(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】感圧センサおよび感圧センサの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 13/18 20060101AFI20220310BHJP
G01L 1/20 20060101ALI20220310BHJP
H01H 11/00 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
H01H13/18 Z
G01L1/20 A
H01H11/00 F
(21)【出願番号】P 2017235632
(22)【出願日】2017-12-08
【審査請求日】2020-06-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】杉田 敬祐
(72)【発明者】
【氏名】阿部 正浩
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-075119(JP,A)
【文献】特開2017-021890(JP,A)
【文献】特開2009-146644(JP,A)
【文献】特開平10-281906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/18
G01L 1/20
H01H 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性絶縁体からなる中空の管状部材と、前記管状部材の内周面に互いに離間して保持された複数本の電極線を備える感圧センサにおいて、
前記管状部材の外周面のみに、長手方向に沿って螺旋リブが形成され、
前記電極線は、長手方向に沿って螺旋状に配置され、
前記管状部材の前記螺旋リブの螺旋方向と、前記螺旋状に配置された前記電極線の螺旋方向とは同方向であり、
前記管状部材の前記螺旋リブの螺旋ピッチと、前記電極線の螺旋ピッチとは同ピッチである
感圧センサ。
【請求項2】
弾性絶縁体からなる中空の管状部材と、前記管状部材の内周面に互いに離間して保持された複数本の電極線を備える感圧センサの製造方法において、
前記複数本の電極線を互いに離間させて走線させつつ、当該複数本の電極線が内周面に保持されるように管状の弾性絶縁体を押出被覆して前記管状部材を形成する際に、前記管状の弾性絶縁体を周方向に回転させながら押出被覆することにより、前記複数本の電極線を長手方向に沿って螺旋状に配置する感圧センサの製造方法。
【請求項3】
前記管状の弾性絶縁体は、口金の内周面に刻まれた、押出方向に対して斜めとなる溝に沿って流動されることにより、周方向に回転させながら押出被覆される
請求項
2に記載の感圧センサの製造方法。
【請求項4】
前記管状の弾性絶縁体は、心金の外周面に刻まれた、押出方向に対して斜めとなる溝に沿って流動されることにより、周方向に回転させながら押出被覆される
請求項
2または
3に記載の感圧センサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧センサおよび感圧センサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部からの圧力によって電極線同士が接触することによりスイッチ機能を果たす感圧センサが自動車のスライドドア等の挟み込み防止センサとして用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の感圧センサは、中空部を有する管状の弾性絶縁体と、この弾性絶縁体の中空部の内周面に互いに離間して螺旋状に配置された複数の電極線とを備えている。この中空螺旋構造により、どの方向から変形させても電極線同士が接触するため、全方向検知が可能となる。この感圧センサは、中空部と同一形状に形成されたスペーサの外周面に複数の電極線を沿わせ、スペーサ及び複数の電極線の外周にゴム材料を押出して弾性絶縁体を成形し、その後スペーサを引き抜くことにより製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の感圧センサは、スペーサを使用するため、スペーサを製造する工程、電極線を沿わせる工程、引き抜く工程が必要となり、工程数が多くなり製造コストが高くなる問題があった。また、スペーサを引き抜く際には、電極線との摩擦抵抗が高く、引き抜く途中でスペーサが破断したり、電極線に削れなどの損傷が加わったりするため、短尺に切断してから引き抜く必要があった。このため、スペーサの再利用ができず材料費が高くなる問題や、完成品の感圧センサの長さに制限があるなどの課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、何れの方向から圧力を受けても電極線同士が接触し、完成品の長さを自由に設定でき、安価に製造することが可能な感圧センサ及びその製造方法を提供ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、下記[1]~[4]の感圧センサ及びその製造方法を提供する。
【0008】
