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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】表示システム、及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/02 20060101AFI20220301BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220301BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220301BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
A61H1/02 R
G06F3/0481
A61B5/00 D
G01D7/00 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018080960
(22)【出願日】2018-04-19
(65)【公開番号】P2019187556
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】三好 康雄
(72)【発明者】
【氏名】谷内 大弐
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 千文
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-244557(JP,A)
【文献】特開2006-204730(JP,A)
【文献】特開2004-248794(JP,A)
【文献】特開2002-336396(JP,A)
【文献】特開2003-144580(JP,A)
【文献】特開2017-158909(JP,A)
【文献】特開2000-308698(JP,A)
【文献】特開2013-013667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02
G06F 3/0481
A61B 5/00
G01D 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力センサーを用いて、領域分けした足裏の荷重を測定する測定部と、
前記測定部で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示部と、を有する表示システムであって、
前記表示部は、予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、前記予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、前記足裏の領域に対応させて、
前記画面に時系列的に下から上へ、左足と右足との前記足裏ごとに左右に並べて表示することで
少なくとも二分割した前記足裏の領域における荷重の移動状態を表示する
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記足裏の領域に対応させて表示する前記荷重がかかっている時間を、色分けすることにより表示する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定部と、
前記測定部で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示部と、を有する表示システムであって、
前記表示部は、
左足と右足との前記足裏にかかる荷重を計測する時間に対する、左足と右足との前記足裏にかかる総荷重に対する片方の足裏の荷重の割合の変化を表示する第一の表示領域を表示する
ことを特徴とする表示システム。
【請求項4】
前記表示部の前記画面上には、少なくとも第一の表示領域及び第二の表示領域を有し、
前記第一の表示領域が、前記荷重がかかっている時間を表示する領域、及び前記左足と右足との前記足裏にかかる総荷重に対する片方の足裏の荷重の割合を表示する領域であり、
前記第二の表示領域が、足裏にかかる荷重の測定結果に基づき得られる右足及び左足の足裏の圧力分布を表示する領域である、請求項1から3のいずれかに記載の表示システム。
【請求項5】
前記第二の表示領域は、その一端側に前記第一の表示領域を配し、前記第一の表示領域と前記第二の表示領域とが並んで配置される、請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示部の操作を行うための操作部位を表示する第三の表示領域をさらに有する、請求項4から5のいずれかに記載の表示システム。
【請求項7】
前記第三の表示領域は、前記第二の表示領域の前記一端側以外の他端側に配置される、請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記第二の表示領域では、右足及び左足の足形の図上に、圧力分布の情報が重ねて表示される、請求項4から7のいずれかに記載の表示システム。
【請求項9】
前記第二の表示領域では、圧力分布における圧力の大きさが、表示に係る図形の大きさと対応して表示される、請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
前記第二の表示領域で表示される足裏にかかる圧力分布の情報が、前記第一の表示領域で表示される前記荷重がかかっている時間のうち、指定した特定の時間における測定結果に基づく、請求項4から9のいずれかに記載の表示システム。
【請求項11】
前記第二の表示領域が、右足の足裏にかかる圧力分布の特定の時間における情報、及び左足の足裏にかかる圧力分布の特定の時間における情報の少なくともいずれかを表示する、請求項10に記載の表示システム。
【請求項12】
圧力センサーを用いて、領域分けした足裏の荷重を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示工程と、を含む表示方法であって、
前記表示工程は、予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、前記予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、前記足裏の領域に対応させて、
前記画面に時系列的に下から上へ、左足と右足との前記足裏ごとに左右に並べて表示することで
少なくとも二分割した前記足裏の領域における荷重の移動状態を表示する
ことを特徴とする表示方法。
【請求項13】
圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示工程と、を含む表示方法であって、
前記表示工程は、
左足と右足との前記足裏にかかる荷重を計測する時間に対する、左足と右足との前記足裏にかかる総荷重に対する片方の足裏の荷重の割合の変化を表示する第一の表示領域を表示する
ことを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行障害のリハビリテーション分野において、歩行訓練中の患者に、歩行状態、すなわち、歩行時の時間的・空間的運動を、リアルタイムにフィードバックし認知してもらうことは、患者の歩行の訓練および矯正を合理的かつ能率的に行ううえで重要である。
歩行困難となった患者のリハビリテーションにおける荷重コントロールを効果的に補助することが可能な歩行評価補助具及び、その端末と歩行評価システムを提供することを目的とした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、患者・訓練者と医師・指導者の双方に対し、歩行時の足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を、視覚的にわかりやすく訓練状態を理解しやすい形で適切にフィードバックできる表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段としての本発明の表示システムは、
圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定部と、
前記測定部で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示部と、を有する表示システムであって、
前記表示部は、予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、前記予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、
前記画面に時系列的に下から上へ左右に並べて表示するとともに
それぞれの足裏を少なくとも二分割した荷重の状態を表示する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、患者・訓練者と医師・指導者の双方に対し、歩行時の足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を、視覚的にわかりやすく訓練状態を理解しやすい形で適切にフィードバックできる表示システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の表示システムにおいて、足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報が表示部で表示されるまでの処理手順の一例を示す概略図である。
図2図2は、本発明の表示システムの機能構成の一例を示す概略図である。
図3図3は、測定部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、表示部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5A図5Aは、足裏の荷重のかかる箇所を説明するための概略図である。
図5B図5Bは、圧力センサーの配置位置の一例を示す概略図である。
図5C図5Cは、圧力センサーの配置位置の他の一例を示す概略図である。
図5D図5Dは、圧力センサーの配置位置の他の一例を示す概略図である。
図6図6は、本発明の表示部の使い方を説明するための概略図である。
図7図7は、本発明の表示部において、第一の表示領域から第三の表示領域の全ての表示領域を同時に一つの画面で表示する態様の一例を示す概略図である。
図8図8は、本発明の表示部において、第一の表示領域から第三の表示領域の全ての表示領域を同時に一つの画面で表示する態様の他の一例を示す概略図である。
図9図9は、バランス訓練時に使用する表示画面の構成の一例を示す概略図である。
図10図10は、バランス訓練時に使用する表示画面の構成の他の一例を示す概略図である。
図11図11は、バランス訓練時に使用する表示画面の構成の他の一例を示す概略図である。
図12図12は、バランス訓練時に使用する表示画面の構成の他の一例を示す概略図である。
図13図13は、歩行訓練時に使用する表示画面の構成の一例を示す概略図である。
図14図14は、歩行訓練時に使用する表示画面の構成の他の一例を示す概略図である。
図15図15は、歩行訓練時に使用する表示画面の構成の他の一例を示す概略図である。
図16図16は、歩行訓練時に使用する表示画面の構成の他の一例を示す概略図である。
図17図17は、表示部の制御部における足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を表示するまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上記特許文献1に記載の端末(モニター+操作)は、主に医師・指導者等が確認・操作を行うものであり、一般的には患者の学習・訓練用ではない。
通常、足裏の圧力の測定結果を表示するモニターは、医師等が評価を行なうために用いられることが多く、係るモニターで表示される情報は、患者である訓練者が直接理解することは難しい。訓練者が、その情報を理解したいという要求があっても理解できず、また、訓練者が表示情報を理解できないことにより、医師や指導者としてもきめ細かいあるいは適切な指導が十分に行えなかった。
そこで、歩行障害のリハビリテーション等の分野において、患者・訓練者と医師・指導者の双方に対し、歩行時の足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を、視覚的にわかりやすく訓練状態を理解しやすい形で適切にフィードバックできる技術が求められていた。
本発明者らは、検討を重ねた結果、以下に記載の構成を有する表示システム、及び表示方法を提供する。
【0008】
本発明は、好適な実施形態として、歩行訓練に好ましく用いられる表示領域、あるいはバランス訓練に好ましく用いられる表示領域と、足裏の圧力分布を表示する表示領域とを同時に1画面で表示する表示部を提供することができる。さらに、本発明は、これらの表示領域に加え、医師及び指導者が操作する操作部位を表示する表示領域も同時に1画面で表示する表示部を提供することができる。
本発明により、歩行時の足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報が視覚的にわかりやすく表示されているため、患者である訓練者は、自身の訓練状態を容易に理解することができる。特に、本発明により、患者・訓練者は、訓練中に自身の訓練状態をリアルタイムで理解することができる。また、医師及び指導者も、足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報が視覚的にわかりやすく表示されているため、訓練者の訓練状態を適切に理解することができる。そして、本発明により、医師及び指導者は、患者・訓練者の状態に応じ適切な対応がとれるよう、表示部の操作を迅速に行うことができる。したがって、本発明により、患者・訓練者の歩行の訓練及び矯正を合理的かつ能率的に行なうことができる。
【0009】
(表示システム)
本発明の表示システムは、圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定部と、
前記測定部で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示部と、を有する。
本発明の表示システムにおいて、表示部で足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報が表示されるまでの処理手順の一例を図1に示す。
図1中、符号11は測定部、12は圧力センサー(足裏圧力センサーともいう)、13はマイコン、14は通信モジュール、15は表示部、16は通信モジュール、17は制御(演算・記録)部、18は表示・入力部を示す。
ここで、圧力センサーとは、足裏の圧力や圧力分布を求めるため、足裏に係る荷重を測定できるセンサーであれば、特にセンサーの形状や仕様に制限はない。例えば、インソールもしくは靴に足裏の荷重を測定できる複数のセンサーを内蔵したタイプの圧力センサーが挙げられる。
【0010】
本発明の表示システムにおける測定部11のマイコン13は、圧力センサー12から取得した足裏に係る荷重の測定データを、通信モジュール14を介して表示部15へ送信する。
表示部15では、操作コマンドを送り、測定部11から、足裏にかかる荷重の測定データを、通信モジュール16を介して受信する。受信した測定データを、制御部17で演算処理し、演算処理により得られた足裏の圧力に関する情報を、表示・入力部18で表示する。
尚、本発明では、制御(演算・記録)部17と、表示・入力部18とが一体となったタブレット型のPCを使うことで、医師及び指導者は、容易に携帯でき、また携帯時でも快適な操作が行なえる。
【0011】
本発明の表示システムについて、さらに詳しく説明するため、本発明の表示システムの機能構成の一例を図2に示す。
本発明の表示システム300は、測定部100、表示部200を有する。
以下、測定部100と表示部200について、それぞれ詳しく説明する。
【0012】
