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特許7029900ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】ダイボンディング装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20220225BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/66 R
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017150730
(22)【出願日】2017-08-03
(65)【公開番号】P2019029611
(43)【公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-06-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】牧 浩
【審査官】西村 治郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-132325(JP,A)
【文献】特開2008-066452(JP,A)
【文献】特開平03-046314(JP,A)
【文献】特開2017-117916(JP,A)
【文献】特開2001-021333(JP,A)
【文献】特開平06-119434(JP,A)
【文献】特開平06-188302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 21/58
H01L 21/66
G01N 21/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイを基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングするボンディングヘッドを有するボンディング部と、
前記ボンディングされたダイを撮像する撮像部と、
前記ボンディングされたダイと前記撮像部とを結ぶ線上に配置される照明部と、
前記ボンディング部、前記撮像部および前記照明部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ダイの位置検査時には前記照明部から拡散光を前記ダイに照射し、前記ダイのボイド検出時には前記照明部から平行光を前記ダイに照射し、前記撮像部で前記ダイを撮像するダイボンディング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記照明部は前記平行光を照射する第一照明部と前記拡散光を照射する第二照明部とを備え、前記第一照明部と前記第二照明部とを切り替えて照射するダイボンディング装置。
【請求項3】
請求項2において、
さらに、前記撮像部と前記第二照明部との間にレンズ部を有し、
前記レンズ部は前記第一照明部を有し、
前記第一照明部は前記撮像部の中心線上に配置されるハーフミラーと面発光照明とを有する同軸照明であるダイボンディング装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第二照明部は前記撮像部の中心線上に配置されるハーフミラーと拡散板を有する面発光照明とを有する同軸照明であるダイボンディング装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記照明部は前記撮像部の中心線上に配置されるハーフミラーと拡散板と面発光照明とを有する同軸照明であり、
前記拡散板を前記ハーフミラーと前記面発光照明との間から移動した状態が前記第一照明部であり、
前記拡散板を前記ハーフミラーと前記面発光照明との間に配置した状態が前記第二照明部であるダイボンディング装置。
【請求項6】
請求項1において、さらに、
前記ダイが貼り付けられたダイシングテープを保持するウェハリングホルダを有するダイ供給部と、
前記ダイをピックアップするピックアップヘッドと、
前記ピックアップされたダイが載置される中間ステージと、
を備え、
前記ボンディング部は前記中間ステージに載置されたダイを前記ボンディングヘッドでピックアップするダイボンディング装置。
【請求項7】
請求項1乃至の何れか一つにおいて、
前記制御部はボイドまたは捲れを検出した場合は、前記ボンディングヘッドで再圧着を行うダイボンディング装置。
【請求項8】
請求項3乃至5の何れか一つにおいて、
前記面発光照明は平面配列されたLEDであるダイボンディング装置。
【請求項9】
(a)ダイを基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングするボンディングヘッドを有するボンディング部と、前記ボンディングされたダイを撮像する撮像部と、前記ボンディングされたダイと前記撮像部とを結ぶ線上に配置される照明部と、前記ボンディング部、前記撮像部および前記照明部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ダイの位置検査時には前記照明部から拡散光を前記ダイに照射し、前記ダイのボイド検出時には前記照明部から平行光を前記ダイに照射し、前記撮像部で前記ダイを撮像するダイボンディング装置にダイが貼付されたダイシングテープを保持するウェハリングホルダを搬入する工程と、
(b)基板を搬入する工程と、
(c)前記ダイシングテープに貼付されたダイをピックアップする工程と、
(d)前記ピックアップしたダイを前記基板または既に前記基板にボンディングされているダイ上にボンディングする工程と、
を備え、
前記(d)工程は、
(d1)前記ボンディングされたダイの位置検査時に前記照明部から前記ボンディングされたダイに拡散光を照射して前記撮像部で前記ボンディングされたダイを撮像する工程と、
