(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】可変周波数発生器を用いるスマート高周波パルス調整
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20220216BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/302 101B
H01L21/302 101G
(21)【出願番号】P 2019548676
(86)(22)【出願日】2018-02-13
(86)【国際出願番号】 US2018017980
(87)【国際公開番号】W WO2018169631
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-01-22
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】川崎 勝正
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-222657(JP,A)
【文献】特開2016-66593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0243607(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00
H01L 21/3065
H01J 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチレベルパルス高周波電力を使用するプラズマ強化基板処理システムで基板を処理する方法であって、
(a)第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器からの複数のパルス高周波電力波形を含む、基板を処理するための処理レシピを受け取る工程と、
(b)第1デューティサイクルを複数の均等な時間間隔に分割する工程と、
(c)各高周波発生器について、すべての間隔のための周波数指令セットを決定し、周波数指令セットを高周波発生器に送信する工程であって、周波数指令セットは、複数の均等な時間間隔の各間隔のための周波数設定点を含んでいる工程と、
(d)各高周波発生器に送信された周波数指令セットに従って、第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器から処理チャンバへ複数の高周波電力波形を供給する工程とを含む方法。
【請求項2】
複数の均等に分割された時間間隔のうちの第1時間間隔の間に、第1反射電力又はインピーダンスを測定する工程と、
複数の高周波発生器の少なくとも1つによって供給される周波数又は電力を調整して、反射電力又はインピーダンスを低減する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各高周波発生器に送信された周波数指令セットに従って、第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器から処理チャンバへ複数の高周波電力波形を供給する工程は、複数の均等に分割された時間間隔のうちの第2時間間隔の周波数設定点で電力を供給する工程を含み、
方法は、
複数の均等に分割された時間間隔のうちの第2時間間隔の間に第2反射電力又はインピーダンスを測定する工程と、
複数の高周波発生器の少なくとも1つによって供給される周波数又は電力を調整して、反射電力又はインピーダンスを低減する工程とをさらに含んでいる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第1デューティサイクルにおけるすべての間隔にわたる平均インピーダンス値を計算する工程と、
1つ以上の高周波整合ネットワークの可変整合器構成要素を、計算された平均値に調整する工程とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
計算された平均値に調整される可変整合器構成要素は、可変コンデンサ又はインダクタのうちの少なくとも一方を備えている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
計算された平均値に調整される可変整合器構成要素は、電子的に調整されるか、又は機械的に調整されている、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
均等に分割された時間間隔の数が10間隔である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
周波数指令セットは、高周波整合ネットワークによって決定されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
周波数指令セットは、高周波整合ネットワークと高周波発生器とを直接的かつ通信的に接続する高速通信ケーブルを介して高周波発生器に送信されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
周波数指令セットは、高周波ネットワークと高周波整合器に通信的に接続されたパルスコントローラを介して間接的に高周波整合ネットワークにより高周波発生器に送信されている、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
複数の高周波発生器のうちの1つからタイミング信号を受け取って、複数の高周波発生器からの複数の高周波電力波形を同期させる工程をさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
タイミング信号は、13MHzのオン/オフタイミング信号である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