<測定部100>
測定部100は、圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する部である。
測定部100のハードウェア構成、及び機能構成について説明する。
【0013】
<<測定部100のハードウェア構成>>
図3は、測定部100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3で示すように、測定部100は、圧力センサー101、マイコン102、通信インターフェース(通信I/F)104の各部を有する。各部は、バス103を介してそれぞれ接続されている。
【0014】
<<測定部100の機能構成>>
図2に戻り、測定部100は、圧力センサー部110、制御部(マイコン)120、通信部130を有する。
測定部100の制御部120は、圧力センサー部110から、取得した足裏に係る荷重の測定データを、通信部130を介して表示部200へ送信する。
【0015】
<表示部200>
表示部200は、測定部で測定した荷重の測定データを受信し、測定データに基づく情報を画面に表示する部である。
表示部200のハードウェア構成、及び機能構成について説明する。
【0016】
<<表示部200のハードウェア構成>>
図4は、表示部200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4で示すように、表示部200は、以下の各部を有する。各部は、バス204を介してそれぞれ接続されている。
CPU(Central Processing Unit)201は、種々の制御や演算を行う処理装置である。CPU201は、主記憶装置202などが記憶するOS(Operating System)やプログラムを実行することにより、種々の機能を実現する。すなわち、CPU201は、表示部200の制御部250として機能する。
また、CPU201は、表示部200全体の動作を制御する。
【0017】
主記憶装置203は、各種プログラムを記憶し、各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。
主記憶装置203は、図示しない、ROM(Reed Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。
ROMは、BIOS(Basic Input/Output System)等の各種プログラム等を記憶している。
RAMは、ROMに記憶された各種プログラムがCPU201により実行される際に展開される作業範囲として機能する。RAMとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。RAMとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)などが挙げられる。
補助記憶装置203としては、各種情報を記憶できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブなどが挙げられる。ここで、各種情報としては、測定部で得られた荷重の測定データ、及びその測定データに基づく情報等をいう。
補助記憶装置203には、ROMに含まれていない各種プログラムを含んでいてもよい。
【0018】
VRAM(Video Random Access Memory)205は、モニター等のディスプレイに画像表示するために必要なデータを保持するためのメモリ領域である。
入力装置206は、表示部200に対する各種要求を受け付けることができれば、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、タッチパネルなどが挙げられる。
出力装置207は、ディスプレイやスピーカーなどを用いることができる。ディスプレイとしては、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイが挙げられる。
通信インターフェイス(通信I/F)208は、特に制限はなく、適宜公知のものを用いることができ、例えば、無線又は有線を用いた通信デバイスなどが挙げられる。
以上のようなハードウェア構成によって、表示部200の処理機能を実現することができる。
【0019】
<<表示部200の機能構成>>
図2に戻り、表示部200は、入力部210、記憶部220、表示(画面)部230、通信部240、制御部250を有する。制御部250は、表示部200のプロセッサ(図4のCPU201)を実行することで実現される。制御部250は、バランス演算部260、歩行演算部270、圧力分布演算部280を有する。
【0020】
医師または指導者は、表示部200の入力部210に、患者や訓練者に関する情報や、訓練を行なう日時・場所、訓練時間、及び訓練の種類等の訓練に関する情報を入力する。前回の設定を呼び出す入力を行うこともできる。
医師または指導者が、計測開始の指示を入力した場合(例えば、図1に記載の表示・入力部18に表示されている「START」ボタンを押した場合)、表示部200の制御部250は、測定部100の制御部120に計測開始の信号を送信する。計測開始の信号を受信した測定部100は、足裏にかかる荷重の測定を開始する。測定部100の制御部120は、測定した足裏にかかる荷重の測定データを、リアルタイムで収集し、通信部130を介して、表示部200へ送信する。
表示部200の制御部250は、通信部240を介して受信した足裏にかかる荷重の測定データを演算処理し、演算処理により得られた足裏の圧力に関する情報を、表示(画面)部230の画面に表示する。
【0021】
表示部200は、表示(画面)部230の画面に、足裏の圧力に関する情報を時間推移がわかるように表示する。つまり、表示部200は、表示(画面)部230の画面に、足裏の圧力に関する情報を時間推移で表した第一の表示領域を有する。
ここで、画面上の第一の表示領域には、
(i)予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、画面に時系列的に下から上へ左右に並べて表示するとともにそれぞれの足裏を少なくとも二分割した荷重の状態を表示する、あるいは、
(ii)左右の足裏にかかる荷重のバランスを、画面の上方向の左右に表示するとともに、画面の上方向に時間の経過とともに左右に表示する。
尚、上記(i)に記載の第一の表示領域は、歩行訓練の際に好適に用いられる。一方、上記(ii)に記載の第一の表示領域は、バランス訓練の際に好適に用いられる。これら第一の表示領域の具体的態様についての詳しい説明は、後述する。
【0022】
また、本発明にかかる表示部200は、表示(画面)部230で、第一の表示領域に加え、足裏にかかる荷重の測定結果に基づき得られる右足及び左足の足裏の圧力分布を表示してもよい。表示部200の表示(画面)部230は、右足及び左足の足裏の圧力分布を表示した第二の表示領域を有することが好ましい。
表示部200において、第一の表示領域や第二の表示領域で表示される足裏の圧力に関する情報は、上述した制御部250における各演算部において、足裏にかかる荷重の測定データを演算処理することにより得ることができる。制御部250における各演算部の動作についての詳しい説明は、後述する。
さらにまた、表示部200は、表示(画面)部230で、第一及び第二の表示領域に加え、表示部の操作を行うための操作部位を表示する第三の表示領域を有することが好ましい。
【0023】
指定した計測時間が経過すると、表示部200の制御部250は、圧力センサーのデータ収集及びデータの送信を中止する信号を測定部100に送信する。これにより、測定部100は、足裏にかかる荷重の測定を終了する。
尚、測定データは、表示部200の記憶部220に記憶されているため、測定終了後であっても、足裏にかかる荷重を測定した測定時間を指定すれば、その指定された特定の時間における測定データを呼び出し、表示することができる。
【0024】
<<表示部の表示(画面)部の画面で表示する各表示領域の配置について>>
