(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-24
(45)【発行日】2022-03-04
(54)【発明の名称】対称プラズマ処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20220225BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220225BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20220225BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220225BHJP
C23C 16/50 20060101ALI20220225BHJP
【FI】
H05H1/46 M
H01L21/302 101B
H01L21/205
H01L21/31 C
C23C16/50
(21)【出願番号】P 2020001158
(22)【出願日】2020-01-08
(62)【分割の表示】P 2017208841の分割
【原出願日】2012-10-05
【審査請求日】2020-01-08
(32)【優先日】2011-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ディー カードゥッチ
(72)【発明者】
【氏名】ハミッド タバッソリ
(72)【発明者】
【氏名】アジト バラクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】ジガング チェン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ヌグエン
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス エー ブッフベルガー ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】カーティク ラマスワミー
(72)【発明者】
【氏名】シャヒド ラウフ
(72)【発明者】
【氏名】ケネス エス コリンズ
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-171286(JP,A)
【文献】特開2001-093884(JP,A)
【文献】国際公開第2010/109373(WO,A2)
【文献】特開2004-039844(JP,A)
【文献】特開平03-083334(JP,A)
【文献】特開2009-088298(JP,A)
【文献】米国特許第05091207(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2006-0127599(KR,A)
【文献】特開2011-054933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理装置であって、
処理領域を囲む蓋アセンブリ及びチャンバ本体と、
チャンバ本体に配置された基板支持アセンブリであって、
1つ以上のベローズによって処理領域から流体的に密封されたチャンバ本体に配置された支持台と、
支持台によって支持された下部電極と、
下部電極内に配置された複数のリフトピンと、
チャンバ本体の中央領域内に配置され、下部電極をある距離だけ垂直に移動させるように構成され、中央領域内に配置されたモータを有する第1作動装置と、
中央領域内で支持台に配置され、複数のリフトピンを垂直に移動させるように構成された第2作動装置とを備える基板支持アセンブリと、
中央領域に配置され、基板支持アセンブリを支持するように位置する中央支持部材であって、1つ以上のベローズが下部電極から中央支持部材まで延びている中央支持部材と、
チャンバ本体を貫通して配置され、中央領域へのアクセスを提供する複数のアクセスチューブであって、チャンバ本体を貫通して水平に延び、中央支持部材の下に配置され、支持台の中心軸の周りに対称的に配置された複数のアクセスチューブと、
底壁を有する上部ライナーと、
上部ライナーの底壁に配置され、基板支持アセンブリの中心軸の周りに対称的に配置された複数の排気通路と、
チャンバ本体内に排気領域を画定する排気アセンブリであって、チャンバ本体は、処理領域を排気領域と流体的に接続する、支持台の中心軸の周りに対称的に配置された複数の排気チャネルを備え、
複数の排気チャネルのうちの各々の排気チャンネルは複数のアクセスチューブのうちの2つのアクセスチューブの間で延び、複数の排気通路の対応する1つの下方で延びている、排気アセンブリとを備えるプラズマ処理装置。
【請求項2】
チャンバ本体には、支持台の中心軸の周りに対称的に排気ポートが貫通して形成されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
複数のリフトピンはリフトピンプレートに結合されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
プラズマ処理装置であって、
処理領域を囲む蓋アセンブリ及びチャンバ本体と、
チャンバ本体に配置された基板支持アセンブリであって、
1つ以上のベローズによって処理領域から流体的に密封されたチャンバ本体に配置された支持台と、
支持台によって支持された下部電極と、
下部電極内に配置された複数のリフトピンと、
チャンバ本体の中央領域内に配置され、下部電極をある距離だけ垂直に移動させるように構成され、中央領域内に配置されたモータを有する第1作動装置であって、中央領域は、処理領域と、支持台の中心軸に沿って中央領域の下でチャンバ本体に配置されている排気領域とから流体的に密封可能になっている第1作動装置と、
