(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-10
(45)【発行日】2022-03-18
(54)【発明の名称】アライメントの測定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20220311BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220311BHJP
G01B 11/06 20060101ALI20220311BHJP
G01B 11/255 20060101ALI20220311BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G03F7/20 521
G01B11/06 G
G01B11/255 H
H01L21/68 F
(21)【出願番号】P 2019561268
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(86)【国際出願番号】 EP2018063153
(87)【国際公開番号】W WO2018224293
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2019-12-23
(32)【優先日】2017-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シュミット-ウィーヴァー,エミル,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】バッタチャリヤ,カウスチューブ
(72)【発明者】
【氏名】クイーンズ,レネ,マリウス,ゲラルデュス,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンケ,ウォルフガング,ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】テル,ウィン,テジッボ
(72)【発明者】
【氏名】リンスホーテン,セオドルス,フランシスカス,アドリアヌス,マリア
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0334712(US,A1)
【文献】特開2016-206654(JP,A)
【文献】特開2010-016372(JP,A)
【文献】特開2008-199034(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0210460(US,A1)
【文献】特開2002-313706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されたトポグラフィ測定システムと、
前記決定した前記複数の位置の高さに基づいて前記基板の高さマップを決定し、前記高さマップと、基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップと、を比較することによって、前記基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
を備えるシステムであって、
前記高さマップが、z高さを含み、
前記少なくとも1つのアライメントパラメータが、x相対位置、y相対位置、x-y平面内の回転、のうちの少なくとも1つを含
み、
前記基準高さマップが、ターゲット部分の重心のアライメントを表すシグネチャを含む、システム。
【請求項2】
前記高さマップと前記基準高さマップを比較することにより前記基板に対する前記少なくとも1つのアライメントパラメータを決定することが、
前記高さマップ及び前記基準高さマップに基づいて、前記基準基板部分に対応する前記基板の少なくとも1つの部分の位置を決定することと、
前記基板の前記部分又は各部分の決定した位置を使用して前記少なくとも1つのアライメントパラメータを決定することと、
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記基板の前記部分又は各部分が、少なくとも1つの回路又は回路の一部、少なくとも1つのターゲット部分、少なくとも1つのトポグラフィ測定マーク、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記決定したアライメントパラメータが、前記基板の前記部分又は各部分の重心の位置を含み得る、請求項1から3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサがさらに、前記ウェーハのグローバルな形状及び他の非イントラフィールド特性を除去することによって前記高さマップを処理するように構成されている、請求項1から4の何れか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサ又は別のプロセッサが、前記決定した高さに基づいてリソグラフィ装置のピント調整を決定するように構成されている、請求項1から
5の何れか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記トポグラフィ測定システムが、第1のセンサと第2のセンサとを備え、
前記第1のセンサが、前記高さマップを決定する、前記基板上の前記複数の位置のそれぞれの前記各高さを決定するように構成され、
前記第2のセンサが、前記基板の別の高さを決定するように構成され、
前記プロセッサ又は別のプロセッサが、前記決定した別の高さに基づいてリソグラフィ装置のピント調整を決定するように構成されている、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定するように構成されたアライメントシステムをさらに備え、
前記プロセッサがさらに、前記決定した前記アライメントマークの位置に基づいて少なくとも1つの別のアライメントパラメータを決定するように構成されている、請求項1から
7の何れか一項に記載のシステム。
【請求項9】
基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定することと、
前記決定した前記複数の位置の高さに基づいて前記基板の高さマップを決定することと、
前記高さマップと、基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップを比較することによって、前記基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定することと、
を含む方法であって、
前記高さマップが、z高さを含み、
前記少なくとも1つのアライメントパラメータが、x相対位置、y相対位置、x-y平面内の回転、のうちの少なくとも1つを含
み、
前記基準高さマップが、ターゲット部分の重心のアライメントを表すシグネチャを含む、方法。
【請求項10】
放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
前記放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付与された放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構築されたサポートと、
基板を保持するように構築された基板テーブルと、
前記パターン付与された放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
を備えたリソグラフィ装置であって、
基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されたトポグラフィ測定システムと、
前記決定した前記複数の位置の高さに基づいて前記基板の高さマップを決定し、前記高さマップと、基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップと、を比較することによって、前記基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定するように構成されたプロセッサと、
をさらに備え、
前記高さマップが、z高さを含み、
前記少なくとも1つのアライメントパラメータが、x相対位置、y相対位置、x-y平面内の回転、のうちの少なくとも1つを含
み、
前記基準高さマップが、ターゲット部分の重心のアライメントを表すシグネチャを含む、リソグラフィ装置。
【請求項11】
前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定するように構成されたアライメントシステムをさらに備えた、請求項
10に記載のリソグラフィ装置。
【請求項12】
基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されたトポグラフィ測定システムと、
前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定するように構成されたアライメントシステムと、
前記決定した前記複数の位置の高さに基づいて前記基板の高さマップを決定し、前記決定した前記複数のアライメントマークの位置を使用して、それぞれが実質的に同じフィーチャを含む、前記基板の複数のターゲット部分のそれぞれの位置を決定し、前記ターゲット部分のそれぞれに対応する前記高さマップのセクションを処理することによって基準高さマップを決定するように構成されたプロセッサと、
を備えるシステムであって、
前記基準高さマップが、前記ターゲット部分の重心のアライメントを表すシグネチャを含む、システム。
【請求項13】
前記高さマップの前記セクションを処理することが、前記高さマップの前記セクションの高さの平均値を求めることを含む、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定することと、
前記基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定することと、
前記決定した前記複数の位置の高さに基づいて前記基板の高さマップを決定することと、
前記決定した前記複数のアライメントマークの位置を使用して、それぞれが実質的に同じフィーチャを含む、前記基板の複数のターゲット部分のそれぞれの位置を決定することと、
前記ターゲット部分のそれぞれに対応する前記高さマップのセクションを処理することによって基準高さマップを決定することと、
を含む方法であって、
前記基準高さマップが、前記ターゲット部分の重心のアライメントを表すシグネチャを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001] この出願は、2017年6月8日に出願された欧州出願17174982.3の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002] 本発明は、アライメントを測定するためのシステム及び方法に関する。このシステムはリソグラフィ装置の一部を形成することができる。
【背景技術】
【0003】
