(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-11
(45)【発行日】2022-03-22
(54)【発明の名称】光硬化性組成物およびその硬化物を含むコーティング層
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20220314BHJP
C08G 18/10 20060101ALI20220314BHJP
C08G 18/67 20060101ALI20220314BHJP
C08G 18/44 20060101ALI20220314BHJP
C09D 175/16 20060101ALI20220314BHJP
C08J 7/04 20200101ALI20220314BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20220314BHJP
【FI】
C08F290/06
C08G18/10
C08G18/67 010
C08G18/44
C09D175/16
C08J7/04 Z
B32B27/40
(21)【出願番号】P 2020525919
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(86)【国際出願番号】 KR2018013354
(87)【国際公開番号】W WO2019093731
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2017-0149538
(32)【優先日】2017-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】サン・ファン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スレ・イ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】クワン・ス・ソ
【審査官】藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-103215(JP,A)
【文献】特開平10-081062(JP,A)
【文献】特開2010-031152(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0109804(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0001806(KR,A)
【文献】国際公開第2017/047565(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 283/01
C08F 290/00 - 290/14
C08F 299/00 - 299/08
C09D 1/00 - 10/00
C09D 101/00 - 201/10
C08G 18/00 - 18/87
C08J 7/04 - 7/06
B32B 1/00 - 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソシアネート末端基を有する第1ウレタンプレポリマーおよび極性基含有アクリルアミドに由来するウレタンアクリルアミドオリゴマー
並びにイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate、IBOA)、イソボルニルメタクリレート(isobornyl methacrylate、IBOMA)、シクロヘキシルメタクリレート(cyclohexyl methacrylate、CHMA)、およびトリメチルシクロヘキシルアクリレート(trimethylcyclohexyl acrylate、TMCHA)のうちの少なくとも1つを含む組成物;
イソシアネート末端基を有する第2ウレタンプレポリマーおよび極性基含有(メタ)アクリレートに由来するウレタンアクリレートオリゴマー
並びにイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate、IBOA)、イソボルニルメタクリレート(isobornyl methacrylate、IBOMA)、シクロヘキシルメタクリレート(cyclohexyl methacrylate、CHMA)、およびトリメチルシクロヘキシルアクリレート(trimethylcyclohexyl acrylate、TMCHA)のうちの少なくとも1つを含む組成物;および
アクリルアミドおよび極性基含有(メタ)アクリレートに由来するアミド基含有アクリル系重合体;を含む光硬化性組成物であって、
前記アミド基含有アクリル系重合体の含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して2重量部以上9重量部以下であり
前記極性基はヒドロキシ基を含む、光硬化性組成物。
【請求項2】
前記第1ウレタンプレポリマーは、下記化学式1で表されるものである、請求項1に記載の光硬化性組成物:
【化1】
前記化学式1において、
Aは、ジイソシアネート系化合物に由来し、
B
1は、数平均分子量が200g/mol以上700g/mol以下のポリカーボネートジオールに由来し、
nは、1以上10以下の整数である。
【請求項3】
前記第2ウレタンプレポリマーは、下記化学式2で表されるものである、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物:
【化2】
前記化学式2において、
Aは、ジイソシアネート系化合物に由来し、
B
2は、数平均分子量が1,000g/mol以上3,000g/mol以下のポリカーボネートジオールに由来し、
nは、3以上10以下の整数である。
【請求項4】
前記ウレタンアクリルアミドオリゴマ
ーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して10重量部以上50重量部以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
【請求項5】
前記ウレタンアクリレートオリゴマ
ーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して10重量部以上50重量部以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
【請求項6】
前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量は、2,000g/mol以上5,000g/mol以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
【請求項7】
前記ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、10,000g/mol以上15,000g/mol以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
【請求項8】
前記アミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量は、5,000g/mol以上10,000g/mol以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
【請求項9】
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(pentaerythritol tri/tetraacrylate;PETA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(tripropylene glycoldiacrylate、TPGDA)、ヘキサンジオールジアクリレート(hexanediol diacrylate、HDDA)、およびブタンジオールジアクリレート(butanediol diacrylate、BDDA)のうちの少なくとも1つ並びに光開始剤のうちの少なくとも1つを含む添加剤をさらに含むものである、請求項1~8のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
【請求項10】
ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(pentaerythritol tri/tetraacrylate;PETA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(tripropylene glycoldiacrylate、TPGDA)、ヘキサンジオールジアクリレート(hexanediol diacrylate、HDDA)、およびブタンジオールジアクリレート(butanediol diacrylate、BDDA)のうちの少なくとも1つの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して20重量部以上40重量部以下である、請求項9に記載の光硬化性組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層。
【請求項12】
85℃、85RH%および72時間の雰囲気で、ISO1520に準じて測定された前記コーティング層のエリクセンカッピング数値は、10mm以上を満足するものである、請求項11に記載のコーティング層。
【請求項13】
前記コーティング層は、デコフィルム用装飾層である、請求項11又は12に記載のコーティング層。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2017年11月10日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2017-0149538号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本発明に組み込まれる。
【0002】
本発明は、光硬化性組成物およびその硬化物を含むコーティング層に関する。
【背景技術】
【0003】
インテリア仕上げ材であるデコフィルムは対象製品に付着して、製品の品質を高品位に演出したり、製品を保護したり、または自然に優しい製品を作るのに用いられている。このようなデコフィルムは、たんす、シンク台またはテーブルのような各種家具および洗濯機、冷蔵庫、オーディオまたはテレビのような電子製品などの多様な分野に用いられている。また、製品の美的な面から、デコフィルムに木目模様、ヘアラインパターン、SUS模様などの多様な模様を形成することができる。
【0004】
最近、屈曲を有する多様な家具および電子製品などが登場し、屈曲した製品に付着するデコフィルムの需要が伸びる傾向にある。従来は、デコフィルムの基材として透明性を有するガラスが主に使用されていたが、屈曲のあるガラス面に直接デコレーションパターンを印刷する場合に不良率が高いため、最近は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック基材上に、透明フィルムでメタル感および多様な模様を演出したデコフィルムが発売されている。