(d2)前記ボンディングされたダイのボイド検出時に前記照明部から前記ボンディングされたダイに平行光を照射して前記撮像部で前記ボンディングされたダイを撮像する工程と、
を備える半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項において、
前記(c)工程は前記ピックアップされたダイを中間ステージに載置し、
前記(d)工程は前記中間ステージに載置されたダイをピックアップする
半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項において、
前記(d)工程は、さらに、(d3)前記(d2)工程でボイドまたは捲れを検出した場合、前記ダイを再圧着する工程を備える半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はダイボンディング装置に関し、例えばボイド検出機能を備えるダイボンディング装置に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程の一部に半導体チップ(以下、単にダイという。)を配線基板やリードフレーム等(以下、単に基板という。)に搭載してパッケージを組み立てる工程があり、パッケージを組み立てる工程の一部に、半導体ウェハ(以下、単にウェハという。)からダイを分割する工程と、分割したダイを基板の上に搭載するボンディング工程とがある。ボンディング工程に使用される半導体製造装置がダイボンダ等のダイボンディング装置である。
【0003】
ダイボンダは、はんだ、金メッキ、樹脂を接合材料として、ダイを基板または既にボンディングされたダイの上にボンディング(搭載して接着)する装置である。ダイを、例えば、基板の表面にボンディングするダイボンダにおいては、コレットと呼ばれる吸着ノズルを用いてダイをウェハから吸着してピックアップし、基板上に搬送し、押付力を付与すると共に、接合材を加熱することによりボンディングを行うという動作(作業)が繰り返して行われる。コレットは、吸着孔を有し、エアを吸引して、ダイを吸着保持する保持具であり、ダイと同程度の大きさを有する。
【0004】
ダイボンダでは、ダイの位置認識または外観検査するために、散乱光をダイに照射して撮像が行われる(例えば、特開2008-66452号公報)。また、ボイドの検出はSAT(超音波撮像装置)を用いてオフライン(ダイボンダの外)で行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-66452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダイの外観検査に散乱光を用いると、ボイドによる凹凸を認識することが困難である。
本開示の課題は、ボイドの認識が可能なダイボンディング装置を提供することである。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ダイボンディング装置は、ダイを基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングするボンディングヘッドを有するボンディング部と、前記ボンディングされたダイを撮像する撮像部と、前記ボンディングされたダイと前記撮像部とを結ぶ線上に配置される照明部と、前記ボンディング部、前記撮像部および前記照明部を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記ダイの位置検査時には前記照明部から拡散光を前記ダイに照射し、前記ダイのボイド検出時には前記照明部から平行光を前記ダイに照射し、前記撮像部で前記ダイを撮像する。
【発明の効果】
【0008】
上記ダイボンディング装置によれば、ボイドを認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ダイボンダの構成例を示す概略上面図
図2図1において矢印A方向から見たときの概略構成を説明する図
図3図1のダイ供給部の構成を示す外観斜視図
図4図2のダイ供給部の主要部を示す概略断面図
図5図1のダイボンダの制御系の概略構成を示すブロック図
図6図1のダイボンダにおけるダイボンディング工程を説明するフローチャート
図7図1のダイ供給部の光学系を説明するための図
図8図1のボンディング部の光学系を説明するための図
図9】基板への圧着が不充分なダイの撮像画像を示す図
図10図9の撮像画像を説明する図
図11図1のボンディング部の光学系の他の例を説明するための図
図12】ボイド認識カメラでボイドを検出する場合を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態に係る半導体製造装置は光学系の光源を拡散光と平行光を使い分けて平行光でボイドによる凹凸を検出する。ボイドによる影響を受けやすい薄いダイ(厚さが50μm以下)において非接触およびインラインでボイドを検出することができる。オフラインのSAT確認作業量を低減することができる。なお、SATではダイがボンディングされた基板を水に浸けるなどの前処理が必要であり、その基板は不良品となる。
【0011】
以下、実施例および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【実施例
【0012】
図1は実施例に係るダイボンダの概略を示す上面図である。図2図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0013】
ダイボンダ10は、大別して、一つ又は複数の最終1パッケージとなる製品エリア(以下、パッケージエリアPという。)をプリントした基板Sに実装するダイDを供給する供給部1と、ピックアップ部2、中間ステージ部3と、ボンディング部4と、搬送部5と、基板供給部6と、基板搬出部7と、各部の動作を監視し制御する制御部8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、ボンディング部4が奥側に配置される。
