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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】電子機器、および保守操作管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20120101AFI20220308BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220308BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220308BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
B41J29/00 Z
B41J29/42 F
H04N1/00 002A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018041289
(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2019159429
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】神保 潤哉
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-140222(JP,A)
【文献】特開2005-222464(JP,A)
【文献】特開2017-034425(JP,A)
【文献】特開2005-311771(JP,A)
【文献】特開2010-061579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B41J 29/00
B41J 29/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器であって、
ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記電子機器の保守操作を示す項目である保守操作項目を、保守操作を行う保守作業者および前記電子機器を管理する管理者が管理する項目である重要項目に設定する項目管理部と、を備え、
前記入力受付部は、前記保守作業者を識別する第1の識別情報の入力を受け付けた後、前記重要項目の設定を解除する変更指示を受け付け、
前記項目管理部は、前記変更指示を受け付けた後、前記管理者を識別する第2の識別情報を受け付けて認証処理が成功した場合に、前記重要項目の設定を解除する、電子機器。
【請求項2】
前記保守操作を実行する実行部をさらに備え、
前記入力受付部は、さらに、前記保守操作の実行指示の入力を受け付け、
前記実行部は、前記実行指示を受け付けた前記保守操作を示す前記保守操作項目が前記重要項目に設定されていた場合、前記実行指示を受け付けた後、前記第2の識別情報を受け付けて認証処理が成功した場合に、前記保守操作を実行する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記重要項目に設定された前記保守操作項目の前記保守操作を実行した場合、当該保守操作が実行された旨を示すログを記録するログ管理部をさらに備える、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ユーザ識別情報を入力するためのログイン画面と、前記変更指示および前記実行指示を入力するための保守操作画面と、を表示部に表示する表示制御部と、
前記ユーザ識別情報の入力を受け付けた場合、記憶部に記憶されているユーザを認証するための認証情報と照合して認証処理を行う認証部と、をさらに備え、
前記表示制御部は、前記ログイン画面から入力された前記第1の識別情報の認証処理が成功した場合に前記保守操作画面を表示し、前記保守操作画面から前記変更指示または前記実行指示を受け付けた場合に前記ログイン画面を表示し、
前記項目管理部は、前記変更指示を受け付けた後、前記ログイン画面から入力された前記第2の識別情報の認証処理が成功した場合に、前記重要項目の設定を解除し、
前記実行部は、前記実行指示を受け付けた後、前記ログイン画面から入力された前記第2の識別情報の認証処理が成功した場合に、前記保守操作を実行する、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
電子機器で実行される保守操作管理方法であって、
前記電子機器の保守操作を示す項目である保守操作項目を、保守操作を行う保守作業者および前記電子機器を管理する管理者が管理する項目である重要項目に設定する第1の項目管理ステップと、
前記保守作業者を識別する第1の識別情報を受け付ける第1の受付ステップと、
前記第1の識別情報の入力を受け付けた後、前記重要項目の設定を解除する変更指示を受け付ける第2の受付ステップと、
前記変更指示を受け付けた後、前記管理者を識別する第2の識別情報を受け付ける第3の受付ステップと、
