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特許7031726接触面積が増加した印刷システムのドライヤローラー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】接触面積が増加した印刷システムのドライヤローラー
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220301BHJP
   B65H 20/02 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
B41J2/01 125
B65H20/02
B41J2/01 305
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020209839
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2021098365
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2020-12-18
(31)【優先権主張番号】16/722474
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート ジェイ ボーランド
(72)【発明者】
【氏名】スコット アール ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】坂本 渉
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-207250(JP,A)
【文献】特開2016-205813(JP,A)
【文献】特開2014-152964(JP,A)
【文献】特開2019-052834(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03360687(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01
B65H 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライヤを含むシステムであって、
前記ドライヤは、
軸を中心に回転し、印刷媒体のウェブをガイドするように構成されたターニング装置と、
前記ドライヤの入口から前記ターニング装置に前記ウェブを搬送するように構成されたローラーと
を含み、
前記ローラーは、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ウェブとの接触面積の量を連続的に増加させるように、前記ドライヤに配置された一連の3つ以上のローラーを含み、
前記ローラーは、前記ドライヤの入口と前記ターニング装置との間の弧に沿って前記ウェブの経路を規定するように、前記ターニング装置の周りの前記弧に配置され、
前記ドライヤは、前記弧に沿って、前記ローラーと前記ターニング装置との間に半径方向に配置された支持体であり、前記ターニング装置と前記ドライヤの出口との間で前記弧に沿って前記ウェブの前記経路を反転させるように構成された支持体を更に含む、システム。
【請求項2】
前記ローラーは、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ローラーのうち隣接するものの間の距離が増加するように、互いに配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ローラーは、第1の回転方向の前記弧に沿った前記ウェブの前記経路を規定し、
前記支持体は、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向の前記弧に沿った前記ウェブの前記経路を規定する、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するにつれて、前記支持体のうち隣接するものの間の距離が減少するように、互いに配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ローラーは、前記ウェブに塗布されるインクを乾燥させるために熱を加えるように構成され、
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するにつれて、前記ローラーと交互に前記ウェブを搬送するように、前記弧に沿って前記ローラーと交錯する、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記ウェブは、前記ターニング装置に向かって移動するときに前記ローラーのそれぞれの第1の円周部に接触し、前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するときに前記ローラーのそれぞれの第2の円周部に接触し、
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するにつれて、前記ローラーのそれぞれの前記第2の円周部との前記ウェブの接触面積の量が、それぞれの後続のローラーについて増加するように、前記ローラーに対して配置される、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記支持体のうち1つ以上は、ローラーに対する位置を調整して、前記ローラーの前記第2の円周部との前記ウェブの接触面積の量を変更するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
