(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-14
(45)【発行日】2022-03-23
(54)【発明の名称】荷電粒子源モジュール、荷電粒子源モジュールを備えた露光システム、荷電粒子源配置、半導体デバイスを製造する方法、及びターゲットを検査する方法
(51)【国際特許分類】
H01J 1/88 20060101AFI20220315BHJP
H01J 1/92 20060101ALI20220315BHJP
H01J 37/04 20060101ALI20220315BHJP
H01J 37/248 20060101ALI20220315BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20220315BHJP
【FI】
H01J1/88
H01J1/92
H01J37/04 Z
H01J37/248 Z
H01J37/248 B
H01L21/30 541B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020126312
(22)【出願日】2020-07-27
(62)【分割の表示】P 2019555242の分割
【原出願日】2018-04-10
【審査請求日】2021-04-05
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ディヌ-ギュルトラー,ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ホーゲルフォルスト,エリック ペトルス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ゾースト,ユルゲン
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-80849(JP,U)
【文献】米国特許第2914692(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0136995(US,A1)
【文献】中国実用新案第204230202(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 1/88
H01J 1/92
H01J 37/04
H01J 37/248
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールであって、
第1の枠部と、第2の枠部と、前記第1の枠部と前記第2の枠部との間に配置された1つ以上の剛性支持部材とを含む枠と、
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置であって前記第2の枠部に配置された荷電粒子源配置と、
前記第1の枠部に配置された電源接続アセンブリと、
を備えており、
前記荷電粒子源配置は電気配線を介して前記電源接続アセンブリに電気的に接続されており、
前記電気配線はサービスループを有する1つ以上の線を備えている、荷電粒子源モジュール。
【請求項2】
前記枠はフレクシャ接続によって前記第2の枠部に接続された据付部材を備えており、好適には、前記第2の枠部は据付板を備え、前記フレクシャ接続の各々は前記据付板の外周に設けられた接続リップを備え、各接続リップは前記据付板と前記接続リップとの間にスリットを定義する、請求項
1に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項3】
前記第1の枠部、前記第2の枠部、及び/又は前記1つ以上の剛性支持部材は非鉄材料で作られる、請求項1
又は2に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項4】
前記電源接続アセンブリは前記第1の枠部に剛的に接続され、前記荷電粒子源配置は前記第2の枠部に剛的に接続される、請求項1から
3のいずれ
かに記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項5】
前記電源接続アセンブリは前記枠の前記第1の枠部に配置された非導電性の接続板を備えており、前記電源接続アセンブリは1つ以上のコネクタを備えている、請求項1から
4のいずれ
かに記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項6】
前記1つ以上のコネクタは、前記非導電性の接続板を通って、前記枠の前記支持部材に実質的に平行な方向に延びる、請求項
5に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項7】
前記第1の枠部は2つの実質的に平行な板を備えており、前記電源接続アセンブリは固定され、好適には前記2つの板の間に挟まれる、請求項
5又は
6に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項8】
前記荷電粒子源配置は、荷電粒子を放出するように構成されたエミッタ配置と、前記エミッタ配置によって放出された前記荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する電極とを備えており、好適には、前記荷電粒子源配置は前記エミッタ配置によって放出された前記荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する2つ以上の電極を備えており、前記2つ以上の電極のうち最も下流の電極は好適には前記枠の前記第2の枠部に配置されており、前記最も下流の電極及び前記第2の枠部は好適には単一の部品として形成されている、請求項1から
5のいずれ
かに記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項9】
前記エミッタ配置及び前記電極は、前記エミッタ配置及び前記電極によって定義される光軸に実質的に平行に配向された1つ以上の非導電性のサポートに接続され、前記1つ以上のサポートの各々は、前記エミッタ配置の外周及び前記電極の外周と接続され、前記1つ以上のサポートは前記エミッタ配置及び前記電極の互いに対する配向及び/又は位置を維持し、好適には、前記エミッタ配置と前記電極とのうち少なくとも一方がフレクシャ接続によって前記1つ以上のサポートと接続される、請求項
8に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項10】
前記エミッタ配置と前記電極とのうち少なくとも一方は前記1つ以上のサポートに剛的に接続され、好適には、前記最も下流の電極は前記1つ以上のサポートに剛的に接続される、請求項
9に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項11】
前記エミッタ配置及び前記電極は板状の電極体を備えており、前記フレクシャ接続は前記板状の電極体の外周に設けられた接続リップを備え、前記接続リップは前記接続リップと前記板状の電極体との間にスリットを定義する、請求項
9又は
10に記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項12】
前記電源接続アセンブリは前記枠の前記第1の枠部に配置された非導電性の接続板を備えており、前記電源接続アセンブリは1つ以上のコネクタを備えており、前記電気配線は、前記電極に周状に接続されるとともに前記1つ以上のコネクタに接続され、前記電気配線は、前記枠の前記支持部材に実質的に平行な方向に延びる、請求項
8から
11のいずれ
かに記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項13】
前記電気配線は可撓性の電気配線である、請求項1から
12のいずれ
かに記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項14】
前記電気配線はサービスループを有する1つ以上の線を備えている、請求項1から
13のいずれ
かに記載の荷電粒子源モジュール。
【請求項15】
表面又はターゲットに向かって荷電粒子ビームを放出する露光システムであって、
請求項1から
14のいずれ
