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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】液滴形成装置及び液滴形成方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20220308BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20220308BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220308BHJP
   B41J 2/045 20060101ALI20220308BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20220308BHJP
   C12M 1/00 20060101ALN20220308BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/00
B05C11/10
B41J2/045
B41J2/14 501
C12M1/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018044896
(22)【出願日】2018-03-13
(65)【公開番号】P2019155268
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】岡野 覚
(72)【発明者】
【氏名】松本 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】村松 功一
(72)【発明者】
【氏名】倉持 譲
(72)【発明者】
【氏名】増子 龍也
【審査官】磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-074664(JP,A)
【文献】特開2014-176976(JP,A)
【文献】特開2017-159607(JP,A)
【文献】特開2006-327095(JP,A)
【文献】特開平05-008387(JP,A)
【文献】特開2006-061806(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00
B05C 11/00
B05C 11/10
B41J 2/045
B41J 2/14
C12M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を保持する液体保持部と、
吐出口が形成され前記液体保持部に保持された前記液体を振動により前記吐出口から液滴として吐出する膜状部材と、
前記膜状部材を振動させる振動手段と、
前記振動手段を駆動する駆動手段と、
前記吐出口内に前記液体の三重線を留めることが可能な圧力まで負圧をかける負圧制御部と、
前記液体保持部内を大気に開放する大気開放部と、
を有することを特徴とする液滴形成装置。
【請求項2】
前記負圧制御部が、下記数式(1)で表される接触角が最大になる時の負圧である負圧最大値Pmaxとなるように制御する請求項1に記載の液滴形成装置。
【数1】
ただし、rはノズル半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、Pmaxは負圧最大値(cosθ=1の時)を示す。
【請求項3】
前記負圧制御部が、下記数式(2)で表される負圧P’以下となるように制御する請求項1から2のいずれかに記載の液滴形成装置。
【数2】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、P’は負圧を示す。
【請求項4】
前記吐出口の内壁が、液滴の吐出方向に向けて狭くなるテーパー構造を有する請求項1から3のいずれかに記載の液滴形成装置。
【請求項5】
液面検知により液面高さの変動による液室内の静水圧を検出する検出手段を有し、
前記検出手段により検出した静水圧を負圧Pにフィードバックして制御する請求項1から4のいずれかに記載の液滴形成装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載の液滴形成装置を用いて液滴を形成することを特徴とする液滴形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴形成装置及び液滴形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞のパターニング精度を向上させるためには、着弾後の液滴の濡れ広がりを抑制することが有効であり、できるだけ細胞懸濁液を小滴化して吐出させる必要がある。
そこで、例えば、液滴吐出ヘッドの吐出口(ノズル)から吐出する液滴を、ノズル径より小さい微小液滴を形成し高精度に吐出量を制御するインクジェット記録装置が開示され、この装置は圧電素子への変形時間(電圧、印加時間)を制御することで吐出する構成が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
