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特許7031168閲覧システム、情報処理装置、画像配信方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】閲覧システム、情報処理装置、画像配信方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2343 20110101AFI20220301BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220301BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20220301BHJP
【FI】
H04N21/2343
G06Q30/02 446
H04N21/258
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017156152
(22)【出願日】2017-08-10
(65)【公開番号】P2019036807
(43)【公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】小河原 修
(72)【発明者】
【氏名】藤田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】原 崇之
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-049956(JP,A)
【文献】特開2017-059902(JP,A)
【文献】特開2014-150352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
19/00
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
H04N5/222-5/257
7/10
7/14-7/173
7/20-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも広角画像の一部を配信する画像配信装置と、少なくとも前記広角画像の一部を表示する情報処理装置と、を有する閲覧システムであって、
前記画像配信装置は、
前記広角画像から1つ以上の静止画を生成する静止画生成手段と、
前記広角画像の全体又は前記静止画のいずれかを前記情報処理装置に送信する配信手段と、
前記広角画像から特徴的な部分を決定する特徴部決定手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記広角画像又は前記静止画を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記広角画像又は前記静止画を表示装置に表示する画像表示手段と、
閲覧者の操作により表示された前記広角画像の閲覧画角又は所定の操作に関する情報を前記画像配信装置に送信する操作履歴送信手段と、
を有し、
前記特徴部決定手段は、前記広角画像の閲覧画角又は前記所定の操作の少なくとも一方に基づいて前記広角画像から特徴的な部分を決定し、
前記静止画生成手段は、前記特徴部決定手段が決定した前記特徴的な部分と複数の画角の組み合わせごとに1つの前記広角画像から複数の前記静止画を生成し、
前記配信手段は、前記複数の前記静止画から予め定められた方法で決定した前記静止画を前記情報処理装置に送信する閲覧システム。
【請求項2】
前記画像配信装置は、前記広角画像の識別情報に対応付けて前記広角画像の閲覧画角又は前記所定の操作を記録する操作履歴記録手段、をさらに有し、
前記情報処理装置は、前記画像表示手段が表示した前記静止画に対する所定の操作を受け付ける操作受付手段を有し、
前記操作履歴送信手段は、前記広角画像の識別情報、前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせの識別情報及び前記所定の操作が受け付けられた旨を前記画像配信装置に送信し、
前記操作履歴記録手段は、前記広角画像の識別情報、及び前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせの識別情報に対応付けて前記所定の操作が行われた回数を記録し、
前記配信手段は、前記回数が閾値以上の前記静止画を前記情報処理装置に送信する請求項1に記載の閲覧システム。
【請求項3】
前記静止画生成手段は、前記情報処理装置において前記広角画像の一部又は前記静止画が表示される枠が取り得る枠サイズごとに、前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせに応じた前記静止画を前記広角画像から生成し、
前記配信手段は、前記情報処理装置から取得した前記広角画像の一部又は前記静止画が表示される枠の枠サイズに適した前記静止画を前記情報処理装置に送信する請求項1又は2に記載の閲覧システム。
【請求項4】
前記広角画像の一部又は前記静止画が表示される枠が取り得る枠サイズが横長又は縦長の場合、
前記静止画生成手段は前記枠サイズを分割し、分割された後の枠サイズに対し、前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせに応じた前記静止画を前記広角画像から生成し、
前記配信手段は、前記情報処理装置から取得した前記広角画像の一部又は前記静止画が表示される枠の枠サイズが横長又は縦長の場合、前記枠サイズによって決まる分割数の前記静止画を1つの静止画に合成して前記情報処理装置に送信する請求項2又は3に記載の閲覧システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、前記情報処理装置を識別する装置識別情報を前記画像配信装置に送信し、
前記画像配信装置は前記装置識別情報に対応付けて、前記情報処理装置に配信した前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせの識別情報を保持しており、
前記配信手段は、前記装置識別情報を保持する前記情報処理装置から前記広角画像又は前記静止画を要求された場合、前記装置識別情報に対応付けられた前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせとは異なる前記特徴的な部分と前記画角の組み合わせの前記静止画を前記情報処理装置に送信する請求項1~4のいずれか1項に記載の閲覧システム。
【請求項6】
前記配信手段は、前記情報処理装置が前記広角画像を表示できるか否かを判断し、
前記広角画像を表示できないと判断した場合は前記静止画を送信し、前記広角画像を表示できると判断した場合は前記広角画像を送信する請求項1~5のいずれか1項に記載の閲覧システム。
【請求項7】
少なくとも広角画像の一部を配信する画像配信装置と、少なくとも前記広角画像の一部を表示する情報処理装置と、を有する閲覧システムが行う画像配信方法であって、
前記画像配信装置は、
前記広角画像から1つ以上の静止画を生成する静止画生成ステップと、
前記広角画像の全体又は前記静止画のいずれかを前記情報処理装置に送信する配信ステップと、
前記広角画像から特徴的な部分を決定する特徴部決定ステップと、
を実行し、
前記情報処理装置は、
前記広角画像又は前記静止画を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップが取得した前記広角画像又は前記静止画を表示装置に表示する画像表示ステップと、
閲覧者の操作により表示された前記広角画像の閲覧画角又は所定の操作に関する情報を前記画像配信装置に送信する操作履歴送信ステップと、
を実行し、
前記特徴部決定ステップは、前記広角画像の閲覧画角又は前記所定の操作の少なくとも一方に基づいて前記広角画像から特徴的な部分を決定し、
前記静止画生成ステップは、前記特徴部決定ステップが決定した前記特徴的な部分と複数の画角の組み合わせごとに1つの前記広角画像から複数の前記静止画を生成し、
前記配信ステップは、前記複数の前記静止画から予め定められた方法で決定した前記静止画を前記情報処理装置に送信する画像配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閲覧システム、情報処理装置、画像配信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Webページに設けられた広告枠に広告主が広告を表示させる配信型のディスプレイ広告が知られている。広告主は様々なWebサイトが提供する広告枠に製品やサービスの広告を表示させることができる。広告枠に表示された製品やサービスに興味を持った閲覧者は広告枠をクリック(又はタップ)するので、広告主は閲覧者を自社のWebサイトに呼び込むことができる。
【0003】
広告主としては閲覧者が広告をクリックする頻度を向上させたいが、1つのWebページに掲載される広告の数は増大傾向にあり、広告主は閲覧者の注意を惹き付ける表示方法を工夫している(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、動画広告を配信することで広告の効果(クリック率)を高める技術について開示されている。人は動く物に視線を奪われやすいという傾向があるため、広告の注目度を高め広告の効果を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のディスプレイ広告では動画を配信できない場合について考慮されていないという問題がある。すなわち、動画を表示するにはスクリプト(プログラム)が端末装置で動作し、更に、広告の配信ネットワークが動画に対応している必要がある。端末装置が動画の表示に対応していない場合、又は、広告の配信ネットワークの仕様により動画を配信できない場合等、動画を配信できない状況が生じうる。動画を配信できない場合に、広告主が広告の配信を取りやめると、広告主としては広告機会が失われ、広告代理店としては収益機会が失われてしまう。動画の代わりに静止画を配信することが検討されるが、端末装置が単に静止画を表示するだけでは広告の訴求力が低下してしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、配信可能な画像に制約がある場合に適切な画像を配信する閲覧システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも広角画像の一部を配信する画像配信装置と、少なくとも前記広角画像の一部を表示する情報処理装置とを有する閲覧システムであって、
