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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】シート積載装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20220323BHJP
   B65H 31/02 20060101ALI20220323BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20220323BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G03G21/00 370
B65H31/02
G03G15/00 460
G03G21/00 530
G03G21/16 138
G03G21/16 195
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018024385
(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2019139160
(43)【公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】緑川 瑠樹
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05008716(US,A)
【文献】特開2016-212162(JP,A)
【文献】特開2009-107767(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B65H 31/02
G03G 15/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが積載される積載部と、
前記積載部上のシートの積載量を検知する検知部と、
前記積載部に積載されたシートの最上面に向けて風を送る送風部と、
前記検知部によって検知された前記積載量に基づいて、前記送風部を前記積載部に対して移動させる移動機構と、を備え
前記送風部は、前記積載部とは当該積載部に積載されたシートを挟んで反対側であって、かつ前記シートの最上面と対向する位置に設けられ、
前記移動機構は当該送風部を前記最上面から離間した範囲内で前記送風部を上下方向に移動させることを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
請求項1記載のシート積載装置において、
前記移動機構は、前記積載部に積載されたシートに対する前記送風部の送風角度を一定に保ったまま前記送風部を移動させることを特徴とするシート積載装置。
【請求項3】
請求項2記載のシート積載装置において、
前記移動機構は、前記積載部に積載されたシートの最上面と前記送風部との距離が一定になるように、前記送風部を前記積載部との距離が変化するように移動させることを特徴とするシート積載装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載のシート積載装置において、
前記検知部は、前記積載部に積載されたシートの最上面に当接し前記積載量に応じて変位する変位部材を有し、
前記移動機構は、前記変位部材に連結され該変位部材の変位により駆動される駆動部を有することを特徴とするシート積載装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載のシート積載装置において、
前記送風部を前記積載部との距離を変更可能に支持する支持部を備えることを特徴とするシート積載装置。
【請求項6】
請求項5に記載のシート積載装置において、
前記送風部がホームポジションを占めるように前記送風部を付勢する付勢部を備えることを特徴とするシート積載装置。
【請求項7】
シートが積載される積載部と、
前記積載部上のシートの積載量を検知する検知部と、
前記積載部に積載されたシートへ風を送る送風部と、
前記送風部を前記積載部との距離を変更可能に支持する支持部と、
前記送風部がホームポジションを占めるように前記送風部を付勢する付勢部と、
前記検知部によって検知された前記積載量に基づいて、前記送風部を前記積載部に対して移動させる移動機構と、を備えたシート積載装置。
【請求項8】
シートに画像を定着する定着装置と、
請求項1ないし7のいずれか1つに記載のシート積載装置とを備え、
前記定着装置によって画像が定着されたシートは前記積載部に積載されることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置においては、シートを加熱することによってシートに画像を定着させているため、排出された直後のシートは高温になっている。このようなシートを高温のまま排紙トレイ上に積載すると、排出されたシート同士が融解したトナーによりくっついてしまうブロッキングという現象が発生することがある。
【0003】
