IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置 図1
  • 特許-画像形成装置 図2
  • 特許-画像形成装置 図3
  • 特許-画像形成装置 図4
  • 特許-画像形成装置 図5
  • 特許-画像形成装置 図6
  • 特許-画像形成装置 図7
  • 特許-画像形成装置 図8
  • 特許-画像形成装置 図9
  • 特許-画像形成装置 図10
  • 特許-画像形成装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-15
(45)【発行日】2022-03-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20220316BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20220316BHJP
【FI】
G03G21/16 133
G03G21/16 176
G03G15/01 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018008970
(22)【出願日】2018-01-23
(65)【公開番号】P2019128413
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【弁理士】
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道治
(72)【発明者】
【氏名】四折 淳
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 秀男
(72)【発明者】
【氏名】小池 寿男
(72)【発明者】
【氏名】菊地 徹平
(72)【発明者】
【氏名】麻生 和宏
(72)【発明者】
【氏名】近藤 慧之輔
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-011775(JP,A)
【文献】特開2007-057703(JP,A)
【文献】実開平03-108276(JP,U)
【文献】特開2012-047806(JP,A)
【文献】特開2013-097246(JP,A)
【文献】特開平02-093551(JP,A)
【文献】特開2017-215415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0175906(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/00-15/01
G03G 15/08
G03G 21/18
B41J 29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に対して着脱可能な着脱部材と、
前記着脱部材を着脱するときに開閉される開閉カバーと、
前記画像形成装置本体に前記着脱部材が装着されて前記開閉カバーが開放された状態で、前記着脱部材が装着されている位置に着脱可能な交換用着脱部材を当該位置とは異なる位置に保持可能に形成された保持部と、
を備え、
前記交換用着脱部材は、前記画像形成装置本体において前記着脱部材が装着されている位置とは別の位置であって前記保持部とは別の位置に着脱可能に設置されていて、
前記着脱部材と前記交換用着脱部材とは、それぞれ、現像剤が搬送されるチューブを介して前記画像形成装置本体に繋がれた状態で、入れ替え可能に構成され、
前記交換用着脱部材が前記保持部に保持された状態であるときに、前記開閉カバーの閉鎖をおこなえないように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記着脱部材と前記交換用着脱部材とは、互いに異なる色の現像剤が用いられることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
画像形成装置本体に対して着脱可能な着脱部材と、
前記着脱部材を着脱するときに開閉される開閉カバーと、
前記画像形成装置本体に前記着脱部材が装着されて前記開閉カバーが開放された状態で、前記着脱部材が装着されている位置に着脱可能な交換用着脱部材を当該位置とは異なる位置に保持可能に形成された保持部と、
を備え、
前記交換用着脱部材は、フック部を具備し、
前記保持部は、前記フック部が嵌合可能な嵌合部を具備し、
前記交換用着脱部材が前記保持部に保持された状態であるときに、前記開閉カバーの閉鎖をおこなえないように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記交換用着脱部材は、前記画像形成装置本体において前記着脱部材が装着されている位置とは別の位置であって前記保持部とは別の位置に着脱可能に設置されていて、
前記着脱部材と前記交換用着脱部材とを入れ替え可能に構成されたことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記交換用着脱部材が前記保持部に保持された状態であるときに、前記画像形成装置本体に対して前記着脱部材の着脱をおこなえるように構成されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記保持部は、前記開閉カバーに設けられたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記保持部は、前記画像形成装置本体の内部に設けられたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記交換用着脱部材が前記保持部に保持された状態で、前記開閉カバーの閉鎖をおこなおうとしたときに、前記保持部に保持された前記交換用着脱部材が前記画像形成装置本体又は前記開閉カバーに干渉して、前記開閉カバーの閉鎖がおこなえず、
前記交換用着脱部材が前記保持部に保持された状態で、前記画像形成装置本体に対して前記着脱部材の着脱をおこなおうとしたときに、前記保持部に保持された前記交換用着脱部材が前記着脱部材に干渉せずに、前記着脱部材の着脱がおこなわれることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置において、プロセスカートリッジ、現像装置、サブホッパなどの着脱部材の配列変更や単純な交換をおこなうために、着脱部材が着脱可能に設置されている位置に、着脱部材に換わって交換用着脱部材を装着する技術が広く知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
詳しくは、特許文献1、2の画像形成装置は、通常のカラー画像を形成するための4色用(YMCB用)の作像部に加えて、白色や透明色などの特殊色用の作像部が並設されている。
そして、特許文献1の画像形成装置は、中間転写ベルトの搬送方向最上流に特殊色(透明色)用の現像装置が配置されて、その下流側に4色用(YMCB用)の現像装置が配置された第1の状態と、中間転写ベルトの搬送方向最下流に特殊色(透明色)用の現像装置が配置されて、その上流側に4色用(YMCB用)の現像装置が配置された第2の状態と、を切り替える変位手段が設置されている。
また、特許文献2の画像形成装置は、通常のカラー画像を形成するための4色(YMCB用)のプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)と、特殊色(白色)用のプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)と、が、記録媒体の搬送方向に沿うように並設されて、記録媒体の表面に直接的に複数色のトナー像を重ねて転写するものであって、4色のプロセスカートリッジと特殊色用のプロセスカートリッジとの配列を変更できるように構成されている。
【0004】