【0005】
ただし、屈曲した製品にデコフィルムを付着させて間もなく、プラスチック基材から透明フィルムが剥離される問題が発生している。また、高温または高湿条件でデコフィルムが付着した製品を用いる場合、プラスチック基材から透明フィルムが脱落する問題がある。
【0006】
そこで、屈曲した製品に対する付着性に優れ、屈曲した製品に付着した後にもデコフィルムの透明フィルムが基材から剥離されず、高温および高湿などの苛酷な条件で変形が発生しないデコフィルムを製造できる技術が必要なのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、光硬化性組成物およびその硬化物を含むコーティング層を提供しようとする。
【0008】
ただし、本発明が解決しようとする課題は上述した課題に制限されず、言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様は、イソシアネート末端基を有する第1ウレタンプレポリマーおよび極性基含有アクリルアミドに由来するウレタンアクリルアミドオリゴマー;イソシアネート末端基を有する第2ウレタンプレポリマーおよび極性基含有(メタ)アクリレートに由来するウレタンアクリレートオリゴマー;およびアクリルアミドおよび極性基含有(メタ)アクリレートに由来するアミド基含有アクリル系重合体;を含む光硬化性組成物を提供する。
【0010】
本発明の他の実施態様は、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施態様によれば、光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層は、屈曲のある物品に対する付着が容易であり、屈曲のある物品に付着した後にもその形態を長期間維持可能なデコフィルムを提供することができる。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物は、高温環境での変形が抑制されたコーティング層を提供することができる。
【0013】
本発明の一実施態様によれば、コーティング層を含むデコフィルムは、屈曲のある物品に対する付着性に優れ、屈曲のある物品に付着した後にもその形態を長期間維持することができる。
【0014】
本発明の一実施態様によれば、コーティング層を含むデコフィルムは、高温および高湿条件でもその形態を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の2T屈曲付着性実験方法を概略的に示す図である。
【
図2A】本発明の実施例1によるデコフィルムの高温屈曲付着性実験を行ったことを撮影した写真である。
【
図2B】比較例2によるデコフィルムの高温屈曲付着性実験を行ったことを撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本願明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0017】
本願明細書全体において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0018】
本願明細書全体において、単位「重量部」は、各成分間の重量比率を意味することができる。
【0019】
本願明細書全体において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを通称する意味で使われる。
【0020】
本願明細書全体において、プレポリマー(prepolymer)は、化合物の間である程度の重合が行われた重合体を意味することができ、完全に重合された状態には至らず、追加的な重合が可能な重合体を意味することができる。
【0021】
本願明細書全体において、化合物に由来する重合単位は、化合物間で重合反応が進行してその重合体の骨格、例えば、主鎖もしくは側鎖を形成している形態を意味することができる。
【0022】
本願明細書全体において、ある化合物の「重量平均分子量」および「数平均分子量」は、その化合物の分子量と分子量分布を利用して計算される。具体的には、10mlのガラス瓶にテトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)と化合物を入れて化合物の濃度が1wt%のサンプル試料を用意し、標準試料(ポリスチレン、polystryere)とサンプル試料をフィルター(ポアサイズが0.45mm)を通して濾過させた後、GPCインジェクター(injector)に注入して、サンプル試料の溶離(elution)時間を標準試料のキャリブレーション(calibration)曲線と比較して化合物の分子量および分子量分布を得ることができる。この時、測定機器としてInfinity II 1260(Agilient社)を用いることができ、流速は1.00mL/min、カラム温度は40.0℃に設定することができる。
【0023】
本願明細書全体において、化合物の粘度は、25℃の温度でブルックフィールド粘度計で測定した値であってもよい。
【0024】
本発明者らは、屈曲のある対象物品に対する付着が容易であり、物品に付着した形態を長期間維持可能なデコフィルムのコーティング層を実現できる光硬化性組成物の組成を見出し、高温および高湿環境でも変形が発生しないコーティング層を実現できる光硬化性組成物の組成を見出して、下記のような光硬化性組成物および光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層を開発した。
【0025】
以下、本明細書についてさらに詳細に説明する。
【0026】
本発明の一実施態様は、イソシアネート末端基を有する第1ウレタンプレポリマーおよび極性基含有アクリルアミドに由来するウレタンアクリルアミドオリゴマー;イソシアネート末端基を有する第2ウレタンプレポリマーおよび極性基含有(メタ)アクリレートに由来するウレタンアクリレートオリゴマー;およびアクリルアミドおよび極性基含有(メタ)アクリレートに由来するアミド基含有アクリル系重合体;を含む光硬化性組成物を提供する。
【0027】
本発明の一実施態様によれば、光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層は、屈曲のある物品に対する付着が容易であり、屈曲のある物品に付着した後にもその形態を長期間維持可能なデコフィルムを提供することができる。また、前記光硬化性組成物は、高温環境での変形が抑制されたコーティング層を提供することができる。
【0028】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーは、イソシアネート末端基を有する第1ウレタンプレポリマーと極性基含有アクリルアミドに由来できる。すなわち、前記第1ウレタンプレポリマーと前記極性基含有アクリルアミドとの重合反応により前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーが形成される。具体的には、前記第1ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基と前記極性基含有アクリルアミドの極性基との間で反応が進行して前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーが形成される。より具体的には、2つのアクリルアミドそれぞれの極性基は、前記第1ウレタンプレポリマーの両末端にそれぞれ位置するイソシアネート基とそれぞれ反応して前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを形成することができる。
【0029】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを含む光硬化性組成物は、高温および高湿条件での耐久性に優れたコーティング層を容易に実現することができる。
【0030】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを形成する前記極性基含有アクリルアミドの極性基は、ヒドロキシ基(-OH)を含むことができる。前記第1ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基との重合反応性の面から、ヒドロキシ基を極性基として含有するアクリルアミドを使用することができる。極性基としてヒドロキシ基を含有するアクリルアミドは、前記第1ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基と反応して、ウレタン結合を形成することができる。前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーは、極性が高くて、UVに対する硬化速度が速く、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを含む光硬化性組成物の硬化物は、被着材に対する付着性に優れることができる。
【0031】
本発明の一実施態様によれば、前記極性基含有アクリルアミドは、カルボキシル基を含有しなくてよい。すなわち、前記アクリルアミドは、極性基としてカルボキシル基を含有しなくてよい。前記アクリルアミドに含有されたカルボキシル基は、前記第1ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基との反応性が良くなくて、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを形成することが容易でないことがある。また、カルボキシル基含有アクリルアミドから形成されたウレタンアクリルアミドオリゴマーに残存するカルボキシル基によって、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の耐熱付着性が減少する問題が発生しうる。
【0032】
したがって、本発明の一実施態様によれば、カルボキシル基を極性基として含有しないアクリルアミドを用いて、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを容易に形成することができる。また、耐熱付着性に優れたコーティング層を形成可能な光硬化性組成物を提供することができる。
【0033】
本発明の一実施態様によれば、前記極性基含有アクリルアミドは、炭素数4以下のアルキル基を含有することができる。具体的には、前記極性基含有アクリルアミドは、メチル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基のうちの少なくとも1つのアルキル基を含有することができる。炭素数4以下のアルキル基を有する極性基含有アクリルアミドと前記第1ウレタンプレポリマーに由来する前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを含む前記光硬化性組成物は、高温環境でも基材に対する付着性に優れたコーティング層を実現することができる。すなわち、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層を含むデコフィルムは、高温条件でもその形態を維持することができる。
