(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-22
(45)【発行日】2022-03-03
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
H04L 1/00 20060101AFI20220224BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20220224BHJP
【FI】
H04L1/00 E
H04L27/26 113
H04L1/00 B
(21)【出願番号】P 2017209111
(22)【出願日】2017-10-30
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2016213433
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(73)【特許権者】
【識別番号】591053926
【氏名又は名称】一般財団法人NHKエンジニアリングシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100185225
【氏名又は名称】齋藤 恭一
(72)【発明者】
【氏名】本田 円香
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 宏明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】蔀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 進
(72)【発明者】
【氏名】成清 善一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知明
(72)【発明者】
【氏名】村山 研一
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 一彦
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-070279(JP,A)
【文献】特開平11-098104(JP,A)
【文献】国際公開第2015/162886(WO,A1)
【文献】特開平05-276131(JP,A)
【文献】特開2016-149740(JP,A)
【文献】特開2015-103930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H04L 27/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1セグメントに複数のTMCCを含むOFDM信号を送信する送信装置であって、
伝送パラメータに関するパラメータ情報が入力され、これを複数に分離する分離部と、
分離されたパラメータ情報を誤り訂正符号化する複数の誤り訂正符号化部と、
誤り訂正符号化されたパラメータ情報であるビット列を、前記OFDM信号のFFTサイズに対応する所定数のTMCCにインターリーブするインターリーブ部と、
を有するTMCC情報ビット生成部、を備え
、
前記TMCCは、差動復号の基準ビットと、前記複数のTMCCが2群に分かれ各群内のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて16ビットの所定の同期信号ワードが構成される同期ビットと、前記TMCC情報ビット生成部で生成されたTMCC情報ビットを含むことを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置において、前記誤り訂正符号化は、差集合巡回符号化であることを特徴とする送信装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の送信装置において、前記FFTサイズが8Kで1セグメントあたりのTMCCが2本であるか、前記FFTサイズが16Kで1セグメントあたりのTMCCが4本であるか、前記FFTサイズが32Kで1セグメントあたりのTMCCが8本であるか、のいずれかであることを特徴とする送信装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の送信装置において、前記TMCCは、
前記誤り訂正符号化されたパラメータ情報である408ビットのビット列が、前記所定数のTMCCに均等に分配されたTMCC情報ビットを含むことを特徴とする送信装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の送信装置において、前記パラメータ情報には、伝送帯域のモードを識別するための情報を含むことを特徴とする送信装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の送信装置において、前記パラメータ情報には、均一コンスタレーションを使用するか、不均一コンスタレーションを使用するかを示す情報を含むことを特徴とする送信装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の送信装置において、前記パラメータ情報には、LDPC符号化の符号長と符号化率を示す情報を含むことを特徴とする送信装置。
【請求項8】
送信装置に搭載されるチップであって、
