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特許7025474半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-15
(45)【発行日】2022-02-24
(54)【発明の名称】半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20220216BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20220216BHJP
【FI】
G03F7/004 531
G03F7/20 521
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020080534
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2020184074
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-04-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0050856
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0160169
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 宰 賢
(72)【発明者】
【氏名】文 京 守
(72)【発明者】
【氏名】蔡 承 龍
(72)【発明者】
【氏名】南宮 爛
(72)【発明者】
【氏名】韓 承
【審査官】高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-500490(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179704(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/169440(WO,A1)
【文献】特開2018-041099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004-7/18
G03F 7/20
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される有機金属化合物、下記化学式2で表される有機金属化合物および溶媒を含み、
下記化学式1で表される有機金属化合物と下記化学式2で表される有機金属化合物とが20:1~1:1の重量比で含まれる、半導体フォトレジスト用組成物:
【化1】

上記化学式1中、
Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであり、
X、Y、Zは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rであり、
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである;
【化2】

上記化学式2中、
X’は、-ORまたは-OC(=O)Rであり、
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項2】
Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~8の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項3】
Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、またはこれらの組み合わせであり、
およびRは、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、またはこれらの組み合わせである、請求項1または2に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項4】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式3で表される化合物、化学式4で表される化合物、化学式5で表される化合物、化学式6で表される化合物、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体フォトレジスト用組成物:
【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

上記化学式3、化学式4、化学式5、および化学式6中、
Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであり、
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項5】
半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準にして、前記化学式1で表される有機金属化合物0.01~30重量%と前記化学式2で表される有機金属化合物0.01~15重量%を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項6】
前記組成物は、界面活性剤、架橋剤、レべリング剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項7】
基板の上にエッチング対象膜を形成する段階と、
前記エッチング対象膜の上に請求項1~のいずれか1項に記載の半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階と、
前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記エッチング対象膜をエッチングする段階とを含むパターン形成方法。
【請求項8】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、5nm~150nm波長の光を使用する、請求項に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記基板と前記フォトレジスト膜の間に形成されるレジスト下層膜を提供する段階をさらに含む、請求項またはに記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記フォトレジストパターンは、5nm~100nmの幅を有する、請求項のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体フォトレジスト用組成物およびこれを用いたパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代の半導体デバイスを製造するための要素技術の一つとして、EUV(極端紫外線光)リソグラフィが注目されている。EUVリソグラフィは、露光光源として波長13.5nmのEUV光を用いるパターン形成技術である。EUVリソグラフィによれば、半導体デバイス製造プロセスの露光工程で、極めて微細なパターン(例えば、20nm以下)を形成することができることが実証されている。
【0003】
極端紫外線(extreme ultraviolet、EUV)リソグラフィの実現は、16nm以下の空間解像度(spatial resolutions)で遂行できる互換可能なフォトレジストの現像(development)を必要とする。現在、伝統的な化学増幅型(CA:chemically amplified)フォトレジストは、次世代デバイスのための解像度(resolution)、光速度(photospeed)、およびフィーチャー粗さ(feature roughness)、ラインエッジ粗さ(line edge roughnessまたはLER)に対する仕様(specifications)を充足させるために努力している。
【0004】
これら高分子型フォトレジストで起こる酸触媒反応(acid catalyzed reactions)に起因した固有の画像ぼやけ(intrinsic image blur)は小さいフィーチャー(feature)大きさで解像度を制限し、これは電子ビーム(e-beam)リソグラフィで長い間知らされてきた事実である。化学増幅型(CA)フォトレジストは高い敏感度(sensitivity)のために設計されたが、これらの典型的な元素構成(elemental makeup)が13.5nmの波長でフォトレジストの吸光度を低め、その結果、敏感度を減少させるため、部分的にはEUV露光下でさらに困難になることがある。
