(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-07
(45)【発行日】2022-03-15
(54)【発明の名称】PD-L1検出用抗PD-L1抗体
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20220308BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20220308BHJP
C07K 16/30 20060101ALI20220308BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20220308BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20220308BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20220308BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20220308BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C07K16/30
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
(21)【出願番号】P 2019509739
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2018011895
(87)【国際公開番号】W WO2018181064
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2020-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2017061389
(32)【優先日】2017-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000238201
【氏名又は名称】扶桑薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098121
【氏名又は名称】間山 世津子
(74)【代理人】
【識別番号】100107870
【氏名又は名称】野村 健一
(72)【発明者】
【氏名】今内 覚
(72)【発明者】
【氏名】大橋 和彦
(72)【発明者】
【氏名】村田 史郎
(72)【発明者】
【氏名】岡川 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】西森 朝美
(72)【発明者】
【氏名】前川 直也
(72)【発明者】
【氏名】高木 哲
(72)【発明者】
【氏名】賀川 由美子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 定彦
(72)【発明者】
【氏名】中島 千絵
【審査官】山内 達人
(56)【参考文献】
【文献】Infection and Immunity,2016年,Volume 84, Number 1,p. 77-89
【文献】PLOS ONE,2014年,Volume 9, Issue 6,e98415
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N
C07K
C12P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するL鎖と、(b) GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するH鎖とを含む、抗PD-L1抗体。
【請求項2】
ラットに由来する請求項1記載の抗体。
【請求項3】
ラット抗ウシPD-L1抗体である請求項2記載の抗体。
【請求項4】
L鎖可変領域が配列番号6のアミノ酸配列を有し、H鎖可変領域が配列番号7のアミノ酸配列を有する、請求項3記載の抗体。
【請求項5】
L鎖定常領域が、Kappa鎖の定常領域のアミノ酸配列を有する請求項1~4のいずれかに記載の抗体。
【請求項6】
H鎖定常領域が、IgG2aの定常領域のアミノ酸配列を有する請求項1~5のいずれかに記載の抗体。
【請求項7】
L鎖定常領域が配列番号8、10~12のいずれかのアミノ酸配列を有し、H鎖定常領域が配列番号9又は13のアミノ酸配列を有する請求項5又は6記載の抗体。
【請求項8】
L鎖2本とH鎖2本の4本鎖構造を持つ請求項1~7のいずれかに記載の抗体。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の抗体を有効成分として含む、PD-L1を検出するための組成物。
【請求項10】
がん及び/又は感染症の診断に用いられる請求項9記載の組成物。
【請求項11】
がん及び/又は感染症が、腫瘍性疾患、白血病、ヨーネ病、アナプラズマ病、細菌性乳房炎、真菌性乳房炎、マイコプラズマ感染症、結核、小型ピロプラズマ病、クリプトスポリジウム症、コクシジウム症、トリパノソーマ病及びリーシュマニア症からなる群より選択される請求項10記載の組成物。
【請求項12】
抗PD-L1抗体を用いた治療に適した被験動物を選定するために用いられる請求項9記載の組成物。
【請求項13】
請求項1記載の抗PD-L1抗体をコードするDNA。
【請求項14】
請求項13記載のDNAを含むベクター。
【請求項15】
請求項14記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
【請求項16】
請求項15記載の宿主細胞を培養し、培養物から抗PD-L1抗体を採取することを含む、抗体の製造方法。
【請求項17】
KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有する、抗PD-L1抗体のL鎖をコードするDNAを組み込んだベクターと、GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有する、抗PD-L1抗体のH鎖をコードするDNAを組み込んだベクターとにより形質転換された宿主細胞。
【請求項18】
請求項17記載の宿主細胞を培養し、培養物から抗PD-L1抗体を採取することを含む、抗体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PD-L1検出用抗PD-L1抗体に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性黒色腫はメラノサイトに由来するイヌの口腔内において最も一般的に見られる悪性腫瘍の一つであり(非特許文献1:Todoroff et al., J Am Vet Med Assoc. 1979 Sep 15;175(6):567-71.)、高い浸潤性および転移性を示すことが多いため早期の診断・治療が望まれる。しかし一方で、メラノーマは組織バリエーションが広く、上皮様や円形細胞様、線維肉腫様など様々な形態を示し、組織診断の難しい腫瘍の一つである。診断にはメラニン色素の確認が重要であるが、多くの悪性黒色腫ではメラニン色素を持たず、組織学的所見のみでは診断に至らない場合もある。このため免疫組織化学的手法による診断マーカーの探索が行われてきており、それらのうちMelan A/MART-1、ビメンチン、S100、神経特異的エノラーゼ等の有用性が報告されている(非特許文献2:Ramos-Vara et al., Vet Pathol. 2000 Nov;37(6):597-608.)。しかしながら、最も広く使われている診断マーカーであるMelan A/MART-1でさえ、陽性率は報告により様々であるがおおむね60%程度であり(非特許文献3:Koenig et al., Vet Pathol. 2001 Jul;38(4):427-35.)、感度の問題から実際の診断における有用性についてはいまだ議論の的である。またMelan A/MART-1は無色素性の悪性黒色腫では染色されない(非特許文献3:Koenig et al., Vet Pathol. 2001 Jul;38(4):427-35.)ことより、診断への応用が制限されている。このような背景から、悪性黒色腫に対する高感度な新規診断マーカーの開発が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Todoroff et al., J Am Vet Med Assoc. 1979 Sep 15;175(6):567-71.
【文献】Ramos-Vara et al., Vet Pathol. 2000 Nov;37(6):597-608.
【文献】Koenig et al., Vet Pathol. 2001 Jul;38(4):427-35.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、メラノーマなどの腫瘍細胞を染色可能な抗PD-L1抗体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、これまでに種々の動物のPD-L1に反応するモノクローナル抗体を樹立してきた。そのなかで ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体(6C11-3A11)は、極めて効率的にメラノーマ腫瘍細胞を染色可能であることが明らかとなり、現在、キメラ抗体治療を用いた治験候補犬の選定時に使用している。また、本PD-L1抗体(6C11-3A11)は、ヒツジ、ブタ、ウシのPD-L1に対する免疫組織化学染色が可能である。さらに、本PD-L1抗体(6C11-3A11)の可変領域のCDRを決定した。本発明は、これらの知見により完成されたものである。
【0006】
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)(a) KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するL鎖と、(b) GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するH鎖とを含む、抗PD-L1抗体。
(2)ラットに由来する(1)記載の抗体。
(3)ラット抗ウシPD-L1抗体である(2)記載の抗体。
(4)L鎖可変領域が配列番号6のアミノ酸配列を有し、H鎖可変領域が配列番号7のアミノ酸配列を有する、(3)記載の抗体。
(5)L鎖定常領域が、Kappa鎖の定常領域のアミノ酸配列を有する(1)~(4)のいずれかに記載の抗体。
(6)H鎖定常領域が、IgG2aの定常領域のアミノ酸配列を有する(1)~(5)のいずれかに記載の抗体。
(7)L鎖定常領域が配列番号8、10~12のいずれかのアミノ酸配列を有し、H鎖定常領域が配列番号9又は13のアミノ酸配列を有する(5)又は(6)記載の抗体。
(8)L鎖2本とH鎖2本の4本鎖構造を持つ(1)~(7)のいずれかに記載の抗体。
(9)(1)~(8)のいずれかに記載の抗体を有効成分として含む、PD-L1を検出するための組成物。
(10)がん及び/又は感染症の診断に用いられる(9)記載の組成物。
(11)がん及び/又は感染症が、腫瘍性疾患、白血病、ヨーネ病、アナプラズマ病、細菌性乳房炎、真菌性乳房炎、マイコプラズマ感染症(例えば、マイコプラズマ性乳房炎、マイコプラズマ性肺炎など)、結核、小型ピロプラズマ病、クリプトスポリジウム症、コクシジウム症、トリパノソーマ病及びリーシュマニア症からなる群より選択される(10)記載の組成物。
(12)抗PD-L1抗体を用いた治療に適した被験動物を選定するために用いられる(9)記載の組成物。
(13)(1)記載の抗PD-L1抗体をコードするDNA。
(14)(13)記載のDNAを含むベクター。
(15)(14)記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
(16)(15)記載の宿主細胞を培養し、培養物から抗PD-L1抗体を採取することを含む、抗体の製造方法。
(17)KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有する、抗PD-L1抗体のL鎖をコードするDNA。
(18)GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有する、抗PD-L1抗体のH鎖をコードするDNA。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、メラノーマなどの腫瘍細胞を染色可能な新規抗PD-L1抗体が得られた。
【0008】
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2017‐61389の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11の結合特異性。ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11はEGFP発現細胞には結合しなかったが、イヌPD-L1-EGFP発現細胞に特異的に結合した。
【
