(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20220304BHJP
H04B 7/0413 20170101ALI20220304BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H04L27/26 300
H04L27/26 420
H04B7/0413
H04B7/06 890
(21)【出願番号】P 2017209069
(22)【出願日】2017-10-30
【審査請求日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】P 2016213756
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017160823
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(73)【特許権者】
【識別番号】591053926
【氏名又は名称】一般財団法人NHKエンジニアリングシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 宏明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】蔀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 進
(72)【発明者】
【氏名】成清 善一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知明
(72)【発明者】
【氏名】本田 円香
(72)【発明者】
【氏名】村山 研一
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 一彦
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-070279(JP,A)
【文献】特開2016-122934(JP,A)
【文献】成清 善一 Yoshikazu NARIKIYO,"次世代地上放送伝送方式の暫定仕様に向けた部分受信部の一検討 A study of a partial reception toward the proposed specification of the next generation terrestrial broadcasting",映像情報メディア学会 2016年年次大会講演予稿集 [CD-ROM] 映像情報メディア学会2016年年次大会講演予稿集 PROCEEDINGS OF THE 2016 ITE ANNUAL CONVENTION PROCEEDINGS OF THE 2016 ITE ANNUAL CONVENTION (2016-08-17),2016年08月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04B 7/0413
H04B 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、
伝送帯域識別を送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、
同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、
少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、
前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード、互換モード及び拡張モードを少なくとも識別することができる識別情報であることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、
部分受信フラグを送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、
同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、
少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、
前記部分受信フラグは、伝送帯域を構成する複数のセグメントの中の中央の9セグメントで部分受信帯域データを受信する部分受信を行うか否かについて示
し、
前記TMCC情報ビットは、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々のデータキャリアブースト比を送信するように構成されており、
前記データキャリアブースト比は、前記第1階層データ或いは前記第2階層データの電力ブースト比を示すことを特徴とする送信装置。
【請求項3】
前記ノーマルモードは、33セグメントからなる5.50MHzの伝送帯域を使用し、
前記互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用し、
前記拡張モードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
OFDM信号によって第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、
前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して用いられるSPパターンを送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、
同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、
少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備えることを特徴とする送信装置。
【請求項5】
OFDM信号によって第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、
SISO/MISO/MIMOフラグを送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、
同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、
少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、
前記SISO/MISO/MIMOフラグは、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して、SISO、MISO(SFBC)、MISO(STBC)及びMIMO(SDM)のいずれが用いられているかについて示すことを特徴とする送信装置。
【請求項6】
OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、
伝送帯域識別を送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、
同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、
少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、
前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード及び互換モードを少なくとも識別することができる識別情報であり、
前記ノーマルモードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用し、
前記互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用するように構成されていることを特徴とする送信装置。
【請求項7】
OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、
