(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-21
(45)【発行日】2022-03-02
(54)【発明の名称】プラズマエッチングプロセスでのコーティング部品を使用するプロセスウィンドウの拡大
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220222BHJP
H05H 1/46 20060101ALI20220222BHJP
【FI】
H01L21/302 301S
H01L21/302 101E
H05H1/46 A
(21)【出願番号】P 2020505791
(86)(22)【出願日】2018-07-31
(86)【国際出願番号】 US2018044639
(87)【国際公開番号】W WO2019032338
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-03-26
(32)【優先日】2017-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ドンチン
(72)【発明者】
【氏名】タン, ティエン ファク
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマン, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】チュー, ララ
(72)【発明者】
【氏名】イングル, ニティン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】スネディガー, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】シア, ミン
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-532988(JP,A)
【文献】特表2015-531547(JP,A)
【文献】特表2010-505265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングの方法であって、
アンモニア及びフッ素含有ガスを含む第1のガスをプラズマに流してプラズマ放出物を形成すること;
前記プラズマ放出物をチャンバの第1のセクションに流すこと;
チャンバの第2のセクションでアンモニアを含む第2のガスを前記プラズマ放出物と混合して第1の混合物を形成すること;
前記第1の混合物を前記チャンバの第3のセクションで基板に流すこと;
前記第1の混合物を前記基板と反応させて、シリコン層に対してシリコン酸化物層を選択的にエッチングすること;
前記第1の混合物と前記基板との反応に由来する生成物を含む第2の混合物を形成すること;及び
前記第2の混合物を前記チャンバの第4のセクションを通じて流し、前記チャンバから出すこと、
を含み、ここで、
前記チャンバの前記第1のセクションがニッケルメッキされた材料を含まず、
前記チャンバの前記第2のセクション、前記第3のセクション、及び前記第4のセクションがニッケルメッキされた材料を含み、
前記チャンバの前記第3のセクションの圧力が10Torr以下であり、かつ
前記第1の混合物を前記基板と反応させることが、前記シリコン層の1オングストローム未満及び前記シリコン酸化物層の50オングストローム超をエッチングすることを含む、
方法。
【請求項2】
前記第1の混合物が、前記チャンバ内の経路を前記第2のセクションから前記第4のセクションまで流れ、かつ
前記経路が前記チャンバのニッケルメッキされた部品によって画成される、
請求項
1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体があらゆる目的で参照することにより本明細書に組み込まれる、2017年8月7日出願の米国出願第15/670,919号の利益を主張する。
【0002】
本技術は半導体のプロセス及び機器に関する。より詳細には、本技術は、低圧エッチング動作中のプロセス選択性の改善に関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面上に複雑にパターン形成された材料層を製造するプロセスによって可能となる。基板上にパターン形成された材料を製造するには、露出した材料を除去するための制御された方法が必要である。化学エッチングは、フォトレジストのパターンを下層へと転写すること、層を薄くすること、又は表面上にすでに存在する特徴の横寸法を薄くすることを含めた、さまざまな目的に使用されている。多くの場合、例えば、パターン転写プロセスを促進する、ある材料を別の材料よりも速くエッチングするエッチングプロセスを有することが望ましい。このようなエッチングプロセスは、第1の材料に選択的であると言われている。材料、回路、及びプロセスの多様性の結果として、さまざまな材料に対して選択性を有するエッチングプロセスが開発されてきた。
【0004】
基板処理領域内に形成された局所プラズマで生成されるドライエッチングは、ウェットエッチングよりも狭窄されたトレンチに浸透し、繊細な残りの構造の変形がウェットエッチングよりも少なくなりうる。しかしながら、エッチングプロセスが第2の材料に対して第1の材料に選択的であったとしても、第2の材料の望ましくないエッチングが依然として発生する可能性がある。
【0005】
したがって、高品質のデバイス及び構造を生産するために使用することができる、改善されたシステム及び方法が必要とされている。本技術は、これら及び他の必要性に対処するものである。
【発明の概要】
【0006】
半導体デバイスが小型化するにつれて、これらのデバイスのパターニングはより困難になりうる。特徴が小さくなるほど、画成(画定)がより困難になりうる。これは、サイズの縮小、又は性能、信頼性、及び製造スループットに必要なより厳しい許容誤差に起因しうる。以下に説明する方法は、改善されたパターニングプロセスを提供することができる。
【0007】
ニッケルメッキされた材料によってプラズマ放出物とガスの混合物を流すことにより、より低い圧力でのエッチングを可能にすることができる。低圧処理は、側壁に接触及びエッチングすることなく、エッチング液が狭くて深い特徴の底部に移動するのを促進することによる、より小さくより深い半導体の特徴にとって有利でありうる。ニッケルメッキは、より低い圧力でシリコンのエッチング量を低く維持することにより、選択性を高めることができる。理論に拘束されるつもりはないが、ニッケルは、シリコンの望ましくないエッチングの原因となりうるフッ素ラジカル又は水素ラジカルを掃去(scavenge)することができると考えられている。ニッケルは、ガスとプラズマエッチング液との顕著な混合の下流にあるチャンバの部品をコーティングすることができる。ニッケルは、混合の下流のチャンバ内のプラズマ放出物の流路に沿ったすべての部分をコーティングすることができる。
【0008】
本技術の実施形態は、半導体処理システムを含みうる。本システムは遠隔プラズマ領域を含みうる。本システムはまた、チャネルによって遠隔プラズマ領域と流体的に結合された処理領域も含みうる。本システムはさらに、チャネルに流体的に結合されたガス入口も含みうる。ガス入口は、処理領域に入る前に遠隔プラズマ領域を通過しないガスの流路を画成することができる。処理領域は、基板を支持するように構成されたペデスタルを含みうる。処理領域は、側壁及びシャワーヘッドによって少なくとも部分的に画成されうる。側壁及びシャワーヘッドは、ニッケルでメッキされうる。
【0009】
本技術の実施形態は、エッチングの方法を含みうる。本方法は、チャンバの第1のセクションでプラズマ放出物をガスと混合して第1の混合物を形成することを含みうる。本方法はまた、チャンバの第2のセクション内の基板に第1の混合物を流すことも含みうる。第1のセクション及び第2のセクションは、ニッケルメッキされた材料を含みうる。本方法はさらに、第1の混合物を基板と反応させて、第2の層に対して第1の層を選択的にエッチングすることも含みうる。加えて、本方法は、第1の混合物と基板との反応に由来する生成物を含む第2の混合物を形成することを含みうる。
【0010】
本技術の実施形態は、エッチングの方法を含みうる。本方法は、アンモニア及びフッ素含有ガスを含む第1のガスをプラズマに流してプラズマ放出物を形成することを含みうる。本方法はまた、プラズマ放出物をチャンバの第1のセクションに流すことも含みうる。第1のセクションは、ニッケルメッキされた材料を含まない場合がある。本方法はさらに、チャンバの第2のセクションでアンモニアを含む第2のガスをプラズマ放出物と混合して第1の混合物を形成することも含みうる。加えて、本方法は、第1の混合物をチャンバの第3のセクション内の基板に流すことを含みうる。本方法はまた、第1の混合物を基板と反応させて、シリコン層に対してシリコン酸化物層を選択的にエッチングすることも含みうる。その後、本方法は、第1の混合物と基板との反応に由来する生成物を含む第2の混合物を形成することを含みうる。第2の混合物は、チャンバの第4のセクションを通って流れ、チャンバから出ることができる。第2のセクション、第3のセクション、及び第4のセクションは、ニッケルメッキされた材料を含みうる。
【0011】
開示される技術の性質及び利点は、明細書の残りの部分及び図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術の実施形態による半導体処理システムを示す図を示す。
【
図2】本技術の実施形態によるエッチングの方法を示す図を示す。
【
図3】本技術の実施形態によるエッチングの方法を示す図を示す。
【
図4A】本技術の実施形態によるニッケルでコーティングされたチャンバ及び陽極酸化されたアルミニウムチャンバを使用したエッチング量を示す図を示す。
【
図4B】本技術の実施形態によるニッケルでコーティングされたチャンバ及び陽極酸化されたアルミニウムチャンバを使用したエッチング量を示す図を示す。
【
図4C】本技術の実施形態によるニッケルでコーティングされたチャンバ及び陽極酸化されたアルミニウムチャンバを使用したエッチング量を示す図を示す。
【
図5】本発明の実施形態による例示的な処理ツールの一実施形態の上面図を示す。
【
図6A】本発明の実施形態による例示的な処理チャンバの断面図を示す。
【
図6B】本発明の実施形態による例示的な処理チャンバの断面図を示す。
【
図7】本発明の実施形態による例示的なシャワーヘッド構成の概略図を示す。
【
図8】本技術の実施形態による例示的な処理システムの概略的な断面図を示す。
【
図9】本技術の実施形態による入口アダプタの概略的な底部の部分平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