伝送パラメータに関するパラメータ情報を複数に分離し、分離されたパラメータ情報を誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化されたパラメータ情報であるビット列を、OFDM信号のFFTサイズに対応する所定数のTMCCにインターリーブし、TMCC情報ビットを生成
し、
さらに、前記TMCC情報ビットに基づいて複数のTMCCを生成し、前記TMCCは、差動復号の基準ビットと、前記複数のTMCCが2群に分かれ各群内のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて16ビットの所定の同期信号ワードが構成される同期ビットと、前記TMCC情報ビットを含むことを特徴とするチップ。
【請求項9】
1セグメントに複数のTMCCを含むOFDM信号を受信する受信装置であって、
受信した複数のTMCCに含まれるTMCC情報ビットをデインターリーブし、複数のビット列に分割するデインターリーブ部と、
前記デインターリーブ部から出力されたビット列を誤り訂正復号する複数の誤り訂正復号部と、
誤り訂正復号されたビット列を合成して、伝送パラメータに関するパラメータ情報を生成する合成部と、
を有するパラメータ情報生成部、を備え
、
前記TMCCは、差動復号の基準ビットと、前記複数のTMCCが2群に分かれ各群内のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて16ビットの所定の同期信号ワードが構成される同期ビットと、前記TMCC情報ビットを含むことを特徴とする受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関し、特に、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)を含む信号を送受信する送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の日本における地上デジタル放送方式であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式では、多重化方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)を用いており、OFDMフレームの所定の周波数キャリアにTMCCを割り当てて、フレーム同期ビットや各種の制御情報を伝送するように構成されている。TMCCに含まれる情報は、システム識別、伝送パラメータ切り替え指標、緊急警報放送用起動フラグ、カレント情報、ネクスト情報など、受信機の復調と復号動作を補助する情報である(非特許文献1)。
【0003】
一方、地上波によるスーパーハイビジョン放送等を想定した次世代地上デジタル放送方式では、伝送容量の拡大のために、多様な変調方式や新しい伝送方式の導入が検討されており、その結果、ISDB-T方式と比べると、TMCCによって送信すべき伝送パラメータの数が飛躍的に増加することが想定される。
【0004】
また、次世代地上デジタル放送方式(以下、次世代地上伝送方式ということもある。)では、伝送容量の拡大手段の一つとして、ISDB-T方式で用いられているFFT(Fast Fourier Transform)サイズを拡張することが検討されているが、FFTサイズの拡張に伴ってOFDMフレーム長やOFDMシンボル長が長くなり、同期確立やチャネル切り替えに時間を要することから、1OFDMフレームあたりのOFDMシンボル数を少なくすることが必要となってくる。
【0005】
そこで、FFTサイズに関わらずにTMCCの伝送容量を確保するために、FTTサイズに基づいて、TMCCを送信するためのキャリアの数を変更することが提案されている。例えば、FFTサイズが4Kである場合には、1本のキャリアでTMCCを伝送し、FFTサイズが8Kである場合には、2本のキャリアを1つのブロックとしてTMCCを伝送し、FFTサイズが16Kである場合には、4本のキャリアを1つのブロックとしてTMCCを伝送し、FFTサイズが32Kである場合には、8本のキャリアを1つのブロックとしてTMCCを伝送するように構成することが提案されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【非特許文献】
【0007】
【文献】「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」標準規格、ARIB STD-B31、一般社団法人 電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、FTTサイズに基づいて、TMCC情報を送信するためのキャリアの数を変更する場合において、TMCCにより、有効なパラメータ情報を高い品質で伝送するために、各TMCC信号をどのように生成すべきか、具体的手法は確立されていない。また、次世代地上デジタル放送方式において、TMCCにどのような伝送パラメータ情報を含ませるか、これまで十分な検討がなされていない。
