(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】シリコン単結晶の製造時におけるギャップサイズ決定方法、および、シリコン単結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
C30B 29/06 20060101AFI20220315BHJP
C30B 15/20 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
C30B29/06 502Z
C30B15/20
(21)【出願番号】P 2019076187
(22)【出願日】2019-04-12
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】下崎 一平
【審査官】山田 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108910(JP,A)
【文献】特開2016-013957(JP,A)
【文献】特開2005-187244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン融液を収容する坩堝と、前記シリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ部と、引き上げ中のシリコン単結晶を囲むように前記坩堝の上方に配置された熱遮蔽体とを備えた引き上げ装置を用いたシリコン単結晶の製造時における前記熱遮蔽体の下端と前記シリコン融液表面とのギャップサイズ決定方法であって、
前記ギャップサイズごとに、前記シリコン単結晶の欠陥分布と前記シリコン単結晶の引き上げ速度との関係を
数値計算によるコンピュータシミュレーションでシミュレーションする工程と、
前記シミュレーションの結果に基づいて、無欠陥領域のみを有する前記シリコン単結晶が得られる引き上げ速度のマージンを特定する工程と、
特定された前記引き上げ速度のマージンと前記ギャップサイズとの関係に基づいて、前記引き上げ速度のマージンが最大となる仮ギャップサイズを特定し、前記仮ギャップサイズにおいて、前記シミュレーションで得られた欠陥分布を
複数の引き上げ速度で引き上げた場合について数値化し、この欠陥分布の値
と前記
仮ギャップサイズとの第1の関係を特定する工程と、
前記引き上げ装置を用いて製造された評価用のシリコン単結晶の欠陥分布を前記シミュレーションで得られた欠陥分布と同じ方法で数値化し、この欠陥分布の値と前記評価用のシリコン単結晶の製造時のギャップサイズとの第2の関係を特定する工程と、
前記第1の関係と前記第2の関係とに基づいて、前記評価用のシリコン単結晶の製造時の引き上げ速度のマージンを推定し、この推定した引き上げ速度のマージンよりも大きくなるようなギャップサイズを決定する工程とを実施することを特徴とするギャップサイズ決定方法。
【請求項2】
請求項1に記載のギャップサイズ決定方法において、
前記シリコン単結晶から得られるウェーハ面内の円形状欠陥領域の半径およびリング状欠陥領域の幅、または、前記半径および前記幅に対応する単結晶半径方向の欠陥分布により、前記欠陥分布の数値化が行われることを特徴とするギャップサイズ決定方法。
【請求項3】
請求項2に記載のギャップサイズ決定方法において、
前記欠陥分布を数値化した値が、無次元値であることを特徴とするギャップサイズ決定方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のギャップサイズ決定方法において、
前記欠陥分布が、OSF領域の分布またはPv領域の分布であることを特徴とするギャップサイズ決定方法。
【請求項5】
請求項4に記載のギャップサイズ決定方法において、
前記欠陥分布を数値化した値が、円形状OSF領域の半径とリング状OSF領域の幅との比、または、円形状Pv領域の半径とリング状Pv領域の幅との比であることを特徴とするギャップサイズ決定方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のギャップサイズ決定方法によって決定されたギャップサイズを用いてシリコン単結晶を製造することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載のシリコン単結晶の製造方法において、
前記ギャップサイズ決定方法は、前記引き上げ速度のマージンが最も大きくなるように前記ギャップサイズを決定することを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン単結晶の製造時におけるギャップサイズ決定方法、および、シリコン単結晶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの基板として用いられるシリコンウェーハは、一般にチョクラルスキー法(以下、「CZ法」と言う場合がある)により育成されたシリコン単結晶から切り出され、研磨、熱処理等の工程を経て製造される。
