(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】ファイル交換システム、モバイル機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220301BHJP
G06F 16/16 20190101ALI20220301BHJP
G06F 16/11 20190101ALI20220301BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F16/16
G06F16/11
(21)【出願番号】P 2020121900
(22)【出願日】2020-07-16
(62)【分割の表示】P 2019070993の分割
【原出願日】2010-06-09
【審査請求日】2020-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】今道 雄大
(72)【発明者】
【氏名】原田 貴昭
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-299674(JP,A)
【文献】特開2003-173304(JP,A)
【文献】特開2003-58724(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0265458(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 16/16
G06F 16/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバから、該サーバが管理しているファイルを示す
ファイル情報であって、画像ファイルの書誌的事項を示すテキスト情報と、画像のサムネイルとを含むファイル情報を取得するファイル情報取得手段と、
該ファイル情報取得手段により取得されたファイル情報を表示部に表示させるファイル情報表示手段と、
該表示部に表示中の
前記サムネイルの中からユーザにより指定された
サムネイルにより特定されたファイルが内部の記憶部に記憶されているか否かを判定するファイル有無識別手段と、
該ファイル有無識別手段が記憶されていると判定したとき、該記憶されているファイルを他のモバイル機器へ送信する第1のファイル送信手段と、
該ファイル有無識別手段が記憶されていないと判定したとき、前記指定された
サムネイルにより特定されたファイルを前記サーバからダウンロードするファイル取得手段と、
該ファイル取得手段により取得されたファイルを前記他のモバイル機器へ送信する第2のファイル送信手段と
を有
し、
前記ファイル情報取得手段は、前記テキスト情報を取得するテキスト情報取得手段と、
該テキスト情報取得手段によるテキスト情報の取得後に前記サムネイルを取得するサムネイル取得手段とを有することを特徴とするモバイル機器。
【請求項2】
請求項
1に記載されたモバイル機器において、
前記テキスト情報取得手段が取得したテキスト情報に対応するサムネイルが内部の記憶部に記憶されているか否かを判定するサムネイル有無判定手段を有し、前記サムネイル取得手段は、記憶されていないと判定されたときのみ、サムネイルを取得することを特徴とするモバイル機器。
【請求項3】
ネットワーク上のサーバから、該サーバが管理しているファイルを示す
ファイル情報であって、画像ファイルの書誌的事項を示すテキスト情報と、画像のサムネイルとを含むファイル情報を取得するファイル情報取得手段と、
該ファイル情報取得手段により取得されたファイル情報を表示部に表示させるファイル情報表示手段と、
該表示部に表示中の
前記サムネイルの中からユーザにより指定された
サムネイルにより特定されたファイルが内部の記憶部に記憶されているか否かを判定するファイル有無識別手段と、
該ファイル有無識別手段が記憶されていると判定したとき、該記憶されているファイルを他のモバイル機器へ送信する第1のファイル送信手段と、
該ファイル有無識別手段が記憶されていないと判定したとき、前記指定された
サムネイルにより特定されたファイルを前記サーバからダウンロードするファイル取得手段と、
該ファイル取得手段により取得されたファイルを前記他のモバイル機器へ送信する第2のファイル送信手段と
を有
し、
前記ファイル情報取得手段は、前記テキスト情報を取得するテキスト情報取得手段と、
該テキスト情報取得手段によるテキスト情報の取得後に前記サムネイルを取得するサムネイル取得手段とを有するモバイル機器と、
前記他のモバイル機器と、
前記サーバと
からなることを特徴とするファイル交換システム。
【請求項4】
請求項
3に記載されたファイル交換システムにおいて、
前記他のモバイル機器は、前記受信したファイルを前記サーバにアップロードするファイルアップロード手段を有することを特徴とするファイル交換システム。
【請求項5】
請求項
4に記載されたファイル交換システムにおいて、
前記サーバは、前記アップロードされたファイルのサムネイルを作成して、前記他のモバイル機器へ送信するサムネイル提供手段を有することを特徴とするファイル交換システム。