【0014】
まず、ダイ供給部1は基板SのパッケージエリアPに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12と、ウェハ11からダイDを突き上げる点線で示す突上げユニット13と、を有する。ダイ供給部1は図示しない駆動手段によってXY方向に移動し、ピックアップするダイDを突上げユニット13の位置に移動させる。
【0015】
ピックアップ部2は、ダイDをピックアップするピックアップヘッド21と、ピックアップヘッド21をY方向に移動させるピックアップヘッドのY駆動部23と、コレット22を昇降、回転及びX方向移動させる図示しない各駆動部と、を有する。ピックアップヘッド21は、突き上げられたダイDを先端に吸着保持するコレット22(図2も参照)を有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。ピックアップヘッド21は、コレット22を昇降、回転及びX方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0016】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32を有する。
【0017】
ボンディング部4は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板SのパッケージエリアP上にボンディングし、又は既に基板SのパッケージエリアPの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする。ボンディング部4は、ピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42(図2も参照)を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY方向に移動させるY駆動部43と、基板SのパッケージエリアPの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。
このような構成によって、ボンディングヘッド41は、ステージ認識カメラ32の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板にダイDをボンディングする。
【0018】
搬送部5は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51と、基板Sが移動する搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた基板搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。
このような構成によって、基板Sは、基板供給部6から搬送レーン52に沿ってボンディング位置まで移動し、ボンディング後、基板搬出部7まで移動して、基板搬出部7に基板Sを渡す。
【0019】
制御部8は、ダイボンダ10の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。
【0020】
次に、ダイ供給部1の構成について図3および図4を用いて説明する。図3はダイ供給部の外観斜視図を示す図である。図4はダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0021】
ダイ供給部1は、水平方向(XY方向)に移動するウェハ保持台12と、上下方向に移動する突上げユニット13と、を備える。ウェハ保持台12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持され複数のダイDが接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を有する。突上げユニット13は支持リング17の内側に配置される。
【0022】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイDの間隔が広がり、突上げユニット13によりダイD下方よりダイDを突き上げ、ダイDのピックアップ性を向上させている。なお、薄型化に伴いダイを基板に接着する接着剤は、液状からフィルム状となり、ウェハ11とダイシングテープ16との間にダイアタッチフィルム(DAF)18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ11では、ダイシングは、ウェハ11とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウェハ11とダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離する。なお、以降では、ダイアタッチフィルム18の存在を無視して、説明する。
【0023】
ダイボンダ10は、ウェハ11上のダイDの姿勢を認識するウェハ認識カメラ24と、中間ステージ31に載置されたダイDの姿勢を認識するステージ認識カメラ32と、ボンディングステージBS上の実装位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。認識カメラ間の姿勢ずれ補正しなければならないのは、ボンディングヘッド41によるピックアップに関与するステージ認識カメラ32と、ボンディングヘッド41による実装位置へのボンディングに関与する基板認識カメラ44である。本実施例では基板認識カメラ44を用いてダイDのボイドを検出する。
【0024】