一方、特許文献3には、モノクロの画像形成装置であって、プロセスカートリッジの交換をおこなうときに開閉されるカートリッジドアに、プロセスカートリッジの着脱を案内するガイドを設けるとともに、プロセスカートリッジを仮置きするためのセット面を形成する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の画像形成装置は、プロセスカートリッジ、現像装置などの着脱部材の配列変更や単純な交換をおこなうために、着脱部材が着脱可能に設置されている位置に、着脱部材に換わって交換用着脱部材を装着する作業をおこなうときに、交換用着脱部材を仮置きするためのスペースを確保する手間がかかる不具合があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、交換用着脱部材を仮置きするためのスペースを確保する手間がかかる不具合が抑止される、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における画像形成装置は、画像形成装置本体に対して着脱可能な着脱部材と、前記着脱部材を着脱するときに開閉される開閉カバーと、前記画像形成装置本体に前記着脱部材が装着されて前記開閉カバーが開放された状態で、前記着脱部材が装着されている位置に着脱可能な交換用着脱部材を当該位置とは異なる位置に保持可能に形成された保持部と、を備え、前記交換用着脱部材は、前記画像形成装置本体において前記着脱部材が装着されている位置とは別の位置であって前記保持部とは別の位置に着脱可能に設置されていて、前記着脱部材と前記交換用着脱部材とは、それぞれ、現像剤が搬送されるチューブを介して前記画像形成装置本体に繋がれた状態で、入れ替え可能に構成され、前記交換用着脱部材が前記保持部に保持された状態であるときに、前記開閉カバーの閉鎖をおこなえないように構成されたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、交換用着脱部材を仮置きするためのスペースを確保する手間がかかる不具合が抑止される、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
図2】プロセスカートリッジの近傍を示す断面図である。
図3】現像剤補給装置を示す全体構成図である。
図4】搬送ポンプとサブホッパとを示す断面図である。
図5】画像形成装置の外観を示す概略斜視図である。
図6】サブホッパの入れ替え作業の手順を示す概略図である。
図7】サブホッパが開閉カバーの保持部に嵌合される動作を示す側面図である。
図8】変形例1としての画像形成装置における、サブホッパの入れ替え作業の手順の一部を示す概略図である。
図9】変形例2としての画像形成装置における要部を示す概略斜視図である。
図10図9の画像形成装置における、サブホッパの入れ替え作業の手順を示す概略図である。
図11】変形例3としての画像形成装置における、定着装置の交換作業の手順を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、図1及び図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はそのプロセスカートリッジ6Yの近傍を示す拡大図である。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置100の中央には、所定の走行方向(図1の矢印方向である。)に移動する中間転写ベルト8(中間転写体)が設置されている。そして、複数の像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sが、中間転写ベルト8に対向するように走行方向に沿って並設されている。
また、図2をも参照して、画像形成装置100には、複数の感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1S(像担持体)に形成された潜像をそれぞれ異なる色で現像する複数の現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sが着脱可能に設置されている。
【0013】
図1に示すように、画像形成装置100の上方には、異なる色の現像剤としてのトナーがそれぞれ収容された複数の現像剤容器としてのトナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sが着脱可能に設置されている。
また、画像形成装置100には、複数のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sに収容されたトナーを複数の現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sにそれぞれ補給するための複数の現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90Sが設置されている。図3をも参照して、複数の現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90Sは、それぞれ、キャップ受部91、貯留部81、搬送ポンプ60、サブホッパ70、チューブ95、搬送管98等で構成されている。
【0014】
詳しくは、5つの略筒状のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32S(現像剤容器)は、それぞれ、現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90S(トナー補給装置)に対して着脱可能に設置されている。
図1に示すように、最右方には、特殊色に対応したトナー容器32S(現像剤補給装置90S)が設置されている。そして、その左方には、黒色(ブラック)に対応したトナー容器32K(現像剤補給装置90K)が設置されている。さらにその左方には、カラー用の3色(イエロー、マゼンタ、シアン)に対応したトナー容器32Y、32M、32C(現像剤補給装置90Y、90M、90C)が、右方からシアン、マゼンタ、イエローの順に設置されている。
特に、特殊色に対応したトナー容器32Sは、その内部に収容されたトナーがすべて消費される前に、ユーザーの用途に応じて、他の種類の特殊色用のトナー容器32Sに交換される場合が多く、その交換頻度が他のトナー容器32Y、32M、32C、32Kに比べて多くなる。
【0015】
図1等を参照して、黒色用の現像剤補給装置90Kは、黒色用のトナー容器32K(現像剤容器)に収容された黒色のトナー(現像剤)を、黒色用の現像装置5Yに補給するためのものである。
また、カラー用の3つの現像剤補給装置90Y、90M、90Cは、それぞれ、カラー用のトナー容器32Y、32M、32C(現像剤容器)に収容されたカラー(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー(現像剤)を、カラー用の現像装置5Y、5M、5Cにそれぞれ補給するためのものである。
また、特殊色用の現像剤補給装置90Sは、特殊色用のトナー容器32S(現像剤容器)に収容された特殊色のトナー(現像剤)を、特殊色用の現像装置5Sに補給するためのものである。
【0016】
黒色トナーや、カラートナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)や、特殊トナーとしては、公知のものを用いることができる。
特に、特殊トナーは、黒色トナーやカラートナーとは異なるもので、ユーザーの用途に合わせて公知のクリアトナー(透明トナー、無色トナー、無彩色トナー、ノーピグメントトナーなどである。)や白色トナーなどを用いることができる。
【0017】
図1を参照して、画像形成装置1の上部には、それぞれ、露光部7や、各色に対応したサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sが設置され、その下方に各色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒色、特殊色)に対応したプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)が、中間転写ベルトユニット15(中間転写ベルト8)に対向するように並設されている。
図1に示すように、5つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)の基本的な並び順(配列)は、中間転写ベルト8の走行方向上流側から、特殊色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)、イエロー用のプロセスカートリッジ6Y(現像装置5Y)、マゼンタ用のプロセスカートリッジ6M(現像装置5M)、シアン用のプロセスカートリッジ6C(現像装置5C)、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)、となっている。
