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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】除電装置、除電方法、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/08 20060101AFI20220222BHJP
   G03G 15/02 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
G03G21/08
G03G15/02 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017147204
(22)【出願日】2017-07-28
(65)【公開番号】P2019028234
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】深尾 剛
(72)【発明者】
【氏名】田口 信幸
(72)【発明者】
【氏名】岡本 倫哉
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 信哉
(72)【発明者】
【氏名】桑原 延雄
(72)【発明者】
【氏名】野寺 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】島本 將成
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212365(JP,A)
【文献】特開昭56-064359(JP,A)
【文献】特開2017-016088(JP,A)
【文献】特開2013-029797(JP,A)
【文献】国際公開第2011/030421(WO,A1)
【文献】特開2000-250370(JP,A)
【文献】実開平03-035553(JP,U)
【文献】特開2012-163864(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0183333(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/08
G03G 15/02
G03G 21/00
G03G 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、静電潜像を形成する前の前記像担持体を一様に帯電する帯電手段と、表面移動する前記像担持体上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を被転写材に転写した後、前記帯電手段で一様帯電する前に、前記像担持体上に光を照射して除電する光源を備える除電装置とを有する画像形成装置において、
前記光源は、前記像担持体の前記帯電手段による被帯電部の一部を照射し、
前記像担持体の副走査方向における位置の変更動作が可能であり、
前記像担持体の表面移動速度が第1の速度のときに前記被帯電部の一部に照射する位置である高線速用位置と、
前記高線速用位置よりも前記像担持体の表面移動方向の下流側であって、前記像担持体の表面移動速度が前記第1の速度よりも遅い第2の速度のときに前記被帯電部の一部に照射する位置である低線速用位置とで変更動作することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記帯電手段は、帯電部材に直流と交流を重畳した電圧を印加して帯電させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記光源からの光の照射量が変更可能であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
像担持体と、静電潜像を形成する前の前記像担持体を一様に帯電する帯電手段と、表面移動する前記像担持体上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を被転写材に転写した後、前記帯電手段で一様帯電する前に、前記像担持体上に光を照射して除電する光源を備える除電装置とを有する画像形成装置による画像形成方法において、
前記画像形成装置として、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置を用いたことを特徴とする画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体等の像担持体に光を照射して除電する除電装置、これに用いる除電方法、及びこれらを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置では、表面移動する像担持体上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を記録材や中間転写体等の被転写材に転写した後、帯電手段で一様帯電する前に、像担持体上に光源から光を照射して除電する除電装置を備えたものが知られている。このように一様帯電する前に除電することで、像担持体上の静電的な履歴を削除して、帯電手段で一様帯電したときの像担持体上の電位ムラを低減し、画像品質の悪化や、異常画像の発生を抑制するというものである。
【0003】
特許文献1には、像担持体(感光体ドラム)の帯電手段(帯電器)による被帯電部の一部(第2の除電領域)を第二の光源(第2の除電器)、被帯電部よりも像担持体の表面移動方向上流側(第1の除電領域)を第一の光源(第1の除電器)で除電する除電装置が記載されている。このような除電装置を備えることで、画像形成時に像担持体に残留する転写メモリを除去して、転写メモリによる画像ムラを改善して、高画質を得ることができるとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の除電装置では、像担持体の表面移動速度を変化させた場合に、帯電手段による像担持体の帯電量が変化してしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、像担持体と、静電潜像を形成する前の前記像担持体を一様に帯電する帯電手段と、表面移動する前記像担持体上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を被転写材に転写した後、前記帯電手段で一様帯電する前に、前記像担持体上に光を照射して除電する光源を備える除電装置とを有する画像形成装置において、前記光源は、前記像担持体の前記帯電手段による被帯電部の一部を照射し、前記像担持体の副走査方向における位置の変更動作が可能であり、前記像担持体の表面移動速度が第1の速度のときに前記被帯電部の一部に照射する位置である高線速用位置と、前記高線速用位置よりも前記像担持体の表面移動方向の下流側であって、前記像担持体の表面移動速度が前記第1の速度よりも遅い第2の速度のときに前記被帯電部の一部に照射する位置である低線速用位置とで変更動作することを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、像担持体の表面移動速度を変化させても、帯電手段による像担持体の帯電量が変化するのを抑制できる除電装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る複写機の概略構成図。
図2】一実施形態に係る四つの画像形成部のうちの一つの説明図。
図3】複数の線速で複写機を駆動する場合の各線速における、理想的なQL光のQL照度分布の説明図。
図4】理想的なQL照度分布と、QL照度分布の過不足時におきる不具合についての説明図。
図5】従来の除電装置で必要だったQL光の照度分布についての説明図。
図6】近年の除電装置で必要な照度分布についての説明図。
図7】実施例1の除電装置に有したQL装置の照射角を可変に構成し、高線速と低線速で理想の照度分布を実現した一例の説明図。
図8】実施例2の除電装置に有したQL装置の感光体の副走査方向の位置を変更可能にすることで、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例の説明図。
図9】実施例3の除電装置に有したQL装置に、照射するQL光の範囲を規制するシャッターを設け、シャッターの移動でQL光の照度分布を変更にすることで、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、タンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機600」という。)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機600の概略構成図である。
図1に示すように、複写機600は、プリンター部100、給紙装置200、スキャナ300及び原稿自動搬送装置(ADF)400を備える。プリンター部100は給紙装置200に載せられており、スキャナ300はプリンター部100の上に取り付けられている。原稿自動搬送装置400は、スキャナ300の上に取り付けられている。複写機600は、タンデム型で中間転写(間接転写)方式を採用する電子写真複写機である。
【0009】
プリンター部100には、その中央に、無端状ベルトからなる像担持体としての中間転写体である中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、三つの支持回転体としての第一支持ローラ14、第二支持ローラ15及び第三支持ローラ16に掛け渡されており、第二支持ローラ15を駆動ローラとして図1中の時計回り方向に回転移動する。また、三つの支持ローラのうち、第一支持ローラ14と第二支持ローラ15との間に張り渡したベルト部分には、各色に対応した四つの画像形成部18が対向配置されている。具体的には、中間転写ベルト10の表面移動方向に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の四つの画像形成部18(Y,M,C,K)が並べて配置されたタンデム型画像形成部20が対向配置されている。タンデム型画像形成部20の上方には、露光手段としての露光装置21が設けられている。
【0010】
四つの画像形成部18(Y,M,C,K)と対向する中間転写ベルト10の内周面側には、四つの一次転写ローラ62(Y,M,C,K)がそれぞれ中間転写ベルト10に接触するように配設されている。一次転写ローラ62(Y,M,C,K)は、電源から一次転写バイアスが印加される。この一次転写ローラ62(Y,M,C,K)により、画像形成部18(Y,M,C,K)で形成された各トナー像を中間転写ベルト10上に順次転写する。そして、中間転写ベルト10上には多重トナー像からなる合成カラートナー像が形成される。