前記変更指示を受け付けた後、前記第2の識別情報を受け付けて認証処理が成功した場合に、前記重要項目の設定を解除する第2の項目管理ステップと、を含む、保守操作管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、および保守操作管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製品の保守作業を行う保守作業者(CE:Customer Engineer)ができることを制限する必要がある場合があり、予めCE毎に保守操作が可能な範囲を設定できる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1は、保守操作を施すことが可能な範囲が設定できる電子機器であって、当該電子機器の保守実施者(CE)の正当性を確認すると、変更指示に応答して、該所定の保守操作範囲を一時的に変更するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のCE毎に保守操作が可能な範囲を制限する技術では、機器導入時にCEの保守操作項目から重要項目を定めるが、当該重要項目の保守操作を実行しても、機器の管理者が当該保守操作を管理することができなかった。
【0005】
また、近年、特定の機関(例えば、セキュリティ認証の評価機関)が製品ローンチ後の評価によって保守操作項目のうちセキュリティ上の重要項目(管理者が管理するべき項目)が見直されるケースがある。重要項目は製品毎にも異なり、CEはCE向けの設定マニュアルなどに記載された保守操作項目を機器導入時(運用開始時)に決められた設定値に設定するという管理を行っている。しかし、機器の運用開始後に保守操作項目を変更したり、設定値を変更する場合、管理者がその変更を把握することができなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、保守作業者(CE)が保守操作を行う保守操作項目のうちの重要項目については保守作業者および管理者が管理することができる電子機器、および保守操作管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電子機器であって、ユーザを識別するユーザ識別情報の入力を受け付ける入力受付部と、前記電子機器の保守操作を示す項目である保守操作項目を、保守操作を行う保守作業者および前記電子機器を管理する管理者が管理する項目である重要項目に設定する項目管理部と、を備え、前記入力受付部は、前記保守作業者を識別する第1の識別情報の入力を受け付けた後、前記重要項目の設定を解除する変更指示を受け付け、前記項目管理部は、前記変更指示を受け付けた後、前記管理者を識別する第2の識別情報を受け付けて認証処理が成功した場合に、前記重要項目の設定を解除する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、保守作業者(CE)が保守操作を行う保守操作項目のうちの重要項目については保守作業者および管理者が管理することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の画像形成装置のハードウェア構成を示す説明図である。
図2図2は、実施形態の画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、認証情報の一例を示す図である。
図4図4は、保守操作項目情報の一例を示す図である。
図5図5は、メニュー画面の一例を示す図である。
図6図6は、ログイン画面の一例を示す図である。
図7図7は、CEモード画面の一例を示す図である。
図8-1】図8-1は、本実施形態の画像形成装置で実行される保守管理操作処理の流れを示すフローチャートである。
図8-2】図8-2は、本実施形態の画像形成装置で実行される保守管理操作処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、電子機器、および保守操作管理方法の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、電子機器を画像形成装置に適用した場合について説明する。図1は、実施形態の画像形成装置のハードウェア構成を示す説明図である。
【0011】
図1に示すように、画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)71と、ROM(Read Only Memory)72と、RAM(Random Access Memory)73と、HDD(Hard Disk Drive)74と、通信I/F75と、操作パネル76と、エンジンI/F77と、を備え、各部はバス78により通信可能に接続されている。
【0012】
CPU71は、画像形成装置100全体の動作を制御する演算装置である。ROM72は、画像形成装置100用のプログラムを記憶している不揮発性記憶装置である。RAM73は、CPU71の演算用のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。HDD74は、画像データおよび印刷データ等の各種データを記憶する外部記憶装置である。
