(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-03
(45)【発行日】2022-03-11
(54)【発明の名称】チャンバライナー
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20220304BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220304BHJP
C23C 16/509 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H05H1/46 M
H01L21/31 C
C23C16/509
(21)【出願番号】P 2021504437
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(86)【国際出願番号】 US2019042298
(87)【国際公開番号】W WO2020028048
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-04-13
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】リー, チエンホン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ, ライ
(72)【発明者】
【氏名】ティナー, ロビン, エル.
(72)【発明者】
【氏名】ラウ, アレン ケー.
(72)【発明者】
【氏名】古田 学
(72)【発明者】
【氏名】チェ, スー ヤン
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-256172(JP,A)
【文献】特開2008-182081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/31
C23C 16/509
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス空間を画定するチャンバ本体であって、その中に形成された支持面
および内向き面を有するチャンバ本体と、
前記チャンバ本体に結合されたリッドと、
前記プロセス空間内に配置されたシャワーヘッドと、
前記チャンバ本体に結合され、前記チャンバ本体から横方向内側に延びている複数のブラケットと、
前記シャワーヘッドの反対側の前記プロセス空間内に配置された支持ペデスタルと、
前記複数のブラケット上に配置され、前記チャンバ本体から横方向内側に延びている第1の複数の
電気絶縁部材と、
前記チャンバ本体に配置された第2の複数の
電気絶縁部材であって、前記第2の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材が、前記第1の複数の
電気絶縁部材
のうちの1つから
、前記チャンバ本体の内向き面に沿って、前記チャンバ本体の
前記内向き面と前記チャンバ本体の前記支持面
との共通部分まで延びている、第2の複数の
電気絶縁部材と、
を備える装置
であって、
前記複数のブラケットおよび前記第1の複数の電気絶縁部材が、異なる材料を含み、
前記支持ペデスタルの基板支持面が、前記複数のブラケットより上および下の両方に位置決め可能である、
装置。
【請求項2】
前記複数のブラケットの各ブラケットが、アルミニウム材料を
含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材および前記第2の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材が、ポリマー材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の複数の
電気絶縁部材が、1つ以上のセラミックファスナによって前記チャンバ本体に結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記チャンバ本体を通って形成されたスリットバルブ開口部をさらに備え、前記複数のブラケットが、前記スリットバルブ開口部と前記支持面との間で前記チャンバ本体に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のブラケットが、前記プロセス空間内のRFリターンパスを調整するように前記チャンバ本体に位置決めされている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
プロセス空間を画定するチャンバ本体であって、底部および前記底部の反対側の支持面を有するチャンバ本体と、
前記底部から前記支持面まで延びている第1の側壁と、
前記第1の側壁の反対側で前記底部から前記支持面まで延びている第2の側壁と、
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間で前記底部から前記支持面まで延びている第3の側壁と、
前記第3の側壁の反対側の前記第1の側壁と前記第2の側壁との間で前記底部から前記支持面まで延びている第4の側壁と、
前記プロセス空間内に配置された支持ペデスタルと、