複数の高周波電力波形のうちの少なくとも1つは、複数の電力レベルでパルス化されたデュアルレベルパルス(DLP)波形である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
第1デューティサイクルの間に処理チャンバへ複数の高周波電力波形を供給するように構成された複数の高周波発生器と、
複数の高周波発生器に接続されたパルスコントローラと、
複数の高周波発生器、処理チャンバ、及びパルスコントローラの各々に接続された少なくとも1つの整合ネットワークとを備える基板処理システムであって、
少なくとも1つの整合ネットワークは、複数の高周波電力波形及び少なくとも1つの可変整合器構成要素のための反射電力を測定するように構成された少なくとも1つの測定装置を備え、少なくとも1つの整合ネットワークは、
(a)第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器からの複数のパルス高周波電力波形を含む、基板を処理するための処理レシピを受け取り、
(b)第1デューティサイクルを複数の均等な時間間隔に分割し、
(c)各高周波発生器について、すべての間隔のための周波数指令セットを決定し、
(d)周波数指令セットを高周波発生器に送信するように構成され、周波数指令セットは、複数の均等な時間間隔の各間隔のための周波数設定点を含んでいる基板処理システム。
【請求項15】
複数の高周波発生器は、少なくとも1つの整合ネットワークによって各高周波発生器に送信された周波数指令セットに従って、第1デューティサイクルの間に、複数の高周波電力波形を処理チャンバへ供給するように構成されている、請求項14に記載の基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板を処理するために使用される高周波電力供給方法に関する。
【背景】
【0002】
従来の高周波(RF)プラズマ処理(多くの半導体デバイスの製造段階で使用される高周波プラズマ処理など)では、高周波エネルギーを、高周波エネルギーソースを介して基板処理チャンバへ供給してもよい。高周波エネルギーを、連続波方式又はパルス波方式で生成及び供給してもよい。高周波エネルギーソースのインピーダンスと処理チャンバで形成されたプラズマとの不整合により、高周波エネルギーは高周波エネルギーソースへ反射され、その結果、高周波エネルギーの非効率的な使用とエネルギーの浪費、処理チャンバ又は高周波エネルギーソースの潜在的な損傷、及び基板処理に関する潜在的な非一貫性/非再現性の問題が生じる。こうして、高周波エネルギーは、固定式又は調整可能な整合ネットワークを介して処理チャンバ内のプラズマにしばしば結合される。この整合ネットワークは、高周波エネルギーソースのインピーダンスにプラズマのインピーダンスをより厳密に整合させることにより、反射高周波エネルギーを最小化するように動作する。整合ネットワークにより、高周波ソースの出力がプラズマに効率的に結合され、プラズマに結合されたエネルギー量が最大になる(例えば、高周波電力供給の調整と呼ばれる)。したがって、整合ネットワークにより、合計インピーダンス(すなわち、プラズマインピーダンス+チャンバインピーダンス+整合ネットワークインピーダンス)が高周波電力供給の出力インピーダンスと同じであることが保証される。いくつかの実施形態では、高周波エネルギーソースでも、周波数調整を、又は高周波エネルギーソースによって供給される高周波エネルギーの周波数の適合を可能として、インピーダンス整合を支援してもよい。
【0003】
複数の電力レベルでパルス化された複数の別個の高周波電力信号を使用する処理チャンバでは、通常は、同期高周波パルスが使用される。複数の別個の高周波電力信号は、互いに独立して位相がずれてパルス化され、又は多様なデューティサイクルでパルス化されてもよい。トランジスタ-トランジスタロジック(TTL)信号を使用して、同期を達成してもよい。1つのマスター発生器が、同期のために他のスレーブ発生器へのTTL信号を生成する。各高周波発生器(マスターとスレーブ)は、独立したデューティサイクル及び/又はパルス遅延で、パルス高周波電力を供給し得る。
【0004】
しかしながら、複数の電力レベル(例えば、それぞれに複数の電源設定がある)でパルス化された複数の別個の高周波電力信号を使用した高周波シングルレベルパルス(SLP)若しくはデュアルレベル(DLP)又はマルチレベルパルス(MLP)では、パルスデューティサイクルの間に生じる複数のインピーダンスの変化により、インピーダンスの調整が困難になる。すなわち、整合ネットワーク及び/又は高周波発生器は、反射電力を適切に調整できておらず、それは、反射電力が各デューティサイクル内で複数回変化するためである。より具体的には、可変コンデンサ又はインダクタ、及び固定式周波数発生器を有する通常の整合ネットワークは、一般に、1つの特定のインピーダンス(例えば、平均インピーダンス)に対してのみインピーダンス整合を実行し得る。それは、可変コンデンサ/インダクタを駆動するモーター速度が遅すぎるため、1パルスサイクル内のインピーダンス変化に追従できないからである。
【0005】
したがって、発明者らは、可変コンデンサ/インダクタを使用することに加えて、1つ以上の可変周波数発生器を使用する、高周波パルス調整のための改良版の方法及び装置を提供し、諸処理チャンバでの高周波パルス反射を有益にも最小化した。なお、これらの処理チャンバでは、単一のデューティサイクルの間に複数の電力レベルでパルス化された複数の別個の高周波電力信号が使用される。
【概要】
【0006】