また、液体収容体から液体が噴射される液体噴射ヘッドの液体中の気泡の発生・成長を小さく抑制する液体噴射装置が開示され、この装置は液体を所定の負圧に減圧する機能を有する構成が記載されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、吐出口径が大きくても微小液滴の吐出が可能である液滴形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するための手段としての本発明の液滴形成装置は、液体を保持する液体保持部と、吐出口が形成され前記液体保持部に保持された前記液体を振動により前記吐出口から液滴として吐出する膜状部材と、前記膜状部材を振動させる振動手段と、前記振動手段を駆動する駆動手段と、前記吐出口内に液体の三重線を留めることが可能な圧力まで負圧をかける負圧制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、吐出口径が大きくても微小液滴の吐出が可能である液滴形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の第1の実施形態の液滴形成装置の一例を示す概略図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態の液滴形成装置における液体保持部の吐出口及びその近傍の部分拡大図である。
図3A図3Aは、吐出口内壁の接触角θr以下の負圧をかけた際の力の釣り合い状態を示す液体保持部の吐出口及びその近傍の部分拡大図である。
図3B図3Bは、負圧と三重線との関係を示す図である。
図4A図4Aは、ストレートノズルの一例を示した部分拡大図である。
図4B図4Bは、テーパーノズルの一例を示した部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(液滴形成装置及び液滴形成方法)
本発明の液滴形成装置は、液体を保持する液体保持部と、吐出口が形成され液体保持部に保持された液体を振動により吐出口から液滴として吐出する膜状部材と、膜状部材を振動させる振動手段と、振動手段を駆動する駆動手段と、吐出口内に液体の三重線を留めることが可能な圧力まで負圧をかける負圧制御部と、を有し、粒子数計数手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の液滴形成方法は、本発明の液滴形成装置を用いて液滴を形成する。
【0008】
本発明の液滴形成装置及び液滴形成方法は、従来技術では、小滴を形成させるためには、通常、吐出口(ノズル)径を小さくすることが有効であるが、小径ノズルを細胞が通過する影響により、吐出曲がり、吐出速度のバラツキが増大する。また、ノズル通過時のせん断力によって細胞へのダメージが増大してしまうという知見に基づくものである。
【0009】
本発明の液滴形成装置においては、吐出口(ノズル)内の力の釣り合いの下記数式(2)により、吐出口内に液体の三重線を留めることが可能な圧力である下記数式(1)で表される負圧最大値Pmaxをかけることができる。
ここで、三重線とは、空気・固体・液体が接する点を意味する。例えば、プラスチックの平らな表面に水を一滴たらすと、半球状の滴ができる。このときの力の釣り合いを、空気・固体・液体が接する点(三重線;triple line)で考えることができる。三重線で作用している力は、固体の表面張力、液体の表面張力、固体と液面の接触面での表面張力である。三重線は、3つの表面張力がそれぞれ作用している点を意味する。
【0010】
【数1】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、Pmaxは負圧最大値(cosθ=1の時)を示す。
【0011】
【数2】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、P’は負圧を示す。
【0012】
前記数式(2)は、液室内を負圧で制御した際の力の釣り合いを表している。
前記数式(1)は、前記数式(2)の接触角が最大になるときの力の釣り合いを表している。これ以上の負圧で設定すると三重線が壊れてしまう。三重線が壊れてしまうと、吐出が不安定となってしまう。
【0013】
したがって、本発明によると、吐出口(ノズル)内の力の釣り合いより、ノズル内に液体の三重線を留めることが可能な圧力まで負圧をかけることにより、吐出口径が大きくても微小液滴の吐出が可能となり、吐出バラツキ(曲がりθ、吐出速度)を抑制でき、結果として細胞のダメージを少なくすることができる。
【0014】
<液体保持部>
液体保持部は、液体を保持する。液体保持部は、吐出口と反対側に大気開放部を有していることが好ましい。液体中に混入した気泡は大気開放部から排出可能に構成されている。
【0015】
液体保持部の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
液体保持部の材質としては、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム等の金属や、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスなどが挙げられる。
これらの中でも、粒子として細胞やタンパク質を用いる際には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