中央領域内で支持台に配置され、複数のリフトピンを垂直に移動させるように構成された第2作動装置であって、
リフトピンプレートに結合されたリードスクリューと、
リードスクリューを前進及び後退させるように構成されたアクチュエータとを備える第2作動装置とを備える基板支持アセンブリと、
中央領域に配置され、基板支持アセンブリを支持するように位置する中央支持部材であって、1つ以上のベローズが下部電極から中央支持部材まで延びている中央支持部材と、
底壁を有する上部ライナーと、
チャンバ本体を貫通して配置され、中央領域へのアクセスを提供する複数のアクセスチューブであって、チャンバ本体を貫通して水平に延び、中央支持部材の下に配置され、支持台の中心軸の周りに対称的に配置された複数のアクセスチューブと、
上部ライナーの底壁に配置され、基板支持アセンブリの中心軸の周りに対称的に配置された複数の排気通路と、
チャンバ本体内に排気領域を画定する排気アセンブリであって、チャンバ本体は、処理領域を排気領域と流体的に接続する、支持台の中心軸の周りに対称的に配置された複数の排気チャネルを備え、
複数の排気チャネルのうちの各々の排気チャンネルは複数のアクセスチューブのうちの2つのアクセスチューブの間で延び、複数の排気通路の対応する1つの下方で延びている、ている排気アセンブリとを備えるプラズマ処理装置。
【請求項5】
下部電極内に配置された1つ以上のリフトピンホールに流体的に接続された真空チューブをさらに備える、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
下部電極に配置されたガスポートに流体的に接続されたガス供給ラインをさらに備える、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
チャンバ本体内の排気領域に流体的に接続された真空チューブをさらに備える、請求項4に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
プラズマ処理装置であって、
処理領域を囲む蓋アセンブリ及びチャンバ本体であって、蓋アセンブリは、
その各々が導電性フィッティングを有する1つ以上の流体入口及び1つ以上の流体出口を有する上部電極と、
複数の導電性プラグとを備えている蓋アセンブリ及びチャンバ本体と、
チャンバ本体に配置された基板支持アセンブリであって、
1つ以上のベローズによって処理領域から流体的に密封されたチャンバ本体に配置された支持台であって、導電性フィッティング及び導電性プラグは、支持台の中心軸の周りに対称的に配置されている支持台と、
支持台によって支持された下部電極と、
下部電極内に配置された複数のリフトピンと、
チャンバ本体の中央領域内に配置され、支持台に結合され、下部電極をある距離だけ垂直に移動させるように構成され、中央領域内に配置されたモータを有する第1作動装置であって、中央領域は、処理領域と、支持台の中心軸に沿って中央領域の下でチャンバ本体に配置されている排気領域とから流体的に密封されている第1作動装置と、
中央領域内で支持台に配置され、複数のリフトピンを垂直に移動させるように構成された第2作動装置とを備える基板支持アセンブリと、
中央領域に配置され、基板支持アセンブリを支持するように位置する中央支持部材であって、1つ以上のベローズが下部電極から中央支持部材まで延びている中央支持部材と、
チャンバ本体を貫通して配置され、中央領域へのアクセスを提供する複数のアクセスチューブであって、チャンバ本体を貫通して水平に延び、中央支持部材の下に配置され、支持台の中心軸の周りに対称的に配置された複数のアクセスチューブと、
底壁を有する上部ライナーと、
上部ライナーの底壁に配置され、基板支持アセンブリの中心軸の周りに対称的に配置された複数の排気通路と、
チャンバ本体内に排気領域を画定する排気アセンブリであって、チャンバ本体は、処理領域を排気領域と流体的に接続する、支持台の中心軸の周りに対称的に配置された複数の排気チャネルを備え、
複数の排気チャネルのうちの各々の排気チャンネルは複数のアクセスチューブのうちの2つのアクセスチューブの間で延び、複数の排気通路の対応する1つの下方で延びている、排気アセンブリとを備えるプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明は概して、電極間に印加された高周波電力によってプラズマが励起される基板製
造用プラズマ処理装置に関する。より具体的には、本発明は、電気的な、ガス流の、及び
熱的な対称性を改良されたプラズマ均一性制御に対して提供するプラズマ処理チャンバに
関する。
【0002】
(関連技術の説明)
フラットパネルディスプレイや集積回路等の電子デバイスは、一般に、層を基板上に堆
積し、堆積された材料を所望のパターンにエッチングする一連の処理工程によって製造さ
れる。処理工程は、一般的に、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、プラズマCV
D(PECVD)、及び他のプラズマ処理を含む。具体的には、プラズマ処理は、真空チ
ャンバに処理ガス混合物を供給し、電気的又は電磁気的な力(RF電力)を印加して、処
理ガスをプラズマ状態に励起する必要がある。プラズマは、ガス混合物を所望の蒸着又は
エッチング処理を行うイオン種に分解する。
【0003】
プラズマ処理が遭遇する一つの問題は、基板の中心とエッジ領域の間の不均一な処理を
引き起こす処理中に、基板表面上に均一なプラズマ密度を確立することに伴う困難性であ
る。均一なプラズマ密度を確立することの難しさの理由の一つは、物理的なプロセスチャ
ンバ設計の非対称性に起因する自然の電気的な、ガス流の、及び熱的な偏り(スキュー)
に関与している。このような偏りは当然、方位による不均一なプラズマ密度をもたらすの
みならず、中心から端部までのプラズマ均一性を制御するための他の処理変数又は「ノブ
」の使用を困難にしている。
【0004】
したがって、改良されたプラズマ均一性制御のための電気的な、ガス流の、及び熱的な
対称性を向上させたプラズマ処理装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態では、処理領域を囲む蓋アセンブリ及びチャンバ本体を含むプラズ
マ処理装置が提供される。基板支持アセンブリは、チャンバ本体内に配置される。チャン
バ本体内の排気領域を画定する排気アセンブリが提供される。チャンバ本体は、処理領域
を排気領域と流体接続する基板支持アセンブリの中心軸の周りに対称的に配置された複数
の通路を含む。基板支持アセンブリは、処理領域及び排気領域から流体的に密閉された中
央領域内に配置された下部電極及び支持台を含む。複数のアクセスチューブが、中央領域
へのアクセスを提供するためにチャンバ本体を通して配置され、基板支持アセンブリの中
心軸周りに対称的に配置されている。
【0006】
別の一実施形態では、プラズマ処理装置は、処理領域を囲む蓋アセンブリ及びチャンバ
本体を含む。基板支持アセンブリは、チャンバ本体内に配置される。蓋アセンブリは、処
理ガスを処理領域内に分配するように構成された中央マニホールドと、処理ガスを処理領
域内に分配するように構成された1以上の外側マニホールドを有する上部電極を含む。ま
た、蓋アセンブリは、基板支持アセンブリの中心軸周りに対称的に配置された複数のガス
チューブを介して、1以上の外側マニホールドに結合されたリングマニホールドを含む。
【0007】
更に別の一実施形態では、プラズマ処理装置は、処理領域を囲む蓋アセンブリ及びチャ
ンバ本体を含む。基板支持アセンブリは、チャンバ本体内に配置される。上部ライナーは
、処理領域を囲むチャンバ本体内に配置される。上部ライナーは、貫通して配置され、基
板支持アセンブリの中心軸周りに対称的に配置された複数のスロットを備えた円筒壁を有
する。バッキングライナーは、複数のスロットのうちの少なくとも1つを覆う円筒壁に結
合される。メッシュライナーは、基板支持アセンブリの周りに環状に配置され、上部ライ
ナーに電気的に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本
発明のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に
示されている。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示しているに過ぎ
ず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本発明は他の等しく
有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【
図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置の概略断面図である。
【
図2】
図1の処理装置の上部電極の概略上面図である。
【
図3A】
図1の処理装置の処理領域を囲むチャンバ本体の上部内に配置されている上部ライナーアセンブリの概略斜視図である。
【
図3B】チャンバ本体と上部ライナーアセンブリの一部の部分断面図である。
【
図4】
図1に示される線4-4に沿った処理装置の概略図である。
【
図5】
図1の処理装置を通って延びるアクセスチューブのレイアウトの概略図である。
【詳細な説明】
【0009】
前述したように、従来のプラズマシステムの問題は、チャンバ内の非対称性のために均
一なプラズマ密度を提供することが困難であることである。本発明の実施形態では、チャ
ンバを通して、極めて対称的な、電気的な、熱的な、及びガス流のコンダクタンスを可能
にするチャンバ設計を提供することによって、この問題を軽減する。このような対称性を
提供することによって、チャンバ内で形成されたプラズマは、チャンバの処理領域内に配
置された基板の表面全体に亘る均一性を自然に改善する。更に、他のチャンバへの追加(
例えば、上部電極と下部電極の間や、ガス流入口と被処理基板の間のギャップを操作する
機能を提供するなど)は、従来のシステムに比べて、より優れたプラズマ処理の制御と均
一性を可能にする大型のプロセスウィンドウを提供する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理装置100の概略断面図である。プラ
ズマ処理装置100は、プラズマエッチングチャンバ、プラズマ化学蒸着チャンバ、物理
蒸着チャンバ、プラズマ処理チャンバ、イオン注入チャンバ、又は他の適当な真空処理チ
ャンバが可能である。
図1に示されるように、プラズマ処理装置100は、一般的に、チ
ャンバ蓋アセンブリ110、チャンバ本体アセンブリ140、排気アセンブリ190を含
み、これらは総じて処理領域102及び排気領域104を囲んでいる。実際には、処理ガ
スは、処理領域102内に導入され、RF電力を用いて点火され、プラズマとなる。基板
105は基板支持アセンブリ160上に配置され、基板105上でプラズマ処理(例えば
、エッチング、化学蒸着法、物理蒸着法、イオン注入、プラズマアニール、プラズマ処理
、軽減処理、又はその他のプラズマ処理)を行うために、処理領域102内に生成された