また、5つのサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70S(5つの搬送ポンプ60Y、60M、60C、60K、60Sがそれぞれ一体的に設置されている。)の並び順(配列)も、5つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)の並び順(配列)と同じになっている。
そして、これらの並び順(配列)は、ユーザーの用途に応じて適宜に変更できるように構成されている。これにより、用途に合わせて最適な画像を形成することができる。また、そのように配列の変更をおこなうときに、配列を変更した現像装置やサブホッパに違う色のトナーが混ざることがない(混色が生じない)ように、配列の変更は色単位でおこなわれる。
【0018】
特に、本実施の形態では、黒色用サブホッパ70K(及び、黒色用搬送ポンプ60K)、黒色用プロセスカートリッジ6K(黒色用現像装置5K)と、特殊色用サブホッパ70S(及び、特殊色用搬送ポンプ60S)、特殊色用プロセスカートリッジ6S(特殊色用現像装置5S)と、の設置位置を入れ替えることができるように構成されている。
なお、本実施の形態では、黒色用サブホッパ70Kと特殊色用サブホッパ70Sとの入れ替え動作に特徴があるが、それについては後で図6などを用いて詳述する。
【0019】
特殊色のトナーは1つの種類のものに限定されることなく、ユーザーの用途に応じて、種類の異なる特殊色用のトナー容器32Sが適宜に交換される場合が多い。例えば、クリアトナー用のトナー容器32Sから白色トナー用のトナー容器32Sに交換されるような場合である。
そして、そのような場合に、特殊色トナーの種類に応じて、特殊色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)の並び順(配列)を、中間転写ベルト8の移動方向最上流側から移動方向最下流側に変更した方が良い場合がある。例えば、特殊色トナーとしてクリアトナーが用いられる場合には、画像の光沢性を向上させる目的で用いられることが多く、中間転写ベルト8上に最初に1次転写されることが望ましいとされ、図1に示すように、特殊色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)が中間転写ベルト8の移動方向最上流に配置される。これに対して、特殊色トナーとして白色トナーが用いられる場合には、白色ではない有色のシートP上に画像を形成する目的で用いられることが多く、シートP上の最下層に2次転写されることが望ましいとされ、特殊色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)が中間転写ベルト8の移動方向最下流に配置される。そして、そのような特殊色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)の設置位置の変更にともない、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)の設置位置が入れ替えられるように変更されることになる。また、そのような入れ替えにともない、特殊色用サブホッパ70S(特殊色用搬送ポンプ60S)の設置位置と、黒色用サブホッパ70K(黒色用搬送ポンプ60K)の設置位置と、の入れ替えがおこなわれることになる。
なお、これらの入れ替え作業は、画像形成装置100の外装部に設置された操作表示パネルに表示される操作マニュアルに基いて、ユーザーやサービスマンなどの操作者によって手動でおこなわれることになる。
【0020】
ここで、図2を参照して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Yが一体化されたユニット(着脱ユニット)である。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0021】
なお、他の4つのプロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sも、使用されるトナーの色(種類)が異なる以外は、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の4つのプロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sの説明を適宜に省略して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0022】
図2を参照して、像担持体としての感光体ドラム1Yは、メインモータによって反時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7(書込み装置)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0023】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Y(現像ローラ51)との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0024】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって除去されてクリーニング装置2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0025】
なお、上述した作像プロセスは、他のプロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sでも、イエローのプロセスカートリッジ6Yと同様におこなわれる。すなわち、露光部7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上に所望のカラー画像が形成される。
【0026】
なお、中間転写ベルトユニット15(中間転写ベルト装置)は、中間転写体としての中間転写ベルト8、5つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9S、駆動ローラ、2次転写対向ローラ、複数のテンションローラ、クリーニング対向ローラ、中間転写クリーニング装置、等で構成される。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材(駆動ローラ)の回転駆動によって図1の矢印方向(時計方向)に無端移動される。
【0027】
5つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9Sは、それぞれ、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sに対して中間転写ベルト8を介してそれぞれ対向するように設置されている。具体的に、5つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9Sは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9Sに、それぞれ、1次転写電源121からトナーの極性とは逆の1次転写バイアス(1次転写電圧)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K、9Sの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1S上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0028】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラが、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された5色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0029】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0030】
ここで、図1を参照して、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙ユニット26(給紙カセット)から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等が配設された搬送経路K1を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙ユニット26には、用紙などのシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0031】
