(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20220216BHJP
【FI】
H04L27/26 113
(21)【出願番号】P 2017209048
(22)【出願日】2017-10-30
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2016225431
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(73)【特許権者】
【識別番号】591053926
【氏名又は名称】一般財団法人NHKエンジニアリングシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】成清 善一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 宏明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】蔀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 進
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知明
(72)【発明者】
【氏名】本田 円香
(72)【発明者】
【氏名】村山 研一
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 一彦
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-070277(JP,A)
【文献】特開2002-344416(JP,A)
【文献】特開2012-100179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM信号によって少なくとも第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、
前記第1階層データ及び前記第2階層データを合成すると共に、前記第2階層データ
から周波数方向に等間隔で引き抜
いたデータ自体を、伝送パラメータを通知するための制御信号を含まない調整帯域データとするように構成されている階層合成部と、
前記第1階層データ及び前記第2階層データから
周波数方向に等間隔でデータを引き抜いた残りのデータから、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを生成するように構成されている分離合成部と、
前記部分受信帯域データと前記非部分受信帯域データと前記調整帯域データとを含む前記OFDM信号を送信するように構成されている送信部とを具備することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
OFDM信号によって送信された少なくとも第1階層データ及び第2階層データを受信するように構成されている受信装置であって、
前記OFDM信号から、部分受信帯域データと非部分受信帯域データと調整帯域データとを取得するように構成されている帯域分離部と、
前記部分受信帯域データ及び前記非部分受信帯域データから、前記第1階層データ及び前記第2階層データを取得するように構成されている合成分離部と、
取得された前記第2階層データに対して、伝送パラメータを通知するための制御信号を含まない前記調整帯域データを
周波数方向に等間隔で挿入するように構成されている階層分離部とを具備することを特徴とする受信装置。
【請求項3】
コンピュータを、請求項1に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【請求項4】
コンピュータを、請求項2に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
日本の現行の地上デジタル放送伝送方式として、「ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)」が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ISDB-Tでは、1つの放送波(チャネル)に割り当てられているOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)によって得られた複数のサブチャネルの周波数帯域が、13個のセグメントに分割される。
【0004】
ISDB-Tでは、13個のセグメントのうちの12個のセグメントが、非部分受信帯域データの送信(すなわち、固定受信向けのハイビジョン放送及び複数標準画質放送)に用いられ、残りの1セグメントが、部分受信帯域データの送信(すなわち、移動受信向けの放送)に用いられる。ここで、ISDB-Tでは、13個のセグメントの周波数帯域において同時に非部分受信帯域データ及び部分受信帯域データを送信するように規定されている。
【0005】
現在、現行の地上デジタル放送伝送方式に代わる新たな次世代の地上デジタル放送伝送方式の検討が進められている。
【0006】
かかる次世代の地上デジタル放送伝送方式では、家庭等に設けられている非部分受信帯域データを受信する受信装置に対して(すなわち、固定受信向けに)、従来のハイビジョン放送に代わり、3Dハイビジョン放送又はハイビジョン放送の16倍の解像度を有するスーパーハイビジョン放送等のサービスを提供することが求められている。同様に、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、部分受信帯域データを受信する受信装置に対しても(すなわち、移動受信向けに)、ハイビジョン放送級のサービスを提供することが求められている。なお、次世代の地上デジタル放送伝送方式において、固定受信向け及び移動受信向けの2つのサービスを1つのチャネルを用いて同時に提供する必要があることは、現行のISDB-Tと同様である。
【0007】
図6(a)に、ISDB-Tのセグメント構造を示し、
図6(b)に、次世代の地上デジタル放送伝送方式のノーマルモードのセグメント構造を示し、
図6(c)に、次世代の地上デジタル放送伝送方式の互換モードのセグメント構造を示し、
図6(d)に、次世代の地上デジタル放送伝送方式の拡張モードのセグメント構造を示す。
【0008】
上述のように、
図6(a)に示すISDB-Tでは、1チャネルが、13セグメントによって構成されており、5.57MHzの帯域幅を有している。
