(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-28
(45)【発行日】2022-03-08
(54)【発明の名称】フロースルー源を有するチャンバ
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20220301BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220301BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220301BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20220301BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101C
H01L21/31 C
C23C16/509
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017171665
(22)【出願日】2017-09-07
【審査請求日】2020-08-31
(32)【優先日】2016-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー, ドミトリー
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-021446(JP,A)
【文献】特開2001-077029(JP,A)
【文献】特表2014-532988(JP,A)
【文献】特開平07-106095(JP,A)
【文献】特開2002-252215(JP,A)
【文献】特開平10-189296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00- 1/54
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバの内部領域を少なくとも部分的に画定するチャンバハウジングと、
前記チャンバハウジング内に位置付けられたシャワーヘッドであって、前記内部領域を
、基板を含むことができる処理領域と
、前記シャワーヘッドを挟んで前記処理領域の反対側にある遠隔領域とに少なくとも部分的に分割するシャワーヘッドと、
前記シャワーヘッドと前記処理領域との間に位置付けられた誘導結合されたプラズマ源であって、誘電材料内に
、流れる流体を受容するように構成された導電性材料
のチューブと、前記シャワーヘッド側から前記処理領域まで貫通する一又は複数の開孔と、を含む誘導結合されたプラズマ源と
を備える、半導体処理チャンバ。
【請求項2】
前記誘電材料が、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、単結晶シリコン、及び石英から成る群から選択される、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項3】
前記導電性材料
のチューブが、銅チューブ内を流れる流体を受容するように構成された前記銅チューブ
である、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項4】
前記誘電材料が、前記誘導結合されたプラズマ源を通る
前記一又は複数の開孔を画定し、前記導電性材料
のチューブが、前記誘電材料内の前記
一又は複数の開孔周囲に位置付けられる、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項5】
前記導電性材料
のチューブが、前記誘電材料内の平面の螺旋パターンで構成される、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項6】
前記導電性材料
のチューブが、
少なくとも
完全な2巻きのために前記誘電材料内を垂直に延びるコイル
状に構成される、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項7】
前記導電性材料
のチューブが、前記誘導結合された源内に位置付けられた2つの導電性チューブ
である、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項8】
前記2つの導電性チューブが第1のチューブと第2のチューブであり、前記第2のチューブが
前記第1のチューブの径方向内側にある、請求項7に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項9】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブがRF源に結合されている、請求項8に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項10】
前記誘導結合された源が、まとめて結合された少なくとも2つの板を備え、各板がチャネルの少なくとも一部を画定し、前記導電性材料
のチューブが、前記少なくとも2つの板の各々によって少なくとも部分的に画定された前記チャネル内に収納される、請求項1に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項11】
第1の板内にチャネルの少なくとも一部を画定する第1の板であって、誘電材料を備える第1の板と、
前記チャネルの前記少なくとも一部内に位置
し、流れる流体を受容するように構成された導電性材料
のチューブであって、螺旋又はコイル構成によって特徴付けられ、RF源に結合されている導電性材料
のチューブと
、
前記第1の板を一方の板面側から他方の板面側まで貫通する一又は複数の開孔と、
を備える、誘導結合されたプラズマ源。
【請求項12】
前記一又は複数の開孔の各開孔の中心軸が、前記チャネルの前記少なくとも一部に対して垂直である、請求項
11に記載の誘導結合されたプラズマ源。
【請求項13】
前記第1の板が、第1のチャネルの少なくとも一部及び第2のチャネルの少なくとも一部を画定し、前記導電性材料
のチューブが、少なくとも、前記第1のチャネルの前記少なくとも一部内に位置する第1の導電性材料と前記第2のチャネルの前記少なくとも一部内に位置する第2の導電性材料とを備える、請求項
11に記載の誘導結合されたプラズマ源。
【請求項14】
前記第1の板と第2の板との間で前記導電性材料
のチューブを包囲する前記第1の板に結合した第2の板であって、前記第1の板を通って画定された開孔と軸方向に位置合わせされた第2の開孔を画定する第2の板を更に備える、請求項
11に記載の誘導結合されたプラズマ源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年10月4日出願の米国特許出願第15/285,176号の優先権を主張し、その全内容がすべての目的のために参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の技術は、半導体システム、プロセス及び機器に関する。より具体的には、本発明の技術は、チャンバ内に誘導結合されたプラズマ源を含み得る処理チャンバに関する。
【背景技術】
【0003】
集積回路は、基板表面上に複雑にパターン形成された材料層を形成するプロセスによって可能になる。基板上にパターン形成された材料を形成するには、露出した材料を除去する制御された方法が必要である。化学エッチングは、下位層にフォトレジストでパターンを転写する、層を薄くする、又は表面にすでにある特徴の横寸法を薄くすることを含む、様々な目的に使用される。多くの場合、1つの材料を別の材料よりも早くエッチングして、例えばパターン転写プロセスを促進するエッチングプロセスを有することが望ましい。上記エッチングプロセスは、第1の材料に対して選択的であると言われる。材料、回路、及びプロセスに多様性があるために、様々な材料に対して選択性を有するエッチングプロセスが開発されてきた。
【0004】
各プロセスは、プロセスで使用される材料に基づき、湿式又はドライと称されることがある。湿式HFエッチングは、その他の誘電体及び材料よりも酸化ケイ素を優先的に除去する。しかしながら、湿式プロセスは、いくつかの制約されたトレンチに浸透することが難しく、しばしば残りの材料が変形してしまうこともある。基板の処理領域内に形成された局所プラズマにおいて行われるドライエッチングは、より制約のあるトレンチに浸透することができ、壊れやすい残りの構造の変形が抑えられる。しかしながら、局所プラズマは、局所プラズマが放電する時に作られる電気アークによって基板に損傷を与えることがある。
【0005】
したがって、高品質のデバイス及び構造を形成するために使用することができる改良されたシステム及び方法が必要とされる。これらの要求及びその他の要求が、本発明の技術によって対処される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の技術による半導体処理システム及び方法は、半導体処理チャンバの内部領域を少なくとも部分的に画定するチャンバハウジングを含む半導体処理チャンバを含み得る。チャンバは、チャンバハウジング内に位置付けられたシャワーヘッドを含み、シャワーヘッドは、内部領域を遠隔領域と基板を含むことができる処理領域とに少なくとも部分的に分割し得る。チャンバはまた、シャワーヘッドと処理領域との間に位置付けられた誘導結合されたプラズマ源も含み得る。誘導結合されたプラズマ源は、誘電材料内に導電性材料を含み得る。
【0007】