かに記載の、荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールと、
前記荷電粒子源モジュールによって生成及び放出された前記荷電粒子ビームを受け取って、前記荷電粒子ビームを前記表面又は前記ターゲットの方に向けるように構成された、荷電粒子光学配置と、
を備えており、
前記枠の前記第2の枠部は前記荷電粒子光学配置に配置されている、露光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールに関する。本発明は更に、荷電粒子源モジュールを備える露光システムと、荷電粒子源配置と、半導体デバイスを製造する方法と、ターゲットを検査する方法とに係る。
【背景技術】
【0002】
荷電粒子源は荷電粒子のビームを生成及び放出するべく配置されるものであり、この荷電粒子のビームは、ある表面又はターゲットに向けて導かれ得る。公知の荷電粒子源は、ソースカソードと、そのソースカソードの下流に位置する複数の電極とを備えている。
【0003】
荷電粒子源は、出願人の国際公開第2015/101538号から公知であり、同文献ではリソグラフィ露光システムにおいて適用されている。荷電粒子源は、電子を放出する放出面が設けられた放出部及び加熱されると放出部に向かって拡散し放出面において第1の蒸発速度で放散する仕事関数低下粒子を発する材料を保持するリザーバを備えた熱カソードと、カソードの放出面から放出された電子を集束させる集束面を備えた集束電極と、リザーバ内に保持された材料を加熱するように構成された熱源と、を備えるカソード配置を備えている。
【0004】
別の荷電粒子源は、Proc. of SPIE,Vol.8680,86800O-1から-12より公知である。
図6,7及び8を参照されたい。
【0005】
これらの公知の荷電粒子源は、荷電粒子リソグラフィシステムのような荷電粒子露光システムにおいて使用される以外に、荷電粒子検査システム又は顕微鏡においても適用される。少なくともこれらの用途では、荷電粒子源の個々の構成要素は、互いに対して高精度に位置合わせされなければならない。また、荷電粒子源の個々の構成要素を対応する電源装置に接続することは煩雑であり、荷電粒子源の個々の構成要素の互いに対する位置合わせを妨害しないように、注意深く行われなければならない。
【0006】
本発明の目的は、従来技術の1つ以上の欠点を改善又は排除すること、あるいは少なくとも代替的な荷電粒子源を提供することである。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様によれば、本発明は、荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールを提供するものであり、このモジュールは、
第1の剛性枠部と、第2の剛性枠部と、第1の枠部と第2の枠部との間に配置されこれらに剛的に接続された1つ以上の剛性支持部材とを含む枠と、
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置であって第2の枠部に配置された荷電粒子源配置と、
第1の枠部に配置された電源接続アセンブリと、
を備えており、
荷電粒子源配置は電気配線を介して電源接続アセンブリに電気的に接続されている。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、荷電粒子源配置は、第2の枠部に配置されるとともに電気配線を介して電源接続アセンブリに電気的に接続されており、この電源接続アセンブリは第1の枠部に配置されている。
【0009】
電源接続アセンブリは第1の枠部に配置されているので、例えば、電源接続アセンブリへの外部電源の接続中に電源接続アセンブリに印加される力は、第1の枠部内に導かれるであろう。第1の枠部内に導かれた力は第1の枠部から剛性支持部材を介して第2の枠部へと伝達され、それによって力が荷電粒子源配置又はその個々の構成要素に作用することが防止される。これにより、歪み緩和配置が提供される。歪み緩和配置の結果、荷電粒子源配置の個々の構成要素の互いに対する位置合わせ及び相対位置が維持される。
【0010】
荷電粒子源配置は、電子ビームを生成するために配置されてもよい。荷電粒子源配置は電子を放出するエミッタ配置を備えていてもよく、それらの電子から電子ビームが形成される。
【0011】
また、本発明による荷電粒子源モジュールの使用は、例えば荷電粒子源モジュールの輸送の際、荷電粒子源モジュールの露光システム内への据え付けの際、及び荷電粒子源モジュールへの外部電源の接続の際に、荷電粒子源配置に加えられる1つ以上の外力を減少させるか、又は理想的な場合には排除する、頑丈な配置を提供し得る。
【0012】
さらに、電源接続アセンブリは適切な実質的に単一の接続端子を提供し、この接続端子において、荷電粒子源モジュールは、必要な電源と、荷電粒子源配置の機能を制御する制御リードとに接続されることができる。
【0013】
第2の態様によれば、本発明は、荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールを提供するものであり、このモジュールは、
第1の枠部と、第2の枠部と、第1の枠部と第2の枠部との間に配置された1つ以上の剛性支持部材とを含む枠と、
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置であって第2の枠部に配置された荷電粒子源配置と、
第1の枠部に配置された電源接続アセンブリと、
を備えており、
荷電粒子源配置は電気配線を介して電源接続アセンブリに電気的に接続されており、
電気配線はサービスループを有する1つ以上の線を備えている。
【0014】
本特許出願の文脈においては、サービスループとは、電線の余長として理解されなければならず、好適には湾曲又はループの形で提供され、歪み緩和措置として含まれるものである。そのような湾曲は、例えば、1つ以上の電線の方向に実質的に垂直な方向に湾曲を伴って延びる電線の一部として含まれていてもよい。使用時には、電力が1つ以上の電線を通って流れ、それによって1つ以上の電線の温度を上昇させる。1つ以上の電線の温度の上昇は、1つ以上の電線の熱膨張をもたらす。1つ以上の電線の熱膨張は、各電線のサービスループによって吸収されるであろう。これによって、1つ以上の電線の熱膨張に起因して荷電粒子源配置に力が印加されることが防止される。
【0015】
また、電源接続アセンブリに印加される力の(小さな)一部が電源接続アセンブリを介して荷電粒子源配置の方に伝達される場合、力は電線のサービスループによって吸収される。これによって、荷電粒子源配置に力が印加されることが防止される。
【0016】
一実施形態においては、枠は、フレクシャ接続(flexure connections)によって第2の枠部に接続された据付部材を備えており、ここで好適には、第2の枠部は据付板を備え、フレクシャ接続の各々は据付板の外周に設けられた接続リップを備え、各接続リップは据付板と接続リップとの間にスリットを定義する。据付部材は、荷電粒子源モジュールを露光システム又は露光システムの荷電粒子光学配置に据え付けることを意図されている。動作時には、荷電粒子源配置は、第2の枠部に向けられる荷電粒子ビームを生成及び放出する。荷電粒子ビームの一部又は若干の(a number of some)荷電粒子は、直接的又は間接的に第2の枠部に衝突するかもしれず、その結果、第2の枠部の温度の上昇がもたらされる。温度の上昇に起因して、第2の枠部は、荷電粒子源モジュールの長手方向中心軸に対して実質的に半径方向で変形し得る。接続リップを備えたフレクシャ接続ならびにスリットは、第2の枠部が荷電粒子源モジュールの長手方向中心軸に対して実質的に半径方向で変形することを可能にし、その一方で、据付部材は所定の位置に留まり、荷電粒子源モジュールは、好適には荷電粒子源モジュールの長手軸を横切る方向で、露光システムに対して又は荷電粒子光学配置と位置合わせされたままである。
【0017】
また、フレクシャ接続によって第2の枠部に接続された据付部材は、荷電粒子源モジュールを完全に平坦ではない表面に据え付ける可能性を提供する。フレクシャ接続内の据付部材によって、例えば荷電粒子光学配置に対する荷電粒子源モジュールの適当な当接が確立される。