【請求項6】
コンピュータを請求項1
又は2の何れか一項に記載されたモバイル機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上のサーバにより管理されているファイルをモバイル機器間で交換するファイル交換システム、モバイル機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの普及により、PC(Personal Computer)やデジタルカメラ、携帯電話機等の情報機器で取得された電子化された文書や画像等(以下、電子化された文書や画像等を「ファイル」という)をネットワーク上のサーバにおいて管理するオンラインストレージサービスの利用が広がりつつある。このサービスでは、ユーザの情報機器の操作によりネットワークを介してサーバにアクセスし、サーバの内部又は外部の記憶装置上にユーザ毎に割り当てられたオンラインストレージエリアにファイルを保管することができる。
【0003】
また、持ち運びが可能な情報機器(モバイル機器)間でファイルを交換するシステムも知られている。例えば特許文献1には、モバイル機器内に存在するファイルをBluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared Data Association)等の近距離無線通信により他のモバイル機器に送信すること、及びモバイル機器内に存在するファイルをネットワーク上のサーバ内の記憶装置にアップロードし、次いでそのファイルを他のモバイル機器がダウンロードすることで、モバイル機器から他のモバイル機器へファイルを送信することが開示されている。さらに、文献に記載されたものではないが、ネットワーク上のサーバで管理されているファイルをモバイル機器によりダウンロードし、近距離無線通信により他のモバイル機器に転送することが実現されている。
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、交換対象ファイルがモバイル機器内にある場合は、ユーザは直接他のモバイル機器に送信する操作を行えばよいのに対し、交換対象ファイルがオンラインストレージ上にある場合は、一旦、モバイル機器にダウンロードする操作を実行し、その後、他のモバイル機器に送信(転送)する操作を実行しなければならないため、モバイル機器内にある場合とは異なる操作が必要であり、かつ操作数が多くなってしまうという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ネットワーク上のサーバにより管理されているファイルをモバイル機器間で交換する際、交換対象ファイルの蓄積場所に関わらず、同じ操作で交換できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモバイル機器は、ネットワーク上のサーバから、該サーバが管理しているファイルを示すファイル情報であって、画像ファイルの書誌的事項を示すテキスト情報と、画像のサムネイルとを含むファイル情報を取得するファイル情報取得手段と、該ファイル情報取得手段により取得されたファイル情報を表示部に表示させるファイル情報表示手段と、該表示部に表示中の前記サムネイルの中からユーザにより指定されたサムネイルにより特定されたファイルが内部の記憶部に記憶されているか否かを判定するファイル有無識別手段と、該ファイル有無識別手段が記憶されていると判定したとき、該記憶されているファイルを他のモバイル機器へ送信する第1のファイル送信手段と、該ファイル有無識別手段が記憶されていないと判定したとき、前記指定されたサムネイルにより特定されたファイルを前記サーバからダウンロードするファイル取得手段と、該ファイル取得手段により取得されたファイルを前記他のモバイル機器へ送信する第2のファイル送信手段とを有し、前記ファイル情報取得手段は、前記テキスト情報を取得するテキスト情報取得手段と、該テキスト情報取得手段によるテキスト情報の取得後に前記サムネイルを取得するサムネイル取得手段とを有するモバイル機器である。
【0007】
[作用]
本発明のモバイル機器は、ネットワーク上のサーバから、そのサーバが管理しているファイルを示すファイル情報を取得して表示し、表示中のファイル情報からユーザが指定したファイル情報により特定されるファイルが機器内部に記憶されているか否かを判定する。判定の結果、記憶されているときは、そのファイルを他のモバイル機器へ送信し、記憶されていないときは、サーバからダウンロードし、他のモバイル機器へ送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ネットワーク上のサーバにより管理されているファイルをモバイル機器間で交換する際、ユーザは交換対象ファイルの蓄積場所に関わらず、同じ操作で交換することができる。これにより、ユーザは交換対象ファイルの蓄積場所を知らなくても、ファイル交換を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態のファイル交換システムを示す図である。