前記一連の3つ以上のローラーの間に配置され、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ウェブと接触する1つ以上の補助ローラーを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ドライヤの上流においてインクで前記ウェブをマーキングする連続式印刷システムを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ウェブハンドリングシステムであって、
軸を中心に回転し、印刷媒体のウェブをガイドするように構成されたターニング装置と、
前記ウェブを前記ターニング装置に搬送するように構成されたローラーと
を含み、
前記ローラーは、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ウェブとの接触面積の量を連続的に増加させる一連の3つ以上のローラーを含み、
前記ローラーは、当該ウェブハンドリングシステムの入口と前記ターニング装置との間の弧に沿って前記ウェブの経路を規定するように、前記ターニング装置の周りの前記弧に配置され、
当該ウェブハンドリングシステムは、前記弧に沿って、前記ローラーと前記ターニング装置との間に半径方向に配置された支持体であり、前記ターニング装置と当該ウェブハンドリングシステムの出口との間で前記弧に沿って前記ウェブの前記経路を反転させるように構成された支持体を更に含む、ウェブハンドリングシステム。
【請求項11】
前記ローラーは、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ローラーのうち隣接するものの間の距離が増加するように、互いに配置される、請求項10に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項12】
前記ローラーは、第1の回転方向の前記弧に沿った前記ウェブの前記経路を規定し、
前記支持体は、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向の前記弧に沿った前記ウェブの前記経路を規定する、請求項10に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項13】
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から当該ウェブハンドリングシステムの前記出口に向かって移動するにつれて、前記支持体のうち隣接するものの間の距離が減少するように、互いに配置される、請求項10に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項14】
前記ローラーは、前記ウェブに塗布されるインクを乾燥させるために熱を加えるように構成され、
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から当該ウェブハンドリングシステムの前記出口に向かって移動するにつれて、前記ローラーと交互に前記ウェブを搬送するように、前記弧に沿って前記ローラーと交錯する、請求項10に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項15】
前記ウェブは、前記ターニング装置に向かって移動するときに前記ローラーのそれぞれの第1の円周部に接触し、前記ターニング装置から当該ウェブハンドリングシステムの前記出口に向かって移動するときに前記ローラーのそれぞれの第2の円周部に接触し、
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から当該ウェブハンドリングシステムの前記出口に向かって移動するにつれて、前記ローラーのそれぞれの前記第2の円周部との前記ウェブの接触面積の量が、それぞれの後続のローラーについて増加するように、前記ローラーに対して配置される、請求項14に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項16】
前記支持体のうち1つ以上は、ローラーに対する位置を調整して、前記ローラーの前記第2の円周部との前記ウェブの接触面積の量を変更するように構成される、請求項15に記載のウェブハンドリングシステム。
【請求項17】
プリンタのドライヤにおいて印刷媒体のウェブをガイドするためのターニング装置を設けるステップと、
前記ドライヤの入口と前記ターニング装置との間の前記ウェブの経路を規定するために、前記ドライヤにおいてローラーを配置するステップと、
前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ローラーのうち3つ以上との前記ウェブの接触面積の量を連続的に増加させるステップと
を含み、
前記ローラーは、前記ドライヤの入口と前記ターニング装置との間の弧に沿って前記ウェブの経路を規定するように、前記ターニング装置の周りの前記弧に配置され、
前記ドライヤは、前記弧に沿って、前記ローラーと前記ターニング装置との間に半径方向に配置された支持体であり、前記ターニング装置と前記ドライヤの出口との間で前記弧に沿って前記ウェブの前記経路を反転させるように構成された支持体を更に含む、方法。
【請求項18】
前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ローラーのうち隣接するものの間の距離を増加させるステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ターニング装置と前記ドライヤの出口との間で前記ウェブの前記経路を反転させるように前記ローラーの間に支持体を配置するステップを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ドライヤを含むシステムであって、
前記ドライヤは、
軸を中心に回転し、印刷媒体のウェブをガイドするように構成されたターニング装置と、
前記ドライヤの入口から前記ターニング装置に前記ウェブを搬送するように構成されたローラーと
を含み、