本明細書では、高周波パルス反射低減のための方法及びシステムが提供される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器からの複数のパルス高周波電力波形を含む、基板を処理するための処理レシピを受け取る工程と、(b)第1デューティサイクルを複数の均等な時間間隔に分割する工程と、(c)各高周波発生器について、すべての間隔のための周波数指令セットを決定し、周波数指令セットを高周波発生器に送信する工程であって、周波数指令セットは、複数の均等な時間間隔の各間隔のための周波数設定点を含んでいる工程と、(d)各高周波発生器に送信された周波数指令セットに従って、第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器から処理チャンバへ複数の高周波電力波形を供給する工程とを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、非一時的なコンピューター可読媒体が命令を格納して有し、この命令を実行することで、マルチレベルパルス高周波電力を使用してプラズマ強化基板処理システムを動作させる方法が提供される。実施される方法は、(a)第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器からの複数のパルス高周波電力波形を含む、基板を処理するための処理レシピを受け取る工程と、(b)第1デューティサイクルを複数の均等な時間間隔に分割する工程と、(c)各高周波発生器について、すべての間隔のための周波数指令セットを決定し、周波数指令セットを高周波発生器に送信する工程であって、周波数指令セットは、複数の均等な時間間隔の各間隔のための周波数設定点を含んでいる工程と、(d)各高周波発生器に送信された周波数指令セットに従って、第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器から処理チャンバへ複数の高周波電力波形を供給する工程とを含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、基板処理システムは、第1デューティサイクルの間に処理チャンバへ複数の高周波電力波形を供給するように構成された複数の高周波発生器と、複数の高周波発生器に接続されたパルスコントローラと、複数の高周波発生器、処理チャンバ、及びパルスコントローラの各々に接続された少なくとも1つの整合ネットワークとを備え、少なくとも1つの整合ネットワークは、複数の高周波電力波形及び少なくとも1つの可変整合器構成要素のための反射電力を測定するように構成された少なくとも1つの測定装置を備えてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの整合ネットワークは、(a)第1デューティサイクルの間に、複数の高周波発生器からの複数のパルス高周波電力波形を含む、基板を処理するための処理レシピを受け取り、(b)第1デューティサイクルを複数の均等な時間間隔に分割し、(c)各高周波発生器について、すべての間隔のための周波数指令セットを決定し、(d)周波数指令セットを高周波発生器に送信するように構成され、周波数指令セットは、複数の均等な時間間隔の各間隔のための周波数設定点を含んでいる。
【0009】
本開示の他のさらなる実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上記に簡単に要約され、以下により詳細に論じられる本開示の実施形態は、添付図面に示される本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解され得る。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を含み得るので、添付図面は本開示の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、従ってこの範囲を制限していると解釈するべきではないことに留意すべきである。
【
図1】本開示のいくつかの実施形態によるプラズマリアクタを示す。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による高周波信号のパルス波形を示す。
【
図3D】本開示のいくつかの実施形態に基づくパルス波形間の位相変化を示す。
【
図4】複数のパルス電力波形を有するマルチストロークサイクルパルス(MSCP)を示しており、このパルス電力波形は、本開示のいくつかの実施形態に基づく、基板を処理するための基板処理レシピに関連する。
【
図5A】単一のデューティサイクルについて、
図4に示した複数のパルス電力波形を有する同一のMSCPを示しており、この単一のデューティサイクルは、本開示のいくつかの実施形態に基づいて、複数の均等な時間間隔に分割されている。
【
図5B】単一のデューティサイクルに対して複数の電力レベルでパルス化された複数の別個の高周波電力信号を使用する処理チャンバにおける高周波パルス反射低減のための方法のフローチャートを示しており、この単一のデューティサイクルは、本開示のいくつかの実施形態に基づいて、複数の均等な時間間隔に分割されている。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態に基づくスマート調整アルゴリズムを採用するための例示的な装置を示す。
【0011】
理解を容易にするため、可能な場合には、同一の符号を使用して、これらの図面に共通の同一の要素を示す。これらの図は一定の縮尺で描かれておらず、明快さを優先して簡略化されている場合がある。ある実行形態の要素及び構成は、具体的な記述がなくとも、他の実行形態に有益に組み込まれ得る。
【詳細な説明】
【0012】