【0034】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを形成する前記極性基含有アクリルアミドは、ヒドロキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ヒドロキシプロピルアクリルアミド、ヒドロキシブチルアクリルアミドのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0035】
本発明の一実施態様によれば、前記第1ウレタンプレポリマーは、下記化学式1で表されるものであってもよい。
【0036】
【化1】
前記化学式1において、
Aは、ジイソシアネート系化合物に由来し、
B
1は、数平均分子量が200g/mol以上700g/mol以下のポリカーボネートジオールに由来し、
nは、1以上10以下の整数である。
【0037】
本発明の一実施態様によれば、前記ジイソシアネート系化合物と前記ポリカーボネートジオールとの間の重合反応により前記化学式1で表される第1ウレタンポリマーが形成される。具体的には、前記ジイソシアネート系化合物のイソシアネート基とポリカーボネートジオールのヒドロキシ基との間で反応が進行することによってウレタン(urethane)結合が形成され、両末端にイソシアネート基を有する第1ウレタンプレポリマーが形成される。前記化学式1のAは、前記ジイソシアネート系化合物に由来するものであり、B1は、前記ポリカーボネートジオールに由来するものであってもよい。具体的には、前記化学式1のAは、前記ジイソシアネート系化合物からイソシアネート官能基を除いた骨格に由来するものであり、前記化学式1のB1は、前記ポリカーボネートジオールからヒドロキシ官能基を除いた骨格に由来するものであってもよい。
【0038】
本発明の一実施態様によれば、前記化学式1で表される第1ウレタンプレポリマーは、
【化2】
構造の重合単位を1以上10以下含むことができる。具体的には、前記第1ウレタンプレポリマーは、
【化3】
構造の重合単位を1以上6以下、3以上6以下、または5以上10以下含むことができる。前記第1ウレタンプレポリマーに含まれる前記
【化4】
構造の重合単位の数を前述した範囲に調節することにより、適切な重量平均分子量を有する第1ウレタンプレポリマーを形成することができる。具体的には、前記第1ウレタンプレポリマーは、2,000g/mol以上6,000g/mol以下の重量平均分子量を有することができる。前述した重量平均分子量を有する前記第1ウレタンプレポリマーと前記極性基含有アクリルアミドに由来する前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーを用いることにより、高温および高湿条件でも耐久性に優れたコーティング層を実現可能な光硬化性組成物を提供することができる。
【0039】
前記第1ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が2,000g/mol未満の場合には、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の伸び率が減少する問題が発生しうる。また、前記第1ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が6,000g/molを超える場合、前記光硬化性組成物の粘度調節が容易でなくてコーティング性が低下し、高い極性によって塗布された光硬化性組成物の表面状態に劣る問題が発生しうる。
【0040】
本発明の一実施態様によれば、前記ジイソシアネート系化合物およびポリカーボネートジオールのほかに添加剤を用いて、前記第1ウレタンプレポリマーを製造することができる。添加剤として、粘度調節用モノマーを添加することができる。粘度調節用モノマーを用いて形成された第1ウレタンプレポリマーは、適切な粘度を有することができる。具体的には、前記第1ウレタンプレポリマーの粘度は、7,000cPs以上9,000cPs以下であってもよい。前述した範囲の粘度を有する前記第1ウレタンプレポリマーは、前記極性基含有アクリルアミドと容易に重合反応を行うことができる。前記第1ウレタンプレポリマーの粘度は、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定することができる。
【0041】
本発明の一実施態様によれば、前記粘度調節用モノマーは、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate、IBOA)、イソボルニルメタクリレート(isobornyl methacrylate、IBOMA)、シクロヘキシルメタクリレート(cyclohexyl methacrylate、CHMA)、およびトリメチルシクロヘキシルアクリレート(trimethylcyclohexyl acrylate、TMCHA)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0042】
本発明の一実施態様によれば、前記ジイソシアネート系化合物は、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびテトラメチルキシレンジイソシアネートのうちの少なくとも1つを含むことができる。ただし、前記ジイソシアネート系化合物の種類を前述したものに限定するものではない。
【0043】
本発明の一実施態様によれば、前記第1ウレタンプレポリマーを形成する前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、200g/mol以上700g/mol以下であってもよい。具体的には、前記ポリカーボネートジオールの数量平均分子量は、300g/mol以上600g/mol以下、350g/mol以上550g/mol以下、400g/mol以上500g/mol以下、250g/mol以上400g/mol以下、または450g/mol以上600g/mol以下であってもよい。前述した数量平均分子量の範囲を有する前記ポリカーボネートジオールを用いることにより、高温および高湿条件でも耐久性に優れたコーティング層を実現可能な光硬化性組成物を提供することができる。
【0044】
本発明の一実施態様によれば、前記ポリカーボネートジオールは、ポリアルキレンカーボネートジオールであってもよい。具体的には、前記ポリカーボネートジオールは、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ1,2-プロピレンカーボネートジオール、ポリ1,2-ブチレンカーボネートジオール、ポリ1,3-ブチレンカーボネートジオール、ポリ2,3-ブチレンカーボネートジオール、ポリ1,2-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,3-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,4-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,5-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ2,3-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ2,4-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,6-ヘキシレンカーボネートジオール、およびポリネオペンチルカーボネートジオールのうちの少なくとも1つに由来するポリアルキレンカーボネートジオールを1以上含むことができる。
【0045】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリレートオリゴマーは、イソシアネート末端基を有する第2ウレタンプレポリマーと極性基含有(メタ)アクリレートに由来できる。すなわち、前記第2ウレタンプレポリマーと極性基含有(メタ)アクリレートとの間の重合反応により前記ウレタンアクリレートオリゴマーが形成される。具体的には、前記第2ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基と前記極性基含有(メタ)アクリレートの極性基との間で反応が進行して前記ウレタンアクリレートオリゴマーが形成される。より具体的には、2つの(メタ)アクリレートそれぞれの極性基は、前記第2ウレタンプレポリマーの両末端にそれぞれ位置するイソシアネート基とそれぞれ反応して前記ウレタンアクリレートオリゴマーを形成することができる。
【0046】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリレートオリゴマーを含む光硬化性組成物は、屈曲のある物品に対する付着性(以下、屈曲付着性という)に優れたフィルムを実現することができる。また、ウレタンアクリレートオリゴマーを含む光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層は、優れた伸び率を保有することができる。
【0047】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリレートオリゴマーを形成する前記極性基含有(メタ)アクリレートの極性基は、ヒドロキシ基(-OH)を含むことができる。前記第2ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基との重合反応性の面から、ヒドロキシ基を極性基として含有する(メタ)アクリレートを使用することができる。極性基としてヒドロキシ基を含有する(メタ)アクリレートは、前記第2ウレタンプレポリマーの末端に位置するイソシアネート基と反応して、ウレタン結合を形成することができる。前記ウレタンアクリレートオリゴマーは、一般的なアクリレートオリゴマーより極性が高くて、UVに対する硬化速度が速く、前記ウレタンアクリレートオリゴマーを含む光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層は、基材に対する付着性に優れることができる。
【0048】
本発明の一実施態様によれば、前記極性基含有(メタ)アクリレートは、カルボキシル基を含有しなくてよい。すなわち、前記(メタ)アクリレートは、極性基としてカルボキシル基を含有しなくてよい。カルボキシル基を極性基として含有しない(メタ)アクリレートを用いて、前記ウレタンアクリレートオリゴマーを容易に形成することができる。また、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートから形成されたウレタンアクリレートオリゴマーに残存するカルボキシル基によって、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の耐熱付着性が減少する問題が発生しうる。
【0049】
