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特許7035005高度なデバイスのウェハ上の粒子性能に対して化学的適合性のあるコーティング材料
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-04
(45)【発行日】2022-03-14
(54)【発明の名称】高度なデバイスのウェハ上の粒子性能に対して化学的適合性のあるコーティング材料
(51)【国際特許分類】
   C23C 4/11 20160101AFI20220307BHJP
   C23C 4/134 20160101ALI20220307BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
C23C4/11
C23C4/134
H01L21/302 101G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019234013
(22)【出願日】2019-12-25
(62)【分割の表示】P 2018001685の分割
【原出願日】2013-07-26
(65)【公開番号】P2020073725
(43)【公開日】2020-05-14
【審査請求日】2019-12-25
(31)【優先権主張番号】61/676,818
(32)【優先日】2012-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/830,608
(32)【優先日】2013-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】サン ジェニファー ワイ
(72)【発明者】
【氏名】カヌンゴ ビラジャ プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ルボミルスキー ディミトリー
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-137194(JP,A)
【文献】特開2009-068066(JP,A)
【文献】特開2009-068067(JP,A)
【文献】特開2002-080954(JP,A)
【文献】特開2008-273823(JP,A)
【文献】特開2002-106360(JP,A)
【文献】特表2000-508029(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0084654(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0213496(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102296263(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 4/00-6/00
H01L 21/302
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ溶射プロセスで使用するための粉末であって、
の固溶体、ZrO 及びAl を含む粉末であって、50モル%~75モル%の範囲内のY と、10モル%~30モル%の範囲内のZrO と、10モル%~30モル%の範囲内のAl とを含み、
粉末は複数のドーナツ状粒子を含み、
ドーナツ状粒子の各々は、球状体の反対側にくぼみを有する球状体を有し、
粉末を用いて堆積されたセラミックスコーティングは、H、CO、COS、又はCHのうちの少なくとも1つを含む還元プラズマに対して耐性があり、1インチあたりのノジュールの数が30ノジュール~45ノジュールの範囲内であり、空隙率が2.5~3.2の範囲内である粉末。
【請求項2】
粉末はYAl及びY-ZrOの固溶体を含む請求項1記載の粉末。
【請求項3】
粉末は、Y、YAl、及びYAl12からなる群から選択される第1の酸化物を含む請求項1記載の粉末。
【請求項4】
粉末は、Nd、Nb、CeO、Sm、及びYbのうちの1以上を更に含む請求項1~3のいずれか1項記載の粉末。
【請求項5】
とZrOを含む請求項1記載の粉末。
【請求項6】
粉末は少なくとも99.9%の純度を有する請求項1~5のいずれか1項記載の粉末。
【請求項7】
粉末は、粒子の50%に対する粒子サイズが15ミクロン以下となるような粒度分布を有する請求項1~6のいずれか1項記載の粉末。
【請求項8】
粉末は、粒子の50%に対する粒子サイズが25ミクロン以下となるような粒度分布を有する請求項1~6のいずれか1項記載の粉末。
【請求項9】
焼成されている請求項1~8のいずれか1項記載の粉末。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項記載の粉末を用いたプラズマ溶射を実行することを含む方法。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項記載の粉末を用いて形成されたコーティングを含むセラミックス物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、セラミックスコーティングされた物品に関し、及び誘電
体のエッチング処理コンポーネントへセラミックスコーティングを施すための方法に関す
る。
【背景】
【0002】
半導体産業では、ますます減少するサイズの構造を作る多くの製造プロセスによって、