【0011】
中間転写ベルト10を挟んでタンデム型画像形成部20の反対側には、第二の転写手段としての二次転写装置22が設けられている。この二次転写装置22では、第一転写搬送ローラ231と第二転写搬送ローラ232との二つのローラ間に記録材搬送部材としての無端状ベルトである二次転写ベルト24が掛け渡されている。この二次転写ベルト24は、中間転写ベルト10を介して第三支持ローラ16に押し当てられるように設けられている。この二次転写装置22により、中間転写ベルト10上のトナー像を記録材であるシートSに転写する。
【0012】
中間転写ベルト10の表面移動方向について二次転写装置22よりも下流側である第二支持ローラ15の図中左側には、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーニング装置17が設けられている。
【0013】
また、二次転写装置22の図1中の左側には、シートS上に転写されたトナー像を定着する定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱される無端状ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27が押し当てられた構成となっている。二次転写装置22には、中間転写ベルト10からトナー像を転写された後のシートSを定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備わっている。二次転写装置22としては、転写ローラや非接触の転写チャージャを使用してもよく、そのような場合は、二次転写装置22にシート搬送機能を併せて持たせることが難しくなる。また、本実施形態の複写機600では、二次転写装置22と定着装置25との下方に、上述したタンデム型画像形成部20と平行に、シートSの両面に画像を記録すべく、シートSを反転するシート反転装置28を備えている。
【0014】
この複写機600を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、コピー開始ボタンを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動する。
【0015】
他方、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動する。次いで、第一走行体33および第二走行体34を走行させる。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0016】
この原稿読み取りに並行して、中間転写ベルト10の駆動源である駆動モータで、駆動ローラである第二支持ローラ15を回転駆動させる。これにより、中間転写ベルト10が図1中の時計回り方向に表面移動するとともに、この移動に伴って従動ローラである残り二つの支持ローラ(14,16)が連れ回り回転する。
【0017】
また、これと同時に、個々の画像形成部18(Y,M,C,K)においてドラム状の感光体40(Y,M,C,K)を回転させている。この回転させている各感光体40(Y,M,C,K)上に、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒の色別の画像情報を用いてそれぞれ露光現像し、各色のトナー像(顕像)を形成する。そして、各感光体40(Y,M,C,K)上のトナー像を中間転写ベルト10上に互いに重なり合うように順次転写して、中間転写ベルト10上に合成カラートナー像が形成される。
【0018】
このような画像形成に並行して、給紙装置200の給紙ローラ42の一つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の一つからシートSを繰り出す。繰り出したシートSを、分離ローラ45で一枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送してプリンター部100内の給紙路に導き、レジストローラ対49に突き当てて止める。又は、手差し給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートSを繰り出し、手差し分離ローラ52で一枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ対49に突き当てて止める。その後、中間転写ベルト10上の合成カラートナー像にタイミングを合わせてレジストローラ対49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートSを送り込む。そして、二次転写装置22で転写してシートS上にカラートナー像を転写する。
【0019】
トナー像転写後のシートSは、二次転写ベルト24によって搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25において定着ベルト26と加圧ローラ27とにより熱と圧力とが加えられて転写トナー像が定着される。その後、転写トナー像が定着されたシートSを、切換爪55で搬送先を切り替えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。又は、切換爪55で搬送先を切り替えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0020】
トナー像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、トナー像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム型画像形成部20による再度の画像形成に備える。
また、この複写機600は、シートSの厚さ等が変化して定着に必要な熱量が変化した場合、感光体40(Y,M,C,K)、中間転写ベルト10、及び定着ベルト26を駆動するときに設定できる線速幅が大きい。例えば、高線速で作像するときの線速に対し、低線速で作像するときの線速を半分とする半速モードにすることも可能である。ここで、半速モードにするときは、感光体40(Y,M,C,K)、中間転写ベルト10、及び定着ベルト26等を駆動する順序などは同一となるが、これらの駆動速度のみを半速とする。
【0021】
次に、タンデム型画像形成部20の画像形成部18(Y,M,C,K)について、図を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係る四つの画像形成部18(Y,M,C,K)のうちの一つの説明図である。四つの画像形成部18(Y,M,C,K)は、それぞれが扱うトナーの色が異なる点の他がほぼ同様の構成になっているので、以下、使用するトナーの色を示す「Y」、「M」、「C」、「K」という添字は適宜省略する。
【0022】
図2に示すように、画像形成部18は、像担持体としてのドラム状の感光体40を有している。感光体40の周りには、帯電手段としての帯電ローラ60、現像手段としての現像装置61、クリーニング手段である感光体クリーニング装置63、及び除電装置70の光源であるQL装置71(QLランプ)等が配置されている。ここで、本実施形態では帯電手段として、接触帯電方式であり、帯電ニップの感光体40の表面移動方向上流側近傍に帯電手段からの放電領域、つまり被帯電部が形成される帯電ローラ60を備えた例について説明する。そして、この被帯電部の一部は、除電装置70の光源であるQL装置71により除電光(以下、適宜、QL光という。)が照射される。しかし、本実施形態の要旨を適用可能な帯電手段は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、非接触ローラ等の非接触方式の帯電手段にも適用可能である。
【0023】
画像形成時には、感光体40は、駆動モータによって図2中の矢印A方向に回転駆動される。そして、感光体40は、その表面である感光体表面40aを、直流と交流を重畳した電圧が印加される帯電ローラ60によって一様帯電された後、露光装置21からの上述した原稿等の画像データを書込露光Lによって露光されて静電潜像が形成される。スキャナ300からの画像データに基づくカラー画像信号は、画像処理部で色変換処理などの画像処理が施され、Y、M、C、Kの各色の画像信号として露光装置21へ出力される。露光装置21は、画像処理部からの画像信号を光信号に変換し、この光信号に基づいて一様に帯電された感光体40の表面を走査して露光することで静電潜像を形成する。
【0024】
現像装置61は、内部に収容されるキャリアとトナーからなる二成分現像剤を表面に担持して、感光体40との対向部まで搬送する現像剤担持体としての現像ローラ61aを備えている。現像ローラ61aには、電源より現像バイアスが印加されており、感光体40上の静電潜像と、現像ローラ61aとの間の電位差である現像ポテンシャルが形成される。この現像ポテンシャルによる現像電界の作用で、現像ローラ61a上の現像剤に含まれるトナーが感光体40の静電潜像に転移することで、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
【0025】
また、現像装置61内には、現像装置61内に収容された現像剤を攪拌搬送する現像剤搬送スクリュ61bを備えている。この現像装置61により、感光体40上に形成されたトナー像は、上述したように中間転写ベルト10上に一次転写される。トナー像を転写した後の感光体40は、感光体クリーニング装置63によって残留トナーがクリーニングされ、除電装置70のQL装置71から照射されるQL光により光除電されて、次の画像形成に備えられる。
【0026】
この複写機600には、形成する画像の色がフルカラーのときにはすべての感光体40(Y,M,C,K)を中間転写ベルト10表面に接触させておくフルカラーモードを備えている。さらに、黒単色のときにはK色以外の感光体40(Y,M,C)を中間転写ベルト10の表面から離間させるモノクロモードも備えている。また、複写機600には、スキャナで読み取った原稿画像がモノクロ画像かカラー画像かを検知して、自動的にモノクロモードとフルカラーモードとに切替るオートカラーチェンジモードも備えている。
【0027】
以下、本実施形態の複写機600の最大の特徴部である除電装置70について、図を用いて説明する。
本実施形態の複写機600は、除電装置70について、以下の特徴を有する。
