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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】レンズ保持機構及び発光ユニット
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220217BHJP
   G03B 15/02 20210101ALI20220217BHJP
   G03B 15/05 20210101ALI20220217BHJP
   G02B 3/04 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
G02B7/02 A
G02B7/02 B
G03B15/02 F
G03B15/02 S
G03B15/05
G02B3/04
G02B7/02 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017231848
(22)【出願日】2017-12-01
(65)【公開番号】P2019101217
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】福本 泰
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0162127(US,A1)
【文献】実開昭64-032508(JP,U)
【文献】特開2002-250853(JP,A)
【文献】国際公開第2016/084390(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G03B 15/02 -15/05
G02B 3/00 - 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に離間する入射面及び出射面、並びに、前記入射面側から前記出射面側にかけて拡径し、前記出射面から出射される光の一部をコリメートするテーパ面を備えるレンズと、
前記レンズを収容する鏡筒と、
前記鏡筒に収容されたレンズに前記出射面側から当接し、前記レンズとの当接部が前記鏡筒の基準軸と垂直な平面に沿って形成されている第1当接部材と、
前記鏡筒に収容されたレンズの前記テーパ面に当接し、前記レンズとの当接部が前記鏡筒の基準軸上に中心点を有する円に沿って形成され、前記第1当接部材と共に前記レンズを挟持する第2当接部材と
を備え
前記第1当接部材及び前記第2当接部材によって前記レンズを挟持する際、前記第2当接部材によって前記レンズのテーパ面が押圧され、これによって、前記レンズの光軸と前記鏡筒の基準軸とが位置決めされる方向に、前記レンズが前記当接部に対し前記平面に沿って摺動する
レンズユニット。
【請求項2】
前記第1当接部材は前記鏡筒の一部であり、
前記第2当接部材は、前記鏡筒の内周面と同軸状態で嵌合する外周面を有する
ことを特徴とする請求項1記載のレンズユニット
【請求項3】
前記第2当接部材は前記鏡筒の一部であり、
前記第1当接部材は、前記鏡筒の内周面と同軸状態で嵌合する外周面を有する
ことを特徴とする請求項1記載のレンズユニット
【請求項4】
ベース部材と、
前記ベース部材に取り付けられた発光装置と、
記ベース部材の嵌合面と同軸状態で嵌合する請求項1~3のいずれか1項に記載のレンズユニット
を備えることを特徴とする発光ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ保持機構及び発光ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
発光装置と、この発光装置の発光面側に配置されたコリメータレンズと、を備える発光ユニットが知られている。近年、この様な発光ユニットにおいて、発光装置としてレンズ付きLED装置を、コリメータレンズとしていわゆるLEDレンズを使用する場合がある(特許文献1)。LEDレンズは、例えば射出成形等によって大量生産可能であり、通常の集光レンズよりも安価である。また、レンズ付きLED装置に直接取り付け可能であるため、効果的なコリメートが可能である。
【0003】
