(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20220315BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220315BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220315BHJP
G06F 1/28 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
G03G21/00 398
G03G15/00 680
B41J29/38
G06F1/28
(21)【出願番号】P 2018050866
(22)【出願日】2018-03-19
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】萩原 芳輝
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-051561(JP,A)
【文献】特開平02-218967(JP,A)
【文献】特開平06-273451(JP,A)
【文献】特開2012-220198(JP,A)
【文献】特開昭62-077053(JP,A)
【文献】特開2000-276000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
B41J 29/38
G06F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1交流電圧に係る第1系統交流電源、又は前記第1交流電圧とは異なる第2交流電圧に係る第2系統交流電源の一方から供給される交流電圧を直流電圧に変換する交流/直流変換部を備え、前記交流/直流変換部からの電力を負荷に供給する電源装置であって、
前記交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧の交流成分を通過させる交流カップリング回路と、
前記交流カップリング回路を通過したリプル電圧の振幅電圧を検出するリプル電圧検出部と、
前記交流/直流変換部に供給される交流電圧が前記第1系統交流電源、又は前記第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断するのに用いる第1負荷状態、又は前記交流電圧を検出するのに用いる第2負荷状態に前記負荷を切り替えるように制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1負荷状態時には、前記リプル電圧検出部により検出された第1振幅電圧に基づいて、前記交流電圧が前記第1系統交流電源、又は前記第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断し、前記第2負荷状態時には、前記リプル電圧検出部により検出された第2振幅電圧に基づいて、前記交流電圧を算出
し、
前記リプル電圧検出部により検出された前記第1負荷状態に対応した第1振幅電圧が所定の閾値よりも大きいか否かを判断し、第1振幅電圧が所定の閾値よりも大きい場合には第1系統交流電源に属していると判断し、第1振幅電圧が所定の閾値よりも小さい場合には第2系統交流電源に属していると判断し、
前記交流電圧が第1系統交流電源に属していると判断した場合には、第1系統交流電源に係る振幅電圧と電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、前記第2負荷状態に対応した第2振幅電圧を電源電圧に変換することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記リプル電圧検出部は、
前記交流カップリング回路を通過したリプル電圧に含まれる正ピーク電圧を検出する正ピーク電圧検出回路と、
前記交流カップリング回路を通過したリプル電圧に含まれる負ピーク電圧を検出する負ピーク電圧検出回路と、
前記正ピーク電圧から前記負ピーク電圧を引き算出した差電圧を振幅電圧として検出する電圧合成回路と、を備えることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記交流/直流変換部から電力が供給される負荷に対して、当該負荷に係る動作モードを切り替えるように制御することにより負荷状態を切り替えることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記交流電圧が第2系統交流電源に属していると判断した場合には、第2系統交流電源に係る振幅電圧と電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、前記第2負荷状態に対応した第2振幅電圧を電源電圧に変換することを特徴とする請求項
1記載の電源装置。
【請求項5】
交流電圧検出モードに推移するための指示を受け付ける操作部を備え、
前記制御部は、
前記操作部が前記交流電圧検出モードに推移するための指示を受け付けた場合には、前記交流電圧を算出する処理を実行することを特徴とする請求項1乃至
4の何れか一項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記リプル電圧検出部は、
前記正ピーク電圧検出回路により検出された正ピーク電圧、又は前記負ピーク電圧検出回路により検出された負ピーク電圧のいずれかを前記電圧合成回路に入力させ、
前記制御部は、前記電圧合成回路から出力された電圧の2倍値を算出することにより得られた電圧を振幅電圧とすることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、ヒータを用いてトナー画像を記録媒体に定着させる際に、ヒータ制御を行っている。
この際、例えば電源装置や交流制御基板では、ヒータの位相制御に必要な情報として、交流電源の位相を制御部へ伝達するためのゼロクロス点検出回路や、交流電源の電圧値を制御部へ伝達するための交流電圧検出回路を備えている。