【0013】
通信I/F75は、ネットワークを利用してデータを通信するためのインターフェースである。操作パネル76は、例えば、タッチパネル等であり、画像形成装置100に対する入力を受け入れるとともに、画像形成装置100の状態や設定等を表示する装置である。操作パネル76は、表示部の一例である。
【0014】
エンジンI/F77は、プリンタエンジン79と通信するためのインターフェースである。プリンタエンジン79は、スキャナ機能およびプリンタ機能等を実現するハードウェア装置である。ここで、スキャナ機能とは、原稿データを読み取ってスキャナ画像を生成する機能である。また、プリンタ機能とは、上述のスキャナ画像、または情報処理装置などから送信されたデータに対して画像処理を実行し、出力可能な形式であるプロッタ画像を、印刷用紙に印字する機能である。
【0015】
次に、画像形成装置100の機能構成について図を用いて説明する。図2は、実施形態の画像形成装置の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、画像形成装置100は、表示制御部101と、入力受付部102と、認証部103と、項目管理部104と、実行部105と、ログ管理部106と、記憶部120とを備えている。
【0016】
記憶部120は、各種情報や画面等を保存するものであって、HDD74によって実現される。具体的には、記憶部120は、ユーザの認証に用いる認証情報を保存している。図3は、認証情報の一例を示す図である。図3に示すように、認証情報は、ユーザの識別情報であるユーザID(identification)およびユーザのパスワードと、ロールとが対応付けられている。ユーザIDおよびパスワードは、ユーザの認証処理を実行するために用いる。ロールとは、ユーザの種別を示すものであって、例えば、画像形成装置100(電子機器)の保守操作を行う保守作業者であるCE(Customer Engineer)や画像形成装置100を管理する管理者、一般のユーザなどがある。これにより、ユーザIDとパスワードが入力された場合、それらを入力したユーザがCEかどうかや管理者かどうかなど、ユーザの種別を判別できる。ここで、CEのユーザIDおよびパスワードが第1の識別情報の一例であって、管理者のユーザIDおよびパスワードが第2の識別情報の一例である。
【0017】
また、記憶部120は、画像形成装置100の保守操作を示す項目である保守操作項目に関連する情報である保守操作項目情報を保存している。図4は、保守操作項目情報の一例を示す図である。図4に示すように、保守操作項目情報は、保守操作項目番号と、操作項目名と、項目タイプと、重要管理状態と、属性1、2、3と、が対応付けられている。
【0018】
保守操作項目番号とは、保守操作項目を示す番号であって、例えば「5-5812-1」、「5-5816-1」等である。操作項目名は、保守操作項目の名称であって、例えば「サービス電話番号設定」、「CSS設定」等である。項目タイプは、保守操作項目の種類を示す型であって、例えば「文字列型」、「整数型」、「実行型」等である。「文字列型」や「整数型」では、文字列や整数により表示される保守操作項目を示している。「実行型」では、実行される保守操作項目を示している。重要管理状態とは、保守操作項目が重要項目として設定されているか否かを示しており、「否」か「重要」で示している。重要項目とは、例えば、セキュリティ上、CE(保守作業者)および管理者が把握、管理するべき項目である。属性1、2、3は、保守操作に関連する情報であって、例えば、保守操作項目の文字や整数による設定値や、保守操作の実行内容などである。
【0019】
また、記憶部120には、保守操作が実行された場合の保守操作項目を識別する情報(保守操作項目番号や操作項目名など)や実行パラメータ、実行日時がログとして保存される。
【0020】
表示制御部101は、操作パネル76に各種画面や情報を表示するものである。例えば、表示制御部101は、画像形成装置100を起動した場合、初期画面としてメニュー画面を表示する。図5は、メニュー画面の一例を示す図である。図5に示すように、メニュー画面には、コピーを実行を指示するコピーボタンや、スキャンを実行を指示するスキャナボタン、ファクス送信実行を指示するファクスボタンなどが表示されている。そして、メニュー画面の右上に、ユーザがログインするためのログインボタンaが表示されている。
【0021】
メニュー画面に表示されたログインボタンaがタッチ(押下)されると、表示制御部101は、CEや管理者のユーザIDおよびパスワードを入力してログインするためのログイン画面を表示する。図6は、ログイン画面の一例を示す図である。図6に示すように、ログイン画面には、ユーザIDの入力欄bと、パスワードの入力欄dと、ユーザIDとパスワードが入力された後にログインするためのログインボタンgと、ログイン画面からメニュー画面に戻るためのキャンセルボタンfと、が表示される。
【0022】
