(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 43/06 20060101AFI20220308BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220308BHJP
B65H 31/24 20060101ALI20220308BHJP
B65H 39/11 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B65H43/06
G03G21/00 370
B65H31/24
B65H39/11 M
(21)【出願番号】P 2018043622
(22)【出願日】2018-03-09
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】岡部 裕介
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-026355(JP,A)
【文献】特開2010-089962(JP,A)
【文献】特開2000-318913(JP,A)
【文献】特開2010-222091(JP,A)
【文献】特開平03-036134(JP,A)
【文献】特開平11-049424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00
B65H 43/00
B65H 31/00
B65H 37/00
B65H 39/00
B65H 41/00
B65H 45/00-47/00
B41J 11/00
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の用紙に対して処理対象の印刷ジョブが実行されたときに1部の文書の印刷とし、前記文書の印刷を複数部実行し、第1の排紙トレイ及び前記第1の排紙トレイよりも後に排紙される第2の排紙トレイを有する画像形成装置であって、
部を構成する用紙に印刷して前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙する印刷部と、
前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙された用紙の量に基づいて、満杯状態及び満杯状態より所定量の用紙が少ないニア満杯状態を検知する検知部と、
第1の部の印刷の途中において、前記第1の排紙トレイが前記
ニア満杯状態であることが検出された
とき、部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降であるか否かを判定する制御部と、
部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降である場合、排紙先を前記第2の排紙トレイに切替える切替部と
を有し、
前記制御部は、前記第1の部を構成する用紙が、印刷されて前記第2の排紙トレイに排紙される間、部の区切れ又は前記第2の排紙トレイの満杯状態のいずれが発生するか検出し、
前記制御部は、部の区切れが発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止し、
前記制御部は、前記第2の排紙トレイの満杯状態が発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止し、前記検知部が前記第2の排紙トレイに排紙された用紙がない状態である用紙なし状態を検知した時点で、前記印刷ジョブの実行を再開し、前記印刷部は前記第1の部を印刷し前記第2の排紙トレイに排紙する画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、第1の部の印刷の途中において、前記第1の排紙トレイが前記ニア満杯状態であることを検知した時点以降で前記第1の排紙トレイが前記満杯状態になる前に第1の部の印刷が完了した場合、前記印刷ジョブの実行を停止する請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1の部を構成する用紙の一部が、前記第2の排紙トレイに排紙されて印刷完了した場合、前記第2の排紙トレイの空きの量を算出し、部を構成する用紙の枚数と、前記第2の排紙トレイの最大積載枚数とに基づいて、前記第2の排紙トレイの空きの量を算出する
算出部をさらに有する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1の部を構成する用紙の一部が、前記第2の排紙トレイに排紙されて印刷完了した場合、前記第2の排紙トレイの空きの量を算出し、前記第2の排紙トレイに設置された重量センサによって計測される用紙の重量と、前記第2の排紙トレイの最大積載重量と、1部を構成する用紙の重量とに基づいて、前記第2の排紙トレイに1部以上の空きがあるか否かを判定する
算出部をさらに有する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記印刷ジョブに係る印刷の途中において、