細胞の付着性は一般的に材質の水との接触角に依存性があると言われており、材質の親水性が高い又は疎水性が高いときには細胞の付着性が低い。親水性の高い材料としては各種金属材料やセラミックス(金属酸化物)を用いることが可能であり、疎水性が高い材料としてはフッ素樹脂等を用いることが可能である。
これら以外にも、材料表面をコーティングすることで細胞接着性を低下させることも考えられる。例えば、材料表面を前述の金属又は金属酸化物材料でコーティングすることや、細胞膜を模した合成リン脂質ポリマー(例えば、日油株式会社製、Lipidure)によってコーティングすることが可能である。
【0016】
<膜状部材>
膜状部材は、吐出口(ノズル)が形成され,液体保持部に保持された液体をその振幅運動による振動により吐出口から液滴として吐出する部材である。
膜状部材は、液体保持部の下端部に固定されている。
液体保持部に保持された液体は、膜状部材の振動により貫通孔である吐出口から液滴として吐出される。
【0017】
膜状部材の平面形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
膜状部材の平面形状としては、例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、菱形などが挙げられる。
膜状部材の材質としては、柔らかすぎると膜状部材が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さを有する材質を用いることが好ましく、例えば、金属、セラミックス、高分子材料などが挙げられ、具体的には、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、二酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニアなどが挙げられる。これらの中でも、上記液体保持部と同様に、粒子として細胞やタンパク質を用いる場合には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることが好ましい。
【0018】
-吐出口-
吐出口としては、その配列数、配列態様、間隔(ピッチ)、開口形状、開口の大きさなどについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
吐出口の配列数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、液滴吐出手段の吐出面の長さ方向に沿って1列以上配設されていることが好ましく、1列以上4列以下がより好ましい。吐出口を1列以上設けることにより、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができると共に、粒子の種類(例えば、細胞の種類など)応じて列を変えて一度に吐出することができる。
1列当たりの吐出口の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択されるが、2個以上100個以下が好ましく、2個以上50個以下がより好ましく、2個以上12個以下が更に好ましい。1列当たりの吐出口の数が2個以上100個以下であると、単位時間当りの吐出する液滴数を増加させることができる高い生産性を有する粒子計数装置を提供することができる。
吐出口の配列態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、規則配列(例えば、千鳥格子配列など)であっても、不規則配列であってもよい。
吐出口が、複数列である場合には、隣接する吐出口から吐出される液滴同士の干渉を防止でき、粒子の検出感度を向上させるため、各列の間に仕切り部材を設けることが好ましい。仕切り部材としては、例えば、仕切り板などが挙げられる。
吐出口は、等間隔に並んで配列されていることが好ましく、隣接する吐出口の中心間の最短距離である間隔(ピッチ)Pとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、50μm以上1,000μm以下が好ましい。
吐出口の開口形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形、楕円形、四角形などが挙げられる。
吐出口の平均径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粒子が吐出口に詰まることを避けるため、粒子の大きさの2倍以上とすることが好ましい。
粒子が、例えば、動物細胞、特にヒトの細胞である場合、ヒトの細胞の大きさは、一般的に、5μm以上50μm以下であるため、吐出口の平均径は、使用する細胞に合わせて、10μm以上100μm以下が好ましい。
一方で、液滴が大きくなり過ぎると、微小液滴を形成するという目的の達成が困難となるため、吐出口の平均径は、200μm以下であることが好ましい。したがって、吐出口の平均径は、10μm以上200μm以下がより好ましい。
【0019】
<振動手段>
振動手段は、膜状部材を振動させて吐出口(ノズル)から液滴を吐出させる。
振動手段は、膜状部材の下面側に形成されている。
