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特許7043911管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220323BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220323BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220323BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 310
G06F3/12 373
G03G21/00 386
G03G21/00 510
B41J29/38 801
B41J29/38 301
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018051072
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019164466
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中井 暁允
(72)【発明者】
【氏名】邑田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】田辺 暁子
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-226197(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0371271(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
B41J 29/00-29/70
B41J 5/00-5/52;21/00-21/18
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機器を管理する管理装置であって、
前記機器の使用実績を示す情報を、所定の期間ごとに取得する取得手段と、
取得した前記使用実績を示す情報に基づいて、前記機器に対して作業を行う際の作業タイミングを示す予測値を算出する算出手段と、
前記予測値に基づいて、前記所定の期間ごとに出力値を出力する出力手段と、を有し、
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合、N回目に算出した前記予測値をN回目の出力値として出力し、(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値以下となる値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値から定数を減算した値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合であって、前記算出手段によりN回目に算出された予測値が前記所定の閾値以下の場合、前記所定の閾値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合であって、(N-1)回目に出力した出力値と、前記算出手段によりN回目に算出された予測値との差分が、所定の減少閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値から定数を減算した値を、N回目の出力値として出力し、
(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合であって、(N-1)回目に出力した出力値と、前記算出手段によりN回目に算出された予測値との差分が、所定の減少閾値より大きい場合、前記予測値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合であって、(N-1)回目に出力した出力値と、前記算出手段によりN回目に算出された予測値との差分が、所定の減少閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値から定数を減算した値を、N回目の出力値として出力し、
(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合であって、(N-1)回目に出力した出力値と、前記算出手段によりN回目に算出された予測値との差分が、所定の減少閾値より大きい場合、(N-1)回目に出力した出力値から定数を減算した値を、N回目の出力値として出力するとともに、所定のメッセージを出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記出力手段は、
前記算出手段によりN回目に算出された予測値が、(N-1)回目に出力した出力値以下の場合、前記予測値をN回目の出力値として出力し、
前記算出手段によりN回目に算出された予測値が、(N-1)回目に出力した出力値より大きい場合であって、(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合、前記予測値をN回目の出力値として出力し、
前記算出手段によりN回目に算出された予測値が、(N-1)回目に出力した出力値より大きい場合であって、(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値以下となる値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項7】
前記算出手段は、
1日あたりの使用量を判定することで算出された使用日数を用いて、前記予測値を算出することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項8】
所定の機器と、該所定の機器を管理する管理装置とを有する管理システムであって、
前記所定の機器または前記管理装置のいずれか一方が、
前記所定の機器の使用実績を示す情報を、所定の期間ごとに取得する取得手段と、
取得した前記使用実績を示す情報に基づいて、前記機器に対して作業を行う際の作業タイミングを示す予測値を算出する算出手段と、
前記予測値に基づいて、前記所定の期間ごとに出力値を出力する出力手段と、を有し、
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合、N回目に算出した前記予測値をN回目の出力値として出力し、(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値以下となる値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする管理システム。
【請求項9】
所定の機器を管理する管理方法であって、
取得手段が、前記機器の使用実績を示す情報を、所定の期間ごとに取得する取得工程と、
算出手段が、取得した前記使用実績を示す情報に基づいて、前記機器に対して作業を行う際の作業タイミングを示す予測値を算出する算出工程と、
出力手段が、前記予測値に基づいて、前記所定の期間ごとに出力値を出力する出力工程と、を有し、
前記出力工程は、
(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合、N回目に算出した前記予測値をN回目の出力値として出力し、(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値以下となる値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする管理方法。
【請求項10】
所定の機器を管理する管理装置のコンピュータに、