[003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[004] 基板上に提供された放射感応性材料の層上に、パターニングデバイスからパターンが投影される前に、基板のトポグラフィが測定される。これを達成するために、リソグラフィ装置に、レベルセンサ、レベリングシステム又はトポグラフィ測定システムと称される場合もあるトポグラフィ測定システムが提供される。トポグラフィ測定システムは、基板の表面にわたって基板の表面の高さを測定する。高さ測定値を使用して、基板上へのパターンの正確な投影を支援する高さマップが形成される。
【0005】
[005] リソグラフィプロセスを制御して基板上に所望のパターンを正確に適用するために、基板上にアライメントマークが設けられ、リソグラフィ装置はアライメントシステムを備える。アライメントシステムは測定を実行し、測定結果から基板上に設けられたアライメントマークの位置を決定するように構成される。一部の既知のシステムでは、例えば基板のフィールド当たり1個又は2個のアライメントマークが存在する可能性がある。例えば、約80個のフィールドを有する基板には、80個から160個のアライメントマークが存在する可能性がある。アライメントシステムは、基板上の32個から40個のアライメントマークを測定するように構成されてよい。
【0006】
[006] 現在の32個から40個のアライメントマークよりも多くのウェーハ上のポイントで位置を測定するアライメント方法を提供することが望ましい場合がある。より多くのポイントを使用することによって、ウェーハ一括アライメントの他にインターフィールド及び/又はイントラフィールドアライメントを決定できる可能性がある。トポグラフィ測定及びアライメントの実行にかかる時間を短縮することが望ましい場合もある。
【発明の概要】
【0007】
[007] 本発明の第1の態様では、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されたトポグラフィ測定システムと、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定し、高さマップと、基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップと、を比較することによって、基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定する、ように構成されたプロセッサと、を備えたシステムが提供される。
【0008】
[008] 基板上の高さを使用して少なくとも1つのアライメントパラメータを決定することによって、アライメントマークの測定に依存する従来のアライメント測定の方法を置き換える又は補完することができる。アライメントマークが通常置かれる位置の数よりはるかに大きい数の位置の高さを測定できる可能性があり、アライメントパラメータのより高い精度及び/又はより多くのアライメントパラメータの決定を可能にする可能性がある。
【0009】
[009] 一部の状況では、アライメントステップを省略することができる。別のアライメントシステムを使用せずにトポグラフィ測定システムを使用してアライメントを得ることができる。一部の状況では、アライメントマークを除去することができ、これにより基板面積の可用性が高まる可能性がある。一部の状況では、生産性を高めることができる。例えば、スループットを向上させることができる、又はサイクル時間を短縮することができる。
【0010】
[0010] 高さマップと基準高さマップを比較することにより基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定することは、高さマップ及び基準高さマップに基づいて、基準基板部分に対応する基板の少なくとも1つの部分の位置を決定すること、及び、基板の一部分又は各部分の決定した位置を使用して少なくとも1つのアライメントパラメータを決定すること、を含んでよい。基準基板部分は基板の基準部分であってよい。基準基板部分は、複数のフィーチャ、例えば複数の回路を含んでよい。基板の一部分又は各部分は、基準基板部分と実質的に同じフィーチャ(例えば回路)を含んでよい。基板の一部分又は各部分は、基板の表面の部分、例えば基板の上面を含んでよい。
【0011】
[0011] 決定した位置を使用して少なくとも1つのアライメントパラメータを決定することは、一部分又は各部分について、決定した基板の部分の位置と予想される基板の部分の位置を比較することを含んでよい。決定した基板の部分の位置と予想される基板の部分の位置を比較することは、少なくとも1つの相対位置又はオフセットを決定することを含んでよい。少なくとも1つのアライメントパラメータの決定は、基板の各部分の少なくとも1つの相対位置又はオフセットに依存してよい。
【0012】
[0012] 高さマップと基準高さマップを比較することは、基準高さマップを高さマップにフィッティングすることを含んでよい。高さマップと基準高さマップを比較することは、繰り返し、例えばそれぞれが基準基板部分に対応する表面上の複数の部分のそれぞれについて1回ずつ、基準高さマップを高さマップにフィッティングすることを含んでよい。ある実施形態では、例えばアライメントマークに関する、アライメント測定値といった他のウェーハ関連データもしくは測定値、又は他の測定値と組み合わせた基準高さマップを深層学習ネットワークへの入力として使用して、高さマップと基準高さマップの比較を改善することができる。
【0013】
[0013] 高さマップと基準高さマップを比較することは、基準高さマップの画像と決定した高さマップの画像を位置合わせすることを含んでよい。高さマップと基準高さマップを比較することは、繰り返し、例えばそれぞれが基準基板部分に対応する表面上の複数の部分のそれぞれについて1回ずつ、基準高さマップを高さマップと位置合わせすることを含んでよい。
【0014】
[0014] 基板上の一部分又は各部分について、決定した位置は基板の一部分の重心を含んでよい。複数の部分の重心はグリッドを形成してよい。少なくとも1つの決定したアライメントパラメータはグリッドから決定することができる。
【0015】
[0015] 基準基板部分は、基板の表面の、又は別の表面の一部分を含んでよい。基準基板部分は、基板の表面の複数の部分及び/又は別の表面の部分から得ることができる。例えば基準基板部分は、基板又は別の基板の複数の部分を平均化することによって得ることができる。基準高さマップは、基板上の、又は別の基板上の複数の部分の平均高さマップを含んでよい。基準基板部分は、予測又はモデル化された基板部分であってよい。基準高さマップは、高さマップから、又は高さマップからウェーハのグローバルな形状、汚染物質、バールフィンガープリントなどのフィーチャがフィルタリングされたフィルタ高さマップから平均フィールド高さマップを減算することから生じるフィールド対フィールドシグネチャ高さマップを含んでよい。
【0016】
[0016] 基板の一部分又は各部分は、基板の各ターゲット部分(例えば基板の各フィールド)の少なくとも一部を含んでよい。一部分又は各部分は、ダイの少なくとも一部を含んでよい。一部分又は各部分は、1つ以上のダイを含んでよい。一部分又は各部分は、少なくとも1つのフィールドの少なくとも一部を含んでよい。
【0017】
[0017] 基板の一部分又は各部分は、少なくとも1つの回路又は回路の一部を含んでよい。基板の一部分又は各部分は、少なくとも1つのトポグラフィ測定マークを含んでよい。
【0018】
[0018] 少なくとも1つのトポグラフィ測定マークは、トポグラフィ測定システムで測定されたときに既知の信号、例えばトポグラフィ測定システムで測定されたときに強い信号を提供するように構成された信号を提供するように構成された少なくとも1つのマークを含んでよい。少なくとも1つのトポグラフィ測定マークは少なくとも1つの格子を含んでよい。
【0019】
[0019] システムはさらに、少なくとも1つのアライメントパラメータに基づいて基板の位置及び/又は向きを調整するように構成された位置アジャスタを備えてよい。
【0020】
[0020] 少なくとも1つのアライメントパラメータは、基板に対する少なくとも1つのグローバルアライメントパラメータを含んでよい。位置アジャスタは、少なくとも1つのグローバルアライメントパラメータに基づいて基板の位置及び/又は向きを調整するように構成されてよい。
【0021】
[0021] 少なくとも1つのアライメントパラメータは、基板の1つ以上のターゲット部分、例えば基板の1つ以上のフィールドに対する少なくとも1つのアライメントパラメータを含んでよい。
【0022】
[0022] プロセッサは、複数のターゲット部分に対するアライメントパラメータに基づいて、少なくとも1つの基板アライメントパラメータを決定するように構成されてよい。プロセッサは、2つ以上のターゲット部分間のアライメントの測度を決定するように構成されてよい。
【0023】
[0023] 少なくとも1つのアライメントパラメータは、基板の単一のターゲット部分内の複数のフィーチャに対するアライメントパラメータを含んでよい。プロセッサは、単一のターゲット部分内の2つ以上のフィーチャ間のアライメントの測度を決定するように構成されてよい。
【0024】
[0024] 高さマップはz高さを含んでよい。少なくとも1つのアライメント位置は、x相対位置、y相対位置、x-y平面内の回転、のうちの少なくとも1つを含んでよい。
【0025】
[0025] x及び/又はy相対位置は、決定した位置と予想位置のずれを含んでよい。
【0026】
[0026] 基板上の複数の位置は、少なくとも100個の位置、任意選択的に少なくとも1000個の位置、さらに任意選択的に少なくとも10000個の位置、さらに任意選択的に少なくとも100000個の位置を含んでよい。
【0027】
[0027] 使用される位置の数は、従来のアライメントシステムを使用して測定し得るアライメントマークの数よりはるかに多い、例えば10倍又は100倍多い可能性がある。多数の測定値はアライメントの精度を高めることができる。多数の測定値が使用されると、グローバルな基板アライメントに加えてインターフィールド及び/又はイントラフィールドアライメントを測定することができる。より多くの係数を含むモデルをデータにフィッティングすることができる。
【0028】
[0028] トポグラフィ測定システムは、測定放射ビームを生成するように構成された放射源と、測定放射ビームを受け取り、パターン付与した測定放射ビームを提供するように構成された格子と、基板上のターゲット位置に格子の像を形成するように構成された光学系と、基板のターゲット位置から反射した放射を受け取り、第2の格子に格子像の像を形成するように構成された検出光学系と、第2の格子を透過した放射を受け取り、受け取った放射に基づいて出力信号を生成するように構成された検出器と、出力信号を解析し、出力信号から基板のトポグラフィを決定するように構成されたプロセッサと、を備えてよい。
【0029】
[0029] プロセッサ又は別のプロセッサは、決定した高さに基づいてリソグラフィ装置のピント調整を決定するように構成されてよい。
【0030】