特許文献1には、交流電源の電圧を検出すること目的として、交流電源との絶縁素子として低周波トランスを使用して交流電圧を検出するという技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1にあっては、安全上、交流電源との絶縁を確保するために低周波トランスを用いていた。
しかしながら、特許文献1にあっては、交流電源の電圧を検出するための構成として、サイズが大きい低周波用トランスを用いる必要であるため、回路規模が大きくなり、回路価格が高価になり、さらに、回路の実装面積が大きくなるという問題があった。
本発明の一実施形態は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧から交流電圧を算出することで、交流電源の電圧を検出するための構成として、回路規模を小型化して、回路価格を低価格化し、さらに、回路の実装面積を削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、第1交流電圧に係る第1系統交流電源、又は前記第1交流電圧とは異なる第2交流電圧に係る第2系統交流電源の一方から供給される交流電圧を直流電圧に変換する交流/直流変換部を備え、前記交流/直流変換部からの電力を負荷に供給する電源装置であって、前記交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧の交流成分を通過させる交流カップリング回路と、前記交流カップリング回路を通過したリプル電圧の振幅電圧を検出するリプル電圧検出部と、前記交流/直流変換部に供給される交流電圧が前記第1系統交流電源、又は前記第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断するのに用いる第1負荷状態、又は前記交流電圧を検出するのに用いる第2負荷状態に前記負荷を切り替えるように制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1負荷状態時には、前記リプル電圧検出部により検出された第1振幅電圧に基づいて、前記交流電圧が前記第1系統交流電源、又は前記第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断し、前記第2負荷状態時には、前記リプル電圧検出部により検出された第2振幅電圧に基づいて、前記交流電圧を算出し、前記リプル電圧検出部により検出された前記第1負荷状態に対応した第1振幅電圧が所定の閾値よりも大きいか否かを判断し、第1振幅電圧が所定の閾値よりも大きい場合には第1系統交流電源に属していると判断し、第1振幅電圧が所定の閾値よりも小さい場合には第2系統交流電源に属していると判断し、前記交流電圧が第1系統交流電源に属していると判断した場合には、第1系統交流電源に係る振幅電圧と電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、前記第2負荷状態に対応した第2振幅電圧を電源電圧に変換することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧から交流電圧を検出することで、交流電源の電圧を検出するための構成として、回路規模を小型化することができ、回路価格を低価格化し、さらに、回路の実装面積を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明が適用される画像形成装置の概略的な機構構成を示す断面図である。
【
図2】従来の画像形成装置に用いる電源装置と制御部を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いる電源装置と制御部を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いるフライバックコンバータの回路図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いる交流カップリング回路、及びリプル電圧検出部の回路図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る電源装置のフライバックコンバータから出力される直流電圧の波形を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る電源装置におけるある負荷状態でのリプル電圧の振幅電圧と系統交流電源の電圧を示す図である。
【
図8】(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る電源装置の交流カップリング回路、及びリプル電圧検出部の概要的な動作を示すタイミングチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る電源装置のリプル電圧検出部から出力可能な振幅電圧と交流電圧の関係を示すグラフ図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る電源装置に供給されている交流電圧の変化に応じたリニアなピークトゥピーク値の軌跡を示すグラフ図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る電源装置に接続される制御部の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧から交流電圧を算出することで、交流電源の電圧を検出するための構成として、回路規模を小型化して、回路価格を低価格化し、さらに、回路の実装面積を削減するために、以下の構成を有する。