【0009】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、TMCCの雑音耐性を確保しつつ、TMCCにより、多くの有用な伝送パラメータを伝送することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明に係る送信装置は、1セグメントに複数のTMCCを含むOFDM信号を送信する送信装置であって、伝送パラメータに関するパラメータ情報が入力され、これを複数に分離する分離部と、分離されたパラメータ情報を誤り訂正符号化する複数の誤り訂正符号化部と、誤り訂正符号化されたパラメータ情報であるビット列を、前記OFDM信号のFFTサイズに対応する所定数のTMCCにインターリーブするインターリーブ部と、を有するTMCC情報ビット生成部、を備え、前記TMCCは、差動復号の基準ビットと、前記複数のTMCCが2群に分かれ各群内のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて16ビットの所定の同期信号ワードが構成される同期ビットと、前記TMCC情報ビット生成部で生成されたTMCC情報ビットを含むことを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
また、前記送信装置は、前記誤り訂正符号化が、差集合巡回符号化であることが望ましい。
【0012】
また、前記送信装置は、前記FFTサイズが8Kで1セグメントあたりのTMCCが2本であるか、前記FFTサイズが16Kで1セグメントあたりのTMCCが4本であるか、前記FFTサイズが32Kで1セグメントあたりのTMCCが8本であるか、のいずれかであることが望ましい。
【0013】
また、前記送信装置は、前記TMCCが、前記誤り訂正符号化されたパラメータ情報である408ビットのビット列が、前記所定数のTMCCに均等に分配されたTMCC情報ビットを含むことが望ましい。
【0014】
また、前記送信装置は、前記パラメータ情報には、伝送帯域のモードを識別するための情報を含むことが望ましい。
【0015】
また、前記送信装置は、前記パラメータ情報には、均一コンスタレーションを使用するか、不均一コンスタレーションを使用するかを示す情報を含むことが望ましい。
【0016】
また、前記送信装置は、前記パラメータ情報には、LDPC符号化の符号長と符号化率を示す情報を含むことが望ましい。
【0017】
上記課題を解決するために本発明に係るチップは、送信装置に搭載されるチップであって、伝送パラメータに関するパラメータ情報を複数に分離し、分離されたパラメータ情報を誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化されたパラメータ情報であるビット列を、OFDM信号のFFTサイズに対応する所定数のTMCCにインターリーブし、TMCC情報ビットを生成し、さらに、前記TMCC情報ビットに基づいて複数のTMCCを生成し、前記TMCCは、差動復号の基準ビットと、前記複数のTMCCが2群に分かれ各群内のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて16ビットの所定の同期信号ワードが構成される同期ビットと、前記TMCC情報ビットを含むことを特徴とする。
【0018】
上記課題を解決するために本発明に係る受信装置は、1セグメントに複数のTMCCを含むOFDM信号を受信する受信装置であって、受信した複数のTMCCに含まれるTMCC情報ビットをデインターリーブし、複数のビット列に分割するデインターリーブ部と、前記デインターリーブ部から出力されたビット列を誤り訂正復号する複数の誤り訂正復号部と、誤り訂正復号されたビット列を合成して、伝送パラメータに関するパラメータ情報を生成する合成部と、を有するパラメータ情報生成部、を備え、前記TMCCは、差動復号の基準ビットと、前記複数のTMCCが2群に分かれ各群内のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて16ビットの所定の同期信号ワードが構成される同期ビットと、前記TMCC情報ビットを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明における送信装置、受信装置及びチップによれば、TMCCの雑音耐性を確保しつつ、多くの有効な伝送パラメータを伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】次世代地上伝送方式におけるOFDMセグメントパラメータの例である。
【
図2】本発明におけるTMCC情報ビット生成部の一例のブロック図である。
【
図4】本発明により生成したTMCCの別の例である。
【
図5】本発明により生成したTMCCのさらに別の例である。
【
図6】本発明におけるパラメータ情報生成部の一例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は次世代地上伝送方式におけるOFDMセグメントパラメータの例である。
図1に記載のとおり、例えば、FFTサイズが8K(8192)のとき、TMCCのキャリア数は2であり、フレームあたりシンボル数は224である。また、FFTサイズが16K(16384)のとき、TMCCのキャリア数は4、フレームあたりシンボル数は112であり、FFTサイズが32K(32768)のとき、TMCCのキャリア数は8、フレームあたりシンボル数は56を想定している。
【0024】
まず、送信装置で行うTMCCの生成と、そのデータ構成について説明する。後に詳述するが、TMCCは、差動復号の基準ビット、同期ビット、TMCC情報ビットを含む。
【0025】
図2に、TMCC情報ビット生成部の一例のブロック図を示す。TMCC情報ビット生成部10は、TMCC信号として伝送するパラメータ情報を入力信号とし、誤り訂正符号化等を行って、TMCC情報ビットを生成する。送信装置は、OFDM変調信号生成部の一部として、TMCC情報ビット生成部を備えている。
【0026】