かかる問題を解決するために、排紙トレイ上に排出されたシートを冷却ファンによって冷却する技術(例えば特許文献1等参照)が提案されている。
このような技術においては、排出されたシートと冷却ファンとの距離が離れていると冷却効果が薄れてしまうため、冷却ファンはシートと近い位置に固定されて設置されていることが多い。
このため、排紙トレイ上にたくさんのシートが積載された場合、シートと冷却ファンとの距離が近くなることにより、画像形成装置の使用者であるユーザがシートを取り除く際に冷却ファンが邪魔になり、シートや手が冷却ファンに当たるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、排紙トレイ上に積載されたシートを容易に取り除くことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、シートが積載される積載部と、前記積載部上のシートの積載量を検知する検知部と、前記積載部に積載されたシートの最上面に向けて風を送る送風部と、前記検知部によって検知された前記積載量に基づいて、前記送風部を前記積載部に対して移動させる移動機構と、を備え、前記送風部は、前記積載部とは当該積載部に積載されたシートを挟んで反対側であって、かつ前記シートの最上面と対向する位置に設けられ、前記移動機構は当該送風部を前記最上面から離間した範囲内で前記送風部を上下方向に移動させることを特徴とするシート積載装置にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、排紙トレイ上に積載されたシートを容易に取り除くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るシート積載装置を備えた画像形成装置の一例の斜視図である。
図2図1に示した画像形成装置本体の内部構造を示した概略図である。
図3】本発明に係るシート積載装置の一例の斜視図である。
図4図3に示したシート積載装置において画像形成装置本体の外壁を取り除いた状態を示す正面図である。
図5図3に示したシート積載装置に備えられた送風ファンユニットのコネクタ接続を示す斜視図である。
図6図5に示した送風ファンユニットを画像形成装置から取り外した状態を示す斜視図である。
図7図5に示した送風ファンユニットの拡大図である。
図8】送風ファンユニットに備えられた送風部がホームポジションを占める状態を示す正面図である。
図9図8に示す状態から送風部が退避した状態を示す正面図である。
図10】積載部にシートが積載された状態を示す斜視図である。
図11図4に示したシート積載装置に備えられた検知部の斜視図である。
図12図4に示したシート積載装置に備えられた移動機構の斜視図である。
図13図5に示した移動機構の動作を示す斜視図である。
図14】送風ファンユニットの上下移動を示す正面図である。
図15図1に示した画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に本発明に係るシート積載装置100を備えた画像形成装置500の一例を、図2に画像形成装置本体510の内部構造を示す。図1以降の各図において、矢印Xで示されたX方向は画像形成装置500の左右方向を、矢印Yで示されたY方向は画像形成装置500の前後方向を、矢印Zで示されたZ方向は画像形成装置の上下方向を示している。
図1に示すように、画像形成装置500は、画像形成装置本体510と、画像形成装置本体510の上方に設けられた自動原稿搬送装置(ADF)520とを備えている。
この画像形成装置500は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の4色のトナーを用いるフルカラープリンタ及び、同等の作像機能を有するフルカラー複写機である。
【0009】
図2に示すように、画像形成装置本体510は、上部に並べて配置された、それぞれ各色トナーで作像を行う4つの画像形成部101Y、101M、101C、101Kを備えている。各画像形成部101Y、101M、101C、101Kの構成とその動作は実質的に同一であるため、ここでは色を示す符号(Y、M、C、K)を省略して画像形成部101について説明する。
画像形成部101は、像担持体としての感光体ドラム102と、感光体ドラム102の周囲に配置された、帯電器103、現像装置104、クリーニング装置105などを有している。画像形成部101はまた、感光体ドラム102の上方に配置された露光装置107を有している。
【0010】
画像形成装置本体510は、4つの画像形成部101Y、101M、101C、101Kの下方に配置され、複数の支持ローラに掛け回された中間転写ベルト108を備えている。中間転写ベルト108は、支持ローラの一つが駆動手段によって回転駆動されることにより、矢印A方向に走行駆動される。
画像形成装置本体510は、中間転写ベルト108を挟んで各画像形成部101の感光体ドラム102に対向するように配置された、一次転写手段としての転写ローラ106を備えている。
【0011】
画像形成装置本体510は、下部にタンデム給紙トレイ114a及び給紙トレイ114bを有する給紙部114を備えている。この給紙部114から、シートとして例えば用紙Sが給送される。