表示部の表示(画面)部では、上述した第一の表示領域から第三の表示領域の全ての表示領域を同時に一つの画面で表示する態様が好ましい。
以下、第一の表示領域から第三の表示領域を全て、表示部の表示(画面)部で表示する場合について説明する。
図7に、表示部において、第一の表示領域から第三の表示領域の全ての表示領域を同時に一つの画面で表示した態様の一例を示す。
図7中、符号31で囲まれている領域が第一の表示領域を示し、32で囲まれている領域が第二の表示領域を示し、33で囲まれている領域が第三の表示領域を示す。
このように、足裏の圧力に関する情報を時間推移で表す第一の表示領域は、表示画面において占める割合が他の表示領域より高く、かつ患者・訓練者が訓練中でも見やすい位置に配置されている。第一の表示領域は、画面の左側に配置されていることがより好ましい。
第二の表示領域は、その一端側に第一の表示領域を配し、第一の表示領域と第二の表示領域とは並んで配置されることが好ましい。
また、第三の表示領域は、第二の表示領域の一端側以外の他端側に配置されることが好ましい。
図7で示すように、第三の表示領域は、医師・指導者が操作しやすいように、医師・指導者が、患者・訓練者の訓練状態を把握する際、特に留意する第二の表示領域の近くに配置されるのが好ましい。
また、第一の表示領域から第三の表示領域の配置は、図7で示される態様に限られず、例えば、図8で示されるように、第三の表示領域が、第二の表示領域の横になる態様であってもよい。
第一の表示領域から第三の表示領域を画面に表示した表示部は、例えば、図6で示すように使用される。図6では、患者・訓練者は、両足に圧力センサーを装着して訓練している。そして、医師・指導者は、患者・訓練者の横に立ち、患者・訓練者に表示画面が見えるように、タブレット型の表示部を持っている。
【0025】
以下、第一の表示領域と第二の表示領域について、さらに詳しく説明する。
上述したように、第一の表示領域は、歩行訓練やバランス訓練に好適に使用される。
そこで、以下、表示領域の具体的な態様として、第1の実施態様(歩行訓練)、及び第2の実施態様(バランス訓練)に分け、それぞれの場合を例に、第一の表示領域と第二の表示領域について説明する。
【0026】
<<第1の実施態様(歩行訓練)>>
以下、歩行訓練の事例を示す。
歩行訓練を通じて、体力・筋力の維持、バランス能力の向上を目指すことができる。また、歩行訓練を行うことで、転倒を予防したり、精神機能を活性化する効果があることも知られている。
歩行訓練の評価としては、踵からつま先に荷重をかけて良好に体重移動が行えていることが良好な歩行といわれている。本実施態様では、足裏を前後に分割し、踵とつま先にかけて、体重移動が行えているかを評価する。
図13は、歩行訓練時に使用する表示画面の構成の一例を示す概略図である。
【0027】
<<<第一の表示領域>>>
図13で示すように、第一の表示領域としては、以下の態様の表示を行う場合が挙げられる。
表示部は、予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、前記予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、画面に時系列的に下から上へ左右に並べて表示するとともにそれぞれの足裏を少なくとも二分割した荷重の状態を表示する。
表示のより具体的な態様としては、例えば、以下のようになる。
画面の第一の表示領域の縦軸に時間をとる。そして、左足及び右足の足裏における予め定めた領域にかかる荷重が予め定めた荷重の閾値を超えた場合、予め定めた領域において閾値を超えて荷重がかかっている時間を、画面の第一の表示領域の下から上へ時間の経過とともに表示する。
その際、該閾値を超えて荷重がかかっている時間を、例えば、足裏の後領域及び前領域を少なくとも含む領域の各領域に対応した矩形の長さで表示する(図13の符号56参照)。この場合、該矩形は、左足については画面の第一の表示領域の左側に、右足については画面の第一の表示領域の右側に配置されるよう表示される。
図13中、符号51は左足の足裏の荷重の移動状態を、52は右足の足裏の荷重の移動状態を示している。
歩行訓練では、例えば、訓練前に、医師・指導者が、患者・訓練者にかけて貰いたい荷重の閾値を設定しておく。そして、患者・訓練者が一歩歩く間に、着地している側の足に後から前にかけて閾値以上の荷重がかかっている場合、良好な歩行と判定し、その閾値以上の荷重がかかっている時間を、図13で示すようにライン(矩形)で表示する。
予め定めた領域は、足裏の後領域及び足裏の前領域を少なくとも含むことが好ましく、さらに足裏の後及び前領域以外の領域として、例えば、足裏の中間領域を含むことがより好ましい。尚、足裏の後領域、中間領域、及び前領域以外にも、圧力センサーの配置に対応し、足裏の他の領域を追加してもよい。
【0028】
図13では、閾値を超えて荷重がかかっている時間を表示する足裏の領域として、3つの領域を表示する例を示す。
足裏の領域としては、図5Aで示すように、足裏の前領域(親指の下のつま先部分22から第1中足骨の部分21までの領域(図5Aの26参照))、足裏の後領域(踵の部分24に対応する領域(図5Aの27参照))、足裏の後及び前領域以外の領域である中間領域(例えば、第5中足骨の部分23に対応する領域)などが挙げられる。尚、図5Aで示される足裏の各部分及び各領域についての詳しい説明は後述する。
図13では、足裏の各領域において閾値を超えて荷重がかかっている時間を、各領域に対応したライン(矩形)の長さで表示している(図13の56参照)。符号54で示させるライン(矩形)は、閾値以上の荷重が足裏の後領域にかかっている時、その閾値以上の荷重がかかっている時間を矩形の長さで表示している。符号55で示されるライン(矩形)は、閾値以上の荷重が足裏の前領域にかかっている時、その閾値以上の荷重がかかっている時間を矩形の長さで表示している。また、符号57で示されるライン(矩形)は、閾値以上の荷重が足裏の中間領域にかかっている時、その閾値以上の荷重がかかっている時間を矩形の長さで表示している。
【0029】
該ライン(矩形)は、歩行における足の接地区間毎(歩数毎)に表示されることが好ましい。図13では、符号56が、1歩(1ステップ)を示している。図13の符号56は、1歩(1ステップ)における、足裏の各領域において閾値を超えた荷重がかかっている時間を矩形の長さで示している。つまり、図13の符号56は、歩行の際、踵から着地して、体重を移動し、つま先で蹴り上げるまでの、歩行の1歩(1ステップ)における足裏の各領域にかかる荷重の移動状態を示している。
図13の第一の表示領域では、左足と右足合わせて、9ステップ歩行した結果が示されている。尚、図13において、ライン53は、計測時間が5秒の基準線を示す。
本実施態様では、予め定めた領域において閾値を超えて荷重がかかっている時間を、各領域に対応して色または模様で区別したライン(矩形)で表示してもよい。
【0030】
図13を用いて、さらに具体的に説明する。
図13の第一の表示領域には、縦方向に時間推移を示し、下端が0で訓練の開始を示し、上端が指定した時間で訓練の終了時間を示している。
足裏に閾値以上の荷重がかかると、その時間中はライン(矩形)が表示される。表示されるライン(矩形)は、例えば、足裏の前領域、後領域、中間領域とでそれぞれ特定の色または模様に区別され設定されている。足裏の前領域、後領域、中間領域の各領域にかかる荷重を比較し、荷重の高い領域に対応したライン(矩形)の色を表示する。足裏の前領域、後領域、及び中間領域において、各領域における荷重が閾値を超えた場合、該閾値を超えて荷重がかかっている時間をライン(矩形)の長さで表すことで、歩行の1歩(1ステップ)における足裏の各領域にかかる足裏の荷重の移動状態を把握することができる。歩行の1歩(1ステップ)における足裏の荷重の移動状態が視覚的にわかりやすく表示されているため、良好な歩行が行われているかどうかについて、容易に理解することができる。尚、良好な歩行が行われた場合には、音により通知してもよい。