図6(b)に示すノーマルモードでは、1チャネルが、33セグメントによって構成されており、5.50MHzの帯域幅を有している。
図6(c)に示す互換モードでは、1チャネルが、33セグメント及び調整帯域(0.07MHz)によって構成されており、ISDB-Tの1チャネルと同じ5.57MHzの帯域幅を有している。
図6(d)に示す拡張モードでは、1チャネルが、35セグメントによって構成されており、5.83MHzの帯域幅を有している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】ARIB STD-B31、「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、現在、かかる互換モードにおいて、セグメント構造に入らない調整帯域γ(
図6(c)参照)内でのデータの設定方法について規定されていないという問題点があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、調整帯域においてデータを適切に設定することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の特徴は、OFDM信号によって第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、前記第1階層データ及び前記第2階層データを合成すると共に、周波数方向に等間隔で前記第2階層データを引き抜き、伝送パラメータを通知するための制御信号を含まない調整帯域データとするように構成されている階層合成部と、前記第1階層データ及び前記第2階層データから、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを生成するように構成されている分離合成部と、前記部分受信帯域データと前記非部分受信帯域データと前記調整帯域データとを含む前記OFDM信号を送信するように構成されている送信部とを具備することを要旨する。
【0013】
本発明の第2の特徴は、OFDM信号によって送信された第1階層データ及び第2階層データを受信するように構成されている受信装置であって、前記OFDM信号から、部分受信帯域データと非部分受信帯域データと調整帯域データとを取得するように構成されている帯域分離部と、前記部分受信帯域データ及び前記非部分受信帯域データから、前記第1階層データ及び前記第2階層データを取得するように構成されている合成分離部と、取得された前記第2階層データに対して、周波数方向に等間隔で伝送パラメータを通知するための制御信号を含まない前記調整帯域データを挿入するように構成されている階層分離部とを具備することを要旨とする。
【0014】
本発明の第3の特徴は、コンピュータを、上述の第1の特徴に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【0015】
本発明の第4の特徴は、コンピュータを、上述の第2の特徴に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調整帯域においてデータを適切に設定することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る送信装置1の構成図の一例である。
【
図2】
図2は、次世代の地上デジタル放送伝送方式の拡張モードのセグメント構造の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る送信装置10の階層合成部13の機能の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る送信装置10の階層合成部13の機能の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る受信装置3の構成図の一例である。
【
図6】
図6は、ISDB-Tのセグメント構造及び次世代の地上デジタル放送伝送方式のセグメント構造の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、
図1~
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る放送システムについて説明する。本実施形態に係る放送システムは、上述の次世代の地上デジタル放送伝送方式に対応するように構成されており、例えば、
図1に示す送信装置1及び
図5に示す受信装置3を具備する。本実施形態では、
図2に示す次世代の地上デジタル放送伝送方式の互換モードの構造が用いられるものとする。
【0019】
本実施形態に係る送信装置1は、2階層までの階層伝送を行うように構成されている。具体的には、本実施形態に係る送信装置1は、A階層データ及びB階層データを送信することができるように構成されている。例えば、A階層データは、移動受信向けの放送用データであり、B階層データは、固定受信向けの放送用データであることが想定されている。
【0020】
なお、本実施形態に係る送信装置1は、A階層データ及びB階層データを、上述の部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを含むOFDM信号によって送信するように構成されている。
【0021】
図1に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、マッピング部11a、11bと、レベル調整部12a、12bと、階層合成部13と、時間インターリーブ部14と、階層内セグメント間インターリーブ部15a、15bと、分離合成部16と、周波数インターリーブ部17と、帯域合成部18と、OFDMフレーム構成部19と、IFFT部20と、送信部21とを具備している。
【0022】
マッピング部11aは、A階層データ(第1階層データ)をデータキャリアにマッピングするように構成されており、マッピング部11bは、B階層データ(第2階層データ)をデータキャリアにマッピングするように構成されている。
【0023】
レベル調整部12aは、A階層データがマッピングされているデータキャリア(以下、A階層データとする)のレベルを調整するように構成されており、レベル調整部12bは、B階層データがマッピングされているデータキャリア(以下、B階層データとする)のレベルを調整するように構成されている。
【0024】
階層合成部13は、A階層データ及びB階層データを合成するように構成されている。また、階層合成部13は、かかる調整帯域γに配置されるデータキャリア(以下、調整帯域データとする)を分離して、帯域合成部18に送信するように構成されている。ここで、かかる調整帯域γには、B階層データがマッピングされるものとする。