前記ローラーは、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ウェブと前記ローラーのそれぞれとの間の接触面積の量が移動平均ベースで増加するように配置された一連の3つ以上のローラーを含み、
前記ローラーは、前記ドライヤの入口と前記ターニング装置との間の弧に沿って前記ウェブの経路を規定するように、前記ターニング装置の周りの前記弧に配置され、
前記ドライヤは、前記弧に沿って、前記ローラーと前記ターニング装置との間に半径方向に配置された支持体であり、前記ターニング装置と前記ドライヤの出口との間で前記弧に沿って前記ウェブの前記経路を反転させるように構成された支持体を更に含む、システム。
【請求項21】
前記ローラーは、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ローラーのうち隣接するものの間の距離が増加するように、互いに配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ローラーは、第1の回転方向の前記弧に沿った前記ウェブの前記経路を規定し、
前記支持体は、前記第1の回転方向と反対の第2の回転方向の前記弧に沿った前記ウェブの前記経路を規定する、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するにつれて、前記支持体のうち隣接するものの間の距離が減少するように、互いに配置される、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記ローラーは、前記ウェブに塗布されるインクを乾燥させるために熱を加えるように構成され、
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するにつれて、前記ローラーと交互に前記ウェブを搬送するように、前記弧に沿って前記ローラーと交錯する、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記ウェブは、前記ターニング装置に向かって移動するときに前記ローラーのそれぞれの第1の円周部に接触し、前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するときに前記ローラーのそれぞれの第2の円周部に接触し、
前記支持体は、前記ウェブが前記ターニング装置から前記ドライヤの前記出口に向かって移動するにつれて、前記ローラーのそれぞれの前記第2の円周部との前記ウェブの接触面積の量が、それぞれの後続のローラーについて増加するように、前記ローラーに対して配置される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記支持体のうち1つ以上は、ローラーに対する位置を調整して、前記ローラーの前記第2の円周部との前記ウェブの接触面積の量を変更するように構成される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記一連の3つ以上のローラーの間に配置され、前記ウェブが前記ターニング装置に向かって移動するにつれて、前記ウェブと接触する1つ以上の補助ローラーを更に含む、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムの分野に関し、特に、印刷システムのドライヤに関する。
【背景技術】
【0002】
大量印刷の必要がある企業又は他の事業体は、典型的には、毎分数百ページを印刷可能なプロダクション印刷システムを使用する。紙のような印刷媒体のウェブ(web)は、大きいロールの形式に蓄えられ、連続シートとして解かれる。印刷中に、ウェブは、特定の間隔で少量のインクを放出するプリントヘッドの下を迅速に通過し、ウェブ上にピクセル画像を形成する。次いで、ウェブは乾燥して切断され、最終的な印刷物を製造することができる。プロダクションプリンタは高速で高品質の画像を出力するので、ウェブの乾燥プロセスが迅速で効果的で且つ効率的であることが重要である。
【発明の概要】
【0003】
ここに記載の実施形態は、接触面積が増加した印刷システムのドライヤローラーを提供する。最初にドライヤに入った後、印刷媒体のウェブは、短い距離/時間の間に初期ローラーに接触する。後続のドライヤローラーについてのウェブの接触面積は、ウェブがドライヤを通過するにつれて徐々に増加する。有利なことに、当該構成は、ローラーの間の加熱デューティサイクルをバランスさせることにより、ドライヤローラーの利用可能な加熱力をより効率的に利用する。
【0004】
一実施形態は、印刷システムのドライヤを含むシステムである。ドライヤは、軸を中心に回転し、印刷媒体のウェブをガイドするように構成されたターニング装置を含む。ドライヤはまた、ドライヤの入口からターニング装置にウェブを搬送するように構成されたローラーを含む。ローラーは、ウェブがターニング装置に向かって移動するにつれて、ウェブとの接触面積の量を連続的に増加させるように、ドライヤに配置された一連の3つ以上のローラーを含む。
【0005】
他の実施形態は、ウェブハンドリングシステムである。ウェブハンドリングシステムは、軸を中心に回転し、印刷媒体のウェブをガイドするように構成されたターニング装置を含む。ウェブハンドリングシステムはまた、ウェブをドライヤの入口からターニング装置に搬送するように構成されたローラーを含む。ローラーは、ウェブがターニング装置に向かって移動するにつれて、ウェブとの接触面積の量を連続的に増加させる一連の3つ以上のローラーを含む。
【0006】
更に他の実施形態は、印刷媒体のウェブを加熱する方法である。当該方法は、プリンタのドライヤにおいてウェブをガイドするためのターニング装置を設けるステップを含む。当該方法は、ドライヤの入口とターニング装置との間の弧に沿ってウェブの経路を規定するために、ドライヤにおいてローラーを配置するステップを更に含む。当該方法はまた、ウェブがターニング装置に向かって移動するにつれて、ローラーのうち3つ以上とのウェブの接触面積の量を増加させるステップを含む。