酸化ケイ素をエッチングするための従来のシステム及び方法は、低圧には適さない場合がある。より小さく、より深い半導体特徴には、低い圧力が好ましいことがある。しかしながら、圧力が低いと、エッチング選択性が低下する場合がある。例えば、より低い圧力での熱酸化物のエッチング中に、熱酸化物のエッチング量は減少する一方、シリコンのエッチング量は増加しうる。低圧では、ラジカルなどの反応性成分の密度が低下する。その結果、熱酸化物のエッチング速度が低下しうる。未反応又は不完全に反応した種もチャンバ内に存在しうる。より低い圧力では、これらの未反応種(例えば、フッ素ラジカル又は水素ラジカル)が基板内のシリコンと反応し、シリコンのエッチング速度が増加することがある。従来の方法は、ラジカルを基板又は他のガス種と反応させるために、チャンバ圧力を増加させてエッチングする。
【0014】
本技術の実施形態は、シリコンのエッチングに対する選択性を実質的に低下させることなく、熱酸化物の低圧エッチングを可能にしうる。ニッケルメッキされたチャンバ部品は、未反応のラジカルの量を低減させうる。未反応のラジカルが少ないと、ラジカルは熱酸化物をエッチングする傾向が高くなり、シリコンをエッチングするために存在する傾向が低くなる。
【0015】
I.システム概要
図1に示されるように、本技術の実施形態は、半導体処理システム100を含みうる。システム100は遠隔プラズマ領域を含みうる。遠隔プラズマ領域は遠隔プラズマ源102を含みうる。
【0016】
システム100はまた、アイソレータ104によって画成されるチャネルによって遠隔プラズマ領域と流体的に結合された処理領域も含みうる。アイソレータ104はアルミナなどのセラミック材料でありうる。アイソレータ104はニッケルでメッキされていなくてもよい。処理領域は、ガスとプラズマ放出物とが混合する場所からチャンバからの出口の方へのプラズマ放出物が基板と反応する場所までのチャンバの領域を含みうる。処理領域は、アイソレータ104を含まないが、アイソレータ104から、チャンバからポンプへのポートまでの領域を含みうる。
【0017】
システム100はさらに、アイソレータ104に流体的に結合されたガス入口106も含みうる。ガス入口は、処理領域に入る前に遠隔プラズマ領域を通過しないガスの流路を画成することができる。プラズマ源102に由来するプラズマ放出物は、インプット108を介してアイソレータ104に入ることができる。ガス入口106及びインプット108は、遠隔プラズマ源(RPS)アダプタ110に配置することができる。RPSアダプタ110は、遠隔プラズマ源をチャンバに接続できるようにする。RPSアダプタ110、ガス入口106、及びインプット108は、ニッケルでメッキされていなくてもよい。
【0018】
アイソレータ104の下流はミキシングマニホールド112である。ミキシングマニホールド112は、実質的に真っ直ぐではない流路を画成することができる。例えば、ミキシングマニホールドは、ガスとプラズマ放出物とを混合するために、流路サイズの縮小(例えば、テーパ)及び/又は拡大を含みうる。ミキシングマニホールド112は、ガスボックス114につながりうる。ガスボックスヒータ116は、ガスボックス114上に配置することができる。
【0019】
ガスボックス114の後、システム100は、プラズマ放出物及び他のガスが均一なブロッカー118、均一な面板120、及び均一な選択性調節装置(SMD)122を通過するように構成することができる。システム100は、均一なSMD122とスペーサ124とによって少なくとも部分的に画成された反応領域を含みうる。反応領域は処理領域の一部でありうる。
【0020】
処理領域は、基板を支持するように構成されたペデスタル126を含みうる。ペデスタルは、ニッケルでメッキすることができるが、基板がペデスタルを覆うことができるため、ニッケルメッキされたペデスタルはエッチングの選択性に影響を及ぼさない場合がある。基板は、シリコンウエハを含めた半導体ウエハでありうる。システム100は、ペデスタル126の周囲に配置された環帯(すなわち、エッジリング128)を含みうる。環帯は、ニッケルでメッキされていてもよい。
【0021】
システム100は、ポンピングライナー/チャネル130を含みうる。ポンピングライナー/チャネル130は、チャンバからポンプへの出口を含みうる。システム100はまた、蓋板インサート132も含みうる。
【0022】
処理領域は、ミキシングマニホールド112からポンピングライナー/チャネル130まで画成される領域を含みうる。処理領域は、側壁(例えば、スペーサ124又はチャンバ壁を形成する任意の部品)とシャワーヘッド(例えば、均一なSMD122)とによって少なくとも部分的に画成されうる。側壁及びシャワーヘッドは、ニッケルでメッキすることができる。ミキシングマニホールド112内でのガスの混合からポンピングライナー/チャネル130までの幾つか又はすべての表面は、例えば、無電解のニッケルメッキ又はニッケル電気メッキを含む、ニッケルでメッキされた表面を有しうる。無電解のニッケルは、ニッケルとホウ素、又はニッケルとリンを含みうる。アイソレータ104の下流の部品は、ニッケルでメッキされた表面を有しうる。言い換えれば、ミキシングマニホールド112、ガスボックス114、均一なブロッカー118、均一な面板120、均一なSMD122、スペーサ124、エッジリング128、及びポンピングライナー/チャネル130は、過剰のラジカルを掃去するニッケル又は別の金属でメッキされうる。圧力板、入口アダプタ、及びディフューザー(
図1には示されていないが、
図8に示されている)は、アイソレータ104とミキシングマニホールド112との間にあってよく、各々が過剰のラジカルを掃去するニッケル又は別の金属でメッキされうる。他の金属には、白金又はパラジウムが含まれうるが、いずれも高価すぎる可能性がある。ニッケルでメッキされる部品は、メッキ前に、ニッケル以外の金属を含んでいてもよい。例えば、部品はステンレス鋼又はアルミニウムを含みうる。
【0023】
図1は、システムの簡略化した図である。
図8は、システムの同様の図を示しており、以下に説明される。当業者は、アイソレータ104の下流(例えば、圧力板4025から)のプラズマ放出物とガスとの混合からチャンバを出るまでの
図8の任意の部品(例えば、金属部品)が、ニッケルでメッキされうることを理解するであろう。
【0024】
II.方法
実施形態は、本明細書に記載されるエッチングのシステムを使用することができる、エッチングの方法を含む。
【0025】
A.例となる方法
図2に示されるように、本技術の実施形態は、エッチングの方法200を含みうる。ブロック202では、方法200は、チャンバの第1のセクションでプラズマ放出物をガスと混合して第1の混合物を形成することを含みうる。プラズマ放出物は、プラズマを通って流れるアンモニア及びフッ素含有ガスに由来する放出物を含みうる。フッ素含有ガスはNF
3及び/又はHFを含みうる。幾つかの実施形態では、プラズマ放出物は、プラズマを通って流れるアンモニア、NF3、アルゴン、H
2、ヘリウム、及びHFに由来する放出物を含みうる。第1のセクションは、無電解のニッケルメッキされた材料を含む、ニッケルメッキされた材料を含みうる。第1のセクションは、
図1のミキシングマニホールド112と同様のミキシングマニホールドを含みうる。実施形態では、第1のセクションは、テーパ状の経路(例えば、
図8の中央開孔4023)を含みうる。テーパ状の経路は、非テーパ状の経路よりも多くのガスを混合することができ、それにより、ニッケルメッキされた部品がラジカルを掃去することを可能にしうる。ガスはアンモニア又は水素を含みうる。
【0026】
プラズマ放出物の混合前に、プラズマ放出物は、ニッケルメッキされた材料を含まないチャンバのセクションを通して流されうる。ガスが導入される前のチャンバの部品は、ニッケルでメッキされていなくてもよい。例えば、
図1では、RPSアダプタ110はニッケルでメッキされていなくてもよい。RPSアダプタをニッケルでメッキすると、所望の結果に反して、エッチングされる酸化ケイ素の量は減少しうるのに対し、エッチングされるポリシリコンの量は増加しうる。金属ではない(例えば、セラミック)、又はプラズマ放出物とガスとの十分な混合が可能ではないチャンバの部品も、ニッケルでメッキされていなくてもよい。例えば、
図1では、アイソレータ104はセラミックであり、ニッケルで容易にメッキすることはできない。加えて、アイソレータ104は、プラズマ放出物とガスとの著しい混合のための幾何学形状を提供しない。
【0027】
ブロック204では、方法200はまた、チャンバの第2のセクション内の基板に第1の混合物を流すことも含みうる。チャンバの第2のセクションは、8から10Torr、6から8Torr、4から6Torr、2から4Torr、1から2Torr、又は1Torr未満を含みうる、10Torr以下の圧力でありうる。チャンバの第2のセクションは、処理中に基板を配置することができるペデスタルを含みうる。第2のセクションは、本明細書に記載される任意のニッケルメッキされた材料を含む、ニッケルメッキされた材料を含みうる。第1の混合物は、チャンバ内の経路を第1のセクションから第2のセクションまで流れうる。経路は、チャンバのニッケルメッキされた部品によって画成されうる。プラズマ放出物とガスとの顕著な混合からチャンバの出口までの経路は、ニッケルでメッキされていない表面によって中断されていない、ニッケルでメッキされた表面によって画成することができる。
【0028】
ブロック206では、方法200はさらに、第1の混合物を基板と反応させて、第2の層に対して第1の層を選択的にエッチングすることも含みうる。第1の層はシリコン熱酸化物層でありうる。第2の層は、ポリシリコン層を含めたシリコン層でありうる。第2の層は、フッ素ラジカル又は水素ラジカルによってエッチングすることができる任意の層でありうる。第1の混合物を基板と反応させることは第2の層を1オングストローム未満及び第2の層を50オングストローム超、エッチングすることを含みうる。実施形態では、第2の層は、50オングストローム超、100オングストローム超、200オングストローム、又は300オングストロームのエッチング量を有しうるのに対し、第1の層は、0.5オングストローム未満又は約0オングストロームを含めた1オングストローム未満のエッチング量を有しうる。シリコンに対する酸化物のエッチング選択性は、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000より大きくなりうる。
【0029】
ブロック208では、方法200は、第1の混合物と基板との反応に由来する生成物を含む第2の混合物を形成することを含みうる。方法200はまた、第2の混合物をチャンバのセクションに通してチャンバから出るように流すことも含んでよく、チャンバからの流出につながるチャンバの表面はニッケルメッキされた材料を含む。例えば、