【0005】
CAフォトレジストはまた、小さいフィーチャー大きさで粗さ(roughness)イシューによって困難になることがあり、部分的に酸触媒工程の本質に起因して、光速度(photospeed)が減少することによってラインエッジ粗さ(LER)が増加することが実験で確認された。CAフォトレジストの欠点および問題に起因して、半導体産業では新たな類型の高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0006】
タングステン、およびニオビウム(niobium)、チタニウム(titanium)、および/またはタンタル(tantalum)と混合されたタングステンのペルオキソポリ酸(peroxopolyacids)に基づいた無機フォトレジストは、パターニングのための放射敏感性材料(radiation sensitive materials)用として報告されてきた(US5061599、;H.Okamoto、T.Iwayanagi、K.Mochiji、H.Umezaki、T.Kudo、Applied Physics Letters、49(5)、298-300、1986)。
【0007】
これら材料は遠紫外線(deep UV)、x線、および電子ビームソースであって二重層構成(bilayer configuration)に大きなフィーチャーをパターニングすることにおいて効果的であった。さらに最近は、プロジェクションEUV露光によって15nmハーフピッチ(HP)をイメージング(image)するためにペルオキソ錯化剤(peroxo complexing agent)と共に陽イオンハフニウムメタルオキシドスルフェート(cationic hafnium metal oxide sulfate、HfSOx)材料を使用する場合、印象的な性能を示した(US2011-0045406、;J.K.Stowers、A.Telecky、M.Kocsis、B.L.Clark、D.A.Keszler、A.Grenville、C.N.Anderson、P.P.Naulleau、Proc.SPIE、7969、796915、2011)。このシステムは、非-CAフォトレジスト(non-CA photoresist)の最上の性能を示し、実行可能なEUVフォトレジストのための要件に接近する光速度を有する。しかし、ペルオキソ錯化剤を有するハフニウムメタルオキシドスルフェート材料(hafnium metal oxide sulfate materials)はいくつかの現実的な欠点を有する。第一に、この材料は高い腐食性の硫酸(corrosive sulfuric acid)/過酸化水素(hydrogen peroxide)混合物でコーティングされ、保存期間(shelf-life)安定性(stability)が良くない。第二に、複合混合物として性能改善のための構造変更が容易でない。第三に、25wt%程度の極めて高濃度のTMAH(tetramethylammonium hydroxide)溶液などで現像されなければならない。
【0008】
前記説明した化学増幅型(CA:chemically amplified)感光性組成物の短所を克服するために無機系感光性組成物が研究されてきた。無機系感光性組成物の場合、主に非化学増幅型機序による化学的変性で現像剤組成物による除去に耐性を有するネガティブトーンパターニングが使用される。無機系組成物の場合、炭化水素に比べて高いEUV吸収率を有する無機系元素を含有していて、非化学増幅型機序でも敏感性が確保でき、ストカスティック効果にもあまり敏感でなくてラインエッジ粗さおよび欠陥個数も少ないと知られている。
【0009】
最近、錫を含む分子が極端紫外線吸収が卓越しているということが知られるにつれて活発な研究が行われている。そのうちの一つである有機錫高分子の場合、光吸収またはこれによって生成された二次電子によってアルキルリガンドが解離されながら、周辺鎖とのオキソ結合を通じた架橋を通じて有機系現像液で除去されないネガティブトーンパターニングが可能である。このような有機錫高分子は解像度、ラインエッジ粗さを維持しながらも飛躍的に感度が向上するのを示したが、商用化のためには前記パターニング特性の追加的な向上が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国公開特許10-2014-0121826号公報
【文献】韓国公開特許10-2017-0022945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一実施形態は、感度、解像度、およびパターン形成性に優れた半導体フォトレジスト用組成物を提供する。
【0012】
他の実施形態は、エッチング耐性に優れた半導体フォトレジスト用組成物を提供する。
【0013】
さらに他の実施形態は、前記半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、下記化学式1で表される有機金属化合物、下記化学式2で表される有機金属化合物および溶媒を含む。
【0015】
【化1】
【0016】
上記化学式1中、
Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、エチレンオキシド基、またはプロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであり、
X、Y、Zは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rであり、
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0017】
【化2】
【0018】
上記化学式2中、
X’は、-ORまたは-OC(=O)Rであり、
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0019】
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~8の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであってもよく、
およびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであってもよく、
およびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0020】
前記Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであってもよく、
およびRは、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、またはこれらの組み合わせであってもよく、
およびRは、それぞれ独立して、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0021】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式3で表される化合物、化学式4で表される化合物、化学式5で表される化合物、化学式6で表される化合物、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】
【化6】
【0026】
上記化学式3~化学式6中、
Rは、前記化学式1で定義したとおりであり、
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、前記化学式1のRについて定義したとおりであり、
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、前記化学式1のRについて定義したとおりである。
【0027】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、前記化学式1で表される有機金属化合物と前記化学式2で表される有機金属化合物を20:1~1:1の重量比で含むことができる。
【0028】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準にして、前記化学式1で表される有機金属化合物0.01~30重量%と、前記化学式2で表される有機金属化合物0.01~15重量%を含むことができる。