前記支持ペデスタルの反対側の前記プロセス空間内に配置されたシャワーヘッドと、
前記底部と前記支持面との間で前記第1の側壁に結合され
、前記第1の側壁から前記プロセス空間の内側に延びている第1のブラケットと、
前記第2の側壁に結合され
、前記第2の側壁から前記プロセス空間の内側に延びている第2のブラケットであって、前記第1のブラケットと実質的に同一平面上にある第2のブラケットと、
前記第3の側壁に結合され
、前記第3の側壁から前記プロセス空間の内側に延びている第3のブラケットであって、前記第1のブラケットおよび前記第2のブラケットと実質的に同一平面上にある第3のブラケットと、
前記第4の側壁に結合され
、前記第4の側壁から前記プロセス空間の内側に延びている第4のブラケットであって、前記第1のブラケット、前記第2のブラケット、および前記第3のブラケットと実質的に同一平面上にある第4のブラケットと、
第1の複数の
電気絶縁部材であって、前記第1の複数の
電気絶縁部材のうちの1つが、前記第1のブラケット、前記第2のブラケット、前記第3のブラケット、および前記第4のブラケットのそれぞれの上に配置されている、第1の複数の
電気絶縁部材と、
第2の複数の
電気絶縁部材であって、前記第2の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材が、前記第1のブラケット、前記第2のブラケット、前記第3のブラケット、および前記第4のブラケットのうちの1つから前記チャンバ本体の前記支持面まで延びている、第2の複数の
電気絶縁部材と、
を備える装置。
【請求項8】
前記第1のブラケット、前記第2のブラケット、前記第3のブラケット、および前記第4のブラケットが、それぞれアルミニウム材料を
含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材および前記第2の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材が、ポリマー材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記チャンバ本体に形成されたスリットバルブ開口部をさらに備え、前記第1の複数の
電気絶縁部材が、前記スリットバルブ開口部と前記支持面との間で前記チャンバ本体に結合されている、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のブラケット、前記第2のブラケット、前記第3のブラケット、および前記第4のブラケットが、前記プロセス空間内のRFリターンパスを調整するように前記チャンバ本体に位置決めされている、請求項7に記載の装置。
【請求項12】
プロセス空間をその中に画定するチャンバ本体であって、支持面、第1の側壁、前記第1の側壁の反対側の第2の側壁、前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の第3の側壁、および前記第3の側壁の反対側の前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の第4の側壁を有し、各側壁が、隣接する側壁と実質的に直角を有するコーナーを形成する、チャンバ本体と、
前記チャンバ本体に結合され、前記チャンバ本体から横方向内側に延びている複数のブラケットと、
前記複数のブラケット上に配置された第1の複数の
電気絶縁部材と、
前記チャンバ本体に結合された第2の複数の
電気絶縁部材であって、前記第2の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材が、前記第1の複数の
電気絶縁部材から前記支持面まで延びている、第2の複数の
電気絶縁部材と、
前記チャンバ本体の各コーナーで前記チャンバ本体に結合された第3の複数の
電気絶縁部材と、
を備える装置
であって、
前記第1の複数の電気絶縁部材および前記第2の複数の電気絶縁部材の少なくとも一部が、前記プロセス空間の一部を境界付け、前記第2の複数の電気絶縁部材が、前記チャンバ本体に直接接触し
前記プロセス空間内に配置された基板支持体の基板支持面が、前記複数のブラケットより上に位置決めされている、
装置。
【請求項13】
前記複数のブラケットの各ブラケットが、アルミニウム材料を
含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の複数の
電気絶縁部材、前記第2の複数の
電気絶縁部材、および前記第3の複数の
電気絶縁部材の各