図1では、ポンピングライナー/チャネル130はニッケルでメッキされうる。
【0030】
方法200は、ニッケルメッキされた材料上にフッ素原子又は水素原子を吸着することを含みうる。基板との反応に由来するフッ素原子又は水素原子を除去すると、熱酸化物のエッチング中にシリコンのエッチングを無視できる程度に維持するのに役立ちうる。
【0031】
方法200はさらに、チャンバから基板を取り出し、基板上に追加のパターニング工程を行うことも含みうる。
【0032】
B.例となる方法
図3に示されるように、本技術の実施形態は、エッチングの方法300を含みうる。ブロック302では、方法300は、アンモニア及びフッ素含有ガスを含む第1のガスをプラズマに流してプラズマ放出物を形成することを含みうる。第1のガスは、本明細書に記載される任意のガスでありうる。
【0033】
ブロック304では、方法300はまた、プラズマ放出物をチャンバの第1のセクションに流すことも含みうる。第1のセクションは、ニッケルメッキされた材料を含まなくてもよい。第1のセクションは、金属ではない又はプラズマ放出物とガスとが十分に混合しないチャンバの部品を含みうる。第1のセクションは、本明細書に記載されるニッケルでメッキされていないチャンバの任意のセクションでありうる。
【0034】
ブロック306では、方法300はさらに、チャンバの第2のセクションでアンモニアを含む第2のガスをプラズマ放出物と混合して第1の混合物を形成することも含みうる。第2のガスは、プラズマ放出物との混合前にプラズマを通過しなくてよい。チャンバの第2のセクションは、ガスが十分な混合を被る場所でありうる。例えば、
図1では、チャンバの第2のセクションはミキシングマニホールド112を含みうる。チャンバの第2のセクションは、テーパ状の開孔を含むことができ、また、
図8の圧力板4025、入口アダプタ4030、ディフューザー4035、及びミキシングマニホールド4040を含みうる。
【0035】
ブロック308では、方法300は、第1の混合物をチャンバの第3のセクション内の基板に流すことを含みうる。チャンバの第3のセクションは、基板がエッチングされるチャンバ部分を含みうる。
図1では、チャンバの第3のセクションは、均一なSMD122とスペーサとによって少なくとも部分的に画成することができ、ペデスタル126を含むことができる。
【0036】
ブロック310では、方法300はまた、第1の混合物を基板と反応させて、シリコン層に対してシリコン酸化物層を選択的にエッチングすることも含みうる。シリコン酸化物層及びシリコン層は、本明細書に記載されるいずれかの層であってよく、本明細書に記載されるように選択的にエッチングすることができる。
【0037】
ブロック312では、方法300は、第1の混合物と基板との反応に由来する生成物を含む第2の混合物を形成することを含みうる。生成物は、酸化ケイ素のエッチングに由来するエッチング副生成物を含みうる。
【0038】
ブロック314では、第2の混合物は、チャンバの第4のセクションを通って流れて、チャンバから出ることができる。チャンバの第4のセクションは、ポンプポート、又は例えば、
図1のポンピングライナー/チャネル130によって少なくとも部分的に画成されうる。チャンバから出ることは、基板を受け取るように構成されたシステムのセクションとは大幅に異なる圧力でシステムのセクションに入ることを含みうる。
【0039】
第2のセクション、第3のセクション、及び第4のセクションは、ニッケルメッキされた材料を含みうる。第1の混合物は、チャンバ内の経路を第2のセクションから第4のセクションまで流れうる。経路は連続的であってよく、チャンバのニッケルメッキされた部品によって画成することができる。第2のセクションから第4のセクションまでの任意の表面は、ニッケルでメッキすることができ、ニッケルメッキのない表面を含まない場合がある。
図1で説明したように、ミキシングマニホールド112を含めたミキシングマニホールド112からポンピングライナー/チャネル130までのあらゆる部品をニッケルでメッキすることができる。
図8では、圧力板4025を含めた圧力板4025からチャンバを出るまでのあらゆる部品をニッケルでメッキすることができる。
【実施例】
【0040】
III.実施例
ニッケルメッキされた部品を有しないシステムと、ニッケルメッキされた部品を有するシステムについて、エッチング量を測定した。ニッケルメッキされた部品を備えたシステムは、ニッケルでメッキされたアイソレータ104の下流の部品(ミキシングマニホールド112、ガスボックス114、均一なブロッカー118、均一な面板120、均一なSMD122、スペーサ124、エッジリング128、及びポンピングライナー/チャネル130、並びに
図1には示されていない圧力板、入口アダプタ、及びディフューザーを含む)を備えた、
図1と同様のシステムであった。RPSアダプタ110及びアイソレータ104は、ニッケルでメッキされていなかった。ニッケルメッキされた部品を有しないシステムは、代わりに陽極酸化されたアルミニウムを有していた。NH
3、NF
3、アルゴン、H
2、ヘリウム、及びHFの混合ガスを遠隔プラズマ源に流した。その後、プラズマ放出物をアンモニアと混合し、流して、基板をエッチングした。熱酸化物とポリシリコンのエッチング量を測定した。
【0041】
図4A、
図4B、及び
図4Cは、ニッケルでコーティングしたチャンバ及び陽極酸化されたアルミニウムチャンバを用いたエッチングの結果を示している。
図4Aでは、x軸はチャンバの圧力である。左側のy軸は、オングストロームでの熱酸化物エッチング量を示している。このプロセスには、より高い熱酸化物エッチング量が望ましい。ダイヤモンドはニッケルコーティングの熱酸化物エッチング量を示しており、三角形は陽極酸化されたアルミニウムコーティングの熱酸化物エッチング量を示している。7Torrから10Torrの圧力では、両システムは同様の熱酸化物エッチング量を示している。
【0042】
右側のy軸は、オングストロームでのシリコンエッチング量を示している。四角は、ニッケルコーティングのシリコンエッチング量を示しており、×は陽極酸化されたアルミニウムコーティングのシリコンエッチング量を示している。10Torrでは、ニッケルコーティングシステムと陽極酸化されたアルミニウムコーティングシステムの両方が、ゼロに近いシリコンエッチング量を示している。しかしながら、圧力が低下すると、陽極酸化されたアルミニウムコーティングシステムのシリコンエッチング量が増加する。6Torrでは、陽極酸化されたアルミニウムコーティングにより、結果的に約10オングストロームのシリコンがエッチングされる。対照的に、4Torrの最低試験圧力でも、ニッケルでコーティングされたシステムは、シリコンのエッチング量がほとんどないことを示している。
【0043】
図4Bは
図4Aの結果だが、ニッケルでコーティングされたシステムについてのみを示している。グラフは、左側のy軸に熱酸化物のエッチング量、右側のy軸にシリコンのエッチング量、x軸にチャンバの圧力を示している。熱酸化物のエッチング量がプロットされており、圧力が低下するにつれて熱酸化物のエッチング量が低下している。チャンバ圧力に対するシリコンのエッチング量は測定されなかった。結果として、この例では、ニッケルでコーティングされたシステムは、シリコンに対する熱酸化物の無限のエッチング選択性を示している。
【0044】
図4Cは、
図4Aの結果だが、陽極酸化されたアルミニウムシステムについてのみを示している。グラフは、左側のy軸に熱酸化物のエッチング量、右側のy軸にシリコンのエッチング量、x軸にチャンバの圧力を示している。熱酸化物のエッチング量がプロットされており、圧力が低下するにつれて熱酸化物のエッチング量が低下している。シリコンのエッチング量は、圧力が低下するにつれて増加している。7Torrの圧力では、シリコンのエッチング量は約10オングストロームであったのに対し、熱酸化物のエッチング量は約250オングストロームであった。7Torrでの選択性は25をわずかに上回った。結果は、チャンバの圧力が低下するにつれて、シリコンのエッチング量が増加し続け、熱酸化物のエッチング量が減少し続けるであろうことを示唆している。結果として、7Torr未満の圧力では、25未満の選択性が予期されよう。
【0045】
IV.例示的な処理システム
本発明の実施形態を実装することができる処理チャンバは、米国カリフォルニア州サンタクララ所在のApplied Materials,Inc.から入手可能なProducer(登録商標)Selectra(商標)エッチングシステムなどの処理プラットフォーム内に含まれうる。
【0046】
図5は、開示される実施形態による堆積、エッチング、ベーキング、及び硬化チャンバの処理ツール1000の一実施形態の上面図を示している。この図では、一対の前方開口型統一ポッド(FOUP)1002により、さまざまなサイズの基板が供給され、該基板は、ロボットアーム1004に受け入れられて、低圧保持領域1006内に置かれ、その後、タンデムセクション1009a~cに位置付けられた基板処理チャンバ1008a~fのうちの1つの中に配置される。第2のロボットアーム1010を使用して、基板ウエハを保持領域1006から基板処理チャンバ1008a~fへと搬送したり、戻したりすることができる。各基板処理チャンバ1008a~fは、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、湿式エッチング、予洗浄、ガス抜き、配向、及び他の基板プロセスに加えて、本明細書に記載されるドライエッチングプロセスを含む多くの基板処理工程を実行するように装備されうる。
【0047】
基板処理チャン1008a~fは、基板ウエハ上で膜を堆積、アニール、硬化、及び/又はエッチングするための1つ以上のシステム構成要素を含みうる。一構成において、2対の処理チャンバ、例えば1008c~d及び1008e~fを基板上に材料を堆積させるために使用することができ、第3の対の処理チャンバ、例えば1008a~bは、堆積した膜をエッチングするために使用することができる。別の構成では、例えば1008a~fなどの3対のチャンバすべてを、基板上の膜をエッチングするように構成することができる。記載されるプロセスのいずれか1つ以上を、異なる実施形態に示される製造システムから分離されたチャンバで実行することができる。膜は、誘電体、保護、又は他の材料でありうる。膜のための堆積、エッチング、アニーリング、及び硬化チャンバの追加の構成が処理ツール1000によって企図されることが認識されよう。
【0048】
