(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-25
(45)【発行日】2022-03-07
(54)【発明の名称】撮影システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/247 20060101AFI20220228BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220228BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20220228BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220228BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20220228BHJP
【FI】
H04N5/247
G03B15/00 F
G03B15/00 P
H04N5/222 100
H04N5/222 500
H04N5/232 030
H04N5/232 300
H04N7/18 U
(21)【出願番号】P 2020518219
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(86)【国際出願番号】 JP2019016320
(87)【国際公開番号】W WO2019216131
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2018092465
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 宏俊
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 由久
(72)【発明者】
【氏名】園田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】寺横 素
(72)【発明者】
【氏名】小椋 絵理奈
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸也
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-065024(JP,A)
【文献】特開2016-177726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/247
G03B 15/00
H04N 5/222
H04N 5/232
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する認識部と、
前記認識部により撮影担当の役割が割り当てられていると認識された場合に、撮影機器による撮影により得られた画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器との少なくとも一方が存在しない場合、前記撮影機器の画角内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが配置されるための制御を行う配置制御部と、
前記取得部により取得された画像内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、前記取得部により取得された画像を記憶部に記憶する制御を行う記憶制御部と、
前記取得部により取得された画像内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、前記画像を記録媒体に形成する制御を行う形成制御部と、
前記画像が形成された記録媒体を予め設定された受け渡し対象に受け渡し可能な状態で排出する排出部と、
前記記録媒体を前記受け渡し対象に受け渡すための移動型機器自身の移動を制御する移動制御部と、
を備えた複数の移動型機器を含み、
前記複数の移動型機器は、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器と撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器とを少なくとも1台ずつ含む、
撮影システム。
【請求項3】
前記移動型機器は、
前記形成制御部による前記記録媒体への前記画像の形成開始から前記排出部による前記記録媒体の排出の完了までの期間と、前記移動制御部による制御によって移動を開始してから完了するまでの期間との少なくとも一部の期間が重複する、
請求項1に記載の撮影システム。
【請求項4】
前記移動型機器は、
前記移動制御部による移動の制御の開始と、前記形成制御部による画像の形成の開始とを同じタイミングで行う、
請求項3に記載の撮影システム。
【請求項5】
前記移動型機器は、
前記受け渡し対象との距離、及び前記形成制御部による画像の形成の開始から前記排出部による排出の完了までに要する時間から、前記記録媒体を前記受け渡し対象に渡すことが可能な位置で前記記録媒体が受け渡し可能な状態となる移動速度を導出する導出部を更に備え、
前記移動制御部は、前記導出部により導出された移動速度に従って前記移動を制御する、
請求項1、請求項3、請求項4の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項6】
前記記録媒体は、感光性記録媒体である、
請求項1、請求項3~請求項5の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項7】
前記形成制御部は、前記取得部により取得された画像内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、前記撮影機器により連続的に撮影された複数の画像の少なくとも1つの画像を前記記録媒体に形成する制御を行う、
請求項1、請求項3~請求項6の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項8】
前記予め設定された撮影対象と前記受け渡し対象とが同じである、
請求項1、請求項3~請求項7の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項9】
前記移動制御部は、前記受け渡し対象が受け渡し可能な範囲として予め定められた範囲内に存在する場合、前記移動を制御する、
請求項1、請求項3~請求項8の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項10】
前記移動型機器は、
前記取得部により取得された画像を加工する画像処理を行う画像処理部を更に備えた、
請求項1、請求項3~請求項9の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項11】
前記認識部は、役割に応じて予め定められたジェスチャーに従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する、
請求項1、請求項3~請求項10の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項12】
前記認識部は、役割に応じて予め定められた音に従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する、
請求項1、請求項3~請求項11の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項13】
前記移動型機器は、
前記認識部により撮影担当の役割が割り当てられていると認識された場合、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を受信し、前記認識部により撮影対象の役割が割り当てられていると認識された場合、撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を受信する第1受信部を更に備えた、