前記画像配信装置は、前記広角画像から1つ以上の静止画を生成する静止画生成手段と、前記広角画像の全体又は前記静止画のいずれかを前記情報処理装置に送信する配信手段と、前記広角画像から特徴的な部分を決定する特徴部決定手段と、を有し、前記情報処理装置は、前記広角画像又は前記静止画を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記広角画像又は前記静止画を表示装置に表示する画像表示手段と、閲覧者の操作により表示された前記広角画像の閲覧画角又は所定の操作に関する情報を前記画像配信装置に送信する操作履歴送信手段と、を有し、前記特徴部決定手段は、前記広角画像の閲覧画角又は前記所定の操作の少なくとも一方に基づいて前記広角画像から特徴的な部分を決定し、前記静止画生成手段は、前記特徴部決定手段が決定した前記特徴的な部分と複数の画角の組み合わせごとに1つの前記広角画像から複数の前記静止画を生成し、前記配信手段は、前記複数の前記静止画から予め定められた方法で決定した前記静止画を前記情報処理装置に送信する。
【発明の効果】
【0007】
配信可能な画像に制約がある場合に適切な画像を配信する閲覧システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】広角画像の一例として全天球画像について説明する図の一例である。
図2】閲覧システムの概略を説明する図の一例である。
図3】閲覧システムの概略的な構成図の一例である。
図4】端末装置、広告主Webサーバ、パートナーサイトWebサーバ、DSP、SSP、及び画像配信装置の概略的なハードウェア構成を示したブロック図の一例である。
図5】全天球カメラの使用イメージ図の一例である。
図6】全天球カメラで撮像された画像から全天球画像が作成されるまでの処理の概略を説明する図である。
図7】全天球カメラで撮像された画像から全天球画像が作成されるまでの処理の概略を説明する図である。
図8】閲覧者の視線を説明する図の一例である。
図9】端末装置、広告主Webサーバ、パートナーサイトWebサーバ、画像配信装置、SSP及びDSPの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図10】注目点決定部が注目点を決定する手順を示すフローチャート図の一例である。
図11】全方位画像の部分画像を説明する図の一例である。
図12】広告枠の種類の一例を示す図である。
図13】横長の広告枠のために生成される静止画を模式的に示す。
図14】静止画生成部が静止画を生成する手順を示すフローチャート図の一例である。
図15】Webページが使用する情報を模式的に説明する図の一例である。
図16】閲覧システムが広告となる全天球画像を配信する手順を説明するシーケンス図の一例である。
図17】広告配信部が全天球画像又は静止画の選択する手順を示すフローチャート図の一例である。
図18】画像配信装置が静止画に対するクリック回数を更新する手順を示すシーケンス図の一例である。
図19】画像配信装置の広告配信部が同じ静止画の配信を抑制する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、閲覧システム及び閲覧システムが行う画像配信方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<本実施形態の電子機器システムの概略>
図1は、広角画像の一例として全天球画像6について説明する図の一例である。図1(a)は、3次元の立体球CSで表わされた全天球画像6を示し、図1(b)は正距円筒図法で表された全天球画像6を示す。全天球カメラで生成された全天球画像6は図1(b)のような画像が立体球CSに張り合わされた三次元の構造を有している。仮想カメラICは閲覧者の視点に対応し、図1では全天球画像6の中心に視点がある。閲覧者は仮想カメラICを通るX軸、Y軸、Z軸を中心とする3軸の回転を行わせて、全天球画像6の任意の所定領域Tを表示させることができる。所定領域Tは拡大又は縮小可能であり、全天球画像6のうち表示されている所定領域Tを画角という。
【0011】
図2は、本実施形態の閲覧システム100の概略を説明する図である。本実施形態では第三者配信によるディスプレイ広告について説明する。第三者配信とは、広告主側でキャンペーン全体を管理するために、複数の媒体を横断して広告を配信する仕組みである。第三者配信サーバは広告の配信頻度などのコントロールや広告の効果の計測等を行う。図2では画像配信装置10が第三者配信サーバに相当する。
【0012】
また、本実施形態では配信される広告に全天球画像6から生成された静止画を用いる閲覧システム100について説明する。全天球画像6は画角が広いので閲覧者が歪みの少ない全天球画像6を閲覧するためには端末装置がスクリプトを実行し、回転操作による所定領域Tの表示等が必要になる。しかし、以下の場合は、端末装置がスクリプトを実行できず全天球画像を表示できない。
(i) 端末装置がスクリプトを実行する機能を有さない場合
(ii) 端末装置がスクリプトを実行する機能をOFFにしている場合(又はブラウザがスクリプトの実行に対応していない場合)
(ii) 後述するDSPがスクリプトの配信を受け付けない場合
そこで、本実施形態の画像配信装置10は予め全天球画像から注目点を含む静止画を用意しておき、(i)~(iii)に該当する場合にはこの静止画を端末装置に配信する。
(1)端末装置30は広告枠7を有するWebページをブラウザ8で開くと、この端末装置30に広告を表示したいと考えるDSP20(Demand Side Platform)が端末装置30に通知される。端末装置30はこのDSP20に広告を要求する。
(2)DSP20は画像配信装置10に広告を要求する。
(3)画像配信装置10は広告要求を記憶しておき、自機に端末装置30がアクセスするためのアクセス情報2を生成してDSP20に送信する。
(4)DSP20は受信したアクセス情報2を端末装置30に送信する。
(5)端末装置30はアクセス情報2に基づいて画像配信装置10に対し広告データ(全天球画像6)を要求する。本実施形態の画像配信装置10は全天球画像6の複数の注目点P(各注目点をP-n(n:自然数)で表し、任意の注目点を単に「P」で示す)と画角を保持しており、この注目点Pと画角で切り取られる静止画5を作成しておく。
(6)画像配信装置10はアクセス情報2で要求された場合、(i)~(iii)に該当するか否かを判断して、該当する場合には全天球画像でなく静止画5を含む広告データを端末装置30に送信する。
(7)端末装置30は広告データを受信して、静止画5を表示する。
【0013】
端末装置30は全天球画像6ではなく静止画5を表示するが、この静止画5は閲覧者の興味を惹きやすい注目点を含むように作成されているため、閲覧者の興味を惹きやすい。全天球画像は周囲360度が撮像されているため、全体を一覧することは困難であるが、本実施形態の閲覧システム100では、注目点を静止画5として表示できるため、広告主が見せたい部分を閲覧者に閲覧させやすくなる。したがって、端末装置30がスクリプトを実行できないために動きのある画像を表示できなくても広告の効果(クリック率)を向上させることができる。
【0014】
<用語について>
注目点Pとは、全天球画像6のうち特徴的な像が写っている部分(特徴的な部分)をいう。「点」と称しても1画素に限られるものでなく一部を意味してよい。より具体的に、注目点Pは閲覧者が興味を示すと推測される部分である。注目点Pは、例えば純粋な画像処理により決定されてもよいし、所定の被写体が写っている部分として検出されてもよいし、閲覧者が実際に表示した部分から統計的に決定されてもよい。
【0015】
広告の効果とは、少なくとも注目させることであるが、更に閲覧者がクリック(又はタップ)することを効果と称してもよい。
【0016】
動画とは、複数の画像(例えば時系列に変化する画像)が切り替わることをいうだけでなく、1つの画像の表示範囲が変わることで動きのある画像に見えるものを含む。
【0017】
<システム構成例>
図3は、閲覧システム100の概略的な構成図の一例である。閲覧システム100は、ネットワークNを介して通信可能な端末装置30、画像配信装置10、広告主Webサーバ70、DSP20、SSP50(Supply Side Platform)、及び、パートナーサイトWebサーバ60を有している。
【0018】
ネットワークNは、端末装置30が設置されている施設などに構築されているLAN、LANをインターネットに接続するプロバイダのプロバイダネットワーク、及び、回線事業者が提供する回線等により構築されている。ネットワークNが複数のLANを有する場合、ネットワークNはWANやインターネットと呼ばれる。ネットワークNは有線又は無線のどちらで構築されてもよく、また、有線と無線が組み合わされていてもよい。また、端末装置30が直接、公衆回線網に接続する場合は、LANを介さずにプロバイダネットワークに接続することができる。
【0019】
端末装置30は、本実施形態においてクライアント端末として動作する情報処理装置である。端末装置30ではブラウザ8又はこれと同等の機能を有するアプリケーションソフトウェアが動作しており、端末装置30が要求したWebページをパートナーサイトWebサーバ60から受信してディスプレイ(後述するLCD:Liquid Crystal Display)に表示させる。
【0020】
端末装置30は、例えばPC(Personal Computer)、タブレット装置、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、ナビゲーション端末、ウェアラブルPCなどであるが、Webページを表示させることができればよい。例えば、プリンターがWebページを表示させる機能やディスプレイを有する場合、プリンターが端末装置30として使用されてもよい。また、デジタルサイネージがWebページを表示させてもよい。デジタルサイネージとは、屋外、店頭、公共空間及び交通機関など、人が通過又は存在しうる場所でディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステム、表示機器又は表示される情報をいう。なお、本実施形態ではWebページにWebアプリが含まれるものとする。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、Webブラウザ上で使用されるソフトウェア又はその仕組みを言う。