振動手段の形状、大きさ、材質、及び構造については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
振動手段の形状としては、特に制限はなく、膜状部材の形状に合わせて適宜設計することができるが、例えば、膜状部材の平面形状が円形である場合には、吐出口の周囲に平面形状が円環状(リング状)の振動手段を形成することが好ましい。
【0020】
振動手段としては、圧電素子が好適に用いられる。圧電素子としては、例えば、圧電材料の上面及び下面に電圧を印加するための電極を設けた構造とすることができる。この場合、駆動手段から圧電素子の上下電極間に電圧を印加することによって膜の面横方向に圧縮応力が加わり、膜状部材を膜の面上下方向に振動させることができる。
圧電材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ビスマス鉄酸化物、ニオブ酸金属物、チタン酸バリウム、又はこれらの材料に金属や異なる酸化物を加えたものなどが挙げられる。これらの中でも、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)が好ましい。
【0021】
<駆動手段>
駆動手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液滴吐出ヘッドが圧電加圧方式によるインクジェットヘッドである場合、液滴吐出ヘッドに駆動電圧を入力する手段などが挙げられる。この場合、駆動手段が圧電素子を変形させることにより微小な液滴を吐出させることができる。
【0022】
<負圧制御部>
負圧制御部は、吐出口内に液体の三重線を留めることが可能な圧力まで負圧をかける。
負圧制御部としては、各種ソフトウェアやプログラムなどを内蔵したコンピュータにより実行される。コンピュータとしては、記憶、演算、制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
【0023】
負圧制御部は、下記数式(1)で表される接触角が最大になる時の負圧である負圧最大値Pmaxとなるように制御することが、微小な液滴を吐出させる点から好ましい。
【数1】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、Pmaxは負圧最大値(cosθ=1の時)を示す。
【0024】
負圧制御部は、下記数式(2)で表される負圧P’以下となるように制御することが、三重線の固定(ピン)される位置が安定し、液滴吐出が安定する点から好ましい。
【数2】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、P’は負圧を示す。
【0025】
<液滴>
液滴は、粒子を含むことが好ましい。
液滴中に含まれる粒子の個数は、1個以上が好ましく、1個以上5個以下がより好ましい。
液滴の直径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25μm以上150μm以下が好ましい。液滴の直径が25μm以上であると、内包する粒子の直径が適正となり、適用できる粒子の種類が多くなる。また、液滴の直径が150μm以下であると、液滴の吐出が安定となる。
また、液滴の直径をRとし、粒子の直径をrとすると、R>3rであることが好ましい。R>3rであると、粒子の直径と液滴の直径との関係が適正であり、液滴の縁の影響を受けることがないため、粒子の計数精度が向上する。
液滴の液量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000pL以下が好ましく、100pL以下がより好ましい。
液滴の液量は、例えば、液滴の画像から液滴の大きさを求め、液量を算出する方法などにより測定することができる。
【0026】
液滴に含まれる粒子としては、例えば、金属微粒子、無機微粒子、細胞などが挙げられる。これらの中でも、細胞が好ましい。
【0027】
細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真核細胞、原核細胞、多細胞生物細胞、単細胞生物細胞を問わず、すべての細胞について使用することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
真核細胞としては、特に制限はなく、目的応じて適宜選択することができ、例えば、動物細胞、昆虫細胞、植物細胞、真菌、藻類、原生動物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、動物細胞、真菌が好ましく、ヒト由来の細胞がより好ましい。
【0029】
接着性細胞としては、組織や器官から直接採取した初代細胞でもよく、組織や器官から直接採取した初代細胞を何代か継代させたものでもよく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分化した細胞、未分化の細胞などが挙げられる。
【0030】
分化した細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、肝臓の実質細胞である肝細胞;星細胞;クッパー細胞;血管内皮細胞;類道内皮細胞、角膜内皮細胞等の内皮細胞;繊維芽細胞;骨芽細胞;砕骨細胞;歯根膜由来細胞;表皮角化細胞等の表皮細胞;気管上皮細胞;消化管上皮細胞;子宮頸部上皮細胞;角膜上皮細胞等の上皮細胞;乳腺細胞;ペリサイト;平滑筋細胞、心筋細胞等の筋細胞;腎細胞;膵ランゲルハンス島細胞;末梢神経細胞、視神経細胞等の神経細胞;軟骨細胞;骨細胞などが挙げられる。
