(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-22
(45)【発行日】2022-03-30
(54)【発明の名称】会議装置、会議システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20120101AFI20220323BHJP
【FI】
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2018067788
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】五島 洋
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-174687(JP,A)
【文献】特開2002-251494(JP,A)
【文献】特開2013-49153(JP,A)
【文献】特許第6108679(JP,B2)
【文献】特開2012-182619(JP,A)
【文献】特開2010-251919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
B41J 29/00
G06F 13/00
G06F 21/60
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議端末において追加されたメモデータを取得
して、会議使用データと前記メモデータと基づいてメモ付きデータの作成を要求する作成要求を待ち行列に格納する取得部と、
前記取得部により前記メモデータが取得された後、
前記会議使用データと該メモデータとに基づいて
前記メモ付きデータを作成する作成部と、
前記会議端末から前記メモ付きデータの
前記作成要求を受けてから、前記メモ付きデータの作成が完了した時点で前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第1取得形態、および、前記会議端末から前記作成要求を行い、前記メモ付きデータが作成されてから任意のタイミングで前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第2取得形態のうち、前記会議端末で選択された形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する送付部と、
前記会議端末において、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータが作成されるまでの間に、前記第2取得形態に切り替えるか否かを操作するための画面に表示されるように、前記待ち行列に格納された前記作成要求の数に基づいて、該メモ付きデータに対応する前記作成要求に対する処理が行われるまでの待ち期間を通知する第2通知部と、
を備え、
前記送付部は、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータが作成されるまでの間に、前記会議端末において前記第2取得形態に切り替えられた場合、該第2取得形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する会議装置。
【請求項2】
前記会議端末によって前記第1取得形態が選択された場合、前記作成部による前記メモ付きデータの作成の状態を該会議端末に通知する第1通知部を、さらに備えた請求項1に記載の会議装置。
【請求項3】
前記作成部は、前記会議端末において、前記メモデータとして、該会議端末を利用する参加者が個人として利用するための個人メモのデータ、および、すべての会議端末に反映して表示されるために追加された共有メモのデータのうちから選択された少なくともいずれかの前記メモデータと、前記会議使用データとに基づいて前記メモ付きデータを作成する請求項1
または2に記載の会議装置。
【請求項4】
前記会議端末によって前記第2取得形態が選択された場合、前記作成部により作成される前記メモ付きデータがダウンロードされるためのアクセス先を、該会議端末に通知する第3通知部を、さらに備えた請求項1~
3のいずれか一項に記載の会議装置。
【請求項5】
前記会議端末から、前記第3通知部が通知した前記アクセス先にアクセスがあった場合、該会議端末に対して認証要求を行う認証部を、さらに備えた請求項
4に記載の会議装置。
【請求項6】
前記送付部は、前記第1取得形態が選択された後、前記作成部により前記メモ付きデータが作成され、該メモ付きデータを前記会議端末に送付中に、該会議端末において前記第2取得形態に切り替えられた場合、該メモ付きデータの送付を停止する請求項1~
5のいずれか一項に記載の会議装置。
【請求項7】
会議端末において追加されたメモデータを取得
して、会議使用データと前記メモデータと基づいてメモ付きデータの作成を要求する作成要求を待ち行列に格納する取得部と、
前記取得部により前記メモデータが取得された後、
前記会議使用データと該メモデータとに基づいて
前記メモ付きデータを作成する作成部と、
前記会議端末から前記メモ付きデータの
前記作成要求を受けてから、前記メモ付きデータの作成が完了した時点で前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第1取得形態、および、前記会議端末から前記作成要求を行い、前記メモ付きデータが作成されてから任意のタイミングで前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第2取得形態のうち、前記会議端末で選択された形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する送付部と、
前記会議端末において、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータが作成されるまでの間に、前記第2取得形態に切り替えるか否かを操作するための画面に表示されるように、前記待ち行列に格納された前記作成要求の数に基づいて、該メモ付きデータに対応する前記作成要求に対する処理が行われるまでの待ち期間を通知する作成状態通知部と、
を有し、
前記送付部は、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータが作成されるまでの間に、前記会議端末において前記第2取得形態に切り替えられた場合、該第2取得形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する会議システム。
【請求項8】
前記会議端末を含み、
前記会議端末は、前記メモ付きデータを受信する受信部を備えた請求項
7に記載の会議システム。
【請求項9】
取得部が、会議端末において追加されたメモデータを取得
して、会議使用データと前記メモデータと基づいてメモ付きデータの作成を要求する作成要求を待ち行列に格納する取得ステップと、
作成部が、前記取得部により前記メモデータ
が取得
された後、
前記会議使用データと該メモデータとに基づいて
前記メモ付きデータを作成する作成ステップと、
送付部が、前記会議端末から前記メモ付きデータの
前記作成要求を受けてから、前記メモ付きデータの作成が完了した時点で前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第1取得形態、および、前記会議端末から前記作成要求を行い、前記メモ付きデータが作成されてから任意のタイミングで前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第2取得形態のうち、前記会議端末で選択された形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する送付ステップと、