プラズマに曝される。排気領域104を介してプラズマ処理から使用済み処理ガスと副産
物を除去する排気アセンブリ190によって、真空は処理領域102内で維持される。
【0011】
蓋アセンブリ110は、一般的に、チャンバ本体アセンブリ140によって分離支持さ
れる上部電極112(又は陽極)と、上部電極112を囲むチャンバ蓋114を含む。図
2は、上部電極112の概略上面図である。上部電極112は、導電性ガス入口チューブ
126を介してRF電源103に結合される。導電性ガス入口チューブ126は、チャン
バ本体アセンブリ140の中心軸(CA)と同軸であり、これによってRF電力と処理ガ
スの両方が対称的に供給される。上部電極112は、伝熱板118に取り付けられたシャ
ワーヘッド板116を含む。シャワーヘッド板116、伝熱板118、及びガス入口チュ
ーブ126は全て、RF導電性材料(アルミニウムやステンレス鋼等)で製造されている
。
【0012】
シャワーヘッド板116は、中央マニホールド120及び1以上の外側マニホールド1
22を有する。1以上の外側マニホールド122は、中央マニホールド120を囲んでい
る。中央マニホールド120は、ガス入口チューブ126を介してガス供給源106から
処理ガスを受け入れ、複数のガス通路121を介して受け入れた処理ガスを処理領域10
2の中央部分に分配する。外側マニホールド122は処理ガスを受け入れ、ガス供給源1
06から中央マニホールド120内に受け入れたものと同一又は異なるガス混合物が可能
である。その後、外側マニホールド122は、複数のガス通路123を介して処理領域1
02の外側部分に受け入れた処理ガスを分配する。マニホールド120、122はプレナ
ムとして機能し、均一な圧力がそれぞれのマニホールド120、122に結合した各ガス
通路121に提供されるのに十分な容積を有する。シャワーヘッド板116のデュアルマ
ニホールド構成は、処理領域102内へのガスの供給制御の改善を可能にする。例えば、
処理領域102の中央部、つまり、内部に配置された基板105の中央部に供給された処
理ガスは、処理領域102の外側部、つまり、基板105の外側部に供給された処理ガス
とは異なる流量及び/又は圧力で導入することができる。従来のシングルマニホールドの
バージョンとは対照的に、マルチマニホールドシャワーヘッド板116は、中央から端部
までの処理結果の制御を強化できる。
【0013】
図1及び
図2を参照すると、ガス供給源106からの処理ガスは、入口チューブ126
の周囲に同心円状に配置されたリングマニホールド128内に入口チューブ127を介し
て送られていることが分かる。リングマニホールド128から、複数のガスチューブ12
9を介して外側マニホールド122へ処理ガスが送られる。一実施形態では、リングマニ
ホールド128は、リングマニホールド128からガスチューブ129内へガスが均等に
流れるのを保証するために再帰的なガス通路を含む。リングマニホールド128とガスチ
ューブ129は、導電性材料(アルミニウムやステンレス鋼等)から製造される。このよ
うに、リングマニホールド128及びガスチューブ129は、潜在的に処理領域102内
のプラズマの均一性に効果をもたらす上部電極112によって提供される電界の偏りを引
き起こすRF電流の対称性に影響を及ぼす可能性がある。
【0014】
電界中でのこのような偏りを防ぐために、ガスチューブ129は、処理装置100を介して垂直に延びる中心軸(CA)周りに対称に配置される。このように、ガスチューブ129は、中心部に位置するリングマニホールド128から等間隔の角度(A)で延びており、これによって冷却板118を通って外側マニホールド122内に処理ガスを供給する。例えば、
図2に示される実施形態は、120度の角度を隔てた3本のガスチューブ129を示している。他の例(図示せず)では、中心軸(CA)の周りに対称に、つまり互いに等間隔の角度で配置されているならば、より多くの又はより少ないガスチューブ129を使用することもできる。リング状のマニホールドを採用し、中心軸(CA)周りに対称にガスチューブ129を配置することによって、上部電極112の電気的な対称性が、処理領域102内でより均一で整合性のあるプラズマの形成をもたらす点において、従来のシステムよりも大幅に改善される。更に、ガスチューブ129の対称的な配置は、外側マニホールド122内に均一円形状配列内のガスを提供し、これによって外側マニホールド122内で方位的に均一な圧力分布を提供し、その結果、ガス通路123を通して処理領域102内へ方位的に均一なガス流を提供し、これによって処理の均一性を高める。
【0015】
熱伝導流体が流体入口チューブ130を介して伝熱板118に流体源109から供給さ
れる。流体は、伝熱板118内に配置された1以上の流体チャネル119を通って循環し
、流体出口チューブ131を介して流体供給源109に戻される。適当な熱伝導流体は、
水、水ベースのエチレングリコールの混合物、ペルフルオロポリエーテル(例えば、ガル
デン(商標名)流体)、オイルベースの熱伝導流体、又は類似の流体を含む。
【0016】
流体入口チューブ130と流体出口チューブ131は、それぞれ非導電性材料(適当なプラスチック材料等)から製造される。このように、チューブ自体は上部電極112の電気的対称性には影響を与えない。しかしながら、フィッティング132は、導電性材料(アルミニウム又はステンレス鋼等)から製造され、このため偏り効果を引き起こす上部電極112の電気的対称性に影響を及ぼす可能性がある。このように、フィッティング132と同じ材料から製造され、同じ大きさと形状を有する導電プラグ133は、