レジストローラ対28(タイミングローラ対)に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0032】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、排出経路K2を経由して排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0033】
次に、図2を用いて、プロセスカートリッジにおける現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像剤担持体としての現像ローラ51、現像ローラ51に対向するドクターブレード52、現像剤収容部に配設された2つの搬送スクリュ55と、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56、現像剤収容部にトナー(現像剤)を補給するためのユニット側開口部57、等で構成される。現像ローラ51は、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
【0034】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51のスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51上を移動する。
【0035】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Y(現像剤容器)に収容されているトナー(粉体)が、現像剤補給装置90Yによって現像装置5Y(現像剤収容部)内に補給される。なお、トナー容器32Yや現像剤補給装置90Yの構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0036】
その後、現像装置5Y(現像剤収容部)内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55によって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切り部材によって仕切られた2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の長手方向の移動である。)。そして、2成分現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
【0037】
現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転方向に沿うように搬送されて、ドクターブレード52の位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部の上方に達して、この位置で現像ローラ51から離脱されて現像剤収容部に戻される。
なお、上述した現像領域に形成される電界は、レーザ光Lの照射によって感光体ドラム1Yの表面に形成される露光電位(画像部電位)と、現像電源によって現像ローラ51に印加される現像バイアスと、の電位差によるものである。
【0038】
次に、図3にて、イエロー用の現像剤補給装置90Yの構成・動作について、簡単に説明する。
なお、本実施の形態では、他の4つの現像剤補給装置(マゼンタ用の現像剤補給装置90M、シアン用の現像剤補給装置90C、黒色用の現像剤補給装置90K、特殊色用の現像剤補給装置90Sである。)も、使用されるトナーの色(種類)が異なる以外は、イエロー用の現像剤補給装置90Yとほぼ同様の構成となっているため、それらの現像剤補給装置90M、90C、90K、90Sの説明を適宜に省略して、イエロー用の現像剤補給装置90Yのみの説明をおこなうことにする。
また、図3(及び、図4)において、貯留部81、サブホッパ70、搬送ポンプ60などの符号に付する色別のアルファベット(Y、M、C、K、S)は省略している。
【0039】
現像剤補給装置90Yは、設置部31に設置された現像剤容器としてのトナー容器32Yを所定方向(図3の矢印方向である。)に回転駆動して、トナー容器32Y内に収容されたトナーを容器外に排出して、現像装置5Yに導くためのものであって、トナー補給経路(トナー搬送経路)を形成している。
なお、図3は、理解を容易にするために、トナー容器32Y、現像剤補給装置90Y、現像装置5Yの配置方向などを変えて図示している。実際には、図3において、トナー容器32Yと現像剤補給装置90Yの一部との長手方向が紙面垂直方向になるように配設されている(図1を参照できる。)。また、チューブ95(搬送路)の向きや配置も簡略化して図示している。
【0040】
画像形成装置100の設置部31に設置されたトナー容器32Y内のトナーは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、現像剤補給装置90Yによって適宜に現像装置5Y内に補給される。
詳しくは、トナー容器32Yが装置本体100の設置部31にセットされると、トナー容器32Yのボトル・ギア37が装置本体100の駆動ギア110に噛合するとともに、キャップ受部91のキャップ開閉チャック92によってトナー容器32Yからキャップ34(トナー排出口Cを塞ぐための部材である。)が取り外される。これにより、トナー容器32Yのトナー排出口C(開口部)が開放されて、トナー容器32Y内に収容されたトナーの排出が可能になる。
【0041】
一方、現像剤補給装置90Yにおいて、開放されたトナー排出口Cの下方には、落下経路部82を介して貯留部81が設けられている。貯留部81の底部には吸引口83が設けられていて、この吸引口83がノズルを介してチューブ95(搬送路)の一端に接続されている。チューブ95は、親トナー性の低いフレキシブルなゴム材料からなり、その他端が搬送ポンプ60(ダイヤフラムポンプ)に接続されている。搬送ポンプ60は、サブホッパ70、搬送管98を介して現像装置5Yに接続されている。
このように構成された現像剤補給装置90Yにおいて、駆動モータ115によって駆動ギア110が駆動されるとトナー容器32Yの容器本体33が所定方向に回転駆動されて、トナー容器32Yのトナー排出口Cからトナーが排出される。トナー容器32Yから排出されたトナーは、落下経路部82を落下して貯留部81に貯留される。貯留部81に貯留されたトナーは、搬送ポンプ60が稼働することで、吸引口83から吸引されてチューブ95を介して搬送ポンプ60からサブホッパ70に向けて搬送される。そして、サブホッパ70に搬送されたトナーは、垂直方向に延在する搬送管98を介して、現像装置5Y内に補給される。すなわち、トナー容器32Y内のトナーは、図3中の破線矢印方向に搬送されることになる。なお、本実施の形態において、サブホッパ70と現像装置5Yとを中継する搬送管98(搬送パイプ)は、チューブ95とは異なり、変形しにくい硬質な樹脂材料や金属材料で形成されている。
【0042】
次に、図4にて、現像剤補給装置90Yにおける搬送ポンプ60及びサブホッパ70について詳述する。
本実施の形態において、搬送ポンプ60は、サブホッパ70に一体的に設置されている。
図4を参照して、本実施の形態における搬送ポンプ60は、ダイヤフラムポンプ(容積式ポンプ)であって、ダイヤフラム61(ゴム部材)、ケース62、モータ67、回転板68、逆止弁63、64、シール部材65、66(弾性部材)、等で構成されている。このように構成された搬送ポンプ60は、比較的小型かつ低コストのものである。
【0043】
ここで、ケース62とダイヤフラム61とでポンプ本体を形成する。
ケース62は、剛性を有する樹脂材料又は金属材料からなり、ポンプ本体の主部(ハウジング)として機能する。ケース62(ポンプ本体)には、内部に向けて現像剤を空気とともに流入するための流入口Aと、内部から現像剤を空気とともに流出するための流出口Bと、が形成されている。
ダイヤフラム61は、親トナー性が低く弾性を有するゴム材料で形成されていて、椀状に形成された部分の内部が容積可変部Wとして機能して、その外周部に起立するようにアーム部61a(その穴部に回転板68の偏心軸68aが嵌合している。)が形成されている。ダイヤフラム61はケース62に対して隙間が生じないように接合されていて、ダイヤフラム61の容積可変部Wと、ケース62の内部と、がポンプ本体の内部において1つの閉空間として形成されている。そして、ポンプ本体61、62は、後述する回転板68(偏心軸68a)の回転にともなうダイヤフラム61の伸縮動作によって、内部の容積を増減させて正圧と負圧とを交互に発生させることになる。