[0030] トポグラフィ測定システムは、第1のセンサと第2のセンサとを備えてよい。第1のセンサは、高さマップを決定する、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されてよい。第2のセンサは、基板の別の高さを決定するように構成されてよい。プロセッサ又は別のプロセッサは、決定した高さに基づいてリソグラフィ装置のピント調整を決定するように構成されてよい。
【0031】
[0031] システムは、基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定するように構成されたアライメントシステムをさらに備えてよい。プロセッサ又は別のプロセッサは、決定したアライメントマークの位置に基づいて少なくとも1つの別のアライメントパラメータを決定するように構成されてよい。アライメントマークのそれぞれの各位置は、x及び/又はy位置を含んでよい。
【0032】
[0032] プロセッサ又は別のプロセッサは、少なくとも1つのアライメントパラメータを少なくとも1つの別のアライメントパラメータと組み合わせるように構成されてよい。
【0033】
[0033] レベリング高さマップ情報を従来のアライメントメトロロジと組み合わせることによって、アライメント精度を高めることができる。レベリング高さマップ情報を従来のアライメントメトロロジと組み合わせることにより、例えばアライメントシステムが測定する必要があるポイントの数を減らすことによってアライメント速度を改善することができる。
【0034】
[0034] 少なくとも1つのアライメントパラメータを使用して、基板の回転、及び/又は、イントラフィールドもしくはインターフィールド回転、を決定する代替的なアライメント方法(例えばウェーハエッジアライメント)を支援することができる。
【0035】
[0035] 独立に提供され得る本発明のさらに別の態様では、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定すること、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定すること、及び、高さマップと基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップを比較することによって基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定すること、を含む方法が提供される。
【0036】
[0036] 独立に提供され得る本発明のさらに別の態様では、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを受け取り、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定し、高さマップと、基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップを比較することによって、基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定する、ように構成されたプロセッサが提供される。
【0037】
[0037] 独立に提供され得る本発明のさらに別の態様では、放射ビームを調節するように構成された照明システムと、放射ビームの断面にパターンを付与してパターン付与された放射ビームを形成することができるパターニングデバイスを支持するように構築されたサポートと、基板を保持するように構築された基板テーブルと、パターン付与された放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、を備えたリソグラフィ装置であって、リソグラフィ装置がさらに、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されたトポグラフィ測定システムと、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定し、高さマップと、基準基板部分上の複数の位置の高さを含む又は表す基準高さマップと、を比較することによって、基板に対する少なくとも1つのアライメントパラメータを決定する、ように構成されたプロセッサと、を備えたリソグラフィ装置が提供される。
【0038】
[0038] リソグラフィ装置はさらに、基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定するように構成されたアライメントシステムを備えてよい。
【0039】
[0039] 独立に提供され得る本発明のさらに別の態様では、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定するように構成されたトポグラフィ測定システムと、基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定するように構成されたアライメントシステムと、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定し、決定した複数のアライメントマークの位置を使用して、それぞれが実質的に同じフィーチャを含む、基板の複数のターゲット部分のそれぞれの位置を決定し、ターゲット部分のそれぞれに対応する高さマップのセクションを処理することによって基準高さマップを決定するように構成されたプロセッサと、を備えたシステムが提供される。
【0040】
[0040] 高さマップのセクションを処理することは、高さマップのセクションの高さの平均値を求めることを含んでよい。ターゲット部分のそれぞれのフィーチャは、複数のフィーチャ、例えば複数の回路を含んでよい。
【0041】
[0041] 独立に提供され得る本発明のさらに別の態様では、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを受け取り、基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を受け取り、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定し、決定した複数のアライメントマークの位置を使用して、それぞれが実質的に同じフィーチャを含む、基板の複数のターゲット部分のそれぞれの位置を決定し、ターゲット部分のそれぞれに対応する高さマップのセクションを処理することによって基準高さマップを決定する、ように構成されたプロセッサが提供される。
【0042】
[0042] 独立に提供され得る本発明のさらに別の態様では、基板上の複数の位置のそれぞれの各高さを決定すること、基板上の複数のアライメントマークのそれぞれの各位置を決定すること、決定した複数の位置の高さに基づいて基板の高さマップを決定すること、決定した複数のアライメントマークの位置を使用して、それぞれが実質的に同じフィーチャを含む、基板の複数のターゲット部分のそれぞれの位置を決定すること、及び、ターゲット部分のそれぞれに対応する高さマップのセクションを処理することによって基準高さマップを決定すること、を含む方法が提供される。
【0043】
[0043] 一態様における特徴を、必要に応じて任意の他の態様における特徴として提供することができる。例えば、方法の特徴を装置の特徴として提供することができ、逆の場合も同じである。一態様における1つ以上の特徴を、任意の他の態様における任意の適切な1つ以上の特徴と組み合わせて提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
[0044] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0045】
【
図1】アライメントシステム及びトポグラフィ測定システムを備えたリソグラフィ装置を概略的に示す。
【
図3】ある実施形態の方法を概観的に示すフローチャートである。
【
図7】予想されるグリッド配置に基づいてグリッドを重ね合わせた高さマップの図である。
【
図8】
図3の方法を用いて得られたアライメントパラメータに基づいてグリッドを重ね合わせた高さマップの図である。
【
図9】ある実施形態に係る基準高さマップを得る方法を概観的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
[0045] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0047】
[0046] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nm~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0048】
[0047] 本明細書で使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成する等のため、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得るデバイスを指すものとして広義に解釈されるものとする。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しない場合があることに留意するべきである。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路等のターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
【0049】
[0048] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例は、小型ミラーのマトリクス構成を使用し、ミラーの各々は、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾けることができる。このようにして、反射ビームがパターニングされる。
【0050】
[0049] 支持構造はパターニングデバイスを保持する。支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械式クランプ、真空、又は他のクランプ技術、例えば真空条件下での静電クランプを使用することができる。支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0051】
[0050] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0052】
[0051] 本明細書で使用される「照明システム」という用語は、放射ビームを誘導し、整形し、又は制御する屈折、反射、及び反射屈折光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントを含んでよく、そのようなコンポーネントも以下においては集合的に又は単独で「レンズ」とも呼ばれることがある。
【0053】
[0052] リソグラフィ装置はまた、投影システムの最終要素と基板との間の空間を充填するように、基板が比較的高い屈折率を有する液体、例えば水などに液浸されるタイプであってよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野で周知である。
a.