前記検知部が前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイが前記満杯状態であること
を検出
した後、
排紙された用紙がない状態である用紙なし状態
を検出
した場合、前記用紙なし状態が検出された排紙トレイを排紙先とする前記印刷ジョブに係る印刷を再開する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項6】
複数枚の用紙に対して処理対象の印刷ジョブが実行されたときに1部の文書の印刷とし、前記文書の印刷を複数部実行し、第1の排紙トレイ及び前記第1の排紙トレイよりも後に排紙される第2の排紙トレイを有する画像形成装置が実行する画像形成方法であって、
部を構成する用紙に印刷して前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙する印刷手順と、
前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙された用紙の量に基づいて、満杯状態及び満杯状態より所定量の用紙が少ないニア満杯状態を検知する検知手順と、
第1の部の印刷の途中において、前記第1の排紙トレイが前記
ニア満杯状態であることが検出された
とき、部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降であるか否かを判定する制御手順と、
部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降である場合、排紙先を前記第2の排紙トレイに切替える切替手順と
、
前記第1の部を構成する用紙が、印刷されて前記第2の排紙トレイに排紙される間、部の区切れ又は前記第2の排紙トレイの満杯状態のいずれが発生するか検出する手順と、
部の区切れが発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止する手順と、
前記第2の排紙トレイの満杯状態が発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止し、前記第2の排紙トレイに排紙された用紙がない状態である用紙なし状態を検知した時点で、前記印刷ジョブの実行を再開し、前記第1の部を印刷し前記第2の排紙トレイに排紙する手順とを実行する画像形成方法。
【請求項7】
複数枚の用紙に対して処理対象の印刷ジョブが実行されたときに1部の文書の印刷とし、前記文書の印刷を複数部実行し、第1の排紙トレイ及び前記第1の排紙トレイよりも後に排紙される第2の排紙トレイを有する画像形成装置が実行可能なプログラムであって、
部を構成する用紙に印刷して前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙する印刷手順と、
前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙された用紙の量に基づいて、満杯状態及び満杯状態より所定量の用紙が少ないニア満杯状態を検知する検知手順と、
第1の部の印刷の途中において、前記第1の排紙トレイが前記
ニア満杯状態であることが検出された
とき、部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降であるか否かを判定する制御手順と、
部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降である場合、排紙先を前記第2の排紙トレイに切替える切替手順と
、
前記第1の部を構成する用紙が、印刷されて前記第2の排紙トレイに排紙される間、部の区切れ又は前記第2の排紙トレイの満杯状態のいずれが発生するか検出する手順と、
部の区切れが発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止する手順と、
前記第2の排紙トレイの満杯状態が発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止し、前記第2の排紙トレイに排紙された用紙がない状態である用紙なし状態を検知した時点で、前記印刷ジョブの実行を再開し、前記第1の部を印刷し前記第2の排紙トレイに排紙する手順とを前記画像形成装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、排紙トレイに用紙積載高センサを搭載し、排紙トレイの用紙積載量を判断する手法が知られている。また、用紙積載量が上限に達した場合にその排紙トレイが満杯であると判断し、実行中のジョブを自動で停止する技術と、積載された用紙が取り除かれた場合に、停止中のジョブを自動で再開する技術とは既に知られている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の排紙トレイ満杯時のジョブ制御では、排紙トレイの用紙積載量が上限に達した場合、印刷文書である部の途中であってもジョブを停止し、排紙トレイの用紙束を取り除くと残りのジョブが再開されるため、1つの部が「先に印刷された用紙束の一番上」と「次に印刷された用紙束の一番下」とに跨ってしまう問題があった。