本開示の諸実施形態は、可変コンデンサ/インダクタを使用することに加えて、1つ以上の可変周波数発生器を使用する高周波パルス調整のための改善された方法及び装置を提供する。具体的には、改善された方法と装置は、少なくとも2つの調整自由度を使用して、少なくとも1つの可変コンデンサ/インダクタと、1つ以上の可変周波数発生器によって生成された1つ以上の可変周波数を使用することによって、インピーダンス整合を実行する。1つ以上の可変周波数発生器によって生成される周波数は、迅速に(すなわち、マイクロ秒レベルで)変更され得るので、単一の高周波パルスサイクル内での総進行波電力の変化によって生じる新たなインピーダンスにすばやく調節され、適合する。本開示と合致する諸実施形態では、高周波整合ネットワークは、単一の高周波パルスサイクル内のすべての間隔のための周波数指令セットを高周波周波数発生器に送信する。次に、高周波発生器は、単一の高周波パルスサイクルに対して、複数の周波数を有する高周波パルス出力を生成し、単一の高周波パルスサイクル内の各間隔の反射電力を最小化する。可変コンデンサ/インダクタは、計算された平均インピーダンス値に調整される。本開示と合致する諸実施形態は、処理チャンバ内の高周波パルス反射を有益にも最小化する。この処理チャンバは、単一のデューティサイクルの間に複数の電力レベルでパルス化される複数の別個の高周波電力信号を使用しており、そのために、1つ以上の可変コンデンサ/インダクタの使用に加えて、1つ以上の可変周波数発生器を使用する。
【0013】
図1は、本明細書に開示される本発明の方法を実施するために利用され得るプラズマリアクタを示す。本発明の方法は、(例えば、
図1に示されるような)容量結合プラズマリアクタ又は他の任意の適切なプラズマリアクタ(誘導結合プラズマリアクタなど)で実行されてもよい。しかしながら、本発明者らは、本発明の方法が特に有益であり得るのは、例えば、高バイアス電力(例えば、約2000W以上)と低ソース電力(例えば、約500W以下)が使用される、容量結合プラズマリアクタであることに気づいた。それは、望ましくない充電効果が、例えば誘導結合プラズマ処理チャンバよりも、はるかに深刻になり得るからである。いくつかの実施形態では、発明者は、本発明の方法が特に有益である構成は、DCバイアス(VDC)、VRF、又はプラズマシース電圧のうちの少なくとも1つが約1000V以上になっている構成であることを発見した。
【0014】
図1のリアクタは、円筒形側壁102、床103及び天井104によって囲まれたリアクタチャンバ100を備える。天井104は、ガス分配プレート108を貫通して形成されたオリフィス109を有するガス分配プレート108の上にあるガスマニホールド106を備えるガス分配シャワーヘッドであってもよい。ガスマニホールド106は、ガス供給入口111を有するマニホールドエンクロージャ110によって囲まれている。ガス分配シャワーヘッド(すなわち、天井104)は、絶縁リング112によって円筒形側壁102から電気的に絶縁されている。ターボ分子ポンプなどの真空ポンプ114が、チャンバ100を排気する。ガスパネル120は、ガス供給入口111へ送られる種々の処理ガスの個々の流量を制御する。チャンバの床103を貫通して支持されるワークピース支持台座136は、絶縁上面と内部電極(ウェハ支持電極138)を有してもよい。内部電極を使用して、例えば、支持台座136の上面に基板137を掴んでもよい。プラズマソース電力は、インピーダンス整合ネットワーク142を介して発生器140から天井104(本明細書ではガス分配シャワーヘッドとも呼ばれる)に印加される。天井又はガス分配シャワーヘッドは、例えばアルミニウムなどの導電性材料で形成されているため、天井電極として機能する。発生器140は、100から200MHzの範囲などのVHF帯域の高域でVHF電力を生成してもよい。発生器140は、所望のパルスレート及びデューティサイクルで生成されたVHF電力をパルス化する能力を有する。この目的のために、VHFソース発生器140はパルス制御入力140aを有し、パルスレート及び/又はデューティサイクル、並びに高周波発生器140により生成される各パルスの位相を規定する1つ以上の制御信号を受け取る。
【0015】
プラズマバイアス電力が、高周波バイアス発生器144から高周波インピーダンス整合ネットワーク146を介して、及び高周波バイアス発生器148から高周波インピーダンス整合ネットワーク149を介して、ウェハ支持電極138に印加される。高周波バイアス発生器144、148は、HF帯域の低域若しくはMF又はLF帯域(例えば、13.56MHzの領域又は1~2MHzのオーダー)でHF電力又はLF電力を生成し得る。高周波バイアス発生器144、148は、所望のパルスレート及びデューティサイクルで生成された高周波バイアス電力をパルス化する能力を有する。この目的のために、高周波バイアス発生器144、148はパルス制御入力144a、148aを有し、パルスレート及び/又はデューティサイクル、並びに高周波発生器144、148によって生成される各パルスの位相を規定する1つ以上の制御信号を受け取る。高周波バイアス発生器144、148を、独立してパルス化、位相調整、及び/又はデューティサイクル制御してもよい。さらに、高周波バイアス発生器144、148を、同期的又は非同期的にパルス化してもよい。
【0016】