図1は、本発明の特定の実施形態に係るトポグラフィ測定システムを備えたリソグラフィ装置を概略的に示している。装置は、放射(例えばDUV放射又はEUV放射)のビームPBを調節するための照明システムILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するための、アイテムPLに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1の位置決めデバイスPMに接続された支持構造(マスクテーブルと称される場合もある)MTと、を備える。装置はさらに、基板(例えばレジストコートウェーハ)W2を保持するための、アイテムPLに対して基板を正確に位置決めするための第2の位置決めデバイスPW2に接続された基板テーブル(ウェーハテーブルと称される場合もある)WT2と、基板W1を保持するための、アライメントシステムAS及びトポグラフィ測定システムTMSに対して基板を正確に位置決めするための第3の位置決めデバイスPW3に接続された別の基板テーブルWT1と、を備える。装置はさらに、パターニングデバイスMAにより放射ビームPBに付与されたパターンを基板W2のターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを備える)上に結像するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズ)PLを備える。
【0054】
[0053] 本明細書で示すように、本装置は、(例えば透過マスクを使用する)透過タイプである。あるいは、装置は、(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する)反射タイプでもよい。
【0055】
[0054] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0056】
[0055] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整する調整手段AMを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。また、イルミネータILは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームPBを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0057】
[0056] 放射ビームPBは、支持構造MT上に保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射する。パターニングデバイスMAを横断したビームPBは、レンズPLを通過し、レンズPLは基板W2のターゲット部分Cにビームを合焦する。第2の位置決めデバイスPW2及び位置センサIF(例えば干渉デバイス)の助けにより、例えば、異なるターゲット部分CをビームPBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWT2を正確に移動させることができる。同様に、第1の位置決めデバイスPM及び別の位置センサ(
図1には明示的に示されていない)を用いて、例えば、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに、ビームPBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることが可能である。一般に、オブジェクトテーブルMT及びWTの動きは、位置決めデバイスPM及びPWの一部を形成する、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けによって実現される。しかしながら、ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTはショートストロークアクチュエータのみに接続されるか、又は固定される可能性がある。
【0058】
[0057] リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイスからのパターンをターゲット部分Cに投影するとき、スキャン動作とともにパターニングデバイスMA及び基板W2を移動させることができる。デカルト座標が
図1に示されている。従来通り、z方向は放射ビームPBの光軸と一致する。リソグラフィ装置がスキャンリソグラフィ装置である実施形態において、y方向はスキャン動作の方向と一致する。x方向はz方向及びy方向と直交する。以下の説明では、x-y平面における回転であるz軸周りの回転を示すのにrZを使用する。
【0059】
[0058] 図に示されるように、リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブルWT1、WT2を有するタイプであってよい。デュアルステージリソグラフィ装置では、1つの基板W2の露光(「基板の露光」とは、上で説明したように、パターン付与された放射の基板への投影を意味する)が実施されている間に、別の基板W1の特性を測定できるようにするために、2つの基板テーブルWT1、WT2が設けられる。
【0060】
[0059]
図1に示されるデュアルステージリソグラフィ装置では、アライメントシステムASが図の左側に設けられている。トポグラフィ測定システムTMSも、図の左側に設けられている。投影システムPLは、図の右側に設けられている。
【0061】
[0060] アライメントシステムASは、第1の基板テーブルWT1上に保持される基板W1上に設けられたアライメントマークの位置を測定する。アライメントマークはボックスP1、P2で概略的に示される。アライメントマークは、特にアライメントの測定に使用するために基板に付されたマークである。各アライメントマークは、例えば少なくとも1つの格子を含んでよい。
【0062】
[0061] トポグラフィ測定システムTMSは基板W1のトポグラフィを測定する。トポグラフィ測定システムTMSは、
図2を参照して以下でさらに説明される。
【0063】
[0062] 投影システムPLによって、第2の基板テーブルWT2上に保持された基板W2にパターンが同時に投影される。第1の基板テーブルWT1により支持された基板W1の測定が完了し、第2の基板テーブルWT2により支持された基板W2の露光が完了したとき、基板テーブルの位置は交換される。その後、第1の基板テーブルWT1により支持された基板W1は、投影システムPLにより投影されたパターン付与された放射を使用して露光される。第2の基板テーブルWT2により支持された既に露光されたウェーハW2は、後続の処理のために基板テーブルから除去される。その後、投影システムPLにより投影されたパターン付与された放射を使用して露光する前に、アライメントシステムAS及びトポグラフィ測定システムTMSによる測定のために、別の基板が第2の基板テーブルWT2上に配置される。
【0064】
[0063] 干渉計(図示せず)及び/又は他の位置測定手段を使用して、アライメント及びトポグラフィ測定の間、基板テーブルWT1の位置を監視することができる。プロセッサPRは、アライメントシステムAS、トポグラフィ測定システムTMSからデータを受信すること、さらに、基板テーブルWT1の位置情報を受け取ること、ができる。基板Wは基板テーブルWT1上に固定されているため、基板テーブルに関する位置情報は、基板に関する位置情報と見なすことができる。
【0065】
[0064] アライメントシステムASは、各アライメントマークのx及び/又はy位置を決定し、決定したアライメントマークの位置を予想されるアライメントマークの位置と比較することによって基板W1に対する少なくとも1つのアライメントパラメータ(例えばxオフセット、yオフセット、又はx-y平面における回転)を決定するように構成される。ある実施形態では、基板W1上に32個から40個のアライメントマークが存在する。
