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特許7037894複数のステーションにおけるウエハの反りの制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-09
(45)【発行日】2022-03-17
(54)【発明の名称】複数のステーションにおけるウエハの反りの制御
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220310BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220310BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/31 C
H05H1/46 M
C23C16/505
【請求項の数】 40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017137687
(22)【出願日】2017-07-14
(65)【公開番号】P2018022685
(43)【公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】62/366,515
(32)【優先日】2016-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/640,053
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドワード・アウグスティニャック
(72)【発明者】
【氏名】デビッド・フレンチ
(72)【発明者】
【氏名】スニル・カプーア
(72)【発明者】
【氏名】崎山 幸紀
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・トーマス
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-515761(JP,A)
【文献】特表2014-505362(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0306367(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するための電力分配器であって、
低周波数インピーダンス整合回路網に結合されるように構成され、複数の低周波数無線周波数(RF)信号を提供するように構成された低周波数回路であって、複数の高周波数ブロック回路を含み、前記複数の高周波数ブロック回路は、それぞれ、コンデンサに並列に結合されたインダクタを含む低周波数回路と、
高周波数インピーダンス整合回路網に結合されるように構成され、複数の高周波数RF信号を提供するように構成された高周波数回路であって、前記低周波数回路に結合された高周波数回路と、
前記高周波数回路に結合された出力回路であって、前記複数のプラズマ処理ステーションに結合されるように構成され、前記複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合RF信号を提供するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された出力回路と、
複数の分流インダクタであって、それぞれ、一端において接地接続に、及び反対の端において前記複数の高周波数ブロック回路のうちの対応する1つに結合されて、前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの対応する1つへの電流の量を制御し、それぞれ、複数のコンデンサのうちの対応する1つに並列に結合される複数の分流インダクタと、
を備える電力分配器。
【請求項2】
請求項1に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタのうちの1つは、前記低周波数回路の入力と、前記出力回路の出力を前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの前記対応する1つに結合する同軸ケーブルの一端と、の間に結合される、電力分配器。
【請求項3】
複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するための電力分配器であって、
低周波数インピーダンス整合回路網に結合されるように構成され、複数の低周波数無線周波数(RF)信号を提供するように構成された低周波数回路であって、複数の直流(DC)ブロックコンデンサを含む低周波数回路と、
高周波数インピーダンス整合回路網に結合されるように構成され、複数の高周波数RF信号を提供するように構成された高周波数回路であって、前記低周波数回路に結合された高周波数回路と、
前記高周波数回路に結合された出力回路であって、前記複数のプラズマ処理ステーションに結合されるように構成され、前記複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合RF信号を提供するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された出力回路と、
複数の分流インダクタであって、それぞれ、前記低周波数回路の入力と前記低周波数回路の前記複数のDCブロックコンデンサのうちの対応する1つとの間の地点に結合される複数の分流インダクタと、
を備える電力分配器。
【請求項4】
複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するための電力分配器であって、
低周波数インピーダンス整合回路網に結合されるように構成され、複数の低周波数無線周波数(RF)信号を提供するように構成された低周波数回路であって、複数の直流(DC)ブロックコンデンサ及び複数のインダクタを含む低周波数回路と、
高周波数インピーダンス整合回路網に結合されるように構成され、複数の高周波数RF信号を提供するように構成された高周波数回路であって、前記低周波数回路に結合される高周波数回路と、
前記高周波数回路に結合された出力回路であって、前記複数のプラズマ処理ステーションに結合されるように構成され、前記複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合RF信号を提供するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された出力回路と、
複数の分流インダクタであって、それぞれ、前記低周波数回路の前記複数のDCブロックコンデンサのうちの対応する1つと前記低周波数回路の前記複数のインダクタのうちの対応する1つとの間の地点に結合されて、前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの対応する1つへの電流の量を制御する複数の分流インダクタと、
を備える電力分配器。
【請求項5】
請求項1に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタのうちの1つは、前記複数の高周波数ブロック回路のうちの1つ及びスイッチを通じて前記出力回路の平衡化インダクタに結合される、電力分配器。
【請求項6】
請求項5に記載の電力分配器であって、
前記複数のコンデンサのうちの前記対応する1つは、一端において前記接地接続に、及び反対の端において前記複数の高周波数ブロック回路のうちの前記対応する1つに結合される、電力分配器。
【請求項7】
請求項1に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタは、それぞれ、可変インダクタ又は固定インダクタである、電力分配器。
【請求項8】
複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するためのシステムであって、
第1の周波数を有する第1のRF信号を生成するように構成された第1の無線周波数(RF)発生器と、
第2の周波数を有する第2のRF信号を生成するように構成された第2のRF発生器と、
前記第1のRF信号を受信するために前記第1のRF発生器に結合された第1の整合回路網であって、前記第1のRF発生器からの前記第1のRF信号の受信を受けて第1の修正RF信号を出力するように構成された第1の整合回路網と、
前記第2のRF信号を受信するために前記第2のRF発生器に結合された第2の整合回路網であって、前記第2のRF発生器からの前記第2のRF信号の受信を受けて第2の修正RF信号を出力するように構成された第2の整合回路網と、
前記第1の整合回路網の出力及び前記第2の整合回路網の出力に結合された電力分配器であって、前記複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合RF信号を提供するために、前記第1の修正RF信号と前記第2の修正RF信号とを組み合わせるように構成され、前記複数のプラズマ処理ステーションに結合された複数の出力を有し、
前記第1の整合回路網に結合され、複数の低周波数RF信号を提供するために前記第1の修正RF信号を受信するように構成された低周波数回路であって、複数の高周波数ブロック回路を含み、前記複数の高周波数ブロック回路は、それぞれ、コンデンサに並列に結合されたインダクタを含む低周波数回路と、
前記第2の整合回路網に及び前記低周波数回路に結合され、複数の高周波数RF信号を提供するために前記第2の修正RF信号を受信するように構成された高周波数回路と、
前記高周波数回路に及び前記複数のプラズマ処理ステーションに結合された出力回路であって、前記複数のプラズマ処理ステーションに前記複数の結合RF信号を提供するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された出力回路と、
複数の分流インダクタであって、それぞれ、一端において接地接続に、及び反対の端において前記複数の高周波数ブロック回路のうちの対応する1つに結合されて、前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの対応する1つへの電流の量を制御し、それぞれ、複数のコンデンサのうちの対応する1つに並列に結合される複数の分流インダクタと、
を含む電力分配器と、
を備えるシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、
前記複数の分流インダクタのうちの1つは、前記低周波数回路の入力と、前記出力回路の出力を前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの前記対応する1つに結合する同軸ケーブルの一端と、の間に結合される、システム。
【請求項10】
請求項8に記載のシステムであって、
前記複数の分流インダクタのうちの1つは、前記複数の高周波数ブロック回路のうちの1つ及びスイッチを通じて前記出力回路の平衡化インダクタに結合される、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記複数のコンデンサのうちの前記対応する1つは、一端において前記接地接続に、及び反対の端において前記複数の高周波数ブロック回路のうちの前記対応する1つに結合される、システム。
【請求項12】
請求項8に記載のシステムであって、
前記複数の分流インダクタは、それぞれ、可変インダクタ又は固定インダクタである、システム。
【請求項13】
請求項3に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタは、それぞれ、可変インダクタ又は固定インダクタである、電力分配器。
【請求項14】
請求項3に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタのうちの1つは、前記低周波数回路の入力と、前記出力回路の出力を前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの前記対応する1つに結合する同軸ケーブルの一端と、の間に結合される、電力分配器。
【請求項15】
請求項4に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタのうちの1つは、前記低周波数回路の入力と、前記出力回路の出力を前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの前記対応する1つに結合する同軸ケーブルの一端と、の間に結合される、電力分配器。
【請求項16】
請求項4に記載の電力分配器であって、
前記複数の分流インダクタは、それぞれ、可変インダクタ又は固定インダクタである、電力分配器。
【請求項17】
複数の無線周波数(RF)信号を分配する電力分配器であって、
低周波数修正RF信号を受信して複数の低周波数RF信号を出力するように構成された複数の低周波数経路と、
高周波数修正RF信号を受信して複数の高周波数RF信号を出力するように構成された複数の高周波数経路であって、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの対応する1つに結合される複数の高周波数経路と、
複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合信号を出力するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された複数の出力経路であって、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つ及び前記複数の高周波数経路のうちの対応する1つに結合される複数の出力経路と、
前記複数のプラズマ処理ステーションに提供される複数の電流の量を制御するように構成された複数の分流インダクタであって、それぞれ、前記低周波数経路のうちの前記対応する1つに結合される複数の分流インダクタと、
を備える電力分配器。
【請求項18】
請求項17に記載の電力分配器であって、
前記複数の低周波数経路は、それぞれ、第1のインダクタと、高周波数ブロック回路の第2のインダクタとを含み、
前記第1のインダクタは、地点において前記第2のインダクタに結合され、
前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの対応する1つの前記地点に、及び接地接続に結合される、電力分配器。
【請求項19】
請求項18に記載の電力分配器であって、
前記地点は、コンデンサに結合され、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの対応する1つの前記コンデンサに並列に結合される、電力分配器。
【請求項20】
請求項17に記載の電力分配器であって、
前記複数の低周波数経路は、それぞれ、コンデンサ、第1のインダクタ、第2のインダクタ、及び地点を含み、前記地点は、前記コンデンサと前記第1のインダクタとの間にあり、前記コンデンサは、前記第1のインダクタに結合され、前記第1のインダクタは、前記第2のインダクタに結合され、前記地点は、可変コンデンサに、及び前記複数の分流インダクタのうちの対応する1つに結合される、電力分配器。
【請求項21】
請求項17に記載の電力分配器であって、更に、
入力であって、前記複数の低周波数経路は、前記低周波数修正RF信号を受信するために前記入力に結合され、前記複数の低周波数経路は、それぞれ、コンデンサ、第1のインダクタ、及び第2のインダクタを含み、前記コンデンサは、前記第1のインダクタに結合され、前記第1のインダクタは、前記第2のインダクタに結合される入力と、
複数の地点であって、それぞれ、前記入力と前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つの前記コンデンサとの間にあり、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の地点のうちの対応する1つに結合される複数の地点と、
を備える電力分配器。
【請求項22】
請求項17に記載の電力分配器であって、
前記複数の低周波数経路は、それぞれ、コンデンサ、第1のインダクタ、及び第2のインダクタを含み、前記コンデンサは、前記第1のインダクタに結合され、前記第1のインダクタは、前記第2のインダクタに結合される、電力分配器。
【請求項23】
請求項22に記載の電力分配器であって、
前記複数の高周波数経路は、それぞれ、コンデンサを含む、電力分配器。
【請求項24】
請求項23に記載の電力分配器であって、
前記複数の高周波数経路のそれぞれの前記コンデンサは、前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つの前記第2のインダクタに結合される、電力分配器。
【請求項25】
請求項17に記載の電力分配器であって、
前記低周波数修正RF信号は、低周波数整合回路網から受信され、前記高周波数修正RF信号は、高周波数整合回路網から受信される、電力分配器。
【請求項26】
請求項17に記載の電力分配器であって、
前記複数の出力経路は、インダクタ又はダミー負荷に結合されるように構成されたスイッチを含む、電力分配器。
【請求項27】
複数の無線周波数(RF)信号を分配する電力分配器であって、
低周波数修正RF信号を受信して複数の低周波数RF信号を出力するように構成された複数の低周波数経路と、
高周波数修正RF信号を受信して複数の高周波数RF信号を出力するように構成された複数の高周波数経路であって、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの対応する1つに結合される複数の高周波数経路と、
複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合信号を出力するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された複数の出力経路であって、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つに、及び前記複数の高周波数経路のうちの対応する1つに結合される複数の出力経路と、
前記複数のプラズマ処理ステーションに提供される複数の電流の量を制御するように構成された複数の分流インダクタであって、それぞれ、前記複数の出力経路のうちの対応する1つに結合される複数の分流インダクタと、
を備える電力分配器。
【請求項28】
請求項27に記載の電力分配器であって、
前記複数の出力経路は、それぞれ、スイッチ、インダクタ、及び前記インダクタと前記スイッチとの間の地点を含み、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の出力経路のうちの対応する1つの前記地点に結合される、電力分配器。
【請求項29】
請求項27に記載の電力分配器であって、
前記複数の出力経路は、それぞれ、スイッチ、インダクタ、及び前記複数のプラズマ処理ステーションに結合されるように構成された複数の出力を含み、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の出力経路のうちの前記対応する1つの前記インダクタと前記複数の出力のうちの対応する1つとの間の地点に結合される、電力分配器。
【請求項30】
請求項27に記載の電力分配器であって、
前記複数の低周波数経路は、それぞれ、コンデンサ、第1のインダクタ、及び第2のインダクタを含み、前記コンデンサは、前記第1のインダクタに結合され、前記第1のインダクタは、前記第2のインダクタに結合される、電力分配器。
【請求項31】
請求項30に記載の電力分配器であって、
前記複数の高周波数経路は、それぞれ、コンデンサを含む、電力分配器。
【請求項32】
請求項31に記載の電力分配器であって、
前記複数の高周波数経路のそれぞれの前記コンデンサは、前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つの前記第2のインダクタに結合される、電力分配器。
【請求項33】
請求項27に記載の電力分配器であって、
前記低周波数修正RF信号は、低周波数整合回路網から受信され、前記高周波数修正RF信号は、高周波数整合回路網から受信される、電力分配器。
【請求項34】
請求項27に記載の電力分配器であって、
前記複数の出力経路は、インダクタ又はダミー負荷に結合されるように構成されたスイッチを含む、電力分配器。
【請求項35】
複数の無線周波数(RF)信号を分配する電力分配器であって、
低周波数修正RF信号を受信して複数の低周波数RF信号を出力するように構成された複数の低周波数経路と、
高周波数修正RF信号を受信して複数の高周波数RF信号を出力するように構成された複数の高周波数経路であって、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの対応する1つに結合される複数の高周波数経路と、
複数のプラズマ処理ステーションに複数の結合信号を出力するために、前記複数の低周波数RF信号と前記複数の高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された複数の出力経路であって、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つに、及び前記複数の高周波数経路のうちの対応する1つに結合され、複数の出力を有する複数の出力経路と、
複数の分流インダクタであって、それぞれ、前記複数の低周波数経路の入力と前記複数の出力経路の前記複数の出力うちの対応する1つとの間に結合されて、前記複数のプラズマ処理ステーションのうちの対応する1つに提供される電流の量を制御する複数の分流インダクタと、
を備える電力分配器。
【請求項36】
請求項35に記載の電力分配器であって、
前記複数の低周波数経路は、それぞれ、第1のインダクタと、高周波数ブロック回路の第2のインダクタとを含み、
前記第1のインダクタは、地点において前記高周波数ブロック回路の前記第2のインダクタに結合され、
前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の低周波数経路のうちの対応する1つの前記地点に、及び接地接続に結合される、電力分配器。
【請求項37】
請求項35に記載の電力分配器であって、