【0044】
回転板68は、モータ67のモータ軸に設置されていて、その面上においてモータ軸(回転中心)から偏心した位置に起立するように偏心軸68aが設けられている。回転板68の偏心軸68aは、ダイヤフラム61におけるアーム部61aの先端部に形成された穴部に挿入(嵌合)されている。
このような構成により、制御部120に制御されてモータ67が駆動されることで、回転板68(偏心軸68a)が回転して、それにともないダイヤフラム61が容積可変部Wの容積を周期的に増減するように伸縮することになる。そして、このようなダイヤフラム61の伸縮動作にともない、ポンプ本体61、62の内部に正圧と負圧とが交互に発生されることになる。
【0045】
ここで、ポンプ本体(ケース62)の流入口Aには、流入側逆止弁63が設置されている。この流入側逆止弁63は、ポンプ本体61、62の内部に負圧が発生したときに流入口Aを開放して、ポンプ本体61、62の内部に正圧が発生したときに流入口Aを閉鎖するものである。流入側逆止弁63は、ポンプ本体61、62の内側(内部)から流入口Aに対向するように配設されている。搬送ポンプ60における流入口Aの側には、チューブ95を介して貯留部81が接続されている。
他方、ポンプ本体(ケース62)の流出口Bには、流出側逆止弁64が設置されている。この流出側逆止弁64は、ポンプ本体61、62の内部に負圧が発生したときに流出口Bを閉鎖して、ポンプ本体61、62の内部に正圧が発生したときに流出口Bを開放するものである。流出側逆止弁64は、ポンプ本体61、62の外側から流出口Bに対向するように配設されている。搬送ポンプ60における流出口Bの側には、サブホッパ70が接続されている。
このような構成・動作により、先に図3を用いて説明したように、搬送ポンプ60が稼働することで、貯留部81の内部に貯留されたトナーが吸引口83から吸引されてチューブ95を搬送された後に、サブホッパ70内にトナーが搬送されることになる。詳しくは、サブホッパ70のホッパ残量センサ76がサブホッパ70内におけるトナー量の不足を検知すると、搬送ポンプ60(モータ67)を駆動して、貯留部81からサブホッパ70へのトナー補給をおこなう。
なお、搬送ポンプ60(モータ67)は、ホッパ残量センサ76がサブホッパ70内におけるトナー量が所定量に達しておらず不足状態を検知したときに、公知のものと同様に、比較的短い周期で間欠的に駆動される。これにより、サブホッパ70における搬送スクリュ71、72によるトナー搬送量が、搬送ポンプ60から供給されるトナー量に追いつかずに、サブホッパ70の一部でトナーが滞留する不具合が防止されることになる。
【0046】
図4を参照して、サブホッパ70には、2つの搬送スクリュ71、72、ホッパ残量センサ76、補給モータ121(図3を参照できる。)、等が設置されている。また、サブホッパ70の第1搬送経路(第1搬送スクリュ71が設置された搬送経路である。)の上流側の上方には、搬送ポンプ60の流出口Bに連通する補給口が形成されている。サブホッパ70の第2搬送経路(第2搬送スクリュ72が設置された搬送経路である。)の下流側の下方には排出口74が形成されていて、この排出口74が搬送管98(搬送パイプ)を介して現像装置5Yに接続されている。また、サブホッパ70の第2搬送経路の上方には、搬送ポンプ60からトナーとともに送入された空気を排出するための排気口75が設けられている。
ホッパ残量センサ76は、上述したように、サブホッパ70に収容されたトナー(現像剤)が所定量に達していない不足状態を検知する検知手段として機能するものである。
【0047】
ここで、サブホッパ70において、第1搬送経路の下流側と第2搬送経路の上流側とは長手方向(図3及び図4の紙面垂直方向である。)の一端側で連通しているが、その連通部分を除いて第1搬送経路と第2搬送経路とは壁部で隔絶されている。
そして、サブホッパ70内に補給されたトナーは、補給モータ121によって回転駆動される搬送スクリュ71、72によって、サブホッパ70Y内の第1搬送経路、第2搬送経路の順に搬送されて、その後にサブホッパ70から搬送管98を介して現像装置5Y内に補給される。詳しくは、現像装置5Yの濃度検知センサ56が現像剤収容部(搬送スクリュ55による循環経路である。)におけるトナー濃度の不足を検知すると、制御部120による制御によってサブホッパ70の搬送スクリュ71、72を回転駆動して、サブホッパ70から現像装置5Yへのトナー補給をおこなう。
このように、本実施の形態では、貯留部81から搬送ポンプ60に至るトナーの搬送路をフレキシブルなチューブ95で形成している。そのため、貯留部81と搬送ポンプ60との間の空間に種々の部材が設置されている場合であっても、それらの部材を避けるようにチューブ95を配回してトナーの搬送路を形成することができる。したがって、トナー容器32Yの設置部31を現像装置5Yから離れた位置に比較的自由にレイアウトすることができる。
【0048】
次に、図3を用いて、トナー容器32Yについての説明と、それに付随する現像剤補給装置90Yについての説明と、をおこなう。
先に説明したように、トナー容器32Yは、主として、容器本体33と、そのトナー排出口Cに着脱可能に設けられたキャップ34(栓部材)と、で構成される。
容器本体33の頭部には、容器本体33と一体的に回転するボトル・ギア37と、トナー排出口Cと、が設けられている。ボトル・ギア37は、装置本体100の駆動ギア110と噛合して容器本体33を所定方向に回転駆動するためのものである。また、トナー排出口Cは、容器本体33内に収容された現像剤としてのトナー(粉体)を落下経路部82に向けて排出するためのものである。
容器本体33には、外周面から内周面にかけて、螺旋状の突起33aが設けられている。この螺旋状の突起33aは、容器本体33を回転駆動してトナー排出口Cからトナーを排出するためのものである。
なお、このように構成された容器本体33は、ボトル・ギア37とともにブロー成形にて製造することができる。
【0049】
一方、図3を参照して、現像剤補給装置90Yのキャップ受部91は、設置部31(現像剤補給装置90Y)に設置された状態のトナー容器32Yの頭部を覆うように設けられている。
キャップ受部91には、トナー容器32Yの着脱動作に連動してキャップ34の開閉動作をおこなうキャップ開閉チャック92や、キャップ開閉チャック92を駆動する開閉駆動部が設けられていて、落下経路部82などとともに、貯留部81の一部として設けられている。そして、設置部31上に載置されたトナー容器32Yがキャップ受部91に向けてスライド移動されて、キャップ34がキャップ開閉チャック92の位置に達すると、さらにトナー容器32Yをスライド移動させて押し込む動作に連動して、キャップ開閉チャック92がキャップ34を挟んだ状態でトナー排出口Cからキャップ34を離脱させるように開閉駆動部が稼働する。これにより、トナー容器32Yのトナー排出口Cが開放された状態になって、トナー排出口Cからのトナー排出が可能になる。また、このようなトナー容器32Yの装着動作に連動して、ロック機構が稼働してトナー容器32Yの頭部側が設置部31から取り外されないようにロックされる。このとき、トナー容器32Yは、現像剤補給装置90Y(設置部31)に対して、そのトナー排出口C(頭部)の側が回転可能に固定されて、容器本体33が設置部31上において回転可能に保持されることになる。
また、設置部31(トナー容器受台)に対してトナー容器32Yが離脱されるときには、上述した装着時の動作と逆の動作がおこなわれることになる。
【0050】
現像剤補給装置90Yの貯留部81は、落下経路部82を落下したトナーが貯留されるように略椀状に形成されていて、その内部にはトナー検知センサ86や撹拌部材が設置されている。搬送ポンプ60は、チューブ95を介して貯留部81の吸引口83に接続されていて、貯留部81に貯留されたトナーを吸引してチューブ95内を搬送させる。
このように、本実施の形態では、トナー容器32Yから排出されたトナーを搬送ポンプ60によって直接的に吸引するのではなくて、トナー容器32Yから排出されて貯留部81にある程度貯留されたトナーのうち、必要な量だけ搬送ポンプ60で吸引するように構成しているため、搬送ポンプ60で吸引するトナー量に不足が生じてしまう不具合を確実に軽減することができる。
【0051】
トナー検知センサ86は、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーが空になった状態(トナーエンド状態)、又は、それに近い状態(トナーニアエンド状態)を間接的に検知するためのものであって、吸引口83に近い位置に設置している。そして、トナー検知センサ86の検知結果に基いて、トナー容器32Yからトナーを排出している。