【0025】
図2に示すように、互換モードでは、1チャネルが、33個のセグメントによって構成され、33個のセグメントのうち24個のセグメントが、非部分受信帯域データの送信に用いられ、残りの9セグメントが、部分受信帯域データの送信に用いられる。
【0026】
図2に示す例では、1チャネル内において、中央の9個のセグメントが部分受信帯域αであり、かかる部分受信帯域αの両側に配置された24個のセグメントが非部分受信帯域βであり、かかる非部分受信帯域βの両側に配置された帯域が調整帯域γである。
【0027】
ここで、
図3に示すように、階層合成部13は、周波数方向に等しい間隔ΔfでB階層データ(すなわち、B階層データがマッピングされているデータキャリア)を引き抜き、調整帯域データとするように構成されている。
【0028】
なお、階層合成部13は、
図4に示す式によって、間隔Δfを算出するように構成されていてもよい。ここで、1セグメントあたりのデータキャリア数は、SP(Scattered Pilot)の間隔によって決定されるものとする。例えば、1セグメントあたりのデータキャリア数Zが「174」で、B階層データのセグメント数nが「30」で、調整帯域のデータキャリア数Sが「70(片側35)」である場合、かかる間隔Δfは「75」となる。
【0029】
また、かかる調整帯域データには、伝送パラメータを通知するための制御信号が含まれないように構成されていてもよい。例えば、かかる制御信号には、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration and Control)信号等が含まれている。
【0030】
例えば、伝送パラメータとしては、「SISO/MISOフラグ」や「セグメント数」や「キャリア変調方式」や「コンスタレーション識別」や「誤り訂正符号長」や「LDPC符号化率」や「時間インターリーブ長」や「データキャリアブースト比」や「SPパターン」や「パイロット符号化」や「全キャリアパイロットフラグ」や「FECポインタ」等が想定される。なお、各階層データに対して適用される伝送パラメータが設定され得る。
【0031】
時間インターリーブ部14は、A階層データとB階層データと調整帯域データとの各々に対して時間インターリーブを施すように構成されている。
【0032】
階層内セグメント間インターリーブ部15aは、A階層データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されている。
【0033】
同様に、階層内セグメント間インターリーブ部15aは、B階層データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されている。
【0034】
分離合成部16は、A階層データ及びB階層データから、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを生成するように構成されている。
【0035】
具体的には、分離合成部16は、9個のセグメントからなる部分受信帯域αにA階層データを割り当てた後に空きがある場合にB階層データを割り当てることによって部分受信帯域データを生成し、24個のセグメントからなる非部分受信帯域βにB階層データの残りを割り当てることによって非部分受信帯域データを生成するように構成されている。
【0036】
例えば、A階層データが9個未満のセグメントからなる場合、分離合成部16は、B階層データのうちセグメント番号の低い方から順番に部分受信帯域αに割り当てていき、A階層データ及びB階層データを合わせて9個のセグメントからなる部分受信帯域データを生成するように構成されていてもよい。
【0037】
一方、A階層データが9個のセグメントからなる場合、分離合成部16は、A階層データを部分受信帯域データとし、B階層データを非部分受信帯域データとするように構成されていてもよい。
【0038】
周波数インターリーブ部17は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データの各々に対して所定の周波数インターリーブを施すように構成されている。
【0039】
例えば、周波数インターリーブ部17は、部分受信帯域データを構成するセグメント単位で周波数インターリーブを施すように構成されていてもよいし、部分受信帯域データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されていてもよい。
【0040】
また、周波数インターリーブ部17は、非部分受信帯域データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されていてもよい。
【0041】
帯域合成部18は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データ(互換モードの場合は、調整帯域データも)を合成するように構成されている。例えば、帯域合成部18は、1チャネル内において、中央の9セグメントに部分受信帯域データを配置し、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを合成するように構成してもよい。
【0042】
OFDMフレーム構成部19は、帯域合成部18から入力した部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データに応じて、OFDMフレームを構成するように構成されており、IFFT部20は、それぞれOFDMフレーム構成部19から出力されたOFDMフレームに対してIFFTを施すように構成されている。
【0043】
送信部21は、それぞれIFFT部20から出力されたOFDM信号を送信するように構成されている。すなわち、送信部21は、部分受信帯域データと非部分受信帯域データと調整帯域データとを含むOFDM信号を送信するように構成されている。
【0044】
本実施形態に係る受信装置3は、2階層までの階層伝送によって送信されたA階層データ及びB階層データを受信することができるように構成されている。
【0045】
なお、本実施形態に係る受信装置3は、A階層データ及びB階層データを、上述の部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを含むOFDM信号によって受信するように構成されている。