デバイスは製造される。いくつかの製造プロセス(例えば、プラズマエッチングプロセス
やプラズマ洗浄プロセス)は、基板をエッチング又は洗浄するためにプラズマの高速流に
基板を曝露させる。プラズマは非常に腐食性があり、プラズマに曝露される処理チャンバ
及び他の表面を腐食する可能性がある。この腐食は、デバイスの欠陥に寄与する、処理さ
れている基板をしばしば汚染する粒子を生成する場合がある。
【0003】
デバイスの幾何学形状が縮小するにつれて、欠陥への感受性は増加し、粒子汚染物質の
要件はより厳しくなる。したがって、デバイスの幾何学形状が縮小するにつれて、粒子汚
染の許容レベルは低下する可能性がある。プラズマエッチングプロセス及び/又はプラズ
マ洗浄プロセスによって導入される粒子汚染を最小限にするために、プラズマに耐性のあ
るチャンバ材料が開発されている。異なる材料は、異なる材料特性(例えば、耐プラズマ
性、剛性、曲げ強度、耐熱衝撃性など)を提供する。また、異なる材料は、異なる材料コ
ストを有する。したがって、いくつかの材料は、優れた耐プラズマ性を有し、他の材料は
、より低いコストを有し、更に他の材料は、優れた曲げ強度及び/又は耐熱衝撃性を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明は、添付図面の図の中で、限定としてではなく、例として示され、同様の参照符
号は同様の要素を示す。この開示における「一」又は「1つの」実施形態への異なる参照
は、必ずしも同じ実施形態への参照ではなく、そのような参照は、少なくとも1つを意味
することに留意すべきである。
【0005】
図1】ライナキットの断面図を示す。
図2】製造システムの典型的なアーキテクチャを示す。
図3】プラズマ溶射システムの断面図を示す。
図4】一実施形態に係る、物品にコーティングを施す方法を示す。
図5】コーティング用粉末の形状を示す。
図6A】コーティング用粉末の粒度分布を示す。
図6B】一実施形態に係るコーティング用粉末の粒度分布を示す。
図7A】一実施形態に係るコーティングのノジュール(小塊)数を示す。
図7B】一実施形態に係るコーティングの表面粗さを示す。
図7C】一実施形態に係るコーティングの断面空孔率を示す。
図8】コーティングの塗布を示す。
図9】一実施形態に係るコーティングを施す方法を示す。
図10】コーティング面の走査型電子顕微鏡(SEM)図を示す。
図11】コーティングの断面のSEM図を示す。
図12A】経時的なコーティングの粒子性能を示す。
図12B】一実施形態に係るコーティングの粒子性能を示す。
【詳細な説明】
【0006】
本発明の実施形態は、Al又はAl又はSiCの基板と、物品上のセラミックス
コーティングを含む、半導体処理チャンバ用還元プラズマ化学に曝露される物品(例えば
、プラズマスクリーン、ライナキット、シャワーヘッド、蓋、静電チャック、又は他のチ
ャンバコンポーネント)に向けられている。一実施形態では、セラミックスコーティング
は、YAl(YAM)の化合物と、Y2-XZrの固溶体を含む複合セラ
ミックスであり、セラミックスコーティングは、還元性化学薬品(H、CO、COS、
CH等)に対して耐性がある。
【0007】
物品上にセラミックスコーティングをコーティングする方法は、約90A~約150A
の間の範囲内のプラズマ電流を有するプラズマ溶射システムを提供する工程と、約60m
m~約120mmの間の物品からの距離にプラズマ溶射システムのトーチスタンドオフを
位置決めする工程を含む。方法はまた、約80L/分~約130L/分の間の速度でプラ
ズマ溶射システムを介してガスを流す工程と、セラミックスコーティングで物品をプラズ
マ溶射コーティングする工程を含む。
【0008】
導体エッチングプロセスは、ガス混合物によって導電性基板(例えば、Siウェハ)の
プラズマ援用エッチングを含む。導体エッチングでは、ウェハ上(オンウェハ)レベルの
粒子性能は、チャンバの重要なコンポーネント(特に、前面120、裏面122、及び外
径124を有するライナキット100)と主に相関し、それは、図1に示されるように、
チャンバ本体111、上部ライナ101、スリットバルブドア103、プラズマスクリー
ン105(つまり、ウェハ周囲の焼き網(グリル)のような構造)、下部ライナ107、
及び陰極ライナ109を含むことができる。上部ライナ101、スリットバルブドア10
3、及び下部ライナ107は、チャンバ本体111により近く、一方、プラズマスクリー
ン105は、ウェハ(図示せず、しかしながら動作中、位置130に配置される)の周囲
に配置され、陰極ライナ109は、ウェハの下方に位置する。
【0009】
標準的なライナキットは、約100~270マイクロインチの表面粗さを有する8~1
2ミルプラズマ溶射されたY(イットリア)又は他のセラミックスでコーティング
されたAl基板で構成することができる。最も典型的な半導体用途のために、ウェハ上の
粒子仕様は、90nm以上の粒径で最大で約30の付加物(例えば、ウェハ上にある浮遊
粒子)である。標準的なYライナキットは、このウェハ上の粒子仕様を満たしてい
る。
【0010】
28nmのデバイスノードでの特定の高度なアプリケーションでは、ウェハ上の粒子仕
様は、45nm以上のサイズで1.3付加物以下とはるかにより厳しい。更に、これらの
アプリケーションは、多くの場合、ウェハ上の粒子汚染を増大させる還元化学薬品(H