図2に示されるように、中心軸(CA)周りに対称的に配置され、これによってプラグ133及びフィッティング132は共に、チャンバ本体アセンブリ140の中心軸(CA)周りにセンタリングされた円形状配列を画定する。導電性プラグ133の追加は、上部電極112の電気的な対称性を向上させ、処理領域102内において従来のシステムで利用可能なものよりもより均一で整合性のあるプラズマ形成をもたらす。
【0017】
図1に戻って参照すると、チャンバ本体アセンブリ140は、処理環境に耐性のある導
電性材料(アルミニウム又はステンレス鋼等)から作られたチャンバ本体142を含む。
基板支持アセンブリ160は、チャンバ本体142内の中央に配置され、中心軸(CA)
周りに対称的に処理領域102内の基板105を支持するように配置される。
【0018】
図3Aは、処理領域102を囲むチャンバ本体142の上部内に配置された上部ライナ
ーアセンブリ144の概略等角図である。上部ライナーアセンブリ144は、導電性のプ
ロセス適合性材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及び/又はイットリア(例え
ば、イットリアを被覆したアルミニウム)等)から構成することができる。実際には、上
部ライナーアセンブリ144は、処理領域102内のプラズマからチャンバ本体142の
上部を遮蔽し、定期的なクリーニング及びメンテナンスを可能にするために取り外し可能
である。一実施形態では、上部ライナーアセンブリ144は、チャンバ内の温度対称性及
び処理領域102内に供給されるプラズマの対称性を高めるために、例えばACヒーター
(図示せず)によって、温度制御される。
【0019】
図1及び
図3Aを参照すると、チャンバ本体142は、上部ライナーアセンブリ144
の外側フランジ145を支持する棚部143を含む。上部ライナーアセンブリ144の内
側フランジ146は、上部電極112を支持する。絶縁体113は、上部ライナーアセン
ブリ144と上部電極112との間に配置され、これによってチャンバ本体アセンブリ1
40と上部電極112との間の電気的絶縁を提供する。
【0020】
上部ライナーアセンブリ144は、内側及び外側フランジ(146、145)、底壁1
48、及び内壁149に取り付けられた外壁147を含む。外壁147及び内壁149は
、実質的に垂直な円筒形の壁である。外壁147は、処理領域102内のプラズマからチ
ャンバ本体142を遮蔽するように配置され、内壁149は、処理領域102内のプラズ
マから基板支持アセンブリ160の側面を少なくとも部分的に遮蔽するように配置されて
いる。底壁148は、本明細書内で続いて説明される排気通路189が形成された一部の
領域を除いて、内壁及び外壁(149、147)に結合される。
【0021】
図1に戻って参照すると、処理領域102は、基板支持アセンブリ160から/への基
板105の出し入れを可能にするチャンバ本体142内に配置されたスリットバルブトン
ネル141を介してアクセスされる。上部ライナーアセンブリ144は、スリットバルブ
トンネル141に一致する貫通して配置されたスロット150を有する。チャンバ本体ア
センブリ140は、スリットバルブトンネル141及びスロット150を密閉するために
スリットバルブドア153を垂直方向に拡張し、基板105の通過を可能にするために、
スリットバルブドア153を垂直方向に格納するように配置され構成されたアクチュエー
タ152を含むスリットバルブドアアセンブリ151を含む。図面の混乱を最小限にする
ために、スリットバルブドアアセンブリ151及びその部品は、
図1内でハッチングされ
ていない。スリットバルブドア153は、ライナー内での電気的対称性の増加を提供する
ために、上部ライナーアセンブリ144の材料(例えば、イットリアを被覆したアルミニ
ウム)と実質的に一致する材料で構成することができる。一実施形態では、スリットバル
ブドア153は、処理領域102内の熱的対称性の向上を提供するために、上部ライナー
アセンブリ144の温度と一致するように、例えば、ACヒータ(図示せず)によって、
温度制御される。
【0022】
図3Aを参照すると、スロット150の大きさ及び形状に実質的に一致した追加のスロット154が、上部ライナーアセンブリ144を介して配置されている。スロット154は、中心軸(CA)周りで対称的に上部ライナーアセンブリ144を介して配置されている。例えば、
図3Aに示されるように、2つのスロット154が、スロット150から120度の角度で配置され、これによってスロット150及びスロット154は、中心軸(CA)周りに円形状配列を形成する。スロット154は、スロット150の存在に起因して上部ライナーアセンブリ144内に存在する電流密度及び/又は分布の変化を補正するために、上部ライナーアセンブリ144の周りで対称的に配置される。また、スロット150及び154は、チャンバ内に改善された電気的対称性を提供するために、それぞれのガスチューブ129に沿って配置することができる。
【0023】
図3Bは、チャンバ本体142及び上部ライナーアセンブリ144の一部分の部分断面
図である。上部ライナーアセンブリ144のスロット154に取り付けられ、これを覆う
バッキングライナー155を設けてもよい。バッキングライナー155は、スリットバル
ブドア153を模倣した大きさ、形状、材料から構成されている。また、バッキングライ
ナー155は、上部ライナーアセンブリ144と導電接触し、上部ライナーアセンブリ1
44と電気的及び熱的接触を維持する。このように、バッキングライナー155は、従来
のシステムで利用可能なものよりも、処理領域102内においてより均一なプラズマ密度