伝送帯域識別を送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、
前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード、互換モード及び拡張モードを少なくとも識別することができる識別情報であることを特徴とする受信装置。
【請求項8】
OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、
部分受信フラグを送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、
前記部分受信フラグは、伝送帯域を構成する複数のセグメントの中の中央の9セグメントで部分受信帯域データを受信する部分受信を行うか否かについて示
し、
前記TMCC情報ビットは、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々のデータキャリアブースト比を送信するように構成されており、
前記データキャリアブースト比は、前記第1階層データ或いは前記第2階層データの電力ブースト比を示すことを特徴とする受信装置。
【請求項9】
前記ノーマルモードは、33セグメントからなる5.50MHzの伝送帯域を使用し、
前記互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用し、
前記拡張モードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用するように構成されていることを特徴とする請求項
7に記載の受信装置。
【請求項10】
OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、
前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して用いられるSPパターンを送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備えることを特徴とする受信装置。
【請求項11】
OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されてい
るTMCC信号抽出部と、
SISO/MISO/MIMOフラグを送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、
前記SISO/MISO/MIMOフラグは、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して、SISO、MISO(SFBC)、MISO(STBC)及びMIMO(SDM)のいずれが用いられているかについて示すことを特徴とする受信装置。
【請求項12】
OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、
伝送帯域識別を送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、
前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード及び互換モードを少なくとも識別することができる識別情報であり、
前記ノーマルモードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用し、
前記互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用するように構成されていることを特徴とする受信装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1~
6のいずれか一項に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【請求項14】
コンピュータを、請求項
7~12のいずれか一項に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の日本における地上デジタル放送伝送方式であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)方式では、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームにおいて、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を送信するためのキャリアに対して、OFDMシンボル方向にTMCC信号を割り当てて伝送するように構成されている(非特許文献1参照)。
【0003】
なお、TMCC信号は、同期ビットやTMCC情報ビット等を含む制御情報である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】ARIB STD-B31、「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」
【文献】T.Shitone他、「A Study on Advanced Single Frequency Network Technology Using STC-SDM Transmission」、IEEE BMSB、mm13-136、2013年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、伝送容量の拡大のために、変調方式として多値化やMIMO伝送方式の導入が検討されている(非特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、現状、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、TMCC信号に含まれるTMCC情報ビットによって、どのような伝送パラメータを送信すべきかについて検討されていないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、次世代の地上デジタル放送伝送方式を実現するために適切な伝送パラメータを送信することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、伝送帯域識別を送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード、互換モード及び拡張モードを少なくとも識別することができる識別情報であることを要旨とする。
【0009】
本発明の第2の特徴は、OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、部分受信フラグを送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、前記部分受信フラグは、伝送帯域を構成する複数のセグメントの中の中央の9セグメントで部分受信帯域データを受信する部分受信を行うか否かについて示すことを要旨とする。
【0010】
本発明の第3の特徴は、OFDM信号によって第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々の送信に用いられるセグメント数を送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備えることを要旨とする。
【0011】
本発明の第4の特徴は、OFDM信号によって第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して用いられるSPパターンを送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備えることを要旨とする。
【0012】
