(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】ヘルプコンテンツ提供システム、ヘルプコンテンツ提供装置、ヘルプコンテンツ提供方法及びヘルプコンテンツ提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/903 20190101AFI20220222BHJP
【FI】
G06F16/903
(21)【出願番号】P 2018051828
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】青木 惇季
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-268690(JP,A)
【文献】特開2017-027094(JP,A)
【文献】特開2006-195756(JP,A)
【文献】特開2017-167620(JP,A)
【文献】特開2012-033106(JP,A)
【文献】特開2016-118833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルプコンテンツを表示する機器と、前記機器から通知された困り事に対応するヘルプコンテンツを前記機器に送信するサーバ装置とを有するヘルプコンテンツ提供システムであって、
前記サーバ装置は、
前記機器の機器識別情報に基づいて、ヘルプコンテンツの閲覧履歴及び困り事に対するユーザからの問い合わせ内容を示す顧客情報を取得する取得部と、
取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事を識別する困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されているか否かを判別する判別部と、
取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていると判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツでは、困り事を解決するには至らなかったことを示す情報を出力し、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていないと判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事が解決されたことを示す情報を出力する分析部と
を有することを特徴とするヘルプコンテンツ提供システム。
【請求項2】
前記分析部は、
ヘルプコンテンツの前記閲覧履歴に記録されている閲覧日時が、顧客情報に記録されている問い合わせ日時よりも前の日時である場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事を解決するには至らなかったと分析すること
を特徴とする請求項1に記載のヘルプコンテンツ提供システム。
【請求項3】
前記取得部は、前記機器からジョブの実行履歴を取得し、
前記分析部は、前記困り事に対応するジョブの実行履歴が、ジョブの実行が成功したことを示す実行履歴であり、このジョブの実行が成功した日時が、前記困り事に対応するヘルプコンテンツの閲覧日時よりも後であった場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事を解決するに至ったと分析すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘルプコンテンツ提供システム。
【請求項4】
前記分析部による分析結果に基づいて、機器識別情報、困り事の分類、ヘルプコンテンツの閲覧日時、問い合わせ日時、及び、ヘルプコンテンツにより困り事が解決されたか否かを示す分析結果をそれぞれ関連付けた、分析結果の一覧を形成する一覧形成部を、さらに有すること
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載のヘルプコンテンツ提供システム。
【請求項5】
分析結果の前記一覧に基づいて、同種の困り事の数に対する、ヘルプコンテンツにより困り事が解決された数の割合である解決率を算出する自己解決率算出部を、さらに有すること
を特徴とする請求項4に記載のヘルプコンテンツ提供システム。
【請求項6】
機器から通知された困り事に対応するヘルプコンテンツを前記機器に提供するヘルプコンテンツ提供部と、
前記機器の機器識別情報に基づいて、ヘルプコンテンツの閲覧履歴及び困り事に対するユーザからの問い合わせ内容を示す顧客情報を取得する取得部と、
取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事を識別する困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されているか否かを判別する判別部と、
取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていると判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツでは、困り事を解決するには至らなかったことを示す情報を出力し、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていないと判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事が解決されたことを示す情報を出力する分析部と
を有するヘルプコンテンツ提供装置。
【請求項7】
