IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7026684改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法
<>
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図1A
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図1B
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図2A
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図2B
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図3
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図4
  • 特許-改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20220218BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 L
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019524184
(86)(22)【出願日】2017-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-28
(86)【国際出願番号】 US2017060949
(87)【国際公開番号】W WO2018089698
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2019-07-04
(31)【優先権主張番号】15/348,967
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ボーンカッター, ルーク ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラニク, デーヴィッド ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ロイター, ポール ビー.
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-146347(JP,A)
【文献】特開2011-066260(JP,A)
【文献】特開2000-357641(JP,A)
【文献】特開2009-164369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードポートシステムであって、
ドックとキャリアオープナーとを支持するフレームと、
前記キャリアオープナーを上げ下げするように動作可能なエレベータおよびエレベータアームと、
前記エレベータおよび前記エレベータアームが内部で移動するように動作可能な分離区画であって、機器フロントエンドモジュール(EFEM)の空間から部分的に分離された空間を含む分離区画と、
前記フレーム上に装着されたハウジングであって、前記フレームと共に前記分離区画の空間を画定するハウジングと、
前記ハウジングの壁に設けられたパージサプライであって、前記分離区画内に閉じ込められた反応性ガスを前記分離区画からパージするために、前記EFEMを通過する基板と反応しない非反応性のパージガスを、該パージサプライを介して前記分離区画内に供給するように構成されたパージサプライと
を備え、
前記ロードポートシステムは、前記EFEMと流体連通する前記分離区画の側面に配置された開口部を形成し、前記エレベータアームは、前記開口部を介して前記EFEM内に延在する、ロードポートシステム。
【請求項2】
前記閉じ込められた反応性ガスは酸素で、前記非反応性のパージガスは窒素である、請求項1に記載のロードポートシステム。
【請求項3】
前記パージサプライは、上方の閉じ込められた反応性ガスを、前記パージサプライを介して供給された前記非反応性のパージガスによって前記分離区画の外へ強制的に排出するため、前記分離区画の下端に配置されている、請求項1または2に記載のロードポートシステム。
【請求項4】
前記パージサプライは、下方の閉じ込められた反応性ガスを、前記パージサプライを介して供給された前記非反応性のパージガスによって前記分離区画の外へ強制的に排出するため、前記分離区画の上端に配置されている、請求項1または2に記載のロードポートシステム。
【請求項5】
前記分離区画は、前記分離区画内のガスを前記分離区画外に排出することができる換気開口部をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のロードポートシステム。
【請求項6】
