(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】重合体、有機膜組成物およびパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
C08G 61/12 20060101AFI20220216BHJP
G03F 7/11 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
C08G61/12
G03F7/11 502
G03F7/11 503
(21)【出願番号】P 2019524024
(86)(22)【出願日】2017-07-21
(86)【国際出願番号】 KR2017007906
(87)【国際公開番号】W WO2018088673
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-05-28
(31)【優先権主張番号】10-2016-0149859
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0055623
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514278061
【氏名又は名称】サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20, Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 17084,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヒョンイル
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンワン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ユシン
(72)【発明者】
【氏名】リム,チェポム
【審査官】中川 裕文
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0090449(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0152771(US,A1)
【文献】特開2016-151024(JP,A)
【文献】国際公開第2016/021594(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/146670(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/077640(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 61/00- 61/12
G03F 7/11
G03F 7/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で表される構造単位と、
下記の化学式2で表される構造単位と、を含む、重合体:
【化1】
前記化学式1および2において、
A
1は、
下記グループ2に列記されたモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり、
A
2は、
少なくとも一つのヒドロキシ基により置換された下記グループ1’に列記され
たモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり、
B
1およびB
2は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【化2】
前記グループ2において、
R
1
およびR
2
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである:
ただし、前記グループ2において、各モイエティ(moiety)内の水素原子は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせで置換もしくは非置換されたものである。
【化3】
【請求項2】
前記化学式1および2において、B
1およびB
2は、それぞれ下記グループ1に列記された置換または非置換のモイエティ(moiety)のうちいずれか一つである、請求項1に記載の重合体。
【化4】
【請求項3】
前記化学式1および2において、B
1およびB
2は、置換または非置換のC6~C30芳香族環であり、互いに同じ構造を有する、請求項1
または2に記載の重合体。
【請求項4】
重量平均分子量が1,000~200,000である、請求項1~
3のいずれか1項に記載の重合体。
【請求項5】
下記の化学式1で表される構造単位、および下記の化学式2で表される構造単位を含む重合体と、
溶媒と、を含む、有機膜組成物:
【化5】
前記化学式1および2において、
A
1は、
下記グループ2に列記されたモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり、
A
2は、
少なくとも一つのヒドロキシ基により置換された下記グループ1’に列記され
たモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり、
B
1およびB
2は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【化6】
前記グループ2において、
R
1
およびR
2
は、それぞれ独立して、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである:
ただし、前記グループ2において、各モイエティ(moiety)内の水素原子は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせで置換もしくは非置換されたものである。
【化7】
【請求項6】
前記化学式1および2において、B
1およびB
2は、置換または非置換のC6~C30芳香族環であり、互いに同じ構造を有する、請求項
5に記載の有機膜組成物。
【請求項7】
前記重合体の重量平均分子量が1,000~200,000である、請求項
5または6に記載の有機膜組成物。
【請求項8】
前記重合体は、前記有機膜組成物の総量に対して、0.1重量%~30重量%で含まれる、請求項
5~7のいずれか1項に記載の有機膜組成物。
【請求項9】
下記の化学式1で表される構造単位と、
下記の化学式2で表される構造単位と、を含む、重合体:
【化8】
前記化学式1および2において、
A
1は、下記の化学式Xで表されるモイエティ(moiety)であり、