LEDレンズとしては、様々な態様のものが使用されているが、例えば、光軸方向に離間する入射面及び出射面、入射面側から出射面側にかけて拡径するテーパ面、並びに、テーパ面及び出射面の間に設けられた外周面を備えるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8075165号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、上述の様なLEDレンズを備える発光ユニットを光学顕微鏡や画像測定装置等の照明に用いる場合、測定の都合上、LEDレンズを好適に心出しして、発光装置の光軸とLEDレンズの光軸と合わせることが望ましい。このためには、例えば、LEDレンズの外周面を基準として心出しすることが考えられる。しかしながら、射出成形等によって生産されたLEDレンズの外周面にはゲート跡等が残っている場合があり、心出しの基準として使用することが難しい場合がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、レンズを好適に心出しすることが可能なレンズ保持機構及び照明ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決すべく、本発明の一の実施形態に係るレンズ保持機構は、光軸方向に離間する入射面及び出射面、並びに、入射面側から出射面側にかけて拡径するテーパ面を備えるレンズを収容する鏡筒と、鏡筒に収容されたレンズに出射面側から当接し、レンズとの当接部が鏡筒の基準軸と垂直な平面に沿って形成されている第1当接部材と、鏡筒に収容されたレンズのテーパ面に当接し、レンズとの当接部が鏡筒の基準軸上に中心点を有する円に沿って形成され、第1当接部材と共にレンズを挟持する第2当接部材と、を備える。
【0008】
例えば、上記第1当接部材は、鏡筒の一部とすることが出来る。この場合、上記第2当接部材には、鏡筒の内周面と同軸状態で嵌合する外周面を設けることが出来る。
【0009】
また、例えば上記第2当接部材は、鏡筒の一部とすることが出来る。この場合、上記第1当接部材は、鏡筒の内周面と同軸状態で嵌合する外周面を設けることが出来る。
【0010】
本発明の一の実施形態に係る照明ユニットは、ベース部材と、このベース部材に取り付けられた発光装置と、この発光装置の発光面と対向する入射面、この入射面と光軸方向に離間する出射面、及び、入射面側から出射面側にかけて拡径するテーパ面を備えるレンズと、このレンズを保持し、ベース部材の嵌合面と同軸状態で嵌合する上述のレンズ保持機構と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、レンズを好適に心出しすることが可能なレンズ保持機構及び発光ユニットを提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
図2】一の態様に係るレンズ300について説明するための斜視図である。
図3】他の態様に係るレンズ310について説明するための断面図である。
図4】他の態様に係るレンズ320について説明するための断面図である。
図5】他の態様に係るレンズ330について説明するための断面図である。
図6】他の態様に係るレンズ340について説明するための断面図である。
図7】他の態様に係るレンズ350について説明するための断面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る発光ユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施形態]
次に、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る発光ユニットについて説明する。本実施形態に係る発光ユニットは、例えば光学顕微鏡や画像測定装置等の光学測定装置に搭載可能であり、落射照明や透過照明等に使用可能である。発光ユニットは、ベース部材100と、ベース部材100に取り付けられた発光装置200と、発光装置200の発光面側に配置されたレンズ300と、レンズ300を保持し、ベース部材100に取り付け可能なレンズ保持機構400と、を備える。
【0014】
ベース部材100は、略円盤状のベース部101と、ベース部101から基準軸a1方向に沿ってレンズ300側に突出する略環状の突出部102と、を備える。突出部102の外周面には、円筒面に沿って形成された嵌合面103が設けられている。嵌合面103は、レンズ保持機構400の鏡筒500と同軸状態で嵌合する。尚、嵌合面103は、例えば突出部102の内周面に設けることも出来る。
【0015】
発光装置200は、いわゆるレンズ付きLED装置であり、基板201と、基板201上に設けられた発光素子202と、発光素子202の発光面側に設けられたレンズ203と、を備える。レンズ203の光軸は発光装置200の光軸であり、レンズ203の出射面は発光装置200の発光面である。発光装置200は、発光装置200の光軸がベース部材100の嵌合面103の中心軸と合う様に心出しされており、この状態で雄ねじ204によってベース部材100に固定されている。
【0016】
レンズ300は、図2に例示する通り、例えば略円錐台形のLEDレンズであり、発光装置200の発光面と対向する凸面状の入射面301と、入射面301と光軸方向に離間する平面状の出射面302と、入射面301側から出射面302側にかけて拡径する円錐面状のテーパ面303と、テーパ面303及び出射面302の間に設けられた円筒面状の外周面304と、を備える。発光装置200から照射された光のうち、光軸の近傍に照射された光は入射面301によってコリメートされ、光軸から離れた部分に照射された光はテーパ面303によってコリメートされる。