すなわち、本発明の電源装置は、第1交流電圧に係る第1系統交流電源、又は第1交流電圧とは異なる第2交流電圧に係る第2系統交流電源の一方から供給される交流電圧を直流電圧に変換する交流/直流変換部を備え、交流/直流変換部からの電力を負荷に供給する電源装置であって、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧の交流成分を通過させる交流カップリング回路と、交流カップリング回路を通過したリプル電圧の振幅電圧を検出するリプル電圧検出部と、交流/直流変換部に供給される交流電圧が第1系統交流電源、又は第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断するのに用いる第1負荷状態、又は交流電圧を検出するのに用いる第2負荷状態に負荷を切り替えるように制御する制御部と、を備え、制御部は、第1負荷状態時には、リプル電圧検出部により検出された第1振幅電圧に基づいて、交流電圧が第1系統交流電源、又は第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断し、第2負荷状態時には、リプル電圧検出部により検出された第2振幅電圧に基づいて、交流電圧を算出することを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧から交流電圧を算出することで、交流電源の電圧を検出するための構成として、回路規模を小型化して、回路価格を低価格化し、さらに、回路の実装面積を削減することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
上記の本発明の特徴に関して、以下、図面を用いて詳細に説明する。
【0008】
<画像形成装置>
図1は、本発明が適用される画像形成装置の概略的な機構構成を示す断面図である。
図1を参照して、画像形成装置における複写モードでの動作について簡単に説明する。
複写モードでは、原稿束がADF2により、順に画像読み取り装置3に給送され、画像読み取り装置3により、各原稿から画像情報が読み取られる。
そして、原稿束から読み取られた画像情報は、画像処理手段を介して書き込みユニット4により光情報に変換され、感光体6は、帯電器により一様に帯電された後に書き込みユニット4からの光情報で露光されて静電潜像が形成される。
この感光体6上の静電潜像は、現像器7により現像されてトナー像となる。このトナー像は、中間転写ベルト8により記録媒体に転写され、定着装置9によりトナー像が記録媒体に定着されて、排出される。
画像形成装置1には、電源装置10が設けられており、外部電源である交流電源12から供給される電力を電源装置10が直流電力に変換して、上述した各部の負荷に直流電力を供給する。
【0009】
本実施形態では、画像形成装置1の動作モードとして、ウォームアップモード、待機中モード、印刷中モード、複写モード、省エネモードなどがあることとして扱っている。なお、ウォームアップモードは、印刷が可能な状態に向けて準備している状態である。待機中モードは、ウォームアップが完了して印刷ジョブを待っている状態である。印刷中モードは、現在、印刷中である状態である。省エネモードは、必要最低限の機能のみが有効な状態である。
本実施形態では、対象機器として画像形成装置1について説明しているが、パーソナルコンピュータ、プロジェクタ、電子黒板等も対象機器として扱え、これらの対象機器では、動作モードの呼び名が異なる場合もある。
【0010】
<従来技術>
図2は、従来の画像形成装置に用いる電源装置と制御部を示す図である。
従来の画像形成装置には、
図2に示すように、電源装置1000、制御部14が備えられている。
電源装置1000は、電源スイッチSW1、直流電源部21、リレーRL1、交流電圧検出部27を備えている。
直流電源部21は、ダイオードブリッジDB1、DC/DCコンバータ22を備え、電源スイッチSW1が投入されると、交流電源12から入力される交流電力をダイオードブリッジDB1とコンデンサC1により整流平滑して第1直流電力を得る。直流電源部21は、第1直流電力をDC/DCコンバータ22により電圧V1の第2直流電力に変換して制御部14に出力する。
【0011】
ここで、直流電源部21から第2直流電力が供給された制御部14は、コンデンサC3により電源ラインに発生する高周波ノイズをグランドGNDに流して高周波ノイズを低減し、電圧V1を負荷である各部に供給する。
制御部14は、定着装置9に対して位相制御を行う前段階として、リレー電源をリレーRL1、交流電圧検出部27に供給する。次に、制御部14は、リレーON信号をHighにしてトランジスタTr1のベースに出力する。トランジスタTr1がオンすると、リレー電源がリレーRL1のソレノイドコイル、トランジスタTr1のコレクタからエミッタ、グランドに流れ、リレーRL1の各接点が開放状態から閉結状態に切り替わり、交流電源12が交流電圧検出部27に供給される。
【0012】
交流電圧検出部27は、トランスT1、ダイオードブリッジDB3、検知回路28を備えている。交流電圧検出部27は、交流電源12から供給される交流電圧がトランスT1において低電圧の交流電圧に変換され、さらにダイオードブリッジDB3において両波整流されて、交流電源12の1周期内において2半波を有する半波信号が生成され、検知回路28に出力される。
検知回路28では、半波信号を直流電圧信号に変換する。検知回路28により直流変換された信号を制御部14において、直流電圧信号を交流電圧値に変換する。
このように、従来技術にあっては、交流電圧を直流電圧信号に変換して測定するので、トランスT1、ダイオードブリッジDB3、検知回路28が必要となる。またトランスT1において交流電源12と絶縁される。
【0013】
<電源装置、及び制御部>
図3は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いる電源装置と制御部を示す図である。
本発明の画像形成装置には、
図3に示すように、電源装置10、制御部50が備えられている。
電源装置10は、電源スイッチSW1、直流電源部40、交流カップリング回路43、リプル電圧検出部46を備えている。
直流電源部40は、ダイオードブリッジDB5、フライバックコンバータ41を備え、電源スイッチSW1が投入されると、交流電源12から入力される交流電力をダイオードブリッジDB5により整流して第3直流電力を得る。