[1]弾性絶縁体からなる中空の管状部材と、前記管状部材の内周面に互いに離間して保持された複数本の電極線を備える感圧センサにおいて、前記管状部材の内周面または外周面の少なくとも一方の面には、長手方向に沿って螺旋リブが形成され、前記電極線は、長手方向に沿って螺旋状に配置され、前記管状部材の螺旋リブの螺旋方向と、前記螺旋状に配置された電極線の螺旋方向とは同方向である感圧センサを提供する。
【0009】
[2]弾性絶縁体からなる中空の管状部材と、前記管状部材の内周面に互いに離間して保持された複数本の電極線を備える感圧センサの製造方法において、前記複数本の電極線を互いに離間させて走線させつつ、当該複数本の電極線が内周面に保持されるように管状の弾性絶縁体を押出被覆して前記管状部材を形成する際に、前記管状の弾性絶縁体を周方向に回転させながら押出被覆することにより、前記複数本の電極線を長手方向に沿って螺旋状に配置する感圧センサの製造方法を提供する。
【0010】
[3]前記管状の弾性絶縁体は、口金の内周面に刻まれた、押出方向に対して斜めとなる溝に沿って流動されることにより、周方向に回転させながら押出被覆される[2]に記載の感圧センサの製造方法を提供する。
【0011】
[4]前記管状の弾性絶縁体は、心金の外周面に刻まれた、押出方向に対して斜めとなる溝に沿って流動されることにより、周方向に回転させながら押出被覆される[2]または[3]に記載の感圧センサの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、何れの方向から圧力を受けても電極線同士が接触し、完成品の長さを自由に設定でき、安価に製造することが可能な感圧センサ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを示す断面図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを示す透視側面略図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを製造するための押出し機の断面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる口金を示す断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる口金を軸方向からみた正面図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る感圧センサを示す断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる心金を示す側面図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる感圧センサを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の感圧センサは、自動車用のスライドドア、バックドア、パワーウィンドウやエレベータドア、シャッター、自動ドア、車輌用ドア、ホームドアなどの挟み込み防止用途へ適用できる。
【0015】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を
図1~5を参照して説明する。なお、以下に示す実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る感圧センサを示す断面図である。この感圧センサ1は、弾性絶縁体からなる中空の管状部材2と、管状部材2の内周面に互いに離間して保持された複数本(本実施の形態では4本)の電極線3とを備え、管状部材2の外周面には長手方向に沿って螺旋リブ7が形成され、複数本の電極線3は長手方向に沿って螺旋状に配置され、管状部材2の螺旋リブ7の螺旋方向と螺旋状に配置された電極線3の螺旋方向とは同方向である。
【0016】
電極線3は金属線4の外周上に弾性導電体5が被覆されたものであり、電極線3間は空間6により隔てられている。管状部材2の断面における外円の形状は、後述する
図4、
図5に示す口金8の溝9の形状によって変化する。
【0017】
図2は本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを示す透視側面略図である。弾性絶縁体からなる中空の管状部材2と、管状部材2の内側に互いに離間して保持された複数本の電極線3は、感圧センサ1の長手方向に沿って螺旋状に配置されている。
【0018】
また、感圧センサ1は、管状部材2が外部からの圧力を受けた際に弾性変形して複数本のうち少なくともいずれか2本の電極線3同士が接触(短絡)する。
【0019】
電極線3は管状部材2の内側に互いに離間して螺旋状に配置されている。電極線3は金属線4と、金属線4を被覆する弾性導電体5とからなる。
【0020】
金属線4には例えば、銅等の良導電性の金属からなる単線や、複数(本実施の形態では7本)の素線を互いに撚り合わせた撚線を用いることができる。他の金属線としては、銅箔をポリエステルなどからなる糸に巻き付けた銅箔糸も適用できる。これらの金属線は耐熱性を高める目的で表面をスズ、ニッケル、銀、亜鉛などでメッキしてもよい。
【0021】