図2(A)のとおり、TMCC情報ビット生成部10は、分離部11と、誤り訂正符号化部12,13と、インターリーブ部14とを備える。
【0027】
分離部11は、入力信号として、受信側に伝送するパラメータ情報A0~A243を受け、これを複数に分離(分割)する。ここでは、パラメータ情報を244ビットとし、これを122ビットずつの2つのビット群(A0,A2,A4,~A242、A1,A3,A5,~A243)に分離し、誤り訂正符号化部12,13にそれぞれ出力する。ただし、パラメータ情報は244ビットに限定されず、また、分離方法もデータ順に交互に2つの誤り訂正符号化部12,13に分割することに限定されない。任意の分離方法でデータを分離することができ(例えば、データを中央で2つのビット群(A0~A121、A122~A243)に分割しても良い)、さらに、必要に応じて3以上に多分割しても良い。このパラメータ情報A0~A243の内容は後述する。
【0028】
誤り訂正符号化部12,13は、分離部11から入力されたパラメータ情報を誤り訂正符号化処理する。ここでは誤り訂正符号化部を2つ設けているが、上述の分離部11がパラメータ情報を何分割に分離するかに対応して、誤り訂正符号化部を設ければよい。誤り訂正符号は特定の符号化方法に限定されるものではなく、仮にTMCCが数千ビット~数万ビットであればLDPC(Low Density Parity Check)等の耐性の高い誤り訂正符号も使用できるが、数百ビットという短い符号長で性能を出すという視点からは、差集合巡回符号を用いることが望ましい。差集合巡回符号は、短い符号長という条件下において、雑音耐性の強さと受信側での復号のし易さ等の利点がある。ここでは、差集合巡回符号(273,191)を短縮化した符号である(204,122)符号を用い、情報:122ビット、冗長:82ビットとした。ただし、誤り訂正符号はこれに限定されない。各誤り訂正符号化部12,13は、それぞれ符号化された204ビットのビット列Bを、インターリーブ部14に出力する。
【0029】
インターリーブ部14は、誤り訂正符号化部12からのビット列B
0,0~B
0,203と、誤り訂正符号化部13からのビット列B
1,0~B
1,203を受けて、これらを一体とし、インターリーブを行ってTMCC情報ビットとして、各TMCC1~TMCCnに分配する。分配すべきTMCCの個数n(キャリア数)は、
図1に示すように、FFTサイズに基づいて定まる数とする。
【0030】
図2(B)は、インターリーブの方法の一例である。誤り訂正符号化部12からのビット列B
0,0~B
0,203と、誤り訂正符号化部13からのビット列B
1,0~B
1,203を、直列的に一体としたビット列15を形成した後、このビット列を、例えば1ビット毎に切り替えて、TMCC1~TMCCnに分配する。なお、インターリーブ方法はこれに限定されず、所定のルールにより、TMCC1~TMCCnに、誤り訂正処理されたビット列Bが均等に分配されればよい。
【0031】
従来のISDB-T方式では、TMCCを複数のキャリアを用いて伝送する場合に、複数のTMCCキャリアで同じ情報を伝送していた。本発明では、複数のTMCCで、それぞれ異なる情報を伝送する。パラメータ情報が誤り訂正符号化された上に、複数のTMCCにインターリーブ処理されるので、雑音耐性が極めて高くなる。さらに、各TMCCがそれぞれ異なるデータを伝送するから、TMCCで伝送する全体の情報量が増大する。
【0032】
また、同期ビット生成部(図示せず)において、TMCC信号に挿入する差動復号(差動復調)の基準ビットおよび同期信号(同期ビット)を生成する。
【0033】
差動復号の基準ビットは、例えば、PRBS(Pseudo-random bit sequence:擬似ランダム・ビット・シーケンス)発生回路により、TMCCキャリア毎に1ビットを生成する。なお、TMCCは、基準ビットに基づいてDBPSK(Differential Binary Phase Shift Keying)変調で送信することが望ましい。
【0034】
同期信号は、例えば、次の16ビットのワードで構成される。
・w0=0011010111101110
・w1=1100101000010001
同期信号のw0とw1は、ビット反転の関係にあり、フレーム毎にw0とw1を交互に送出することが望ましい。
【0035】
このように生成された、差動復号の基準ビット(差動基準)、同期信号、TMCC情報ビットを合成して、TMCCを構成する。以下、本発明により生成したTMCCの例を示す。
【0036】
図3に、FFTサイズが8KのときのTMCCの例を示す。FFTサイズが8K(8192)のとき、1セグメントあたり2本のTMCCとし、そのフレーム長は、例えば224シンボルとする。なお、TMCCは、DBPSK変調で送信されることから、1シンボルは1ビットに対応する。
【0037】
TMCC1とTMCC2は、差動基準1ビットとし、同期信号16ビットは、同一の同期ワードとする。TMCC情報ビットは、
図2のインターリーブ部での処理の結果、TMCC1とTMCC2には、互いに異なる204ビットの情報が格納される。なお、TMCC情報ビットの後に、3ビットのNULLが付加される。
【0038】
図4に、FFTサイズが16KのときのTMCCの例を示す。FFTサイズが16K(16384)のとき、1セグメントあたり4本のTMCCとし、そのフレーム長は、例えば112シンボルとする。TMCC1~TMCC4は、差動基準1ビット、同期ビット8ビット、TMCC情報ビット102ビット、NULL1ビットの計112ビットの構成である。