電気絶縁部材が、ポリマー材料を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のブラケットが、前記プロセス空間内のRFリターンパスを調整するように前記チャンバ本体に位置決めされている、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の複数の電気絶縁部材が、1つ以上のセラミックファスナによって前記チャンバ本体に結合されている、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記チャンバ本体を通って形成されたスリットバルブ開口部をさらに備え、前記複数のブラケットが、前記スリットバルブ開口部と前記支持面との間に配置されている、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記第1の複数の電気絶縁部材の各電気絶縁部材および前記第2の複数の電気絶縁部材の各電気絶縁部材が、セラミック材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の複数の電気絶縁部材の各電気絶縁部材および前記第2の複数の電気絶縁部材の各電気絶縁部材が、セラミック材料を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項20】
前記第1の複数の電気絶縁部材、前記第2の複数の電気絶縁部材、および前記第3の複数の電気絶縁部材の各電気絶縁部材が、セラミック材料を含む、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に開示される実施形態は、一般に、半導体製造設備の分野に関し、より具体的には、製造プロセス中のプラズマのアーク放電を低減するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]プラズマ化学気相堆積(PECVD)処理用の従来のプロセスチャンバには、大きな高周波(RF)電力を利用するための適切な装置がない。例えば、従来のプロセスチャンバでは、最大RF電力が、約4kWに制限されている。約5kWを超えるRF電力を使用すると、プラズマ内でフリッカやアーク放電が発生する。しかしながら、より大きなRF電力(例えば、約5kWを超える)は、望ましい特性を有する膜の堆積を可能にする。
【0003】
[0003]したがって、当技術分野で必要とされるのは、アーク放電を低減するための、プロセスチャンバ用の改良された装置である。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一実施形態では、プロセス空間を画定するチャンバ本体を含む装置が提供される。支持面が、チャンバ本体に形成されている。リッドが、チャンバ本体に結合され、シャワーヘッドが、プロセス空間内に配置されている。複数のブラケットが、チャンバ本体に結合され、チャンバ本体から横方向内側に延びている。支持ペデスタルが、シャワーヘッドの反対側のプロセス空間内に配置されている。第1の複数の絶縁部材が、複数のブラケット上に配置されている。第1の複数の絶縁部材の各絶縁部材は、チャンバ本体から横方向内側に延びている。第2の複数の絶縁部材が、チャンバ本体に配置されている。第2の複数の絶縁部材の各絶縁部材は、第1の複数の絶縁部材からチャンバ本体の支持面まで延びている。
【0005】
[0005]別の実施形態では、その中にプロセス空間を画定するチャンバ本体を含む装置が提供される。チャンバ本体は、底部と、底部の反対側の支持面を有する。第1の側壁が、底部から支持面まで延びている。第2の側壁が、第1の側壁の反対側で底部から支持面まで延びている。第3の側壁が、第1の側壁と第2の側壁の間で底部から支持面まで延びている。第4の側壁が、第1の側壁と第2の側壁の間で底部から支持面まで延びている。第4の側壁は、第3の側壁の反対側にある。支持ペデスタルが、プロセス空間内に配置されている。シャワーヘッドが、支持ペデスタルの反対側のプロセス空間内に配置されている。第1のブラケットが、底部と支持面との間で第1の側壁に結合されている。第2のブラケットが、第2の側壁に結合され、第1のブラケットと実質的に同一平面上にある。第3のブラケットが、第3の側壁に結合され、第1のブラケットおよび第2のブラケットと実質的に同一平面上にある。第4のブラケットが、第4の側壁に結合され、第1のブラケット、第2のブラケット、および第3のブラケットと実質的に同一平面上にある。第1の複数の絶縁部材の絶縁部材が、第1のブラケット、第2のブラケット、第3のブラケット、および第4のブラケットのそれぞれの上に配置されている。第2の複数の絶縁部材が、第1のブラケット、第2のブラケット、第3のブラケット、および第4のブラケットのうちの1つからチャンバ本体の支持面まで延びている。
【0006】
[0006]さらに別の実施形態では、その中にプロセス空間を画定するチャンバ本体を含む装置が提供される。チャンバ本体は、支持面、第1の側壁、第1の側壁の反対側の第2の側壁、第1の側壁と第2の側壁との間の第3の側壁、および第1の側壁と第2の側壁との間の第4の側壁を有する。第4の側壁は、第3の側壁の反対側にある。各側壁は、隣接する側壁とともに実質的に直角を有するコーナーを形成する。複数のブラケットが、チャンバ本体に結合され、チャンバ本体から横方向内側に延びている。第1の複数の絶縁部材が、複数のブラケット上に配置されている。第2の複数の絶縁部材が、チャンバ本体に結合されている。第2の複数の絶縁部材の各絶縁部材は、第1の複数の絶縁部材から支持面まで延びている。第3の複数の絶縁部材が、チャンバ本体の各コーナーでチャンバ本体に結合されている。
【0007】