図2】ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11の予想CDR領域。ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のL鎖可変領域及びH鎖可変領域における、CDR1、CDR2及びCDR3領域を示す。
【
図3】イヌメラノーマ比較免疫組織化学染色像。左:市販抗体(MelanA抗体) で染色。ほとんど染色されない。右:本発明者らの樹立したPD-L1抗体(6C11-3A11)で染色。極めて効果的に腫瘍細胞を染色可能である。
【
図5-1】他の腫瘍の免疫組織化学染色像。左上:イヌリンパ腫症例。右上:イヌ骨肉腫症例。左下:イヌ腎細胞癌症例1。右下:イヌ腎細胞癌症例2。
【
図5-2】他の腫瘍の免疫組織化学染色像。左:イヌ扁平上皮癌症例。右:イヌ線維肉腫症例。
【
図6】ヒツジリステリア症例の免疫組織化学染色像。左:神経症状を示したヒツジリステリア症の脳病変のPD-L1染色像。右:左拡大写真。
【
図7】ブタ感染症の免疫組織化学染色像。左:ブタサーコウイルス2型感染症例。右:ブタマイコプラズマ肺炎例。
【
図8】ラットIg kappa鎖の定常領域のアミノ酸配列アライメント(L鎖)。
【
図9】ラットIgG2a鎖の定常領域のアミノ酸 配列アライメント(H鎖)。
【
図10】pDC6ベクターとラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体の模式図。
【
図11】ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11と6G7-E1のイヌPD-L1-EGFP発現細胞に対する結合。6C11-3A11はイヌPD-L1-EGFP発現細胞に特異的に結合した。
【
図12】イヌの皮膚扁平上皮癌、鼻腔内腺癌および移行上皮癌における免疫組織化学染色像。6G7-E1では特異的シグナルは検出されなかった。6C11-3A11では腫瘍細胞が染色された。
【
図13】イヌの肛門嚢腺癌、軟部組織肉腫および骨肉腫における免疫組織化学染色像。肛門嚢腺癌と軟部組織肉腫においては、6G7-E1では特異的シグナルが観察されない一方で6C11-3A11では腫瘍細胞が染色された。骨肉腫においては両抗体にて腫瘍細胞が染色されたが、6C11-3A11でより強いシグナルが得られた。
【
図14】イヌの口腔内悪性黒色腫、乳腺腺癌、組織球肉腫、びまん性大細胞性B細胞リンパ腫および可移植性性器肉腫における6C11-3A11による免疫組織化学染色像。可移植性性器肉腫を除く腫瘍種において、腫瘍細胞上のPD-L1が染色された。
【
図15】ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のウシPD-L1-EGFP発現細胞に対する結合。6C11-3A11はウシPD-L1-EGFP発現細胞に特異的に結合した。
【
図16】ヨーネ病野外感染牛および実験感染牛の回腸病変部における(a)6C11-3A11および(b)Ziehl-Neelsen染色による免疫組織化学染色像。6C11-3A11はヨーネ菌感染(Ziehl-Neelsen染色陽性)細胞においてPD-L1の発現を検出した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、(a) KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するL鎖と、(b) GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するH鎖とを含む、抗PD-L1抗体を提供する。
【0011】
本発明者らが樹立したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11(モノクローナル抗体)のL鎖可変領域におけるCDR1~3は、ぞれぞれ、KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列からなる領域、SGSのアミノ酸配列からなる領域、QQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列からなる領域である(
図2参照)。
【0012】
また、ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のH鎖可変領域におけるCDR1~3は、ぞれぞれ、GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列からなる領域、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列からなる領域、ARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列からなる領域である(
図2参照)。
【0013】
KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列、SGSのアミノ酸配列及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列、並びに、GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列においては、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、PD-L1抗体のL鎖可変領域のCDR又はH鎖可変領域のCDRとしての機能を有しうる。
【0014】
本明細書において、抗体とは、全長抗体の他、Fab、F(ab)’2、ScFv、Diabody、VH、VL、Sc(Fv)2、Bispecific sc(Fv)2、Minibody、ScFv-Fc monomer、ScFv-Fc dimerなどの低分子化されたものも含む概念である。
【0015】
本発明の抗PD-L1抗体は、ラットに由来するものであるとよく、例えば、ラット抗ウシPD-L1抗体であるとよい。
【0016】
ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11(モノクローナル抗体)のL鎖可変領域のアミノ酸配列及びH鎖可変領域のアミノ酸配列を、それぞれ、配列番号6及び7に示すが、配列番号6及び7のアミノ酸配列においては、1若しくは複数個(例えば、5個以下、多くても10個程度)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、PD-L1抗体のL鎖可変領域又はH鎖可変領域としての機能を有しうる。
【0017】
抗体のL鎖には、Kappa鎖とLambda鎖があり、本発明の抗PD-L1抗体において、L鎖定常領域は、Kappa鎖又はLambda鎖のどちらの鎖の定常領域のアミノ酸配列を有するものであってもよいが、存在比率は、ヒツジ、ネコ、イヌ、ウマではLambda鎖(ラムダ鎖)の方が高く、マウス、ラット、ヒト、ブタではKappa鎖(カッパ鎖)の方が高い。ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11(モノクローナル抗体)はラット由来のIgG2aであり、L鎖定常領域が、Kappa鎖の定常領域のアミノ酸配列を有する。
【0018】
本発明の抗PD-L1抗体のH鎖定常領域は、ラットIgG2aの定常領域のアミノ酸配列を有するとよい。H鎖は、定常領域の違いにより、γ鎖、μ鎖、α鎖、δ鎖、ε鎖に分けられ、この違いによりそれぞれIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類のクラス(アイソタイプ)の免疫グロブリンが形成される。
【0019】
免疫グロブリンG(IgG)はヒト免疫グロブリンの70-75%を占め、血漿中に最も多い単量体の抗体である。軽鎖2本と重鎖2本の4本鎖構造をもつ。ヒトIgG1、IgG2、IgG4は分子量は約146,000であるが、ヒトIgG3はFab領域とFc領域をつなぐヒンジ部が長く、分子量も170,000と大きい。ヒトIgG1はヒトIgGの65%程度、ヒトIgG2は25%程度、ヒトIgG3は7%程度、ヒトIgG4は3%程度を占める。血管内外に平均して分布する。ヒトIgG1は、エフェクター細胞表面のFcレセプターや補体因子に強い親和性を有するので、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を誘導し、また、補体を活性化して補体依存性細胞傷害活性(CDC)を誘導する。ヒトIgG2とヒトIgG4は、Fcレセプターや補体因子への親和性が低いことから、ADCC活性及びCDC活性が低い。
【0020】
免疫グロブリンM(IgM)はヒト免疫グロブリンの約10%を占める、基本の4本鎖構造が5つ結合した五量体の抗体である。分子量は970,000。通常血中のみに存在し、感染微生物に対して最初に産生され、初期免疫を司る免疫グロブリンである。
【0021】
免疫グロブリンA(IgA)はヒト免疫グロブリンの10-15%を占める。分子量は160,000。分泌型IgAは2つのIgAが結合した二量体の抗体になっている。IgA1は血清、鼻汁、唾液、母乳中に存在し、腸液にはIgA2が多く存在する。
【0022】
免疫グロブリンD(IgD)はヒト免疫グロブリンの1%以下の単量体の抗体である。B細胞表面に存在し、抗体産生の誘導に関与する。
【0023】
免疫グロブリンE(IgE)はヒト免疫グロブリンの0.001%以下と極微量しか存在しない単量体の抗体である。寄生虫に対する免疫反応に関与していると考えられるが、寄生虫の稀な先進国においては、特に気管支喘息やアレルギーに大きく関与している。
【0024】
ラットでは、IgGのH鎖として、IgG1, IgG2a, IgG2bおよびIgG2cの配列が同定されている。ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11は、IgG2aのH鎖定常領域のアミノ酸配列を有する。
【0025】
本発明の抗体において、L鎖定常領域が、Kappa鎖の定常領域のアミノ酸配列を有し、H鎖定常領域がIgG2aの定常領域のアミノ酸配列を有する抗PD-L1抗体がより好ましい。
【0026】
本発明者らが同定したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のL鎖可変領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号6及び14に示す。
【0027】
本発明者らが同定したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のH鎖可変領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号7及び15に示す。
【0028】
本発明者らが同定したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のL鎖定常領域(kappa鎖)のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号8及び16に示す。これらの配列は、National Center for Biotechnology Information(NCBI)が提供する塩基配列データベースGenBankに#XM_008775358.2の登録番号で登録されている配列、GenBankに#BC062802.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#BC088255.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#L22653.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#L22655.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#M14434.1の登録番号で登録されている配列と同じである。
【0029】
本発明者らが同定したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のH鎖定常領域(IgG2a)のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を、それぞれ、配列番号9及び17に示す。これらの配列は、GenBankに#BC088240.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#BC091257.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#BC091272.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#BC088423.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#L22652.1の登録番号で登録されている配列、GenBankに#L22654.1の登録番号で登録されている配列と同じである。
【0030】
この他、ラット抗体のL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列は、公知のデータベースから入手することができ、これらの配列を利用することができる。
