(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】情報処理装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220315BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
B41J29/38 104
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2018006596
(22)【出願日】2018-01-18
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】立川 展也
(72)【発明者】
【氏名】宮内 邦裕
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-094925(JP,A)
【文献】特開2011-060028(JP,A)
【文献】特開2015-130203(JP,A)
【文献】特開2016-033809(JP,A)
【文献】特開2015-157479(JP,A)
【文献】特開2015-053537(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットをネットワークを介して受信し、パケットに対する応答をネットワークを介して送信する通信部と、
パケットを識別するIDに基づいて、パケットを受信した回数を計測し、所定の期間におけるパケットの受信頻度を算出
し、前記受信頻度に基づいてパケットをグループ化する計測部と、
前記グループごとにパケットに対する応答を記憶する記憶部と、
前記受信頻度が高い順に、前記グループ内のすべてのパケットに対する応答が記憶されているか否か判定し、すべてのパケットに対する応答が記憶されている前記グループについて応答を可能にする省エネ状態に、通常状態から遷移させる制御部とを有する情報処理装置。
【請求項2】
前記通常状態の消費電力より、前記省エネ状態の消費電力が低い請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
所定の期間を計測するタイマが満了した場合に、前記通常状態から前記省エネ状態に遷移する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記省エネ状態に遷移した後、
応答が可能でないパケットを受信した場合、応答不可であることを通知する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
ネットワークを介して接続される他の情報処理装置に、前記グループに関する情報及び前記
応答に関する情報を送信する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続されるクラウドが、
前記記憶部を有する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
パケットをネットワークを介して受信し、パケットに対する応答をネットワークを介して送信する通信部と、
パケットを識別するIDに基づいて、パケットを受信した回数を計測し、所定の期間におけるパケットの受信頻度を算出
し、前記受信頻度に基づいてパケットをグループ化する計測部と、
前記グループごとにパケットに対する応答を記憶する記憶部と、
前記受信頻度が高い順に、前記グループ内のすべてのパケットに対する応答が記憶されているか否か判定し、すべてのパケットに対する応答が記憶されている前記グループについて応答を可能にする省エネ状態に、通常状態から遷移させる制御部とを有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された機器における消費電力の削減を目的とした技術分野において、メインとサブの2つのCPUを持ち、機器の状態が省エネ状態であるとき、比較的消費電力の大きいメインCPUを停止し、比較的消費電力の小さいサブCPUにてネットワークパケットの処理を行うことで、消費電力を削減する技術が既に知られている。さらに、消費電力の削減のため、サブCPUにて対応可能なパケットを増やすことで、省エネ状態を維持する、すなわちメインCPUを停止したままの状態とする技術が既に知られている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、今までのサブCPUがアクセスするメモリにSNMP(Simple network management protocol)パケットの情報(MIB(Management Information Base)のObject ID(OID)と応答データ)を登録する方法では、数多くの種別が存在するパケット情報を登録する場合、メモリ、コスト及び消費電力が増大するため、全てのパケットの情報を登録することは困難であった。