前記換気開口部は一方向のチェックバルブを含む、請求項5に記載のロードポートシステム。
【請求項7】
ロードポートであって、
ハウジングとフレームによって画定された、エレベータおよびエレベータアームのための分離区画であって、前記ロードポートに連結可能な機器フロントエンドモジュール(EFEM)の空間から部分的に分離された空間を含む分離区画と、
前記ハウジングの壁に連結されたパージサプライであって、前記分離区画内に閉じ込められた反応性ガスを前記分離区画からパージするために、前記EFEMを通過する基板と反応しない非反応性のパージガスを、該パージサプライを介して前記分離区画内に供給するように構成されたパージサプライと
を備え、
前記ロードポートは、前記EFEMと流体連通する前記分離区画の側面に配置された開口部を形成し、前記エレベータアームは、前記開口部を介して前記EFEM内に延在する、ロードポート。
【請求項8】
前記閉じ込められた反応性ガスは酸素で、前記非反応性のパージガスは窒素である、請求項7に記載のロードポート。
【請求項9】
前記パージサプライは、上方の閉じ込められた反応性ガスを、前記パージサプライを介して供給された前記非反応性のパージガスによって前記分離区画の外へ強制的に排出するため、前記分離区画の下端に配置されている、請求項7または8に記載のロードポート。
【請求項10】
前記パージサプライは、下方の閉じ込められた反応性ガスを、前記パージサプライを介して供給された前記非反応性のパージガスによって前記分離区画の外へ強制的に排出するため、前記分離区画の上端に配置されている、請求項7または8に記載のロードポート。
【請求項11】
前記分離区画は、前記分離区画内のガスを前記分離区画外に排出することができる換気開口部をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載のロードポート。
【請求項12】
前記換気開口部は一方向のチェックバルブを含む、請求項11に記載のロードポート。
【請求項13】
機器フロントエンドモジュール(EFEM)を通過する基板と反応しない非反応性のガスで、前記EFEMを満たすことと、
前記EFEMに連結されたロードポートの分離区画から、前記分離区画内に閉じ込められた反応性ガスを、前記分離区画を囲むハウジングの壁に設けられたパージサプライを介して供給された非反応性のパージガスを用いて、パージすることと、
を含む方法であって、
前記EFEM内においてキャリアオープナーを上げ下げするために、前記分離区画内に配置されたエレベータがエレベータアームに連結されており、前記エレベータアームが、開口部を介して前記分離区画から前記EFEM内に延在している、方法。
【請求項14】
前記非反応性のパージガスは、前記分離区画の下端に配された前記パージサプライを介して前記分離区画内に供給され、前記分離区画内に閉じ込められた前記反応性ガスをパージすることは、上方の前記反応性ガスを前記分離区画の外へ強制的に排出することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[001] 本願は、2016年11月10日に出願された、「SYSTEMS, APPARATUS, AND METHODS FOR AN IMPROVED LOAD PORT」と題する米国非仮特許出願第15/348,967号(代理人整理番号24538-04/USA)からの優先権を主張し、すべての目的のためにその全体が参照により本書に組み込まれる。
【0002】
[002] 本願は電子デバイス製造システムに関し、より具体的には、このようなシステム用に改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] クリーンルームからの酸素は、酸化などの有害な影響を基板(例えば、半導体ウエハ)に及ぼしうる。したがって、基板は一般的に密閉されたキャリア内に保存、及び/又は非反応性ガス(例えば、窒素)環境内に保持される。電子デバイス処理システムは、機器フロントエンドモジュール(EFEM)に連結されたロードポート、又はクリーンルームと処理ツールとの間のファクトリインターフェースを使用する。オペレータ又は材料ハンドリングシステムは、基板が処理システムに装填され、処理システムから取り外されるように、基板キャリアをロードポートの上に載せることができる。クリーンルームはオペレータのために酸素環境を有するが、一方、処理システムのEFEMは一般的に基板を保護するため窒素環境を有する。理想的には、EFEMは処理システムから酸素を締め出すためにバリアを提供するが、場合によっては、ロードポートは酸素による汚染の原因となりうる。そのため、改良されたロードポートを含むシステム、装置、及び方法が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