【0031】
ラットIg kappa鎖のアミノ酸配列とヌクレオチド配列として、GenBankに#V01241.1の登録番号で登録されている配列を配列番号10と18に示す。
【0032】
ラットIg kappa鎖のアミノ酸配列とヌクレオチド配列として、GenBankに#X16129.1の登録番号で登録されている配列を配列番号11と19に示す。
【0033】
ラットIg kappa鎖のアミノ酸配列とヌクレオチド配列として、GenBankに#DQ402471.1の登録番号で登録されている配列を配列番号12と20に示す。
【0034】
ラットIgG2aのH鎖定常領域として、GenBankに#DQ402472.1の登録番号で登録されている配列を配列番号13と21に示す。
【0035】
本発明の抗PD-L1抗体は、L鎖定常領域が配列番号8、10~12のいずれかのアミノ酸配列を有し、H鎖定常領域が配列番号9又は13のアミノ酸配列を有する抗PD-L1抗体であるとよい。
【0036】
配列番号8~13のアミノ酸配列においては、1若しくは複数個(例えば、5個以下、多くても10個程度)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、抗体のL鎖定常領域又はH鎖定常領域としての機能を有しうる。
【0037】
ラット抗体のL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列のアライメントをそれぞれ
図8及び9に示す。上記のアミノ酸の欠失、置換、付加などの変異は、
図8及び9に示す変異部位又はその近傍の部位に生じているとよい。
【0038】
本発明の抗PD-L1抗体は、キメラ抗体であってもよい。抗体のL鎖可変領域とH鎖可変領域がラットに由来するとよく、例えば、L鎖可変領域がラット抗ウシPD-L1抗体(例えば、6C11-3A11)のL鎖可変領域であり、H鎖可変領域がラット抗ウシPD-L1抗体のH鎖可変領域であり、L鎖定常領域及びH鎖定常領域がラット以外の動物由来のものであるとよい。例えば、マウス抗体の定常領域を使用してキメラ化した場合、マウス抗体に対する2次抗体は各種市販されているので、検査診断に有用であろう。ラット以外の動物抗体のL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列は、公知のデータベースから入手することができ、これらの配列を利用することができる。
【0039】
ヒト、マウス、ウシ、イヌ、ヒツジ、ブタ、スイギュウのL鎖定常領域及びH鎖定常領域のアミノ酸配列とヌクレオチド配列を下記の表にまとめた。
(表)
配列番号8~13、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、120及び122のアミノ酸配列においては、1若しくは複数個(例えば、5個以下、多くても10個程度)のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されてもよく、これらの変異が導入されても、Ig重鎖又は軽鎖の定常領域としての機能を有しうる。
【0040】
本発明の抗PD-L1抗体は、L鎖2本とH鎖2本の4本鎖構造を持つとよい。
【0041】
本発明の抗PD-L1抗体は、以下のようにして製造することができる。本発明の抗PD-L1抗体の軽鎖配列(可変領域配列と定常領域配列)と重鎖配列(可変領域配列と定常領域配列)を含む人工遺伝子を合成し、その人工遺伝子をベクター(例えば、プラスミド)に挿入後、宿主細胞(例えば、CHO細胞などの哺乳類細胞)に導入し、該宿主細胞を培養することにより、培養物から抗体を採取する。人工遺伝子の合成にあたっては、ヌクレオチド配列のコドンを最適化してもよい。
【0042】
本発明は、(a) KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するL鎖と、(b) GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するH鎖とを含む、抗PD-L1抗体をコードするDNAを提供する。また、本発明は、KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有する、抗PD-L1抗体のL鎖をコードするDNA((a’)のDNA)を提供する。さらに、本発明は、GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有する、抗PD-L1抗体のH鎖をコードするDNA((b’)のDNA)を提供する。
【0043】
(a) KSISKY(配列番号1)のアミノ酸配列を有するCDR1、SGSのアミノ酸配列を有するCDR2及びQQHNEYPLT(配列番号2)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するL鎖と、(b) GYTFTDYI(配列番号3)のアミノ酸配列を有するCDR1、INPDSGGN(配列番号4)のアミノ酸配列を有するCDR2及びARGITMMVVISHWKFDF(配列番号5)のアミノ酸配列を有するCDR3を有するH鎖については、上述した。(a’)のDNAと(b’)のDNAとを含むDNAは、市販の合成機を用いて合成することができる。このDNAには、制限酵素認識部位、KOZAK配列、ポリA付加シグナル配列、プロモーター配列、イントロン配列などを付加してもよい。
【0044】
また、本発明は、前記の抗PD-L1抗体をコードするDNAを含むベクターも提供する。
【0045】
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイルスなどの昆虫病原ウイルスなどを用いることができる。後述の実施例では、pDC6(日本国特許第5704753号、US Patent 9096878、EU Patent 2385115、Hong Kong (China) patent HK1163739、Australia Patent 2009331326)を用いる。
【0046】
ベクターには、プロモーター、エンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、イントロン配列、選択マーカー、SV40複製オリジンなどを付加してもよい。
【0047】
さらに、本発明は、前記ベクターにより形質転換された宿主細胞も提供する。この宿主細胞を培養し、培養物から抗体を採取することにより、抗PD-L1抗体を製造することができる。よって、本発明は、前記宿主細胞を培養し、培養物から抗PD-L1抗体を採取することを含む、抗体の製造方法も提供する。本発明の抗体の製造方法において、L鎖をコードするDNAとH鎖をコードするDNAを含むDNAを組み込んだベクターを宿主細胞にトランスフェクションしてもよいし、L鎖をコードするDNAを組み込んだベクターとH鎖をコードするDNAを組み込んだベクターを宿主細胞にコトランスフェクションしてもよい。
【0048】
宿主細胞としては、細菌細胞(例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、枯草菌など)、真菌細胞(例えば、酵母、アスペルギルスなど)、昆虫細胞(例えば、S2細胞、Sf細胞など)、動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、3T3細胞、BHK細胞、HEK293細胞など)、植物細胞などを例示することができる。このうち、ジヒドロ葉酸還元酵素欠損細胞であるCHO-DG44細胞(CHO-DG44(dhfr-/-))が好ましい。
【0049】
組換えベクターを宿主に導入するには、Molecular Cloning 2nd Edition, J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989に記載の方法(例えば、リン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、トランスフェクション法、マイクロインジェクション法、リポフェクション法、エレクロトポレーション法、形質導入法、スクレープローディング法、ショットガン法など)または感染により行うことができる。
【0050】
形質転換体を培地で培養し、培養物から本発明の抗PD-L1抗体を採取することができる。抗体が培地に分泌される場合には、培地を回収し、その培地から抗体を分離し、精製すればよい。抗体が形質転換された細胞内に産生される場合には、その細胞を溶解し、その溶解物から抗体を分離し、精製すればよい。
【0051】
培地としては、OptiCHO培地、Dynamis培地、CD CHO培地、ActiCHO培地、FortiCHO培地、Ex-Cell CD CHO培地、BalanCD CHO培地、ProCHO 5培地、Cellvento CHO-100培地などを例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0052】
培地のpHは培養する細胞により異なるが、一般的にはpH6.8~7.6、多くの場合pH7.0~7.4が適当である。
【0053】
培養する細胞がCHO細胞である場合、CHO細胞の培養は当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、通常、気相のCO2濃度が0-40%、好ましくは、2-10%の雰囲気下、30-39℃、好ましくは37℃程度で、培養することが可能である。
【0054】
適当な培養期間は、通常1日~3か月であり、好ましくは1日~3週間である。
【0055】
抗体の分離及び精製は、公知の方法により行うことができる。公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度の差を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
【0056】
本発明の抗PD-L1抗体は、ハイブリドーマの培養により、製造することもできる。ハイブリドーマは、既報(Ikebuchi R, Konnai S, Okagawa T, Yokoyama K, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K.Immunology. 2014 Aug;142(4):551-61.)に記載の方法で作製することができる。抗PD-L1抗体6C11-3A11を産生するハイブリドーマは、本発明者らの研究室(北海道大学 大学院獣医学研究科 動物疾病制御学講座・感染症学教室)に保管されている。
【0057】
本発明の抗PD-L1抗体は、PD-L1の検出に利用することができる。よって、本発明は、上記の抗PD-L1抗体を有効成分として含む、PD-L1を検出するための組成物を提供する。
【0058】
PD-L1の検出は、例えば免疫組織化学染色法、免疫細胞化学染色法、フローサイトメトリー、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、ウェスタンブロット法などで行うことができるが、これらに限定されない。
【0059】
検体としては、生体から採取された組織や体液(例えば、血液(全血、血漿、血清の他、赤血球、白血球、リンパ球などの特定の細胞)、尿、唾液等)などの試料、細胞培養液、培養細胞(株化された細胞、初代培養細胞、継代された細胞など)などを例示することができる。検体の由来は、特に制限されず、ラット、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ネコ、ヒト、ウマ、ウシ、水牛、ヤク、ウサギ、マウス、ハムスター、モルモットなどを挙げることができる。
【0060】
本発明の抗PD-L1抗体は、放射性同位元素、酵素、発光物質、蛍光物質、ビオチンなどで標識されてもよい。また、ターゲット分子(PD-L1)に特異的に結合する一次抗体(本発明の抗PD-L1抗体)の反応後、この一次抗体に結合する二次抗体を反応させて、ターゲット分子の検出を行う場合には、二次抗体を標識するとよい。
【0061】
PD-L1は、がん細胞やウイルス感染細胞に強く発現しているので、本発明の組成物は、がん及び/又は感染症の診断に用いることができる。通常、PD-L1と抗PD-L1抗体の結合体の量(濃度)に基づいて、検体中のPD-L1の量(濃度)が決定される。検体中のPD-L1の量(濃度)が、陰性コントロール(例えば、正常な周囲組織(結合組織や血管など))と比較して高ければ、がん及び/又は感染症であると診断されうる。あるいは、検体中にPD-L1が検出されれば、がん及び/又は感染症であると診断されうる。
【0062】
がん及び/又は感染症としては、腫瘍性疾患(例えば、悪性黒色腫、肺がん、胃がん、腎臓がん、乳がん、膀胱がん、食道がん、卵巣がん等)、白血病、ヨーネ病、アナプラズマ病、細菌性乳房炎、真菌性乳房炎、マイコプラズマ感染症(例えば、マイコプラズマ性乳房炎、マイコプラズマ性肺炎など)、結核、小型ピロプラズマ病、クリプトスポリジウム症、コクシジウム症、トリパノソーマ病及びリーシュマニア症などを例示することができるが、これらに限定されるわけではない。
【0063】