【0039】
TMCC1とTMCC2は、2つのキャリアの8ビットの同期ビットを組み合わせて、前述の1つの同期信号ワード(16ビット)となる。また、TMCC3とTMCC4は、2つのキャリアの8ビットの同期ビットを組み合わせて、前述の1つの同期信号ワード(16ビット)となる。TMCC1とTMCC2を組み合わせた同期信号16ビットと、TMCC3とTMCC4を組み合わせた同期信号16ビットは、同一の同期ワードとする。
【0040】
TMCC情報ビットは、
図2のインターリーブ部での処理の結果、TMCC1~TMCC4に均等に分配されており、それぞれのTMCCには、互いに異なる102ビットの情報が格納される。
【0041】
図5に、FFTサイズが32KのときのTMCCの例を示す。FFTサイズが32K(32768)のとき、1セグメントあたり8本のTMCCとし、そのフレーム長は、例えば56シンボルとする。TMCC1~TMCC8は、差動基準1ビット、同期ビット4ビット、TMCC情報ビット51ビットの計56ビットの構成である。
【0042】
TMCC1~TMCC4は、4つのキャリアの各4ビットの同期ビットを組み合わせて、前述の1つの同期信号ワード(16ビット)となる。また、TMCC5~TMCC8は、4つのキャリアの各4ビットの同期ビットを組み合わせて、前述の1つの同期信号ワード(16ビット)となる。TMCC1~TMCC4を組み合わせた同期信号16ビットと、TMCC5~TMCC8を組み合わせた同期信号16ビットは、同一の同期ワードとする。
【0043】
TMCC情報ビットは、
図2のインターリーブ部での処理の結果、TMCC1~TMCC8に均等に分配されており、それぞれのTMCCには、互いに異なる51ビットの情報が格納される。
【0044】
送信装置は、FFTサイズに応じて適切なTMCCを生成し、これをOFDMフレームの中に組み込み、所定の変調を行って、受信装置に向けて送信する。
【0045】
次に、TMCCで伝送するパラメータ情報について説明する。表1は、TMCCで伝送するパラメータ情報の例であり、TMCCビット割当て(全体)の例を示す。
【0046】
【0047】
表1の例では、TMCCの情報ビットはA
0~A
243の244ビットとしており、
図2のTMCC情報ビット生成部の入力となるパラメータ情報に対応している。その中に含まれる、TMCCのパラメータ情報は、例えば、システム識別、伝送帯域識別、TMCC情報更新フラグ、伝送パラメータ切り替え指標、等から構成され、そのビット割り当ては、表2~表7のとおりである。
【0048】
なお、A階層伝送パラメータ情報とB階層伝送パラメータ情報は同じ構造をしており、表2に示される50ビットの各種の情報からなっている。なお、カレント情報/ネクスト情報については、OFDMフレーム毎に、カレント情報とネクスト情報のどちらか一方を伝送する。以下、各パラメータ情報とその内容について説明する。
【0049】
表2は、階層毎の伝送パラメータ情報の例を示す。各階層の伝送パラメータ情報は、表2に示されるように、SISO/MIMOフラグ、セグメント数、キャリア変調方式等、各種の情報からなり、そのビット割当ては、さらに表8~表18に示されている。
【0050】
【0051】
表3は、TMCCのパラメータ情報のA0~A1に対応する「システム識別」を示すビットの例である。本発明の仕様によるシステム構成のとき、「00」が割り当てられる。これらのビットにより、受信装置において、システムを識別することができる。
【0052】
【0053】
表4は、TMCCのパラメータ情報のA2~A3に対応する「伝送帯域識別」を示すビットの例である。
【0054】
現在の放送方式では、1つのチャンネルが13セグメントで構成されているが、次世代地上伝送方式では、信号帯域がさらに多数のセグメントに分割され、伝送帯域構造の異なる3つのモードが予定されている。すなわち、33セグメントを使用する狭帯域モード、狭帯域モードで用いる33セグメントの両側に1セグメントに満たない拡張帯域が付加された互換モード、および、35セグメントを使用するノーマルモードの3つのモードがある。したがって、受信装置に対して、いずれの伝送帯域幅で伝送が行われているかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、33セグメントの狭帯域モードと、35セグメントのノーマルモードと、帯域幅を従来と同じにする互換モードの、いずれかであるかを示す情報を2ビットで送信している。
【0055】
本発明によれば、伝送帯域を識別するための情報を含むTMCCを送信することで、受信装置において、いずれの伝送帯域幅で伝送が行われているかを識別することができる。
【0056】
【0057】
表5は、TMCCのパラメータ情報のA4に対応する「TMCC情報更新」を示すビットの例である。このビットにより、受信装置において、TMCC情報の更新の有無が識別できる。
【0058】
【0059】
表6は、TMCCのパラメータ情報のA5~A9に対応する「伝送パラメータ切り換え指標」を示すビットの例である。これらのビットにより、受信装置において、現在のOFDMフレームの何フレーム後に、伝送パラメータの切り換えが行われるかが認識できる。
【0060】
【0061】
表7は、TMCCのパラメータ情報のA92に対応する「部分受信フラグ」を示すビットの例である。現行のISDB-T方式では、13セグメントの内の1セグメントを部分受信可能なセグメントとして、雑音耐性の高い映像信号のサービス(いわゆる、ワンセグ)を行っている。次世代地上伝送方式においても、このような部分受信によるサービスを行うことが可能であり、このビットにより、受信装置において、部分受信の有無が識別できる。