直流電源部40は、第3直流電力をフライバックコンバータ(アクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータ)41により電圧V2の第4直流電力に変換して制御部50に出力する。
ここで、直流電源部40から第4直流電力が供給された制御部50は、コンデンサC6により電源ラインに発生する高周波ノイズをグランドGNDに流して高周波ノイズを低減し、電圧V2を負荷である各部に供給する。
一方、直流電源部40から第4直流電力が供給された交流カップリング回路43は、第4直流電力に重畳されているリプル電圧の交流成分を通過させて、リプル電圧検出部46に出力する。
リプル電圧検出部46は、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧の振幅電圧(ピークツウピーク電圧)を検出して、振幅電圧信号を制御部50に出力する。
【0014】
制御部50は、DC/DCコンバータ42、A/Dコンバータ50a、CPU(central processing unit)50b、ROM(read only memory)50c、RAM(random access memory)50dを備えている。
DC/DCコンバータ42は、電圧V1を電圧Vccの直流電力に変換して制御部50内に設けられた各部に出力する。
A/Dコンバータ50aは、リプル電圧検出部46から入力された振幅電圧信号(アナログ電気信号)をデジタルデータ値に変換し、振幅電圧データ(デジタルデータ値)をCPU50bへ出力する。
CPU50bは、ROM50cに予め記憶されるプログラムに従い、RAM50dをワークメモリとして用いて、画像形成装置1の全体の動作を制御する。
ROM50cは、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア、及び各種データが格納されている。
RAM50dは、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、ワークメモリとして利用可能である。
CPU50bは、ROM50cからオペレーティングシステムOSを読み出してRAM50d上に展開してOSを起動し、OS管理下において、ROM50cからアプリケーションソフトウエアのプログラム(処理モジュール)を読み出し、各種処理を実行することで、制御部50を実現する。
なお、上述した制御部50は、電源装置10に内蔵するように構成してもよい。
【0015】
<フライバックコンバータ>
図4は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いるフライバックコンバータの回路図である。
フライバックコンバータ41は、制御IC41a、トランスT5、トランジスタ(MOSFET)Tr5、ツエナーダイオードZD1、ダイオードD5~D8、抵抗R5~R16、コンデンサC11~C17を備えている。
電源スイッチSW1が投入されると、交流電源12から入力される交流電力がダイオードブリッジDB5により整流され、脈流電圧が抵抗R6とダイオードD5を介して制御IC41aのV
IN端子に入力される。
この際、制御IC41aにおいて、V
IN端子が2.5Vを超えると、内部負荷とゲートドライバの安定化電流となるINTV
CC端子に電流を供給し始め、V
IN端子とINTV
CC端子のコンデンサC14は抵抗R6からの電流によって充電される。V
IN端子がターンオンしきい値を超え、INTV
CC端子が10Vでレギュレーション状態になると、GATE端子からハイパルス信号をトランジスタTr5のゲート端子に出力し、制御IC41aはスイッチングを開始する。
【0016】
トランジスタTr5がオンすると、交流電源12から入力される交流電力がダイオードブリッジDB5により整流され、脈流電圧がトランスT5の1次巻線、トランジスタTr5のドレイン端子、ソース端子、抵抗R16を介してGNDに電流が流れる。
この際、トランスT5の1次巻線に電流が流れると、電磁エネルギが1次巻線に1次的に蓄積され、さらにトランジスタTr5のGATE端子に加えられたハイパルス信号がローレベルに切り替わると、トランジスタTr5がオフする。トランジスタTr5がオフすると、電磁エネルギが2次巻線に伝達されて電気エネルギが2次巻線に誘起し、ダイオードD8、コンデンサC15により整流平滑され、Vo端子に直流電力が出力される。
【0017】
同時に、トランジスタTr5がオフすると、電磁エネルギが3次巻線に伝達されて電気エネルギが3次巻線に誘起し、ダイオードD6、コンデンサC12により整流平滑され、VIN端子に直流電圧が入力される。
同時に、トランジスタTr5がオフすると、電磁エネルギが3次巻線に伝達されて電気エネルギが3次巻線に誘起し、3次巻線の電圧が分割抵抗R9、R10により分割された電圧がFB端子に入力されることにより、Vo端子から出力される出力電圧を安定化する。
直流電源部40にフライバックコンバータ41を利用することで、力率0.90~0.99程度まで得ることができ、変換効率を向上することができる。しかし、2次側の出力に交流電源12の2倍の周波数のリプル電圧が発生し易くなる。
本実施形態では、フライバックコンバータ41から出力される直流電力を24V系の負荷に利用する一方、フライバックコンバータ41から出力される直流電力にはリプル電圧が重畳されているため、DC/DCコンバータ42によりリプル電圧が極めて少ないVccに変換して5V系の負荷(例えば、CPU、ROM、RAM)に安定化して利用する。
【0018】
<交流カップリング回路、及びリプル電圧検出部>
図5は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置に用いる交流カップリング回路、及びリプル電圧検出部の回路図である。
<交流カップリング回路>
交流カップリング回路43は、コンデンサC21を備えている。交流カップリング回路43は、
図8(a)に示すように、フライバックコンバータ41から出力される直流電圧V