任意選択で、プラズマソース電力を、第2VHF発生器からVHFインピーダンス整合器(図示せず)を介してウェハ支持電極138に印加してもよい。第2VHF発生器は、50から100MHzの範囲などのVHF帯域の低域でVHF電力を生成してもよい。第2VHF発生器は、所望のパルスレートとデューティサイクルで生成されたVHF電力をパルス化する能力を有する。この目的のために、第2VHF発生器はパルス制御入力を有し、パルスレート及び/又はデューティサイクル、ならび第2VHF発生器によって生成される各パルスの位相を規定する1つ以上の制御信号を受け取る。例えば、いくつかの実施形態では、高周波バイアス発生器144、148のうちの一方及びその構成要素(例えば、整合器、パルス制御入力など)を、第2VHF発生器及びその構成要素で置き換え得る。又は、第2VHF発生器及びその構成要素を、第1高周波発生器140、バイアス発生器144、148及びそれらのそれぞれの構成要素に加えて備えてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、整合ネットワーク142、146、及び149を、1つ以上のコンデンサ及び/又はインダクタによって形成してもよい。コンデンサの値を電子的又は機械的に調整して、整合ネットワーク142、146、及び149のそれぞれの整合をとってもよい。低電力システムでは、1つ以上のコンデンサを機械的に調整するのではなく、電子的に調整してもよい。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク142、146、及び149は、調整可能なインダクタを有し得る。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク142、146、及び149で使用されるコンデンサの1つ以上は、1つ以上の固定式のコンデンサ又は直列コンデンサであってもよい。他の諸実施形態では、整合ネットワーク142、146、及び149で使用されるコンデンサの1つ以上を可変コンデンサとしてもよく、この可変コンデンサを電子的又は機械的に調整して、整合ネットワーク142、146、及び149の整合を取ってもよい。いくつかの実施形態では、整合ネットワーク142、146、及び149のうちの1つ以上は、接地への容量性短絡を有し得る。
【0018】
上記の整合ネットワークは単なる例であり、整合ネットワークを調整するための1つ以上の調整可能な要素を有する整合ネットワークの他の様々な構成を、本明細書で提供される教示に従って利用及び調整してもよい。例えば、
図6は、本開示のいくつかの実施形態によるスマート調整アルゴリズムを採用するための例示的な装置を示す。高周波発生器602は、
図1の発生器140、144、及び148のうちの1つ以上の概略図である。
図6では、高周波発生器602を、高周波ケーブル151及び1つ以上の高速リンクケーブル150を介して高周波整合ネットワーク604に接続してもよい。高周波整合器604は、高周波/VHF整合器142、146、149のうちの1つ以上の概略図である。高周波整合ネットワーク604は、1つ以上の整合センサー又はインピーダンス測定装置(例えば、VIプローブ/センサー606)と、CPU130と、可変インピーダンス整合構成要素608(例えば、可変コンデンサ/インダクタ)と、固定式構成要素Z
2 610(例えば、固定コンデンサ/インダクタ)とを備えてもよい。可変インピーダンス整合構成要素608は、1つ以上の可変コンデンサ及び/又はインダクタを備えて、所望のインピーダンス整合を提供してもよい。複数の直列ケーブルを使用して、タイミング信号(例えば、13MHzのオン/オフタイミング信号)を高周波発生器602及び高周波整合ネットワーク604に与えてもよい。このようにして、この構成では、反射電力を低減/最小化(すなわち、システムを調整)し得て、そのために、以下で説明するように、可変インピーダンス整合構成要素608を計算された平均インピーダンスに調整し、発生器によって供給される周波数/電力を変化させ得る。これにより、2つの調整自由度が得られる(すなわち、可変インピーダンス整合構成要素608及び可変周波数)。
【0019】
コントローラ160がプログラム可能であることで、発生器140、144、148のパルス制御入力140a、144a、148aのそれぞれにパルス制御信号を適用して、発生器140(例えば、VHFソース電力発生器)及び高周波バイアス電力発生器144、148のパルス間に所望の位相の進み又は遅れの関係及び/又はデューティサイクル関係を生成し得る。コントローラ160は、ツール/処理チャンバの他の態様も制御し得る。
図1では別個の構成要素として示されているが、いくつかの実施形態では、コントローラ160は、各高周波発生器の内部に配置され得る。同期信号は、マスター発生器(例えば、発生器140)で生成され、他のスレーブ発生器(例えば発生器144及び/又は148)に送信される。
【0020】
いくつかの実施形態では、高周波発生器140、144、及び148、整合ネットワーク142、146、及び149、並びに/又はコントローラ160は、中央処理装置(CPU)130、複数のサポート回路134、及びメモリ132を備える。高周波発生器140、144、及び148、整合ネットワーク142、146、及び149並びにコントローラ160の本例示的実施形態は、CPU、サポート回路、及びメモリを有するコンピューターに関して説明されているが、当業者であれば、高周波発生器140、144、及び148、整合ネットワーク142、146、及び149、並びにコントローラ160を様々な方法で実装できることを認識するであろう。その様々な方法には、特定用途向けインターフェイス回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SOC)などが含まれる。また、コントローラ160の様々な実施形態を、当技術分野で知られているような対応する入力/出力インターフェイスを有する他の処理ツールコントローラ内に統合してもよい。
【0021】
サポート回路134は、ディスプレイ装置及び他の回路を備えて、CPU130の機能をサポートしてもよい。その種の回路には、クロック回路、キャッシュ、電源、ネットワークカード、ビデオ回路などが含まれ得る。
【0022】