本発明の一実施態様によれば、前記極性基含有(メタ)アクリレートは、炭素数4以下のアルキル基を含有することができる。具体的には、前記極性基含有(メタ)アクリレートは、メチル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基のうちの少なくとも1つのアルキル基を含有することができる。炭素数4以下のアルキル基を有する極性基含有(メタ)アクリレートと第2ウレタンプレポリマーに由来する重合単位を有する前記ウレタンアクリレートオリゴマーを含む前記光硬化性組成物は、伸び率に優れたコーティング層を提供することができる。すなわち、前記コーティング層および基材を含むデコフィルムが屈曲のある物品に付着した場合にも、前記コーティング層は、基材に付着した状態を長期間維持することができる。
【0050】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリレートオリゴマーを形成する前記極性基含有(メタ)アクリレートは、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0051】
本発明の一実施態様によれば、前記第2ウレタンプレポリマーは、下記化学式2で表されるものであってもよい。
【0052】
【化5】
前記化学式2において、
Aは、ジイソシアネート系化合物に由来し、
B
2は、数平均分子量が1,000g/mol以上3,000g/mol以下のポリカーボネートジオールに由来し、
nは、3以上10以下の整数である。
【0053】
本発明の一実施態様によれば、前記ジイソシアネート系化合物と前記ポリカーボネートジオールとの間の重合反応により前記化学式2で表される第2ウレタンプレポリマーが形成される。具体的には、前記ジイソシアネート系化合物のイソシアネート基とポリカーボネートジオールのヒドロキシ基との間で反応が進行してウレタン結合が形成され、両末端にイソシアネート基を有する第2ウレタンプレポリマーが形成される。前記化学式2のAは、前記ジイソシアネート系化合物に由来するものであり、B2は、前記ポリカーボネートジオールに由来するものであってもよい。具体的には、前記化学式2のAは、前記ジイソシアネート系化合物からイソシアネート官能基を除いた骨格に由来するものであり、前記化学式2のB2は、前記ポリカーボネートジオールからヒドロキシ官能基を除いた骨格に由来するものであってもよい。
【0054】
本発明の一実施態様によれば、前記化学式2で表される第2ウレタンプレポリマーは、
【化6】
構造の重合単位を3以上10以下含むことができる。具体的には、前記第2ウレタンプレポリマーは、
【化7】
構造の重合単位を5以上10以下、または3以上8以下含むことができる。前記第2ウレタンプレポリマーに含まれる前記
【化8】
構造の重合単位の数を前述した範囲に調節することにより、適切な重量平均分子量を有する第2ウレタンプレポリマーを形成することができる。具体的には、前記第2ウレタンプレポリマーは、9,500g/mol以上11,000g/mol以下の重量平均分子量を有することができる。
【0055】
前述した重量平均分子量を有する前記第2ウレタンプレポリマーと前記極性基含有(メタ)アクリレートに由来する前記ウレタンアクリレートオリゴマーを用いることにより、屈曲付着性に優れたコーティング層を実現可能な光硬化性組成物を提供することができる。前記第2ウレタンプレポリマーの重量平均分子量が前述した範囲を外れる場合、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の引張強度が減少する問題が発生しうる。
【0056】
本発明の一実施態様によれば、前記ジイソシアネート系化合物およびポリカーボネートジオールのほかに添加剤を用いて、前記第2ウレタンプレポリマーを製造することができる。添加剤として、粘度調節用モノマーを添加することができる。粘度調節用モノマーを用いて形成された第2ウレタンプレポリマーは、適切な粘度を有することができる。具体的には、前記第2ウレタンプレポリマーの粘度は、45,000cPs以上55,000cPs以下であってもよい。前述した範囲の粘度を有する前記第2ウレタンプレポリマーは、前記極性基含有(メタ)アクリレートと容易に重合反応を行うことができる。前記第2ウレタンプレポリマーの粘度は、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定することができる。
【0057】
本発明の一実施態様によれば、前記粘度調節用モノマーは、イソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate、IBOA)、イソボルニルメタクリレート(isobornyl methacrylate、IBOMA)、シクロヘキシルメタクリレート(cyclohexyl methacrylate、CHMA)、およびトリメチルシクロヘキシルアクリレート(trimethylcyclohexyl acrylate、TMCHA)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0058】
本発明の一実施態様によれば、前記ジイソシアネート系化合物は、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、およびテトラメチルキシレンジイソシアネートのうちの少なくとも1つを含むことができる。ただし、前記ジイソシアネート系化合物の種類を前述したものに限定するものではない。
【0059】
前記第2ウレタンプレポリマーを製造するために用いられるジイソシアネート系化合物は、前記第1ウレタンプレポリマーを製造するために用いられるジイソシアネート系化合物と同一でも異なっていてもよい。
【0060】
本発明の一実施態様によれば、前記第2ウレタンプレポリマーを形成する前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、1,000g/mol以上3,000g/mol以下であってもよい。具体的には、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、1,300g/mol以上2,800g/mol以下、1,500g/mol以上2,500g/mol以下、2,000g/mol以上2,200g/mol以下、1,200g/mol以上1,500g/mol以下、1,800g/mol以上2,000g/mol以下、2,100g/mol以上2,500g/mol以下、または2,800g/mol以上3,000g/mol以下であってもよい。前述した数平均分子量の範囲を有する前記ポリカーボネートジオールを用いることにより、向上した伸び率を保有するコーティング層を実現可能な光硬化性組成物を提供することができる。
【0061】
前記第2ウレタンプレポリマーを形成する前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が1,000g/mol未満の場合、製造されるコーティング層の伸び率が減少する問題が発生しうる。また、前記ポリカーボネートジオールの数平均分子量が3,000g/molを超える場合、ポリカーボネートジオール自体が結晶化されて前記第2ウレタンプレポリマーを製造することが容易でないことがある。
【0062】
本発明の一実施態様によれば、前記ポリカーボネートジオールは、ポリアルキレンカーボネートジオールであってもよい。具体的には、前記ポリカーボネートジオールは、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ1,2-プロピレンカーボネートジオール、ポリ1,2-ブチレンカーボネートジオール、ポリ1,3-ブチレンカーボネートジオール、ポリ2,3-ブチレンカーボネートジオール、ポリ1,2-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,3-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,4-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,5-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ2,3-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ2,4-ペンチレンカーボネートジオール、ポリ1,6-ヘキシレンカーボネートジオール、およびポリネオペンチルカーボネートジオールのうちの少なくとも1つに由来するポリアルキレンカーボネートジオールを1以上含むことができる。
【0063】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体は、前記アクリルアミドおよび前記極性基含有(メタ)アクリレートに由来できる。すなわち、前記アクリルアミドと前記極性基含有(メタ)アクリレートとの重合反応により、前記アミド基含有アクリル系重合体が形成される。具体的には、前記アクリルアミドに含有された炭素-炭素二重結合と前記極性基含有(メタ)アクリレート内の炭素-炭素二重結合との間で反応が進行して前記アミド基含有アクリル系重合体が形成される。一例として、前記アミド基含有アクリル系重合体は、下記化学式3のような構造を有することができる。
【化9】
【0064】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体を含む光硬化性組成物は、高温および高湿条件でも耐久性に優れたコーティング層を実現することができる。
【0065】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体を形成する前記極性基含有(メタ)アクリレートの極性基は、ヒドロキシ基(-OH)を含むことができる。前記アクリルアミドとの反応性の面から、ヒドロキシ基を極性基として含有する(メタ)アクリレートを使用することができる。
【0066】
本発明の一実施態様によれば、前記極性基含有(メタ)アクリレートは、カルボキシル基を含有しなくてよい。すなわち、前記(メタ)アクリレートは、極性基としてカルボキシル基を含有しなくてよい。前記(メタ)アクリレートに含有されたカルボキシル基は、前記アクリルアミドと反応性が良くなくて、前記アミド基含有アクリル系重合体を形成することが容易でないことがある。
【0067】
本発明の一実施態様によれば、前記極性基含有(メタ)アクリレートは、炭素数4以下のアルキル基を含有することができる。具体的には、前記極性基含有(メタ)アクリレートは、メチル基、エチル基、プロピル基、およびブチル基のうちの少なくとも1つのアルキル基を含有することができる。炭素数4以下のアルキル基を有する極性基含有(メタ)アクリレートとアクリルアミドに由来する前記アミド基含有アクリル系重合体を含む前記光硬化性組成物は、高温で耐久性に優れたコーティング層を提供することができる。