前記機器の使用実績を示す情報を、所定の期間ごとに取得する取得工程と、
取得した前記使用実績を示す情報に基づいて、前記機器に対して作業を行う際の作業タイミングを示す予測値を算出する算出工程と、
前記予測値に基づいて、前記所定の期間ごとに出力値を出力する出力工程と、を実行させるための管理プログラムであって、
前記出力工程は、
(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合、N回目に算出した前記予測値をN回目の出力値として出力し、(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値以下となる値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理システム、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、所定の機器(例えば、画像形成装置)の使用実績を遠隔で管理し、所定の作業タイミング(消耗品の補充タイミングや、交換部品の交換タイミング等)を予測する予測技術が知られている(例えば、下記特許文献1等参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これまでの予測技術では、単位期間あたりの使用実績にばらつきが生じた場合に、作業タイミングを示す予測値(例えば、消耗品補充までの残日数)が増減するという問題があった。このため、作業者は、所定の機器に対して適切な作業タイミングで作業を行う機会を逸し、例えば、消耗品がなくなってから補充を行ったり、交換部品が故障してから交換を行うなど、非効率な作業を強いられることがあった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、所定の機器に対して作業を行う作業者の作業効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、管理装置は、以下のような構成を有する。すなわち、
所定の機器を管理する管理装置であって、
前記機器の使用実績を示す情報を、所定の期間ごとに取得する取得手段と、
取得した前記使用実績を示す情報に基づいて、前記機器に対して作業を行う際の作業タイミングを示す予測値を算出する算出手段と、
前記予測値に基づいて、前記所定の期間ごとに出力値を出力する出力手段と、を有し、
前記出力手段は、
(N-1)回目に出力した出力値が所定の閾値より大きい場合、N回目に算出した前記予測値をN回目の出力値として出力し、(N-1)回目に出力した出力値が前記所定の閾値以下の場合、(N-1)回目に出力した出力値以下となる値を、N回目の出力値として出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の各実施形態によれば、所定の機器に対して作業を行う作業者の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】機器の使用実績から使用可能量を予測する予測方法を説明するための図である。
図4】予測残日数の算出方法を説明するための図である。
図5】予測残日数が変動する例を示す図である。
図6】管理装置の機能構成の詳細を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図8】残日数出力処理の具体例を示す図である。
図9】第2の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図10】第3の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図11】機器使用日数算出処理の流れを示すフローチャートである。
図12】第4の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図13】第5の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図14】第6の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図15】第7の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
図16】各実施形態に係る管理装置による残日数の出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、各実施形態の詳細について説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に際して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0009】
[第1の実施形態]
<1.管理システムのシステム構成>
はじめに、第1の実施形態に係る管理装置を含む管理システムのシステム構成について説明する。図1は、管理システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示すように、管理システム100は、機器110_1~110_nと、管理装置120とを有する。なお、機器110_1~110_nと、管理装置120とは、ネットワーク170を介して通信可能に接続される。
【0010】
機器110_1~110_nは、画像形成装置等の所定の機器であり、それぞれ消耗品や交換部品を有する。機器110_1~110_nは、それぞれ、管理装置120に対して、消耗品や交換部品の使用実績を示す実績情報を送信する。実績情報には、機器110_1~110_nそれぞれが使用を開始した日付(使用開始日)、使用開始後の消耗品や交換部品の使用量、計測値等の実績値、が含まれる。
【0011】
また、機器110_1~110_nは、それぞれ、管理装置120より、残日数を受信する。残日数とは、管理装置120が出力する出力値である。具体的には、残日数とは、機器110_1~110_nがそれぞれ有する消耗品を補充する補充タイミングまでの残日数や、交換部品を交換する交換タイミングまでの残日数を指す。
【0012】
なお、図1の例は、機器110_1と機器110_2とが利用者Aの作業空間に設置され、機器110_nが利用者Bの作業空間に設置されていることを示している。利用者とは、例えば、会社や自治体等を指す。
【0013】
作業者180は、機器110_1~110_nそれぞれが有する消耗品を補充したり、交換部品を交換するなど、機器110_1~110_nに対して各種作業を行う作業者である。作業者180は、例えば、利用者Aの作業空間に設置されている機器110_1または機器110_2が有する消耗品や交換部品について、補充や交換が必要となった場合に、利用者Aを訪問し、各種作業(補充作業、交換作業)を行う。作業者180が利用者を訪問するか否かは、データセンタに設置された管理装置120より出力される出力値(残日数)に基づいて作業者180が判断するものとする。
【0014】
管理装置120は、機器110_1~110_nより実績情報を取得することで、機器110_1~110_nの使用実績を遠隔で管理する装置であり、残日数を出力する。管理装置120には、管理プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、管理装置120は、算出部140、更新部150として機能する。
【0015】
算出部140は、ネットワーク170を介して、機器110_1~110_nから、実績情報を取得し、実績情報格納部160に格納する。また、算出部140は、取得した実績情報に基づいて、機器110_1~110_nがそれぞれ有する消耗品の補充タイミングや、交換部品の交換タイミング等、各種作業の作業タイミングを示す予測残日数(予測値)を算出する。