【
図2】本発明の実施形態のファイル管理サーバのブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態のモバイル機器のブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態のファイル管理サーバに記憶されているフォルダ情報テーブルを示す図である。
【
図5】本発明の実施形態のファイル管理サーバに記憶されているファイル情報テーブルを示す図である。
【
図6】本発明の実施形態のモバイル機器に記憶されているファイル管理テーブルを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態のファイル交換システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施形態のモバイル機器におけるファイル情報表示画面を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の正面図である。
【
図10】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の正面図における表示パネルの拡大図である。
【
図11】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の背面図である。
【
図12】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の左側面図である。
【
図13】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の右側面図である。
【
図14】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の平面図である。
【
図15】本発明の実施形態のモバイル機器の外観の一例の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
〈システム構成及び概略動作〉
図1に示すように、本発明の実施形態のファイル交換システムは、インターネットなどのネットワーク1に接続されるファイル管理サーバ2と、ネットワーク1に接続されるモバイル機器3-1、3-2とからなる。
【0011】
モバイル機器3-1、3-2は、それぞれ矢印A1、A2に示すように、ネットワーク1に接続可能であり、ネットワーク1を介してファイル管理サーバ2と通信を行うことができる。また、モバイル機器3-1、3-2は、ネットワーク1を介して互いに通信を行うことができるとともに、矢印A3に示すように、Bluetooth(登録商標)やIrDA等の近距離無線通信により、直接互いに通信を行うことができる。
【0012】
ファイル管理サーバ2は、内蔵するハードディスクを用いてオンラインストレージサービスを提供する機能を備えており、モバイル機器3-1、3-2からアップロードされた画像ファイルなどのファイルをユーザ毎に割り当てたストレージエリアに保存して管理する。また、モバイル機器3-1、3-2からのダウンロード要求に応じて、要求されたファイルを要求元のモバイル機器へ送信する。その他の機能については後述する。
【0013】
モバイル機器3-1、3-2は、撮影機能、ネットワーク通信機能、及び近距離無線通信機能等を備えたカメラ付きの携帯端末装置、例えば携帯電話機、PDA、ゲーム機等であり、カメラで撮影した画像等をファイル管理サーバ2にアップロードすることができる。また、モバイル機器3-1、3-2は、ファイル管理サーバ2から所望のファイルをダウンロードすることができる。さらに、モバイル機器3-1、3-2は、内部の記憶部に記憶されているファイルやファイル管理サーバ2からダウンロードしたファイルを相手のモバイル機器へ送信する、即ちファイル交換を行うことができる。
【0014】
〈ファイル管理サーバの構成〉
図2に示すように、ファイル管理サーバ2は、マウスやキーボード等の入力デバイスから構成される操作部22と、液晶ディスプレイなどの表示デバイスから構成される表示部23と、ハードディスクなどの記憶デバイスから構成される記憶部24と、ネットワーク1を通してモバイル機器3-1、3-2と通信を行うネットワーク通信部25と、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を有するとともに前記各部を制御する制御部26と、これらの各部を接続するバス21を備えている。
【0015】
制御部26内のROMや記憶部24には、各種プログラムや各種データが記憶される。CPUは、ROMや記憶部24に記憶されたプログラムをRAMにロードし、実行することにより、ファイル管理サーバ2の全体を制御し、後述する
図7のフローチャートを実行する手段としての各種機能部を実現する。
【0016】