2は、例えば24Vのオフセット電圧にリプル電圧が重畳されており、コンデンサC21に入力する。直流電圧V
2がコンデンサC21に入力すると、
図8(b)に示すように、直流成分(DC24V)が除去されたリプル電圧V
3のみがリプル電圧検出部46に入力される。
【0019】
<リプル電圧検出部>
リプル電圧検出部46は、正ピーク電圧検出回路46a、負ピーク電圧検出回路46b、電圧合成回路46cを備えている。
【0020】
<正ピーク電圧検出回路>
正ピーク電圧検出回路46aは、オペアンプOP5、OP7、ダイオードD13、コンデンサC27、C29、抵抗R29~R33、スイッチSW5を備えている。
正ピーク電圧検出回路46aでは、リプル電圧V3がオペアンプOP5の非反転入力端子(+)に入力すると、オペアンプOP5の出力端子に接続されたダイオードD13により正ピーク信号が半波整流され、コンデンサC29を充電する。コンデンサC29に充電された電圧は、オペアンプOP7の非反転入力端子(+)に入力すると、オペアンプOP7の出力端子に電圧V+pが出力される。
【0021】
<負ピーク電圧検出回路>
負ピーク電圧検出回路46bは、リプル電圧V3がオペアンプOP1の非反転入力端子(+)に入力すると、オペアンプOP1の出力端子に接続されたダイオードD11により負ピーク信号が半波整流され、コンデンサC25を充電する。コンデンサC25に充電された電圧は、オペアンプOP3の非反転入力端子(+)に入力すると、オペアンプOP3の出力端子に電圧V-pが出力される。
【0022】
<電圧合成回路>
電圧合成回路46cでは、オペアンプOP7の出力端子に出力された電圧V+pが抵抗R35を介してオペアンプOP9の非反転入力端子(+)に入力する。一方、オペアンプOP3の出力端子に出力された電圧V-pが抵抗R27を介してオペアンプOP9の反転入力端子(-)に入力する。
オペアンプOP9では、非反転入力端子(+)に入力された電圧V+pから反転入力端子(-)に入力された電圧V-pが引き算されて、出力端子にV+p-V-p=Vppが振幅電圧値として出力される。
電圧合成回路46cから出力される振幅電圧値Vppは、制御部50のA/Dコンバータ50aに入力される。
【0023】
<フライバックコンバータの出力波形>
図6は、本発明の一実施形態に係る電源装置のフライバックコンバータから出力される直流電圧の波形を示す図である。
図6に示すように、フライバックコンバータ41から出力される直流電圧V
2は、例えば24Vのオフセット電圧にリプル電圧が重畳されており、コンデンサC21に入力する。直流電圧V
2がコンデンサC21に入力する。
【0024】
<振幅電圧と系統交流電源の電圧>
図7は、本発明の一実施形態に係る電源装置におけるある負荷状態でのリプル電圧の振幅電圧と系統交流電源の電圧を示す図である。
フライバックコンバータ41から出力されるリプル電圧の振幅電圧は、系統交流電源の電圧によって変動する。
図7に示すグラフ図においては、振幅電圧値V
ppはリニア特性を有していない。このため、交流電源12が100V系である場合の電圧領域、200V系である場合の電圧領域のどちらを使用するかを認識しておいた上で、制御部が振幅電圧V
ppの検出値に基づいて交流電源12の電圧を識別する必要がある。
【0025】
<交流カップリング回路及びリプル電圧検出部>
図8(a)~(c)は、本発明の一実施形態に係る電源装置の交流カップリング回路、及びリプル電圧検出部の概要的な動作を示すタイミングチャートである。
図10(a)に示すように、フライバックコンバータ41から出力される直流電圧V
2は、例えば24Vのオフセット電圧にリプル電圧が重畳されており、コンデンサC21に入力する。直流電圧V
2がコンデンサC21に入力すると、
図10(b)に示すように、直流成分(DC24V)が除去されたリプル電圧V3のみがリプル電圧検出部46に入力される。
リプル電圧検出部46では、コンデンサC21から入力されるリプル電圧V
3に対応して、正ピーク電圧検出回路46aがリプル電圧V
3に含まれる正ピーク電圧V
+pを検出し、負ピーク電圧検出回路46bがリプル電圧V
3に含まれる負ピーク電圧V
-pを検出する。
電圧合成回路46cは、正ピーク電圧V
+pから負ピーク電圧V
-pを引き算出した差電圧を生成して、
図8(c)に示すように、振幅電圧V
ppを制御部50に出力する。
【0026】
<振幅電圧と交流電圧>
図9は、本発明の一実施形態に係る電源装置のリプル電圧検出部から出力可能な振幅電圧V
ppと交流電圧の関係を示すグラフ図である。
図9に示すグラフ図は、縦軸が振幅電圧V
ppを示し、横軸が入力されている交流電圧を示す。
制御部50は、電力を消費する負荷の総和消費電流I
allが例えば1Aになるように画像処理装置1内の各部の動作モードを制御することで、
図9に示すグラフ図の状態とすることが可能になる。
図9において、入力中の交流電圧が100Vである場合に、振幅電圧V
ppは1.8Vである。一方、入力中の交流電圧が270Vである場合でも、振幅電圧V
ppは1.8Vである。
このため、振幅電圧Vppの値のみでは、交流電源12の広い領域(AC80V~276V)でみると、入力中の交流電圧が100V系の電圧領域にあるか、200V系の電圧領域にあるかを判断することができない。
従って、振幅電圧V
ppの値のみに基づいて、入力中の交流電圧が100V系か200V系かを判断することができないという問題がある。
ROM50cは、100V系交流電源(第1系統交流電源)に係る振幅電圧と電源電圧の関係を表す第1変換テーブルを記憶する。また、ROM50cは、200V系交流電源(第2系統交流電源)に係る振幅電圧と電源電圧の関係を表す第2変換テーブルを記憶する。
【0027】
<100V系/200V系の判断>
図10は、本発明の一実施形態に係る電源装置に供給されている交流電圧の変化に応じたリニアなピークトゥピーク値の軌跡を示すグラフ図である。
制御部50は、電力を消費する負荷の総和消費電流I
allが例えば1.5Aになるように画像処理装置1内の各部の動作モードを制御することで、