[0007]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、そのいくつかは、添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを例示し、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態によるプロセスチャンバの概略側面断面図を示している。
【
図2】本開示の一実施形態によるプロセスチャンバの断面平面図を示している。
【
図3】本開示の一実施形態によるプロセスチャンバの斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0011]理解を容易にするために、可能な場合には、同一の参照番号を使用して、図に共通する同一の要素を指定している。一つの実施形態の要素および特徴は、さらなる列挙なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが、企図される。
【0010】
[0012]本明細書に記載の実施形態は、一般に、大きな高周波(RF)電力を利用して基板を処理するための装置および方法に関する。大きなRF電力は、基板上への、より望ましい特性を備えた膜の堆積を可能にする。第1の複数の絶縁部材が、複数のブラケット上に配置され、チャンバ本体から横方向内側に延びている。第2の複数の絶縁部材が、チャンバ本体に配置され、第1の複数の絶縁部材からチャンバ本体の支持面まで延びている。絶縁部材が、プラズマとチャンバ本体との間のアーク放電の発生を低減する。
【0011】
[0013]本明細書に記載のプロセスおよび装置を使用して、ゲート絶縁体酸化ケイ素(GISiO)膜を堆積させることができる。GISiO膜は、シラン(SiH4)と亜酸化窒素(N2O)を使用して、またはテトラエチルオルトシリケート(TEOS)(Si(OC2H5)4)と酸素(O2)を使用して堆積させることができる。他の材料を利用する他のプロセスもまた、本明細書に記載の実施形態から利益を得ることができると考えられる。
【0012】
[0014]
図1は、本開示の一実施形態によるプロセスチャンバ100の概略側面断面図を示している。プロセスチャンバ100は、チャンバ本体102と、チャンバ本体102に結合されたリッド112とを含む。チャンバ本体102は、底部138と、底部138とリッド112に実質的に垂直であり、底部138とリッド112の間に延びる第1の側壁170とを有する。第2の側壁172が、第1の側壁170の反対側に配置されている。第2の側壁172は、第1の側壁170に実質的に平行であり、底部138とリッド112との間に延びている。底部138は、第1の側壁170と第2の側壁172とに実質的に垂直であり、第1の側壁170と第2の側壁172との間に延びている。第3の側壁および第4の側壁(
図2に関して詳細に説明される)は、互いに平行であり、第1の側壁170と第2の側壁172との間に延びている。スリットバルブ開口部144が、チャンバ本体102の第2の側壁172を通って形成されている。
【0013】
[0015]チャンバ本体102およびリッド112は、その中にプロセス空間148を画定する。ガス源104が、導管108を介してプロセス空間148と流体連結している。導管108は、アルミニウムまたはその合金などの導電性材料から製造されている。遠隔プラズマ源106が、ガス源104とプロセス空間148との間で導管108に結合されている。高周波(RF)電源110が、遠隔プラズマ源106に結合されて、ガス源104からのプロセスガスを活性化するRF電力を提供する。RF電源110は、リッド112に電気的に結合され、チャンバ本体102からRF電源110へのRF電流リターンパスを提供する。RF電源110は、約3kWから約20kWの間、例えば、約12kWから約19kWの間、例えば、約18kWのRF電力を生成する。基板処理と基板処理との間に、洗浄ガスが、遠隔プラズマ源106に提供され、遠隔プラズマが生成され、プロセスチャンバ100の構成要素を洗浄するために提供されてもよい。
【0014】
[0016]支持面152が、チャンバ本体102に形成されている。支持面152は、第1の側壁170および第2の側壁172(ならびに第3の側壁および第4の側壁)を含む、チャンバ本体の各側壁に形成されている。支持面152は、底部138の反対側にあり、第1の側壁170および第2の側壁172に実質的に垂直である。基板支持体136が、プロセス空間148内に配置されている。基板支持体136は、処理中に基板124を支持する。一実施形態では、基板支持体136は、セラミック材料から製造される。別の実施形態では、基板支持体136は、炭化ケイ素材料などのケイ素含有材料でコーティングされたグラファイト材料から製造される。
【0015】
[0017]基板支持体136は、アクチュエータ140を用いてプロセス空間148内で移動可能である。例えば、処理中、基板支持体136は、基板124がスリットバルブ開口部144より上に配置されるような上昇位置にある。処理が完了すると、アクチュエータ140は、基板支持体136がスリットバルブ開口部144より下になるような下降位置に、基板支持体136を移動させる。基板支持体136の下降位置は、基板124を基板支持体136に、または基板支持体136から移動させることを可能にする。