【0021】
端末装置30は、有線LANや無線LANのアクセスポイントを介してネットワークNと接続してもよいし、3G、4GやLTE(Long Term Evolution)といった交換回線型の通信により、ネットワークNに接続してもよい。
【0022】
パートナーサイトWebサーバ60は閲覧者が使用するクライアントコンピュータ(本実施形態の端末装置30)に対しネットワークを通じて情報や機能を提供するサーバ(一般的な情報処理装置)である。広告主Webサーバ70が提供するWebページには広告枠7が設けられている。パートナーサイトWebサーバ60はSSP50に広告枠7への広告の表示を依頼している。
【0023】
広告主Webサーバ70も閲覧者が使用するクライアントコンピュータ(本実施形態の端末装置30)に対しネットワークを通じて情報や機能を提供するサーバ(一般的な情報処理装置)である。静止画が表示された広告枠7を閲覧者がクリック(又はタップ)すると端末装置30が広告主Webサーバ70にアクセスする。広告主Webサーバ70は広告主により運営されており、DSP20に自社の製品又はサービスの広告を表示する広告枠7の購入を依頼し、画像配信装置10に広告の生成と広告の表示を依頼している。
【0024】
広告主Webサーバ70及びパートナーサイトWebサーバ60と端末装置30は例えばHTTP又はHTTPsの通信プロトコルを使って通信する。端末装置30からの要求に対し広告主Webサーバ70とパートナーサイトWebサーバ60が画面情報を端末装置30に送信する。画面情報は、HTML、スクリプト言語、及びCSS(cascading style sheet)で記述されたプログラムであり、主にHTMLによりWebページの構造が特定され、スクリプト言語によりWebページの動作が規定され、CSSによりWebページのスタイルが特定される。本実施形態で、閲覧者のWebページに対する操作を全天球画像6に反映させるのはスクリプト言語である。スクリプト言語として、具体的には、JavaScript(登録商標)又はECMAScriptというプログラム言語が知られている。
【0025】
広告主Webサーバ70及びパートナーサイトWebサーバ60はいずれもクッキー(Cookie)を端末装置30に記録する。広告主Webサーバ70は自社のクッキーとDSP20のクッキーの両方を記録し、パートナーサイトWebサーバ60は自社のクッキーとSSP50のクッキーの両方を記録する。
【0026】
SSP50は、広告枠7を掲載するパートナーサイトWebサーバ60が広告枠7を販売することで収益を最大化するための仕組みである。図では1つの装置のように記載されているが、1台以上の情報処理装置のネットワークである。パートナーサイトWebサーバ60はSSP50に広告枠7の販売を依頼している。具体的には広告枠7にSSP50が発行する広告タグが記載されており、端末装置30がパートナーサイトWebサーバ60のWebページを表示すると広告タグがSSP50に広告の配信を要求する(広告リクエスト)。SSP50はDSP20に端末装置30が広告を要求するためのアクセス情報1を端末装置30に送信する。
【0027】
DSP20は広告枠7の買い付け、広告配信等、広告主のために効率的・効果的な広告配信を行う仕組みである。図では1つの装置のように記載されているが、1台以上の情報処理装置のネットワークである。すなわち、DSP20はSSP50からクッキー(区別するためSSPクッキーという)等を取得して、自分が管理するDSPクッキーとSSPクッキーの対応付情報に基づき閲覧者の属性等を判断する。そして、閲覧者の属性や予算等に基づいて依頼している広告主からの広告の配信設定に基づいて決定した価格でSSP50に入札する。落札できるとDSP20は画像配信装置10に広告リクエストを通知して、画像配信装置10から画像配信装置10に広告データを要求するためのアクセス情報2を取得する。なお、広告データは、全天球画像6を表示させる表示プログラムと操作履歴を取得する操作履歴プログラムを含む。
【0028】
DSP20は画像配信装置10に広告データを要求するためのアクセス情報2を端末装置30に送信する。DSP20は契約にしたがって広告主に課金する。画像配信装置10と広告主との間では契約に従った課金が行われる。ただし、広告が表示されただけで課金されるかどうかなどは契約によって異なる。
【0029】
画像配信装置10は、DSP20が買い取った広告枠7に対し閲覧者の属性に最適な広告の素材(全天球画像6)を含む広告データを提供する1台以上の情報処理装置である。画像配信装置10はバナーやテキストなどの入稿素材や広告画像を保持している。広告データは単なるバナー(文字や写真や絵でつくられた画像)の場合もあるし、画像に加えスクリプト言語が含まれる場合がある。本実施形態では、全天球画像6を回転させたり、閲覧者の全天球画像6に対する操作を全天球画像6の表示態様に反映させたりする表示プログラム、及び、全天球画像6に対する操作履歴を記録したりするための操作履歴プログラムが含まれる。いずれもスクリプト言語で記述される。ただし、静止画が配信される場合、スクリプトは配信されなくてよい。
【0030】
端末装置30がアクセス情報2に基づいて画像配信装置10に広告データを要求すると、画像配信装置10は広告データを端末装置30に送信する。広告データには静止画と全天球画像6の少なくともどちらかが含まれる。静止画には少なくとも広告主Webサーバ70のURL(Uniform Resource Locator)が含まれる。また、全天球画像6が含まれている場合には表示プログラムと操作履歴プログラムが広告データに含まれ、表示プログラムは全天球画像を回転させ、また、ユーザの操作又は自動的に拡大したり縮小したりする。また、操作履歴プログラムは画像配信装置10のクッキー(区別するため画像クッキーという)及び画像IDと共に全天球画像6に対する操作履歴を画像配信装置10に送信する。操作履歴は例えば、どの閲覧画角が表示されたかという情報である。なお、この操作履歴は注目点の決定に使用されるため、操作履歴が注目点の決定に使用されない場合、操作履歴は送信されなくてもよい。
【0031】
静止画と共に操作履歴プログラムが送信された場合、操作履歴プログラムは、後述する静止画IDと共にクリックされた旨を画像配信装置10に送信する。画像配信装置10は1つの全天球画像6から1つ以上の静止画を生成しており、各静止画のクリック率を監視することで、クリック率が高い静止画のみを配信できるようになる。
【0032】
<ハードウェア構成例>
図4は、端末装置30の概略的なハードウェア構成を示したブロック図である。端末装置30は、概ねパーソナル・コンピュータ、ワークステーション又はアプライアンス・サーバとして実装することができる。端末装置30は、CPU201と、CPU201が使用するデータの高速アクセスを可能とするメモリ202とを備える。CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、端末装置30の他のデバイス又はドライバ、例えば、グラフィックス・ドライバ204及びネットワーク・デバイス(NIC)205へと接続されている。
【0033】
グラフィックス・ドライバ204は、バスを介してLCD(表示装置)206に接続されて、CPU201による処理結果をモニタする。LCD206にはタッチパネルが一体に配置されていてもよい。この場合、閲覧者は操作手段として指を使って端末装置30を操作できる。
【0034】
また、ネットワーク・ドライバ205は、トランスポート層レベル及び物理層レベルで端末装置30をネットワークNへと接続して、広告主Webサーバ70等とのセッションを確立させている。
【0035】
システム・バス203には、更にI/Oバス・ブリッジ207が接続されている。I/Oバス・ブリッジ207の下流側には、PCIなどのI/Oバス208を介して、IDE、ATA、ATAPI、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、HDD209などの記憶装置が接続されている。HDD209の代わりに又はHDD209と共にSSD(Solid State Drive)を有していてもよい。
【0036】
HDD209は端末装置30の全体を制御するプログラム209pを記憶している。プログラム209pは、ブラウザ8の他、広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60、DSP20が送信した画面情報を含んでいる。端末装置30はブラウザ8と画面情報に含まれる表示プログラムと操作履歴プログラムを実行する。プログラム209pは、広告タグ、アクセス情報1,2等を含む。
【0037】
また、I/Oバス208には、USBなどのバスを介して、キーボード及びマウス(ポインティング・デバイスと呼ばれる)などの入力装置210が接続され、閲覧者などのオペレータによる入力及び指令を受け付けている。
【0038】
広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60、SSP50、DSP20、及び画像配信装置10のハードウェア構成図は図4と相違がないか、又は、相違があったとしても本実施形態の説明の上で支障がないものとする。広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60、DSP20、及び画像配信装置10はクラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。この場合、図4に示したハードウェア構成は、1つの筐体に収納されていたり一まとまりの装置として備えられていたりする必要はなく、広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60、DSP20、及び画像配信装置10が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。また、クラウドコンピューティングに対応するため、本実施例の広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60、DSP20、及び画像配信装置10の物理的な構成は固定的でなくてもよく、負荷等に応じてハード的なリソースが動的に接続・切断されることで構成されてよい。
【0039】
<全天球画像6について>