除電装置70は、画像形成を行うときの各プロセスユニットの線速に応じて、1つのQL装置71で、QL光の光量と、それ以外のもう一つの制御因子で、被帯電部:DAの一部と被帯電部以外へ照射するQL光(除電光)の照射量とを制御できる。ここで、もう一つの制御因子としては、例えば感光体40に対して照射角度を可変にすることが挙げられる。
要するに、被帯電部:DAの一部へのQL光の照射と、被帯電部以外へのQL光の照射の制御を、小さい除電装置70で(省スペースで)行うことが特徴になっている。
【0028】
ここで、以下の説明に用いる各図では、除電装置70に有するQL装置71のみ記載し、他の保持体等については記載を省略するとともに、感光体40の感光体表面40aについては円弧ではなく、直線状に記載したものを用いる。
まず、複数の線速で複写機600を駆動できる場合の、各線速における、理想的なQL光の照度分布(以下、適宜、QL照度分布という。)について説明する。
図3は、複数の線速で複写機600を駆動する場合の各線速における、理想的なQL光のQL照度分布の説明図である。また、図3(a)が超高線速の場合、図3(b)が高線速の場合、図3(c)が低線速の場合、図3(d)が超低線速の場合を示している。
そして、各図に示す両矢印線の内、符号DAで示した両矢印線は帯電ニップ中心から感光体40の表面移動方向上流側の被帯電部:DAを示している。また、符号Daで示した両矢印線はQL装置71による被帯電部の除電領域:Daを示し、符号Raで示した両矢印線はQL装置71による被帯電部以外の除電領域:Raを示し、符号RRで示した両矢印線はQL装置71による除電領域:RRを示している。
【0029】
また、図3(a)に記した符号LVHは感光体表面40a上でのQL装置71の光軸と帯電ニップ中心(帯電ローラ60の回転中心)との距離を、符号QLVHu0はQL光の上流側境界を、符号QLVHd0はQL光の下流側境界を示している。
また、図3(b)に記した符号Lは感光体表面40a上でのQL装置71の光軸と帯電ニップ中心との距離を、符号QLHu0はQL光の上流側境界を、符号QLHd0はQL光の下流側境界を示している。
また、図3(c)に記した符号Lは感光体表面40a上でのQL装置71の光軸と帯電ニップ中心との距離を、符号QLLu0はQL光の上流側境界を、符号QLLd0はQL光の下流側境界を示している。
また、図3(d)に記した符号LVLは感光体表面40a上でのQL装置71の光軸と帯電ニップ中心との距離を、符号QLVLu0はQL光の上流側境界を、符号QLVLd0はQL光の下流側境界を示している。
【0030】
除電装置70の光源であるQL装置71から照射するQL照度分布には、複写機600を駆動するときの各プロセスユニットの線速に対して線速依存性があり、図3に示すように各プロセスユニットの線速が早い方が、照射領域(照射面積)を広くしなければならない。
複写機600では、除電装置70による除電と、帯電ローラ60による帯電のバランスをとり、感光体表面40aの電位ムラを少なくするためには、次のようなQL光の照射量の管理を行う必要がある。被帯電部:DAへのQL光の照射量(被帯電部の除電領域:Da)と除電領域:RRへのQL光の照射量(QL装置71による除電領域:RR)を管理する必要である。
【0031】
つまり、単位面積当たりの被帯電部の除電領域:Daへの照射量を、各線速で合わせるとともに、単位面積当たりの感光体40(感光体表面40a)の除電領域:RRへの照射量も、各線速で合わせる必要がある。これらのように単位面積当たりの各領域への照射量をそれぞれ、各線速で合わせることで、線速が変化しても感光体表面40a上の単位面積が照射される照射量を同じにすることができる。したがって、除電装置70による除電と、帯電ローラ60による帯電のバランスを取り、感光体表面40aの電位ムラを少なくすることができる。
【0032】
その理由は、単位面積当たりの照射される感光体40上の領域への照射量の過不足によって、電位ムラや感光体40の光疲労の原因になるからである。
具体的な例を、図4を用いて説明する。
図4は、理想的なQL照度分布と、QL照度分布の過不足時におきる不具合についての説明図であり、図4(a)が理想的なQL照度分布を示している。そして、図4(b)が感光体40の表面移動方向上流側が広くなったQL照度分布を示し、図4(c)が感光体40の表面移動方向上流側が狭くなったQL照度分布を示している。また、図4(d)が感光体40の表面移動方向下流側に広くなったQL照度分布を示し、図4(e)が感光体40の表面移動方向下流側が狭くなったQL照度分布を示している。
【0033】
図4図中、左に記した図4(a)は、QL装置71の光軸に対するQL光の上流側境界線:QLu0と下流側境界線:QLd0とが軸対称となった理想的なQL照度分布の状態を示している。
一方、図4図中、右に記した図4(b)~図4(e)は、それぞれQL照度分布が過不足した状態を示しており、図4(b)に記した符号QLu1図4(b)における実際のQL光の上流側境界を示している。また、図4(c)に記した符号QLu2図4(c)における実際のQL光の上流側境界を、図4(d)に記した符号QLd1図4(d)における実際のQL光の下流側境界を、図4(e)に記した符号QLd2図4(e)における実際のQL光の下流側境界を示している。
【0034】
ここで、図4(b)に示すように理想のQL照度分布よりも、実際のQL照度分布が上流側で広い、つまり実際の上流側境界:QLu1が理想の上流側境界:QLu0よりも上流側にある場合、感光体40はEの分だけ過剰に照射されることとなる。これにより、感光体40は、Eの分だけ過剰に照射されたQL光によって経時劣化(以下、適宜、光疲労という。)が早まり(悪化)し、電位特性が劣化して電位ムラが悪化してしまう。
逆に、図4(c)に示すように理想のQL照度分布よりも、実際のQL照度分布が上流側で狭い、つまり実際の上流側境界:QLu2が理想の上流側境界:QLu0よりも下流側にある場合、感光体40はSの分だけ不足した状態でQL光が照射されることとなる。これにより、感光体40は、Sの分だけ除電が不十分となり、電位ムラが悪くなって、異常画像等の出力をしてしまう。
【0035】
一方、図4(d)に示すように被帯電部:DAへのQL光の照射領域が広い、つまり実際の下流側境界:QLd1が理想の下流側境界:QLd0よりも下流側にある場合、感光体40はEの分だけ過剰に照射されることとなる。これにより、感光体40は、Eの分だけ過剰に照射されたQL光によって帯電への影響が大きくなってしまい、電位ムラが悪くなってしまう。
逆に、図4(e)に示すように被帯電部:DAへのQL光の照射領域が狭い、つまり実際の下流側境界:QLd2が理想の下流側境界:QLd0よりも下流側にある場合、感光体40はSの分だけ不足した状態でQL光が照射されることとなる。これにより、感光体40は、Sの分だけ転写後のプラス帯電の除電が不十分になり、電位ムラが悪くなって、異常画像の出力をしてしまう。
【0036】
次に、従来の除電装置で必要だったQL光の照度分布について、図5を用いて説明する。
図5は、従来の除電装置で必要だったQL光の照度分布についての説明図であり、図5(a)が従来の除電装置で必要だった理想のQL光の照度分布を示し、図5(b)が従来の除電装置における実際のQL光の照度分布を示している。
また、図5(a)、(b)の低線速の左側の両矢印の符号DaL、符号RaL、及び符号RRLはそれぞれ低線速での、QL装置71による被帯電部の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
一方、図5(a)、(b)の高線速の左側の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ高線速での、QL装置71による被帯電部の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
【0037】
また、図5(a)に記した符号71LはQL装置71の理想の低線速用位置を、符号71HはQL装置71の理想の低線速用位置を示している。また、符号QLLu0は低線速のQL光の理想の上流側境界を、符号QLLd0は低線速のQL光の理想の下流側境界を、符号QLHu0は高線速のQL光の理想の上流側境界を、符号QLHd0は高線速のQL光の理想の下流側境界を示している。
一方、図5(b)に記した符号71はQL装置71、及びその実際の位置を示している。また、符号QLLu1は低線速のQL光の実際の上流側境界を、符号QLLd1は低線速のQL光の実際の下流側境界を、符号QLHu1は高線速のQL光の実際の上流側境界を、符号QLHd1は高線速のQL光の実際の下流側境界を示している。
そして、図5(a)、(b)の図中に「照射領域の変化量」との引き出しを記載した太い片矢印は、低線速と高線速を切り替えたときのQL光の照射領域の変化量を示している。
【0038】
従来の画像形成装置の場合、理想のQL光の照度分布としては、各プロセスユニットの高線速と低線速で作像するときの線速幅が小さく、線速が変わったときに変更するQL光の照射領域の変化量も、図5(a)に太い矢印で示すように小さくてよかった。このため、実際のQL光の照度分布としても、図5(b)に示すように、QL装置71の発光位置及びQL装置71の光量(QL装置71への印加バイアス)によって、調整することができていた。
具体的には、図5(a)に示すように発光位置を低線速用位置71Lと高線速用位置71Hとで切り替えることなく、図5(b)に示すようにQL装置71の発光位置及びQL装置71の光量を調整することで所望のQL光の照度分布を得ることができた。
【0039】
しかし、従来の画像形成装置では、画像形成装置の対応線速幅が広いと、図5(a)及び図5(b)に太い矢印で示した領域のQL光による照射領域の変化量が大きくなり、QL装置71の発行位置及びQL装置71の光量だけで調整することができない。
加えて、被帯電部:DAへのQL光の照射量の割合が異なると、線速が変わったときに電位ムラが大きくなる。また、除電領域:RRへのQL光の照射量の割合が異なると、電位ムラが大きくなったり、光疲労のリスクが高まったりする。
【0040】
次に、近年の除電装置で必要なQL光の照度分布について、図6を用いて説明する。
図6は、近年の除電装置で必要な照度分布についての説明図であり、図6(a)が近年の除電装置で必要な照度分布を示している。そして、図6(b)~図6(d)が理想の照度分布と実際の照度分布との差異の例をそれぞれ示している。
【0041】