メモリ132は、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、リムーバブルメモリ、ディスクドライブ、光学ドライブ、及び/又は他の形態のデジタルストレージを含んでもよい。メモリ132は、オペレーティングシステム及びサブファブ制御モジュールを格納するように構成される。オペレーティングシステムを実行して、高周波発生器140、144、及び148、整合ネットワーク142、146、及び149、並びにコントローラ160の一般的な動作を制御する。オペレーティングシステムは、さまざまな処理、アプリケーション、及びモジュールの実行を容易にして、本明細書で説明する方法(例えば、以下で説明する方法900)を実行するために、1つ以上の発生器140、144、及び148又は整合ネットワーク142、146、及び149を制御することも含む。
【0023】
さらに、DC発生器162を、ウェハ支持電極138及び天井104のいずれか(又は両方)に接続してもよい。いくつかの実施形態では、DC発生器162は、連続DC及び/又は可変DCを供給し得る。いくつかの実施形態では、DC発生器162は、パルスDC電力を供給してもよい。DC発生器のパルス繰り返しレート、位相、及びデューティサイクルは、コントローラ160によって制御される。DC絶縁コンデンサ164、166を設けて、DC発生器162から各高周波発生器を絶縁してもよい。DC発生器によって生成されたDC信号を、発生器140、144、及び148によって生成された高周波信号と同期させて、基板137のチャージアップの低減又はプラズマリアクタで形成されたプラズマを使用した基板のエッチングの速度制御の改善などの利点を提供してもよい。
【0024】
図2Aは、発生器140、144、148の各々のパルス高周波出力を反映し得る時間領域波形図を示している。ここには、各発生器140、144、148に対して独立にコントローラ160によって制御される以下のパラメータによって特徴付けられた、パルス高周波出力のパルス包絡線が示されている。そのパラメータとは、パルス持続時間t
P、パルス「オン」時間t
ON、パルス「オフ」時間t
OFF、パルス周波数1/t
P、及びパルスデューティサイクル(t
ON/t
P)×100パーセントである。ここで、パルス持続時間t
Pは、t
ONとt
OFFの合計である。
【0025】
図2B及び2Cは、2つの高周波パルス信号の同時時間領域波形を示している。この2つの高周波パルス信号は、位相とデューティサイクルが同一で、それゆえにそれらの位相差がゼロになるような方法で、共に同期されている。
図2B及び2Cに示される例示的な実施形態は、第1パルス高周波信号(例えば、パルスソース信号)と第2パルス高周波信号(例えば、パルスバイアス信号)との間の同期の1つの典型的な形である。この例示的な実施形態では、各パルス信号の位相とデューティサイクルは同じである。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態では、発生器140、144、及び148によって供給されるパルス信号は、位相が変化する。
図3Aから3Dは、コントローラ160により位相差がどのように変化するかを示しており、それぞれ0°、90°、180°、270°の位相差でのソースとバイアスの電力波形を重ね合わせて示している。ここで、位相差は、第2パルス出力の第1パルス出力に対する遅れとして定義されている。
図3Aは、
図2Bの位相差ゼロの実施例に対応している。
図3Bは、バイアス電力パルス出力がソース電力パルス出力より90°遅れている場合を示している。
図3Cは、バイアス電力パルス出力がソース電力パルス出力より180°遅れている場合を示している。
図3Dは、バイアス電力パルス出力がソース電力パルス出力より270°遅れている場合を示している。
図3A~3Dは、位相が変化する2つのパルス高周波信号のみを示しているが、本開示と合致する諸実施形態では、位相が変化する3つ以上のパルス高周波信号も含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、高周波包絡線の位相の進み又は遅れを制御することにより、プラズマをパルス化しながらエッチング速度を高めてもよい。ソースとバイアスが独立して位相がずれてパルス化されている場合、又は多様なデューティサイクルでパルス化されている場合、非常に高い周波数(VHF)と低い周波数(LF)の異なるプラズマダイナミクスにより、パルス全体にわたってより良好なプラズマ充填が可能になる。いくつかの実施形態では、約162MHzのソース周波数のVHFの組み合わせが、約13.56MHzのバイアス周波数及び約2MHzの別のバイアス周波数と共に使用される。いくつかの実施形態では、約162MHzのソース周波数のVHFの組み合わせが、約60MHzのバイアス周波数及び約2MHzの別のバイアス周波数と共に使用される。いくつかの実施形態では、約60MHzのソース周波数が、約2MHz及び/又は約13.56MHzのバイアス周波数と共に使用される。
【0028】
図4は、基板を処理する基板処理レシピに関連するパルス高周波電力を示している。
図4に示す実施例では、この基板処理レシピでは、基板を処理するために3つの別個のパルス高周波波形を供給する必要がある。
図4は、本開示のいくつかの実施形態に基づいて連続的に供給され得るか、又は複数の電力レベルでパルス化され得る、複数の別個の高周波電力信号を示している。
図4は、多周波数の高周波ミキシングにマルチレベルパルス(MLP)を使用するマルチストロークサイクルパルス(MSCP)を示している。具体的には、
図4は、4ストロークサイクルパルスを示している。このパルスには、図示されている別個の高周波電力波形によって4つの異なる合計周波数が供給されている。いくつかの実施形態では、シングルレベルパルス(SLP)(すなわち、オン/オフパルス波形)と連続波形(CW)を使用してもよい。