図5図8を用いて全天球画像6について説明する。図5は、全天球カメラ9の使用イメージ図である。全天球カメラ9は、図5に示されているように、ユーザが手に持ってユーザの周りの被写体を撮像するために用いられる。全天球カメラ9は、2つの撮像素子の背面同士が対向させられた構造を有しており、それぞれユーザの周りの被写体を撮像することで、2つの半球画像を得る。
【0040】
次に、図6及び図7を用いて、全天球カメラ9で撮像された画像から全天球画像6が作成されるまでの処理の概略を説明する。なお、図6(a)は全天球カメラ9で撮像された半球画像(前側)、図6(b)は全天球カメラ9で撮像された半球画像(後側)、図6(c)は正距円筒図法により表された画像(以下、「正距円筒画像」という)を示した図である。図7(a)は正距円筒画像で球を被う状態を示した概念図、図7(b)は全天球画像6を示した図である。
【0041】
図6(a)に示されているように、全天球カメラ9によって得られた画像は、魚眼レンズによって湾曲した半球画像(前側)となる。また、図6(b)に示されているように、全天球カメラ9によって得られた画像は、魚眼レンズによって湾曲した半球画像(後側)となる。そして、半球画像(前側)と、180度反転された半球画像(後側)とは、全天球カメラ9によって合成され、図6(c)に示されているように、正距円筒画像が作成される。
【0042】
そして、OpenGL ES(Open Graphics Library for Embedded Systems)が利用されることで、図7(a)に示されているように、正距円筒画像が球面を覆うように貼り付けられ、図7(b)に示されているような全天球画像6が作成される。このように、全天球画像6は、正距円筒画像が球の中心を向いた画像として表される。なお、OpenGL ESは、2D(2-Dimensions)及び3D(3-Dimensions)のデータを視覚化するために使用するグラフィックスライブラリである。全天球画像6は、静止画であっても動画であってもよい。
【0043】
画像配信装置10が配信する広告データはこの全天球画像6が含まれる場合がある。全天球画像6は、球面を覆うように貼り付けられた画像であるため湾曲しており、人間が見ると違和感を持ってしまう。そこで、端末装置30は、全天球画像6の一部の所定領域Tを湾曲の少ない平面画像として表示することで、人間に違和感を与えないように表示する。所定領域Tは、三次元の仮想空間における座標(X,Y,Z)によって示される。一方、LCD206は二次元平面なので所定領域Tのままでは端末装置30が表示できない。そこで、3Dコンピュータグラフィックの技法を用いて三次元の物体を二次元平面に投影する透視投影変換により端末装置30は所定領域Tを得る。以上のようにして図1に示したように、全天球画像6の所定領域Tが表示領域としてLCD206に表示される。
【0044】
図8は、閲覧者の視線を説明する図の一例である。全天球画像6は三次元の座標を有しているので、視線方向は三次元の座標又は緯度・経度などの球体の座標を特定する情報で特定される。本実施形態では、所定領域Tの中心cpを視線方向とする。
【0045】
閲覧者は操作により視線方向を変えることができるが、仮想カメラICが平行移動しないと仮定すると、仮想カメラICは剛体としてロール(Z軸を中心とする回転)、ヨー(Y軸を中心とする回転)、及びピッチ(X軸を中心とする回転)の3つの回転が可能である。この3つの回転のいずれが生じても視線方向が変化する。例えば、閲覧者が全天球画像6を水平方向に回転させるとヨー角が変化し、上下方向に回転させるとピッチ角が変化し、LCD206の中心を軸に全天球画像6を回転させるとロール角が変化する。本実施形態では、閲覧者のWebページに対する操作が、視線方向(ロール角、ヨー角、ピッチ角)等に反映される。どのように反映されるかは表示プログラムに予め記述されているものとする。
【0046】
<機能について>
図9は端末装置30、広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60、画像配信装置10、SSP50及びDSP20の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0047】
<<広告主Webサーバ70、パートナーサイトWebサーバ60>>
広告主Webサーバ70とパートナーサイトWebサーバ60は、Webページ提供部71を有している。広告主Webサーバ70とパートナーサイトWebサーバ60が有するこれらの各機能は、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pをCPU201が実行することにより実現される機能又は手段である。
【0048】
Webページ提供部71は、端末装置30からのHTTPリクエストを解釈してWebページを構築してHTTPレスポンスとして端末装置30に送信する。処理に必要であればアプリケーションサーバに処理を依頼し、処理結果をWebページに配置して送信する。広告主Webサーバ70のWebページには広告主のクッキーとDSPクッキーが含まれている。広告主Webサーバ70はDSP20に広告の配信を依頼しているためである。これによりリターゲッティング広告等が可能になる。パートナーサイトWebサーバ60のWebページにはパートナーサイトのクッキーとSSPクッキーが含まれている。パートナーサイトWebサーバ60はSSP50に広告枠7の販売を依頼しているためである。
【0049】
<<SSP50>>
SSP50は、広告要求取得部52、広告リクエスト部51、アクセス情報送信部53、及び、落札部54を有している。SSP50が有するこれらの各機能は、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pをCPU201が実行することにより実現される機能又は手段である。
【0050】
広告要求取得部52は、端末装置30が広告枠7に対応づけられた広告タグを実行することでSSPクッキーと共に要求する広告リクエストを取得する。広告要求取得部52はSSPクッキーが含まれる広告リクエストを広告リクエスト部51に送出する。
【0051】
広告リクエスト部51は、DSP20に対し広告リクエストを送信する。広告リクエストには、SSPクッキー、パートナーサイトWebサーバ60のドメイン、広告枠ID、広告枠サイズ、広告フォーマット(対応している画像のフォーマット)、スクリプトON/OFF、ブラウザ種類、OS種類等が含まれる。
【0052】
落札部54はDSP20から入札を受け付け、基本的に最も高い入札金額のDSP20に広告枠7を販売するオークションを行う(広告主の製品やサービスによっては入札を受け付けない)。落札部54は落札IDを生成してDSP20に通知する。
【0053】
アクセス情報送信部53は落札したDSP20に対し広告を要求するためのアクセス情報1を生成し落札IDと共に端末装置30に送信する。アクセス情報1にはDSP20のURL(少なくともIPアドレス)が含まれる。
【0054】
<<DSP20>>
DSP20は、リクエスト受付部21、入札判断部22、入札部23、広告要求受付部24、及び、画像依頼部25を有している。DSP20が有するこれらの各機能は、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pをCPU201が実行することにより実現される機能又は手段である。
【0055】
また、記憶部29には、クッキー情報DB291と配信設定DB292が構築されている。記憶部29は、図4に示したHDD209又はメモリ202により実現される。
【0056】
【表1】
表1はクッキー情報DB291に記憶される情報を模式的に示す。クッキー情報DB291はDSPクッキーとSSPクッキーを対応付けると共に、閲覧者が訪問した訪問ドメインが登録されている。DSPクッキーとSSPクッキーの対応付けはクッキーシンクと呼ばれる技術により可能である。また、訪問ドメインはDSP20がタグ(行動監視タグ)を貼り付けたWebサイトを閲覧者が訪問することで得られる。したがって、DSP20は、SSPクッキーからDSPクッキーを特定でき、更に、この閲覧者がどのようなWebサイトに興味を持っているかを判断できる。
【0057】
【表2】
表2は配信設定DB292に記憶される情報を模式的に示す。配信設定DB292には、広告主ID、広告対象属性、及び、非広告対象属性が登録されている。広告主IDは広告主を特定又は識別するための識別情報である。なお、IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。以下のIDについても同様である。広告対象属性は広告主が広告を配信したい閲覧者の属性であり、非広告対象属性は広告主が広告を配信したくない閲覧者の属性である。DSP20はクッキー情報DB291等から判断される閲覧者の属性と配信設定DB292の情報を比較して閲覧者の属性を数値化し、入札金額を決定する。なお、入札金額の決定には時間帯、曜日、閲覧者の地域等、各種の情報が考慮されてよい。
【0058】
(DSP20の機能)
リクエスト受付部21はSSP50から広告リクエストを受けつける。リクエスト情報により端末装置30の広告枠ID等の基本的な情報が得られる。
【0059】
入札判断部22はリクエスト受付部21が受けつけた広告リクエストをクッキー情報DB291と配信設定DB292を参照して評価することで入札金額を決定する(入札しない場合もある)。上記のように、SSPクッキーからDSPクッキーを特定し、DSPクッキーに対応付けて蓄積されている属性情報が、配信設定DB292に記憶された広告主の依頼とどの程度一致するかにより入札金額を決定する。
【0060】
入札部23は、決定された入札金額でSSP50に入札する。落札できた場合は落札IDを取得し、広告リクエストと対応付けておく。
【0061】
広告要求受付部24は、アクセス情報1に基づく端末装置30からの広告要求(落札ID、DSPクッキー)を取得する。広告要求受付部24は落札IDにより広告リクエストを特定する。DSPクッキーはなくてもよく、SSPクッキーとDSPクッキーが対応付けられていない場合に使用される。
【0062】
画像依頼部25はDSPクッキー、広告主ID、及びリクエスト内容と共にアクセス情報2を画像配信装置10に対し要求する。広告主IDにより広告主が特定される。リクエスト内容の広告枠IDにより広告枠7が特定される。更に、閲覧者の属性を画像配信装置10に送信してもよい。これにより、画像配信装置10は閲覧者に適した全天球画像6を配信できる。
【0063】
<<端末装置30>>