本実施態様では、足裏の予め定めた領域にかかる荷重が、予め定めた荷重の閾値を超えた場合、閾値を超えて荷重がかかっている時間(時間の長さ)を計算した結果(歩行測定値)が、第一の表示領域に示される。
歩行測定値は、図2で示す表示部200の制御部250の歩行演算部270において、足裏にかかる荷重の測定データを演算処理することにより、得ることができる。
表示部200の制御部250の歩行演算部270は、足裏の予め定めた領域にかかる荷重が、予め定めた荷重の閾値を超えている場合に、閾値を超えて荷重がかかっている時間の長さ(歩行測定値)を算出する。
そして、表示部200の制御部250は、算出された歩行測定値を、第一の表示領域の下から上へ時間の経過とともに、歩行の1歩に対応したライン(矩形)の長さで表示する。
【0031】
閾値は、上述したように、医師・指導者が、患者・訓練者にかけて貰いたいと考えて設定した荷重値である他、第一の表示領域で表示させたい足裏の領域と、その領域にかかる荷重の時間長との表示バランスを考えて、適宜設定することができる。
閾値は、少なくとも0より大きい値であれば、任意に設定することができる。例えば、閾値を複数設定することもできる。閾値を複数設定することにより、時間長が、足裏の領域及びその領域にかかる荷重のレベルに応じて、細かく分類されてライン(矩形)表示されるようにすることができる。
【0032】
第一の表示領域において、足裏の予め定めた領域にかかる荷重が、予め定めた荷重の閾値を超えた場合、閾値を超えて荷重がかかっている時間(時間の長さ)を計算した結果(歩行測定値)が、第一の表示領域の下から上へ時間の経過とともに矩形の長さで表示されている。これにより、歩行測定値が視覚的にわかりやすく表示されているため、患者・訓練者は、訓練中に自身の訓練状態を視覚的に容易に理解することができる。特に、図13で示すように、歩行測定値をライン(矩形)で表示し、歩行の1歩(1ステップ)における足裏の荷重の移動状態を表示し、かつ、画面の下から上に向かって時間が経過するよう表示している。このため、患者・訓練者は、自身の歩行時における足裏にかかる荷重の移動状態を容易に把握することができる。
【0033】
尚、図13の第一の表示領域で表示されている歩行測定値の矩形(56)は、良好な歩行が行える訓練者による結果を表示したものとなっている。図13において、歩行時の1歩ずつ、踵から着地して、体重を移動し、つま先で蹴り上げるまで、足裏の後領域から、中間領域、前領域へと、足裏にかかる荷重移動がスムーズに行われている様子が示されている。一方、図14は、図13に比べると足裏にかかる荷重移動がスムーズには行えていない。例えば、踵から着地して、体重を移動し、つま先で蹴り上げるまで、足裏の後領域、中間領域、及び前領域の各領域において、閾値以上の荷重がかかっている時間はばらばらである。また、各1歩ずつの間でも、各領域における荷重がかかっている時間に、ばらつきがある。さらにまた、歩行時の1歩において、いったん前領域まで荷重をかけた後、再び中間領域に荷重がかかり、またその後前領域に荷重をかけ直すという場合がある。したがって、図14の訓練者は、図13の訓練者に比べると、歩行時の体重移動は劣っているといえる。但し、図14の訓練者も、図13の訓練者ほどスムーズではないが、歩行時の1歩ずつ、踵から着地して、体重を移動し、つま先で蹴り上げるまで、足裏の後領域から、中間領域、前領域へと荷重移動は行えている。
【0034】
<<<第二の表示領域>>>
図13の符号32で示すように、第二の表示領域には、足裏にかかる荷重の測定結果に基づき得られた、右足及び左足の足裏の圧力分布が表示されている。
足裏は、図5Aで示すように、土踏まずの部分25の上に位置する、第1中足骨の部分21と、第5中足骨の部分23とでアーチを形成し、身体を支えている。また、歩行の場合は、踵から着地して、体重を移動し、親指で蹴り上げる。
足裏の圧力分布の表示は、荷重のかかる箇所の力を表示することが好ましい。例えば、踵の部分24、アーチを形成する部分(第1中足骨の部分21と、第5中足骨の部分23)、土踏まずの部分25と踵の中間の部分、親指の下の部分22、小指の下の部分等の箇所の圧力を表示するのが好ましい。
圧力センサーは、圧力分布を表示したい箇所に対応して、足裏に配置するのが好ましい。
例えば、図5Bから図5Dに、圧力センサーの配置位置の例を示す。図5Bは、足裏を分割してセンサーを配置した例である。圧力センサーは、図5Dのように配置してもよい。また、図5Bより足裏の分割数を増やし、図5Cのようにセンサーを配置してもよい。
【0035】
第二の表示領域では、右足及び左足の足形の図上に、圧力分布の情報を重ねて表示するのが好ましい。
圧力の表示は、視覚的弱者や高齢者であっても把握しやすい様に、圧力の強さを円などの単純な図形での大きさで表現することが好ましい。つまり、圧力が強くかかっている場合は、円の大きさを大きくして表示するなど、圧力分布における圧力の大きさが、表示に係る図形の大きさと対応して表示されるのが好ましい。
【0036】
図2で示す表示部200の制御部250の圧力分布演算部280により、足裏にかかる荷重の測定データを収集し、事前に登録している圧力センサーの位置情報と組み合わせて、各圧力センサーの位置に対応した足裏の圧力分布を算出する。そして、圧力の大きさに対応した表示にかかる図形の大きさを算出する。尚、表示位置に対応して、適宜、複数の圧力センサーの測定値を合算して、表示する形状の大きさを設定することができる。
表示部200の制御部250は、算出により得られた圧力分布の情報を右足及び左足の足形の図上に表示する。
【0037】
第二の表示領域で圧力分布の情報を表示する際、足裏の圧力を表示する箇所毎に表示に係る図形の色や模様を変えて表示してもよい。例えば、踵の部分(図5Aの24)の圧力を表示する場合には円の図形の色を青色で表示し、第5中足骨の部分(図5Aの23)圧力を表示する場合には円の図形の色を赤色で表示し、第1中足骨の部分(図5Aの21)圧力を表示する場合には円の図形の色を緑色で表示するなどである。これにより、圧力を表示している足裏の箇所が、視覚的によりわかりやすく、容易に特定することができる。
第二の表示領域では、図13で示すように、足裏の前領域及び後領域で、どれくらいの荷重が掛かっているのか、足形のイラスト上に荷重の大きさに応じて円の大きさを変えて表示させている。これにより、医師・指導者は、患者・訓練者が歩行訓練中、踵からついて、つま先に適切に荷重が掛かっているか、視覚的に容易に判断することができる。
【0038】
<<<第一の表示領域と第二の表示領域の関係について>>>
上述したように、第一の表示領域と第二の表示領域は、並んで配置されることが好ましい。
歩行訓練において、第一の表示領域は、訓練中の履歴が表示される。また、第二の表示領域は、リアルタイムで足裏の圧力分布が表示される。
これにより、足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報が視覚的にわかりやすく表示されているため、患者・訓練者は、訓練中でも、第一の表示領域をもとに、自身の訓練状態を容易に理解することができる。また、本発明では、第二の表示領域における圧力分布も、患者・訓練者が理解しやすいように図形で抽象化して表示されているため、患者・訓練者は、自身の訓練状態の把握に第二の表示領域の情報を活用することができる。
そして、医師・指導者は、第一の表示領域及び第二の表示領域で表示される情報の両方を見ることで、患者・訓練者の訓練状況を適格に把握することができる。これにより、医師・指導者は、患者・訓練者に対して、訓練中リアルタイムに適格な助言を行うことができる。
【0039】
<<<第三の表示領域>>>
上述したように、第三の表示領域は、表示部の操作を行うための操作部位を表示する。
第三の表示領域により、訓練時間の設定や訓練の開始や中止などの操作を入力する。
患者や訓練者は、評価画面である第一の表示領域を注視するが、医師・指導者は、患者や訓練者の状態及び足裏にかかる圧力の状態を知るため、第一の表示領域及び第二の表示領域を注視している。そのため、操作を行う第三の表示領域を、第二の表示領域に接して配置することで、医師・指導者が第三の表示領域にある操作部位を操作しても、患者や訓練者の邪魔にならない。