【0066】
[0065] アライメントシステムASは、例えば、米国特許第6,961,116号に詳述されたスマートアライメントセンサハイブリッド、すなわちSMASH、米国特許第6,297,876号に記載された(さもなければアライメントの高次向上を用いた先進的技術、すなわちATHENAとして知られている)タイプのアライメントシステム、又はアライメントマークによって回折された放射がディテクタ格子上に形成されて周期的アライメント信号を生成する、周知の「スルーザレンズ(TTL)」アライメント技術を利用したアライメントシステムを含んでよい。当業者には、基板上のアライメントマークを照明し、もたらされる放射を検出し、そこからアライメント信号を生成するという同一の結果を得るために、他の(光学)構成が用いられてもよいことが明白であろう。
【0067】
[0066] 上述のアライメントシステムの共通する特徴は、アライメントマークがアライメントシステムによって測定できるように選択され、特にアライメント測定で使用するために基板W1に付される場合に、基板W1上の複数のアライメントマークのそれぞれのx及び/又はy位置を測定することによって、基板W1に対する少なくとも1つのアライメントパラメータが決定されることである。
【0068】
[0067]
図2は、基板W1のトポグラフィを測定するように構成されたトポグラフィ測定システムTMSの概略図である。トポグラフィ測定の間、放射源2は放射ビーム4を生成する。光学系6は、放射ビーム4を誘導する及び/又は合焦させるために設けることができる。放射ビーム4は格子8に入射する。放射ビーム4は、格子を通過するとき格子8の像がパターン付与される。パターン付与された放射ビームは、測定ビーム9(又は測定放射ビーム)と称される場合がある。
【0069】
[0068] 測定ビーム9は、基板12上のターゲット位置に格子8の像を形成するように構成された光学系10を通過する。測定ビーム9は、入射角θで基板に入射する。格子像は、矢印13で示された位置に形成される。測定ビーム9は基板から反射され、検出光学系14を通過する。検出光学系14は、反射した測定ビーム11を受け取り、格子像13を形成するように構成される。格子像のこの像は、第2の格子16に形成される。検出器18が、第2の格子16を透過した放射を受け取るように構成される。検出器18は、入射する放射の強度を検出し、放射の強度を示す出力信号を生成する。検出器18は、例えばフォトダイオードであってよい。検出器18は、例えば検出した放射強度をすべてのピクセルにわたって積分するCCDアレイであってよい。一般に、検出器に入射する放射の強度を示す出力信号を提供する任意の検出器が使用可能である。
【0070】
[0069] 基板12が格子像13の下でスキャンされるため、基板の高さの変化は、結果として第2の格子16において格子像13の像を上下に移動させることになる。この格子像13の像位置のずれが、第2の格子16で透過される放射の量を変化させる。次に第2の格子16で透過される放射の量の変化が、検出器18に入射する放射の強度を変化させる。したがって、検出器18から出力される信号は、基板12の高さを示す。
【0071】
[0070] 検出器18から出力された信号をプロセッサPRによって解析して、基板12のトポグラフィのマップを生成することができる。トポグラフィのマップは、基板上の複数の位置のそれぞれの基板の各高さ(相対的高さであってよい)を含むデータセットを含んでよい、又はこのデータセットにより表されてよい。
【0072】
[0071] 格子は1次元格子構造を備えることができる。格子は、例えばチェッカーボードパターンなどの2次元格子構造を備えることができる。一般に、任意の格子構造が使用可能である。しかしながら、基板の高さの変化の結果として生じる格子像の像位置のずれは、1次元のみで発生するため、1次元の空間分解能しか必要とされない可能性がある。
【0073】
[0072] 複数の放射源を使用して、複数の放射ビームを生成することが可能であり、その後複数の放射ビームは複数の照明光学系を通過し、基板12上の複数のターゲット位置を照明することができる。複数の放射ビームを使用することによって、より少ないストロークで基板をスキャンすることができ、これによって、基板のトポグラフィをより速い速度で決定できる可能性がある。
【0074】
[0073] ある実施形態では、35個の放射源を使用して35個の放射ビームを生成する。ウェーハの全表面は、3回又は4回のストローク(すなわちスキャン)でスキャンすることができる。各放射ビーム9は、基板12に入射するとき、約2.5mm(y)×1mm(x)のスポットサイズを有する。トポグラフィのマップは、基板上の213,000ポイントの高さ値を含むことができる。他の実施形態では、異なる放射源の数、ストローク(スキャン)の回数、スポットサイズ及び/又は基板上の測定位置の数を用いてもよい。一部の実施形態では、連続的又はほぼ連続的なマップを生成することができる。
【0075】
[0074] 基板は、例えば多層ICを作成するために、複数のパターン付与された層を備えることになる。各層は、基板上のレジストを露光するためにパターン付与された層を投影し、その後、基板を処理することによって形成される。処理は、例えば、レジストをエッチングすること、エッチングにより形成された凹所内に材料を堆積させること、及び、その後基板を研磨することを含んでよい。これによって、パターン付与された材料の層が基板上に形成される。層の厚みは実行される処理に依存し、層によって異なることになる。基板上のパターン付与された層の一セットは、スタックと称される場合がある。リソグラフィ装置は、広範囲に変化する特性及び組成のスタックを備える基板にパターンを投影することができなければならない。トポグラフィ測定システムTMSは、すべての予測されるスタック組成について基板トポグラフィを測定することができなければならない。
図2を参照して以上で説明したトポグラフィ測定システムTMSは三角測量システムであるが、他の実施形態では、基板の表面の高さを測定することが可能な任意のトポグラフィ測定システムTMSを使用してよい。
【0076】
[0075]
図3は、本発明のある実施形態を概観的に示すフローチャートである。
図3の実施形態では、(
図2を参照して以上で説明した)
図1のトポグラフィ測定システムTMSを使用して得た高さデータを使用して、
図1のアライメントシステムASにより行われたウェーハアライメントの測定を補完するためのウェーハアライメントの測定を行う。例えば、一実施形態では、アライメントシステムASを使用してX及びYアライメントを得る一方、トポグラフィ測定システムTMSを使用して回転rZを得る。別の実施形態では、トポグラフィ測定システムTMSを使用して、粗アライメント、すなわち次のアライメントより精度が低い(「粗い」)アライメントを行い、アライメントセンサを使用して(粗アライメントの結果を入力として用い、より精度の高い(「微細な」)アライメントをもたらす)微細アライメントを行う。
【0077】
[0076]
図3の段階20において、トポグラフィ測定システムTMSは基板W1のトポグラフィを測定する。プロセッサPRは、トポグラフィ測定システムTMSの検出器18から出力された信号を受け取る。他の実施形態では、プロセッサPRは任意の適切なトポグラフィ測定システムから信号を受け取ることができる。
【0078】
[0077] プロセッサPRは、検出器18から出力された信号を解析して、基板W1の上面のトポグラフィのマップを生成する。プロセッサPRによる信号の解析は信号のデコンボリューションを含んでよい。