前記複数の低周波数経路は、それぞれ、コンデンサ、第1のインダクタ、第2のインダクタ、及び地点を含み、前記地点は、前記コンデンサと前記第1のインダクタとの間にあり、前記コンデンサは、前記第1のインダクタに結合され、前記第1のインダクタは、前記第2のインダクタに結合され、前記地点は、可変コンデンサに、及び前記複数の分流インダクタのうちの対応する1つに結合される、電力分配器。
【請求項38】
請求項35に記載の電力分配器であって、さらに、
入力であって、前記複数の低周波数経路は、前記低周波数修正RF信号を受信するために前記入力に結合され、前記複数の低周波数経路は、それぞれ、コンデンサ、第1のインダクタ、及び第2のインダクタを含み、前記コンデンサは、前記第1のインダクタに結合され、前記第1のインダクタは、前記第2のインダクタに結合される入力と、
複数の地点であって、それぞれ、前記入力と前記複数の低周波数経路のうちの前記対応する1つの前記コンデンサとの間にあり、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の地点の対応する1つに結合される複数の地点と、
を備える電力分配器。
【請求項39】
請求項35に記載の電力分配器であって、
前記複数の出力経路は、それぞれ、スイッチ、インダクタ、及び前記インダクタと前記スイッチとの間の地点を含み、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の出力経路のうちの対応する1つの前記地点に結合される、電力分配器。
【請求項40】
請求項35に記載の電力分配器であって、
前記複数の出力経路は、それぞれ、スイッチ及びインダクタを含み、前記複数の分流インダクタは、それぞれ、前記複数の出力経路のうちの前記対応する1つの前記インダクタと前記複数の出力経路の前記複数の出力のうちの前記対応する1つとの間の地点に結合される、電力分配器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、複数のプラズマ処理ステーションにおいてウエハの反りを制御するための、及び複数のステーションにおいてRF電力を安定化させるための、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、例えばシリコンウエハなどのウエハに対する動作を処理するために、プロセスリアクタが使用される。これらのウエハは、集積回路を上に形成するために、様々なリアクタ内において多数回にわたって処理されるのが通常である。これらのプロセス動作の一部は、例えば、ウエハ上の選択された表面又は層の上に材料を堆積させることをともなう。このようなリアクタの1つが、プラズマ支援式の化学気相成長(PECVD)リアクタである。
【0003】
例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、酸炭化シリコン(オキシカーバイド)(SiOC)などの絶縁膜を堆積させるために、PECVDリアクタが使用されてよい。このような材料膜は、アルミニウム(Al)合金を含んでいてよい。堆積を可能にするプラズマを発生させるために無線周波数(RF)電力が供給されている間に、堆積されている膜のタイプに応じて特定の反応ガスがPECVDリアクタ内へ運ばれる。RF電力は、RF発生器によって生成され、整合ボックスを通じてPECVDリアクタの電極に提供される。
【0004】
更に、PECVDリアクタ内では、ウエハ上に堆積される層の枚数の増加にともなって、そのエッジにおけるウエハの反りが増す。ウエハの反りは、ウエハへの電力の印加を妨げるキャパシタンスを形成する。
【0005】
本開示で説明される実施形態が想起されるのは、このような状況においてである。
【発明の概要】
【0006】
本開示の実施形態は、複数のプラズマ処理ステーションにおいてウエハの反りを制御するためのシステム及び方法を提供する。これらの実施形態は、例えば、プロセス、装置、システム、デバイス、又はコンピュータ読み取り可能媒体上のメソッドなどの、数々の形態で実現できることがわかる。幾つかの実施形態が、以下で説明される。
【0007】
様々な実施形態では、真空環境を共有している複数の基板ステーションへの複数の非50オームソース信号を分割するシステムと方法とであって、特定の基板ステーションに電力を転送させる及び特定の基板ステーションにおいてプラズマを着火させる、有効にする、又は制御する選択性をともなうシステムと方法とが提供される。これは、事前に選択された特定の基板ステーションにおけるプラズマ処理、及び容量結合プラズマシステム環境において能動調整可能素子を使用してステーション間のプロセス可変性を制御するための無線周波数(RF)in-situ平衡化を含む。
【0008】
一部の実施形態では、同軸タイプの及び非同軸タイプの出力が、様々なインピーダンス範囲及び電力レベルで基板ステーションに提供される。
【0009】
様々な実施形態では、多工程プロセス中に基板ステーションにおける多様なインピーダンス変換に適応するために、適切な調整範囲をともなう複数周波数対応の結合・分配器が提供される。結合・分配器は、インピーダンス範囲及び電力レベルが様々な複数の非50オーム電力信号を、能動調整整合回路網出力から入力として受信する。更に、電力を必要としていない基板ステーションに対しては、結合・分配器内における例えば真空リレーをベースにしたスイッチなどのスイッチが、ダミーインピーダンスに電力を転送させる。結合・分配器は、複数周波数の信号を各基板ステーションに導入する。また、結合・分配器は、各基板ステーションへの複数周波数の信号を変化させる。結合・分配器は、周波数を互いに分離するための、及び結合・分配器の入力へのフィードバックを最小限に抑えるための、例えば直流(DC)ブロックコンデンサやインダクタなどのフィルタを含む。
【0010】
一部の実施形態では、結合・分配器は、RF電力にともなうプラズマシースキャパシタンスの変化を管理するための、並びにプラズマ着火中における共振周波数シフト、及びその他のプロセスレシピ遷移も制御するための平衡化インダクタを、その各出力に含む。
【0011】
様々な実施形態では、能動RFプロセス中に各基板ステーションに合わせて結合・分配器の例えばコンデンサなどの調整素子の位置を変化させてインピーダンス変換を提供するために、例えばプローブ制御・システム制御部などの自動化制御部が提供される。
【0012】
一部の実施形態では、様々なインピーダンス変換での複数層プロセスの実行を可能にするために、プラズマプロセス中に例えば真空コンデンサなどの可変コンデンサを移動させる及び制御するための方法が提供される。調整素子における能動変化の自動化制御は、RF信号の振幅及び位相を制御することによる能動補償に有用である。
【0013】
様々な実施形態では、結合・分配器は、遠く離れた場所に取り付けられ、結合・分配器の出力は、基板ステーションの電極入力と同軸にされる。
【0014】
幾つかの実施形態では、プローブ制御・システム制御部を監視するために、及びプローブ制御・システム制御部にフィードバックを提供するために、例えば複合電圧・電流プローブなどのパラメータプローブが、各基板ステーションに接続される。プローブ制御・システム制御部は、電力制御のための閉ループシステムを実行させるためのメカニズムを使用する。
【0015】
一部の実施形態では、結合・分配器は、RF電力をオフにすることなく多層プロセスを処理することを可能にする。
【0016】
様々な実施形態では、結合・分配器は、ステーション間における整合又は各基板ステーションにおける所望のプロセス結果を向上するために、各基板ステーションへのRF信号レベルを能動的に変化させることを可能にする。
【0017】
幾つかの実施形態では、調整素子における変化の自動化制御は、RF信号の振幅及び位相を制御することによる能動補償に有用である。
【0018】
一部の実施形態では、例えば容量結合放電(CCP)リアクタなどのマルチステーションリアクタが、(周波数ごとに)1つのRF源を使用する。RF電力は、電力分配回路によって、複数のステーション間で分割される。電力分配回路は、例えばコンデンサやインダクタなどの、受動電気コンポーネントで構築される。平衡化された電力分割は、同じRF源から通電された各ステーションが総有能電力のN分の1を得たときに実現される。
【0019】
垂直統合型メモリ(VIM)技術は、幾十枚もの酸化物及び窒化物の(又は酸化物及びポリシリコンの)層をシリコン基板上に堆積させる。例を挙げると、複数層からなる膜を堆積させるために、CCPリアクタが使用される。個々の層は、数百オングストロームほどの薄さであるが、このような層の積層体の厚さ合計は、数ミクロンを超える。例えば、場合によっては、堆積積層体を構成する層の枚数が百を超え、厚さ合計が数ミクロン程度になることがある。積層体堆積は、1つのステーションにおいて、酸化物化学物質に窒化物化学物質を差し挟む、又は酸化物にポリシリコンを差し挟むことによって行われる。薄膜は、それらに固有の応力によって特徴付けられる。積層体の有効応力が、例えばゼロのような中立に近くないときは、それらの層によって、シリコン基板に歪みがかかる。シリコン基板にかかる歪みは、ウエハの形状を変化させ、結果としてウエハを反らせる。例えば、シリコン基板の表面が、平らな状態から湾曲した状態に変化する。反ったウエハの定義は、基板の平坦性に対するプロセス選択性によって異なるが、通常は、例えば平坦性からの逸脱などの反りが所定の閾値を超えるウエハを指す。サポート上に置かれたときに凹状になる反ったウエハは、正の反りを有し、それらの膜応力は、伸張性であると呼ばれる。サポート上に置かれたときに凸状になる反ったウエハは、負の反りを有し、それらの膜応力は、圧縮性であると呼ばれる。多くの処理動作のパフォーマンスは、表面の平坦性に依存するので、ウエハの反りが高いことは、望ましくない。ウエハの反りは、膜の堆積に使用される放電のインピーダンスに悪影響を及ぼす。
【0020】
反りは、膜応力及び膜厚さの関数であり、膜応力及び膜厚さは、多くのプロセスパラメータに依存する。膜応力に影響する一要素が、プラズマ処理中に膜表面に衝突するエネルギイオン束である。高いエネルギイオン束は、膜を高密度化して圧縮性にする傾向がある。もし、例えばプラズマ密度が低い、ガス組成が異なる、又は圧力などが原因で、イオン衝撃が弱いと、膜応力は伸張性になる。大半のVIMプロセスは、基板の平坦性を維持するために、積層体堆積中のいかなる瞬間も有効膜応力が例えばゼロに近いなどおおよそ中立にとどまるようなやり方で、最適化される。平坦化からの大きな逸脱は、理想のプロセス条件からの逸脱が原因で、又は基板の反りをもたらした先行する処理工程後に例えばPECVDチャンバなどの堆積ツールにウエハが進入することが原因で起きる。
【0021】
CCPでは、シリコンウエハは、平行平板リアクタ内の電極の1つとして機能する。反ったウエハは、例えば台座や基板ホルダなどの実際の電極と、シリコンとの間に隙間を形成する。このような隙間は、RFシステムによって、プラズマインピーダンスに直列な高インピーダンスとして認識される。その結果、ウエハの反りは、プロセスに利用可能なRF電力を制限する。具体的には、二重周波数放電におけるイオン衝撃の強さは、ウエハの下の隙間に影響されやすい。プラズマパラメータをより良く制御するために、例えば13.56MHzと400kHzとの組み合わせなどの二重周波数励起が使用される。例えば13.56MHzなどの高周波数(HF)は、それが高プラズマ密度を形成するために使用されるという意味で、プラズマ密度に影響を及ぼし、例えば1MHzなどの低周波数(LF)は、シリコン基板の表面に衝突したイオンのイオンエネルギを増加させることによってウエハ表面へのイオンを加速させるために使用される。ウエハの反りは、膜応力に依存し、膜応力は、膜に衝突するイオンのイオンエネルギ及びイオン束に依存する。
【0022】
LF励起は、インピーダンスの式:Z=1/ωCからわかるように、容量インピーダンスに影響されやすい。反ったウエハは、シリコンの下に、例えばナノファラッド(nF)領域などのコンデンサを形成する。追加のインピーダンスは、HF電力よりもLF電力の配送に影響する。したがって、HF/LF電力比率が異なると、それが原因で放電特性が変化する。
【0023】
正に反ったウエハは、例えば、ウエハの反りがLFインピーダンスを増加させ、少ないLF電力がプロセスを促し、膜が伸張性を更に増し、ひいてはウエハの反りを増加させるなどの、悪循環を引き起こす。
【0024】
例えば電流・電圧(VI)プローブなどのRFセンサによって、ステーション電力が測定される。層の枚数が例えばON積層体内における50枚など幾らかの枚数を超えると、ステーション電力がずれを生じ始めることが観察された。過剰に反ったウエハをともなう一部のステーションでは、電力が、例えば10%もの高さなどのP百分率で減少する。その他のステーションでは、全てのステーションが共通の電力源から供給を受けるという事実ゆえに、電力が増加している。このように、各ステーションのインピーダンスに基づいて、ステーション間で電力が分かれる。各ステーションのインピーダンスは、そのステーションで処理されているウエハの反りに依存する。
【0025】
一部の実施形態では、本書で説明される結合・分配器が、1つ以上の共通のRF源を共有する複数のステーションに電力を加える。結合・分配器は、ステーションに送られるLF電力を安定化させるために使用される。結合・分配器を複数の分流インダクタによって変更することによって、電力の配送がウエハの反りに影響されなくなる。
【0026】
様々な実施形態では、結合・分配器内に分流インダクタが実装される。分流インダクタによって、LF電力の安定性が実現される。例えば、反ったウエハは、2つのCCP電極間における等価な直列放電リアクタンスを増加させ、主要プロセスに並行して起きる寄生放電は、結果としてステーション全体のインピーダンスの抵抗Rを小さくする。別の例として、ステーションに配送される電力Pは、Iがステーション電流であり尚且つRがステーション抵抗であるときに、P=I2Rで表せるので、抵抗Rの低下は、電力Pの低下をもたらす。尚も別の例として、電力方程式の微分は、ΔP=I2ΔR+2IRΔIを生じる。ここで、ΔPは配送電力の変化であり、ΔRは抵抗の変化であり、ΔIは電流の変化である。例えばΔRが負であるなどの抵抗Rの減少は、ステーションに配送される電力を減少させる。この効果は、例えばΔIが正であるなどの電流の増加によって、例えば相殺されるなど低減される。電流の増加は、分流インダクタのインダクタンスを制御することによって実現される。電流の増加は、電力Pの降下ΔPを低減する。例えば、降下ΔPは、ゼロから所定の範囲内である又はゼロであるなど大幅に低くなるように低減される。別の例として、ΔI/I=-ΔR/2Rであるときに、ΔP=0である。
【0027】
一実施形態では、複数のステーションにおいてウエハの反りを制御するためのシステムが説明される。システムは、低周波数インピーダンス整合回路網に結合された低周波数回路を含む。低周波数回路は、低周波数RF信号を提供する。システムは、高周波数インピーダンス整合回路網に結合された高周波数回路を含む。高周波数回路は、高周波数RF信号を提供する。高周波数回路は、低周波数回路に結合される。システムは、高周波数回路及び複数のプラズマ処理ステーションに結合された出力回路を含む。出力回路は、プラズマ処理ステーションに提供するための複数の結合RF信号を生成するために、低周波数RF信号と高周波数RF信号とを組み合わせる。プラズマ処理ステーションの1つへの電流の量を増加させるために、そのステーションに並列に、分流インダクタが結合される。
【0028】
一実施形態では、複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するためのシステムが説明される。システムは、第1の周波数を有する第1のRF信号を生成する第1のRF発生器を含む。システムは、更に、第2の周波数を有する第2のRF信号を生成する第2のRF発生器を含む。システムは、第1のRF信号を受信するために第1のRF発生器に結合された第1の整合回路網を含む。第1のインピーダンス整合回路網は、第1のRF発生器からの第1のRF信号の受信を受けて、第1の修正RF信号を出力する。システムは、また、第2のRF信号を受信するために第2のRF発生器に結合された第2の整合回路網を含む。第2の整合回路網は、第2のRF発生器からの第2のRF信号の受信を受けて、第2の修正RF信号を出力する。システムは、第1の整合回路網の出力及び第2の整合回路網の出力に結合された電力分配器を含む。電力分配器は、複数のプラズマ処理ステーションに結合RF信号を提供するために、第1の修正RF信号と第2の修正RF信号とを組み合わせる。電力分配器は、プラズマ処理ステーションに結合された複数の出力を有する。電力分配器は、第1の整合回路網に結合された低周波数回路を含む。低周波数回路は、低周波数RF信号を提供する。電力分配器は、更に、第2の整合回路網に及び低周波数回路に結合された高周波数回路を含む。高周波数回路は、高周波数RF信号を提供する。電力分配器は、高周波数回路に及び複数のプラズマ処理ステーションに結合された出力回路を含む。出力回路は、プラズマ処理ステーションに提供するための結合RF信号を生成するために、低周波数RF信号と高周波数RF信号とを組み合わせる。プラズマ処理ステーションの1つへの電流の量を増加させるために、そのステーションに並列に、分流インダクタが結合される。
【0029】
一実施形態では、ウエハの反りを低減するための方法が説明される。方法は、低周波数インピーダンス整合回路網に結合された低周波数回路によって、低周波数RF信号を提供することを含む。方法は、更に、高周波数インピーダンス整合回路網に結合された高周波数回路によって、高周波数RF信号を提供することを含む。方法は、複数のプラズマ処理ステーションに提供するための複数の結合RF信号を生成するために、低周波数RF信号と高周波数RF信号とを組み合わせることを含む。方法は、低周波数回路の分流インダクタによって、ウエハの反りを低減することを含む。ウエハの反りは、プラズマ処理ステーションの1つへの電流の量を増加させるためにそのステーションに分流インダクタが並列に結合されたときに、低減される。
【0030】
結合・分配器の幾つかの利点として、複数周波数のRF信号を生成しそれらの信号から基板ステーションの1つ以上に電力を提供するRF発生器をオフに切り替える必要なくそれらの基板ステーションへのプラズマ処理をオフに切り替えることが挙げられる。プラズマ処理のオフ切り替えは、複数周波数のRF信号を、基板ステーションの1つ以上に対応する1つ以上のダミー負荷に結合することによって実現される。
【0031】
結合・分配器のその他の利点として、結合・分配器の出力におけるパラメータの値を制御し多様なプラズマプロセスを実施するために、調整素子を制御することが挙げられる。調整素子は、結合・分配器の出力から受信されたフィードバックに基づいて制御される。
【0032】
結合・分配器の尚も他の利点として、プラズマチャンバ内でプラズマによって生成される、例えばウエハDCバイアスに関係付けられた電力などのDC電力をブロックすることが挙げられる。
【0033】
結合・分配器の更なる利点として、一部の実施形態において、周波数ごとのRF源がプラズマ処理ステーションを駆動することが挙げられる。更に、様々な実施形態では、全てのプラズマ処理ステーションが、同相で駆動される。更に、一部の実施形態では、プラズマ処理ステーションへの高周波数電力及び低周波数電力のオフ又はオンへの切り替えが、オン又はオフへの切り替えのための同期化を実現するのと同時になされる。例えば、プラズマが発生していないステーションに多くの電流を流れさせそれによってプラズマの着火を促す電流の平衡化ゆえに、全てのプラズマ処理ステーションで同時にプラズマが着火される。
【0034】
本書で説明されるシステム及び方法の更なる利点として、結合・分配器に1つ以上の分流インダクタを使用して1枚以上のウエハの反りを低減することが挙げられる。ウエハの反りは、1つ以上のステーションに供給されている電流の量を増加させるために1つ以上の分流インダクタのインダクタンスを制御することによって低減される。電流の量の増加は、1つ以上のステーションにおいてプラズマプロセスにおけるウエハの反りを減少させる。
【0035】
添付の図面に関連付けられた以下の詳細な説明から、その他の態様が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
実施形態は、添付の図面に関連付けられた以下の説明を参照することによって、最も良く理解されるだろう。
【0037】
図1】ウエハを処理するために使用される基板処理システムを示した図である。
【0038】
図2】4つの処理ステーションが提供されたマルチステーション型処理ツールの上面図である。
【0039】
図3】入室ロードロックと退室ロードロックとを備えたマルチステーション型処理ツールの一実施形態の説明図である。
【0040】
図4】ステーションへの無線周波数(RF)電力の結合及び分配における結合・分配器の使用を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0041】
図5】結合・分配器の一実施形態の回路図を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0042】
図6】プローブ制御・システム制御部による結合・分配器の調整素子の制御を説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0043】
図7】結合・分配器の出力におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内であるような、それらの出力におけるパラメータの値と、結合・分配器の調整素子の変数の値との間の対応関係の一例であるテーブルリストを説明するための、一実施形態の図である。
【0044】
図8A】4つの処理ステーションのそれぞれに分流インダクタを使用することによってウエハの反りを制御することを説明するための、システムの一実施形態の回路図である。
【0045】
図8B】ステーションに配送される電力の変化が実質的に無視できるように分流インダクタを制御することを説明するための、システムの一実施形態の図である。
【0046】
図9A】調整回路及びインダクタを含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路及びコンデンサを含む別の低周波数回路部分との間に分流インダクタが結合されることを説明するための、電力結合・分配器の低周波数回路の一実施形態の図である。
【0047】