【0018】
一実施形態においては、第1の枠部、第2の枠部、及び/又は1つ以上の剛性支持部材は、非鉄材料で作られる。非鉄材料は非磁性の特性を含み、これは、磁性でなく且つ着磁性でないものとして理解されなければならない。この実施形態の利点は、荷電粒子源配置によって生成された荷電粒子ビーム中の荷電粒子が、枠又はその構成要素による影響を受けないということである。
【0019】
一実施形態においては、電源接続アセンブリは第1の枠部に剛的に接続され、荷電粒子源配置は第2の枠部に剛的に接続される。電源接続アセンブリが第1の枠部に剛的に接続されると、電源接続アセンブリに印加された力が第1の枠部内に導かれるときに、枠の長手軸を中心として回転し及び/又はこの長手軸に対して傾斜するなど、第1の枠部と電源接続アセンブリとが互いに対して移動することが防止される。そのような移動は、例えば荷電粒子源配置又は荷電粒子源配置と電源接続アセンブリとの間の電気配線にとって有害であり得る。実質的に同一の理由により、荷電粒子源配置は、第2の枠部に剛的に接続される。
【0020】
一実施形態においては、電源接続アセンブリは枠の第1の枠部に配置された非導電性の接続板を備えており、ここで、電源接続アセンブリは1つ以上のコネクタを備えている。非導電性の接続板をコネクタと組み合わせて用いることによって、電源接続アセンブリは、外部電源が電源接続アセンブリに接続されて荷電粒子源配置に電気エネルギを提供することを可能にし、その一方で、電気エネルギが枠に印加されることは防止される。
【0021】
一実施形態においては、1つ以上のコネクタは、非導電性の接続板を通って、枠の支持部材に実質的に平行な方向に延びる。コネクタが剛性支持部材に実質的に平行又は平行に延びることによって、例えばコネクタへの外部電源の接続の際にコネクタに印加される力は、容易に支持部材内の方へ導かれるであろう。なぜなら、印加される力は、印加される方向と実質的に同じ方向で継続するからである。したがって、荷電粒子源配置に印加されている力に対する危険性は、低減され、又は理想的な場合には排除される。
【0022】
一実施形態においては、第1の枠部は2つの実質的に平行な板を備えており、電源接続アセンブリは固定され、好適には2つの板の間に挟まれる。支持部材に平行な方向での電源接続アセンブリの移動は、荷電粒子源配置又は荷電粒子源配置と電源接続アセンブリとの間の電気配線に有害な力を加えるであろう。そのような有害な力は、荷電粒子源配置及び/又はその電気配線を、悪影響を与えるように歪ませる。電源接続アセンブリを2つの板の間に挟むことによって、電源接続アセンブリに力が加えられたときに、電源接続アセンブリが支持部材に実質的に平行な方向に沿って移動すること、又は電源接続アセンブリを通って支持部材に実質的に垂直な方向に延びる回転軸を中心として回転することが防止される。
【0023】
一実施形態においては、荷電粒子源配置は、荷電粒子を放出するように構成されたエミッタ配置と、エミッタ配置によって放出された荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する電極とを備えており、好適には、荷電粒子源配置はエミッタ配置によって放出された荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する2つ以上の電極を備えており、2つ以上の電極のうち最も下流の電極は好適には枠の第2の枠部に配置されており、最も下流の電極及び第2の枠部は好適には単一の部品として形成されている。エミッタ配置によって生成及び放出された荷電粒子ビームを整形するため、及び荷電粒子源配置を枠の第2の枠部に固定するために、最も下流の電極を用いることによって、荷電粒子源モジュールの部品の数は、最小に維持され得る。
【0024】
一実施形態においては、エミッタ配置及び電極は、エミッタ配置及び電極によって定義される光軸に実質的に平行に配向された1つ以上の非導電性のサポートに接続され、ここで、1つ以上のサポートの各々は、エミッタ配置の外周及び電極の外周と接続され、1つ以上のサポートはエミッタ配置及び電極の互いに対する配向及び/又は位置を維持し、好適には、エミッタ配置と電極とのうち少なくとも一方がフレクシャ接続によって1つ以上のサポートと接続される。サポートは、電極及びエミッタ配置の互いに対する配向及び/又は位置を維持するために提供される。動作時には、エミッタ配置は、電極によって整形される荷電粒子ビームを生成及び放出する。エミッタ配置からの荷電粒子ビームの一部又は個々の荷電粒子のうち若干は、電極に衝突し得る。これは、電極の温度の上昇につながる。電極の温度の上昇は、電極の変形、特に膨張をもたらし得る。電極はサポートに接続されているので、そのような変形は、フレクシャ接続を備えていない場合、電極の屈曲及び/又は反りにつながり、それによって電極とエミッタ配置との間に形成される電界が歪められる。フレクシャ接続は、電極が荷電粒子源配置の長手方向中心軸に対して半径方向で実質的に変形することを可能にし、その一方で、サポートは荷電粒子源配置の位置を維持し、電極の反り及び/又は屈曲は防止される。また、電極は、その(意図される)荷電粒子光学機能を維持する。
【0025】
一実施形態においては、電極は複数提供される。各電極に設けられたフレクシャ接続によって、相互の配向及び/又は位置が維持され得る。これによって、荷電粒子光学機能、例えばレンズ機能が維持される。
【0026】
一実施形態においては、エミッタ配置と電極とのうち少なくとも一方は1つ以上のサポートに剛的に接続され、好適には、最も下流の電極は1つ以上のサポートに剛的に接続される。最も下流の電極は、第2の枠部に配置され、動作時には露光システム又はその荷電粒子光学配置に接続され得る。最も下流の電極に衝突しこの電極によって吸収される荷電粒子によって導入される熱エネルギは、第2の枠部及び/又は露光システム若しくはその荷電粒子光学配置の方に導かれる。任意選択的には、荷電粒子光学配置は積極的に冷却される。したがって、最も下流の電極に衝突する荷電粒子に起因する最も下流の電極の温度の上昇は、打ち消される。
【0027】
一実施形態においては、エミッタ配置及び電極は板状の電極体を備えており、フレクシャ接続は板状の電極体の外周に設けられた接続リップを備え、接続リップは接続リップと板状の電極体との間にスリットを定義する。先に説明したように、電極に衝突する荷電粒子に起因して、電極の温度は上昇し、これは、電極の、枠の長手方向中心軸に対して半径方向外側への熱膨張につながり得る。電極のそのような熱膨張は、接続リップと接続リップによって定義されるスリットとを備えたフレクシャ接続によって可能になる。スリットの内端は、円形の内側形状を備えているか、又は円形の形状を有する穴として設けられていてもよく、その半径は、スリットによって形成されるリップと電極との間の距離よりも大きい。いくつかの実施形態においては、スリットは更に屈曲を備える。この屈曲もまた、円形の内側形状を備えていてもよい。円形の内側形状は、半径方向で起こる熱膨張に寄与し得る。
【0028】
一実施形態においては、電源接続アセンブリが枠の第1の枠部に配置された非導電性の接続板を備えており、電源接続アセンブリが1つ以上のコネクタを備えているとき、電気配線は、電極に周状に接続されるとともに1つ以上のコネクタに接続され、電気配線は、前記枠の前記支持部材に実質的に平行な方向に延びる。したがって、電気配線は、電極の周辺部から各コネクタへと直接的に、特に直線状に、延びている。非導電性の接続板におけるコネクタの位置は、実質的に、下にある電極の周辺部によって決定されるので、コネクタは互いに離隔して設置され得る。この実施形態の利点は、コネクタが、コネクタ間の相互の電気的接触が防止されるように、互いに安全な距離を置いて提供され得るということである。
【0029】
一実施形態においては、電気配線は可撓性の電気配線である。本特許出願の文脈においては、「可撓性」という用語は、曲がったり曲げられたりすることができるが依然として確たる剛性を有するものとして理解されなければならない。力が電源接続アセンブリに印加され、力の一部が可撓性の電気配線内に伝達される場合、この伝達される力は、電気配線により、少なくとも部分的にはその電気配線の可撓性によって、吸収されるであろう。力の少なくとも一部を吸収する可撓性の電気配線によって、伝達される力が荷電粒子源配置の個々の構成要素に作用することが防止される。その結果、荷電粒子源配置の個々の構成要素の互いに対する位置合わせ及び相対位置が維持される。