、CH、CO、COSなど)を使用する可能性がある。従来のYコーティングさ
れたライナキットを還元化学条件下で用いるチャンバテストは、高いウェハ上の粒子(例
えば、45nm以上の粒子サイズで約50~100以上の付加物)を示すが、かなりのチ
ャンバの慣らし運転(例えば、100~150の高周波のRF処理時間)は、粒子欠陥レ
ベルを45nm以上の粒子サイズで約0~10付加物まで減らし、これによって生産を再
開する前に、生産仕様に適合させることができる。しかしながら、長いチャンバの慣らし
運転時間は、生産性を低下させる可能性がある。テストでは、エネルギー分散型X線分光
法は、従来のYベースのウェハ上の粒子がライナキットから生じる可能性があるこ
とを確認している。
【0011】
更に、Yコーティングは、還元化学(例えば、H、CH、CO、COS、等
)条件下での安定性が低く、重要なY-OHを形成する。Y-OH転換は、ウェハ上に見
出すことができる脱落粒子を生じる体積変化をもたらす。しかしながら、還元化学の非存
在下では、Yは安定であり、粒子を脱落させない。
【0012】
本発明の実施形態は、半導体産業用途でのチャンバコンポーネントに対するウェハ上の
粒子性能を向上させるために、還元化学の使用との適合性を高めるための複合セラミック
スコーティング材料を含む。例えば、ライナキットの用途では、複合セラミックスコーテ
ィング(例えば、イットリア系複合セラミックスコーティング)は、プラズマ溶射技術を
用いて、ライナキットのプラズマに対向する面に施すことができる。他の実施形態では、
複合セラミックスコーティングは、エアロゾルデポジション法、スラリープラズマ、又は
他の適切な技術(例えば、他の熱溶射技術)を介して施すことができる。一例では、アル
ミニウムライナキット上のコーティング厚さは、最大25ミルとすることができる。別の
一例では、コーティングの熱膨張係数(CTE)がより良好に基板のCTEに一致するA
又は他の金属酸化物基板は、より厚いコーティングを有することができる。
【0013】
一実施形態では、複合セラミックスコーティングは、化合物YAl(YAM)
と固溶体Y2-xZr(Y-ZrOの固溶体)で構成される。更なる一実
施形態では、複合セラミックスコーティングは、62.93モル%のY、23.2
3モル%のZrO、及び13.94モル%のAlを含む。別の一実施形態では、
複合セラミックスコーティングは、50~75モル%の範囲内のY、10~30モ
ル%の範囲内のZrO、及び10~30モル%の範囲内のAlを含むことができ
る。他の実施形態では、他の配分もまた、複合セラミックスコーティングに対して使用す
ることができる。一実施形態では、複合セラミックスは、ZrO、Al、HfO
、Er、Nd、Nb、CeO、Sm、Ybのうちの
1以上又はそれらの組み合わせと混合することができる酸化イットリウム含有固溶体であ
る。
【0014】
様々なコーティングのテスト中に、ウェハ上の粒子レベルが、CO及びHなしで(非
還元化学条件下で)、及びCO及びHありで(すなわち、還元化学条件下で)観察され
た。複合セラミックスコーティングは、特に、還元化学条件下で、テストされた他のコー
ティング及びバルク材料(例えば、バルクY、プラズマ溶射(PS)Y、S
iC、柱状Si、単結晶Si、及びSiO)よりも良好な耐食性を示し、テストされた
他のコーティングよりも低い浸食速度(単位RF時間当たりの浸食深さ)を示した。例え
ば、図12Aは、RF時間にわたって45nm以上の粒子に対するYコーティング
のウェハ上の粒子性能を示す。ここで、コーティングは、初期段階(例えば、20RF時
間未満)では、YO粒子の高い数値を示し、安定した粒子数に到達するのに80~100
RF時間を要した。図12Bは、RF時間にわたって45nmの粒子に対する複合セラミ
ックスコーティングのウェハ上の粒子性能を示し、ここでコーティングは、慣らし運転(
シーズニング)中にYO粒子の高い数値を示さず、YO粒子数は、60RF時間で常に低
かった(すなわち、5付加物未満であった)。
【0015】
図2は、製造システム200の例示的なアーキテクチャを示す。製造システム200は
、(例えば、物品(例えば、ライナキット)に複合セラミックスコーティングを施すため
の)コーティング製造システムであってもよい。一実施形態では、製造システム200は
、機器自動化レイヤー215に接続された処理機器201を含む。処理機器201は、ビ
ーズブラスター202、1以上の湿式洗浄装置203、プラズマ溶射銃システム204及
び/又は他の機器を含むことができる。製造システム200は、機器自動化レイヤー21
5に接続された1以上のコンピューティングデバイス220を更に含むことができる。代
替の実施形態では、製造システム200は、より多くの又はより少ない構成要素を含むこ
とができる。例えば、製造システム200は、機器自動化レイヤー215又はコンピュー
ティングデバイス220なしで、手動操作(例えば、オフライン)の処理機器201を含
んでもよい。
【0016】
ビーズブラスター202は、物品(例えば、ライナキット)の表面を粗面化するように
構成された機械である。ビーズブラスター202は、ビーズブラストキャビネット、ハン
ドヘルドビーズブラスター、又は他のタイプのビーズブラスターであってもよい。ビーズ
ブラスター202は、ビーズ又は粒子を基板に衝突させることによって、基板を粗面化す
ることができる。一実施形態では、ビーズブラスター202は、基板にセラミックスビー