図6Aは、処理チャンバ内に仕切られたプラズマ生成領域を備えた例示的な処理チャンバセクション2000の断面図を示している。例えば、シリコン、ポリシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、炭素含有材料などの膜のエッチング中に、プロセスガスは、ガス入口アセンブリ2005を通って第1のプラズマ領域2015に流入しうる。遠隔プラズマシステム(RPS)ユニット2001は、システム内に含まれてもよく、また、ガスを処理することができ、該ガスはその後にガス入口アセンブリ2005を通って移動しうる。入口アセンブリ2005は、第2のチャネル(図示せず)がRPSユニット2001を迂回することができる2つ以上の別個のガス供給チャネルを含みうる。したがって、開示される実施形態では、前駆体ガスは、非励起状態で処理チャンバに送給されてもよい。別の例では、開示される実施形態において、RPSを介して提供される第1のチャネルはプロセスガス用に使用することができ、RPSを迂回する第2のチャネルは処理ガス用に使用することができる。プロセスガスは、第1のプラズマ領域2015に入る前に、RPSユニット2001内で励起されてもよい。したがって、例えばフッ素含有前駆体は、開示される実施形態では、RPS2001を通過することができ、あるいはRPSユニットを迂回することができる。この配置に包含される他のさまざまな例も同様に理解されよう。
【0049】
冷却板2003、面板2017、イオンサプレッサ2023、シャワーヘッド2025、及び基板2055をその上に有するペデスタル2065が示されており、それらは各々、開示される実施形態に従って含まれうる。ペデスタル2065は、基板の温度を制御するために熱交換流体が通流する熱交換チャネルを有しうる。この構成により、基板2055の温度が冷却又は加熱されて、約-20℃から約200℃の間、又はその間の比較的低い温度を維持することができる。熱交換流体は、エチレングリコール及び/又は水を含みうる。アルミニウム、セラミック、又はそれらの組合せを含みうるペデスタル2065のウエハ支持プラッタはまた、埋め込まれた抵抗加熱素子を使用して、約100℃以下から約1100℃以上までなどの比較的高い温度を達成するために、抵抗加熱されてもよい。加熱素子はペデスタル内に1つ以上のループとして形成されてよく、ヒータ素子の外側部分は支持プラッタの外周に隣接して延在することができ、内側部分はより小さい半径を有する同心円の経路上に延在しうる。ヒータ素子への配線は、ペデスタル2065のステムを通過してもよく、ペデスタルはさらに,回転するように構成されていてもよい。
【0050】
面板2017は、ピラミッド形、円錐形、又は上部が狭く、底部に向かって広くなっている別の同様の構造でありうる。面板2017はさらに、図示されるように平坦であってよく、プロセスガスを分配するために用いられる複数の貫通チャネルを含みうる。プラズマ生成ガス及び/又はプラズマ励起種は、RPS2001の使用に応じて、面板2017の複数の孔を通過して、第1のプラズマ領域2015へのより均一な送給を行うことができる。
【0051】
例示的な構成は、ガス/核種が面板2017の穴を通って第1のプラズマ領域2015に流れるように、面板2017によって第1のプラズマ領域2015から仕切られたガス供給領域2058内へとガス入口アセンブリ2005を開くことを含みうる。構造的及び動作的特徴は、プラズマが第1のプラズマ領域2015から供給領域2058、ガス入口アセンブリ2005、及び流体供給システム210(図示せず)へと逆流するのを防ぐように選択することができる。構造的特徴は、プラズマの逆流を無効にする、面板2017の開孔の寸法と断面形状の選択を含みうる。動作特徴は、シャワーヘッド2025を通るプラズマの流れを一方向に維持する、ガス供給領域2058と第1のプラズマ領域2015との間の圧力差を維持することを含みうる。面板2017又はチャンバの導電性上部とシャワーヘッド2025とが、特徴の間に配置された絶縁リング2020とともに示されており、それによって、シャワーヘッド2025及び/又はイオンサプレッサ2023に対して面板2017にAC電位を印加することが可能となる。絶縁リング2020は、面板2017とシャワーヘッド2025及び/又はイオンサプレッサ2023との間に位置づけることができ、それによって、容量結合プラズマ(CCP)が第1のプラズマ領域に形成されることが可能となる。バッフル(図示せず)は、追加的に第1のプラズマ領域2015に配置されるか、あるいは他の方法でガス入口アセンブリ2005と結合して、ガス入口アセンブリ2005を通る領域内への流体の流れに影響を及ぼすことができる。
【0052】
イオンサプレッサ2023は、非荷電中性種又はラジカル種がイオンサプレッサ2023を通過してサプレッサとシャワーヘッドとの間の活性化ガス送給領域内に入ることを可能にしつつ、プラズマ励起領域2015からの荷電種(例えば、イオン)の移動を抑制するように構成された構造全体にわたって複数の開孔を画成するプレート又は他の幾何学形状を含むことができる。開示される実施形態では、イオンサプレッサ2023は、さまざまな開孔構成を有する有孔板を含みうる。これらの非荷電種には、反応性の低いキャリアガスとともに開孔から輸送される、反応性の高い種が含まれうる。上記のように、孔を通るイオン種の移動は減少し、場合によっては完全に抑制することができる。イオンサプレッサ2023を通過するイオン種の量を制御することにより、下にあるウエハ基板と接触する混合ガスの制御を高めることができ、それによって混合ガスの堆積及び/又はエッチング特性の制御を高めることができる。例えば、混合ガスのイオン濃度の調整は、そのエッチング選択性を著しく変更することができる。堆積が行われる代替的な実施形態では、誘電体材料、炭素含有材料、及び他の材料についての共形型の堆積の流動可能型の堆積に対するバランスをシフトさせることもできる。
【0053】
イオンサプレッサ2023の複数の孔は、イオンサプレッサ2023を通る活性化ガス、すなわち、イオン種、ラジカル種、及び/又は中性種の通過を制御するように構成することができる。例えば、孔のアスペクト比、又は孔の長さに対する直径、及び/又は孔の幾何学形状は、イオンサプレッサ2023を通過する活性化ガス中のイオン荷電種の流れが減少するように制御することができる。イオンサプレッサ2023の孔は、プラズマ励起領域2015に面するテーパ部分と、シャワーヘッド2025に面する円筒部分とを含みうる。円筒部分は、シャワーヘッド2025を通過するイオン種の流れを制御するように成形及び寸法決めされうる。調整可能な電気バイアスを、サプレッサを通るイオン種の流れを制御する追加の手段としてイオンサプレッサ2023に適用することもできる。
【0054】
イオン抑制素子2023は、プラズマ生成領域から基板へと移動するイオン荷電種の量を低減又は排除するように機能することができる。非荷電中性種及びラジカル種は、依然として、イオンサプレッサの開口部を通過して、基板と反応することができる。基板を取り囲む反応領域内のイオン荷電種の完全な排除が常に望ましい目標ではないことに注意すべきである。多くの場合、エッチング及び/又は堆積プロセスを実行するためには、イオン種が基板に到達することが必要である。これらの事例では、イオンサプレッサは、プロセスを支援するレベルで反応領域内のイオン種の濃度を制御するのに役立てることができる。
【0055】
イオンサプレッサ2023と組み合わせたシャワーヘッド2025は、チャンバプラズマ領域2015に存在するプラズマが基板処理領域2033内のガスを直接励起することを回避する一方で、励起種がチャンバプラズマ領域2015から基板処理領域2033内への移動を可能にする。このようにして、チャンバは、プラズマがエッチングされる基板2055に接触するのを防ぐように構成することができる。これにより、生成されたプラズマが直接接触すると損傷、転位、又は他の方法で反る可能性がある、基板上にパターン形成されたさまざまな複雑な構造及び膜を有利に保護することができる。加えて、プラズマが、エッチング停止などのトレンチによって露出された下地材料への接触を許可されると、下地材料がエッチングされる速度が増加しうる。
【0056】
処理システムは、処理チャンバと電気的に結合されて、面板2017、イオンサプレッサ2023、シャワーヘッド2025、及び/又はペデスタル2065に電力を供給して第1のプラズマ領域2015又は処理領域233にプラズマを生成する、電源2040をさらに含むことができる。電源は、実行されるプロセスに応じて、調整可能な量の電力をチャンバに供給するように構成することができる。このような構成により、実行中のプロセスにおいて、調整可能なプラズマを使用できるようになる。しばしばオン又はオフ機能が提示される遠隔プラズマユニットとは異なり、調整可能なプラズマは、特定の量の電力をプラズマ領域2015に送給するように構成することができる。これにより、特定のプラズマ特性の開発が可能になり、その結果、前駆体を特定の方法で解離して、これらの前駆体によって生成されるエッチングプロファイルを強化することができる。
【0057】
プラズマは、シャワーヘッド2025の上のチャンバプラズマ領域2015又はシャワーヘッド2025の下の基板処理領域2033のいずれかで点火することができる。プラズマは、チャンバプラズマ領域2015に存在して、フッ素含有前駆体の流入からラジカルフッ素前駆体を生成することができる。典型的には高周波(RF)範囲内のAC電圧は、堆積中にチャンバプラズマ領域2015内のプラズマに点火するために、面板2017などの処理チャンバの導電性上部とシャワーヘッド2025及び/又はイオンサプレッサ2023との間に印加することができる。RF電源は13.56MHzの高いRF周波数を生成しうるが、他の周波数を単独で又は13.56MHz周波数と組み合わせて生成することもできる。
【0058】
プラズマ出力は、さまざまな周波数又は複数の周波数の組合せでありうる。例示的な処理システムでは、プラズマは、イオンサプレッサ2023及び/又はシャワーヘッド2025に対して面板2017に送給されるRF電力によって提供されてもよい。RF電力は、異なる実施形態では、約10ワットから約2000ワット、約100ワットから約2000ワット、約200ワットから約1500ワット、又は約200ワットから約1000ワットでありうる。例示的な処理システムに適用されるRF周波数は、異なる実施形態では、約200 kHz未満の低RF周波数、約10MHzから約15MHzの高RF周波数、又は約1GHz以上のマイクロ波周波数でありうる。プラズマ出力は、遠隔プラズマ領域に容量結合(CCP)又は誘導結合(ICP)されうる。
【0059】