【0030】
一実施形態においては、第1の枠部が第1の剛性枠部であり、第2の枠部が第2の剛性枠部であり、1つ以上の剛性支持部材が第1の枠部及び第2の枠部に剛的に接続されているとき、可撓性の電気配線は、サービスループを有する1つ以上の線を備える。
【0031】
第3の態様によれば、本発明は、表面又はターゲットに向かって荷電粒子ビームを放出する露光システムを提供し、この露光システムは、
本発明の第1の態様又は本発明の第2の態様による、荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールと、
荷電粒子源モジュールによって生成及び放出された荷電粒子ビームを受け取って、荷電粒子ビームを表面又はターゲットの方に向けるように構成された、荷電粒子光学配置と、
を備えており、
枠の第2の枠部は荷電粒子光学配置に配置されている。
【0032】
電源接続アセンブリは第1の枠部に配置されており、第2の枠部は荷電粒子光学配置に配置されているので、例えば外部電源を電源接続アセンブリに接続する際に電源接続アセンブリに印加される力は第1の枠部内へと導かれるであろう。第1の枠部内に導かれた力は、第1の枠部から剛性支持部材及び第2の枠部を介して荷電粒子光学配置へと伝達され、荷電粒子光学配置によって吸収されるであろう。これによって力が荷電粒子源配置に作用することが防止され、それによって歪み緩和配置が提供される。電源接続アセンブリを備えた枠は、電源接続アセンブリと第2の枠部との間、特に電源接続アセンブリと露光ツールの荷電粒子光学配置との間に、力経路を提供する。
【0033】
一実施形態においては、荷電粒子光学配置はコリメータを備えており、荷電粒子源モジュールはコリメータに配置される。
【0034】
露光ツールの動作時には、荷電粒子源配置に由来する荷電粒子が、生成された荷電粒子ビームから外れ、荷電粒子源配置又は枠の一部に衝突し得る。そのような外れた荷電粒子の運動エネルギは、荷電粒子源配置又は枠の一部によって吸収され、最終的にはその温度の上昇をもたらす。荷電粒子源配置が配置されている第2の枠部を荷電粒子光学配置に配置することにより、第2の枠部又は第2の枠部に配置された荷電粒子源配置の一部によって吸収された熱エネルギは、荷電粒子光学配置内に向かって伝達されるであろう。これによって、第2の枠部又は荷電粒子源配置の一部の温度が上昇又は有意に上昇することが防止される。任意選択的には、荷電粒子光学配置又は荷電粒子源モジュールが配置される荷電粒子光学配置の一部は、積極的に冷却されてもよい。
【0035】
一実施形態においては、露光システムは、リソグラフィシステム、検査システム、又は顕微鏡システムを含む一群から選択される。
【0036】
第4の態様によれば、本発明は、荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置を提供し、この荷電粒子源配置は、
荷電粒子を放出するように構成されたエミッタ配置と、
エミッタ配置によって放出された荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する電極と、
エミッタ配置及び電極によって定義される光軸に実質的に平行に配向された1つ以上の非導電性のサポートであって、1つ以上のサポートの各々はエミッタ配置の外周及び電極の外周と接続されており、1つ以上のサポートはエミッタ配置及び電極の互いに対する配向及び/又は位置を維持する、サポートと、
を備えており、
電極は、フレクシャ接続によって1つ以上のサポートと接続されており、
電極及び/又はエミッタ配置は、電気配線の接続のために1つ以上の電線接続を備えており、
1つ以上の電線接続のうち少なくとも1つは、フレクシャ接続に配置されている。
【0037】
サポートは、電極及びエミッタ配置の互いに対する配向及び/又は位置を維持するために、エミッタ配置及び電極をサポートの間に維持するように配置される。動作時には、エミッタ配置は、電極によって荷電粒子ビームに形成される電子などの荷電粒子を生成及び放出する。エミッタ配置からの荷電粒子ビーム又は荷電粒子の一部は電極に衝突し得る。これは、電極の温度の上昇につながる。電極の温度の上昇は、電極の変形、特に膨張をもたらし得る。電極はサポートの間に位置決めされているので、フレクシャ接続がないと、こうした変形は電極の屈曲及び/又は反りにつながることになり、それによってエミッタ配置に対する電極の配向及び/又は位置が変化する。変化した配向及び/又は位置は、エミッタ配置と電極との間に形成される電界を歪ませる。フレクシャ接続は、電極が荷電粒子源配置の長手方向中心軸に対して半径方向で実質的に変形することを可能にし、その一方で、荷電粒子源配置の長手方向に平行な方向での電極の反り及び/又は屈曲を防止する。
【0038】
さらに、実用においては、荷電粒子源配置を外部電源に接続するために用いられる電線が、例えば電極の主面を横切る方向に延びている。電線が温度上昇によって膨張する場合、膨張力は電極に作用し、これは、エミッタ配置に対する電極の位置合わせを乱すことになり得る。電線をフレクシャ接続に接続することによって、フレクシャ接続は、膨張力を吸収するとともにこれらの力をサポート内へと導くであろう。
【0039】
なお、荷電粒子源配置は電子ビームを生成するために配置されてもよく、ここで、エミッタ配置は電子を放出するように適合されており、それらの電子から電子ビームが形成される。
【0040】
一実施形態においては、1つ以上の電線接続は、フレクシャ接続の、サポートに対してフレクシャ接続の位置及び/又は配向が実質的に固定される部分に位置している。更なる一実施形態においては、1つ以上の電線接続のうち少なくとも1つは、少なくとも1つのフレクシャ接続の接続リップの先端に配置されており、この先端は接続リップの自由端である。電線接続をサポートの付近/サポートに配置することは、電極の位置合わせを維持するのに寄与する。また、電線接続を先端に配置することによって、電線の膨張によって引き起こされ電極に作用する膨張力の危険性が更に低減され、又は理想的な場合には防止される。
【0041】
一実施形態においては、電極は、ビーム開口を備えた板状の電極体を備えており、このビーム開口は光軸に対してセンタリングされる。更なる一実施形態においては、フレクシャ接続は板状の電極体の外周に設けられた接続リップを備え、接続リップは接続リップと板状の電極体との間にスリットを定義する。電極に1つ以上のフレクシャ接続が設けられていない場合には、電極に衝突する荷電粒子に起因して、電極の温度上昇が、荷電粒子源配置の長手方向中心軸に対して半径方向外側への電極の熱膨張をもたらし得る。電極のそのような熱膨張は、接続リップ及び接続リップによって定義されるスリットを備えた1つ以上のフレクシャ接続によって可能になり、その一方で、サポートは定位置に留まり、電極は反り及び/又は屈曲を防止される。これによって、電極の(意図される)配向及び/又は位置ならびに荷電粒子光学機能は維持される。スリットの内端は、円形の内側形状を備えているか、又は円形の形状を有する穴として設けられていてもよく、その半径は、スリットによって形成されるリップと電極との間の距離よりも大きい。いくつかの実施形態においては、スリットは更に屈曲を備える。この屈曲もまた、円形の内側形状を備えていてもよい。円形の内側形状は、半径方向で起こる熱膨張に寄与し得る。
【0042】
一実施形態においては、電極は複数提供される。各電極に設けられたフレクシャ接続によって、相互の配向及び/又は位置が維持され得る。これによって、荷電粒子光学機能、例えばレンズ機能が維持される。
【0043】
一実施形態においては、荷電粒子源配置は、エミッタ配置によって放出された荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する2つ以上の電極を備えており、2つ以上の電極のうち少なくとも1つは1つ以上のサポートに剛的に接続されており、好適には2つ以上の電極のうち最も下流の電極が1つ以上のサポートに剛的に接続されている。荷電粒子源配置の使用時には、最も下流の電極は、露光システムの荷電粒子光学配置に配置される可能性が高い。配置により、最も下流の電極によって吸収された熱エネルギは荷電粒子光学配置内に向かって伝達され、それによって、最も下流の電極の温度上昇が最小化又は防止される。