本発明の組成物により、抗PD-L1抗体を用いた治療に適した被験動物を選定することができる。例えば、治療の候補動物は、以下の2点:
1.病理検査でがん(例えば、メラノーマ)又は感染症と診断された症例
2.抗PD-L1抗体で陽性を示した症例
を満たしているものとするとよい。陰性コントロールは、正常な周囲組織(結合組織や血管など)とし、陽性コントロールは、がん(例えば、メラノーマ)又は感染症の症例とするとよい。基本的には、腫瘍のほぼ全領域が免疫組織化学染色で陽性になるものを治験の対象とするとよい。
【0064】
被験動物は、特に制限されず、ラット、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ネコ、ヒト、ウマ、ウシ、水牛、ヤク、ウサギ、マウス、ハムスター、モルモットなどを挙げることができる。
【0065】
本発明の組成物は、さらに、標識を検出するための試薬、希釈液、洗浄液、診断・選定基準を記載した使用説明書などを含んでもよい。
【実施例】
【0066】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
1. 序論
免疫抑制受容体Programmed death 1 (PD-1) とそのリガンドであるProgrammed death ligand 1 (PD-L1)は過剰な免疫応答を抑制し、免疫寛容に深く関連している因子として京都大学、本庶 佑氏らによって同定された分子である。各種動物の感染症や腫瘍における免疫抑制に関与していることも近年明らかにされている。本実施例では、ラットを免疫することにより抗ウシPD-L1モノクローナル抗体を作成し、イヌのPD-L1を検出可能なクローン(6C11-3A11)を選別した。またイヌ悪性黒色腫他の悪性腫瘍や、ブタ・ヒツジの感染症において、抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11がPD-L1の検出に有用であるかを免疫組織化学染色法により検討した。
2. 材料および方法
2.1 ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体産生細胞
ウシPD-L1遺伝子配列を同定し (Ikebuchi R, Konnai S, Shirai T, Sunden Y, Murata S, Onuma M, Ohashi K.Vet Res. 2011 Sep 26;42:103.)、その遺伝子情報より組換えウシPD-L1を作製した。同組換えタンパク質をラットの足蹠に免疫し、腸骨リンパ節法を用いてハイブリドーマを樹立して、ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ を複数得た。 (Ikebuchi R, Konnai S, Okagawa T, Yokoyama K, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K. Immunology. 2014 Aug;142(4):551-61.)。ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11は同免疫ラットより樹立されたモノクローナル抗体の一つである。
2.2 完全長イヌPD-L1遺伝子の同定
イヌPD-L1 cDNA全長を決定するために、まずThe National Center for Biotechnology Information (NCBI) に既に登録されているイヌPD-L1の予想塩基配列 (GenBank accession number; XM_541302) から遺伝子のオープンリーディングフレーム (ORF) 内部を増幅するようにプライマー (cPD-L1 inner FおよびR) を設計しPCR法を行った。得られた増幅産物について、常法に従いキャピラリーシーケンサーにより塩基配列を決定した。さらに完全長PD-L1 cDNAの塩基配列を決定するために、上記で決定したイヌPD-L1 cDNA配列を基にプライマー (cPD-L1 5´GSPおよび3´GSP)を設計し、それぞれ5´ RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends および3´ RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends (Invitrogen社) を用いて5´および3´RACE法を行った。5´および3´RACE法により得られた目的とする遺伝子断片は上記の方法にしたがって塩基配列を決定した (Maekawa N, Konnai S, Ikebuchi R, Okagawa T, Adachi M, Takagi S, Kagawa Y, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K. PLoS One. 2014 Jun 10;9(6):e98415.)。
プライマー(cPD-L1 inner F):ATGAGAATGTTTAGTGTCTT(配列番号22)
プライマー(cPD-L1 inner R):TTATGTCTCTTCAAATTGTATATC(配列番号23)
プライマー(cPD-L1 5´GSP):TTTTAGACAGAAAGTGA(配列番号24)
プライマー(cPD-L1 3´GSP):GACCAGCTCTTCTTGGGGAA(配列番号25)
2.3 イヌPD-L1発現COS-7細胞の構築
イヌPD-L1-EGFP発現プラスミドを作製するため、合成したビーグルPBMC由来cDNAを鋳型に、5´末端側に制限酵素BglIIおよびEcoRI (PD-L1) 認識部位を付加して設計したプライマー (cPD-L1-EGFP FおよびR) を用いてPCRを行った。得られたPCR産物をBglII (New England Biolabs社) およびEcoRI (Takara社)により処理した後、FastGene Gel/PCR Extraction Kit (NIPPON Genetics社) を用いて精製し、同様の制限酵素処理を行ったpEGFP-N2 vector (Clontech社) にクローニングを行った。得られた目的の発現プラスミドはQIAGEN Plasmid Midi kit (Qiagen社) を用いて抽出し、実験に供するまで-30℃で保存した。以降、作製した発現プラスミドをpEGFP-N2-cPD-L1と表記した。
プライマー(cPD-L1-EGFP F):GAAGATCTATGAGAATGTTTAGTGTC(配列番号26)
プライマー(cPD-L1-EGFP R):GGAATTCTGTCTCTTCAAATTGTATATC(配列番号27)
5×10
4/cm
2のCOS-7細胞を6穴プレートに継代し、10% 非働化牛胎仔血清、0.01% L-グルタミンを含むRPMI 1640培地にて37°C、5% CO
2存在下で一晩培養した。pEGFP-N2-cPD-L1または陰性対照としてpEGFP-N2 0.4 μg/cm
2をLipofectamine 2000 試薬 (Invitrogen社) を用いて、COS-7細胞にそれぞれ導入し48時間培養した (イヌPD-L1-EGFP発現細胞またはEGFP発現細胞)。作製した発現細胞におけるPD-L1の発現を確かめるために、倒立型共焦点レーザー顕微鏡 LSM700 (ZEISS社) により、Enhanced green fluorescent protein (EGFP) の細胞内局在を可視化した(Maekawa N, Konnai S, Ikebuchi R, Okagawa T, Adachi M, Takagi S, Kagawa Y, Nakajima C, Suzuki Y, Murata S, Ohashi K. PLoS One. 2014 Jun 10;9(6):e98415.)。
2.4 ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のイヌPD-L1に対する交差反応性
ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11がイヌPD-L1に特異的に結合することを確かめるため、2.3で作製したイヌPD-L1-EGFP発現細胞またはEGFP発現細胞を用いてフローサイトメトリーを行った。2×10
5-1×10
6個の細胞に対し、10 μg/mlの抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11を室温で30分間反応させ、洗浄した後にAllophycocyanine標識ヤギ抗ラットIg抗体 (Beckman Coulter社) を用いて細胞表面に結合した抗体の検出を行った。解析にはFACS Verse (Becton, Dickinson and Company社) を用いた。陰性対照抗体として、ラットIgG2a (κ) アイソタイプコントロール (BD Biosciences社) を使用した。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、10% 非働化ヤギ血清加PBSを使用した。結果を
図1に示す。
2.5 ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11のCDR解析
ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11を産生するハイブリドーマより抗体重鎖および軽鎖遺伝子をRACE法により同定した。NCBI IGBLAST (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/igblast/) を用いて、ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11の相補性決定領域 (CDR) を決定した。結果を
図2に示す。
2.6 イヌ腫瘍組織、ヒツジ・ブタ感染組織を用いた免疫組織化学染色
ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11がイヌ腫瘍に対するPD-L1免疫組織化学染色に応用可能であることを確かめるため、ホルマリン固定、パラフィン包埋イヌ腫瘍サンプルを用いて免疫組織化学染色を行った。常法に従い、脱パラフィン処置後、クエン酸バッファーにてマイクロウエーブ処置(5分、2回)を行った。その後、PD-L1抗体(6C11-3A11)(400倍希釈)を用いて30分反応後、シンプルステインマウスMAX-PO (Rat) (ニチレイバイオサイエンス社)を用いて30分間反応させた。発色はジアミノベンジジン(DAB)にて10分反応させた。
【0067】
結果を
図3, 4, 5-1, 5-2,6及び7に示す。
【0068】
唯一、メラノーマ専用抗体と市販されている抗MelanA抗体はほとんど染色されなかった(
図3左)。一方、本発明者らの樹立したPD-L1抗体(6C11-3A11)は極めて効果的に腫瘍細胞を染色した(
図3右)。PD-L1抗体(IgG: 6C11-3A11)は、ほぼ全てのメラノーマ症例の染色が可能であった。
【0069】
イヌメラノーマでは、腫瘍細胞はPD-L1抗体(6C11-3A11)にびまん性に陽性を示していた。(陽性数/検討数:12/12、陽性率100%)
イヌリンパ腫では、PD-L1抗体(6C11-3A11)にびまん性に陽性を示している。イヌ骨肉腫では、一部の腫瘍細胞の細胞質に陽性像が認められた。イヌ腎細胞癌では、様々な組織型において、びまん性に腫瘍細胞は陽性を示した。
【0070】
ヒツジリステリア症例においては、神経症状を示したヒツジリステリア症の脳病変のPD-L1染色像を
図6左に示す。その拡大写真では、脳病変部に浸潤するマクロファージにPD-L1の発現が認められた(
図6右)。
【0071】
ブタサーコウイルス2型感染症例においては、PD-L1がリンパ濾胞で染色され、これらの細胞でウイルスが染色されている(
図7左)。
【0072】
ブタマイコプラズマ肺炎例においては、肺病変で多数のマクロファージの浸潤が起こっており、これらの浸潤細胞でPD-L1が染色されている(
図7右)。
【0073】
以上のように、抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11はイヌ悪性黒色腫をはじめとした各種イヌ腫瘍並びにヒツジ・ブタの感染症において免疫組織化学染色法によるPD-L1の検出に使用可能であり、動物横断的かつ疾病横断的に疾病の診断に使用できる可能性が示された。
〔実施例2〕
1.序論
モノクローナル抗体はハイブリドーマを培養し、その培養上清から抗体を精製することにより
産生できる。また、その抗体の遺伝子配列が同定された場合は、その遺伝子配列を発現させるベクターを培養細胞にトランスフェクションすることによって抗体の発現細胞を作成し、ハイブリドーマの代替とすることができる。本実施例では、発現ベクターと哺乳類細胞を用いたタンパク質の発現系により抗体を産生する方法を例示する。
2.材料および方法
2.1 ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11発現ベクターの作製