【0079】
[0078] トポグラフィのマップは、基板W1の表面上の複数の位置のそれぞれの各高さを含む又は表す。トポグラフィのマップは、高さマップ又はレベルセンサウェーハマップと称される場合もある。この段階で、トポグラフィのマップは、
図3の段階22を参照してこれから説明される処理を未だ受けていないことから、未処理ウェーハマップと称される場合もある。
【0080】
[0079]
図4には等高線図が示されている。等高線図は未処理ウェーハマップを表す。異なる高さは異なる等高線で表される。
図4の例では、ウェーハの中心にある領域30及び反対側の領域32、34は、ウェーハ表面の平均高さよりも高いウェーハ表面の領域を表す。ウェーハのエッジにある領域36は、ウェーハ表面の平均高さよりも低いウェーハ表面の領域を表す。それぞれがウェーハの相当な部分を占めるこれらの領域は、基板のグローバルな形状を表すものと考えられる。他の実施形態では、基板は、任意のグローバルな形状、例えばより高い及び/又はより低い領域の任意の組み合わせを有することができる。
【0081】
[0080] 基板のグローバルな形状は、例えばピント調整を行ってウェーハ高さの変化を調整することに関連し得るが、本実施形態に係るTMSを使用したアライメントの決定には使用されない。アライメントの決定には、
図4の等高線図には見えないより小さな高さ変動が用いられる。
【0082】
[0081] 段階22において、プロセッサPRは、未処理ウェーハマップを処理してウェーハのグローバルな形状及び他の非イントラフィールド特性を除去する。
【0083】
[0082] 本実施形態では、プロセッサPRは、未処理ウェーハマップデータを使って局所的に重み付けされた回帰フィットを決定する。局所的に重み付けされた回帰フィットは、ウェーハのグローバルな形状を表すものと考えられる。プロセッサPRは、未処理ウェーハマップデータを使って局所的に重み付けされた回帰フィットを除去する。局所的に重み付けされた回帰フィットを除去することによって、ウェーハテーブルと、ウェーハと、ウェーハのターゲット部分ごとに繰り返す繰り返しシグネチャと、の組み合わせからなる下層の残留シグネチャが明らかになる。繰り返しシグネチャは、デバイスイメージシグネチャ、チップシグネチャ又はフィールドシグネチャと称される場合がある。
【0084】
[0083] プロセッサPRは、残留シグネチャにフィルタを適用して、既知の寸法を有するフィーチャを除去する。例えば、ウェーハを保持するチャック上のバール間の間隔が知られている。イメージフィルタは、チャック上のバール間の間隔(バールグリッドと称される場合がある)に対応する寸法のフィーチャを除去し、これによってバールに起因する高さマップのフィーチャを除去することができる。同様にイメージフィルタは、eピンのサイズ及び/又は間隔に対応する寸法のフィーチャを除去することができる。
【0085】
[0084] さらに別の実施形態では、プロセッサPRは、ウェーハを処理することから生じる汚染、例えばウェーハの裏面の汚染に起因するフィーチャを除去するフィルタを適用する。
【0086】
[0085] 段階24における処理は、より小規模なフィーチャを区別することができるウェーハマップをもたらす。ウェーハマップ上で各ターゲット部分Cに対応する繰り返しシグネチャを区別することが可能である。ある実施形態では、平均フィールド高さデータが計算され、これらの平均フィールド高さデータを、フィールド中心(すなわちターゲット部分又はフィールドの重心)のミスアライメントを表す基準高さマップをもたらす各フィールド又はターゲット部分Cを表すシグネチャデータ、すなわちフィールド対フィールドシグネチャを含むウェーハマップ高さデータから減算する。ある実施形態では、フィールド対フィールドシグネチャ又はフィールド対フィールドシグネチャの絶対値を含む高さマップを、例えばアライメント源の異なる波長などの異なるアライメント測定値から生じるアライメント結果との多次元相互相関を適用する深層学習ネットワークへの入力として使用して、高さマップと基準高さマップのフィッティングからアライメントパラメータを抽出する速度を改善するなど、高さデータからのアライメント結果の推定(速度)を改善することができる。フィッティングなど、高さマップと基準高さマップの比較からアライメントパラメータを抽出することは、(アライメントデータを使用する)深層学習のステップに使用されるものと同じ又は異なる基準高さマップを使用して行うことができる。
【0087】
[0086]
図5は、処理が行われてウェーハのグローバルな形状及び他の非イントラフィールド特性を除去した後の、
図4のウェーハマップの概略図である。
図5は等高線図である。ウェーハ表面の平均高さと異なる高さを有するフィーチャは、
図5ではボックス38である等高線で表される。
図5の画像には、繰り返しシグネチャが見られる。繰り返しシグネチャはボックス38の繰り返しパターンを含む。
図5はウェーハマップの簡単表現である。実際には、フィーチャの繰り返しパターンは
図5に示すパターンよりも複雑である可能性がある。繰り返しパターンは、異なる位置、サイズ及び/又は高さを有する多くのフィーチャを含んでよい。繰り返しシグネチャの各繰り返しは、フィールドと称される場合もある、各ターゲット部分Cで示される基板の表面の各部分に対応する。ターゲット部分Cは、それぞれ実質的に同じフィーチャ(例えば回路)を有する。
【0088】
[0087] フィーチャ(例えば回路)の中には、トポグラフィ測定システムTMSで測定されたときに他のものよりも強い信号を生成するものがあることが分かっている。一部のフィーチャについて、トポグラフィ測定システムTMSで測定した高さが、そのフィーチャの実際の高さと必ずしも一致しない場合がある。しかし、高さマップ中の繰り返しシグネチャは、基板の各部分で繰り返されるフィーチャの繰り返し構成を表すものと考えられる。
【0089】
[0088] 段階24において、プロセッサPRは、基準高さプロファイル、又は基準フィールド高さプロファイルと称される場合もある基準高さマップを得る。本実施形態では、プロセッサPRは、記憶されている基準高さマップを検索する。他の実施形態では、プロセッサPRは、任意の適切な方法、例えば
図9を参照して以下で説明する方法を用いることによって基準高さマップを得ることもできる。
【0090】
[0089] 基準高さマップは、例えば基準ターゲット部分の高さマップを含んでよい。基準ターゲット部分は、平均の、又は理想的なターゲット部分であってよい。基準高さマップの概略図が
図6に示されている。
図6では、基準ターゲット部分のフィーチャが、
図6のボックス39である等高線で表されている。
図6には、基準高さマップが
図5の繰り返しシグネチャに類似することを見ることができる。基準高さマップはフィールド対フィールドシグネチャを表すことができる。
【0091】
[0090] 段階26において、プロセッサPRは、基準高さマップをウェーハ高さマップにフィッティングする。プロセッサPRは、基準高さマップを対応するウェーハ高さマップの各部にフィッティングし、このフィッティングは、この実施形態では基準高さマップを各ターゲット部分にフィッティングすることを含む。任意の適切な方法を用いて基準高さマップを各ターゲット部分にフィッティングすることができる。例えば最小二乗法を用いることができる。また、深層学習(機械学習)との多次元相互相関を用いて(基準高さマップ及び測定したアライメントデータを使用して)基準高さマップを高さマップ又は各ターゲット部分にフィッティングする速度を高めることができる。
【0092】