制御部8について図5を用いて説明する。図5は制御系の概略構成を示すブロック図である。制御系80は制御部8と駆動部86と信号部87と光学系88とを備える。制御部8は、大別して、主としてCPU(Central Processor Unit)で構成される制御・演算装置81と、記憶装置82と、入出力装置83と、バスライン84と、電源部85とを有する。記憶装置82は、処理プログラムなどを記憶しているRAMで構成されている主記憶装置82aと、制御に必要な制御データや画像データ等を記憶しているHDDで構成されている補助記憶装置82bとを有する。入出力装置83は、装置状態や情報等を表示するモニタ83aと、オペレータの指示を入力するタッチパネル83bと、モニタを操作するマウス83cと、光学系88からの画像データを取り込む画像取込装置83dと、を有する。また、入出力装置83は、ダイ供給部1のXYテーブル(図示せず)やボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸等の駆動部86を制御するモータ制御装置83eと、種々のセンサ信号や照明装置などのスイッチ等の信号部87から信号を取り込み又は制御するI/O信号制御装置83fとを有する。光学系88には、ウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32、基板認識カメラ44が含まれる。制御・演算装置81はバスライン84を介して必要なデータを取込み、演算し、ピックアップヘッド21等の制御や、モニタ83a等に情報を送る。
【0025】
制御部8は画像取込装置83dを介してウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44で撮像した画像データを記憶装置82に保存する。保存した画像データに基づいてプログラムしたソフトウェアにより、制御・演算装置81を用いてダイDおよび基板SのパッケージエリアPの位置決め、並びにダイDおよび基板Sの表面検査を行う。制御・演算装置81が算出したダイDおよび基板SのパッケージエリアPの位置に基づいてソフトウェアによりモータ制御装置83eを介して駆動部86を動かす。このプロセスによりウェハ上のダイの位置決めを行い、ピックアップ部2およびボンディング部4の駆動部で動作させダイDを基板SのパッケージエリアP上にボンディングする。使用するウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44はグレースケール、カラー等であり、光強度を数値化する。
【0026】
図6図1のダイボンダにおけるダイボンディング工程を説明するフローチャートである。
実施例のダイボンディング工程では、まず、制御部8は、ウェハ11を保持しているウェハリング14をウェハカセットから取り出してウェハ保持台12に載置し、ウェハ保持台12をダイDのピックアップが行われる基準位置まで搬送する(ウェハローディング(工程P1))。次いで、制御部8は、ウェハ認識カメラ24によって取得した画像から、ウェハ11の配置位置がその基準位置と正確に一致するように微調整を行う。
【0027】
次に、制御部8は、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、水平に保持することによって、最初にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する(ダイ搬送(工程P2))。ウェハ11は、予めプローバ等の検査装置により、ダイ毎に検査され、ダイ毎に良、不良を示すマップデータが生成され、制御部8の記憶装置82に記憶される。ピックアップ対象となるダイDが良品であるか、不良品であるかの判定はマップデータにより行われる。制御部8は、ダイDが不良品である場合は、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置し、不良品のダイDをスキップする。
【0028】
制御部8は、ウェハ認識カメラ24によってピックアップ対象のダイDの主面(上面)を撮影し、取得した画像からピックアップ対象のダイDの上記ピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する。制御部8は、この位置ずれ量を基にウェハ11が載置されたウェハ保持台12を移動させ、ピックアップ対象のダイDをピックアップ位置に正確に配置する(ダイ位置決め(工程P3))。
【0029】
次いで、制御部8は、ウェハ認識カメラ24によって取得した画像から、ダイDの表面検査(外観検査)を行う(工程P4)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、ダイDの工程P9以降をスキップし、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する。
【0030】
制御部8は、基板供給部6で基板Sを搬送レーン52に載置する(基板ローディング(工程P5))。制御部8は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51をボンディング位置まで移動させる(基板搬送(工程P6))。
【0031】
基板認識カメラ44にて基板を撮像して位置決めを行う(基板位置決め(工程P7))。
【0032】
次いで、制御部8は、基板認識カメラ44によって取得した画像から、基板SのパッケージエリアPの表面検査を行う(工程P8)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、基板SのパッケージエリアPの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、基板SのパッケージエリアPの該当タブへの工程P10以降をスキップし、基板着工情報に不良登録を行う。
【0033】
制御部8は、ピックアップ対象のダイDを正確にピックアップ位置に配置した後、コレット22を含むピックアップヘッド21によってダイDをダイシングテープ16からピックアップし(ダイハンドリング(工程P9))、中間ステージ31に載置する(工程P10)。制御部8は、中間ステージ31に載置したダイの姿勢ずれ(回転ずれ)の検出をステージ認識カメラ32にて撮像して行う(工程P11)。制御部8は、姿勢ずれがある場合は中間ステージ31に設けられた旋回駆動装置(不図示)によって実装位置を有する実装面に平行な面で中間ステージ31を旋回させて姿勢ずれを補正する。