例えば、用紙積載量が数千枚の大容量の排紙トレイの場合、「先に印刷された用紙束の一番上」と「次に印刷された用紙束の一番下」とを重ね直すことは、ユーザの大きな労力が必要であった。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、複数の用紙からなる部が印刷されるとき、排紙トレイの用紙の積載状態を検出することにより、1つの部をまとめて排紙することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで上記課題を解決するため、画像形成装置は、複数枚の用紙に対して処理対象の印刷ジョブが実行されたときに1部の文書の印刷とし、前記文書の印刷を複数部実行し、第1の排紙トレイ及び前記第1の排紙トレイよりも後に排紙される第2の排紙トレイを有し、部を構成する用紙に印刷して前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙する印刷部と、前記第1の排紙トレイ又は前記第2の排紙トレイに排紙された用紙の量に基づいて、満杯状態及び満杯状態より所定量の用紙が少ないニア満杯状態を検知する検知部と、第1の部の印刷の途中において、前記第1の排紙トレイが前記ニア満杯状態であることが検出されたとき、部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降であるか否かを判定する制御部と、部の区切れが前記第1の排紙トレイの満杯状態以降である場合、排紙先を前記第2の排紙トレイに切替える切替部とを有し、前記制御部は、前記第1の部を構成する用紙が、印刷されて前記第2の排紙トレイに排紙される間、部の区切れ又は前記第2の排紙トレイの満杯状態のいずれが発生するか検出し、前記制御部は、部の区切れが発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止し、前記制御部は、前記第2の排紙トレイの満杯状態が発生したことを検出した場合、前記印刷ジョブの実行を停止し、前記検知部が前記第2の排紙トレイに排紙された用紙がない状態である用紙なし状態を検知した時点で、前記印刷ジョブの実行を再開し、前記印刷部は前記第1の部を印刷し前記第2の排紙トレイに排紙する。
【発明の効果】
【0006】
複数の用紙からなる部が印刷されるとき、排紙トレイの用紙の積載状態を検出することにより、1つの部をまとめて排紙することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態における画像形成装置1のセンサ搭載例を説明するための図である。
【
図2】本発明の実施の形態における画像形成装置1のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態における画像形成装置1の機能構成例を示す図である。
【
図4】排紙トレイ満杯によるジョブ停止処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】排紙トレイ満杯解除によるジョブ再開処理を説明するためのフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態におけるジョブ処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】本発明の実施の形態におけるジョブ処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態におけるジョブ再開処理を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】本発明の実施の形態におけるジョブ再開処理(1)を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の実施の形態におけるジョブ再開処理(2)を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置1のセンサ搭載例を説明するための図である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、本体、操作パネル、第1排紙トレイ、第2排紙トレイ、用紙積載高センサ及び用紙有センサを有する。
【0010】
本体は、文書を印刷して、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイに排紙する機能を有する。操作パネルは、ユーザからのジョブ開始の指示を受けるユーザインタフェース機能を有する。第1排紙トレイ又は第2排紙トレイは、それぞれ本体から排出される印刷された用紙を所定の枚数分保持することができる。なお、第1排紙トレイは、第2排紙トレイより優先されて用紙が排出されてもよい。