本発明の第5の特徴は、OFDM信号によって第1階層データ及び第2階層データを送信するように構成されている送信装置であって、SISO/MISO/MIMOフラグを送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、前記SISO/MISO/MIMOフラグは、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して、SISO、MISO(SFBC)、MISO(STBC)及びMIMO(SDM)のいずれが用いられているかについて示すことを要旨とする。
【0013】
本発明の第6の特徴は、OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、伝送帯域識別を送信するTMCC情報ビットを生成するように構成されているTMCC情報ビット生成部と、同期ビット及び前記TMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されているTMCC信号生成部と、少なくとも、前記TMCC信号を含むOFDMフレームを生成するように構成されているOFDMフレーム構成部とを備え、前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード及び互換モードを少なくとも識別することができる識別情報であり、前記ノーマルモードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用し、前記互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用するように構成されていることを要旨とする。
【0014】
本発明の第7の特徴は、OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、伝送帯域識別を送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード、互換モード及び拡張モードを少なくとも識別することができる識別情報であることを要旨とする。
【0015】
本発明の第8の特徴は、OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、部分受信フラグを送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、前記部分受信フラグは、伝送帯域を構成する複数のセグメントの中の中央の9セグメントで部分受信帯域データを受信する部分受信を行うか否かについて示すことを要旨とする。
【0016】
本発明の第9の特徴は、OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々の送信に用いられるセグメント数を送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備えることを要旨とする。
【0017】
本発明の第10の特徴は、OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して用いられるSPパターンを送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の第11の特徴は、OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、SISO/MISO/MIMOフラグを送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、前記SISO/MISO/MIMOフラグは、前記OFDM信号に含まれる第1階層データ及び第2階層データの各々に対して、SISO、MISO(SFBC)、MISO(STBC)及びMIMO(SDM)のいずれが用いられているかについて示すことを要旨とする。
【0019】
本発明の第12の特徴は、OFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を抽出するように構成されているTMCC信号抽出部と、伝送帯域識別を送信する前記TMCC情報ビットを抽出するように構成されているTMCC情報ビット抽出部とを備え、前記伝送帯域識別は、前記OFDM信号の伝送に使用する伝送帯域幅を示すノーマルモード及び互換モードを少なくとも識別することができる識別情報であり、前記ノーマルモードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用し、前記互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用するように構成されていることを要旨とする。
【0020】
本発明の第13の特徴は、コンピュータを、上述の第1~6の特徴に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【0021】
本発明の第14の特徴は、コンピュータを、上述の第7~12の特徴に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、次世代の地上デジタル放送伝送方式を実現するために適切な伝送パラメータを送信することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る送信装置1の機能ブロック図の一例である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図14】
図14は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図16】
図16は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図17】
図17は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図18】
図18は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図19】
図19は、第1の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図20】
図20は、第1の実施形態に係る受信装置3の機能ブロック図の一例である。
【
図21】
図21は、第2の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図22】
図22は、第2の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図23】
図23は、第2の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図24】
図24は、第2の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【
図25】
図25は、第2の実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、
図1~
図20を参照して、本発明の第1の実施形態に係る放送システムについて説明する。本実施形態に係る放送システムは、上述の次世代の地上デジタル放送伝送方式に対応するように構成されており、例えば、
図1に示す送信装置1及び
図20に示す受信装置3を具備する。
【0025】
例えば、本実施形態に係る送信装置1は、3階層までの階層伝送を行うように構成されている。具体的には、本実施形態に係る送信装置1は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを含むOFDM信号によって、A階層データ(第1階層データ)、B階層データ(第2階層データ)及びC階層データ(第3階層データ)を送信することができるように構成されている。例えば、A階層データは、移動受信(部分受信)向けの放送用データであり、B階層データは、固定受信向けの放送用データであることが想定されている。
【0026】
図1に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、TMCC情報ビット生成部11と、同期ビット生成部12と、TMCC信号生成部13と、OFDMフレーム構成部14a、14bと、送信部15a、15bとを具備している。