ズ又は粒子を発射する。ビーズブラスター202によって達成された粗さは、ビーズを発
射するために使用される力、ビーズ材料、ビーズサイズ、基板からのビーズブラスターの
距離、処理時間などに基づく可能性がある。一実施形態では、ビーズブラスターは、セラ
ミックス物品を粗面化するために、ある範囲のビーズサイズを使用する。
【0017】
代替の実施形態では、ビーズブラスター202ではなく他のタイプの表面粗面化装置が
使用されてもよい。例えば、電動砥粒(研磨)パッドを用いて、セラミックス基板の表面
を粗面化してもよい。サンダーは、砥粒パッドを物品の表面に押し付けながら砥粒パッド
を回転または振動させることができる。砥粒パッドにより達成される粗さは、印加された
圧力、振動又は回転速度、及び/又は砥粒パッドの粗さに依存する可能性がある。
【0018】
湿式洗浄装置203は、湿式洗浄プロセスを使用して物品(例えば、ライナキット)を
洗浄する洗浄装置である。湿式洗浄装置203は、基板を洗浄するために基板を浸漬させ
る液体で満たされた湿式浴を含む。湿式洗浄装置203は、洗浄効果を向上させるために
、洗浄中に超音波を用いて湿式浴を撹拌することができる。本明細書では、これを湿式浴
の超音波処理と呼ぶ。他の実施形態では、代替のタイプの洗浄装置(例えば、乾式洗浄装
置)を用いて物品を洗浄してもよい。乾式洗浄装置は、熱を印加する、気体を印加する、
又はプラズマを印加するなどによって物品を洗浄することができる。
【0019】
セラミックスコータ204は、基板の表面にセラミックスコーティングを施すように構
成された機械である。一実施形態では、セラミックスコータ204は、基板(例えば、ラ
イナキット)上にコーティング(例えば、複合セラミックスコーティング)をプラズマ溶
射するプラズマ溶射装置(又はプラズマ溶射システム)である。代替の実施形態では、セ
ラミックスコータ204は、他の熱溶射技術を適用することができる(例えば、デトネー
ション溶射、ワイヤアーク溶射、高速酸素燃料(HVOF)溶射、フレーム溶射、ウォー
ムスプレー及びコールドスプレーを使用することができる)。更に、セラミックスコータ
204は、他のコーティングプロセスを実行してもよい(例えば、セラミックスコーティ
ングを形成するために、エアロゾルデポジション法、電気めっき、物理蒸着(PVD)や
化学蒸着(CVD)を使用することができる)。
【0020】
機器自動化レイヤー215は、製造機械201の一部又は全部をコンピューティングデ
バイス220と、他の製造機械と、計測ツール及び/又は他のデバイスと相互接続するこ
とができる。機器自動化レイヤー215は、ネットワーク(例えば、位置エリアネットワ
ーク(LAN))、ルータ、ゲートウェイ、サーバ、データストアなどを含むことができ
る。製造機械201は、SEMI Equipment Communications
Standard/Generic Equipment Model(SECS/G
EM)インタフェースを介して、イーサネット(登録商標)インタフェースを介して、及
び/又は他のインタフェースを介して、機器自動化レイヤー215に接続することができ
る。一実施形態では、機器自動化レイヤー215は、プロセスデータ(例えば、プロセス
実行中に製造機械201によって収集されたデータ)をデータストア(図示せず)に保存
可能にする。代替の一実施形態では、コンピューティングデバイス220は、1以上の製
造機械201に直接接続する。
【0021】
一実施形態では、一部又は全部の製造機械201は、プロセスレシピをロード、ストア
、及び実行することができるプログラマブルコントローラを含む。プログラマブルコント
ローラは、製造機械201の温度設定、ガス及び/又は真空の設定、時間の設定等を制御
することができる。プログラマブルコントローラは、メインメモリ(例えば、リードオン
リーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DR
AM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及び/又は二次メモ
リ(例えば、データ記憶装置(例えば、ディスクドライブ))を含むことができる。メイ
ンメモリ及び/又は二次メモリは、本明細書に記載の熱処理プロセスを実行するための命
令を記憶することができる。
【0022】
プログラマブルコントローラはまた、メインメモリ及び/又は二次メモリに(例えば、
バスを介して)結合された処理デバイスを含み、これによって命令を実行することができ
る。処理デバイスは、汎用処理デバイス(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等
)であってもよい。処理デバイスはまた、専用処理デバイス(例えば、特定用途向け集積
回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号
プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。一実施形態では、
プログラマブルコントローラは、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)である
【0023】
一実施形態では、製造機械201は、製造機械に基板を粗面化させる、基板及び/又は
物品を洗浄させる、物品をコーティングさせる、及び/又は物品を加工(例えば、研削又