請求項1、請求項3~請求項12の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項14】
撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器から送信された位置情報、及び撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器から送信された位置情報を受信する第2受信部と、前記第2受信部により受信された撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器に送信し、かつ前記第2受信部により受信された撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器に送信する第1送信部と、を備えた情報処理装置を更に含み、
前記移動型機器は、移動型機器自身の位置情報を前記情報処理装置に送信する第2送信部を更に備えた、
請求項13に記載の撮影システム。
【請求項15】
前記移動型機器は、
前記認識部により撮影対象の役割が割り当てられていると認識された場合、前記第1受信部により受信された位置情報を用いて、移動型機器自身の正面を撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器に向ける制御を行う方向制御部を更に備えた、
請求項13又は請求項14に記載の撮影システム。
【請求項16】
前記記憶制御部は、前記取得部により取得された画像内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在し、かつ前記予め設定された撮影対象により予め定められたジェスチャーが行われた場合、前記画像を前記記憶部に記憶する制御を行う、
請求項1、請求項3~請求項15の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項17】
前記記憶制御は、前記取得部により取得された画像内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在し、かつ予め定められた音が入力された場合、前記画像を前記記憶部に記憶する制御を行う、
請求項1、請求項3~請求項16の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項18】
撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器から送信された画像を受信する第1受信部を備えた情報処理装置を更に含み、
前記移動型機器は、
前記取得部により取得された画像内に前記予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、前記画像を前記情報処理装置に送信する第1送信部を更に備えた、
請求項1、請求項3~請求項12の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項19】
前記情報処理装置は、前記第1受信部により受信された画像を撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器に送信する第2送信部を更に備え、
撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器は、前記情報処理装置から送信された画像を受信する第2受信部を更に備えた、
請求項18に記載の撮影システム。
【請求項20】
前記情報処理装置は、前記第1受信部により受信された画像を加工する画像処理を行う画像処理部を更に備えた、
請求項18又は請求項19に記載の撮影システム。
【請求項21】
前記情報処理装置は、前記第1受信部により受信された画像を用いてフォトアルバムを作成するためのデータを生成する生成部を更に備えた、
請求項18~請求項20の何れか1項に記載の撮影システム。
【請求項22】
前記情報処理装置は、前記第1受信部により受信された画像から、予め定められた選択条件を満たす画像を選択する選択部を更に備え、
前記生成部は、前記選択部により選択された画像を用いて前記データを生成する、
請求項21に記載の撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザから画像形成開始の指示が入力された場合に、ユーザの近傍まで自走する画像形成装置が提案されている(特開2017-54537号公報参照)。この画像形成装置は、ユーザの近傍まで自走した後、ユーザにより予め定められた操作が行われた場合に、画像の形成を開始する。
【0003】
また、撮影機器を備え、移動する撮影対象を追従して撮影する移動型機器が提案されている(特開2005-65022号公報参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザが、複数のペット型ロボット等の移動型機器のうちの少なくとも1台と一緒に写真を撮影したい場合、一緒に撮影したい移動型機器以外の少なくとも1台の移動型機器が撮影を行えると、ユーザの手間を低減することができ、好ましい。しかしながら、特開2017-54537号公報及び特開2005-65022号公報に記載の技術では、ユーザが、複数の移動型機器のうちの少なくとも1台と撮影を行うことの手間については考慮されていない。
【0005】
本開示は、撮影対象が移動型機器と一緒に写真を撮影するために要する手間を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の撮影システムは、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する認識部と、認識部により撮影担当の役割が割り当てられていると認識された場合に、撮影機器による撮影により得られた画像を取得する取得部と、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器との少なくとも一方が存在しない場合、撮影機器の画角内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが配置されるための制御を行う配置制御部と、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、取得部により取得された画像を記憶部に記憶する制御を行う記憶制御部と、を備えた複数の移動型機器を含み、複数の移動型機器は、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器と撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器とを少なくとも1台ずつ含む。
【0007】
これにより、撮影対象が移動型機器と一緒に写真を撮影するために要する手間を低減することができる。
【0008】
なお、本開示の撮影システムは、移動型機器が、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、画像を記録媒体に形成する制御を行う形成制御部と、画像が形成された記録媒体を予め設定された受け渡し対象に受け渡し可能な状態で排出する排出部と、記録媒体を受け渡し対象に受け渡すための移動型機器自身の移動を制御する移動制御部と、を更に備えていてもよい。
【0009】
これにより、画像が形成された記録媒体を受け渡すことができる。
【0010】
また、本開示の撮影システムは、移動型機器が、形成制御部による記録媒体への画像の形成開始から排出部による記録媒体の排出の完了までの期間と、移動制御部による制御によって移動を開始してから完了するまでの期間との少なくとも一部の期間が重複してもよい。
【0011】
これにより、画像が形成された記録媒体を速やかに受け渡すことができる。
【0012】