【0007】
更に他の実施形態は、印刷システムのドライヤを含むシステムである。ドライヤは、軸を中心に回転し、印刷媒体のウェブをガイドするように構成されたターニング装置を含む。ドライヤはまた、ドライヤの入口からターニング装置にウェブを搬送するように構成されたローラーを含む。一実施形態では、ローラーは、ウェブがターニング装置に向かって移動するにつれて、ウェブとローラーのそれぞれとの間の接触面積の量が移動平均ベースで増加するように配置される。他の実施形態では、ローラーのそれぞれは、ウェブがターニング装置に向かって移動するにつれて、ウェブとの接触面積の量を連続的に増加させる。
【0008】
上記の要約は、本明細書のいくつかの側面の基本的な理解を提供する。この要約は明細書の広範囲にわたる概要ではない。この要約は、明細書の鍵となる要素又は重要な要素を特定することを意図するものでなく、明細書の特定の実施形態の何らかの範囲又は特許請求の範囲の何らかの範囲を示すことを意図するものでもない。その唯一の目的は、明細書のいくつかの概念を、後に示されるより詳細な説明の前置きとして、簡略化した形式で提示することである。他の例示的な実施形態は以下に記載され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ここで、本発明のいくつかの実施形態について、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。同じ参照番号は、全ての図面において同じ要素又は同じ種類の要素を表す。
図1】例示的な連続式印刷システムを示す。
図2】ドライヤの側面図を示す。
図3】他のドライヤの側面図を示す。
図4】例示的な実施形態における増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するウェブハンドリングシステムの図である。
図5】例示的な実施形態における増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するドライヤの図である。
図6】他の例示的な実施形態における増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するドライヤの図である。
図7】更に他の例示的な実施形態における増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するドライヤの図である。
図8】例示的な実施形態における印刷媒体のウェブを加熱する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面及び以下の説明は、特定の例示的な実施形態を示す。したがって、当業者は、ここに明示的に記載又は図示されていないが、実施形態の原理を具体化して実施形態の範囲内に含まれる様々な構成を考案することができることが認識される。さらに、ここに記載のいずれかの例は、実施形態の原理の理解を助けることを意図するものであり、このように具体的に記載された例及び条件に限定されないものとして解釈されるべきである。その結果、本発明の概念は、以下に記載する特定の実施形態又は例に限定されず、特許請求の範囲及びこれらの均等物により限定される。
【0011】
図1は、例示的な連続式印刷システム100を示す。印刷システム100は、連続式印刷媒体(例えば、紙)のウェブ120上にインクを塗布するように構成されたプロダクションプリンタ110を含む。ここで使用される「インク」という用語は、いずれかの適切なマーキング流体(例えば、水性インク、油性塗料等)を示すために使用される。プリンタ110は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キー(K)ブラック、ホワイト又はクリアインクのようなカラーインクを塗布するインクジェットプリンタを含んでもよい。プリンタ110によりウェブ120に塗布されたインクは湿っており、これは、インクが更なる処理の前に乾燥されない場合には不鮮明になる可能性があることを意味する。1つ以上のローラー130は、ウェブ120が印刷システム100を通過するときにウェブ120を位置決めする。印刷システム100はまた、ウェブ120に塗布されるインクを乾燥させるための乾燥システム140を含む。ウェブ120はプリンタから出て乾燥システム140に搬送され、ここで乾燥システム140により受け取られる。ウェブ120はプリンタ110から乾燥システム140へ下流に移動するので、プリンタ110はドライヤの上流にある。プリンタ110及び乾燥システム140は、別個の装置又は統合されたシステムでもよい。
【0012】
図2は、ドライヤ200の側面図を示す。ドライヤ200は、その外周に熱伝導面を有する円筒形本体を含むドラム210を含む。動作中に、ウェブ120は、印刷エンジンによりインクでマーキングされ、ウェブ移動方向122に沿って移動するにつれてドライヤ200に入り、回転ドラム210の外面に巻き付く。回転ドラム210は、放射エネルギー源220の熱伝達を介して所望の温度に加熱される(放射エネルギー源220は、図示のようにドラム210の外側に配置されてもよく、及び/又はドラム210の内側の領域の内部に配置されてもよい)。ドラム210は軸212を中心に回転し、したがって、ドライヤ200の構成要素は、ドラム210の軸212又は中心からの直線に沿ったいずれかの方向である半径方向214と、半径方向214に垂直であるドラム210の回転方向と同じ円周方向216とに関して説明することができる。ドラム210はウェブ120の一貫した均一な加熱を提供するが、図2に示すような従来の乾燥システムは、比較的低い程度の乾燥適応性を有する。この理由は、ウェブ120の全経路長は一定であり且つ比較的短く、乾燥調整は、ドラム210の表面上の対応する温度変化のために、放射エネルギー源220の熱出力を単に増加/減少させることに制限されるからである。