A
2は、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、前記A
1と異なる構造を有し、B
1およびB
2は、それぞれ独立して、下記化学式11で表される芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【化9】
【化10】
前記化学式Xにおいて、
Arは、置換もしくは非置換の6員環、またはC14以下の縮合環(fused ring)であり、
R
aは、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Z
aは、置換または非置換のインドリル基であり、
mは、0または1である。
【請求項10】
下記の化学式1で表される構造単位と、
下記の化学式2で表される構造単位と、を含む、重合体:
【化11】
前記化学式1および2において、
A
1は、下記の化学式Xで表されるモイエティ(moiety)であり、
A
2は、下記化学式11で表されるモイエティであり、
B
1およびB
2は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【化12】
【化13】
前記化学式Xにおいて、
Arは、置換もしくは非置換の6員環、またはC14以下の縮合環(fused ring)であり、
R
aは、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Z
aは、置換または非置換のインドリル基であり、
mは、0または1である。
【請求項11】
下記の化学式1で表される構造単位と、下記の化学式2で表される構造単位と、を含む、重合体と、
溶媒と、を含む、有機膜組成物:
【化14】
前記化学式1および2において、
A
1は、下記の化学式Xで表されるモイエティ(moiety)であり、
A
2は、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、前記A
1と異なる構造を有し、B
1およびB
2は、それぞれ独立して、下記化学式11で表される芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【化15】
【化16】
前記化学式Xにおいて、
Arは、置換もしくは非置換の6員環、またはC14以下の縮合環(fused ring)であり、
R
aは、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Z
aは、置換または非置換のインドリル基であり、
mは、0または1である。
【請求項12】
下記の化学式1で表される構造単位と、下記の化学式2で表される構造単位と、を含む、重合体と、
溶媒と、を含む、有機膜組成物:
【化17】
前記化学式1および2において、
A
1は、下記の化学式Xで表されるモイエティ(moiety)であり、
A
2は、下記化学式11で表されるモイエティであり、
B
1およびB
2は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【化18】
【化19】
前記化学式Xにおいて、
Arは、置換もしくは非置換の6員環、またはC14以下の縮合環(fused ring)であり、
R
aは、水素原子、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Z
aは、置換または非置換のインドリル基であり、
mは、0または1である。
【請求項13】
基板上に材料層を提供する段階と、
前記材料層の上に請求項
5~8、および請求項
11~12のいずれか1項に記載の有機膜組成物を適用する段階と、
前記有機膜組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階と、
前記ハードマスク層の上にシリコン含有薄膜層を形成する段階と、
前記シリコン含有薄膜層の上にフォトレジスト層を形成する段階と、
前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンを用いて前記シリコン含有薄膜層および前記ハードマスク層を選択的に除去し、前記材料層の一部を露出する段階と、
前記材料層の露出した部分をエッチングする段階と、を含む、パターン形成方法。
【請求項14】
前記有機膜組成物を適用する段階は、スピンオンコーティング法で行う、請求項
13に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記フォトレジスト層を形成する段階の前に、底面反射防止層(BARC)を形成する段階をさらに含む、請求項
13または14に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な重合体、前記重合体を含む有機膜組成物、および前記有機膜組成物を用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業は数百ナノメートルサイズのパターンから数~数十ナノメートルサイズのパターンを有する超微細技術に発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィック技法が必須である。
【0003】
典型的なリソグラフィック技法は、半導体基板上に材料層を形成し、その上にフォトレジスト層をコーティングし、露光および現像してフォトレジストパターンを形成した後、前記フォトレジストパターンをマスクにして材料層をエッチングする過程を含む。
【0004】
近年、形成しようとするパターンの大きさが減少するにつれて、上述した典型的なリソグラフィック技法だけでは、良好なプロファイルを有する微細パターンを形成しにくいことがある。そのため、エッチングしようとする材料層とフォトレジスト層との間に、いわゆるハードマスク層(hardmask layer)と呼ばれる有機膜を形成して微細パターンを形成している。
【0005】
ハードマスク層は、選択的エッチング過程を通してフォトレジストの微細パターンを材料層に転写せしめる中間膜としての役割を果たす。したがって、ハードマスク層は、多重エッチング過程の間に耐えることができるように耐熱性および耐エッチング性の特性が求められる。
【0006】
また、近年、ハードマスク層を、化学気相蒸着方法の代わりにスピンオンコーティング(spin-on coating)法で形成することが提案されている。スピンオンコーティング法は、工程が容易であるだけでなく、ギャップフィル(gap-fill)特性および平坦化特性を改善することができる。微細パターンを実現するためには多重パターン形成が必須であるが、このとき、パターン内を空隙なしに膜で埋め立てる埋め立て特性が必要となる。また、被加工基板に段差がある場合やパターン密集部分およびパターンのない領域がウエハー上に共に存在する場合、下層膜によって膜表面を平坦化させる必要がある。