【0068】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体を形成する前記極性基含有(メタ)アクリレートは、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシブチル(メタ)アクリレートのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0069】
本発明の一実施態様によれば、前記アクリルアミドは、ジメチルアクリルアミド、エチルメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、エチルプロピルアクリルアミド、ジプロピルアクリルアミド、ブチルプロピルアクリルアミド、およびジブチルアクリルアミドのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0070】
本発明の一実施態様によれば、アクリルアミドおよび極性基含有(メタ)アクリレートのほかに添加剤を用いて、前記アミド基含有アクリル系重合体を製造することができる。前記添加剤は、分子量調節剤を含むことができ、前記分子量調節剤は、ドデカンチオール(dodecane thiol)、2-メルカプトエタノール、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、2-エチルヘキシルチオグリコレート、およびアルファメチルスチレンダイマーのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0071】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体を製造するために前記分子量調節剤を用いることにより、形成される前記アミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量を調節することができ、適切な粘度を有するアミド基含有アクリル系重合体を製造することができる。具体的には、25℃の温度、52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した前記アミド基含有アクリル系重合体の粘度は、500cPs以上1,000cPs以下であってもよい。また、前記アミド基含有アクリル系重合体は、固形分が15%以上20%以下の無溶剤シロップタイプに製造できる。
【0072】
前記アミド基含有アクリル系重合体の粘度を前述した範囲に調節することにより、前記アミド基含有アクリル系重合体を含む光硬化性組成物のコーティング性を向上させることができる。また、前記光硬化性組成物の光硬化反応の安定性を向上させることができる。
【0073】
また、添加剤を用いることにより、前記アミド基含有アクリル系重合体の極性を調節することができる。これによって、前記光硬化性組成物に含まれる前記ウレタンアクリルアミドオリゴマー、前記ウレタンアクリレートオリゴマー、および前記アミド基含有アクリル系重合体をより容易に混合することができ、前記光硬化性組成物の光硬化反応をより容易に行うことができる。
【0074】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して、10重量部以上50重量部以下であってもよい。具体的には、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して、20重量部以上40重量部以下、25重量部以上35重量部以下、10重量部以上25重量部以下、30重量部以上40重量部以下、または45重量部以上50重量部以下であってもよい。
【0075】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物に含まれる前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量を前述した範囲に調節することにより、高温条件で耐久性に優れたコーティング層を製造することができる。また、前記光硬化性組成物に含まれる前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量を前述した範囲に調節することにより、高湿条件でも優れた付着性を維持可能なコーティング層を提供することができる。前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量が前記硬化性組成物100重量部に対して10重量部未満の場合、高温および高湿条件でのコーティング層の基材に対する付着性が低下する問題が発生しうる。さらに、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量が前記硬化性組成物100重量部に対して50重量部を超える場合には、前記コーティング層の伸び率が低下する問題が発生しうる。
【0076】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して10重量部以上50重量部以下であってもよい。具体的には、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して10重量部以上20重量部以下、30重量部以上35重量部以下、または40重量部以上50重量部以下であってもよい。
【0077】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物に含まれる前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量を前述した範囲に調節することにより、伸び率が向上して屈曲付着性に優れたコーティング層を提供することができる。また、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量を前述した範囲に調節することにより、屈曲付着性に優れたコーティング層を容易に製造することができる。
【0078】
前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量が前記光硬化性組成物100重量部に対して10重量部未満の場合、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の屈曲付着性が低下する問題が発生しうる。また、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量が前記光硬化性組成物100重量部に対して50重量部を超える場合には、前記コーティング層の高温および高湿条件に対する耐久性が低下する問題が発生しうる。
【0079】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体の含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して2重量部以上9重量部以下であってもよい。具体的には、前記アミド基含有アクリル系重合体の含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して3重量部以上7重量部以下、4.5重量部以上6重量部以下、3.5重量部以上5重量部以下、または6重量部以上7重量部以下であってもよい。
【0080】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物に含まれる前記アミド基含有アクリル系重合体の含有量を前述した範囲に調節することにより、コーティング層の高温条件での耐久性をより向上させることができる。
【0081】
したがって、本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物に含まれる前記ウレタンアクリルアミドオリゴマー、前記ウレタンアクリレートオリゴマー、および前記アミド基含有アクリル系重合体の含有量を前述した範囲に調節することにより、屈曲付着性に優れ、高温および高湿条件で耐久性に優れたコーティング層を容易に製造することができる。
【0082】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量は、2,000g/mol以上5,000g/mol以下であってもよい。具体的には、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量は、2,500g/mol以上4,000g/mol以下、3,000g/mol以上3,500g/mol以下、2,000g/mol以上3,500g/mol以下、または4,000g/mol以上5,000g/mol以下であってもよい。前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量を前述した範囲に調節することにより、高温および高湿条件で耐久性に優れたコーティング層を製造することができる。
【0083】
前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量が2,000g/mol未満の場合、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の伸び率が減少して、高温露出時にクラック(crack)が発生する問題がある。また、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量が5,000g/molを超える場合には、前記光硬化性組成物のコーティング性が低下する問題が発生しうる。
【0084】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、10,000g/mol以上15,000g/mol以下であってもよい。具体的には、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は、11,000g/mol以上14,500g/mol以下、12,000g/mol以上13,000g/mol以下、10,000g/mol以上13,000g/mol以下、または13,500g/mol以上15,000g/mol以下であってもよい。前記ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量を前述した範囲に調節することにより、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の屈曲付着性を向上させることができる。
【0085】
前記ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が10,000g/mol未満の場合、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の伸び率が減少する問題が発生しうる。また、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量が15,000g/molを超える場合、光硬化性組成物の粘度が高くなってコーティング性が低下する問題が発生し、光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の引張強度が減少する問題が発生しうる。
【0086】