図9に示すグラフ図の状態とすることが可能になる。
まず、フライバックコンバータ41の出力の供給先負荷を電圧検出用負荷Ld状態から、フライ100V系/200V系判断用負荷Lj状態に切り替えることで、総和消費電流I
allを1.5Aに固定する。この際に、
図10に示すように、交流電源12の交流電圧の変化に応じたリニアなピークトゥピーク値V
ppの軌跡を示す直線Lが現れる。
ただし、
図10に示す直線Lの傾きが小さく、電圧分解能も小さいことから、交流電圧の検出に利用するには精度が低い。しかしながら、閾値を判断基準に設定することで、交流電源12が100V系か200V系かを判断することが可能になる。
【0028】
<制御部の動作>
図11は、本発明の一実施形態に係る電源装置に接続される制御部の動作を示すフローチャートである。
ステップS10では、制御部50は、電源装置が通常状態にある場合、フライバックコンバータ41の出力の供給先負荷がシステム供給負荷Ls状態にあることとする。これにより、フライバックコンバータ41からシステム供給負荷Ls状態に電源が供給されシステム側の動作モードに必要な電流が流れる。
【0029】
交流電源12の実際の交流電圧を検出する必要がある場合に、ユーザが操作部60を操作して交流電圧検出モードに推移するための交流電圧検出ボタンを押したこととする。
ステップS15では、制御部50は、操作部60に設けられた交流電圧検出ボタンがオンされたか否かを判断する。ここで、制御部50は、交流電圧検出ボタンがオンされたことと判断した場合はステップS20に進み、一方、交流電圧検出ボタンがオンされていないと判断した場合は処理を終了する。
【0030】
交流電圧検出ボタンがオンされたことと判断した場合、ステップS20では、制御部50は、フライバックコンバータ41の出力の供給先負荷がシステム供給負荷Ls状態であることを停止する。
次いで、ステップS25では、制御部50は、フライバックコンバータ41の出力の供給先負荷が電圧検出用負荷Ld状態に変更する。例えば、制御部50は、画像形成装置1の動作モードを省エネモードに変更することで、総和消費電流Iallを例えば1.0Aに固定する。
【0031】
ここで、画像形成装置1の動作モードと総和消費電流Iallとの関係について説明する。
上述したように、画像形成装置1の動作モードには、大別してウォームアップモード、待機中モード、印刷中モード、複写モード、省エネモードがある。画像形成装置1の機種によって動作モードと総和消費電流Iallとの関係は異なるが、本実施形態では、総和消費電流Iallの一例について説明する。
【0032】
【0033】
ここで、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧の振幅電圧Vppをリプル電圧検出部46が検出する。この際、リプル電圧検出部46は、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧に含まれる正ピーク電圧V+pを検出するとともに負ピーク電圧V-pを検出し、正ピーク電圧V+pから負ピーク電圧V-pを引き算出した差電圧を振幅電圧Vppとして検出する。A/Dコンバータ50aは、リプル電圧検出部46から入力された振幅電圧信号をデジタルデータ値に変換し、振幅電圧データをCPU50bへ出力する。
【0034】
次いで、ステップS30では、制御部50は、電圧検出用負荷Ld状態に対応した振幅電圧Vppを検出する。
次いで、ステップS35では、制御部50は、フライバックコンバータ41の出力の供給先負荷が100V系/200V系判断用負荷Lj状態に変更する。例えば、制御部50は、画像形成装置1の動作モードを待機中モードに変更することで、総和消費電流Iallを例えば1.5Aに固定する。
ここで、上述したように、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧の振幅電圧Vppをリプル電圧検出部46が検出し、A/Dコンバータ50aが振幅電圧信号をデジタルデータ値に変換し、振幅電圧データをCPU50bへ出力する。
次いで、ステップS40では、制御部50は、100V系/200V系判断用負荷Lj状態に対応した振幅電圧Vppを検出する。
【0035】
【0036】
ステップS25~S40での処理の結果として、レコード番号1には、例えば、電圧検出用負荷Ld状態時の振幅電圧Vppとして1.8Vが記憶され、100V系/200V系判断用負荷Lj状態時の振幅電圧Vppとして1.15Vが記憶される。
なお、参考のため事例として、ステップS25~S40での処理の結果、レコード番号2には、例えば、電圧検出用負荷Ld状態時の振幅電圧Vppとして2.0Vが記憶され、100V系/200V系判断用負荷Lj状態時の振幅電圧Vppとして1.04Vが記憶されている。
なお、本実施形態では、ステップS25、S30での処理後に、ステップS35、S40での処理を行うという順番を採用しているが、処理の順番を入れ替えても表1に示す内容のデータを取得することができる。
【0037】
次いで、ステップS45では、制御部50は、交流電圧算出処理を行う。
<事例1>
すなわち、制御部50は、100V系/200V系判断用負荷Lj状態に対応した振幅電圧V
ppと閾値(1.1V)との間の大小関係により交流電圧の系統電圧を判断する。
例えば、レコード番号1には、100V系/200V系判断用負荷Lj状態時のV
ppが1.15Vであり、1.15V>1.1Vという関係にあるため、交流電圧は100V系であると判断できる。
交流電圧が100V系であり、且つ電圧検出用負荷Ld状態時の振幅電圧V
ppが1.8Vであることに基づいて、
図9に示すグラフ図を参照して、Vpp=1.8Vに対応する交流電圧が100Vであると判断することができる。
この際、電源装置10の制御部50は、交流電圧が第1系統電圧に属していると判断した場合には、100V系交流電源(第1系統交流電源)に係る振幅電圧Vppと電源電圧の関係を表す第1変換テーブルを参照して、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換する。