詳しくは、トナー検知センサ86としては、圧電センサ、透過光センサなどを用いることができる。本実施の形態では、トナー検知センサ86として圧電センサを用いている。トナー検知センサ86の検知面の高さは、吸引口83の上方に堆積されるトナー量(堆積高さ)が狙いの値になるように設定されている。
そして、トナー検知センサ86の検知結果に基いて、制御部120による制御によって、トナー容器32Y(容器本体33)を回転駆動する駆動モータ115の駆動タイミングや駆動時間が制御される。具体的に、トナー検知センサ86によってその位置にトナーがないものと判別された場合には駆動モータ115が所定時間だけ駆動されて、トナー検知センサ86によってその位置にトナーがあるものと判別された場合には駆動モータ115の駆動が停止されることになる。
【0052】
以下、図5図7等を用いて、本実施の形態において特徴的な、画像形成装置100の構成・動作について説明する。
先に説明したように、本実施の形態における画像形成装置100は、黒色用サブホッパ70Kと特殊色用サブホッパ70Sとの入れ替えをおこなうことができるように構成されている。すなわち、図1図6(A)に示す5つのサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sのうち、最右方の位置を基本的な位置とする黒色用サブホッパ70Kと、最左方の位置を基本的な位置とする特殊色用サブホッパ70Sと、を入れ替えて、図6(D)に示すように、最右方の位置に特殊色用サブホッパ70Sを設置して、最左方の位置に黒色用サブホッパ70Kを設置することができる。
なお、本実施の形態では、先に説明したように搬送ポンプ60がサブホッパ70の構成部品として一体的に設置されているため、図6(及び、図7図10)では、搬送ポンプ60の図示や符号の記載は省略する。
【0053】
そして、本実施の形態における画像形成装置100には、図5図6に示すように、黒色用サブホッパ70Kと特殊色用サブホッパ70Sとの入れ替えをおこなうときに、開閉される開閉カバー151が設けられている。
この開閉カバー151は、左右に設置されたヒンジ部を回転中心として左右に観音開きで開放されるように構成されていて、画像形成装置100における外装カバーの一部としても機能するものである。
そして、開閉カバー151は、通常の画像形成動作がおこなわれるとき、図5に示すように、画像形成装置本体100の内部が露呈しないように閉鎖される。これに対して、開閉カバー151は、黒色用サブホッパ70Kと特殊色用サブホッパ70Sとの入れ替えをおこなうときはもちろんのこと、プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6Sの交換や入れ替え、定着装置20のメンテナンスや、ジャム(紙詰り)したシートPの除去などをおこなうときにも、図6に示すように、図5の状態からヒンジ部を回転中心にして回転されて、画像形成装置本体100の内部が露呈するように開放されることになる。
【0054】
そして、その開閉カバー151には、黒色用サブホッパ70Kと特殊色用サブホッパ70Sとの入れ替えをおこなうときに、黒色用サブホッパ70Kを一時的に仮置きするための保持部155(図6図7参照)が設けられている。
詳しくは、図7に示すように、交換用着脱部材としての黒色用サブホッパ70Kには、フック部70a(略L字状の板金である。)が設けられている。そして、保持部155には、フック部70aが嵌合可能な嵌合部155a(略直方体状の穴部である。)が設けられている。そして、操作者は、フック部70aの先端側が嵌合部155aに嵌合するように、把持した黒色用サブホッパ70Kを上方から下方に移動させて、保持部155に黒色用サブホッパ70Kを保持させることになる。
【0055】
すなわち、特殊色用サブホッパ70Sを基準にみたときに、特殊色用サブホッパ70Sは、画像形成装置本体100に対して着脱可能な着脱部材として機能することになる。これに対して、黒色用サブホッパ70Kは、着脱部材としての特殊色用サブホッパ70Sが装着されている位置に着脱可能な交換用着脱部材として機能することになる。特に、本実施の形態において、交換用着脱部材としての黒色用サブホッパ70Kは、図6(A)に示すように、通常時に、画像形成装置本体100において特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)が装着されている位置とは別の位置であって保持部155とは別の位置に着脱可能に設置されていている。そして、画像形成装置100は、互いに異なる色のトナー(現像剤)が用いられ収容された特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)と黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)とを入れ替え可能に構成されている。
【0056】
また、開閉カバー151は、特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)を着脱するときに開閉されることになる。特に、本実施の形態では、開閉カバー151は、特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)と黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)とを入れ替えをおこなうときに開閉されることになる。
そして、保持部155は、画像形成装置本体1に特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)が装着されて開閉カバー151が開放された状態(図6(A)等の状態である。)で、黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)を、特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)が装着されている位置とは異なる位置に保持可能に形成されている。特に、本実施の形態において、保持部155は、開閉カバー151の内側(図5に示すように、閉鎖されたときに外部に露呈しない位置である。)に設けられている。
【0057】
ここで、本実施の形態における画像形成装置100は、図6(B)、(C)に示すように、交換用着脱部材としての黒色用サブホッパ70Kが保持部155に保持された状態であるときに、開閉カバー151の閉鎖をおこなえないように構成されている。
詳しくは、黒色用サブホッパ70Kが保持部155に保持された状態で、開閉カバー151の閉鎖をおこなおうとしたときに、保持部155に保持された黒色用サブホッパ70Kが、画像形成装置本体100における破線で囲んだ部分に干渉して(ぶつかって)、開閉カバー151の閉鎖がおこなえないことになる。
具体的に、保持部155は、開閉カバー151の内側において突出するように形成されているものの、開閉カバー151の開閉に支障のないように、画像形成装置本体100側において保持部155が収まるように凹部が設けられている。これに対して、保持部155に保持された黒色用サブホッパ70Kは、開閉カバー151の内側においてさらに突出することになり、画像形成装置本体100側の凹部に収まらず、開閉カバー151の閉鎖ができないことになる。
【0058】
このように、特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)と黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)との入れ替え(配列変更)をおこなうために、特殊色用サブホッパ70Sが着脱可能に設置されている位置に、特殊色用サブホッパ70Sに換わって黒色用サブホッパ70Kを装着する作業をおこなうときに、黒色用サブホッパ70Kを仮置きするための保持部155が設けられているので、黒色用サブホッパ70Kを仮置きするためのスペースを画像形成装置100の周囲で確保する手間がかかることがない。また、保持部155に黒色用サブホッパ70Kが仮置きされた状態では、開閉カバー151を閉じることができないため、操作者が画像形成装置本体100から特殊色用サブホッパ70Sを取り出した後に黒色用サブホッパ70Kの装着を忘れてしまうこともない。したがって、特殊色用サブホッパ70Sと黒色用サブホッパ70Kとの入れ替え作業の効率が向上することになる。