上部プラズマ領域2015は、例えば、膜を硬化するか、又は基板処理領域2033に接する内面を洗浄するために、基板処理領域2033の底部プラズマがオンにされたときに低出力又は無出力のまま残されうる。基板処理領域2033内のプラズマは、シャワーヘッド2025とチャンバのペデスタル2065又は底部との間にAC電圧を印加することにより点火されうる。プラズマが存在している間に、洗浄ガスが基板処理領域2033に導入されうる。
【0060】
前駆体、例えばフッ素含有前駆体などの流体は、本明細書に記載されるシャワーヘッドの実施形態によって処理領域2033に流入されうる。プラズマ領域2015内のプロセスガスに由来する励起種は、イオンサプレッサ2023及び/又はシャワーヘッド2025の開孔を通って移動し、シャワーヘッドの別個の部分から処理領域2033に流入する追加の前駆体と反応しうる。あるいは、すべての前駆体核種がプラズマ領域2015内で励起されている場合には、追加の前駆体がシャワーヘッドの別個の部分を通って流れなくてもよい。処理領域2033にはプラズマがほとんど又はまったく存在しなくてもよい。前駆体の励起誘導体は、開示された用途では、基板上の領域で、及び、場合によっては基板上で結合して、構造をエッチングするか、又は基板上の核種を除去することができる。
【0061】
第1のプラズマ領域2015内の流体を直接励起すること、又はRPSユニット2001内の流体を励起することにより、幾つかの利点を提供することができる。流体に由来する励起種の濃度は、第1のプラズマ領域2015のプラズマに起因して、処理領域2033内で増加しうる。この増加は、第1プラズマ領域2015のプラズマの位置に起因する可能性がある。処理領域2033は、遠隔プラズマシステム(RPS)2001よりも第1のプラズマ領域2015の近くに配置され、励起種が他のガス分子、チャンバの壁、及びシャワーヘッドの表面に衝突することによって励起状態のまま存在する時間が短くなりうる。
【0062】
プロセスガスに由来する励起種の濃度の均一性も、処理領域2033内で増加しうる。これは、処理領域2033の形状により類似しうる、第1のプラズマ領域2015の形状に起因する可能性がある。RPSユニット2001で生成された励起種は、シャワーヘッド2025の中心近くの開孔を通過する種と比較してシャワーヘッド2025の端部近くの開孔を通過するために、より長い距離を移動しうる。距離が大きくなると、励起種の励起が減少する可能性があり、例えば、基板のエッジ付近で成長速度が遅くなる可能性がある。第1のプラズマ領域2015で流体を励起させることにより、RPS2001を流れる流体のこの変動を緩和することができる。
【0063】
プロセスガスは、RPSユニット2001内で励起することができ、シャワーヘッド2025を通して励起状態で処理領域2033まで通過することができる。あるいは、プラズマガスを励起するか、又はRPSからすでに励起されたプロセスガスを増強するために、第1の処理領域に電力が印加されてもよい。プラズマは処理領域2033内で生成されてもよいが、代替的に、プラズマは処理領域で生成されなくてもよい。一例では、プロセスガス又は前駆体の唯一の励起は、処理領域2033内の基板2055と反応させるために、RPSユニット2001内でプロセスガスを励起することでありうる。
【0064】
流体前駆体に加えて、送給を支援するキャリアガスを含む、さまざまな目的のためにさまざまな時間に導入される他のガスが存在してもよい。処理ガスを導入して、チャンバ壁、基板、堆積膜、及び/又は堆積中の膜から不要な種を除去することができる。処理ガスはプラズマ内で励起されて、その後にチャンバ内の残留物を減少又は除去するために使用することができる。他の開示された実施形態では、処理ガスはプラズマなしで使用することができる。処理ガスに水蒸気が含まれる場合には、質量流量計(MFM)、質量流量コントローラ(MFC)、注入バルブ、又は市販の水蒸気発生器を使用して送球を達成することができる。処理ガスは、RPSユニットを介して又はRPSユニットを迂回して処理領域2033に導入されてもよく、第1のプラズマ領域でさらに励起されてもよい。
【0065】
図6Bは、面板2017を通るプロセスガスの分布に影響を与える特徴の詳細図を示している。
図6A及び6Bに示されるように、面板2017、冷却板2003、及びガス入口アセンブリ2005が交差して、ガス入口2005からプロセスガスを送給することができるガス供給領域2058を画成する。ガスは、ガス供給領域2058を満たし、面板2017の開孔2059を通って第1のプラズマ領域2015へと流れうる。開孔2059は、プロセスガスが処理領域2033内に流れ込むことができるが、面板2017を横切った後にガス供給領域2058への逆流を部分的に又は完全に防止することができるように、流れを実質的に一方向に向けるように構成することができる。
【0066】
処理チャンバ区域2000で使用されるシャワーヘッド2025などのガス分配アセンブリは、デュアルチャネルシャワーヘッド(DCSH)と称することができ、本明細書の
図6A及び
図7に記載される実施形態にさらに詳しく示されている。デュアルチャネルシャワーヘッドは、処理領域2033外でのエッチング液の分離を可能にするエッチングプロセスを提供することができ、それにより、処理領域内に送給される前に、チャンバ構成要素及び互いとの限られた相互作用をもたらすことができる。
【0067】
シャワーヘッド2025は、上部プレート2014及び下部プレート2016を備えることができる。該プレートは、プレート間の容積2018を画成するように互いに結合されうる。プレートの結合により、上部及び下部プレートを通る第1の流体チャネル2019、並びに下部プレート2016を通る第2の流体チャネル2021を設けることができる。形成されたチャネルは、第2の流体チャネル2021のみを介して下部プレート2016を通る容積2018からの流体アクセスをもたらすように構成することができ、第1の流体チャネル2019は、プレートと第2の流体チャネル2021との間の容積2018から流体的に隔離することができる。容積2018は、ガス分配アセンブリ2025の側面を介して流体的にアクセス可能でありうる。
図6Aの例示的なシステムはデュアルチャネルシャワーヘッドを含むが、処理領域2033の前に流体的に隔離された第1及び第2の前駆体を維持する代替的な分配アセンブリを用いることができることが理解される。例えば、有孔板とプレートの下のチューブを使用することができるが、他の構成では効率が低下するか、あるいは記載されるデュアルチャネルシャワーヘッドほど均一な処理が行われない可能性がある。
【0068】
示される実施形態では、シャワーヘッド2025は、チャンバプラズマ領域2015内のプラズマ又はRPSユニット2001からのプラズマによる励起時にプラズマ放出物を含むプロセスガスを第1の流体チャネル2019を介して分配することができる。実施形態では、RPSユニット2001及び/又はチャンバプラズマ領域2015に導入されるプロセスガスには、例えばCF4、NF3、又はXeF2などのフッ素、例えばN2Oなどの酸素、若しくは例えばH2又はNH3などの水素含有前駆体が含まれうる。一方又は両方のプロセスガスには、ヘリウム、アルゴン、窒素(N2)などのキャリアガスも含まれうる。プラズマ放出物には、プロセスガスのイオン化誘導体又は中性誘導体が含まれ、これは、本明細書ではラジカルフッ素前駆体とも呼ばれ、導入されたプロセスガスの原子構成要素を指す。一例では、NF3などのフッ素含有ガスは、RPSユニット2001内で励起され、領域2015及び2033を、これらの領域内でさらなるプラズマが生成されることなく、通過することができる。RPSユニット2001からのプラズマ放出物は、シャワーヘッド2025を通過し、その後基板2055と反応しうる。シャワーヘッド2025を通過した後、プラズマ放出物はラジカル種を含むことができ、イオン種又はUV光を本質的に欠いている場合がある。これらのプラズマ放出物は、基板2055上の膜、例えば、窒化チタン及び他のマスキング材料と反応しうる。
【0069】
処理チャンバ区域2000で使用されるガス分配アセンブリ2025は、デュアルチャネルシャワーヘッド(DCSH)と称され、本明細書の
図7に記載される実施形態に詳細が示されている。デュアルチャネルシャワーヘッドは、材料の流動性堆積、及び動作中の前駆体と処理流体との分離を可能にしうる。あるいは、シャワーヘッドは、反応ゾーン外でのエッチング液の分離を可能にするエッチングプロセスに利用して、処理領域に送給される前に、チャンバ構成要素及び互いとの限られた相互作用を提供することができる。
【0070】
図7は、開示された実施形態による処理チャンバと共に使用するためのシャワーヘッド3025の底面図である。シャワーヘッド3025は、
図6Aに示されたシャワーヘッドに対応しうる。第1の流体チャネル2019のビューを示す貫通孔3065は、シャワーヘッド3025を通る前駆体の流れを制御し影響を与えるために、複数の形状及び構成を有しうる。第2の流体チャネル2021の図を示す小孔3075は、貫通孔3065の間でさえも、シャワーヘッドの表面上に実質的に均等に分配することができ、これは、前駆体がシャワーヘッドを出るときに、他の構成よりも前駆体をより均一に混合するのに役立ちうる。
【0071】
図8は、本技術の実施形態による例示的な処理システム4000の概略的な断面図を示している。システム4000は、
図1のシステム100の変形でありうる。システム4000はまた、
図6Aに示されるチャンバの変形も含んでよく、この図に示される構成要素の一部又はすべてを含んでよい。システム4000は、処理チャンバ4005及び遠隔プラズマユニット4010を含みうる。遠隔プラズマユニット4010は、1つ以上の構成要素を備えた処理チャンバ4005と結合されうる。遠隔プラズマユニット4010は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015、アイソレータ4020、圧力板4025、及び入口アダプタ4030、ディフューザー4035、又はミキシングマニホールド4040のうちの1つ以上と結合されうる。ミキシングマニホールド4040は、処理チャンバ4005の上部と結合することができ、処理チャンバ4005の入口と結合することができる。
【0072】