【0031】
未分化の細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、未分化細胞である胚性幹細胞、多分化能を有する間葉系幹細胞等の多能性幹細胞;単分化能を有する血管内皮前駆細胞等の単能性幹細胞;iPS細胞などが挙げられる。
【0032】
真菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カビ、酵母菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、細胞周期を調節することができ、1倍体を使用することができる点から、酵母菌が好ましい。
細胞周期とは、細胞が増えるとき、細胞分裂が生じ、細胞分裂で生じた細胞(娘細胞)が再び細胞分裂を行う細胞(母細胞)となって新しい娘細胞を生み出す過程を意味する。
【0033】
酵母菌としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、細胞周期をG1期に制御するフェロモン(性ホルモン)の感受性が増加したBar-1欠損酵母が好ましい。酵母菌がBar-1欠損酵母であると、細胞周期が制御できていない酵母菌の存在比率を低くすることができるため、容器内に収容された細胞の特定の核酸の数の増加等を防ぐことができる。
【0034】
原核細胞としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真正細菌、古細菌などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0035】
細胞としては、死細胞が好ましい。死細胞であると、分取後に細胞分裂が起こることを防ぐことができる。
【0036】
細胞としては、光を受光したときに発光可能な細胞であることが好ましい。光を受光したときに発光可能な細胞であると、細胞の数を高精度に制御して被着対象物に着弾させることができる。
受光とは、光を受けることを意味する。
光学センサとは、人間の目で見ることができる可視光線と、それより波長の長い近赤外線や短波長赤外線、熱赤外線領域までの光のいずれかの光をレンズで集め、対象物である細胞の形状などを画像データとして取得する受動型センサを意味する。
【0037】
--光を受光したときに発光可能な細胞--
光を受光したときに発光可能な細胞としては、光を受光したときに発光可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、蛍光色素によって染色された細胞、蛍光タンパク質を発現した細胞、蛍光標識抗体により標識された細胞などが挙げられる。
細胞における蛍光色素による染色部位、蛍光タンパク質の発現部位、又は蛍光標識抗体による標識部位としては、特に制限はなく、細胞全体、細胞核、細胞膜などが挙げられる。
【0038】
---蛍光色素---
蛍光色素としては、例えば、フルオレセイン類、アゾ類、ローダミン類、クマリン類、ピレン類、シアニン類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フルオレセイン類、アゾ類、ローダミン類が好ましく、エオシン、エバンスブルー、トリパンブルー、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミン123がより好ましい。
【0039】
蛍光色素としては、市販品を用いることができ、市販品としては、例えば、商品名:EosinY(和光純薬工業株式会社製)、商品名:エバンスブルー(和光純薬工業株式会社製)、商品名:トリパンブルー(和光純薬工業株式会社製)、商品名:ローダミン6G(和光純薬工業株式会社製)、商品名:ローダミンB(和光純薬工業株式会社製)、商品名:ローダミン123(和光純薬工業株式会社製)などが挙げられる。
【0040】
---蛍光タンパク質---
蛍光タンパク質としては、例えば、Sirius、EBFP、ECFP、mTurquoise、TagCFP、AmCyan、mTFP1、MidoriishiCyan、CFP、TurboGFP、AcGFP、TagGFP、Azami-Green、ZsGreen、EmGFP、EGFP、GFP2、HyPer、TagYFP、EYFP、Venus、YFP、PhiYFP、PhiYFP-m、TurboYFP、ZsYellow、mBanana、KusabiraOrange、mOrange、TurboRFP、DsRed-Express、DsRed2、TagRFP、DsRed-Monomer、AsRed2、mStrawberry、TurboFP602、mRFP1、JRed、KillerRed、mCherry、mPlum、PS-CFP、Dendra2、Kaede、EosFP、KikumeGRなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
---蛍光標識抗体---