ログイン画面から、CEのユーザIDとパスワードが入力されて、ログイン(認証処理が成功)すると、CEが保守操作を実行したり、重要項目の設定や解除をしたり、保守操作の設定値を変更するためのCEモードに移行し、表示制御部101は、CEモード画面を表示する。CEモード画面は、例えば、保守操作の実行指示の入力、重要項目の設定および解除をする変更指示、および保守操作の設定値の変更入力をするための画面であって、保守操作画面の一例である。
【0023】
図7は、CEモード画面の一例を示す図である。図7に示すように、CEモード画面は、図4に示す保守操作項目情報に基づいて生成され、保守操作項目番号hと、保守操作項目iと、重要管理状態jと、重要管理フラグのチェックボックスkと、ログアウトボタンnと、詳細情報αとが表示されている。保守操作項目番号hは、図4で示した保守操作項目番号と同様であって、保守操作項目を示す番号である。保守操作項目iは、図4で示した操作項目名と同様であって、保守操作項目の名称である。保守操作項目iは、タッチ(押下)されると選択される。ログアウトボタンnは、タッチされるとログアウトされる。
【0024】
重要管理状態jは、図4で示した重要管理状態と同様であって、保守操作項目が重要項目として設定されているか否かを示している。具体的には、重要管理フラグのチェックボックスkがチェックされている場合に、選択されている保守操作項目が重要項目に設定されており、チェックが外されている場合(ない場合)に、選択されている保守操作項目は重要項目に設定されていないことがわかる。従って、チェックボックスkをチェックした場合に、選択されている保守操作項目を重要項目にする設定を受け付け、チェックを外した場合に、選択されている保守操作項目を重要項目から解除する設定を受け付ける。なお、当該チェックボックスをチェックしたり、チェックを外すことが、変更指示の入力となる。
【0025】
また、詳細情報αは、いずれかの保守操作項目iがタッチされて選択されると、選択された保守操作項目に応じた詳細である。図7の詳細情報αは、文字列型や整数型の項目タイプの保守操作項目が選択された場合を示している。図7に示すように、例えば、文字列型や整数型の保守操作項目が選択された場合には、設定値を入力する変更入力欄lと、ソフトキーボード(画面上に表示されるキーボード)を開くための操作ボタンmとが表示される。操作ボタンmがタッチされると、ソフトキーボードが表示され、当該ソフトキーボードの文字をタッチすることで保守操作項目の設定値を入力できる。
【0026】
また、実行型の項目タイプの保守操作項目が選択された場合には、例えば、保守操作を実行するための実行ボタンが表示され、当該実行ボタンがタッチされると、保守操作が実行される。なお、実行ボタンのタッチ(押下)が、実行指示の入力となる。
【0027】
なお、本実施形態の画像形成装置100では、ログイン画面からユーザがユーザIDおよびパスワードを入力してログインすることによりCEモードに移行する例を説明したが、所定の操作(例えば、ジェスチャやキー操作の組合せ等)によりCEモードに移行する構成にしてもよい。
【0028】
入力受付部102は、ユーザにより各種指示の入力や選択の入力を受け付けるものである。具体的には、入力受付部102は、メニュー画面(図5)において、ログインボタンaがタッチされることにより、ログインする旨の指示を受け付ける。
【0029】
また、入力受付部102は、ログイン画面(図6)において、ユーザ識別情報、具体的にはCE、管理者、または一般ユーザのユーザIDおよびパスワードの入力を受け付ける。また、入力受付部102は、ログイン画面からCEのユーザIDおよびパスワードの入力を受け付けた後に表示されたCEモード画面(図7)において、保守操作項目の選択入力、保守操作項目を重要項目に設定する入力、保守操作項目を重要項目から解除する設定(変更指示)の入力、保守操作項目の設定値を変更する場合の文字や数字の入力、保守操作項目の示す保守操作の実行指示の入力等を受け付ける。
【0030】
認証部103は、ログイン画面(図6)からユーザIDおよびパスワード(ユーザ識別情報)の入力を受け付けた場合、記憶部120に保存(記憶)されている認証情報(図3)と照合して認証処理を行う。
【0031】
項目管理部104は、画像形成装置100の保守操作項目の設定を管理するものである。具体的には、例えば、項目管理部104は、重要管理フラグのチェックボックスk(図7)がチェックされた場合、保守操作項目を、保守作業者および管理者が管理する重要項目に設定する。また、項目管理部104は、重要管理フラグのチェックボックスkのチェックが外された場合、保守操作項目に設定重要項目の設定を解除する。
【0032】
実行部105は、保守操作項目の実行指示が入力された場合、当該保守操作項目が示す保守操作を実行する。ここで、実行部105は、保守操作項目が重要項目に設定されていない場合は、CEモードにおいて実行指示が入力されると、そのまま保守操作を実行する。一方、実行部105は、保守操作項目が重要項目に設定されている場合は、CEモードにおいて実行指示が入力された後、管理者の認証処理が成功した場合に、保守操作を実行する。