[0091] 各ターゲット部分について、プロセッサPRは、そのターゲット部分にとって最良フィットである基準高さマップの位置(及び任意選択的に向き)を決定する。本実施形態では、プロセッサPRは、X及びY位置として表され得るターゲット部分の重心を決定する。基準高さマップを、最小のフィット残差を与えるX、Y及びrZ位置オフセットで各ターゲット部分の上部に重ね合わせる。
【0093】
[0092] 重心はターゲット部分の計算された中心位置を与えることができる。ターゲット部分について使用可能な大量の高さデータは、中心位置を高い精度で決定できる可能性がある。
【0094】
[0093] 段階28において、プロセッサPRは、決定した各ターゲット部分の重心を予想されるそのターゲット部分の重心と比較する。本実施形態では、プロセッサPRは、ターゲット部分のそれぞれについて、決定した重心と予想される重心のx及びyにおけるずれを計算し、そのターゲット部分についてのxオフセット及びyオフセットの値を出力する。他の実施形態では、プロセッサPRはx-y平面における回転オフセットRzも決定する。
【0095】
[0094] 本実施形態では、プロセッサPRは、(ターゲット部分それぞれの重心を含む)フィールドフィット結果を用いて、X、Y及びRzにおけるウェーハ向きをフィッティングする。ウェーハ向きは、基板全体に対する一セットのアライメントパラメータ(Xオフセット、Yオフセット及びRzオフセット)を含む。プロセッサPRは、ターゲット部分の重心が予想されるターゲット部分の重心と最良に一致する一セットのアライメントパラメータを決定する。
【0096】
[0095] 他の実施形態では、プロセッサPRは、基板全体に対するアライメントパラメータを決定することに加えて又はその代わりに、個々のターゲット部分に対するアライメントパラメータを決定する。例えばプロセッサPRは、2つ以上のターゲット部分間のオフセットを決定することができる。
【0097】
[0096] さらに別の実施形態では、プロセッサPRは、単一のターゲット部分内のフィーチャに対するアライメントパラメータを決定する。例えばプロセッサPRは、2つ以上のフィーチャ間のオフセットを決定することができる。プロセッサPRは、ターゲット部分の第1の部分のフィーチャとターゲット部分の第2の部分のフィーチャの間のオフセットを決定することができる。個々のターゲット部分に対する、及び/又は、単一のターゲット部分の個々の部分に対する、アライメントパラメータの決定は、高さがトポグラフィ測定システムにより測定される位置の数が基板上のアライメントマークが位置する位置の数よりはるかに大きいことによって促進される可能性がある。
【0098】
[0097]
図7は、黒四角40のグリッドが重ね合わされた
図5のウェーハ高さマップを示している。各黒四角40の中心は、ターゲット部分の予想位置(予想フィールド位置と称される場合もある)を表す。ウェーハが各ターゲット部分とその予想位置で正確に位置合わせされていれば、各黒四角40の中身は同じであると予想することができる。しかしながら、
図7には、高さマップの繰り返しシグネチャが黒四角40に対して一貫して同じように配置されているわけではないことが見られる。
【0099】
[0098]
図8は
図7と同じウェーハマップを示しているが、段階28で得られたX、Y及びRzの値を使用して位置決めされた一セットの新しい黒四角42を含む。新しい黒四角42は高さマップ中の繰り返しシグネチャとより良好に位置合わせされていることが見られる。
【0100】
[0099] 各ターゲット部分は、そのターゲット部分についての黒四角40の中心がターゲット部分の予想位置であり、そのターゲット部分についての黒四角42の中心が位置合わせされた位置であるアライメントマーカーのような機能を果たすと考えられる。
【0101】
[00100] 本実施形態では、トポグラフィ測定システムTMSにより
図3の方法を用いて得られたアライメント結果(例えばX、Y及びRzオフセット)を、基板上の専用のアライメントマークの位置を測定するアライメントシステムASを使用することにより得たアライメント結果と組み合わせる。
【0102】
[00101] トポグラフィ測定システムTMSにより得られるアライメント結果は、アライメントマークの存在に依存するアライメントシステムにより測定されるよりも多いウェーハの表面上のポイントを測定することによってもたらされる。一実施形態では、ウェーハ当たり213,000個のポイントの高さをトポグラフィ測定システムTMSによって測定する。一部の状況では、トポグラフィ測定システムTMSを使用して得られたアライメント結果を用いて、アライメントシステムASを使用して得たアライメント結果の正確性を高めることができる。換言すれば、アライメント結果の数はトポグラフィ測定結果を用いることによって増加する。
【0103】
[00102] 本実施形態では、
図1のシステムは、アライメントシステムASを使用してアライメントを測定するアライメント段階と、トポグラフィ測定システムTMSによりトポグラフィ情報とアライメント情報の両方を得る別個のトポグラフィ測定段階と、を実行するように構成される。トポグラフィ測定システムTMSにより決定されるアライメントは、アライメントシステムASにより決定されるアライメントを補完する。
【0104】
[00103] 他の実施形態では、アライメントシステムASは
図1のシステムから省略されてよく、トポグラフィ測定システムTMSのみによってアライメントが行われてもよい。一部の実施形態では、アライメント段階を省略することによって時間が節約される。一部の実施形態では、アライメント段階を省略することにより節約した時間を使って、よりきめ細かいレベリング段階を実行することができる。トポグラフィ測定値を使用してアライメントを決定することによって、生産性の向上、例えばスループットの向上又はサイクル時間の短縮がもたらされる可能性がある。
【0105】
[00104] 一部の状況では、システムの複雑性は、同じレベル検出装置を使用してトポグラフィ及びアライメントを測定することによって低下させることができる。
【0106】
[00105]
図3の実施形態では、段階26において基準フィールドマップの高さデータを高さマップの高さデータにフィッティングすることによってアライメントを決定する。
【0107】
[00106] さらに別の実施形態では、プロセッサPRは、ウェーハマップデータを処理してウェーハの画像を得るように構成される。プロセッサPRは、既知の画像処理技術、例えば医用及び衛星画像処理で用いられる画像登録技術といった既知の画像アライメント技術を用いて、基準高さマップの画像をウェーハの画像と比較する。各ターゲット部分を基準高さマップに一致させるのに画像認識を用いることができる。プロセッサPRは、画像の比較から少なくとも1つのアライメントパラメータを決定する。他の実施形態では、高さマップと基準高さマップが任意の適切な方法で比較されて、基準高さマップに表されたフィーチャの配置のアライメントを決定することができる。
【0108】
[00107]
図3の実施形態では、トポグラフィ測定システムTMSを使用して、アライメントシステムASにより使用されるアライメントマークを含まない可能性があるターゲット部分の既存のフィーチャ(例えば回路)からアライメントを決定する。具体的には、トポグラフィ測定システムTMSによる検出を行うために基板にはマークが含まれない。
【0109】
[00108] さらに別の実施形態では、トポグラフィ測定システムTMSによるアライメントの決定に使用するトポグラフィ測定マークを設けてもよい。トポグラフィ測定マークは、レベル検出に使用するセンサを補完するように設計されてよい。一部の種類のフィーチャ、例えば一部の種類の回路は、トポグラフィ測定システムTMSを使用して測定されるときに、特に強い信号を生成することが認められる。そのようなフィーチャは、トポグラフィ測定マークとして基板上に設けることができる。1つ以上の格子を備えた製品状構造を使用して、例えば