【0007】
上述したハードマスク層に要求される特性を満足できる有機膜材料が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施形態は、溶解度を確保しながらも耐熱性および耐エッチング性に優れた新規な重合体を提供する。
【0009】
本発明の他の実施形態は、前記重合体を含む有機膜組成物を提供する。
【0010】
本発明のまた他の実施形態は、前記有機膜組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、下記の化学式1で表される構造単位および下記の化学式2で表される構造単位を含む重合体を提供する。
【0012】
【0013】
前記化学式1および2において、
A1は、下記の化学式Xで表されるモイエティ(moiety)であり、
A2は、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、前記A1と異なる構造を有し、
B1およびB2は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【0014】
【0015】
前記化学式Xにおいて、
Arは、置換もしくは非置換の4員環、置換もしくは非置換の5員環、置換もしくは非置換の6員環、またはこれらの縮合環(fused ring)であり、
Raは、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Zaは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
mは、0または1である。
【0016】
前記化学式1および2において、B1およびB2は、それぞれ下記グループ1に列記された置換もしくは非置換のモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり得る。
【0017】
【0018】
前記化学式1において、A1は下記グループ2に列記されたモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり得る。
【0019】
【0020】
前記グループ2において、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせである:
ただし、前記グループ2において、各モイエティ(moiety)内の水素原子は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせで置換もしくは非置換されたものである。
【0021】
前記化学式2において、A2は、前記グループ1に列記された置換または非置換のモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであり得る。
【0022】
前記化学式2において、A2は、少なくとも一つのヒドロキシ基によって置換されたものであり得る。
【0023】
前記化学式1および2において、B1およびB2は、置換または非置換のC6~C30芳香族環であり、互いに同じ構造を有することができる。
【0024】
前記重合体の重量平均分子量が、1,000~200,000であり得る。
【0025】
本発明の他の実施形態によれば、上述した重合体、および溶媒を含む有機膜組成物を提供する。
【0026】
前記重合体は、前記有機膜組成物の総量に対して0.1重量%~30重量%で含まれ得る。
【0027】
本発明のまた他の実施形態によれば、基板上に材料層を形成する段階と、前記材料層の上に上述した重合体および溶媒を含む有機膜組成物を適用する段階と、前記有機膜組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階と、前記ハードマスク層の上にシリコン含有薄膜層を形成する段階と、前記シリコン含有薄膜層の上にフォトレジスト層を形成する段階と、前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階と、前記フォトレジストパターンを用いて前記シリコン含有薄膜層および前記ハードマスク層を選択的に除去して前記材料層の一部を露出する段階と、前記材料層の露出した部分をエッチングする段階と、を含むパターン形成方法を提供する。
【0028】
前記有機膜組成物を適用する段階は、スピンオンコーティング法で行うことができる。
【0029】
前記フォトレジスト層を形成する段階前に、底面反射防止層(BARC)を形成する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の一実施形態による重合体は、耐熱性と耐エッチング性に優れている。前記重合体を有機膜材料として用いる場合、膜密度および耐エッチング性に優れかつ平坦性を満足できる有機膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の一実施形態によるパターン形成方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態で具現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0033】
本明細書で別途の定義がない限り、‘置換’とは、化合物中の水素原子が、ハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、リン酸やその塩、C1~C30アルキル基、C2~C30アルケニル基、C2~C30アルキニル基、C6~C30アリール基、C7~C30アリールアルキル基、C1~C30アルコキシ基、C1~C20ヘテロアルキル基、C3~C20ヘテロアリールアルキル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C15シクロアルケニル基、C6~C15シクロアルキニル基、C3~C30ヘテロシクロアルキル基、およびこれらの組み合わせから選択された置換基で置換されたことを意味する。
【0034】
また、本明細書で別途の定義がない限り、‘ヘテロ’とは、N、O、SおよびPから選択されたヘテロ原子を1~3個含有することを意味する。
【0035】
また、本明細書で別途の定義がない限り、‘*’は、化合物または化合物部分(moiety)の連結地点を示す。
【0036】
以下、本発明の一実施形態による重合体を説明する。
【0037】
本発明の一実施形態による重合体は、下記の化学式1で表される構造単位、および下記の化学式2で表される構造単位を含む。