【0062】
【0063】
表8~表18は、階層毎の伝送パラメータ情報を示す。
【0064】
まず、表8は、「SISO/MISOフラグ」を示すビットの例である。次世代地上伝送方式では、伝送容量の拡大のために、従来のSISO(Single-Input Single-Output)伝送方式から、将来のMIMO(Multi-Input Multi-Output)伝送方式への移行が検討されているが、MIMO伝送方式への過渡期として、送信側で複数のアンテナを用い、受信側では一つのアンテナを利用するMISO(Multi-Input Single-Output)伝送方式が想定されている。また、MISOでは、時空間ブロック符号化(STBC:Space Time Block Coding)と、空間周波数ブロック符号(SFBC:Space Frequency Block Coding)が利用される。したがって、受信装置に対して、どの伝送方式が使用されているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、SISO/MISOのいずれの伝送方式であるかを示す情報を3ビットで送信している。
【0065】
本発明によれば、SISO/MISOのいずれの伝送方式を使用するかを示す情報を含むTMCCを送信することで、受信装置において、用いられている伝送方式を識別することができる。
【0066】
【0067】
表9は、「セグメント数」を示すビットの例である。次世代地上伝送方式では、表4の伝送帯域識別で説明したように、1チャンネルが最大35セグメントを利用して信号が伝送されるが、階層伝送において、各階層がそれぞれ何セグメントを利用しているかを伝送する必要がある。これらのビットにより、受信装置において、各階層を構成するセグメント数が識別できる。
【0068】
【0069】
表10は、「キャリア変調方式」を示すビットの例である。現行のISDB-Tでは、変調方式として、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、DQPSK(Differential QPSK)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAMが利用されているが、次世代地上伝送方式では、さらに、256QAM、1024QAM、4096QAM等の多値変調の伝送方式の利用が予定されている。これらのビットにより、受信装置において、どのようなキャリア変調方式で信号が変調されているか識別できる。
【0070】
【0071】
表11は、「コンスタレーション識別」を示すビットの例である。表10に関して説明したとおり、次世代地上伝送方式では、QPSK~4096QAMの多様なキャリア変調方式が用いられるが、これに加えて、コンスタレーションとしては、均一コンスタレーションと、不均一コンスタレーションとが用いられる。したがって、受信装置に対して、均一コンスタレーションが使用されているのか、不均一コンスタレーションが使用されているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、均一コンスタレーションと、不均一コンスタレーションの、いずれかであるかを示す情報を1ビットで送信している。
【0072】
本発明によれば、均一コンスタレーションを使用するか、不均一コンスタレーションを使用するかを示す情報を含むTMCCを送信することで、受信装置において、用いられているコンスタレーションを識別することができる。
【0073】
【0074】
表12は、「誤り訂正符号長」を示すビットの例である。次世代地上伝送方式では、誤り訂正符号として、LDPC(Low Density Parity Check)符号が導入され、LDPC符号の符号長として、3つの符号長が用意されている。すなわち、
図1に内符号として示されるように、Short (例えば11,220)、Middle(例えば44,880)、及びLong(例えば269,280)である。したがって、受信装置に対して、いずれの符号長が用いられているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、3つの符号長のいずれかであるかを示す情報を2ビットで送信している。なお、それぞれの具体的な符号長は、
図1の数値に限定されるものではない。
【0075】
本発明によれば、LDPC符号化の符号長を示す情報を含むTMCCを送信することで、受信装置において、用いられているLDPC符号の符号長を識別することができる。
【0076】
【0077】
表13は、「符号化率」を示すビットの例である。次世代地上伝送方式では、誤り訂正符号として、LDPC符号が導入され、その符号化率としては、例えば、2/15~14/15、及び1/2と、従来と比較して多数の符号化率が用意されている。したがって、受信装置に対して、いずれの符号化率が用いられているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、符号化率が幾つであるかを示す情報を4ビットで送信している。なお、表13における具体的な符号化率の数値、及び4ビットとの対応関係は、一例にすぎない。
【0078】
本発明によれば、LDPC符号化の符号化率を示す情報を含むTMCCを送信することで、受信装置において、用いられているLDPC符号の符号化率を識別することができる。