また、記憶部24は、ユーザ(モバイル機器3-1、3-2)から送信されたファイルをユーザ毎に割り当てたオンラインストレージエリアに記憶するとともに、その管理情報も記憶する。ファイルを管理するファイル管理情報には、管理しているファイルを示すファイル情報と、ファイル情報を格納しているフォルダを示すフォルダ情報がある。
図4はフォルダ情報を格納したフォルダ情報テーブルであり、
図5はファイル情報のうち、ファイルのサムネイル以外を格納したファイル情報テーブルである。
【0017】
図4に示すように、フォルダ情報は各フォルダのフォルダIDと、フォルダIDにより特定されるフォルダのフォルダ名、フォルダURL(Uniform Resource Locator)、フォルダ内ファイル数からなる。フォルダURLは、フォルダIDにより特定されるフォルダのオンラインストレージエリア上の位置を示す。つまり、フォルダには
図5に示すファイル情報が格納されており、フォルダ毎に
図5のファイル情報が存在する。また、フォルダURLはフォルダに格納されているファイルの情報であるファイル情報へのリンクである。
【0018】
また、
図5に示すように、ファイル情報は各ファイルのファイルIDと、ファイルIDにより特定されるファイルのファイル名、サムネイルURL、ファイルURL、ファイル更新日時を有する。ファイルURL、サムネイルURLは、ファイルIDにより特定されるファイル、サムネイルのオンラインストレージエリア上の位置を示す。
【0019】
〈モバイル機器の構成〉
モバイル機器3-1、3-2は同じ構成を持っており、そのブロック図を
図3に示す。図示のように、モバイル機器3-1、3-2は、各種ボタンから構成される操作部32と、液晶ディスプレイなどの表示デバイスから構成される表示部33と、フラッシュメモリなどの記憶デバイスから構成される記憶部34と、CCD(Charge Coupled Device)やMOS(Metal Oxide Semiconductor)等の撮像デバイスから構成される撮影部35と、ネットワーク1を通してファイル管理サーバ2或いは他のモバイル機器と通信を行うネットワーク通信部36と、Bluetooth(登録商標)やIrDA等の近距離無線通信により、他のモバイル機器と直接通信を行う機器間通信部37と、CPU、ROM、及びRAMを有するとともに前記各部を制御する制御部38と、これらの各部を接続するバス31を備えている。
【0020】
制御部38内のROM、記憶部34には、各種プログラムや各種データが記憶される。CPUは、ROMや記憶部34に記憶された各種プログラムをRAMにロードし、実行することにより、モバイル機器3-1、3-2全体を制御し、後述する
図7のフローを実行する手段としての各種機能部を実現させる。
【0021】
また、記憶部34には、オンラインストレージサービスを利用するためのアプリケーション専用の記憶エリア(以下、専用記憶エリア)と、各種アプリケーションに共用の記憶エリア(以下、共用記憶エリア)とがある。ファイル管理サーバ2にアップロードしたファイル及びファイル管理サーバ2からダウンロードしたファイルは専用記憶エリアに記憶されるが、操作部32からのユーザの指示に応じて、共用記憶エリアに移動又は複製することができる。共用記憶エリアに記憶されると、オンラインストレージサービス以外のアプリケーション、例えば画像編集アプリケーションにより処理することができる。
【0022】
図6は、専用記憶エリアに記憶されるファイル管理テーブルである。このテーブルは、各ファイルのファイルID、ファイルIDにより特定されるファイルのファイル名、サムネイルアドレス、ファイルアドレス、ダウンロード日時からなる。ここで、サムネイルアドレス、ファイルアドレスは、それぞれサムネイル、ファイルの専用記憶エリアにおける記憶アドレスである。また、空欄(3行目以下)は情報が書き込まれていないことを示している。つまり、この図の場合、現在迄にダウンロードしたファイルはファイル1_1、ファイル1_2のみである。
【0023】
〈ファイル交換システムの動作〉
図7を参照して、
図1におけるモバイル機器3-1、3-2の一方から他方へファイルを送信する際の動作を説明する。
図7において、ファイルを送信する側を送信側モバイル機器、受信する側を受信側モバイル機器とした。なお、モバイル機器3-1、3-2は同じ構成を持っており、どちらも送信側モバイル機器、受信側モバイル機器になれることは言うまでない。また、この動作の前提として、少なくとも送信側のモバイル機器にはオンラインストレージサービスを受けるためのアプリケーションがインストールされており、かつファイル管理サーバ2のオンラインストレージエリアに記憶領域が割り当てられているものとする。
【0024】
まずユーザが送信側モバイル機器の操作部32からオンラインストレージサービスを受けるためのアプリケーションを起動すると、送信側モバイル機器は、ファイル管理サーバ2に対して接続要求信号を送信する(ステップS1)。ここで、アプリケーションが起動されると、表示部33にログイン画面が表示され、ユーザがID及びパスワードを入力することに応じて、接続要求信号が送信される。
【0025】