具体的には、図6(a)に記した符号71LはQL装置71の理想の低線速用位置を、符号71HはQL装置71の理想の低線速用位置を示している。また、符号QLLu0は低線速のQL光の理想の上流側境界を、符号QLLd0は低線速のQL光の理想の下流側境界を、符号QLHu0は高線速のQL光の理想の上流側境界を、符号QLHd0は高線速のQL光の理想の下流側境界を示している。
また、図6(a)の低線速の左側の両矢印の符号DaL、符号RaL、及び符号RRLはそれぞれ低線速での理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
一方、高線速の左側の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ高線速での理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
そして、図6(a)の図中に「照射領域の変化量」との引き出しを記載した太い片矢印は、低線速と高線速を切り替えたときのQL光の照射領域の変化量を示している。
【0042】
また、図6(b)は理想の高線速用位置71Hに配置したQL装置71による実際の低線速と高線速の照度分布と、理想の低線速の照度分布と実際の低線速の照度分布との差異を示している。
また、QL光の各境界としては、図6(a)の各境界に加え、次の2つの符号が追加されており、符号QLLu1は低線速のQL光の実際の上流側境界を、符号QLLd1は低線速のQL光の実際の下流側境界を示している。
また、理想の低線速の照度との比較の左側には、図6(a)の低線速と同様に理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaL、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaL、及びQL装置71による除電領域:RRLが記されている。
また、これらの低線速の理想の除電領域の右側には、後述する実際の低線速の照度との差分:ELを太線の両矢印で記載している。
また、実際の低線速の照度の左側の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ低線速での実際の、QL装置71による被帯電部の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
【0043】
また、高線速の左側には、図6(a)の高線速と同様に理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaH、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaH、及びQL装置71による除電領域:RRHが記されている。但し、この図6(b)の光線速の左側に記載された照度分布は、理想の照度分布であるだけではなく、実際の照度分布でもある。
【0044】
また、図6(c)は理想の低線速用位置71Lに配置したQL装置71による実際の低線速と高線速の照度分布と、理想の高線速の照度分布と実際の高線速の照度分布との差異を示している。
また、QL光の各境界としては、図6(a)の各境界に加え、次の2つの符号が追加されており、符号QLHu1は高線速のQL光の実際の上流側境界を、符号QLHd1は高線速のQL光の実際の下流側境界を示している。
また、低線速の左側には、図6(a)の低線速と同様に理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaL、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaL、及びQL装置71による除電領域:RRLが記されている。
また、実際の高線速の照度との比較の左側の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ高線速での実際の、QL装置71による被帯電部の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。また、これらの高線速の実際の除電領域の右側には、後述する理想の高線速の照度との差分:SHを太線の両矢印で記載している。
【0045】
また、理想の高線速の照度の左側には、図6(a)の高線速と同様に理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaH、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaH、及びQL装置71による除電領域:RRHが記されている。但し、この図6(b)の光線速の左側に記載された照度分布は、理想の照度分布であるだけではなく、実際の照度分布でもある。
【0046】
また、図6(d)は高線速の理想の光軸と感光体表面40aの交点に、その光軸が交わる姿勢変化位置71Aに配置したQL装置71による実際の低線速と高線速の照度分布と、理想の低線速の照度分布と実際の低線速の照度分布との差異を示している。
また、QL光の各境界としては、図6(a)の各境界に加え、次の4つの符号が追加されており、符号QLLu1は低線速のQL光の実際の上流側境界を、符号QLLd1は低線速のQL光の実際の下流側境界を示している。また、符号QLHu1は高線速のQL光の実際の上流側境界を、符号QLHd1は高線速のQL光の実際の下流側境界を示している。
また、理想の低線速の左側には、図6(a)の低線速と同様に理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaL、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaL、及びQL装置71による除電領域:RRLが記されている。
また、実際の低線速の照度との比較の左側の両矢印としては、上述した低線速の理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaL、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaL、及びQL装置71による除電領域:RRLが記されている。
また、これらの低線速の理想の除電領域の右側には、実際の低線速の照度との差分:ELが太線の両矢印で記載されている。
【0047】
また、理想の高線速の照度の左側には、図6(a)の高線速と同様に理想の、QL装置71による被帯電部の除電領域:DaH、QL装置71による被帯電部以外の除電領域:RaH、及びQL装置71による除電領域:RRHが記されている。但し、この図6(b)の光線速の左側に記載された照度分布は、理想の照度分布であるだけではなく、実際の照度分布でもある。
【0048】
近年の画像形成装置は、小型化、高速化、そして様々な用紙等の記録材への対応が求められている。幅広い種類の記録材への出力に対応するために、例えば厚紙への定着で、線速を落とす必要があるため、幅広い線速に対応することが必要になった。
画像形成装置の対応線速幅が広いと、図6(a)に太い矢印で示すように、光線速と低線速でのQL光の照射領域の変化量が大きくなり、QL装置71の発光位置及びQL装置71の光量(QLの印加バイアス)だけで調整することができない。
このため、理想のQL光の照度分布としては、低線速時には、低線速用位置71LにQL装置71を配置し、高線速時には、高線速用位置71HにQL装置71を配置したときの照度分布が挙げられる。
【0049】
一方、実際のQL光の照度分布としては、次のようなものが挙げられる。
例えば、図6(b)に示すように、理想の高線速用位置71Hに配置したQL装置71による照度分布では、低線速では、差分:ELの分だけ除電領域が広すぎるため、感光体40が光疲労してしまい、帯電が乗りにくくなり、電位ムラが悪くなる。
また、図6(c)に示すように、理想の低線速用位置71Lに配置したQL装置71による照度分布では、高線速時に、差分:SHの分だけ除電領域が狭くなり、除電が不十分で、電位ムラが悪くなってしまう。
同様に、図6(d)に示すように、高線速の理想の光軸と感光体表面40aの交点に、その光軸が交わる姿勢変化位置71Aに配置したQL装置71による照度分布では、低線速で除電領域が差分:ELの分だけ広すぎる。このため、感光体40が光疲労してしまい、帯電しにくくなり(帯電が乗りにくくなり)、電位ムラが悪くなる。
【0050】
また、上述したように特許文献1には、次のような除電装置(除電器)を備えた画像形成装置が記載されている。
像担持体(感光体ドラム)の帯電手段(帯電器)による被帯電部の一部(第2の除電領域)を第二の光源(第2の除電器)、被帯電部よりも像担持体の表面移動方向上流側(第1の除電領域)を第一の光源(第1の除電器)で除電する除電装置である。
このような除電装置を備えることで、画像形成時に像担持体に残留する転写メモリを除去して、転写メモリによる画像ムラを改善して、高画質を得ることができるとされている。
【0051】
この特許文献1に記載の除電装置では、像担持体を除電する除電装置の光源を2つ配置することで、被帯電部と被帯電部以外の除電光の照射量を個別に制御できるものの、次のような不具合が発生する場合ある。
像担持体の表面移動速度を変化させた場合に、帯電手段による像担持体の帯電量が変化してしまう場合である。
この不具合は、近年の画像形成装置に対する高速化、及び幅広い用紙等の記録材への出力対応の要請により、被帯電部の一部を除電装置で除電するときの除電時間の変化量が大きくなっていることに起因している。具体的には、従来の除電装置では、光源に印加する除電バイアス等を調整して被帯電部の一部を除電するときの除電量を調整していたが、除電時間の変化量が大きくなってしまうと、安定的に所望の除電量を得ることができず、過不足が生じる場合があるためである。
【0052】
ここで、幅広い記録材への出力対応の要請により、被帯電部の一部を除電装置で除電するときの除電時間の変化量が大きくなっている理由は、例えば厚紙への定着では表面移動速度を落とす必要があり、幅広い表面移動速度への対応が必要になったためである。
また、ある程度、除電の効果を維持しつつ、帯電への影響を小さくして、電位ムラを抑えることができた場合であっても、除電装置の光源を2つ配置しているので、画像形成装置が大型化してしまうおそれがある。
【0053】
そこで、発明者らは、像担持体の表面移動速度を変化させても、帯電手段による像担持体の帯電量が変化するのを抑制できる除電装置を提供できないか検討を重ねた。
また、除電と帯電のバランスを維持しつつ、画像形成装置の高速化、及び幅広い記録材への出力対応の要請に応えることができる除電装置を提供できないか検討を重ねた。
また、画像形成装置の高速化、及び幅広い記録材への出力対応の要請に十分に応えつつ、画像形成装置を小型化できる除電装置を提供できないか検討を重ねた。