【0029】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、界面活性剤、架橋剤、レべリング剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含むことができる。
【0030】
他の実施形態によるパターン形成方法は、基板の上にエッチング対象膜を形成する段階と、前記エッチング対象膜の上に前述の半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階と、前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階と、前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記エッチング対象膜をエッチングする段階とを含む。
【0031】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、5nm~150nm波長の光を使用することができる。
【0032】
前記パターン形成方法は、前記基板と前記フォトレジスト膜の間に形成されるレジスト下層膜を提供する段階をさらに含むことができる。
【0033】
前記フォトレジストパターンは、5nm~100nmの幅を有することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、感度、解像度、およびパターン形成性に優れた半導体フォトレジスト用組成物が提供される。
【0035】
一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、感度および解像度が向上し、パターン形成性に優れているので、これを用いることにより高い縦横比(aspect ratio)を有してもパターンが崩れないフォトレジストパターンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図2】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図3】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図4】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図5】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。但し、本発明を説明することにおいて、すでに公知された機能あるいは構成に関する説明は、本発明の要旨を明瞭にするために省略する。
【0038】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一な参照符号を付けるようにする。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したものであるので、本発明が必ずしも図示されたものに限定されるのではない。
【0039】
図面で様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面で説明の便宜のために一部の層および領域の厚さを誇張されるように示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分“の上に”または“上に”あるという時、これは他の部分の“真上に”ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0040】
本発明で、“置換”とは、水素原子が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、-NRR’(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~30の飽和または不飽和脂環族炭化水素基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基である)、-SiRR’R”(ここで、R、R’、およびR”は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~30の飽和または不飽和脂環族炭化水素基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基である)、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、またはこれらの組み合わせで置換されたことを意味する。“非置換”とは、水素原子が他の置換基で置換されずに水素原子として残っていることを意味する。
【0041】
本明細書で“アルキル(alkyl)基”とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、いかなる二重結合や三重結合を含んでいない“飽和アルキル(saturated alkyl)基”であってもよい。
【0042】
前記アルキル基は、炭素数1~8のアルキル基であってもよい。例えば、前記アルキル基は、炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基、または炭素数1~4のアルキル基であってもよい。例えば、炭素数1~4のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、またはtert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基であってもよい。
【0043】
本発明で“シクロアルキル(cycloalkyl)基”とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族飽和炭化水素基を意味する。
【0044】
シクロアルキル基は、炭素数3~8のシクロアルキル基、例えば、炭素数3~7のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数3~5のシクロアルキル基、炭素数3~4のシクロアルキル基であってもよい。例えば、シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であってもよく、これらに制限されない。
【0045】
本明細書で、“脂肪族不飽和有機基”とは、分子中の炭素と炭素原子の間の結合が二重結合、三重結合、またはこれらの組み合わせの結合を含む炭化水素基を意味する。
【0046】
前記脂肪族不飽和有機基は、炭素数2~8の脂肪族不飽和有機基であってもよい。例えば、前記脂肪族不飽和有機基は、炭素数2~7の脂肪族不飽和有機基、炭素数2~6の脂肪族不飽和有機基、炭素数2~5の脂肪族不飽和有機基、炭素数2~4の脂肪族不飽和有機基であってもよい。例えば、炭素数2~4の脂肪族不飽和有機基は、ビニル基、エチニル基、アリル基、1-プロペニル基、1-メチル-1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-プロピニル基、1-メチル-1プロピニル基、2-プロピニル基、2-メチル-2-プロピニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基であってもよい。
【0047】
本明細書で、“アリール(aryl)基”は、環状の置換基の全ての元素がp-オビタルを有しており、これらp-オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(即ち、炭素原子の隣接した対を分け持つ環)官能基を含む。
【0048】
本明細書で、“アルケニル(alkenyl)基”とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の二重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0049】
本明細書で、“アルキニル(alkynyl)基”とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の三重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0050】
以下、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を説明する。
【0051】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は有機金属化合物および溶媒を含み、前記有機金属化合物は下記化学式1および化学式2で表される化合物からなる。