蛍光標識抗体としては、蛍光標識されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、CD4-FITC、CD8-PEなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
細胞は、特定の核酸を有することが好ましい。特定の核酸を有する細胞の細胞数は、複数であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0043】
---特定の核酸---
特定の核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、感染症検査に用いられる塩基配列、自然界には存在しない核酸、動物細胞由来の塩基配列、植物細胞由来の塩基配列などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、特定の核酸としては、プラスミドも好適に使用することができる。
核酸とは、プリン又はピリミジンから導かれる含窒素塩基、糖、及びリン酸が規則的に結合した高分子の有機化合物を意味する。
【0044】
特定の核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DNA、RNAなどが挙げられる。これらの中でも、ノロウイルスなどの感染症固定領域に由来するRNAに対応するDNA、自然界に存在しないDNAなどが好適に用いることができる。
【0045】
特定の核酸を有する複数の細胞は、使用する細胞由来の特定の核酸であってもよく、遺伝子導入により導入された特定の核酸であってもよい。特定の核酸として、遺伝子導入により導入された特定の核酸、及びプラスミドを使用する場合は、1細胞に1コピーの特定の核酸が導入されていることを確認することが好ましい。1コピーの特定の核酸が導入されていることの確認方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シーケンサー、PCR法、サザンブロット法などを用いて確認することができる。
【0046】
遺伝子導入の方法としては、特定の核酸配列が狙いの場所に狙いの分子数導入できれば特に制限がなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、相同組換え、CRISPR/Cas9、TALEN、Zinc finger nuclease、Flip-in、Jump-inなどが挙げられる。特に、酵母菌の場合は、効率の高さ、及び制御のしやすさの点から、相同組換えが好ましい。
【0047】
金属微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銀粒子、銅粒子などが挙げられる。これらは吐出した液滴によって配線を描画する用途に用いることができる。
【0048】
無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素等が白色インクとしての用途やスペーサ材料の塗布用途等で用いられる。
【0049】
粒子が凝集する場合には、粒子を含む液体の粒子の濃度を調整することにより、液体中の粒子の濃度と、液体中の粒子の個数とがポアソン分布に従う理論から、液体中の粒子の個数を適宜調整することができる。
液体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、蒸留水、純水、生理食塩水、アルコール、鉱物油、植物油等の様々な有機溶媒を用いることができる。
溶媒として水を使用する際には、水分の蒸発を抑えるための湿潤剤や、表面張力を下げるための界面活性剤が含まれていることが好ましい。これらの処方には、インクジェットインクに用いられるごく一般的な材料を用いることができる。
【0050】
<粒子数計数手段>
粒子数計数手段は、液滴に含まれる粒子を計数する手段であり、液滴の吐出後、かつ液滴の被着対象物への着弾前に、液滴に含まれる粒子数をセンサによって計数する手段であることが好ましい。
センサとは、自然現象や人工物の機械的・電磁気的、熱的、音響的、又は化学的性質、或いはそれらにより示される空間情報・時間情報を、何らかの科学的原理を応用して、人間や機械が扱い易い別媒体の信号に置き換える装置を意味する。
【0051】
粒子数計数手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、吐出前に粒子を観測する処理、着弾後の粒子をカウントする処理を含んでもよい。
【0052】
液滴の吐出後、かつ液滴の被着対象物への着弾前に、液滴に含まれる粒子数の計数としては、液滴が被着対象物としてのプレートのウェルに確実に入ることが予測されるウェル開口部の直上の位置にあるタイミングにて液滴中の粒子を観測することが好ましい。
【0053】
プレートとしては、特に制限はなく、バイオ分野において一般的に用いられる穴が形成されたものを用いることが可能である。
プレートにおけるウェルの数は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単数であってもよく、複数であってもよい。
ウェルの数が複数であるプレートとしては、ウェルの数が24個、96個、384個など業界において一般的な個数及び寸法で穴が形成されたものを用いることが好ましい。