遠隔プラズマユニットアダプタ4015は、第1の端部4011で遠隔プラズマユニット4010と結合することができ、第1の端部4011と反対側の第2の端部4012でアイソレータ4020と結合することができる。遠隔プラズマユニットを通して、アダプタ4015は1つ以上のチャネルを画成することができる。第1の端部4011において、チャネル4013への開口部又はポートを画成することができる。チャネル4013は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015内に集中的に画成することができ、かつ、遠隔プラズマユニット4010からの流れの方向でありうる遠隔プラズマユニットアダプタ4015を通る中心軸に対して垂直な方向の第1の断面積によって特徴付けることができる。チャネル4013の直径は、遠隔プラズマユニット4010からの出口ポートと等しいか、又はそれと共通でありうる。チャネル4013は、第1の端部4011から第2の端部4012までの長さによって特徴付けることができる。チャネル4013は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015の全長、又は第1の端部4011から第2の端部4012までの長さよりも短い長さにわたって延在しうる。例えば、チャネル4013は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015の第1の端部4011から第2の端部4012までの長さの半分未満まで延在することができ、チャネル4013は第1の端部4011から第2の端部4012までの長さの半分まで延在することができ、チャネル4013は第1の端部4011から第2の端部4012までの長さの半分を超えて延在することができ、あるいはチャネル4013は遠隔プラズマユニットアダプタ4015の第1の端部4011から第2の端部4012までの長さの約半分まで延在することができる。
【0073】
遠隔プラズマユニットアダプタ4015はまた、遠隔プラズマユニットアダプタ4015の下に画成された1つ以上のトレンチ4014も画成することができる。トレンチ4014は、アイソレータ4020との結合を可能にしうるOリング又はエラストマ要素の着座を可能にするために、遠隔プラズマユニットアダプタ4015内に画成される1つ以上の環状凹部であるか、又はそれを含むことができる。
【0074】
アイソレータ4020は、実施形態では、遠隔プラズマユニットアダプタ4015の第2の端部4012と結合されうる。アイソレータ4020は、アイソレータチャネル4021の周りの環状部材であるか、又はそれを含むことができる。アイソレータチャネル4021は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015を通る流れの方向の中心軸と軸方向に整列させることができる。アイソレータチャネル4021は、アイソレータ4020を通る流れの方向に対して垂直な方向の第2の断面積によって特徴付けることができる。第2の断面積は、チャネル4013の第1の断面積に等しくても、大きくても、又は小さくてもよい。実施形態では、アイソレータチャネル4021は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015を通るチャネル4013の直径よりも大きい、等しい、又はほぼ同じ直径によって特徴付けることができる。
【0075】
アイソレータ4020は、遠隔プラズマユニットアダプタ4015、ミキシングマニホールド4040、又は任意の他のチャンバ構成要素と同様の又は異なる材料で作ることができる。幾つかの実施形態では、遠隔プラズマユニットアダプタ4015及びミキシングマニホールド4040は、アルミニウムの酸化物、1つ以上の表面の処理されたアルミニウム、又は他の何らかの材料を含むアルミニウムでできているか、又はそれらを含んでいてもよい一方で、アイソレータ4020は、他のチャンバ構成要素よりも熱伝導性が低い材料であるか、又はそれを含むことができる。幾つかの実施形態では、アイソレータ4020は、遠隔プラズマユニット4010とチャンバ4005との間に熱破壊をもたらすように構成されたセラミック、プラスチック、又は他の断熱構成要素であるか、又はそれを含むことができる。動作中、遠隔プラズマユニット4010は、チャンバ4005より低い温度で冷却又は動作することができ、一方、チャンバ4005は、遠隔プラズマユニット4010より高い温度で加熱又は動作することができる。セラミック又は断熱アイソレータ4020を提供することにより、構成要素間の熱、電気、又は他の干渉を防止又は制限することができる。
【0076】
アイソレータ4020は圧力板4025に連結されている。圧力板4025は、実施形態では、アルミニウム又は別の材料であるか、又はそれを含むことができ、圧力板4025は、実施形態では、遠隔プラズマユニットアダプタ4015又はミキシングマニホールド4040と同様の又は異なる材料で作られるか、又はそれらを含むことができる。圧力板4025は、圧力板4025を通る中央開孔4023を画成することができる。中央開孔4023は、アイソレータチャネル4021に近接する部分から圧力板4025の反対側まで圧力板4025を通るテーパ形状によって特徴付けることができる。アイソレータチャネル4021に近接した中央開孔4023の部分は、アイソレータチャネル4021の断面積に等しいか又は類似の流れの方向に垂直な断面積によって特徴付けることができる。中央開孔4023は、圧力板4025の長さにわたる、約10%以上のテーパのパーセンテージによって特徴付けることができ、実施形態では、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、又はそれ以上のテーパのパーセンテージによって特徴付けることができる。圧力板4025はまた、アイソレータ4020の下に画成された1つ以上のトレンチ4024も画成しうる。トレンチ4024は、アイソレータ4020との結合を可能にしうるOリング又はエラストマ要素の着座を可能にするために、圧力板4025内に画成される1つ以上の環状凹部であるか、又はそれを含むことができる。
【0077】
入口アダプタ4030は、第1の端部4026において圧力板4025に結合することができ、第1の端部4026の反対側の第2の端部4027においてディフューザー4035と結合することができる。入口アダプタ4030は、入口アダプタ4030を通って画成される中央チャネル4028を画成しうる。中央チャネル4028は、第1の部分4029aと第2の部分4029bとによって特徴付けることができる。第1の部分4029aは、入口アダプタ4030を通って第1の端部4026から第1の長さまで延在することができ、中央チャネル4028は、第2の端部4027まで延在しうる第2の部分4029bに移行することができる。第1の部分4029aは第1の断面積又は直径によって特徴付けることができ、第2の部分4029bは、第1のものよりも小さい第2の断面積又は直径によって特徴付けることができる。実施形態では、第1の部分4029aの断面積又は直径は、第2の部分4029bの断面積又は直径の2倍の大きさであってよく、実施形態では、最大で約3倍以上の大きさ、約4倍以上の大きさ、約5倍以上の大きさ、約6倍以上の大きさ、約7倍以上の大きさ、約8倍以上の大きさ、約9倍以上の大きさ、約10倍以上の大きさ、又はそれ以上でありうる。中央チャネル4028は、実施形態では、遠隔プラズマユニット4010から送給される前駆体のプラズマ放出物を提供するように構成することができ、これは、遠隔プラズマユニットアダプタ4015のチャネル4013、アイソレータ4020のアイソレータチャネル4021、及び圧力板4025の中央開孔4023を通過しうる。
【0078】
入口アダプタ4030はまた、第1の部分4029aの下から第2の端部4027まで、又は第2の端部4027を通って延在しうる、1つ以上の第2のチャネル4031も画成しうる。第2のチャネル4031は、入口アダプタ4030を通る中心軸に対して垂直な方向の第2の断面積によって特徴付けることができる。第2の断面積は、実施形態では第1の部分4029aの断面積より小さくてよく、第2の部分4029bの断面積又は直径より大きくなりうる。第2のチャネル4031は、第2の端部4027で入口アダプタ4030からの出口まで延在することができ、遠隔プラズマユニット4010から交互に送給される第1のバイパス前駆体などの前駆体のためのアダプタ4030からの出口を提供することができる。例えば、第2のチャネル4031は、遠隔プラズマユニット4010を迂回することができる入口アダプタ4030の側面などの外面に沿って画成された第1のポート4032から流体的にアクセス可能でありうる。第1のポート4032は、入口アダプタ4030の長さに沿って第1の部分4029a又はその下に存在することができ、第2のチャネル4031への流体アクセスを提供するように構成することができる。
【0079】
第2のチャネル4031は、入口アダプタ4030を通して前駆体を送給し、第2の端部4027から排出することができる。第2のチャネル4031は、第1の部分4029aと第2の端部4027との間の入口アダプタ4030の領域に画成されうる。実施形態では、第2のチャネル4031は、中央チャネル4028からアクセス可能でなくてもよい。第2のチャネル4031は、遠隔プラズマユニット4010から中央チャネル4028に送給されるプラズマ放出物から流体的に隔離された前駆体を維持するように構成されうる。第1のバイパス前駆体は、第2の端部4027を通って入口アダプタ4030を出るまでプラズマ放出物と接触しない可能性がある。第2のチャネル4031は、アダプタ4030に画成された1つ以上のチャネルを含みうる。第2のチャネル4031は、アダプタ4030内の中央に位置することができ、中央チャネル4028に関連付けられうる。例えば、第2のチャネル4031は、実施形態では、中央チャネル4028の周りに同心円状に整列され、画成されうる。第2のチャネル4031は、実施形態では、入口アダプタ4030の長さ又は垂直断面を部分的に通って延在する環状又は円筒状のチャネルでありうる。幾つかの実施形態では、第2のチャネル4031は、中央チャネル4028の周りに放射状に延びる複数のチャネルでありうる。
【0080】
入口アダプタ4030はまた、第1の部分4029aの下から第2の端部4027まで又はそれを通って延在し、かつ、第1のポート4032を二分する平面の下から延在しうる、1つ以上の第3のチャネル4033も画成しうる。第3のチャネル4033は、入口アダプタ4030を通る中心軸に対して垂直な方向の第3の断面積によって特徴付けることができる。第3の断面積は、実施形態では第1の部分4029aの断面積より小さくてよく、第2の部分4029bの断面積又は直径より大きくなりうる。第3の断面積はまた、図示されるように、第1の部分4029aの断面積又は直径に等しいか又は同様でありうる。例えば、第3のチャネル4033の外径は、第1の部分4029aの外径と同等でありうるか、又は第1の部分4029aの外径より小さくなりうる。第3のチャネル4033は、第2の端部4027で入口アダプタ4030からの出口まで延在することができ、遠隔プラズマユニット4010から交互に送給される第2のバイパス前駆体などの前駆体のためのアダプタ4030からの出口を提供することができる。例えば、第3のチャネル4033は、遠隔プラズマユニット4010を迂回することができる入口アダプタ4030の側面などの外面に沿って画成された第2のポート4034から流体的にアクセス可能でありうる。第2のポート4034は、入口アダプタ4030の第1のポート4032とは反対の側又は部分に位置しうる。第2のポート4034は、入口アダプタ4030の長さに沿って第1の部分4029a又はその下に存在することができ、第3のチャネル4033への流体アクセスを提供するように構成することができる。第2のポート4034は、実施形態では、入口アダプタ4030の長さに沿って、第1のポート4032又はその下にも存在することができる。