ファイル管理サーバ2は、接続要求信号の受信に応じてフローをスタートし、送信側モバイル機器のユーザのオンラインストレージエリアに保存されているフォルダ情報テーブル(
図4)からフォルダ情報のうち、フォルダID、フォルダ名、フォルダURLを読み出し、送信側モバイル機器へ送信する(ステップS21)。フォルダ数が多い場合には、フォルダURLを基にファイル情報テーブル(
図5)を参照し、例えばファイル更新日時の新しいファイルが格納されているフォルダから順に送信する。
【0026】
送信側モバイル機器はフォルダ情報を受信し、制御部38内のRAMで保持するとともにフォルダ名を表示部33に表示する(ステップS2)。フォルダ数が複数の場合はフォルダ名のリストとして表示する。ユーザが、操作部32を用いて、表示部33に表示されている1つ以上のフォルダ名の中から、所望のフォルダ名を指定(選択)すると(ステップS3)、送信側モバイル機器は、ファイル管理サーバ2に対して、指定されたフォルダ名により特定されるフォルダ内のファイルのファイル情報を要求するファイル情報要求信号を送信する(ステップS4)。このファイル情報要求信号には指定されたフォルダ名により特定されるフォルダのフォルダURLが含まれている。
【0027】
ファイル管理サーバ2は、ファイル情報要求信号を受信し(ステップS22)、その信号に含まれているフォルダURLを基に、オンラインストレージ上のファイル情報管理テーブル(
図5)に記憶されているファイル情報を読み出し、送信側モバイル機器へ送信する(ステップS23)。
【0028】
送信側モバイル機器はファイル情報を受信し、記憶部34の専用記憶エリアに保存するとともに、そのうち、書誌的事項であるファイル名及び更新日時を表示部33に表示する(ステップS5)。次いで各ファイルのサムネイルが記憶部34の専用記憶エリアに記憶されているか否かを判定し(ステップS6)、記憶されているときは(S6:YES)、そのサムネイルを表示部33に表示する(ステップS9)。このとき、表示部33には、各ファイルの書誌的事項を示すテキストと各ファイルのサムネイルとを並べて表示する。
【0029】
一方、記憶されていないときは(S6:NO)、ファイル管理サーバ2に対し、サムネイル要求信号を送信する(ステップS7)。このサムネイル要求信号にはサムネイルURLが含まれている。ファイル管理サーバ2は、サムネイル要求信号を受信し(ステップS24)、その信号に含まれているサムネイルURLを基に、オンラインストレージ上のサムネイルを読み出し、送信側モバイル機器へ送信する(ステップS25)。送信側モバイル機器は、ファイル管理サーバ2から送信されたサムネイルを受信し、記憶部34の専用記憶エリアに保存してから(ステップS8)、表示部33に表示する(ステップS9)。
【0030】
ここで、S6の判定、即ちファイルのサムネイルが記憶部34に記憶されているか否かの判定は以下のように行う。そのサムネイル及びファイルが過去にオンラインストレージからダウンロードされたとき、制御部38は、
図6に示すファイル管理テーブルに必要な情報を格納しているので、その管理テーブルを参照することにより判定する。
【0031】
ステップS9で表示部33に表示される画面の一例を
図8に示す。図示のように、画面101内の画像表示領域102には、3つのファイルのサムネイルと、それぞれのファイルの書誌的事項のテキスト104が横に並んで表示されている。つまりサムネイルのリストとファイルの書誌的事項のリストが表示されている。画像表示領域102の下方には「見る」ボタン105と、「交換」ボタン106が表示されている。また、図示を省略したが、サムネイル103及び書誌的事項のテキスト104にカーソルを合わせることで、ファイルを指定(選択)するためのカーソル移動ボタンも表示される。
【0032】
次にユーザが、操作部32を用いて、所望のサムネイルにカーソルを合わせることでファイルを指定(選択)し、「見る」ボタン105又は「交換」ボタン106を押下すると(ステップS10)、制御部38は、ファイル管理テーブル(
図6)を参照し、指定されたファイルが記憶部34の専用記憶エリアに記憶されているか否か判定する(ステップS11)。判定の結果、記憶されているときは(S11:YES)、そのファイルを表示部33に表示する(ステップS14)。
【0033】
一方、判定の結果、記憶されていないときは(S11:NO)、ファイル管理サーバ2に対し、ファイル要求信号を送信する(ステップS12)。このファイル要求信号にはファイルURLが含まれている。ファイル管理サーバ2は、ファイル要求信号を受信し(ステップS26)、その信号に含まれているファイルURLを基に、オンラインストレージ上のファイルを読み出し、送信側モバイル機器へ送信する(ステップS27)。送信側モバイル機器は、ファイル管理サーバ2から送信されたファイルを受信し、記憶部34の専用記憶エリアに保存してから(ステップS13)、表示部33に表示する(ステップS14)。
【0034】