【0052】
【化7】
【0053】
上記化学式1中、
Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであり、
X、Y、Zは、それぞれ独立して、-ORまたは-OC(=O)Rであり、
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0054】
【化8】
【0055】
上記化学式2中、
X’は、-ORまたは-OC(=O)Rであり、
前記Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0056】
前記化学式1および化学式2で表される有機金属化合物を含む有機錫共重合体は、錫原子に1個のR基と3個の-ORまたは-OC(=O)Rが置換された化学式1で表される有機金属化合物と、錫原子に4個の-ORまたは-OC(=O)Rが置換された化学式2で表される有機金属化合物を共重合して製造することができる。
【0057】
前記化学式1および化学式2で表される化合物は有機錫化合物であって、錫は13.5nmで極端紫外線光を強く吸収して高エネルギーを有する光に対する感度が優れ、前記化学式1のRは化学式1で表される化合物に感光性を付与することができ、Rが錫に結合されてSn-R結合を形成することによって有機錫化合物に有機溶媒に対する溶解性を付与することができる。また、-ORまたは-OC(=O)Rである化学式1のX、Y、およびZ、前記化学式2のX’は、前記二つの化合物の溶媒に対する溶解度を決定することができる。
【0058】
前記化学式1のRに関連して、前記化合物が共重合して形成された前記化学式1および化学式2で表される構造単位を有する有機錫共重合体は極端紫外線露光時Sn-R結合からR官能基が解離されながらラジカルを生成し、このように生成されたラジカルは追加の-Sn-O-Sn-結合を形成して有機錫共重合体間縮重合反応を開始することによって、一実施形態による組成物から半導体フォトレジストが形成されるようにする。
【0059】
化学式1で表される有機金属化合物において、Rで表される置換基は、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~20の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0060】
前記化学式1で表される化合物は、置換基R以外に、それぞれ加水分解されてSn-O結合を形成する三個の有機リガンドX、Y、およびZをさらに含んでいる。また、前記化学式2で表される化合物は、加水分解されて錫元素とSn-O結合を形成する4個のX’置換基を含んでいる。前記X、Y、ZおよびX’はそれぞれ独立して-ORまたは-OC(=O)Rであってもよく、これら有機リガンドは酸性または塩基性触媒下で熱処理するか、または熱処理しないことによって加水分解されて、有機錫化合物間Sn-O-Sn結合を形成し、これによって前記化学式1で表される有機金属化合物および前記化学式2で表される有機金属化合物を含む有機錫共重合体を形成するようになる。
【0061】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、前記化学式1で表される有機金属化合物と前記化学式2で表される有機金属化合物を同時に含むことによって、化学式1で表される有機金属化合物または化学式2で表される有機金属化合物を単独で含む半導体フォトレジスト用組成物に比べて、優れた感度を有するフォトレジスト用組成物を提供することができる。
【0062】
前記共重合体内化学式1で表される有機金属化合物と化学式2で表される有機金属化合物の比率を適切に調節することによって、前記共重合体からRで表わしたリガンドが解離される程度を調節することができ、これにより、前記リガンドが解離されながら発生するラジカルによって周辺鎖とのオキソ結合を通じた架橋結合程度を調節し、結果的に感度が優れながらもラインエッジ粗さが少なく優れた解像度を有する半導体フォトレジストを提供することができる。即ち、前記化学式1で表される有機金属化合物および前記化学式2で表される有機金属化合物を全て含むことによって、優れた感度、ラインエッジ粗さ、および解像度を有する半導体フォトレジストを提供することができる。
【0063】
前記Rは、例えば、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、一つ以上の二重結合または三重結合を含む置換もしくは非置換の炭素数2~8の脂肪族不飽和有機基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、エチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、またはこれらの組み合わせであってもよい。これらのうち、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基であるのが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基が好ましい。Rは、より好ましくは、炭素数3~6のアルキル基であり、例えば、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基がより好ましい。
【0064】
前記RおよびRは、例えば、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。これらのうち、RおよびRは、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基であるのが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基が好ましい。RおよびRは、より好ましくは、炭素数1~5のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1~4のアルキル基である。
【0065】
前記RおよびRは、例えば、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~8のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせであってもよく、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、またはこれらの組み合わせであってもよい。これらのうち、RおよびRは、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基であるのが好ましく、より好ましくは、水素、炭素数1~5のアルキル基、または炭素数2~5のアルケニル基であり、さらに好ましくは、水素、炭素数1~3のアルキル基、または炭素数2~3のアルケニル基である。
【0066】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式3で表される化合物、化学式4で表される化合物、化学式5で表される化合物、化学式6で表される化合物、またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
上記化学式3~化学式6中、
Rは、前記化学式1で定義した通りであり、
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、前記化学式1のRについて定義した通りであり、
、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、前記化学式1のRについて定義した通りである。
【0072】
化学式3~化学式6において、Rは、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基であるのが好ましく、より好ましくは、炭素数3~6のアルキル基である。
【0073】
化学式3~化学式6において、R、R、R、R、R、およびRは、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基であるのが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基が好ましい。より好ましくは、炭素数1~5のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1~4のアルキル基である。
【0074】