【0044】
一実施形態においては、エミッタ配置は荷電粒子を放出するカソードを備えており、カソードは、フレクシャ接続によって1つ以上のサポートに接続されたカソード搬送要素内に収容される。更なる一実施形態においては、カソード搬送要素は、カソードの少なくとも一部を収容するカソード開口を備えた板状の搬送体を備えており、好適には、フレクシャ接続は、板状の搬送体の外周に設けられた接続リップを備え、接続リップは接続リップと板状の搬送体との間にスリットを定義する。荷電粒子源配置の動作中、荷電粒子源配置及び/又はカソード搬送要素の温度は上昇し得る。これは、板状の搬送要素の半径方向での変形、特に膨張につながり得る。フレクシャ接続は、電極に関連して上記で説明したように、カソード搬送要素が荷電粒子源配置の長手方向で屈曲し及び/又は反るのを防止する。
【0045】
一実施形態においては、荷電粒子源配置は、第1の枠部と、第2の枠部と、第1の枠部と第2の枠部との間に配置された1つ以上の剛性支持部材と、第1の枠部に配置された電源接続アセンブリとを備えており、荷電粒子源配置は、第2の枠部に配置されるとともに、電気配線を介して接続アセンブリに電気的に接続されている。電源接続アセンブリへの外部電源の接続時には、電源接続アセンブリに力が加えられる。第1の枠部に電源接続アセンブリを配置することによって、力は第1の枠部内に導かれる。第1の枠部内に導かれた力は、第1の枠部から剛性支持部材を介して第2の枠部へと伝達され、それによって、力が荷電粒子源配置に作用することが防止されるとともに、歪み緩和配置が提供される。
【0046】
第5の態様によれば、本発明は、本発明の第1又は第2の態様による荷電粒子源モジュールを提供し、ここで、荷電粒子源配置は本発明の第4の態様による荷電粒子源配置である。
【0047】
第6の態様によれば、本発明は、本発明の第1又は第2の態様による荷電粒子源モジュールによって、あるいは本発明の第4の態様による荷電粒子源配置によって、半導体デバイスを製造する方法を提供する。この方法は、
荷電粒子源モジュール又は荷電粒子源配置の下流にウェーハを設置するステップと、
荷電粒子源モジュール又は荷電粒子源配置によって生成及び放出された荷電粒子ビームによってウェーハ上に画像又はパターンを投影することを含む、ウェーハを処理するステップと、
処理されたウェーハによって半導体デバイスを生成するために後続のステップを実施するステップと、
を備える。
【0048】
処理されたウェーハから半導体デバイスを製造する後続のステップは、半導体デバイス製造の技術分野において公知である。例えば、後続のステップのいくつかは、出願人の米国特許出願公開第2014/0176920号明細書に記載されている。
【0049】
第7の態様によれば、本発明は、本発明の第1又は第2の態様による荷電粒子源モジュールによって、あるいは本発明の第4の態様による荷電粒子源配置によって、ターゲットを検査する方法を提供する。この方法は、
荷電粒子源モジュール又は荷電粒子源配置の下流にターゲットを位置決めするステップと、
荷電粒子源モジュール又は荷電粒子源配置によって生成及び放出された荷電粒子ビームをターゲットの方に向けるステップと、
ターゲットの方に向けられた荷電粒子ビームに応答してターゲットによって伝達され、放出され、及び/又は反射された荷電粒子を検出するステップと、
荷電粒子を検出するステップからのデータによってターゲットを検査するために後続のステップを実施するステップと、
を備える。
【0050】
本明細書に記載され示された様々な態様及び特徴は、それぞれ、可能な限り適用され得る。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載された態様及び特徴は、分割特許出願の主題にされることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
添付の図面に示される例示的な実施形態に基づいて本発明を説明する。
【0052】
【
図1】荷電粒子源モジュールを備える露光装置の一例を概略的に示す。
【
図2A】エミッタ配置及び電極を有する荷電粒子源配置の等角図を示す。
【
図3B】
図3Aの荷電粒子源モジュールの、線IIIBに沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、荷電粒子源モジュール102を備える露光システム100の一例を概略的に示す。露光装置100はハウジング101を備えており、このハウジングの内部には、荷電粒子源モジュール102が、第1の剛性枠部103、第2の剛性枠部104、及び第1の枠部103と第2の枠部104との間に配置されこれらに剛的に接続された剛性バー105と共に、設置されている。荷電粒子モジュール102は、第1の枠部103に電源接続アセンブリを備えるとともに、第2の枠部104に配置され可撓性の電線107を介して電源接続アセンブリに電気的に接続された荷電粒子源配置106を備える。荷電粒子源配置モジュール102は、磁気又は静電コリメータのような荷電粒子光学配置108に配置されている。荷電粒子光学配置108は、荷電粒子源モジュールから受け取った荷電粒子ビームを、光軸OAに沿ってターゲット109の方に向けるように適合されている。荷電粒子源モジュール102、荷電粒子光学配置108及びターゲット109は、露光システム100の真空部110内に設置される。露光システム100は、リソグラフィシステム、検査システム又は顕微鏡システムのうちの1つであってもよい。露光システム100は
図1においては概略的に示されており、言及された公知のシステムの各々の構造詳細は関連する技術分野において既知である。
【0054】
例えば、露光システム100がリソグラフィシステムであるときには、このリソグラフィシステムは更に、荷電粒子源モジュール102からの荷電粒子ビームをコリメートするコリメータと、個々のビームレットを生成するアパーチャアレイと、各々が個々のビームレットを偏向させるように配置された複数の偏向器を備える偏向器アレイ(ビームブランカアレイ)とを特に備えていてもよい。また、露光システム100は、個々それぞれのビームレットにつき1つのアパーチャが設けられたアパーチャのアレイを備えるビーム絞りアレイと、荷電粒子ビームレットをターゲット109上に合焦させるレンズのアレイを備えるレンズアレイとを備えていてもよい。このリソグラフィシステムの部品の配置は、関連する技術分野において公知である。リソグラフィシステムの一例は、例えば、出願人の国際公開第2009/127659号に示されている。
【0055】
例えば、露光システム100が電子顕微鏡システムであるときには、この顕微鏡システムは更に、荷電粒子源モジュール102からの電子ビームをいくつかの電子レンズの方に向けるように配置された光学系を備えていてもよい。これらの電子レンズは、電子ビームをターゲット109の表面上に合焦させるように配置されている。露光システム100には、ターゲット109の表面全体にわたって電子ビームを走査する1つ以上の偏向器が設けられていてもよい。露光システム100には、ターゲット109からの散乱電子、二次電子、及び/又は生成した光を検出することのできるセンサが設けられていてもよい。
【0056】
図2Aは、
図1の荷電粒子源配置106に対応し得る荷電粒子源配置1の一例を示す。荷電粒子源配置1は、ウェーハなどの表面又はターゲットに向かって放出方向で荷電粒子を放出するために設けられたエミッタ配置2を備える。荷電粒子源配置1は、前述したエミッタ配置2の下流に、整形電極としても知られる複数の電極10~14を備えている。これらの電極11~14は、エミッタ配置2によって放出された荷電粒子を抽出して、荷電粒子を荷電粒子のビームに形成するように構成されている。エミッタ配置2及び電極11~14は、エミッタ配置2及び電極11~14を互いに対して所望の位置及び配向に維持するように構成されたサポート、例えばガラス棒4に接続されるとともにその間に保持されている。サポートの各々は、エミッタ配置2及び電極11~14の各々に接続されている。エミッタ配置2及び電極11~14は、サービスループ6を備える電線5を介して、図示しない外部電源に接続されていてもよい。これらのサービスループは、