【0038】
【0039】
前記化学式1および2において、
A1は、下記の化学式Xで表されるモイエティ(moiety)であり、
A2は、置換または非置換のC6~C30芳香族環であり、前記A1と異なる構造を有し、
B1およびB2は、それぞれ独立して、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、
*は、連結地点である:
【0040】
【0041】
前記化学式Xにおいて、
Arは、置換もしくは非置換の4員環、置換もしくは非置換の5員環、置換もしくは非置換の6員環、またはこれらの縮合環(fused ring)であり、
Raは、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
Zaは、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
mは、0または1である。
【0042】
前記重合体は、前記化学式1で表される構造単位、および前記化学式2で表される構造単位を全て含み、ここで、これら構造単位の個数および配列は限定されない。
【0043】
前記化学式1および2で表される構造単位は、A1およびA2で表される第1部分、ならびに水素原子(H)、炭素、B1およびB2で表される第2部分からなる。
【0044】
前記化学式1および2において、前記A1およびA2は、互いに異なる構造を有する。
【0045】
まず、前記化学式1において、A1はインドール(indole)化合物、またはその誘導体であり、前記化学式Xで表される。
【0046】
前記化学式Xにおいて、Arは、置換もしくは非置換の4員環、置換もしくは非置換の5員環、置換もしくは非置換の6員環、またはこれらの縮合環(fused ring)を示し、前記縮合環は、例えばベンゼン環が2個、3個または4個縮合した形態であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0047】
前記化学式1において、A1は、例えば、下記グループ2に列記されたモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであることができるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
【0049】
前記グループ2において、
R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせである:
ただし、前記グループ2において、各モイエティ(moiety)内の水素原子は、それぞれ独立して、ヒドロキシ基、ハロゲン基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC1~C30ヘテロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロアリール基、またはこれらの組み合わせで置換または非置換されたものである。
【0050】
前記グループ2において、各モイエティ(moiety)が化学式1に連結される位置は、特に限定されない。前記重合体は、環基に置換された官能基の種類および個数を選択することによって、物性の調節が容易となる。
【0051】
また、前記化学式2において、A2は、置換または非置換のC6~C30の芳香族環であり、インドールまたはその誘導体を示すA1と異なる構造を有する。
【0052】
前記化学式2において、A2は、下記グループ1に列記された置換または非置換のモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであることができるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【0054】
前記グループ1において、各モイエティ(moiety)が化学式2に連結される位置は、特に限定されない。例えば、前記グループ1に示したモイエティ(moiety)が置換された形態の場合、前記モイエティ(moiety)内の一つの少なくとも一つの水素原子が、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換のC1~C30アルキル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C30アルキニル基、置換もしくは非置換のC1~C30アルコキシ基、またはこれらの組み合わせによって置換された形態であることができるが、これらに限定されるものではない。例えば、前記A2は、少なくとも一つのヒドロキシ基によって置換されたものであってもよい。
【0055】
前記重合体は、前記化学式1においてA1、および前記化学式2においてA2で表される環基部分を有することによって、耐エッチング性を確保できる。前記重合体は、前記化学式1で表される構造単位内にインドール部分(A1)を含むことによって、窒素原子(N)が含まれている5員環部分の一方は環(ring)によって閉じられた(縮合した)構造を有するか、他方は環によって縮合せず開かれた構造を有することによって(つまり、前記化学式Xで5員環の一方はArと縮合しているが、他方はそうではない)、窒素原子が含まれている5員環部分が全て閉じられたカルバゾール系と比較して、ベーク時に相対的に重合体の内部あるいは重合体間の結合を促進して、炭素含有量の増加効果を有することができ、これによって、耐エッチング性がさらに向上できる。
【0056】
次に、上述のように、前記化学式1および2で表される構造単位は、水素原子(H)、炭素、ならびにB1およびB2で表される第2部分を含む。
【0057】
例えば、前記化学式1および2において、B1およびB2は、それぞれ下記グループ1に列記された置換もしくは非置換のモイエティ(moiety)のうちいずれか一つであることができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
【0059】
例えば、前記化学式1および2において、B1およびB2は、互いに同じ構造を有することができる。
【0060】
前記重合体は、基本的に前記A1、A2、B1およびB2で表される炭素環基を含むことによって、耐エッチング性を確保できる。
【0061】
また、前記第2部分に含まれている炭素は‘3級炭素’に該当する。ここで、3級炭素とは、炭素に結合された4個の水素原子中の3個のサイトが水素原子以外の異なる基で置換された形態の炭素を意味する。
【0062】