は研磨)させるレシピを実行するようにプログラミングされている。一実施形態では、製
造機械201は、以下の図を参照して説明されるように、セラミックスコーティングされ
た物品を製造するための複数工程のプロセスの操作を実行するレシピを実行するようにプ
ログラミングされている。コンピューティングデバイス220は、製造機械201にダウ
ンロードすることができる1以上のセラミックスコーティングのレシピ225を格納し、
これによって製造機械201に本開示の実施形態に係るセラミックスコーティングされた
物品を製造させることができる。
【0024】
図3は、誘電体エッチングコンポーネント、又は腐食性のシステム内で使用される他の
物品(例えば、ライナキット)上にコーティングをプラズマ溶射するためのシステム30
0の断面図を示す。システム300は、熱溶射システムのタイプである。プラズマ溶射シ
ステム300では、アーク302が、2つの電極、陽極304と陰極316の間に形成さ
れ、これらを通してガス318が流れる。プラズマ溶射システム300内で使用するのに
適したガスの例としては、アルゴン/水素、アルゴン/ヘリウム、又はアルゴン/酸素を
含むが、これらに限定されない。ガスは、アーク302によって加熱されるので、ガスは
膨張し、成形ノズル306を通って加速され、高速プラズマ流を生成する。
【0025】
粉末308は、激しい温度が粉末を融解し、物品310へと向かう溶融粒子314の流
れとして材料を推進させるプラズマスプレー又はトーチ内に注入される。物品310に衝
突するとすぐに、溶融した粉末は平らになり、急速に固化し、物品310に固着するコー
ティング312を形成する。コーティング312の厚さ、密度、及び粗さに影響を与える
パラメータは、粉末の種類、粉末の粒度分布、粉末供給速度、プラズマガス組成、ガス流
量、エネルギー入力、トーチオフセット距離、及び基板冷却を含む。
【0026】
図4は、一実施形態に係る、コーティングされた物品を製造するためのプロセス400
を示すフローチャートである。プロセス400の操作は、様々な製造機械によって実行す
ることができる。プロセス400の操作は、反応性イオンエッチング又はプラズマエッチ
ングシステム内で使用することができる上記のような任意の物品を参照して説明される。
【0027】
ブロック402では、コーティングをプラズマ溶射するための粉末が、最適化される。
これは、複合セラミックスコーティング用の粉末の形状及び粒度分布の最適化を含んでも
よい。一実施形態では、コーティングの最適化は、粉末の種類(例えば、化学組成)、平
均粉末サイズ、及び粉末供給速度を決定することを含むが、これらに限定されない。粉末
の種類は、前述のように複合セラミックスコーティングを生成するように選択することが
できる。特定の組成、純度、及び粒子サイズを有する原料セラミックス粉末が、選択され
る。セラミックス粉末は、Y、YAl、YAl12(YAG)、又
は他のイットリア含有セラミックスで形成することができる。また、セラミックス粉末は
、ZrO、Al、HfO、Er、Nd、Nb、CeO
Sm、Ybの、又は他の酸化物のうちの1以上と組み合わせることができる
。原料セラミックス粉末は、その後混合される。一実施形態では、Y、Al
、及びZrOの原料セラミックス粉末が、複合セラミックスコーティング用に共に混合
される。これらの原料セラミックス粉末は、一実施形態では、99.9%以上の純度を有
することができる。原料セラミックス粉末は、例えば、ボールミルを用いて混合すること
ができる。セラミックス粉末は、混合された後、特定の焼成時間及び温度で焼成すること
ができる。
【0028】
図5は、一実施形態に係るーティング用に最適化された粉末粒子形状を示す。ここで、
粒子の一部は、球の反対側に深いくぼみを有する球状形状を有する。換言すれば、粒子の
大部分は、ドーナツ形状を有する。ドーナツ形状を有する粒子を有する粉末から形成され
たコーティングの評価は、他の形状の粉末粒子と比べて、改善された形態及び空孔率を示
した。例えば、ドーナツ形状を有する粒子から形成されたコーティングは、粉末の改善さ
れた融解、減少した粗さ、及び減少した空孔率のため、より少ないノジュール及びより多
いスプラットを有する傾向があり、これらのすべては、改善されたウェハ上の粒子性能に
寄与する。
【0029】
図6Aは、粉末がコーティングとして塗布されたときの、コーティングの表面形態及び
空孔率に基づいて評価された粉末に対する粉末粒度分布ヒストグラムを示す。図6Aでは
、粒子の50%に対する粒子サイズ(すなわち、粒径)(D50)は、約25ミクロン以
下であった。図6Bは、一実施形態に係る、粉末がコーティングとして塗布されたときの
、コーティングの表面形態及び空孔率に基づいて再度評価された粉末に対する最適化され
た粉末粒度分布ヒストグラムを示す。図6Bでは、粒子の50%に対する粒子サイズ(D
50)は、約15ミクロン以下であった。図6Aに示されるように、粒子の50%に対す
る粒子サイズが約25ミクロン以下である粉末から形成されたコーティングの評価は、よ
り大きな粒子サイズを有する粉末と比べて、改善された形態及び空孔率を示し、これらの
両方は、改善されたウェハ上の粒子性能をもたらした。
【0030】
図4に戻ると、ブロック404で、プラズマ溶射パラメータは最適化され、これによっ
て粉末の融解を最大化し、表面ノジュールの数を減らし、スプラット面を増加させ、粗さ
を低減させ、空孔率を減少させる。一実施形態では、プラズマ溶射パラメータの最適化は