ヘルプコンテンツ提供部が、機器から通知された困り事に対応するヘルプコンテンツを前記機器に提供するヘルプコンテンツ提供ステップと、
取得部が、前記機器の機器識別情報に基づいて、ヘルプコンテンツの閲覧履歴及び困り事に対するユーザからの問い合わせ内容を示す顧客情報を取得する取得ステップと、
判別部が、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事を識別する困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されているか否かを判別する判別ステップと、
分析部が、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていると判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツでは、困り事を解決するには至らなかったことを示す情報を出力し、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていないと判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事が解決されたことを示す情報を出力する分析ステップと
を有するヘルプコンテンツ提供方法。
【請求項8】
コンピュータを、
機器から通知された困り事に対応するヘルプコンテンツを前記機器に提供するヘルプコンテンツ提供部と、
前記機器の機器識別情報に基づいて、ヘルプコンテンツの閲覧履歴及び困り事に対するユーザからの問い合わせ内容を示す顧客情報を取得する取得部と、
取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事を識別する困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されているか否かを判別する判別部と、
取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていると判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツでは、困り事を解決するには至らなかったことを示す情報を出力し、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていないと判別された場合に、前記機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事が解決されたことを示す情報を出力する分析部として機能させること
を特徴とするヘルプコンテンツ提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルプコンテンツ提供システム、ヘルプコンテンツ提供装置、ヘルプコンテンツ提供方法及びヘルプコンテンツ提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2008-171067号公報)において、ヘルプ画面を自動表示させる画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、ユーザの入力を解析して、ユーザが複写やFAX送信などの操作行為を完遂するための、入力操作とは関係の無い操作行為があった場合に、内部に設定されたヘルプカウンタのヘルプカウンタ値をインクリメントし、ヘルプカウンタ値が所定の閾値以上となった際に、ヘルプ画面を表示させる。これにより、ユーザが操作を迷っている際にヘルプ画面を自動表示することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されている画像形成装置は、ヘルプ画面に表示したヘルプコンテンツにより、ユーザが困り事を解決するに至ったか否かを判別することは困難であった。換言すると、特許文献1に開示されている画像形成装置は、ヘルプ画面に表示したヘルプコンテンツの適格性を判別することは困難であった。
【0004】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、表示したヘルプコンテンツに対する適格性を自動的に判別できるヘルプコンテンツ提供システム、ヘルプコンテンツ提供装置、ヘルプコンテンツ提供方法及びヘルプコンテンツ提供プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ヘルプコンテンツを表示する機器と、機器から通知された困り事に対応するヘルプコンテンツを機器に送信するサーバ装置とを有するヘルプコンテンツ提供システムであって、サーバ装置は、機器の機器識別情報に基づいて、ヘルプコンテンツの閲覧履歴及び困り事に対するユーザからの問い合わせ内容を示す顧客情報を取得する取得部と、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事を識別する困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されているか否かを判別する判別部と、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていると判別された場合に、機器に送信したヘルプコンテンツでは、困り事を解決するには至らなかったことを示す情報を出力し、取得されたヘルプコンテンツの閲覧履歴に記録されている困り事識別情報及び機器識別情報のそれぞれに一致する困り事識別情報及び機器識別情報が、取得された顧客情報に記録されていないと判別された場合に、機器に送信したヘルプコンテンツにより困り事が解決されたことを示す情報を出力する分析部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、表示したヘルプコンテンツに対する適格性を自動的に判別して、以後、より高い適格性のヘルプコンテンツを表示可能とすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムのシステム構成図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムの詳細な構成を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムにおいて、困り事が起きたユーザが、画像形成装置のヘルプコンテンツを閲覧するまでの動作の流れを示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムにおいて、困り事の解決情報の記録動作の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムにおいて、画像形成装置からユーザに対して提供されたヘルプコンテンツの適格性(困り事を解決するに至ったか否か)の分析動作を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムにおいて、画像形成装置からユーザに対して提供されたヘルプコンテンツの適格性(困り事を解決するに至ったか否か)の分析動作の詳細を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムにおける、ヘルプコンテンツの適格性の分析動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一例として、ヘルプコンテンツ提供システム、ヘルプコンテンツ提供装置、ヘルプコンテンツ提供方法及びヘルプコンテンツ提供プログラムを適用した実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムの説明をする。
【0009】
[第1の実施の形態]
(システム構成)
図1は、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムのシステム構成図である。この
図1に示すように第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムは、顧客データ管理サーバ装置1、FAQ(Frequently Asked Questions)コンテンツ管理サーバ装置2、マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3、自己解決率管理サーバ装置4、及び画像形成装置5を、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワーク6を介して相互に接続することで形成されている。画像形成装置5は、機器の一例である。
【0010】
なお、
図1では、顧客データ管理サーバ装置1、FAQコンテンツ管理サーバ装置2、及びマニュアルコンテンツ管理サーバ装置3は、それぞれ物理的に異なるサーバ装置として図示されているが、一つのサーバ装置が各サーバ装置21~23の機能を有するようにしてもよい。また、例えばFAQコンテンツ管理サーバ装置2及びマニュアルコンテンツ管理サーバ装置3を物理的に一つのサーバ装置とし、このサーバ装置と物理的に異なる顧客データ管理サーバ装置1との2つのサーバ装置で構成してもよい。
【0011】
顧客データ管理サーバ装置1、FAQコンテンツ管理サーバ装置2、マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3は、各種データ及びコンテンツを記憶している。ネットワーク6を介してデータ及びコンテンツの取得要求を受信し、取得要求に応じたコンテンツ又はデータを返信する。
【0012】
具体的には、顧客データ管理サーバ装置1は、コールセンターに対し、顧客から寄せられた困り事に関するデータを記憶している。データはオペレータによって入力され、困り事を項目毎に分類している。困り事の内容や分類の他に、「このマニュアル又はFAQコンテンツを参照すれば解決できるのでは?」といった、困り事と該当するマニュアルを関連付ける情報が、オペレータによって入力される。
【0013】
FAQコンテンツ管理サーバ装置2は、困り事に関するFAQのWebコンテンツを提供する。FAQコンテンツを閲覧する際、画像形成装置5は、FAQコンテンツ管理サーバ装置2に対して機器識別情報を送信する。FAQコンテンツ管理サーバ装置2は、画像形成装置5から閲覧されたFAQコンテンツの履歴を機器毎に記憶する。
【0014】
マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3は、画像形成装置5に関するマニュアルのWebコンテンツを提供する。マニュアルコンテンツを閲覧する際、画像形成装置5は、マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3に対して機器識別情報を送信する。マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3は、画像形成装置5から閲覧されたマニュアルコンテンツの履歴を機器ごとに記憶する。
【0015】
自己解決率管理サーバ装置4は、顧客データ管理サーバ装置1の困り事情報、FAQコンテンツ管理サーバ装置2のFAQ閲覧履歴、マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3のマニュアル閲覧履歴を照合し、マニュアルコンテンツ及びヘルプコンテンツの提供によって、ユーザが困り事を自己解決できたか否かを示すデータを記憶する。