を可能にするために、上部ライナーアセンブリ144の周りに電気的のみならず熱的対称
性を更に提供する。
【0024】
図4は、明確にするために基板105を取り除いた、
図1に示される線4-4に沿って
取られた処理装置100の模式図である。
図1及び
図4を参照すると、基板支持アセンブ
リ160は、チャンバ本体アセンブリ140の中心領域156内の中央に配置され、中心
軸(CA)を共有している。つまり、中心軸(CA)は、基板支持アセンブリ160の中
心を垂直に通る。基板サポートアセンブリ160は、一般的に、下部電極161(又はカ
ソード)と中心軸(CA)が中心を通過する中空台座162を含み、中心領域156内に
配置され、チャンバ本体142によって支持された中央支持部材157によって支持され
る。中心軸(CA)は、中央支持部材157の中心も通る。下部電極161は、マッチン
グネットワーク(図示せず)及び後述するように中空台座162を通って導かれたケーブ
ル(図示せず)を介してRF電源103に連結されている。RF電力が上部電極112及
び下部電極161に供給されると、その間に形成される電界は、処理領域102内に存在
する処理ガスに点火してプラズマを生成する。
【0025】
中央支持部材157は、締結具及びOリング(図示せず)などによって、チャンバ本体
142に対して密閉されており、下部電極161は、ベローズ158などによって、中央
支持部材157に対して密閉されている。このように、中心領域156は処理領域102
から密閉され、処理領域102を真空状態に維持しつつ、大気圧に維持することができる
。
【0026】
作動アセンブリ163は、中央領域156内に配置され、チャンバ本体142及び/又
は中央支持部材157に取り付けられている。なお、作動アセンブリ163は、図面の混
乱を最小限に抑えるために、ハッチング無しで示されている。作動アセンブリ163は、
アクチュエータ164(例えば、モータ)、リードスクリュー165、及び台座162に
取り付けられたナット166を含む。実際には、アクチュエータ164はリードスクリュ
ー165を回転させ、今度はリードスクリュー165がナット166を上下動させ、こう
して台座162を上下動させる。下部電極161が台座162によって支持されているの
で、作動アセンブリ163は、チャンバ本体142、中央支持部材157、及び上部電極
112に対する下部電極161の垂直運動を提供する。処理領域102内での下部電極1
61のそのような垂直方向の動きは、下部電極161と上部電極112との間に可変ギャ
ップを提供し、これによって両者間に形成される電界を増加させる制御を可能にし、同様
に処理領域102内に形成されたプラズマの密度をより大きくする制御を提供する。更に
、基板105は下部電極161によって支持されているので、基板105とシャワーヘッ
ド板116との間のギャップも変化させることができ、基板105全面に亘る処理ガス分
布のより柔軟な制御をもたらす。
【0027】
また、下部電極161によって支持され、上部ライナーアセンブリ144の内壁149
に重複するプラズマスクリーン159が、処理領域102内のプラズマから基板支持アセ
ンブリ160及びベローズ158を保護するために提供される。プラズマスクリーン15
9は台座162に結合され、台座162と共に垂直方向に移動するので、プラズマスクリ
ーン159と上部ライナーアセンブリ144の内壁149との間の重複部分は、プラズマ
スクリーン159と上部ライナーアセンブリ144が外れて、台座162の下方の領域の
露出が、処理ガスに曝されることを許容することなしに、台座162が全動作範囲を使用
可能にするのに十分である。
【0028】
基板支持アセンブリ160は、リフトピンアセンブリ167を更に含み、これによって
基板105のロード及びアンロードを促進する。リフトピンアセンブリ167は、リフト
ピンプレート169に取り付けられたリフトピン168を含む。リフトピンプレート16
9は、下部電極161内の開口部170内に配置され、リフトピン168は、開口部17
0と処理領域102との間に配置されたリフトピン穴171を通って延びている。リフト
ピンプレート169は、下部電極161内の開口部173を通って、中空台座162内へ
と延びるリードスクリュー172に結合されている。アクチュエータ195(例えばモー
タ)を台座162上に配置することができる。なお、アクチュエータ195は、図面の混
乱を最小限に抑えるためにハッチング無しで示されている。アクチュエータ195は、リ
ードスクリュー172を前進又は後退させるナットを回転させる。リードスクリュー17
2は、リフトピンプレート169に結合されている。このように、アクチュエータ195
は、リードスクリュー172にリフトピンプレート169の上下動を引き起こすので、リ
フトピン168は延長又は格納される。したがって、アクチュエータ195は、下部電極
161の垂直方向の位置には関係なく、リフトピン168の延長又は格納を可能にする。
このようなリフトピン168の独立した作動を提供することにより、基板105の垂直方
向の位置は、下部電極161の垂直方向の位置から独立して変更可能であり、これによっ
て基板105のロードとアンロードの両方の間、更には基板105の処理の間により柔軟
な位置制御を可能とし、例えば、処理中に基板を持ち上げることによって、裏面ガスを基
板の下から逃がすことができる。
【0029】
基板支持アセンブリ160は、開口部170を排気領域104と連結する通気ライン1
74を更に含む。通気ライン174は、後述するように、中空台座162を通って中央に
導かれ、中心軸(CA)周りに対称的なスポークパターンで配置された複数のアクセスチ