シリコン単結晶の欠陥分布は、一般的に、結晶中心から外縁までの距離を横軸とし、シリコン単結晶の引き上げ速度Vを、引き上げ直後におけるシリコン単結晶の成長方向の温度勾配Gで除した値を縦軸とした図で示すことができる。温度勾配Gは、CZ炉のホットゾーン構造の熱的特性により、シリコン単結晶の引き上げの進行中において、概ね一定とみなされる。このため、引き上げ速度Vを調整することにより、V/Gを制御することができる。
【0003】
上述のような欠陥分布図には、主に、COP(Crystal Originated Particle)領域、OSF(Oxidation induced Stacking Fault:酸素誘起積層欠陥)領域、Pv領域、Pi領域、L/D(Large Dislocation)領域が示される。
COPは、シリコン単結晶育成時に結晶格子を構成すべき原子が欠けた空孔の凝集体である。
OSF領域は、COP領域に隣接しており、高温(一般的には1000℃から1200℃)で熱酸化処理した場合、OSF核がOSFとして顕在化する。
Pv領域は、OSF領域に隣接しており、空孔型点欠陥が優勢な無欠陥領域である。Pv領域は、as-grown状態で酸素析出核を含んでおり、熱処理を施した場合、酸素析出物(BMD)が発生し易い。
Pi領域は、Pv領域に隣接しており、格子間シリコン型点欠陥が優勢な無欠陥領域である。Pi領域は、as-grown状態でほとんど酸素析出核を含んでおらず、熱処理を施してもBMDが発生し難い。
L/Dは、結晶格子間に過剰に取り込まれた格子間シリコンの凝集体であり、転位を伴う欠陥である(転位クラスター)。L/D領域は、Pi領域に隣接している。
【0004】
近年、全面に欠陥が存在しないシリコンウェーハの要求が強くなっており、このようなシリコンウェーハを得られるシリコン単結晶の製造方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、OSF領域と、その外側に位置するN-領域(Pv領域およびPi領域のみで構成される無欠陥領域)とを含む範囲の引き上げ速度Vや温度勾配Gでシリコン単結晶を引き上げることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような構成では、シリコンウェーハにOSF領域が少なからず存在しており、下述する狭義の意味の無欠陥のシリコン単結晶を得ることは出来ない。
【0007】
本発明の目的は、無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハを多く得られるシリコン単結晶の製造時におけるギャップサイズ決定方法、および、シリコン単結晶の製造方法を提供することにある。
無欠陥領域とは、広義の意味では、FPD(Flow Pattern Defect)領域およびL/D領域を除いた領域であり、狭義の意味では、Pv領域およびPi領域のみで構成される領域を意味する。同様に、無欠陥のシリコンウェーハとは、広義の意味では、FPD(Flow Pattern Defect)領域およびL/D領域が面内に存在しないシリコンウェーハを意味し、狭義の意味では、Pv領域およびPi領域のみで構成されるシリコンウェーハを意味する。無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハとは、広義の意味の無欠陥シリコンウェーハあるいは狭義の意味の無欠陥シリコンウェーハのいずれでも良い。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のギャップサイズ決定方法は、シリコン融液を収容する坩堝と、前記シリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる引き上げ部と、引き上げ中のシリコン単結晶を囲むように前記坩堝の上方に配置された熱遮蔽体とを備えた引き上げ装置を用いたシリコン単結晶の製造時における前記熱遮蔽体の下端と前記シリコン融液表面とのギャップサイズ決定方法であって、前記ギャップサイズごとに、前記シリコン単結晶の欠陥分布と前記シリコン単結晶の引き上げ速度との関係をシミュレーションする工程と、前記シミュレーションの結果に基づいて、無欠陥領域のみを有する前記シリコン単結晶が得られる引き上げ速度のマージンを特定する工程と、前記シミュレーションで得られた欠陥分布を数値化し、この欠陥分布の値と前記シミュレーションで得られた引き上げ速度のマージンと前記ギャップサイズとの第1の関係を特定する工程と、前記引き上げ装置を用いて製造された評価用のシリコン単結晶の欠陥分布を前記シミュレーションで得られた欠陥分布と同じ方法で数値化し、この欠陥分布の値と前記評価用のシリコン単結晶の製造時のギャップサイズとの第2の関係を特定する工程と、前記第1の関係と前記第2の関係とに基づいて、前記評価用のシリコン単結晶の製造時の引き上げ速度のマージンを推定し、この推定した引き上げ速度のマージンよりも大きくなるようなギャップサイズを決定する工程とを実施することを特徴とする。