[実施例1]の2.5で同定したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11の遺伝子情報をもとに、NotI制限酵素認識配列、KOZAK配列、抗体軽鎖配列、ポリA付加シグナル配列(PABGH)、プロモーター配列(PCMV)、SacI制限酵素認識配列、イントロン配列(INRBG)、KOZAK配列、抗体重鎖配列、XbaI制限酵素認識配列を上記の順で配置するように遺伝子合成を行う。この際、抗体の遺伝子は発現させる細胞の種類に応じてコドン最適化を行ったものを使用してもよい。合成した遺伝子鎖を、発現用ベクターpDC6(北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター 鈴木 定彦 教授より分与)のクローニングサイト(PCMV下流、INRBGとPABGHの間にあるNotIおよびXbaI制限酵素認識配列)へ制限酵素認識配列を利用して上記の順で配置するように組み込み、ラット抗PD-L1抗体6C11-3A11発現ベクターを構築する。
2.2 ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11の発現
2.1で作成したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11発現pDC6ベクターをジヒドロ葉酸還元酵素欠損細胞であるCHO-DG44細胞(CHO-DG44(dfhr-/-))へトランスフェクションし、高発現クローンをドットブロット法により選抜する。さらに発現量を増大させたい場合には60 nM、250 nM、1000 nMのメトトレキサート(Mtx)を含む培地で負荷をかけることにより遺伝子増幅処理を行うことができる。上記のように作成したラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11安定発現細胞は、Mtxを含まないOpti-CHO培地へ移し、14日間の振盪培養(125 rpm, 37℃, 5% CO
2)を行うことで目的の抗体を含む培養上清を得ることができる。培養上清中の抗体はアフィニティークロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィーなどの公知の方法により精製し、各実験に使用することができる。
〔実施例3〕
1.序論
本実施例では、腫瘍疾患に対する新規診断法の確立を目的にラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体(6C11-3A11)の可変領域遺伝子と、ヒト免疫グロブリン(IgG4)の定常領域遺伝子を組み合わせたキメラ抗体遺伝子を発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞(Chinese hamster ovary cell:CHO細胞)を培養増殖させて、ラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体を得る。
2.材料および方法
2.1 ラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体発現ベクターの作製(
図10)
以下、ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体6C11-3A11をラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体の可変部とし、ラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体を樹立する。
【0074】
ラット抗ウシPD-L1抗体6C11-3A11を産生するハイブリドーマより可変領域(重鎖および軽鎖)遺伝子を同定した。さらに、当該ラット抗体重鎖および軽鎖可変領域配列を既知のヒト抗体の重鎖IgG4の定常領域および軽鎖カッパ鎖の定常領域と結合させた遺伝子配列を作成し、コドン最適化を行ったのち、NotI制限酵素認識配列、KOZAK配列、キメラ抗体軽鎖配列、ポリA付加シグナル配列(PABGH)、プロモーター配列(PCMV)、SacI制限酵素認識配列、イントロン配列(INRBG)、KOZAK配列、キメラ抗体重鎖配列、XbaI制限酵素認識配列を上記の順で配置するように遺伝子合成を行なう。合成した遺伝子鎖を、発現用ベクターpDC6(北海道大学 人獣共通感染症リサーチセンター 鈴木 定彦 教授より分与)のクローニングサイト(PCMV下流、INRBGとPABGHの間にあるNotIおよびXbaI制限酵素認識配列)へ制限酵素認識配列を利用して上記の順で配置するように組み込み(
図10)、ラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体発現ベクターを構築する。この発現ベクターをジヒドロ葉酸還元酵素欠損細胞であるCHO-DG44細胞(CHO-DG44(dfhr-/-))へトランスフェクションし、高発現クローンをドットブロット法により選抜する。さらに発現量を増大させたい場合には60 nM、250 nM、1000 nMのメトトレキサート(Mtx)を含む培地で負荷をかけることにより遺伝子増幅処理を行うことができる。上記のように作成したラット-ヒトキメラ抗PD-L1抗体安定発現細胞は、Mtxを含まないOpti-CHO培地へ移し、14日間の振盪培養(125 rpm, 37℃, 5% CO
2)を行うことで目的の抗体を含む培養上清を得ることができる。培養上清中の抗体はアフィニティークロマトグラフィーやイオン交換クロマトグラフィーなどの公知の方法により精製し、各実験に使用することができる。
[実施例4]
1.序論
イヌ腫瘍におけるPD-L1については、過去にラット抗ウシPD-L1抗体6G7-E1を用いた免疫組織化学染色法による検査法が樹立され、各種腫瘍における発現状態が報告されている(Maekawa N, Konnai S, Okagawa T, Ikebuchi R , Izumi Y, Takagi S, Kagawa Y, Nakajima C, Suzuki Y, Kato Y, Murata S, Ohashi K. PLoS One. 2016 Jun 11(6): e0157176.)。本実施例では、ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体6C11-3A11が、イヌ腫瘍におけるPD-L1の発現解析において、既存の抗PD-L1抗体である6G7-E1より有用であるかを検討するために、各種イヌ腫瘍において免疫組織化学染色を行い、6G7-E1と6C11-3A11のPD-L1検出感度の直接比較を行った。
2.材料と方法
2.1 イヌPD-L1-EGFP安定発現CHO-DG44細胞を用いたフローサイトメトリーによる比較(
図11)
まず、イヌPD-L1膜発現細胞を作成するために、[実施例1]の2.3で作製したイヌPD-L1-EGFP発現プラスミド(pEGFP-N2-cPD-L1) あるいは陰性対照としてpEGFP-N2 (2.5 μg) を、4×10
6 個のCHO-DG44 細胞にLipofectamine LTX(Invitrogen社)を用いて導入した。48 時間後、G418(Enzo Life Science社)800 μg/ml、GlutaMAX supplement(Life technologies 社)20 ml/l、10% Pluronic F-68(Life technologies 社)18 ml/l を含むCD DG44 培地(Life technologies 社)へ培地交換し、安定発現細胞の選別と限界希釈法によるクローニングを行った。作成したイヌPD-L1膜発現細胞あるいはEGFP発現細胞に、ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体6C11-3A11または6G7-E1を室温で30分間反応させ、洗浄した後にAllophycocyanine標識ヤギ抗ラットIg抗体 (Beckman Coulter社) を用いて細胞表面に結合した抗体の検出を行った。解析にはFACS Verse (Becton, Dickinson and Company社) を用いた。陰性対照抗体として、ラットIgG2a (κ) またはIgM (κ)アイソタイプコントロール (BD Biosciences社) を使用した。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、10% 非働化ヤギ血清加PBSを使用した。
【0075】
結果を
図11に示す。ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体6C11-3A11および6G7-E1は、イヌPD-L1膜発現細胞に特異的に結合した。得られた蛍光強度は6G7-E1より6C11-3A11の方が高く、6C11-3A11が高親和性抗体であることが示唆された。
2.2 各種イヌ腫瘍のPD-L1発現解析(免疫組織化学染色)における両抗体の検出感度の比較
イヌの皮膚扁平上皮癌(n = 5)、鼻腔内腺癌(n = 5)、移行上皮癌(n = 5)、肛門嚢腺癌(n = 5)、軟部組織肉腫(n = 5)、骨肉腫(n = 5)のサンプルについて、[実施例1]の2.6に示した方法に従ってラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体6C11-3A11による免疫組織化学染色を行った。ラット抗ウシPD-L1モノクローナル抗体6G7-E1によっても、同じ検体由来の切片を用いて免疫組織化学染色を同様の方法により行った。この時用いた6G7-E1の終濃度は 10 μg/mlであり、2次抗体にはビオチン標識ヤギ抗ラットIgM抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories社)を使用した。
【0076】
結果を
図12および
図13に示す。扁平上皮癌、鼻腔内腺癌、移行上皮癌、肛門嚢腺癌、および軟部組織肉腫においては6G7-E1による染色では特異的なシグナルが観察されなかったのに対し、6C11-3A11を用いた染色では良好な陽性反応が得られた。一方で骨肉腫においては、6G7-E1でも特異的なシグナルが得られたものの、その強度は6C11-3A11による染色の方が優れていた。6C11-3A11染色により得られたこれらの腫瘍のPD-L1陽性率は軟部組織肉腫を除いた上記すべての腫瘍種で100%(5例中5例)であった。一方、軟部組織肉腫では80%(5例中4例)でPD-L1陽性であった。
【0077】
次に6C11-3A11を用いた免疫組織化学染色によって、口腔内悪性黒色腫(n = 17)、乳腺腺癌(n = 10)、組織球肉腫(n = 10)、びまん性大細胞性B細胞リンパ腫(n = 10)、可移植性性器肉腫(n = 4)のサンプルのPD-L1発現を解析した。
【0078】
結果を
図14に示す。これらの腫瘍のPD-L1陽性率は口腔内悪性黒色腫で100%(17例中17例)、乳腺腺癌で100%(10例中10例)、組織球肉腫で20%(10例中2例)、びまん性大細胞性B細胞リンパ腫で20%(10例中2例)、可移植性性器肉腫で0%(4例中0例)であった。
【0079】
以上の結果から、イヌPD-L1の検出において、6C11-3A11は既存の抗PD-L1抗体である6G7-E1より優れていることが示された。
〔実施例5〕
1.序論
ヨーネ病は、Mycobacterium avium subsp. paratuberculosisによるウシの慢性感染症である。ヨーネ病に罹患したウシでは、ヨーネ菌の感染局所である回腸病変部で、ヨーネ菌感染細胞におけるPD-L1の発現が確認されている(Okagawa T, Konnai S, Nishimori A, Ikebuchi R, Mizorogi S, Nagata R, Kawaji S, Tanaka S, Kagawa Y, Murata S, Mori Y and Ohashi K. Infect Immun, 84:77-89, 2016.)。本実施例では、ラット抗ウシPD-L1 抗体6C11-3A11がウシのPD-L1の検出に使用可能であるか検討する目的でヨーネ病罹患牛の回腸病変部の免疫組織化学染色を行った。
2. 材料および方法
2.1. ウシPD-L1発現細胞の構築
ウシPD-L1遺伝子(GenBank accession number AB510902; Ikebuchi R, Konnai S, Shirai T, Sunden Y, Murata S, Onuma M, Ohashi K. Vet. Res. 2011 Sep. 26; 42:103.)についてcDNA全長の塩基配列を決定し、その遺伝子情報よりウシPD-L1膜発現細胞を作製した。まず、ウシPD-L1発現プラスミドを作製するため、合成したウシPBMC 由来cDNA を鋳型として、5´末端側に制限酵素NheIおよびXhoI認識部位を付加したプライマー(boPD-L1-EGFP FおよびR)を用いてPCR を行った。得られたPCR 産物をNheI(Takara社)およびXhoI(Takara社)により処理した後、FastGene Gel/PCR Extraction Kit(NIPPON Genetics 社)を用いて精製し、同様の制限酵素処理を行ったpEGFP-N2 vector(Clontech社)へ導入し、クローニングを行った。得られた目的の発現プラスミドはQIAGEN Plasmid Midi kit(Qiagen 社)用いて抽出し、実験に供するまで-30℃で保存した。以降、作製した発現プラスミドをpEGFP-N2-boPD-L1と表記する。