図9B】高周波数ブロック回路と、処理ステーションの1つとの間に分流インダクタが結合されることを説明するための、電力結合・分配器の低周波数回路の一実施形態の図である。
【0048】
図9C】低周波数回路の入力と、低周波数回路の調整回路及びインダクタを含む低周波数回路部分との間に分流インダクタが結合されることを説明するための、電力結合・分配器の低周波数回路の一実施形態の図である。
【0049】
図10】分流インダクタが使用されていないときと、分流インダクタが使用されているときとのウエハの反りの比較を説明した図である。
【0050】
図11】4つの処理ステーションに配送される低周波数電力の変化に分流インダクタが及ぼす効果を説明するための図である。
【0051】
図12図12A及び図12Bは、処理ステーションに配送される電力の低減に分流インダクタの使用が及ぼす効果を説明するための、フローチャートの一実施形態の図である。
【0052】
図13図13Aは、処理ステーションの1つに配送される電力が、その処理ステーションで処理されているウエハ上に堆積される層の枚数の増加にともなって減少することを説明するための、グラフの一実施形態の図である。
【0053】
図13Bは、処理ステーションの1つに配送される電力の、その処理ステーションで処理されているウエハ上に堆積される層の枚数の増加にともなう減少が、図13Aで説明されたよりも少ないことを説明するための、グラフの一実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下の実施形態は、複数のプラズマ処理ステーションにおいてウエハの反りが増加しないようにウエハの反りを制御するための、システム及び方法を説明する。本実施形態は、これらの具体的詳細の一部又は全部をともなわずとも実施されえることが明らかである。また、本実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作の詳細は説明されていない。
【0055】
膜の堆積は、好ましくは、プラズマ支援式化学気相成長(PECVD)システムで実施される。PECVDシステムは、多くの異なる形態をとりえる。PECVDシステムは、1枚以上のウエハを収容する、ウエハ処理に適した1つ以上のプラズマチャンバ又は「リアクタ」(複数のステーションを含むこともある)を含む。各プラズマチャンバは、1枚以上のウエハを、処理のために収容する。1つ以上のプラズマチャンバは、ウエハを、定められた1つ以上のポジションに、そのポジションでの例えば回転、振動、又はその他の攪拌などの運動をともなって又はともなわずに維持する。堆積を施されているウエハは、プロセス中に、チャンバ内で1つのステーションから別のステーションに移送される。膜の堆積は、全て1つのステーションで起きる、又は膜のいずれかの部分が、任意の数のステーションで堆積される。プロセス中、各ウエハは、例えばウエハチャックなどの台座、及び/又はプラズマチャンバのその他のウエハ保持装置によって、適所に保持される。
【0056】
図1は、ウエハ101を処理するために使用されるPECVDシステムの一例である基板処理システム100を示している。基板処理システム100は、下部チャンバ部分102bと上部チャンバ部分102aとを有するプラズマチャンバ102を含む。中心の柱が、台座140を支持するように構成され、台座140は、一実施形態では、通電される下部電極を含む。台座140は、結合・分配器121に電気的に結合され、結合・分配器121は、更に、複数の整合回路網106に結合される。複数の整合回路網106は、複数の無線周波数(RF)発生器104に結合される。RF発生器104は、例えばコントローラなどのプローブ制御・システム制御部110によって制御される。コントローラの例として、プロセッサ及びメモリデバイスが挙げられる。プロセッサは、例えば、特殊用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、中央演算処理装置(CPU)、又はマイクロプロセッサなどである。メモリデバイスの例には、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ストレージディスクの冗長アレイ、ハードディスク、フラッシュメモリなどがある。プローブ制御・システム制御部110は、プロセス入力・制御部108を実行することによって基板処理システム100を動作させる。プロセス入力・制御部108は、電力レベル、タイミングパラメータ、プロセスガス、ウエハ101の機械的動きなどの、ウエハ101の上に膜を堆積させる又は形成するためのプロセスレシピを含む。
【0057】
中心の柱は、リフトピン120を含むことも示されており、これらのピンは、リフトピン制御部122によって制御される。リフトピン120は、ウエハ101を台座140から上昇させて、エンドエフェクタがウエハ101を拾い上げることを可能にするために、及びウエハ101を、エンドエフェクタによって置かれた後に下降させるために使用される。基板処理システム100は、更に、例えば施設などから供給されるガス化学剤などのプロセスガス114に接続されたガス供給マニホールド112を含む。実施されている処理に応じて、プローブ制御・システム制御部110は、ガス供給マニホールド112を通じてプロセスガス114の配送を制御する。選ばれたガスは、次いで、シャワーヘッド150に流し込まれ、ウエハ101に面しているシャワーヘッド150の面と台座140との間に画定された例えば隙間などの空間体積内に分布される。
【0058】
更に、一部の実施形態では、プロセスガス114は、事前に混合されてよい、又は事前に混合されなくてよい。プロセスの堆積段階中及びプラズマ処理段階中に正しいプロセスガスが配送されることを保証するために、適切な弁・質量流量制御メカニズムが用いられる。プロセスガス114は、出口を通じてプラズマチャンバ102から出る。絞り弁又は振り子弁などの閉ループ制御式の流量制限機器によって、例えば1段階若しくは2段階以上の機械式ドライポンプやターボ分子ポンプなどの真空ポンプが、プロセスガスを引き出して、プラズマチャンバ102内を適度に低い圧力に維持する。
【0059】
図には、台座140の外側領域を取り巻くキャリアリング151も示されている。キャリアリング151は、台座140の中央におけるウエハ支持領域から一段下がったキャリアリング支持領域の上に着座する。キャリアリング151は、例えば外半径などの、その円盤構造の外縁側と、ウエハ101が着座するところに最も近い例えば内半径などの、その円盤構造のウエハ縁側とを含む。キャリアリング151のウエハ縁側は、キャリアリング151が複数のスパイダフォーク180によって持ち上げられるときにウエハ101を持ち上げる複数の接触支持構造を含む。キャリアリング151は、したがって、ウエハ101とともに持ち上げられ、例えばマルチステーションシステム内などで別のステーションへ回転される。
【0060】
一実施形態では、RF発生器104から台座140内の下部電極にRF電力が供給されるときに、シャワーヘッド150内の上部電極が接地される。
【0061】
一実施形態では、台座140が、整合回路網106を通じてRF発生器104に電気的に結合される代わりに、シャワーヘッド150内の上部電極が、RF発生器104から電力を受信するために複数の整合回路網を通じてRF発生器104に結合され、台座140内の下部電極は、接地される。
【0062】
一部の実施形態では、RF発生器104は、様々な周波数のRF信号を生成する。例えば、RF発生器104のうちの1つは、低周波数のRF信号を生成し、RF発生器104のうちの別の1つは、低周波数よりも高い高周波数を有するRF信号を生成する。
【0063】
図2は、ステーション1、ステーション2、ステーション3、及びステーション4の4つの処理ステーションが提供されたマルチステーション型処理ツールの上面図を示している。4つのステーションは、スパイダフォーク180によってアクセスされる。一実施形態では、ステーションどうしを隔離するための、隔離壁又はその他のメカニズムが存在しない。各スパイダフォーク180は、第1の及び第2のアームを含み、各アームは、台座140の各側の一部を取り囲むように位置決めさる。この図では、スパイダフォーク180は、それらがキャリアリング150の下方にあることを伝えるために、破線で描かれている。スパイダフォーク180は、係合・回転メカニズム220を使用して、キャリアリング151をステーション1~4から同時にキャリアリング151の下面から上昇させて持ち上げ、次いで、キャリアリング151を下降させる前に、2つ又は3つ以上のステーション1~4の間で回転される。回転中は、ウエハ101に対して更なるプラズマ処理、処置、及び/又は膜堆積が起きるように、キャリアリング151の少なくとも1つがウエハ101を支持して次の場所まで進める。
【0064】
図3は、入室ロードロック302及び退室ロードドック304を備えたマルチステーション型処理ツール300の一実施形態の説明図を示している。大気圧にあるロボット306が、例えばウエハ101などの基板を、ポッド308を通じて装入されたカセットから大気圧ポート310を通して入室ロードドック302内へ移動させる。入室ロードロック302は、大気圧ポート310が閉じられたときに入室ロードロック302がポンプによって排気されるように、真空源(不図示)に結合される。入室ロードロック302は、また、ステーション1~4のうちの1つとやり取りするチャンバ移送ポート316も含む。したがって、チャンバ移送ポート316が開かれると、別のロボット(不図示)が、ウエハ101を処理のために入室ロードロック302からステーション1の台座140に移動させる。
【0065】
一部の実施形態では、基板が真空の破壊及び/又は空気への暴露を受けることなくステーション1~4の間でキャリアリング151を使用して移送されるように、ステーション1~4を囲う囲いの中に低圧環境が維持される。ステーション1~4の各ステーションは、プロセスステーション基板ホルダと、プロセスガス配送ライン入口とを含む。
【0066】
スパイダフォーク180は、ステーション1~4の間で基板を移送する。スパイダフォーク180は、ウエハ101を回転させ、ステーション1~4のうちの1つからステーション1~4のうちの別の1つへのウエハ101の移送を可能にする。移送は、スパイダフォーク180がキャリアリング151をその外寄りの下面から持ち上げて、それによってウエハ101を持ち上げ、ウエハ101及びキャリアリング151を一緒に次のステーションへ回転させることを可能にすることによって起きる。一構成では、スパイダフォーク180は、処理中に高レベルの熱に耐えられるように、セラミック材料で作成される。
【0067】
様々な実施形態では、4つではなくその他の数のステーションが使用される。例えば、3つ、又は2つ、又は5つのプラズマ処理ステーションが、ウエハ101を処理するために使用される。
【0068】
図4は、ステーション1~4へのRF電力の結合及び分配における結合・分配器121の使用を説明するための、システム400の一実施形態の図である。システム400は、低周波数発生器402と、高周波数発生器404とを含む。高周波数発生器404の一例に、13メガヘルツ(MHz)又は27MHz又は60MHzの動作周波数を有するRF発生器がある。低周波数発生器402の一例に、2MHz又は400キロヘルツ(kHz)の動作周波数を有する発生器がある。
【0069】
システム400は、更に、低周波数整合回路網406と、高周波数整合回路網408とを含む。低周波数整合回路網406の入力は、同軸ケーブル410を通じて低周波数発生器402の出力に結合され、高周波数整合回路網408の入力は、別の同軸ケーブル412を通じて高周波数発生器404の出力に結合される。1つの整合回路網は、1つ以上のコンデンサ、1つ以上のインダクタ、及び/又は1つ以上の抵抗器を有する回路を含む。
【0070】
低周波数整合回路網406の出力は、同軸ケーブル414を通じて結合・分配器121に結合され、高周波数整合回路網438の出力は、結合・分配器121に結合される。例えば、高周波数整合回路網408の出力を結合・分配器121の入力に結合する同軸ケーブルがない。一部の実施形態では、同軸ケーブルが、高周波数整合回路網408の出力を結合・分配器121の入力に結合する。
【0071】
結合・分配器121の第1の出力OUT#1は、同軸ケーブル416Aを通じて、例えばステーション1のシャワーヘッド150又はステーション1の台座140などステーション1に結合される。更に、結合・分配器121の第2の出力OUT#2は、同軸ケーブル416Bを通じて、例えばステーション2のシャワーヘッド150又はステーション2の台座140などステーション2に結合される。結合・分配器121の第3の出力OUT#3は、同軸ケーブル416Cを通じて、例えばステーション3のシャワーヘッド150又はステーション3の台座140などステーション3に結合される。更に、結合・分配器121の第4の出力OUT#4は、同軸ケーブル416Dを通じて、例えばステーション4のシャワーヘッド150又はステーション4の台座140などステーション4に結合される。
【0072】
OUT#1には、パラメータプローブ408Aが結合され、OUT#2には、パラメータプローブ408Bが結合され、OUT#3には、パラメータプローブ408Cが結合され、OUT#4には、パラメータプローブ408Dが結合される。パラメータプローブ408A~408Dは、プローブ制御・システム制御部110に結合され、該制御部は、更に、結合・分配器121に結合される。パラメータプローブの例に、複合電圧・電流センサ、複合電圧センサ、複合電流センサ、インピーダンスセンサ、直流(DC)バイアス電圧センサ、複合電力プローブなどがある。
【0073】
低周波数発生器402は、例えば2MHz周波数や400kHz周波数などの周波数を有するRF信号を生成し、該RF信号を、同軸ケーブル410を通じて低周波数整合回路網406の入力に提供する。低周波数整合回路網406は、低周波数RF発生器402からのRF信号の受信を受けて修正RF信号を生成するために、低周波数整合回路網406の出力に結合された例えば同軸ケーブル414、結合・分配器121、同軸ケーブル416A~416D、及びステーション1~4などの負荷のインピーダンスを、低周波数整合回路網406の入力に結合された例えば同軸ケーブル410及び低周波数発生器402などのソースのインピーダンスに一致させる。
【0074】
同様に、高周波数発生器404は、例えば13MHz周波数、27MHz周波数、60MHz周波数などの周波数を有するRF信号を生成し、該RF信号を、同軸ケーブル412を通じて高周波数整合回路網408の入力に提供する。高周波数整合回路網408は、高周波数RF発生器404からのRF信号の受信を受けて修正RF信号を生成するために、高周波数整合回路網408の出力に結合された例えば結合・分配器121、同軸ケーブル416A~416D、及びステーション1~4などの負荷のインピーダンスを、高周波数整合回路網408の入力に結合された例えば同軸ケーブル412及び高周波数発生器404などのソースのインピーダンスに一致させる。
【0075】
結合・分配器121は、低周波数整合回路網406及び高周波数整合回路網408から修正RF信号を受信し、それらのRF信号を組み合わせて結合RF信号を生成する。結合RF信号のうちの1つは、OUT#1を通じてステーション1に送信され、結合RF信号のうちの別の1つは、OUT#2を通じてステーション2に送信され、結合RF信号のうちの更に別の1つは、OUT#3を通じてステーション3に送信され、結合RF信号のうちの尚も更に別の1つは、OUT#4を通じてステーション4に送信される。
【0076】
パラメータプローブ408Aは、OUT#1における例えば複合電圧及び複合電流、DCバイアス電圧、複合インピーダンス、複合電力などのパラメータの値を測定し、該値をプローブ制御・システム制御部110に提供する。更に、パラメータプローブ408Bは、OUT#2におけるパラメータの値を測定し、該値をプローブ制御・システム制御部110に提供する。パラメータプローブ408Cは、OUT#3におけるパラメータの値を測定し、該値をプローブ制御・システム制御部110に提供する。パラメータプローブ408Dは、OUT#4におけるパラメータの値を測定し、該値をプローブ制御・システム制御部110に提供する。
【0077】
プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、パラメータプローブ408A~408Dから受信されたパラメータの値に基づいて、結合・分配器121の調整回路のうちの対応する1つ以上の調整回路の例えばキャパシタンスなどの変数の、1つ以上の値を決定する。例えば、プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、ステーション1に関係付けられたパラメータの値が、ステーション2に関係付けられたパラメータの値に対し、例えば同じであるなど所定の範囲内であるためには、結合・分配器121の調整回路のうちの1つの調整回路の変数の値がV1であり、結合・分配器121の調整回路のうちの別の1つの調整回路の変数の値がV2であると決定する。プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、変数の値をV1及びV2に実現してパラメータの値どうしを所定の範囲内に実現するために、結合・分配器110の調整回路を制御する。別の例として、結合・分配器110の全調整回路の変数の値と、出力OUT#1~OUT#4におけるパラメータの値との間の例えば1対1の突き合せ、関係付け、マッピング、ルックアップテーブルの行などの対応関係が、プロセッサに結合されたメモリデバイスに格納される。パラメータプローブ408Aからのパラメータの値及びパラメータプローブ408Bからのパラメータの値を受信すると、プロセッサは、それらの値が互いから所定の範囲内にないと決定する。プロセッサは、メモリデバイスからの対応関係にアクセスし、OUT#1に結合された調整回路のうちの1つの調整回路の変数の値、及び/又はOUT#2に結合された調整回路のうちの1つの調整回路の変数の値を、OUT#1におけるパラメータの値が、OUT#2に結合された調整回路のうちの別の1つの調整回路のパラメータの値から所定の範囲内であるように決定する。プロセッサは、OUT#1に結合された調整回路の変数の値、及び/又はOUT#2に結合された調整回路の変数の値を、OUT#1におけるパラメータの値がOUT#2におけるパラメータの値から所定の範囲内であるように制御する。
【0078】
留意すべきは、結合・分配器121の出力の数が、ステーションの数に一致することである。例えば、ウエハ101を処理するために3つのステーションが使用される場合、結合・分配器121は、対応する1つのステーションにそれぞれ結合される3つの出力を有する。
【0079】
一部の実施形態では、低周波数発生器402の代わりに、中間周波数発生器が使用される。中間周波数発生器の一例に、1MHz又は2MHzの動作周波数を有するRF発生器がある。これらの実施形態では、中間周波数発生器は、中間周波数を有するRF信号を生成する。更に、低周波数整合回路網406の代わりに、中間周波数整合回路網が使用される。
【0080】
様々な実施形態では、プローブ制御・システム制御部110によって実施されるものとして本書で説明される例えば電力分配機能などの機能を実施するための命令をプローブ制御・システム制御部110に提供するために、ツールコントローラが、プローブ制御・システム制御部110に結合される。
【0081】
一部の実施形態では、プローブ制御・システム制御部110は、プローブ制御・システム制御部110によって実施されるものとして本書で説明される機能を実施するための任意の数のコントローラを含み、これらの機能は、コントローラ間に分布している。例えば、ツールコントローラは、プローブ制御・システム制御部110の一部である。
【0082】
様々な実施形態では、結合・分配器121、高周波数整合回路網408、及び低周波数整合回路網406が、ステーション1~4から遠くに配置される。例えば、同軸ケーブル414A~416Dの各長さは、4フィート(約1.22メートル)から6フィート(約1.83メートル)の範囲である。別の例として、同軸ケーブル414A~416Dの各長さは、6フィート(約1.83メートル)から8フィート(約2.44メートル)の範囲である。
【0083】
一部の実施形態では、同軸ケーブル414A~416Dの各ケーブルは、結合・分配器121の一部である。例えば、同軸ケーブル414A~416Dの各ケーブルは、50オームRF伝送路ではない。例を示すと、同軸ケーブル414A~416Dの各ケーブルは、その入力及び出力において50オームのインピーダンスに遭遇するのではなく、同軸ケーブル414A~416Dの各ケーブルを経て送られるRF電力は、同軸ケーブルの長さに沿って電圧及び電流の変化を受ける。例を示すと、同軸ケーブル414A~416Dの各ケーブルは、対応する出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4から受信されて同軸ケーブルを通るRF信号に、一連のキャパシタンス及び一連のインダクタンスを与える。
【0084】
図5は、結合・分配器121の一実施形態の回路図を説明するための、システム500の一実施形態である。システム500は、プローブ制御・システム制御部110を含み、更に、結合・分配器121を含む。
【0085】
結合・分配器121は、低周波数回路506と、高周波数回路508と、出力回路510とを有する。低周波数回路506は、高周波数回路508に結合され、高周波数回路508は、更に、出力回路510に結合される。低周波数回路506は、DCブロックコンデンサC1、C2、C3、及びC4を含む。低周波数回路506は、更に、可変コンデンサである複数の調整回路C5、C6、C7、及びC8を含み、低周波数回路506は、更に、インダクタL1、L2、L3、及びL4も含む。低周波数回路506は、高周波数ブロック回路504A、高周波数ブロック回路504B、高周波数ブロック回路504C、及び高周波数ブロック回路504Dを含む。高周波数ブロック回路504Aは、コンデンサC9に並列に結合されたインダクタL5を含む。例えば、インダクタL5の一端は、出力O1に接続され、インダクタL5の反対の端は、端E1に接続される。更に、この例では、コンデンサC9の一端が、出力O1に接続され、コンデンサC9の反対の端が、端E1に接続される。同様に、高周波数ブロック回路504Bは、コンデンサC11に並列に結合されたインダクタL6を含み、高周波数ブロック回路504Cは、コンデンサC14に並列に結合されたインダクタL7を含み、高周波数ブロック回路504Dは、コンデンサC15に並列に結合されたインダクタL8を含む。例えば、インダクタL6の一端が、出力O2に接続され、インダクタL6の反対の端が、端E3に接続される。更に、この例では、コンデンサC11の一端が、出力O2に接続され、コンデンサC11の反対の端が、端E3に接続される。低周波数回路506は、更に、コンデンサC10、C12、C14、及びC16を含む。