そして、これらの検討を重ねた結果、詳しくは後述する除電装置70の構成を見出した。
以下に、発明者らが見出した除電装置70の構成について、複数の実施例を挙げて説明する。
【0054】
(実施例1)
まず、本実施例の除電装置70に有したQL装置71の照射角を可変に構成することで、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例について、図7を用いて説明する。
図7は、本実施例の除電装置70に有したQL装置71の照射角を可変に構成し、高線速と低線速で理想の照度分布を実現した一例の説明図であり、図7(a)が高線速の照度分布の説明図、図7(b)が低線速の照度分布の説明図である。
【0055】
また、図7(a)に記した符号71Hは、照射角を可変に構成するときのQL装置71の理想の高線速用位置を示している。また、符号QLHu1は高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる上流側境界を、符号QLHLd1は高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる下流側境界を、符号OaHは高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸を示している。また、符号PiHは高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸:OaHと感光体表面40aが交わる交点を示している。
また、図7(a)の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ高線速での理想の、QL装置71による被帯電部(DA)の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
【0056】
一方、図7(b)に記した符号71Lは、照射角を可変に構成するときのQL装置71の理想の低線速用位置を示している。また、符号QLLu1は低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる上流側境界を、符号QLLLd1は低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる下流側境界を、符号OaLは低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸を示している。また、符号PiLは低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸:OaLと感光体表面40aが交わる交点を示している。
また、図7(b)の両矢印の符号DaL、符号RaL、及び符号RRLはそれぞれ低線速での理想の、QL装置71による被帯電部(DA)の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
【0057】
図7に示すように、本実施例の除電装置70では、高線速と低線速で、感光体40(感光体表面40a)に照射するQL装置71の照射角を回転させるようにして、高線速用位置:71Hと低線速用位置:71Lで姿勢変更する。例えば、高線速から低線速に切り変えるときに、照射角を片矢印で示すように狭めるように、QL装置71の照射位置を高線速用位置:71Hから低線速用位置:71Lに姿勢変更する。
このQL装置71の照射角変更の動作と、QL装置71の照射量の変更(印加バイアス変更)によって、被帯電部:DAの照射領域:Daと、除電の照射領域:RRの両方を独立して変更できる。
【0058】
具体的には、本実施例の除電装置70は、表面移動する感光体40上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を中間転写ベルト10に転写した後、帯電ローラ60で一様帯電する前に、感光体40上にQL装置71からQL光を照射して除電するものである。そして、QL装置71は、被帯電部の一部である除電領域:Daを照射し、照射するQL光の照射角を変更する姿勢変更のQL装置71の動作の制御を行う。このような制御(動作)を行うことで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量が、感光体40の線速が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。
【0059】
このように除電装置70を構成することで、次のような効果を奏することができる。
従来の除電装置では、感光体の線速を変化させた場合に、帯電ローラによる感光体の帯電量が変化してしまう場合があった。これは次の理由による。
近年、画像形成装置の高速化、及び幅広いシートS等の記録材への出力対応の要請に応じるため、感光体の線速の変化量が大きくなり、被帯電部の一部を除電するときの除電時間の変化量も大きくなる傾向にある。従来の除電装置では、光源に印加する除電バイアス等を調整して被帯電部の一部を除電するときの除電量を調整していたが、除電時間の変化量が大きくなってしまうと、除電するときに安定的に所望の除電量を得ることができず、過不足が生じる場合がある。このように過不足が生じると、帯電ローラによる感光体の帯電量が変化してしまう。
【0060】
一方、本実施例の除電装置70では、QL装置71の姿勢変更の動作を制御することで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量が、感光体40の線速が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。このように、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量を感光体40の線速に応じて調整することで、感光体40の線速を変化させた場合でも、除電領域:Daへの照射量を略同じになるようにすることができる。そして、除電装置70による除電領域:Daの除電量は、除電領域:DaへのQL光の照射量に比例するので、除電装置70による除電領域:Daの除電量を所望の除電量に安定させ、帯電ローラ60による感光体40の帯電量も安定させることが容易となる。
よって、感光体40の表面移動速度を変化させても、帯電ローラ60による感光体40の帯電量が変化するのを抑制できる除電装置70を提供できる。
【0061】
また、本実施例の除電装置70では、QL装置71は、感光体40の線速に応じた高線速用位置:71Hや低線速用位置:71L等の同じ位置から、除電領域:Daと、除電領域:Daよりも感光体40の表面移動方向上流側の両方にQL光を照射できる。
このように除電装置70を構成することで、感光体40の線速に応じた、除電領域:Da(H,L)と、除電領域:Daよりも感光体40の表面移動方向上流側の適切な領域である除電領域:Ra(H,L)の両方を、1つのQL装置71を用いて照射できる。
したがって、QL装置等の光源を複数設けて画像形成装置の大型化を招くことなく、複写機600の小型化が可能な除電装置70を提供できる。
【0062】
また、本実施例の除電装置70では、除電領域:Da(H,L)への光の照射量と、除電領域:Daよりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量とが制御される。
このように除電装置70を構成することで、帯電ローラ60による被帯電部:DAの一部である除電領域:Da(H,L)へのQL光の照射量に加えて、被帯電部:DA(H,L)よりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量も制御できる。
したがって、被帯電部:DAよりもよりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量の過不足に起因して、線速が変わったときに電位ムラが大きくなったり、感光体40の光疲労のリスクが高まったりすることを抑制できる。
【0063】
また、本実施例の除電装置70では、QL装置71の姿勢変更(照射角変更)の動作の制御を行って、被帯電部:DAへの照射範囲を感光体40の表面移動方向下流側へ広げる。このように広げることで、感光体40の第一の線速(低線速)よりも第二の線速(高線速)が速いときに、QL装置71から除電領域:Daに照射する第二の線速のときのQL光の照射量を、第一の線速における照射量よりも多くする。
このように除電装置70を構成することで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量を、感光体40の線速に応じて確実に調整できる。
【0064】
また、本実施例の除電装置70では、照射するQL光の照射角を変更するQL装置71の姿勢変更の動作の制御を行うことで、表面移動する感光体40の線速を変化させた場合でも、単位面積当たりの除電領域:Daへの照射量が略同じになるように制御される。
このように除電装置70を構成することで、次のような効果を奏することができる。
除電装置70による除電領域:Daの除電量は、単位面積当たりの除電領域:Daへの照射量に比例するので、除電装置70による除電領域:Daの除電量を所望の除電量に安定させ、帯電ローラ60による感光体40の帯電量も安定させることが容易となる。
また、このように帯電ローラ60による感光体40の帯電量を安定させることができるので、被帯電部:DAへのQL光の照射量と、被帯電部:DAよりも感光体40の表面移動方向上流側へのQL光の照射量とを、容易に制御することができる。
【0065】
また、本実施例の除電装置70では、上述したようにQL装置71の動作は、照射するQL光の照射角を変更する姿勢変更の動作である。
このように除電装置70を構成することで、感光体40の線速が高線速と低線速で、感光体表面40aに照射するQL装置71の照射角を変更できる。
このQL装置71の照射角変更の動作と、QL装置71の照射量の変更によって、被帯電部:DAの一部(除電領域:Da)へのQL装置71からのQL光の照射量と、除電領域:RRへのQL装置71からの照射量の両方を独立して変更できる。
【0066】
(実施例2)
次に、本実施例の除電装置70に有したQL装置71の感光体40の副走査方向に対する位置を変更可能にすることで、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例について、図8を用いて説明する。