画像形成装置本体510は、中間転写ベルト108に接して二次転写部を形成する二次転写ローラ109を備えている。
画像形成装置本体510は、二次転写部で画像が転写された用紙Sに画像を定着させる定着装置113を備えている。
画像形成装置本体510は、定着装置113によって画像が定着された用紙Sを積載するシート積載装置としての排紙部100を備えている。
【0012】
各画像形成部101においては、感光体ドラム102が図中反時計回りに回転駆動され、帯電器103によって感光体ドラム102表面が所定の極性に均一に帯電される。次いで、その帯電面に露光装置107から出射される光変調されたレーザビームが照射され、これによって感光体ドラム102上に静電潜像が形成される。その静電潜像は、現像装置104から付与されるトナーによって現像され、トナー像として可視化される。各画像形成部101で形成されたイエロー、シアン、マゼンタ、黒の各色トナー像は、中間転写ベルト108上に順次重ね合わされて転写される。
【0013】
一方、給紙部114から給送された用紙Sは、レジストローラ111に向けて矢印Bの如く搬送される。レジストローラ111に突き当てられて一旦停止された用紙Sは、中間転写ベルト108上のトナー像とのタイミングを取ってレジストローラ111より送出され、二次転写ローラ109と中間転写ベルト108とが接する二次転写部に送り込まれる。その二次転写ローラ109にトナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加され、これによって中間転写ベルト108上の重ねトナー像、例えばフルカラー画像が用紙S上に転写される。トナー像転写後の用紙Sは、搬送ベルト112により定着装置113へ搬送され、定着装置113にて熱と圧力によりトナーが用紙Sに定着される。トナー像定着後の用紙Sは、図3に示す排紙口511を経て矢印Cで示すように機外すなわち画像形成装置本体510の外部に排出され、排紙部100に排紙される。
【0014】
なお、片面印刷で裏面排紙すなわちフェイスダウン排紙する場合は、用紙反転部115を経て矢印Cで示すように機外に排出することで、用紙Sの表裏が逆転される。また、両面印刷の場合は、定着後の用紙Sを両面反転部116を経て再給紙路117よりレジストローラ111へと再給紙し、用紙Sの裏面に中間転写ベルト108よりトナー像が転写される。トナー像転写後の用紙Sは定着装置113で定着が行われ、片面印刷時と同じように定着装置113から矢印Cで示すように、あるいは用紙反転部115を経て矢印Cで示すように機外に排出され、排紙部100に排紙される。用紙Sの搬送方向を切り替えるための切替爪118、119が適宜配置されている。
【0015】
モノクロ印刷の場合は、本例の画像形成装置500では、黒(K)の画像形成部101Kのみを用いてトナー像を作像し、そのトナー像を中間転写ベルト108を介して用紙S上に転写する。トナー像転写後の用紙Sの扱いは、フルカラー印刷の場合と同様である。
【0016】
なお、図1に示すように、画像形成装置本体510は、上部に画像読取部120を備えている。画像形成装置本体510はまた、各画像形成部101の現像装置104に供給するトナーを収納した各色トナーボトルをセットするトナー補給部130を備えている。画像形成装置本体510はまた、給紙部114に用紙Sをセットするために同図に示されているように引き出される引き出しユニット140を備えている。画像形成装置本体510はまた、表示部や操作パネルなどを有する操作部150を備えている。
【0017】
図3及び図4に、排紙部100の一例を示す。
図3又は図4に示すように、排紙部100は、画像形成装置本体510の外壁に設けられた排紙口511から排出される用紙Sが積載される積載部としての排紙トレイ10を備えている。
排紙部100は、排紙トレイ10の上方に位置する送風ファンユニット20と、排紙トレイ10上の用紙Sの積載量を検知する検知部30とを備えている。
排紙部100は、検知部30によって検知された積載量に基づいて、送風ファンユニット20を排紙トレイ10に対して移動させる移動機構40を備えている。
【0018】
図5図7に、送風ファンユニット20の一例を示す。
図5図7に示すように、送風ファンユニット20は、排紙トレイ10に積載された用紙Sへ風を送る送風部としての送風ファン21を有している。
送風ファンユニット20は、送風ファン21を排紙トレイ10との距離を変更可能に支持する支持部22を有している。
送風ファンユニット20は、画像形成装置500から電源供給を行うとともに、画像形成装置500からの信号を送風ファン21に伝送するためのケーブル23と、ケーブル23の先端部に設けられたコネクタ24とを有している。
送風ファンユニット20は、送風ファン21がホームポジションを占めるように送風ファン21を付勢する付勢部としてのトーションばね25a、bを有している。
【0019】