【0013】
図3は、他のドライヤ300の側面図を示す。ドライヤ300は、ドラム210の周りの弧に沿って間隔を置いて配置された一連の第1のローラー350~359と、ドラム210の周りの弧に沿って間隔を置いて配置された一連の第2のローラー360~369との2つのグループのローラーを含む。ドラム210は、一般的に、弧の内側に配置され、ローラー350~359/360~369よりも大きい円周を有する。
【0014】
印刷の後に、ウェブ120はドライヤ入口304でドライヤ300の筐体302に入り、塗布されたインクで湿ったマーキング面324と、インクを有さない(又は、以前にマーキングされて既に乾燥している)非マーキング面326とを有する。ウェブ120は、第1のローラー350~359に接する前に、1つ以上の入口ローラー370~372の上を移動してもよい。第1のローラー350~359は、第1の方向(例えば、時計回り方向又は第1の回転方向)に弧の第1の経路に沿ってウェブ120を搬送する(すなわち、ガイドする)。第1のローラー350~359のうち1つ以上は、ウェブ120に塗布されたインクを乾燥させるために内部又は外部で加熱されてもよい。弧に沿って最後にある第1のローラー350~359の中のローラー(例えば、ローラー359)は、ウェブ120をドラム210に向かって回転させる。次いで、ウェブ120はドラム210の円周部の周りに巻き付き、ドラム210は更なる熱をウェブ120に加える。
【0015】
ドラム210の周りを移動した後に、ウェブ120は第2のローラー360~369に接する。ドラム210からウェブ120を受け入れる最初にあるローラー360~369の中のローラー(例えば、ローラー369)は、第1のローラー350~359の最終ローラー(例えば、ローラー359)に隣接して配置されてもよい。したがって、ローラー369/359は、ドラム210の実質的な円周部(例えば、300度以上の巻き付け角(wrap angle)/接触角)の周りでウェブ120に張力をかけてもよい/ウェブ120を搬送させてもよい。第2のローラー360~369は、第1の方向とは概ね反対の第2の方向(例えば、反時計回り方向又は第1の回転方向とは反対の第2の回転方向)に弧の第2の経路に沿ってウェブ120を搬送する。第2のローラー360~369は、弧に沿って第1のローラー350~359とドラム210との間の半径方向に配置される。再び逆方向(すなわち、反対方向)に弧を移動した後に、ウェブ120は、筐体302のドライヤ出口306を通ってドライヤ300を離れる前に、1つ以上の出口ローラー373~374上を移動させてもよい。
【0016】
この構成は、従来のドラムのみのドライヤと比較して増加した経路長を提供する(したがって、正確な制御によってウェブを調整するための選択肢の数が増加する)が、加熱されるエレメントの数の増加は、システム電力定格の増加を生じる可能性がある。さらに、ローラー350~359/360~369にわたる電力消費の不均衡が存在する可能性があり、ウェブ120の所望の熱プロファイルを達成する正確な温度設定を規定することが困難になる可能性がある。
【0017】
例えば、初期加熱ローラー(例えば、第1のローラー351~352)は、室温近くで熱をウェブ120に伝達するために高レートで電力を消費する可能性があり、後方の加熱ローラー(例えば、第1のローラー357~359)は、ウェブ120がこれらのローラーに到達するまでに高温になっているので、低レートで電力を消費する可能性がある。さらに、第1のローラー350~359は、共通の構成要素を含み(例えば、ドライヤ300の設置/メンテナンスを容易にするため)、したがって、同じ電力出力能力を有することが望ましくなることがある。しかし、第1のローラー350~359のそれぞれが、初期ローラー(例えば、第1のローラー351~352)の能力に適合するように比較的高い出力を有する場合、後方のローラーのいくつか(例えば、第1のローラー357~359)は、使用するのに過大なサイズになる可能性があり、その結果、ドライヤ300は高いシステム電力定格を有するが、比較的低い利用率を有する。或いは、第1のローラー350~359のそれぞれが、後方のローラー(例えば、第1のローラー357~359)の能力に適合するように比較的低い出力を有する場合、初期ローラー(例えば、第1のローラー351~352)は、ウェブ120の熱プロファイルにとって所望なような十分な熱を加えることができない。
【0018】
図4は、例示的な実施形態において増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するウェブハンドリングシステム400の図である。ウェブハンドリングシステムは、ターニング装置410と、ローラー450~452と、支持体460~461とを含む。ローラー450~452は、ウェブ120を入口404からターニング装置410に搬送するように構成される。ウェブ120は、ターニング装置410の周りに巻き付き、ウェブ120をターニング装置410から出口406にガイド/搬送する支持体460~461により張力をかけられる。ターニング装置410は、ウェブ120の移動方向122を変更するように構成されたいずれかの装置を含んでもよい。ターニング装置410は、軸を中心に回転するように、及び/又はウェブ120を加熱及び/又はガイドするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ターニング装置410は、上記のドラム210と同様のドラムを含む。同様に、ローラー450は、上記の第1のローラー350~359と同様に、ウェブ120に塗布されたインクを乾燥させる加熱ローラーを含んでもよい。
【0019】