端末装置30は、Webページ取得部31、Webページ解析部32、Webページ表示部33、操作受付部34、及びスクリプト実行部35を有している。端末装置30が有するこれらの各機能は、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pをCPU201が実行することにより実現される機能又は手段である。
【0064】
操作受付部34は、端末装置30に対する各種の操作を受け付ける。具体的には、端末装置30が実行するブラウザに対する操作を受け付ける。Webページがスクリプト言語で記述されたプログラム(上記のスクリプト)を有得する場合は、スクリプトが動作の契機とするWebページに対する操作を受け付ける。なお、本実施形態では、操作の対象が端末装置30、ブラウザ又はWebページのいずれであるか厳密に区別せず、端末装置30に対する操作、ブラウザに対する操作又はWebページに対する操作は同等の意味を持つ。
【0065】
Webページ取得部31は、閲覧者の操作により又はスクリプトの動作により広告主Webサーバ70又はパートナーサイトWebサーバ60と通信して、広告主Webサーバ70及びパートナーサイトWebサーバ60からWebページを取得する。
【0066】
Webページ解析部32は、画面情報に含まれるHTMLを先頭から順番に読み取りHTMLに含まれる文章や画像データの構造を解析する。また、CSSに記述されたHTMLの文章や画像データとの紐付けを検出して、HTMLに含まれる文章や画像データのスタイルを対応付ける。また、Webページ解析部32は、HTMLからscriptタグを検出してスクリプト言語で記述されているスクリプトを抽出する。Webページ解析部32はHTMLとCSSをWebページ表示部33に送出し、スクリプトをスクリプト実行部35に送出する。
【0067】
Webページ表示部33はHTMLの先頭から解析が終わった順にWebページをLCD206に表示していく。また、Webページに対する操作に応じてWebページを更新する。
【0068】
スクリプト実行部35は、Webページ解析部32が抽出したスクリプトを実行する。スクリプトの具体的な内容はWebページによって様々である。本実施形態ではスクリプトとして、広告枠7に対応付けられた広告タグ、SSP50から取得するアクセス情報1、DSP20から取得するアクセス情報2、画像配信装置10から配信される広告データが検出される。スクリプト実行部35は、図4に示したCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。また、スクリプト実行部35が有する各機能又は手段は、CPU201がスクリプトを実行することで実現される。
【0069】
広告枠検出部36は、Webページ取得部31が取得した画面情報に含まれる広告枠7に対応付けられた広告タグを端末装置30が実行して実現される機能である。広告枠検出部36は広告枠7に対応づけられたURLに基づいてSSPクッキーと共に広告リクエストをSSP50に送信する。
【0070】
アクセス情報取得部37は、SSP50からアクセス情報1を取得する。アクセス情報1はスクリプトで記述されている。広告要求部38は、アクセス情報1に含まれるURLに基づいてDSP20にアクセスし落札IDとDSPクッキーと共に広告を要求する。広告要求部38はこの要求に対しアクセス情報2と広告機会IDを取得する。アクセス情報2もスクリプトで記述されている。
【0071】
広告取得部39はアクセス情報2に含まれる画像配信装置10のURLに基づき、広告機会IDを指定して、画像配信装置10に対し広告データを要求する。画像配信装置10は広告データを生成するので、広告取得部39は広告データを取得する。本実施形態の広告データは、静止画のみの場合と全天球画像6を含むスクリプトの場合がある。すなわち、端末装置30がスクリプトを実行できない場合に静止画が配信されるので、静止画のみが配信される。全天球画像6の表示にはスクリプトが必要なので、全天球画像6、表示プログラム及び操作履歴プログラムが配信される。表示プログラムは全天球画像6を回転させたりして全天球画像6を表示させる。操作履歴プログラムは全天球画像6に対する操作を受け付けて操作履歴を画像配信装置10に送信する。操作履歴プログラムと表示プログラムもスクリプト言語で記述されており、スクリプト実行部35により実行される。
【0072】
広告表示部40は、画像配信装置10から取得した広告データを表示する。広告表示部40は主に表示プログラムで実現され、広告枠7に全天球画像6(すなわち広告)を表示すると共に注目点を辿るように自動的に回転させる。また、全天球画像6に対する操作に応じて全天球画像6の表示態様を変更する。
【0073】
画像配信装置10から広告データを取得することで端末装置30は画像配信装置10のクッキーを取得し記憶部49に記憶できる。広告取得部39が画像クッキーを画像配信装置10に送信することで、画像配信装置10ではDSPクッキーと画像クッキーを対応付けることができる。
【0074】
操作履歴記録部41は、主に操作履歴プログラムにより実現され、全天球画像6に対する操作履歴を記録する。操作履歴の詳細は画像配信装置10において説明する。操作履歴送信部42は、主に操作履歴プログラムにより実現され、広告枠7に表示された全天球画像6に対する操作履歴を画像クッキー及び画像ID(全天球画像6を識別する)と共に画像配信装置10に送信する。
【0075】
<<画像配信装置10>>
画像配信装置10は、画像情報応答部11、広告配信部12、操作履歴解析部、注目点決定部13、静止画生成部15、及び、操作履歴取得部14を有している。画像配信装置10が有するこれらの各機能は、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pをCPU201が実行することにより実現される機能又は手段である。
【0076】
また、画像配信装置10は、図4に示したHDD209又はメモリ202により実現される記憶部19を有している。記憶部19には、配信履歴DB191、操作履歴DB192、クッキー対応DB193、広告画像DB194、クリック数DB195、及び、画像判断DB196が構築されている。
【0077】
【表3】
表3は、操作履歴DB192に記憶される情報を模式的に示す。操作履歴には各閲覧者が全天球画像6に対しどのような操作を行ったのかという履歴が記録されている。操作履歴DB192には画像ID、閲覧時刻、画像クッキー、閲覧画角1~3、及び、クリック時画角の各項目が記録されている。画像IDは全天球画像6を特定するための情報である。画像クッキーは端末装置30を操作する閲覧者又は端末装置30の同一性を判別する情報になる(装置識別情報の一例)。閲覧画角1~3は閲覧者が全天球画像6を閲覧した際の画角である。各閲覧画角1~3には閲覧時間、拡大の有無、拡大した場合は拡大後の画角、及び、縮小の有無、が格納されている。このように、各画像ごとに閲覧者が興味を持ったと考えられる画角が記録される。閲覧画角1~3は、閲覧者が全天球画像6を回転させずに静止した時間が所定時間(例えば1秒)以上の画角である。端末装置30の操作履歴記録部41は静止した時間が上位3つの画角を記録する。1つだけでもよいし4つ以上でもよい。同様に、操作履歴記録部41はそれぞれの閲覧画角1~3で閲覧者が拡大又は縮小したか否かを記録する。クリック時画角は閲覧者が全天球画像(静止画でなく)をクリックした場合に表示されていた画角である。
【0078】
画像配信装置10はこのような操作履歴に基づいて注目点Pを決定することができる。更に、画像IDに画像クッキーが対応付けられていればリターゲッティング広告が可能になる。
【0079】
【表4】
表4は、広告画像DB194に記憶されている情報を模式的に示す。広告画像DB194には、広告の対象となる全天球画像6に関する情報が登録されている。広告画像DB194には、広告主ID、画像ID、優先度、及び、対象属性が対応付けて登録されている。DSP20により広告主が決定されるので、この広告主が配信したい画像うち、閲覧者の属性と表4の対象属性の一致度及び優先度に基づいて配信する画像が決定される。なお、リターゲッティング広告の場合は、操作履歴DB192で画像クッキーに対応付けられた画像が配信される。
【0080】
【表5】
表5は、クッキー対応DB193に記憶されている情報を模式的に示す。クッキー対応DB193には、DSPクッキーと画像クッキーが対応付けられている。DSPクッキーはDSP20から通知され、画像クッキーは端末装置30から通知される。両者が対応付けられることでDSPクッキーだけで画像配信装置10が閲覧者を判別できるようになる。
【0081】
【表6】
表6は、クリック数DB195に登録されている情報を模式的に示す。クリック数DB195には全天球画像6の注目点Pと画角の組み合わせごとにクリック回数が登録されている。表6では1つの全天球画像に4つの注目点Pが対応付けられているが、注目点Pの数は1つの全天球画像6に4つとは限らず3つ以下又は5つ以上でもよい。また、全天球画像6によって様々でよい。また、表6では注目点Pごとに3段階に画角が設定されている。注目点IDと画角IDの組み合わせを静止画IDという。クリック回数は各注目点の画角ごとに閲覧者がクリックした回数である。つまり、画像配信装置10は同じ全天球画像6の同じ注目点Pを同じ画角で複数の端末装置30に表示させ、端末装置30がクリックした回数を記録する。こうすることで、クリック率の低い注目点と画角の組み合わせによる静止画の配信を徐々に回避できる。なお、クリック回数は閲覧者の属性(性別、年代、家族構成等)ごとに記録することが好適である。これにより、閲覧者の属性に対しクリック回数が多い静止画を配信できる。
【0082】
【表7】
表7は、配信履歴DB191に登録されている情報を模式的に示す。配信履歴DB191には画像クッキーに対応付けて配信された全天球画像6の画像IDと静止画IDが登録されている。画像配信装置10が広告データを送信する際に端末装置30に画像クッキーが登録されている場合、画像配信装置10はこの画像クッキーを端末装置30から取得できる。画像配信装置10は同一の閲覧者に同じ全天球画像6の配信を避けたり、同じ全天球画像6の同じ静止画を配信したりすることを避けることができる。逆に、リターゲッティング配信することもできる。
【0083】
【表8】
表8は画像判断DB196に登録されている情報を模式的に示す。表8(a)はDSP20がスクリプトに対応しているか否かを示すDSPスクリプト対応情報である。DSPスクリプト対応情報にはDSP種類に対しスクリプト対応状態が設定されている。表8(b)はブラウザの各バージョンがスクリプトに対応しているか否かを示すブラウザスクリプト対応情報である。ブラウザスクリプト対応情報にはバージョン別のブラウザ種類に対しスクリプト対応状態が設定されている。