【0016】
更新部150は、算出部140が予測残日数の算出を行うべきタイミング(予測タイミング)を通知する。また、更新部150は、予測タイミングを通知したことで、算出部140より予測残日数が通知された場合に、当該予測残日数を残日数として出力するか否かを判定する。
【0017】
予測残日数を残日数として出力すると判定した場合、更新部150は、算出された予測残日数を、残日数として出力するとともに、対応する機器に送信する。一方、予測残日数を残日数として出力しないと判定した場合、更新部150は、代替残日数を算出し、算出した代替残日数を残日数として出力するとともに、対応する機器に送信する。
【0018】
<2.管理装置のハードウェア構成>
次に、管理装置120のハードウェア構成について説明する。図2は、管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0019】
図2に示すように、管理装置120は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を有する。CPU201、ROM202、RAM203は、いわゆるコンピュータを形成する。
【0020】
また、管理装置120は、補助記憶装置204、表示装置205、操作装置206、I/F(Interface)装置207、ドライブ装置208を有する。なお、管理装置120の各ハードウェアは、バス209を介して相互に接続されている。
【0021】
CPU201は、補助記憶装置204にインストールされている各種プログラム(例えば、管理プログラム等)を実行する演算デバイスである。
【0022】
ROM202は、不揮発性メモリである。ROM202は、補助記憶装置204にインストールされている各種プログラムをCPU201が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM202はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0023】
RAM203は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM203は、補助記憶装置204にインストールされている各種プログラムがCPU201によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0024】
補助記憶装置204は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。例えば、実績情報格納部160は、補助記憶装置204において実現される。
【0025】
表示装置205は、管理装置120の内部状態等を表示する表示デバイスであり、第1の実施形態では、例えば、残日数を表示する。操作装置206は、管理装置120に対して各種指示を入力する際に用いられる入力デバイスである。I/F装置207は、ネットワーク170に接続するための接続デバイスである。
【0026】
ドライブ装置208は記録媒体210をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体210には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体210には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0027】
なお、補助記憶装置204にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体210がドライブ装置208にセットされ、該記録媒体210に記録された各種プログラムがドライブ装置208により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置204にインストールされる各種プログラムは、I/F装置207を介して、ネットワーク170よりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0028】
<3.使用可能量を予測する予測方法の説明>
次に、機器110_1~110_nの使用実績から使用可能量を予測する予測方法について説明する。なお、使用可能量とは、使用開始日から消耗品の補充タイミング(または交換部品の交換タイミング)までの間に使用可能な消耗品(または交換部品)の量を指す。図3は、機器の使用実績から使用可能量を予測する予測方法を説明するための図である。図3の例は、機器110_1が有する交換部品であるモータの使用実績から使用可能量を予測する予測方法を示している。
【0029】
図3において、横軸及び縦軸は、機器110_1の使用開始日からのモータの使用実績(横軸は、交換部品の使用量(走行距離)の実績値、縦軸は、交換部品の計測値(トルク値)の実績値)を示している。図3に示すように、使用開始日から一定期間は、モータの走行距離が増加しても、モータのトルク値は概ね一定となっている。一方で、使用開始日から一定期間が経過した後は、モータの走行距離に応じて、モータのトルク値は増加している。
【0030】
ここで、モータのトルク値は、一定値(モータの寿命となるトルク値)に到達すると、モータが故障する可能性が高まる。このため、モータのトルク値が一定値に到達した時点でのモータの走行距離を予測できれば、当該モータの使用可能量を予測することができる。
【0031】
図3は、モータの使用可能量を予測した様子を示している。図3に示すように、まず、モータの走行距離の実績値とモータのトルク値の実績値との関係から、近似曲線(寿命予測曲線301)を求める。続いて、寿命予測曲線301と、一定値(モータの寿命となるトルク値)との交点302を算出する。これにより、使用可能量(走行距離)を予測することができる。
【0032】
<4.予測残日数の算出方法>
次に、上記予測方法のもとで予測した使用可能量から、予測残日数を算出する算出方法について説明する。図4は、予測残日数の算出方法を説明するための図である。
【0033】
図4において、グラフ401は、モータの使用可能量を示している。また、グラフ402は、機器110_1の使用開始日から現時点(今日)までの間に使用した、モータの使用量を示している。
【0034】
図4から明らかなように、グラフ401とグラフ402との差分は、現時点(今日)から、あとどのくらいの走行距離分、モータを使用できるか(使用可能残量)を表している。ここで、使用可能残量を使用するのに、あとどれくらいの日数がかかるか(予測残日数)は、これまでの単位期間あたりの平均の使用実績(例えば、1日あたりの平均の使用量(使用割合))から算出することができる。
【0035】
具体的には、まず、機器110_1の使用開始日から現時点(今日)までの日数(機器使用日数)で、モータの使用量を除算することで、1日あたりの平均の使用量(使用割合)を求めることができる。そして、使用可能残量を、1日あたりの平均の使用量(使用割合)で除算することで、予測残日数を算出することができる。
【0036】
<5.予測残日数が変動する具体例>
次に、上記算出方法のもとで算出した予測残日数が変動する具体例について説明する。図5は、予測残日数が変動する例を示す図である。このうち、図5(a)は、予測残日数が減少する例を示している。
【0037】
図5(a)に示すように、予測残日数を、予測タイミング(1)で算出した際には、寿命予測曲線501の上昇カーブは緩やかであったのに対して、予測残日数を、予測タイミング(2)で算出した際には、寿命予測曲線502の上昇カーブは急になっている。
【0038】
このため、寿命予測曲線501と一定値(モータの寿命となるトルク値)との交点511に比べて、寿命予測曲線502と一定値(モータの寿命となるトルク値)との交点512は、左方向にずれることとなる。つまり、予測タイミング(1)で算出した予測残日数と比べて、予測タイミング(2)で算出した予測残日数は減少している。