【0038】
<事例2>
すなわち、制御部50は、100V系/200V系判断用負荷Lj状態に対応した振幅電圧V
ppと閾値(1.1V)との間の大小関係により交流電圧の系統電圧を判断する。
例えば、レコード番号2には、100V系/200V系判断用負荷Lj状態時のV
ppが1.04Vであり、1.04V<1.1Vという関係にあるため、交流電圧は200V系であると判断できる。
交流電圧が200V系であり、且つ電圧検出用負荷Ld状態時の振幅電圧V
ppが2.0Vであることに基づいて、
図9に示すグラフ図を参照して、V
pp=2.0Vに対応する交流電圧が200Vであると判断することができる。
この際、制御部50は、交流電圧が第2系統交流電源に属していると判断した場合には、200V系交流電源(第2系統交流電源)に係る振幅電圧Vppと電源電圧の関係を表す第2変換テーブルを参照して、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換する。
ステップS50では、制御部50は、電源装置の出力を通常状態に戻すため、フライバックコンバータ41の出力の供給先負荷をシステム供給負荷Ls状態に変更する。
【0039】
<変形例1>
上述の実施形態において、操作部60は、交流電圧検出モードに推移するための指示を受け付けるものであれば、人感センサであってもよい。この場合、人感センサにより人間が近づいていない状態にあるときに、交流電圧検出モードに推移するという実施形態にも適用できる。
また、人感センサにより人間が近づいていない状態から人間が近づく状態にあるときに、交流電圧検出モードに推移するという実施形態にも適用できる。
【0040】
<変形例2>
上述の実施形態において、制御部50は、所定の時間間隔(例えば、1時間)、または定期的(例えば、電気料金が安価な時間帯(例えば00:00))に、交流電圧検出モードに推移するための指示を発行するものであればよい。この場合、所定の時間間隔または定期的に、交流電圧検出モードに推移するという実施形態にも適用できる。
【0041】
<変形例3>
上述の実施形態において、リプル電圧検出部46が、正ピーク電圧、または負ピーク電圧のいずれかを検出してもよい。
すなわち、正ピーク電圧検出回路46a、または負ピーク電圧検出回路46bのいずれかの回路を用いて検出したピーク電圧を電圧合成回路46cに入力する。次いで、電圧合成回路46cから1/2振幅電圧信号を出力する。次いで、A/Dコンバータ50aは、リプル電圧検出部46から入力された1/2振幅電圧信号をデジタルデータ値に変換し、1/2振幅電圧データをCPU50bへ出力する。次いで、CPU50bでは、1/2振幅電圧データを2倍して振幅電圧データを得ることができる。
これにより、正ピーク電圧検出回路46a、又は負ピーク電圧検出回路46bのいずれかを回路構成から除外することができ、回路構成の簡略化を図ることができる。
なお、このような場合、フライバックコンバータ41から出力される正ピーク電圧の絶対値と、負ピーク電圧の絶対値がほぼ同一値であることが好ましい。
【0042】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の電源装置10は、第1交流電圧に係る第1系統交流電源、又は第1交流電圧とは異なる第2交流電圧に係る第2系統交流電源の一方から供給される交流電圧12を直流電圧V2に変換するフライバックコンバータ41(交流/直流変換部)を備え、フライバックコンバータ41からの電力を負荷に供給する電源装置10であって、フライバックコンバータ41により生成される直流電圧V2に含まれるリプル電圧の交流成分を通過させる交流カップリング回路43と、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧の振幅電圧Vppを検出するリプル電圧検出部46と、フライバックコンバータ41に供給される交流電圧12が第1系統交流電源、又は第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断するのに用いる第1負荷状態、又は交流電圧を検出するのに用いる第2負荷状態に負荷を切り替えるように制御する制御部50と、を備え、制御部50は、第1負荷状態時には、リプル電圧検出部46により検出された第1振幅電圧Vppに基づいて、交流電圧12が第1系統交流電源、又は第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断し、第2負荷状態時には、リプル電圧検出部46により検出された第2振幅電圧Vppに基づいて、交流電圧12を算出することを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、第1負荷状態時には、リプル電圧検出部46により検出された第1振幅電圧Vppに基づいて、交流電圧12が第1系統交流電源、又は第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断し、第2負荷状態時には、リプル電圧検出部46により検出された第2振幅電圧Vppに基づいて、交流電圧12を算出する。
これにより、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧から交流電圧を検出することで、交流電源の電圧を検出するための構成として、回路規模を小型化することができ、回路価格を低価格化し、さらに、回路の実装面積を削減することができる。
【0043】
<第2態様>
本態様のリプル電圧検出部46は、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧に含まれる正ピーク電圧V+pを検出する正ピーク電圧検出回路46aと、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧に含まれる負ピーク電圧V-pを検出する負ピーク電圧検出回路46bと、正ピーク電圧V+pから負ピーク電圧V-pを引き算出した差電圧を振幅電圧Vppとして検出する電圧合成回路46cと、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、リプル電圧検出部46は、交流カップリング回路43を通過したリプル電圧に含まれる正ピーク電圧V+pを検出するとともに負ピーク電圧V-pを検出し、正ピーク電圧V+pから負ピーク電圧V-pを引き算出した差電圧を振幅電圧Vppとして検出する。