ューブ180のうちの1つを通ってチャンバ本体142から外へと導かれる。通気ライン
174は、リフトピンホール171を介して開口部170内に漏れる可能性のある任意の
処理ガスを除去するために、開口部170の排気用に用意されている。更に、開口部17
0の排気は、下部電極161又はリフトピン168上に配置された基板105の裏側に存
在する可能性のある処理ガスを除去するのにも役立つ。
【0030】
基板支持アセンブリ160は、貫通して配置され、ガス供給ライン178を介して不活
性ガス供給部177に結合されたガスポート176を含むこともできる。ガス供給部17
7は、処理ガスが基板105の裏面を処理するのを防ぐために、ガス供給ライン178及
びガスポート176を通して、基板105の裏面へ、不活性ガス(ヘリウムなど)を供給
する。ガス供給ライン178はまた、中空台座162を通って導かれ、複数のアクセスチ
ューブ180のうちの1つを通ってチャンバ本体142から外へと導かれる。
【0031】
基板支持アセンブリ160は、処理中に下部電極161に温度制御を提供するために、
下部電極161内の1以上の熱交換チャネル(図示せず)を介して熱交換流体源198か
ら導かれた1以上の流体入口ライン179及び流体出口ライン181を更に含むことがで
きる。流体入口ライン179及び流体出口ライン181は、下部電極161から中空台座
162を通して導かれ、複数のアクセスチューブ180のうちの1つを通してチャンバ本
体142から外へと導かれる。
【0032】
一実施形態では、基板支持アセンブリ160は、下部電極161内に配置された1以上
の温度センサ182を更に含み、これによって下部電極161の温度制御を促進すること
ができる。
【0033】
一実施形態では、下部電極161は、静電チャックであり、したがって、内部に配置さ
れた1以上の電極(図示せず)を含む。電圧源(図示せず)は、基板105に対して1以
上の電極にバイアスを掛け、これによって処理中に適所に基板105を保持するための吸
引力を生成する。1以上の電極を電圧源に結合するケーブル接続は、中空台座162を通
して導かれ、複数のアクセスチューブ180のうちの1つを通してチャンバ本体142か
ら外へと導かれる。
【0034】
図5は、チャンバ本体アセンブリ140のスポーク191内のアクセスチューブ180
のレイアウトの概略図である。
図1及び
図5を参照すると、スポーク191及びアクセス
チューブ180は、図示されるように、処理装置100の中心軸(CA)の周りにスポー
クパターンで対称的に配置されている。図示の実施形態では、3つの同一のアクセスチュ
ーブ180が、チャンバ本体142を通って中央領域156内へと配置され、これによっ
てチャンバ本体142の外側から下部電極161までの複数のチューブ及びケーブルの供
給を促進する。下部電極162の垂直方向の移動を促進するために、アクセスチューブ1
80のそれぞれを通る開口部183は、下部電極161の垂直移動範囲にほぼ等しい。例
えば、1つの構成では、下部電極162は、約7.2インチの距離、垂直方向に移動可能
である。この場合、アクセスチューブ180のそれぞれの開口部183の高さも約7.2
インチである。これらの距離をほぼ同じに保つことは、必要なケーブルの長さを最小限に
し、更に下部電極161の垂直方向の動作の間にケーブルが結合し摩耗するのを防止する
のに役立つ。また、スポーク191の幅(W)は最小化され、これによって高アスペクト
比(高さ:幅)が提供され、これによってなおもユーティリティ(例えば、ガス、配線)
のための十分な余地を許容しながら、排気チャネル189の開放領域は増す。このような
構成は、排ガスの流れ抵抗を低減し、その結果、ポンピングのためのエネルギー消費を低
減させ、より小型で低コストのポンプをもたらす。
【0035】
下部電極161へのケーブル配線を更に促進するために、ケーブル配線は複数のアクセ
スチューブ180間で分割される。例えば、流体ライン(179、181)、ガス供給ラ
イン178、及び真空チューブ174の全ては、アクセスチューブ180aを通して提供
することができ、温度センサ用ケーブル184及びその他の電気ケーブル(例えば、アク
チュエータ164、195への電気ケーブル)は、アクセスチューブ180bを通して提
供することができ、RF電圧供給及びその他の電気ケーブル(例えば、チャッキング機能
用の電極への電気ケーブル)は、アクセスチューブ180cを通して提供することができ
る。このように、チャンバ本体142の外側から下部電極162までのケーブルの数と量
は、下部電極161の移動を促進するために適切なクリアランスを提供しながら、アクセ
スチューブ180のサイズを最小限にするために、アクセスチューブ180間で分割され
る。
【0036】
アクセスチューブ180は、アルミニウム又はステンレス鋼などの材料で構成すること
ができる。アクセスチューブ180の対称的なスポーク配置は、処理装置100の電気的
及び熱的な対称性を更に促進するように設計されている。一実施形態では、アクセスチュ
ーブ180は、120度離れて配置され、アクセスチューブ180の各々は、それぞれの
ガスチューブ129と整列している。アクセスチューブ180の対称的な配置は、処理領
域102内ではるかにより均一なプラズマ形成を可能にし、処理中に基板105の表面全
域に亘たってプラズマ密度の制御を改善するために、チャンバ本体142内、特に処理領
域102内に電気的及び熱的な対称性を更に提供する。
【0037】
図1及び
図4に戻って参照すると、排気通路189は、中心軸(CA)周りに対称的に
上部ライナーアセンブリ144内に配置されている。排気通路189は、処理領域102