【0079】
【0080】
表14は、「時間インターリーブ長」を示すビットの例である。時間インターリーブの長さは、従来と同様に、階層毎に独立にパラメータIで指定される。時間インターリーブ長としては、4種類が用意されている。したがって、受信装置に対して、いずれの時間インターリーブ長が用いられているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、時間インターリーブ長を示す情報を3ビットで送信している。これらのビットにより、受信装置において、当該階層の時間インターリーブ長が識別できる。
【0081】
【0082】
表15は、「データキャリアブースト比」を示すビットの例である。次世代地上伝送方式では、データキャリアの出力を様々な比率でブーストすることが想定される。したがって、受信装置に対して、どのようなブースト比でデータキャリアが増幅されているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、データキャリアブースト比を示す情報を3ビットで送信している。これらのビットにより、受信装置において、当該階層のデータキャリアブースト比が識別できる。
【0083】
【0084】
表16は、「SPパターン」を示すビットの例である。OFDMフレームの中で、SP(Scattered Pilot)信号は、様々な繰り返しパターンで配置される。時間方向補間後のX方向(周波数方向)のキャリア間隔をDXで、Y方向(シンボル方向)のシンボル間隔DYで表わし、受信装置に対して、どのようなパターンでSP信号が配置されているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、SPパターンを示す情報を4ビットで送信している。これらのビットにより、受信装置において、SPパターンの配置が識別できる。
【0085】
【0086】
表17は、「パイロット符号化」を示すビットの例である。MISO方式等で複数の送信アンテナからOFDM変調信号を送信するとき、各アンテナのOFDMフレーム中のパイロット信号を、符号反転方式(係数+1と-1を乗算)か、ヌル方式(係数+1と0を乗算)により異ならせる。受信装置に対して、どのような方式でパイロット信号の符号化(直交化)が行われているのかを識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、どの方式でパイロット信号の符号化が行われているのかを示す情報を1ビットで送信している。このビットにより、受信装置において、SPパターンの符号化が識別できる。
【0087】
【0088】
表18は、「全キャリアパイロットフラグ」を示すビットの例である。受信装置に対して、全キャリアパイロットの有無を識別させるためのパラメータ情報を送る必要がある。本発明では、全キャリアパイロットの有無を示す情報を1ビットで送信している。このビットにより、受信装置において、全キャリアパイロットの有無が識別できる。
【0089】
【0090】
なお、表2において、階層別フレームのフレームヘッダに含まれるFEC(Forward Error Correction)ブロックの先頭位置(19ビット)も、TMCCキャリアで伝送する。
【0091】
上記の実施の形態1では、送信装置におけるTMCC情報ビット生成部10の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、送信装置に搭載される半導体チップであって、TMCC情報ビットを生成するチップとして構成されてもよい。すなわち、送信装置に搭載されるチップであって、伝送パラメータに関するパラメータ情報を複数に分離し、分離されたパラメータ情報を誤り訂正符号化し、誤り訂正符号化されたパラメータ情報であるビット列を、OFDM信号のFFTサイズに対応する所定数のTMCCにインターリーブし、TMCC情報ビットを生成することができるチップとして構成されても良い。
【0092】
送信装置に搭載されるチップにおいて、伝送パラメータは、表1乃至表18で説明した各種情報とすることができる。さらに、送信装置に搭載されるチップは、差動復号の基準ビットと、複数のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて一つの共通の同期信号が構成される同期ビットと、生成されたTMCC情報ビットとを配列して、OFDM信号のTMCCを生成しても良い。
【0093】
また更に、上記の実施の形態1では、送信装置におけるTMCC情報ビット生成部10の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、TMCC情報ビットを生成する方法として構成されてもよい。すなわち、
図2のデータの流れに従って、送信すべき伝送パラメータに関するパラメータ情報を設定する工程と、設定されたパラメータ情報を複数に分離する工程と、分離されたパラメータ情報をそれぞれ誤り訂正符号化する工程と、誤り訂正符号化されたパラメータ情報であるビット列を、OFDM信号のFFTサイズに対応する所定数のTMCCにインターリーブする工程とを備えた、TMCC情報ビットを生成する方法として構成されても良い。
【0094】
TMCC情報ビットを生成する方法において、送信すべき伝送パラメータは、表1乃至表18で説明した各種情報とすることができる。さらに、TMCC情報ビットを生成する方法は、差動復号の基準ビットと、複数のTMCCキャリアの同期ビットを組み合わせて一つの共通の同期信号が構成される同期ビットと、生成されたTMCC情報ビットとを配列する工程を加えて、OFDM信号のTMCCを生成する方法としても良い。