また、本開示の撮影システムは、移動型機器が、移動制御部による移動の制御の開始と、形成制御部による画像の形成の開始とを同じタイミングで行ってもよい。
【0013】
これにより、画像が形成された記録媒体をより速やかに受け渡すことができる。
【0014】
また、本開示の撮影システムは、移動型機器が、受け渡し対象との距離、及び形成制御部による画像の形成の開始から排出部による排出の完了までに要する時間から、記録媒体を受け渡し対象に渡すことが可能な位置で記録媒体が受け渡し可能な状態となる移動速度を導出する導出部を更に備え、移動制御部が、導出部により導出された移動速度に従って移動を制御してもよい。
【0015】
これにより、受け渡し対象に画像が形成された記録媒体を受け渡す位置で、記録媒体を受け渡し可能な状態とすることができる。
【0016】
また、本開示の撮影システムは、記録媒体が、感光性記録媒体であってもよい。
【0017】
これにより、画像を速やかに形成することができる。
【0018】
また、本開示の撮影システムは、形成制御部が、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、撮影機器により連続的に撮影された複数の画像の少なくとも1つの画像を記録媒体に形成する制御を行ってもよい。
【0019】
これにより、複数の画像から適切な画像を記録媒体に形成することができる。
【0020】
また、本開示の撮影システムは、予め設定された撮影対象と受け渡し対象とが同じであってもよい。
【0021】
これにより、撮影対象が、画像が形成された記録媒体を取得することができる。
【0022】
また、本開示の撮影システムは、移動制御部が、受け渡し対象が受け渡し可能な範囲として予め定められた範囲内に存在する場合、移動を制御してもよい。
【0023】
これにより、画像が記録された記録媒体を確実に受け渡すことができる。
【0024】
また、本開示の撮影システムは、移動型機器が、取得部により取得された画像を加工する画像処理を行う画像処理部を更に備えていてもよい。
【0025】
これにより、ユーザが所望する画像処理を実行することができる。
【0026】
また、本開示の撮影システムは、認識部が、役割に応じて予め定められたジェスチャーに従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識してもよい。
【0027】
これにより、簡易に移動型機器の役割を設定することができる。
【0028】
また、本開示の撮影システムは、認識部が、役割に応じて予め定められた音に従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識してもよい。
【0029】
これにより、簡易に移動型機器の役割を設定することができる。
【0030】
また、本開示の撮影システムは、移動型機器が、認識部により撮影担当の役割が割り当てられていると認識された場合、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を受信し、認識部により撮影対象の役割が割り当てられていると認識された場合、撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を受信する第1受信部を更に備えてもよい。
【0031】
これにより、移動型機器が他の移動型機器の位置を把握することができる。
【0032】
また、本開示の撮影システムは、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器から送信された位置情報、及び撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器から送信された位置情報を受信する第2受信部と、第2受信部により受信された撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器に送信し、かつ第2受信部により受信された撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器の位置情報を撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器に送信する第1送信部と、を備えた情報処理装置を更に含み、移動型機器が、移動型機器自身の位置情報を情報処理装置に送信する第2送信部を更に備えていてもよい。
【0033】
これにより、情報処理装置を介して移動型機器の位置を把握することができる。
【0034】
また、本開示の撮影システムは、移動型機器が、認識部により撮影対象の役割が割り当てられていると認識された場合、第1受信部により受信された位置情報を用いて、移動型機器自身の正面を撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器に向ける制御を行う方向制御部を更に備えていてもよい。
【0035】
これにより、撮影対象の移動型機器が適切な方向を向いた状態で画像を撮影することができる。
【0036】
また、本開示の撮影システムは、記憶制御部が、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在し、かつ予め設定された撮影対象により予め定められたジェスチャーが行われた場合、画像を記憶部に記憶する制御を行ってもよい。
【0037】
これにより、適切なタイミングで撮影された画像を形成することができる。
【0038】
また、本開示の撮影システムは、記憶制御部が、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在し、かつ予め定められた音が入力された場合、画像を記憶部に記憶する制御を行ってもよい。
【0039】
これにより、適切なタイミングで撮影された画像を形成することができる。
【0040】
また、本開示の撮影システムは、撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器から送信された画像を受信する第1受信部を備えた情報処理装置を更に含み、移動型機器が、取得部により取得された画像内に予め設定された撮影対象と撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器とが存在する場合、画像を情報処理装置に送信する第1送信部を更に備えていてもよい。
【0041】
これにより、情報処理装置に画像を保存することができる。
【0042】
また、本開示の撮影システムは、情報処理装置が、第1受信部により受信された画像を撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器に送信する第2送信部を更に備え、撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器が、情報処理装置から送信された画像を受信する第2受信部を更に備えていてもよい。
【0043】
これにより、情報処理装置を介して画像を保存することができる。
【0044】
また、本開示の撮影システムは、情報処理装置が、第1受信部により受信された画像を加工する画像処理を行う画像処理部を更に備えていてもよい。
【0045】
これにより、情報処理装置で画像を加工することができる。
【0046】
また、本開示の撮影システムは、情報処理装置が、第1受信部により受信された画像を用いてフォトアルバムを作成するためのデータを生成する生成部を更に備えていてもよい。
【0047】
これにより、フォトアルバムを作成することができる。
【0048】
また、本開示の撮影システムは、情報処理装置が、第1受信部により受信された画像から、予め定められた選択条件を満たす画像を選択する選択部を更に備え、生成部が、選択部により選択された画像を用いてデータを生成してもよい。
【0049】
これにより、適切な画像を用いてフォトアルバムを作成することができる。
【発明の効果】
【0050】