【0009】
無欠陥領域のみを有するシリコン単結晶が得られる引き上げ速度のマージン(以下、「無欠陥マージン」という場合がある)は、ギャップサイズによって変化する。無欠陥マージンとは、シリコン単結晶から得られたシリコンウェーハ全面が無欠陥領域となるシリコン単結晶引上げ速度の上限値と下限値の差を意味する。
なお、無欠陥領域とは、上述したように、広義の意味の無欠陥領域あるいは狭義の意味の無欠陥領域のいずれでも良い。以下、無欠陥領域を、狭義の意味の無欠陥領域として本発明を説明する。
無欠陥マージンが最も大きくなるギャップサイズは、シミュレーションで求めることができる。なお、シミュレーションは、数値計算によるコンピュータシミュレーションの他、実験によるシミュレーションも含む。
この求めたギャップサイズを引き上げ装置に適用すると、無欠陥マージンが最も大きくなる製造条件になるはずだが、実際は、ホットゾーンの構成部材の劣化などによって熱環境がシミュレーションとは異なる状態になってしまい、無欠陥マージンが最も大きくならない場合がある。この場合、製造中に引き上げ速度が変化すると、引き上げ速度が無欠陥マージンの範囲外になってしまい、欠陥領域を有するシリコン単結晶が製造されるおそれがある。
本発明では、シミュレーション結果に基づく第1の関係と、評価用のシリコン単結晶の欠陥分布に基づく第2の関係とを用いて、評価用のシリコン単結晶を製造したときの無欠陥マージンの大きさを推定し、この推定した大きさよりも無欠陥マージンを大きくするギャップサイズを決定する。したがって、この製造ギャップサイズを使用することによって、評価用のシリコン単結晶製造時よりも無欠陥マージンが大きい状態で、シリコン単結晶を製造できる。その結果、引き上げ速度が変化しても、引き上げ速度が無欠陥マージンの範囲外になってしまうことを抑制でき、無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハを多く得られる。
【0010】
本発明のギャップサイズ決定方法において、前記シリコン単結晶から得られるウェーハ面内の円形状欠陥領域の半径およびリング状欠陥領域の幅、または、前記半径および前記幅に対応する単結晶半径方向の欠陥分布により、前記欠陥分布の数値化が行われることが好ましい。
【0011】
本発明によれば、熱処理によって視覚的に確認できるOSFや酸素析出物(BMD)に基づいて、欠陥分布を容易に数値化できる。
【0012】
本発明のギャップサイズ決定方法において、前記欠陥分布を数値化した値が、無次元値であることが好ましい。
【0013】
本発明のギャップサイズ決定方法において、前記欠陥分布が、OSF領域の分布またはPv領域の分布であることが好ましい。
【0014】
本発明によれば、熱処理によって視覚的に確認できるOSFや酸素析出物(BMD)に基づいて、評価用のシリコン単結晶製造時よりも無欠陥マージンを大きくするギャップサイズを容易に決定できる。
【0015】
本発明のギャップサイズ決定方法において、前記欠陥分布を数値化した値が、円形状OSF領域の半径とリング状OSF領域の幅との比、または、円形状Pv領域の半径とリング状Pv領域の幅との比であることが好ましい。
【0016】
本発明によれば、円形状OSF領域の半径とリング状OSF領域の幅との比、または、円形状Pv領域の半径とリング状Pv領域の幅との比に基づいて、欠陥分布を容易に数値化できる。
【0017】
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、上述のギャップサイズ決定方法によって決定されたギャップサイズを用いてシリコン単結晶を製造することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハを多く得られるシリコン単結晶を製造できる。
【0019】
本発明のシリコン単結晶の製造方法において、前記ギャップサイズ決定方法は、前記引き上げ速度のマージンが最も大きくなるように前記ギャップサイズを決定することが好ましい。
【0020】
本発明によれば、引き上げ速度の変化許容値を最大にすることができ、無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハを多く得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の関連技術および一実施形態に係る引き上げ装置の模式図。