図4では、3つの別個の高周波電力波形、すなわち第1高周波電力波形402、第2高周波電力波形404、及び第3高周波電力波形406が示されている。3つの別個の高周波電力波形402、404、及び406の各々を、独立して複数の電力レベルで、互いに位相がずれた状態で供給してもよく、又は、本開示の諸実施形態と合致する多様なデューティサイクルで供給してもよい。高周波電力波形402、404、及び406を、ソース及びバイアスの高周波発生器140、144、及び148のうちの1つ以上によって供給してもよい。2つ以上のパルス高周波電力波形がある諸実施形態では、別個のパルス高周波電力波形を、互いに同期してパルス化してもよい。いくつかの実施形態では、別個の高周波電力波形を、同期させずにパルス化してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1高周波電力波形402の周波数は、約2MHzから約162MHzであってもよい。いくつかの実施形態では、第1DLP高周波電力波形の電力レベルは、約200ワットから約5.0KW(例えば、3.6KW)であってもよい。第1高周波電力波形がパルス化されている場合、第2電力レベルの値は、第1電力レベルの約0~100%であってもよい。他の諸実施形態では、第2電力レベルは、第1電力レベルよりも大きくてもよい。
【0030】
図4では、第1高周波電力波形402は、時刻t
0に導入されて、第1電力レベルの第1電力パルス410と、第2電力レベルの第2電力パルス412とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1高周波波形402を、約2MHzから約162MHzの周波数で供給してもよい。他の諸実施形態では、上記のような他の周波数を使用してもよい。
【0031】
第2高周波電力波形404を、時刻t
0に、又は遅延時間408の後に導入してもよい。第2高周波電力波形404は、第1電力レベルの第1電力パルス420と、第2電力レベルの第2電力パルス422とを含んでもよい。
図4に示すように、第1高周波電力パルス420は、第2高周波電力パルス422に先行してもよい。必要に応じて、追加の高周波電力パルスを、その順序又は異なる順序で供給してもよい。
図4に示すように、第1高周波電力パルス420を、高電力レベルで供給してもよい。第2高周波電力パルス422を、ゼロ電力レベル、又は第1高周波電力パルス420の第1電力レベルより低い低電力レベルで供給してもよい。適宜、追加の工程(すなわち、追加の高周波電力パルス)と電力レベルを使用してもよい。いくつかの実施形態では、各高周波電力パルス420及び422が印加される各時間の長さは、互いに異なっていてもよい。他の諸実施形態では、各高周波電力パルス420及び422が印加される各時間の長さは、互いに同等であってもよい。いくつかの実施形態では、第2高周波波形404を、約2MHzから約162MHzの周波数で供給してもよい。他の諸実施形態では、上記のような他の周波数を使用してもよい。
【0032】
第3高周波電力波形406もまた、時間t0(図示のように)に、又は遅延時間408の後に導入してもよい。第3高周波電力波形406は、第1高周波電力波形402及び/又は第2高周波電力波形404に関して上述したものと同様の構成を含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、別個の高周波電力波形のデューティサイクルは同期している。いくつかの実施形態では、別個の同期されたTTLタイミング信号をも適用して、この同期タイミング信号がインピーダンスに影響を及ぼしてもよい。いくつかの実施形態では、同期タイミング信号は、13MHzのオン/オフタイミング信号であってもよい。いくつかの実施形態では、同期タイミング信号はDC信号であってもよい。
【0034】
図4では、インピーダンス及び反射電力レベルを変化させて、異なる周波数432及び進行波電力ごとに1つずつ、4つの別個の間隔/ストローク430が示される。
図4に示す実施例では、どの間隔/時間も同様の周波数を有していない。ただし、
図4では供給された総進行波電力が変化する新しい間隔ごとに、システムが調整して、供給された総進行波電力に基づいて新しい反射電力を補正する。場合によっては、供給される総進行波電力の変化が大きい場合、調整も大きくなる場合がある。反射電力をさらに最小化するために、本発明者らは方法及び装置を開発した。この方法及び装置は、複数のインピーダンスレベルをより速く調整して、
図5A及び5Bに示し、以下で説明する方法を用いて、平均反射電力を最小化している。
【0035】
図5Aは、
図4に示す基板を処理するための基板処理レシピに関連するパルス高周波電力を示している。ただし、
図5Aでは、デューティサイクルは均等な時間間隔530に分割されている。
図5Aに示す実施例では、デューティサイクルは10個の均等な時間に分割されている。
図5Bは方法500のフローチャートを示しており、この方法では、複数のインピーダンスレベルをより速く調整して、
図5Aに示すように、デューティサイクルを均等な時間間隔に分割することによって、平均反射電力を最小化している。
図5Bのフローチャートを、
図1、5A、及び6に関連して以下に説明する。本開示と合致する諸実施形態では、この方法は、1つ以上の高周波整合器604、1つ以上の高周波発生器602、又はコントローラ160によって実行され得る。
【0036】
方法500は工程502から始まり、ここでは、基板を処理するための処理レシピを受け取る。処理レシピは、第1デューティサイクルの間の複数の高周波発生器602からの複数のパルス高周波電力波形(すなわち、402、404、及び406)を含む。工程504で、処理レシピを分析して、第1デューティサイクルを複数の均等な時間間隔に分割する。例えば、
図5Aに示すように、第1デューティサイクルを、10個の均等なストローク又は時間間隔に分割してもよい。工程506で、第1デューティサイクルにおけるすべての時間間隔にわたる平均インピーダンス値を計算して、高周波整合器604の可変構成要素608(例えば、可変コンデンサ/インダクタ)を、その平均値に調整してもよい。いくつかの実施形態では、高周波/VHF整合器142、146、及び149内の各可変構成要素608を、計算された同じ平均インピーダンス値に調整する。