【0033】
ログ管理部106は、実行部105により重要項目に設定された保守操作項目が示す保守操作を実行した場合、当該保守操作が実行された旨を示すログを記憶部120に記録する。
【0034】
次に、本実施形態の画像形成装置100で実行される保守操作管理処理について、図8-1、8-2を用いて説明する。図8-1、8-2は、本実施形態の画像形成装置で実行される保守管理操作処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8-1、8-2では、ユーザとしてCEにより操作が行われている場合について説明する。
【0035】
図8-1に示すように、まず、画像形成装置100を起動した場合、表示制御部101は、メニュー画面(図5)を表示する(ステップS10)。入力受付部102は、メニュー画面から、ログインボタンが押下(タッチ)されたか否かを判断する(ステップS11)。ログインボタンが押下されなかった場合(ステップS11:No)は押下されるまで待機する。なお、メニュー画面から印刷指示などの他の指示入力を受け付けた場合は、受け付けた指示に基づく処理を実行する。
【0036】
ログインボタンが押下された場合(ステップS11:Yes)、表示制御部101は、ログイン画面(図6)を表示する(ステップS12)。入力受付部102は、ログイン画面から、CEによりユーザID、パスワードの入力を受け付ける(ステップS13)。
【0037】
認証部103は、受け付けたユーザID、パスワードと、記憶部120の認証情報(図3)とを照合して認証処理を行う。CEの認証処理が成功しなかった場合(ステップS14:No)、再度ログイン画面に戻る。一方、CEの認証処理が成功した場合(ステップS14:Yes)、CEモードに移行し、表示制御部101は、CEモード画面(図7)を表示する(ステップS15)。
【0038】
入力受付部102は、CEモード画面から、保守操作項目の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS16)。保守操作項目の選択を受け付けなかった場合(ステップS16:No)、受け付けるまで待機する。
【0039】
一方、保守操作項目の選択を受け付けた場合(ステップS16:Yes)、表示制御部101は、選択された保守操作項目に応じた詳細情報を表示する(ステップS17)。入力受付部102は、重要管理フラグのチェックボックスが押下されたか否かを判断する(ステップS18)。重要管理フラグのチェックボックスが押下されなかった場合(ステップS18:No)、ステップS25へ進む。
【0040】
一方、重要管理フラグのチェックボックスが押下された場合(ステップS18:Yes)、項目管理部104は、選択された保守操作項目が重要項目に設定されているか否かを判断する(ステップS19)。選択された保守操作項目が重要項目に設定されていなかった場合、すなわちチェックボックスにチェックが入っていない場合(ステップS19:No)、項目管理部104は、当該保守操作項目を重要項目に設定(チェックボックスにチェックを入れる)し(ステップS20)、ステップS25へ進む。
【0041】
一方、選択された保守操作項目が重要項目に設定されている場合、すなわちチェックボックスにチェックが入っている場合(ステップS19:Yes)、表示制御部101は、ログイン画面(図6)を表示する(ステップS21)。そして、入力受付部102は、ログイン画面から、管理者のユーザID、パスワードの入力を受け付ける(ステップS22)。
【0042】
認証部103は、受け付けたユーザID、パスワードと、記憶部120の認証情報(図3)とを照合して認証処理を行う。管理者の認証処理が成功しなかった場合(ステップS23:No)、再度ログイン画面に戻る(ステップS21)。一方、管理者の認証処理が成功した場合(ステップS23:Yes)、項目管理部104は、選択された保守操作項目の重要項目の設定を解除(チェックボックスのチェックを外す)する(ステップS24)。
【0043】
次に、入力受付部102は、CEモード画面から、選択された保守操作項目の示す保守操作の実行指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS25)。実行指示を受け付けていない場合(ステップS25:No)、ステップS31に進む。
【0044】
一方、実行指示を受け付けた場合(ステップS25:Yes)、入力受付部102は、選択された保守操作項目が重要項目であるか否かを判断する(ステップS26)。重要項目でなかった場合(ステップS26:No)、ステップS30に進む。
【0045】
一方、重要項目であった場合(ステップS26:Yes)、表示制御部101は、ログイン画面(図6)を表示する(ステップS27)。そして、入力受付部102は、ログイン画面から、管理者のユーザID、パスワードの入力を受け付ける(ステップS28)。
【0046】
認証部103は、受け付けたユーザID、パスワードと、記憶部120の認証情報(図3)とを照合して認証処理を行う。管理者の認証処理が成功しなかった場合(ステップS29:No)、再度ログイン画面に戻る(ステップS27)。