参考文献に示す技術では、サブCPUで対応できないパケットを受信した際にメインCPUを起動させてしまうという従来技術の課題に対して、メインCPUを起動させても応答できないパケット情報を予めサブCPUからアクセス可能なメモリに登録しておくことで、サブCPUのみが起動している省エネ状態中に受信したパケット中に応答不可のパケットが含まれていた場合、メインCPUを起動することなく、応答不可である旨を送信元へ返答することを特徴としている。しかしながら、サブCPUで対応可能なパケットは、メモリに登録されたパケット情報に依存してしまい、メモリ内に登録されていないパケットを高頻度で受信してしまうネットワーク環境下では、省エネ状態を維持することができずに消費電力が高くなるという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、いかなるネットワーク環境においても、ネットワークに接続される機器の消費電力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで上記課題を解決するため、情報処理装置は、パケットをネットワークを介して受信し、パケットに対する応答をネットワークを介して送信する通信部と、パケットを識別するIDに基づいて、パケットを受信した回数を計測し、所定の期間におけるパケットの受信頻度を算出し、前記受信頻度に基づいてパケットをグループ化する計測部と、前記グループごとにパケットに対する応答を記憶する記憶部と、前記受信頻度が高い順に、前記グループ内のすべてのパケットに対する応答が記憶されているか否か判定し、すべてのパケットに対する応答が記憶されているグループについて応答を可能にする省エネ状態に、通常状態から遷移させる制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
いかなるネットワーク環境においても、ネットワークに接続される機器の消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における情報処理装置100のハードウェア構成例(1)を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態における情報処理装置100のハードウェア構成例(2)を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態における情報処理装置100のハードウェア構成例(3)を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態におけるコントローラユニット130の機能構成例を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態におけるパケットに応答する手順の例を示すシーケンス図である。
【
図7】本発明の実施の形態におけるパケットに応答する手順の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の実施の形態におけるパケットのOID及びグループ分けについて説明するための図である。
【
図9】本発明の実施の形態における情報処理装置100の状態遷移について説明するための図である。
【
図10】本発明の実施の形態におけるパケット情報を記憶する手順の例を示すシーケンス図である。
【
図11】本発明の実施の形態における省エネ状態でパケットに応答する手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図1に示されるように、本発明の実施の形態における情報処理システムは、例えば、複数の画像形成装置1、4、5、複数のPC(Personal Computer)2、3等の機器がネットワークに接続されているシステムである。情報処理システムが接続されるネットワークにおいて、SNMPパケットを用いて、機器状態の監視等を行うネットワーク管理が行われる。以降説明する「情報処理装置100」は、SNMPパケットに応答する機器であればよく、画像形成装置1、4、5、又はPC2、3等の機器のいずれであってもよい。また、SNMPパケットは、一例であり、ネットワークを介して応答を要求するパケットであればプロトコルはいずれでもよい。
【0010】
図2は、本発明の実施の形態における情報処理装置100のハードウェア構成例(1)を示す図である。
図2に示されるように、情報処理装置100は、エンジンユニット110、操作表示ユニット120及びコントローラユニット130を有する。
【0011】
エンジンユニット110は、情報処理装置100が画像形成装置である場合、制御IC、スキャナユニット、プロッタユニット等を備え、画像を形成する機能を有する。情報処理装置100が他の装置である場合、エンジンユニット110は他の機能を有してもよいし、エンジンユニット110が情報処理装置100に含まれなくてもよい。