【0011】
用紙積載高センサは、排紙トレイの側部に設置され、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイに保持される用紙の量を検知するためのセンサである。用紙積載高センサは、排紙トレイの満杯又はニア満杯の検知に使用されるもの以外に複数設置されてもよい。満杯とは、排紙トレイ内の最高地点のセンサに用紙束が達した場合の状態である。ニア満杯とは、満杯より少ない用紙の量に対応する最高地点より1つ下のセンサに、用紙束が達した場合の状態である。用紙積載高センサは、複数個設置されてもよく、設置数が多い程用紙積載量の検知精度が向上する。なお、用紙積載量は、他の方法で検知されてもよく、満杯及びニア満杯である状態が検知できればよい。
【0012】
用紙有検知センサは、排紙トレイの下部に設置され、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイに用紙が保持されているか否かを検知する。排紙トレイに保持されている用紙がユーザから取り出されるとき、用紙有検知センサは「用紙あり」の状態から「用紙なし」の状態へ変化したことを検知する。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態における画像形成装置1のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示されるように、画像形成装置1は、CPU11(Central Processing Unit)、ROM12(Read Only Memory)、RAM13(Random Access Memory)、HDD14(Hard Disk Drive)、ユーザインタフェース15、ネットワークインタフェース16、プリンタエンジン17及びセンサ18を有する。
【0014】
CPU11は、プロセッサ及び周辺回路から構成され、情報処理装置1全体を制御する。ROM12は、CPU11で実行されるプログラム及び使用されるデータを格納する不揮発性の記憶装置である。RAM13は、CPU11で実行されるプログラムが制御を行うときのワークエリアとして使用される記憶装置である。HDD14は、CPU11で実行されるプログラム及び使用されるデータを格納する補助記憶装置である。HDD14は、例えば、ハードディスクドライブであってもよいし、フラッシュメモリで構成される記憶装置であってもよい。
【0015】
ユーザインタフェース15は、例えば、タッチパネルのような表示装置と入力装置とが一体化された装置である。入力装置は、ユーザ又は管理者等が各種入力操作を行うための装置である。入力装置は、タッチパネル以外のマウス、キーボード等がユーザによる入力操作に使用されてもよい。また、ユーザインタフェース15は、ユーザに対して、各種情報の表示を行う。ネットワークインタフェース16は、ネットワーク3を介したデータの送受信を行う通信装置である。ネットワークインタフェース16は、例えば、無線LANインタフェースであってもよいし、有線LANインタフェースであってもよいし、その他の方式を使用する通信ネットワークとのインタフェースであってもよい。
【0016】
プリンタエンジン17は、CPU11から制御されて印刷を実行し、排紙を行うハードウェアである。センサ18は、
図1に示された用紙積載高センサ又は用紙有検知センサのハードウェアである。例えば、センサ18は、光センサであってもよい。
【0017】
図3は、本発明の実施の形態における画像形成装置1の機能構成例を示す図である。
図3に示されるように、画像形成装置1は、ジョブ制御部101、画像形成部102、第1トレイ排紙部110及び第2トレイ排紙部120を有する。第1トレイ排紙部110は、用紙積載高検知部111及び用紙有検知部112を有する。第2トレイ排紙部120は、用紙積載高検知部121及び用紙有検知部122を有する。これら各部は、画像形成装置1において、CPU11がプログラムを実行することによって実現されてもよい。また、これら各部の全部又は一部が、他の装置、例えば、ネットワーク3に接続された他の画像形成装置1又はユーザ端末2等において実現されてもよい。
【0018】
ジョブ制御部101は、印刷、コピー、スキャン、ファックス等の画像形成機能による印刷ジョブ実行要求に基づいて、用紙の排紙先決定、ジョブの開始、停止、再開又は終了を判断する。また、ジョブ制御部101は、実行中のジョブに係る部の区切れがどこであるかを把握する機能を有する。
【0019】
画像形成部102は、画像形成装置が備える各種の画像形成機能を実行する手段であり、主に
図2に示されるプリンタエンジン17によって実現される。
【0020】
用紙積載高検知部111及び121は、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイに保持される用紙の積載量を検知して、ジョブ制御部101に通知する。排紙トレイ内の最高地点のセンサに用紙束が到達した状態を「満杯」とし、満杯に対応するセンサの1つ下のセンサに用紙束が到達した状態を「ニア満杯」とする。