実施形態において、誘電材料は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、単結晶シリコン、及び石英から成る群から選択され得る。加えて、導電性材料は、チューブ内を流れた流体を受容するように構成された銅チューブを含み得る。誘電材料は、誘導結合されたプラズマ源を通る開孔を画定し得る。幾つかの実施形態では、導電性材料は、誘電材料内の開孔周囲に位置付けられ得る。開孔は、誘電材料全域で導電性材料周囲に均一のパターンで含まれ得る。幾つかの実施形態では、導電性材料は、誘電材料内の平面の螺旋パターンで構成され得る。他の実施形態では、導電性材料は、導電性材料の少なくとも2つの完全な回転のために誘電材料内を垂直に延びるコイルの中に構成され得る。
【0008】
例示的プラズマ源において、導電性材料は、誘導結合された源内に位置付けられた2つの導電性チューブを含み得る。第1のチューブは、誘導結合された源内の第1の構成に含まれ、第2のチューブは、誘導結合された源内の第2の構成に含まれ得る。幾つかの実施形態では、第2の構成は、第1の構成の径方向内側にあり得る。第1の構成及び第2の構成は各々、誘電材料内を垂直に延びるコイル状の構成であり得る。他の実施形態では、第1の構成及び第2の構成は各々、誘導結合された源の同一平面内の平面構成であり得る。第1のチューブ及び第2のチューブは、RF源に結合され得、幾つかの実施形態では、第1のチューブ及び第2のチューブは各々、容量性の分割器を通してRF源に結合され得る。加えて、幾つかの実施形態では、誘導結合された源は、結合された少なくとも2つの板を含み得る。少なくとも2つの板の各板は、チャネルの少なくとも一部を画定し、導電性材料は、少なくとも2つの板の各々によって少なくとも部分的に画定されたチャネル内に収納され得る。
【0009】
本発明の技術はまた、誘導結合されたプラズマ源を包囲する。例示的源は、第1の板内にチャネルの少なくとも一部を画定する第1の板を含み得る。第1の板は、例えば誘電材料を含み得る。例示的源はまた、チャネルの少なくとも一部内に位置する導電性材料を含み得る。幾つかの実施形態では、導電性材料は、螺旋又はコイル構成によって特徴付けられ得る。加えて、導電性材料は、RF源に結合され、源全域でプラズマを発生させるように構成され得る。
【0010】
幾つかの例示的源において、第1の板は、第1の板を通る開孔を画定し、各開孔の中心軸は、チャネルの少なくとも一部に対して垂直であり得る。幾つかの実施形態では、源は、少なくとも3インチの厚さによって特徴付けられ得る。実施形態において、第1の板は、第1のチャネルの少なくとも一部及び第2のチャネルの少なくとも一部を画定し得る。導電性材料は、少なくとも、第1のチャネルの少なくとも一部内に位置する第1の導電性材料と、第2のチャネルの少なくとも一部内に位置する第2の導電性材料とを含み得る。例示的源は、第1の板と第2の板との間に導電性材料を包囲する第1の板に結合された第2の板を更に含み得る。実施形態において、第2の板は、第1の板を通って画定される開孔と軸方向に位置合わせされた第2の開孔を画定し得る。
【0011】
本発明の技術は、加えて、半導体処理チャンバを含む。例示的チャンバは、半導体処理チャンバの内部領域を少なくとも部分的に画定するチャンバハウジングを含み得る。チャンバハウジングは、前駆体を半導体処理チャンバ内へ受容するための注入口を含むリッドアセンブリを含み得る。チャンバはまた、半導体処理チャンバの内部領域内にペデスタルを含み得る。チャンバは、チャンバハウジング内に位置付けられたシャワーヘッドを含み得る。実施形態では、シャワーヘッドは、リッドアセンブリとペデスタルとの間に位置付けられ得る。加えて、チャンバは、シャワーヘッドとペデスタルとの間に位置付けられた誘導結合されたプラズマ源を含み得る。誘導結合されたプラズマ源は、誘電材料内に導電性材料を含み得る。
【0012】
そのような技術は、従来のシステム及び技術よりも多数の利点を提供し得る。例えば、本発明の技術による誘導性源は、電極からの構成要素スパッタリングを低減し得る。加えて、本発明の技術のプラズマ源は、イオン密度からのプラズマイオンエネルギーの分離を可能にし得る。これら多数の利点及び特徴と共に、これらの実施形態及びその他の実施形態を、下記の説明及び添付の図面と合わせてさらに詳細に説明する。
【0013】
本発明の手法の性質及び利点は、本明細書の残りの部分と図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の技術の実施形態による例示的処理システムの上面図を示す。
【
図2】本発明の技術の実施形態による例示的処理チャンバの概略断面図を示す。
【
図3】本発明の技術の実施形態による例示的シャワーヘッドの底面図を示す。
【
図4】本発明の技術の実施形態による例示的面板の平面図を示す。
【
図5】本発明の技術の実施形態による例示的処理チャンバの断面図を示す。
【
図6】本発明の技術の実施形態による例示的プラズマ源の平面図を示す。
【
図7】本発明の技術の実施形態による
図6の例示的プラズマ源の断面図を示す。
【
図8】本発明の技術の実施形態による例示的プラズマ源の平面図を示す。
【
図9】本発明の技術の実施形態による例示的プラズマ源の平面図を示す。
【
図10】本発明の技術の実施形態による例示的処理チャンバの断面図を示す。
【
図11】本発明の技術の実施形態による例示的プラズマ源の平面図を示す。
【
図12】本発明の技術の実施形態による
図11の例示的プラズマ源の断面図を示す。
【
図13】本発明の技術の実施形態による例示的方法の工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面の幾つかは、概略図として含まれている。図面は例示のためのものであり、縮尺について特に規定されていない限り、正しい縮尺と見なすべきではないことに留意されたい。加えて、概略図として、図面は、理解を促すために提供されており、実際の描写表現と比べると態様又は情報をすべて含んでいるわけではなく、例示手目的で追加の材料又は強調された材料を含むこともある。
【0016】
添付図面において、類似の構成要素及び/又は特徴は、同一の参照符号を有することがある。更に、同類の様々な構成要素は、類似の構成要素を区別する文字により、参照符号に従って区別されることがある。第1の参照符号のみが本明細書において使用されている場合、その説明は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちの任意の1つに適用可能である。
【0017】
本発明の技術は、調整したエッチング処理を含む半導体処理のためのシステム及び構成要素を含む。利用可能なある処理チャンバは、複数のプラズマ機構、例えばウエハレベルにおける機構や遠隔プラズマ源などを含み得る。ウエハレベルでのプラズマは、2つの電極間に形成された容量結合プラズマを介して形成され得ることが多い。これらの電極の一方又は両方は、シャワーヘッド、ペデスタル、又はチャンバ壁などの追加のチャンバ構成要素であってもよく、又はこれらを含んでもよい。しかしながら、20mTorrで50Wの電力など、比較的低レベルのプラズマ出力及びチャンバ圧力においてでさえ、電極における誘導電圧は、数百ボルトとなることがある。これにより、電極自体のスパッタリングが引き起こされ、スパッタリングされた粒子材料がウエハの上に導入されることがある。これらの粒子は、ウエハ全域における均一性を実現できないことがあり、最終的に製造された回路の短絡を引き起こす可能性がある導電性材料を堆積させることがある。
【0018】
従来技術は、炭素含有コーティング又はケイ素含有コーティングなどのポリマーコーティングでチャンバ構成要素をシーズニングすることによって、このスパッタリング問題に対処することができた。そのようなポリマー層は、容量結合源電極の表面でパッシベーション層として作用し得る。しかしながら、そのようなコーティングは、シャワーヘッド又は構成要素に均一性を提供することが難しく、完全に被覆せず、なおも経時的に劣化し、ポリマー材料がウエハ上に堆積していくことにつながり兼ねない。
【0019】
本発明の技術は、チャンバ自体の内部の誘導結合されたプラズマ(「ICP」)源を用いることによって、これらの問題を克服し得る。ICP源は、電極スパッタリングを少なくとも部分的に決定し得る、同一電力の容量結合プラズマ源よりも生成し得る電圧がずっと低い。加えて、ICP源の動作が容量結合源の2つの板の動作と異なるので、プラズマイオン密度及びイオンエネルギーは、本発明の技術による例示的チャンバにおいて分離され得る。これにより、従来技術を上回る、改良されたプラズマチューニング及び特徴修正が可能になり得る。
【0020】
残りの開示内容は、本発明の技術を利用した特定のエッチング処理を規定通りに識別するものであるが、システム及び方法は、記載されたチャンバで起こりうる堆積及び洗浄プロセスに等しく適用可能であることは、容易に理解できることである。したがって、この技術は、エッチング処理のみでの使用に限定されるものと考えるべきではない。
【0021】
図1は、実施形態による、堆積チャンバ、エッチングチャンバ、ベーキングチャンバ、及び硬化チャンバの処理システム100の1つの実施形態の上面図を示す。
図1に示される処理ツール100は、複数の処理チャンバ114A-D、移送チャンバ110、サービスチャンバ116、一体型計測チャンバ117、及び一対のロードロックチャンバ106A-Bを含有し得る。処理チャンバは、追加の処理チャンバに加え、
図2に関して記載されるものに類似の構造又は構成要素を含み得る。
【0022】