【0039】
一方、図5(b)は、予測残日数が増加する例を示している。図5(b)に示すように、予測残日数を、予測タイミング(1)で算出した際には、寿命予測曲線501の上昇カーブは急であったのに対して、予測タイミング(2)で算出した際には、寿命予測曲線502の上昇カーブは緩やかになっている。
【0040】
このため、寿命予測曲線501と一定値(モータの寿命となるトルク値)との交点511に比べて、寿命予測曲線502と一定値(モータの寿命となるトルク値)との交点512は、右方向にずれることとなる。つまり、予測タイミング(1)で算出した予測残日数と比べて、予測タイミング(2)で算出した予測残日数は増加している。
【0041】
このように、予測残日数は、寿命予測曲線が変化することで変動する。そして、寿命予測曲線は、実績情報がばらつくことで変化するため、予測タイミングが異なれば変化する。つまり、予測残日数は、予測タイミングによって変動する値であるということができる。
【0042】
なお、以下では、説明を簡略化するために、寿命予測曲線は変化せず、使用可能量は一定であるとする。ただし、実績情報のうち使用量がばらつくことで、使用割合が変化し、予測残日数が予測タイミングによって変動するものとして説明する。
【0043】
<6.管理装置の機能構成>
次に、管理装置120の各部(算出部140、更新部150)の機能構成の詳細について説明する。図6は、管理装置の機能構成の詳細を示す図である。
【0044】
図6に示すように、算出部140は、実績情報取得部601、使用割合算出部602、使用可能残量算出部603、予測残日数算出部604を有する。
【0045】
実績情報取得部601は取得手段の一例である。実績情報取得部601は、タイミング管理部611から取得指示を受信すると、機器110_1~110_nより、現時点での実績情報を取得する。なお、以下では、説明の簡略化のため、機器110_1から現時点での実績情報を取得するものとして説明する。
【0046】
実績情報取得部601は、実績情報を取得すると、実績情報に含まれる使用開始日及び使用量を、実績情報格納部160に格納するとともに、使用割合算出部602に通知する。上述したとおり、使用可能量を一定としていることから(使用量がばらつくことで使用割合が変化し、予測残日数が増減する場合を扱うものとしていることから)、ここでは、実績情報取得部601は、実績情報として、使用開始日及び使用量を取得するものとする。
【0047】
使用割合算出部602は、実績情報取得部601より使用開始日及び使用量を取得すると、タイミング管理部611から、現時点(今日)の日付を示す日付情報を取得する。そして、使用割合算出部602では、下式(式1、式2)に基づいて機器使用日数、及び、1日あたりの平均の使用量(使用割合)を算出する。
(式1)機器使用日数=(日付情報)-(使用開始日)
(式2)1日あたりの平均の使用量(使用割合)=(使用量)/(機器使用日数)
使用割合算出部602は、算出した使用割合を、予測残日数算出部604に通知する。
【0048】
使用可能残量算出部603は、消耗品及び交換部品について、予め使用可能量を取得しておき、実績情報格納部160から、現時点(今日)までの使用量を読み出すことで、下式(式3)に基づいて使用可能残量を算出する。
(式3)使用可能残量=(使用可能量)-(使用量)
使用可能残量算出部603は、算出した使用可能残量を、予測残日数算出部604に通知する。
【0049】
予測残日数算出部604は算出手段の一例である。予測残日数算出部604は、使用割合算出部602から取得した使用割合と、使用可能残量算出部603から取得した使用可能残量と用いて、下式(式4)に基づいて、予測残日数を算出する。
(式4)予測残日数=(使用可能残量)/(使用割合)
予測残日数算出部604は、算出した予測残日数を選択部613に通知する。
【0050】
更新部150は、タイミング管理部611、前回出力残日数読み出し部612、選択部613、代替残日数算出部614、残日数出力部615、出力残日数保持部616を有する。
【0051】
タイミング管理部611は、単位期間(例えば、1日)の経過を監視し、単位期間が経過するごとに処理タイミングに到達したと判定し、前回出力残日数読み出し部612に読み出し指示を通知する。また、タイミング管理部611は、前回出力残日数読み出し部612に読み出し指示を通知したことに応じて、選択部613から取得指示が通知された場合、実績情報取得部601に取得指示を通知する。更に、タイミング管理部611は、実績情報取得部601に取得指示を通知した場合に、使用割合算出部602に日付情報を通知する。
【0052】
前回出力残日数読み出し部612は、タイミング管理部611より読み出し指示を受けると、出力残日数保持部616に保持されている前回出力残日数(例えば、1日前に出力された残日数)を読み出し、選択部613に通知する。
【0053】
選択部613は、前回出力残日数読み出し部612より前回出力残日数を取得すると、取得した前回出力残日数が、所定の残日数閾値より大きいか否かを判定する。前回出力残日数が、所定の残日数閾値より大きいと判定した場合、選択部613は、タイミング管理部611に対して、取得指示を通知する。また、選択部613は、タイミング管理部611に対して、取得指示を通知したことに応じて、予測残日数算出部604より予測残日数を取得した場合、残日数出力部615に、取得した予測残日数を通知する。
【0054】
一方、前回出力残日数が、所定の残日数閾値以下であると判定された場合、選択部613は、前回出力残日数読み出し部612より通知された前回出力残日数を、代替残日数算出部614に通知する。
【0055】
代替残日数算出部614は、選択部613より前回出力残日数を取得すると、取得した前回出力残日数を用いて、下式(式5)に基づいて、代替残日数を算出する。
(式5)代替残日数=(前回出力残日数)-1
代替残日数算出部614は、算出した代替残日数を残日数出力部615に通知する。
【0056】
残日数出力部615は出力手段の一例である。残日数出力部615は、選択部613より予測残日数が通知された場合には、当該予測残日数を、残日数として出力する。また、残日数出力部615は、代替残日数算出部614より代替残日数が通知された場合には、当該代替残日数を、残日数として出力する。
【0057】
更に、残日数出力部615は、出力した残日数を用いて、出力残日数保持部616に保持されている残日数(1日前に出力され、保持されている残日数)を更新するとともに、出力した残日数を、機器110_1に送信する。
【0058】
出力残日数保持部616は、前回出力残日数読み出し部612より読み出し指示を受信すると、現在保持している前回出力残日数を前回出力残日数読み出し部612に通知する。また、出力残日数保持部616は、残日数出力部615より、残日数の通知を受けると、現在保持している残日数を、通知された残日数を用いて更新する。
【0059】
<7.残日数出力処理の流れ>
次に、管理装置120による残日数出力処理の流れについて説明する。図7は、第1の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。
【0060】
ステップS701において、タイミング管理部611は、前回の処理から単位期間が経過し、処理実行タイミングに到達したか否かを判定する。ステップS701において、処理実行タイミングに到達していないと判定した場合には(ステップS701においてNoの場合には)、処理実行タイミングに到達したと判定するまで待機する。
【0061】