前記重合体は、化学式1および2で表されるそれぞれの構造単位に全て3級炭素を含むことによって、重合体のリングパラメータ(ring parameter)が極大化されて、耐エッチング性をさらに強化させることができる。また、このような形態の炭素を含む重合体を有機膜組成物に用いる場合、ハードマスク層の溶解性を向上させることができ、スピンオンコーティング法に適用するのに有利である。
【0063】
前記重合体は、例えば3元共重合によって重合されうる。前記重合体において、3級炭素構造は、例えば、重合体の合成時に親電子体としてアルデヒド(aldehyde)化合物、またはその誘導体を導入することによって形成される。前記重合体は、前記アルデヒド化合物またはその誘導体、および高い炭素含有量を有する単量体を3元共重合に用いて、重合体の炭素含有量を増やしながらも、単量体間の結合位置に存在する水素原子の数を低減させる構造を有するようになり、耐エッチング性が強化され得る。
【0064】
前記重合体は、約500~200,000の重量平均分子量を有することができる。より具体的には、前記重合体は、約1,000~20,000の重量平均分子量を有することができる。前記範囲の重量平均分子量を有することによって、前記重合体を含む有機膜組成物(例えば、ハードマスク組成物)の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0065】
前記重合体を有機膜材料として用いる場合、ベーク工程中にピンホールおよびボイドの形成や厚さの散布の劣化なしに、均一な薄膜を形成することができるだけでなく、下部基板(または膜)に段差が存在する場合、あるいはパターンを形成する場合、優れたギャップフィルおよび平坦化特性を提供することができる。
【0066】
他の実施形態によれば、上述した重合体、および溶媒を含む有機膜組成物を提供する。
【0067】
前記溶媒は、前記重合体に対する十分な溶解性または分散性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオ-ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、アセチルアセトンおよびエチル3-エトキシプロピオン酸塩から選択される少なくとも一つを含むことができる。
【0068】
前記重合体は、前記有機膜組成物の総量に対して約0.1~50重量%、約0.1~30重量%、または約0.1~15重量%で含まれ得る。前記範囲で重合体が含まれることによって、有機膜の厚さ、表面粗度および平坦化程度を調節することができる。
【0069】
前記有機膜組成物は、追加的に界面活性剤、架橋剤、熱酸発生剤、可塑剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0070】
前記界面活性剤は、例えばフルオロアルキル系化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩などを使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0071】
前記架橋剤としては、例えばメラミン系、置換尿素系、またはこれらポリマー系などが挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤として、例えば、メトキシメチル化グリコルリル、ブトキシメチル化グリコルリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはブトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。
【0072】
また、前記架橋剤としては、耐熱性の高い架橋剤を使用することができる。耐熱性の高い架橋剤としては、分子内に芳香族環(例えばベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を使用することができる。
【0073】
前記熱酸発生剤は、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物または/および2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他に有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0074】
前記添加剤は、前記有機膜組成物100重量部に対して約0.001~40重量部で含まれ得る。前記範囲で含むことによって、有機膜組成物の光学的特性を変更させなくとも溶解度を向上させることができる。
【0075】
また、他の実施形態によれば、上述した有機膜組成物を使用して製造された有機膜を提供する。前記有機膜は、上述した有機膜組成物を、例えば、基板上にコーティングした後、熱処理過程を通じて硬化した形態であってもよく、例えば、ハードマスク層、平坦化膜、犠牲膜、充填剤など、電子デバイスに使用される有機薄膜を含むことができる。
【0076】
以下、上述した有機膜組成物を使用してパターンを形成する方法について、
図1を参照して説明する。
【0077】
図1は、本発明の一実施形態によるパターン形成方法を説明するフローチャートである。
【0078】
本発明の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に材料層を形成する段階(S1)と、前記材料層の上に上述した重合体および溶媒を含む有機膜組成物を適用する段階(S2)と、前記有機膜組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階(S3)と、前記ハードマスク層の上にシリコン含有薄膜層を形成する段階(S4)と、前記シリコン含有薄膜層の上にフォトレジスト層を形成する段階(S5)と、前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階(S6)と、前記フォトレジストパターンを用いて前記シリコン含有薄膜層および前記ハードマスク層を選択的に除去して前記材料層の一部を露出する段階(S7)と、前記材料層の露出した部分をエッチングする段階(S8)と、を含む。
【0079】
前記基板は、例えば、シリコンウエハー、ガラス基板または高分子基板であってもよい。
【0080】
前記材料層は、最終的にパターン化しようとする材料であり、例えば、アルミニウム、銅などのような金属層、シリコンのような半導体層または酸化ケイ素、窒化ケイ素などのような絶縁層であってもよい。前記材料層は、例えば、化学気相蒸着方法により形成されてもよい。
【0081】
前記有機膜組成物は、前述したとおりであり、溶液形態で製造されてスピンオンコーティング法で塗布することができる。このとき、前記有機膜組成物の塗布厚さは特に限定されないが、例えば、約50~10,000Å厚さに塗布することができる。