プライマー(boPD-L1-EGFP F):CTAGCTAGCACCATGAGGATATATAGTGTCTTAAC(配列番号124)
プライマー(boPD-L1-EGFP R): CAATCTCGAGTTACAGACAGAAGATGACTGC(配列番号125)
以下の手順に従い、ウシPD-L1膜発現細胞を作製した。まず、4×106 個のCHO-DG44 細胞に2.5 μg のpEGFP-N2-boPD-L1あるいは陰性対照としてpEGFP-N2をLipofectamine LTX(Invitrogen社)を用いて導入した。48 時間後、G418(Enzo Life Science社)800 μg/ml、GlutaMAX supplement(Life technologies 社)20 ml/l、10% Pluronic F-68(Life technologies 社)18 ml/l を含むCD DG44 培地(Life technologies 社)へ培地交換し、セレクションを行うと同時に限界希釈法によりクローニングを行った(ウシPD-L1-EGFP発現細胞ならびにEGFP発現細胞)。作製したウシPD-L1-EGFP発現細胞におけるウシPD-L1 の発現を確かめるために、倒立型共焦点レーザー顕微鏡LSM700(ZEISS 社)により、EGFPの細胞内局在を可視化した。
2.2. ラット抗ウシPD-L1抗体 6C11-3A11のウシPD-L1への結合特異性
ラット抗ウシPD-L1抗体 6C11-3A11がウシPD-L1-EGFP発現細胞(前述)に対し特異的に結合することをフローサイトメトリー法により確認した。まず、ウシPD-L1発現細胞、あるいはEGFP発現細胞(陰性対照)に対してラット抗ウシPD-L1抗体 6C11-3A11、または陰性対照抗体としてラットIgG2a(κ) アイソタイプコントロール(BD Biosciences社)を室温で30分間反応させた。洗浄後、APC標識抗ラットIgヤギ抗体(SouthernBiotech社)を室温で30分間反応させた。洗浄後、細胞表面に結合した抗体をFACS Verse(BD Biosciences社)により検出した。なお、すべての洗浄操作および抗体の希釈には、1% ウシ血清アルブミン(Sigma-Aldrich社)を加えたPBSを使用した。
【0080】
結果を
図15に示す。ラット抗ウシPD-L1抗体 6C11-3A11は、ウシPD-L1発現細胞に特異的に結合することが示された。
2.3. ウシ感染組織を用いた免疫組織化学染色
ラット抗ウシPD-L1 抗体6C11-3A11 がウシ組織に対するPD-L1 免疫組織化学染色に応用可能であることを確かめるため、ホルマリン固定、パラフィン包埋ウシ組織サンプルを用いて免疫組織化学染色を行った。ヨーネ病の野外発症牛 (#1, 下痢や重度の削痩などヨーネ病の臨床症状を示していた)、ヨーネ菌実験感染牛 (#65, 排菌および下痢などの臨床症状が観察された; Okagawa T, Konnai S, Nishimori A, Ikebuchi R, Mizorogi S, Nagata R, Kawaji S, Tanaka S, Kagawa Y, Murata S, Mori Y and Ohashi K. Infect Immun, 84:77-89, 2016.) および非感染コントロール牛 (C#6) の回腸組織ブロック (農研機構・動物衛生研究部門 森 康行 博士より分与) を用いて、免疫組織化学染色を行った。常法に従い、脱パラフィン処置後、クエン酸バッファーにてマイクロウエーブ処置(5 分、2回)を行った。その後、ラット抗ウシPD-L1 抗体 6C11-3A11(400 倍希釈)を用いて30分反応後、シンプルステインマウスMAX-PO (Rat)(ニチレイバイオサイエンス社)を用いて30 分間反応させた。最後に、アミノベンジジン(DAB)に10 分反応させて発色させ、光学顕微鏡を用いて観察した。
【0081】
結果を
図16に示す。ラット抗ウシPD-L1 抗体 6C11-3A11は、野外発症牛#1および実験感染牛#65の回腸病変部において、ヨーネ菌感染細胞(Ziehl-Neelsen染色で確認)におけるPD-L1の発現を検出した(
図16a、b)。一方、非感染牛 (C#6) の回腸にはPD-L1は発現していないため、ラット抗ウシPD-L1 抗体 6C11-3A11の反応(非特異的反応)は認められなかった(
図16a)。
【0082】
以上のように、ラット抗ウシ PD-L1 抗体 6C11-3A11 はウシの組織において免疫組織化学染色法によるPD-L1の検出に使用可能であることが示された。
【0083】
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明の抗PD-L1抗体は、がん及び/又は感染症の診断に利用できる。また、抗PD-L1抗体を用いた治療に適した被験動物の選定に利用できる。
【配列表フリーテキスト】
【0085】
<配列番号1>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のL鎖可変領域のCDR1のアミノ酸配列を示す。
KSISKY
<配列番号2>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のL鎖可変領域のCDR3のアミノ酸配列を示す。
QQHNEYPLT
<配列番号3>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖可変領域のCDR1のアミノ酸配列を示す。
GYTFTDYI
<配列番号4>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖可変領域のCDR2のアミノ酸配列を示す。
INPDSGGN
<配列番号5>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖可変領域のCDR3のアミノ酸配列を示す。
ARGITMMVVISHWKFDF
<配列番号6>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のL鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
MRVQIQFWGLLLLWTSGIQCDVQMTQSPSNLAASPGESVSINCKASKSISKYLAWYQQKPGKANKLLIYSGSTLQSGTPSRFSGSGSGTDFTLTIRNLEPEDFGLYYCQQHNEYPLTFGSGTKLEIK
<配列番号7>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。
MGWICIIFLVAIATGAHSQVKLLQSGAALVKPGDSVKMSCKASGYTFTDYIIHWVKQSHGKSLEWIGYINPDSGGNNYNEKFKSKATLTVDKSSSTAYMEFSRLTSEDSAIYYCARGITMMVVISHWKFDFWGPGTMVTVSS
<配列番号8>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
RADAAPTVSIFPPSTEQLATGGASVVCLMNNFYPRDISVKWKIDGTERRDGVLDSVTDQDSKDSTYSMSSTLSLTKADYESHNLYTCEVVHKTSSSPVVKSFNRNEC*
<配列番号9>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖定常領域のアミノ酸配列を示す。
AETTAPSVYPLAPGTALKSNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGALSSGVHTFPAVLQSGLYTLTSSVTVPSSTWSSQAVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRECNPCGCTGSEVSSVFIFPPKTKDVLTITLTPKVTCVVVDISQNDPEVRFSWFIDDVEVHTAQTHAPEKQSNSTLRSVSELPIVHRDWLNGKTFKCKVNSGAFPAPIEKSISKPEGTPRGPQVYTMAPPKEEMTQSQVSITCMVKGFYPPDIYTEWKMNGQPQENYKNTPPTMDTDGSYFLYSKLNVKKETWQQGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK*
<配列番号10>ラット抗体(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列(GenBank: #V01241.1)を示す。
ADAAPTVSIFPPSTEQLATGGASVVCLMNNFYPRDISVKWKIDGTERRDGVLDSVTDQDSKDSTYSMSSTLSLTKADYESHNLYTCEVVHKTSSSPVVKSFNRNEC*
<配列番号11>ラット抗体(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列(GenBank: #X16129.1)を示す。
RADAAPTVSIFPPSTEQLATGGASVVCLMNNFYPRDISVKWKIDGTERRDGVLDSVTDQDSKDSTYSMSSTLSLSKADYESHNLYTCEVVHKTSSSPVVKSFNRNEC
<配列番号12>ラット抗体(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列(GenBank: #DQ402471.1)を示す。
AAPTVSIFPPSMEQLTSGGATVVCFVNNFYPRDISVKWKIDGSEQRDGVLDSVTDQDSKDSTYSMSSTLSLTKVEYERHNLYTCEVVHKTSSSPVVKSFNRNEC*
<配列番号13>ラット抗体(IgG2a)のH鎖定常領域のアミノ酸配列(GenBank: #DQ402472.1)を示す。
APSVYPLAPGTALKSNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGALSSGVHTFPAVLQSGLYTLTSSVTVPSSTWSSQAVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRECNPCGCTGSEVSSVFIFPPKTKDVLTITLTPKVTCVVVDISQNDPEVRFSWFIDDVEVHTAQTHAPEKQSNSTLRSVSELPIVHRDWLNGKTFKCKVNSGAFPAPIEKSISKPEGTPRGPQVYTMAPPKEEMTQSQVSITCMVKGFYPPDIYTEWKMNGQPQENYKNTPPTMDTDGSYFLYSKLNVKKETWQQGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK*
<配列番号14>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のL鎖可変領域のヌクレオチド配列を示す。
ATGAGGGTCCAGATTCAGTTTTGGGGGCTTCTTCTGCTCTGGACATCAGGTATACAGTGTGATGTCCAGATGACCCAGTCTCCATCTAATCTTGCTGCCTCTCCTGGAGAAAGTGTTTCCATCAATTGCAAGGCAAGTAAGAGCATTAGCAAGTATTTAGCCTGGTATCAACAGAAACCTGGGAAAGCAAATAAGCTTCTTATCTACTCTGGGTCAACTTTGCAATCTGGAACTCCATCGAGGTTCAGTGGCAGTGGATCTGGTACAGATTTCACTCTCACCATCAGAAACCTGGAGCCTGAAGATTTTGGACTCTATTACTGTCAACAGCATAATGAATACCCGCTCACGTTCGGTTCTGGGACCAAGCTGGAGATCAAA
<配列番号15>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖可変領域のヌクレオチド配列を示す。
ATGGGATGGATCTGTATCATCTTTCTTGTGGCAATAGCTACAGGTGCCCACTCCCAGGTCAAGCTGCTGCAGTCTGGGGCTGCACTGGTGAAGCCTGGGGACTCTGTGAAGATGTCTTGCAAAGCTTCTGGTTATACATTCACTGACTACATTATACACTGGGTGAAGCAGAGTCATGGAAAAAGCCTTGAGTGGATTGGTTATATTAATCCTGACAGTGGTGGTAATAACTACAATGAAAAGTTCAAGAGCAAGGCCACATTGACTGTAGACAAATCCAGCAGCACAGCCTATATGGAGTTTAGCAGATTGACATCTGAGGATTCTGCAATCTACTACTGTGCAAGAGGGATTACCATGATGGTAGTTATTAGCCACTGGAAGTTTGACTTCTGGGGCCCAGGAACCATGGTCACCGTGTCCTCA