【0095】
上記のチップ及び方法によれば、複数に分かれた互いに異なるTMCC情報ビットを生成することができ、複数のTMCCで、それぞれ異なる情報を伝送することができる。また、パラメータ情報が誤り訂正符号化された上に、複数のTMCCにインターリーブ処理されるので、TMCCの雑音耐性が極めて高くなる。
【0096】
(実施の形態2)
これまで、送信装置側で行うTMCCの生成について説明したが、次に、本発明の実施の形態2としての受信装置、特に、送信信号に含まれるTMCCを受信する受信装置について説明する。
【0097】
受信装置は、受信した信号に対して、所定の復調・復号処理をおこなって、
図3~
図5に示すTMCCを抽出する。抽出されたTMCC1~TMCCnから、TMCC情報ビットを、パラメータ情報生成部20に入力して、パラメータ情報を生成し、受信に必要な制御情報を取得する。
【0098】
図6に、パラメータ情報生成部の一例のブロック図を示す。パラメータ情報生成部20は、受信したTMCCに含まれるTMCC情報ビットを入力信号とし、誤り訂正復号等を行って、伝送されたパラメータ情報を生成する。受信装置は、OFDM復調・復号部の一部として、パラメータ情報生成部を備えている。
【0099】
図6のとおり、パラメータ情報生成部20は、デインターリーブ部21と、誤り訂正復号部22,23と、合成部24とを備える。
【0100】
デインターリーブ部21は、入力信号として、各TMCC1~TMCCnからTMCC情報ビットを受け、これをデインターリーブして、本来のデータ順に配列されたビット列(
図2(B)のビット列15)を復元し、これを受信側での処理に対応して、誤り訂正復号部22,23に出力する。ここでは、復元されたビット列を、204ビットずつの2つのビット群(B
0,0~B
0,203、B
1,0~B
1,203)に分割し、誤り訂正復号部22,23にそれぞれ出力する。なお、ビット数や分割方法は限定されたものではないが、復元されたビット列を幾つに分割するか等は、送信装置側の誤り訂正符号化の設計に対応して設計する。
【0101】
誤り訂正復号部22,23は、デインターリーブ部21から入力されたビット列Bを誤り訂正復号処理する。ここでは誤り訂正復号部を2つ設けているが、送信側の誤り訂正符号化部に対応して、誤り訂正復号部を設ければよい。誤り訂正符号は、差集合巡回符号を用いることが望ましい。ここでは、差集合巡回符号(273,191)を短縮化した符号である(204,122)符号を用いて復号を行うことにより、誤り訂正復号部22は、例えば、A0,A2,A4,~A242の復号ビット(パラメータ情報)を生成し、誤り訂正復号部23は、例えば、A1,A3,A5,~A243の復号ビット(パラメータ情報)を生成する。誤り訂正復号部22,23は、それぞれ復号された122ビットのパラメータ情報を、合成部24に出力する。
【0102】
合成部24は、誤り訂正復号部22,23から入力された復号ビット(パラメータ情報)を合成し、元のパラメータ情報A0~A243を生成して、出力する。
【0103】
受信装置は、出力されたパラメータ情報A0~A243から、必要な制御情報を読み出して受信制御に利用する。
【0104】
なお、上記の実施の形態2では、受信装置におけるパラメータ情報生成部20の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、送信装置に搭載される半導体装置からなるチップであってもよい。すなわち、TMCCを含むOFDM信号を受信する受信装置に搭載されるチップであって、受信した複数のTMCCに含まれるTMCC情報ビットをデインターリーブし、複数のビット列に分割し、デインターリーブされたビット列を誤り訂正復号し、誤り訂正復号されたビット列を合成して、伝送パラメータに関するパラメータ情報を生成するチップとして構成されても良い。
【0105】
また更に、上記の実施の形態2では、受信装置におけるパラメータ情報生成部20の構成と動作について説明したが、本発明はこれに限らず、伝送パラメータに関するパラメータ情報を生成する方法として構成されてもよい。すなわち、
図6のデータの流れに従って、TMCCを含むOFDM信号を受信する工程と、受信した複数のTMCCからTMCC情報ビットを抽出する工程と、抽出されたTMCC情報ビットをデインターリーブし、複数のビット列に分割する工程と、分割されたビット列をそれぞれ誤り訂正復号する工程と、誤り訂正復号されたビット列を合成して、伝送パラメータに関するパラメータ情報を生成する工程とを備えた、受信側でパラメータ情報を生成する方法として構成されても良い。
【0106】
本発明の受信装置、チップ、及び方法によれば、複数に分かれた互いに異なるTMCCから、伝送パラメータに関するパラメータ情報を生成することができ、多くの有効なパラメータ情報を取得できる。また、誤り訂正符号化された上に、複数のTMCCにインターリーブ処理されたパラメータ情報であるので、信頼性が極めて高くなる。
【0107】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 TMCC情報ビット生成部
11 分離部
12 誤り訂正符号化部
13 誤り訂正符号化部
14 インターリーブ部
15 ビット列B
20 パラメータ情報生成部
21 デインターリーブ部
22 誤り訂正復号部
23 誤り訂正復号部
24 合成部