図2Aに図示されるように、電線の延伸に対して実質的に垂直に延びるUベンドとして設けられてもよい。
図2Aには、すべての電線が示されているのではない。しかしながら、各電極に少なくとも1つの電線が接続されることは理解される。
【0057】
代替的には、サービスループは、電線を360°一回転させて形成される全ループとして提供されてもよい。なお、Uベンドとして整形されたサービスループは、全ループとして整形されたサービスループと比較して、変形に要するエネルギが少ない。
【0058】
図2Aに図示されるように、エミッタ配置2はエミッタ本体15を備えている。エミッタ本体15には第1のフィラメント接続16及び第2のフィラメント接続17が接続されており、その第1及び第2のフィラメント接続16及び17の両方が、エミッタ配置2を外部電源に接続するために、電線5に接続される。
図2Aに図示されるように、エミッタ配置2は、エミッタ配置2から放出された電子ビームのような荷電粒子ビームを少なくとも通過させるエミッタ開口を含む板状の搬送体10に取り付けられた搬送要素18を備えている。板状の搬送体10には、板状の搬送体19を図示しない外部電源に接続する電線21が設けられている。したがって、板状の搬送体10は、電極であると考えられてもよい。
【0059】
エミッタ配置2は、荷電粒子ビームを放出する単一のカソード、例えばフィラメントによって加熱される熱カソード、又は別のカソードによって加熱される熱カソードのタンデム配置を備えていてもよい。タンデム配置を備えたエミッタ配置2の構成及び作用の詳細な説明に関しては、出願人の国際公開第2015/101538号を参照のこと。同明細書はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。なお、他の種類のエミッタ配置が可能である。
【0060】
図2A及び2Bに示されるように、電極11~14及び板状の搬送体10の各々は板状の電極体60を備えている。ここで、板状の電極体60の各々は、荷電粒子ビームBを通過させるビーム開口61を備える。電極11~14の各々の後続のビーム開口61の各々の直径は、荷電粒子源配置1の、光軸とも称される長手方向Lに平行な下流方向で、後続のビーム開口61毎に増大する。したがって、荷電粒子源配置1によって分散荷電粒子ビームを生成及び放出することが可能である。
【0061】
最も下流の電極14の上流且つエミッタ配置2の下流に設置された電極11~13は、電極11~13の各々を図示しない外部電源に電気的に接続する1つ又は2つの電気接続要素62を備えている。
図2Bは1つの電極11しか示していないが、残りの電極12~13は、図示される電極10と電気接続要素62の位置が異なっている。各電極11~13の1つ又は2つの接続要素62は、2つの電線が電極11~13の各々に接続されるように構成されている。
【0062】
図2Bに図示されるように、電極体60の周囲にはフレクシャ接続65が設けられており、このフレクシャ接続65は、電極11~13及び搬送体10をガラス棒4に接続するために設けられている。フレクシャ接続65の各々は、電極体60の外周に、その半径方向にいくらか突出し且つ周方向に延在するように設けられた、接続リップ66を備えている。接続リップ66は、電極体60の外周全体にわたって均等に分布している。接続リップ66の各々は第1リップ部67と第2リップ部68とを有しており、第1リップ部67は、一端では電極体60に、他端では第2リップ部68に接続されている。接続リップ66の各々は、接続リップ66と電極体60の外周との間にスリット69を定義している。
図2Bに見られるように、スリット69の内端69aは円形の内側形状を有する。図示する実施形態のようにスリット69が曲折69bを備える場合には、この曲折もまた、円形の内側形状を備える。円形の内側形状は、半径方向で起こる熱膨張を吸収するのに寄与するであろう。各接続リップ66の第2リップ部68は、フレクシャ接続65をガラス棒4に剛的に接続するべくガラス棒4のうち1つに巻き取られる接続要素70を備えており、それによって、電極11~13及び搬送体10が温度の上昇によって半径方向に拡張することが可能となり、その一方で熱膨張はスリット69によって吸収される。図示される実施形態においては、最も下流の電極14には、そのようなフレクシャ接続65はない。
図2Aに示されるように、電気接続要素62は、電極11~13のうち1つ以上のフレクシャ接続65の1つに設けられてもよい。
【0063】
最も下流の電極14は更に、電極11~13の接続要素70に類似の、図示しない接続要素を備えている。この接続要素は、最も下流の電極14をガラス棒4に剛的に接続するために、最も下流の電極14の電極体60から半径方向外側に延びている。
図2Aに示されるように、最も下流の電極14の電極体60は、開口64を設けられた、半径方向外側に延びる板状の接続突出部63を備えている。板状の接続突出部63は、荷電粒子源配置1を、図示しない露光システム又はその荷電粒子光学配置に対して、形態拘束(form closure)によって接続及び/又は位置決めするために用いられ得る。
【0064】
図2Aに示されるように、ガラス棒4は、長手方向に平行な方向で、最も下流の電極14を越えて延びているので、ガラス棒4の下端部は、荷電粒子源配置1を、露光システム又は荷電粒子源配置1が配置され得る露光システムの荷電粒子光学配置に対して位置合わせするのに寄与することができる。
【0065】
図3Aは、
図1の荷電粒子源モジュール102に対応し得る荷電粒子源モジュール200の一例を示す。荷電粒子源モジュール200は、第1の枠部201と、第2の枠部202と、第1の枠部201と第2の枠部202との間に配置された剛性バー203の形をとる剛性支持部材とを有する枠を備えている。枠の様々な部品は、チタンを含有する材料など、非磁性材料又は非鉄材料で作られてもよい。荷電粒子源モジュール200は更に、第2の枠部202に配置された、電線206を備える荷電粒子源配置204を備えている。荷電粒子源モジュール200を説明するために、荷電粒子源配置204は上記で説明した荷電粒子源配置1に対応するものとする。荷電粒子源モジュール200は更に電源接続アセンブリ207を備えており、荷電粒子源配置204は電線206を介して電源接続アセンブリ207に電気的に接続されている。
【0066】
図3A及び3Bに図示されるように、電源接続アセンブリ207は、第1の枠部201に配置された非導電性の円形支持板208を備えている。支持板208は、例えばMacor(登録商標)というマシナブルガラスセラミックスから製造され得る。支持板208は固定凹部209を有しており、これらの固定凹部は、支持板208の上面及び下面に設けられ、支持板208を第1の枠部201に配置することを意図されている。固定凹部209は、支持板208の外周に設けられ、その周方向に均等に分布している。電源接続アセンブリ207は更に、電線206を図示しない外部電源に電気的に接続するための電気コネクタ210を備えており、これらの電気コネクタ210は、支持板208を通って、剛性バー203に実質的に平行な方向に延びている。
図3Bに最もよく示されているように、電気コネクタ210は支持板208のコネクタ開口211内に収容されており、それによって、コネクタ開口211の各々の内縁と各コネクタ開口211内に収容された電気コネクタ210との間には、シール、とりわけガラスシール212が提供される。
【0067】
図3Bに概略的に示されるように、電源接続アセンブリ207の電気コネクタ210のうち1つ以上に対して力F1が加えられると、これによって平面V上に力が加えられ、第1の枠部201を通じて剛性バー203に力F2が印加される。力F1,F2は、力経路F3によって概略的に示されているように、剛性バー203内に向かって導かれる。力は、剛性バー203を介して第2の枠部202内に向かって導かれ、第2の枠部を介して、例えば露光システム又は荷電粒子源モジュール200が配置され得る露光システムの荷電粒子光学配置へと伝達されるであろう。これによって、歪み緩和配置が達成される。
【0068】
第1の枠部201は、