【0086】
高周波数回路508は、コンデンサC18、C20、C21、及びC23を有する。高周波数回路508は、更に、可変コンデンサである調整回路C17、C19、C22、及びC24を含む。一部の実施形態では、可変コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24は、それぞれ真空コンデンサである。
【0087】
出力回路510は、ダミー負荷DL1、DL2、DL3、及びDL4を含み、更に、平衡化インダクタL9、L11、L13、及びL15を含む。出力回路510は、スイッチS1、S2、S3、及びS4を含む。スイッチの一例に、1つのトランジスタ、又は1つ以上のトランジスタの組み合わせがある。
【0088】
ダミー負荷DL1は、インダクタL10に並列に結合されたコンデンサC26を含み、更に、DCブロックコンデンサC25も含む。同様に、ダミー負荷DL2は、インダクタL12に並列に結合されたコンデンサC28を含み、更に、DCブロックコンデンサC27も含む。また、ダミー負荷DL3は、インダクタL14に並列に結合されたコンデンサC30を含み、更に、DCブロックコンデンサC29も含む。ダミー負荷DL4は、インダクタL16に並列に結合されたコンデンサC32を含み、更に、DCブロックコンデンサC31も含む。DCブロックコンデンサC25、C27、C29、及びC30は、ダミー負荷DL1~DL4の、対応するコンデンサC26、C28、C29、及びC32に並びに対応するインダクタL10、L12、L14、及びL16にDC電力が到達するのを阻止する。説明すると、DCブロックコンデンサC25は、DC電力がOUT#1を通じてステーション1のプラズマからコンデンサC26に及びインダクタL10に伝わるのを阻止する。DC電力は、対応するステーション1~4内で生成されたプラズマから受信される。例えば、DCブロックコンデンサC25によって阻止されるDC電力は、ステーション1内のプラズマによって形成されたウエハCDバイアスによって生成され、DCブロックコンデンサC27によって阻止されるDC電力は、ステーション2内のプラズマによって形成されたウエハDCバイアスによって生成される。
【0089】
コンデンサC1~C4は、低周波数整合回路網406から同軸ケーブル414(図4)及び入力520を通じて低周波数の修正RF信号を受信するために、低周波数回路506の入力520を通じて低周波数整合回路網406(図4)に結合される。コンデンサC1~C4は、ステーション1~4内で生成されたプラズマから受信されるDC電力が、入力520、同軸ケーブル414、低周波数整合回路網406、及び同軸ケーブル410(図4)を通じて低周波数RF発生器402(図4)に到達するのを阻止する。例えば、コンデンサC1は、ステーション1内でプラズマによって形成されたウエハDCバイアスによって生成される電力を阻止し、コンデンサC2は、ステーション2内でプラズマによって形成されたウエハDCバイアスによって生成される電力を阻止する。
【0090】
インダクタL1~L4は、それぞれ、高周波数において蓄電器として機能する。高周波数ブロック回路504A~504Dは、高周波数回路510の入力522を通じて高周波数整合回路網408(図4)から受信される高周波数の修正RF信号の高周波数が、入力520、同軸ケーブル414、低周波数整合回路網406、及び同軸ケーブル410を通じて低周波数RF発生器402に到達するのを阻止する。例えば、高周波数ブロック回路504Aは、入力522を通じて受信される修正RF信号の高周波数が、インダクタL1、コンデンサC1、入力520、同軸ケーブル414、低周波数整合回路網406、及び同軸ケーブル410を通じて低周波数RF発生器402に到達するのを阻止する。
【0091】
コンデンサC10、C12、C14、及びC16は、対応する高周波数ブロック回路504A~504Dから漏出したあらゆる残留高周波数電力のための接地経路を提供する。例えば、コンデンサC10は、一方の端E2において接地接続に結合され、反対の端E1において高周波数ブロック回路504Aに結合される。別の例として、コンデンサC12は、一方の端E4において接地接続に結合され、反対の端E3において高周波数ブロック回路504Bに結合される。可変コンデンサC5~C8のうちの対応する1つ以上のコンデンサの、1つ以上のキャパシタンスが、出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4のうちの2つ以上におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内であるように、変更される。同様に、可変コンデンサC17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの、1つ以上のキャパシタンスが、出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4のうちの2つ以上におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内であるように、変更される。一部の実施形態では、可変コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの、1つ以上のキャパシタンスが、出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4のうちの2つ以上におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内であるように、変更される。コンデンサC18、C20、C21、及びC23は、同軸ケーブル414及び入力520を通じて低周波数整合回路網406から受信される修正RF信号の低周波数をフィルタリング除去する。例えば、コンデンサC18は、同軸ケーブル414、入力520、コンデンサC1、インダクタL1、及び高周波数ブロック回路504Aを通じて低周波数整合回路網406から受信される修正RF信号の低周波数をフィルタリング除去する。
【0092】
スイッチS1~S4は、それぞれ、スイッチの通常開端子に結合されることによって、例えば通常開(NO)のように開かれ、スイッチの通常閉端子に結合されることによって、例えば通常閉(NC)のように閉じられる。スイッチS1~S4は、それぞれ、スイッチの共通端子(COM)に対して開かれる又は閉じられる。例えば既定の量未満の電流量などのオフ信号が、プロセッサからスイッチS1に送信されるときは、スイッチS1は、例えばオフ状態にあるなど開位置にある。更に、例えば既定の量を超える電流量などのオン信号が、プロセッサからスイッチS1に送信されるときは、スイッチは、例えばオン状態になるなど閉位置にある。
【0093】
スイッチS1~S4は、プローブ制御・システム制御部110によって制御されるために、プローブ制御・システム制御部110に結合される。スイッチS1~S4は、プローブ制御・システム制御部110のプロセッサからの制御信号の受信を受けて開位置又は閉位置をとるように制御される。例えば、スイッチS1は、ステーション1内でプラズマが例えば生成される、維持されるなど有効にされるように、出力回路510のインダクタL9及びOUT#1を通じて低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O1をステーション1に結合するために閉じる。別の例として、スイッチS2は、ステーション2内でプラズマが有効にされるように、出力回路510のインダクタL11及びOUT#2を通じて低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O2をステーション2に結合するために閉じる。更に別の例として、スイッチS3は、ステーション3内でプラズマが有効にされるように、出力回路510のインダクタL13及びOUT#3を通じて低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O3をステーション3に結合するために閉じる。別の例として、スイッチS4は、ステーション4内でプラズマが有効にされるように、出力回路510のインダクタL15及びOUT#4を通じて低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O4をステーション4に結合するために閉じる。別の例として、スイッチS1は、ステーション1内でプラズマが例えば生成されない、オフにされるなど無効にされるように、低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O1をダミー負荷DL1に結合するために開く。別の例として、スイッチS2は、ステーション2内でプラズマが無効にされるように、低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O2をダミー負荷DL2に結合するために開く。尚も別の例として、スイッチS3は、ステーション3内でプラズマが無効にされるように、低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O3をダミー負荷DL3に結合するために開く。別の例として、スイッチS4は、ステーション4内でプラズマが無効にされるように、低周波数回路506及び高周波数回路508の出力O4をダミー負荷DL4に結合するために開く。
【0094】
RF電力をステーション1~4のうちの1つ以上のステーションに切り替えることによって、電力が、それらの1つ以上のステーション1~4に選択的に転送されて、ステーション1~4のうちの1つ以上のステーション内のプラズマを有効にする。例えば、スイッチS1は、出力O1における結合RF信号のRF電力がインダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416A(図4)を通じてステーション1に送信されてステーション1内のプラズマを有効にするように、プローブ制御・システム制御部110によって、閉位置にあるように制御される。別の例として、スイッチS2は、出力O2における結合RF信号のRF電力がインダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416B(図4)を通じてステーション2に送信されてステーション2内のプラズマを有効にするように、プローブ制御・システム制御部110によって、閉位置にあるように制御される。尚も別の例として、スイッチS3は、出力O3における結合RF信号のRF電力がインダクタL13、OUT#3、及び同軸ケーブル416C(図4)を通じてステーション3に送信されてステーション3内のプラズマを有効にするように、プローブ制御・システム制御部110によって、閉位置にあるように制御される。別の例として、スイッチS4は、出力O4における結合RF信号のRF電力がインダクタL15、OUT#4、及び同軸ケーブル416D(図4)を通じてステーション4に送信されてステーション4内のプラズマを有効にするように、プローブ制御・システム制御部110によって、閉位置にあるように制御される。
【0095】
一方で、ステーション1が例えばプラズマを着火させる、有効にする、又は制御するなどのプラズマ処理のために使用されるときは、ステーション1へのRF電力は、ダミー負荷DL1からステーション1に方向転換される。例えば、ステーション1がウエハ101の処理のために使用されるときは、スイッチS1は、出力O1における結合RF信号のRF電力がインダクタL9及びOUT#1を通じてステーション1に転送されるように、プローブ制御・システム制御部110によって、スイッチS1を閉じるように制御される。他方で、ステーション1~4がプラズマ処理のために使用されないときは、ステーションへのRF電力は、そのステーションに対応するダミー負荷に転送される。例えば、ステーション1がウエハ101の処理のために使用されないときは、スイッチS1は、出力O1における結合RF信号のRF電力がダミー負荷DL1に転送されるように、プローブ制御・システム制御部110によって、スイッチS1を開くように制御される。ステーション1へのRF電力を排除するために、例えば電力をオフにする、電力を排除するなどのように低周波数RF発生器402及び高周波数RF発生器404の一方又は両方をオフにする必要はない。
【0096】
様々な実施形態では、出力O1~O4は、出力回路510の一部である。
【0097】
一部の実施形態では、ダミー負荷DL1は、ステーション1のインピーダンスに対して例えば同じであるなど所定の限界内であるインピーダンスを有し、ダミー負荷DL2は、ステーション2のインピーダンスから所定の限界内であるインピーダンスを有し、ダミー負荷DL3は、ステーション3のインピーダンスから所定の限界内であるインピーダンスを有し、ダミー負荷DL4は、ステーション4のインピーダンスから所定の限界内であるインピーダンスを有する。
【0098】
低周波数整合回路網406(図4)から入力520において受信された修正RF信号は、出力O1~O4においてRF信号を提供するために、インダクタL1~L4、コンデンサC5~C8、高周波数ブロック回路504A~504D、及びコンデンサC10、C12、C14、C16によって処理される。例えば、出力O1において低周波数のRF信号を提供するために、入力520において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC1、インダクタL1、コンデンサC5、高周波数ブロック回路504A、及びコンデンサC10によって処理される。別の例として、出力O2において低周波数のRF信号を提供するために、入力520において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC2、インダクタL2、コンデンサC6、高周波数ブロック回路504B、及びコンデンサC12によって処理される。更に別の例として、出力O3において低周波数のRF信号を提供するために、入力520において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC3、インダクタL3、コンデンサC7、高周波数ブロック回路504C、及びコンデンサC14によって処理される。尚も別の例として、出力O4において低周波数のRF信号を提供するために、入力520において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC4、インダクタL4、コンデンサC8、高周波数ブロック回路504D、及びコンデンサC16によって処理される。
【0099】
同様に、高周波数整合回路網408(図4)から入力522において受信された修正RF信号は、出力O1~O4においてRF信号を提供するために、結合・分配器121内でコンデンサC17~C24によって処理される。例えば、出力O1において高周波数のRF信号を提供するために、入力522において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC17及びC18によって処理される。別の例として、出力O2において高周波数のRF信号を提供するために、入力522において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC19及びC20によって処理される。更に別の例として、出力O3において高周波数のRF信号を提供するために、入力522において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC21及びC22によって処理される。尚も別の例として、出力O4において高周波数のRF信号を提供するために、入力522において受信された修正RF信号の一部が、コンデンサC23及びC24によって処理される。
【0100】
低周波数回路506及び高周波数回路508から出力O1~O4において受信されたRF信号は、出力O1~O4において結合RF信号を提供するために、出力O1~O4において組み合わされる。例えば、低周波数回路506から出力O1において受信されたRF信号は、出力O1において結合RF信号を提供するために、高周波数回路508から出力O1において受信されたRF信号と出力O1において足し合される。別の例として、低周波数回路506から出力O2において受信されたRF信号は、出力O2において結合RF信号を提供するために、高周波数回路508から出力O2において受信されたRF信号と出力O2において足し合される。更に別の例として、低周波数回路506から出力O3において受信されたRF信号は、出力O3において結合RF信号を提供するために、高周波数回路508から出力O3において受信されたRF信号と出力O3において足し合される。別の例として、低周波数回路506から出力O4において受信されたRF信号は、出力O4において結合RF信号を提供するために、高周波数回路508から出力O4において受信されたRF信号と出力O4において足し合される。
【0101】
出力O1において生成された結合RF信号は、ステーション1におけるウエハ101のプラズマ処理のために、閉位置にあるスイッチS1、平衡化インダクタL9、及びOUT#1を通じてステーション1に送信される、又は開位置にあるスイッチS1を通じてダミー負荷DL1に送信される。同様に、出力O2において生成された結合RF信号は、ステーション2におけるウエハ101のプラズマ処理のために、閉位置にあるスイッチS2、平衡化インダクタL11、及びOUT#2を通じてステーション2に送信される、又は開位置にあるスイッチS2を通じてダミー負荷DL2に送信される。更に、出力O3において生成された結合RF信号は、ステーション3におけるウエハ101のプラズマ処理のために、閉位置にあるスイッチS3、平衡化インダクタL13、及びOUT#3を通じてステーション3に送信される、又は開位置にあるスイッチS3を通じてダミー負荷DL3に送信される。また、出力O4において生成された結合RF信号は、ステーション4におけるウエハ101のプラズマ処理のために、閉位置にあるスイッチS4、平衡化インダクタL15、及びOUT#4を通じてステーション4に送信される、又は開位置にあるスイッチS4を通じてダミー負荷DL4に送信される。
【0102】
同様に、平衡化インダクタL9は、例えばステーション1のシャワーヘッド150及びステーション1の台座などの回路の共振周波数を、これらの回路が既定の動作周波数から所定の範囲内で共振してステーション1内で迅速にプラズマを着火させるように、変化させる。平衡化インダクタL11は、例えばステーション2のシャワーヘッド150及びステーション2の台座などの回路の共振周波数を、これらの回路が既定の動作周波数から所定の範囲内で共振してステーション2内で迅速にプラズマを着火させるように、変化させる。また、平衡化インダクタL13は、例えばステーション3のシャワーヘッド150及びステーション3の台座などの回路の共振周波数を、これらの回路が既定の動作周波数から所定の範囲内で共振してステーション3内で迅速にプラズマを着火させるように、変化させる。更に、平衡化インダクタL15は、例えばステーション4のシャワーヘッド150及びステーション4の台座などの回路の共振周波数を、これらの回路が既定の動作周波数から所定の範囲内で共振してステーション4内で迅速にプラズマを着火させるように、変化させる。既定の動作周波数は、動作状態にある低周波数発生器402の動作周波数、又は動作状態にある低周波数発生器402の動作周波数と、動作状態にある高周波数発生器404の動作周波数との組み合わせである。平衡化インダクタの更なる説明は、参照によって全体を本明細書に組み込まれる米国特許第6,199,506号で提供されている。
【0103】
結合RF信号のうちの1つがステーション1~4のうちの1つに提供されない場合は、出力O1~O4のうちの対応する1つがダミー負荷DL1~DL4のうちの対応する1つに結合される。例えば、結合RF信号のうちの1つがステーション1に提供されない場合は、プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、スイッチS1を開かせて出力O1をダミー負荷DL1に結合するために、スイッチS1に信号を送信する。ダミー負荷DL1は、ステーション1のインピーダンスから所定の制限内のインピーダンスを有しており、したがって、OUT#2~OUT#4を通じてその他の結合RF信号を受信するその他のステーション2~4は、それらの対応する入力においてインピーダンスの変化を見ることはない。
【0104】
一部の実施形態では、以下で例が挙げられるプロセスパラメータを実現するために、スイッチS1~S4の例えば開位置や閉位置などの位置が監視及び制御される。例えば、スイッチが開位置にあるか又は閉位置にあるかを決定するために、スイッチの通常閉端子又は通常開端子に、例えば電圧センサや電流センサなどのセンサが結合される。センサは、シリアル転送ケーブル、パラレル転送ケーブル、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどの転送ケーブルを通じてプローブ制御・システム制御部10のプロセッサに結合される。センサは、転送ケーブルを通じてスイッチの位置をプロセッサに提供する。プロセッサは、上記の位置が例えば圧力、温度、エッチング速度、堆積速度、複合電力などの所定のプロセスパラメータに対応するかどうかを決定する。スイッチの位置が所定のプロセスパラメータに対応しないと決定した場合は、プロセッサは、スイッチの位置を、それが所定のプロセスパラメータに対応するように変化させる。所定のプロセスパラメータと、スイッチの位置との間の例えば1対1の関係やマッピングなどの対応関係が、メモリデバイスに格納されている。このように、スイッチS1~S4のうちの1つ以上のスイッチの位置が、そのスイッチの位置に対応する所定のプロセスパラメータを実現するために、監視及び制御される。
【0105】