ローラー450~452は、上記のドライヤ300の第1のローラー350~359とは異なる構成で配置されるか或いは間隔を空けて配置される。特に、ローラー450~452は、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブ120の接触面積がそれぞれの後続のローラー450~452について増加するように配置される。この文脈において、接触面積は、ウェブ120とローラー350~352のうち1つとの間の円周方向の接触面積である。ウェブ120とローラーとの間の接触面積は、巻き付け角、ローラーの半径(又は直径)の寸法、及びローラーと接触するウェブの幅の寸法に基づく。共通の半径及び固定の幅のウェブを有する一式のローラーでは、接触面積は巻き付け角に比例する。例えば、ウェブ120は、初期ローラー450(例えば、入口404に最も近い)の周りの比較的小さい第1の接触面積470と、中間ローラー451の周りの中間の第2の接触面積471と、最終ローラー452(例えば、ターニング装置410に最も近い)の周りの比較的大きい第3の接触面積472とを有する。このように、ローラー450~452は、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブ120の接触面積がそれぞれの後続のローラーについて増加するように配置される。
【0020】
この構成は、ウェブ120の電力消費の改善及び加熱プロファイルの改善を可能にする。例えば、初期ローラー450は、その限られた接触面積470(したがって接触時間)によって、ウェブ120が比較的低い温度(例えば、室温)にある時間において、ウェブ120への熱伝達量を制限するので、適度な電力消費で動作することができる。最終ローラー452もまた、適度な電力消費で動作することができる。この理由は、ウェブ120が接触を開始するときに増加した温度を有しており、最終ローラー452により近い温度にあるが、接触面積472の増加した接触距離/時間は、最終ローラー452が初期ローラー450と同様の熱伝達量を与えることを可能にするからである。対照的に、図3のドライヤ300は、ドライヤ300を通過するときのウェブ120の増加する温度にかかわらず、第1のローラー350~359がそれぞれ、ウェブ120との同様の接触面積及び接触時間を有するように構成される。ローラー450~452上の短い接触時間で開始し、ウェブ120がターニング装置410に向かって連続するローラーの間で移動するにつれて接触時間を徐々に増加させることにより、ローラー450~452は、ウェブ120の加熱プロファイルを各ローラー450~452の電力に対して改善するように、同じ熱/電力能力を有する共通の構成要素を含んでもよい。一実施形態では、ローラー450~452は、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブ120との接触面積の量を連続的に増加させ、改善した電力消費及び熱プロファイルでウェブ120を徐々に加熱するように、ウェブハンドリングシステム400に配置された一連の3つ以上のローラーを含む。
【0021】
ターニング装置410の周りに巻き付いた後/方向転換した後に、ウェブ120は、ターニング装置410から出口406へ移動する際に、支持体460~461により張力をかけられる。支持体460~461は、ウェブ120をガイドする/ウェブ120に張力をかけるのに適したいずれかのエレメントを含んでもよい。支持体460~461は、ターニング装置410と出口406との間でウェブ120の経路を反転させる。いくつかの実施形態では、ローラー450~452は第1のローラーを含み、支持体460~461は第2のローラーを含む。いくつかの実施形態では、支持体460~461は、ウェブ120が移動する際に、ウェブ120をガイドするのに適した湾曲面である。図4に示すように、支持体460~461は、ウェブ120が反対方向に移動する際にウェブ120を再びローラー450~452に接触させるように、ローラー450~452に対して配置されてもよい。すなわち、ウェブ120は、ターニング装置410に向かって移動するときにローラー450~452のそれぞれの第1の円周部(例えば、前方部)に接触し、ターニング装置410から離れて出口406に向かって移動するときにローラー450~452のそれぞれの第2の円周部(例えば、後方部)に接触する。
【0022】
図5は、例示的な実施形態における増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するドライヤ500の図である。ドライヤ500は、筐体502と、ローラー550~559と、ターニング装置410と、支持体560~569とを含む。入口404を通ってドライヤ500に入った後に、ウェブ120は、ターニング装置410の周りに巻き付く前に、初期ローラー550、次いで、後続のローラー551~559に順次接する。初期ローラー550の周りのウェブ120の接触面積は比較的小さく(例えば、その周囲の10度未満)、ターニング装置410の前の最後のローラー559の周りの接触面積が比較的大きくなる(例えば、その周囲の100度以上)ように、それぞれ連続するローラーとともに増加する。この例に示すように、いくつかの実施形態では、各ローラー及び/又は全てのローラー550~559は、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブ120との接触面積の量を連続的に増加させてもよい。いくつかの実施形態では、ドライヤ500におけるローラー550~559の数は、3以上12以下の整数である。
【0023】
