15参照)を、操作パネル27へ表示する(ステップS252)。そして、受付部40Bは、推奨情報62に含まれる各項目の変更指示を受付けたと判断するまで否定判断を繰返す(ステップS254:No)。ステップS254で肯定判断すると(ステップS254:Yes)、ステップS256へ進む。ステップS256では、表示制御部40Dが、ステップS254で変更された後の推奨情報62を含む推奨画面60を、操作パネル27へ表示する(ステップS256)。そして、上記ステップS248へ戻る。
【0160】
以上説明したように、本実施の形態のMFP100(情報処理装置)は、取得部40Aと、導出部40Cと、表示制御部40Dと、を備える。取得部40Aは、原稿に関する原稿情報を取得する。導出部40Cは、原稿情報と、原稿を複写して媒体へ印刷するエンジン部17(実行部)の有する機能と、に基づいて、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の媒体の使用量の削減率を導出する。表示制御部40Dは、推奨設定および削減率を含む推奨情報62を操作パネル27(表示部)に表示する。
【0161】
このように、MFP100は、エンジン部17の有する機能と、原稿の原稿情報と、に基づいた推奨設定および削減率を含む推奨情報62を、操作パネル27へ表示する。
【0162】
従って、本実施の形態のMFP100(情報処理装置)は、印刷を実行するエンジン部17(実行部)の機能に応じた、推奨設定および該推奨設定を用いたことによる効果を示す情報を提供することができる。
【0163】
本実施の形態の情報処理方法は、原稿に関する原稿情報を取得するステップと、原稿情報と、原稿を複写して媒体へ印刷するエンジン部17(実行部)の有する機能と、に基づいて、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の媒体の使用量の削減率を導出するステップと、推奨設定および削減率を含む推奨情報62を操作パネル27(表示部)に表示するステップと、を含む。
【0164】
本実施の形態の情報処理プログラムは、原稿に関する原稿情報を取得するステップと、原稿情報と、原稿を複写して媒体へ印刷するエンジン部17(実行部)の有する機能と、に基づいて、印刷時の推奨設定および該推奨設定で印刷した場合の媒体の使用量の削減率を導出するステップと、推奨設定および削減率を含む推奨情報62を操作パネル27(表示部)に表示するステップとをコンピュータに実行させるための情報処理プログラムである。
【0165】
エンジン部17の有する機能は、原稿の、媒体への印刷方法に関する機能である。また、エンジン部17の有する機能は、原稿の原稿面を媒体の両面へ印刷する両面印刷機能、複数の原稿面を媒体へ集約して印刷する集約機能、および、原稿の原稿面を二つ折りの本になるように振り分けて印刷する製本印刷機能、の少なくとも1つを含む。
【0166】
原稿情報は、印刷対象の原稿の枚数を示す枚数情報、原稿における印刷対象の原稿面が片面または両面であるかを示す原稿面情報、を含む。
【0167】
受付部40Bは、ユーザによる操作入力を受付ける。取得部40Aは、受付部40Bから原稿情報を取得する。
【0168】
表示制御部40Dは、製本印刷に適した原稿の枚数に応じた、互いに異なる枚数範囲の複数の選択欄54Cを含む受付画面58を操作パネル27(表示部)に表示する。取得部40Aは、選択欄54Cを介して操作入力された枚数範囲を示す枚数情報を含む原稿情報を、受付部40Bから取得する。
【0169】
導出部40Cは、原稿情報と、エンジン部17(実行部)の有する機能と、に基づいて、削減率が第1の閾値以上の推奨設定を導出する。
【0170】
導出部40Cは、原稿情報と、エンジン部17(実行部)の有する機能と、に基づいて、削減率が第1の閾値以上であり、且つ、コピー時にエンジン部17(実行部)で用いる色材の数が第2の閾値以下、および、原稿をコピーされた媒体の見易さの度合いが第3の閾値以上、の少なくとも一つを満たす、推奨設定を導出する。
【0171】
導出部40Cは、原稿情報に応じて原稿を媒体へ印刷したときの第1の使用料金に対する、原稿を推奨設定で媒体へ印刷したときの第2の使用料金の料金削減率を更に導出する。表示制御部40Dは、推奨設定、削減率、および料金削減率、を含む、推奨情報62を操作パネル27(表示部)に表示する。
【0172】
表示制御部40Dは、削減率を示すグラフ画像を操作パネル27(表示部)に表示する。
【0173】
なお、本実施の形態のMFP100で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、本実施の形態のMFP100で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory Card)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0174】
さらに、本実施の形態のMFP100で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態のMFP100で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0175】
本実施の形態のMFP100で実行されるプログラムは、上述した各部(取得部40A、受付部40B、導出部40C、表示制御部40D、印刷制御部121)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。また、例えば、上述した各部の機能のうちの一部または全部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
【0176】
なお、上記実施の形態では、本発明の情報処理装置を、MFP100に適用した例を挙げて説明したが、プリンタ機構を備えた装置に適用可能であればよく、MFP100に適用する形態に限定されない。
【符号の説明】
【0177】
17 エンジン部
27 操作パネル
40A 取得部
40B 受付部
40C 導出部
40D 表示制御部
100 MFP
【先行技術文献】
【特許文献】
【0178】