一部の実施形態では、ステーション1~4への電力を同期方式で有効又は無効にするために、スイッチS1~S4の開閉が、例えば同時に起きる、所定の時間範囲内で起きるなどのように、同期化される。例えば、プロセッサは、スイッチS1~S4のうちの1つ以上を同期的に閉じさせる又は開かせるために、そのスイッチに、例えば同時に、所定の時間範囲内でなど同期的に信号を送信する。
【0106】
図6は、プローブ制御・システム制御部110による結合・分配器121の調整素子の制御を説明するための、システム600の一実施形態の図である。システム600は、一部分が例示されている結合・分配器121と、パラメータプローブ408A~408Dと、複数のモータM1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、及びM8とを含む。モータM1は、接続メカニズム602Aを通じてコンデンサC5に結合される。同様に、モータM2は、接続メカニズム602Bを通じてコンデンサC6に結合され、モータM3は、接続メカニズム602Cを通じてコンデンサC7に結合され、モータM4は、接続メカニズム602Dを通じてコンデンサC8に結合される。更に、モータM5は、接続メカニズム602Eを通じてコンデンサC17に結合され、モータM6は、接続メカニズム602Fを通じてコンデンサC19に結合され、モータM7は、接続メカニズム602Gを通じてコンデンサC22に結合され、モータM8は、接続メカニズム602Hを通じてコンデンサC24に結合される。接続メカニズムの例には、1本以上のロッド、又は複数本のロッドと1つ以上のギアとの組み合わせなどがある。
【0107】
パラメータプローブ408Aは、例えばシリアル転送ケーブル、パラレル転送ケーブル、又はユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルなどの転送ケーブル604Aを通じてプローブ制御・システム制御部110に結合される。同様に、パラメータプローブ408Bは、転送ケーブル604Bを通じてプローブ制御・システム制御部110に結合され、パラメータプローブ408Cは、転送ケーブル604Cを通じてプローブ制御・システム制御部110に結合され、パラメータプローブ408Cは、転送ケーブル604Dを通じてプローブ制御・システム制御部110に結合される。
【0108】
パラメータプローブ408Aは、OUT#1に結合され、パラメータプローブ408Bは、OUT#2に結合され、パラメータプローブ408Cは、OUT#3に結合され、パラメータプローブ408Dは、OUT#4に結合される。パラメータプローブ408Aは、OUT#1においてパラメータプローブ408Aによって測定されたパラメータの値を、転送ケーブル604Aを通じてプローブ制御・システム制御部110に提供する。同様に、パラメータプローブ408Bは、OUT#2においてパラメータプローブ408Bによって測定されたパラメータの値を、転送ケーブル604Bを通じてプローブ制御・システム制御部110に提供する。更に、パラメータプローブ408Cは、OUT#3においてパラメータプローブ408Cによって測定されたパラメータの値を、転送ケーブル604Cを通じてプローブ制御・システム制御部110に提供する。パラメータプローブ408Dは、OUT#4においてパラメータプローブ408Dによって測定されたパラメータの値を、転送ケーブル604Dを通じてプローブ制御・システム制御部110に提供する。
【0109】
結合RF信号のRF電力が、例えば出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4などを通じてステーション1~4に提供されているなどオンであるときは、例えばステーション1~4内の圧力、ステーション1~4内の温度などの上述されたパラメータなどのプロセスパラメータが、in-situで変化している。更に、結合RF信号のRF電力がオンであるときは、ステーション1~4内でプラズマが生成及び維持され、プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、パラメータプローブ408A~408Dからパラメータの値を受信し、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの1つ以上のキャパシタンスが、OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4におけるパラメータの値が例えば互いから所定の範囲内であるなど最小限に抑えられるなどのために、変更されるべきであるかどうかを決定する。例えば、プロセッサは、パラメータプローブ408Aから受信されたパラメータの値を、パラメータプローブ408Bから受信されたパラメータの値と比較し、これらの値が互いから所定の範囲内であるかどうかを決定する。これらの値が互いから所定の範囲内ではないと決定すると、プロセッサは、対応する1つ以上のコンデンサC5、C6、C17、及びC19のキャパシタンスの、1つ以上の値を識別するために、プローブ制御・システム制御部110のメモリデバイスに格納された対応関係にアクセスする。1つ以上の値を識別すると、プロセッサは、識別されたコンデンサC5のキャパシタンスの値が実現されるように、モータM1を駆動するための或る量の電流を生成する。例を示すと、或る量の駆動電流が、プロセッサからモータM1のステータに送信される。この駆動電流を受信すると、ステータは、モータM1のロータを回転させてモータM1を駆動するために、電場を形成する。モータM1は、識別されたコンデンサC5のキャパシタンス値を実現するために、コンデンサC5の板を回転させるように又はコンデンサC5の板間の距離を変化させるように駆動される。コンデンサC5のキャパシタンスの変化は、コンデンサC5から出力される低周波数のRF信号の電力の、例えば量、ピーク・ツー・ピーク振幅、二乗平均平方根(RMS)値などのレベルを変化させ、更に、出力O1において低周波数を有するRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の電力のレベルを変化させる。一部の実施形態では、コンデンサC5のキャパシタンスの変化は、コンデンサC5から出力される低周波数のRF信号の位相を変化させ、更に、出力O1において低周波数を有するRF信号の位相を変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の位相を変化させる。様々な実施形態では、コンデンサC5のキャパシタンスの変化は、コンデンサC5から出力される低周波数のRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、出力O1において低周波数を有するRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の電力レベル及び位相を変化させる。
【0110】
同様に、対応する1つ以上のコンデンサC5、C6、C17、及びC19のキャパシタンスの、1つ以上の値を識別すると、プロセッサは、識別されたコンデンサC6のキャパシタンスの値が実現されるように、モータM2を駆動するための或る量の電流を生成する。コンデンサC6のキャパシタンスの変化は、コンデンサC6から出力される低周波数のRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、出力O2において低周波数を有するRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、OUT#2からステーション2に提供される結合RF信号の電力のレベルを変化させる。一部の実施形態では、コンデンサC6のキャパシタンスの変化は、コンデンサC6から出力される低周波数のRF信号の位相を変化させ、更に、出力O2において低周波数を有するRF信号の位相を変化させ、更に、OUT#2からステーション2に提供される結合RF信号の位相を変化させる。様々な実施形態では、コンデンサC6のキャパシタンスの変化は、コンデンサC6から出力される低周波数のRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、出力O2において低周波数を有するRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、OUT#2からステーション2に提供される結合RF信号の電力レベル及び位相を変化させる。
【0111】
更に、同様に、対応する1つ以上のコンデンサC5、C6、C17、及びC19のキャパシタンスの、1つ以上の値を識別すると、プロセッサは、識別されたコンデンサC17のキャパシタンスの値が実現されるように、モータM5を駆動するための或る量の電流を生成する。コンデンサC17のキャパシタンスの変化は、コンデンサC17から出力される高周波数のRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、出力O1において高周波数を有するRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の電力のレベルを変化させる。一部の実施形態では、コンデンサC17のキャパシタンスの変化は、コンデンサC17から出力される高周波数のRF信号の位相を変化させ、更に、出力O1において高周波数を有するRF信号の位相を変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の位相を変化させる。様々な実施形態では、コンデンサC17のキャパシタンスの変化は、コンデンサC17から出力される高周波数のRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、出力O1において高周波数を有するRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の電力レベル及び位相を変化させる。
【0112】
更に、同様に、対応する1つ以上のコンデンサC5、C6、C17、及びC19のキャパシタンスの、1つ以上の値を識別すると、プロセッサは、識別されたコンデンサC19のキャパシタンスの値が実現されるように、モータM6を駆動するための或る量の電流を生成する。コンデンサC19のキャパシタンスの変化は、コンデンサC19から出力される高周波数のRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、出力O2において「高周波数を有するRF信号の電力のレベルを変化させ、更に、OUT#2からステーション2に提供される結合RF信号の電力のレベルを変化させる。一部の実施形態では、コンデンサC19のキャパシタンスの変化は、コンデンサC19から出力される高周波数のRF信号の位相を変化させ、更に、出力O2において高周波数を有するRF信号の位相を変化させ、更に、OUT#2からステーション2に提供される結合RF信号の位相を変化させる。様々な実施形態では、コンデンサC19のキャパシタンスの変化は、コンデンサC19から出力される高周波数のRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、出力O2において高周波数を有するRF信号の電力レベル及び位相を変化させ、更に、OUT#2からステーション2に提供される結合RF信号の電力レベル及び位相を変化させる。このようにして、コンデンサC5、C6、C17、及びC19のキャパスタンスの1つ以上が、OUT#1及びOUT#2におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内になるまで変化される。
【0113】
様々な実施形態では、結合・分配器121のコンデンサに結合されたモータを駆動するための電流の量と、該量の電流によって実現されるコンデンサのキャパシタンスとの間の例えば1対1の関係やマッピングなどの関連付けが、メモリデバイスに格納された対応関係に格納されている。
【0114】
一部の実施形態では、プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、パラメータプローブ408A~408Dからのパラメータの値を受信し、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの1つ以上のキャパシタンスが、OUT#1におけるパラメータの値が第1の既定の範囲内であり、OUT#2におけるパラメータの値が第2の既定の範囲内であり、OUT#3におけるパラメータの値が第3の既定の範囲内であり、OUT#4におけるパラメータの値が第4の既定の範囲内であるように変更されるべきであるかどうかを決定する。例えば、プロセッサは、パラメータプローブ408Aから受信されたパラメータの値を受信し、その値が第1の既定の範囲内であるかどうかを決定する。その値が第1の既定の範囲内でないと決定すると、プロセッサは、その値が第1の既定の範囲内になるまで、対応する1つ以上のコンデンサC5及びC17のキャパシタンスの、1つ以上の値を識別するために、プローブ制御・システム制御部110のメモリデバイスに格納された対応関係にアクセスする。
【0115】
これらの実施形態では、対応する1つ以上のコンデンサC5及びC17のキャパシタンスの、1つ以上の値を識別すると、プロセッサは、識別されたコンデンサC5のキャパシタンスの値が実現されるように、モータM1を駆動するための或る量の電流を生成する。例を示すと、或る量の駆動電流が、プロセッサからモータM1のステータに送信される。上記量の駆動電流は、コンデンサC5のキャパシタンスを変化させ、これは、第1の既定の範囲を実現するために、コンデンサC5から出力される低周波数のRF信号の電力のレベル及び/又は位相を変化させ、更に、出力O1において低周波数を有するRF信号の電力のレベル及び/又は位相を変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の電力のレベル及び/又は位相を変化させる。同様に、1つ以上の値を識別すると、プロセッサは、識別されたコンデンサC17のキャパシタンスの値が実現されるように、モータM5を駆動するための或る量の電流を生成する。コンデンサC17のキャパシタンスの変化は、コンデンサC17から出力される高周波数のRF信号の電力のレベル及び/又は位相を変化させ、更に、出力O1において高周波数を有するRF信号の電力のレベル及び/又は位相を変化させ、更に、OUT#1からステーション1に提供される結合RF信号の電力のレベル及び/又は位相を変化させる。このように、コンデンサC5及びC17のキャパスタンスの1つ以上が、OUT#1におけるパラメータの値が第1の既定の範囲内になるまで変更される。OUT#1におけるパラメータの値が第1の既定の範囲内であること、及び/又はOUT#2におけるパラメータの値が第2の既定の範囲内であること、及び/又はOUT#3におけるパラメータの値が第3の既定の範囲内であること、及び/又はOUT#4におけるパラメータの値が第4の既定の範囲内であることを実現することによって、プロセスの可変性が実現される。
【0116】
様々な実施形態では、OUT#1におけるパラメータの値が第1の既定の範囲内であり、且つOUT#2におけるパラメータの値が第2の既定の範囲内であるときに、OUT#1及びOUT#2におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内である。OUT#1及びOUT#2におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内であるときも、やはり、プロセスの可変性が実現される。同様に、一部の実施形態では、OUT#1及びOUT#2におけるパラメータの値が所定の範囲外であるが、OUT#1におけるパラメータの値が第1の既定の範囲内であり且つOUT#2におけるパラメータの値が第2の既定の範囲内であるときに、プロセスの可変性が実現される。
【0117】
様々な実施形態では、パラメータプローブ408Dは、OUT#4における第1の電力の量を測定し、パラメータプローブ408Cは、OUT#3における第2の電力の量を測定し、パラメータプローブ408Bは、OUT#2における第3の電力の量を測定し、パラメータプローブ408Aは、OUT#1における第4の電力の量を測定する。第1の量は、第2の量よりも大きく、第2の量は、第3の量よりも大きい。第3の量は、第4の量よりも大きい。測定された電力の量は、パラメータプローブ408A~408Dからプローブ制御・システム制御部110に提供される。プローブ制御・システム制御部110は、OUT#1~OUT#4における電力の量を互いから所定の範囲内にすることを決定する。プローブ制御・システム制御部110は、OUT#1における結合RF信号の第4の電力の量を増加させて、OUT#4における第1の電力の量から所定の範囲内にするために、モータM5に制御信号を送信し、コンデンサC17のキャパシタンスを減少させて、コンデンサC17から出力O1への電力の量を増加させ、更に、OUT#1における結合RF信号の第4の電力の量を増加させる。
【0118】
一部の実施形態では、パラメータのインライン測定を提供するパラメータプローブ408A~408Dに代わり又は追加し、例えばウエハ測定機器などを使用して得られた測定結果などのウエハ測定結果に基づいて、上述されたやり方で、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの1つ以上のキャパシタンスが変更される。ウエハ測定結果の例として、エッチング速度及び堆積速度が挙げられる。エッチング速度又は堆積速度は、本書ではプロセス速度を呼ばれる。ウエハ測定機器の例として、エッチング速度測定機器、堆積速度測定機器などが挙げられる。例を示すと、例えば4つのウエハ測定機器などのウエハ測定機器が、対応する転送ケーブルを通じてプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに結合され、対応するステーション1~4への見通し線を有する。見通し線は、対応するステーション1~4内でプラズマが生成される空間内へ方向付けられる。例えば、ウエハ測定機器は、ステーション1内のプラズマによって放出される放射強度を測定するためにそのプラズマを監視する分光光度計を含む。強度は、ステーション1のプラズマによって処理されるウエハ101の層のエッチング速度又は堆積速度に正比例する。プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、測定された強度に正比例するものとしてプロセス速度を決定するために、転送ケーブルを通じて測定強度を受信する。別の例として、レシピが既知である場合は、ウエハ測定機器は、例えばウエハ101上の材料のエッチングやウエハ101上への材料の堆積などの処理の前又は最中の時点tm1においてウエハ101の厚さを測定し、ウエハ101の処理後の時点tm2においてウエハ101の厚さを測定する。ウエハ測定機器は、ウエハ101のプロセス速度を、時点tm2における厚さと時点tm1における厚さとの差を時点tm2と時点tm1との差で割って得られる比率として決定する。プロセス速度は、ウエハ測定機器によって転送ケーブルを通じてプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに提供される。一部の実施形態では、ウエハ測定機器がプロセス速度を決定する代わりに、プローブ制御・システム制御部110のプロセッサが、測定強度からプロセス速度を決定し、該プロセス速度を格納のためにメモリデバイスに提供する。これらの実施形態では、エッチング速度及び堆積速度は、追加パラメータの例である。これらの実施形態では、プロセッサは、プロセス速度が所定のプロセス速度に一致するかどうか又は所定のプロセス速度から既定の範囲内であるかどうかを決定する。プロセス速度が既定の範囲内ではないと決定すると、プロセッサは、プロセス速度が所定のプロセス速度から既定の範囲内になるように、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの1つ以上のキャパシタンスを変更することを決定する。所定のプロセス速度と、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの1つ以上のキャパシタンスとの間の対応関係が、メモリデバイスに格納されている。このようにして、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応する1つ以上のコンデンサの1つ以上のキャパシタンスが、ステーション1~4のうちの1つ以上のステーションに関係付けられた所定のプロセス速度を実現するために、変更される。
【0119】
幾つかの実施形態では、OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4におけるパラメータを感知することに代わり又は追加し、位置センサが、OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4におけるパラメータの値が最少になるようにコンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24の例えば板間の距離や板間の角度などの位置を決定してそれらの位置を制御するために使用される。位置センサの例として、線形センサ及び回転センサが挙げられる。例を示すと、位置センサとして、電位差計又は誘導位置センサ又は回転エンコーダが挙げられる。各位置センサが、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの対応するコンデンサの位置を測定するために、そのコンデンサに近接して配置される。位置は、位置センサから転送ケーブルを通じてプローブ制御・システム制御部10のプロセッサに提供される。プローブ制御・システム制御部10は、位置が所定のプロセスパラメータに対応するかどうかを決定する。位置が所定のプロセスパラメータに対応しないと決定すると、プロセッサは、位置が所定のプロセスパラメータと例えば1対1の関係を有する、対応付けられるなど対応するように、上述されたやり方でコンデンサの位置を変化させる。コンデンサの位置と、所定のプロセスパラメータとの間の対応関係は、メモリデバイスに格納されている。このようにして、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの1つ以上のコンデンサの位置が、コンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24のうちの1つ以上のコンデンサの位置に対応する所定のプロセスパラメータを実現するために、監視及び制御される。