【
図2】前記一実施形態におけるシリコン単結晶の製造方法のフローチャート。
【
図3】シリコン単結晶の引き上げ速度と欠陥分布との関係の一例を示す模式図。
【
図4】シリコン単結晶の引き上げ速度と欠陥分布との関係の一例を示す模式図。
【
図5】引き上げ速度とリング状およびディスク状のOSF領域の存在状況との関係を示す説明図。
【
図6】シミュレーション結果に基づくOSF領域のディスク半径とディスクリング比率との関係を示すグラフ。
【
図7】シミュレーション結果および仮ギャップサイズを用いた評価用のシリコン単結晶の製造実績に基づくOSF領域のディスク半径とディスクリング比率との関係を示すグラフ。
【
図8】本発明の変形例における引き上げ速度とリング状およびディスク状のPv領域の存在状況との関係を示す説明図。
【
図9】本発明の実施例における実験1の結果であって、シミュレーション結果および製造ギャップサイズを用いた評価用のシリコン単結晶の製造実績に基づくOSF領域のディスク半径とディスクリング比率との関係を示すグラフ。
【
図10】前記実施例における実験2の結果であって、実験例1,2の歩留まり効果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[本発明の関連技術]
まず、本発明の関連技術を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、シリコン単結晶SMの引き上げ装置1は、CZ法(Czochralski法)に用いられる装置であって、装置本体2とを備えている。
装置本体2は、チャンバ21と、このチャンバ21内に配置された坩堝22と、この坩堝22を加熱するヒータ23と、引き上げ部24と、熱遮蔽体25と、断熱材26と、坩堝駆動部27とを備えている。
なお、引き上げ装置1は、二点鎖線で示すように、MCZ(Magnetic field applied Czochralski)法に用いられる装置であって、チャンバ21の外側において坩堝22を挟んで配置された一対の電磁コイル28を有していてもよい。
【0023】
チャンバ21の上部には、Arガスなどの不活性ガスをチャンバ21内に導入するガス導入口21Aが設けられている。チャンバ21の下部には、チャンバ21内の気体を排出するガス排気口21Bが設けられている。チャンバ21の内面には、断熱材26が設けられている。
【0024】
坩堝22は、シリコンを融解してシリコン融液Mとするものである。坩堝22は、石英坩堝221と、この石英坩堝221を収容する黒鉛坩堝222とを備えている。石英坩堝221は、1本あるいは複数のシリコン単結晶SMを育成するごとに交換される。一方、黒鉛坩堝222は、シリコン単結晶SMを1本製造するごとには交換されず、石英坩堝221を適切に支持できなくなったと考えられた時点で交換される。
【0025】
ヒータ23は、坩堝22の周囲に配置されており、坩堝22内のシリコンを融解する。なお、坩堝22の下方に、二点鎖線で示すようなボトムヒータ231をさらに設けてもよい。
引き上げ部24は、一端に種結晶SCが取り付けられるケーブル241と、このケーブル241を昇降および回転させる引き上げ駆動部242とを備えている。
熱遮蔽体25は、シリコン単結晶SMを囲むように設けられ、ヒータ23から上方に向かって放射される輻射熱を遮断する。
坩堝駆動部27は、黒鉛坩堝222を下方から支持する支持軸271を備え、坩堝22を所定の速度で回転および昇降させる。
なお、引き上げ装置1におけるホットゾーンは、チャンバ21、坩堝22、ヒータ23、ケーブル241、熱遮蔽体25、断熱材26、支持軸271、シリコン融液M、シリコン単結晶SMなどである。
【0026】
[実施形態]
〔シリコン単結晶の製造方法〕
次に、本発明の一実施形態に係るシリコン単結晶SMの製造方法について説明する。
なお、本実施形態では、円筒研削後の直胴部の直径が300mmのシリコン単結晶SMを製造する場合を例示するが、円筒研削後の直径は200mmや450mmあるいは他の大きさであってもよい。また、抵抗率調整用のドーパントをシリコン融液Mに添加してもよいし、しなくてもよい。
【0027】
シリコン単結晶SMの製造方法は、
図2に示すように、シリコン単結晶SMの製造時におけるギャップサイズ決定方法を実施する工程(ステップS1)と、この決定方法で決定された製造ギャップサイズを適用して製品用のシリコン単結晶SMを製造する工程(ステップS2:製造工程)とを実施する。以下、各工程について詳細に説明する。
【0028】