本開示によれば、撮影対象が移動型機器と一緒に写真を撮影するために要する手間を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】第1実施形態に係る撮影システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】各実施形態に係る移動型機器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る移動型機器の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係る撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る撮影システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】第2実施形態に係る移動型機器の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】第2実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】第2実施形態に係る位置情報更新処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図10】第2実施形態に係る撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態に係る画像加工処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態に係るアルバム作成処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0053】
[第1実施形態]
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る撮影システム100の構成について説明する。
図1に示すように、撮影システム100は、複数(本実施形態では、2台)の移動型機器10を含む。本実施形態では、2台の移動型機器10の一方に撮影担当の役割が割り当てられ、他方に撮影対象の役割が割り当てられる。2台の移動型機器10の例としては、一対のペット型ロボット等が挙げられる。なお、移動型機器10の台数は、2台に限定されず、3台以上であってもよい。この場合、3台以上の移動型機器10は、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器10と撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器10とを少なくとも1台ずつ含む。また、以下では、2台の移動型機器10を区別しない場合は、「移動型機器10」と表記する。また、以下では、説明を分かり易くするために、2台の移動型機器10を区別する場合は、撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器10を「移動型機器10A」と表記し、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器10を「移動型機器10B」と表記する。
【0054】
移動型機器10は、撮影機器12及び画像形成装置14を備えている。移動型機器10と撮影機器12とは、有線通信及び無線通信の少なくとも一方により通信可能に接続されている。また、移動型機器10と画像形成装置14とは、有線通信及び無線通信の少なくとも一方により通信可能に接続されている。なお、移動型機器10A及び移動型機器10Bのうち、移動型機器10Aのみが撮影機器12及び画像形成装置14を備えてもよい。
【0055】
撮影機器12は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子、及び撮像レンズを含み、撮影して得られた画像を移動型機器10に出力する。また、撮影機器12は、移動機構26(
図2参照)に搭載されており、移動機構26が移動型機器10によって制御されることによって、撮影機器12の高さ及び姿勢が制御可能とされている。
【0056】
画像形成装置14は、発光素子を複数備え、発光素子を発光させることによって感光性フィルム等の感光性記録媒体に画像を形成する。なお、画像形成装置14は、インクジェット方式、ゼログラフィ方式、感熱方式、及び熱転写方式等の他の方式によって記録媒体に画像を形成する装置であってもよい。また、画像形成装置14は、画像が形成された感光性記録媒体を予め設定された受け渡し対象Uに受け渡し可能な状態で排出する排出部16を備えている。ここでいう受け渡し可能な状態とは、例えば、排出部16が感光性記録媒体の一端側を画像形成装置14の外側に排出し、他端側を把持している状態である。
【0057】
また、移動型機器10は、車輪を複数備え、車輪の回転及び向きが制御されることによって、360度の全方向に移動可能とされている。なお、移動型機器10は、二足歩行又は四足歩行等によって移動する移動体であってもよいし、磁力によって浮上した状態で移動する飛行体であってもよいし、プロペラ等によって飛行して移動する飛行体であってもよい。
【0058】
本実施形態に係る移動型機器10Aは、予め設定された撮影対象Sと移動型機器10Bとを撮影機器12により撮影し、撮影により得られた画像を画像形成装置14によって感光性記録媒体に形成する。そして、本実施形態に係る移動型機器10は、画像が形成された感光性記録媒体を受け渡し対象Uに受け渡すために移動する。
【0059】
なお、撮影対象Sの例としては、子供、人、赤ん坊、動物、犬、及び建物等の一般名詞で表される対象と、特定の人、特定のペット、及び特定の建物等の固有名詞で表される対象等が挙げられる。また、受け渡し対象Uとしては、特定の人等の固有名詞で表される対象が挙げられる。また、撮影対象Sと受け渡し対象Uは、同じ人であってもよい。
【0060】
次に、
図2を参照して、移動型機器10のハードウェア構成について説明する。
図2に示すように、移動型機器10は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を備えている。また、移動型機器10は、液晶ディスプレイ等の表示部23、及び各種ボタンと、表示部23と一体化されたタッチパネル等の入力部24を備えている。また、移動型機器10は、撮影機器12と画像形成装置14と外部機器との通信に用いられる通信I/F(InterFace)25、移動機構26、駆動部27、及び距離計測部28を備えている。CPU20、メモリ21、記憶部22、表示部23、入力部24、通信I/F25、移動機構26、駆動部27、及び距離計測部28は、バス29を介して接続される。
【0061】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶部22には、役割情報30及び設定情報32が記憶される。役割情報30及び設定情報32の詳細については後述する。
【0062】
移動機構26は、CPU20による制御によって撮影機器12を移動させることにより、撮影機器12の高さ及び姿勢を変更する。駆動部27は、モータ等を含み、CPU20による制御によってモータからの駆動力を車輪に伝達することにより、移動型機器10を移動させる。距離計測部28は、移動型機器10と受け渡し対象Uとの距離を計測する。距離計測部28の例としては、2眼カメラ、赤外線センサ、及び超音波センサ等が挙げられる。
【0063】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る移動型機器10の機能的な構成について説明する。
図3に示すように、移動型機器10は、受付部40、認識部41、撮影制御部42、取得部44、配置制御部46、記憶制御部48、画像処理部50、形成制御部52、導出部54、及び移動制御部56を含む。また、導出部54は、受け渡し対象探索部54A及び移動速度導出部54Bを含む。CPU20が記憶部22に予め記憶されたプログラムを実行することによって、受付部40、認識部41、撮影制御部42、取得部44、配置制御部46、記憶制御部48、画像処理部50、形成制御部52、導出部54、及び移動制御部56として機能する。