【0016】
画像形成装置5は、後述するヘルプ表示制御部(
図2の符号53)が、機器情報、操作履歴及びアプリケーションプログラム(アプリ)の各情報を用いて、顧客の困り事を推測する。顧客の困り事の解決策となるFAQコンテンツ及びマニュアルコンテンツを、ネットワーク6を介して、FAQコンテンツ管理サーバ装置2又はマニュアルコンテンツ管理サーバ装置3から取得して、操作部が備える表示部に表示する。
【0017】
(画像形成装置の構成)
画像形成装置5は、コピー機能、スキャナ機能、印刷機能等の画像形成機能と、コンテンツ提供プログラムが記憶された記憶部と、画像形成制御等を行うCPU(Central Processing Unit)を有している。CPUは、記憶部に記憶されているコンテンツ提供プログラムを実行することで、
図2に示す操作処理部51、ヘルプコンテンツ表示部52、ヘルプ表示制御部53、ヘルプ対応アプリ54、記憶制御部55、データ送受信部56、及び機器情報管理部57を実現する。なお、操作処理部51~機器情報管理部57のうち、一部又は全部をハードウェアで構成してもよい。
【0018】
操作処理部51は、ユーザに操作部を介して入力操作された画像形成装置5に対する設定の処理、及び、操作部に設けられている表示部に対して、画像形成装置5の処理状態の表示処理等を行う。
【0019】
ヘルプ対応アプリ54は、コピー、スキャナ、ファクス等の画像形成装置5の機能を実現するためのプログラムで、特にヘルプ機能に対応したプログラムである。ヘルプコンテンツ表示部52は、ヘルプコンテンツを表示するための表示アプリケーションプログラム(表示アプリ)であり、例えばHTML(HyperText Markup Language)で記述されたヘルプコンテンツを表示するためのブラウザアプリである。
【0020】
機器情報管理部57は、画像形成装置5のシステム状態及び機器設定情報等を管理する。ヘルプ表示制御部53は、ヘルプ機能が利用された際、ユーザが利用しているアプリケーションの性質、状態に応じて、適切なヘルプコンテンツを判断して表示制御する。すなわち、ヘルプ表示制御部53は、機器情報又はアプリの情報を用いて、顧客の困り事を推測し、顧客の困り事の解決策を、ネットワーク6を介してFAQコンテンツ管理サーバ装置2又はマニュアルコンテンツ管理サーバ装置3から取得して、操作部の表示部に表示する。
【0021】
記憶制御部55は、例えばRAM14又はHDD18等の記憶部に対して機器情報又はジョブ実行のためのデータを記憶する。データ送受信部56は、ネットワーク環境を介して外部装置との間でデータを送受信する。
【0022】
(顧客データ管理サーバ装置の構成)
顧客データ管理サーバ装置1は、CPUがROM又はHDD等の記憶部に記憶されているコンテンツ提供アプリケーションプログラムを実行することで、
図2に示すようにデータ送受信部11、データ管理部12、及び、記憶制御部13を実現する。記憶制御部13は、コールセンターへの問い合わせ内容及び顧客機器情報(機種、機番情報等)等の顧客データをHDD等の記憶部に記憶制御する。データ送受信部11は、ネットワーク環境を介して外部装置との間で顧客データを送受信する。
【0023】
(FAQコンテンツ管理サーバ装置の構成)
FAQコンテンツ管理サーバ装置2は、CPUがROM又はHDD等の記憶部に記憶されているコンテンツ提供アプリケーションプログラムを実行することで、
図2に示すようにデータ送受信部21、FAQ管理部22、FAQ閲覧履歴管理部23、及び記憶制御部24を実現する。記憶制御部24は、RAM又はHDD等の記憶部に、FAQコンテンツを記憶制御する。データ送受信部21は、ネットワーク環境を介して外部装置との間でFAQコンテンツを送受信する。FAQ閲覧履歴管理部23は、画像形成装置5で閲覧されたFAQコンテンツの履歴を、RAM又はHDD等の記憶部に記憶制御する。
【0024】
(マニュアルコンテンツ管理サーバ装置の構成)
マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3は、CPUがROM又はHDD等の記憶部に記憶されているコンテンツ提供アプリケーションプログラムを実行することで、
図2に示すようにデータ送受信部31、マニュアル管理部32、記憶制御部34、及びマニュアル閲覧履歴管理部33を実現する。記憶制御部34は、RAM又はHDD等の記憶部に、マニュアルコンテンツを記憶制御する。データ送受信部31は、ネットワーク環境を介して外部装置との間でマニュアルコンテンツを送受信する。マニュアル閲覧履歴管理部33は、画像形成装置5で閲覧されたマニュアルコンテンツの履歴を、RAM又はHDD等の記憶部に記憶制御する。
【0025】
(自己解決率管理サーバ装置の構成)
自己解決率管理サーバ装置4は、CPUがROM又はHDD等の記憶部に記憶されているコンテンツ提供アプリケーションプログラム(ヘルプコンテンツ提供プログラムの一例)を実行することで、
図2に示すように記憶制御部41、自己解決率算出部42、及びデータ送受信部43を実現する。記憶制御部41は、RAM又はHDD等の記憶部に、マニュアルコンテンツを記憶制御する。データ送受信部31は、ネットワーク環境を介して外部装置との間でマニュアルコンテンツを送受信する。自己解決率算出部42は、ユーザに提供したヘルプコンテンツにより、ユーザの困り事が解決した確率である自己解決率を算出して、画像形成装置5の管理者等にフィードバックする。自己解決率算出部42は、取得部、判別部、分析部、一覧形成部、及び自己解決率算出部の一例である。