【0120】
図7は、出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4におけるパラメータの値が互いから所定の範囲内であるような、それらの出力OUT#1、OUT#2、OUT#3、及びOUT#4におけるパラメータの値と、結合・分配器121の調整素子の変数の値との間の対応関係の一例である、テーブルリスト700を説明するための、一実施形態の図である。テーブルリスト700は、結合・分配器121のメモリデバイスに格納されている。テーブルリスト700は、出力OUT#1~OUT#4におけるパラメータの値、並びに結合・分配器121のコンデンサC5、C6、C7、C8、C17、C19、C22、及びC24の変数の値の行を含む。
【0121】
テーブルリスト700の第1の行は、OUT#1におけるパラメータの値VL1と、OUT#2におけるパラメータの値VL2と、OUT#3におけるパラメータの値VL3と、OUT#4におけるパラメータの値VL4と、コンデンサC5のキャパシタンスの値V1と、コンデンサC6のキャパシタンスの値V2と、コンデンサC7のキャパシタンスの値V3と、コンデンサC8のキャパシタンスの値V4と、コンデンサC17のキャパシタンスの値V5と、コンデンサC19のキャパシタンスの値V6と、コンデンサC22のキャパシタンスの値V7と、コンデンサC24のキャパシタンスの値V8との間の対応関係である。例えば、OUT#1におけるパラメータの値がVL1であると測定され、OUT#2におけるパラメータの値がVL2ではないときは、OUT#2において値VL2を実現するために、コンデンサC5のキャパシタンスの値がV1に変更される、及び/又はコンデンサC6のキャパシタンスの値がV2に変更される、及び/又はコンデンサC17のキャパシタンスの値がV5に変更される、及び/又はコンデンサC19のキャパシタンスの値がV6に変更される。値VL1及びVL2は、互いから所定の範囲内である。同様に、テーブルリスト700の第2の行は、OUT#1におけるパラメータの値VL5と、OUT#2におけるパラメータの値VL6と、OUT#3におけるパラメータの値VL7と、OUT#4におけるパラメータの値VL8と、コンデンサC5のキャパシタンスの値V9と、コンデンサC6のキャパシタンスの値V10と、コンデンサC7のキャパシタンスの値V11と、コンデンサC8のキャパシタンスの値V12と、コンデンサC17のキャパシタンスの値V13と、コンデンサC19のキャパシタンスの値V14と、コンデンサC22のキャパシタンスの値V15と、コンデンサC24のキャパシタンスの値V16との間の対応関係である。
【0122】
図8Aは、ステーション1~4のそれぞれに分流インダクタを使用することによってウエハの反りを制御する受動的方法を説明するための、システム800の一実施形態の回路図である。システム800は、結合・分配器802を含み、これは、結合・分配器121(図5)に代わって使用される。結合・分配器802は、低周波数回路806を含むことを除いて、結合・分配器121と同じである。低周波数回路806は、複数の分流インダクタL40、L42、L44、及びL46を含むことを除いて、低周波数回路506と構造的に及び機能的に同じである。分流インダクタL40は、コンデンサC10に並列に結合され、分流インダクタL42は、コンデンサC12に並列に結合され、分流インダクタL44は、コンデンサC14に並列に結合され、分流インダクタL46は、コンデンサC16に並列に結合される。
【0123】
一実施形態では、各分流インダクタL40、L42、L44、及びL46は、対応するステーション内における、ウエハ101の上に膜を堆積させるなどの処理の最中に、例えば固定値を有するなど一定である。例えば、分流インダクタL40は、ステーション1内におけるウエハ101の処理の最中に固定値を有し、分流インダクタL42は、ステーション2内におけるウエハ101の処理の最中に固定値を有する。各分流インダクタL40、L42、L44、及びL46は、それをウエハ101の処理の前又は後に別の分流インダクタに交換することによって、ユーザによって手動で変更される。
【0124】
更に、分流インダクタL40は、高周波数ブロック回路504Aに及び接地電位に接続される。例えば、分流インダクタL40の端E1は、高周波数ブロック回路504AのインダクタL5に及びコンデンサC9に接続され、分流インダクタL40の反対の端E2は、接地電位に接続される。同様に、分流インダクタL42は、高周波数ブロック回路504Bに及び接地電位に接続され、分流インダクタL44は、高周波数ブロック回路504Cに及び接地電位に接続され、分流インダクタL46は、高周波数ブロック回路504Dに及び接地電位に接続される。例えば、分流インダクタL42の端E3は、高周波数ブロック回路504BのインダクタL6に及びコンデンサC11に接続され、分流インダクタL42の反対の端E4は、接地電位に接続される。
【0125】
また、分流インダクタL40は、高周波数ブロック回路504A、通常閉位置にあるスイッチS1、インダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416Aを通じてステーション1に結合される。同様に、分流インダクタL42は、高周波数ブロック回路504B、通常閉位置にあるスイッチS2、インダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416Bを通じてステーション2に結合される。更に、分流インダクタL44は、高周波数ブロック回路504C、通常閉位置にあるスイッチS3、インダクタL13、OUT#3、及び同軸ケーブル416Cを通じてステーション3に結合される。また、分流インダクタL46は、高周波数ブロック回路504D、通常閉位置にあるスイッチS4、インダクタL15、OUT#4、及び同軸ケーブル416Dを通じてステーション4に結合される。
【0126】
更に、分流インダクタL40は、通常開位置にあるスイッチS1を通じてダミー負荷DL1に結合される。例えば、分流インダクタL40は、通常開位置にあるスイッチS1を通じてダミー負荷DL1のコンデンサC25に結合される。同様に、分流インダクタL42は、通常開位置にあるスイッチS2を通じてダミー負荷DL2に結合され、分流インダクタL44は、通常開位置にあるスイッチS3を通じてダミー負荷DL3に結合され、分流インダクタL46は、通常開位置にあるスイッチS4を通じてダミー負荷DL4に結合される。例えば、分流インダクタL42は、通常開位置にあるスイッチS2を通じてダミー負荷DL2のコンデンサC27に結合される。
【0127】
分流インダクタL40は、端E1を通じてコンデンサC5に接続される。同様に、分流インダクタL42は、端E2を通じてコンデンサC11に接続される。また、分流インダクタL44は、コンデンサC7に接続され、分流インダクタL44は、コンデンサC8に接続される。
【0128】
更に、分流インダクタL40は、端E1、コンデンサC5、及びコンデンサC1を通じて入力520に結合される。同様に、分流インダクタL42は、端E3、コンデンサC6、及びコンデンサC2を通じて入力520に結合される。また、分流インダクタL44は、コンデンサC7及びコンデンサC3を通じて入力520に結合され、分流インダクタL46は、コンデンサC8及びコンデンサC4を通じて入力520に結合される。
【0129】
高周波数ブロック回路504A、通常閉位置にあるスイッチS1、インダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416Aを通じたステーション1への分流インダクタL40の結合は、ステーション1に供給される電流の量を分流インダクタL40が制御することを可能にする。例えば、高周波数ブロック回路504A、通常閉位置にあるスイッチS1、インダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416Aを通じてステーション1に供給される電流の量を増加させるために、分流インダクタL40のインダクタンスが変更される。別の例として、分流インダクタL40のインダクタンスが変更されると、端E1、高周波数ブロック回路504A、出力O1、通常閉位置にあるスイッチS1、インダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416Aを通じて分流インダクタL40からステーション1に流れる電流の量が、増加する又は減少するなどのように変化する。
【0130】
電流の量の増加は、ステーション1内で処理されているウエハ101の表面に衝突するイオンの量を増加させて、ウエハの反りを低減させる。例えば、分流インダクタL40が高周波数ブロック回路504A、通常閉位置にあるスイッチS1、インダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416Aを通じてステーション1のシャワーヘッド150に結合されているときは、ステーション1のシャワーヘッド150への電流の量を増加させるために、分流インダクタL40のインダクタンスが変更される。シャワーヘッド150への電流は、同軸ケーブル416Aがシャワーヘッド150に結合され且つ台座140が接地電位又は別の電位に結合されているときに増加する。シャワーヘッド150への電流の量の増加は、シャワーヘッド150と台座140との間のプラズマの正イオンの量を増加させ、ステーション1内で処理されているウエハ101の凹状の反りを低減させる。別の例として、分流インダクタL40が高周波数ブロック回路504A、通常閉位置にあるスイッチS1、インダクタL9、OUT#1、及び同軸ケーブル416Aを通じてステーション1の台座140に結合されているときは、ステーション1の台座140への電流の量を増加させるために、分流インダクタL40のインダクタンスが変更される。台座140への電流は、同軸ケーブル416Aが台座140に結合され且つシャワーヘッド150が接地電位又は別の電位に結合されているときに増加する。台座140への電流の量の増加は、シャワーヘッド150と台座140との間のプラズマの正イオンの量を増加させ、ステーション1内で処理されているウエハ101の凸状の反りを低減させる。
【0131】
同様に、高周波数ブロック回路504B、通常閉位置にあるスイッチS2、インダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416Bを通じたステーション2への分流インダクタL42の結合は、ステーション2に供給される電流の量を分流インダクタL42が制御することを可能にする。例えば、高周波数ブロック回路504B、通常閉位置にあるスイッチS2、インダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416Bを通じてステーション2に供給される電流の量を増加させるために、分流インダクタL42のインダクタンスが変更される。別の例として、分流インダクタL42インダクタンスが変更されると、端E3、高周波数ブロック回路504C、出力O2、通常閉位置にあるスイッチS2、インダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416Bを通じて分流インダクタL42からステーション2に流れる電流の量が、増加する又は減少するなどのように変化する。
【0132】
電流の量の増加は、ステーション2の中で処理されているウエハ101の表面に衝突するイオンの量を増加させて、ウエハ反りを低減させる。例えば、分流インダクタL42が高周波数ブロック回路504B、通常閉位置にあるスイッチS2、インダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416Bを通じてステーション2のシャワーヘッド150に結合されているときは、ステーション2のシャワーヘッド150への電流の量を増加させるために、分流インダクタL42のインダクタンスが変更される。シャワーヘッド150への電流は、同軸ケーブル416Bがシャワーヘッド150に結合され且つ台座140が接地電位又は別の電位に結合されているときに増加する。シャワーヘッド150への電流の量の増加は、シャワーヘッド150から台座140に移動するプラズマの正イオンの量を増加させて、ステーション2の中で処理されているウエハ101の凹状のウエハ反りを低減させる。別の例として、分流インダクタL42が高周波数ブロック回路504B、通常閉位置にあるスイッチS2、インダクタL11、OUT#2、及び同軸ケーブル416Bを通じてステーション2の台座140に結合されているときは、ステーション2の台座140への電流の量を増加させるために、分流インダクタL42のインダクタンスが変更される。台座140への電流は、同軸ケーブル416Bが台座140に結合され且つシャワーヘッド150が接地電位又は別の電位に結合されているときに増加する。台座140への電流の量の増加は、シャワーヘッド150から台座140に移動するプラズマの正イオンの量を増加させて、ステーション2の中で処理されているウエハ101の凸状のウエハ反りを低減させる。
【0133】
更に、同様に、高周波数ブロック回路504C、通常閉位置にあるスイッチS3、インダクタL13、OUT#3、及び同軸ケーブル416Cを通じたステーション3への分流インダクタL44の結合は、ステーション3に供給される電流の量を分流インダクタL44が制御することを可能にする。同様に、高周波数ブロック回路504D、通常閉位置にあるスイッチS4、インダクタL15、OUT#4、及び同軸ケーブル416Dを通じたステーション4への分流インダクタL46の結合は、ステーション4に供給される電流の量を分流インダクタL46が制御することを可能にする。
【0134】
例えば分流インダクタL40、L42、L44、又はL46などの受動素子が、結合・分配器802内に実装される。結合・分配器802は、1つの又は複数のチャンバ内に位置付けられたステーション1~4のうちの2つ以上を通電する。シャワーヘッド150と台座140との間のイオンの量を増加させることによって、各分流インダクタL40、L42、L44、及びL46は、ステーション1~4のうちの対応する1つのステーションに供給される電力がウエハ101の反りによって影響されないように、そのステーション総インピーダンスの応答を変更する。例えば、分流インダクタL40のインダクタンスが、ステーション1の総インピーダンスの応答を変化させるように変更され、分流インダクタL42のインダクタンスが、ステーション2の総インピーダンスの応答を変化させるように変更され、分流インダクタL44のインダクタンスが、ステーション3の総インピーダンスの応答を変化させるように変更され、分流インダクタL46のインダクタンスが、ステーション4の総インピーダンスの応答を変化させるように変更される。一部の実施形態では、結合・分配器802は、初期の反りがRF電力を低くし次いで更に反りを強くする悪循環の可能性を抑える。別の例として、以下で更に説明されるパラメータプローブが、1回目のウエハ101処理中にパラメータを測定するために、出力OUT#1に又はステーション1の入力に結合される。測定されたパラメータは、ユーザによって読み取られ、ウエハ101の処理後、ステーション1への電流の量を増加させるためにユーザによって手動で分流インダクタL40の値が変更される。パラメータプローブは、再び、2回目のウエハ101処理中にパラメータを測定する。2回目は、1回目の後である。2回目の処理の後、ユーザによってインダクタL40の値が変更される。パラメータを測定してインダクタL40のインダクタンスを変更するこのプロセスは、インダクタンスが所定のパラメータ値から所定の制限内になるまで繰り返される。このように、所定のパラメータ値を実現するためのインダクタL40の受動的制御がある。同様に、インダクタンスL42、L44、及びL46のインダクタンスが、対応するインダクタンスが対応する所定のパラメータ値から対応する所定の制限内になるまで手動で変更される。
【0135】
一実施形態では、1つのステーション用の所定のパラメータ値からの所定の制限が、別のステーション用の所定のパラメータ値からの所定の制限と異なる。一実施形態では、1つのステーション用の所定のパラメータ値からの所定の制限が、別のステーション用の所定のパラメータ値からの所定の制限と同じである。一実施形態では、1つのステーション用の所定のパラメータ値が、別のステーション用の所定のパラメータ値と異なる。一実施形態では、1つのステーション用の所定のパラメータ値が、別のステーション用の所定のパラメータ値と同じである。
【0136】
図8Bは、配送電力の変化がゼロパーセント変化である又はゼロパーセント変化から所定の制限内であるなど実質的に無視できる配送電力の変化を実現するための、可変分流インダクタL401、L421、L441、及びL461の制御を説明するための、システム810の一実施形態の図である。可変分流インダクタL401、L421、L441、及びL461を制御することによって、ステーション1~4におけるウエハの反りが能動的に制御される。システム810は、プローブ制御・システム制御部110と、結合・分配器812とを含む。結合・分配器812は、分流インダクタL40が分流インダクタL401で置き換えられ、分流インダクタL42が分流インダクタL421で置き換えられ、分流インダクタL44がL441で置き換えられ、分流インダクタL46が分流インダクタL461で置き換えられていることを除いて、結合・分配器802と同じである。例えば、分流インダクタL401、L421、L441、及びL461のうちの1つ以上のインダクタのインダクタンスが、ウエハ101の処理中に変更されるようにプローブ制御・システム制御部110によって制御される。例を示すと、分流インダクタL401のインダクタンスが、ステーション1内におけるウエハ101上への薄膜堆積中に増加又は低減されるように、プローブ制御・システム制御部110によって制御される。別の例を示すと、分流インダクタL421のインダクタンスが、ステーション2内におけるウエハ101上への薄膜堆積中に増加又は低減されるように、プローブ制御・システム制御部110によって制御される。
【0137】
システム810は、更に、同軸ケーブル416Aの端814Aに結合されたパラメータプローブPaを含み、端814Aは、OUT#1に結合される。端814Aは、ステーション1の入力に位置付けられる。更に、システム810は、同軸ケーブル814Bの端814Bに結合されたパラメータプローブPbを含み、端814Bは、OUT#2に結合される。端814Bは、ステーション2の入力に位置付けられる。また、システム810は、更に、同軸ケーブル416Cの端814Cに結合されたパラメータプローブPcを含み、端814Cは、OUT#3に結合される。端814Cは、ステーション3の入力に位置付けられる。システム810は、更に、同軸ケーブル416Dの端814Dに結合されたパラメータプローブPdを含み、端814Dは、OUT#4に結合される。端814Dは、ステーション4の入力に位置付けられる。
【0138】
端416Aは、ステーション1の入力に位置付けられる。例えば、端416Aは、ステーション1の台座140又はシャワーヘッド150に接続される。同様に、端416Aは、ステーション2の入力に位置付けられ、端416Cは、ステーション3の入力に位置付けられ、端416Dは、ステーション4の入力に位置付けられる。例えば、端416Bは、ステーション2の台座140又はシャワーヘッド150に接続され、端416Cは、ステーション3の台座140又はシャワーヘッド150に接続され、端416Cは、ステーション4の台座140又はシャワーヘッド150に接続される。
【0139】
パラメータプローブPa~Pdの一例に、ステーションに配送される電力を測定するセンサなどの電力センサがある。例を示すと、パラメータプローブPaは、OUT#1から同軸ケーブル416A及び端814Aを通じてステーション1に配送される電力を測定する。別の例を示すと、パラメータプローブPbは、OUT#2から同軸ケーブル416B及び端814Bを通じてステーション1に配送される電力を測定する。ステーションに配送される電力の一例は、同軸ケーブルを通じてステーションに供給される電力と、同軸ケーブルを通じてステーションから反射される電力との差である。各パラメータプローブPa~Pdの別の例に、ステーションに供給される電力及びステーションから反射される電力を測定する電力センサがある。
【0140】
システム810は、複数のモータMa、Mb、Mc、及びMdも含む。モータMaは、接続メカニズム816Aを通じて分流インダクタL401に結合される。同様に、モータMbは、接続メカニズム816Bを通じて分流インダクタL421に結合され、モータMcは、接続メカニズム816Cを通じて分流インダクタL441に結合され、モータMdは、接続メカニズム816Dを通じて分流インダクタL461に結合される。
【0141】
各モータMa、Mb、Mc、及びMdは、プローブ制御・システム制御部110に結合される。例えば、モータMaは、プローブ制御・システム制御部110内に位置付けられた1つ以上のトランジスタなどのドライバを通じてローブ制御・システム制御部110のプロセッサに結合される。別の例として、モータMbは、プローブ制御・システム制御部110内に位置付けられた1つ以上のトランジスタなどのドライバを通じてプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに結合される。モータMcは、プローブ制御・システム制御部110内に位置付けられた1つ以上のトランジスタなどのドライバを通じてプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに結合される。同様に、モータMdは、プローブ制御・システム制御部110内に位置付けられた1つ以上のトランジスタなどのドライバを通じてプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに結合される。
【0142】