<配列番号16>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
CGGGCTGATGCTGCACCAACTGTATCTATCTTCCCACCATCCACGGAACAGTTAGCAACTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCCTCATGAACAACTTCTATCCCAGAGACATCAGTGTCAAGTGGAAGATTGATGGCACTGAACGACGAGATGGTGTCCTGGACAGTGTTACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACGTACAGCATGAGCAGCACCCTCTCGTTGACCAAGGCTGACTATGAAAGTCATAACCTCTATACCTGTGAGGTTGTTCATAAGACATCATCCTCACCCGTCGTCAAGAGCTTCAACAGGAATGAGTGTTAG
<配列番号17>抗PD-L1抗体6C11-3A11(IgG2a)のH鎖定常領域のヌクレオチド配列を示す。
GCTGAAACAACAGCCCCATCTGTCTATCCACTGGCTCCTGGAACTGCTCTCAAAAGTAACTCCATGGTGACCCTGGGATGCCTGGTCAAGGGCTATTTCCCTGAGCCAGTCACCGTGACCTGGAACTCTGGAGCCCTGTCCAGCGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGGACTCTACACTCTCACCAGCTCAGTGACTGTACCCTCCAGCACCTGGTCCAGCCAGGCCGTCACCTGCAACGTAGCCCACCCGGCCAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGTGCCAAGGGAATGCAATCCTTGTGGATGTACAGGCTCAGAAGTATCATCTGTCTTCATCTTCCCCCCAAAGACCAAAGATGTGCTCACCATCACTCTGACTCCTAAGGTCACGTGTGTTGTGGTAGACATTAGCCAGAATGATCCCGAGGTCCGGTTCAGCTGGTTTATAGATGACGTGGAAGTCCACACAGCTCAGACTCATGCCCCGGAGAAGCAGTCCAACAGCACTTTACGCTCAGTCAGTGAACTCCCCATCGTGCACCGGGACTGGCTCAATGGCAAGACGTTCAAATGCAAAGTCAACAGTGGAGCATTCCCTGCCCCCATCGAGAAAAGCATCTCCAAACCCGAAGGCACACCACGAGGTCCACAGGTATACACCATGGCGCCTCCCAAGGAAGAGATGACCCAGAGTCAAGTCAGTATCACCTGCATGGTAAAAGGCTTCTATCCCCCAGACATTTATACGGAGTGGAAGATGAACGGGCAGCCACAGGAAAACTACAAGAACACTCCACCTACGATGGACACAGATGGGAGTTACTTCCTCTACAGCAAGCTCAATGTAAAGAAAGAAACATGGCAGCAGGGAAACACTTTCACGTGTTCTGTGCTGCATGAGGGCCTGCACAACCACCATACTGAGAAGAGTCTCTCCCACTCTCCTGGTAAATGA
<配列番号18>ラット抗体(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列(GenBank: #V01241.1)を示す。
GGGCTGATGCTGCACCAACTGTATCTATCTTCCCACCATCCACGGAACAGTTAGCAACTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCCTCATGAACAACTTCTATCCCAGAGACATCAGTGTCAAGTGGAAGATTGATGGCACTGAACGACGAGATGGTGTCCTGGACAGTGTTACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACGTACAGCATGAGCAGCACCCTCTCGTTGACCAAGGCTGACTATGAAAGTCATAACCTCTATACCTGTGAGGTTGTTCATAAGACATCATCCTCACCCGTCGTCAAGAGCTTCAACAGGAATGAGTGTTAG
<配列番号19>ラット抗体(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列(GenBank: #X16129.1)を示す。
CGGGCTGATGCTGCACCAACTGTATCTATCTTCCCACCATCCACGGAACAGTTAGCAACTGGAGGTGCCTCAGTCGTGTGCCTCATGAACAACTTCTATCCCAGAGACATCAGTGTCAAGTGGAAGATTGATGGCACTGAACGACGAGATGGTGTCCTGGACAGTGTTACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACGTACAGCATGAGCAGCACCCTCTCGTTGTCCAAGGCTGACTATGAAAGTCATAACCTCTATACCTGTGAGGTTGTTCATAAGACATCATCCTCACCCGTCGTCAAGAGCTTCAACAGGAATGAGTGTTAG
<配列番号20>ラット抗体(IgG2a)のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列(GenBank: #DQ402471.1)を示す。
GCCGCACCAACTGTATCCATCTTCCCACCATCCATGGAACAGTTAACATCTGGAGGTGCCACAGTCGTGTGCTTCGTGAACAACTTCTATCCCAGAGACATCAGTGTCAAGTGGAAGATTGATGGCAGTGAACAACGAGATGGTGTCCTGGACAGTGTTACTGATCAGGACAGCAAAGACAGCACGTACAGCATGAGCAGCACCCTCTCGTTGACCAAGGTTGAATATGAAAGGCATAACCTCTATACCTGTGAGGTTGTTCATAAGACATCATCCTCACCCGTCGTCAAGAGCTTCAACAGGAATGAGTGTTAG
<配列番号21>ラット抗体(IgG2a)のH鎖定常領域のヌクレオチド配列(GenBank: #DQ402472.1)を示す。
CAGCCCCCTCTGTCTATCCACTGGCTCCTGGAACTGCTCTCAAAAGTAACTCCATGGTGACCCTGGGATGCCTGGTCAAGGGCTATTTCCCTGAGCCAGTCACCGTGACCTGGAACTCTGGAGCCCTGTCCAGCGGTGTGCACACCTTCCCAGCTGTCCTGCAGTCTGGACTCTACACTCTCACCAGCTCAGTGACTGTACCCTCCAGCACCTGGTCCAGCCAGGCCGTCACCTGCAACGTAGCCCACCCGGCCAGCAGCACCAAGGTGGACAAGAAAATTGTGCCAAGGGAATGCAATCCTTGTGGATGTACAGGCTCAGAAGTATCATCTGTCTTCATCTTCCCCCCAAAGACCAAAGATGTGCTCACCATCACTCTGACTCCTAAGGTCACGTGTGTTGTGGTAGACATTAGCCAGAATGATCCCGAGGTCCGGTTCAGCTGGTTTATAGATGACGTGGAAGTCCACACAGCTCAGACTCATGCCCCGGAGAAGCAGTCCAACAGCACTTTACGCTCAGTCAGTGAACTCCCCATCGTGCACCGGGACTGGCTCAATGGCAAGACGTTCAAATGCAAAGTCAACAGTGGAGCATTCCCTGCCCCCATCGAGAAAAGCATCTCCAAACCCGAAGGCACACCACGAGGTCCACAGGTATACACCATGGCGCCTCCCAAGGAAGAGATGACCCAGAGTCAAGTCAGTATCACCTGCATGGTAAAAGGCTTCTATCCCCCAGACATTTATACGGAGTGGAAGATGAACGGGCAGCCACAGGAAAACTACAAGAACACTCCACCTACGATGGACACAGATGGGAGTTACTTCCTCTACAGCAAGCTCAATGTAAAGAAAGAAACATGGCAGCAGGGAAACACTTTCACGTGTTCTGTGCTGCATGAGGGCCTGCACAACCACCATACTGAGAAGAGTCTCTCCCACTCTCCTGGTAAATGA
<配列番号22~27>配列番号22~27は、順に、プライマーcPD-L1 inner F、cPD-L1 inner R、cPD-L1 5’GSP、cPD-L1 3’GSP、cPD-L1-EGFP F及びcPD-L1-EGFP Rのヌクレオチド配列を示す。
<配列番号28>
配列番号28は、ヒト抗体のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号29>
配列番号29は、ヒト抗体のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号30>
配列番号30は、ヒト抗体(IgG4 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号31>
配列番号31は、ヒト抗体(IgG4 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号32>
配列番号32は、ヒト抗体(IgG4 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号33>
配列番号33は、ヒト抗体(IgG4 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号34>
配列番号34は、ヒト抗体(IgG4 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号35>
配列番号35は、ヒト抗体(IgG4 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号36>
配列番号36は、マウス抗体のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号37>
配列番号37は、マウス抗体のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号38>
配列番号38は、マウス抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号39>
配列番号39は、マウス抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号40>
配列番号40は、マウス抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号41>
配列番号41は、マウス抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号42>
配列番号42は、マウス抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号43>
配列番号43は、マウス抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号44>
配列番号44は、マウス抗体(IgG1 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号45>
配列番号45は、マウス抗体(IgG1 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号46>
配列番号46は、マウス抗体(IgG1 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号47>
配列番号47は、マウス抗体(IgG1 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号48>
配列番号48は、マウス抗体(IgG2a variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号49>
配列番号49は、マウス抗体(IgG2a variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号50>
配列番号50は、マウス抗体(IgG2a variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号51>
配列番号51は、マウス抗体(IgG2a variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号52>