一方、ステップS701において、処理実行タイミングに到達したと判定した場合には(ステップS701においてYesの場合には)、タイミング管理部611は、読み出し指示を前回出力残日数読み出し部612に通知し、ステップS702に進む。
【0062】
ステップS702において、前回出力残日数読み出し部612は、出力残日数保持部616より、前回出力残日数を取得する。
【0063】
ステップS703において、選択部613は、前回出力残日数を、所定の残日数閾値と比較する。比較の結果、ステップS704において、前回出力残日数が所定の残日数閾値より大きいと判定した場合には(ステップS704においてYesの場合には)、選択部613は、タイミング管理部611に取得指示を通知し、ステップS706に進む。
【0064】
タイミング管理部611が、実績情報取得部601に取得指示を通知することで、ステップS706では、実績情報取得部601が、使用開始日、使用量を取得する。また、タイミング管理部611が、使用割合算出部602に対して日付情報を通知し、使用割合算出部602が、これを取得する。
【0065】
ステップS707において、使用割合算出部602は、使用開始日、使用量、日付情報を用いて、使用割合を算出する。
【0066】
ステップS708において、使用可能残量算出部603は、使用量、使用可能量を取得する。ステップS709において、使用可能残量算出部603は、使用可能量、使用量を用いて、使用可能残量を算出する。
【0067】
ステップS710において、予測残日数算出部604は、使用可能残量と使用割合とを用いて、予測残日数を算出し、選択部613は、算出された予測残日数を残日数出力部615に通知する。
【0068】
一方、ステップS704において、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下であると判定した場合には(ステップS704においてNoの場合には)、ステップS705に進む。
【0069】
ステップS705において、代替残日数算出部614は、前回出力残日数に基づいて、代替残日数を算出し、残日数出力部615に通知する。
【0070】
ステップS711において、残日数出力部615は、残日数を出力する。なお、残日数出力部615は、選択部613より予測残日数が通知された場合には、通知された予測残日数を、残日数として出力する。また、残日数出力部615は、代替残日数算出部614より代替残日数が通知された場合には、通知された代替残日数を、残日数として出力する。
【0071】
ステップS712において、残日数出力部615は、出力した残日数を用いて、出力残日数保持部616に保持されている残日数(前回出力した残日数)を更新する。
【0072】
ステップS713において、タイミング管理部611は、残日数出力処理を終了するか否かを判定する。ステップS713において、残日数出力処理を継続すると判定した場合には(ステップS713においてNoの場合には)、ステップS701に戻る。
【0073】
一方、ステップS713において、残日数出力処理を終了すると判定した場合には(ステップS713においてYesの場合には)、残日数出力処理を終了する。
【0074】
<8.残日数出力処理の具体例>
次に、残日数出力処理の具体例について説明する。図8は、残日数出力処理の具体例を示す図である。図8において、横軸は、使用開始日からの経過時間を示しており、縦軸は、予測残日数算出部604により算出された予測残日数または残日数出力部615により出力された残日数を示している。
【0075】
図8に示すように、算出された予測残日数が所定の残日数閾値より大きい場合には、予測残日数が残日数として出力されるため、予測残日数と出力された残日数とは等しくなる。
【0076】
一方、算出された予測残日数が所定の残日数閾値以下となった場合には、代替残日数が残日数として出力されるため、単位期間が経過するごとに、単位期間分、残日数が減少していく(例えば、1日経過するごとに、残日数が1日ずつ減少していく)。これにより、算出された予測残日数の方は、所定の残日数閾値以下となって以降も増減しているのに対して、出力される残日数は、単純減少する。
【0077】
このように、出力される残日数が増減せず、単純減少することで、作業者は、各種機器に対して適切な作業タイミングで作業を行う機会を逸してしまうといった事態を回避することができる。この結果、従来は、例えば、消耗品がなくなってから補充を行ったり、交換部品が故障してから交換を行うなど、非効率な作業を強いられることがあったところ、管理装置120によれば、各種機器に対して作業を行う作業者の作業効率を向上させることができる。
【0078】
<9.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る管理装置は、
・使用実績と、現時点(今日)の日付情報と、使用可能量とを用いて、機器が有する消耗品、交換部品についての補充タイミング、交換タイミングを示す予測残日数を算出する。
・前回出力残日数が、所定の残日数閾値より大きい場合には、今回算出した予測残日数を残日数として出力し、所定の残日数閾値以下の場合には、単純減少する代替残日数を算出し、算出した代替残日数を残日数として出力する。
【0079】
これにより、第1の実施形態に係る管理装置によれば、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となって以降は、出力される残日数が増減せず、単純減少することとなる。この結果、第1の実施形態に係る管理装置によれば、出力される残日数の増減に伴って、作業者が機器に対して適切な作業タイミングで作業を行う機会を逸してしまうといった事態を回避することが可能となり、作業者の作業効率を向上させることができる。
【0080】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となった場合に、代替残日数を残日数として出力するものとして説明した。しかしながら、所定の残日数閾値の前後において、予測残日数が急激に変化した場合にあっては、代替残日数(=前回出力残日数-1)を残日数として出力することは妥当ではない。
【0081】
そこで、第2の実施形態では、所定の残日数閾値の前後において、予測残日数が急激に変化した場合、選択部が、所定の残日数閾値の値を用いて、算出した予測残日数を置き換える。これにより、残日数出力部では、所定の残日数閾値の前後における、予測残日数の急激な変化に対応した残日数を出力することが可能となる。以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0082】
<1.残日数出力処理の流れ>
図9は、第2の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。図7を用いて説明した残日数出力処理との相違点は、ステップS901及びステップS902である。
【0083】
ステップS901において、選択部613は、予測残日数算出部604より通知された予測残日数が、所定の残日数閾値より大きいか否かを判定する。ステップS901において、通知された予測残日数が、所定の残日数閾値より大きいと判定した場合には(ステップS901においてYesの場合には)、予測残日数を、残日数出力部615に通知し、ステップS711に進む。
【0084】
一方、ステップS901において、通知された予測残日数が、所定の残日数閾値以下であると判定した場合には(ステップS901においてNoの場合には)、ステップS902に進む。
【0085】
ステップS902において、選択部613は、予測残日数を、所定の残日数閾値の値を用いて置き換えた後、残日数出力部615に通知する。これにより、残日数出力部615からは、所定の残日数閾値の値が、残日数として出力されることになる。
【0086】