図3A及び3Bに示されるように、例えばチタンを含有する材料などの非鉄材料で作られた2つの実質的に平行な環状板220,221を備えている。環状板220,221の各々は、内周に、半径方向内側に延びる固定突起223を有しており、これらは環状板220,221の内周の全体にわたって均等に分布している。固定突起223は、支持板208を間に挟むように設けられている。挟まれた構成においては、下環状板220の固定突起223が支持板208の下面の固定凹部209内に収容され、上環状板220の固定突起223が支持板208の上面の固定凹部209内に収容される。
【0069】
環状板220,221は、環状板220,221が互いに接続された状態になるように、剛性バー203の上端部に設けられた取付ねじ若しくはボルト227及び/又は先細部(rejuvenations)を収容するように適合された取付アパーチャを備える。
図3Bに図示されるように、上及び下環状板220,221の間にはスペーサ229が提供され、これらのスペーサ229は、剛性バー203の上端部に設けられた取付ねじ若しくはボルト227及び/又は先細部を収容するように適合されている。スペーサ229の厚さは、支持板208の厚さよりもわずかに小さい。
【0070】
図3Aに図示されるように、第2の枠部202は環状据付板240を備えており、この据付板は、例えば、チタンを含有する材料など、非鉄材料で作られている。環状据付板240は、内周に、半径方向内側に延びる板状の接続突出部242を備えている。板状の接続突出部242にはアパーチャ243が設けられており、これらのアパーチャは、例えばピン又は別の固定手段を収容するように構成されていてもよい。
図3Bに図示されるように、電極14の板状の接続突出部63の上面は、第2の枠部202の板状の接続突出部242の下面に接続されており、これによって電極14は第2の枠部202と露光ツール又はその荷電粒子光学配置との間に配置されている。荷電粒子源配置204の縦軸は、好適には、枠の縦軸と一致する。これによって、荷電粒子源モジュール200を露光システム又はその荷電粒子光学配置に配置する際に、荷電粒子源配置204の、縦軸に実質的に垂直な平面内での位置決めが行われる。
【0071】
なお、別の一実施形態においては、最も下流の電極14と環状据付板240とが単一の部品として形成されてもよい。
【0072】
環状据付板240は、荷電粒子源モジュール200を露光システム又はその荷電粒子光学系に固定するための固定ねじ又はボルト246を収容するように構成された固定アパーチャ245を含む据付部材を備えている。固定アパーチャ245の各々は、フレクシャ接続の接続リップ244内に配置されている。接続リップ244の各々は、環状据付板240の外周の付近に設けられ、その周方向に延在している。接続リップ244は、環状据付板240の外周全体にわたって均等に分布している。接続リップ244の各々は、接続リップ244と環状据付板240の残りの部分との間にスリット247を定義している。これによって、荷電粒子源モジュール200を露光システム又はその荷電粒子光学配置に配置する際に、荷電粒子源モジュール200の傾斜が防止される。
【0073】
なお、第1の枠部201の取付アパーチャ224は、固定ボルト又はねじ246が取付アパーチャ224を介してツールによってアクセス可能となるように、固定アパーチャ245及びそこに収容される固定ボルト又はねじ246と一直線になるように設けられる。
【0074】
また、剛性バー203は、例えば溶接によって、第2の枠部202、特にその環状据付板240に剛的に接続される。
【0075】
上記の説明は、好適な実施形態の動作を説明するために含まれるものであって、本発明の範囲を限定することを意図してはいないことが理解されなければならない。上記の議論から、当業者には、本発明の範囲に更に包含されるであろう多くのバリエーションが明らかであろう。
[条項1]
荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールであって、
第1の剛性枠部と、第2の剛性枠部と、前記第1の枠部と前記第2の枠部との間に配置されこれらに剛的に接続された1つ以上の剛性支持部材とを含む枠と、
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置であって前記第2の枠部に配置された荷電粒子源配置と、
前記第1の枠部に配置された電源接続アセンブリと、
を備えており、
前記荷電粒子源配置は電気配線を介して前記電源接続アセンブリに電気的に接続されている、荷電粒子源モジュール。
[条項2]
荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールであって、
第1の枠部と、第2の枠部と、前記第1の枠部と前記第2の枠部との間に配置された1つ以上の剛性支持部材とを含む枠と、
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置であって前記第2の枠部に配置された荷電粒子源配置と、
前記第1の枠部に配置された電源接続アセンブリと、
を備えており、
前記荷電粒子源配置は電気配線を介して前記電源接続アセンブリに電気的に接続されており、
前記電気配線はサービスループを有する1つ以上の線を備えている、荷電粒子源モジュール。
[条項3]
前記枠はフレクシャ接続によって前記第2の枠部に接続された据付部材を備えており、好適には、前記第2の枠部は据付板を備え、前記フレクシャ接続の各々は前記据付板の外周に設けられた接続リップを備え、各接続リップは前記据付板と前記接続リップとの間にスリットを定義する、条項1又は条項2に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項4]
前記第1の枠部、前記第2の枠部、及び/又は前記1つ以上の剛性支持部材は非鉄材料で作られる、条項1から3のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項5]
前記電源接続アセンブリは前記第1の枠部に剛的に接続され、前記荷電粒子源配置は前記第2の枠部に剛的に接続される、条項1から4のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項6]
前記電源接続アセンブリは前記枠の前記第1の枠部に配置された非導電性の接続板を備えており、前記電源接続アセンブリは1つ以上のコネクタを備えている、条項1から5のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項7]
前記1つ以上のコネクタは、前記非導電性の接続板を通って、前記枠の前記支持部材に実質的に平行な方向に延びる、条項6に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項8]
前記第1の枠部は2つの実質的に平行な板を備えており、前記電源接続アセンブリは固定され、好適には前記2つの板の間に挟まれる、条項6又は条項7に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項9]
前記荷電粒子源配置は、荷電粒子を放出するように構成されたエミッタ配置と、前記エミッタ配置によって放出された前記荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する電極とを備えており、好適には、前記荷電粒子源配置は前記エミッタ配置によって放出された前記荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する2つ以上の電極を備えており、前記2つ以上の電極のうち最も下流の電極は好適には前記枠の前記第2の枠部に配置されており、前記最も下流の電極及び前記第2の枠部は好適には単一の部品として形成されている、条項1から8のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項10]