化学式3~化学式6において、R、R、R、R、R、およびRは、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~8のアルキル基、または置換もしくは非置換の炭素数2~8のアルケニル基であるのが好ましく、より好ましくは、水素、炭素数1~5のアルキル基、または炭素数2~5のアルケニル基であり、さらに好ましくは、水素、炭素数1~3のアルキル基、または炭素数2~3のアルケニル基である。
【0075】
具体的に、一実施形態による化学式1で表される有機金属化合物は、下記化学式13~化学式19で表される化合物のうちの少なくとも一つであり得る。
【0076】
【化13】
【0077】
具体的に、一実施形態による化学式2で表される有機金属化合物は、下記化学式20および化学式21で表される化合物のうちの少なくとも一つであり得る。
【0078】
【化14】
【0079】
上記化学式1~6で表される有機金属化合物、および化学式13~21で表される有機金属化合物は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。合成方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができる。
【0080】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、前記化学式1、または前記化学式3~化学式6で示したように、錫原子にそれぞれ3個の酸素原子と連結された置換基を有する化合物と、前記化学式2で示したように、錫原子に酸素原子と連結された4個の置換基を有する化合物を同時に含み、これら化合物の共重合による有機金属共重合体を含むフォトレジストパターンを提供し、このようなフォトレジストは相対的にエッチング耐性、感度、および解像度が向上し、パターン形成性に優れて、高い縦横比(aspect ratio)を有してもパターンが崩れない。
【0081】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物により、上記効果を奏する理由は必ずしも明確ではないが、以下のように考えられる。化学式1で示される有機金属化合物および化学式2で示される有機金属化合物は有機錫化合物であって、錫は波長13.5nmの極端紫外線を強く吸収することができるので、高エネルギーを有する光に対する感度が優れる。これにより、本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、感度、および解像度が向上し、パターン形成性に優れるものと推測される。ただし、かかるメカニズムは推測に過ぎず、本発明の技術的範囲を制限しないことは言うまでもない。
【0082】
前記化学式1で表される有機金属化合物と前記化学式2で表される有機金属化合物は20:1~1:1の重量比で半導体フォトレジスト用組成物に含まれてもよく、例えば、18:1~1:1、例えば、15:1~1:1、例えば、12:1~1:1、例えば、10:1~1:1、例えば、8:1~1:1、例えば、5:1~1:1、例えば、3:1~1:1、例えば、2:1~1:1で含まれてもよく、これらに制限されない。前記化学式1で表される有機金属化合物と前記化学式2で表される有機金属化合物の重量比が前記範囲を満足する場合、優れた感度を有する半導体フォトレジスト用組成物を提供することができる。
【0083】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準にして、前記化学式1で表される有機金属化合物0.01~30重量%と、前記化学式2で表される有機金属化合物0.01~15重量%を含むことができ、例えば、前記化学式1で表される有機金属化合物0.1~20重量%と、前記化学式2で表される有機金属化合物0.1~10重量%を含むことができ、例えば、前記化学式1で表される有機金属化合物0.1~10重量%と、前記化学式2で表される有機金属化合物0.1~5重量%を含むことができ、これらに制限されない。
【0084】
一実施形態による半導体フォトレジスト組成物が前記化学式1で表される有機金属化合物と前記化学式2で表される有機金属化合物を前記含量範囲で含むことによって前記組成物からフォトレジスト形成時コーティングなどの工程を容易に行うことができ、フォトレジストの感度を改善することができる。
【0085】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト組成物は、化学式1で表される有機金属化合物と、化学式2で表される有機金属化合物と、溶媒と、を含むことが好ましい。
【0086】
一実施形態による半導体レジスト組成物に含まれる溶媒は有機溶媒であってもよく、一例として、芳香族化合物類(例えば、キシレン、トルエン)、アルコール類(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール)、エーテル類(例えば、アニソール、テトラヒドロフラン)、エステル類(n-ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン)、これらの混合物などを含むことができるが、これに限定されるのではない。
【0087】
一実施形態で、前記半導体レジスト組成物は、前記有機金属化合物と溶媒以外に、追加的に樹脂をさらに含むことができる。
【0088】
前記樹脂としては、下記グループ1に羅列された芳香族部分を少なくとも一つ以上含むフェノール系樹脂であってもよい。
【0089】
【化15】
【0090】
前記樹脂は、重量平均分子量が500~20,000であってもよい。
【0091】
前記樹脂は、前記半導体レジスト用組成物の総含量に対して0.1重量%~50重量%で含まれてもよい。
【0092】
前記樹脂が前記含量範囲で含まれる場合、優れた耐エッチング性および耐熱性を有することができる。
【0093】
一方、一実施形態による半導体レジスト用組成物は、前述の有機金属化合物と溶媒、および樹脂からなることが好ましい。但し、前述の実施形態による半導体レジスト用組成物は、場合によって添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤の例示としては、界面活性剤、架橋剤、レべリング剤、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0094】
界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4アンモニウム塩、またはこれらの組み合わせを使用することができるが、これに限定されるのではない。
【0095】
架橋剤は、例えば、メラミン系架橋剤、置換尿素系架橋剤、またはポリマー系架橋剤などが挙げられるが、これに限定されるのではない。少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であって、例えば、メトキシメチル化グリコルリル、ブトキシメチル化グリコルリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。
【0096】
レべリング剤は印刷時コーティング平坦性を向上させるためのものであって、商業的な方法で入手可能な公知のレべリング剤を使用することができる。
【0097】
前記これら添加剤の使用量は、所望の物性によって容易に調節することができ、省略されてもよい。
【0098】
また、前記半導体レジスト用組成物は、基板との密着力などの向上のために(例えば、半導体レジスト用組成物の基板との接着力向上のために)、接着力増進剤としてシランカップリング剤を添加剤としてさらに使用することができる。前記シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン;または3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン;トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランなどの炭素-炭素不飽和結合含有シラン化合物などを使用することができるが、これに限定されるのではない。
【0099】