チャンバの間で基板を輸送するために、移送チャンバ110は、ロボット輸送機構113を含有し得る。輸送機構113は、延長可能なアーム113Bの遠位端にそれぞれ取り付けられた一対の基板輸送ブレード113Aを有し得る。ブレード113Aは、個々の基板を処理チャンバに及び処理チャンバから運ぶために使用され得る。動作中に、輸送機構113のブレード113Aなどの基板輸送ブレードの1つが、チャンバ106A-Bなどのロードロックチャンバの1つから基板Wを回収し、例えば、チャンバ114A-Dにおける以下に記載されるエッチング処理などの第1段階の処理に基板Wを運び得る。チャンバが使用中の場合、ロボットは、処理が完了するまで待機し、次いで処理した基板を1つのブレード113Aによりチャンバから除去し、第2のブレード(図示されず)で新しい基板を挿入し得る。基板はいったん処理されると、次に第2段階の処理に移動し得る。移動毎に、輸送機構113は、一般的に、基板を運ぶ1つのブレードと、基板交換を実行するための1つの空のブレードとを有し得る。移送機構113は、交換が遂行可能となるまで各チャンバで待機し得る。
【0023】
処理チャンバ内で処理がいったん完了すると、輸送機構113は、基板Wを最後の処理チャンバから移動させ、基板Wをロードロックチャンバ106A-B内のカセットに輸送し得る。ロードロックチャンバ106A-Bから、基板はファクトリインターフェース104内に移動し得る。ファクトリインターフェース104は、一般的に、大気圧清浄環境のポッドローダ105A-Dとロードロックチャンバ106A-Bとの間で基板を移送するために動作し得る。ファクトリインターフェース104の清浄環境は、一般的に、例えばHEPAろ過などの空気ろ過処理を介して提供され得る。ファクトリインターフェース104はまた、処理前に基板を正しく位置合わせするために使用され得る基板オリエンタ/アライナ(図示されず)を含み得る。ロボット108A-Bなどの少なくとも1つの基板ロボットは、ファクトリインターフェース104内の種々の位置/場所の間とそれらに連通する他の場所に基板を輸送するために、ファクトリインターフェース104の中に位置付けら得る。ロボット108A-Bは、ファクトリインターフェース104の第1の端から第2の端まで筐体104内を軌道システムに沿って移動するように構成され得る。
【0024】
処理システム100は、処理チャンバで実行されている処理の何れかにわたって適応性のある制御を提供し得る、制御信号を提供するために、一体型計測チャンバ117を更に含み得る。一体型計測チャンバ117は、厚さ、粗さ、組成など、種々の膜特性を測定するために種々の計測デバイスの何れかを含み得、計測デバイスは、更に、自動化された方法で、真空下での限界寸法、側壁角度、及び特徴高さ等の格子パラメータを特徴付けることができる。
【0025】
ここで
図2を参照すると、本発明の技術による例示的処理チャンバシステム200の断面図が示される。チャンバ200は、例えば、先ほど検討されたシステム100の処理チャンバセクション114のうちの一又は複数で使用され得る。一般的に、エッチングチャンバ200は、イオンミリング動作を実施するための第1の容量結合プラズマ源と、エッチング動作及びオプションの堆積動作を実施するための第2の容量結合プラズマ源とを含み得る。更に以下で説明される実施形態では、チャンバは、追加のイオンエッチング動作を実行するための誘導結合されたプラズマ源を更に含み得る。チャンバ200は、チャック250を取り囲む接地チャンバ壁240を含み得る。実施形態において、既知であろう他のクランプ機構が用いられてもよいが、チャック250は、処理中にチャック250の上面に基板202を締める静電チャックであり得る。チャック250は、埋め込まれた熱交換コイル217を含み得る。例示的実施形態では、熱交換コイル217は、チャック250の温度、及び最終的には基板202の温度を制御するために、エチレングリコール/水混合物などの熱移送流体がそれを介して通過し得るような一又は複数の熱移送流体チャネルを含む。
【0026】
チャック250は、メッシュ249が基板202の静電気的クランプを実施するためにDCバイアス電位を運び得るように、高圧DC供給248に結合されたメッシュ249を含み得る。チャック250は、第1のRF電源に結合され得、そのような1つの実施形態では、メッシュ249は、DC電圧オフセット及びRF電圧電位の双方が、チャック250の上面の薄い誘電体層全域で結合されるように、第1のRF電源に結合され得る。例示的実施形態では、第1のRF電源は、第1及び第2のRF発生器252、253を含み得る。RF発生器252、253は、任意の産業上利用される周波数で動作し得るが、例示的実施形態では、RF発生器252は、有利な方向性を提供するために60MHzで動作し得る。第2のRF発生器253も提供される場合、例示的周波数は、2MHzであり得る。
【0027】
RF電力供給されるチャック250により、RFリターン経路が、デュアルチャネルシャワーヘッドを含み得る第1のシャワーヘッド225によって提供され得る。第1のシャワーヘッド225は、第1のシャワーヘッド225及びチャンバ壁240によって画定された第1のチャンバ領域284内に第1の供給ガスを分散させるためにチャックの上に配置され得る。したがって、チャック250及び第1のシャワーヘッド225は、第1のチャンバ領域284内の第1の供給ガスの第1のプラズマ270に容量性のエネルギーを与えるために第1のRF結合電極ペアを形成する。RF電力供給されたチャックの容量性の結合から生じる、DCプラズマバイアス、又はRFバイアスは、イオンミリングプラズマを供給するために、例えば、第1の供給ガスがArであるArイオンなどのイオンフラックスを第1のプラズマ270から基板202に生成し得る。第1のシャワーヘッド225は、接地されてもよく、又は交互に、例えば13.56MHz又は60MHzなどの、チャック250以外の周波数で動作可能な一又は複数の発生器を有するRF源228に結合されてもよい。図示された実施形態では、第1のシャワーヘッド225は、例えばコントローラ(図示されず)によって、エッチング処理中に自動的に制御され得るリレー227を通して、接地又はRF源228に選択可能に結合され得る。開示された実施形態では、チャンバ200は、シャワーヘッド225又は誘電体スペーサ220を含まなくてもよく、その代わりに、更に以下に記載されるバッフル215及びシャワーヘッド210のみを含んでいてもよい。
【0028】
図に更に示されるように、エッチングチャンバ200は、低い処理圧力で高いスループットが可能なポンプスタックを含み得る。実施形態において、少なくとも1つのターボ分子ポンプ265、266は、一又は複数のゲートバルブ260を通して第1のチャンバ領域284に結合され、第1のシャワーヘッド225に対向するチャック250の下に配置され得る。ターボ分子ポンプ265、266は、適切なスループットを有している任意の市販のポンプであり、より具体的には、例えば、アルゴンが第1の供給ガスである場合、50sccmから500sccmまでのArなど、第1の供給ガスの所望の流量で約10mTorr以下又は約5mTorr以下に処理ガスを維持するために適切にサイズ決定され得る。図示された実施形態では、チャック250は、2つのターボポンプ265と266との間で中心に置かれるペデスタルの一部を形成し得るが、代替構成では、チャック250は、チャック250の中心に位置合わせされた中心を有する単一のターボ分子ポンプを含むチャンバ壁240から一端が飛び出したペデスタルの上にあってもよい。
【0029】
第2のシャワーヘッド120は、第1のシャワーヘッド225の上に配置され得る。1つの実施形態では、処理中に、例えば、ガス供給システム290から供給されたアルゴンなどの第1の供給ガス源は、ガス注入口276に結合され得、第1の供給ガスは、第2のシャワーヘッド210を通って延びる複数の開孔280を介して第2のチャンバ領域281内へ、及び第1のシャワーヘッド225を通って延びる複数の開孔282を介して第1のチャンバ領域284内へ流れる。開孔278を有する追加の流れ分散器又はバッフル215は、分散領域218を通ってエッチングチャンバ200の直径全域に第1の供給ガス流216を更に分散させ得る。代替的実施形態では、第1の供給ガスは、点線223によって示されるように、第2のチャンバ領域281から分離した開孔283を介して、第1のチャンバ領域284内に直接流れ得る。
【0030】
チャンバ200は、加えて、エッチング動作を実行するために図示された状態から再構成されてもよい。二次的電極205が第1のシャワーヘッド225の上方に配置され得、第2のチャンバ領域281がそれらの間に存在する。二次的電極205は、エッチングチャンバ200のリッド又は上面板を更に形成し得る。二次的電極205及び第1のシャワーヘッド225は、第2のチャンバ領域281内で第2の供給ガスの第2のプラズマ292を容量的に放電するために、誘電体リング220によって電気的に絶縁され、第2のRF結合電極ペアを形成し得る。有利には、第2のプラズマ292は、チャック250の上にかなりのRFバイアス電位を供給しなくてもよい。第2のRF結合電極ペアの少なくとも1つの電極は、エッチングプラズマにエネルギーを与えるためにRF源に結合され得る。二次的電極205は、第2のシャワーヘッド210に電気的に結合され得る。例示的実施形態では、第1のシャワーヘッド225は、接地平面に結合されても浮遊していてもよく、リレー227を通して接地に結合されてもよく、第1のシャワーヘッド225は、動作のイオンミリングモード中にRF電源228によって電力供給も可能になる。第1のシャワーヘッド225が接地される場合、例えば13.56MHz又は60MHzで作動する一又は複数のRF発生器を有するRF電源208は、二次的電極205をイオンミリング動作中などの他の動作モード中に接地も可能にするリレー207を通して、二次的電極205に結合されるが、二次的電極205はまた、第1のシャワーヘッド225に電力供給される場合には浮遊したままでもよい。
【0031】