ギャップサイズ決定方法を実施する工程において、まず、熱遮蔽体25の下端とシリコン融液M表面とのギャップGPのサイズ(以下、ギャップGPのサイズを「ギャップサイズ」という)ごとに、シリコン単結晶SMの欠陥分布とシリコン単結晶SMの引き上げ速度との関係をシミュレーションする(ステップS11:シミュレーション工程)。
なお、ギャップサイズとは、シリコン単結晶SMの製造時における熱遮蔽体25の下端とシリコン融液M表面との間の距離である。
シミュレーション工程は、少なくともシリコン単結晶SMの直胴部SM1について行う。引き上げ中のシリコン単結晶SMの熱履歴の変化などの影響によって、同じギャップサイズでも、直胴部SM1の長さ方向の位置に応じて、欠陥分布は異なってしまう。このため、シミュレーション工程は、直胴部SM1を長さ方向に沿う複数箇所について行うことが好ましい。本実施形態では、直胴部SM1を長さ方向に3等分した領域について、シミュレーション工程を行う。3等分した領域のうち、引き上げ方向の上端領域をトップ領域、中央領域をミドル領域、下端領域をボトム領域という。
このシミュレーション工程によって、シリコン単結晶SMの中心から距離を横軸とし、引き上げ速度Vを縦軸とした欠陥分布を得られる。直胴部SM1におけるギャップサイズのみが異なるシミュレーション結果の一例を、
図3および
図4に示す。なお、
図3~
図5において、横軸の左端はシリコン単結晶SMの中心位置を表し、右端は外縁位置を表す。また、
図3~
図7は、シリコン単結晶SMのミドル領域に関する図である。
シミュレーション工程は、数値計算によるコンピュータシミュレーションの他、実験によるシミュレーションとすることができる。シミュレーションにかかる費用や時間を節約できる、数値計算によるコンピュータシミュレーションが好ましい。
【0029】
次に、シミュレーション工程の結果に基づいて、
図3および
図4に示すような無欠陥マージンを特定する(ステップS12:無欠陥マージン特定工程)。無欠陥マージンとは、無欠陥領域のみを有するシリコン単結晶SMが得られる引き上げ速度のマージンを意味する。無欠陥マージンは、OSF領域と無欠陥領域とのOSF-Pv境界線の最も低い位置から、無欠陥領域とL/D領域とのPi-L/D境界線の最も高い位置までの範囲である。
【0030】
この後、シミュレーション工程で得られた欠陥分布を数値化し、この欠陥分布の値と、無欠陥マージン特定工程で特定された無欠陥マージンと、ギャップサイズとの第1の関係を特定する(ステップS13:第1の関係特定工程)。
本実施形態では、まず、無欠陥マージンが最大となるギャップサイズ(以下、無欠陥マージンが最大となるギャップサイズを、「仮ギャップサイズ」という場合がある。)を特定する。無欠陥マージンは、ギャップサイズによって変化し、例えばギャップサイズを横軸とし、無欠陥マージンの大きさを縦軸としたグラフを作成した場合、山型のグラフになる。つまり、無欠陥マージンが最大となるギャップサイズは、1つのみである。そこで、同じ箇所についてギャップサイズのみを変更した複数のシミュレーション結果に基づいて、仮ギャップサイズを特定する。
【0031】
次に、例えば、
図5に示すようなギャップサイズが仮ギャップサイズの欠陥分布に基づいて、OSF領域が存在するような速度V
1でシリコン単結晶SMを引き上げた場合のOSF領域の発生状況を把握する。このシリコン単結晶SMから得られるシリコンウェーハには、その中心を含むディスク状(円形状)のOSF領域が存在する。このディスク状のOSF領域の外側には、無欠陥領域を挟んでリング状のOSF領域が存在する。
次に、ディスク状のOSF領域の半径およびリング状のOSF領域の幅を、それぞれディスク半径、リング幅として求める。さらに、OSF領域が存在するような他の引き上げ速度でシリコン単結晶SMを製造した場合のディスク半径、リング幅を求める。つまり、シミュレーション工程で得られた欠陥分布を数値化する。
【0032】
さらに、ギャップサイズが仮ギャップサイズより1mm大きい場合の欠陥分布、仮ギャップサイズより1mm小さい場合の欠陥分布に基づいて、それぞれ複数ずつの引き上げ速度で引き上げた場合のディスク半径、リング幅を求める。
そして、
図5に示す欠陥分布に基づいて、
図6に示すような、ディスク半径を横軸とし、リング幅をディスク半径で除したディスクリング比率を縦軸とした比較データを作成する。この比較データは、シミュレーションで得られた欠陥分布を数値化した値(ディスク半径、ディスクリング比率)と、シミュレーションで得られた無欠陥マージン(最大の無欠陥マージン)と、ギャップサイズ(仮ギャップサイズ、仮ギャップサイズ±1mm)との第1の関係を表す。
この比較データの作成は、トップ領域、ミドル領域、ボトム領域のそれぞれについて行う。比較データの作成は、コンピュータが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0033】