本発明の半導体フォトレジスト用組成物は、高い縦横比(aspect ratio)を有するパターンを形成してもパターンの崩壊が発生しない。したがって、例えば、5nm~100nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~80nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~70nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~50nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~40nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~30nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~20nmの幅を有する微細パターンを形成するために、5nm~150nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~100nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~80nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~50nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~30nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~20nm波長の光をフォトレジスト工程に使用することができる。したがって、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いれば、約13.5nm波長のEUV光源を使用する極端紫外線リソグラフィを実現することができる。
【0100】
一方、他の一実施形態によれば、前述の半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する方法を提供することができる。一例として、製造されたパターンはフォトレジストパターンであってもよい。
【0101】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板の上にエッチング対象膜を形成する段階、前記エッチング対象膜の上に前述の半導体レジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階、前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階、および前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして用いて前記エッチング対象膜をエッチングする段階を含む。
【0102】
また、一実施形態によるパターン形成方法は、前記基板と前記フォトレジスト膜の間に形成されるレジスト下層膜を提供する段階をさらに含む。
【0103】
以下、前述の半導体レジスト用組成物を使用してパターンを形成する方法について図1~5を参照して説明する。図1図5は、本発明による半導体レジスト用組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0104】
図1に示すように、先ず、エッチング対象物を用意する。前記エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であってもよい。以下では、前記エッチング対象物が薄膜102である場合に限って説明する。前記薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために前記薄膜102の表面を洗浄する。前記薄膜102は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜であってもよい。
【0105】
次いで、洗浄された薄膜102の表面上にレジスト下層膜104を形成するためのレジスト下層膜形成用組成物をスピンコーティング方式を適用してコーティングする。但し、一実施形態が必ずしもこれに限定されるのではなく、公知された多様なコーティング方法、例えばスプレーコーティング、ディップコーティング、ナイフエッジコーティング、プリンティング法、例えばインクジェットプリンティングおよびスクリーンプリンティングなどを用いることもできる。
【0106】
前記レジスト下層膜コーティング過程は省略してもよく、以下では前記レジスト下層膜をコーティングする場合について説明する。
【0107】
その後、乾燥およびベーキング工程を行って、前記薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。前記ベーキング処理は約100~約500℃で行い、例えば約100℃~約300℃で行うことができる。
【0108】
レジスト下層膜104は、基板100とフォトレジスト膜106の間に形成されて、基板100とフォトレジスト膜106の界面または層間ハードマスク(hardmaskから反射される照射線が意図されないフォトレジスト領域に散乱される場合にフォトレジスト線幅(linewidth)の不均一およびパターン形成性を妨害することを防止することができる。
【0109】
図2に示すように、前記レジスト下層膜104の上に前述の半導体レジスト用組成物をコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。前記フォトレジスト膜106は基板100上に形成された薄膜102の上に前述の半導体レジスト用組成物をコーティングした後、熱処理過程を通じて硬化した形態であってもよい。
【0110】
より具体的に、半導体レジスト用組成物を使用してパターンを形成する段階は、前述の半導体レジスト用組成物を薄膜102が形成された基板100上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程および塗布された半導体レジスト用組成物を乾燥してフォトレジスト膜106を形成する工程を含むことができる。
【0111】
半導体レジスト用組成物については既に詳しく説明したので、重複説明は省略する。
【0112】
次いで、前記フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。前記第1ベーキング工程は、約80℃~約120℃の温度で行うことができる。
【0113】
図3に示すように、前記フォトレジスト膜106を選択的に露光する。
【0114】
一例として、前記露光工程で使用できる光の例としては、活性化照射線もi-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0115】
より具体的に、一実施形態による露光用光は5nm~150nm波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0116】
フォトレジスト膜106中の未露光領域106aは有機金属化合物間の縮合など架橋反応によって重合体を形成することによってフォトレジスト膜106の露光された領域106bと互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0117】
次いで、前記基板100に第2ベーキング工程を行う。前記第2ベーキング工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。前記第2ベーキング工程を行うことによって、前記フォトレジスト膜106の未露光領域106aは現像液に溶解が難しい状態となる。
【0118】
図4には、現像液を用いて前記露光された領域に該当するフォトレジスト膜106bを溶解させて除去することによって形成されたフォトレジストパターン108が示されている。具体的に、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を使用して前記露光された領域に該当するフォトレジスト膜106bを溶解させた後に除去することによって、前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターン108が完成される。
【0119】
先に説明したように、一実施形態によるパターン形成方法で使用される現像液は有機溶媒であってもよい。一実施形態によるパターン形成方法で使用される有機溶媒の一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、n-ブチルアセテート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0120】