【0027】
TMCC情報ビット生成部11は、TMCC情報ビットを生成するように構成されており、同期ビット生成部12は、同期ビットを生成するように構成されており、TMCC信号生成部13は、同期ビット及びTMCC情報ビットを含むTMCC信号を生成するように構成されている。
【0028】
また、OFDMフレーム構成部14a、14bは、TMCC信号や部分受信帯域データや非部分受信帯域データや拡張帯域データ等を含むOFDMフレームを生成するように構成されている。
【0029】
次世代の地上デジタル放送伝送方式では、1チャネルが33個のセグメントによって構成されているノーマルモード(或いは、調整モード)及び1チャネルが35個のセグメントによって構成されている拡張モードが規定されている。
【0030】
ここで、次世代の地上デジタル放送伝送方式では、1チャネル内の中央の9個のセグメントからなる部分受信帯域において部分受信帯域データが送信されるように規定されており、かかる部分受信帯域αの両外側に配置された24個(拡張モードの場合は26個)のセグメントからなる非部分受信帯域において非部分受信帯域データが送信されるように規定されている。
【0031】
また、次世代の地上デジタル放送伝送方式において、拡張モードの場合には、かかる非部分受信帯域の両外側に配置された2個のセグメントからなる拡張帯域において拡張帯域データが送信されるように規定されている。なお、上述のTMCC信号は、かかる拡張帯域では送信されないように規定されている。
【0032】
送信部15a、15bは、OFDMフレームから得られたOFDM信号を送信するように構成されている。例えば、送信部15a、15bは、OFDMフレーム構成部14a、14bによって生成されたODFMフレームに対して、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)を施し、ガードインターバルを付与し、直交変調を施し、デジタルアナログ変換を施し、フィルタリングを施し、電力増幅を施すように構成されている。
【0033】
以下、
図2~
図19を参照して、本実施形態に係る送信装置1のTMCC情報ビット生成部11によって生成されるTMCC情報ビットに含まれる情報要素の一例について説明する。
【0034】
図2に示すように、例えば、かかるTMCC情報ビットは、ビットA0~A243の244ビットから構成されており、情報要素として「システム識別」と「伝送帯域識別」と「TMCC情報更新フラグ」と「伝送パラメータ切り替え指標」と「カレント情報/ネクスト情報」とを有している。
【0035】
「システム識別」は、ビットA0~A1の2ビットから構成されており、
図3に示すように、本実施形態に係る放送システムが本仕様によるシステム(すなわち、次世代の地上デジタル放送伝送方式)に対応しているか否かについて示す。「システム識別」に「00」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムが本仕様によるシステム(すなわち、次世代の地上デジタル放送伝送方式)に対応していることを示す。
【0036】
「伝送帯域識別」は、ビットA2~A3の2ビットから構成されており、
図4に示すように、ノーマルモード、互換モード及び拡張モードを少なくとも識別することができる識別情報である。
【0037】
「伝送帯域識別」に「00」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムがノーマルモードによって運用されていることを示し、「伝送帯域識別」に「01」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムが拡張モードによって運用されていることを示し、「伝送帯域識別」に「10」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムが互換モードによって運用されていることを示す。
【0038】
なお、ノーマルモードは、33セグメントからなる5.50MHzの伝送帯域を使用し、互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用し、拡張モードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用するように構成されている。
【0039】
「TMCC情報更新フラグ」は、ビットA4の1ビットから構成されており、
図5に示すように、TMCC情報ビットが更新されているか否かについて示す。「TMCC情報更新フラグ」に「0」が設定されている場合、かかるTMCC情報ビットが更新されていないことを示し、「TMCC情報更新フラグ」に「1」が設定されている場合、かかるTMCC情報ビットが更新されていることを示す。ここで、更新しているか否かは、ビットA4以降でFECポインタを除いたビットを対象としている。
【0040】
「伝送パラメータ切り替え指標」は、ビットA5~A9の5ビットから構成されており、
図6に示すように、伝送パラメータに変更が生じた場合、ネクスト情報として新しい伝送パラメータがセットされるが、ネクスト情報へ切り替わる31フレーム前から切り替えのカウントダウンをする機能である。
【0041】
また、後述の「カレント情報/ネクスト情報」においては、「カレント情報」及び「ネクスト情報」のどちらの情報を伝送しているのかを判定する必要があり、通常は「カレント情報」を伝送し、「ネクスト情報」は切り替えが生じたときのみ伝送するものとしている。特に「伝送パラメータ切り替え指標」が切り替えの偶数フレーム前を示しているときには、「カレント情報/ネクスト情報」では、「ネクスト情報」を送り、奇数フレーム前を示している時には「カレント情報」を伝送する機能を有する。以上のように、切り替えのカウントダウンが始まると1フレーム毎にカレント情報とネクスト情報を切り替えて伝送する機能を有している。
【0042】
「カレント情報/ネクスト情報」は、ビットA93~A243の151ビットから構成されており、前述の通り、通常は「カレント情報」を示し、「伝送パラメータ切り替え指標」においてカウントダウンが開始された場合にのみ、「ネクスト情報」と「カレント情報」を交互に示す。
図2に示すように、「カレント情報/ネクスト情報」は、情報要素として、「部分受信フラグ」と「A階層伝送パラメータ」と「B階層伝送パラメータ」とを有している。
【0043】
「部分受信フラグ」は、ビットA93の1ビットから構成されており、
図7に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて部分受信(すなわち、部分受信帯域における部分受信帯域データの送信)が行われているか否かについて示す。「部分受信フラグ」に
「0」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて部分受信が行われていないことを示し、「部分受信フラグ」に「1」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて部分受信が行われていることを示す。
【0044】
「A階層伝送パラメータ」は、ビットA94~A143の50ビットから構成されており、「B階層伝送パラメータ」は、ビットA144~A193の50ビットから構成されており、各階層データに対して適用される伝送パラメータを示す。
【0045】
「A階層伝送パラメータ」及び「B階層伝送パラメータ」は、それぞれ、
図8に示すように、情報要素として、「SISO/MISOフラグ」と「セグメント数」と「キャリア変調方式」と「コンスタレーション識別」と「誤り訂正符号長」と「LDPC符号化率」と「時間インターリーブ長」と「データキャリアブースト比」と「SPパターン」と「パイロット符号化」と「全キャリアパイロットフラグ」と「FECポインタ」とを有している。
【0046】
「SISO/MISOフラグ」は、3ビットによって構成されており、