<2.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係る管理装置は、
・使用実績と、現時点(今日)の日付情報と、使用可能量とを用いて、機器が有する消耗品、交換部品についての補充タイミング、交換タイミングを示す予測残日数を算出する。
・前回出力残日数が、所定の残日数閾値より大きい場合であって、今回算出した予測残日数が所定の残日数閾値以下であった場合には、所定の残日数閾値の値を、残日数として出力する。また、前回出力残日数が、所定の残日数閾値より大きい場合であって、今回算出した予測残日数が所定の残日数閾値より大きい場合には、算出した予測残日数を残日数として出力する。
・更に、前回出力残日数が、所定の残日数閾値以下の場合には、単純減少する代替残日数を算出し、算出した代替残日数を残日数として出力する。
【0087】
これにより、第2の実施形態に係る管理装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果に加えて、所定の残日数閾値の前後における、予測残日数の急激な変化に対応した残日数の出力が可能になるといった効果も享受することができる。
【0088】
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、日付情報と使用開始日とを用いて機器使用日数を算出するものとして説明した。しかしながら、機器の使用開始日以降であっても、実際には、機器がほとんど使用されていない日が存在し、このような日を機器使用日数に加算するのは妥当でない。
【0089】
そこで、第3の実施形態では、実際に機器が使用されているか否かを判定し、使用されていると判定した場合に、機器使用日数に加算するよう構成する。以下、第3の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0090】
<1.残日数出力処理の流れ>
図10は、第3の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。図7を用いて説明した残日数出力処理との相違点は、ステップS1001である。
【0091】
ステップS1001において、使用割合算出部602は、機器使用日数算出処理を実行し、実績情報格納部160に格納された過去の使用量の変遷に基づいて、現時点までに実際に機器が使用された日数を算出する。
【0092】
図11は、機器使用日数算出処理の流れを示すフローチャートである。図11(a)に示すように、使用割合算出部602は、ステップS1101において、実績情報格納部160に格納された過去の使用量を読み出すことで、前回の使用量(例えば、走行距離)を取得する。
【0093】
また、ステップS1102において、使用割合算出部602は、ステップS1101において取得した前回の使用量に対応する、今回の使用量を取得する(図11(b)参照)。
【0094】
ステップS1103において、使用割合算出部602は、ステップS1101において取得した前回の使用量と、ステップS1102において取得した今回の使用量との差分を算出する。
【0095】
ステップS1104において、使用割合算出部602は、算出した差分が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS1104において、算出した差分が所定の閾値以上でないと判定した場合には(ステップS1104においてNoの場合には)、ステップS1105に進む。
【0096】
ステップS1105において、使用割合算出部602は、前回の使用量を取得した日から今回の使用量を取得した日までの間の日数を、機器使用日数に加算しない(図11(b)の符号1112参照)。
【0097】
一方、ステップS1104において、算出した差分が所定の閾値以上であると判定した場合には(ステップS1104においてYesの場合には)、ステップS1106に進む。
【0098】
ステップS1106において、使用割合算出部602は、前回の使用量を取得した日から今回の使用量を取得した日までの間の日数を、機器使用日数に加算する(図11(b)の符号1111参照)。
【0099】
これらの機器使用日数算出処理を機器使用開始日から現時点までのすべての使用量に対して実行することで、実際の機器使用日数を算出することができる。
【0100】
<2.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第3の実施形態に係る管理装置は、
・前回の使用量と今回の使用量との差分が所定の閾値以下であるか否かに応じて、機器使用日数に加算するか否かを切り替えて、実際の機器使用日数を算出する。
・実際の機器使用日数を用いて、使用割合を算出する。
【0101】
これにより、第3の実施形態に係る管理装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果に加えて、更に、より精度の高い使用割合を用いた予測残日数の算出が可能になるという効果も享受することができる。
【0102】
[第4の実施形態]
上記第1の実施形態では、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下であると判定された場合、代替残日数(=前回出力残日数-1)を残日数として出力するものとして説明した。しかしながら、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となって以降も、予測残日数の減少幅が大きい場合には、当該予測残日数を残日数として出力することが望ましい。
【0103】
これにより、減少幅の大きな変動を見逃すことなく、出力する残日数に反映させることができるからである。以下、第4の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0104】
<1.残日数出力処理の流れ>
図12は、第4の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。図7を用いて説明した残日数出力処理との相違点は、ステップS1201からステップS1209である。
【0105】
ステップS1201において、タイミング管理部611は、実績情報取得部601に取得指示を通知し、実績情報取得部601は、使用開始日、使用量を取得する。また、タイミング管理部611は、使用割合算出部602に対して日付情報を通知し、使用割合算出部602では、これを取得する。
【0106】
ステップS1202において、使用割合算出部602は、使用開始日、使用量、日付情報を用いて、使用割合を算出する。
【0107】
ステップS1203において、使用可能残量算出部603は、使用量、使用可能量を取得する。ステップS1204において、使用可能残量算出部603は、使用可能量、使用量を用いて、使用可能残量を算出する。
【0108】
ステップS1205において、予測残日数算出部604は、使用可能残量と使用割合とを用いて、予測残日数を算出する。
【0109】
ステップS1206において、選択部613は、前回出力残日数と今回算出された予測残日数との差分を算出する。
【0110】
ステップS1207において、選択部613は、算出した差分が、所定の減少閾値より大きいか否かを判定する。ステップS1207において、算出した差分が、所定の減少閾値より大きいと判定した場合には(ステップS1207においてYesの場合には)、ステップS1208に進む。
【0111】
ステップS1208において、選択部613は、算出された予測残日数を残日数出力部615に通知する。
【0112】
一方、ステップS1207において、算出した差分が、所定の減少閾値以下であると判定した場合には(ステップS1207においてNoの場合には)、ステップS1209に進む。