【0017】
レンズ保持機構400は、図1に例示する通り、レンズ300を収容する鏡筒500と、レンズ300の出射面302に出射面302側から当接する第1当接部材600と、レンズ300のテーパ面303に入射面301側から当接する第2当接部材700と、を備える。これら第1当接部材600及び第2当接部材700は、レンズ300を基準軸a1方向に挟持する。
【0018】
鏡筒500は、基準軸a1と同軸の略円筒状に形成されている。鏡筒500の内周面には、一端側から他端側にかけて、第1当接部材600と、雌ねじ501と、第1嵌合面502と、第2嵌合面503と、が設けられる。雌ねじ501は、第2当接部材700の雄ねじ703と螺合する雌ねじであり、レンズ300の外径よりも大きい内径を有する。第1嵌合面502は、第2当接部材700の嵌合面704と同軸状態で嵌合する面であり、雌ねじ501の内径よりも大きい内径を有し、基準軸a1と同軸の円筒面に沿って形成されている。第2嵌合面503は、ベース部材100の嵌合面103と同軸状態で嵌合する面であり、第1嵌合面502の内径と同じか、これよりも大きい内径を有し、基準軸a1と同軸の円筒面に沿って形成されている。尚、第2嵌合面503は、鏡筒500の外周面に設けられていても良い。
【0019】
第1当接部材600は、鏡筒500の一部として形成されている。第1当接部材600は、基準軸a1と同軸の略環状に形成され、中心部に開口601が設けられている。開口601の内径は、レンズ300の外径よりも小さい。また、開口601には、拡散板602が嵌合されている。また、第1当接部材600は、レンズ300の出射面302に出射面302側から当接する当接面603を備える。当接面603は、基準軸a1と垂直な平面に沿って形成され、この平面に沿ってレンズ300が摺動可能な面である。当接面603は、例えば平面とすることが出来る。ただし、当接面603は必ずしも平面である必要は無く、レンズ300が摺動可能な範囲で平面に沿って形成されていれば良い。例えば、当接面603には、孔や溝等が設けられていても良い。尚、当接面603の直径は、レンズ300の外径よりも大きい。
【0020】
第2当接部材700は、鏡筒500とは別部材として形成されている。第2当接部材700は、略環状に形成され、中心部に開口701が設けられている。開口701の内径は、レンズ300の外径よりも小さい。また、第2当接部材700の第1当接部材600との対向面と開口701の内周面との間には、レンズ300のテーパ面303に当接する当接部702が設けられている。当接部702は、図2に例示する通り、円に沿って形成されている。図1に例示する通り、この円は基準軸a1と垂直であり、基準軸a1上に中心点Pを有する。当接部702は、例えば連続的な円とすることが出来る。ただし、当接部702は必ずしも連続的な円である必要は無く、レンズ300の心出しが可能な範囲で上述の様な円に沿って形成されていれば良い。例えば、当接部702は、上述の様な円に沿って設けられた離散的な点の集合とすることも出来る。また、当接部702にR加工等を行って当接部702を曲面とすることも出来るし、当接部702に面取り加工等を行って当接部702を斜面(円錐面、テーパ面)とすることも出来る。また、第2当接部材700の外周面には、一端側から他端側にかけて、雄ねじ703と、嵌合面704と、が設けられている。雄ねじ703は、鏡筒500の雌ねじ501と螺合する雄ねじである。嵌合面704は、鏡筒500の第1嵌合面502と同軸状態で嵌合する面であり、雄ねじ703よりも大きい外径を有する円筒面に沿って形成されている。
【0021】
次に、本実施形態に係る発光ユニットの組み立て方法について説明する。例えばまず、レンズ300の出射面302が第1当接部材600の当接面603と対向するように、鏡筒500の内部にレンズ300を収容する。次に、レンズ300のテーパ面303が当接部702と対向するように、鏡筒500の第1嵌合面502と第2当接部材700の嵌合面704とを嵌合する。次に、鏡筒500の雌ねじ501と第2当接部材700の雄ねじ703とを螺合し、第1当接部材600及び第2当接部材700によってレンズ300を挟持する。この際、第2当接部材700は、レンズ300の光軸が基準軸a1と合う方向にレンズ300のテーパ面303を押圧し、レンズ300は第1当接部材600の当接面603と摺動する。その結果、第2当接部材700の螺合が終了すると共にレンズ300の光軸が基準軸a1と合う。次に、発光装置200が取り付けられたベース部材100を鏡筒500に嵌合する。これによって発光装置200の光軸も基準軸a1と合う。
【0022】