本発明の一実施態様によれば、前記アミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量は、5,000g/mol以上10,000g/mol以下であってもよい。具体的には、前記アミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量は、6,000g/mol以上8,000g/mol以下、6,500g/mol以上7,000g/mol以下、5,500g/mol以上6,500g/mol以下、7,000g/mol以上8,000g/mol以下、または8,500g/mol以上9,500g/mol以下であってもよい。前記アミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量を前述した範囲に調節することにより、コーティング層の高温条件での耐久性をより向上させることができる。
【0087】
前記アミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量が10,000g/molを超える場合、前記アミド基含有アクリル系重合体の前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーおよび前記ウレタンアクリレートオリゴマーとの相溶性が急激に低下して、光硬化性組成物を均一に塗布することが容易でない問題が発生しうる。
【0088】
本発明の一実施態様によれば、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの粘度は、10,000cPs以上15,000cPs以下であってもよい。具体的には、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの粘度は、11,000cPs以上14,000cPs以下、12,000cPs以上13,000cPs以下、11,000cPs以上13,000cPs以下、または13,500cPs以上15,000cPs以下であってもよい。
【0089】
本発明の一実施態様によれば、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した前記ウレタンアクリレートオリゴマーの粘度は、50,000cPs以上80,000cPs以下であってもよい。具体的には、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの粘度は、55,000cPs以上75,000cPs以下、60,000cPs以上70,000cPs以下、または65,000cPs以上80,000cPs以下であってもよい。
【0090】
本発明の一実施態様によれば、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーおよび前記ウレタンアクリレートオリゴマーの粘度を前述した範囲に調節することにより、前記光硬化性組成物のコーティング性を向上させることができ、前記光硬化性組成物の光硬化反応をより容易に行うことができる。
【0091】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物は、粘度調節用モノマーおよび光開始剤のうちの少なくとも1つを含む添加剤をさらに含んでもよい。前記光硬化性組成物に添加剤として粘度調節用モノマーを添加して、前記光硬化性組成物の硬化物の重量平均分子量が急激に増加するのを防止することができる。また、前記光硬化性組成物に粘度調節用モノマーを添加して、前記光硬化性組成物の粘度を適切に調節することにより、前記光硬化性組成物の基材に対するコーティング性を向上させることができる。
【0092】
本発明の一実施態様によれば、前記粘度調節用モノマーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して20重量部以上40重量部以下であってもよい。具体的には、前記粘度調節用モノマーの含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して25重量部以上35重量部以下、20重量部以上30重量部以下、または35重量部以上40重量部以下であってもよい。前記光硬化性組成物に含まれる前記粘度調節用モノマーの含有量を前述した範囲に調節することにより、前記光硬化性組成物の粘度を制御して基材に対するコーティング性を向上させることができる。
【0093】
本発明の一実施態様によれば、前記粘度調節用モノマーは、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(pentaerythritol tri/tetraacrylate;PETA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(tripropylene glycoldiacrylate、TPGDA)、ヘキサンジオールジアクリレート(hexanediol diacrylate、HDDA)、およびブタンジオールジアクリレート(butanediol diacrylate、BDDA)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0094】
本発明の一実施態様によれば、25℃の温度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した前記光硬化性組成物の粘度は、300cPs以上1,300cPs以下であってもよい。具体的には、前記光硬化性組成物の粘度は、300cPs以上500cPs以下、600cPs以上1,000cPs以下、または1,100cPs以上1,250cPs以下であってもよい。前述した範囲の粘度を有する前記光硬化性組成物は、基材に対するコーティング性に優れることができる。
【0095】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物に添加剤として含まれる前記光開始剤の含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して2重量部以上5重量部以下であってもよい。前記光硬化性組成物に含まれる前記光開始剤の含有量を前述した範囲に調節することにより、前記光硬化性組成物の光硬化反応を効果的に行うことができる。前記光開始剤として公知の構成を使用することができる。本発明では、光開始剤として、HP-8(Miwon Specialty Chemical社)、CP-4(Miwon Specialty Chemical社)、Irgacure#1173(BASF社)、およびIrgacure#184(BASF社)のうちの少なくとも1つを使用することができる。
【0096】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物は、粘度調節用モノマーおよび光開始剤のほか、その他添加剤を含むことができる。一例として、前記光硬化性組成物は、前記光硬化性組成物の硬化物の基材密着性を向上させるその他添加剤を含むことができる。
【0097】
前記光硬化性組成物に含まれる前記その他添加剤の含有量は、前記光硬化性組成物100重量部に対して0.1重量部以上1重量部以下であってもよい。前記光硬化性組成物に含まれるその他添加剤の含有量を前述した範囲に調節することにより、光硬化性組成物の硬化物の基材密着性を向上させることができる。
【0098】
前記光硬化性組成物の硬化物の基材密着性を向上させるその他添加剤は、エポキシシラン、アクリレートシラン、アミノシランのうちの少なくとも1つを含むことができるが、前記その他添加剤の種類を限定するものではない。一例として、前記エポキシシラン添加剤としてKBM403(信越社)を使用することができ、アクリレートシラン添加剤としてKBM5103(信越社)を使用することができる。
【0099】
本発明の他の実施態様は、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層を提供する。
【0100】
本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層は、屈曲付着性に優れることができる。また、前記コーティング層は、高温および高湿条件でも耐久性に優れることができる。
【0101】
本発明の一実施態様によれば、基材上に前記光硬化性組成物を塗布し、前記光硬化性組成物を光硬化させて、基材上にコーティング層を形成することができる。すなわち、前記コーティング層は、合わせフィルムまたは接着剤なしに基材上に備えられる。
【0102】
本発明の一実施態様によれば、前記基材の一面上に前記光硬化性組成物を塗布し、300nm以上400nm以下の波長値を有するUVランプを用いて、1.0J/cm2~1.5J/cm2の光量で照射して前記光硬化性組成物を硬化させることができる。
【0103】
本発明の一実施態様によれば、85℃、85RH%および72時間の雰囲気で、ISO1520に準じて測定された前記コーティング層のエリクセンカッピング数値は10mm以上を満足することができる。すなわち、前記コーティング層の高温、高湿屈曲付着力は、ISO1520に準じて測定された10mm以上のエリクセンカッピング数値を満足することができる。
【0104】
具体的には、前記コーティング層のエリクセンカッピング数値の測定は、23μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate、PET)基材上に光硬化性組成物を塗布および硬化させて、PET基材上に15μmの厚さのコーティング層が形成されたフィルムを製造する。そして、前記フィルムを横20cm、縦20cmの大きさに切断してサンプルを製造し、横20cm、縦20cm、厚さ0.5mmの鉄板上に、前記サンプルのコーティング層を熱硬化焼付性接着剤(KCC社)を用いて付着させることにより、試験サンプルを製造する。この後、ISO1520に準ずる試験法により、カッピング試験機を用いて前記試験サンプルの中央部を1mm/min~3mm/minのパンチ速度で、前記鉄板から前記コーティング層の方向に加圧して、中央部が両末端よりたわむ形態のカップ状に前記試験サンプルに変形を加える。この後、変形したサンプルを85℃および85RH%の雰囲気で72時間保管した後、サンプルのPET基材をクロスカットして、サンプルのPET基材とコーティング層が脱落しないエリクセンカッピング数値を確認する方法で、前記コーティング層の高温、高湿屈曲付着力を測定することができる。この時、前記エリクセンカッピング数値は、前記試験サンプルの両末端を結ぶ平行線に対する、前記試験サンプルのたわむ中央部の高さを意味することができる。また、前記カッピング試験機としてBYK機械的カッピング試験機またはTQC SP4400を用いることができ、前記0.5mmの厚さの鉄板の代わりに、5mmの厚さのポリ塩化ビニル(PVC)シートを用いて、前記コーティング層の高温、高湿屈曲付着力を測定試験を行うこともできる。
【0105】