【0034】
制御部8は、コレット42を含むボンディングヘッド41によって中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板SのパッケージエリアPまたは既に基板SのパッケージエリアPにボンディングされているダイにボンディング(圧着)する(ダイアタッチ(工程P11))。
【0035】
制御部8は、ダイDをボンディングした後、そのボンディング位置が正確になされているかを検査する(ダイと基板の相対位置検査(工程P12))。このとき、ダイの位置合わせと同様にダイの中心と、タブの中心を求め、相対位置が正しいかを検査する。
【0036】
次いで、制御部8は、基板認識カメラ44によって取得した画像から、ダイDおよび基板Sの表面検査を行う(工程P13)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ボンディングされたダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理では、基板着工情報に不良登録を行う。
【0037】
次に、制御部8は、基板認識カメラ44の照明装置の照射光を切替えて画像を取得し、取得した画像から、ダイDのボイド検査を行う(工程P14)。ここで、制御部8は、ダイのボイド検査で問題がある場合は再圧着を行う(工程P15)。この場合、ボイドや捲れの位置を考慮してボンディングヘッド41の位置をずらして再圧着を行う。ダイのボイド検査で問題がない場合は再圧着を行わず次の工程を行う。
【0038】
以後、同様の手順に従ってダイDが1個ずつ基板SのパッケージエリアPにボンディングする。1つの基板のボンディングが完了すると、基板搬送爪51で基板Sを基板搬出部7まで移動して(基板搬送(工程P16))、基板搬出部7に基板Sを渡す(基板アンローディング(工程P17))。
【0039】
以後、同様の手順に従ってダイDが1個ずつダイシングテープ16から剥がされる(工程P9)。不良品を除くすべてのダイDのピックアップが完了すると、それらダイDをウェハ11の外形で保持していたダイシングテープ16およびウェハリング14等をウェハカセットへアンローディングする(工程P18)。
【0040】
まず、ウェハ認識カメラについて図7を用いて説明する。図7はダイ供給部の光学系を説明するための図であり、ウェハ認識カメラおよびダイに画像撮影用の光を照射する照明装置の配置を示している。
ウェハ認識カメラ24はカメラ本体241とレンズ242とを備え、ダイDの主面の画像を撮影する構成となっている。
カメラ本体241とダイDとを結ぶ線上のレンズ242とダイDとの間には、面発光照明(光源)251、ハーフミラー(半透過鏡)254を内部に備えた照明装置25が配置されている。面発光照明251からの照射光である拡散光は、ハーフミラー254によってカメラ本体241と同じ光軸で反射され、ダイDに照射される。カメラ本体241と同じ光軸でダイDに照射されたその散乱光は、ダイDで反射し、そのうちの正反射光がハーフミラー254を透過してカメラ本体241に達し、ダイDの映像を形成する。すなわち、照明装置25は同軸落射照明(同軸照明)の機能を有する。
【0041】
照明装置25内の面発光照明251は面発光タイプのLED光源であり、平面配列したLEDを有するLED基板252と、LED基板252に対向して設けられる拡散板253と、を備え、ダイDには拡散光が照射される。
【0042】
ウェハ認識カメラ24およびその照明装置25について説明したが、ステージ認識カメラ32およびその照明装置も同様である。
【0043】
次に、基板認識カメラについて図8を用いて説明する。図8はボンディング部の光学系を説明するための図であり、基板認識カメラおよびダイに画像撮影用の光を照射する照明装置の配置を示している。
基板認識カメラ44はカメラ本体441とレンズ442とを備え、ダイDの主面の画像を撮影する構成となっている。
カメラ本体441とダイDとを結ぶ線上のレンズ442とダイDとの間には、面発光照明(光源)451、ハーフミラー(半透過鏡)452を内部に備えた照明装置45が配置されている。面発光照明451からの照射光は、ハーフミラー454によってカメラ本体441と同じ光軸で反射され、ダイDに照射される。カメラ本体441と同じ光軸でダイDに照射されたその散乱光は、ダイDで反射し、そのうちの正反射光がハーフミラー454を透過してカメラ本体441に達し、ダイDの映像を形成する。すなわち、照明装置45は同軸落射照明(同軸照明)の機能を有する。
【0044】
レンズ442は、面発光照明(光源)443、ハーフミラー(半透過鏡)444を内部に備え、面発光照明443からの照射光は、ハーフミラー444によってカメラ本体441と同じ光軸で反射され、ダイDに平行光として照射される、レンズ内同軸照明である。面発光照明443は面発光タイプのLED光源である。
【0045】
照明装置45内の面発光照明451は面発光タイプのLED光源であり、平面配列したLEDを有するLED基板452と、LED基板452に対向して設けられる拡散板453と、を備え、ダイDには拡散光が照射される。
【0046】
面発光照明443からの平行光と面発光照明451からの拡散光は切替えてダイDに照射され、ボイドを検出する場合は、平行光がダイDに照射され、位置合わせやボイド以外の外観検査の場合は、拡散光がダイDに照射される。
【0047】
平行光によるボイドの検出について図9、10を用いて説明する。図9は基板への圧着が不充分なダイの撮像画像であり、図9(A)はボイドを有するダイの平行光の照射による撮像画像であり、図9(B)は捲れを有するダイの平行の照射による撮像画像である。図10図9の撮像画像を説明する図であり、図10(A)は図9(A)の模式図、図10(B)は図9(B)の模式図、図10(C)は図10(A)のA1-A2線における断面模式図、図10(D)は図10(B)のB1-B2線における断面模式図である。