【0012】
操作表示ユニット120は、LCD(Liquid Crystal Display)、タッチパネル、操作キー等を備え、ユーザインタフェースを実現する機能を有する。
【0013】
コントローラユニット130は、メインCPU131、サブCPU132、メモリ(RAM)133、メモリ(ROM)134、メモリ135及びPHY136を有する。
【0014】
メインCPU131は、エンジンユニット110の機能を実現するための制御を行う。サブCPU132は、メインCPU131よりも簡易的なプロセッサであり、情報処理装置100が消費電力が少ない状態である省エネ状態に移行した際に、ネットワーク応答及び省エネ状態からの復帰要因を監視する。
【0015】
メモリ(RAM)133は、処理速度が速い記憶装置であり、高速で実施する必要があるネットワーク処理に使用される。メモリ(ROM)134は、容量が大きい不揮発性の記憶装置であり、ネットワークから受信したパケットの情報を蓄積するために使用される。メモリ135は、RAMであってもよいしROMであってもよい。
【0016】
ここで、メモリ(ROM)134は、ネットワークを介して接続されるクラウド上で構成されてもよい。クラウド上にメモリが構成されることで、情報処理装置100は、記憶できるパケット情報の容量を増大することができる。
【0017】
PHY136は、ネットワークとの通信を実行するハードウェアである。PHY136は、例えば、有線LAN(Local Area Network)のインタフェースであってもよいし、無線LANのインタフェースであってもよい。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態における情報処理装置100のハードウェア構成例(2)を示す図である。
図3に示されるように、情報処理装置100は、
図2に示されるハードウェア構成において、サブCPU132を含まない構成としてもよい。
図3に示されるメインCPU131は、単独で消費電力を多段階で制御することができるCPUである。
【0019】
図4は、本発明の実施の形態における情報処理装置100のハードウェア構成例(3)を示す図である。
図4に示されるように、情報処理装置100は、
図2に示されるハードウェア構成において、サブCPU132に加えてサブCPU137を含む構成としてもよい。
図4に示されるサブCPU132及びCPU137は、消費電力及び処理能力の異なるCPUである。サブCPU137は、サブCPU132より消費電力が小さいCPUであってもよい。
【0020】
また、
図3に示される情報処理装置100のハードウェア構成と、
図4に示される情報処理装置100のハードウェア構成を組み合わせてもよい。例えば、消費電力を多段階で制御することができるメインCPU131と、サブCPU132及びサブCPU137と組み合わせたハードウェア構成を情報処理装置100は有してもよい。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態におけるコントローラユニット130の機能構成例を示す図である。
図5に示されるように、コントローラユニット130は、システム制御部11、処理メモリ制御部12、記憶メモリ制御部13及びネットワーク制御部14を有する。
【0022】
システム制御部11は、コントローラユニット130の全体、処理メモリ制御部12、記憶メモリ制御部13及びネットワーク制御部14を制御する機能を有する。これら各機能部は、CPU131、サブCPU132又はサブCPU137が実行するプログラムによって実現されてもよい。
【0023】
処理メモリ制御部12は、メモリ(RAM)133への書き込み及び読み出しを制御する機能を有する。記憶メモリ制御部13は、メモリ(ROM)134への書き込み及び読み出しを制御する機能を有する。
【0024】
ネットワーク制御部14は、ネットワークからパケットを受信し、パケットに対する応答をネットワークに送信する機能を有する。
【0025】
図6は、本発明の実施の形態におけるパケットに応答する手順の例を示すシーケンス図である。
【0026】
ステップS11において、ネットワーク制御部14は、パケットをネットワークから受信する。続いて、ネットワーク制御部14は、記憶メモリ制御部13にパケット情報(OID)の記憶を通知する(S12)。続いて、記憶メモリ制御部13は、OIDに関連付けられるカウントを+1する(S13)。カウントの詳細は後述する。
【0027】
ステップS14において、ネットワーク制御部14は、パケットに対する応答実行をシステム制御部11に通知する。続いて、システム制御部11は、応答内容の記憶を記憶メモリ制御部13に通知する(S15)。続いて、記憶メモリ制御部13は、パケット情報(OIDと応答データ)の格納を処理メモリ制御部12に通知する(S16)。
【0028】