配列番号52は、マウス抗体(IgG2b variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号53>
配列番号53は、マウス抗体(IgG2b variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号54>
配列番号54は、マウス抗体(IgG2b variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号55>
配列番号55は、マウス抗体(IgG2b variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号56>
配列番号56は、マウス抗体(IgG2c variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号57>
配列番号57は、マウス抗体(IgG2c variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号58>
配列番号58は、マウス抗体(IgG2c variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号59>
配列番号59は、マウス抗体(IgG2c variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号60>
配列番号60は、マウス抗体(IgG2c variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号61>
配列番号61は、マウス抗体(IgG2c variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号62>
配列番号62は、マウス抗体(IgG3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号63>
配列番号63は、マウス抗体(IgG3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号64>
配列番号64は、ウシ抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号65>
配列番号65は、ウシ抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号66>
配列番号66は、ウシ抗体(IgG1 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号67>
配列番号67は、ウシ抗体(IgG1 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号68>
配列番号68は、ウシ抗体(IgG1 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号69>
配列番号69は、ウシ抗体(IgG1 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号70>
配列番号70は、ウシ抗体(IgG1 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号71>
配列番号71は、ウシ抗体(IgG1 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号72>
配列番号72は、ウシ抗体(IgG2 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号73>
配列番号73は、ウシ抗体(IgG2 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号74>
配列番号74は、ウシ抗体(IgG2 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号75>
配列番号75は、ウシ抗体(IgG2 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号76>
配列番号76は、ウシ抗体(IgG2 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号77>
配列番号77は、ウシ抗体(IgG2 variant 3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号78>
配列番号78は、ウシ抗体(IgG3 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号79>
配列番号79は、ウシ抗体(IgG3 variant 1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号80>
配列番号80は、ウシ抗体(IgG3 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号81>
配列番号81は、ウシ抗体(IgG3 variant 2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号82>
配列番号82は、イヌ抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号83>
配列番号83は、イヌ抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号84>
配列番号84は、イヌ抗体(IgG-D)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号85>
配列番号85は、イヌ抗体(IgG-D)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号86>
配列番号86は、ヒツジ抗体のL鎖(kappa鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号87>
配列番号87は、ヒツジ抗体のL鎖(kappa鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号88>
配列番号88は、ヒツジ抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のアミノ酸配列を示す。
<配列番号89>
配列番号89は、ヒツジ抗体のL鎖(lambda鎖)定常領域のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号90>
配列番号90は、ヒツジ抗体(IgG1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号91>
配列番号91は、ヒツジ抗体(IgG1)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号92>
配列番号92は、ヒツジ抗体(IgG2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号93>
配列番号93は、ヒツジ抗体(IgG2)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号94>
配列番号94は、ブタ抗体(IgG1a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号95>
配列番号95は、ブタ抗体(IgG1a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号96>
配列番号96は、ブタ抗体(IgG1b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号97>
配列番号97は、ブタ抗体(IgG1b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号98>
配列番号98は、ブタ抗体(IgG2a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号99>
配列番号99は、ブタ抗体(IgG2a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号100>
配列番号100は、ブタ抗体(IgG2b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号101>
配列番号101は、ブタ抗体(IgG2b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号102>
配列番号102は、ブタ抗体(IgG3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号103>
配列番号103は、ブタ抗体(IgG3)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号104>
配列番号104は、ブタ抗体(IgG4a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号105>
配列番号105は、ブタ抗体(IgG4a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号106>
配列番号106は、ブタ抗体(IgG4b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号107>
配列番号107は、ブタ抗体(IgG4b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号108>
配列番号108は、ブタ抗体(IgG5a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号109>
配列番号109は、ブタ抗体(IgG5a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号110>
配列番号110は、ブタ抗体(IgG5b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号111>
配列番号111は、ブタ抗体(IgG5b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号112>
配列番号112は、ブタ抗体(IgG6a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号113>
配列番号113は、ブタ抗体(IgG6a)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号114>
配列番号114は、ブタ抗体(IgG6b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号115>
配列番号115は、ブタ抗体(IgG6b)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号116>
配列番号116は、スイギュウ抗体のL鎖(Ig lambdaと推定される)定常領域(CL)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号117>
配列番号117は、スイギュウ抗体のL鎖(Ig lambdaと推定される)定常領域(CL)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号118>
配列番号118は、スイギュウ抗体(IgG1と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号119>
配列番号119は、スイギュウ抗体(IgG1と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号120>
配列番号120は、スイギュウ抗体(IgG2と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号121>
配列番号121は、スイギュウ抗体(IgG2と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号122>
配列番号112は、スイギュウ抗体(IgG3と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のアミノ酸配列を示す。
<配列番号123>
配列番号123は、スイギュウ抗体(IgG3と推定される)のH鎖定常領域(CH1~CH3)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号124>
配列番号124は、プライマー(boPD-L1-EGFP F)のヌクレオチド配列を示す。
<配列番号125>
配列番号125は、プライマー(boPD-L1-EGFP R)のヌクレオチド配列を示す。
【配列表】