【0082】
前記有機膜組成物を熱処理する段階は、例えば、約100~700℃で約10秒~1時間行うことができる。
【0083】
前記シリコン含有薄膜層は、例えば、SiCN、SiOC、SiON、SiOCN、SiC、SiOおよび/またはSiNなどの物質で形成することができる。
【0084】
また、前記フォトレジスト層を形成する段階の前に、前記シリコン含有薄膜層上部に底面反射防止層(bottom anti-reflective coating、BARC)をさらに形成することもできる。
【0085】
前記フォトレジスト層を露光する段階は、例えば、フッ化アルゴン(argon fluoride、ArF)、フッ化クリプトン(krypton fluoride、KrF)または極端紫外線(extreme ultra violet、EUV)などを用いて行うことができる。また、露光後、約100~700℃で熱処理工程を行うことができる。
【0086】
前記材料層の露出した部分をエッチングする段階は、エッチングガスを用いた乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えば、CHF3、CF4、Cl2、BCl3およびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0087】
前記エッチングされた材料層は、複数のパターンで形成されてもよく、前記複数のパターンは、金属パターン、半導体パターン、絶縁パターンなど多様化することができ、例えば、半導体集積回路デバイス内の多様なパターンで適用可能である。
【0088】
以下、実施例を通じて上述した本発明の実施形態をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は単に説明の目的のためのものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。
【実施例】
【0089】
(合成例)
合成例1
機械式攪拌機と冷却管を備えた500mlの2つ口フラスコに、1-ナフトール(1-naphthol)61.5g(0.43モル)、インドール(Indole)50.0g(0.43モル)、1-ナフトアルデヒド(1-naphthaldehyde)133g(0.85モル)、およびメタンスルホン酸(Methanesulfonic acid)41.0g(0.43モル)を、285.9gの1,4-ジオキサン(1,4-Dioxane)に入れてよくかき混ぜた後、温度を100℃に上げて24時間攪拌した。反応終了後、内部温度を60~70℃に下げた後、テトラヒドロフラン300gを入れて化合物が固まらないようにした後に、7%の重炭酸ナトリウム水溶液(Sodium bicarbonate)で化合物のpHを5~6となるようにする。そして、酢酸エチル1000mlを注ぎ続けて攪拌した後、分別漏斗を用いて有機層のみを抽出する。再び水500mlを分別漏斗に入れて振って、残っている酸とナトリウム塩を除去する過程を3回以上繰り返した後、有機層を最終的に抽出する。次いで、有機溶液を蒸発器にて濃縮し、得られた化合物にテトラヒドロフラン1Lを添加して溶液を得た。
【0090】
前記溶液を攪拌しているヘキサン5Lの入ったビーカーに、ゆっくり滴下して沈殿を形成し、化学式1aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0091】
ゲル透過クロマトグラフィー(Gel permeation chromatography:GPC)を用いて得られた重合体の重量平均分子量(Mw)および多分散度(Polydispersity、PD)を測定した結果、重量平均分子量(Mw)は1,890であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.35であった。
【0092】
【0093】
合成例2
合成例1においてインドールの代わりに1H-ベンゾインドール(1H-Benzoindole)を用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式2aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0094】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は3,100であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.43であった。
【0095】
【0096】
合成例3
合成例1においてインドールの代わりに、1H,1H’-3,3’-ビインドール(1H,1H’-3,3’-biindole)を用いたことを除き、同様な方法を使用して、化学式3aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0097】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は2,140であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.32であった。
【0098】
【0099】
合成例4
合成例1において、インドールの代わりに1H-ジベンゾ[e,g]インドール(1H-dibenzo[e,g]indole)を用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式4aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0100】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は2,470であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.29であった。
【0101】
【0102】
合成例5
合成例1において、1-ナフトールの代わりにフェナントレン-9-オール(Phenanthren-9-ol)を用いたことを除き、同様な方法を使用して化学式5aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0103】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は1,760であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.43であった。
【0104】
【0105】
合成例6