ステップS10の指示が「見る」であったときは、ここで処理を終える。一方、「交換」であったときは、受信側モバイル機器との間で通信を確立した後に(ステップS15)、受信側モバイル機器へファイルを送信する(ステップS16)。
【0035】
受信側モバイル機器は、送信側モバイル機器との間で通信を確立した後に(ステップS31)、送信側モバイル機器から送信されたファイルを受信し、記憶部34の専用記憶エリアに保存し、表示部33に表示する(ステップS32)。
【0036】
このように、本実施形態のファイル交換システムによれば、送信側モバイル機器の表示部33に表示されているファイルのサムネイル及び書誌的事項のリストの中からユーザが指定したサムネイル及び書誌的事項のファイルが機器内の記憶部34の専用記憶エリアに記憶されているか否かを判定し、記憶されているときは、記憶部34から読み出して、受信側モバイル機器へ送信し、記憶されていないときは、ファイル管理サーバ2からダウンロードして、受信側モバイル機器へ送信するので、送信側モバイル機器ユーザは、送信するファイルが送信側モバイル機器内にあるかファイル管理サーバ2上にあるかを知る必要がなく、かつそのファイルの存在場所に関わらず、共通の操作でファイル送信を行うことができる。
【0037】
なお、本発明の実施形態に関して下記(1)~(8)のような変形が可能である。
(1)S10において、ファイル指定と、「見る」又は「交換」の指示の順序を反対にする。
(2)S10において、「見る」を指示した場合に、S14で表示部33に表示されているファイルを交換するときは、「交換」を指示する。
(3)S15の通信確立を行う際、通信可能な範囲に存在するモバイル機器を探索し、発見したモバイル機器との間で通信確立を行う。
(4)S15の通信確立を行う際、予め記憶部34に記憶しておいたアドレス帳を表示部33に表示し、アドレス帳からユーザが選択したアドレスを有するモバイル機器に対して通信確立を行う。
(5)送信側モバイル機器は、受信側モバイル機器との間の通信確立をS1の後からS14の前までの任意のタイミングで実行する。
(6)受信側モバイル機器は、S32の次に、受信したファイルをファイル管理サーバ2にアップロードする。受信したファイルのサムネイルを作成して、記憶部34に記憶してもよい。ファイル管理サーバ2は、受信側モバイル機器によりアップロードされたファイルのサムネイルを作成して記憶部24に記憶するとともに、受信側モバイル機器へ送信する。受信側モバイル機器は、送信側モバイル機器から受信したファイルのサムネイルを作成して、記憶部34に記憶しておいた場合は、ファイル管理サーバ2から受信したより精緻なサムネイルに書き換える。
(7)S6やS11の判定結果を表示部33に表示する。
(8)オンラインストレージをファイル管理サーバ2の外部、例えばネットワーク1上に設ける。
【0038】
〈モバイル機器の外観〉
次に
図9~
図15を参照して、モバイル機器3-1、3-2の外観の一例について説明する。ここで、
図9は正面図、
図10は正面図における表示パネルの拡大図、
図11は背面図、
図12は左側面図、
図13は右側面図、
図14は平面図、
図15は底面図である。なお、これらの図において、表示パネルと、表示パネルに表示されるアイコン及び文字を実線で示し、表示パネル内の画像表示領域を一点鎖線で示し、それ以外(筐体の外形線など)を破線で示している。
【0039】
図9に示すように、モバイル機器の筐体の正面側には、表示パネル301が配置され、その内側中央部には、画像表示領域302が配置されている。ここでは、便宜上、画像表示領域302内を空白とした。
【0040】
図10に示すように、表示パネル301の左端の領域303には、上から順に「プレイス」アイコン、「交換」アイコン、「カメラ」アイコン、「ボイスメモ」アイコン、「設定」アイコンが表示されている。また、表示パネル301の右部の領域304には、上から順に「見る」アイコン、「交換」アイコン、「コメント」アイコン、「ファイル送信」アイコンが表示されている。これらのアイコンはタッチパネル上のボタンとして構成されており、アイコン又はその左側の文字を押下することで、モバイル機器に所定の動作を行わせることができる。なお、画像表示領域302の右端は、領域304に配置されているアイコンの文字と重なっているが、画像表示領域302に画像が表示されている状態でもアイコンの文字を視認できる。
【0041】
領域304の右側に配置されている領域305の上部には「戻る」アイコンが表示され、下部には画像表示領域302に表示されている画像ファイルを写真アルバムとして記憶部34に保存するためのアイコンが表示されている。また、これらのアイコンの間には、画像表示領域302に表示されている画像の属性情報を示す文字列が表示されている。
【符号の説明】
【0042】
1…ネットワーク、2…ファイル管理サーバ、3-1,3-2…モバイル機器、22,32…操作部、23,33…表示部、24,34…記憶部、25,36…ネットワーク通信部、26,38…制御部、37…機器間通信部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】