図8は、本実施例の除電装置70に有したQL装置71の感光体40の副走査方向の位置を変更可能にすることで、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例の説明図である。そして、図8(a)が高線速の照度分布の説明図、図8(b)が低線速の照度分布の説明図である。
【0067】
また、図8(a)に記した符号71Hは、副走査方向の位置を変更するときのQL装置71の理想の高線速用位置を示している。また、符号QLHu1は高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる上流側境界を、符号QLHLd1は高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる下流側境界を、符号OaHは高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸を示している。また、符号PiHは高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸:OaHと感光体表面40aが交わる交点を示している。
また、図8(a)の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ高線速での理想の、QL装置71による被帯電部(DA)の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
【0068】
一方、図8(b)に記した符号71Lは、副走査方向の位置を変更するときのQL装置71の理想の低線速用位置を示している。また、符号QLLu2は低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる上流側境界を、符号QLLLd2は低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる下流側境界を、符号OaLは低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸を示している。また、符号PiLは低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸:OaLと感光体表面40aが交わる交点を示している。
また、図8(b)の両矢印の符号DaL、符号RaL、及び符号RRLはそれぞれ低線速での理想の、QL装置71による被帯電部(DA)の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
【0069】
図8に示すように、本実施例の除電装置70では、高線速と低線速で、QL装置71の感光体40の副走査方向の位置を平行移動するようにして、高線速用位置:71Hと低線速用位置:71Lで変更可能にしている。例えば、高線速から低線速に切り変えるときに、照射角を片矢印で示すように狭めるように、QL装置71の照射位置を高線速用位置:71Hから低線速用位置:71Lに変更する。
このQL装置71の感光体40の副走査方向の位置の変更動作により、被帯電部:DAへのQL光の照射量と、除電領域:RRへのQL光の照射量の両方を独立して変更できる。
また、QL装置71の感光体40の副走査方向の位置の変更動作に加え、実施例1の除電装置70と同様に、QL装置71によるQL光の照射量を変更しても良い。
【0070】
具体的には、本実施例の除電装置70は、表面移動する感光体40上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を中間転写ベルト10に転写した後、帯電ローラ60で一様帯電する前に、感光体40上にQL装置71からQL光を照射して除電するものである。そして、QL装置71は、被帯電部の一部である除電領域:Daを照射し、感光体40の副走査方向のある方向、例えば図8図中、水平方向に沿って、QL装置71を平行移動させる動作の制御を行う。このような制御(動作)を行うことで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量が、感光体40の線速が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。
【0071】
このように除電装置70を構成することで、次のような効果を奏することができる。
QL装置71を平行移動させる動作を制御することで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量が、感光体40の線速が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。このように、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量を感光体40の線速に応じて調整することで、感光体40の線速を変化させた場合でも、除電領域:Daへの照射量を略同じになるようにすることができる。そして、除電装置70による除電領域:Daの除電量は、除電領域:DaへのQL光の照射量に比例するので、除電装置70による除電領域:Daの除電量を所望の除電量に安定させ、帯電ローラ60による感光体40の帯電量も安定させることが容易となる。
よって、感光体40の表面移動速度を変化させても、帯電ローラ60による感光体40の帯電量が変化するのを抑制できる除電装置70を提供できる。
【0072】
また、本実施例の除電装置70では、QL装置71は、感光体40の線速に応じた高線速用位置:71Hや低線速用位置:71L等の同じ位置から、除電領域:Da(H,L)と、除電領域:Da(H,L)よりも感光体40の表面移動方向上流側の両方にQL光を照射できる。
このように除電装置70を構成することで、感光体40の線速に応じた、除電領域:Da(H,L)と、除電領域:Daよりも感光体40の表面移動方向上流側の適切な領域である除電領域:Ra(H,L)の両方を、1つのQL装置71を用いて照射できる。
したがって、QL装置等の光源を複数設けて画像形成装置の大型化を招くことなく、複写機600の小型化が可能な除電装置70を提供できる。
【0073】
また、本実施例の除電装置70では、除電領域:Da(H,L)への光の照射量と、除電領域:Da(H,L)よりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量とが制御される。
このように除電装置70を構成することで、帯電ローラ60による被帯電部:DAの一部である除電領域:Da(H,L)へのQL光の照射量に加えて、被帯電部:DAよりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量も制御できる。
したがって、被帯電部:DAよりもよりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量の過不足に起因して、線速が変わったときに電位ムラが大きくなったり、感光体40の光疲労のリスクが高まったりすることを抑制できる。
【0074】
また、本実施例の除電装置70では、QL装置71を平行移動させる動作の制御を行って、被帯電部:DAへの照射範囲を感光体40の表面移動方向下流側へ広げる。このように広げることで、感光体40の第一の線速(低線速)よりも第二の線速(高線速)が速いときに、QL装置71から除電領域:Daに照射する第二の線速のときのQL光の照射量を、第一の線速における照射量よりも多くする。
このように除電装置70を構成することで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量を、感光体40の線速に応じて確実に調整できる。
【0075】
また、本実施例の除電装置70では、QL光を照射するQL装置71を平行移動させる動作の制御を行うことで、表面移動する感光体40の線速を変化させた場合でも、単位面積当たりの除電領域:Daへの照射量が略同じになるように制御される。
このように除電装置70を構成することで、次のような効果を奏することができる。
除電装置70による除電領域:Daの除電量は、単位面積当たりの除電領域:Daへの照射量に比例するので、除電装置70による除電領域:Daの除電量を所望の除電量に安定させ、帯電ローラ60による感光体40の帯電量も安定させることが容易となる。
また、このように帯電ローラ60による感光体40の帯電量を安定させることができるので、被帯電部:DAへのQL光の照射量と、被帯電部:DAよりも感光体40の表面移動方向上流側へのQL光の照射量とを、容易に制御することができる。
【0076】
また、本実施例の除電装置70では、上述したようにQL装置71の動作は、図8に示すように、図8図中、水平方向等の感光体40の副走査方向のある方向に沿って、QL装置71を平行移動させる動作である。
これにより、感光体40の副走査方向のある方向に沿って、QL装置71を平行移動させる動作を行うことで、被帯電部:DAへのQL装置71からのQL光の照射量と、除電領域:RRへのQL装置71からの照射量の両方を独立して変更できる。
【0077】
(実施例3)
次に、本実施例の除電装置70に有したQL装置71に、照射するQL光の範囲を規制するシャッター73を設け、シャッター73の移動で照射するQL光の照度分布を変更し、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例について、図9を用いて説明する。
図9は、本実施例の除電装置70に有したQL装置71に、照射するQL光の範囲を規制するシャッター73を設け、シャッター73の移動でQL光の照度分布を変更にすることで、高線速と低線速で理想の照度分布を実現する一例の説明図である。そして、図9(a)が高線速の照度分布の説明図、図9(b)が低線速の照度分布の説明図である。
【0078】
また、図9(a)、(b)に記した符号71Hは、シャッター73の移動で照射するQL光の照度分布を変更するときのQL装置71の位置の例を示している。
また、図9(a)の符号QLHu1は高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる上流側境界を、符号QLHd1は高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる下流側境界を、符号OaHは高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸を示している。また、符号PiHは高線速のQL光の理想の照射領域を実現できる光軸:OaHと感光体表面40aが交わる交点を示している。