この様に構成されたレンズ保持機構400においては、レンズ300の外周面304でなく、レンズ300の出射面302及びテーパ面303を基準としてレンズ300を心出しする。ここで、出射面302及びテーパ面303は、外周面304と異なり、レンズ300の光学的特性に直接寄与する部分であるため、ゲート跡等が残されることは考え難い。従って、この様な部分を基準とすることにより、レンズ300を好適に心出しすることが可能である。
【0023】
また、この様に構成されたレンズ保持機構400においては、円筒面に沿って形成された嵌合面によって各構成が同軸状態で嵌合する。この様な構成は、例えば、旋盤加工によって高精度に製造することが可能である。従って、この様な構成を使用することにより、レンズ300の高精度な心出しを行うことが可能である。
【0024】
尚、本実施形態に係る発光ユニットは、様々な態様のレンズを用いることが出来る。例えば、図1に例示したレンズ300の出射面302は平面であったが、図3に例示する様に、出射面312に拡散等のための凹凸が設けられたレンズ310を用いることも出来るし、図4に例示するような、出射面321の中心部分が凹んだレンズ320を用いることも出来る。この様な場合、第1当接部材600の当接面603は、出射面312の突出部分や、出射面321の外縁部分等に当接する。また、図1に例示したレンズ300のテーパ面303は断面が直線状に形成されていたが、図5に例示するような、断面が曲線状に形成されたテーパ面333を有するレンズ330を用いることも出来る。また、図1に例示したレンズ300の外周面304は光軸と同軸の円周面であったが、図6に例示するような、外周面344に突起が設けられたレンズ340を用いることも出来るし、図7に例示するような、外周面354の一部が欠けたレンズ350を用いることも出来る。また、例えば、円錐台形では無く、四角錐等の多角錐形のレンズを用いることも出来る。
【0025】
[第2の実施形態]
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施形態に係る発光ユニットについて説明する。尚、以下の説明において、第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0026】
本実施形態に係る発光ユニットは、基本的には第1の実施形態に係る発光ユニットと同様に構成されている。ただし、第1の実施形態に係るレンズ保持機構400においては、第1当接部材600が鏡筒500の一部として形成され、第2当接部材700は鏡筒500とは別部材として形成されていた。これに対し、本実施形態に係るレンズ保持機構410においては、第2当接部材710が鏡筒510の一部として形成され、第1当接部材610が鏡筒510とは別部材として形成されている。
【0027】
鏡筒510は、第1の実施形態に係る鏡筒500と同様に、基準軸a1と同軸の略円筒状に形成されている。また、鏡筒510の内周面には、一端側から他端側にかけて、第3嵌合面511と、雌ねじ512と、第2当接部材710と、第2嵌合面503と、が設けられる。第3嵌合面511は、第1当接部材610の嵌合面614と同軸状態で嵌合する面であり、雌ねじ512の内径よりも大きい内径を有し、基準軸a1と同軸の円筒面に沿って形成されている。雌ねじ512は、第1当接部材610の雄ねじ613と螺合する雌ねじであり、レンズ300の外径よりも大きい内径を有する。
【0028】
第1当接部材610は、第1の実施形態に係る第1当接部材600と同様に、略環状に形成され、中心部には開口601が設けられ、レンズ300の出射面302に出射面302側から当接する当接面603を備える。また、第1当接部材610の外周面には、一端側から他端側にかけて、嵌合面614と、雄ねじ613と、が設けられる。嵌合面614は、鏡筒510の第3嵌合面511と同軸状態で嵌合する面であり、雄ねじ613よりも大きい外径を有する円筒面に沿って形成されている。雄ねじ613は、鏡筒510の雌ねじ512と螺合する雄ねじである。
【0029】
第2当接部材710は、基準軸a1と同軸の略環状に形成されている。また、第1の実施形態に係る第2当接部材700と同様に、中心部には開口701が設けられ、第1当接部材610との対向面と開口701の内周面との間には当接部702が設けられている。
【0030】
この様に構成されたレンズ保持機構410によっても、第1の実施形態に係るレンズ保持機構400と同様の効果を奏することが可能である。
【0031】
[第3の実施形態]
次に、図9を参照して、本発明の第3の実施形態に係る発光ユニットについて説明する。尚、以下の説明において、第1及び第2の実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