から排気領域104を介して、そして排気ポート196を介してチャンバ本体142から
外へガスの排出を可能にする。排気ポート196は、チャンバ本体アセンブリ140の中
心軸(CA)の周りにセンタリングされ、これによってガスが排気通路189を通して均
等に引かれる。排気ライナー187は、排気時に処理ガスからチャンバ本体142を保護
するために、チャンバ本体142内に設けられた排気チャネル188内の各々の排気通路
189の下方にそれぞれ配置される。排気ライナー187は、上述したように、上部ライ
ナーアセンブリ144と同様の材料で構成できる。
【0038】
排気チャネル188は、実質的に電気的な相互作用が存在しないように処理領域102
から離れて配置されている。しかしながら、中心軸(CA)周りにおける排気チャネル1
88の対称的な配置は、処理装置100内に改善された熱的及びガス流の対称性を提供す
る。例えば、中心軸(CA)周りの排気チャネル188の対称的な配置、したがって、処
理領域102は、処理領域102からのガスの対称的な除去を促進し、その結果、基板1
05全域に亘って対称的なガス流をもたらす。また、排気チャネル188及び排気ライナ
ー187の対称的な配置は、チャンバ内の熱分布の対称性を促進する。このように、処理
装置100内における排気チャネル188の対称的な配置は、処理領域102内の均一な
プラズマ形成を促進し、処理領域102内のプラズマ密度及びガス流を柔軟に制御できる
。
【0039】
排気アセンブリ190は、チャンバ本体142の底部で排気領域104に隣接して配置
される。排気アセンブリは、真空ポンプ194に結合されたスロットルバルブ192を含
むことができる。スロットルバルブ192は、真空ポンプ194と組み合わせて使用する
ポペット型のバルブであってもよく、これによって処理領域102から排気通路189を
通して、及び中央に配置された排気ポート189を通してチャンバから外へ排ガスを対称
的に引くことによって、処理領域102内で真空条件を制御することができ、更に処理領
域102内のプラズマ条件のより柔軟な制御を提供することができる。
図1に示されるよ
うに、ポペット型のバルブは、一様な360度のギャップ198を提供し、これを通して
排ガスが排気ポート189を通して引かれる。対照的に、従来のダンパー型のスロットル
バルブは、排ガスの流れのために不均一なギャップを提供する。例えば、ダンパー型のバ
ルブが開いたときに、バルブの片側はバルブのもう片側よりも多くのガスを引く。このよ
うに、ポペット型のスロットルバルブは、従来のプラズマ処理チャンバで使用される従来
のダンパー型のスロットルバルブよりもガスコンダクタンスの偏りの効果が少ない。
【0040】
再び
図1及び
図4を参照すると、導電性傾斜メッシュライナー400が、上部ライナー
アセンブリ144の下部に配置されている。傾斜メッシュライナー400は、導電性プロ
セス適合性材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、及び/又はイットリア(例えば
、イットリアを被覆したアルミニウム))から構成することができる。傾斜メッシュライ
ナー400は底壁402及び底壁402から外側上向きに角度を付けて延びる外壁404
を有することができる。外壁404は、貫通して形成された複数の開口部410を有する
ことができる。開口部410は、傾斜メッシュライナー400の中心軸周りに対称的に配
置することができ、これによってそれを通して排ガスを均一に引くことを可能にし、次に
は処理領域102内の均一なプラズマ形成を促進し、処理領域102内のプラズマ密度及
びガス流のより柔軟な制御を可能にする。一実施形態では、傾斜メッシュライナー400
の中心軸は、チャンバ本体アセンブリ140の中心軸(CA)と整列している。
【0041】
メッシュライナー400の底壁402は、上部ライナーアセンブリ144の底壁148
及び/又は内壁149に電気的に結合することができる。更に、メッシュライナー400
の外壁404は、上部電極ライナーアセンブリ144の外壁147に電気的に結合するこ
とができる。RFプラズマが処理領域102内に存在する場合には、グランドへのリター
ンパスを求めるRF電流は、メッシュライナー400の表面に沿って上部ライナーアセン
ブリ144の外壁147へと伝わることができる。こうして、メッシュライナー400の
環状対称構成は、グランドへの対称なRFリターンを提供し、上部ライナーアセンブリ4
00の下部に任意のRF対称性をバイパスする。
【0042】
したがって、本発明の実施形態は、極めて対称的な、電気的な、熱的な、及びチャンバ
を通過するガス流のコンダクタンスを可能にするチャンバ設計を提供することにより、チ
ャンバ内の非対称性に起因する均一なプラズマ密度を提供するのが困難な従来のプラズマ
システムの問題を解決する。このような対称性を提供することにより、チャンバ内で形成
されたプラズマは、チャンバの処理領域内に配置された基板の表面全体に亘って均一性を
自然に改善した。この改善された対称性と共に、他のチャンバへの追加(例えば、上部電
極と下部電極との間や、ガス流入口と被処理基板の間のギャップを操作する機能を提供す
るなど)は、従来のシステムに比べて、より優れたプラズマ処理の制御と均一性を可能に
する。
【0043】
上記は本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の及び更なる実施形態は本発
明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範
囲に基づいて定められる。