[004] 幾つかの実施形態では、ロードポートシステムが提供される。ロードポートシステムは、ドックとキャリアオープナーを支持するフレームと、キャリアオープナーを上げ下げするように動作可能なエレベータと、エレベータがその中で動くように動作可能な分離区画(isolation compartment)であって、装置フロントエンドモジュール(EFEM)の空間から分離された空間を含む分離区画と、分離区画内に閉じ込められた反応性ガスを分離区画からパージするように動作可能な分離区画内のパージサプライとを含む。
【0005】
[005] 他の幾つかの実施形態では、ロードポートが提供される。ロードポートは、ハウジングとフレームによって画定されたエレベータのための分離区画であって、ロードポートに連結可能な機器フロントエンドモジュール(EFEM)の空間から分離された空間を含む分離区画と、分離区画内に閉じ込められた反応性ガスを分離区画からパージするように動作可能な分離区画内のパージサプライとを含む。
【0006】
[006] 更に他の実施形態では、機器フロントエンドモジュール(EFEM)システムをパージするための方法が提供される。方法は、EFEMシステムを通過する基板と反応しないガスでEFEMを満たすことと、分離区画内に配置された非反応性ガスサプライを用いて、分離区画内に閉じ込められた反応性ガスをEFEMに連結されたロードポートの分離区画からパージすることとを含む。
【0007】
[007] 実施形態の更に他の特徴、態様、及び利点は、本実施形態を実施するために想定されるベストモードを含む幾つかの例示的な実施形態及び実装を示すことにより、以下の詳細説明、添付の特許請求の範囲、及び付随する図面から、より十分に明らかになるであろう。実施形態はまた、他の種々の応用も可能であってよい。本実施形態の幾つかの詳細事項は様々な点で改変されうるが、それらはすべて本開示の実施形態の範囲から逸脱するものではない。したがって、図面及び説明は、本質的に例示的であると見なすべきであり、限定的であるとは見なすべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。本明細書の記載は、特許請求の範囲の精神及び範囲に該当するすべての改変例、均等物、及び代替例を網羅するように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】幾つかの実施形態による、電子デバイス処理システムの実施例を示すブロック図である。
図1B】幾つかの実施形態による、電子デバイス処理システムの実施例を示すブロック図である。
図2A】幾つかの実施形態による、下方ハウジングが実装された状態にある例示的なロードポートを示す正面等角図である。
図2B】幾つかの実施形態による、下方ハウジングが除去された状態にある例示的なロードポートを示す正面等角図である。
図3】幾つかの実施形態による、例示的なロードポートを示す背面等角図である。
図4】幾つかの実施形態による、例示的なロードポートを示す背面平面図である。
図5】幾つかの実施形態による、電子デバイス処理システムをパージする例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014] 本書に記載の実施形態は、電子デバイス製造システムの機器フロントエンドモジュール(EFEM)に、改良されたロードポートのためのシステム、装置、及び方法を提供する。
EFEMは一般的に、処理ツールの中へ装填される基板と反応しないガス(例えば、窒素)が満たされた閉鎖環境を提供する。EFEMは、クリーンルーム環境(例えば、ロードポートによって密閉された基板キャリア内の)と処理システムの内部との間で基板を移送することができるロボットを含む。使用時には、EFEMは理想的には正圧に維持された窒素のみの環境である。しかしながら、気密密閉はクリーンルームとEFEMとの間で連続的には維持されていない。例えば、保守中には、作業員が安全に入ることができるように、EFEMには酸素が導入される。その後、残存する酸素を強制的に排出するため、EFEMは再び窒素で満たされる。
【0010】
[0015] 発明者は、EFEMに連結された従来のロードポートがロードポートの分離区画に残りうる酸素を閉じ込めることがあり、とりわけ、ドッキングされた基板キャリアからの基板移送中に、ロードポートのキャリアオープナーが開放され下げられているときには、酸素はゆっくりと漏れてEFEMに入りうることを明らかにした。分離区画は、基板キャリアを開放するときに、ロードポートのキャリアオープナーを上げ下げするため、エレベータが上下に直進するロードポートの下方部分内の取り囲まれた空間である。分離区画はEFEMと流体連通しており、エレベータの運動は、分離区画内に閉じ込められている酸素をEFEMへ押し出しうる。