、プラズマ銃電力、及び溶射キャリアガスの組成の決定を含むが、これらに限定されない
。プラズマ溶射パラメータの最適化はまた、基板(例えば、プラズマスクリーン)の上に
コーティング(例えば、複合セラミックスコーティング)を施すための溶射コーティング
シーケンス及びプロセス条件の最適化を含むことができる。
【0031】
例えば、表Aは、コーティング表面形態(例えば、ノジュール対スプラット)における
コーティングパラメータを変更することの効果を評価し識別するためのコーティングプロ
セスの最適化(例えば、直交評価)を示す。
【表1】
【0032】
ここで、評価結果の例が、図7A図7B、及び図7Cに示される。図7Aは、各々の
パラメータの各々のレベルに対する200倍拡大写真(例えば、1インチのサンプルの2
00倍の走査型電子顕微鏡写真(SEM))上のノジュール数を示している。一例では、
レベル1の一次ガス流量(80L/分)は、レベル2の一次ガス流量(90L/分)に対
するノジュール数(約45)よりも多くのノジュール数(約60)をもたらす。更に、レ
ベル2の一次ガス流量は、レベル3の一次ガス流量(130L/分)に対するノジュール
数(約43)よりも多くのノジュール数をもたらす。
【0033】
別の一例では、レベル1のトーチスタンドオフ距離(60mm)は、レベル2のトーチ
スタンドオフ距離(80mm)に対するノジュール数(約58)よりも多くのノジュール
数(約39)をもたらす。更に、レベル2のトーチスタンドオフ距離は、レベル3のトー
チスタンドオフ距離(120mm)に対するノジュール数(約61)よりも多くのノジュ
ール数をもたらす。
【0034】
図7Bは、各々のパラメータの各々のレベルに対する複合セラミックスコーティングの
平均表面粗さ(Ra)をマイクロインチで示す。一例では、プラズマ電流レベル1(90
A)は、プラズマ電流レベル2に対する粗さ(約255)よりも大きな粗さ(約260)
をもたらす。更に、レベル2のプラズマ電流(110A)は、プラズマ電流レベル3(1
50A)に対する粗さ(約250)よりも大きな粗さをもたらす。
【0035】
図7Cは、各々のパラメータの各々のレベルに対する複合セラミックスコーティングの
断面空孔率を百分率として示す。一例では、レベル1の一次ガス流量(80L/分)は、
レベル2の一次ガス流量(90L/分)に対する空孔率(約3.4)よりも大きな空孔率
(約4.2)をもたらす。更に、レベル2の一次ガス流量は、レベル3の一次ガス流量(
130L/分)に対する空孔率(約2.6)よりも大きな空孔率をもたらす。
【0036】
一実施形態では、パラメータは、融解を最大化させる、ノジュール数を低減させる(こ
れは粉末の融解の増加を示すことができる)、スプラット面を増加させる(これは粉末の
融解の増加を示すことができる)、表面粗さを低減させる、及びコーティングの空孔率を
低減させるように最適化され、これらは、粒子が剥がれる可能性がより低いので、還元化
学条件下でウェハ上の粒子総数を低減するだろう。表Aの分析は、コーティングを最適化
することができるパラメータのレベルが、一次ガス流量の増加(例えば、約130L/分
)、プラズマ電流の増加(例えば、約150A)、トーチスタンドオフ距離の減少(例え
ば、約60mm)、及び粉末粒子径の増加(例えば、粒子の50%に対して約25ミクロ
ン以下の粒子径)であることを示す。
【0037】
例えば、最適化されたプラズマ電流は、約90A~約150Aの間の範囲内とすること
ができる。更に最適化されたプラズマ電流は、約110A~約150Aの間の範囲内とす
ることができる。別の一例では、プラズマ溶射システムのトーチスタンドオフの最適化さ
れた位置決めは、約60mm~約120mmの間の物品(例えば、ライナキット又はプラ
ズマスクリーン)からの距離とすることができる。トーチスタンドオフの更なる最適化さ
れた位置決めは、約60mm~約90mmの間の物品からの距離とすることができる。更
に別の一例では、プラズマ溶射システムを通る最適化されたガス流は、約80L/分~約
130L/分の間の速度とすることができる。プラズマ溶射システムを通る更に最適化さ
れたガス流は、約90L/分~約130L/分の間の速度とすることができる。
【0038】
上記の例では、更に最適化されたパラメータに従ってコーティングされた物品上のコー
ティングは、1インチ当たり約30ノジュール~約45ノジュールのノジュール数、約2
20マイクロインチ~約250マイクロインチの粗さ、及び約2.5%~約3.2%の断
面空孔率を有することができる。
【0039】
図4に再び戻ると、ブロック406では、物品は、選択されたパラメータに従ってコー
ティングされる。熱溶射技術及びプラズマ溶射技術は、材料(例えば、セラミックス粉末
)を融解し、選択されたパラメータを使用して物品上に融解した材料を溶射することがで
きる。熱溶射又はプラズマ溶射されたセラミックスコーティングは、約5~40ミル(例
えば、一実施形態では25ミル)の厚さを有することができる。厚さは、一例では、物品
が、少なくとも約5000高周波時間(RF時間)の有用寿命を有することを保証するた
めに、複合セラミックスコーティングの浸食速度に応じて選択される。換言すれば、複合
セラミックスコーティングの浸食速度が、約0.005ミル/時間であるならば、約50
00RF時間の有用寿命のために、約25ミルの厚さを有するセラミックスコーティング
を形成することができる。