【0064】
受付部40は、スマートフォン等の端末によって入力された役割情報30を受け付け、受け付けた役割情報30を記憶部22に記憶する。役割情報30には、移動型機器10の役割を示す情報が含まれる。詳細には、移動型機器10Aの記憶部22に記憶される役割情報30には、撮影担当であることを示す情報が含まれ、移動型機器10Bの記憶部22に記憶される役割情報30には、撮影対象であることを示す情報が含まれる。
【0065】
また、受付部40は、後述する認識部41により撮影担当の役割が割り当てられていると認識された場合、端末によって入力された設定情報32を通信I/F25を介して受け付け、受け付けた設定情報32を記憶部22に記憶する。設定情報32には、撮影対象Sを特定するための撮影対象情報が含まれる。撮影対象情報の例としては、撮影対象Sが前述した一般名詞で表される対象の場合は、その一般名詞が挙げられる。また、撮影対象情報の例としては、撮影対象Sが前述した固有名詞で表される対象の場合は、撮影対象Sの画像が挙げられる。また、設定情報32には、移動型機器10Bを特定するための撮影対象機器情報も含まれる。撮影対象機器情報の例としては、移動型機器10Bの画像が挙げられる。
【0066】
また、設定情報32には、受け渡し対象Uを特定するための受け渡し対象情報も含まれる。受け渡し対象情報の例としては、受け渡し対象Uの画像が挙げられる。また、設定情報32には、画像の記憶条件も含まれる。画像の記憶条件の例としては、例えば、撮影対象Sが画像内の予め定められた位置(例えば、中央の位置)に、予め定められた大きさで存在するとの条件が挙げられる。
【0067】
また、設定情報32には、感光性記録媒体を受け渡し対象Uに受け渡すために移動可能な範囲(以下、「受け渡し可能範囲」という)を示す情報も含まれる。受け渡し可能範囲の例としては、移動型機器10が、感光性記録媒体を受け渡し対象Uに受け渡すために移動可能な距離の上限値が挙げられる。なお、受け渡し可能範囲は、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)等の地図生成手法によって生成された地図上の範囲でもよい。
【0068】
また、設定情報32には、排出部16により受け渡し可能な状態で排出された感光性記録媒体を、受け渡し対象Uが取得可能な距離の範囲(以下、「取得可能範囲」という)を示す情報も含まれる。取得可能範囲の例としては、排出部16により受け渡し可能な状態で排出された感光性記録媒体を、受け渡し対象Uが取得可能な距離の上限値が挙げられる。
【0069】
認識部41は、記憶部22に記憶された役割情報30に従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する。撮影制御部42、取得部44、配置制御部46、記憶制御部48、画像処理部50、形成制御部52、導出部54、及び移動制御部56は、認識部41により撮影担当の役割が割り当てられていると認識された移動型機器10Aで機能する。
【0070】
撮影制御部42は、撮影機器12に対し、画像を撮影させる制御を行う。取得部44は、撮影機器12による撮影により得られた画像を取得する。配置制御部46は、撮影対象Sと移動型機器10Bとが撮影機器12の画角内に配置されるための制御を行う。本実施形態では、配置制御部46は、取得部44により取得された画像に対し、顔認識処理等の画像解析処理を行う。この画像解析処理によって、配置制御部46は、設定情報32に含まれる撮影対象情報により特定される撮影対象Sと撮影対象機器情報により特定される移動型機器10Bとが画像内に存在し、かつ設定情報32に含まれる画像の記憶条件を満たすか否かを判定する。
【0071】
配置制御部46は、この判定が否定判定となった場合は、移動機構26を制御することによる撮影機器12の高さ及び姿勢の変更、駆動部27を制御することによる移動型機器10の移動、及び撮影機器12のズーム倍率の変更の少なくとも1つを行う。これにより、配置制御部46は、撮影対象Sと移動型機器10Bとが撮影機器12の画角内に配置されるように制御する。
【0072】
記憶制御部48は、前述した配置制御部46による判定が肯定判定となった場合、取得部44により取得された画像を記憶部22に記憶する制御を行う。画像処理部50は、記憶制御部48による制御により記憶部22に記憶された画像を加工する画像処理を行う。この画像処理の例としては、画像の明るさの調整、画像のぼけの度合いの調整、画像のノイズの除去、画像への文字の重畳、及び画像へのキャラクター等の他の画像の重畳等が挙げられる。
【0073】
形成制御部52は、前述した配置制御部46による判定が肯定判定となった場合、画像形成装置14に対し、画像処理部50による画像処理を経た画像を感光記録媒体に形成する制御を行う。受け渡し対象探索部54Aは、受け渡し対象Uを探索する。本実施形態では、受け渡し対象探索部54Aは、配置制御部46と同様に、取得部44により取得された画像に対し、顔認識処理等の画像解析処理を行う。この画像解析処理によって、受け渡し対象探索部54Aは、設定情報32に含まれる受け渡し対象情報により特定される受け渡し対象Uが画像内に存在するか否かを判定する。受け渡し対象探索部54Aは、この判定が否定判定となった場合は、移動機構26を制御することによる撮影機器12の高さ及び姿勢の変更、駆動部27を制御することによる移動型機器10の移動、及び撮影機器12のズーム倍率の変更の少なくとも1つを行う。この処理を受け渡し対象Uが画像内に存在するようになるまで繰り返すことにより、受け渡し対象探索部54Aは、受け渡し対象Uを探索する。なお、受け渡し対象Uがスマートフォン等の端末を所持している場合は、受け渡し対象探索部54Aは、端末と無線通信を行うことによって受け渡し対象Uを探索してもよい。
【0074】
また、移動速度導出部54Bは、探索された受け渡し対象Uについて、距離計測部28により計測された受け渡し対象Uとの距離、及び形成制御部52による画像の形成の開始から排出部16による排出の完了までに要する時間から、以下に示す移動速度を導出する。すなわち、この場合、移動速度導出部54Bは、上記距離及び上記時間から、感光性記録媒体を受け渡し対象Uに渡すことが可能な位置で感光性記録媒体が受け渡し可能な状態となる移動速度を導出する。
【0075】
詳細には、移動速度導出部54Bは、以下の(1)式に従って、上記距離を上記時間で除算することによって上記移動速度を導出する。なお、(1)式におけるVは、感光性記録媒体を受け渡し対象Uに渡すことが可能な位置で感光性記録媒体が受け渡し可能な状態となる移動速度を表す。また、(1)式におけるDは、距離計測部28により計測された受け渡し対象Uとの距離を表す。また、(1)式におけるTは、形成制御部52による画像の形成の開始から排出部16による排出の完了までに要する時間を表す。
V=D÷T・・・(1)
なお、(1)式により導出される移動速度は一例であり、この例に限定されない。例えば、この移動速度は予め設定されていてもよい。
【0076】
移動制御部56は、駆動部27を制御することによって、感光性記録媒体を受け渡し対象Uに受け渡すための移動型機器10の移動を制御する。詳細には、移動制御部56は、移動型機器10が受け渡し対象Uに向かって移動速度導出部54Bにより導出された移動速度で移動するように駆動部27を制御する。
【0077】