図5A及び5Bは、単一のデューティサイクルの間に発生する処理を示しており、この処理を必要に応じて繰り返して、基板を処理してもよい。本開示と合致するいくつかの実施形態では、処理レシピには、すべてのデューティサイクルの高周波パルス電力波形が含まれてもよく、これらの電力波形は、各間隔での周波数と電力の点から見て、互いに常に同一でなくてもよい。したがって、各個別のデューティサイクルを別個に分析して、複数の均等な時間間隔に分割してもよい。
【0037】
工程508では、発生器602(例えば、発生器140、144、又は148)のうちの1つ以上のための周波数指令セットを決定する。周波数指令セットには、第1デューティサイクルにおいて均等に分割された時間間隔(すなわち、ストローク)毎の周波数及び/又は電力の設定点が含まれる。発生器140、144、又は148の各々について決定された周波数指令セットは、その周波数指令セットに関連する対応の発生器140、144、又は148に送信される。いくつかの実施形態では、周波数指令セットを、高速二次通信ケーブル150、154、158を介してそれぞれの発生器に送信してもよい。他の諸実施形態では、周波数指令セットを、コントローラ160を介してそれぞれの発生器に送信してもよい。
【0038】
工程510で、複数の高周波発生器からの複数のパルス高周波電力波形(例えば、402、404、及び406)を処理チャンバへ、第1デューティサイクルの間に各発生器に送信された周波数指令セットに従って/基づいて供給する。すなわち、均等に分割された複数の時間間隔/ストロークのそれぞれの開始時に、工程508で決定された周波数設定点で高周波パルス電力を供給する。場合によっては、前の時間間隔のための前の設定点が、次の時間間隔での設定点と等しい場合、以下で説明するように、測定値に基づいて反射電力を低減するために周波数を調整した場合を除いて、調整の必要はない。いくつかの実施形態では、複数の波形のうちの第1パルス高周波電力波形402は、発生器140によって供給される高周波ソース信号であり、複数の波形のうちの第2パルス高周波電力波形404は、発生器144によって供給される高周波バイアス信号であり、複数の波形のうちの第3パルス高周波電力波形406は、発生器148によって供給される第2高周波バイアス信号である。
【0039】
工程512で、インピーダンス/反射電力を、各整合ネットワーク604で整合センサー606によって測定する。工程514で、高周波発生器のうちの1つ以上によって供給される周波数及び/又は電力を調整して、工程512で測定したインピーダンスに基づいて、反射電力をさらに低減してもよい。これらの周波数微調整を、高速二次通信ケーブル150、154、158を介して送信し得る。この方法を繰り返して、工程510に戻り、各々の新しい間隔の開始時に高周波パルス電力を供給し、工程512で反射/電力インピーダンスを測定し、工程514で供給される周波数/電力を調整して、ようやく基板の処理が完了すれば、その時点で方法は工程516で終了する。
【0040】
方法500を、プラズマリアクタの1つ以上のプロセッサ(例えば、1つ以上の高周波/VHF整合器のプロセッサ、1つ以上の高周波発生器のプロセッサ、パルスコントローラのプロセッサなど)によって実行する。プロセッサの例には、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)などがある。
【0041】
上記の諸実施形態を念頭に置くと、諸実施形態では、コンピューターシステムに格納されたデータを含み、コンピューターで実行する様々な動作を使用し得ることを理解すべきである。これらの動作は、物理量の物理的な動作を必要とするものである。実施形態の一部を形成する、本明細書に記載の動作のいずれも有用な機械動作である。実施形態は、これらの動作を実行するためのデバイス又は装置にも関する。装置を、特殊用途のコンピューター用に特別に構築してもよい。特殊用途のコンピューターとして定められた場合には、コンピューターは、その特殊用途のために動作できる一方で、その特殊用途の一部ではない他の処理、プログラム実行、又はルーチンをも実行し得る。又は、コンピューターのメモリ、キャッシュに格納された、又はネットワーク経由で取得された1つ以上のコンピュータープログラムによって選択的にアクティブ化又は構成された汎用コンピューターによって、動作を処理してもよい。ネットワーク経由でデータが取得される場合には、そのデータを、ネットワーク上の他のコンピューター、例えばコンピューティングリソースのクラウドで処理してもよい。
【0042】
1つ以上の実施形態を、非一時的なコンピューター可読媒体上のコンピューター可読コードとして製作し得る。コンピューター可読媒体は、データを格納できる任意のデータストレージであり、後から、コンピューターシステムで読み取ることができる。コンピューター可読媒体の例には、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、CD書き込み可能媒体(CD-R)、CD書き換え可能媒体(CD-RW)、磁気テープ、その他の光学式及び非光学式のデータ記憶装置がある。コンピューター可読媒体が、ネットワーク接続されたコンピューターシステム上に分散されたコンピューター可読有形媒体を含み得ることで、コンピューター可読コードは分散様式で保存及び実行される。
【0043】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他のさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく創出され得る。