【0081】
第3のチャネル4033は、入口アダプタ4030を通して第2のバイパス前駆体を送給し、第2の端部4027から排出することができる。第3のチャネル4033は、第1の部分4029aと第2の端部4027との間の入口アダプタ4030の領域に画成されうる。実施形態では、第3のチャネル4033は、中央チャネル4028からアクセス可能でなくてもよい。第3のチャネル4033は、遠隔プラズマユニット4010から中央チャネル4028内に送給されるプラズマ放出物から、及び第1のポート4032を通って第2のチャネル4031内に送給される第1のバイパス前駆体から流体的に隔離された第2のバイパス前駆体を維持するように構成されうる。第2のバイパス前駆体は、第2の端部4027を通って入口アダプタ4030を出るまで、プラズマ放出物又は第1のバイパス前駆体と接触しなくてもよい。第3のチャネル4033は、アダプタ4030に画成された1つ以上のチャネルを含みうる。第3のチャネル4033は、アダプタ4030内の中央に位置することができ、中央チャネル4028及び第2のチャネル4031に関連付けられうる。例えば、第3のチャネル4033は、実施形態では中央チャネル4028の周りに同心円状に整列して画成されてもよく、第2のチャネル4031の周りに同心円状に整列して画成されてもよい。第3のチャネル4033は、実施形態では、入口アダプタ4030の長さ又は垂直断面を部分的に通って延在する第2の環状又は円筒状のチャネルでありうる。幾つかの実施形態では、第3のチャネル4033は、中央チャネル4028周りに放射状に延びる複数のチャネルでありうる。
【0082】
ディフューザー4035は、入口アダプタ4030とミキシングマニホールド4040との間に配置することができ、ミキシングマニホールド4040にアクセスするまで、入口アダプタ4030を通して送給される前駆体を流体的に隔離したまま維持することができる。ディフューザー4035は、該ディフューザー4035を通して画成された円筒形又は環状のチャネルなどの11つ以上のチャネルによって特徴付けることができる。実施形態では、ディフューザー4035は、第1のチャネル4036又は中央チャネル、第2のチャネル4037、及び第3のチャネル4038を画成することができる。チャネルは、中央チャネル4028の第2の部分4029b、第2のチャネル4031、及び入口アダプタ4030の第3のチャネル4033と同様の寸法又は直径によって特徴付けることができる。例えば、各チャネルは、入口アダプタチャネルをミキシングマニホールド4040まで延ばすことができる。第2のチャネル4037及び第3のチャネル4038はそれぞれ、第1のチャネル4036の周りに画成された環状チャネルであってよく、第1のチャネル4036、第2のチャネル4037、及び第3のチャネル4038は、実施形態ではディフューザー4035を通して同心円状に整列され、画成されうる。
【0083】
ディフューザー4035は、該ディフューザー4035の周りに1つ以上のトレンチ4039を追加的に画成することができる。例えば、ディフューザー4035は、実施形態では、第1のトレンチ4039a、第2のトレンチ4039b、及び第3のトレンチ4039cを画成することができ、それにより、入口アダプタ4030とディフューザー4035との間にOリング又はエラストマ部材の着座を可能にしうる。トレンチ4039の各々は、実施形態では、ディフューザー4035を通して画成されたチャネルの1つ以上に対して半径方向外側に位置する環状トレンチでありうる。第1のトレンチ4039aは、第1のチャネル4036の半径方向外側に位置することができ、第1のチャネル4036と第2のチャネル4037との間に位置することができる。第2のトレンチ4039bは、第2のチャネル4037の半径方向外側に位置することができ、第2のチャネル4037と第3のチャネル4038との間に位置することができる。第3のトレンチ4039cは、第3のチャネル4038の半径方向外側に位置することができる。各トレンチ4039の直径は、それが関連付けられ、それが半径方向外側に配置されうるチャネルよりも大きくなりうる。トレンチは、入口アダプタ4030とディフューザー4035との間の密封性の改善を可能にし、前駆体が構成要素間で流体的に隔離された状態に維持され、チャネル間の漏れが生じないようにすることができる。
【0084】
ミキシングマニホールド4040は、第1の端部4041でディフューザー4035と結合することができ、また第2の端部4042でチャンバ4005と結合することができる。ミキシングマニホールド4040は、第1の端部4041で入口4043を画成することができる。入口4043は、ディフューザー4035からの流体アクセスを提供することができ、入口4043は、ディフューザー4035を通る第3のチャネル4038の直径に等しいか又はほぼ同じ直径によって特徴付けることができる。入口4043は、ミキシングマニホールド4040を通るチャネル4044の一部を画成することができ、チャネル4044は、該チャネル4044の外形を画成する1つ以上のセクションで構成されうる。入口4043は、ミキシングマニホールド4040のチャネル4044を通る流れの方向の第1のセクションでありうる。入口4043は、ミキシングマニホールド4040の流れの方向の長さの半分未満でありうる長さによって特徴付けることができる。入口4043の長さは、ミキシングマニホールド4040の長さの3分の1よりも短くてもよく、実施形態ではミキシングマニホールド4040の長さの4分の1よりも短くなりうる。入口4043は、ディフューザー4035から各前駆体を受け取ることができ、また、前駆体の混合を可能にすることができ、該前駆体は、ミキシングマニホールド4040に送給されるまで、流体的に隔離されて維持されていてもよい。
【0085】
入口4043は、チャネル4044の第2のセクションまで延在してよく、これは、テーパ状セクション4045であるか、又はそれを含んでもよい。テーパ状セクション4045は、入口4043の直径に等しいか又は同様の第1の直径から第1の直径未満の第2の直径まで延在することができる。幾つかの実施形態では、第2の直径は、第1の直径の約半分又はそれ未満でありうる。テーパ状セクション4045は、実施形態では、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、又はそれ以上のテーパのパーセンテージによって特徴付けることができる。
【0086】
テーパ状セクション4045は、フレアセクション4046でありうるチャネル4044の第3の領域へと移行しうる。フレアセクション4046は、テーパ状セクション4045から第2の端部4042におけるミキシングマニホールド4040の出口まで延在しうる。フレアセクション4046は、テーパ状セクション4045の第2の直径に等しい第1の直径から該第1の直径より大きい第2の直径まで延在しうる。幾つかの実施形態では、第2の直径は、第1の直径の約2倍以上でありうる。フレアセクション4046は、実施形態では、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上、約300%以上、又はそれ以上のフレアのパーセンテージによって特徴付けることができる。
【0087】
フレアセクション4046は、出口4047を介して、ミキシングマニホールド4040を通って第2の端部4042を通じて送給される前駆体に出口を提供しうる。ミキシングマニホールド4040を通るチャネル4044のセクションは、混合前駆体をチャンバ4005に供給する前に、ミキシングマニホールドに送給される前駆体の適切な又は徹底的な混合をもたらすように構成されうる。従来の技術とは異なり、チャンバへの送給前にエッチング液又は前駆体の混合を実行することにより、本システムは、チャンバ及び基板の周りに分配される前に均一な特性を有するエッチング液を提供することができる。このようにして、本技術で実行されるプロセスは、基板表面全体により均一な結果をもたらすことができる。
【0088】
処理チャンバ4005は、積み重ねられた配置で幾つかの構成要素を含むことができる。チャンバの積み重ねは、ガスボックス4050、遮蔽板4060、面板4070、イオン抑制素子4080、及び蓋スペーサ4090を含みうる。これらの構成要素を利用して、前駆体又は前駆体のセットをチャンバに分配して、処理用の基板へのエッチング液又は他の前駆体の均一な送給をもたらすことができる。実施形態では、これらの構成要素は、それぞれがチャンバ4005の外部を少なくとも部分的に画成する積層板であってもよい。
【0089】
ガスボックス4050は、チャンバ入口4052を画成しうる。前駆体をチャンバ4005に送給するために、ガスボックス4050を通して中央チャネル4054を画成することができる。入口4052をミキシングマニホールド4040の出口4047と整列させることができる。入口4052及び/又は中央チャネル4054は、実施形態では、同様の直径によって特徴付けることができる。中央チャネル4054は、ガスボックス4050を通って延在してよく、ガスボックス4050によって上から画成された容積4057に1つ以上の前駆体を送給するように構成されうる。ガスボックス4050は、上面などの第1の表面4053と、ガスボックス4050の底面などの第1の表面4053と反対側の第2の表面4055とを含みうる。上面4053は、実施形態では、平坦又は実質的に平坦な表面でありうる。上面4053と結合されているのはヒータ4048でありうる。
【0090】