本実施形態に係る移動型機器10は、前述した移動制御部56による移動の制御の開始と、形成制御部52による画像の形成の開始とを同じタイミングで行う。なお、この2つの開始は同じタイミングに行わなくてもよい。例えば、移動制御部56による移動の制御の開始後に形成制御部52による画像の形成の開始を行ってもよい。この場合、形成制御部52は、移動型機器10の取得可能範囲内への移動が完了する前に、画像の形成の開始を行う。また、例えば、形成制御部52による画像の形成の開始後に移動制御部56による移動の制御の開始を行ってもよい。この場合、移動制御部56は、排出部16による画像が形成された感光性記録媒体の排出が完了する前に、移動の制御の開始を行う。すなわち、移動型機器10は、形成制御部52による感光性記録媒体への画像の形成開始から排出部16による感光性記録媒体の排出の完了までの期間と、移動制御部56による制御によって移動を開始してから完了するまでの期間との少なくとも一部の期間を重複させる。
【0078】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る撮影システム100の作用を説明する。CPU20が記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、
図4に示す撮影処理が実行される。
図4に示す撮影処理は、例えば、スマートフォン等の端末によって入力された役割情報30を移動型機器10が受信した場合に実行される。
【0079】
図4のステップS10で、受付部40は、スマートフォン等の端末によって入力された役割情報30を通信I/F25を介して受け付け、受け付けた役割情報30を記憶部22に記憶する。ステップS12で、認識部41は、ステップS10の処理により記憶部22に記憶された役割情報30に従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する。そして、認識部41は、撮影担当の役割が割り当てられているか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS14に移行し、否定判定となった場合は、認識部41は撮影対象の役割が割り当てられていると見なし、撮影処理が終了する。すなわち、以下のステップS14からステップS42までの処理は、移動型機器10Aにより実行される。
【0080】
ステップS14で、受付部40は、スマートフォン等の端末によって入力された設定情報32を通信I/F25を介して受け付け、受け付けた設定情報32を記憶部22に記憶する。なお、本実施形態では、受付部40が、役割情報30を受け付けた後に設定情報32を受け付けているが、これに限定されない。受付部40が、役割情報30及び設定情報32を受け付ける処理を並列に行ってもよいし、設定情報32を受け付けた後に役割情報30を受け付けてもよい。ステップS16で、撮影制御部42は、撮影機器12に対し、画像を撮影させる制御を行う。ステップS18で、取得部44は、ステップS16の処理によって撮影機器12による撮影により得られた画像を取得する。
【0081】
ステップS20で、配置制御部46は、前述したように、ステップS14の処理により受け付けられた設定情報32に含まれる撮影対象情報により特定される撮影対象Sと撮影対象機器情報により特定される移動型機器10Bとが、ステップS18の処理により取得された画像内に存在するか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS22に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップS24に移行する。
【0082】
ステップS22で、配置制御部46は、移動機構26を制御することによる撮影機器12の高さ及び姿勢の変更、駆動部27を制御することによる移動型機器10Aの移動、及び撮影機器12のズーム倍率の変更の少なくとも1つを行う。これにより、配置制御部46は、撮影対象Sと移動型機器10Bとが撮影機器12の画角内に配置されるように制御する。ステップS22の処理が終了すると、処理はステップS16に戻る。
【0083】
ステップS24で、配置制御部46は、前述したように、ステップS14の処理により受け付けられた設定情報32に含まれる撮影対象情報により特定される撮影対象Sが設定情報32に含まれる画像の記憶条件を満たすか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、処理はステップS26に移行し、肯定判定となった場合は、処理はステップS28に移行する。
【0084】
ステップS26で、配置制御部46は、移動機構26を制御することによる撮影機器12の高さ及び姿勢の変更、駆動部27を制御することによる移動型機器10Aの移動、及び撮影機器12のズーム倍率の変更の少なくとも1つを行う。これにより、配置制御部46は、撮影対象Sが画像の記憶条件を満たすように制御する。ステップS26の処理が終了すると、処理はステップS16に戻る。
【0085】
ステップS28で、記憶制御部48は、ステップS18の処理により取得された画像を記憶部22に記憶する制御を行う。ステップS30で、画像処理部50は、前述したように、ステップS28の処理による制御により記憶部22に記憶された画像を加工する画像処理を行う。ステップS32で、受け渡し対象探索部54Aは、前述したように、受け渡し対象Uを探索する。
【0086】
ステップS34で、受け渡し対象探索部54Aは、ステップS32の処理により探索された受け渡し対象Uが、ステップS14の処理により受け付けられた設定情報32に含まれる受け渡し可能範囲内に存在するか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、撮影処理が終了し、肯定判定となった場合は、処理はステップS36に移行する。
【0087】
ステップS36で、移動速度導出部54Bは、ステップS32の処理により探索された受け渡し対象Uについて、距離計測部28により計測された受け渡し対象Uとの距離、及び形成制御部52による画像の形成の開始から排出部16による排出の完了までに要する時間から、上記(1)式に従って移動速度を導出する。
【0088】
ステップS38で、形成制御部52は、ステップS30の処理による画像処理を経た画像を感光記録媒体に形成する制御を行う。この制御と同じタイミングで、移動制御部56は、移動型機器10Aが受け渡し対象Uに向かってステップS36の処理により導出された移動速度で移動するように駆動部27を制御する。すなわち、これらの制御により、画像形成装置14による画像の形成、及び移動型機器10Aの移動が同じタイミングで開始される。画像形成装置14による画像の形成は、排出部16による感光性記録媒体の排出が完了するまで継続して行われる。移動型機器10Aの移動は、後述するステップS42が実行されるまで継続して行われる。
【0089】
ステップS40で、移動制御部56は、距離計測部28により計測された受け渡し対象Uとの距離が、ステップS14の処理により受け付けられた設定情報32に含まれる取得可能範囲内であるか否かを判定する。この判定が否定判定となった場合は、所定の時間間隔でステップS40が再度実行され、肯定判定となった場合は、処理はステップS42に移行する。
【0090】
ステップS42で、移動制御部56は、駆動部27を制御し、ステップS38の処理により開始された移動型機器10Aの移動を終了する。ステップS42の処理が終了すると、撮影処理が終了する。受け渡し対象Uは、近傍まで移動してきた移動型機器10Aの画像形成装置14の排出部16から排出された感光性記録媒体を取得する。なお、ステップS42の終了後に、処理がステップS16に戻ってもよい。この場合、一度受信した設定情報32を用いて、ステップS16からステップS42までの処理が複数回繰り返して実行される。
【0091】
以上説明したように、本実施形態によれば、撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識し、撮影担当の役割が割り当てられていると認識した場合に、撮影機器による撮影により得られた画像を取得し、取得した画像を記憶している。従って、撮影対象が移動型機器と一緒に写真を撮影するために要する手間を低減することができる。
【0092】
[第2実施形態]