また、弾性導電体5は、例えばカーボンブラック等の導電性充填剤を配合したエチレン-プロピレン-ジエン共重合を架橋したゴム系組成物や、架橋工程が不要なオレフィン系やスチレン系熱可塑性エラストマー組成物などが好適に用いることができる。
【0022】
管状部材2の外周面には螺旋リブ7が形成されているため、例えば、感圧センサ1を管内に挿入する際の摩擦力(接触抵抗)を低減できるという効果が得られる。特に、螺旋方向に回転させながら挿入させることにより、より一層に摩擦力を低減することができる。
【0023】
感圧センサ1は、次の製造方法で得ることができる。
まず、金属線4の外周上に押出機を用いて弾性導電体5を被覆することで電極線3を作製する。次に、
図3に示すように、電極線3を複数本(本実施の形態では4本)、それぞれの中心が正方形の頂点に重なるように配置し、押出機のクロスヘッド内に走線させ、外周(口金8)から管状の弾性絶縁体51を押出被覆して、弾性絶縁体(管状部材2)の内周面に電極線3を融着・保持させる。このとき管状の弾性絶縁体51を周方向に回転させながら押出することで、電極線3が螺旋状に配置される。これらの電極線3を正方形の頂点に配置させる方法として、押出機の心金52に電極線3が通るような穴を4つ開けておき、走線させる方法がある。また、管状部材2、電極線3および空間6の形状、配置が崩れるのを防ぐため、管状部材2の内側から圧縮気体53を印加することができる。この方法としては、心金52の例えば中心部に一つまたは複数の穴を開けておき、圧縮気体54を心金52の内側から吐出口に向かって供給する方法がある。圧縮気体53としては、空気や窒素などの不活性ガスが好適である。
【0024】
図4は本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる口金を示す断面図である。弾性絶縁体51を周方向に回転させながら押出する方法として、
図3に示した口金8を用いることができる。口金先端部8aの内周面全周にわたって押出方向(管状部材2の軸方向)に対して斜めに溝9が、等間隔に複数刻まれた構造を持つ。
【0025】
押出方向に対して斜めに溝9を作製することにより、押出材料(弾性絶縁体51)は溝9に沿って流動することになり、押出方向に対して斜めに吐出される。口金先端部8aの内周面全周にわたって等間隔に溝9を刻むことで、管状の成形体(管状部材2)を周方向に回転させながら押出すことができる。その結果、管状の成形体の外周面には、口金先端部8aの溝9に対応する螺旋リブ7が形成される。管状部材2の外周面に形成された螺旋リブ7の螺旋方向と、螺旋状に配置された電極線3の螺旋方向とは同方向となる。また、螺旋リブ7の螺旋ピッチと、電極線3の螺旋ピッチとは、同ピッチとなる。
【0026】
図5は本発明の第1の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる口金8であって、軸方向(押出材料の吐出側)からみた正面図である。溝9の断面形状としては半円状や矩形などが適用可能であるが、押出材料の流動しやすさの点から半円状が好適である。溝9の数、深さ、押出方向に対する角度などは自由に設定できる。溝9の角度を変えることで、押出材料の流動角度(管状部材2の軸方向と、押出材料の吐出方向とがなす角度)が変化し、押出材料の周方向への回転速度を変えることができる。
【0027】
感圧センサ1は長さの制限がなく製造することができ、用途によって例えば1m~数十mである。また、管状部材2の外径は、例えば4mmである。管状部材2の材料としては、圧縮永久歪が小さく、柔軟性、耐寒性、耐水性、耐薬品性、耐候性などの優れたものが使用でき、例えばエチレン-プロピレン-ジエン共重合体を架橋したゴム系組成物や、架橋工程が不要なオレフィン系やスチレン系熱可塑性エラストマー組成物などが好適に用いることができる。
【0028】
[他の実施の形態]
次に本発明の他の実施の形態について、
図6~8を参照して説明する。
図6は本発明の第2の実施形態に係る感圧センサを示す断面図であり、
図7は本発明の第2の実施形態に係る感圧センサを製造するために用いられる心金10を示す側面図である。なお、心金10は、電極線3を通すことができる穴が複数個(本実施の形態では4個)設けられており(図示なし)、電極線3を正方形の頂点に配置させつつ走線可能となっている。また、圧縮気体53の供給穴が開いていてもよい。
【0029】
第2の実施形態では、弾性絶縁体51を周方向に回転させながら押出する方法として、心金10を用いることができる。心金先端部10aの外周面全周にわたって押出方向(管状部材2の軸方向)に対して斜めに溝9が、等間隔に複数刻まれた構造を持つ。これにより、押出材料(弾性絶縁体51)は溝9に沿って流動することになり、押出方向に対して斜めに吐出される。すなわち、第1の実施の形態と同様に、管状の成形体を周方向に回転させながら押出することが可能となる。その結果、
図6に示すように、管状の成形体(管状部材2)の内周面には、心金10の溝9に対応する螺旋リブ7が形成される。管状部材2の内周面に形成された螺旋リブ7の螺旋方向と、螺旋状に配置された電極線3の螺旋方向とは同方向となる。また、螺旋リブ7の螺旋ピッチと、電極線3の螺旋ピッチとは、同ピッチとなる。
【0030】