送風ファン21はモータを内蔵しており、画像形成装置本体510側に設けられたコネクタ挿入部512にコネクタ24を挿入し、画像形成装置500からの信号がモータに伝達されることにより駆動される。送風ファン21は、上部に主電源スイッチ21aを有しており、主電源スイッチ21aにより送風ファン21の電源ON/OFFを切り替えることが可能である。
コネクタ24がコネクタ挿入部512に接続されていない状態で印刷を行うと、サービスコールエラーが発生し、操作部150に表示される仕様となっている。これは、コネクタ24が接続されていないことを、画像形成装置500が送風ファン21の回転誤動作として検知するためである。
【0020】
トーションばね25a、bは、送風ファン21と支持部22との間に位置し、段付ねじ26a、bによって支持部22に取り付けられている。トーションばね25a、bによって、図8に示すように、送風ファン21と支持部22とに常に応力が加わった状態となっている。
図7に示すように、支持部22は、排紙トレイ10に積載された用紙Sに対する送風ファン21の送風角度を変更するための溝22a、bを有している。図8に示された段付ねじ26c、dが溝22a、bの下限位置にある状態が、送風ファン21がホームポジションを占める状態である。図9に示すように、送風ファン21に用紙Sや手が当たるなどの衝撃が加わった際に、送風ファン21に取り付けられた段付ねじ26c、dが溝22a、bに沿って移動することで、送風ファン21が支持部22に固定された下部を中心として回転する。このとき、送風ファン21は、ホームポジションより上方に変位した位置を占める。外力がなくなると、送風ファン21はトーションばね25a、bの弾性力によって下方に変位し、ホームポジションに戻る。
【0021】
本実施形態では、支持部22が送風ファン21を回転可能に支持する構成としたが、送風ファン21を排紙トレイ10との距離を変更可能に支持する構成であればこれに限られない。例えば、送風ファン21の送風角度を一定に保ったまま送風ファンをZ方向に移動可能に支持する構成としても良い。
本実施形態では、付勢部としてねじりコイルばねを使用しているが、圧縮コイルばねや板ばねといった他のばね部材を使用しても良いし、ゲルやダンパーなどの弾性体を送風ファン21と支持部22との間に設けるようにしても良い。
また、ユーザが任意に送風角度を変更して、その角度で送風ファン21が固定されるようにしても良い。
【0022】
図10及び図11に、検知部30の一例を示す。
図10又は図11に示すように、検知部30は、排紙トレイ10に積載された用紙Sの最上面、言い換えると最上位の用紙Sの上面に当接し、用紙Sの積載量に応じて変位する変位部材としてのフィラー31を有している。
検知部30は、フィラー31の変位を検知するセンサ32を有している。
検知部30は、フィラー31とセンサ32とを画像形成装置本体510内に固定する固定部材33を有している。
【0023】
フィラー31は、排紙トレイ10上の用紙Sの積載量が多くなってくると、軸34を中心として先端が上方に変位するように回転する。
センサ32はフォトインタラプタ、すなわち透過型光学センサであり、発光部32aと受光部32bとを有している。用紙Sの積載量が一定量を超えると、フィラー31の回転によりフィラー31の根元に設けられた作用部31aがセンサ32に達し、発光部32aと受光部32bとの間に入り込んで発光部32aの光を遮る。このことにより、受光部32bが発光部32aからの光を検知しなくなり、用紙Sが排紙トレイ10上に満杯になったことを検知することが可能である。
【0024】
図12及び図13に、移動機構40の一例を示す。
図12又は図13に示すように、移動機構40は、フィラー31に連結されフィラー31が変位することにより、すなわち回転することによりスイッチングされて駆動される駆動部としてのモータ41を有している。
移動機構40は、モータ41の出力ギア41aの回転が伝達されることにより駆動される従動ギア42と、従動ギア42の回転が伝達されることにより駆動されるスクリュー43とを有している。
移動機構40は、支持部22が固定されており、スクリュー43の回転によりZ方向に移動する可動部材44を有している。
【0025】
フィラー31の回転によりモータ41が駆動され、出力ギア41aが回転する。すなわち、出力ギア41aは、実質的にフィラー31と一体で連動して回転する。出力ギア41aが回転すると、出力ギア41aの回転が従動ギア42に伝達され、従動ギア42から伝達された回転量によりスクリュー43が回転する。
可動部材44は、スクリュー43に連結させるための、内部がタップ加工された穴を有している。このため、スクリュー43が回転すると、スクリュー43の回転に連動して可動部材44がZ方向に移動する。可動部材44がZ方向に移動すると、可動部材44に固定された送風ファンユニット20もZ方向に移動する。
排紙トレイ10に積載された用紙Sの最上面と送風ファン21との距離が離れていると冷却効果が得られないため、送風ファンユニット20の移動量は、用紙Sの最上面と送風ファン21との距離が一定になるように設定されている。
【0026】