【0026】
(ヘルプコンテンツの表示動作)
図3は、困り事が起きたユーザが、画像形成装置5のヘルプコンテンツを閲覧するまでの動作の流れを示すシーケンス図である。画像形成装置5を使用しているユーザに困り事が起き、ヘルプコンテンツの参照操作が行われると(ステップS1)、画像形成装置5のヘルプ表示制御部53は、ヘルプ対応アプリ54の現在の状況、及び、機器情報権利ブロック57で検出される、画像形成装置5の現在の機器状況に基づいて、画像形成装置5に現在発生している困り事を推測する。そして、ヘルプ表示制御部53は、推測した困り事に対応する識別情報(困り事識別情報)と、画像形成装置5の機器識別情報を、データ送受信部56を介してマニュアルコンテンツ管理サーバ装置3、又は、FAQコンテンツ管理サーバ2に対して送信する(ステップS2、ステップS5)。
【0027】
困り事識別情報は、例えばデータ送信の失敗等に対応する識別情報、又は、トナー又は用紙の不足等の機器状態に対応する識別情報である。また、機器識別情報は、例えば画像形成装置5のシリアルナンバー又はMAC(Media Access Control address)アドレス等の機器固有の識別情報である。
【0028】
各コンテンツ管理サーバ2、3は、困り事識別情報に対応する(=解決策となる)マニュアルコンテンツ及びFAQコンテンツを画像形成装置5に送信する(ステップS3~ステップS4、ステップS6~ステップS7)。画像形成装置5のヘルプコンテンツ表示部52は、受信したマニュアルコンテンツ及びFAQコンテンツを、ヘルプコンテンツとして操作部が備える表示部に表示制御する(ステップS8)。
【0029】
(困り事の解決情報の記録動作)
図4は、困り事の解決情報の記録動作の流れを示すシーケンス図である。この
図4のシーケンス図において、困り事が起きたユーザは、その困り事の解決のためにコールセンターに問い合わせを行う(ステップS11)。コールセンターのオペレータは、ユーザから問い合わせのあった困り事に対する解決策を、電話又は電子メール等でユーザに提供する(ステップS12)。
【0030】
ユーザとコールセンターのオペレータでの困り事に関する問い合わせが完了した後、オペレータは困り事に対応する識別情報、問い合わせのあった画像形成装置5の機器情報を、顧客データ管理サーバ装置1に記録する(ステップS13)。これにより、ユーザから問い合わせがあるたびに、顧客データ管理サーバ装置1に対して、困り事の識別情報及び問い合わせのあった画像形成装置5の機器情報が蓄積されることとなる。
【0031】
(自己解決の分析動作)
図5は、画像形成装置5からユーザに対して提供されたヘルプコンテンツの適格性(困り事を解決するに至ったか否か)の分析動作を示すシーケンス図である。この
図5のシーケンス図において、画像形成装置5のメーカ側の開発者(自己解決に至ったか否かを分析する人)が、画像形成装置5の操作部を操作することで、自己解決率管理サーバ装置4に対して、自己解決の分析要求を行うと(ステップS21)、自己解決率管理サーバ装置4は、マニュアル管理サーバ装置3に対してマニュアルコンテンツの閲覧履歴情報の取得要求を行い(ステップS22)、マニュアル管理サーバ装置3から送信されたマニュアルコンテンツの閲覧履歴情報を取得する(ステップS23)。
【0032】
また、自己解決率管理サーバ装置4は、FAQコンテンツ管理サーバ装置2に対してFAQコンテンツの閲覧履歴情報の取得要求を行い(ステップS24)、FAQコンテンツ管理サーバ装置3から送信されたFAQコンテンツの閲覧履歴情報を取得する(ステップS25)。さらに、自己解決率管理サーバ装置4は、顧客データ管理サーバ装置1に対して顧客情報の取得要求を行い(ステップS26)、顧客データ管理サーバ装置1から送信された顧客情報を取得する(ステップS27)。
【0033】
自己解決率管理サーバ装置4は、取得したマニュアルコンテンツの閲覧履歴情報、FAQコンテンツの閲覧履歴情報及び顧客情報に基づいて、各ユーザに提供したヘルプコンテンツ(=マニュアルコンテンツ及びFAQコンテンツ)により、ユーザの困り事が解決されたか否かを分析し(ステップS28)、この分析結果を、例えば画像形成装置5の操作部が備える表示部等に出力する(ステップS29)。画像形成装置5のメーカ側の開発者は、この分析結果により、提供したヘルプコンテンツの適格性を認識し、さらに適格なヘルプコンテンツを提供できるように、以後の製品開発を行う。
【0034】
(自己解決の分析動作の詳細)
図6は、画像形成装置5からユーザに対して提供されたヘルプコンテンツの適格性(困り事を解決するに至ったか否か)の分析動作の詳細を説明するためのフローチャートである。この
図6のフローチャートは、画像形成装置5のメーカ側の開発者が、画像形成装置5の操作部を操作することで、自己解決率管理サーバ装置4に対して、自己解決の分析要求を行うことで処理がスタートとなり、ステップS31から順に処理が実行される。
【0035】
まず、上述のように自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42が、FAQコンテンツ管理サーバ装置2からFAQコンテンツの閲覧履歴を取得すると共に、マニュアルコンテンツ管理サーバ装置3からマニュアルコンテンツの閲覧履歴を取得する(ステップS31)。以下の表1に、FAQコンテンツ及びマニュアルコンテンツの閲覧履歴を示す。
【0036】
【0037】