次に、引き上げ装置1のギャップサイズを仮ギャップサイズに設定して、評価用のシリコン単結晶SMを製造する(ステップS14:評価用単結晶製造工程)。
評価用単結晶製造工程は、トップ領域、ミドル領域、ボトム領域を製造するときに、ギャップサイズを各領域に対応した仮ギャップサイズに設定しつつ、引き上げ速度を各領域にリング状およびディスク状のOSF領域が存在するような速度に設定して行う。リング状およびディスク状のOSF領域が存在するような速度として、例えば、
図5に示すような、ギャップサイズが仮ギャップサイズの欠陥分布に基づいて、OSF領域が存在するような速度V
1などを設定してもよいし、過去の製造実績に基づいて設定してもよい。
本実施形態では、リング状およびディスク状のOSF領域が存在するような複数の評価用のシリコン単結晶SMを製造する。
【0034】
次に、評価用のシリコン単結晶の欠陥分布をシミュレーションで得られた欠陥分布と同じ方法で数値化し、この欠陥分布の値と、評価用のシリコン単結晶の製造時のギャップサイズとの第2の関係を特定する(ステップS15:第2の関係特定工程)。
本実施形態では、まず、評価用のシリコン単結晶SMの直胴部SM1からシリコンウェーハを取得し、OSF領域を顕在化させる処理を行う。この顕在化処理としては、1000℃の酸素雰囲気で3時間の熱処理を行った後、さらに、1150℃の酸素雰囲気で2時間の熱処理を行うことが例示できる。この後、顕在化したOSF領域のリング幅およびディスク半径を測定する。以上の処理を、複数の評価用のシリコン単結晶SMにおける各領域から取得したシリコンウェーハに対して行う。なお、各領域から取得するシリコンウェーハの枚数は、1枚ずつであってもよいし、複数枚ずつであってもよい。また、評価用のシリコン単結晶SMを1本のみ製造し、このシリコン単結晶SMから複数のシリコンウェーハを取得してもよい。
そして、各シリコンウェーハの測定結果に基づくディスク半径およびディスクリング比率の関係を特定する。つまり、評価用のシリコン単結晶SMの欠陥分布を数値化した値(ディスク半径、ディスクリング比率)と、評価用のシリコン単結晶SM製造時のギャップサイズとの第2の関係を特定する。
【0035】
この後、第1の関係と第2の関係とに基づいて、評価用のシリコン単結晶SM製造時の無欠陥マージンを推定し、この推定した無欠陥マージンよりも大きくなるような製造ギャップサイズを決定する(ステップS16:製造ギャップサイズ決定工程)。
本実施形態では、まず、比較データで表される第1の関係と、第2の関係とを比べ、評価用のシリコン単結晶SMの製造時に無欠陥マージンが最も大きい状態であったか否かを判定する。この比べられる両者は、OSFの発生状況に基づき得られたデータであることから、シミュレーション結果および評価用のシリコン単結晶SMの欠陥分布に対応している。
【0036】
例えば、
図7に示すように、
図6の比較データ上に、各シリコンウェーハにおけるOSF領域の測定結果(製造実績(第2の関係))をプロットする。同じ製造条件でシリコン単結晶SMを製造すれば、これらから取得したシリコンウェーハのOSF領域の測定結果は、同じになるはずであるが、実際には、測定誤差や引き上げ速度のばらつきなどによって、
図7に示すように異なる場合がある。
そして、この測定結果が仮ギャップサイズにおける比較データとほぼ一致している場合、無欠陥マージンが最も大きい状態であったと推定し、仮ギャップサイズを製造ギャップサイズとして決定する。一方、測定結果が比較データから所定量ずれている場合、無欠陥マージンが最も大きい状態でなかったと推定し、仮ギャップサイズ以外のサイズを製造ギャップサイズとして決定する。
【0037】
例えば、仮ギャップサイズにおける比較データの基準近似線LS、仮ギャップサイズより1mm大きい場合の比較データの第1の比較近似線L1、仮ギャップサイズより1mm小さい場合の比較データの第2の比較近似線L2、シリコンウェーハの測定結果の実績近似線Nを求める。そして、各近似線LS,L1,L2と、実績近似線Nとの距離に基づいて製造ギャップサイズを決定する。
【0038】
図7に示す結果では、実績近似線Nが基準近似線L
Sと第1の比較近似線L
1とのほぼ中間に位置している。この場合、引き上げ装置1において仮ギャップサイズを適用したときの製造条件は、シミュレーションにおいて仮ギャップサイズよりも0.5mm大きいサイズを適用したときの製造条件に相当すると推定する。この推定結果によれば、仮ギャップサイズよりも0.5mm小さいサイズを適用したときの製造条件が、シミュレーションにおいて仮ギャップサイズを適用したときの製造条件に相当すると考えられる。したがって、仮ギャップサイズよりも0.5mm小さいサイズを、製造ギャップサイズとして決定する。