【0113】
ステップS1209において、代替残日数算出部614は、前回出力残日数に基づいて、代替残日数を算出し、残日数出力部615に通知する。
【0114】
<2.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第4の実施形態に係る管理装置は、
・前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となって以降も、予測残日数を算出し、前回出力残日数との差分が、所定の減少閾値よりも大きい場合には、予測残日数を残日数として出力する。
【0115】
これにより、第4の実施形態に係る管理装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果に加えて、更に、予測残日数の減少幅の大きな変動を見逃すことなく、出力する残日数に反映させることができるという効果も享受することができる。
【0116】
[第5の実施形態]
上記第4の実施形態では、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となって以降も、予測残日数の減少幅が大きい場合には、予測残日数を残日数として出力するものとして説明した。これに対して、第5の実施形態では、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となって以降は、予測残日数の減少幅が大きい場合であっても代替残日数を残日数として出力する。代わりに、第5の実施形態では、所定のメッセージを付加することで、予測残日数の減少幅が大きかったことを明示する。以下、第5の実施形態について、上記第4の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0117】
<1.残日数出力処理の流れ>
図13は、第5の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。図12を用いて説明した残日数出力処理との相違点は、ステップS1301である。
【0118】
ステップS1301において、代替残日数算出部614は、前回出力残日数に基づいて、代替残日数を算出する。また、代替残日数算出部614は、所定のメッセージ(例えば、"早めに交換して下さい")を生成して、算出した代替残日数とあわせて、残日数出力部615に通知する。
【0119】
<2.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第5の実施形態に係る管理装置は、
・前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となって以降も、予測残日数を算出することで、前回出力残日数との差分を算出し、当該差分が所定の減少閾値より大きい場合には、代替残日数とともに所定のメッセージを出力する。
【0120】
これにより、第5の実施形態に係る管理装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果に加えて、更に、予測残日数の減少幅の大きな変動を見逃すことなく明示することができるという効果も享受することができる。
【0121】
[第6の実施形態]
上記第1乃至第5の実施形態では、前回出力残日数が所定の残日数閾値より大きいか否かに応じて、出力する残日数を切り替えるものとして説明した。これに対して、第6の実施形態では、前回出力残日数が、算出した予測残日数よりも大きいか否かに応じて、出力する残日数を切り替える。以下、第6の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0122】
<1.残日数出力処理の流れ>
図14は、第6の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。図7を用いて説明した残日数出力処理との相違点は、ステップS1401~ステップS1410である。
【0123】
ステップS1401において、タイミング管理部611は、実績情報取得部601に取得指示を通知し、実績情報取得部601は、使用開始日、使用量を取得する。また、タイミング管理部611は、使用割合算出部602に対して日付情報を通知し、使用割合算出部602では、これを取得する。
【0124】
ステップS1402において、使用割合算出部602は、使用開始日、使用量、日付情報を用いて、使用割合を算出する。
【0125】
ステップS1403において、使用可能残量算出部603は、使用量、使用可能量を取得する。ステップS1404において、使用可能残量算出部603は、使用可能量、使用量を用いて、使用可能残量を算出する。
【0126】
ステップS1405において、予測残日数算出部604は、使用可能残量と使用割合とを用いて予測残日数を算出し、選択部613に通知する。
【0127】
ステップS1406において、選択部613は、前回出力残日数を取得する。ステップS1407において、選択部613は、算出された予測残日数と、取得した前回出力残日数とを比較する。
【0128】
ステップS1408において、選択部613は、前回出力残日数が予測残日数よりも大きいか否かを判定し、大きいと判定した場合には(ステップS1408においてYesの場合には)、ステップS1409に進む。
【0129】
ステップS1409において、選択部613は、予測残日数を残日数出力部615に通知する。
【0130】
一方、ステップS1408において、前回出力残日数が、予測残日数以下であると判定した場合には(ステップS1408においてNoの場合には)、ステップS1410に進む。
【0131】
ステップS1410において、選択部613は、前回出力残日数を代替残日数算出部614に通知する。また、代替残日数算出部614は、前回出力残日数に基づいて代替残日数を算出し、残日数出力部615に通知する。
【0132】
<2.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第6の実施形態に係る管理装置は、
・前回出力残日数が、今回算出した予測残日数より大きいか否かに応じて、出力する残日数を切り替える。
・前回出力残日数が、今回算出した予測残日数よりも大きい場合には、予測残日数を残日数として出力し、前回出力残日数が、今回算出した予測残日数以下であった場合には、代替残日数を残日数として出力する。
【0133】
これにより、第6の実施形態に係る管理装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果に加えて、更に、前回出力残日数が所定の残日数閾値より大きい場合においても、出力される残日数を単純減少させることができるという効果も享受することができる。
【0134】
[第7の実施形態]
上記第6の実施形態では、前回出力残日数が、算出した予測残日数より大きいか否かに応じて、出力する残日数を切り替える場合について説明した。これに対して、第7の実施形態では、前回出力残日数が、算出した予測残日数以下であった場合でも、前回出力残日数が、所定の残日数閾値よりも大きい場合には、予測残日数を残日数として出力する。以下、第7の実施形態について、上記第6の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0135】
<1.残日数算出処理の流れ>
図15は、第7の実施形態に係る管理装置による残日数出力処理の流れを示すフローチャートである。図14を用いて説明した残日数出力処理との相違点は、ステップS1501~ステップS1504である。
【0136】