本発明の一実施態様によれば、前記コーティング層の高温、高湿屈曲付着力は、ISO1520に準ずるエリクセンカッピング数値が10mm以上であってもよい。具体的には、前述した方法で、前記コーティング層を含む試験サンプルをエリクセンカッピング数値が10mm以上のカップ状に変形を加えた後、変形した試験サンプルを85℃および85RH%の雰囲気で72時間保管した後、クロスカットしても、試験サンプルに含まれたコーティング層とPET基材が互いに脱落せず、付着力を維持することができる。
【0106】
したがって、本発明の一実施態様によれば、前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層は、基材に対する高温、高湿屈曲付着力に優れることができる。
【0107】
本発明の一実施態様によれば、前記コーティング層は、デコフィルム用装飾層であってもよい。すなわち、本発明の一実施態様は、基材と、前記基材上に備えられる前記光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層とを含むデコフィルムを提供する。
【0108】
本発明の一実施態様によれば、前記デコフィルムは、屈曲のある物品に付着した後にもその形態を長期間維持することができる。具体的には、屈曲のある物品に前記デコフィルムを付着させた後、長期間経過後にも、前記デコフィルムのコーティング層が前記基材から剥離されないことがある。
【0109】
本発明の一実施態様によれば、前記デコフィルムは、高温および高湿条件でもその形態を維持することができる。具体的には、物品に前記デコフィルムが付着した後、高温および高湿条件に放置される場合にも、前記デコフィルムのコーティング層が前記基材から剥離されないことがある。
【0110】
本発明の一実施態様に係る前記デコフィルムのコーティング層を形成する光硬化性組成物は、本発明の一実施態様に係る前記光硬化性組成物と同一である。
【0111】
本発明の一実施態様によれば、基材の一面上に前記光硬化性組成物を塗布および光硬化させることにより、基材の一面上に備えられたコーティング層を含むデコフィルムを製造することができる。前記光硬化性組成物を基材の一面上に塗布する方法としては、公知の工程を用いることができる。具体的には、インクジェットプリンティング工程、ディスペンシング工程、シルクスクリーン工程、スプレーコーティング工程、スピンコーティング工程、ナイフコーティング工程、ディップコーターコーティング工程、メイヤーバーコーティング工程、グラビアコーティング工程、オフセットコーティング工程、グラビアオフセットコーティング工程、ロールツーロールオフセットコーティング工程、マイクログラビアコーティング工程などを用いることができる。
【0112】
本発明の一実施態様によれば、前記基材は、光学的に透明な基材で、光透過度が90%以上であってもよい。一例として、前記基材は、ガラス、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリメタクリレート、およびポリエチレンナフタレートのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0113】
本発明の一実施態様によれば、前記基材の厚さは、20μm以上50μm以下であってもよい。前述した範囲の厚さを有する基材を含むデコフィルムは、耐久性に優れることができる。
【0114】
本発明の一実施態様によれば、シート形態の基材上に光硬化性組成物を塗布および光硬化させて、基材の一面上にコーティング層が備えられたデコフィルムを製造することができる。また、ロールツーロール(roll to roll)方式を利用して、長手方向に長く延びた基材上に連続的に前記光硬化性組成物を塗布し硬化させて、デコフィルムを製造することができる。
【0115】
本発明の一実施態様によれば、前記デコフィルムに含まれる前記コーティング層は、装飾層であってもよい。具体的には、前記基材の一面上に前記光硬化性組成物を塗布し、前記光硬化性組成物上に多様な装飾パターンを形成した後、前記光硬化性組成物を硬化させることにより、装飾パターンが形成されたコーティング層を含むデコフィルムを容易に製造することができる。一例として、ロールツーロール方式を利用して、長手方向に沿って移動する基材の一面上に前記光硬化性組成物をオフセットコーティングし、前記光硬化性組成物を硬化させることにより、ヘアラインパターンが形成されたコーティング層を含むデコフィルムを製造することができる。さらに、ヘアラインパターンが形成されたコーティング層上にスズ(Sn)蒸着および/またはアルミニウム(Al)蒸着をすることにより、前記デコフィルムにメタル感を実現することもできる。
【0116】
本発明の一実施態様によれば、前記コーティング層の厚さは、10μm以上20μm以下であってもよい。前述した範囲の厚さを有するコーティング層を含むデコフィルムは、耐久性に優れることができる。また、前記コーティング層を含むデコフィルムは、屈曲のある物品に対する付着性に優れることができる。
【実施例】
【0117】
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本発明に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に述べる実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0118】
製造例1:ウレタンアクリルアミドオリゴマーの製造
5口の2L反応基に、粘度調節用モノマーとしてイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate;IBOA、新中村社)450g、ジイソシアネート系化合物としてイソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate;IPDI、Evonik社)386g、およびポリカーボネートジオールとしてポリアルキレンカーボネートジオール(T5650E、Asahikasei chemical社)433gを投入して混合物を製造した。前記T5650Eの数平均分子量は約500g/molであった。
【0119】
次いで、前記混合物を50℃に昇温維持後、触媒としてジブチルスズジラウレート(dibutyltin dilaurate;DBTDL)40ppmを投入し、発熱反応を誘導して、IPDI-(T5650E-IPDI)4で表される第1ウレタンプレポリマーを製造した。製造された第1ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は約2,800g/mol、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した粘度は約8,100cPsであった。
【0120】
次いで、製造された第1ウレタンプレポリマーに極性基含有アクリルアミドとしてヒドロキシエチルアクリルアミド(Hydroxyl Ethyl AcrylAmide;HEAA、Kohjin社)230gを60℃で10g/minの速度で滴下反応させて、HEAA-IPDI-(T5650E-IPDI)4-HEAAで表されるウレタンアクリルアミドオリゴマーを製造した。製造されたウレタンアクリルアミドオリゴマーの重量平均分子量は約3,100g/mol、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した粘度は約13,000cPsであった。
【0121】
製造例2:ウレタンアクリレートオリゴマーの製造
5口の2L反応基に、粘度調節用モノマーとしてイソボルニルアクリレート(isobornyl acrylate;IBOA、新中村社)450g、ジイソシアネート系化合物としてイソホロンジイソシアネート(isophorone diisocyanate;IPDI、Evonik社)168g、およびポリカーボネートジオールとしてポリアルキレンカーボネートジオール(T5652、Asahikasei chemical社)758gを投入して混合物を製造した。前記T5652の数平均分子量は約2,000g/molであった。
【0122】
次いで、前記混合物を60℃に昇温維持後、触媒としてジブチルスズジラウレート(dibutyltin dilaurate;DBTDL)40ppmを投入し、発熱反応を誘導して、IPDI-(T5652-IPDI)5で表される第2ウレタンプレポリマーを製造した。製造された第2ウレタンプレポリマーの重量平均分子量は約10,000g/mol、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した粘度は約50,000cPsであった。
【0123】
次いで、製造された第2ウレタンプレポリマーに極性基含有(メタ)アクリレートとしてヒドロキシエチルメタクリレート(Hydroxyl Ethyl Methacrylate;HEMA、日本触媒社)123gを60℃で滴下反応させて、HEMA-IPDI-(T5652-IPDI)5-HEMAで表されるウレタンアクリレートオリゴマーを製造した。製造されたウレタンアクリレートオリゴマーの重量平均分子量は約12,800g/mol、25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した粘度は65,000cPsであった。
【0124】
製造例3:アミド基含有アクリル系重合体の製造
5口の2L反応基に、アクリルアミドとしてジメチルアクリルアミド(dimethylacrylamide;DMAA、Kohjin社)1440g、極性基含有(メタ)アクリレートとしてヒドロキシエチルメタクリレート(Hydroxyl Ethyl MethAcrylate;HEMA、日本触媒社)160g、添加剤としてノルマルドデカンチオール(normal dodecane thiol;n-DDM、Atopina社)4.8gを投入し、60℃で1時間窒素置換し昇温維持した。この後、アゾ系の熱開始剤である2,2’-アゾ-ビスイソブチロニトリル(2,2’-azo-bisisobutyronitrile;AIBN)を20ppmの同温で滴下してアミド基含有アクリル系重合体を製造した。製造されたアミド基含有アクリル系重合体の重量平均分子量は約7,000g/mol、25℃の温度、20rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した粘度は約900cPsであった。
【0125】
光硬化性組成物の製造
実施例1
粘度調節用モノマーとしてペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート(M340、Miwon Specialty Chemical社)、トリプロピレングリコールジアクリレート(M220、Miwon Specialty Chemical社)を用意し、光開始剤としてHP-8(Miwon Specialty Chemical社)を用意し、その他添加剤としてKBM403(信越社)を用意した。この後、製造例1で用意されたウレタンアクリルアミドオリゴマー、製造例2で用意されたウレタンアクリレートオリゴマー、製造例3で用意されたアミド基含有アクリル系重合体と前記粘度調節用モノマー、光開始剤、および添加剤を混合して光硬化性組成物を製造した。
【0126】