【0016】
[0018]1つ以上のリフトピン130、132が、基板支持体136を通って配置されている。基板124がリフトピン130、132上で上昇したときに基板124の湾曲を低減するために、1つ以上のリフトピン130、132は、異なる長さである。例えば、1つ以上の内側リフトピン132は、内側リフトピン132の横方向外側で基板支持体136内に配置された1つ以上の外側リフトピン130よりも短い。したがって、基板124がリフトピン130、132上で上昇すると、内側リフトピン132上に配置された基板124の内側部分は、外側リフトピン130上に配置された基板124の外側部分に対して垂れ下がる。
【0017】
[0019]シャワーヘッド116が、基板支持体136の反対側のプロセス空間148内に配置されている。シャワーヘッド116は、1つ以上の支持体120を介してバッキングプレート114に結合されている。絶縁体およびOリングシールなどの1つ以上のアイソレータ122が、バッキングプレート114をチャンバ本体から電気的に絶縁する。1つ以上のアイソレータ122は、チャンバ本体102の支持面152上に配置されて、バッキングプレート114を支持する。一実施形態では、1つ以上のアイソレータ122は、誘電体材料から製造される。空間118が、バッキングプレート114、バッキングプレート114の反対側のシャワーヘッド116、および1つ以上の支持体120によって画定される。複数の通路156が、シャワーヘッド116を通って形成されている。空間118は、複数の通路156を介してプロセス空間148と流体連結している。
【0018】
[0020]1つ以上のブラケット142が、第1の側壁170および第2の側壁172上に配置され、第1の側壁170および第2の側壁172に結合されている。1つ以上のブラケット142は、第1の側壁170および第2の側壁172から横方向内側に延びている。複数のブラケット142は、スリットバルブ開口部144とチャンバ本体102の支持面152との間で、第1の側壁170および第2の側壁172上に配置され、第1の側壁170および第2の側壁172から延びている。一実施形態では、1つ以上のブラケット142は、アルミニウム材料またはその合金などの導電性材料から製造されている。したがって、1つ以上のブラケット142は、RF電流が1つ以上のブラケット142から側壁170、172に連続的に流れることができるように、第1の側壁170および第2の側壁172を含むチャンバ本体102の側壁に電気的に接続されている。
【0019】
[0021]1つ以上の第1の絶縁部材160が、1つ以上のブラケット142上に配置されている。第1の絶縁部材160は、第1の側壁170および第2の側壁172から横方向に延びている。1つ以上の第2の絶縁部材162が、第1の側壁170および第2の側壁172上に配置されている。第2の絶縁部材162は、第1の絶縁部材160からチャンバ本体102の支持面152まで延びている。一実施形態では、第2の絶縁部材162は、1つ以上のセラミックファスナ146によってチャンバ本体102の側壁170、172に結合されている。一実施形態では、第1の絶縁部材160および第2の絶縁部材162は、酸化アルミニウム(Al2O3)などのセラミック材料から製造される。別の実施形態では、第1の絶縁部材160および第2の絶縁部材162は、ポリマー材料から製造される。
【0020】
[0022]
図1では別個の絶縁部材として示されているが、一実施形態では、第1の絶縁部材160および第2の絶縁部材162は、1つ以上のブラケット142上および側壁170、172上の両方に配置された連続的な絶縁部材であってもよい。処理中、基板124上に堆積された膜の特性を改善するために、大きいRF電力を利用することが望ましい。例えば、約3.5kWから約20kWの間の、例えば、約18kWのRF電力を使用すると、より大きいイオンエネルギーとイオン衝撃により、密度の改善、絶縁破壊電圧の増加、漏れ電流の減少、およびウェットエッチング速度の低下などの望ましい膜特性を有する膜を生成し得る。約18kWのRF電力を利用すると、絶縁破壊電圧が、約5kWのRF電力を利用して堆積された膜の約7.8MV/cmから、約8.5MV/cmに増加する。
【0021】
[0023]より大きいRF電力(例えば、約4.1kWを超える)は、膜の特性を改善するが、それはまた、堆積された膜および基板124を損傷するプロセス空間内でのアーク放電の発生を増加させる。1つ以上のブラケット142上に配置された第1の絶縁部材160は、プロセス空間148内のプラズマと1つ以上のブラケット142との間のアーク放電を大幅に低減する。同様に、第2の絶縁部材162は、プロセス空間148内のプラズマと、第1の側壁170および第2の側壁172を含むチャンバ本体102の側壁との間のアーク放電を、大幅に低減する。1つ以上のブラケット142および第1の絶縁部材160はまた、シャワーヘッド116と支持体136との間のプロセス空間148にプラズマを閉じ込めるのに役立つ。
【0022】