三フッ化窒素などの第2の供給ガス源、及びアンモニアなどの水素源は、ガス供給システム290から供給され、点線224などを介してガス吸入口276に結合され得る。このモードでは、第2の供給ガスは、第2のシャワーヘッド210を通って流れ、第2のチャンバ領域281においてエネルギーが与えられ得る。反応性核種は、次いで、基板202と反応するために、第1のチャンバ領域284内に移り得る。更に図示されるように、第1のシャワーヘッド225がマルチチャネルシャワーヘッドである実施形態について、一又は複数の供給ガスは、第2のプラズマ292によって生成される反応性核種と反応するように提供され得る。1つの実施形態では、水源が複数の開孔283に結合されてもよい。追加の構成はまた、提供された一般図に基づいてもよいが、種々の構成要素が再構成されてもよい。例えば、流れ分散器又はバッフル215は、第2のシャワーヘッド210に類似した板であってもよく、二次的電極205と第2のシャワーヘッド210との間に位置付けられてもよい。
【0032】
これらの板の何れかはプラズマ生成のための様々な構成において電極として動作し得るので、一又は複数の環状又は他の形状のスペーサが、誘電体リング220と同様に、これらの構成要素のうちの一又は複数の間に位置付けられてもよい。第2のシャワーヘッド210はまた、実施形態においてイオン抑制板として動作し得、第2のシャワーヘッド210を通したイオン核種の流れを低減、限定、又は抑制するように構成され得る一方で、中性核種及びラジカル核種の流れをなおも可能にする。一又は複数の追加のシャワーヘッド又は分散器は、第1のシャワーヘッド225とチャック250との間のチャンバ内に含まれ得る。そのようなシャワーヘッドは、先ほど記載された分配板又は構造体の何れかの形状又は構造をとり得る。また、実施形態では、遠隔プラズマユニット(図示されず)は、種々の処理で使用するためにプラズマ放出物をチャンバに提供するようにガス注入口に結合され得る。
【0033】
実施形態では、チャック250は、距離H2に沿って、第1のシャワーヘッド225に対して垂直な方向に移動可能であり得る。チャック250は、チャック250と第1のシャワーヘッド225との間での熱移送を制御する手段として、第1のシャワーヘッド225に近付く又は遠ざかるように移動できるようにするために、ベローズ255、又はそのようなものによって囲まれた作動機構上にあり、80℃から150℃又はそれ以上の上昇温度となり得る。よって、エッチング処理は、第1のシャワーヘッド225に対する第1及び第2の所定の位置の間でチャック250を移動させることによって、実施され得る。代替的には、チャック250は、エッチング処理中に第1のシャワーヘッド225によって加熱を制御するために、基板202をチャック250の上面から距離H1ほど上昇させるためのリフターを含み得る。エッチング処理が、例えば約90℃から110℃の固定温度で実行される、他の実施形態では、チャック変位機構が回避され得る。システムコントローラ(図示されず)は、自動的に第1及び第2のRF結合電極ペアに交互に電力供給することによって、エッチング処理中に第1及び第2のプラズマ270及び292に交互にエネルギーを与え得る。
【0034】
チャンバ200はまた、堆積動作を実行するために再構成されてもよい。プラズマ292は、第2のプラズマ292について記載された方法の何れかで実施され得るRF放電によって、第2のチャンバ領域281で生成され得る。第1のシャワーヘッド225が堆積中にプラズマ292を生成するために電力供給される場合、第1のシャワーヘッド225は、チャンバ壁に対して電気的に浮遊しているように、誘電体スペーサ230によって接地されたチャンバ壁240から分離され得る。例示的実施形態では、分子酸素などの酸化剤供給ガス源が、ガス供給システム290から供給され、ガス注入口276に結合され得る。第1のシャワーヘッド225がマルチチャネルシャワーヘッドである実施形態では、例えばOMCTSなどの任意のケイ素含有前駆体が、ガス供給システム290から供給され、プラズマ292から第1のシャワーヘッド225を通って移動する反応性核種と反応するように、第1のチャンバ領域284内に方向付けられ得る。代替的には、ケイ素含有前駆体はまた、酸化剤と共にガス注入口276を通って流れ得る。チャンバ200は、本発明の技術に関して検討される種々の動作に用いられ得る一般的チャンバ構成として含まれる。
【0035】
図3は、実施形態による処理チャンバで使用するためのシャワーヘッド325の底面図である。シャワーヘッド325は、
図2に示されるシャワーヘッド225に対応し得る。第1の流体チャネル又は開孔282の図であり得る通り孔365は、シャワーヘッド225を通る前駆体の流れを制御し影響を与えるように、複数の形状及び構成を有し得る。第2の流体チャネル又は開孔283の図であり得る小さな孔375は、シャワーヘッドの表面に、更には通り孔365の間でさえ、実質的に平らに分散され得、他の構成ではなくシャワーヘッドから出る際に前駆体のより均一な混合を提供し得る。
【0036】
実施形態による面板用の配置が、
図4に示されている。図示されたように、面板400は、貫通孔を含む板又はマニホールドを含み得る。面板のアセンブリは、
図3に示されるようなシャワーヘッドに類似してもよく、又は特に前駆体ガスの分配パターン用に構成された設計を含んでいてもよい。面板400は、
図2に示されるチャンバなどの例示的処理チャンバ内に種々の配置で位置付けられた環状フレーム410を含み得る。実施形態において、以下に記載されるようなイオン抑制板523に類似し得る板420がフレーム上又は内に結合され得る。実施形態では、面板400は、フレーム410と板420とが単一部品の材料である単一部品設計であり得る。
【0037】
板は、ディスク形状を有し、フレーム410上又は内に位置し得る。板は、板を前述のようなプラズマ配置で使用するための電極として機能させることができる他の導電性材料だけではなく、アルミニウムを含む金属などの導電性材料であってもよい。板は、様々な厚さであって、板内に画定される複数の開孔465を含み得る。
図4に示される例示的配置は、
図3の配置を参照しつつ先ほど記載されたパターンを含み、図示されたように六角形などの形状寸法パターンの開孔の一連のリングを含み得る。理解されるように、図示されたパターンは、例示的なものであって、様々なパターン、孔の配置、及び孔の間隔が設計に包含されることを理解すべきである。
【0038】
開孔465は、流体が動作中に開孔を通って流れることができるようにサイズ決定されてもよく、又は別の方法で構成されてもよい。開孔は、種々の実施形態では、約2インチ未満のサイズであり、約1.5インチ以下、約1インチ以下、約0.9インチ以下、約0.8インチ以下、約0.75インチ以下、約0.7インチ以下、約0.65インチ以下、約0.6インチ以下、約0.55インチ以下、約0.5インチ以下、約0.45インチ以下、約0.4インチ以下、約0.35インチ以下、約0.3インチ以下、約0.25以下、約0.2インチ以下、約0.15インチ以下、約0.1インチ以下、約0.05インチ以下、約0.04インチ以下、約0.035インチ以下、約0.03インチ以下、約0.025インチ以下、約0.02インチ以下、約0.015インチ以下、約0.01インチ以下などであり得る。
【0039】
幾つかの実施形態では、面板400は、チャンバプラズマ領域からのイオン帯電の核種の移動を抑えるように構成されている構造全域に複数の開孔を画定するイオンサプレッサとして動作しつつ、帯電していない中性又はラジカル核種が、イオンサプレッサを通過して、イオンサプレッサ下流の活性化ガス供給領域内に移動できるようにし得る。実施形態において、イオンサプレッサは、種々の開孔構成を有する貫通孔を含む板であり得る。これらの荷電されていない核種には、開孔を介して反応が弱いキャリアガスと共に輸送される非常に反応性の高い核種が含まれ得る。上述したように、孔を介したイオン核種のマイグレーションが低減され、場合によっては完全に抑制されることがある。例えば、孔のアスペクト比、若しくは孔の長さに対する直径、及び/又は孔の形状寸法は、イオンサプレッサを通る活性化ガスの中のイオン帯電核種の流れが減るように制御され得る。
【0040】
ここで
図5を参照すると、本発明の技術による処理システム500の簡略図が示される。システム500のチャンバは、
図2から
図4までに関して前述の構成要素の何れかを含み、チャンバの処理領域533に半導体基板555を収納するように構成され得る。チャンバハウジング503は、チャンバの内部領域を少なくとも部分的に確定し得る。例えば、チャンバハウジング503は、リッド502を含み、図に示された他の板又は構成要素の何れかを少なくとも部分的に含み得る。例えば、チャンバ構成要素は、チャンバハウジング503の一部を少なくとも部分的に画定する各構成要素を含む一連の積み重ねられた構成要素として含まれてもよい。基板555は、図示したように、ペデスタル565上に位置し得る。処理チャンバ500は、注入口501に結合された遠隔プラズマユニット(図示されず)を含み得る。他の実施形態では、システムは、遠隔プラズマユニットを含まなくてもよい。
【0041】
遠隔プラズマユニットを含んでも含んでいなくても、システムは、処理チャンバの混合領域511へのアクセスを提供し得る、注入口501を通して前駆体又は他の流体を受容するように構成され得る。混合領域511は、チャンバの処理領域533から分離され、かつ処理領域533に流体結合され得る。混合領域511は、一又は複数の前駆体用の注入口アセンブリを含み得る、チャンバリッド502又はリッドアセンブリなどのシステム500のチャンバの最上部と、下の面板509などの分配デバイスとによって少なくとも部分的に画定され得る。面板509は、開示された実施形態の
図4に図示されたシャワーヘッド又は面板に類似し得る。面板509は、チャンバを介した処理の前に、混合領域511において前駆体の分配及び/又は滞留時間に影響を与えるように位置付けられ及び/又は成形され得る複数のチャネル若しくは開孔507を含み得る。