本実施形態に係る発光ユニットは、基本的には第1及び第2の実施形態に係る発光ユニットと同様に構成されている。ただし、第1及び第2の実施形態に係るレンズ保持機構400,410においては、第1当接部材及び第2当接部材のうちの一方(600,710)が鏡筒500,510の一部として形成され、他方(610,700)が鏡筒500,510とは別部材として形成されていた。これに対し、本実施形態に係るレンズ保持機構420においては、第1当接部材610及び第2当接部材700の双方が鏡筒520とは別部材として形成されている。
【0033】
鏡筒520は、第1及び第2の実施形態に係る鏡筒500,510と同様に、基準軸a1と同軸の略円筒状に形成されている。また、鏡筒510の内周面には、一端側から他端側にかけて、第3嵌合面511と、雌ねじ512と、雌ねじ501と、第1嵌合面502と、第2嵌合面503と、が設けられる。
【0034】
この様に構成されたレンズ保持機構420によっても、第1及び第2の実施形態に係るレンズ保持機構400と同様の効果を奏することが可能である。また、この様に構成されたレンズ保持機構420によれば、第1当接部材610及び第2当接部材700の双方が鏡筒520と別部材として構成されているため、これらの基準軸a1方向の位置を調整することによって発光装置200とレンズ300との距離を調整することも可能である。
【0035】
[第4の実施形態]
次に、図10を参照して、本発明の第4の実施形態に係る発光ユニットについて説明する。尚、以下の説明において、第1の実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0036】
本実施形態に係る発光ユニットは、基本的には第1の実施形態に係る発光ユニットと同様に構成されている。ただし、第1の実施形態に係るレンズ保持機構400においては、第2当接部材700の外周面に設けられた嵌合面704の外径が雄ねじ703の外径よりも大きかった。これに対し、本実施形態に係るレンズ保持機構430においては、第2当接部材730の外周面に設けられた嵌合面734の外径が雄ねじ733の外径よりも小さい。
【0037】
鏡筒530は、第1の実施形態に係る鏡筒500と同様に、基準軸a1と同軸の略円筒状に形成されている。また、鏡筒510の内周面には、一端側から他端側にかけて、第1当接部材600と、第1嵌合面532と、雌ねじ531と、第2嵌合面503と、が設けられる。第1嵌合面532は、第2当接部材730の嵌合面734と同軸状態で嵌合する面であり、レンズ300の外径よりも大きい内径を有し、基準軸a1と同軸の円筒面に沿って形成されている。雌ねじ531は、第2当接部材730の雄ねじ733と螺合する雌ねじであり、第1嵌合面532よりも大きい内径を有する。
【0038】
第2当接部材730は、第1の実施形態に係る第2当接部材700と同様に、略環状に形成され、中心部には開口701が設けられ、第1当接部材610との対向面と開口701の内周面との間には当接部702が設けられている。また、第2当接部材730の外周面には、一端側から他端側にかけて、嵌合面734と、雄ねじ733と、が設けられる。嵌合面734は、鏡筒530の第1嵌合面532と同軸状態で嵌合する面である。雄ねじ733は、鏡筒530の雌ねじ531と螺合する雄ねじである。
【0039】
この様に構成されたレンズ保持機構430によっても、第1の実施形態に係るレンズ保持機構400と同様の効果を奏することが可能である。
【0040】
尚、本実施形態に係るレンズ保持機構430においては、第1の実施形態と同様に、第1当接部材600が鏡筒530の一部として形成され、第2当接部材730が鏡筒530とは別部材として形成されている。しかしながら、例えば、第2の実施形態や第3の実施形態と同様に、第1当接部材を鏡筒と別部材として形成することも出来る。この場合、第2当接部材の外周面に設けられる嵌合面を、雄ねじの外径より小さくすることも出来る。
【0041】
[その他の実施形態]
以上、本発明の第1~第4の実施形態に係るレンズ保持機構について説明した。しかしながら、第1~第4の実施形態は例示にすぎず、各構成の態様等は適宜変更可能である。例えば、第1~第4の実施形態には、コリメータレンズとしていわゆるLEDレンズを用いる例を説明した。しかしながら、例えば、少なくとも一方の面が平面又は凹面である略円盤状のレンズを用いることも出来る。この場合には、平面状又は凹面状に形成された一方の面に第1当接部材を、他方の面に第2当接部材を当接させて、これら第1当接部材及び第2当接部材によってレンズを挟持することにより、レンズの心出しを行うことが出来る。更に、第2当接部材の当接部が曲面又は斜面である場合には、上記他方の面の外縁部分を利用してレンズの心出しを行うことも出来る。
【符号の説明】
【0042】
100…ベース部材、200…発光装置、300…レンズ、301…入射面、302…出射面、303…テーパ面、400…レンズ保持機構、500…鏡筒、600…第1当接部材、603…当接部、700…第2当接部材、702…当接部、a1…基準軸。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10