図9に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して、SISO(Single-Input Single-Output)、SFBC MIMO(Space-Frequency Block Code Multi-Input Single-Output)及びSTBC MIMO(Space-Time Block Code Multi-Input Single-Output)のいずれが用いられているかについて示す。
【0047】
「SISO/MISOフラグ」に「000」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してSISOが用いられていることを示し、「SISO/MISOフラグ」に「001」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してSFBC MISOが用いられていることを示し、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してSTBC MISOが用いられていることを示す。
【0048】
「セグメント数」は、6ビットによって構成されており、
図10に示すように、対象の階層データの送信に用いられるセグメント数を示す。
【0049】
「キャリア変調方式」は、3ビットによって構成されており、
図11に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているキャリア変調方式を示す。
【0050】
「キャリア変調方式」に「000」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してQPSKが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「001」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して16QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「010」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して64QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「011」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して256QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「100」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して1024QAMが用いられていることを示し、「キャリア変調方式」に「101」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して4096QAMが用いられていることを示す。
【0051】
「コンスタレーション識別」は、1ビットによって構成されており、
図12に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているコンスタレーションが均一であるか否かについて示す。「コンスタレーション識別」に「0」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているコンスタレーションが均一であることを示し、「コンスタレーション識別」に「1」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているコンスタレーションが不均一であることを示す。
【0052】
「誤り訂正符号長」は、2ビットによって構成されており、
図13に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられている誤り訂正符号長を示す。「誤り訂正符号長」に「00」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してShortタイプの誤り訂正符号が用いられていることを示し、「誤り訂正符号長」に「01」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してMiddleタイプの誤り訂正符号が用いられていることを示し、「誤り訂正符号長」に「10」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してLongタイプの誤り訂正符号が用いられていることを示す。
【0053】
「LDPC符号化率」は、4ビットによって構成されており、
図14に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられるLDPC(Low-Density Parity-check Code)符号化率を示す。
【0054】
「時間インターリーブ長」は、3ビットによって構成されており、
図15に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられる時間インターリーブ長を示す。
【0055】
「データキャリアブースト比」は、3ビットによって構成されており、
図16に示すように、本実施形態に係る放送システムにおける対象の階層データの電力ブースト比を示す。例えば、「A階層伝送パラメータ情報」の「データキャリアブースト比」に「010(3dB)」が設定され、「B階層伝送パラメータ情報」の「データキャリアブースト比」に「000(0dB)」が設定されている場合、A階層におけるデータキャリアは、通常のキャリア変調レベルに対して3dB高いレベルで変調され、B階層におけるデータキャリアは、通常のキャリア変調レベルで変調される。
【0056】
「SPパターン」は、4ビットによって構成されており、
図17に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているSP(Scattered Pilot)パターンを示す。
【0057】
「パイロット符号化」は、2ビットによって構成されており、
図18に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して用いられているパイロット符号化方式を示す。「パイロット符号化」に「0」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して符号反転方式が用いられていることを示し、「パイロット符号化」に「1」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対してヌル方式が用いられていることを示す。
【0058】
「全キャリアパイロットフラグ」は、1ビットによって構成されており、
図19に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して全キャリアパイロットが用いられているか否かについて示す。「全キャリアパイロットフラグ」に「0」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して全キャリアパイロットが用いられていないことを示し、「全キャリアパイロットフラグ」に「1」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して全キャリアパイロットが用いられていることを示す。
【0059】
本実施形態に係る受信装置3は、複数のキャリアからなる複数のセグメントを介して、3階層までの階層伝送によって送信されたA階層データ、B階層データ及びC階層データを受信することができるように構成されている。
【0060】
なお、本実施形態に係る受信装置3は、A階層データ、B階層データ及びC階層データを、上述の部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを含むOFDM信号によって受信するように構成されている。
【0061】