【0046】
本実施形態に係る受信装置3は、
図5に示すように、受信部31と、FFT部32と、デフレーム化部33と、帯域分離部34と、周波数デインターリーブ部35と、合成分離部36と、階層内セグメント間デインターリーブ部37a、37bと、時間デインターリーブ部38と、階層分離部39と、レベル調整部40a、40bと、デマッピング部41a、41bとを具備している。
【0047】
受信部31は、送信装置1によって送信されたOFDM信号を受信するように構成されている。
【0048】
FFT部32は、受信部31によって受信されたOFDM信号に対してFFTを施すように構成されている。
【0049】
デフレーム化部33は、FFT部32からの出力に基づいて、部分受信帯域データと非部分受信帯域データと調整帯域データとの合成データを取得するように構成されている。
【0050】
帯域分離部34は、デフレーム化部33から出力された合成データから、部分受信帯域データと非部分受信帯域データと調整帯域データとを分離して取得するように構成されている。
【0051】
周波数デインターリーブ部35は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データの各々に対して、上述の周波数インターリーブ部17において施された所定の周波数インターリーブに対応する周波数デインターリーブを施すように構成されている。
【0052】
例えば、周波数デインターリーブ部35は、部分受信帯域データを構成するセグメント単位で周波数デインターリーブを施すように構成されていてもよいし、部分受信帯域データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施すように構成されていてもよい。
【0053】
また、周波数デインターリーブ部35は、非部分受信帯域データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施すように構成されていてもよい。
【0054】
合成分離部36は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データから、A階層データ及びB階層データを取得するように構成されている。
【0055】
階層内セグメント間デインターリーブ部37aは、A階層データを構成する全てのセグメントA内においてデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施すように構成されている。
【0056】
同様に、階層内セグメント間デインターリーブ部37bは、B階層データを構成する全てのセグメントB内においてデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施すように構成されている。
【0057】
時間デインターリーブ部38は、A階層データ、B階層データ及び調整帯域データの各々に対して時間デインターリーブを施すように構成されている。
【0058】
階層分離部39は、A階層データ及びB階層データを分離するように構成されている。ここで、階層分離部39は、調整帯域データに含まれているB階層データも抽出するように構成されていてもよい。すなわち、階層分離部39は、時間デインターリーブ部38から出力されたB階層データに対して、調整帯域データを等間隔Δf(
図3及び
図4参照)で挿入するように構成されている。
【0059】
レベル調整部40aは、A階層データのレベルを調整するように構成されており、レベル調整部40bは、B階層データのレベルを調整するように構成されている。
【0060】
デマッピング部41aは、データキャリアからA階層データをデマッピングするように構成されており、マッピング部41bは、データキャリアからB階層データをデマッピングするように構成されている。
【0061】
本実施形態に係る放送システムによれば、1つのセグメント内のデータキャリア数に満たないデータキャリア(調整帯域)に対して簡易な手法で周波数インターリーブを実施することが可能であり、大きな改善効果が得られる。
【0062】
また、本実施形態に係る放送システムによれば、調整帯域データには、伝送パラメータを通知するための制御信号が含まれないようにすることで、より簡単にセグメント構造に満たないデータキャリアを扱うことができる。
【0063】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0064】
上述の実施形態では、1本の送受信アンテナによるSISO(Single-Input Single-Output)が適用されているケースを挙げて説明しているが、本発明は、かかるケースに限定されることはなく、複数本の送受信アンテナによるMIMO(Multi-Input Multi-Output)が適用されているケース等にも適用可能である。
【0065】
また、上述の実施形態では、2階層までの階層伝送を行うケースを例に挙げて説明したが、本発明は、かかるケースに限定されることなく、3階層までの階層伝送を行うケースにも適用可能である。
【0066】
また、上述の実施形態では特に触れていないが、上述の送信装置1及び受信装置3によって行われる各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、かかるプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、かかるプログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、かかるプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0067】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…送信装置
11a、11b…マッピング部
12a、12b…レベル調整部
13…階層合成部
14…時間インターリーブ部
15a、15b…階層内セグメント間インターリーブ部
16…分離合成部
17…周波数インターリーブ部
18…帯域合成部
19…OFDMフレーム構成部
20…IFFT部
21…送信部
3…受信装置
31…受信部
32…FFT部
33…デフレーム化部
34…帯域分離部
35…周波数デインターリーブ部
36…合成分離部
37a、37b…階層内セグメント間デインターリーブ部
38…時間デインターリーブ部
39…階層分離部
40a、40b…レベル調整部
41a、41b…デマッピング部