なお、管状部材2の断面における内円の形状は、心金10の溝9の形状によって変わる。溝9の断面形状としては半円状や矩形などが適用可能であるが、押出材料の流動しやすさの点から半円状が好適である。溝9の数、深さ、押出方向に対する角度などは自由に設定できる。溝9の角度を変えることで、押出材料の流動角度(管状部材2の軸方向と、押出材料の吐出方向とがなす角度)が変化し、押出材料の周方向への回転速度を変えることができる。
【0031】
図8は本発明の第3の実施形態に係る感圧センサを示す断面図である。管状部材2の外周に管状部材外層11が設けられている。特に感圧センサの強度を高めるためや、他部材(端末の封止部材や感圧センサ取り付け部など)との相性(接着性など)を高めるために、管状部材2の外周に管状部材外層11を設けることが有効である。管状部材2、管状部材外層11ともに、弾性絶縁体が使用できる。また、管状部材外層11には例えば、強度、耐摩耗性に優れ、他部材に使用されることの多いポリアミドとの接着性が良好な熱可塑性ポリウレタンなども使用することができる。製造方法としては、第1の実施形態に係る感圧センサ1と同様の製造方法で管状部材2を製造し、その後、管状部材外層11を最外層に押出被覆する方法などが適用できる。また、第2の実施形態に係る感圧センサ1と同様の製造方法で管状部材2を製造し、その後、管状部材外層11を最外層に押出被覆してもよい。
【0032】
なお、螺旋リブ7は、例えば、第1の実施形態で用いた口金8と第2の実施形態で用いた心金10とを組み合わせて、管状部材2の内外周面に形成されていてもよい。また、この内外周面に螺旋リブ7が形成された管状部材2の外周に、さらに管状部材外層11を設けてもよい。
【0033】
管状部材2の内周面及び/または外周面に螺旋リブ7を形成するために、押出方向(管状部材2の軸方向)に対して斜めに形成された溝9を有する口金8や心金10を用いたが、これに限られない。例えば、押出方向(管状部材2の軸方向)に対して平行に形成された溝を有する口金または心金を用いると共に、この口金または心金(押出材料の吐出部分)を外部から一方向に回転させ続けることにより、螺旋リブ7を形成してもよい。
【0034】
4本の電極線3を用いた感圧センサの製造方法で説明したが、電極線3の本数は2本、3本または5本以上とすることもできる。電極線3の本数を少なくする場合は、所定のセンサ感度が得られるように、電極線3の螺旋ピッチを小さくすることが好ましい。そのために、口金8や心金10に形成される溝9の押出方向(管状部材2の軸方向)に対する角度を大きくする。これにより、押出材料(弾性絶縁体51)の流動角度(管状部材2の軸方向と、押出材料の吐出方向とがなす角度)が大きくなるので、押出材料の周方向への回転角度も大きくなり、電極線3の螺旋ピッチを小さくすることができる。
【0035】
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を使用して記載する。ただし、以下の記載における各符号は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0036】
[1]弾性絶縁体からなる中空の管状部材(2)と、前記管状部材(2)の内周面に互いに離間して保持された複数本の電極線(3)を備え、前記管状部材(2)が外部から圧力を受けた際に弾性変形して複数本のうち少なくともいずれか2本の電極線(3)同士が接触する感圧センサ(1)において、
前記管状部材(2)の内周面または外周面の少なくとも一方の面には、長手方向に沿って螺旋リブ(7)が形成され、
前記電極線(3)は、長手方向に沿って螺旋状に配置され、
前記管状部材(2)の螺旋リブ(7)の螺旋方向と、前記螺旋状に配置された電極線(3)の螺旋方向とは同方向である
感圧センサ(1)。
【0037】
[2]弾性絶縁体からなる中空の管状部材(2)と、前記管状部材の内周面に互いに離間して保持された複数本の電極線(3)を備え、前記管状部材(2)が外部から圧力を受けた際に弾性変形して複数本のうち少なくともいずれか2本の電極線(3)同士が接触する感圧センサ(1)の製造方法において、
前記複数本の電極線(3)を互いに離間させて走線させつつ、当該複数本の電極線(3)が内周面に保持されるように管状の弾性絶縁体(51)を押出被覆して前記管状部材(2)を形成する際に、前記管状の弾性絶縁体(51)を周方向に回転させながら押出被覆することにより、前記複数本の電極線(3)を長手方向に沿って螺旋状に配置する感圧センサ(1)の製造方法。
【0038】
[3]前記管状の弾性絶縁体(51)は、口金(8)の内周面に刻まれた、押出方向に対して斜めとなる溝(9)に沿って流動されることにより、周方向に回転させながら押出被覆される
請求項2に記載の感圧センサ(1)の製造方法。
【0039】
[4]前記管状の弾性絶縁体(51)は、心金(10)の外周面に刻まれた、押出方向に対して斜めとなる溝(9)に沿って流動されることにより、周方向に回転させながら押出被覆される
請求項2または3に記載の感圧センサの製造方法。
【0040】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 感圧センサ
2 管状部材
3 電極線
4 金属線
5 弾性導電体
6 空間
7 螺旋リブ
8 口金
9 溝
10、53 心金
11 管状部材外層