但し、一実施形態によるフォトレジストパターンが必ずしもネガティブトーンイメージに形成されることに制限されるわけではなく、ポジティブトーンイメージを有するように形成されてもよい。この場合、ポジティブトーンイメージ形成のために使用できる現像剤としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドまたはこれらの組み合わせのような第4級アンモニウムヒドロキシド組成物などが挙げられる。
【0121】
先に説明したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme ultraviolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光されて形成されたフォトレジストパターン108は、5nm~100nm厚さの幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターン108は、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、10nm~50nm、10nm~40nm、10nm~30nm、10nm~20nm厚さの幅で形成できる。
【0122】
一方、前記フォトレジストパターン108は約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば25nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、約10nm以下、約5nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0123】
次いで、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクにして前記レジスト下層膜104をエッチングする。前記のようなエッチング工程で有機膜パターン112が形成される。形成された前記有機膜パターン112もフォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。
【0124】
図5に示すように、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して露出された薄膜102をエッチングする。その結果、前記薄膜は薄膜パターン114として形成される。
【0125】
前記薄膜102のエッチングは例えばエッチングガスを使用した乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは例えばCHF、CF、Cl、BClおよびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0126】
先に行われた露光工程で、EUV光源を使用して行われた露光工程によって形成されたフォトレジストパターン108を用いて形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターン108と同様に5nm~100nmの幅を有することができる。例えば、EUV光源を使用して行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108と同様に、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、10nm~50nm、10nm~40nm、10nm~30nm、10nm~20nmの幅を有することができ、より具体的に20nm以下の幅で形成できる。
【0127】
本発明の半導体フォトレジスト用組成物は、高い縦横比(aspect ratio)を有するパターンを形成しても、パターン崩壊が発生しないか、パターン崩壊が発生する可能性を大きく減らすことができる。したがって、例えば、5nm~100nmの線幅を有する微細パターン、好ましくは5nm~80nmの線幅を有する微細パターン、より好ましくは5nm~70nmの線幅を有する微細パターン、さらに好ましくは5nm~50nmの線幅を有する微細パターン、さらにより好ましくは5nm~40nmの線幅を有する微細パターン、特に好ましくは5nm~30nmの線幅を有する微細パターン、最も好ましくは5nm~20nmの線幅を有する微細パターンを形成するために、波長5nm~150nmの光を使用するフォトレジスト工程、例えば波長5nm~100nmの光を使用するフォトレジスト工程、好ましくは波長5nm~80nmの光を使用するフォトレジスト工程、より好ましくは波長5nm~50nmの光を使用するフォトレジスト工程、さらに好ましくは波長5nm~30nmの光を使用するフォトレジスト工程、さらにより好ましくは波長5nm~20nmの光を使用するフォトレジスト工程に、本発明のフォトレジスト用組成物を使用することができる。したがって、本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を用いれば、波長13.5nmのEUV光源を使用する極端紫外線リソグラフィを実現することができる。
【実施例
【0128】
以下、前述の半導体フォトレジスト用組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をさらに詳しく説明する。しかし、下記実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるのではない。なお、以下の実施例において、Phはフェニル基を示す。
【0129】
合成例1
250mLの2口丸底フラスコに、PhSnCl 20g(51.9mmol)を70mlのTHFに溶かし、その溶液をアイスバス(ice bath)で液温が0℃になるまで冷却した。その後、その溶液に、1Mのブチルマグネシウムクロリド(BuMgCl)THF溶液(BuMgCl 62.3mmol)を徐々に滴下した。滴下が完了した後、常温で12時間攪拌して、下記化学式7で表される化合物を85%の収率で得た。
【0130】
【化16】
【0131】
合成例2
合成例1において1Mのブチルマグネシウムクロリド(BuMgCl)のTHF溶液の代わりに2Mのイソプロピルマグネシウムクロリド(iPrMgCl)のTHF溶液(iPrMgCl 62.3mmol)を使用したことを除いては、合成例1と同様な方法で合成して下記化学式8で表される化合物を88%の収率で得た。
【0132】
【化17】
【0133】
合成例3
合成例1において1Mのブチルマグネシウムクロリド(BuMgCl)のTHF溶液の代わりに1MのネオペンチルマグネシウムクロリドのTHF溶液(ネオペンチルマグネシウムクロリド 62.3mmol)を使用したことを除いては、合成例1と同様な方法で合成して下記化学式9で表される化合物を76%収率で得た。
【0134】
【化18】
【0135】
合成例4
合成例で得られた化学式7の化合物(10g、24.6mmol)を50mLのCHClに溶かし、2M HClのジエチルエーテル(diethyl ether)溶液3当量(HCl 73.7mmol)を-78℃で30分間徐々に滴下した。その後、常温で12時間攪拌後、溶媒を濃縮し、真空蒸留して、下記化学式10で表される化合物を80%の収率で得た。
【0136】
【化19】
【0137】
合成例5
合成例4において合成例1の化学式7の化合物を使用すること代わりに合成例2で得られた化学式8の化合物を使用することを除いては、合成例4と同様な方法で合成して下記化学式11で表される化合物を75%の収率で得た。
【0138】
【化20】
【0139】
合成例6
合成例4において合成例1の化学式7の化合物を使用すること代わりに合成例3で得られた化学式9の化合物を使用することを除いては、合成例4と同様な方法で合成して下記化学式12で表される化合物を70%の収率で得た。
【0140】
【化21】
【0141】
合成例7
合成例4で得られた化学式10の化合物10g(25.6mmol)に25mLの酢酸(acetic acid)を常温で徐々に滴下した後、12時間加熱還流した。反応溶液の温度を常温まで下げた後、酢酸を真空蒸留して下記化学式13で表される化合物を90%収率で得た。
【0142】
【化22】
【0143】
合成例8
合成例5で得られた化学式11の化合物10g(25.4mmol)に25mLのアクリル酸(acrylic acid)を常温で徐々に滴下した後、80℃で6時間加熱還流した。反応溶液の温度を常温まで下げた後、アクリル酸を真空蒸留して下記化学式14で表される化合物を50%収率で得た。
【0144】
【化23】
【0145】
合成例9
合成例6で得られた化学式12の化合物10g(23.7mmol)に25mLのプロピオン酸(propionic acid)を常温で徐々に滴下した後、110℃で12時間加熱還流した。反応溶液の温度を常温まで下げた後、プロピオン酸を真空蒸留して下記化学式15で表される化合物を40%収率で得た。