【0047】
一方、管理者の認証処理が成功した場合(ステップS29:Yes)、実行部105は、ステップS25で受け付けた実行指示に基づいて、選択された保守操作項目の示す保守操作を実行する(ステップS30)。
【0048】
次に、入力受付部102は、CEモード画面から、選択された保守操作項目の示す保守操作の設定値の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS31)。設定値の入力を受け付けていない場合(ステップS31:No)、ステップS37に進む。
【0049】
一方、設定値の入力を受け付けた場合(ステップS31:Yes)、入力受付部102は、選択された保守操作項目が重要項目であるか否かを判断する(ステップS32)。重要項目でなかった場合(ステップS32:No)、ステップS36に進む。
【0050】
一方、重要項目であった場合(ステップS32:Yes)、表示制御部101は、ログイン画面(図6)を表示する(ステップS33)。そして、入力受付部102は、ログイン画面から、管理者のユーザID、パスワードの入力を受け付ける(ステップS34)。
【0051】
認証部103は、受け付けたユーザID、パスワードと、記憶部120の認証情報(図3)とを照合して認証処理を行う。管理者の認証処理が成功しなかった場合(ステップS35:No)、再度ログイン画面に戻る(ステップS33)。
【0052】
一方、管理者の認証処理が成功した場合(ステップS35:Yes)、項目管理部104は、ステップS31で受け付けた設定値に基づいて、選択された保守操作項目の設定値を変更する(ステップS36)。
【0053】
次に、入力受付部102は、CEモード画面から、ログアウトボタンが押下(タッチ)されたか否かを判断する(ステップS37)。ログアウトボタンが押下されなかった場合(ステップS37:No)、ステップS15に戻る。一方、ログアウトボタンが押下された場合(ステップS37:Yes)、ログアウトされて、処理が終了する。
【0054】
このように、本実施形態の画像形成装置100は、ログイン画面からCEのユーザIDおよびパスワードの入力を受け付けCEの認証処理が成功すると、CEモードに移行してCEモード画面を表示する。そして、CEモード画面から、保守操作項目の選択を受け付け、選択された保守操作項目が重要項目である場合に、当該保守操作項目が示す保守操作の実行指示や、重要項目の設定の解除(変更指示)等を受け付けると、ログイン画面を表示し、管理者のユーザIDおよびパスワードの入力を受け付ける。管理者の認証処理が成功した場合、保守操作を実行したり、重要項目の設定を解除する。従って、重要項目である保守操作の実行や、重要項目の設定の解除等について、管理者が把握、管理することができる。このため、保守作業者(CE)が保守操作を行う保守操作項目のうちの重要項目については保守作業者および管理者が管理することができる。
【0055】
上記の実施形態では、管理者の認証処理を行うことにより、保守作業者および管理者が重要項目を管理できる構成となっていたが、保守操作が実行された主旨のログを出力する、もしくは、管理者の認証処理とログの出力の両方により、保守作業者および管理者が重要項目を管理する構成としてもよい。
【0056】
なお、本実施形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0057】
さらに、本実施形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態の画像形成装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0058】
本実施形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、上述した各部(表示制御部、入力受付部、認証部、項目管理部、実行部、ログ管理部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、上記各部が主記憶装置上に生成されるようになっている。また、例えば、上述した各部の機能のうちの一部または全部が専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
【0059】
なお、上記実施形態では、本発明の電子機器を画像形成装置に適用した例を示したが、保守操作を行う電子機器であればいずれにも適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
100 画像形成装置
101 表示制御部
102 入力受付部
103 認証部
104 項目管理部
105 実行部
106 ログ管理部
120 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【文献】特開2004-303215号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8-1】
図8-2】