【0042】
例えば、再結合は、面板509全域の開孔数、開孔サイズ、又は開孔の構成を調節することによって、影響を受け、制御され得る。誘電材料のリングなどのスペーサ504は、混合領域511を更に画定するために、チャンバの最上部と面板509との間に位置付けられ得る。加えて、スペーサ504は、リッド502及び面板509の電気結合を可能にするために金属であり得る。更に、スペーサ504は、含まれなくてもよく、リッド502又は面板509のどちらかが、2つの板を分離し、混合領域511を画定するために、延長部分又は上昇した特徴によって特徴付けられ得る。図示されたように、面板509は、混合領域511とチャンバの処理領域533との間に位置付けられ、面板509は、チャンバ500を通して一又は複数の前駆体を分散させるように構成され得る。
【0043】
システム500のチャンバは、開示された実施形態にオプションで含まれ得る一連の構成要素のうちの一又は複数を含み得る。例えば、面板509が記載されているが、幾つかの実施形態では、チャンバは、そのような面板を含まなくてもよい。開示された実施形態では、混合領域511で少なくとも部分的に混合された前駆体は、チャンバを通り、システムの動作圧、チャンバ構成要素の配置、又は前駆体の流れプロファイルを介して、方向付けられ得る。
【0044】
追加の板又はデバイス523は、面板509の下に配置され得る。板523は、面板509に類似の設計を含み、例えば、
図4に示されたものに類似の配置を有し得る。スペーサ510は、面板509と板523との間に位置付けられ、誘電材料を含み得るが、実施形態において、面板509及び板523を電気的に結合可能にする導電性材料も含み得る。開孔524は、板523の中に画定され、板523を通してイオン核種の流れに影響を与えるように分散及び構成され得る。例えば、開孔524は、処理領域533に向かって方向付けられたイオン核種の流れを少なくとも部分的に抑制するように構成され得、板523を前述のイオンサプレッサとして動作可能にさせ得る。開孔524は、前述のようなチャネルを含む様々な形状を有し、開示された実施形態では、処理領域533から外に向かって離れるように延びる先細部分を含み得る。
【0045】
システム500のチャンバは、オプションで、チャンバ内部にガス供給アセンブリ525を更に含み得る。前述のデュアルチャネルシャワーヘッドの態様において類似し得るガス供給アセンブリ525は、処理領域533とリッド502との間など、処理領域533上のチャンバ内に位置し得る。ガス供給アセンブリ525は、第1及び第2の前駆体の両方を、チャンバの処理領域533の中へ供給するように構成され得る。実施形態では、ガス供給アセンブリ525は、チャンバの内部領域を、遠隔領域と、基板555が位置付けられる処理領域とに少なくとも部分的に分割し得る。
図5の例示的システムはデュアルチャネルシャワーヘッドを含むが、前駆体を注入口501を通って導入された核種から流体的に分離された状態に維持する代替的分配アセンブリを用いてもよいと理解される。例えば、貫通孔を含む板、及び板の下の管を用いることができるが、他の構成は、効率が低下した状態で動作してもよく、又は記載されたデュアルチャネルシャワーヘッドのように均一の処理として提供されなくてもよい。開示された設計の1つを用いることによって、前駆体は、処理領域533に侵入する前にプラズマによって事前に励起されない処理領域533に導入され得るか、又は前駆体(it)が反応し得る追加の前駆体との接触を回避するように導入され得る。図示されていないが、環状スペーサなどの追加のスペーサは、板を互いから分離させるために、板523とシャワーヘッド525との間に配置され得る。追加の前駆体が含まれない実施形態では、ガス供給アセンブリ525は、前述の構成要素の何れかに類似の設計を有し、
図4に示された面板に類似の特徴を含み得る。
【0046】
実施形態では、ガス供給アセンブリ525は、例えば、抵抗ヒータ又は温度制御された流体を含み得る、埋め込み式ヒータ529を含み得る。ガス供給アセンブリ525は、上板及び下板を含み得る。板は、板同士の間で空間527を画定するために、互いに結合され得る。上板と下板トを通る第1の流体チャネル540と、下板を通る第2の流体チャネル545を提供するように、板が結合され得る。形成されたチャネルは、下板を通して空間527から流体的にアクセスできるように構成され、第1の流体チャネル540は、複数の板と第2の流体チャネル545との間の空間527から流体的に分離させるようにしてもよい。空間527は、前述のチャネル223などのガス供給アセンブリ525の側面を介して流体的にアクセス可能となり得る。チャネルは、チャンバ500の注入口501から分離したチャンバ内のアクセスと結合され得る。システム500のチャンバはまた、例えば材料堆積だけではなく、チャンバの壁をプラズマ放出物から保護し得る、チャンバライナー535を含み得る。ライナーは、導電性材料であっても導電性材料を含んでいてもよく、実施形態において、絶縁体材料であっても絶縁体材料を含んでいてもよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、最初に記載されたプラズマは、前述の構成要素のうちの2以上の間で画定されるチャンバの領域に形成され得る。例えば、第1のプラズマ領域515などのプラズマ領域は、面板509と板523との間に形成され得る。スペーサ510は、プラズマ場を形成可能とするために、互いから電気的に絶縁された2つのデバイスを維持し得る。面板509が帯電する一方で、板523は、板同士の間で画定された領域内にプラズマ場を生成するために接地又はDCバイアスされ得る。板は、加えて、プラズマがそれらの間で形成され得る構成要素の劣化を最小化するために、コーティング又はシーズニングされ得る。板は、更に、劣化又は影響される可能性が低い、セラミック、金属酸化物、又は他の導電性材料を含む組成物を含み得る。
【0048】
従来の容量結合プラズマ(「CCP」)を作用させると、チャンバ構成要素が劣化し、基板上にうっかり分散させた粒子が除去されることがある。そのような粒子は、半導体基板にわたって短絡を起こす可能性がある金属粒子のため、これらの基板から形成されたデバイスの性能に影響を与えることがある。しかしながら、開示された技術のCCPは、実施形態において、低下した又は実質的に低下した電力で作用し、プラズマ領域内のイオン化種の代わりに、プラズマを維持するために用いられ得る。他の実施形態では、CCPは、領域内に供給された前駆体をイオン化するために作用し得る。例えば、CCPは、約1kW以下、500W以下、250W以下、100W以下、50W以下、20W以下などの電力レベルで作用し得る。更に、CCPは、空間内に均一のプラズマを分配し得る平らなプラズマプロファイルを生成し得る。よって、プラズマ放出物のより均一の流れが、チャンバの処理領域に対して下流で供給され得る。
【0049】
システム500のチャンバはまた、チャンバハウジング内に追加のプラズマ源を含み得る。例えば、プラズマ源550は、実施形態において、誘導結合されたプラズマ(「ICP」)であり得る。図示されたように、ICP源550は、ガス供給アセンブリ525とペデスタル565との間に含まれ得る。ICP源550は、処理領域533上に位置付けられ、処理領域533を上から少なくとも部分的に画定し得る。ICP源は、実施形態において、材料の組み合わせを含んでもよく、又は単一の材料設計であってもよい。組み合わせとして、ICP源550は、誘電材料552内に含まれる、又は誘電材料552内に含有若しくは収納される、導電性材料554を含み得る。実施形態では、誘電材料552は、任意の数の誘電材料又は絶縁体材料を含み得る。例えば、誘電材料552は、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、石英、単結晶シリコン、又は処理環境内で機能し得る任意の他の絶縁体材料であってもよく、又はそれらを含んでもよい。ICP源550が処理領域付近に位置付けられる又は処理領域を部分的に画定している実施形態では、幾つかの材料は、誘電材料552として有効に動作しないことがある。ICP源550が一又は複数の前駆体又はプラズマ放出物に曝されることがあるので、誘電材料552用の材料の選択は、露出されることになる前駆体又は工程に関係し得る。
【0050】
導電性材料554は、電流を運ぶ任意の導電性材料であり得る。導電性材料554は、固体材料又は中空材料、例えばチューブなど、を含み得る。例えば、チューブを用いることによって、中空構造を通して流体が流れ、充電下の源の冷却を促進し得る。実施形態において、導電性材料554は、チューブ内を流れた流体を受容するように構成され得る。流体は、例えば水であってもよく、又は動作中にICP源550の機能を妨げない任意の他の流体であってもよい。導電性材料554は、変化する動作条件で有効に動作し得る任意の導電性材料であり得る。1つの非限定的例では、導電性材料544が、銅チューブを含む銅であり得るのに対し、他の金属などの他の導電性材料、又は導電性非金属が使用されてもよい。導電性材料554は、以下で検討されることになる多くの構成に含まれてもよい。幾つかの構成では、導電性材料は、誘電材料552内で巻かれた状態、螺旋状、又はコイル状であり得るチューブであり、したがって、例えばオプションの場所558を含む、誘電材料552全域に位置し得る。導電性材料554は、例えば、ICP源550にわたって均一のプラズマを生成するために比較的均一の又は均一の構成内に含まれ得る。
【0051】