尚、第三の表示領域では、訓練中に必要な操作に関与する操作部位のみ配置し、患者や訓練者の情報の入力などの詳細な設定は、別な画面で行なってもよい。
【0040】
<<<表示部の使い方について>>>
本発明の表示部の使用例を図6に示す。
図6では、患者・訓練者は、両足に圧力センサーを装着して訓練している。そして、医師・指導者は、患者・訓練者の横に立ち、患者・訓練者に表示画面が見えるように、タブレット型の表示部を持っている。訓練中、患者・訓練者は、第一の表示領域のバランス状態を主にみながら、目標の荷重ラインに達するように、身体のコントロールを試みる。医師・指導者は、第一の表示領域の結果と第二の表示領域の結果とから、患者・訓練者の足にかかる荷重のコントロール状態を把握する。そして、患者・訓練者に対し助言を行う。医師・指導者は、表示部を持っている手とは別の手で、第三の表示領域にある、訓練操作にかかわる部位を操作することができる。本発明の表示部であれば、訓練中に医師・指導者が係る表示部を持っている状態であっても、容易に操作することができる。
患者・訓練者は、自分の荷重のコントロール状態を容易に理解することができ、訓練に対する目標を設定しやすく訓練時の意欲を促進させることができる。
【0041】
<<<表示画面の応用例>>>
訓練後に訓練した結果を見直すことは重要である。例えば、特徴となる点をピックアップし、そのときの荷重のかけ方を振りかえることにより、適切な歩行の仕方や改善点の指導を患者・訓練者に行うことができる。
訓練後、第一の表示領域上を押すと、時間を指定するラインが表示されるように設定されていてもよい。このラインは、指の動きに合わせて動くことができ、見たい時間を指定する、つまり、振り返りたい時間を設定することができる。このとき第二の表示領域で表示される足裏の圧力分布も、第一の表示領域で表示されるラインで指定した時間に対応した圧力分布が表示されるように設定することができる。
また、例えば、画面上に配置されている「比較」ボタン(図面上には不図示)を押すことにより、時間を指定するプレビュー・ラインが表示されるように設定してもよい。プレビュー・ラインをスライドさせることで、ライン上の時間に対応した足裏の圧力分布が表示されるように設定すれば、より詳しく圧力のかかり方の状態を知ることができる。
【0042】
このように、第二の表示領域では、第一の表示領域で測定された測定時間のうち、指定した特定の時間における測定結果に基づく足裏にかかる圧力分布の情報を、表示してもよい。
また、第一の表示領域において、複数の時間を指定してもよい。その場合、例えば、第二の表示領域で表示される図形の色を変えることで、複数の指定時間に対応した圧力分布の情報を、1足の足形の図上に表示することもできる。これにより、複数の指定時間における圧力分布の推移がわかる。
【0043】
図14は、例えば、計測後、第一の表示領域において、見直したい時間を指定することができる。第一の表示領域を押すことで、時間を指定するラインが表示されるようになる。医師・指導者は、患者・訓練者に指導したいと思う訓練箇所にラインを移動することで、第二の表示領域に、指定した時刻に対応する足裏の圧力分布の情報が表示される。
指定時間の指定は、右足、左足、それぞれ別な時間を設定することができ、さらに同じ足でも、複数の時間を指定することができる。
第二の表示領域は、右足の足裏にかかる圧力分布の特定の時間における情報、及び左足の足裏にかかる圧力分布の特定の時間における情報を、それぞれ指定した時間に対応して表示することができる。
例えば、左足と右足の歩行する状態を比較したい場合、左足の歩行サイクルに対応した右足の時刻を指定することで、左足と右足との足の付き方の違いや、荷重の移動状態の違いを比較することができる。これにより、医師・指導者は、患者・訓練者の歩行時の癖や、歩容を理解することができ、患者・訓練者に適切な指導を行うことができる。
図14で示すように、左足と右足の時間指定バー61は連動するように設定されていてもよい。これにより、例えば、左足の時間指定バー61をずらすと、それに同期して右足の時間指定バー61も移動し、指定する時間を変えることができる。
【0044】
<<<歩行訓練の訓練例>>>
訓練者による歩行訓練の結果を示す。
図15は、左足の機能低下により、歩行時において、足の先端に体重がかかっていない訓練者の測定結果を表示したものである。尚、図15において、左足及び右足のそれぞれ最初の一歩は、歩行が安定していなかったため、判断には入れていない。右足には、足裏の後領域、前領域、及び中間領域において、閾値以上の荷重がかかっていることがわかる。一方、左足には、踵部分の後領域には荷重がかかっているものの、前領域には荷重がかかっていないことがわかる。また、足裏の圧力分布の測定結果から、左足の親指には荷重がかかっていないことがわかる。
そこで、訓練後、第一の表示領域において、見直したい時間を指定し、図16で示すように、左足で指定した時間と右足で指定した時間における足裏の圧力分布の測定結果を第二の表示領域に表示した。
図16を訓練者にみてもらうことにより、訓練者は、歩行中、右足には、親指に荷重がかかっているが、左足には荷重がかかっていないことを、視覚的に容易に理解することができる。このようにして、指導者は、訓練者に対し適格にアドバイスすることができる。
【0045】
<<第2の実施態様(バランス訓練)>>
以下、立位状態でのバランス訓練の事例を示す。
健常者であれば、立っている際、バランスを崩した場合でも修正することができるが、高齢者や身体機能に衰えが生じた患者は、身体のコントロールが充分できず、転倒するリスクが高くなる。バランス訓練により、身体の荷重をコントロールすることを体感することで、転倒を予防することができる。バランス訓練には、たとえば、左右均等にバランスを維持する、片側にかけることのできる荷重の範囲をできるだけ広げるなどの訓練方法がある。
図9は、バランス訓練時に使用する表示画面の構成の一例を示す概略図である。図9の表示画面は、例えば、左右でのバランスのかけ方の範囲を広げる訓練に用いられる。
【0046】
<<<第一の表示領域>>>
図9の符号31で示すように、画面上の第一の表示領域としては、以下の態様の表示を行う場合が挙げられる。
表示部は、左右の足裏にかかる荷重のバランスを、画面の上方向の左右に表示するとともに、画面の上方向に時間の経過とともに左右に表示する。
表示のより具体的な態様としては、例えば、以下のようになる。
画面の第一の表示領域の縦軸に時間を、横軸に左足と右足にかかる総荷重に対する片方の足の荷重の割合をとる。そして、片方の足にかかる荷重の割合の変化を、画面の第一の表示領域の下から上へ時間の経過とともに、例えば、軌跡で表示する(図9の符号36参照)。この場合、該軌跡は、左足にかかる荷重の割合が高い場合は画面の第一の表示領域の左側に、右足にかかる荷重の割合が高い場合は画面の第一の表示領域の右側に配置されるよう表示される。
尚、該軌跡の表示方法としては、片方の足にかかる荷重の割合の時間的変化が連続した情報として読み取れれば、特に制限はなく、例えば、軌跡を1本の繋がった線で表示してもよいし、点線、破線、あるいは一点鎖線等の一部に隙間を有する線で表示してもよい。
【0047】
本実施態様では、立位時に片方の足にかかる荷重の割合を計算した結果(バランス測定値)が、第一の表示領域に示される。図9の第一の表示領域には、右足におけるバランス測定値が示されている。このバランス測定値は、例えば、右足に荷重が100%かかっている状態であれば、1を表示し、左足に荷重が100%かかっている状態であれば、0を表示し、右足と左足の双方に荷重が均等にかかっている状態であれば、0.5を示す。
バランス測定値は、図2で示す表示部200の制御部250のバランス演算部260により、足裏にかかる荷重の測定データを演算処理することにより、得ることができる。
表示部200の制御部250のバランス演算部260は、立位時の左足と右足にかかる総荷重に対する片方の足の荷重の割合(バランス測定値)を算出する。