この表1に示すように、各コンテンツの閲覧履歴には、閲覧日時、機器識別情報、閲覧した項目、及び、困り事の分類IDが含まれる。この表1の例の場合、2018年1月1日の12時00分に、ABC1234の機器識別情報の画像形成装置5において、フォルダ送信方法のヘルプコンテンツが閲覧されたことを示す閲覧履歴が記録されている。そして、このフォルダ送信方法のヘルプコンテンツの閲覧履歴は、「send_folder」の困り事分類IDが付されて分類されていることを示している。
【0038】
同様に、表1の例の場合、2018年1月5日の12時00分に、NOP7890の機器識別情報の画像形成装置5において、アドレス帳の登録方法のヘルプコンテンツが閲覧されたことを示す閲覧履歴が記録されている。そして、このアドレス帳の登録方法のヘルプコンテンツの閲覧履歴は、「regist_addressbook」の困り事分類IDが付されて分類されていることを示している。
【0039】
次に、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42は、困り事に関する閲覧履歴と機器識別情報1件を参照する(ステップS32)。すなわち、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42は、表1に示した閲覧履歴の中から、最初にヘルプコンテンツの適格性を分析する閲覧履歴(困り事N)を選択する。一例ではあるが、表1に示す閲覧履歴において、自己解決率管理サーバ装置4は、2018年1月1日の12時00分に発生した、ABC1234の機器識別情報の画像形成装置5の閲覧履歴を選択する。
【0040】
次に、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42は、顧客データ管理サーバ装置1から顧客情報を取得する(ステップS33)。以下の表2に顧客情報の一例を示す。
【0041】
【0042】
顧客情報は、電話又は電子メール等により、ユーザからの問い合わせを受けるオペレータが、顧客データ管理サーバ1に対して入力する。この表2の例は、2018年1月1日の13時00分に、ABC1234の機器識別情報の画像形成装置5を使用していたユーザから、「send_folder」の困り事分類IDの「フォルダ送信できない」との問い合わせがあったことを示している。同様に、表2の例は、2018年1月10日の15時00分に、KLM3456の機器識別情報の画像形成装置5を使用していたユーザから、「send_folder」の困り事分類IDの「フォルダ送信できない」との問い合わせがあったことを示している。
【0043】
次に、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42は、顧客情報の中に「困り事N」と同一の困り事があり、機器識別情報が一致するか否かを判別する(ステップS34)。すなわち、このステップS34では、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42が、ステップS32で選択した閲覧履歴に相当する顧客情報が存在するか否かを判別する。
【0044】
具体的には、ステップS32で選択した閲覧履歴が、2018年1月1日の12時00分に発生した、ABC1234の機器識別情報の画像形成装置5における、「send_folder」の困り事分類IDに分類される、フォルダ送信方法の閲覧履歴である場合、自己解決率算出部42は、ステップS34において、機器識別情報及び困り事分類IDがそれぞれ同じであり、問い合わせ日時が近い顧客情報の有無を判別する。
【0045】
すなわち、表2を見てみると、2018年1月1日の13時00分に、機器識別情報及び困り事分類IDがそれぞれ同じである顧客から問い合わせが入っていることがわかる。これは、2018年1月1日の12時00分にフォルダ送信方法のヘルプコンテンツを閲覧したが困り事を解決するには至らず、2018年1月1日の13時00分に、電話等でオペレータに問い合わせを行ったことを意味している。このような場合、自己解決率算出部42は、提供したヘルプコンテンツでは「困り事が解決しなかった」と判断する(ステップS36)。
【0046】
これに対して、ステップS32で選択した閲覧履歴に対応する顧客情報が検出されないということは、提供したヘルプコンテンツで困り事が解決したことを意味している。このため、自己解決率算出部42は、ステップS32で選択した閲覧履歴の困り事は、提供したヘルプコンテンツで解決済みであると判別する(ステップS35)。
【0047】
このような判別を行うと、自己解決率算出部42は、閲覧履歴、顧客情報、及び、提供したヘルプコンテンツで困り事が解決したか否かを示す情報を関連付けして記憶部に記憶する。そして、自己解決率算出部42は、ステップS37において、次に、自己解決の分析を行う閲覧履歴が存在するか否かを判別し、次に、自己解決の分析を行う閲覧履歴が存在ない場合は、
図6のフローチャートの処理を終了する。
【0048】
また、次に、自己解決の分析を行う閲覧履歴が存在する場合、自己解決率算出部42は処理をステップS32に戻し、次に、自己解決の分析を行う閲覧履歴を新たに選択して上述の分析を行い、分析結果を記憶部に記憶する。これにより、記憶部には、以下の表3に示すように、各閲覧履歴に対する分析結果の一覧が記憶されることとなる。この表3に示す分析結果の一覧は、自己解決率管理サーバ装置4から画像形成装置5に送信され、画像形成装置5の操作部が備える表示部に表示されて、画像形成装置5の開発者等に提供される。画像形成装置5の開発者等は、一覧表示される分析結果を参考にして、より的確なヘルプコンテンツを提供できるように、以後の製品開発を行うこととなる。