【0084】
(履歴管理サーバの機能について)
画像情報応答部11はDSP20から取得したDSPクッキー、広告主ID、リクエスト内容に対し広告機会IDを付与し、アクセス情報2と共にDSP20に返送する。広告機会IDにより端末装置30の広告枠7ごとに広告の配信機会を特定できる。
【0085】
広告配信部12は、端末装置30から広告機会IDと共に広告データを要求されると配信する全天球画像6と静止画のどちらを配信するかを決定し、全天球画像6又は静止画を配信する。まず、広告リクエストにスクリプトONが含まれているか否かを判断する。含まれている場合、画像判断DB196のDSPスクリプト対応情報を参照して広告を依頼したDSP20がスクリプトに対応しているか否か判断する。対応している場合、画像判断DB196のブラウザスクリプト対応情報を参照して、広告リクエストに含まれるブラウザ種類がスクリプトに対応しているか否か判断する。この場合、全天球画像6を配信できるので広告配信部12はDSP20から取得した広告主IDに対応付けられた全天球画像6を広告画像DB194から決定する。好ましくは閲覧者の属性を考慮する。閲覧者の属性はDSP20から通知されてもよいし、画像配信装置10が画像クッキーに対応付けて蓄積したものでもよい。
【0086】
全天球画像6を配信できないと判断された場合、広告配信部12は同様に配信する全天球画像6を決定するが、更に、配信する静止画を決定する。広告配信部12はクリック数DB195を参照して全天球画像6の複数の静止画から1つの静止画を決定する。例えば、最もクリック回数の多い静止画を決定する、又は、クリック回数が閾値以上の静止画から任意に決定する。静止画決定時も閲覧者の属性が考慮されることが好ましい。
【0087】
操作履歴取得部14は、端末装置30から画像クッキー、及び画像ID(更に静止画IDを含む場合がある)と共に操作履歴を取得し、操作履歴DB192に設定する。なお、注目点を決定するための操作履歴とクリック回数を更新するための操作履歴(クリックしたこと)の2種類の操作履歴がある。注目点を決定するための操作履歴(クリック時画角)をクリック回数の更新に使用してもよい。この場合、クリック時画角を最も近い画角IDに対応付けてクリック回数を更新する。
【0088】
なお、端末装置30の操作履歴記録部41を画像配信装置10が有していてもよい。操作履歴記録部41は時系列的な操作内容を必要とするので、通信帯域などによっては画像配信装置10が取得することが困難になるおそれがある。これに対し、端末装置30の操作履歴記録部41は最終的な操作履歴のみを画像配信装置10に送信すればよいので通信負荷を低減できる。
【0089】
注目点決定部13は、全天球画像6の注目点Pを決定する。各種の注目点Pの決定方法が考えられるが、詳細は後述する。
【0090】
静止画生成部15は、注目点決定部13が決定した注目点Pから大、中、小の画角の静止画を生成する。この時、広告枠サイズが考慮される。詳細は後述される。静止画生成部15は生成した静止画の静止画IDをクリック数DB195に登録する。
【0091】
<注目点Pの決定>
<<特徴量から注目点Pを決定する方法>>
図10は、注目点決定部13が注目点Pを決定する手順を示すフローチャート図の一例である。ステップS1001において、注目点決定部13は単位球と共通する中心を有する正多面体を定義した上で、各面の法線方向を視線方向として透視投影変換を行って部分画像を得る。図11(a)、全天球画像の投影面として正八面体を定義した例を示し、図11(b)は、全天球画像の投影面として正十二面体を定義した例を示す。
【0092】
ステップS1002では、注目点決定部13がステップS1001で得た各部分画像から所定の特徴量を抽出する。入力画像を上記の方法で分割し、歪みの少ない部分画像から特徴量を算出するので、180度を超える超広角画像をロバストに処理することが可能になる。特徴量として、色、エッジ、顕著性、物体位置/ラベル、などを用いることができる。
【0093】
続くステップS1003では、注目点決定部13が、所定の回帰モデルを用いて、各部分画像から抽出した特徴量から入力画像の位置ごと(画素ごと)に重要度を算出する。詳細は割愛するが、位置ごとの重要度と特徴量を回帰により関数で表す。なお、予め訓練データを用いて出力(教師データ)である重要度gを適切な方法で決定しておき、特徴量と重要度gの関係を求めておく。
【0094】
続くステップS1004では、注目点決定部13が重要度の高い方向にユーザの注目点Pが存在するという設計思想の下、ステップS1003で算出された重要度の分布に基づいて注目点Pの尤度分布を算出する。例えば、単位画像面上に視点を通過する領域Rを定義した上で、領域R内の各位置の重要度を加算した加算値を視点の注目点尤度として算出することができる。
【0095】
続くステップS1005では、注目点決定部13が、注目点尤度分布に基づいて注目点Pを算出する。本実施形態では、例えば、注目点尤度の最尤値に対応する撮像方向に対応する位置を注目点Pとして算出する。
【0096】
このようにして、いくつかの注目点Pが算出できる。注目点決定部13は上位の注目点PのN個のうち、予め決められた数の注目点P、又は、閾値以上の注目点Pを特定する。そして、クリック数DB195に、注目点Pと画角を組み合わせた静止画を登録する。
【0097】
<<人物を注目点Pに決定する>>
人が注目する被写体としては人物が考えられる。人物の検出方法としては、顔認識が知られている。顔認識にはFOG特徴量やHaar-like特徴量を検出してパターンマッチングする公知の方法を利用できる。注目点決定部13は顔の中心を注目点Pとして検出する。顔の数が多い場合は、距離が近い顔を1つと見なして顔の数を決まった数に低減してもよい。
【0098】
<<笑顔を注目点Pに決定する>>
人が注目する被写体としては人の笑顔が考えられる。笑顔の検出方法としては、上記の顔認識に加え、予め保持されている笑顔のパターンを用いてパターンマッチングする公知の方法を利用できる。顔の数が多い場合は、笑顔のみを注目点Pとしてもよい。また、笑顔の他、悲しみ、怒り、困惑などの顔を注目点Pに決定してもよい。
【0099】
<<子供を注目点Pに決定する>>
大人の中に子供が存在する場合、人が子供に注目する場合がある。あるいは、この逆に大勢の子供の中に大人が存在する場合、人が大人に注目する場合がある。子供又は大人の検出方法としては、顔の位置を利用できる。上記の顔認識で特定される顔の位置が他の顔の位置より低い場合は子供であると推定され、顔認識で特定される顔の位置が他の顔の位置より高い場合は大人であると推定される。クリックされた場合はこのクリック時画角を注目点Pとしてもよい。
【0100】
<<任意の被写体を注目点Pに決定する>>
広告主が閲覧者に閲覧させたい注目点Pは広告主が把握していると考えられる。したがって、広告主が指定した被写体を注目点決定部13が検出して注目点Pとすることができる。例えば、自動車、家具、食品等、広告主の製品やサービスをパターン認識により検出して注目点Pとする。
【0101】
<<操作履歴を利用する>>
上記のように、画像配信装置10は操作履歴DB192に各全天球画像6の操作履歴を記録している。この操作履歴の閲覧画角を注目点Pとすることができる。同じ全天球画像6に対し複数の閲覧者から操作履歴が送信されるので、座標が近い閲覧画角を同じ閲覧画角と見なし、各閲覧画角をポイント化する。静止時間が長いほど大きいポイントを付与し、クリックされた閲覧画角に大きいポイントを付与する。1つの全天球画像ごとに、ポイント累計が大きい上位、複数個の閲覧画角を注目点Pに決定する。
【0102】
<静止画の生成>
図12は広告枠の種類の一例を示す図である。図12(a)は縦長の広告枠を、図12(b)は横長の広告枠を、図12(c)は正方形かこれに近い広告枠をそれぞれ示す。静止画生成部15は広告枠の種類ごとに注目点Pを大中小の画角で切り出して静止画を生成する。図12の例では、合計15個の広告枠の種類(サイズ)がある。本実施形態では一例として1つの注目点に付き大中小の画角が設定される。
【0103】
広告枠7が取り得る広告枠サイズは決まっており、静止画生成部15は広告枠7が取り得る広告枠サイズごとに静止画を生成する。例えば、静止画生成部15は注目点1つにつき15×3=45個の静止画を生成する。
【0104】
また、縦長と横長の広告枠では有効に広告枠を利用することが検討される。全天球画像の注目点は縦方向又は横方向に広がっている場合よりも縦横の幅が同程度の範囲内に存在する場合が多いと考えられる。そこで、静止画生成部15は縦長と横長の広告枠を2つ以上に分割して、分割後の広告枠に対し複数の静止画を生成する。
【0105】
図13は、横長の広告枠のために生成される静止画を模式的に示す。図13(a)は全天球画像6を示し、図13(b)は広告枠7に表示された2つの静止画を示す。図13(b)の広告枠7には図13(a)の2つの注目点P-1、P-3が配置されている。このように1つの広告枠7に2つ以上の静止画を表示できるため、広告効果を向上させやすくなる。
【0106】
なお、広告枠7が分割されても生成される静止画の数が増えるわけではない。静止画生成部15は、注目点Pと画角の組み合わせで静止画を生成するのであり、等分する限り分割しても広告枠7の種類が増えるわけではないからである。
【0107】
図14は、静止画生成部15が静止画を生成する手順を示すフローチャート図の一例である。図14の処理は全天球画像ごとに実行される。
【0108】
まず、静止画生成部15は全天球画像を1つ決定する(S1401)。
【0109】
次に、静止画生成部15は注目点決定部13が決定した注目点を1つ決定する(S1402)。
【0110】
次に、静止画生成部15は大中小のいずれかの画角を1つ決定する(S1403)。
【0111】
次に、静止画生成部15は広告枠7を決定する(S1404)。
【0112】
静止画生成部15は広告枠7が縦長又は横長かどうかを判断する(S1405)。判断基準の一例としてはアスペクト比(縦の横の比)が1対2以上の場合(縦÷横=2以上)横長と判断し、アスペクト比が2対1以下の場合(縦÷横=0.5以下)縦長と判断する。
【0113】
ステップS1405の判断がYesの場合、静止画生成部15はアスペクト比が2未満、又は0.5超になるように広告枠を分割する(S1406)。まず、2つに等分しアスペクト比が2未満又は0.5超であるか判断する。2未満又は0.5超でない場合は、3等分、4等分のように分割数を多くする。