例えば、右足のバランス測定値は、下記(1)式のように求めることができる。
【数1】
そして、表示部200の制御部250は、算出されたバランス測定値を、画面の第一の表示領域の下から上へ時間の経過とともに軌跡で表示する。
図9において、符号34は左足の荷重目標の基準線を、35は右足の荷重目標の基準線をそれぞれ示す。
【0048】
第一の表示領域において、右足にかかる荷重の割合を計算した結果(バランス測定値)が、第一の表示領域の下から上へ時間の経過とともに軌跡で表示されており、視覚的にわかりやすく表示されている。これにより、患者・訓練者は、訓練中に自身の訓練状態を容易に理解することができる。特に、図9で示すように、軌跡が、左足にかかる荷重の割合が高い場合は画面の第一の表示領域の左側に、右足にかかる荷重の割合が高い場合は画面の第一の表示領域の右側に配置されるよう表示されているため、患者・訓練者は、自身の足にかかる荷重状態を視覚的に容易に把握することができる。尚、良好なバランスコントロールが行われた場合には、音により通知してもよい。
例えば、荷重をコントロールする機能が低下すると、足の片側に荷重をかけた場合に立位を維持することが困難になる。そこで、立位を維持しながら、徐々に片足に荷重をかける範囲を広げていき、足にかかる荷重をコントロールする訓練を行う必要がある。本発明の表示部を用いると、患者・訓練者は、自身の荷重のコントロール状態を訓練中にリアルタイムで視覚的に容易に把握することができる。また、本発明の表示部を用いると、患者・訓練者の荷重のコントロール状態が容易に把握できるため、個々の患者・訓練者に応じた適切な目標を設定することができ、効果的なバランス訓練を行うことができる。
【0049】
尚、図9の第一の表示領域で表示されているバランス測定値の軌跡(36)は、バランスコントロールの良い訓練者による結果を表示したものとなっている。一方、図10の第一の表示領域で表示されているバランス測定値の軌跡(36)は、バランスコントロールの悪い訓練者による結果を表示したものとなっている。
【0050】
<<<第二の表示領域>>>
第2の実施態様(バランス訓練)において、第二の表示領域で表示される内容は、上記<<第1の実施態様(歩行訓練)>>の欄の上記<<<第二の表示領域>>>の欄で説明したとおりである。
図9の符号32で示すように、第二の表示領域には、足裏にかかる荷重の測定結果に基づき得られた、右足及び左足の足裏の圧力分布が表示されている。
【0051】
<<<第一の表示領域と第二の表示領域の関係について>>>
第2の実施態様(バランス訓練)においても、上記<<第1の実施態様(歩行訓練)>>の欄の上記<<<第一の表示領域と第二の表示領域の関係について>>>の欄で記載したとおりの効果が期待できる。
バランス訓練において、第一の表示領域は、訓練中の履歴が表示される。また、第二の表示領域は、リアルタイムで足裏の圧力分布が表示される。
これにより、足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報が視覚的にわかりやすく表示されているため、患者・訓練者は、訓練中でも、第一の表示領域をもとに、自身の訓練状態を容易に理解することができる。また、本発明では、第二の表示領域における圧力分布も、患者・訓練者が理解しやすいように図形で抽象化して表示されているため、患者・訓練者は、自身の訓練状態の把握に第二の表示領域の情報を活用することができる。
そして、医師・指導者は、第一の表示領域及び第二の表示領域で表示される情報の両方を見ることで、患者・訓練者の訓練状況を適格に把握することができる。これにより、医師・指導者は、患者・訓練者に対して、訓練中リアルタイムに適格な助言を行うことができる。
【0052】
<<<表示画面の応用例>>>
訓練後に訓練した結果を見直すことは重要である。例えば、特徴となる点をピックアップし、そのときの荷重のかけ方を振りかえることにより、適切な荷重のかけ方や改善点の指導を患者・訓練者に行うことができる。
図10では、訓練後、第一の表示領域上を押すと、時間を指定するライン41が表示されるように設定されている。このライン41は、指の動きに合わせて動くことができ、見たい時間を指定する、つまり、振り返りたい時間を設定することができる。このとき第二の表示領域で表示される足裏の圧力分布も、第一の表示領域で表示されるライン41で指定した時間に対応した圧力分布が表示されるように設定することができる。
また、例えば、画面上に配置されている「比較」ボタン(図面上には不図示)を押すことにより、時間を指定するプレビュー・ラインが表示されるように設定してもよい。プレビュー・ラインをスライドさせることで、ライン上の時間に対応した足裏の圧力分布が表示されるように設定すれば、より詳しく圧力のかかり方の状態を知ることができる。
【0053】
このように、第二の表示領域では、第一の表示領域で測定された測定時間のうち、指定した特定の時間における測定結果に基づく足裏にかかる圧力分布の情報を、表示してもよい。
また、第一の表示領域において、複数の時間を指定してもよい。その場合、例えば、第二の表示領域で表示される図形の色を変えることで、複数の指定時間に対応した圧力分布の情報を、1足の足形の図上に表示することもできる。これにより、複数の指定時間における圧力分布の推移がわかる。
【0054】
<<<バランス訓練の訓練例>>>
体重50kgの訓練者がバランス訓練を行なった。
立位時に左足、右足にかける目標荷重値を40kgとして設定した。
訓練者が左足と右足とに交互に目標荷重をかけた際の左足と右足にかかる荷重を測定し、その測定データをもとに、左足と右足にかかる総荷重に対する右足の荷重の割合(バランス測定値)を求めた。得られたバランス測定値の結果を図11に示す。
この訓練者の場合、左足と右足とに良好に荷重をかけることができることがわかる。
一方、別の体重50kgの訓練者に同様のバランス訓練を行なってもらったところ、図12に示す結果が得られた。図12の結果より、この訓練者は、左足と右足とにそれぞれ目標荷重をかけられないことがわかる。図12の横軸において、例えば、バランス測定値が0.6の時は、右足に30kg、左足に20kgの荷重がそれぞれかかっていることを示している。図12では、バランス測定値がほぼ0.5より大きな値をとることが示されており、この訓練者は、右足に比べ左足に荷重を多くかけることができないことがわかる。
【0055】
次に、本発明の表示部を用いて、バランス訓練あるいは歩行訓練を行う場合に、第一の表示領域及び第二の表示領域に、足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を表示する処理手順を示す。図17は、表示部の制御部における足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を表示するまでの処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、図17で示すフローチャートにしたがい、図2の表示システムの機能構成の概略図も参照しつつ、足裏にかかる荷重の測定結果に基づく情報を表示するまでの処理手順について説明する。
【0056】
ステップS101では、表示部200の入力部210は、患者・訓練者が受ける訓練の種類を受け付け、処理をS102に移行する。
ステップS102では、表示部200の制御部250は、訓練の種類がバランス訓練であるか歩行訓練であるかを判定する。訓練がバランス訓練である場合には、処理をS103に、訓練が歩行訓練である場合には、処理をS109に移行する。
ステップS103では、表示部200の入力部210は、訓練の測定時間(T)を受け付け、処理をS104に移行する。例えば、本発明の測定時間の具体例としては10秒、あるいは20秒が挙げられる。
ステップS104では、表示部200の制御部250は、測定部100が測定を開始した時間情報を取得し、処理をS105に移行する。
ステップS105では、表示部200の制御部250は、通信部240を介して、測定部100から足裏にかかる荷重の測定データを取得し、処理をS106に移行する。