また、実績近似線Nが基準近似線L
Sと第2の比較近似線L
2との間に位置している場合、実績近似線Nと基準近似線L
Sとの距離に対応する長さだけ、仮ギャップサイズよりも大きいサイズを、製造ギャップサイズとして決定する。例えば、基準近似線L
Sの位置を「0」、第2の比較近似線L
2の位置を「1」とした場合における「0.3」の位置に、実績近似線Nが位置している場合、仮ギャップサイズよりも0.3mm大きいサイズを製造ギャップサイズとして決定する。
【0039】
一方、実績近似線Nが基準近似線LSとほぼ一致している場合、引き上げ装置1において仮ギャップサイズを適用したときの製造条件は、シミュレーションにおいて仮ギャップサイズを適用したときの製造条件に相当すると推定し、仮ギャップサイズを製造ギャップサイズとして決定する。
以上のように、実績近似線Nが基準近似線LSと一致するように、製造ギャップサイズを決定することで、無欠陥マージンが最も大きい製造条件になる。
この製造ギャップサイズ決定工程は、トップ領域、ミドル領域、ボトム領域のそれぞれについて行う。製造ギャップサイズ決定工程は、コンピュータが行ってもよいし、作業者が行ってもよい。
【0040】
なお、以上の処理では、リング状およびディスク状のOSF領域の存在状況に基づいて製造ギャップサイズを決定したが、
図8に示すように、リング状およびディスク状のPv領域の存在状況に基づいて製造ギャップサイズを決定してもよい。この場合、シミュレーションや評価用のシリコン単結晶SM製造時の引き上げ速度を、リング状およびディスク状のPv領域を発生させるような速度V
2などに設定すればよい。Pv領域を顕在化させる処理としては、780℃の酸素雰囲気で3時間の熱処理を行った後、さらに、1000℃の酸素雰囲気で16時間の熱処理を行うことが例示できる。
【0041】
この後、製造工程(ステップS2)を行う。
製造工程は、トップ領域、ミドル領域、ボトム領域のそれぞれの製造時において、ステップS1の処理で決定した製造ギャップサイズを用いて、製品用のシリコン単結晶SMを製造する。
【0042】
[実施形態の作用効果]
上記実施形態によれば、製造ギャップサイズ決定工程において、評価用のシリコン単結晶SMを製造したときの無欠陥マージンの大きさを推定し、この推定した大きさよりも無欠陥マージンを大きくするギャップサイズを製造ギャップサイズとして決定する。この製造ギャップサイズを製造工程で使用することによって、評価用のシリコン単結晶SM製造時よりも無欠陥マージンが大きい状態で、製品用のシリコン単結晶SMを製造できる。したがって、引き上げ速度が変化しても、引き上げ速度が無欠陥マージンの範囲外になってしまうことを抑制でき、無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハを多く得られる。
特に、本実施形態では、無欠陥マージンを最も大きくする製造ギャップサイズを製造に用いることで、引き上げ速度の変化許容値を最大にすることができ、無欠陥領域のみが存在するシリコンウェーハをより多く得られる。
【0043】
製造ギャップサイズ決定工程において、基準近似線LS、第1,第2の比較近似線L1,比較近似線L2に対する実績近似線Nの位置に基づいて、製造ギャップサイズを容易に決定できる。
【0044】
[変形例]
なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。
例えば、シリコン単結晶の製造時におけるギャップサイズ決定方法および製造方法を直胴部SM1のトップ領域、ミドル領域、ボトム領域のそれぞれについて行ったが、いずれか1つあるいは2つの領域についてのみ行ってもよいし、直胴部SM1を長さ方向に2つに、あるいは、4つ以上に分割した領域について行ってもよい。
【0045】
製造ギャップサイズ決定工程において、各近似線L
S,L
1,L
2と、実績近似線Nとの距離に基づいて製造ギャップサイズを決定したが、第1,第2の比較近似線L
1,L
2を求めずに、基準近似線L
Sと実績近似線Nとの比較のみに基づいて、製造ギャップサイズを決定してもよい。
製造ギャップサイズ決定工程において、ギャップサイズが仮ギャップサイズより1mm大きい場合の欠陥分布に基づき、第1の比較近似線L
1を求めたが、仮ギャップサイズより0.5mmあるいは2mmなど、他の大きさだけ大きい場合の欠陥分布に基づき、第1の比較近似線L
1を求めてもよい。第2の比較近似線L
2も同様に求めてもよい。
製造ギャップサイズ決定工程において、第1,第2の比較近似線L
1,L
2に加えて、ギャップサイズが仮ギャップサイズより、例えば2mm大きい場合および2mm小さい場合の欠陥分布に基づき、第3,第4の比較近似線を求め、この第3,第4の比較近似線も用いて製造ギャップサイズを決定してもよい。