本実施形態では、移動機構40が送風ファン21の送風角度を一定に保ったまま送風ファンユニット20を移動させる構成としたが、送風ファンユニット20を排紙トレイ10に対して移動させる構成であればこれに限られない。例えば、支持部22に支点を設け、用紙Sの積載量が多くなってきたら用紙Sの積載面から退避させるように、送風ファンユニット20を支点を中心としてY方向に回転させる構成としても良い。
また、本実施形態では、移動機構40が送風ファンユニット20を上下方向に移動させる構成としたが、送風ファンユニット20を排紙トレイ10との距離が変化するように移動させる構成であればこれに限られない。例えば、用紙Sの積載面に対して垂直方向、言い換えると法線方向へ退避させるように、送風ファンユニット20を平行移動させる構成としても良い。
【0027】
図15に、画像形成装置500の動作の一例を示す。
画像形成装置500は、ステップS1において、コネクタ24が画像形成装置500に正しく接続されているかどうかを判定する。
ステップS1においてコネクタ24が正しく接続されていないと判定された場合、ステップS2において、画像形成装置500は、操作部150にサービスコールエラーを表示し、印刷が中断される。
【0028】
ステップS1においてコネクタ24が正しく接続されていると判定された場合、ステップS3において、画像形成装置500は、排紙トレイ10上に用紙Sの排出を開始する。
用紙Sの排出が開始されると、ステップS4において、用紙Sの積載量に応じてフィラー31が回転する。
フィラー31が回転すると、ステップS5において、フィラー31の回転が移動機構40を介して送風ファンユニット20に伝達され、図14に示すように、送風ファンユニット20が排紙トレイ10から遠ざかるように上昇する。
【0029】
ステップS6において、センサ32は、フィラー31がセンサ32に到達したかどうかを判定する。
ステップS6においてフィラー31がセンサ32に到達していないと判定された場合、ステップS4に戻り、用紙Sの積載量に応じてフィラー31がさらに回転し、ステップS5において、フィラー31の回転により送風ファンユニット20がさらに上昇する。フィラー31がセンサ32に到達するまでステップS4及びS5の動作が繰り返される。
ステップS6においてフィラー31がセンサ32に到達したと判定された場合、ステップS7において、画像形成装置500は、用紙Sが排紙トレイ10上に満杯になったことを検知し、印刷が終了する。
【0030】
排紙トレイ10上に排出される用紙Sが増えれば増えるほど、用紙Sを除去する際に送風ファン21と接触しやすくなる。本実施形態では、用紙Sが蓄積されると、積載量に応じて送風ファンユニット20が上昇するため、送風ファン21との接触を未然に防止することが可能となる。
また、排紙トレイ10に積載された用紙Sの最上面と送風ファン21との距離が一定になるように送風ファンユニット20が移動するため、冷却効果を得ながらも排紙トレイ上に積載された用紙Sを容易に取り除くことが可能となる。
【0031】
仮に、用紙Sを取り除く際に用紙Sや手が送風ファン21に接触したとしても、送風ファン21が溝22a、bに沿って回転することによりホームポジションから退避するため、用紙Sを取り除く動作が妨げられることはない。また、ホームポジションから退避した送風ファン21は、外力がなくなると、トーションばね25a、bの弾性力によってホームポジションに戻るため、送風ファン21をホームポジションに戻す手間が省け、冷却性能を損なうこともない。
【0032】
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本発明は、インクジェット方式による画像形成装置に適用することも可能である。インクジェット方式による画像形成装置の場合、送風ファンは、シート上に付着したインクを乾燥させる目的で、排紙トレイ上のシート積載面に対向して設けられる。
【0033】
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
10…積載部、排紙トレイ、20…送風ファンユニット、21…送風部、送風ファン、21a…主電源スイッチ、22…支持部、22a、b…溝、23…ケーブル、24…コネクタ、25a、b…付勢部、トーションばね、26a、b、c、d…段付ねじ、30…検知部、31…変位部材、フィラー、31a…作用部、32…センサ、32a…発光部、32b…受光部、33…固定部材、34…軸、40…移動機構、41…駆動部、モータ、41a…出力ギア、42…従動ギア、43…スクリュー、44…可動部材、100…シート積載装置、排紙部、120…画像読取部、130…トナー補給部、140…引き出しユニット、150…操作部、500…画像形成装置、510…画像形成装置本体、511…排紙口、512…コネクタ挿入部、520…自動原稿搬送装置、S…シート、用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【文献】特開2008-134484号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15