さらに、図5に示すように、ローラー550~559は、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ローラー550~559のうち隣接するものの間の距離が増加するように、互いに配置されてもよい。すなわち、ローラー550~551の間の第1の距離570は、ローラー551~552の間の第2の距離571よりも小さく、ローラー558~559の間の第3の距離578が最大になるまで同様である。したがって、ウェブ120がローラー550~559に沿ってターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブ120の滞留時間(非加熱時間)が増加する。有利なことに、これは、ドライヤ300と比較して、乾燥プロセスにおいてより早くウェブ120(及び塗布されたインク)の温度を上昇させて、同様のシステム電力で改善した乾燥を達成する。
【0024】
また、図5に示すように、ローラー550~559は、ドライヤ500の入口404とターニング装置410との間の弧に沿ってウェブ120の経路を規定するように、ターニング装置410の周りの1つ以上の弧(例えば、複数の弧で構成される螺旋パターン)に沿って配置されてもよい。支持体460~469は、弧に沿って、ローラー550~559とターニング装置410との間に半径方向に配置されてもよい。このように、ローラー550~559は、第1の回転方向の弧に沿ったウェブ120の経路を規定してもよく、支持体560~569は、第1の回転方向と反対の第2の回転方向の弧に沿ったウェブ120の経路を規定してもよい。
【0025】
支持体560~569の位置は、ローラー550~559の位置に対応してもよい。例えば、支持体560はローラー559に対応し、支持体561はローラー558に対応し、以下同様である。したがって、支持体560~569は、ウェブ120がターニング装置410からドライヤ500の出口406に向かって移動するにつれて、支持体560~569のうち隣接するものの間の距離が減少するように、互いに配置されてもよい。さらに、支持体560~569は、ウェブ120がターニング装置410からドライヤ500の出口406に向かって移動するにつれて、ローラー550~559のそれぞれの第2の円周部とのウェブ120の接触面積の量が、それぞれの後続のローラーについて増加するように、ローラー550~559に対して配置されてもよい。すなわち、ウェブ120は、ローラー559の第2の円周部に比較的少なく接触し、ローラー550の第2の円周部に比較的大きく接触するまで、後続のローラーについて接触を徐々に増加させる。有利なことに、ローラー550~559に沿った第2の経路に対するウェブ120の接触/熱時間の増加は、ウェブ120が、ドライヤ500を出るときにドライヤ500内で戻って再び熱を伝達することを可能にし、温度設定点を増加させ、ウェブ120の出力温度を減少させ、乾燥効率を更に改善する。
【0026】
図6は、他の例示的な実施形態において増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するドライヤ600の図である。特に、図6は、1つ以上の支持体560~569(例えば、支持体563)が、ローラー(例えば、対応するローラー556)に対する位置を調整して、ローラーの第2の円周部とのウェブ120の接触面積の量を変更するように構成されてもよいことを示す。したがって、ドライヤ600は、対応するローラー550~559に対する支持体560~569の物理的位置を調整するために、支持体560~569に結合された1つ以上の移動機構610を含んでもよく、これらの間の交錯(interlacing)の量に対する調整を行う。移動機構610は、ネジ、レバー、リニアアクチュエータ、モータ、ギア及び/又は支持体560~569の位置を調整するための他の適切な装置を含んでもよい。ウェブハンドリングシステム400はまた、支持体460~461の位置を調整するために、同様の方法で移動機構610を組み込んでもよい。
【0027】
交錯したローラー構成は、ローラーと支持体との間の相対位置を示す。上記のように、ウェブ120がターニング装置410と出口406との間で第2の方向に移動するにつれて、支持体560~569及びローラー550~559との接触を交互に行うように、支持体560~569は、ローラー550~559の間の空間を占有してもよい。重なりの量、すなわち、ウェブの移動に垂直な方向に沿った支持体とローラーとの間の相対的な距離は、ウェブ120が第2の方向に移動するときに、ウェブ120とローラー550~559との間に対応する量の接触/熱を与える。ウェブ120のマーキング面324に塗布されたインクは、それが支持体560~569に接触し始めるときまでに不鮮明にならないように十分に乾燥する可能性があるが、十分な印刷/乾燥品質にウェブ120を調整するために、ウェブ120が第2の方向に移動するときに、ローラー550~559によってウェブ120に更に熱を伝達することが、いくつかの理由から望ましくなり得る。
【0028】
したがって、ウェブ120は、ウェブ120が弧に沿って第1の回転方向に移動するときに、ウェブ120の非マーキング面326とローラー550~559のそれぞれの第1の円周部との間の加熱された接触を介して乾燥されてもよい。ウェブ120は、ウェブ120が逆方向に弧に沿って第2の回転方向に移動するときに、ウェブ120のマーキング面324と第1のローラー550~559のそれぞれの第2の円周部との間の加熱された接触を介して更に乾燥されてもよいが、この場合、支持体560~596とローラー550~559との間でジグザグ状に交互配置する。支持体460~469は、通紙(paper threading)、ローラークリーニング、特定の乾燥用途等のために、交錯していない位置(例えば、ローラー550~559に接触するようにウェブ120をガイドしないような支持体)に係合解除するように、及び/又は交錯の量を調整して、ウェブ120に加えられる接触面積又は熱における対応する調整を生じるように構成されてもよい。
【0029】