先ほど明示したように、ICP源550は、他のディフューザー、面板、又は前述のシャワーヘッドだけではなくガス供給アセンブリ525などの流体供給源の下に位置付けられてもよい。処理領域533、又は近接するウエハ555上に位置付けられるとき、ウエハ555にわたり均一の処理を提供するために、ICP源550を通る材料の均一の流れが所望されることがある。よって、他のシャワーヘッドを通りチャンバを通って分散したガスは、ICP源550と相互作用すると比較的均一な分散になり得る。従って、ICP源550は、ウエハ555との接触のための処理領域内への供給前に、シャワーヘッドとして又は最終的な分散器としてさえ動作し得る。ICP源550は、チャンバを通って処理領域533内への前駆体及び/又はプラズマ放出物の均一の又は比較的均一の流れを維持し得るように構成され得る。ICP源550の実施形態は、誘電材料552で画定されICP源550を通る開孔556を含み得る。幾つかの例示的構成は、以下で詳しく検討される。開孔は、誘電材料552内に包含される導電性材料554から離れて又はその周囲で間隔が空けられることがある。幾つかの実施形態では、開孔556の方向は、誘電材料552内の導電性材料554の方向に対して直角であり得る。例えば、開孔556の任意の一又は複数の中心軸は、ICP源550への入り口においてなど、導電性材料554の軸に対して、導電性材料554内の流体流の方向に対して、又は導電性材料554が位置し得る誘電材料552で画定されたチャネルの方向に対して垂直であり得る。
【0052】
ICP源550とガス供給アセンブリ525との間の距離は、プラズマが2つの構成要素の間で発生するのを防止又は低減するために維持され得る。ガス供給アセンブリ525は、幾つかの実施形態では接地され、よって、帯電したICP源550により、ガス供給アセンブリ525は、ICP源550からの電磁気の損失を引き起こすことがある。したがって、2つの構成要素の間の更なる距離が所望され得る。しかしながら、構成要素が更に間隔を空けると、2つの構成要素の間の領域内でプラズマに衝突する可能性がある。従って、2つの構成要素の間の距離は、実施形態において、2つの構成要素の間でのプラズマとの衝突を回避するために約1インチ以下であってもよい。幾つかの実施形態では、2つの構成要素の間の距離は、約0.9インチ以下、約0.8インチ以下、約0.7インチ以下、約0.6インチ以下、約0.5インチ以下、約0.4インチ以下、約0.3インチ以下、約0.2インチ以下、約0.1インチ以下、又はそれ以下であってもよいが、距離は、軸方向に位置合わせされる開孔を有し得る2つの構成要素の間での流れの均一性を保証するために、2つの構成要素の間で維持されてもよく、又は特に互いからずれていてもよい。
【0053】
図示したようなICP源550を含むことによって、容量結合プラズマよりも低い電圧が生成され得る。容量結合プラズマにおいて、電極に誘導される電圧は電力に正比例し、よって電力が低下しても高い電圧を発生させ得る。例えば、例示的容量源は、約50Wの比較的低い電力レベルと約20mTorrの圧力で作動し得るが、容量源の板の上で300-400ボルトの電圧を誘導し得る。これにより、例えば前述のスパッタリングが生成され得る。例えば、ICP源550などの同一周波数で作動する誘導結合されたプラズマ源は、例えば、300ボルト未満の誘導電圧を発生させ、回転数及び他のパラメータ次第で、250ボルト未満、200ボルト未満、175ボルト未満、150ボルト未満、125ボルト未満、100ボルト未満、90ボルト未満、80ボルト未満、70ボルト未満、60ボルト未満、50ボルト未満又はそれ未満であり得る。
【0054】
加えて、ICP源550を用いることは、
図2に関して先ほど検討されたような容量結合源を上回る更なる利点が提供され得る。
図2は、本発明の技術による、容量結合プラズマがその内部の領域270で生成された、例示的チャンバ設計を示した。容量結合プラズマは、2つの電極を用いてもよく、例えば、ウエハペデスタルだけではなくシャワーヘッドも含むことができる。よって、イオン密度及びウエハレベルにおけるイオンエネルギーは、一緒に決定される。ICP源により、ウエハレベルにおけるイオンエネルギーが、プラズマのイオン密度から分離され得る。例えば、ICP源は、ガスをイオン化するためにアンテナを用いてもよく、電力の関数であるイオン密度を決定し得る。従って、特定の電力におけるICP源は、生成されたプラズマのイオン密度を定義し得る。しかしながら、システムは、ペデスタルにRF電極をなおも含み、チャンバ壁などの接地源を用いることがある。イオン密度を定義するアンテナから分離したRF電極及び電気接地を用いることによって、イオンエネルギーは、ウエハレベルにおけるこのRFバイアスによりウエハレベルで別個に制御され得る。従って、本発明の設計の実施形態は、プラズマのイオン密度を決定するためにICP源を用い、次いでイオンエネルギーを制御するためにウエハ又はペデスタルでRFバイアスを使用することによって、処理活動全域で追加の制御及び調整を提供し得る。従って、本発明のシステムは、高密度プラズマを生成し、また例えば、複雑なウエハ修正及びイオンエッチングを実行するために、ウエハレベルで低エネルギーを提供し得る。
【0055】
図6を参照すると、本発明の技術の実施形態による例示的ICP源の平面図が示されている。図示されているように、ICP源600は、導電性材料610が、誘電材料620内で2次元パターン若しくは実質的に2次元パターンで構成されている平面源であり得る又は平面源を含み得る。導電性材料610は、誘電材料620の外側領域において誘電材料620に侵入し得る。導電性材料610は、誘電材料620の表面内又は表面全域で少なくとも部分的に画定されたチャネルに基づくパターンに従い得る。図示されたように、導電性材料610は、誘電材料620内で平面のコイル状又は螺旋パターンで構成され得る。ICP源600は、前述の材料の何れかを含んでもよく、前述の又は本開示の他のどこかに記載された例示的チャンバの何れかに統合されてもよい。
【0056】
螺旋は、導電性材料610の任意の数の回転を提供するために含まれ得る。例えば、例示的構成において、旋回は、例えば導電性材料又は誘電材料のサイズ次第で、少なくとも約1回転を含み、少なくとも約2回転を含み、少なくとも約3回転を含み、少なくとも約4回転を含み、少なくとも約5回転を含み、少なくとも約6回転を含み、少なくとも約7回転を含み、少なくとも約8回転を含み得る。加えて、例示的ICP源は、導電性材料の約1回転から導電性材料の約7回転まで、又は約2回転から約4回転までを含み得る。導電性材料610の部分610aは、誘電材料620内に垂直に延び、導電性材料610の平面のコイル状又は螺旋構成に対して垂直に延び得る。以下で説明されるように、実施形態において、部分610aは、誘電材料620内になおも含まれ得る。
【0057】
導電性材料610又はICPコイルの回転数は、ICP源によって供給される電力に影響を与えうる。例えば、導電性材料の回転数がより高ければ、プラズマへの供給電力が増加し得る。しかしながら、回転数が増加し続けると、この利点が減少し始めることがある。例えば、回転が増加し続けると、コイルは、自己インダクタンスを補償し誘導し始めるか、それ自体に有効に抵抗し始めることがある。従って、十分な電力に対して十分な回転を提供するだけではなく、そのような閾値未満の回転を減らす、又は効果を最小化することによって、許容できるICP源を提供するために均衡が確立され得る。加えて、導電性材料610の構成は、ICP源を通るより均一なプラズマプロファイルを提供するために、誘電材料620全域に類似の被覆を含むためのものであり得る。
【0058】
ICP源600はまた、前述のように誘電材料620を通る画定された開孔630を含み得る。開孔は、ICP源を通る流れプロファイルの均一性を高めるように構成され得る。幾つかの実施形態では、開孔630は、誘電材料620全域で導電性材料610周囲に均一のパターンで含まれ得る。図示されているように、開孔630は、導電性材料610と類似の螺旋又はコイル状のパターンで含まれている。開孔630は、流れチャネルを提供するために誘電材料620を貫通し得るので、導電性材料と一直線に位置付けられなくてもよい。螺旋パターンで図示されているが、開孔は、ICP源を通る実質的に均一の流れプロファイルを提供する目的を含み得る追加的又は代替的構成に含まれてもよい。
【0059】
加えて、開孔630の数は、変更可能であり、図に適切に表示されていないが、開孔のパターンに対してより多く含まれている。ICP源600にわたる任意のパターンでの開孔の数は、10以上の開孔、50以上の開孔、100以上の開孔、500以上の開孔、1000以上の開孔、5000以上の開孔、10000以上の開孔、又はICP源600のサイズ及び開孔の寸法次第でそれ以上あり得る。開孔の数はまた、これらの範囲内の任意のより小さな範囲、又はこれらの範囲内に含まれる任意の2つの数の間とされてもよい。同様に、開孔の寸法及び形状寸法は、ICP源600全域で類似であってもよく、又は開孔間で異なっていてもよい。
【0060】
図7は、本発明の技術の実施形態による
図6の例示的ICP源600の断面図を示す。図示したように、ICP源600は、誘電材料620内に含まれる導電性材料610を含み得る。誘電材料620はまた、ICP源600を通る開孔630を画定し、開孔は、導電性材料610周囲又は周辺に位置付けられ得る。図示されたように、断面図は、誘電材料620に出入りする際の導電性材料610の実施形態を示す。導電性材料610は、銅チューブなどの導電性材料の一端におけるRF電源710などの電源に結合され得る。加えて、誘電材料620を出る導電性材料610の端は、電気接地720に結合され得る。他の実施形態では、導電性材料610は、複数のセクションを含み得る。導電性材料610を含むために、
図7は、ある実施形態では、ICP源600が1インチよりも厚く、幾つかの実施形態では、約0.5インチから約3インチまでの間であり、また幾つかの実施形態では、約1インチから約2インチまでの間であり得ることを示している。
【0061】