しかも、酸素は基板材料と反応し、EFEMを通る基板を汚染することがあるため、EFEMが窒素で満たされた後に、ロードポートの分離区画から酸素が徐々に漏れることは特に問題となる。実施形態によっては、EFEMが窒素で満たされると酸素が除去されるように、閉じ込められている酸素を強制的に排出するように動作可能な、ロードポートの分離区画内の専用の窒素パージサプライを提供することによって、この問題を解決する。幾つかの実施形態では、専用の窒素パージサプライと共に、或いは専用の窒素パージサプライなしで、ロードポートから酸素を強制的に排出するため、分離区画内のファンが使用される。幾つかの実施形態では、EFEM内のファンは、専用の窒素パージサプライと共に、或いは専用の窒素パージサプライなしで、ロードポートから酸素を引き出すために使用される。
【0011】
[0016] 図1A及び図1Bに注目すると、幾つかの実施形態による、例示的な電子デバイス処理システム100のブロック図が示されている。図1B図1Aと同じシステム100を示しているが、(例えば、反応性の)酸素環境と(例えば、非反応性の)窒素環境との間の境界を画定する垂直の破線101を含む。システム100は、EFEM104に連結された基板処理ツール102を含む。EFEM104は、ドッキングトレイ108を支持するフレーム106、キャリアオープナー110、エレベータ112、及びロードポートハウジング116によって囲まれた分離区画114を含むロードポート105に連結されている。ロードポートハウジング116はまた、コントローラ118を支持する制御構成要素ボードと、分離区画パージサプライ120とを取り囲む。
【0012】
[0017] ドッキングトレイ108は、基板キャリア122(例えば、前方開口型統一ポッド(FOUP))を受容するように適合される。基板キャリア122はキャリアオープナー110を介してアクセスされ、キャリアオープナー110は、EFEM104内でキャリアオープナー110を上下に動かすエレベータ112によって邪魔にならないように下げられ、分離区画114のエレベータ112から延在するエレベータアーム124によって運ばれる。分離区画114はエレベータ112を含む。ロードポートハウジング116、すなわち、分離区画114によって取り囲まれた空間は、フレーム106を通って延在する構成要素を動かすための開口部(図3の302を参照)によって、EFEM104と流体連通していることに留意されたい。
【0013】
[0018] 図1Bの垂直破線によって示されているように、システム100の左側の構成要素は、酸素環境内、例えば、クリーンルーム内に保持されてよく、一方、システム100の右側の構成要素は、理想的には非反応性ガス(例えば、窒素)環境内に保持される。ガスは基板に対して非反応性となるように選択される。
【0014】
[0019] 動作中、酸素を強制的に排出するため、EFEM104は最初に窒素で満たされる。しかしながら、酸素が分離区画114内に閉じ込められ、分離区画114内に配置された専用の分離区画パージサプライ120を用いてパージされる。代替的に又は追加的に、分離区画114(すなわち、ロードポートハウジング116によって取り囲まれた空間)は、ロードポートハウジング116内に配置されたファンを用いてパージされるか、分離区画114に隣接するEFEM104内のファン又は真空源を用いて引き出される。酸素がEFEM104から流し出されると、基板を基板処理ツール102に提供するため、又は基板処理ツール102から受け取るために、基板キャリア122はロードポート105にドッキングされうる。キャリアオープナー110はエレベータ112によって下げられる。基板はロボット(図示せず)によって基板キャリア122に挿入され、又は基板キャリア122から取り除かれ、次に基板キャリア122を再密閉するため、キャリアオープナー110は上げられる。図1A及び図1Bに点線で示したように、ロードポートハウジング116内の(プログラムされたプロセッサ及びプロセッサで実行可能な命令を記憶するメモリを含む)コントローラ118は、その動作を制御するため、アクティブな構成要素の各々に連結可能である。
【0015】
[0020] 幾つかの実施形態では、分離区画114内のパージサプライ120は、分離区画114の下端に配置され、上方の閉じ込められた反応性ガスを、分離区画114の外へ強制的に排出するように構成されている。幾つかの実施形態では、分離区画114内のパージサプライ120は分離区画114の上端に配置され、下方の閉じ込められた反応性ガスを、分離区画114の外へ強制的に排出するように構成されている。幾つかの実施形態では、分離区画114は、パージサプライ120に対向する分離区画114の端部に配置された換気開口部を含む。換気開口部は、ガスを分離区画から外に排出することはできるが、戻すことはできない一方向のチェックバルブを含む。幾つかの実施形態では、パージサプライ120は、パージサプライ120に関して上記で説明された構成のいずれかで配置されたファンで置き換えることができる。
【0016】
[0021] 図2A及び図2Bは、ロードポート105の例示的な実施形態の正面等角図を示している。図2Aではロードポートハウジング116が実装されており、図2Bではロードポートハウジング116が除去されていることに留意されたい。また、図2A及び図2B、並びに図3及び図4では、構成要素の異なる図が示されるときでも、同じ構成要素を参照するときには同一の参照番号が使用されることに留意されたい。図2Bでは、図1A及び図1Bに関して上記で説明した制御構成要素ボード202が見ることができる。