開示の技術の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。まず、
図5を参照して、本実施形態に係る撮影システム100の構成について説明する。
図5に示すように、撮影システム100は、第1実施形態と同様の移動型機器10、及び情報処理装置18を含む。各移動型機器10と情報処理装置18とは、無線通信により通信可能に接続されている。情報処理装置18の例としては、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等が挙げられる。移動型機器10のハードウェア構成は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0093】
次に、
図6を参照して、情報処理装置18のハードウェア構成について説明する。
図6に示すように、情報処理装置18は、CPU60、一時記憶領域としてのメモリ61、及び不揮発性の記憶部62を備える。また、情報処理装置18は、液晶ディスプレイ等の表示部63、マウスとキーボード等の入力部64、及び移動型機器10との通信に用いられる通信I/F65を備えている。CPU60、メモリ61、記憶部62、表示部63、入力部64、及び通信I/F65は、バス66を介して接続される。
【0094】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る移動型機器10の機能的な構成について説明する。
図7に示すように、移動型機器10は、受付部40、撮影制御部42、取得部44、配置制御部46、記憶制御部48、形成制御部52、導出部54、移動制御部56、送信部57、受信部58、及び方向制御部59を含む。また、導出部54は、受け渡し対象探索部54A及び移動速度導出部54Bを含む。CPU20が記憶部22に予め記憶されたプログラムを実行することによって受付部40、撮影制御部42、取得部44、配置制御部46、記憶制御部48、形成制御部52、導出部54、移動制御部56、送信部57、受信部58、及び方向制御部59として機能する。方向制御部59は、認識部41により撮影対象の役割が割り当てられていると認識された移動型機器10Bで機能する。
【0095】
送信部57は、前述した配置制御部46による判定が肯定判定となった場合、取得部44により取得された画像を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。また、送信部57は、移動型機器10自身の位置情報を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。この位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)等によって得ることができる。
【0096】
受信部58は、情報処理装置18から送信された画像を、通信I/F25を介して受信する。また、受信部58は、情報処理装置18から送信された位置情報を、通信I/F25を介して受信する。
【0097】
方向制御部59は、認識部41により撮影対象の役割が割り当てられていると認識された場合、駆動部27を制御することによって、受信部58により受信された移動型機器10Aの位置情報を用いて、移動型機器10B自身の正面を移動型機器10Aに向ける制御を行う。なお、方向制御部59は、移動型機器10Bが頭部を有するロボット等の装置である場合は、移動型機器10Bの全体ではなく頭部の正面(すなわち、顔)を移動型機器10Aに向ける制御を行ってもよい。
【0098】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る情報処理装置18の機能的な構成について説明する。
図8に示すように、情報処理装置18は、受信部70、記憶制御部72、画像処理部74、送信部76、選択部78、及び生成部80を含む。CPU60が記憶部62に予め記憶されたプログラムを実行することによって受信部70、記憶制御部72、画像処理部74、送信部76、選択部78、及び生成部80として機能する。
【0099】
受信部70は、移動型機器10Aから送信された画像を、通信I/F65を介して受信する。また、受信部70は、撮影対象の役割が割り当てられている移動型機器10Bから送信された位置情報、及び撮影担当の役割が割り当てられている移動型機器10Aから送信された位置情報を、通信I/F65を介して受信する。
【0100】
記憶制御部72は、受信部70により受信された画像を記憶部62に記憶する制御を行う。また、記憶制御部72は、後述する生成部80により生成されたフォトアルバムを作成するためのデータを記憶部62に記憶する制御を行う。画像処理部74は、第1実施形態に係る画像処理部50と同様に、記憶制御部72による制御により記憶部62に記憶された画像を加工する画像処理を行う。
【0101】
送信部76は、画像処理部74による画像処理を経た画像を、通信I/F65を介して移動型機器10Aに送信する。また、送信部76は、受信部70により受信された移動型機器10Aの位置情報を、通信I/F65を介して移動型機器10Bに送信する。また、送信部76は、受信部70により受信された移動型機器10Bの位置情報を、通信I/F65を介して移動型機器10Aに送信する。
【0102】
選択部78は、記憶部62に記憶された画像から、予め定められた選択条件を満たす画像を選択する。この選択条件の例としては、画像内の人が笑っている画像、及び特定の人が写っている画像等が挙げられる。なお、選択部78は、画像処理部74による画像処理を経た画像から、選択条件を満たす画像を選択してもよい。
【0103】
生成部80は、選択部78により選択された画像を用いてフォトアルバムを作成するためのデータを生成する。このデータを用いて、フォトアルバムが作成される。
【0104】
次に、
図9~
図12を参照して、本実施形態に係る撮影システム100の作用を説明する。
図9に示す位置情報更新処理は、
図10に示す撮影処理のステップS12の処理により、各移動型機器10が役割を認識した後に定期的に実行される。
【0105】
また、CPU20が記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、
図10に示す撮影処理が実行される。
図10に示す撮影処理は、例えば、スマートフォン等の端末によって入力された役割情報30を移動型機器10が受信した場合に実行される。
図10における
図4と同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0106】
また、CPU60が記憶部62に記憶されたプログラムを実行することにより、
図11に示す画像加工処理及び
図12に示すアルバム作成処理が実行される。
図11に示す画像加工処理は、例えば、移動型機器10Aから送信された画像を情報処理装置18が受信した場合に実行される。
図12に示すアルバム作成処理は、例えば、入力部64を介して処理の実行開始の指示が入力された場合に実行される。
【0107】
図9のステップS50で、移動型機器10Bの送信部57は、移動型機器10B自身の位置情報を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。ステップS60で、移動型機器10Aの送信部57は、移動型機器10A自身の位置情報を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。ステップS70で、情報処理装置18の受信部70は、ステップS50の処理により移動型機器10Bから送信された位置情報、及びステップS60の処理により移動型機器10Aから送信された位置情報を、通信I/F65を介して受信する。
【0108】