ステップS17において、処理メモリ制御部12は、ネットワーク制御部14を介して、ネットワークに受信されたパケットに対する応答を送信する(S18)。
【0029】
図7は、本発明の実施の形態におけるパケットに応答する手順の例を示すフローチャートである。
図7は、
図6に示されるシーケンスを詳細に記載したフローチャートである。
【0030】
ステップS21において、情報処理装置100はパケットを受信する。続いて、受信したパケットのOIDは、既知のものであるか否か判定する。既知のものである場合、ステップS23に進み、既知のものでない場合、ステップS24に進む。
【0031】
ステップS23において、情報処理装置100は当該OIDに関連付けられるカウントを+1する。続いて、受信したパケットに対する応答内容は、データの書き換えを必要としないかを判定する(S25)。データの書き換えを必要としない場合(S25のYES)、ステップS27に進み、データの書き換えを必要とする場合(S25のNO)、ステップS26に進む。
【0032】
ステップS24において、情報処理装置100はOIDをメモリに記憶させる。ステップS26において、受信したパケットに対する応答データの書き換えを行う。ステップS27において、パケットに対して応答する。
【0033】
図8は、本発明の実施の形態におけるパケットのOID及びグループ分けについて説明するための図である。
図8に示されるように、情報処理装置100は、通常状態において、受信したパケット情報(OID)の受信回数をカウントし、受信頻度が高い順にグループ分けを行い、メモリ(ROM)134に記憶する。受信したOIDを有するパケットの総受信回数と、情報処理装置100の稼働時間とから、単位時間当たりの受信回数を計算し、それぞれの受信頻度に応じてグループ分けを行う。
【0034】
例えば、1分間に1回以上の頻度で受信するパケットをグループ1とする。10分間に1回以上受信するパケットをグループ2、1時間に1回以上受信するパケットをグループ3、1時間に1回未満の頻度で受信するパケットをグループ4とする。
【0035】
図9は、本発明の実施の形態における情報処理装置100の状態遷移について説明するための図である。
図8に示される受信したパケットのグループ分けされた記憶状態に基づいて、情報処理装置100は、システム制御部11によって、省エネ状態への状態遷移を行う。情報処理装置100の状態は、通常状態、状態1、状態2、状態3又は電源OFF状態を含む。通常状態、状態1、状態2又は状態3を含む省エネ状態は、
図2、
図3又は
図4で説明した消費電力が異なるサブCPU132又はサブCPU137が起動している状態、あるいはCPU131が消費電力を多段階で制御する状態によって、当該状態が実現される。例えば、
図4において、通常状態は、CPU131、サブCPU132及びサブCPU137が動作している状態であり、状態1は、サブCPU132及びサブCPU137が動作している状態であり、状態2は、サブCPU137が動作している状態であり、状態3は、サブCPU137が状態2より低消費電力モードで動作している状態であってもよい。
【0036】
通常状態は、消費電力が最も高い状態である。また、通常状態は、処理能力が最も高い状態である。電源OFF状態は、消費電力が最も低い状態である。
【0037】
状態1、状態2及び状態3は、いずれも省エネ状態であり、通常状態よりも消費電力が低い状態である。また、
図9に示されるように消費電力は、状態1>状態2>状態3の順で低くなる。
【0038】
情報処理装置100は、電源OFF状態から、「電源スイッチ押下」により、通常状態に遷移する。また、情報処理装置100は、通常状態から、「電源スイッチ押下」により、電源OFF状態に遷移する。
【0039】
情報処理装置100は、通常状態から、所定の期間を計測するタイマが満了すると、状態1、状態2又は状態3に遷移する。タイマが満了したとき、メモリにグループ1の情報が全て記憶されていない場合、情報処理装置100は通常状態から省エネ状態には遷移しない。一方、タイマが満了したとき、メモリにグループ1までの情報が全て記憶されている場合、情報処理装置100は通常状態から状態1に遷移する。また、タイマが満了したとき、メモリにグループ2までの情報が全て記憶されている場合、情報処理装置100は通常状態から状態2に遷移する。また、タイマが満了したとき、メモリにグループ3までの情報が全て記憶されている場合、情報処理装置100は通常状態から状態3に遷移する。ここで、グループnまでの情報がメモリに全て記憶されている場合、情報処理装置100は、グループnまでのパケットを受信したとき、通常状態に移行することなく省エネ状態のままで応答が可能である。
【0040】
情報処理装置100は、省エネ状態から「復帰要求」によって、通常状態に遷移する。
【0041】