前記エミッタ配置及び前記電極は、前記エミッタ配置及び前記電極によって定義される光軸に実質的に平行に配向された1つ以上の非導電性のサポートに接続され、前記1つ以上のサポートの各々は、前記エミッタ配置の外周及び前記電極の外周と接続され、前記1つ以上のサポートは前記エミッタ配置及び前記電極の互いに対する配向及び/又は位置を維持し、好適には、前記エミッタ配置と前記電極とのうち少なくとも一方がフレクシャ接続によって前記1つ以上のサポートと接続される、条項9に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項11]
前記エミッタ配置と前記電極とのうち少なくとも一方は前記1つ以上のサポートに剛的に接続され、好適には、前記最も下流の電極は前記1つ以上のサポートに剛的に接続される、条項10に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項12]
前記エミッタ配置及び前記電極は板状の電極体を備えており、前記フレクシャ接続は前記板状の電極体の外周に設けられた接続リップを備え、前記接続リップは前記接続リップと前記板状の電極体との間にスリットを定義する、条項10又は条項11に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項13]
条項6に従属するとき、前記電気配線は、前記電極に周状に接続されるとともに前記1つ以上のコネクタに接続され、前記電気配線は、前記枠の前記支持部材に実質的に平行な方向に延びる、条項9から13のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項14]
前記電気配線は可撓性の電気配線である、条項1から13のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項15]
条項1に従属するとき、前記電気配線はサービスループを有する1つ以上の線を備えている、条項1から14のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項16]
表面又はターゲットに向かって荷電粒子ビームを放出する露光システムであって、
条項1から15のいずれか一項に記載の、荷電粒子ビームを生成及び放出する荷電粒子源モジュールと、
前記荷電粒子源モジュールによって生成及び放出された前記荷電粒子ビームを受け取って、前記荷電粒子ビームを前記表面又は前記ターゲットの方に向けるように構成された、荷電粒子光学配置と、
を備えており、
前記枠の前記第2の枠部は前記荷電粒子光学配置に配置されている、露光システム。
[条項17]
前記荷電粒子光学配置はコリメータを備えており、前記荷電粒子源モジュールは前記コリメータに配置されている、条項16に記載の露光システム。
[条項18]
前記露光システムは、リソグラフィシステム、検査システム、又は顕微鏡システムを含む一群から選択される、条項16又は条項17に記載の露光システム。
[条項19]
荷電粒子ビームを生成する荷電粒子源配置であって、
荷電粒子を放出するように構成されたエミッタ配置と、
前記エミッタ配置によって放出された前記荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する電極と、
前記エミッタ配置及び前記電極によって定義される光軸に実質的に平行に配向された1つ以上の非導電性のサポートであって、前記1つ以上のサポートの各々は前記エミッタ配置の外周及び前記電極の外周と接続されており、前記1つ以上のサポートは前記エミッタ配置及び前記電極の互いに対する配向及び/又は位置を維持する、サポートと、
を備えており、
前記電極は、フレクシャ接続によって前記1つ以上のサポートと接続されており、
前記電極及び/又は前記エミッタ配置は、電気配線の接続のために1つ以上の電線接続を備えており、前記1つ以上の電線接続のうち少なくとも1つは、前記フレクシャ接続に配置されている、荷電粒子源配置。
[条項20]
前記1つ以上の電線接続は、前記フレクシャ接続の、前記サポートに対して前記フレクシャ接続の位置及び/又は配向が実質的に固定される部分に位置している、条項19に記載の荷電粒子源配置。
[条項21]
前記1つ以上の電線接続のうち前記少なくとも1つは、前記フレクシャ接続の前記接続リップの先端に配置されている、条項19又は条項20に記載の荷電粒子源配置。
[条項22]
前記電極は、ビーム開口を備えた板状の電極体を備えており、前記ビーム開口は前記光軸に対してセンタリングされる、条項19から21のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置。
[条項23]
前記フレクシャ接続は前記板状の電極体の外周に設けられた接続リップを備え、前記接続リップは前記接続リップと前記板状の電極体との間にスリットを定義する、条項22に記載の荷電粒子源配置。
[条項24]
前記荷電粒子源配置は、前記エミッタ配置によって放出された前記荷電粒子から荷電粒子ビームを形成する2つ以上の電極を備えており、前記2つ以上の電極のうち少なくとも1つは前記1つ以上のサポートに剛的に接続されており、好適には、前記2つ以上の電極のうち最も下流の電極が前記1つ以上のサポートに剛的に接続されている、条項19から23のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置。
[条項25]
前記エミッタ配置は前記荷電粒子を放出するカソードを備えており、前記カソードは、フレクシャ接続によって前記1つ以上のサポートに接続されたカソード搬送要素内に収容される、条項19から24のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置。
[条項26]
前記カソード搬送要素は、前記カソードの少なくとも一部を収容するカソード開口を備えた板状の搬送体を備えており、好適には、前記フレクシャ接続は前記板状の搬送体の外周に設けられた接続リップを備え、前記接続リップは前記接続リップと前記板状の搬送体との間にスリットを定義する、条項25に記載の荷電粒子源配置。
[条項27]
第1の枠部と、第2の枠部と、前記第1の枠部と前記第2の枠部との間に配置された1つ以上の剛性支持部材とを含む枠と、前記第1の枠部に配置された電源接続アセンブリと、を更に備えており、前記荷電粒子源配置は、前記第2の枠部に配置されるとともに、電気配線を介して前記電源接続アセンブリに電気的に接続されている、条項19から26のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置。
[条項28]
前記荷電粒子源配置は条項19から27のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置である、条項1から15のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール。
[条項29]
条項1から15のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール又は条項19から27のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置によって半導体デバイスを製造する方法であって、
前記荷電粒子源モジュール又は前記荷電粒子源配置の下流にウェーハを設置するステップと、
前記荷電粒子源モジュール又は前記荷電粒子源配置によって生成及び放出された荷電粒子ビームによって前記ウェーハ上に画像又はパターンを投影することを含む、前記ウェーハを処理するステップと、
前記処理されたウェーハによって半導体デバイスを生成するために後続のステップを実施するステップと、
を備える、方法。
[条項30]
条項1から15のいずれか一項に記載の荷電粒子源モジュール又は条項19から27のいずれか一項に記載の荷電粒子源配置によってターゲットを検査する方法であって、
前記荷電粒子源モジュール又は前記荷電粒子源配置の下流に前記ターゲットを位置決めするステップと、
前記荷電粒子源モジュール又は前記荷電粒子源配置によって生成及び放出された荷電粒子ビームを前記ターゲットの方に向けるステップと、
前記ターゲットの方に向けられた前記荷電粒子ビームに応答して前記ターゲットによって伝達され、放出され、及び/又は反射された荷電粒子を検出するステップと、
前記荷電粒子を検出するステップからのデータによって前記ターゲットを検査するために後続のステップを実施するステップと、
を備える、方法。