端814Aにおいてステーション1に配送される電力は、パラメータプローブPaから転送ケーブル818Aを通じてプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに送られる。プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、配送される電力を既定の期間にわたって受信し、該期間は、プローブ制御・システム制御部110のメモリデバイスに格納されている。プロセッサは、端814Aにおいて所定の期間にわたって配送される電力の変化が、ゼロパーセント変化から所定の制限内であるなど実質的に無視できるかどうかを決定する。例を示すと、プロセッサは、端814Aにおいて配送される電力の変化が、所定の期間にわたって1%などの所定の制限未満であるかどうかを決定する。別の例として、プロセッサは、配送される電力の変化が、所定の期間にわたって0.08%などの所定の制限未満であるかどうかを決定する。尚もの別の例として、プロセッサは、配送される電力が、所定の期間にわたって所定のパーセンテージなどの所定の制限未満の標準偏差を有するかどうかを決定する。プロセッサは、パラメータプローブPaによって測定された電力からの標準偏差を計算する。所定のパーセンテージは、メモリデバイスのメモリデバイスに格納されている。
【0143】
端814Aにおいてステーション1に配送される電力の変化が、ゼロパーセント変化から所定の制限よりも大きいと決定すると、プロセッサは、分流インダクタL401を制御して、そのインダクタンスを変化させる。例えば、プロセッサは、分流インダクタL401のコアの位置を分流インダクタL401の巻き線に対して変化させて、分流インダクタL401のインダクタンスを変更するために、モータMaに信号を送信する。プロセッサは、端814Aにおいてステーション1に配送される電力の変化が、ゼロパーセント変化から所定の制限未満であるなど実質的に無視できるようになるまで、分流インダクタL401を制御して、そのインダクタンスを変化させる。ステーション1に配送される電力の変化が実質的に無視できるときは、ウエハ101のウエハ101の反りが低減される。
【0144】
同様に、所定の期間にわたってパラメータプローブPbによって測定される配送電力に基づいて、プローブ制御・システム制御部110は、端814Bにおいてステーション2に配送される電力の変化が実質的に無視できるように、分流インダクタL421を制御する。更に、所定の期間にわたってパラメータプローブPcによって測定される配送電力に基づいて、プローブ制御・システム制御部110は、端814Cにおいてステーション3に配送される電力の変化が実質的に無視できるように、分流インダクタL441を制御する。また、所定の期間にわたってパラメータプローブPdによって測定される配送電力に基づいて、プローブ制御・システム制御部110は、端814Dにおいてステーション4に配送される電力の変化が実質的に無視できるように、分流インダクタL461を制御する。
【0145】
可変分流インダクタL401、L421、L441、及びL461に代わって分流インダクタL40、L42、L44、及びL46が使用される実施形態では、分流インダクタ40は、パラメータプローブPaによって測定される端814Aにおける配送電力の変化がプローブ制御・システム制御部110のプロセッサによって実質的に無視できると決定されるまで、別の固定の分流インダクタに手動で置き換えられる。更に、分流インダクタ42は、パラメータプローブPbによって測定される端814Bにおける配送電力の変化がプローブ制御・システム制御部110のプロセッサによって実質的に無視できると決定されるまで、別の固定の分流インダクタに手動で置き換えられる。同様に、分流インダクタ44は、パラメータプローブPaによって測定される端814Cにおける配送電力の変化がプローブ制御・システム制御部110のプロセッサによって実質的に無視できると決定されるまで、別の固定の分流インダクタに手動で置き換えられる。また、分流インダクタ46は、パラメータプローブPaによって測定される端814Dにおける配送電力の変化がプローブ制御・システム制御部110のプロセッサによって実質的に無視できると決定されるまで、別の固定の分流インダクタに手動で置き換えられる。
【0146】
一実施形態では、端814A814Dにおいて配送電力を測定する代わりに、出力OUT#1~OUT#4において配送電力が測定される。
【0147】
一実施形態では、出力OUT#1~OUT#4において又は端814A814Dをおいて配送電力を測定する代わりに、同軸ケーブル416A~416D上の任意の地点において配送電力が測定される。
【0148】
一実施形態では、配送電力が測定されて、パラメータプローブからプローブ制御・システム制御部110に送信される代わりに、供給される電力及び反射される電力が測定されて、パラメータプローブからプローブ制御・システム制御部110のプロセッサに送信される。プローブ制御・システム制御部110のプロセッサは、ステーションに配送される電力を計算するために、ステーションに供給される電力と、ステーションから反射される電力との差を計算する。
【0149】
図9Aは、調整回路及びインダクタを含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路及びコンデンサを含む別の低周波数回路部分との間に分流インダクタ900が位置付けられることを説明するための、分流インダクタ900の一実施形態の回路図である。低周波数回路部分は、図8Aの低周波数回路806の部分である。分流インダクタL40、又はL42、又はL44、又はL46は、分流インダクタ900が固定であるときの分流インダクタ900の一例である。同様に、分流インダクタL401、又はL421、又はL441、又はL461は、分流インダクタ900が可変であるときの分流インダクタ900の一例である。分流インダクタ900の一端は、接地接続に結合される。分流インダクタ900の別の端は、調整回路及びインダクタを含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路及びコンデンサを含む別の低周波数回路部分との間に位置付けられた端Eaに結合される。例えば、分流インダクタL40は、コンデンサC5及びインダクタL1を含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路504A及びコンデンサC10を含む別の低周波数回路部分との間に位置付けられた端E1(図8A)に結合される。別の例として、分流インダクタL42は、コンデンサC6及びインダクタL2を含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路504B及びコンデンサC12を含む別の低周波数回路部分との間に位置付けられた端E3(図8A)に結合される。尚も別の例として、分流インダクタL44は、コンデンサC7及びインダクタL3を含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路504C及びコンデンサC14を含む別の低周波数回路部分との間に位置付けられた端Eaに結合される。更に別の例として、分流インダクタL46は、コンデンサC8及びインダクタL4を含む低周波数回路部分と、高周波数ブロック回路504D及びコンデンサC16を含む別の低周波数回路部分との間に位置付けられた端Eaに結合される。
【0150】
図9Bは、低周波数回路506の高周波数ブロック回路と、プラズマ処理ステーション1~4のうちの1つのステーションとの間に分流インダクタ900が結合されることを説明するための、分流インダクタ900の一実施形態の回路図である。例えば、分流インダクタL40は、結合・分配器121の高周波数ブロック回路504Aと、スイッチS1との間に結合される。分流インダクタL40の一端は、大地接続に結合され、分流インダクタ900の別の端は、高周波数ブロック回路504Aと、該高周波数ブロック回路504Aに接続されたスイッチS1との間の地点における端Ebに結合される。別の例として、分流インダクタL42は、高周波数ブロック回504BとスイッチS2との間に位置付けられた出力O2などの端Ebに結合される。尚も別の例として、分流インダクタL44は、高周波数ブロック回504CとスイッチS3との間に位置付けられた出力O3などの端Ebに結合される。更に別の例として、別の例として、分流インダクタL46は、高周波数ブロック回504DとスイッチS4との間に位置付けられた出力O4などの端Ebに結合される。
【0151】
別の例として、分流インダクタ900は、出力部分510のスイッチと、出力部分510のインダクタとの間に結合される。更に例を示すと、分流インダクタL40は、スイッチS1とインダクタL9との間の地点P1(図8A)などの端Ebに接続される。別の例として、分流インダクタL42は、スイッチS2とインダクタL11との間の地点P2などの端Ebに接続される。別の例として、分流インダクタL44は、スイッチS3とインダクタL13との間の地点などの端Ebに接続される。別の例として、分流インダクタL46は、スイッチS4とインダクタL15との間の地点などの端Ebに接続される。
【0152】
更に別の例として、分流インダクタ900は、出力部分510と、プラズマ処理ステーション1~4のうちの1つのステーションとの間に結合される。更に例を示すと、分流インダクタL40は、出力OUT#1とプラズマ処理ステーション1との間の同軸ケーブル416A上の地点などの端Ebに接続される。別の例として、分流インダクタL42は、出力OUT#2とプラズマ処理ステーション2との間の同軸ケーブル416B上の地点などの端Ebに接続される。尚も別の例として、分流インダクタL44は、出力OUT#3とプラズマ処理ステーション3との間の同軸ケーブル416C上の地点などの端Ebに接続される。別の例として、分流インダクタL46は、出力OUT#4とプラズマ処理ステーション4との間の同軸ケーブル416D上の地点などの端Ebに接続される。
【0153】
別の例として、分流インダクタ900は、平衡化インダクタL9、L11、L13、及びL15のうちの1つと、該平衡化インダクタに結合された出力OUT#1~OUT#4のうちの1つとの間に結合される。更に例を示すと、分流インダクタL40は、結合・分配器121のインダクタL9と出力OUT#1との間の地点P3などの端Ebに結合される。別の例として、分流インダクタL42は、結合・分配器121のインダクタL11と出力OUT#2との間の地点P4などの端Ebに結合される。尚も別の例として、分流インダクタL44は、結合・分配器121のインダクタL13と出力OUT#3との間の地点などの端Ebに結合される。別の例として、分流インダクタL46は、結合・分配器121のインダクタL15と出力OUT#4との間の地点などの端Ebに結合される。
【0154】
留意すべきは、分流インダクタ900が、端Eaの代わりに端Ebに結合されることである。
【0155】
図9Cは、低周波数回路520の入力520と、調整回路及びインダクタを含む低周波数回路部分との間に分流インダクタ900が結合されることを説明するための、分流インダクタ900の一実施形態の回路図である。低周波数回路部分は、低周波数回路506の回路部分である。例えば、分流インダクタ900の一端は、接地接続に結合され、分流インダクタ900の別の端は、低周波数回路520の入力520と、DCブロックコンデンサC1~C4のうちの1つとの間に位置付けられた端Ecに結合される。更に例を示すと、分流インダクタL40は、コンデンサC1と低周波数回路520の入力520(図8A)との間の地点P5などの端Ecに接続される。別の例として、分流インダクタL42は、コンデンサC2と低周波数回路520の入力520との間の地点P6(図8A)などの端Ecに接続される。尚も別の例として、分流インダクタL44は、コンデンサC3と低周波数回路520の入力520との間の地点などの端Ecに接続される。別の例として、分流インダクタL46は、コンデンサC4と低周波数回路520の入力520との間の地点などの端Ecに接続される。
【0156】
別の例として、分流インダクタ900の一端は、接地接続に結合され、分流インダクタ900の別の端は、DCブロックコンデンサC1~C4のうちの1つと、該DCブロックコンデンサに結合されたインダクタL1~L4のうちの1つとの間に位置付けられたEcに結合される。更に例を示すと、分流インダクタL40は、コンデンサC1とインダクタL1との間の地点P7などの端Ecに接続される。別の例として、分流インダクタL42は、コンデンサC2とインダクタL2との間の地点P8(図8A)などの端Ecに接続される。尚も別の例として、分流インダクタL44は、コンデンサC3とインダクタL3との間の地点などの端Ecに接続される。別の例として、分流インダクタL46は、コンデンサC4とインダクタL4との間の地点などの端Ecに接続される。
【0157】
留意すべきは、一実施形態では、図8Aを参照にして上述された、分流インダクタL40、L42、L44、及びL46を受動的に制御するための方法が、低周波数回路506の入力520とステーション1~4のうちの1つのステーションの入力との間における分流インダクタ900の結合の場所にかかわらず、分流インダクタ900に等しく適応可能であることである。例えば、分流インダクタ900の値は、ステーション1におけるウエハ101の処理後、同軸ケーブル416Aの端814AにおいてパラメータプローブPaによって測定されるパラメータの値がそのパラメータの所定の値から所定の制限内になるまで、ユーザによって手動で変更される。別の例として、分流インダクタ900の値は、ステーション2におけるウエハ101の処理後、同軸ケーブル416Bの端814BにおいてパラメータプローブPbによって測定されるパラメータの値がそのパラメータの所定の値から所定の制限内になるまで、ユーザによって手動で変更される。
【0158】
更に留意すべきは、一実施形態では、図8Bを参照にして上述された、分流インダクタL401、L421、L441、及びL461を能動的に制御するための方法が、低周波数回路506の入力520とステーション1~4のうちの1つのステーションの入力との間における分流インダクタ900の結合の場所にかかわらず、分流インダクタ900に等しく適応可能であることである。例えば、分流インダクタ900の値は、ステーション1におけるウエハ101の処理後、同軸ケーブル416Aの端814AにおいてパラメータプローブP1によって測定されるパラメータの値がそのパラメータの所定の値から所定の制限内になるまで、モータMaを使用して変更される。この例では、分流インダクタL900は、低周波数回路506の入力520と、同軸ケーブル416Aの端814Aとの間に結合される。別の例として、分流インダクタ900の値は、ステーション2におけるウエハ101の処理後、同軸ケーブル416Bの端814BにおいてパラメータプローブP2によって測定されるパラメータの値がそのパラメータの所定の値から所定の制限内になるまで、モータMbを使用して変更される。この例では、分流インダクタL900は、低周波数回路506の入力520と、同軸ケーブル416Bの端814Bとの間に結合される。
【0159】
留意すべきは、分流インダクタ900が、端Ea又は端Ebの代わりに端Ecに結合されることである。
【0160】
更に留意すべきは、一実施形態では、分流インダクタ900が、ステーションに並列に結合されることである。例えば。分流インダクタL40は、ステーション1に並列に結合され、分流インダクタL42は、ステーション2に並列に結合され、分流インダクタL44は、ステーション3に並列に結合され、分流インダクタL46は、ステーション4に並列に結合される。例を示すと、分流インダクタL40の一端が、同軸ケーブル416Aに結合され、分流インダクタL40の別の端が、接地接続に結合される。同様に、ステーション1の台座140又はシャワーヘッド150などの一端が、同軸ケーブル416Aに結合され、ステーション1のシャワーヘッド150又は台座140などの反対の端が、接地接続に結合される。台座140は、ステーション1の、接地接続とは反対側の端に位置付けられる。台座140は、ステーション1のシャワーヘッド150とは反対側に配置されている。別の例として、分流インダクタL401は、ステーション1に並列に結合され、分流インダクタL421は、ステーション2に並列に結合され、分流インダクタL441は、ステーション3に並列に結合され、分流インダクタL461は、ステーション4に並列に結合される。尚も別の例として、分流インダクタ900は、低周波数回路506の入力520と、図8Bに例示された端814A~814Dのうちの1つとの間の地点に結合される。別の例として、分流インダクタ900は、低周波数回路506と、端814A~814Dのうちの1つとの間の地点に結合される。尚も別の例として、図9A~9Cを参照にして説明されたような、分流インダクタ900がステーション1~4のうちの1つに結合される様々な方式は、分流インダクタ900とステーション1~4のうちの1つとの間の並列結合を例示したものである。
【0161】
図10は、分流インダクタL40、L42、L44、及びL46が使用されていないときと、分流インダクタL40、L42、L44、及びL46が使用されているときとのウエハの反りの比較を説明した図である。図10の上半分に示されるように、分流インダクタL40、L42、L44、及びL46が使用されないときは、多量のイオンがウエハ101に衝突するゆえに、正の反りが生じる。時間の経過にともなって、ウエハ101上に堆積される層の枚数が増えるにつれて、図10の上半分のグラフに示されるように、ウエハ101が処理されているステーション1に配送される低周波数電力が減少する。低周波数電力の減少にともなって、例えば「イオン衝突が減少」で示されるなどの、ウエハ101に衝突しているイオンの数の減少、及び例えば「正の反りが増す」で示されるなどの、ウエハの反りの増加が起きる。
【0162】
図10の下半分に示されるように、システム800において分流インダクタL40、L42、L44、及びL46が使用されるときは、配送される低周波数電力は、図10の下半分のグラフに示されるように、実質的に一定にとどまる。時間の経過にともなって、ウエハ101上に堆積される層の枚数は増えるが、ウエハの反りの変化は、図10の下半分に「安定したウエハの反り」として示されるように、例えば変化が無いなど最小限である。
【0163】
図11は、ステーション1~4に配送される低周波数電力の変化に分流インダクタL40、L42、L44、及びL46が及ぼす効果を説明するための図である。回路1102に示されるように、ステーション1~4のうちの1つにおけるプラズマの抵抗は、Rpとして示され、そのプラズマの容量リアクタンスは、Xpとして示され、これは、ウエハ101が反るときは負になる。ステーション1~4のうちの1つに帰属する抵抗は、Rstであり、ステーション1~4のうちの1つに帰属するリアクタンスは、Xstである。抵抗Rstは、ウエハ101が反るときに減少する。電流Iが、ステーション1~4のうちの1つに提供され、ウエハ101が反っている間、実質的に同じにとどまる。ウエハが反るときは、Rstの減少にともなって、ステーション1~4のうちの1つに配送される電力Pが減少する。抵抗Rstに影響を及ぼすRcは、シャワーヘッド150の抵抗、ステーション1~4のうちの1つのステーションの壁の抵抗、台座140の抵抗、及びステーション1~4のうちの1つのステーション内における寄生プラズマの抵抗を含む。リアクタンスXpに影響を及ぼすリアクタンスXcは、シャワーヘッド150のリアクタンス、ステーション1~4のうちの1つのステーションの壁のリアクタンス、台座140のリアクタンス、及びステーション1~4のうちの1つのステーション内における寄生プラズマのリアクタンスを含む。分流インダクタL40、L42、L44、及びL46は、ステーション1~4のうちの1つに提供される電流Iを増加させるなどして制御し、更に、ステーション1~4のうちの1つに配送又は供給されるなどして提供される電力を制御するために使用される。例えば、ステーション1に供給される例えばΔIなどの電流の変化を実現し、更に、ステーション1に配送される電力の例えばΔPなどの減少を無効にするために、分流インダクタL40のインダクタンスが変更される。別の例として、ステーション1に配送される電力の変化ΔPは、ΔI/Iが-ΔR/2Rに等しいときにゼロである。分流インダクタL40の値を選択することによって、ΔI/Iが-ΔR/2Rに等しくなる。電流Iの相対的変化ΔI/Iは、抵抗Rの相対的変化ΔR/Rの半分であり、抵抗の相対的変化とは符号が反対である。ΔI/Iが-ΔR/2Rに等しくなるように分流インダクタL40の値が選択されると、ステーション1におけるウエハ101の反りが、ステーション1に配送される電力に影響しなくなる。ステーション1に配送される電力は、ウエハ101上に堆積される層の枚数の増加にともなって減少する。
【0164】
図12A及び図12Bは、処理ステーション1~4に配送される電力の低減に分流インダクタL40、L42、L44、及びL46の使用が及ぼす効果を説明するための、フローチャートの実施形態の図である。分流インダクタL40、L42、L44、及びL46のインダクタンスが、ステーション1~4に供給される電流を例えばΔIを正にするなど増加させるなどのために、例えば事前に定められる、事前に設定される、動的に制御されるなどして制御される。電流の増加は、ステーション1~4に配送される電力の減少を打ち消す。配送される電力の減少は、ウエハ101上に堆積される層の枚数の増加にともなって生じる。
【0165】
分流インダクタL40は、ステーション1の抵抗の降下を例えばΔR<<0のように軽減し、また、ステーション1への電流をΔI>0であるように増加させる。留意すべきは、ΔRが、ΔRstと同じであることである。例えばI2ΔR及び2IRΔIなどの、電力に影響する2つのメカニズムは、ステーション1に配送されるΔPで表される電力の変化がゼロパーセントに等しい又はゼロパーセントから所定の制限内であるなど実質的に無視できるように、互いに相殺し合う。例を示すと、ΔPの値は、0.05%から1%の間の範囲である。別の例として、ΔPの値は、0.7%である。所定の制限は、メモリデバイスに格納されている。同様に、分流インダクタL42は、ステーション2の抵抗の降下を例えばΔR<<0のように軽減し、また、ステーション2への電流を増加させる。分流インダクタL44は、ステーション3の抵抗の降下を例えばΔR<<0のように軽減し、また、ステーション3への電流を増加させる。分流インダクタL46は、ステーション4の抵抗の降下を例えばΔR<<0のように軽減し、また、ステーション4への電流を増加させる。
【0166】
図13Aは、ステーションのうちの1つ1に配送される低周波数電力が、ウエハ101上に堆積される層の枚数の増加にともなって減少することを説明するための、グラフ1302の一実施形態の図である。グラフ1302は、低周波数電力を時間に対してプロットしている。時間の経過にともなって、ウエハ101上に堆積される層の枚数が増加する。例えば全てのステーション1~4などマルチステーション型ツールにおけるステーションLF電力は、ウエハ101上に何らかの閾値を超える枚数の層が堆積された後にずれる。分流インダクタL40、L42、L44、及びL46は、以下で図13Bに例示されるように、電力の配送を安定化させる。