【0017】
[0022] 図3は、ロードポート105の例示的な実施形態の背面等角図を示し、図4は、その背面平面図を示す。これらの図では、分離区画114の開口部302が明瞭に示されている。分離区画114内の空間は、EFEM104(図1)内の空間から部分的に分離されているが、エレベータアーム124用の開口部302のために、分離区画114はEFEM104と流体連通している。EFEM104環境への粒子の移動を最小限にするため、開口部302は最小限になっていることに留意されたい。したがって、開口部302によって分離される2つの空間、EFEM104環境と分離区画114空間がある。2つの空間をつなぐ小さな開口部302のみがあるため、パージサプライが導入されていないと、反応性ガスは分離区画114の空間内に閉じ込められる。閉じ込められた酸素が分離区画114からパージされないと、特に、キャリアオープナー110を上げ下げするため、エレベータ112が分離区画114内を通って動くときには、酸素は漏れてEFEM104内の空間に入る。
【0018】
[0023] 幾つかの実施形態では、分離区画パージサプライ120は、約10lpmから約100lpmの範囲内の流量で、かつ約0.5inWCから約3inWCの範囲内の圧力で、非反応性ガス(例えば、窒素)を供給する。その他の範囲も可能である。幾つかの実施形態では、EFEMパージサプライ(図示せず)は、約20lpmから約1000lpmの範囲内の流量で、かつ約0.5inWCから約3inWCの範囲内の圧力で、非反応性ガス(例えば、窒素)を供給する。その他の範囲も可能である。ファンを含む代替的な実施形態では、約10lpmから約100lpmでガスを移動するファンが選択されうる。
【0019】
[0024] ここで図5を参照すると、実施形態の例示的な方法500を示すフロー図が提供されている。最初に、酸素を強制的に排出するため、システム100の基板処理ツール102(すなわち、EFEM104)の側は、非反応性ガス(例えば、窒素)で満たされる(502)。同時に、或いは遅れて、分離区画114に閉じ込められている酸素は、専用の分離区画パージ120を用いてパージされる(504)。代替的に又は追加的に、任意の閉じ込められた酸素を分離区画114からパージするためにファンが使用される。酸素が分離区画114とEFEM104から流し出された後、基板キャリア122はロードポート105にドッキング可能である(506)。あるいは、基板キャリア122がロードポート105にドッキングされて、その後、分離区画114とEFEM104が、基板キャリア122を開く前にパージされてもよい。キャリアオープナー110は基板キャリア122を開き、次に基板キャリア122のドアと共にエレベータ112によって下げられる(508)。基板は基板キャリア122に挿入され、又は基板キャリア122から取り除かれ、次に基板キャリア122を再密閉するため、キャリアオープナー110は上げられる(510)。
【0020】
[0025] 本開示では数々の実施形態が記載されているが、これらは例示目的でのみ提示されている。記載の実施形態は、いかなる意味においても限定的なものではなく、限定的であることも意図されてもいない。本開示の実施形態は、本開示から容易に明らかなように、数々の実装形態に広く適用可能である。開示される実施形態が、構造、論理、ソフトウェア、電気に関する変更といった、様々な変更及び修正をして実施されうることは、当業者に認識されるであろう。開示される本発明の実施形態の特定な特徴は、一又は複数の特定の実施形態及び/又は図面に関連して記載されうるが、別途明示されない限り、こうした特徴は、関連して記載されているところの一又は複数の特定の実施形態又は図面における使用に限定されないことを理解されたい。
【0021】
[0026] 本開示は、すべての実施形態の逐語的な記載でもなければ、すべての実施形態に存在しなければならない実施形態の特徴の羅列でもない。本開示は、幾つかの実施形態の実施可能な説明を当業者に提供する。これらの実施形態の幾つかは、本願では特許請求されないかもしれないが、それに関わらず、本願の優先権の利益を主張する一又は複数の継続出願で特許請求されうる。
【0022】
[0027] 前述の説明は、例示的な実施形態を開示しているにすぎない。特許請求の範囲に含まれる、上記で開示された装置、システム、及び方法の修正例が、当業者には容易に自明であろう。したがって、実施形態は、その例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態も、付随する特許請求の範囲によって決まる意図した主旨及び範囲に含まれうることを、理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5