【0114】
静止画生成部15は広告枠7のサイズに合わせて静止画を生成する(S1407)。等分に分割した場合は分割後の広告枠7のサイズに合わせて静止画を生成する。具体的には、全天球画像は三次元の座標を有するため透視投影変換により平面の画像に変換する。
【0115】
次に、静止画生成部15は全ての広告枠7で静止画を作ったか否かを判断する(S1408)。ステップS1408の判断がNoの場合、処理はステップS1404に戻り次の広告枠7で静止画が生成される。
【0116】
ステップS1408の判断がYesの場合、静止画生成部15は全ての画角で静止画を作ったか否かを判断する(S1409)。ステップS1409の判断がNoの場合、処理はステップS1403に戻り次の画角で静止画が生成される。
【0117】
ステップS1409の判断がYesの場合、静止画生成部15は全ての注目点で静止画を作ったか否かを判断する(S1410)。ステップS1410の判断がNoの場合、処理はステップS1402に戻り次の注目点で静止画が生成される。ステップS1410の判断がYesの場合、図14の処理は終了する。
【0118】
このように、静止画生成部15は予め広告枠7のサイズごと、かつ、注目点Pと画角の組み合わせごとに静止画を生成しておく。広告配信部12は広告リクエストに含まれる広告枠サイズを参照して、予め生成されている静止画を配信できる。
【0119】
<Webページが使用する情報>
図15は、Webページが使用する情報を模式的に説明する図の一例である。図1(a)はパートナーサイトWebサーバ60が提供するWebページである。パートナーサイトWebサーバ60が提供するWebページは1つ以上の広告枠7を有している。また、端末装置30は予めSSPクッキーとDSPクッキーを保持している。広告枠7にはSSP50のURL及び広告枠ID等が対応付けられている。端末装置30のブラウザ(広告枠検出部36)はSSPクッキー、及びリクエスト内容をSSP50に送信する。また、広告枠7を落札したDSP20のURLを含むアクセス情報1と落札IDがSSP50から端末装置30に送信される。
【0120】
図15(b)はアクセス情報1の動作を説明する図である。アクセス情報1はDSP20のURLに基づいてDSP20に落札IDとDSPクッキーを送信する。DSP20は落札IDで広告リクエストを特定し、画像配信装置10から画像配信装置10のURLを含むアクセス情報2と広告機会IDを取得する。端末装置30はアクセス情報2と広告機会IDをDSP20から取得する。
【0121】
図15(c)はアクセス情報2の動作を説明する図である。アクセス情報2は画像配信装置10のURLに基づいて画像配信装置10に広告機会IDを送信する。画像配信装置10は広告機会IDで特定される広告リクエスト等に基づいて広告データを生成し、画像クッキー、及び広告枠IDと共に端末装置30に送信する。このようにして、Webページの広告枠7に静止画が表示される。
【0122】
<動作手順>
図16は、閲覧システム100が広告となる全天球画像6を配信する手順を説明するシーケンス図の一例である。
【0123】
S1601:まず、閲覧者はパートナーサイトWebサーバ60と接続するように端末装置30を操作する。端末装置30の操作受付部34は操作を受け付け、Webページ取得部31がWebページを取得する。
【0124】
S1602:端末装置30のWebページ解析部32はWebページを解析しHTML、CSS,スクリプトを抽出し、Webページ表示部33がHTMLとCSSに基づいてWebページを表示する。
【0125】
S1603:端末装置30の広告枠検出部36は広告枠7に対応付けられた広告タグ(スクリプト)を実行することで広告リクエストをSSP50に送信する。広告リクエストには、例えばSSPクッキー、パートナーサイトWebサーバ60のドメイン、広告枠ID、広告枠サイズ、広告フォーマット、ブラウザ種類、OS種類等が含まれる。
【0126】
S1604:SSP50の広告要求取得部52は広告リクエストを取得し、広告リクエスト部51が広告リクエストを受け付ける。広告リクエスト部51はSSPクッキーを検出してDSP20に対し広告リクエストを通知して広告枠7を販売する。
【0127】
S1605:DSP20のリクエスト受付部21は広告リクエストを入札判断部22に送出する。DSP20の入札判断部22はクッキー情報DB291を参照してSSPクッキーからDSPクッキーを特定する。
【0128】
S1606:入札判断部22はDSPクッキーから属性を判断する。クッキー情報DB291の訪問ドメインを参照してもよいし、適宜、DSPクッキーで特定される閲覧者の属性情報を参照してもよい。
【0129】
S1607:入札判断部22は配信設定DB292を参照して閲覧者の属性と合致する属性を広告の配信対象とする広告主を特定する。
【0130】
S1608:入札判断部22は広告主の予算や属性の一致度等に応じて入札金額を決定する。
【0131】
S1609:DSP20の入札部23はSSP50に入札する。SSP50の落札部54は複数のDSP20からの入札に対し原則的に最も高い入札金額を申し入れたDSP20を落札者に決定する。
【0132】
S1610:ここでは図示するDSP20が落札したものとする。SSP50は落札IDをDSP20に通知する。
【0133】
S1611:SSP50のアクセス情報送信部53は落札IDと共にアクセス情報1を端末装置30に送信する。
【0134】
S1612:端末装置30の広告要求部38はアクセス情報1を実行することで落札IDと共に広告要求をDSP20に送信する。
【0135】
S1613:DSP20の広告要求受付部24は落札IDにより広告リクエストを特定する。画像依頼部25は広告主ID、DSPクッキー、及び、広告リクエストと共に画像配信装置10に画像を要求する。
【0136】
S1614:画像配信装置10の画像情報応答部11は画像要求を受信すると広告リクエストを特定するための広告機会IDを生成する。
【0137】
S1615:画像情報応答部11は広告機会IDと対応付けられたアクセス情報2をDSP20に送信する。
【0138】
S1616:DSP20の画像依頼部25はアクセス情報2を受信して、広告要求受付部24が端末装置30に送信する。
【0139】
S1617:端末装置30の広告取得部39はアクセス情報2に含まれる画像配信装置10のURLに基づいて広告要求(広告機会ID)を送信する。端末装置30が画像クッキーを保持している場合は画像クッキーを送信することができる。このタイミングで広告リクエスト(スクリプトON/OFF等)を送信してもよい。
【0140】
S1618:画像配信装置10の広告配信部12は広告機会IDにより画像要求を特定する。
【0141】
S1619:広告配信部12はDSPクッキーから属性を判断したり、画像クッキーから属性を判断したりする。
【0142】
S1620:広告配信部12は広告主IDと属性に基づき配信する全天球画像6又は静止画を特定する。詳細は図17にて説明する。
【0143】
S1621:静止画を送信する場合、広告配信部12は静止画、画像ID、静止画ID、画像クッキー、及び、広告枠IDを含む広告データを端末装置30に送信する。全天球画像6を送信する場合、全天球画像6、画像ID、画像クッキー、及び、広告枠IDを含む広告データ(スクリプトが含まれる)を端末装置30に送信する。静止画又は全天球画像6には広告主Webサーバ70のURLが対応付けられている。
【0144】
S1622:端末装置30の広告取得部39は広告データを取得し、広告表示部40が広告枠7に全天球画像6又は静止画を表示する。閲覧者が広告枠7をクリックすると操作受付部34が受け付け、Webページ取得部31が広告主Webサーバ70と通信を開始する。
【0145】
<全天球画像又は静止画の選択>
図17は、広告配信部12が全天球画像又は静止画の選択する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0146】
広告配信部12は広告リクエストにスクリプトONが含まれているか否かを判断する(S1701)。
【0147】
ステップS1701の判断がYesの場合、広告配信部12はDSP20がスクリプトに対応しているか否かを画像判断DB196のDSPスクリプト対応情報を参照して判断する(S1702)。
【0148】
ステップS1702の判断がYesの場合、広告配信部12は画像判断DB196のブラウザスクリプト対応情報を参照して、広告リクエストに含まれるブラウザ種類がスクリプトに対応しているか否か判断する(S1703)。
【0149】
ステップS1703の判断がYesの場合、広告配信部12は全天球画像6を配信できると判断する(S1710)。広告配信部12はDSP20から取得した広告主IDに対応付けられた全天球画像6を広告画像DB194から決定する。
【0150】
ステップS1701~S1703のいずれかでNoと判断されると、広告配信部12は静止画を配信すると判断する(S1704)。
【0151】
まず、広告配信部12は広告リクエストから広告枠サイズを取得する(S1705)。そして、広告枠が縦長又は横長かを判断する(S1706)。広告枠7が縦長又は横長の場合は複数の静止画を決定するためである。
【0152】
広告枠7が縦長又は横長でない場合(S1706のNo)、静止画を1つだけ決定すればよい。広告配信部12はDSP20から取得した広告主IDに対応付けられた全天球画像6を広告画像DB194から決定する。そして、この全天球画像6についてクリック回数が最も多い静止画(注目点IDと画角IDの組み合わせ)をクリック数DB195から特定する(S1707)。あるいは閾値以上のクリック回数の静止画(注目点IDと画角IDの組み合わせ)から不作為に特定してもよい。
【0153】
次に、広告配信部12はステップS1707で決定した注目点IDと画角IDの静止画のうち広告リクエストに含まれる広告枠サイズのために生成された静止画を特定する(S1708)。
【0154】
広告枠が縦長又は横長である場合(S1706のYes)、静止画を2つ以上決定する。2つの静止画は、
・同じ全天球画像6から生成される場合
・別の全天球画像6から生成される場合
がある。以下では、広告枠7が2つに分割された場合を説明するが、3つ以上に分割された場合も同様である。なお、広告配信部12は、静止画生成部15が広告枠を分割したのと同じ方法で分割数を判断する。すなわち、分割数は広告リクエストに含まれる広告枠サイズに対して一意に定まる。