また、図9(a)の両矢印の符号DaH、符号RaH、及び符号RRHはそれぞれ高線速での理想の、QL装置71による被帯電部(DA)の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
そして、高線速のときには、図9(a)に示すように2つのシャッター73の位置を開いている。
【0079】
一方、図9(b)の符号QLLu3は低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる上流側境界を、符号QLLd3は低線速のQL光の理想の照射領域を実現できる下流側境界を示している。
また、図9(b)の両矢印の符号DaL、符号RaL、及び符号RRLはそれぞれ低線速での理想の、QL装置71による被帯電部(DA)の除電領域、QL装置71による被帯電部以外の除電領域、及びQL装置71による除電領域を示している。
そして、高線速のときには、図9(b)に示すように2つのシャッター73の位置を狭めている。
【0080】
図9に示すように、本実施例の除電装置70では、QL装置71の照射口の前方(下部)に設けた2つのシャッター73によって、QL光の光路を遮断し、QL光の照度分布を変更できるようにしている。
このQL装置71の2つのシャッター73の移動でQL光の照度分布を変更にすることで、被帯電部:DAへのQL光の照射量と、除電領域:RRへのQL光の照射量の両方を独立して変更できる。
ここで、図9(a)及び図9(b)には、QL光の光路を遮断するシャッター73を2つ設けた例を記載しているが、QL装置71に印加する印加バイアスを変えて、シャッター73を1つにしても実現できる。
また、QL装置71の照射口の前方(下部)に設けた2つのシャッター73によって、QL光の光路を遮断し、QL光の照度分布を変更する動作に加え、実施例1、2の除電装置70と同様に、QL装置71によるQL光の照射量を変更しても良い。
【0081】
具体的には、本実施例の除電装置70は、表面移動する感光体40上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を中間転写ベルト10に転写した後、帯電ローラ60で一様帯電する前に、感光体40上にQL装置71からQL光を照射して除電するものである。そして、QL装置71は、被帯電部の一部である除電領域:Daを照射し、QL光の射出口の前方に設けたシャッター73を移動させてQL装置71から照射されるQL光の光路制限を行う。このような光路制限を行うことで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量が、感光体40の線速が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。
【0082】
このように除電装置70を構成することで、次のような効果を奏することができる。
QL光の射出口の前方に設けたシャッター73を移動させる動作を制御することで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量が、感光体40の線速が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。このように、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量を感光体40の線速に応じて調整することで、感光体40の線速を変化させた場合でも、除電領域:Daへの照射量を略同じになるようにすることができる。そして、除電装置70による除電領域:Daの除電量は、除電領域:DaへのQL光の照射量に比例するので、除電装置70による除電領域:Daの除電量を所望の除電量に安定させ、帯電ローラ60による感光体40の帯電量も安定させることが容易となる。
よって、感光体40の表面移動速度を変化させても、帯電ローラ60による感光体40の帯電量が変化するのを抑制できる除電装置70を提供できる。
【0083】
また、本実施例の除電装置70では、QL装置71は、感光体40の線速に応じた高線速用位置:71Hの同じ位置から、除電領域:Da(H,L)と、除電領域:Da(H,L)よりも感光体40の表面移動方向上流側の両方にQL光を照射できる。
このように除電装置70を構成することで、感光体40の線速に応じた、除電領域:Da(H,L)と、除電領域:Daよりも感光体40の表面移動方向上流側の適切な領域である除電領域:Ra(H,L)の両方を、1つのQL装置71を用いて照射できる。
したがって、QL装置等の光源を複数設けて画像形成装置の大型化を招くことなく、複写機600の小型化が可能な除電装置70を提供できる。
【0084】
また、本実施例の除電装置70では、除電領域:Da(H,L)への光の照射量と、除電領域:Da(H,L)よりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量とが制御される。
このように除電装置70を構成することで、帯電ローラ60による被帯電部:DAの一部である除電領域:Da(H,L)へのQL光の照射量に加えて、被帯電部:DAよりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量も制御できる。
したがって、被帯電部:DAよりもよりも感光体40の表面移動方向上流側にある除電領域:Ra(H,L)へのQL光の照射量の過不足に起因して、線速が変わったときに電位ムラが大きくなったり、感光体40の光疲労のリスクが高まったりすることを抑制できる。
【0085】
また、本実施例の除電装置70では、QL光の射出口の前方に設けたシャッター73を移動させる動作の制御を行って、被帯電部:DAへの照射範囲を感光体40の表面移動方向下流側へ広げる。このように広げることで、感光体40の第一の線速(低線速)よりも第二の線速(高線速)が速いときに、QL装置71から除電領域:Daに照射する第二の線速のときのQL光の照射量を、第一の線速における照射量よりも多くする。
このように除電装置70を構成することで、QL装置71から除電領域:Daに照射するQL光の照射量を、感光体40の線速に応じて確実に調整できる。
【0086】
また、本実施例の除電装置70では、QL光の射出口の前方に設けたシャッター73を移動させる動作を制御することで、表面移動する感光体40の線速を変化させた場合でも、単位面積当たりの除電領域:Daへの照射量が略同じになるように制御される。
このように除電装置70を構成することで、次のような効果を奏することができる。
除電装置70による除電領域:Daの除電量は、単位面積当たりの除電領域:Daへの照射量に比例するので、除電装置70による除電領域:Daの除電量を所望の除電量に安定させ、帯電ローラ60による感光体40の帯電量も安定させることが容易となる。
また、このように帯電ローラ60による感光体40の帯電量を安定させることができるので、被帯電部:DAへのQL光の照射量と、被帯電部:DAよりも感光体40の表面移動方向上流側へのQL光の照射量とを、容易に制御することができる。
【0087】
また、本実施例の除電装置70では、上述したようにQL装置71から照射されるQL光の光路制限は、次のようにして行われる。感光体40の線速に応じて、被帯電部:DAの一部に照射されるQL装置71の光路と、除電領域:Raに照射されるQL装置71の光路の、どちらか1方、もしくは両方を制限するシャッター73を移動させることで行われる。
これにより、感光体40の副走査方向のある方向に沿って、QL装置71を平行移動させる動作を行うことで、被帯電部:DAへのQL装置71からのQL光の照射量と、除電領域:RRへのQL装置71からの照射量の両方を独立して変更できる。
【0088】
上述したように、本実施形態の複写機600では、帯電手段は、帯電部材である帯電ローラ60に直流と交流を重畳した電圧を印加して帯電させる。
これにより、帯電部材に直流電圧を印加して帯電させる帯電手段とは異なり、帯電ローラ60に直流と交流を重畳した電圧を印加するので、帯電部材に直流電圧を印加して帯電させる帯電手段に比べて、感光体表面40aを均一に帯電させることができる。
したがって、例えば、特許文献2に記載の画像形成装置のように、帯電部材に直流電圧を印加して帯電させる帯電手段で生じ易い横スジの問題の発生を抑制できる。
ここで、特許文献2の画像形成装置に備えた除電装置では、帯電するときの横スジを改善するために、表面移動する像担持体の線速が遅いときの方が帯電ニップ近傍、つまり被帯電部の一部に入るQL光の光量を多くしている。これに対し、本実施形態の除電装置70は逆であり、上述したようにQL装置71による照射量は、感光体40の線速が速いときに多く、線速が遅いときに少なくなるように制御される。
【0089】
また、本実施形態の複写機600で用いる感光体40の除電方法は、上述したいずれかの除電装置70を用いるものである。
つまり、本実施形態の複写機600で用いる感光体40の除電方法は、感光体40上の静電潜像に付着させたトナー像を中間転写ベルト10に転写した後、帯電ローラ60で一様帯電する前に、感光体40上に除電装置のQL装置71からQL光を照射して除電する。そして、複写機600で用いる感光体40の除電装置として、上述したいずれかの除電装置70を用いる。
このような感光体40の除電方法を用いることで、上述したいずれかの除電装置70と同様な効果を奏することができる。
【0090】
また、本実施形態の複写機600で用いる感光体40の除電装置は、上述したいずれかの除電装置70である。
つまり、本実施形態の複写機600は、次のようなものを備えている。静電潜像を形成する前の感光体40を一様に帯電する帯電ローラ60と、静電潜像に付着させたトナー像を中間転写ベルト10に転写した後、帯電ローラ60で一様帯電する前に、感光体40上にQL装置71からQL光を照射して除電する除電装置とである。そして、除電装置として、上述したいずれかの除電装置70を備える。
このような除電装置70を複写機600に備えることで、上述したいずれかの除電装置70と同様な効果を奏することができる複写機600を提供できる。
【0091】
以上、本実施形態について、図面を参照しながら説明してきたが、具体的な構成は、上述した本実施形態の除電装置70を備えた構成に限られるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等を行っても良い。
例えば、本実施形態の除電装置70を備える画像形成装置は、複写機600のようにタンデム型中間転写方式の画像形成装置に限定されるものではなく、例えば、モノクロ対応の直接転写方式の画像形成装置にも適用可能である。