本実施形態に係る受信装置3は、
図20に示すように、受信部31と、デフレーム化部32と、TMCC信号抽出部33と、フレーム同期部34と、TMCC情報ビット抽出部35とを具備している。
【0062】
受信部31は、上述のOFDM信号を受信するように構成されている。具体的には、受信部31は、受信したOFDM信号に対して、電力増幅を施し、デフィルタリングを施し、アナログデジタル変換を施し、逆直交変調を施し、ガードインターバルを除去し、FFTを施すことによって、ODFMフレームを取得するように構成されている。
【0063】
デフレーム化部32は、ODFMフレームから、TMCC信号や部分受信帯域データや非部分受信帯域データや拡張帯域データ等を分離するように構成されている。
【0064】
TMCC信号抽出部33は、OFDMフレームを構成するセグメントの1つから複数のTMCC信号を抽出するように構成されている。
【0065】
本実施形態に係る受信装置3が、広帯域受信装置である場合は、TMCC信号抽出部33は、33若しくは35セグメント分のTMCC信号を抽出するように構成されており、本実施形態に係る受信装置3が、狭帯域受信装置である場合は、部分受信帯域内の9セグメント分のTMCC信号を抽出するように構成されている。
【0066】
フレーム同期部34は、各セグメントにおいて対応するTMCC信号を送信するキャリアを加算して(キャリア加算を行い)、加算した後の系列から同期ビットのパターンを探し(すなわち、加算した後の系列と同期ビットのパターンとの相関を取り)、TMCC信号のフレームの先頭位置を見つけフレーム同期を確立するように構成されている。
【0067】
TMCC情報ビット抽出部35は、上述のフレーム同期が確立された後、TMCC信号抽出部33によって抽出されたTMCC信号から、上述のTMCC情報ビットを抽出するように構成されている。
【0068】
本実施形態に係る送信装置1及び受信装置3によれば、次世代の地上デジタル放送伝送方式を実現するために適切な伝送パラメータを送信装置1から受信装置3に対して送信することができる。
【0069】
なお、上述では、部分受信帯域内のセグメント数を「9」のケースを例に挙げて説明したが、本発明は、かかるケース以外のケースに対しても適用可能である。
【0070】
(第2の実施形態)
以下、
図21~
図25を参照して、本発明の第2の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3について、上述の第1の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3との相違点に着目して説明する。
【0071】
本実施形態では、
図21に示すように、例えば、TMCC情報ビットは、ビットA0~A243の244ビットから構成されており、情報要素として「システム識別」と「伝送帯域識別」と「TMCC情報更新フラグ」と「伝送パラメータ切り替え指標」と「カレント情報/ネクスト情報」と「A階層FECブロックポインタ」と「B階層FECブロックポインタ」と「C階層FECブロックポインタ」とを有している。
【0072】
「伝送帯域識別」は、ビットA2~A3の2ビットから構成されており、
図22に示すように、ノーマルモード及び互換モードを少なくとも識別することができる識別情報である。
【0073】
「伝送帯域識別」に「01」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムがノーマルモードによって運用されていることを示し、「伝送帯域識別」に「10」が設定されている場合、本実施形態に係る放送システムが拡張モードによって運用されていることを示す。
【0074】
なお、本実施形態では、ノーマルモードは、35セグメントからなる5.83MHzの伝送帯域を使用し、互換モードは、33セグメント及び調整帯域からなる5.57MHzの伝送帯域を使用するように構成されている。
【0075】
「カレント情報/ネクスト情報」は、ビットA10~A103の94ビットから構成されており、前述の通り、通常は「カレント情報」を示し、「伝送パラメータ切り替え指標」においてカウントダウンが開始された場合にのみ、「ネクスト情報」と「カレント情報」を交互に示す。
図21に示すように、「カレント情報/ネクスト情報」は、情報要素として、「部分受信フラグ」と「A階層伝送パラメータ」と「B階層伝送パラメータ」と「C階層伝送パラメータ」とを有している。
【0076】
「部分受信フラグ」は、ビットA10の1ビットから構成されており、「A階層伝送パラメータ」は、ビットA11~A41の31ビットから構成されており、「B階層伝送パラメータ」は、ビットA42~A72の31ビットから構成されており、「C階層伝送パラメータ」は、ビットA73~A103の31ビットから構成されており、各階層データに対して適用される伝送パラメータを示す。
【0077】
「A階層伝送パラメータ」、「B階層伝送パラメータ」及び「C階層伝送パラメータ」は、それぞれ、
図23に示すように、情報要素として、「SISO/MISO/MIMOフラグ」と「セグメント数」と「キャリア変調方式」と「コンスタレーション識別」と「誤り訂正符号長」と「LDPC符号化率」と「時間インターリーブ長」と「データキャリアブースト比」と「SPパターン」と「パイロット符号化」と「全キャリアパイロットフラグ」と「FECポインタ」とを有している。
【0078】
「SISO/MISO/MIMOフラグ」は、3ビットによって構成されており、
図24に示すように、本実施形態に係る放送システムにおいて対象の階層データに対して、SISO、MISO(SFBC)、MISO(STBC)及びMIMO(SDM)のいずれが用いられているかについて示す。
【0079】
「A階層FECブロックポインタ」は、ビットA104~A121の18ビットから構成されており、「B階層FECブロックポインタ」は、ビットA122~A139の18ビットから構成されており、「C階層FECブロックポインタ」は、ビットA140~A157の18ビットから構成されている。
【0080】
「A階層FECブロックポインタ」、「B階層FECブロックポインタ」及び「C階層FECブロックポインタ」は、それぞれ、
図25に示すように、LDPC符号長LONGまで考慮して、FECブロックポインタを18ビットで示す。「A階層FECブロックポインタ」、「B階層FECブロックポインタ」及び「C階層FECブロックポインタ」は、それぞれ、最大で262,144(2
18)まで指示でき、FECブロックのビット単位若しくはキャリアシンボル単位で指示する。キャリアシンボル単位で指示する場合、例えば、キャリア変調方式としてQPSK(2ビット伝送)が用いられている場合には、262,144キャリアシンボルまで対応できるので、最大符号長としては、524,288ビットのものまで対応できることになる。
【0081】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0082】
また、上述の実施形態では特に触れていないが、上述の送信装置1及び受信装置3によって行われる各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、かかるプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、かかるプログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、かかるプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0083】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
1…送信装置
11…TMCC情報ビット生成部
12…同期ビット生成部
13…TMCC信号生成部
14a、14b…OFDMフレーム構成部
15a、15b…送信部
3…受信装置
31…受信部
32…デフレーム化部
33…TMCC抽出部
34…TMCC情報ビット抽出部
35…同期ビット抽出部