なお、同一のネットワークに接続される他の情報処理装置100に、自機の省エネ状態遷移に関する情報を共有してもよい。省エネ状態遷移に関する情報とは、例えば、
図8に示されるパケットのグループ分け及びパケットに対応する応答データである。
【0042】
同一のネットワークの場合、受信される機器管理のためのパケットは同様であることが多いため、例えば、電源がOFFにされている時間が長く、参考となるパケット情報が少ない情報処理装置100においても、稼働時間が長い情報処理装置100から省エネ状態遷移に関する情報ネットワーク環境に応じた省エネ制御を実行することができる。
【0043】
図10は、本発明の実施の形態におけるパケット情報を記憶する手順の例を示すシーケンス図である。ステップS31からステップS35までは、
図6に示されるシーケンスと同様である。情報処理装置100は、パケットを受信するとそのパケット情報(OID)を記憶メモリ制御部13によってメモリ(ROM)134に記憶し、既知のOIDであった場合、カウントを+1する。また、パケット応答を実行した応答データを記憶メモリ制御部13によってメモリ(ROM)134に記憶させる。
【0044】
ここでステップS36において、タイマ満了等のトリガにより通常状態から省エネ状態に遷移するときのみ、処理メモリ制御部12によってメモリ(RAM)133にパケット情報(OID及び応答データ)を記憶させる。メモリへのアクセス頻度を低下させることで、メモリの寿命を延ばすことができる。
【0045】
図11は、本発明の実施の形態における省エネ状態でパケットに応答する手順の例を示すフローチャートである。
【0046】
ステップS41において、情報処理装置100は、省エネ状態でパケットを受信する。続いて、情報処理装置100は、OID及び応答データはメモリに記憶されているか否かを判定する(S42)。メモリに記憶されている場合(S42のYES)、ステップS44に進む。メモリに記憶されていない場合(S42のNO)、ステップS43に進む。
【0047】
ステップS43において、情報処理装置100は、省エネ状態で応答可能か否かを判定する。ステップS43における判定は、例えば、受信したパケットが応答データの書き換えを要求するものであった場合、応答可能ではない判定となる。応答可能である場合、ステップS44に進み、応答可能でない場合、ステップS45に進む。
【0048】
ステップS44において、受信されたパケットに対して応答する。一方、ステップS45において、受信されたパケットの送信元に対して、「応答不可」であることを通知する。
【0049】
省エネ状態において応答可能ではないパケットに応答する場合、通常状態に遷移する必要がある。上記のフローによって、省エネ状態において応答可能ではないパケットに対しては、「応答不可」を通知することによって、通常状態への遷移を抑制して消費電力を低減することができる。
【0050】
上述したように、本発明の実施の形態によれば、情報処理装置100は、パケットの受信頻度に基づいて、パケットをグループ分けする。グループ分けされたパケットに応答するためのデータをメモリに記憶させ、当該グループに対応する省エネ状態を多段階で設けることで、受信頻度が少ないパケットを受信した場合のみ通常状態に遷移するため、消費電力を低減することができる。すなわち、いかなるネットワーク環境においても、ネットワークに接続される機器の消費電力を低減することができる。
【0051】
なお、本発明の実施の形態において、OIDは、パケットを識別するIDの一例である。省エネ状態は、グループごとに応答可能である状態の一例である。ネットワーク制御部14は、通信部の一例である。記憶メモリ制御部13は、計測部又は第1の記憶部の一例である。システム制御部11は、制御部の一例である。処理メモリ制御部12は、第2の記憶部の一例である。
【0052】
なお、本発明は、プロジェクタ、医療用機器又はテレビ会議システム等の画像処理装置又は画像処理システムに適用可能である。また、本発明は、撮像した画像を処理する装置又はシステムとなり得る、携帯電話、携帯型情報端末、車載機器等の通信端末又は情報処理装置に適用可能である。また、本発明の情報処理装置は、一つの装置にすべての機能を含んで構成されてもよいし、複数の装置によって構成されてもよい。
【0053】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1,4,5 画像形成装置
2,3 PC
110 エンジンユニット
120 操作表示ユニット
130 コントローラユニット
131 メインCPU
132 サブCPU
133 メモリ(RAM)
134 メモリ(ROM)
135 メモリ
136 PHY
137 サブCPU
138 メモリ
11 システム制御部
12 処理メモリ制御部
13 記憶メモリ制御部
14 ネットワーク制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】