【0167】
図13Bは、ステーション1に配送される電力の、ウエハ101上に堆積される層の枚数の増加にともなう減少が、図13Aで説明されたよりも少ないことを説明するための、グラフ1304の一実施形態の図である。グラフ1304は、ステーション1~4のうちの1つに分流インダクタL40が使用されるときの、ステーション1~4のうちの1つに配送される低周波数電力を、時間に対してプロットしている。
【0168】
グラフ1304では、堆積される例えば酸化物又は窒化物などの各層が、グラフ1302と比べて狭い電力スパイクとして表されている。各スパイクの最大振幅が、ステーション1~4のうちの1つに配送される電力を表している。
【0169】
本書で説明される実施形態は、手持ち式ハードウェアユニット、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサをベースにした若しくはプログラマブルな家庭用電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどの、様々なコンピュータシステム構成で実施されてよい。これらの実施形態は、また、コンピュータネットワークを通じてリンクされた遠隔処理ハードウェアユニットによってタスクが実施される分散コンピューティング環境内でも実施できる。
【0170】
一部の実施形態では、コントローラは、システムの一部であってよく、該システムは、上述された例の一部であってよい。システムは、1つ若しくは複数の処理ツール、1つ若しくは複数のチャンバ、処理のための1つ若しくは複数のプラットフォーム、及び/又は特定の処理コンポーネント(ウエハ台座、ガスフローシステムなど)を含む。これらのシステムは、半導体ウエハ又は基板の処理の前、最中、及び後にそれらの動作を制御するための電子機器と一体化される。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれ、システムの様々なコンポーネント又は副部品を制御してよい。コントローラは、処理要件及び/又はシステムタイプに応じ、プロセスガスの配送、温度の設定(例えば、加熱及び/又は冷却)、圧力の設定、真空の設定、電力の設定、RF発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数の設定、流量の設定、流体配送の設定、位置及び動作の設定、ツールへの、及びシステムに接続された若しくはインターフェース接続されたその他の移送ツール及び/若しくはロードロックに対してウエハを出入りさせるウエハ移送などの、本書で開示される任意のプロセスを制御するようにプログラムされる。
【0171】
概して、多様な実施形態において、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、終点測定を可能にするなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、及び/又はソフトウェアを有する電子機器として定義される。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態をとるチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASICとして定められたチップ、PLD、及び/又はプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサ若しくはマイクロコントローラを含む。プログラム命令は、様々な個別設定(又はプログラムファイル)の形でコントローラに伝えられて、半導体ウエハに対して若しくは半導体ウエハのための又はシステムへのプロセスを実行に移すための動作パラメータを定義する命令である。動作パラメータは、一部の実施形態では、1枚以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、及び/又はウエハダイの製作における1つ以上の処理工程を実現するためにプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部である。
【0172】
コントローラは、一部の実施形態では、システムと一体化された、システムに結合された、それ以外の形でシステムにネットワーク接続された、若しくはこれらの組み合わせである、コンピュータの一部である、又はそのようなコンピュータに結合される。例えば、コントローラは、「クラウド」の中、又はファブホストコンピュータシステムの全体若しくは一部の中にあり、これは、ウエハ処理のための遠隔アクセスを可能にする。コントローラは、製作動作の現進行状況を監視するために、又は過去の製作動作の履歴を調査するために、又は複数の製作動作から傾向若しくはパフォーマンス基準を調査するために、又は現処理のパラメータを変更するために、又は処理工程を設定して現処理を追跡するために、又は新しいプロセスを開始させるために、システムへの遠隔アクセスを可能にする。
【0173】
一部の実施形態では、遠隔コンピュータ(例えば、サーバ)が、ローカルネットワーク又はインターネットを含むコンピュータネットワークを通じてシステムにプロセスレシピを提供する。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/若しくは設定の入力又はプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み、これらのパラメータ及び/又は設定は、次いで、遠隔コンピュータからシステムに伝達される。一部の例では、コントローラは、1つ以上の動作の最中に実施される各処理工程のためのパラメータを指定するデータの形式で命令を受信する。理解すべきは、これらのパラメータが、実施されるプロセスのタイプに、及びコントローラがインターフェース接続されるように又は制御するように構成されたツールのタイプに特有であることである。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワークによって結ばれて本書で説明されるプロセス及び制御などの共通の目的に向かって作業する1つ以上の個別のコントローラを含むなどによって、分散される。このような目的のための分散コントローラの一例として、(プラットフォームレベルで又は遠隔コンピュータの一部としてなどで)遠隔設置されチャンバにおけるプロセスを協同で制御する1つ以上の集積回路とやり取りする、チャンバ上の1つ以上の集積回路が挙げられる。
【0174】
制限なく、様々な実施形態では、システムの例として、プラズマエッチングチャンバ又はプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバ又は堆積モジュール、スピンリンスチャンバ、金属めっきチャンバ又は金属めっきモジュール、洗浄チャンバ又は洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバ又はベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバ又はPVDモジュール、化学気相成長(CVD)チャンバ又はCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバ又はALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバ又はALEモジュール、イオン注入チャンバ又はイオン注入モジュール、追跡チャンバ又は追跡モジュール、並びに半導体ウエハの製作及び/又は製造に関係付けられた又は使用されるその他のあらゆる半導体処理システムが挙げられる。
【0175】
更に留意すべきは、一部の実施形態では、上述された動作が、例えば誘導結合プラズマ(ICP)リアクタ、トランス結合プラズマリアクタ、容量結合プラズマリアクタ、導体ツール、誘電体ツール、電子サイクロトロン共鳴(ECR)リアクタを含むプラズマチャンバなどの、幾つかのタイプのプラズマチャンバに適用することである。例えば、1つ以上のRF発生器が、ICPリアクタ内でインダクタに結合される。インダクタの形状の例として、ソレノイド、ドーム状コイル、平らな形状のコイルなどが挙げられる。
【0176】
上記のように、ツールによって実施される1つ又は複数のプロセス工程に応じて、コントローラは、その他のツール回路若しくはツールモジュール、その他のツールコンポーネント、クラスタツール、その他のツールインターフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場の随所に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、又は半導体製造工場におけるツール場所及び/若しくは装填ポートに対してウエハが入った容器を出し入れする材料輸送に使用されるツールのうちの、1つ以上とやり取りする。
【0177】
上記の実施形態を念頭に置くと、理解すべきは、一部の実施形態が、コンピュータシステムに格納されたデータをともなう様々なコンピュータ実行動作を利用することである。これらのコンピュータ実行動作は、物理量を物理的に操作する動作である。本書で説明されて実施形態の一部を構成するあらゆる動作は、有用な機械動作である。
【0178】
一部の実施形態は、また、これらの動作を実施するためのハードウェアユニット又は装置にも関する。装置は、特殊用途コンピュータ用に特別に構成される。特殊用途コンピュータとして定められるとき、コンピュータは、その特殊用途のために動作可能でありつつ、その特殊用途の一部ではないその他の処理、プログラム実行、又はルーチンも実施する。
【0179】
一部の実施形態では、動作は、コンピュータメモリに格納された、キャッシュに格納された、又はコンピュータネットワークを通じて得られた1つ以上のコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされた又は構成されたコンピュータによって処理される。データがコンピュータネットワークを通じて得られるときは、そのデータは、例えばコンピューティングリソースのクラウドなどの、コンピュータネットワーク上のその他のコンピュータによって処理されてよい。
【0180】
1つ以上の実施形態が、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体上のコンピュータ読み取り可能コードとしても製作できる。非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータシステムによって後で読み出されるデータを格納する例えばメモリデバイスなどの任意のデータストレージハードウェアユニットである。非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体の例として、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、ROM、RAM、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、記録可能CD(CD-R)、書き換え可能CD(CD-RW)、磁気テープ、並びにその他の光及び非光データストレージハードウェアユニットが挙げられる。一部の実施形態では、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能コードが分散方式で格納及び実行されるように、ネットワークで結合されたコンピュータシステムに分散された有形のコンピュータ読み取り可能媒体を含む。
【0181】
上記の方法動作は、特定の順番で提示されているが、様々な実施形態では、これらの動作は、間にその他のハウスキーピング動作が実施されること、又は僅かに異なる時点で起きるように調整されること、又は方法動作が様々な時間間隔で発生する若しくは上述とは異なる順番で実施されることを許容するシステム内で分散されることが、理解されるべきである。
【0182】
更に留意すべきは、一実施形態では、上述された任意の実施形態からの1つ又は複数の特徴が、本開示で説明された様々な実施形態で説明された範囲から逸脱することなくその他の任意の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わされることである。
【0183】
以上の実施形態は、理解を明瞭にする目的で幾らか詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が実施できることが明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって限定的ではないと見なされ、本明細書で与えられる詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内で変更されえる。
本開示は、以下の適用例としても実現可能である。
<適用例1>
チャンバに関係付けられた複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するための電力分配器であって、
低周波数インピーダンス整合回路網に結合され、低周波数RF信号を提供するように構成された低周波数回路と、
高周波数インピーダンス整合回路網に結合され、高周波数RF信号を提供するように構成された高周波数回路であって、前記低周波数回路に結合された高周波数回路と、
前記高周波数回路に及び複数のプラズマ処理ステーションに結合された出力回路であって、前記プラズマ処理ステーションに提供するための複数の結合RF信号を生成するために、前記低周波数RF信号と前記高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された出力回路と、
前記プラズマ処理ステーションのうちの1つへの電流の量を増加させるために、前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに並列に結合された分流インダクタと、
を備える電力分配器。
<適用例2>
適用例1に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、2つの端を有し、前記2つの端のうちの一方は、接地接続に結合され、前記2つの端のうちの他方は、前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに結合される、電力分配器。
<適用例3>
適用例2に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路の入力と、前記低周波数回路の出力を前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに結合する同軸ケーブルの一端と、の間に結合される、電力分配器。
<適用例4>
適用例1に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路と前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つとの間の地点に結合される、電力分配器。
<適用例5>
適用例1に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路の入力と前記低周波数回路の直流(DC)ブロックコンデンサとの間の地点に結合される、電力分配器。
<適用例6>
適用例1に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路の直流(DC)ブロックコンデンサと前記低周波数回路のインダクタとの間の地点に結合される、電力分配器。
<適用例7>
適用例1に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、一端において接地接続に、及び反対の端において高周波数ブロック回路に結合され、
前記分流インダクタは、第1のコンデンサに並列に結合され、
前記高周波数ブロック回路は、第2のコンデンサに並列なインダクタを含み、
前記分流インダクタは、スイッチを通じて前記低周波数回路の平衡化インダクタに結合される、電力分配器。
<適用例8>
適用例7に記載の電力分配器であって、
前記第1のコンデンサは、一端において前記接地接続に、及び反対の端において前記高周波数ブロック回路に結合される、電力分配器。
<適用例9>
適用例1に記載の電力分配器であって、
前記分流インダクタは、可変インダクタ又は固定インダクタである、電力分配器。
<適用例10>
複数のプラズマ処理ステーションに電力を配送するためのシステムであって、
第1の周波数を有する第1のRF信号を生成するように構成された第1の無線周波数(RF)発生器と、
第2の周波数を有する第2のRF信号を生成するように構成された第2のRF発生器と、
前記第1のRF信号を受信するために前記第1のRF発生器に結合された第1の整合回路網であって、前記第1のRF発生器からの前記第1のRF信号の受信を受けて第1の修正RF信号を出力するように構成された第1の整合回路網と、
前記第2のRF信号を受信するために前記第2のRF発生器に結合された第2の整合回路網であって、前記第2のRF発生器からの前記第2のRF信号の受信を受けて第2の修正RF信号を出力するように構成された第2の整合回路網と、
前記第1の整合回路網の出力及び前記第2の整合回路網の出力に結合された電力分配器であって、複数のプラズマ処理ステーションに結合RF信号を提供するために、前記第1の修正RF信号と前記第2の修正RF信号とを組み合わせるように構成され、前記プラズマ処理ステーションに結合された複数の出力を有し、
前記第1の整合回路網に結合され、低周波数RF信号を提供するように構成された低周波数回路と、
前記第2の整合回路網に及び前記低周波数回路に結合され、高周波数RF信号を提供するように構成された高周波数回路と、
前記高周波数回路に及び前記複数のプラズマ処理ステーションに結合された出力回路であって、前記プラズマ処理ステーションに提供するための前記結合RF信号を生成するために、前記低周波数RF信号と前記高周波数RF信号とを組み合わせるように構成された出力回路と、
を含む電力分配器と、
前記プラズマ処理ステーションのうちの1つへの電流の量を増加させるために、前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに並列に結合された分流インダクタと、
を備えるシステム。
<適用例11>
適用例10に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、2つの端を有し、前記2つの端のうちの一方は、接地接続に結合され、前記2つの端のうちの他方は、前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに結合される、システム。
<適用例12>
適用例11に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路の入力と、前記低周波数回路の出力を前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに結合する同軸ケーブルの一端と、の間に結合される、システム。
<適用例13>
適用例10に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路と前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つとの間の地点に結合される、システム。
<適用例14>
適用例10に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路の入力と前記低周波数回路の直流(DC)ブロックコンデンサとの間の地点に結合される、システム。
<適用例15>
適用例10に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、前記低周波数回路の直流(DC)ブロックコンデンサと前記低周波数回路のインダクタとの間の地点に結合される、システム。
<適用例16>
適用例10に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、一端において接地接続に、及び反対の端において高周波数ブロック回路に結合され、
前記分流インダクタは、第1のコンデンサに並列に結合され、
前記高周波数ブロック回路は、第2のコンデンサに並列なインダクタを含み、
前記分流インダクタは、スイッチを通じて前記低周波数回路の平衡化インダクタに結合される、システム。
<適用例17>
適用例16に記載のシステムであって、
前記第1のコンデンサは、一端において前記接地接続に、及び反対の端において前記高周波数ブロック回路に結合される、システム。
<適用例18>
適用例10に記載のシステムであって、
前記分流インダクタは、可変インダクタ又は固定インダクタである、システム。
<適用例19>
ウエハの反りを低減するための方法であって、
低周波数インピーダンス整合回路網に結合された低周波数回路によって、低周波数RF信号を提供し、
高周波数インピーダンス整合回路網に結合された高周波数回路によって、高周波数RF信号を提供し、
複数のプラズマ処理ステーションに提供するための複数の結合RF信号を生成するために、前記低周波数RF信号と前記高周波数RF信号とを組み合わせ、
前記低周波数回路の分流インダクタによってウエハの反りを低減し、前記ウエハの反りは、前記プラズマ処理ステーションのうちの1つへの電流の量を増加させるために、前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに並列に前記分流インダクタが結合されるときに低減される、
ことを備える方法。
<適用例20>
適用例19に記載の方法であって、
前記分流インダクタは、2つの端を有し、前記2つの端のうちの一方は、接地接続に結合され、前記2つの端のうちの他方は、前記プラズマ処理ステーションのうちの前記1つに結合される、方法。
<適用例21>
適用例19に記載の方法であって、
前記分流インダクタは、可変インダクタ又は固定インダクタである、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13