図7は、導電性材料のコイル状の構成に対して垂直に延び得る、導電性材料部分610aの追加の図を示している。図示されたように、導電性材料の部分610aは垂直に延び、次いでセクション610bで誘電材料620を出ることができる。セクション610bは、誘電材料620に侵入する部分と一直線でなく、開孔630と交差しないこともあるので、隠れた状態で図示されている。図示されたように、導電性材料610は、源が位置し電源に結合し得るチャンバから延びるスタブ部分を除き、誘電材料620内に完全に包囲され得る。導電性材料610を誘電材料620内に統合するために、誘電材料は、例えば、導電性材料周辺に位置付けられ得る。
【0062】
別の実施形態では、誘電材料は、導電性材料610の一部を各々が含み得る複数の板を含み得る。例えば、誘電材料は、オプションの板部640、650で図示されたような、連結された少なくとも2つの板を含み得る。図示されたように、ICP源は、3つの板を含むが、追加の源は、例えば4つ以上の板だけではなく1つ又は2つの板を含んでいてもよい。誘電材料620の各板は、実施形態において導電性材料が位置し得るチャネルの少なくとも一部を画定し得る。導電性材料は、次いで少なくとも1つの板内に位置付けられ又は位置し、次に第2の又は追加の板は、誘電材料620の板内、及び板各々によって少なくとも部分的に画定されたチャネル内で、導電性材料を収容又は収納するために第1の板に連結され得る。下板内又は誘電材料620の下部分で導電性材料の平面の構成を有するように図示されているが、コイルパターンが誘電材料の上部にあり、部分610aが誘電材料620を出る前にコイル状の部分から下に向かって垂直に延びた状態で、構成を逆転させることができると理解すべきである。
【0063】
図8は、本発明の技術の実施形態による別の例示的プラズマ源800の平面図を示す。プラズマ源800は、前述の構成要素又は特徴の一部又はすべてを含み得る。図示したように、プラズマ源800は、前述のように、誘電体又は絶縁体材料820内に含まれる導電性材料810を含み得る。プラズマ源800は、前述の材料又は構成の何れかを含んでもよく、前述の又は本開示の別の部分に記載された例示的チャンバの何れかに統合されてもよい。誘電材料820は、導電性材料810周辺又は周囲に位置付けられ得る、プラズマ源800を通る任意の数の開孔830を更に画定し得る。開孔の構成は、例示的なものに過ぎず、その上、開孔の数、サイズ、形状及び場所による調節は包含されると理解されるだろう。導電性材料810は、
図8に示すように完全に平面の構成であり、例えば、
図6及び
図7に示したように平面の構成の上又は下に延びる部分を含んでいなくてもよい。幾つかの実施形態では、誘電材料820はまた、導電性材料が位置し得るチャネルの少なくとも一部を各々が画定する、互いに結合した2つの誘電体板を含んでもよい。
【0064】
図9は、本発明の技術の実施形態による別の例示的プラズマ源900の平面図を示す。プラズマ源900は、前述の材料又は構成の何れかを含んでもよく、前述の又は本開示の別の部分に記載された例示的チャンバの何れかに統合されてもよい。プラズマ源900は、プラズマ源内に位置付けられた、導電性チューブなどの2つの導電性材料を含み得る。図示したように、プラズマ源900は、誘電材料920内に含まれる2つの導電性材料910、940を含み得る。構成は、誘電材料920内の第1の構成に配置された第1のチューブ910を含み得る。加えて、プラズマ源900は、誘電材料920内の第2の構成に配置された第2のチューブ940を含み得る。第2のチューブ940のループ状の部分を含み得る第2の構成は、誘電材料920内又はプラズマ源900内の導電性チューブ910の第1の構成又はコイル部分の径方向内側にあり得る。プラズマ源900はまた、誘電材料920内に画定された開孔930を含み得る。開孔930は、前述のように任意のパターンを含み、プラズマ源900全域に分散された小さな開孔930a及び大きな開孔930bなどの異なるサイズの開孔を含み得る。構成は、例えば、プラズマ源900を通る前駆体供給の均一性の改善を可能にし得る。
【0065】
図示されたように、第1のチューブ910及び第2のチューブ940は、チューブ又は他の導電性材料の第1の構成及び第2の構成同様に、平面の構成であり得る。実施形態では、第1の構成及び第2の構成は、誘電材料920全域で同一平面内にあり得る。従って、誘電材料は、2つの導電性材料が位置し得る第1のチャネルの少なくとも一部と第2のチャネルの少なくとも一部とを画定し得る。他の実施形態では、第1の構成又は第1のチューブ910は、第2の構成又は第2のチューブ940と異なる誘電材料920の平面上にあり得る。例えば、第1のチューブ910は、誘電材料920内で第2のチューブ940から垂直にずれて配置され得る。
【0066】
例えば、垂直にずれる場合、誘電材料は、第1のチューブ910又は第2のチューブ940のどちらか一方が位置し得るチャネルの少なくとも一部を各々が画定する3つの板を含み得る。例えば、中央の板は、第1のチューブ910が中央の板の第1の表面に位置するチャネルの少なくとも一部を画定し得る。加えて、中央の板は、第2のチューブ940が、第1の表面と対向し得る中央の板の第2の表面に位置するチャネルの少なくとも一部を画定し得る。実施形態では、第1のチューブ910は、誘電材料920の第1の部分によって覆われ、第2のチューブ940は、誘電材料920の第2の部分によって覆われ得る。誘電材料の2つの部分は、次いで、プラズマ源900を提供するために、互いに結合され得る。本実施例又は複数の板がプラズマ源に用いられ得る本開示全体で検討される任意の実施例において、開孔は、誘電材料の各板を通って少なくとも部分的に画定され得る。連結されるとき、開孔は、軸方向に位置合わせされ得る。
【0067】
2つの別個の導電性材料又はチューブが、プラズマ源900の第1のチューブ910及び第2のチューブ940などを含む、誘電材料内に含まれる例示的構成において、2つの材料は、電源に個々に結合され得る。例えば、第1のチューブ910は、第1のRF源に結合され、第2のチューブ940は、第2のRF源に結合され得る。加えて、2つのチューブは、RF源に共に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、第1のチューブ及び第2のチューブは、容量性の分割器を通してRF源に結合され得る。容量性の分割器はまた、チューブ各々に供給される電力を調節することによって、2つのチューブの間のプラズマに供給されるエネルギーの割合を管理可能にし得る。これにより、プラズマ密度分布の制御が可能になり得る。例えば、調整可能な容量は、2つのコイルの間で50%/50%、40%/60%、30%/70%、20%/80%の電力分配を可能にし、またこれらは2つのコイルの間で逆転することも可能であり、又はこの構成により包含されると理解されるように電力の任意の他の分配も可能である。一般に、類似の又は異なる電力レベルで作動するRF源に連結されても、容量性の分割器を有するRF電力に結合されても、2つのコイルを用いることで、プラズマのチューニングが、処理動作及びプラズマ分配の均一性を調節可能となり得る。
【0068】
図10を見ると、本発明の技術の実施形態による処理チャンバ1000の断面図が示される。チャンバ1000は、前述のチャンバ200の構成要素、材料、又は構成要素及び/又はシステム500のチャンバの一部又はすべてを含み得る。例えば、チャンバ1000は、注入口1001を含むリッド1002を含み得る。チャンバ1000は、基板1055がペデスタル1065上に位置付けられ得る処理領域1033を提供するためなどに、チャンバ内の一又は複数の構成要素によって分割され得る内部領域を画定し得る。処理領域1033は、前述のようなライナー1035を含み得る。チャンバ1000は、開孔1007を画定する面板1009を含み得る。面板1009及びリッド1002は、チャンバに供給される一又は複数の前駆体が統合され得る混合領域1011を画定し得る。チャンバ1000はまた、開孔1024を画定する板1023を含み得る。実施形態において、板1023は、前述のイオンサプレッサとして構成され得る。誘電体スペーサ1010は、面板1009と板1023との間に位置付けられ得る。RF電力が面板1009と結合する又は結合可能であり得るのに対して、板1023は、電気接地と結合する又は結合可能であり得る。実施形態において、このような構成により、容量結合プラズマが、面板1009と板1023との間の領域1015で生成可能となり得る。
【0069】
チャンバ1000はまた、シャワーヘッド又はガス供給アセンブリ1025を含み得る。ガス供給アセンブリ1025は、上板と下板とを含み、それらの板は、それらの板の間に空間1027を画定するように互いに結合され得る。上板と下板トを通る第1の流体チャネル1040と、下板を通る第2の流体チャネル1045を提供するように、板が結合され得る。形成されたチャネルは、下板を通して空間1027から流体的にアクセスできるように構成され、第1の流体チャネル1040は、複数の板と第2の流体チャネル1045との間の空間1027から流体的に分離させるようにしてもよい。実施形態では、ガス供給アセンブリ1025はまた、埋め込まれたヒータ又は加熱要素1029を含み得る。
【0070】
チャンバ1000はまた、誘導結合されたプラズマ(「ICP」)源1050などの追加のプラズマ源を含み得る。ICP源1050は、本明細書の他の場所に記載の他のプラズマ源の特徴又は特性の何れかを含み得る。ICP源1050はまた、前述のプラズマ源の何れかと同様に動作し得る。ICP源1050は、開孔10560がそれを通して画定され得る誘電材料を含み得る。ICP源1050はまた、誘電材料1052内に含まれる第1の導電性材料及び第2の導電性材料を含み得る。第1の導電性材料1054及び第2の導電性材料10580は、別個の源又は単一の源を含む前述の構成の何れかにおいてRF電力と電気的に結合し得る。導電性材料1058周辺での開孔1056の配置は、前述の構成の何れか、又は導電性材料周囲の任意の他の構成であり得る。ICP源1050が誘電材料1052内を垂直に延び得るコイル状の又は他の構成の導電性材料を含み得るという点で、ICP源1050は、前述の平面の源の幾つかと異なり得る。ICP源1050の例示的構成は、