【0021】
用紙有検知部112及び122は、第1排紙トレイ又は第2排紙トレイに用紙が保持されているか否かを検知して、ジョブ制御部101に通知する。
【0022】
図4は、排紙トレイ満杯によるジョブ停止処理を説明するためのフローチャートである。ステップS11において、ジョブ制御部101は、ジョブを開始する。続いて、画像形成部102は、ジョブに係る印刷を実行し、第1排紙トレイに排紙を開始する。ステップS13において、第1排紙トレイの満杯が用紙積載高検知部111により検知されると、ジョブ制御部101は、ジョブを停止する(S14)。
【0023】
上記のように画像形成装置1において、排紙トレイが満杯の状態になると、ジョブが停止される。
【0024】
図5は、排紙トレイ満杯解除によるジョブ再開処理を説明するためのフローチャートである。
図5に示されるフロー開始時は、例えば
図4に示されるフローの終了後であって、第1排紙トレイは満杯の状態であり、ジョブは停止されているとする。
【0025】
ステップS21において、用紙有検知部112は、第1排紙トレイの用紙積載量0を検知して、ジョブ制御部101に通知する。続いて、ジョブ制御部101は、ジョブを再開する(S22)。続いて、画像形成部102は、ジョブに係る印刷を再開し、第1排紙トレイに排紙を開始する(S23)。
【0026】
上記のように画像形成装置1において、排紙トレイが満杯の状態でジョブが停止されているとき、排紙トレイから用紙が取り出されると印刷が再開される。
【0027】
図6は、本発明の実施の形態におけるジョブ処理を説明するためのシーケンス図である。
図6において、ユーザがジョブの開始を画像形成装置1に指示したときのジョブ処理の手順を説明する。画像形成装置1は、複数枚の用紙に対して処理対象の印刷ジョブを実行するとき、1部又は複数部の文書の印刷を実行する。
【0028】
ステップS101において、ユーザは、ジョブ制御部101にジョブ開始を指示する。続いて、ジョブ制御部101は、排紙先を第1排紙トレイに決定する(S102)。
【0029】
ステップS103からステップS108までは、ジョブが停止するまで繰り返されるループであってもよい。ステップS103において、ジョブ制御部101は、印刷要求を画像形成部102に送信する。続いて、画像形成部102は、印刷を実行する(S104)。続いて、画像形成部102は、印刷した用紙を第1排紙トレイに排紙する(S105、S106)。ステップS107において、用紙有検知部112は、用紙あり検知を行う。ステップS108において、用紙積載高検知部111は、用紙高検知を行う。ステップS107とステップS108の実行順は逆であってもよいし並行して実行されてもよい。
【0030】
ステップS109において、用紙積載高検知部111は、「ニア満杯」を検知する。続いて、用紙積載高検知部111は、「ニア満杯」をジョブ制御部101に通知する。続いて、ジョブ制御部101は、「部の区切れ」又は第1排紙トレイの「満杯」のいずれが発生するか、状態を監視する(S111)。
【0031】
「部の区切れ」が発生した場合、ステップS112及びステップS113が実行される。一方、第1排紙トレイの「満杯」が発生した場合、ステップS114からステップS127までが実行対象となる。
【0032】
「部の区切れ」が発生した場合(S112)、ジョブ制御部101は、ジョブを停止する(S113)。
【0033】
第1排紙トレイの「満杯」が発生した場合、用紙積載高検知部111は、第1排紙トレイが満杯であることを検知する(S114)。続いて、用紙積載高検知部111は、第1排紙トレイが満杯であることをジョブ制御部101に通知する(S115)。
【0034】
ステップS116において、ジョブ制御部101は、排紙先を第2排紙トレイに切替える。続いて、ジョブ制御部101は、印刷要求を画像形成部102に送信する(S117)。画像形成部102は、印刷を実行する(S118)。続いて、画像形成部102は、印刷した用紙を第2排紙トレイに排紙する(S119、S120)。ステップS121において、用紙有検知部112は、用紙あり検知を行う。ステップS122において、用紙積載高検知部111は、用紙高検知を行う。ステップS121とステップS122の実行順は逆であってもよいし並行して実行されてもよい。続いて、ジョブ制御部101は、ジョブ制御部101は、「部の区切れ」又は第2排紙トレイの「満杯」のいずれが発生するか、状態を監視する。「部の区切れ」が発生した場合、ステップS123及びステップS124が実行される。一方、第2排紙トレイの「満杯」が発生した場合、ステップS125からステップS127までが実行される。
【0035】
「部の区切れ」が発生した場合(S123)、ジョブ制御部101は、ジョブを停止する(S124)。
【0036】