【0048】
図9(A)、9(B)に示すように、ボイドや捲れを有する部分の撮像画像は黒くなっている。これは、図10(C)、10(D)に示すように、薄いダイではボイドにより表面が凸状態になり、また、薄いダイでは圧着が充分でないとダイが捲れる状態になり、平行光では反射光が戻らないためである。よって、基板に平行でない部分をダイが有する場合、平行光を照射することで、その部分は黒く撮像され検出することができる。
【0049】
<変形例>
以下、代表的な変形例について例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施例にて説明されているものと同様の構成および機能を有する部分に対しては、上述の実施例と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部分の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施例における説明が適宜援用され得るものとする。また、上述の実施例の一部、および、変形例の全部または一部が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0050】
(変形例1)
基板認識カメラにおいて、平行光と拡散光の切替えの他の例について図11を用いて説明する。図11はボンディング部の光学系を説明するための図であり、基板認識カメラおよびダイに画像撮影用の光を照射する照明装置の配置を示している。図11(A)は側面図であり、図11(B)は図11(A)に対して90度回転した位置から見た側面図である。
基板認識カメラ44Aはカメラ本体441とレンズ442Aとを備え、ダイDの主面の画像を撮影する構成となっている。
カメラ本体441とダイDとを結ぶ線上のレンズ442AとダイDとの間には、面発光照明(光源)451A、ハーフミラー(半透過鏡)454を内部に備えた照明装置45Aが配置されている。面発光照明451からの照射光は、ハーフミラー454によってカメラ本体441と同じ光軸で反射され、ダイDに照射される。カメラ本体441と同じ光軸でダイDに照射されたその散乱光は、ダイDで反射し、そのうちの正反射光がハーフミラー454を透過してカメラ本体441に達し、ダイDの映像を形成する。すなわち、照明装置45は同軸落射照明(同軸照明)の機能を有する。
【0051】
照明装置45A内の面発光照明451は面発光タイプのLED光源であり、平面配列したLEDを有するLED基板452と、LED基板452に対向して設けられる拡散板453と、を備える。図11(B)に示すように、拡散板453Aは左右にスライド可能であり、拡散板453Aが左に位置する場合は、ダイDには拡散光が照射される。拡散板453Aが右に位置する場合は、ダイDには平行光が照射される。
【0052】
(変形例2)
ボイド検出をボンディングステーションとは別のステーションで実施する場合について図12を用いて説明する。図12はボイド認識カメラでボイドを検出する場合を説明する概念平面図である。
【0053】
実線矢印はピックアップヘッドまたはボンディングヘッドの動きを示し、破線は基板認識カメラおよびボイド認識カメラの動きを示す。ボンディングヘッド41、基板認識カメラ44およびボイド認識カメラ46は基板上Y軸方向に移動する。
【0054】
ダイボンディング後(位置検査および表面検査後)にボンディングステーションの隣以降のステーション(ボイド検出ステーションVS)にダイDがボンディングされた基板Sを移動して、平行光を照射してボイドのみ確認する。ボイド認識カメラ46は、例えば図8の基板認識カメラ44のみを有し、照明装置45を有さない構成、または図11の基板認識カメラ44Aと拡散板453Aを有さない照明装置45Aとを有する構成である。実施例および変形例1の照明切替は高速で可能、画像取込時間のみであれば別ステーションにする必要性は低いが、より高生産性を求められる場合は有効である。
【0055】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0056】
例えば、実施例ではダイ位置認識の後にダイ外観検査認識を行っているが、ダイ外観検査認識の後にダイ位置認識を行ってもよい。
また、実施例では拡散光を照射した撮像(ダイ位置認識、ダイ外観検査認識)の後に平行光を照射した撮像(ボイド検査認識)を行っているが、ボイド検査認識の後にダイ位置認識、ダイ外観検査認識を行ってもよい。
また、実施例ではウェハの裏面にDAFが貼付されているが、DAFはなくてもよい。
また、実施例ではピックアップヘッドおよびボンディングヘッドをそれぞれ1つ備えているが、それぞれ2つ以上であってもよい。また、実施例では中間ステージを備えているが、中間ステージがなくてもよい。この場合、ピックアップヘッドとボンディングヘッドは兼用してもよい。
【符号の説明】
【0057】
10・・・ダイボンダ
1・・・ダイ供給部
13・・・突上げユニット
2・・・ピックアップ部
24・・・ウェハ認識カメラ
3・・・アライメント部
31・・・中間ステージ
32・・・ステージ認識カメラ
4・・・ボンディング部
41・・・ボンディングヘッド
42・・・コレット
44・・・基板認識カメラ
442・・・レンズ
443・・・高原
444・・・ハーフミラー
5・・・搬送部
51・・・基板搬送爪
8・・・制御部
S・・・基板
BS・・・ボンディングステージ
D・・・ダイ
P・・・パッケージエリア
45・・・照明部
451・・・光源
452・・・LED基板
453・・・拡散板
454・・・ハーフミラー
図1
図2
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図10
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図12