図11に関して以下に含まれ、その図と共に更に議論されることになるだろう。
【0071】
図11は、本発明の技術の実施形態による例示的プラズマ源1100の平面図を示す。図示されたように、プラズマ源1100は、上述の
図9を含む、前述の設計の何れかの幾つかの類似特徴を有する設計を含み得る。プラズマ源1100は、誘電材料1120内に含まれる第1の導電性材料1110を含み得る。プラズマ源1100はまた、誘電材料1120内に含まれる第2の導電性材料1140を含み得る。プラズマ源1100はまた、プラズマ源1100を通して前駆体若しくはプラズマ放出物の均一の流れ、又は相対的な又は実質的に均一の流れを提供するための多様なパターン及び孔の形状寸法を含み得る、源の至る所で画定される開孔1130を含み得る。
【0072】
第1及び第2の導電性材料1110、1140は、誘電材料1120内のコイル状又は螺旋構成に含まれ得る。コイルは、互いに交差することなく誘電材料1120内を垂直に延び得る。例えば、第2の導電性材料のコイル状の構成は、第1の導電性材料1110のコイル状の構成の径方向内側に存在し得る。コイルは、任意の数の回転のために円形形状又は幾つかの他の湾曲した形状寸法で各々垂直に延び得る。例えば、第1の導電性材料1110又は第2の導電性材料1140は、約2つの完全な回転と約4つの完全な回転との間で、少なくとも約1つの完全な回転だけではなく、少なくとも約2つの完全な回転、少なくとも約3つの完全な回転、少なくとも約4つの完全な回転を各々が含み得るか、又はプラズマ源1100の誘電材料及び導電性材料の空間特徴に基づき任意の他の回転数を各々が含み得る。
【0073】
幾つかの実施形態では、第1の導電性材料1110及び第2の導電性材料1140は、同じ回転数を含み得る、又は同じ回転数によって特徴付けられ得る。幾つかの実施形態では、第1又は第2の導電性材料は、互いに異なる回転数を含み得る。加えて、幾つかの実施形態では、第1の導電性材料1110が、第2の導電性材料1140と同一方向に回転し得るのに対して、幾つかの実施形態では、第1の導電性材料1110と第2の導電性材料1140とは、左回りの回転と右回りの回転など、互いに反対方向に回転し得る。幾つかの平面の構成と比較して追加の回転を有することによって、プラズマ源1100は、追加のプラズマ均一性を提供しつつ、2つのコイルのプラズマチューニングを提供し得る。
【0074】
図12は、本発明の技術の実施形態による
図11の例示的プラズマ源の断面図を示す。図示されたように、プラズマ源1100は、第1の導電性材料1110及び第2の導電性材料1140を含み得る又は包囲し得る誘電材料1120を含み得る。誘電材料1120は、第1の導電性材料1110又は第2の導電性材料1140が内部に存在し得るチャネルの少なくとも一部を各々が画定し得る任意の数の板を含み得る。板を含み得る誘電材料は、前述の任意の構成を含み得、又は導電性材料を包囲する追加の変形の中に構成され得る。各導電性材料の回転数次第で、プラズマ源1100は、実施形態において、導電性材料を覆うために少なくとも約2インチの厚さであり得、実施形態において、少なくとも約3インチ、少なくとも約4インチ、少なくとも約5インチ、又はそれ以上であり得る。
【0075】
導電性材料1110及び導電性材料1140は、誘電材料1120内で垂直に延びる4つのコイルを含むように各々図示されている。コイルは、作られたコイルの数、導電性材料の厚さ、及び誘電材料1120の厚さ次第で、隣接するコイルから任意の距離においてパックされ得る。図示されたように、第1の導電性材料1110は、隠れた状態で図示された端部分1112を含み、第2の導電性材料1140は、隠れた状態で図示された端部分1142を含み得る。導電性材料であり得るチューブの構成又はアウトレイは、図示したように水平に配置され得る。導電性材料が垂直に延びるため、実施形態において、第1の導電性材料1110及び/又は第2の導電性材料1140はまた、誘電材料1120の出入り部分で垂直に位置合わせされ得る。加えて、第1の導電性材料1110のコイルは、コイル間での第2の導電性材料1140の出入りを可能にするために間隔が空けられ得る。図示されたように、第2の導電性材料1140の出入り部分のリードは、導電性材料が交差せずに、第1の導電性材料1110のコイル内を通過し得る。第2の導電性材料1140のコイル状の構成は、次いで第1の導電性材料1110のコイル状の構成の内部又は径方向内側に延び得る。
【0076】
加えて、
図12は、断面に含まれ得る幾つかの開孔1130を示している。例えば、開孔1130aがプラズマ源1100内で中心に位置し得るのに対して、開孔1130b及び1130cは、プラズマ源1100の中心領域から径方向外側にあり得る。前述のように、開孔1130は、プラズマ源1100を通る流れの均一性を促進するために種々のサイズ及び形状寸法であり得る。
【0077】
前述のチャンバ及びプラズマ源は、一又は複数の方法で使用され得る。
図13は、本発明の技術の実施形態による例示的方法1300の工程を示す。方法は、ラジカル各種がウエハ上の特徴をエッチングする又は修正するためにウエハの表面に方向付けられ得るイオンエッチング動作における工程を含み得る。方法1300は、工程1305で前駆体をチャンバに流入させることを含み得る。チャンバは、前述のチャンバの何れかであり、前述のように、ICPプラズマ源などの例示的プラズマ源の1つを含み得る。前駆体は、ウエハの表面と化学的に反応することがなく、例えば、水素、ヘリウム、アルゴン、窒素、又は幾つかの他の前駆体を含み得る材料であってもよく、又はそのような材料を含んでもよい。前駆体は、工程1310で、チャンバを通って、ICP源のうちの1つなどのプラズマ源に流れ得る。プラズマ源は、源を通ってプラズマを生成するために電力を受容し、前駆体が源内で画定された開孔を通って流れる際に、工程1315において、前駆体がイオン化され得る。加えて、源は、ウエハとの接触前に前駆体の均一の流れを維持又は促進するためのシャワーヘッドとして動作し得る。
【0078】
幾つかの実施形態では、前述のICP源の何れかのような源がまた、他のところで生成されたプラズマ放出物を維持し得る。例えば、前述のプラズマ源は、源の容量結合プラズマ上流又は遠隔プラズマユニットなどの外部の源で生成されたプラズマ放出物を調整し又は更には強化し得るプラズマを生成するために使用され得る。このように、例えば、比較的短い滞留時間を有し得る前駆体が、処理領域付近又はウエハレベル付近で源のICPプラズマによって維持され得る。
【0079】
上述の説明では、説明の目的のために、本発明の技術の様々な実施形態の理解を促すために、多数の詳細が記載されてきた。しかしながら、これらの詳細の幾つかを含まずに又は更なる詳細と共に、特定の実施形態を実施し得ることが、当業者には明らかであろう。
【0080】
幾つかの実施形態を開示したが、当然ながら当業者には、実施形態の主旨から逸脱することなく、様々な変更例、代替構造物、及び同等物を使用し得ることが理解されるだろう。加えて、本発明の技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために、幾つかの周知のプロセス及び要素については説明しなかった。したがって、上記の説明は、本発明の技術の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【0081】
値の範囲が付与されているところでは、文脈上そうでないと明示されていない限り、当然ながら、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されている。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の小さい範囲、そしてその記載範囲のその他任意の記載された又は介在する値も含まれる。これら小さい範囲の上限値及び下限値は、その範囲に個々に含まれ、又はその範囲から除外される場合があり、小さい範囲に限界値のいずれかが含まれる、どちらも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もこの手法に含まれ、記載された範囲において任意に具体的に除外された限界値に依存する。記載された範囲に一又は複数の限界値が含まれるところでは、これらの含有限界値のいずれか、又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0082】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上別途明示しない限り複数の指示物を含む。したがって、例えば、「1つの層」への言及は、複数のそのような層を含み、「その前駆体」への言及は、1つ又は複数の前駆体及び当業者に既知のその同等物への言及を含む、等々である。
【0083】
また、「備える(comprise(s))」、「備えている(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という単語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は動作の存在を特定することを意図しているが、一又は複数のその他の特徴、整数、構成要素、動作、作動、又はグループの存在、又は追加を除外するものではない。