プレートの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、後の処理のために、細胞や核酸の壁面への付着が抑制されているものを用いることが好ましい。
【0054】
液滴中の粒子を観測する方法としては、例えば、光学的に検出する方法、電気的・磁気的に検出する方法などが挙げられる。
【0055】
<その他の手段>
その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、制御手段、表示手段、記録手段などが挙げられる。
【0056】
ここで、本発明の液滴形成装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。また、下記構成部材の数、位置、形状等は本実施形態に限定されず、本発明を実施する上で好ましい数、位置、形状等にすることができる。
【0057】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る液滴形成装置の一例を示す概略図である。この図1の液滴形成装置100は、液滴吐出ヘッド10、及び駆動手段20を有している。
液滴吐出ヘッド10は、液体保持部11と、吐出口14が形成され、液体保持部11に保持された液体201を振動手段13の振動により吐出口14から液滴210として吐出する膜状部材12とを有する。
液体保持部11は、光が照射されたときに発光可能な粒子200を含む液体201を保持し、本実施形態ではオープンヘッドであるため、上部に大気開放部15を有している。これにより、液体201中に混入した気泡を大気開放部15から排出可能である。これによって、気泡排出のために大量の液を捨てることなく、連続して安定的に液滴を形成することが可能となる。
【0058】
振動手段13は、本実施形態では、液滴吐出ヘッド10がオープンヘッドであるため、膜状部材12の下面に配置されている。振動手段13の形状は、膜状部材12の形状に合わせて設計することができる。例えば、膜状部材12の平面形状が円形である場合には、吐出口14の周囲に平面形状が円環状(リング状)の振動手段13を形成することが好ましい。
振動手段13に駆動手段20から駆動信号を供給することにより、膜状部材12を振動させることができる。それによって、吐出口14から液滴210が吐出される。
【0059】
本実施形態では、膜状部材12の振動の慣性により液滴を形成するため、高表面張力(高粘度)の粒子縣濁液でも吐出が可能である。
膜状部材12の材質としては、柔らか過ぎると膜状部材12が簡単に振動し、吐出しないときに直ちに振動を抑えることが困難であるため、ある程度の硬さがある材質を用いることが好ましい。膜状部材12の材質としては、例えば、金属材料やセラミック材料、ある程度硬さのある高分子材料などを用いることができる。
液体保持部11及び膜状部材12の材質としては、粒子として細胞を用いる場合には、細胞やタンパク質に対する付着性の低い材料を用いることができる。
【0060】
駆動手段20は、膜状部材12を振動させて液滴を形成する吐出波形と、液滴を形成しない範囲で膜状部材12を振動させる撹拌波形とを振動手段13に選択的に(例えば、交互に)付与することができる。
つまり、駆動手段20は、吐出波形を振動手段13に加え、膜状部材12の振動状態を制御することにより、液体保持部11に保持された粒子200を含む液体201を吐出口14から液滴として吐出させることができる。
【0061】
図2は、吐出口(ノズル)14内の力の釣り合いを表している。ノズル14内には毛管圧と静水圧と負圧Pとの3つの力が働いている。
毛管力(ラプラス圧)は、下記式で表される。
【数2】
静水圧は、ρghで表される。
負圧Pは、圧力制御装置により調整される。
それぞれの力は図2に示す向きに働いており、下記数式(2’)に示す力の釣り合いが成立する。
【数1】
【0062】
負圧Pを大きくしていくと、液体の三重線8が液室側に引き込まれ、膜状部材12の振動により液滴吐出時にメニスカス先端部が尖り、ノズル径が大きくても微小液滴の吐出が可能となる。
【0063】
上記数式(2’)の力の釣り合いで左辺が最大になる負圧Pmax(cosθ=1の時)は下記数式(1)で表すことができる。
【0064】
最大負圧(Pmax以上)で制御するとメニスカスが壊れ、吐出不安定となる。膜状部材12の厚みが厚いほど、液吐出時のノズル壁面力から流体抵抗が増し、膜状部材12の先端部がより尖り、微小液滴の吐出が可能と考えられるが、薄い場合に比べて吐出に必要なエネルギーが大きくなるため、膜状部材12の厚みについては、考慮する必要がある。
膜状部材の材質としては、ステンレス鋼(SUS)が好ましい。
膜状部材12の平均厚みは、20μm以上100μm以下が好ましい。
【0065】
図3Aはノズル内壁の接触角θr以下の負圧をかけた際の力の釣り合いを表している。
θrは後退接触角であり、θrより接触角が小さくなると、三重線18が液室側に引き込まれ、膜状部材12の厚み分、接触角は後退していくが、三重線18の固定される(ピンされる)位置が不安定になり、液滴吐出も不安定になる。そのため、ノズル内壁の接触角θr以下で負圧を制御することにより、三重線の固定される(ピンされる)位置が安定し、液滴吐出も安定する。
【0066】
図3Bは負圧と三重線の関係を表している。