【0040】
プラズマ溶射プロセスは、複数の溶射パスで実行されてもよい。各パスに対して、プラ
ズマ溶射ノズルの角度を変更して、これによって溶射される面との相対角度を維持しても
よい。例えば、プラズマ溶射ノズルは、溶射される物品の表面と約45度~約90度の角
度を維持するように回転させることができる。
【0041】
一実施形態では、プラズマ溶射シーケンスは、改善されたコーティング(例えば、より
少ない空孔率、減少した表面ノジュール、及び減少した表面粗さ)を達成し、並びにコー
ティング表面上への(主に物品の裏面コーティング由来の)浮遊粒子の再堆積を低減する
ように最適化することができる。図8は、複雑な部品(例えば、プラズマスクリーン)の
ための最適化された溶射シーケンスの一例を示す。第一に、ブロック801に示されるよ
うに、物品806(例えば、部分断面図が図8に示されるプラズマスクリーン)の前面8
20が、物品806を回転させながら、物品806を横切って水平方向807に溶射シス
テム805(例えば、プラズマ溶射システム)を移動することによって、45度の角度で
溶射(又はコーティング)され、これによって溶射は多方向809となる。ここで、物品
806の前面820は、物品806が半導体製造用のチャンバ内に設置されたときに、プ
ラズマ溶射システムと対向する物品806の面である。第二に、ブロック802に示され
るように、物品806の外径822が、物品805を回転させながら、物品806のそば
で垂直方向808に溶射システム805を移動することによって、溶射(又はコーティン
グ)され、これによって溶射は単一方向810となる。第三に、ブロック803に示され
るように、物品806が反転された後、物品806の裏面824が、物品806を回転さ
せながら、物品806を横切って水平方向807に溶射システム805を移動することに
よって、45度の角度で溶射(又はコーティング)され、これによって溶射は多方向80
9となる。第四に、ブロック804で、物品806の外径822が、物品806を回転さ
せながら、物品806のそばで垂直方向808に溶射システム805を移動することによ
って、溶射(又はコーティング)され、これによって溶射は単一方向810となる。
【0042】
一例では、コーティングは、最大厚さ約8ミルまで可能である。しかしながら、コーテ
ィングは、各々の面に対して単一のコーティング操作で厚く塗布されるので、適切に固着
されないコーティングが、物品の縁部に沿って堆積する可能性があり、これによってコー
ティング粒子が、製造中に剥がれてウェハ上の粒子性能を低下させる可能性がある。更に
、裏面は、(エッチング中にプラズマに面する)前面の後でコーティングされるので、裏
面のコーティング由来の循環する粒子は、物品の前面上のコーティングに緩く付着し、こ
れによってコーティング粒子が製造時に剥がれて、ウェハ上の粒子性能もまた低下させる
可能性がある。
【0043】
図9は、一実施形態に係る物品(例えば、プラズマスクリーン)を溶射する方法900
を示す。一実施形態に係る溶射シーケンス(例えば、継続的な改善プロセス(CIP)#
1)において、図8のブロック803に示されるように操作902では、物品806の裏
面824が、物品806を回転させながら、物品806を横切って物品806の回転軸に
垂直807(例えば、水平方向)に溶射システム805(例えば、プラズマ溶射銃)を移
動することによって、45度の角度で溶射(又はコーティング)され、これによって溶射
は多方向809となる。一実施形態では、溶射システムは、静止しており、物品が移動す
る。
【0044】
ブロック802に示されるように操作904では、物品806の外径822が、物品8
06を回転させながら、物品806のそばで物品の回転軸に平行808(例えば、垂直方
向)に溶射銃805を移動することによって、溶射(又はコーティング)され、これによ
って溶射は単一方向810となる。一実施形態では、溶射システムは、静止しており、物
品が移動する。
【0045】
ブロック801に示されるように操作906では、物品806は反転され、物品806
の前面820が、物品806を回転させながら、物品806を横切って物品806の回転
軸に垂直807(例えば、水平方向)に溶射システム805を移動することによって、4
5度の角度で溶射(又はコーティング)され、これによって溶射は多方向809となる。
一実施形態では、溶射システムは、静止しており、物品が移動する。
【0046】
ブロック802に示されるように操作908では、物品806の外径が再び、物品80
6を回転させながら、物品806のそばで物品の回転軸に平行808(例えば、垂直方向
)に溶射システム805を移動することによって、溶射(又はコーティング)され、これ
によって溶射は単一方向810となる。
【0047】
ブロック909では、ブロック902~908のシーケンスを繰り返すか否かを判断す
る。一実施形態では、シーケンスは、1回繰り返される。シーケンスが繰り返される場合
は、プロセスはブロック902に戻り、溶射は、物品の反転、操作902、操作904、
物品の反転、操作906、及び操作908のシーケンス内で継続する。ブロック902~
908の操作がブロック909で繰り返されない場合は、溶射は、物品の反転、操作91
0での物品の裏面のコーティング、物品の反転、及び操作912での物品の前面のコーテ
ィングのシーケンス内で継続する。
【0048】