これにより、交流/直流変換部により生成される直流電圧に含まれるリプル電圧の振幅電圧を検出することができる。
【0044】
<第3態様>
本態様の制御部50は、リプル電圧検出部46により検出された第1負荷状態に対応した第1振幅電圧Vppが所定の閾値よりも大きいか否かを判断し、第1振幅電圧Vppが所定の閾値よりも大きい場合には第1系統交流電源に属していると判断し、第1振幅電圧Vppが所定の閾値よりも小さい場合には第2系統交流電源に属していると判断することを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、リプル電圧検出部46により検出された第1負荷状態に対応した第1振幅電圧Vppが所定の閾値よりも大きいか否かを判断し、第1振幅電圧Vppが所定の閾値よりも大きい場合には第1系統交流電源に属していると判断し、第1振幅電圧Vppが所定の閾値よりも小さい場合には第2系統交流電源に属していると判断する。
これにより、例えば、交流電圧12が100V系統交流電源に属しているか、200V系統交流電源に属しているかを判断することができる。
【0045】
<第4態様>
本態様の制御部50は、フライバックコンバータ41から電力が供給される負荷に対して、当該負荷に係る動作モードを切り替えるように制御することにより負荷状態を切り替えることを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、フライバックコンバータ41から電力が供給される負荷に対して、当該負荷に係る動作モードを切り替えるように制御することにより負荷状態を切り替える。
これにより、交流電圧12が第1系統交流電源、又は第2系統交流電源のいずれに属しているかを判断するのに用いる第1負荷状態、又は交流電圧を検出するのに用いる第2負荷状態に負荷を切り替えることができる。
【0046】
<第5態様>
本態様の制御部50は、交流電圧12が第1系統交流電源に属していると判断した場合には、第1系統交流電源に係る振幅電圧Vppと電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換することを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、交流電圧12が第1系統交流電源に属していると判断した場合には、第1系統交流電源に係る振幅電圧Vppと電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換する。
これにより、交流電圧12が第1系統交流電源に属している場合に、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換することができる。
【0047】
<第6態様>
本態様の制御部50は、交流電圧12が第2系統交流電源に属していると判断した場合には、第2系統交流電源に係る振幅電圧Vppと電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換することを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、交流電圧12が第2系統交流電源に属していると判断した場合には、第2系統交流電源に係る振幅電圧Vppと電源電圧の関係を表す変換テーブルを参照して、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換する。
これにより、交流電圧12が第2系統交流電源に属している場合に、第2負荷状態に対応した第2振幅電圧Vppを電源電圧に変換することができる。
【0048】
<第7態様>
本態様の電源装置10は、交流電圧検出モードに推移するための指示を受け付ける操作部60を備え、制御部50は、操作部60が交流電圧検出モードに推移するための指示を受け付けた場合には、交流電圧を算出する処理を実行することを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、操作部60が交流電圧検出モードに推移するための指示を受け付けた場合には、交流電圧を算出する処理を実行する。
これにより、操作部60から指示を受け付けた場合に、交流電圧を算出する処理を実行することができる。
【0049】
<第8態様>
本態様のリプル電圧検出部46は、正ピーク電圧検出回路46aにより検出された正ピーク電圧、又は負ピーク電圧検出回路46bにより検出された負ピーク電圧のいずれかを電圧合成回路46cに入力させ、制御部50は、電圧合成回路46cから出力された電圧の2倍値を算出することにより得られた電圧を振幅電圧とすることを特徴とする。
本態様によれば、制御部50は、正ピーク電圧、又は負ピーク電圧のいずれかの電圧の2倍値を算出することにより得られた電圧を振幅電圧とすることができる。
これにより、正ピーク電圧検出回路46a、又は負ピーク電圧検出回路46bのいずれかを回路構成から除外することができ、回路構成の簡略化を図ることができる。
【符号の説明】
【0050】
1…画像形成装置、10…電源装置、12…交流電源、40…直流電源部、41…フライバックコンバータ、41a…制御IC、42…DC/DCコンバータ、43…交流カップリング回路、46…リプル電圧検出部、46a…正ピーク電圧検出回路、46b…負ピーク電圧検出回路、46c…電圧合成回路、50…制御部、50a…A/Dコンバータ、50b…CPU、50c…ROM、50d…RAM
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】