【0059】
ここで、本実施の形態における画像形成装置は、黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)が保持部155に保持された状態であるときに、画像形成装置本体100に対して特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)の着脱をおこなえるように構成されている。
詳しくは、黒色用サブホッパ70Kが保持部155に保持された状態で、画像形成装置本体100に対して特殊色用サブホッパ70Sの着脱をおこなおうとしたときに、図6(B)、(C)に示すように、保持部155に保持された黒色用サブホッパ70Kが特殊色用サブホッパ70Sに干渉せずに(ぶつからずに)、特殊色用サブホッパ70Sの着脱がおこなわれることになる。
具体的に、保持部155は、5つのサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sが設置された位置よりも充分に離れた位置(本実施の形態では下方である。)に設けられていて、保持部155に保持された黒色用サブホッパ70Kが、特殊色用のサブホッパ70Sの基本位置(最左方の設置位置である。)や黒色用サブホッパ70Kの基本位置(最右方の設置位置である。)へのサブホッパ70の着脱の軌跡に重なることはない。
これにより、特殊色用サブホッパ70Sと黒色用サブホッパ70Kとの入れ替え作業の効率がさらに向上することになる。
【0060】
以下、まとめとして、図6を用いて、操作者がおこなう特殊色用サブホッパ70Sと黒色用サブホッパ70Kとの入れ替え作業(基本配列からの入れ替え作業である。)の手順について説明する。
まず、図6(A)に示すように、閉鎖状態(図5の状態である。)の開閉カバー151が開放されて、5つのサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sや保持部155が露呈される。そして、操作者によって、画像形成装置本体100から黒色用サブホッパ70Kが矢印方向に取り出される。
そして、図6(B)に示すように、取り出された黒色用サブホッパ70Kが破線矢印方向に移動されて保持部155に保持される(仮置きされる)。そして、画像形成装置本体100から特殊色用サブホッパ70Sが矢印方向に取り出される。
そして、図6(C)に示すように、取り出された特殊色用サブホッパ70Sが、そのまま画像形成装置本体100の最右方の設置位置に矢印方向に装着される。
そして、図6(D)に示すように、保持部155から黒色用サブホッパ70Kが取り外されて、取り外された黒色用サブホッパ70Kが、画像形成装置本体100の最左方の設置位置に矢印方向に装着される。
そして、最後に、開閉カバー151が閉鎖されることになる。
なお、図6(D)の配列状態から図6(A)に示す基本配列に戻す作業は、上述したものと逆の手順でおこなわれることになる。
【0061】
ここで、本実施の形態では、上述したような手順で入れ替え作業がスムーズに行われるように、黒色用サブホッパ70Kを仮置きするための保持部155を1つ設けている。これに対して、黒色用サブホッパ70Kを仮置きするための保持部155に加えて特殊色用サブホッパ70Sを仮置きするための保持部を別に設けることもできるし、特殊色用サブホッパ70Sにもフック部70aを形成して1つの保持部155に特殊色用サブホッパ70Sをも仮置きできるように構成することもできる。
また、本実施の形態では、黒色用サブホッパ70Kと特殊色用サブホッパ70Sとの入れ替え作業をおこなうときに仮置き用として使用される保持部155について説明したが、黒色用プロセスカートリッジ6Kと特殊色用プロセスカートリッジ6Sとの入れ替え作業をおこなうときに仮置き用として使用される保持部を別に設けることもできるし、サブホッパ用の保持部155をプロセスカートリッジ用の保持部として共有することもできる。さらには、黒色用サブホッパ70Kと黒色用プロセスカートリッジ6Kとを一体化して同時に着脱されるように構成するとともに、特殊色用サブホッパ70Sと特殊色用プロセスカートリッジ6Sとを一体化して同時に着脱されるように構成することもできる。
また、本実施の形態では、特殊色用サブホッパ70Sを着脱部材として機能させて、黒色用サブホッパ70Kを交換用着脱部材として機能させたが、黒色用サブホッパ70Kを着脱部材として機能させて、特殊色用サブホッパ70Sを交換用着脱部材として機能させることもできる。
【0062】
<変形例1>
図8(A)、(B)は、変形例1としての画像形成装置100におけるサブホッパ70K、70Sの入れ替え作業の手順の一部を示す概略図であって、本実施の形態における図6(A)、(B)に対応する図である。
図8に示すように、変形例1における画像形成装置は、黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)を仮置きするための保持部155が、開閉カバー151の内側ではなくて、画像形成装置本体100の内部に設けられている。
そして、黒色用サブホッパ70Kが保持部155に保持された状態で、開閉カバー151の閉鎖をおこなおうとしたときに、保持部155に保持された黒色用サブホッパ70Kが、開閉カバー151における破線で囲んだ部分に干渉して(ぶつかって)、開閉カバー151の閉鎖がおこなえないことになる。
また、保持部155は、5つのサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sが設置された位置よりも充分に離れた位置に設けられていて、保持部155に保持された黒色用サブホッパ70Kが、特殊色用のサブホッパ70Sの基本位置(最左方の設置位置である。)や黒色用サブホッパ70Kの基本位置(最右方の設置位置である。)へのサブホッパ70の着脱を妨げることない。
このように構成された変形例1においても、本実施の形態のものと同様に、特殊色用サブホッパ70Sと黒色用サブホッパ70Kとの入れ替え作業の効率が向上することになる。
【0063】
<変形例2>
図9は、変形例2としての画像形成装置における要部を示す概略斜視図である。また、図10(A)~(D)は、その画像形成装置におけるサブホッパ70K、70Sの入れ替え作業の手順を示す概略図であって、本実施の形態における図6(A)~(D)に対応する図である。
図9図10に示すように、変形例2における画像形成装置は、特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)と黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)とが、それぞれ、トナー(現像剤)が搬送されるチューブ95S、95Kを介して画像形成装置本体100(貯留部81S、81K)に繋がれた状態で、入れ替え可能に構成されている。
したがって、特殊色用トナー容器32S、特殊色用貯留部81S、黒色用トナー容器32K、黒色用貯留部81Kは配列変更(入れ替え)されずに、特殊色用サブホッパ70Sと黒色用サブホッパ70Kとが、それぞれ図9に示すように貯留部81S、81Kに接続された状態のまま、装置本体100から完全に切り離されることなく、図10(A)~(D)に示すように配列変更(入れ替え)されることになる。
【0064】
ここで、図9に示すように、変形例2における画像形成装置100には、特殊色用チューブ95Sと黒色用チューブ95K、95Sとの一部を座屈させることなく巻き取ることができるように構成されたチューブ収容部108が設けられている。
詳しくは、特殊色用チューブ95Sと黒色用チューブ95Kとは、いずれも、サブホッパ70S、70Kの入れ替え作業にともなう配回しの変更ができるように、その長さが長く設定されている。そのため、そのままでは、サブホッパ70S、70Kの入れ替え作業が終了した後に、図10(D)等に示すように、チューブ95S、95Kの長さが余剰になることになる。
これに対して、図9に示すように、チューブ95S、95Kの一部を座屈させることなく巻き取ることができるように構成されたチューブ収容部108を設けることで、チューブ95S、95Kにおけるトナーの搬送性を損なうことなく、チューブ95S、95Kの弛みや絡まりを防止することができる。