ステップS1501において、選択部613は、前回出力残日数と、所定の残日数閾値とを比較する。ステップS1502において、選択部613は、比較の結果、前回出力残日数が所定の残日数閾値よりも大きいと判定した場合には(ステップS1502において、Yesの場合には)、ステップS1503に進む。
【0137】
ステップS1503において、選択部613は、算出された予測残日数を残日数出力部615に通知する。
【0138】
一方、ステップS1502において、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下であると判定した場合には(ステップS1502においてNoの場合には)、ステップS1504に進む。
【0139】
ステップS1504において、選択部613は、前回出力残日数を、代替残日数算出部614に通知する。また、代替残日数算出部614は、通知された前回出力残日数に基づいて代替残日数を算出し、残日数出力部615に通知する。
【0140】
<2.まとめ>
以上の説明から明らかなように、第7の実施形態に係る管理装置は、
・前回出力残日数が、今回算出した予測残日数より大きいか否かに応じて、出力する残日数を切り替える。
・前回出力残日数が、今回算出した予測残日数よりも大きい場合には、予測残日数を残日数として出力する。
・一方、前回出力残日数が、今回算出した予測残日数以下であった場合でも、前回出力残日数が所定の残日数閾値より大きい場合には、予測残日数を残日数として出力する。
・前回出力残日数が、今回算出した予測残日数以下であった場合であって、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下であった場合には、代替残日数を残日数として出力する。
【0141】
これにより、第7の実施形態に係る管理装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0142】
[その他の実施形態]
上記第1の実施形態では、単位期間を1日とし、代替残日数=(前回出力残日数)-1として算出する場合について説明した。しかしながら、単位期間は1日に限定されない。また、代替残日数は、前回出力残日数から単位期間(定数)分を減算することで求めてもよい。いずれにしても、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下となった場合に、今回(N回目に)出力される残日数(出力値)が、前回((N-1)回目に)出力された残日数以下(出力値以下)となるように出力値が出力されればよい。
【0143】
また、上記第1乃至第7の実施形態では、算出部140及び更新部150の機能を、管理装置120において実現するものとして説明した。しかしながら、算出部140及び更新部150の機能の一部または全部を、機器110_1~110_nそれぞれにおいて実現するように構成してもよい。
【0144】
また、上記第1乃至第7の実施形態では、管理装置120による具体的な出力例について特に言及しなかったが、例えば、管理装置120では、図16に示すような出力を行ってもよい。
【0145】
図16は、各実施形態に係る管理装置による残日数の出力例を示す図である。なお、図16の例では、単位期間=1日、所定の残日数閾値=15日、減少閾値=5日とし、第1、第2、第4及び第5の実施形態に係る管理装置による残日数の出力例を、ケース1~ケース5として示している。
【0146】
図16において、"ケース1"は、上記第1の実施形態(図7)において、前回出力残日数が所定の残日数閾値よりも大きいと判定された場合を示している。図16に示すように、"ケース1"の場合、前回出力残日数=30日であり、所定の残日数閾値=15日よりも大きいため、管理装置120では、今回の予測残日数=18日を、残日数として出力する。
【0147】
また、"ケース2"は、上記第1の実施形態(図7)において、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下と判定された場合を示している。図16に示すように、"ケース2"の場合、前回出力残日数=15日であり、所定の残日数閾値=15日と等しいため、管理装置120では、算出した予測残日数=12日ではなく、代替残日数=前回出力残日数-1=15-1=14日を、残日数として出力する。
【0148】
また、"ケース3"は、上記第2の実施形態(図9)において、前回出力残日数が所定の残日数閾値よりも大きいと判定され、かつ、算出した予測残日数が所定の残日数閾値以下であると判定された場合を示している。図16に示すように、"ケース3"の場合、前回出力残日数=20日であり、所定の残日数閾値=15日よりも大きいが、今回の予測残日数=10日であり、所定の残日数閾値=15日以下である。このため、管理装置120では、算出した予測残日数=12日ではなく、所定の残日数閾値=15日を、残日数として出力する。
【0149】
また、"ケース4"は、上記第4の実施形態(図12)において、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下であると判定され、かつ、前回出力残日数と、算出した予測残日数との差分が減少閾値よりも大きいと判定された場合を示している。
【0150】
図16に示すように、"ケース4"の場合、前回出力残日数=15日であり、所定の残日数閾値=15日と等しく、かつ、前回出力残日数=15日と、算出した予測残日数=7日との差分が8日であり、減少閾値=5日よりも大きい。このため、管理装置120では、算出した予測残日数=7日を、残日数として出力する。
【0151】
また、"ケース5"は、上記第5の実施形態(図13)において、前回出力残日数が所定の残日数閾値以下であると判定され、かつ、前回出力残日数と、算出した予測残日数との差分が減少閾値よりも大きいと判定された場合を示している。
【0152】
図16に示すように、"ケース5"の場合、前回出力残日数=15日であり、所定の残日数閾値=15日と等しく、かつ、前回出力残日数=15日と、算出した予測残日数=7日との差分が8日であり、減少閾値=5日よりも大きい。このため、管理装置120では、代替残日数=前回出力残日数-1=15日-1=14日を、残日数として出力するとともに、所定のメッセージ("早めに交換して下さい")を出力する。
【0153】
このように、管理装置120では、それぞれのケースに応じた残日数を出力することができる。
【0154】
また、上記第1乃至第7の実施形態において、作業者180は、利用者を訪問するか否かの判断を、管理装置120より出力される出力値に基づいて行うものとして説明した。しかしながら、作業者180による出力値の閲覧方法はこれに限定されず、例えば、管理装置120が別のシステムに出力値を送信し、当該別のシステムに作業者180がアクセスすることで当該出力値を閲覧してもよいし、管理装置120が作業者180の端末に送信した出力値を、作業者180が閲覧してもよい。
【0155】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0156】
110_1~110_n :機器
120 :管理装置
140 :算出部
150 :更新部
601 :実績情報取得部
602 :使用割合算出部
603 :使用可能残量算出部
604 :予測残日数算出部
611 :タイミング管理部
612 :前回出力残日数読み出し部
613 :選択部
614 :代替残日数算出部
615 :残日数出力部
616 :出力残日数保持部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0157】
【文献】特開2009-069530号公報
【文献】特開2002-101252号公報
【文献】特開2011-198057号公報
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