ヒータ4048は、実施形態では、チャンバ4005を加熱するように構成されてよく、各蓋スタック構成要素を伝導的に加熱することができる。ヒータ4048は、流体ヒータ、電気ヒータ、マイクロ波ヒータ、又は熱をチャンバ44005に伝導的に送達するように構成された他のデバイスを含む、あらゆる種類のヒータでありうる。幾つかの実施形態では、ヒータ4048は、ガスボックス4050の第1の表面4053の周りに環状パターンで形成された電気ヒータであるか、又はそれを含むことができる。ヒータは、ガスボックス4050にわたって、かつミキシングマニホールド4040の周りに画成されうる。ヒータは、プレートヒータ又は抵抗素子ヒータとすることができ、これは、最大約2,000W、約2,000W、又は約2,000W超の熱を供給するように構成することができ、約2,500W以上、約3,000W以上、約3,500W以上、約4,000W以上、約4,500W以上、約5,000W以上、又はそれ以上を供給するように構成することができる。
【0091】
ヒータ4048は、最大約50℃、約50℃、又は約50℃を超える可変チャンバ構成要素温度を生成するように構成することができ、実施形態では、約75℃以上、約100℃以上、約150℃以上、約200℃以上、約250℃以上、約300℃以上、又はそれ以上のチャンバ構成要素温度を生成するように構成することができる。ヒータ4048は、イオン抑制素子4080などの個々の構成要素をこれらの温度のいずれかまで上昇させて、アニールなどの処理工程を促進するように構成することができる。幾つかの処理工程では、基板は、アニーリング工程のためにイオン抑制素子4080に向けて上昇してよく、ヒータ4048は、該ヒータの温度を上記の特定の温度、又は上記温度のいずれかの範囲内又は間にある任意の温度範囲まで伝導的に上昇させるように調整することができる。
【0092】
ガスボックス4050の第2の表面4055は、遮蔽板4060と結合されうる。遮蔽板4060は、ガスボックス4050の直径に等しい又は同様の直径によって特徴付けることができる。遮蔽板4060は、そのサンプルのみが示されている、該遮蔽板4060を貫通する複数の開孔4063を画成することができ、それにより、エッチング液などの前駆体を容積4057から分配することを可能にし、また、基板への均一な送達のためにチャンバ4005を通して前駆体の分配を開始することができる。幾つかの開孔4063のみが示されているが、遮蔽板4060は、構造を通して画成された任意の数の開孔4063を有しうることが理解されるべきである。遮蔽板4060は、該遮蔽板4060の外径にある隆起した環状セクション4065と、遮蔽板4060の外径にある下降した環状セクション4066とによって特徴付けることができる。隆起した環状セクション4065は、遮蔽板4060に構造的剛性をもたらすことができ、実施形態では容積4057の側面又は外径を画成することができる。遮蔽板4060はまた、下から容積4057の底部も画成することができる。容積4057は、遮蔽板4060の開孔4063を通過する前に、ガスボックス4050の中央チャネル4054からの前駆体の分配も可能にしうる。下降した環状セクション4066もまた、遮蔽板4060に構造的剛性を提供することができ、実施形態では、第2の容積4058の側面又は外径を画成することができる。遮蔽板4060はまた、上から容積4058の上部も画成することができ、一方、容積4058の底部は、下から面板4070によって画成することができる。
【0093】
面板4070は、第1の表面4072と、該第1の表面4072とは反対側の第2の表面4074とを含みうる。面板4070は、第1の表面4072で遮蔽板4060と結合することができ、これは、遮蔽板4060の下降した環状セクション4066と係合することができる。面板4070は、面板4070内に又は面板4070によって少なくとも部分的に画成された第3の容積4075まで延びる、第2の表面4074の内部に出っ張り4073を画成することができる。例えば、面板4070は、第3の容積4075の側面又は外径並びに上から容積4075の上部を画成することができ、一方、イオン抑制素子4080は、下から第3の容積4075を画成することができる。面板4070は、
図8には示されていないが、チャンバ2000に関して前述したように、面板を通る複数のチャネルを画成することができる。
【0094】
イオン抑制素子4080は、面板4070の第2の表面4074に近接して配置することができ、第2の表面4074で面板4070と結合することができる。イオン抑制素子4080は、上述のイオンサプレッサ2023と同様であってもよく、基板を収容するチャンバ4005の処理領域内へのイオンの移動を低減するように構成することができる。イオン抑制素子4080は、
図8には示されていないが、
図6Aに示されているように、構造を貫通する複数の開孔を画成することができる。実施形態では、ガスボックス4050、遮蔽板4060、面板4070、及びイオン抑制素子4080は、一緒に結合することができ、実施形態では、一緒に直接結合することができる。構成要素を直接結合することにより、ヒータ4048によって生成された熱が構成要素を通って伝導され、特定のチャンバ温度を維持することができ、それにより、構成要素間の変動をより少なく維持することができる。イオン抑制素子4080は、処理中に基板が維持されるプラズマ処理領域を一緒に少なくとも部分的に画成しうる蓋スペーサ4090とも接触しうる。
【0095】
図9を参照すると、本技術の実施形態による入口アダプタ5000の底部の部分平面図が示されている。入口アダプタ5000は、実施形態では、入口アダプタ4030と同様でありうる。図示されるように、入口アダプタは、該入口アダプタ5000の中心軸の周りに同心円状に整列された3つのチャネルを含みうる。他の実施形態では、入口アダプタ5000は、図示されているよりも多い又は少ないチャネルを含みうることが理解されるべきである。入口アダプタ5000は、前述のように遠隔プラズマユニットから流体的にアクセス可能でありうる中央チャネル5005を含みうる。中央チャネル5005は、入口アダプタ5000を完全に貫通して延在しうる。第2のチャネル5010は、中央チャネル5005の周りに延在することができ、中央チャネル5005を通って前駆体のプラズマ放出物と共に追加的又は代替的に送給される第1のバイパス前駆体のための流体アクセスを提供することができる。第2のチャネル5010は、入口アダプタ5000の外部に沿って画成された第1のポート5012からアクセスすることができる。第2のチャネル5010は、中央チャネル5005と同心円状に整列されてもよく、中央チャネル5005を通って流れるプラズマ放出物又は異なる前駆体から流体的に隔離された第1のバイパス前駆体を維持することができる。
【0096】
第3のチャネル5015は、中央チャネル5005及び第2のチャネル5010の周りに延在することができ、中央チャネル5005を通じた前駆体のプラズマ放出物と共に追加的又は代替的に送給される第2のバイパス前駆体及び第2のチャネル5010を通じたて第1のバイパス前駆体のための流体アクセスを提供することができる。第3のチャネル5015は、第1のポート5012の反対側の入口アダプタ5000の側面に位置しうる、入口アダプタ5000の外側に沿って画成された第2のポート5017からアクセスすることができる。第2のポート5017並びに第3のチャネル5015は、第1のポート5012を通る水平面の下に位置しうる。第3のチャネル5015は、中央チャネル5005と同心円状に整列することができ、中央チャネル5005を通って流れるプラズマ放出物又は異なる前駆体から流体的に隔離された第2のバイパス前駆体と、第2のチャネル5010を介して送給される第1のバイパス前駆体とを維持することができる。
【0097】
第2のチャネル5010及び第3のチャネル5015はいずれも、実施形態では、入口アダプタ5000の長さを少なくとも部分的に通して画成された環状のチャネルでありうる。チャネルはまた、中央チャネル5005の周りに画成された複数のチャネルであってもよい。前駆体に3つの別々の経路を提供することにより、前駆体の異なる体積及び/又は流量を利用して、前駆体の送給とエッチング液の生成のさらに大きい制御をもたらすことができる。各前駆体は、1つ以上のキャリアガスとともに送給することができ、発達したエッチング液は、入口アダプタ5000と流体的に結合された処理チャンバへの送給の前に微調整することができる。
【0098】
本発明の例となる実施形態の上記説明は、例示及び説明の目的で提示されている。網羅的であること又は本発明を記載された正確な形態に限定することは意図されておらず、上記教示に照らして多くの修正及び変形が可能である。
【0099】
前述の記載では、説明を目的として、本技術のさまざまな実施形態の理解をもたらすために、多くの詳細が述べられてきた。しかしながら、これらの詳細の幾つかを含まずに、又はさらなる詳細と共に、ある特定の実施形態を実施しすることができることは、当業者とって明白であろう。
【0100】
幾つかの実施形態について説明してきたが、本発明の本質から逸脱することなく、さまざまな修正、代替構造、及び等価物が使用されうることが、当業者には認識されよう。加えて、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、幾つかの周知のプロセス及び要素については説明していない。加えて、特定の実施形態の詳細は、その実施形態の変形例に常に存在しなくてもよく、又は、他の実施形態に追加されてもよい。
【0101】
値の範囲が与えられる場合、その範囲の上限と下限との間で、文脈が特に明確に指示しない限り、下限の単位の10分の1までの各介在値も具体的に開示されることが理解される。規定の範囲内の規定値又は介在値と、その規定範囲内の他の規定値又は介在値との間のより小さい範囲の各々が、包含される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して範囲に含まれるか、又は除外される場合があり、限界値のいずれかがより小さい範囲に含まれる場合、限界値のいずれもより小さい範囲に含まれない場合、又は限界値のいずれもより小さい範囲内に含まれる場合の各範囲も、記載された範囲内の具体的に除外された任意の限界値に従い、本発明に含まれる。指定された範囲に限界値の一方又は両方が含まれる場合、これらの含まれる限界値のいずれか又は両方を除外する範囲もまた含まれる。
【0102】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「1つの方法」への言及は、複数のこのような方法を含み、「その層」への言及は、1つ以上の層及び当業者に知られているその等価物への言及を含む、等々である。明確さ及び理解の目的で、本発明を詳細に説明してきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲内で、ある特定の変更及び修正を実施できることが認識されよう。
【0103】
本明細書に引用されるすべての刊行物、特許、及び特許出願は、それら全てがあらゆる目的のために参照により本書に組み込まれる。従来技術であると認められるものは存在しない。