図6に示すように、ターニング装置410は、筐体502の相対的に中心に或いはその近くに配置されてもよく、半径方向214に互いに離れて配置された構成要素は、ターニング装置410の周りの同心円の弧に沿って配置される。例えば、ターニング装置410に最も近い第1の弧は支持体460~469を含んでもよく、第2の弧はローラー550~559を含んでもよく、ターニング装置410から最も遠い第3の弧は、ウェブ120を加熱するための1つ以上の赤外線熱エネルギー源680を含んでもよい。それぞれの弧は、ターニング装置410の実質的な円周方向部(例えば、270度以上)にまたがってもよい。弧はまた、ターニング装置410の円周から及び/又は他の弧への均一な距離を有する半円形又は円形状の経路を含んでもよい。しかし、ドライヤ600内で、別の弧スパン量、不均一な弧経路、非円形の弧経路及び異なる弧の組み合わせが可能である。さらに、ウェブハンドリングシステム400及び/又はドライヤ500/600は、明示的に図示及び記載されているもの以外に、弧における異なる数又は組み合わせの構成要素を実装してもよい。
【0030】
図7は、更に他の例示的な実施形態における増加するウェブ接触面積を有するローラーを有するドライヤ700の図である。一実施形態では、ローラー550~559は、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれてウェブ120の接触面積が平均して増加するように配置されてもよい。例えば、ドライヤ700の高さは制限されてもよく、ローラー550~559は、より低いドライヤプロファイル内に適合するように楕円構成に配置されてもよい(図5~6に示す円形構成ではない)。したがって、経路の中間に、1つ以上の後続の下流のローラー(例えば、ローラー556~557)よりも多くの接触面積を有する1つ以上のローラー(例えば、ローラー555)が存在してもよい。この理由は、その中間ローラーは、楕円経路内の尖った方の曲線の近くに配置され得るからである。それにもかかわらず、後続の下流のローラーのうち1つ以上は、曲線において配置された前のローラーと比較してウェブ120との接触が少ないが、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブ接触面積の量は平均して増加する。
【0031】
一実施形態では、ローラー550~559は、ウェブ120とローラー550~559のそれぞれとの間の接触面積が、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて移動平均ベースで増加するように、ドライヤ700において配置される。接触面積の移動平均ベースは、ローラー120におけるウェブの接触面積と、前のローラーのそれぞれにおけるウェブの接触面積との平均として、各ローラーにおいて定義されてもよい。図7に示すように、いくつかの実施形態では、1つ以上の更なるローラー(例えば、ローラー555)は、ウェブ接触面積を順に増加させるローラーのサブセット又は一連のローラー(ローラー550~554及びローラー556~559)の間に配置されてもよい。したがって、この例では、ドライヤ700は、ウェブ接触面積を連続的に増加させる複数のひと続きの連続したローラーを含んでもよく、それぞれのひと続きは、3つ以上のローラーを含んでもよい。
【0032】
他の実施形態では、ウェブ120に接触して搬送する1つ以上の補助ローラーが、一連のローラー(例えば、ローラー550~554又はローラー556~559)内に配置されてもよい。例えば、ローラー550とローラー551との間(例えば、一連のローラー550~552内)及び/又はローラー556とローラー557との間でウェブと接触するように、1つ以上の補助ローラーが配置されてもよい。1つ以上の補助ローラーは、ウェブ120の補助的な搬送ガイド又は乾燥を提供してもよい。それにもかかわらず、一連のローラー(例えば、ローラー550~554又はローラー556~559)は、1つ以上の補助ローラーにかまわず、連続的にウェブ接触面積を増加させてもよい。
【0033】
図8は、例示的な実施形態における印刷媒体のウェブを加熱する方法800を示すフローチャートである。方法800のステップについて、図6のドライヤ600を参照して説明するが、当業者は、方法800が他のシステムにおいて実行されてもよいことを認識する。ここに記載のフローチャートのステップは、全て包含的なものではなく、図示しない他のステップを含んでもよい。ここに記載のステップはまた、任意選択で実行されてもよく、或いは、別の順序で実行されてもよい。
【0034】
ステップ802において、ターニング装置410は、ウェブ120をガイドするようにドライヤ600に提供される。ステップ804において、入口404とターニング装置410との間のウェブ120の経路を規定するために、ドライヤ600においてローラー550~559が配置される。ステップ806において、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ウェブの接触面積の量は、ローラー550~559のうち3つ以上で連続的に増加する。ステップ808において、ウェブ120がターニング装置410に向かって移動するにつれて、ローラー550~559のうち隣接するものの間の距離が増加する。ステップ810において、ターニング装置410と出口406との間でウェブ120の経路を反転させるために、支持体560~569がローラー550~559の間に配置される。支持体560~569は、反転経路上のローラー550~559上の接触時間/量を調整するように、移動機構610を介して調整される。
【0035】
ここに記載の特定の構成要素の配置、数及び構成は、限定的ではなく、例として提供される。ここでは特定の実施形態について説明したが、本発明の概念の範囲は、これらの特定の実施形態に限定されない。本発明の概念の範囲は、以下の特許請求の範囲及びこれらの均等物により定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8