合成例5において、1-ナフトアルデヒドの代わりに9-フェナントレンカルバルデヒド(9-phenanthrene carbaldehyde)を用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式6aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0106】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は2,410であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.55であった。
【0107】
【0108】
合成例7
合成例6において、フェナントレン-9-オールの代わりに1-ヒドロキシピレン(1-hydroxypyrene)を用い、9-フェナントレンカルバルデヒドの代わりにピレン-1-カルバルデヒド(Pyrene-1-carbaldehyde)を用いたことを除き、同様な方法を使用して化学式7aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0109】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は1,570であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.26であった。
【0110】
【0111】
合成例8
合成例7において、インドールの代わりに1H-ベンゾインドール(1H-Benzoindole)を用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式8aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0112】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は1,940であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.35であった。
【0113】
【0114】
合成例9
合成例7において、インドールの代わりに1-フェニル-1H-インドール(1-Phenyl-1H-indole)を用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式9aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0115】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は1,550であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.31であった。
【0116】
【0117】
合成例10
機械式攪拌機を備えた500mlの2つ口フラスコに、合成例1で得られた重合体27.0gとジメチルホルムアミド(Dimethylformamide)200gを入れて攪拌する。重合体が全部溶けたことを確認した後、フラスコを氷で満たされた冷却水槽に入れて攪拌する。その後、水素化ナトリウム(Sodium hydride)6gをゆっくりフラスコに滴加し攪拌する。攪拌30分後にプロパルギルブロミド(Propargyl bromide)17.8gをゆっくり投入し8時間攪拌した。反応終了後、フラスコ内にエタノール50mlをゆっくり投入し、10分経過後、2Lのビーカーに入れて攪拌している水1.5Lに反応液をゆっくり投入する。完全に投入した後、2時間攪拌を行う。沈殿が形成された固体をろ過して水分を除去した後、水500mlとエタノール200mlを混合した溶液で洗浄する過程を3回以上繰り返し、固体を乾燥して、化学式10aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0118】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は1,920であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.34であった。
【0119】
【0120】
比較合成例1
500mlのフラスコに、1-ヒドロキシアントラセン20g(0.103モル)、およびパラホルムアルデヒド3.08g(0.103モル)を順次入れてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)42gに溶かした後、パラトルエンスルホン酸0.4g(0.002モル)を投入し、90~120℃で5~10時間程度攪拌した。1時間間隔で前記重合反応物から試料を取って、その試料の重量平均分子量が3,000~4,200となった時点で反応を完了して、化学式Aで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0121】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は3,200であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.85であった。
【0122】
【0123】
比較合成例2
500mlのフラスコに、インドール(Indole)33g(0.23モル)、1-ナフトアルデヒド(1-Naphthaldehyde)35.9g(0.23モル)を順次入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)200gに溶かした後、パラトルエンスルホン酸1g(0.005モル)を投入した後、90~120℃で8時間程度攪拌した。1時間間隔で前記重合反応物から試料を取って、その試料の重量平均分子量が3,000~4,000となった時点で反応を完了して、化学式Bで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0124】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は1,520であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.72であった。
【0125】
【0126】
比較合成例3
合成例1において、インドールの代わりにカルバゾールを用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式Cで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0127】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は2,680であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.56であった。