[0024]アーク放電の発生をさらに低減するために、RF電力が増加されるにつれて、プロセス空間148内の圧力が増加される。RF電力が増加されるにつれて、プロセス空間148内でのアーク放電の発生もまた増加する。アーク放電の発生を低減するために、プロセス空間148内の圧力が増加される。例えば、プロセス空間148内の圧力は、約650mTorrと約1000mTorrの間から約1000mTorrと約2000mTorrの間に、例えば、約1100mTorrと約1600mTorrの間に、例えば1500mTorrに増加され得る。
【0023】
[0025]シャドウフレーム128が、プロセス空間148内に移動可能に配置されている。基板支持体136が下降位置にあるとき、シャドウフレーム128は、第1の絶縁部材160上に置かれ、1つ以上のブラケット142によって支持される。基板支持体136が上昇位置まで上昇すると、シャドウフレーム128は、基板124の外縁部および基板支持体136の外縁部と係合し、それらの上に載る。基板支持体136が上昇位置にあるとき、シャドウフレーム128は、第1の絶縁部材160から離間されている。シャドウフレーム128は、ソース材料の堆積を基板124の所望の部分に限定するように構成されている。
【0024】
[0026]
図2は、本開示の一実施形態によるプロセスチャンバ100の断面平面図を示している。チャンバ本体102は、第1の側壁170、第2の側壁172、第3の側壁202、および第4の側壁204を含む。第3の側壁202は、第1の側壁170と第2の側壁172とに実質的に垂直であり、第1の側壁170と第2の側壁172との間に延びている。第4の側壁204は、第3の側壁202の反対側に配置され、第1の側壁170と第2の側壁172とに実質的に垂直であり、第1の側壁170と第2の側壁172との間に延びている。側壁170、172、202、および204のそれぞれは、隣接する側壁170、172、202、および204とともに実質的に直角を有するコーナー208を形成する。
【0025】
[0027]1つ以上の第1の絶縁部材160が、側壁170、172、202、および204のそれぞれに結合され、それらから横方向内側に延びている。第1の絶縁部材160のそれぞれが、
図1に示される1つ以上のブラケット142などの、各それぞれの側壁170、172、202、および204に結合され、そこから延びるブラケットによって、支持されている。
【0026】
[0028]第2の絶縁部材162が、チャンバ本体102の各側壁170、172、202、および204に配置されている。1つ以上の第3の絶縁部材206が、側壁170、172、202、および204によって形成される各コーナーに配置されている。第3の絶縁部材206は、側壁170、172、202、および204上に配置され、チャンバ本体102の支持面152から底部138まで延びている。
【0027】
[0029]一実施形態では、第2の絶縁部材162の厚さは、第3の絶縁部材206の厚さよりも厚い。一実施形態では、第3の絶縁部材206は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)などのセラミック材料から製造される。処理中、第3の絶縁部材206は、
図1に示されるプロセス空間148内のプラズマと、側壁170、172、202、および204によって形成されるコーナーとの間のアーク放電を低減するのに役立つ。
【0028】
[0030]
図3は、本開示の一実施形態によるプロセスチャンバ100の斜視図を示している。
図3は、側壁170、172、202、および204によって形成されたコーナー208に配置された1つ以上の第3の絶縁部材206を、より明確に示している。ブラケット142、第1の絶縁部材160、第2の絶縁部材162が、スリットバルブ開口部144より上の側壁170、172、202、および204上に配置されている。第3の絶縁部材が、チャンバ本体102の支持面152と底部138との間に延びている。
図1に示されている1つ以上のブラケット142などの、第1の絶縁部材160の下にある1つ以上のブラケットは、明快さのために
図3から省略されている。
【0029】
[0031]要約すると、本開示の実施形態は、プラズマ処理装置のための改善されたアーク保護および防止を提供する。本明細書に記載の絶縁部材は、増加したRF電力(例えば、約15kW)を処理中に使用することを可能にする。次に、より大きいRF電力は、増加した絶縁破壊電圧を示す膜などの、改善された膜特性を示す膜が堆積されることを可能にする。増加したRF電圧は、密度の改善、漏れ電流の減少、およびウェットエッチング速度の低下など、基板上に堆積された膜の特性を、さらに改善する。絶縁部材はまた、シャワーヘッドと支持ペデスタルの間のプロセス空間にプラズマを閉じ込めるのに役立つ。絶縁部材と組み合わせて、アーク放電の発生を低減するために、プロセス空間内の圧力も増加される。
【0030】
[0032]上記は、本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他のさらなる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されることができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。