【0049】
【0050】
この表3に示すように、自己解決率算出部42は、機器識別情報、困り事分類ID,ヘルプコンテンツ(FAQコンテンツ又はアニュアルコンテンツ)の閲覧履歴(あり/なし)と日時、コールセンターへの問い合わせ情報(有無及び日時)、及び、自己解決できたか否かの各情報を関連付けすることで、解析結果の一連を形成する。
【0051】
自己解決率算出部42は、例えば機器情報がABC1234で、困り事分類IDが「send_folder」に分類される閲覧履歴には、2018年1月1日の午後12:00分というヘルプコンテンツの閲覧日時の情報、及び、2018年1月1日の午後13:00分というコールセンターへ問い合わせを行った日時の情報をそれぞれ関連付けする。そして、この場合、ヘルプコンテンツを閲覧してから1時間後にコールセンターに問い合わせを行っており、閲覧したヘルプコンテンツでは、困り事の自己解決には至らなかったことを意味するため、自己解決率算出部42は、「解決できていない」の解析結果を関連付ける。
【0052】
同様に、自己解決率算出部42は、例えば機器情報がNOP7890で、困り事分類IDが「regist_addressbook」に分類される閲覧履歴には、2018年1月5日の午後12:00分というヘルプコンテンツの閲覧日時の情報、及び、コールセンターへの問い合わせは無かったことを示す「なし」の情報をそれぞれ関連付けする。ヘルプコンテンツを閲覧した後に、コールセンターに対して問い合わせが行われなかったということは、閲覧したヘルプコンテンツで困り事が自己解決したことを意味する。このため、自己解決率算出部42は、「解決できた」の解析結果を関連付ける。
【0053】
(自己解決率の算出動作)
自己解決率算出部42は、画像形成装置5を介して、例えば開発者等から指示されたタイミングで、各困り事に対するヘルプコンテンツの自己解決率を算出する。具体的には、自己解決率算出部42は、「解決率(%)=(解決できた数/同種の困り事の数)×100」の演算を行うことで、困り事毎に、ヘルプコンテンツの自己解決率を算出する。
【0054】
例えば、困り事分類IDが「send_folder」の困り事の発生件数が100件であり、この困り事に対して提供されたヘルプコンテンツで自己解決に至った件数が40件であった場合、自己解決率算出部42は、「(40/100)×100」の演算を行うことで、「40%」の自己解決率の演算結果を得る。
【0055】
同様に、困り事分類IDが「regist_addressbook」の困り事の発生件数が100件であり、この困り事に対して提供されたヘルプコンテンツで自己解決に至った件数が100件であった場合、自己解決率算出部42は、「(100/100)×100」の演算を行うことで、「100%」の自己解決率の演算結果を得る。
【0056】
自己解決率管理サーバ装置4は、このような自己解決率の演算結果を、画像形成装置5に送信する。画像形成装置5のヘルプコンテンツ表示部52は、自己解決率管理サーバ装置4から受信した自己解決率の演算結果を、画像形成装置の操作部が備える表示部に表示する。以下の表4に、自己解決率の演算結果の表示例を示す。画像形成装置5の開発者等は、各ヘルプコンテンツの自己解決率の演算結果を参考にして、より的確なヘルプコンテンツを提供できるように、以後の製品開発を行うこととなる。
【0057】
【0058】
(第1の実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムは、画像形成装置5でヘルプコンテンツが閲覧された履歴と、コールセンターに寄せられた困り事に関するデータを照合し、閲覧されたヘルプコンテンツで、困り事が解決されたか否かを解析する。これにより、画像形成装置5のユーザに所定の操作を求めることなく、自動的に閲覧されたヘルプコンテンツの適格性を解析することができる。このため、このような適格性の解析結果に基づいて、提供するヘルプコンテンツの質(適格性)を高めることができる。また、提供するヘルプコンテンツ適格性を高めることができるため、コールセンターに対する問い合わせを削減可能とすることができる。
【0059】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムの説明をする。この第2の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムは、ヘルプコンテンツの閲覧履歴、コールセンターに対する問い合わせの情報と合わせて、画像形成装置5の操作履歴及びジョブログ情報に基づいて、困り事が解決されたか否かを判別するようにした例である。なお、この点以外は、上述の第1の実施の形態と同様の構成を有する。このため、以下、差異の説明のみ行い、重複説明は省略する。
【0060】
図7に、第2の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムにおける、ヘルプコンテンツの適格性の分析動作を説明するためのフローチャートを示す。この
図7のフローチャートは、
図6のフローチャートのステップS31~ステップS33において、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42が、マニュアルコンテンツ及びFAQコンテンツの閲覧履歴、画像形成装置毎のコールセンターに対する問い合わせ有無等を示す顧客情報を取得し、ヘルプコンテンツの適格性を分析する閲覧履歴(困り事N)を選択することで、
図7のフローチャートのステップS34から処理が開始される。すなわち、
図7のフローチャートは、