ステップS106では、表示部200の制御部250のバランス演算部260は、測定部100から受信した足裏にかかる荷重の測定データを基に、バランス測定値を計算する。表示部200の制御部250は、係る計算により得られた足裏の圧力に関する情報を、表示(画面)部230の第一の表示領域で表示し、処理をS107に移行する。
ステップS107では、表示部200の制御部250の圧力分布演算部280は、測定部100から受信した足裏にかかる荷重の測定データを基に、足裏の圧力分布を計算する。表示部200の制御部250は、係る計算により得られた足裏の圧力分布に関する情報を、表示(画面)部230の第二の表示領域で表示し、処理をS108に移行する。
ステップS108では、表示部200の制御部250は、訓練を開始してからの経過時間が受け付けた時間を超えたか否かを判定する。受け付けた時間を超えていない場合は、処理をS105に戻し、測定部100による測定を継続する。測定は、表示画面を表示する間隔に応じ、測定データの取得間隔を設定し、その間隔で測定した足裏の圧力に関する情報を表示する。一方、受け付けた時間を超えている場合は、本処理を終了する。
ステップS109では、表示部200の入力部210は、訓練の測定時間(T)を受け付け、処理をS110に移行する。
ステップS110では、表示部200の制御部250は、測定部100が測定を開始した時間情報を取得し、処理をS111に移行する。
ステップS111では表示部200の制御部250は、通信部240を介して、測定部100から足裏にかかる荷重の測定データを取得し、処理をS112に移行する。
ステップS112では、表示部200の制御部250の歩行演算部270は、測定部100から受信した足裏にかかる荷重の測定データを基に、歩行測定値を計算する。表示部200の制御部250は、係る計算により得られた足裏の圧力に関する情報を、表示(画面)部230の第一の表示領域で表示し、処理をS113に移行する。
ステップS113では、表示部200の制御部250の圧力分布演算部280は、測定部100から受信した足裏にかかる荷重の測定データを基に、足裏の圧力分布を計算する。表示部200の制御部250は、係る計算により得られた足裏の圧力分布に関する情報を、表示(画面)部230の第二の表示領域で表示し、処理をS114に移行する。
ステップS114では、表示部200の制御部250は、訓練を開始してからの経過時間が受け付けた時間を超えたか否かを判定する。受け付けた時間を超えていない場合は、処理をS111に戻し、測定部100による測定を継続する。測定は、表示画面を表示する間隔に応じ、測定データの取得間隔を設定し、その間隔で測定した足裏の圧力に関する情報を表示する。一方、受け付けた時間を超えている場合は、本処理を終了する。
【0057】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定部と、
前記測定部で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示部と、を有する表示システムであって、
前記表示部は、予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、前記予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、
前記画面に時系列的に下から上へ左右に並べて表示するとともに
それぞれの足裏を少なくとも二分割した荷重の状態を表示する
ことを特徴とする表示システムである。
<2> 前記荷重がかかっている時間を、色分けすることにより表示する、前記<1>に記載の表示システムである。
<3> 圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定部と、
前記測定部で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示部と、を有する表示システムであって、
前記表示部は、左右の足裏にかかる荷重のバランスを、前記画面の上方向の左右に表示するとともに、前記画面の上方向に時間の経過とともに左右に表示する
ことを特徴とする表示システムである。
<4> 前記表示部の前記画面上には、少なくとも第一の表示領域及び第二の表示領域を有し、
前記第一の表示領域が、前記荷重がかかっている時間を表示する領域、及び前記荷重のバランスを表示する領域の少なくともいずれかであり、
前記第二の表示領域が、足裏にかかる荷重の測定結果に基づき得られる右足及び左足の足裏の圧力分布を表示する領域である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の表示システムである。
<5> 前記第二の表示領域は、その一端側に前記第一の表示領域を配し、前記第一の表示領域と前記第二の表示領域とが並んで配置される、前記<4>に記載の表示システムである。
<6> 前記表示部の操作を行うための操作部位を表示する第三の表示領域をさらに有する、前記<4>から<5>のいずれかに記載の表示システムである。
<7> 前記第三の表示領域は、前記第二の表示領域の前記一端側以外の他端側に配置される、前記<6>に記載の表示システムである。
<8> 前記第二の表示領域では、右足及び左足の足形の図上に、圧力分布の情報が重ねて表示される、前記<4>から<7>のいずれかに記載の表示システムである。
<9> 前記第二の表示領域では、圧力分布における圧力の大きさが、表示に係る図形の大きさと対応して表示される、前記<8>に記載の表示システムである。
<10> 前記第二の表示領域で表示される足裏にかかる圧力分布の情報が、前記第一の表示領域で測定された測定時間のうち、指定した特定の時間における測定結果に基づく、前記<4>から<9>のいずれかに記載の表示システムである。
<11> 前記第二の表示領域が、右足の足裏にかかる圧力分布の特定の時間における情報、及び左足の足裏にかかる圧力分布の特定の時間における情報の少なくともいずれかを表示する、前記<10>に記載の表示システムである。
<12> 圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示工程と、を含む表示方法であって、
前記表示工程は、予め定めた閾値を荷重が超えた場合に、前記予め定めた閾値を超えて荷重がかかっている時間を、
前記画面に時系列的に下から上へ左右に並べて表示するとともに
それぞれの足裏を少なくとも二分割した荷重の状態を表示する
ことを特徴とする表示方法である。
<13> 圧力センサーを用いて足裏の荷重を測定する測定工程と、
前記測定工程で測定した前記荷重の測定データを受信し、前記測定データに基づく情報を画面に表示する表示工程と、を含む表示方法であって、
前記表示工程は、左右の足裏にかかる荷重のバランスを、前記画面の上方向の左右に表示するとともに、前記画面の上方向に時間の経過とともに左右に表示する
ことを特徴とする表示方法である。
【0058】
前記<1>から<11>のいずれかに記載の表示システム、及び前記<12>から<13>に記載の表示方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明により、リハビリテーション医療や、スポーツ・健康・福祉分野等において、バランス訓練時、あるいは歩行訓練時における、足裏にかかる荷重の測定結果を、バイオフィードバックするシステムに適用することができる。例えば、手術後の再歩行学習や、脳卒中片麻痺、小脳性・感覚性失調、パーキンソニズム等による異常歩行の改善学習等に効果を発揮する。また、スポーツ分野におけるパフォーマンスの改善や、高齢者における転倒予防のための歩行学習等にも効果を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【文献】特開2017-158909号公報
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