前記光硬化性組成物100重量部に対して、前記ウレタンアクリルアミドオリゴマーの含有量は30重量部、前記ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量は30重量部、前記アミド基含有アクリル系重合体の含有量は5重量部、前記M340の含有量は5重量部、前記M220の含有量は25重量部、前記光開始剤の含有量は4.5重量部、前記添加剤の含有量は0.5重量部である。25℃の温度、10rpmの回転速度、および52番スピンドルにてブルックフィールド粘度計で測定した前記光硬化性組成物の粘度は620cPsである。
【0127】
実施例2~実施例3
前記実施例1と同一の物質を用いて、下記表1のような組成を有する光硬化性組成物を製造した。
【0128】
比較例1~比較例4
前記実施例1と同一の物質を用いて、下記表1のような組成を有する光硬化性組成物を製造した。
【0129】
【0130】
デコフィルムの製造
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物を23μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate、PET)基材上に約15μmの厚さに塗布した。この後、340nmの波長値を有するUVランプを用いて、約1.2J/cm2の光量で照射して前記光硬化性組成物を硬化させて、PET基材の一面上に約15μmの厚さを有するコーティング層が形成されたデコフィルムを製造した。
【0131】
デコフィルムの物性実験
常温付着性実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むデコフィルムを横20cm、縦20cmに切断してサンプルを製造した。この後、サンプルを25℃の常温で72時間保管し、室温に30分放置後、ASTM D3359に合わせて、クロスカッター(Crosscutter)をカッティングガイドとして用いて、サンプルのコーティング層表面に100目の格子に切り込みを入れた後、Nichiban Tapeで格子を除去するクロスカット方法によりデコフィルムの常温付着性実験を進行させた。
【0132】
前記常温付着性実験の結果を下記表2に示した。下記表2にて、5Bは、デコフィルムのコーティング層が基材に対して付着性に優れていることを意味し、0Bは、デコフィルムのコーティング層が基材に対して付着性に劣ることを意味する。具体的には、格子の除去された面積が0%の場合に5Bと評価し、格子の除去された面積が0%超過5%未満の場合に4Bと評価し、格子の除去された面積が5%以上15%未満の場合に3Bと評価し、格子の除去された面積が15%以上35%未満の場合に2Bと評価し、格子の除去された面積が35%以上65%未満の場合に1Bと評価し、格子の除去された面積が65%以上の場合に0Bと評価し、0Bと評価されるというのは、コーティング層の基材に対する付着性が全く生じないことを意味することができる。
【0133】
高温付着性実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むデコフィルムを横20cm、縦20cmに切断してサンプルを製造した。この後、サンプルを85℃および85RH%湿熱条件で72時間保管し、室温に30分放置後、前記常温付着性実験と同一のクロスカット方法によりデコフィルムの高温付着性実験を進行させた。
【0134】
前記高温付着性実験の結果を下記表2に示した。下記表2にて、5Bは、デコフィルムのコーティング層が基材に対して付着性に優れていることを意味し、0Bは、デコフィルムのコーティング層が基材に対して付着性に劣ることを意味し、前記0B~5Bの評価は、前記常温付着性実験と同一の評価方法で行った。
【0135】
常温屈曲付着性実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むデコフィルムを横20cm、縦20cmに切断してサンプルを製造した。この後、下記の方法によりデコフィルムの常温屈曲付着性実験を進行させた。
【0136】
用意されたデコフィルムサンプルのPET基材を横20cm、縦20cm、厚さ0.5mmの鉄板上に付着させて試験サンプルを製造した。この後、DIN EN ISO1520に基づき、カッピング試験機(TQC SP4400)を用いて、前記試験サンプルの中央部を2mm/minのパンチ速度で、前記鉄板から前記コーティング層の方向に加圧した。10mmの高さのカップ状に試験サンプルが変形するまで、試験サンプルの中央部を加圧した。
【0137】
この後、カップ状に変形した試験サンプルを25℃の常温で72時間保管した後、前記常温付着性実験と同一のクロスカット方法によりデコフィルムの常温屈曲付着性実験を進行させた。
【0138】
常温屈曲付着性実験の結果を下記表2に示した。下記表2にて、5Bは、デコフィルムのコーティング層が基材に対して付着性に優れていることを意味し、0Bは、デコフィルムのコーティング層が基材に対して付着性に劣ることを意味し、前記0B~5Bの評価は、前記常温付着性実験と同一の評価方法で行った。
【0139】
高温屈曲付着性実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むデコフィルムを横20cm、縦20cmに切断してサンプルを製造した。この後、下記の方法によりデコフィルムの高温屈曲付着性実験を進行させた。
【0140】
横20cm、縦20cm、厚さ0.5mmの鉄板を用意し、熱硬化焼付性接着剤(KCC社)を用いて前記サンプルのコーティング層を鉄板上に付着させて試験サンプルを製造した。この後、カッピング試験機(TQC SP4400)を用い、ISO1520に準じて、前記試験サンプルの中央部を2mm/minのパンチ速度で、前記鉄板から前記コーティング層の方向に加圧した。所定高さのカップ状に前記試験サンプルが変形するまで、試験サンプルの中央部を加圧した。
【0141】
この後、カップ状に変形した試験サンプルを75℃および85RH%条件で72時間保管した後、サンプルのコーティング層をクロスカットし、デコフィルムのコーティング層がPET基材と脱落するか否かを確認する方法で進行させた。この時、試験サンプルのカップ状の高さ(エリクセンカッピング数値)を異ならせ、高温屈曲付着性実験を進行させ、前記デコフィルムのコーティング層がPET基材から剥離される高さを探すために前記実験を繰り返し進行させた。
【0142】
高温屈曲付着性実験の結果を下記表2に示した。下記表2のエリクセンカッピング数値は、前記高温屈曲付着性実験を進行させながら、前記デコフィルムのコーティング層が前記PET基材から剥離される前までのエリックスン試験サンプルが変形した高さを意味する。
【0143】
2T屈曲付着性実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むデコフィルムを横20cm、縦5cmに切断してサンプルを製造した。
【0144】
図1は、本発明の実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の2T屈曲付着性実験方法を概略的に示す図である。
【0145】
図1に示された方法のように、本発明の実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むコーティング層の2T屈曲付着性実験を進行させた。具体的には、15μmの厚さのコーティング層が備えられた15μmの厚さを有するPET基材を
図1のように2T(2mm)間隔をおいて曲げた時、
図1に示された「イ」および「ロ」部分でコーティング層がPET基材から剥離されるか、コーティング層に割れが発生しない場合を良好と評価し、コーティング層が剥離するまたは割れが発生する場合を不十分と評価し、その結果を下記表2に示した。
【0146】
Q-UV実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物の硬化物を含むデコフィルムを横10cm、縦10cmに切断してサンプルを製造した。この後、Q-UV(UV340、Q-lab社)をデコフィルムのコーティング層に72時間照射し、分光光度計(CM5 Spectrophotometer、Konica Minolta社)を用いて、コーティング層の色差変化を測定した。コーティング層の色差変化は、コーティング層の初期色対比、72時間後のコーティング層の色が変化した程度であるΔE値により測定することができ、その結果を下記表2に示した。
【0147】
引張強度および靭性実験
実施例1~実施例3および比較例1~比較例4で製造された光硬化性組成物を離型フィルム上に塗布し、光硬化性組成物上に他の離型フィルムを積層した後、340nmの波長値を有するUVランプを用いて約1.5J/cm2の光量で照射して厚さ15μmのコーティング層を形成した。この後、コーティング層から2つの離型フィルムを除去し、コーティング層を横12cm、縦2.54cmに切断してサンプルを製造した。この後、TA機器を用いて300mm/minの速度でサンプルを引っ張り、サンプルの破断時までの引張強度および靭性を測定し、その結果を下記表2に示した。
【0148】
【0149】
前記表2を参照すれば、本発明の実施例1~実施例3によるデコフィルムは、エリクセンカッピング数値が10mm以上の場合にも、コーティング層が基材と脱落なしに付着していることを確認することができた。これに対し、比較例1~比較例4によるデコフィルムは、エリクセンカッピング数値が10mm以下の場合にも、コーティング層が基材から剥離されることを確認することができた。したがって、本発明の一実施態様に係るデコフィルムは、屈曲付着性に優れ、高温および高湿条件でも付着性に優れていることを確認することができる。
【0150】
図2Aは、本発明の実施例1によるデコフィルムの高温屈曲付着性実験を行ったことを撮影した写真であり、
図2Bは、比較例2によるデコフィルムの高温屈曲付着性実験を行ったことを撮影した写真である。具体的には、
図2Aおよび
図2Bは、エリクセンカッピング数値が10mmの時のデコフィルムの高温屈曲付着性実験を行ったことを撮影した写真である。
【0151】
図2Aを参照すれば、本発明の実施例1によるデコフィルムは、エリクセンカッピング数値が10mmの場合に、コーティング層が基材に付着していることを確認することができた。これに対し、
図2Bを参照すれば、比較例2によるデコフィルムは、エリクセンカッピング数値が10mmの場合に、コーティング層が基材と脱落することを確認することができた。
【0152】
また、前記表2を参照すれば、本発明の実施例1~実施例3によるデコフィルムは、比較例1~比較例4によるデコフィルム対比、優れた靭性を保有することを確認することができた。すなわち、本発明の実施例によるデコフィルムは、高い伸び率を保有することを確認することができた。したがって、本発明の一実施態様によれば、デコフィルムは、高い靭性および伸び率を保有できることから、屈曲のある物品に対する付着性に優れることができる。
【0153】
さらに、前記表2を参照すれば、本発明の実施例1~実施例3によるデコフィルムは、常温および高温で全般的に優れた付着性を有していることを確認することができた。