第2排紙トレイの「満杯」が発生した場合、用紙積載高検知部121は、第2排紙トレイが満杯であることを検知する(S125)。続いて、用紙積載高検知部121は、第2排紙トレイが満杯であることをジョブ制御部101に通知する(S126)。続いて、ジョブ制御部101は、ジョブを停止する(S127)。
【0037】
図7は、本発明の実施の形態におけるジョブ処理を説明するためのフローチャートである。
図7において、ジョブ処理をフローチャートで詳細に説明する。
【0038】
ステップS201において、ユーザは、ジョブ制御部101にジョブ開始を指示する。続いて、ジョブ制御部101は、排紙先を第1排紙トレイに決定し、画像形成部102は、第1排紙トレイに排紙を開始する。(S202)。
【0039】
ステップS203において、用紙積載高検知部111は、第1排紙トレイの「ニア満杯」を検知する。続いて、ジョブ制御部101は、「部の区切れ」が、第1排紙トレイの「満杯」以降であるかを判定する(S204)。「部の区切れ」が第1排紙トレイの「満杯」以降である場合(ステップS204のYES)、ステップS205に進み、「部の区切れ」が、第1排紙トレイの「満杯」以降でない場合(ステップS204のNO)、ステップS212に進む。
【0040】
ステップS205において、用紙積載高検知部111は、第1排紙トレイが満杯であることを検知する。続いて、ジョブ制御部101は、排紙先を第2排紙トレイに切替える(S206)。
【0041】
ステップS207において、ジョブ制御部101は、印刷要求を画像形成部102に送信し、画像形成部102は、印刷を実行して第2排紙トレイに排紙を開始する(S207)。続いて、ジョブ制御部101は、第2排紙トレイの「満杯」前に「部の区切れ」が発生するかを判定する。第2排紙トレイの「満杯」前に「部の区切れ」が発生する場合(ステップS208のYES)、ステップS209に進み、第2排紙トレイの「満杯」前に「部の区切れ」が発生しない場合(ステップS208のNO)、ステップS210に進む。
【0042】
ステップS209において、「部の区切れ」が発生すると、続いて、ジョブ制御部101は、第2排紙トレイに1部以上の空きがないかを判定する。
【0043】
ステップS209における判定方法として、ジョブ制御部処理対象のジョブに係る1部あたりの用紙枚数を、画像形成装置1のユーザインタフェース15又は画像形成装置1に接続されるPC(Personal Computer)等で実行されるプリンタドライバ等から取得しておき、当該1部あたりの用紙枚数と、予め取得した第2排紙トレイの最大積載枚数とを比較することで、処理対象のジョブについて、第2排紙トレイに1部以上の空きがあるか否かを判定することができる。
【0044】
さらに、ステップS209における他の判定方法として、排紙重量に基づいて判定してもよい。第2排紙トレイに重量センサを設置して第2排紙トレイに現在保持されている用紙の重量を取得し、予め取得した第2排紙トレイの最大積載重量と現在保持されている用紙の重量との差分と、処理対象のジョブに係る1部の用紙の重量とを比較して、処理対象のジョブに対して、第2排紙トレイに1部以上の空きがあるか否かを判定することができる。処理対象のジョブに係る1部の用紙の重量は、公知の構成又は方法によってジョブ制御部101に取得されてもよい。
【0045】
上記のステップS209における第2排紙トレイの空きを検出する方法は、ステップS204における「部の区切れ」が、第1排紙トレイの「満杯」以降であるかの判定に使用されてもよい。
【0046】
第2排紙トレイに1部以上の空きがない場合(S211のYES)、ステップS212に進む。第2排紙トレイに1部以上の空きがある場合(S211のNO)、ステップS207に進み、印刷を継続する。
【0047】
ステップS210において、用紙積載高検知部121が第2排紙トレイの「満杯」を検知するとジョブ制御部101に通知して、ステップS212に進む。
【0048】
ステップS212において、ジョブ制御部101は、ジョブを停止し、フローを終了する。
【0049】
図8は、本発明の実施の形態におけるジョブ再開処理を説明するためのシーケンス図である。
図8において、ユーザが排紙トレイから用紙を取り出した時のジョブ再開処理を説明する。ステップS301から開始される処理は、第1排紙トレイが「満杯」時の処理であり、ステップS401から開始される処理は、第2排紙トレイが「満杯」時の処理である。
【0050】
ステップS301において、ユーザは、第1排紙トレイから用紙を取り出す。続いて、用紙有検知部112は、第1排紙トレイに用紙なしを検知して(S302)、ジョブ制御部101に用紙なしを通知する(S303)。ステップS304において、ジョブ制御部101は、排紙先を第1排紙トレイに決定する。
【0051】
ステップS305からステップS310までは、ジョブが停止するまで繰り返されるループであってもよい。ステップS305において、ジョブ制御部101は、印刷要求を画像形成部102に送信する。続いて、画像形成部102は、印刷を実行する(S306)。続いて、画像形成部102は、印刷した用紙を第1排紙トレイに排紙する(S307、S308)。ステップS309において、用紙有検知部112は、用紙あり検知を行う。ステップS310において、用紙積載高検知部111は、用紙高検知を行う。ステップS309とステップS310の実行順は逆であってもよいし並行して実行されてもよい。