ステップS52で、移動型機器10Bの送信部57は、撮影担当の移動型機器10Aの位置情報を要求することを示す情報を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。ステップS62で、移動型機器10Aの送信部57は、撮影対象の移動型機器10Bの位置情報を要求することを示す情報を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。ステップS72で、情報処理装置18の受信部70は、ステップS52の処理により移動型機器10Bから送信された情報、及びステップS62の処理により移動型機器10Aから送信された情報を、通信I/F65を介して受信する。
【0109】
ステップS74で、情報処理装置18の送信部76は、ステップS70の処理により受信された移動型機器10Bの位置情報を、通信I/F65を介して移動型機器10Aに送信する。また、情報処理装置18の送信部76は、ステップS70の処理により受信された移動型機器10Aの位置情報を、通信I/F65を介して移動型機器10Bに送信する。
【0110】
ステップS54で、移動型機器10Bの受信部58は、ステップS74の処理により情報処理装置18から送信された撮影担当の移動型機器10Aの位置情報を、通信I/F25を介して受信する。また、ステップS64で、移動型機器10Aの受信部58は、ステップS74の処理により情報処理装置18から送信された撮影対象の移動型機器10Bの位置情報を、通信I/F25を介して受信する。以上説明した位置情報更新処理が定期的に実行されることによって、移動型機器10Aは移動型機器10Bの直近の位置情報を取得し、移動型機器10Bは移動型機器10Aの直近の位置情報を取得する。
【0111】
例えば、
図10に示すステップS22で、配置制御部46は、撮影機器12の画角が移動型機器10Bの直近の位置情報が示す位置の方向を向くように、前述した制御を行ってもよい。これにより、撮影対象Sと移動型機器10Bとが移動型機器10Aの撮影機器12の画角内に配置されるまでの時間を短くすることができる。
【0112】
図10のステップS29で、移動型機器10Aの送信部57は、ステップS18の処理により取得された画像を、通信I/F25を介して情報処理装置18に送信する。ステップS31で、移動型機器10Aの受信部58は、後述する画像加工処理のステップS86の処理により情報処理装置18から送信された画像を、通信I/F25を介して受信する。ステップS38では、ステップS31の処理により受信された画像を感光性記録媒体に形成する制御が行われる。なお、本実施形態においても、ステップS42の終了後に、処理がステップS16に戻ってもよい。この場合、一度受信した設定情報32を用いて、ステップS16からステップS42までの処理が複数回繰り返して実行される。
【0113】
一方、ステップS12の判定が否定判定となった場合、認識部41は撮影対象の役割が割り当てられていると見なし、処理はステップS44に移行する。すなわち、ステップS44の処理は、移動型機器10Bにより実行される。ステップS44で、移動型機器10Bの方向制御部59は、駆動部27を制御することによって、移動型機器10Aの直近の位置情報を用いて、移動型機器10B自身の正面を移動型機器10Aに向ける制御を行う。ステップS44の処理が終了すると、撮影処理が終了する。
【0114】
図11のステップS80で、受信部70は、撮影処理のステップS29の処理により移動型機器10Aから送信された画像を、通信I/F65を介して受信する。ステップS82で、記憶制御部72は、ステップS80の処理により受信された画像を記憶部62に記憶する制御を行う。
【0115】
ステップS84で、画像処理部74は、ステップS82の処理により記憶部62に記憶された画像を加工する画像処理を行う。ステップS86で、送信部76は、ステップS84の処理による画像処理を経た画像を、通信I/F65を介して移動型機器10Aに送信する。ステップS86の処理が終了すると、画像加工処理が終了する。
【0116】
図12のステップS90で、選択部78は、前述したように、記憶部62に記憶された画像から、選択条件を満たす画像を選択する。ステップS92で、生成部80は、ステップS90の処理により選択された画像を用いてフォトアルバムを作成するためのデータを生成する。ステップS94で、記憶制御部72は、ステップS92の処理により生成されたフォトアルバムを作成するためのデータを記憶部62に記憶する制御を行う。ステップS94の処理が終了すると、アルバム作成処理が終了する。
【0117】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0118】
なお、上記各実施形態において、配置制御部46による判定が肯定判定となった場合に、取得部44が、撮影機器12により連続的に撮影された複数の画像を取得してもよい。この場合、形成制御部52は、画像形成装置14に対し、取得部44により取得された複数の画像の少なくとも1つを感光記録媒体に形成する制御を行う形態が例示される。更にこの場合、形成制御部52は、複数の画像から、ぶれ量が最も小さい画像、最も明るい画像、及び撮影対象Sが目を開いている画像等の予め設定された選択条件を満たす画像を選択し、選択した画像を感光記録媒体に形成する制御を行う形態が例示される。
【0119】
また、上記各実施形態では、画像の記憶条件として、撮影対象Sが画像内の予め定められた位置に、予め定められた大きさで存在するとの条件を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、画像の記憶条件として、撮影対象Sにより予め定められたジェスチャー(例えば、ピースサイン等)が行われたとの条件を適用してもよい。また、例えば、画像の記憶条件として、移動型機器10に予め定められた音が入力されたとの条件を適用してもよい。
【0120】
また、上記各実施形態において、移動型機器10は、役割に応じて予め定められたジェスチャーに従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する形態としてもよい。この場合、移動型機器10は、撮影対象Sにより、撮影対象の役割に対応するジェスチャーが行われた場合に、撮影対象の役割が割り当てられていると認識する形態が例示される。また、この場合、移動型機器10は、撮影対象Sにより、撮影担当の役割に対応するジェスチャーが行われた場合に、撮影担当の役割が割り当てられていると認識する形態が例示される。
【0121】
また、上記各実施形態において、移動型機器10は、役割に応じて予め定められた音に従って、自機に撮影対象の役割が割り当てられているか、又は撮影担当の役割が割り当てられているかを認識する形態としてもよい。この場合、移動型機器10は、撮影対象Sにより、撮影対象の役割に対応する音声が発せられた場合に、撮影対象の役割が割り当てられていると認識する形態が例示される。また、この場合、移動型機器10は、撮影対象Sにより、撮影担当の役割に対応する音声が発せられた場合に、撮影担当の役割が割り当てられていると認識する形態が例示される。
【0122】
また、上記各実施形態において、各移動型機器10は、無線通信によって移動型機器10自身以外の他の移動型機器10の位置情報を直接取得してもよい。
【0123】
また、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を実行することにより実行した各種処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、上記各種処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より詳細には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0124】
また、上記各実施形態では、プログラムが記憶部22、62に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0125】
本願は2018年5月11日出願の日本出願第2018-092465号の優先権を主張すると共に、その全文を参照により本明細書に援用する。