図5に見られるものと同様の効果をもたらすことができる。トポグラフィ測定マークの位置は、トポグラフィ測定システムTMSを使用して得られた高さマップで特定することができ、アライメントパラメータを決定するのに使用することができる。一部の実施形態では、基準高さマップが一セットのトポグラフィ測定マークの測定された高さを含む。基準高さマップは、基板上の対応する一セットのトポグラフィ測定マークの測定された高さと比較される。
【0110】
[00109] 以上では実施形態が
図2のトポグラフィ測定システムTMSを参照して説明されているが、他の実施形態では任意の適切なトポグラフィ測定システムが使用されてよい。
【0111】
[00110] 一部の実施形態では、トポグラフィ測定システム、例えば
図2のトポグラフィ測定システムTMSに追加センサが追加される。追加センサは、
図2に示す検出器18に対して異なる入射角及び/又は偏光角を有してよい。ウェーハがレベリングのためにスキャンされている間に、追加センサを使用して少なくとも1つのターゲットを測定することができる。追加センサにより測定されたターゲット又は各ターゲットは、特別に設計されたマークを備えることができる。追加センサは、
図2に示す検出器18により使用されるものと異なる放射源からの放射を使用して少なくとも1つのターゲットを測定することができる。一部の実施形態では、追加センサは別の高さマップを測定する。他の実施形態では、追加センサは回折光を使用してアライメントを行うことができる。追加センサは既知のアライメントシステムASと同様に動作することができる。
【0112】
[00111]
図9は、ある実施形態に係る基準高さマップを決定する方法を概観的に示すフローチャートである。
【0113】
[00112]
図9の段階50において、トポグラフィ測定システムTMSは基板のトポグラフィを測定する。プロセッサPRは、トポグラフィ測定システムTMSの検出器18から出力された信号を受け取る。プロセッサPRは、検出器18から出力された信号を解析して基板のトポグラフィのマップを生成する。
【0114】
[00113] 段階52において、アライメントシステムASは基板上のアライメントマークの水平位置を測定する。プロセッサPRは、アライメントシステムにより出力された信号を受け取り、アライメントマークの水平位置を使用して基板の水平アライメントを決定する。プロセッサPRは、アライメントシステムデータから決定されたアライメントを使用することによってトポグラフィ測定システムデータから得た高さマップを位置合わせする。
【0115】
[00114] 段階54において、プロセッサPRは、位置合わせした基板の高さマップを、複数のターゲット部分の予想位置を使用して複数のターゲット部分に分割する。
【0116】
[00115] 段階56において、プロセッサPRは、複数のフィールドのそれぞれの高さマップを使用して、平均フィールドフィンガープリントと称される場合もあるターゲット部分の平均高さマップをフィッティングする。平均高さマップは、
図3の実施形態では基準高さマップとして使用することができる。
【0117】
[00116] 他の実施形態では、基板の高さマップを処理して、ターゲット部分又はターゲット部分の一部の基準高さマップを得る任意の適切な方法を用いることができる。基準高さマップは、1つ又はいくつかのダイの一部の基準高さマップであってよい。
【0118】
[00117] 一部の実施形態では、基準高さマップは、高さマップを使用してアライメントが決定される同じ基板から決定される。例えば基板の各ターゲット部分は、その基板から計算される平均ダイシグネチャと比較することができる。一部の実施形態では、1つの基板について得られた基準高さマップを使用して、別の基板のための基準高さマップを決定する。基準高さマップはベースライン基準を提供するものと考えられる。
【0119】
[00118] 他の実施形態では、基準高さマップは、高さデータからフィッティングされるよりむしろ予測又はモデル化されてよい。一部の実施形態では、他のツールから得られるオフライン高さ測定値を使用すること、及び、トポグラフィ測定システムが測定する高さプロファイルを予測するトポグラフィ測定システムの知識を利用すること、によって基準高さマップを決定する。例えばトポグラフィ測定システムのスポットサイズを考慮に入れることができる。
【0120】
[00119] 本文ではリソグラフィ装置との関連で、本発明の実施形態への具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に用いることもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(又は他の基板)やマスク(又は他のパターニングデバイス)といったオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成することができる。これらの装置は一般に、リソグラフィツールと称される場合がある。このようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用することができる。
【0121】
[00120] 照明光学系、光学部品及び検出光学系は、放射ビームを誘導、整形、又は制御するための、屈折型、反射型、及び反射屈折型の光学コンポーネントを含む様々な種類の光学コンポーネントを包含することができる。
【0122】
[00121] 「EUV放射」という用語は、4~20nmの範囲内、例えば13~14nmの範囲内の波長を有する電磁放射を包含すると考えられる。EUV放射は、10nm未満、例えば6.7nm又は6.8nmなどの4~10nmの範囲内の波長を有することができる。
【0123】
[00122] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられるその他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0124】
[00123] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらのいずれかの組み合わせにおいて実施可能である。また、本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサによって読み取り及び実行され得る機械読み取り可能媒体上に記憶された命令としても実施することができる。機械読み取り可能媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)によって読み取り可能な形態の情報を記憶又は送信するためのいずれかの機構を含み得る。例えば、機械読み取り可能媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音、又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、及び他のものを含むことができる。さらに、一定の動作を実行するものとして本明細書ではファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を記載することができる。しかしながらそのような記載は単に便宜上のものであり、そういった動作は実際には、コンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスから得られることは認められよう。
【0125】
[00124] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、説明した本発明に変更を加えることができることは当業者には明らかであろう。