製造ギャップサイズ決定工程において、各近似線L
S,L
1,L
2,Nを求めずに、各近似線L
S,L
1,L
2,Nの作成に用いたプロットデータの比較のみで、製造ギャップサイズを決定してもよい。
製造ギャップサイズは、少なくとも評価用のシリコン単結晶SM製造時よりも無欠陥マージンが大きくなれば、無欠陥マージンが最も大きくなるギャップサイズでなくてもよい。例えば、
図7に示す結果が得られた場合に、仮ギャップサイズよりも0.5mm小さいサイズを製造ギャップサイズとして決定したが、0.3mm小さいサイズを製造ギャップサイズとして決定してもよい。
【0046】
製造ギャップサイズ決定工程において、ディスク半径を横軸とし、リング幅をディスク半径で除したディスクリング比率を縦軸とした比較データに基づき製造ギャップサイズを決定したが、横軸、縦軸の指標として他の指標を用いてもよい。横軸と縦軸の指標の組み合わせとしては、ディスク半径とリング幅などが例示できる。
【実施例】
【0047】
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0048】
[実験1]
上記実施形態における
図7に基づき決定された製造ギャップサイズを用いて、リング状およびディスク状のOSF領域が存在するような、複数の評価用のシリコン単結晶SMを製造した。そして、この評価用のシリコン単結晶SMから得た複数のウェーハのディスク半径とディスク
リング比率とを求め、これらの関係を
図6に示すグラフにプロットした。
その結果を
図9に示す。
【0049】
図9に示すように、製造ギャップサイズで製造した評価用のシリコン単結晶SMの測定結果に基づく実績近似線N
1が、仮ギャップサイズで製造した評価用のシリコン単結晶SMの実績近似線Nよりも、基準近似線L
Sに大きく近づいたことが確認できた。
このことから、上記シリコン単結晶SMの製造時におけるギャップサイズ決定方法で得られた製造ギャップサイズを製造工程で使用することで、無欠陥マージンを大きくした状態で製品用のシリコン単結晶SMを製造できることが確認できた。
【0050】
[実験2]
〔実験例1〕
{比較例1}
ホットゾーンがAタイプの引き上げ装置1を前提にしたステップS11~S13の処理を行い、トップ領域、ミドル領域、ボトム領域ごとに仮ギャップサイズを特定し、この特定した仮ギャップサイズで比較例1のシリコン単結晶SMを製造した。比較例1のシリコン単結晶SMの引き上げ速度として、仮ギャップサイズを適用したシミュレーション結果における無欠陥マージン内の中央値を適用した。
この後、比較例1のシリコン単結晶SMのうち、無欠陥領域のみを有するシリコンウェーハ(製品ウェーハ)を得られる製品領域を特定した。このとき、直胴部SM1の長さ方向の複数の位置からシリコンウェーハを取得し、製品ウェーハで挟まれる領域を製品領域とし、欠陥領域であるOSF領域を有するシリコンウェーハ(不良品ウェーハ)で挟まれる領域を不良品領域とした。
そして、製品領域の重量を、坩堝22に投入したシリコン原料の重量で除した値を、比較例1の歩留まりとして求めた。
【0051】
{実施例1}
比較例1のシリコン単結晶SMから得られた不良品ウェーハにおけるOSFの発生状況に基づき、ステップS15~S16の処理を行い、不良品ウェーハが得られた領域の製造ギャップサイズを決定した。そして、ホットゾーンがAタイプの引き上げ装置1を用いて、製造ギャップサイズで実施例1のシリコン単結晶SMを製造した。実施例1のシリコン単結晶SMの引き上げ速度として、比較例1と同じ速度を適用した。
この後、実施例1のシリコン単結晶SMの製品領域を特定し、比較例1と同様に、実施例1の歩留まりを求めた。
【0052】
〔実験例2〕
{比較例2、実施例2}
ホットゾーンがAタイプの引き上げ装置1の代わりにBタイプの引き上げ装置1を用いたこと以外は、比較例1、実施例1とそれぞれ同様の処理を行うことで、比較例2、実施例2の歩留まりを求めた
【0053】
〔評価〕
実施例1の歩留まりから比較例1の歩留まりを減じた値を、実験例1の歩留まり効果として求め、実施例2の歩留まりから比較例2の歩留まりを減じた値を、実験例2の歩留まり効果として求めた。その結果を、
図10に示す。
【0054】
図10に示すように、実験例1,2のいずれにおいても、歩留まり効果が1%以上あったことが確認できた。
このことから、上記シリコン単結晶SMの製造時におけるギャップサイズ決定方法で得られた製造ギャップサイズを製造工程で使用することで、製品ウェーハを多く得られることが確認できた。
【符号の説明】
【0055】
1…引き上げ装置、22…坩堝、24…引き上げ部、25…熱遮蔽体、GP…ギャップ、M…シリコン融液、SM…シリコン単結晶。