【0146】
【化24】
【0147】
合成例10
合成例4で得られた化学式10の化合物10g(35.4mmol)に無水ペンタン(pentane)30mLを加え、その溶液の温度を0℃まで冷却した。その後、その溶液にジエチルアミン7.8g(106.3mmol)を徐々に滴下した後、次いでtert-ブタノール7.9g(106.3mmol)を添加し、常温で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過して得られたろ液を濃縮した後に真空乾燥して、下記化学式16で表される化合物を60%の収率で得た。
【0148】
【化25】
【0149】
合成例11
合成例5で得られた化学式11の化合物10g(37.3mmol)に無水ペンタン30mLを加え、その溶液の温度を0℃まで冷却した。その後、その溶液にジエチルアミン8.2g(111.9mmol)を徐々に滴下した後、次いでイソプロパノール6.7g(111.9mmol)を添加し、常温で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過して得られたろ液を濃縮した後に真空乾燥して、下記化学式17で表される化合物を65%の収率で得た。
【0150】
【化26】
【0151】
合成例12
合成例6で得られた化学式12の化合物10g(18.7mmol)に無水ペンタン30mLを加え、その溶液の温度を0℃まで冷却した。その溶液にジエチルアミン7.4g(101.3mmol)を徐々に滴下した後、次いでエタノール6.1g(101.3mmol)を添加し、常温で1時間攪拌した。反応終了後、反応溶液をろ過して得られたろ液を濃縮した後に真空乾燥して、下記化学式18で表される化合物を60%の収率で得た。
【0152】
【化27】
【0153】
合成例13
100mL丸底フラスコに合成例2で得られた化学式8の化合物(10g、25.4mmol)を加えた後、25mlのギ酸を常温で徐々に滴下し、100℃で24時間加熱還流した。その後、反応溶液の温度を常温まで下げ、ギ酸を真空蒸留して、下記化学式19で表される化合物を90%の収率で得た。
【0154】
【化28】
【0155】
合成例14
100mL丸底フラスコに、PhSn(20g、46.8mmol)を加えた後、50mlのプロピオン酸を徐々に滴下し、110℃で26時間加熱還流した。その後、反応溶液の温度を常温まで下げ、プロピオン酸を真空蒸留して、下記化学式20で表される化合物を95%の収率で得た。
【0156】
【化29】
【0157】
合成例15
100mL丸底フラスコに、1Mのナトリウムエトキシド(sodium ethoxide)のエタノール溶液154mLを加えた後、SnCl10g(38.4mmol)を0℃で徐々に滴下した。その溶液の温度を常温まで上げた後、12時間攪拌し真空蒸留して、下記化学式21で表される化合物を70%の収率で得た。
【0158】
【化30】
【0159】
実施例1~14
合成例7~合成例13で得られた化合物13~化合物19を、それぞれキシレン(xylene)に2wt%の濃度で溶かし、また合成例14で得られた化合物20または合成例15で得られた化合物21を、前記化合物13~化合物19を溶解させたキシレンにそれぞれ0.2wt%の濃度で溶かした後、0.1μmPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シリンジフィルター(syringe filter)でろ過して、実施例1~実施例14による半導体フォトレジスト用組成物を製造した。半導体フォトレジスト用組成物を構成する具体的な化合物の組み合わせは、下記表1に示した。
【0160】
ネイティブ-酸化物表面を有する直径4インチの円形シリコンウエハーを薄膜コーティング用基材として使用し、前記薄膜のコーティング前にUVオゾンクリーニングシステムで10分間処理した。処理された基材上に前記実施例1~実施例14による半導体フォトレジスト用組成物を1500rpmで30秒間スピンコーティングし、100℃で120秒焼成(適用後焼成、post-apply bake、PAB)してフォトレジスト薄膜を形成した。
【0161】
コーティングおよびベーキング後、フィルムの厚さは偏光計測法(ellipsometry)を通じて測定し、測定された厚さは約25nmであった。
【0162】
比較例1
合成例7で得られた化合物13のみをキシレン(xylene)に2wt%の濃度で溶かして使用したことを除いては、前記実施例と同様に行って、比較例1による半導体フォトレジスト用組成物およびこれを含むフォトレジスト薄膜を製造した。コーティングおよびベーキング後、フィルムの厚さは約25nmであった。
【0163】
比較例2
実施例1において化合物13の代わりにnBuSnOOH(TCI社)を使用したことを除いては、実施例1と同様に行って、比較例2による半導体フォトレジスト用組成物およびこれを含むフォトレジスト薄膜を製造した。コーティングおよびベーキング後、フィルムの厚さは約25nmであった。
【0164】
【表1】
【0165】
評価
円形シリコンウエハー上に前記コーティング方法によって製造された実施例1~実施例14および比較例1~比較例2によるフィルムをエネルギーおよびフォーカスを別にして12~100nmのline/spaceパターンを形成するように極端紫外線(光源:13.5nm、露光量:0~200mJ/cm、機器名:LBNL MET tool(Lawrence Berkeley National Laboratory Micro Exposure Tool))で露出した。露光後、180℃で120秒間焼成し、次いで2-ヘプタノン(2-heptanone)が入ったペトリディッシュに60秒間浸漬して取り出した後、同一溶剤で10秒間洗浄した。最終的に、150℃で5分間焼成した後、SEM(scanning electron microscopy)によってパターンイメージを得た。SEM画像から確認された最高解像度、最適エネルギー、ラインエッジ粗さ(LER)を下記表2に表わす。
【0166】
【表2】
【0167】
上記表2を参照すれば、化学式13~化学式19で表される化合物のうちの一つの化合物と、化学式20または化学式21で表される化合物のうちの一つの化合物を同時に含む、実施例1~14による半導体フォトレジスト用組成物を用いたフォトレジスト薄膜は、解像度、感度、およびラインエッジ粗さ(LER)が全て優れているのを確認することができる。
【0168】
反面、化学式13で表される化合物のみを含む比較例1と、nBuSnOOH(TCI社)および化学式20で表される化合物を含む比較例2による半導体フォトレジスト用組成物を用いたフォトレジスト薄膜は、実施例1~14と比較した時、最高解像度、最適エネルギー、ラインエッジ粗さ(LER)の評価が全て高い数値として測定されるのを確認することができ、したがって解像度、感度、およびラインエッジ粗さ(LER)が実施例1~14に比べて全て良くないのを確認することができる。
成物を提供する。
【0169】
以上のように、本発明の半導体フォトレジスト用組成物は、感度および解像度が向上し、パターン形成性に優れていることがわかる。また、上記の結果から、本発明の半導体フォトレジスト用組成物がエッチング耐性にも優れていることがわかる。よって、本発明の半導体フォトレジスト用組成物を用いることにより、高い縦横比(aspect ratio)を有してもパターンが崩れないフォトレジストパターンを提供することができる。
【0170】
以上、本発明の特定の実施例が説明され図示されたが、本発明は記載された実施例に限定されるのではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せず多様に修正および変形できるのはこの技術の分野における通常の知識を有する者に自明なことである。したがって、そのような修正例または変形例は本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならなく、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するものとしなければならない。
【符号の説明】
【0171】
100 基板、
102 薄膜、
104 フォトレジスト下層膜、
106 フォトレジスト膜、
106a 未露光領域、
106b 露光された領域、
108 フォトレジストパターン、
112 有機膜パターン、
114 薄膜パターン。
図1
図2
図3
図4
図5