また、本実施形態の除電装置70を配置する画像形成部としては、画像形成部18のように中間転写体である中間転写ベルト10が下方に配置された構成に限定されるものではなく、例えば、中間転写体が上方に配置された画像形成部にも適用可能である。
【0092】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
表面移動する感光体40などの像担持体上の静電潜像にトナーを付着させたトナー像を中間転写ベルト10などの被転写材に転写した後、帯電ローラ60などの帯電手段で一様帯電する前に、前記像担持体上にQL装置71などの光源からQL光などの光を照射して除電する除電装置70などの除電装置において、前記光源は、除電領域:Daなどの前記像担持体の前記帯電手段による被帯電部の一部を照射し、照射する光の照射角を変更する姿勢変更などの前記光源の動作を制御することで、又は光の射出口の前方に設けたシャッター73を移動させるなどの前記光源から照射される光の光路制限を行うことで、前記光源から前記被帯電部の一部に照射する光の照射量が、前記像担持体の線速などの表面移動速度が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにすることを特徴とする。
【0093】
これによれば、次のような効果を奏することができる。
従来の除電装置では、像担持体の表面移動速度を変化させた場合に、帯電手段による像担持体の帯電量が変化してしまう場合があった。これは次の理由による。
近年、画像形成装置の高速化、及び幅広いシートSなどの記録材への出力対応の要請に応じるため、像担持体の表面移動速度の変化量が大きくなり、被帯電部の一部を除電するときの除電時間の変化量も大きくなる傾向にある。従来の除電装置では、光源に印加する除電バイアス等を調整して被帯電部の一部を除電するときの除電量を調整していたが、除電時間の変化量が大きくなってしまうと、除電するときに安定的に所望の除電量を得ることができず、過不足が生じる場合がある。このように過不足が生じると、帯電手段による像担持体の帯電量が変化してしまう。
【0094】
一方、本態様Aの除電装置では、光源の動作を制御することで、又は光の射出口の前方に設けた光源から照射される光の光路制限を行うことで、光源から被帯電部の一部に照射する光の照射量が、像担持体の表面移動速度が速いときに多く、遅いときに少なくなるようにする。このように、光源から被帯電部の一部に照射する光の照射量を像担持体の表面移動速度に応じて調整することで、像担持体の表面移動速度を変化させた場合でも、被帯電部の一部への光の照射量を略同じになるようにすることができる。そして、除電装置による被帯電部の一部の除電量は、被帯電部の一部への光の照射量に比例するので、除電装置による被帯電部の一部の除電量を所望の除電量に安定させ、帯電手段による像担持体の帯電量も安定させることが容易となる。
よって、像担持体の表面移動速度を変化させても、帯電手段による像担持体の帯電量が変化するのを抑制できる除電装置を提供できる。
【0095】
(態様B)
(態様A)において、前記光源は、前記像担持体の表面移動速度に応じた高線速用位置:71Hや低線速用位置:71Lなどの同じ位置から、前記帯電手段による被帯電部の一部と、前記被帯電部よりも前記像担持体の表面移動方向上流側の両方に光を照射できることを特徴とする。
これによれば、像担持体の表面移動速度に応じた、帯電手段による被帯電部の一部と、被帯電部よりも像担持体の表面移動方向上流側の適切な領域の両方を、1つの光源を用いて照射できる。
したがって、光源を複数設けて複写機600などの画像形成装置の大型化を招くことなく、画像形成装置の小型化が可能な除電装置を提供できる。
【0096】
(態様C)
(態様A)又は(態様B)において、前記被帯電部への光の照射量と、前記被帯電部よりも前記像担持体の表面移動方向上流側への光の照射量とが制御されることを特徴とする。
これによれば、帯電手段による被帯電部の一部への光の照射量に加えて、被帯電部よりも像担持体の表面移動方向上流側への光の照射量も制御できる。
したがって、被帯電部よりも像担持体の表面移動方向上流側への光の照射量の過不足に起因して、線速が変わったときに電位ムラが大きくなったり、像担持体の光疲労のリスクが高まったりすることを抑制できる。
【0097】
(態様D)
(態様A)乃至(態様C)のいずれかにおいて、前記像担持体の低線速などの第一の表面速度よりも高線速などの第二の表面速度が速いときに、前記光源から前記被帯電部の一部に照射する前記第二の表面速度のときの光の照射量を、前記第一の表面速度における照射量よりも多くすることを特徴とする。
これによれば、光源から被帯電部の一部に照射する光の照射量を、像担持体の表面移動速度に応じて確実に調整できる。
【0098】
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記像担持体の表面移動速度を変化させた場合でも、単位面積当たりの前記被帯電部の一部への照射量が略同じになるように制御されることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
除電装置による被帯電部の一部の除電量は、単位面積当たりの被帯電部の一部への照射量に比例するので、除電装置による被帯電部の一部の除電量を所望の除電量に安定させ、帯電手段による像担持体の帯電量も安定させることが容易となる。
また、このように帯電手段による像担持体の帯電量を安定させることができるので、被帯電部への光の照射量と、被帯電部よりも像担持体の表面移動方向上流側への光の照射量とを、容易に制御することができる。
【0099】
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記光源の動作は、照射する光の照射角を変更する姿勢変更などの動作であることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
像担持体の線速が高線速と低線速で、像担持体表面に照射する光源の照射角を変更できる。この光源の照射角変更の動作と、光源の照射量の変更によって、被帯電部:DAなどの被帯電部への光源からの光の照射量と、除電領域:RRなどの光除電される領域への光源からの照射量の両方を独立して変更できる。
【0100】
(態様G)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記光源の動作は、水平方向などの前記像担持体の副走査方向のある方向に沿って、前記光源を平行移動させる動作であることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
像担持体の副走査方向のある方向に沿って、光源を平行移動させる動作を行うことで、被帯電部:DAなどの被帯電部への光源からの光の照射量と、除電領域:RRなどの光除電される領域への光源からの照射量の両方を独立して変更できる。
【0101】
(態様H)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記光源から照射される光の光路制限は、前記像担持体の線速に応じて、前記被帯電部に照射される前記光源の光路と、前記被帯電部よりも前記像担持体の表面移動方向上流側に照射される前記光源の光路の、どちらか1方、もしくは両方を制限するシャッター73などの部材を移動させることで行われることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
光源の光路を制限する部材の移動で光源からの光の照度分布を変更にすることで、被帯電部:DAなどの被帯電部への光源からの光の照射量と、除電領域:RRなどの光除電される領域への光源からの照射量の両方を独立して変更できる。
【0102】
(態様I)
(態様A)乃至(態様H)のいずれかにおいて、前記帯電手段は、帯電部材に直流と交流を重畳した電圧を印加して帯電させることを特徴とする。
これによれば、次のような効果を奏することができる。
帯電部材に直流電圧を印加して帯電させる帯電手段とは異なり、帯電部材に直流と交流を重畳した電圧を印加するので、帯電部材に直流電圧を印加して帯電させる帯電手段に比べて、像担持体表面を均一に帯電させることができる。
したがって、帯電部材に直流電圧を印加して帯電させる帯電手段で生じ易い横スジの問題の発生を抑制できる。
【0103】
(態様J)
感光体40などの像担持体上の静電潜像に付着させたトナー像を中間転写ベルト10などの被転写材に転写した後、帯電ローラ60などの帯電手段で一様帯電する前に、前記像担持体上に除電装置のQL装置71などの光源からQL光などの光を照射して除電する除電方法において、前記除電装置として、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの除電装置70などの除電装置を用いたことを特徴とする。
これによれば、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの除電装置と同様な効果を奏することができる除電方法を提供できる。
【0104】
(態様K)
静電潜像を形成する前の感光体40などの像担持体を一様に帯電する帯電ローラ60などの帯電手段と、静電潜像に付着させたトナー像を中間転写ベルト10などの被転写材に転写した後、前記帯電手段で一様帯電する前に、前記像担持体上にQL装置71などの光源からQL光などの光を照射して除電する除電装置と、を備えた複写機600などの画像形成装置において、前記除電装置として、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの除電装置70などの除電装置を備えたことを特徴とする。
これによれば、(態様A)乃至(態様I)のいずれかの除電装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
【符号の説明】
【0105】
10 中間転写ベルト
18 画像形成部
40 感光体
40a 感光体表面
60 帯電ローラ
70 除電装置
71 QL装置
73 シャッター
600 複写機
DA 感光体の表面移動方向上流側の被帯電部
Da QL装置による被帯電部の除電領域
Ra QL装置による被帯電部以外の除電領域
RR QL装置による除電領域
S シート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】
【文献】特許第5697703号公報
【文献】国際公開第2011/030421号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9