さらに具体的に、図9に示すように、チューブ収容部108は、内部に芯軸108bが形成された円筒部材であって、その内部(円筒部108aの内部である。)において芯軸108bの回りを1周するチューブ95S、95Kの輪の大きさを可変できるように形成されている。すなわち、チューブ95S、95Kの両端(補給元に接続される端部と、補給先に接続される端部と、である。)の距離を短くしたいとき(サブホッパ70S、70Kの入れ替え作業をおこなわない通常時である。)には、円筒部108aの内壁に近接するように、芯軸108bの回りを1周するチューブ95S、95Kの輪の大きさを大きくすることになる。これに対して、チューブ95S、95Kの両端の距離を長くしたいとき(サブホッパ70S、70Kの入れ替え作業時である。)には、芯軸108bの外壁に近接するように、芯軸108bの回りを1周するチューブ95S、95Kの輪の大きさを小さくすることになる。
なお、チューブ収容部108における円筒部108aの内壁は、チューブ95S、95Kに座屈が生じる最大の曲率よりも大きな曲率となるように形成されている。また、複数のチューブ収容部108は、特殊色用チューブ95Sが収容される部分と、黒色用チューブ95Kが収容される部分と、が隔絶されている。
このように構成された変形例2においても、本実施の形態のものと同様に、特殊色用サブホッパ70Sと黒色用サブホッパ70Kとの入れ替え作業の効率が向上することになる。
なお、変形例2において、特殊色用サブホッパ70Sが保持部155の位置までとどかないように、特殊色用チューブ95Sの長さを黒色用チューブ95Kの長さよりも短く設定することで、特殊色用サブホッパ70Sが誤って保持部155に保持されることなく、図10(A)~(D)に示すような手順で入れ替え作業がスムーズに行われることになる。
【0065】
<変形例3>
図11(A)~(D)は、変形例3としての画像形成装置における定着装置20A、20Bの交換作業の手順を示す概略図であって、本実施の形態における図6(A)~(D)に対応する図である。
変形例3では、着脱部材(定着装置20A)の単純な交換をおこなうために、着脱部材(定着装置20A)が着脱可能に設置されている位置に、既設の着脱部材(定着装置20A)に換わって交換用着脱部材(定着装置20B)を装着する作業がおこなわれることになる。この点で、着脱部材(特殊色用サブホッパ70S)の配列変更をおこなうために、着脱部材(特殊色用サブホッパ70S)が着脱可能に設置されている位置に、着脱部材(特殊色用サブホッパ70S)に換わって交換用着脱部材(黒色用サブホッパ70K)を装着する作業がおこなわれる、本実施の形態のものと相違する。したがって、変形例3では、着脱部材(定着装置20A)と、交換用着脱部材(定着装置20B)と、がまったく同じ構造のものであって同じように機能するものになる。なお、このような交換作業は、既設の着脱部材(定着装置20A)が寿命に達した場合などにおこなわれることになる。
【0066】
以下、図11を用いて、変形例3において、操作者がおこなう定着装置の交換作業の手順について説明する。
まず、図11(A)に示すように、閉鎖状態(図5の状態である。)の開閉カバー151が開放されて、既設の定着装置20Aや保持部155が露呈される。
そして、図11(B)に示すように、交換用の定着装置20Bが破線矢印方向に移動されて保持部155に保持される(仮置きされる)。このとき、保持部155に定着装置20Bが保持された状態で開閉カバー151の閉鎖はできないことになる。また、保持部155に定着装置20Bが保持された状態であっても、既設の定着装置20Aの着脱が妨げられることはない。
そして、図11(C)に示すように、操作者によって、画像形成装置本体100から既設の定着装置20Aが矢印方向に取り出される。
そして、図11(D)に示すように、保持部155から交換用の定着装置20Bが取り外されて、その定着装置20Bが画像形成装置本体100に矢印方向に装着される。
そして、最後に、開閉カバー151が閉鎖されることになる。
このように構成された変形例3においても、交換用の定着装置20Bを仮置きするためのスペースを確保する手間がかかったり、画像形成装置本体100から既設の定着装置20Aを取り出した後に交換用の定着装置20Bの装着を忘れてしまったりする不具合が抑止されて、定着装置の交換作業の効率が向上することになる。
なお、変形例3では、交換される着脱部材、交換用着脱部材として定着装置20A、20Bを例示したが、定着装置以外のユニットや部品などであっても、この変形例3と同様に構成することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置は、画像形成装置本体100に特殊色用サブホッパ70S(着脱部材)が装着されて開閉カバー151が開放された状態で、特殊色用サブホッパ70Sが装着されている位置に着脱可能な黒色用サブホッパ70K(交換用着脱部材)を、その位置とは異なる位置に保持可能に形成された保持部155が設けられている。そして、黒色用サブホッパ70Kが保持部155に保持された状態であるときに、開閉カバー151の閉鎖をおこなえないように構成されている。
これにより、黒色用サブホッパ70Kを仮置きするためのスペースを確保する手間がかかる不具合を抑止することができる。さらには、画像形成装置本体100から特殊色用サブホッパ70Sを取り出した後に黒色用サブホッパ70Kの装着を忘れてしまう不具合を抑止することができる。
【0068】
なお、本実施の形態では、現像装置5Yが感光体ドラム1Y(像担持体)と帯電装置4Yとクリーニング装置2Yとともに、プロセスカートリッジ6Yとして一体化されているものに対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、現像装置5Yや感光体ドラム1Yがそれぞれ単体で画像形成装置本体100に対して着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
なお、本願明細書等において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち、少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0069】
また、本実施の形態では、現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90Sがキャップ受部91、貯留部81、搬送ポンプ60、サブホッパ70、チューブ95、搬送管98等で構成された画像形成装置100に対して本発明を適用したが、現像剤補給装置の構成はこのようなものに限定されることはない。
また、本実施の形態では、トナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sとして略筒状の容器本体が回転駆動されるものを用いた画像形成装置100に対して本発明を適用したが、トナー容器の構成はこのようなものに限定されることはない。
また、本実施の形態では、所定の移動方向に移動する中間転写ベルト8(中間転写体)に対向するように移動方向に沿って複数の感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1S(像担持体)が並設された画像形成装置100に対して本発明を適用した。これに対して、所定の搬送方向に移動するシート(用紙)に対向するように移動方向に沿って複数の像担持体が並設された、転写搬送ベルト方式の画像形成装置(例えば、特許文献2に開示されたものである。)に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0070】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1Y、1M、1C、1K、1S 感光体ドラム(像担持体)、
5Y、5M、5C、5K、5S 現像装置、
6Y、6M、6C、6K、6S プロセスカートリッジ、
32Y、32M、32C、32K、32S トナー容器(現像剤容器)、
70K 黒色用サブホッパ(交換用着脱部材)、
70a フック部、
70S 特殊色用サブホッパ(着脱部材)、
90Y、90M、90C、90K、90S 現像剤補給装置、
95、95K、95S チューブ、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
151 開閉カバー、
155 保持部、
155a 嵌合部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【文献】特開2012-22141号公報
【文献】特開2016-31469号公報
【文献】特開2006-58350号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11