【0155】
同じ全天球画像6から生成される場合、広告配信部12はDSP20から取得した広告主IDに対応付けられた全天球画像6を広告画像DB194から決定する。そして、この全天球画像6についてクリック回数が上位2つの注目点IDと画角IDの組み合わせをクリック数DB195から特定する(S1709-1)。あるいは閾値以上のクリック回数の注目点IDと画角IDの組み合わせから不作為に2つを特定してもよい。
【0156】
広告配信部12はステップS1709-1で決定した注目点IDと画角IDの静止画のうち分割後の広告枠サイズのために生成された静止画を特定する(S1709-2)。
【0157】
別の全天球画像6から生成される場合、広告配信部はDSP20から取得した広告主IDに対応付けられた2つの全天球画像6を広告画像DB194から決定する。例えば、閲覧者の属性と表4の対象属性の一致度及び優先度に基づく評価が最高と次点の全天球画像を決定する。そして、それぞれの全天球画像でクリック回数が最も多い注目点IDと画角IDの組み合わせの静止画をクリック数DB195から特定する(S1709-3)。あるいは閾値以上のクリック回数の注目点IDと画角IDの組み合わせから不作為に特定してもよい。
【0158】
広告配信部12はステップS1709-3で決定した注目点IDと画角IDの静止画のうち分割後の広告枠サイズのために生成された静止画を特定する(S1709-4)。
【0159】
広告配信部12は2つの静止画を左右又は上下に配置することで合成して1つの静止画を生成する。左右又は上下のどちらにどの静止画を配置するかは任意でよい。
【0160】
このように本実施形態の閲覧システム100は、静止画しか配信できない場合、クリック回数に基づいて広告枠サイズに最適な静止画を配信できる。
【0161】
<静止画ごとのクリック回数の更新>
図18は、画像配信装置10が静止画に対するクリック回数を更新する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0162】
S1801:閲覧者は広告枠7に表示された静止画を閲覧し、興味があると広告枠7をクリック(又はタップ)すると考えられる。端末装置30の操作受付部34はクリックを受け付ける。広告枠7に複数の静止画が配置されている場合、どの静止画がクリックされたかを検出する。
【0163】
S1802:操作履歴記録部41はクリックという操作を記録し、操作履歴送信部42がクリックされた旨を画像配信装置10に送信する。クリックされた旨の送信はクリックの直後でもよいし、通信付加などが小さい時でもよい。この通知には画像ID、静止画ID、及び画像クッキーが含まれる。画像クッキーがあることで属性ごとのクリック回数の記録が可能になる。なお、静止画にはスクリプトが添付されていないので、静止画にリンクが貼り付けられている。
【0164】
S1803:画像配信装置10の操作履歴取得部14はクリックした旨を取得し、クリック数DB195の画像IDと静止画IDに対応付けられたクリック回数を1つ大きくする(更新する)。あるいは、画像クッキーに基づいて属性を判断し、属性ごとにクリック回数を大きくする。
【0165】
このような処理により、静止画ごとにクリック回数が蓄積され、クリックされやすい静止画のクリック回数が大きくなる。換言するとクリックされにくい静止画が明らかになる。したがって、徐々にクリック回数が多い(広告の効果が高い)静止画を配信できるようになる。
【0166】
<同じ閲覧者に同じ画像を配信する際の静止画の切り替え>
配信履歴DB191に画像クッキーが登録されている閲覧者は全天球画像6の静止画を閲覧したことがある。この閲覧者がパートナーサイトWebサーバ60のWebページ又は別のWebサーバのWebページを閲覧する場合に、画像配信装置10が全天球画像6を配信する場合がある。この場合、画像配信装置10が静止画を変更することでクリック率を向上させることが可能になる。
【0167】
図19は画像配信装置10の広告配信部12が同じ静止画の配信を抑制する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0168】
まず、広告配信部12は広告データの要求(画像クッキー)を取得する(S1901)。過去に、全天球画像6の配信を受けている端末装置30の場合、画像クッキーを記憶しているので、画像配信装置10は閲覧者を判別できる。
【0169】
広告配信部12は配信する全天球画像6の配信履歴があるか否かを判断する(S1902)。すなわち、属性等に応じて全天球画像6を決定するが、この全天球画像6の画像IDが配信履歴DB191に記録されているか否かを判断する。
【0170】
ステップS1902の判断がNoの場合、広告配信部12は上記のようにクリック回数の高い静止画を配信する(S1903)。
【0171】
ステップS1902の判断がYesの場合、広告配信部12は配信履歴DB191に記録されている静止画とは異なる静止画を配信する(S1904)。例えば、決定した全天球画像6の注目点Pと画角の組み合わせのうち、すでに配信された注目点Pと画角を排除してクリック回数が最も多い注目点Pと画角の静止画を配信すると決定する。
【0172】
なお、リターゲッティング広告の場合、配信履歴DB191に記録されている全天球画像6の同じ静止画が配信される。同じ静止画が時間をおいて同じ閲覧者に表示されることで広告の訴求力を向上させることができる。
【0173】
<まとめ>
本実施形態の閲覧システム100は静止画5を配信せざるを得ない場合(動画を表示するにはスクリプト(プログラム)が端末装置30で動作しないか、又は、広告の配信ネットワークが動画に対応していない場合)でも、静止画5が閲覧者の興味を惹きやすい注目点を含むように作成されているため、閲覧者の興味を惹きやすい広告を表示できる。全天球画像は周囲360度が撮像されているため、全体を一覧することは困難であるが、本実施形態の閲覧システム100では、注目点を静止画5として表示できるため、広告主が見せたい部分を閲覧者に閲覧させやすくなる。また、クリック回数により徐々に静止画が選別されるので、時間と共にクリックされやすい静止画で広告を配信できる。したがって、広告の効果(クリック率)を向上させることができる。
【0174】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0175】
例えば、本実施形態では、広告枠7に静止画が表示される例を説明したが、静止画は広告として表示されなくてもよい。例えば、広告主Webサーバ70が直接、提供するWebページで表示される静止画が注目点Pを含むように生成されていてもよい。
【0176】
また、全天球画像又は静止画を表示する端末装置30のアプリケーションはブラウザ8に限られず、任意のアプリケーションソフトウェアが全天球画像又は静止画を表示してもよい。
【0177】
また、本実施形態では静止画が広告に利用される例を説明したが、静止画が広告に利用されるものである必要はない。
【0178】
また、図16にて説明したように、本実施形態では端末装置30がDSP20にアクセスし、次に、画像配信装置10にアクセスして広告データを取得している。しかし、DSP20が画像配信装置10から直接、広告データを取得して端末装置30に送信してもよい。端末装置30はDSP20にアクセスするだけで広告データを取得できるため、広告が表示されるまでの時間を短縮できる。
【0179】
また、DSP20と画像配信装置10が一体に構成されており、DSP20が広告データ(全天球画像)を端末装置30に配信してもよい。
【0180】
また、広告配信部12はクリック回数でなくクリック率により表示パターンを評価してもよい。あるいは、「いいねボタン」などの押下回数など評価可能な指標で評価してもよい。
【0181】
また、本実施形態で説明されたSSP50,DSP20及び画像配信装置10が連携する広告の配信方法は一例に過ぎず、端末装置30が広告を表示するまでのプロセスを制限する意図はない。例えば、単純なプロセスとして、パートナーサイトWebサーバ60が広告主からの広告データを預かっておき、端末装置30に配信してもよい。この場合、SSP50、DSP20及び画像配信装置10はなくてよい。
【0182】
また、本実施形態では、全天球カメラの周囲の360度が撮像可能な全天球画像がWebページに配置されるとして説明したが、Webページの画像データは広角画像であればよい。本実施形態の広角画像は、広告枠に表示しきれない部分を有する画像をいう。例えば、水平方向にだけ180度程度の画角を有するパノラマ画像でもよい。
【0183】
また、全天球画像は2つの画像が張り合わされる方法で作成される場合に限られず、例えば、撮像方向を少しずつ移動しながら撮像した画像データの重複部分を重ね合わせて作成してもよい。すなわち、全天球画像の作成方法は制限されない。
【0184】
また、本実施形態では説明の便宜上、全天球画像6の一部が静止画になると説明されているが、全天球画像の全体をカバーする画角の静止画が生成されてもよい。
【0185】
また、以上の実施例で示した図9などの構成例は、閲覧システム100の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。しかし、各処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。閲覧システム100は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0186】
なお、静止画生成部15は静止画生成手段の一例であり、広告配信部12は配信手段の一例であり、広告取得部39は画像取得手段の一例であり、広告表示部40は画像表示手段の一例であり、注目点決定部13は特徴部決定手段の一例であり、操作履歴送信部42は操作履歴送信手段の一例であり、操作履歴取得部14は操作履歴記録手段の一例であり、操作受付部34は操作受付手段の一例である。端末装置30は第二の情報処理装置の一例である。
【符号の説明】
【0187】
7 広告枠
10 画像配信装置
20 DSP
30 端末装置
40 広告表示部
50 SSP
60 パートナーサイトWebサーバ
70 広告主Webサーバ
100 閲覧システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0188】
【文献】特開2008-192115号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19