【0052】
ステップS401において、ユーザは、第2排紙トレイから用紙を取り出す。続いて、用紙有検知部122は、第2排紙トレイに用紙なしを検知して(S402)、ジョブ制御部101に用紙なしを通知する(S403)。ステップS404において、ジョブ制御部101は、排紙先を第2排紙トレイに決定する。
【0053】
ステップS405からステップS410までは、ジョブが停止するまで繰り返されるループであってもよい。ステップS405において、ジョブ制御部101は、印刷要求を画像形成部102に送信する。続いて、画像形成部102は、印刷を実行する(S406)。続いて、画像形成部102は、印刷した用紙を第2排紙トレイに排紙する(S407、S408)。ステップS409において、用紙有検知部122は、用紙あり検知を行う。ステップS410において、用紙積載高検知部121は、用紙高検知を行う。ステップS409とステップS410の実行順は逆であってもよいし並行して実行されてもよい。
【0054】
図9は、本発明の実施の形態におけるジョブ再開処理(1)を説明するためのフローチャートである。ステップS501は、第2排紙トレイに「部の区切れ」まで印刷してジョブ停止中の状態である。
【0055】
ステップS502において、ユーザが第1排紙トレイから用紙を取り出すことにより、用紙積載高検知部111が第1排紙トレイの用紙0を検知し、ジョブ制御部101に通知する。ステップS503において、ジョブ制御部101は、ジョブを再開する。続いて、画像形成部102は、印刷した用紙を第1排紙トレイに排紙する(S504)。
【0056】
図10は、本発明の実施の形態におけるジョブ再開処理(2)を説明するためのフローチャートである。ステップS601は、第2排紙トレイが「満杯」で、ジョブ停止中の状態である。
【0057】
ステップS602において、用紙積載高検知部121が第2排紙トレイの用紙0を検知するか否か判定する。ユーザが第2排紙トレイから用紙を取り出すことにより、第2排紙トレイの用紙0を検知された場合(S602のYES)、ステップS603に進み、第2排紙トレイから用紙が取り出されなかった場合(S602のNO)、第2排紙トレイの用紙0が検知されるまで待つ。
【0058】
ステップS603において、ジョブ制御部101は、ジョブを再開する。続いて、画像形成部102は、印刷した用紙を第2排紙トレイに排紙する(S604)。ステップ605において、ジョブ制御部101は、「部の区切れ」が発生するか否か判定する。「部の区切れ」が発生した場合(S605のYES)、ステップS606に進み、ジョブ制御部101はジョブを停止する。一方、「部の区切れ」が発生しない場合(S605のNO)、すなわち第2排紙トレイが「満杯」になった場合、ステップS601の状態に戻って、第2排紙トレイが「満杯」の状態で、ジョブ制御部101はジョブを停止する。
【0059】
上述のように、本発明の実施の形態によれば、画像形成装置1は、第1排紙トレイの「ニア満杯」を検知後、「部の区切れ」が発生した場合、ジョブを停止する。また、第1排紙トレイの「ニア満杯」検知後、第1排紙トレイの「満杯」が発生した場合、第2排紙トレイに排紙先を切り替えることができる。さらに、第2排紙トレイに排紙中に「部の区切れ」が発生した場合、第2排紙トレイに1部以上の用紙を保持する空きがあるかないかを判定し、1部以上の空きがある場合第2排紙トレイに排紙を継続し、1部以上の空きがない場合ジョブを停止することができる。
【0060】
すなわち、印刷対象である部が印刷されるとき、満杯より用紙が所定量少ない排紙トレイの状態を検出して、1つの部をまとめて排紙することができる。
【0061】
なお、本発明の実施の形態において、部は、文書の一例である。第1排紙トレイは、第1の排紙トレイの一例である。第2排紙トレイは、第2の排紙トレイの一例である。トレイ画像形成部102は、印刷部の一例である。ジョブ制御部101は、切替部、算出部又は制御部の一例である。用紙積載高検知部又は用紙有検知部は、検知部の一例である。
【0062】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 画像形成装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 HDD
15 ユーザインタフェース
16 ネットワークインタフェース
17 プリンタエンジン
18 センサ
101 ジョブ制御部
102 画像形成部
110 第1トレイ排紙部
111 用紙積載高検知部
112 用紙有検知部
120 第2トレイ排紙部
121 用紙積載高検知部
122 用紙有検知部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】