外径は、前面及び裏面よりも少ない回数溶射されるので、前面及び裏面上のコーティン
グは、外形上のコーティングよりも厚く、これによって物品の縁部では、コーティング堆
積がより少ない。更に、コーティングは複数の層で塗布されるので、物品の縁部でのコー
ティングの堆積は更にされにくい。粒子が剥がれる可能性のある物品の縁部での不適切に
付着したコーティングがより少ないので、物品の縁部における堆積の減少は、粒子性能を
向上させる。更に、(エッチング時にプラズマに面する)前面は、最後にコーティングさ
れるので、コーティング面は、剥がれて粒子性能を低下させる可能性のある不適切に付着
した他の面のコーティング由来の循環粒子を有する可能性が低い。
【0049】
一実施形態に係る別の一溶射シーケンス(例えば、CIP#2)は、操作902、操作
904、操作906、物品806の反転、及び操作908を含む。ここで、操作902、
904、906、及び908は、繰り返されない。むしろ、溶射は、物品806の反転、
操作902、操作904、物品806の反転、及び操作906のシーケンス内で継続する
ことができる。次に、溶射は、物品806の反転、操作902、物品806の反転、及び
操作906のシーケンス内で継続する。物品の外径は、CIP#2において、CIP#1
よりも更に少ない回数コーティングされるので、CIP#2は、CIP#1とは異なる。
【0050】
外径は、一実施形態では、表面と裏面よりも少ない回数溶射されるので、一実施形態で
は、前面及び裏面上のコーティングは、外径上のコーティングよりも厚くすることができ
、これによって物品の縁部でのコーティングの堆積は少ない。更に、コーティングは複数
の層で塗布されるので、物品の縁部でのコーティングの堆積はまたされにくい。物品の縁
部での堆積の減少は、粒子が剥がれる可能性のある物品の縁部での不適切に付着したコー
ティングがより少ないので、粒子性能を向上させる。更に、(エッチング時にプラズマに
面する)前面は、最後にコーティングされるので、コーティング面は、剥がれてウェハ上
の粒子性能を低下させる可能性のある不適切に付着した他の面のコーティング由来の循環
粒子を有する可能性が低い。
【0051】
図4を再び参照すると、ブロック408では、プラズマコーティングの特性評価を実行
することができる。これは、表面形態、粗さ、空孔率を決定すること、表面ノジュールを
識別すること等を含むことができる。例えば、図10は、3つの倍率1000倍、400
0倍、及び10000倍でのコーティングの3例、第1プロトタイプ、CIP#1、及び
CIP#2のSEM図を示す。この例では、CIP#2は、より低い粗さ及びより少ない
表面ノジュールを有するより好適な表面形態を示す。また、図11は、1インチのサンプ
ルに沿ってノジュール数が2000倍の倍率でカウントされたコーティング例の断面のS
EM図を示す。この例では、CIP#2は、より少ない表面ノジュールを示す。
【0052】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の良好な理解を提供するために、具体的な
システム、構成要素、方法等の例などの多数の具体的な詳細を説明している。しかしなが
ら、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施するこ
とができることが当業者には明らかであろう。他の例において、周知の構成要素又は方法
は、本発明を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明しないか、単純なブロック図
形式で提示されている。したがって、説明された具体的な詳細は、単なる例示である。特
定の実装では、これらの例示的な詳細とは異なる場合があるが、依然として本開示の範囲
内にあることが理解される。
【0053】
本明細書全体を通して「1つの実施形態」又は「一実施形態」への参照は、その実施形
態に関連して記載された特定の構成、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含ま
れることを意味している。したがって、本明細書を通じて様々な場所における「1つの実
施形態では」又は「一実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を
指すものではない。また、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく包含的な「又は」
を意味することを意図している。
【0054】
本明細書内の本方法の操作が、特定の順序で図示され説明されているが、特定の操作を
逆の順序で行うように、又は特定の操作を少なくとも部分的に他の操作と同時に実行する
ように、各方法の操作の順序を変更することができる。別の一実施形態では、異なる操作
の命令又は副操作は、断続的及び/又は交互の方法であることができる。
【0055】
なお、上記の説明は例示であり、限定的ではないことを意図していることが理解される
べきである。上記の説明を読み理解することにより、多くの他の実施形態が当業者にとっ
て明らかとなるであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を、その
ような特許請求の範囲が権利を与える均等物の全範囲と共に参照して決定されるべきであ
る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B