図6のフローチャートのステップS31~ステップS33を省略して図示したフローチャートである。
【0061】
図7のステップS34の処理は、
図6のステップS34と同じ処理であり、自己解決率管理サーバ装置4の自己解決率算出部42が、顧客情報の中に「困り事N」と同一の困り事があり、機器識別情報が一致するか否かを判別する。すなわち、この
図7のフローチャートのステップS34では、自己解決率算出部42が、ステップS32で選択した閲覧履歴に相当する顧客情報が存在するか否かを判別する。
【0062】
選択した閲覧履歴に相当する顧客情報が存在すると判別した場合(ステップS34:Yes)、自己解決率算出部42はステップS41に処理を進め、顧客がオペレータに対して問い合わせを行った日時は、ヘルプコンテンツを閲覧した日時より後か否かを判別する。顧客がオペレータに対して問い合わせを行った日時が、ヘルプコンテンツを閲覧した日時より後ということは(ステップS41:Yes)、顧客がヘルプコンテンツを参照しても困り事が解決しなかったため、後からオペレータに対して問い合わせを行ったことを意味している。この場合、自己解決率算出部42は、困り事は「解決していない」と分析する。
【0063】
一方、選択した閲覧履歴に相当する顧客情報が存在しないと判別した場合(ステップS34:No)、自己解決率算出部42はステップS43に処理を進め、現在、解析を行っている機器識別情報の画像形成装置に対し、データ送受信部43を介して、ユーザがどのような操作を行ったかということ示す操作履歴、及び画像形成装置5がジョブの実行結果を記録したジョブログの取得要求を行う。そして、自己解決率算出部42は、ステップS44において、困り事に対応するジョブは成功したか否かを判別する。
【0064】
すなわち、例えばフォルダ送信ができずに困っていたため、ヘルプコンテンツを閲覧した顧客Aと顧客Bがいるとする。以下の表5が顧客Aの操作履歴/ジョブログである。また、表6が顧客Bの操作履歴/ジョブログである。また、表7が、顧客Aのヘルプコンテンツの閲覧履歴である。さらに、表8が、顧客Bのヘルプコンテンツの閲覧履歴である。
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
表5及び表7からわかるように、顧客Aの場合、2017年10月19日の午前10時04分及び午前10時32分に、困り事分類IDが「send_folder」のフォルダ送信に失敗しているが、2017年10月19日の午前11時14分にはフォルダ送信に成功していることがわかる(ステップS44:Yes)。
【0070】
この場合、自己解決率算出部42はステップS45に処理を進め、フォルダ送信に成功した日時は、ヘルプコンテンツの閲覧日時よりも後か否かを判別する。フォルダ送信に成功した日時が、ヘルプコンテンツの閲覧日時よりも先であるということは、ヘルプコンテンツの閲覧とフォルダ送信の成功との間の関係性は薄いことを意味する。また、フォルダ送信の成功の後にヘルプコンテンツを閲覧したということは、現在、何等かの困り事が残っていることを意味する。このため、自己解決率算出部42はステップS42に処理を進め、「困り事は解決していない」と分析する。
【0071】
これに対して、フォルダ送信に成功した日時が、ヘルプコンテンツの閲覧日時よりも後であるということは、ヘルプコンテンツを閲覧することで困り事が解決し、フォルダ送信が成功するに至った可能性が高い。このため、自己解決率算出部42はステップS46に処理を進め、「困り事は解決している」と分析する。
【0072】
一方、表6及び表8からわかるように顧客Bの場合、フォルダ送信のヘルプコンテンツは閲覧しているものの、全てのフォルダ送信のジョブで失敗している。この場合、顧客
は、ヘルプコンテンツを閲覧したが困り事を解決できず、コールセンターに対する問い合わせを行わないまま、フォルダ送信を諦めてしまった可能性が高い。この場合、自己解決率算出部42は、ステップS44からステップS42に処理を進め、「困り事は解決していない」と分析する。
【0073】
以上の説明から明らかなように、第1の実施の形態のヘルプコンテンツ提供システムは、ヘルプコンテンツの閲覧履歴、コールセンターに対する問い合わせの情報と合わせて、画像形成装置5の操作履歴及びジョブログ情報を参照して、困り事が解決されたか否かを判別する。これにより、閲覧されたヘルプコンテンツの適格性を、より正確に分析して、以後の製品開発に役立てることができる他、上述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0074】
最後に、上述の実施の形態は、一例として提示したものであり、本発明の範囲を限定することは意図していない。また、上述の新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことも可能である。上述の実施の形態及び実施の形態の変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0075】
1 顧客データ管理サーバ装置
2 FAQコンテンツ管理サーバ装置
3 マニュアルコンテンツ管理サーバ装置
4 自己解決率管理サーバ装置
5 画像形成装置
6 バスライン
12 データ管理部
22 FAQ管理部
23 FAQ閲覧履歴管理部
32 マニュアル管理部
33 マニュアル閲覧履歴管理部
42 自己解決率算出部
52 ヘルプコンテンツ表示部
53 ヘルプ表示制御部
54 ヘルプ対応アプリ
57 機器情報管理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0076】