【0128】
【0129】
比較合成例4
合成例4において、インドールの代わりに1,3-ジヒドロインドロ[2,3-b]カルバゾール(1,3-dihydroindolo[2,3-b]carbazole)を用いたことを除き、同様の方法を使用して、化学式Dで表される構造単位を含む重合体を得た。
【0130】
得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は4,620であり、多分散度(Polydispersity、PD)は1.73であった。
【0131】
【0132】
(ハードマスク組成物の製造)
実施例1
合成例1で得られた重合体を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propylene glycol monomethyl ether acetate、PGMEA)およびシクロヘキサノン(cyclohexanone)(7:3(v/v))の混合溶媒に溶かした後、0.1μmのテフロンフィルターでろ過して、ハードマスク組成物を製造した。目的とする厚さにより、前記重合体の重量は、前記ハードマスク組成物の総重量に対して5.0重量%~20.0重量%に調節した。
【0133】
実施例2
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例2で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0134】
実施例3
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例3で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0135】
実施例4
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例4で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0136】
実施例5
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例5で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0137】
実施例6
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例6で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0138】
実施例7
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例7で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0139】
実施例8
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例8で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0140】
実施例9
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例9で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0141】
実施例10
合成例1で得られた重合体の代わりに、合成例10で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0142】
比較例1
合成例1で得られた重合体の代わりに、比較合成例1で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0143】
比較例2
合成例1で得られた重合体の代わりに、比較合成例2で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0144】
比較例3
合成例1で得られた重合体の代わりに、比較合成例3で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0145】
比較例4
合成例1で得られた重合体の代わりに、比較合成例4で得られた化合物を使用したことを除き、実施例1と同様の方法で、ハードマスク組成物を製造した。
【0146】
(評価)
評価1:耐エッチング性
シリコンウエハーの上に、実施例1~10および比較例1~4のハードマスク組成物を4,000Å厚さにスピンオンコーティングした後、ホットプレートの上で、240℃で1分間熱処理して薄膜を形成した。
【0147】
次いで、前記薄膜の厚さを測定した。次に、前記薄膜に、CHF3/CF4混合ガスおよびN2/O2混合ガスを用いて、それぞれ100秒および60秒間乾式エッチングした後、薄膜の厚さを再び測定した。乾式エッチングの前後の薄膜の厚さとエッチング時間から、下記計算式1によりエッチング率(bulk etch rate、BER)を計算した。
【0148】
【0149】
その結果は下記表1のとおりである。
【0150】
【0151】
前記熱処理温度および時間を400℃および2分で、それぞれ変更してエッチング率を再び計算した。その結果は下記表2のとおりである。
【0152】
【0153】
表1および2を参照すると、実施例1~10のハードマスク組成物から形成された薄膜は、比較例1~4のハードマスク組成物から形成された薄膜と比較して、エッチングガスに対する十分な耐エッチング性があるため,バルクエッチング特性が向上することを確認できる。
【0154】
評価2:膜密度
シリコンウエハーの上に、実施例1~10および比較例1~4のハードマスク組成物をスピンオンコーティングし、ホットプレートの上で、240℃で1分間熱処理して厚さ1,000Åの薄膜を形成した。
【0155】
前記薄膜の膜密度を、PANalytical社のX線回折分析(X-ray diffraction)装置を用いて測定した。
【0156】
その結果は下記表3のとおりである。
【0157】
【0158】
表3を参照すると、実施例1~10のハードマスク組成物から形成された薄膜が、比較例1~4の薄膜と比較して、高い水準の膜密度を有することが分かる。
【0159】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も、本発明の権利範囲に属する。