負圧Pを大きくしていくと三重線18は液室側に引きこまれていく。負圧がP’までは三重線は膜状部材12の吐出側に固定されて(ピンされて)いるが、負圧がP’を超えると、三重線18が後退していき、ここからさらに負圧P’を大きくしPmaxを越えると三重線が壊れ、液滴吐出が不安定となる。
負圧P’をPmaxに近づける方法としては、ノズル壁面を親水性にする方法、ノズル壁面を凹凸にする方法などにより接触角を小さくする方法がある。
【0067】
<第2の実施形態>
図4A及び図4Bは、第2の実施形態の液滴形成装置における液体保持部の吐出口及びその近傍の部分拡大図である。なお、第2の実施形態において、既に説明した実施の形態と同一の構成については、同じ参照符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態においては、前記吐出口の内壁が、液滴の吐出方向に向けて狭くなるテーパー構造を有する。これにより、負圧Pを大きくすることができるので、より微小な液滴の吐出が可能となる。
図4Aに示すテーパー構造を有さないストレートノズル14に比べて、図4Bに示すように吐出口の内壁が、液滴の吐出方向に向けて狭くなるテーパー角度(θt)を有するテーパーノズル16とすると、テーパー角度(θt)の大きさ分だけ接触角が大きく取れるので、負圧Pを大きくすることができ、より微小液滴の吐出が可能となる。
テーパー角度(θt)は10度~45度が好ましい。
【0068】
<第3の実施形態>
第3の実施形態では、液面検知により液面高さの変動による液室内の静水圧を検出する検出手段を有し、前記検出手段により検出した静水圧を負圧Pにフィードバックして制御する。これにより、液体保持室内の圧力を一定に保つことが実現できる。
検出手段としては、例えば、液面検知センサなどが挙げられる。
【0069】
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 液体を保持する液体保持部と、
吐出口が形成され前記液体保持部に保持された前記液体を振動により前記吐出口から液滴として吐出する膜状部材と、
前記膜状部材を振動させる振動手段と、
前記振動手段を駆動する駆動手段と、
前記吐出口内に前記液体の三重線を留めることが可能な圧力まで負圧をかける負圧制御部と、
を有することを特徴とする液滴形成装置である。
<2> 前記負圧制御部が、下記数式(1)で表される接触角が最大になる時の負圧である負圧最大値Pmaxとなるように制御する前記<1>に記載の液滴形成装置である。
【数1】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、Pmaxは負圧最大値(cosθ=1の時)を示す。
<3> 前記負圧制御部が、下記数式(2)で表される負圧P’以下となるように制御する前記<1>から<2>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
【数2】
ただし、rは吐出口半径、γは表面張力、ρは密度、gは重力加速度、hは液面高さ、θは接触角、P’は負圧を示す。
<4> 前記吐出口の内壁が、液滴の吐出方向に向けて狭くなるテーパー構造を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<5> 液面検知により液面高さの変動による液室内の静水圧を検出する検出手段を有し、前記検出手段により検出した静水圧を負圧Pにフィードバックして制御する前記<1>から<4>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<6> 前記液体保持部内を大気に開放する大気開放部を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<7> 前記液滴に含まれる粒子を計数する粒子数計数手段を有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<8> 前記液滴が、光を照射されたときに発光可能な粒子を含む前記<1>から<7>に記載の液滴形成装置である。
<9> 前記光を照射されたときに発光可能な粒子が、細胞である前記<8>に記載の液滴形成装置である。
<10> 前記光を照射されたときに発光可能な粒子が、蛍光色素によって染色された細胞及び蛍光タンパク質を発現可能な細胞の少なくともいずれかである前記<8>から<9>のいずれかに記載の液滴形成装置である。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の液滴形成装置を用いて液滴を形成することを特徴とする液滴形成方法である。
【0070】
前記<1>から<10>のいずれかに記載の液滴形成装置、及び前記<11>に記載の液滴形成方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【文献】特開2004-058300号公報
【文献】特開2007-144888号公報
【符号の説明】
【0072】
8 三重線
10 液滴吐出ヘッド
12 膜状部材
13 振動手段
14 吐出口
20 駆動手段
100 液滴形成装置
200 粒子
201 液体
210 液滴
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B