作成状態通知部が、前記会議端末において、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータを作成されるまでの間に、前記第2取得形態に切り替えるか否かを操作するための画面に表示されるように、前記待ち行列に格納した前記作成要求の数に基づいて、該メモ付きデータに対応する前記作成要求に対する処理が行われるまでの待ち期間を通知する通知ステップと、
前記送付部が、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも
前記作成部により前記メモ付きデータ
が作成
されるまでの間に、前記会議端末において前記第2取得形態に切り替えられた場合、該第2取得形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
会議端末において追加されたメモデータを取得
して、会議使用データと前記メモデータと基づいてメモ付きデータの作成を要求する作成要求を待ち行列に格納する取得ステップと、
前記メモデータを取得した後、
前記会議使用データと該メモデータとに基づいて
前記メモ付きデータを作成する作成ステップと、
前記会議端末から前記メモ付きデータの
前記作成要求を受けてから、前記メモ付きデータの作成が完了した時点で前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第1取得形態、および、前記会議端末から前記作成要求を行い、前記メモ付きデータが作成されてから任意のタイミングで前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第2取得形態のうち、前記会議端末で選択された形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する送付ステップと、
前記会議端末において、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記メモ付きデータを作成するまでの間に、前記第2取得形態に切り替えるか否かを操作するための画面に表示されるように、前記待ち行列に格納した前記作成要求の数に基づいて、該メモ付きデータに対応する前記作成要求に対する処理が行われるまでの待ち期間を通知する通知ステップと、
前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記メモ付きデータを作成するまでの間に、前記会議端末において前記第2取得形態に切り替えられた場合、該第2取得形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議装置、会議システム、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子文書を、PC(Personal Computer)またはスマートデバイス等に表示させると共に、各機器間で表示ページの同期、および各参加者が自由に手書きでメモを書き込みながら、会議を進めるためのペーパーレス会議システムが知られている。このようなペーパーレス会議システムにおいて、会議の参加者にとって、後日(会議の終了後)、当該会議での自分のメモが書き込まれた会議資料を読み返したいというニーズがある。そのため、参加者ごとの書き込みメモを会議資料にマージした「メモ付き資料」を作成および保存し、後日、当該メモ付き資料の格納場所(URL(Uniform Resource Locator)等)をメール等で参加者に送信し、参加者がダウンロードできるようなペーパーレス会議システムの技術が既に知られている。ここで、マージするとは、書き込まれたメモのデータと会議資料とを合成する処理のことを示す。
【0003】
このようなペーパーレス会議システムを実現する技術として、会議中に携帯端末機に表示された会議資料に重ねて記入したメモをメモデータとして作成し、会議終了時に会議資料と当該メモデータとを合成して合成資料(上述のメモ付き資料に相当)を作成し、サーバの所定の格納場所に保管し、会議参加者のメールアドレスに、当該格納場所を記載した電子メールを送信することで、参加者は、後日、当該格納場所から、合成資料をダウンロードする技術が開示されている(特許文献1参照)。このように、メールを送信して、後日、編集後の合成資料をダウンロードさせるようにしている理由としては、もし、会議直後に参加者が編集後の合成資料(メモ付き資料)を取得しようとすると、その作成処理(参加者ごとに個々に作成する必要がある)によりシステムに多大な負荷がかかり、作成処理に長時間を要し、結果的に参加者を待たせる可能性が高いといった理由がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、会議に参加した参加者にしてみれば、緊急の度合いに応じて、時間がかかってもよいからすぐに編集後の合成資料(例えば、メモ付き資料)を取得したいこともあれば、後日取得できればよいという場合もあるはずである。特許文献1に記載された技術では、参加者ごとに、メモ付き資料が作成し終わったのちに格納場所を通知するメールを送信することによって、後日、当該格納場所からメモ付き資料を取得することができるが、会議直後に、メモ付き資料を取得することができない。すなわち、会議後すぐにメモ付き資料を取得する、または、後で取得するというようなメモ付き資料の取得タイミングを選択することができないという問題があった。この問題に付随して、会議後すぐにメモ付き資料を取得することを選択した場合、待ち時間がかかるため、後で取得することに変更するという利便性も当然備えていないという問題もある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、会議の参加者がメモ付き資料を取得する際の利便性を向上させることができる会議装置、会議システム、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、会議端末において追加されたメモデータを取得して、会議使用データと前記メモデータと基づいてメモ付きデータの作成を要求する作成要求を待ち行列に格納する取得部と、前記取得部により前記メモデータが取得された後、前記会議使用データと該メモデータとに基づいて前記メモ付きデータを作成する作成部と、前記会議端末から前記メモ付きデータの前記作成要求を受けてから、前記メモ付きデータの作成が完了した時点で前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第1取得形態、および、前記会議端末から前記作成要求を行い、前記メモ付きデータが作成されてから任意のタイミングで前記会議端末により前記メモ付きデータがダウンロードされる第2取得形態のうち、前記会議端末で選択された形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付する送付部と、前記会議端末において、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータが作成されるまでの間に、前記第2取得形態に切り替えるか否かを操作するための画面に表示されるように、前記待ち行列に格納された前記作成要求の数に基づいて、該メモ付きデータに対応する前記作成要求に対する処理が行われるまでの待ち期間を通知する第2通知部と、を備え、前記送付部は、前記第1取得形態が選択された後、少なくとも前記作成部により前記メモ付きデータが作成されるまでの間に、前記会議端末において前記第2取得形態に切り替えられた場合、該第2取得形態に基づいて前記メモ付きデータを前記会議端末へ送付することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、会議の参加者がメモ付き資料を取得する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る会議システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る参加者端末の外観の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る参加者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る会議サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る参加者端末の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、MemoDataメッセージの構成の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、MemoDataメッセージに対するリプライの構成の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、NumberOfWaitingメッセージの構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、NumberOfWaitingメッセージに対するリプライの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、StopMemoPhaseInfoメッセージの構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、MemoPasswordメッセージの構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、会議中の資料表示画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る会議サーバの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、MemoPhaseInfoメッセージの構成の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、メモ付き資料管理テーブルの構成の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、メモ付き資料の作成を要求するリクエストのキューを説明する図である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る会議システムのメモ付き資料取得方法の選択処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る会議システムのメモ付き資料作成・取得処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図19】
図19は、資料表示画面においてメモを書き込みした例を示す図である。
【
図20】
図20は、メモ保存・退出画面の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、状態遷移画面(作成開始待ち)の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、状態遷移画面(作成中)の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、状態遷移画面(ダウンロード中)の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、状態遷移画面(ダウンロード完了)の一例を示す図である。
【
図27】
図27は、パスワード設定画面の一例を示す図である。
【
図29】
図29は、パスワード入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、
図1~
図29を参照しながら、本発明に係る会議装置、会議システム、情報処理方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0010】
(会議システムの全体構成)
図1は、実施形態に係る会議システムの全体構成の一例を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態に係る会議システム1の全体構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る会議システム1は、会議サーバ20と、参加者端末10a~10eとが、ネットワーク2を介して通信可能に接続された構成を有する。なお、ペーパーレス会議に参加するのは、参加者端末の台数は、
図1に示す参加者端末10a~10eの5台に限られるものではなく、2台以上の参加者端末がネットワーク2に通信可能に接続されていれば、ペーパーレス会議が実現される。この場合、2台以上の参加者端末について、任意の参加者端末を示す場合、または総称する場合、単に「参加者端末10」と称するものとする。
【0012】
会議サーバ20は、ペーパーレス会議(以下、単に「会議」と称する)に参加する参加者が、それぞれ参加者端末10a~10eを介して当該会議を行うための全体的な制御を行う会議装置である。会議サーバ20に対しては、予め開催予定がある会議を登録しておくことができる。また、その会議で使用する1以上の会議資料のデータを、その会議に関連付けて登録しておくことができる。この際、会議サーバ20は、登録された会議資料それぞれを識別するためのDocIDを発行する。
【0013】
参加者端末10(
図1では参加者端末10a~10e)は、他の参加者端末10との間で、会議サーバ20の制御に基づいて、セッションを確立し、確立したセッションを介して、会議に必要な各種メッセージ、および後述するメモデータ等を送受信する会議端末である。なお、上述のメッセージの他、映像データ、音声データおよび描画データを送受信するものとしてもよい。すなわち、上述のペーパーレス会議は、会議資料の情報を共有して行う形態のみならず、上述のように映像データおよび音声データ等を送受信して行われるビデオ会議(テレビ会議)にも適用することが可能である。この場合、会議時において、参加者端末10は、送信時には、会議サーバ20に対して映像データ、音声データおよび描画データを送信し、会議サーバ20は、相手拠点の参加者端末10に対して映像データ、音声データおよび描画データを送信する。また、参加者端末10は、受信時には、会議サーバ20から相手拠点の参加者端末10の映像データ、音声データおよび描画データを受信する。参加者端末10は、例えば、タブレット、PC、スマートフォン、ビデオ会議端末、または電子黒板等である。なお、以下では、参加者端末10は、タブレットであるものとして説明する。
【0014】
例えば、
図1に示す会議システム1において参加者端末10a~10cで会議を行う場合、参加者端末10aが送信したデータは、会議サーバ20を介して、参加者端末10b、10cそれぞれに送信され、参加者端末10d、10eには送信されない。同様に、参加者端末10b、10cそれぞれが送信したデータは、会議サーバ20を介して、会議に参加している参加者端末10に送信され、会議に参加していない参加者端末10(参加者端末10d、10e)には送信されない。これにより、会議システム1において、複数の参加者端末10間の会議が実現される。
【0015】
また、参加者端末10は、会議に参加すると、会議サーバ20からネットワーク2を介して、当該会議で資料する会議資料のデータをダウンロードする。この場合、参加者端末10は、ダウンロードした会議資料を識別するDocIDも取得する。参加者は、会議中は、参加者端末10に表示される会議資料の内容を見ながら、会議を行い、また、後述するように、その際、メモの書き込みをすることができる。
【0016】
また、参加者端末10で実行されるソフトウェアとしては、当該参加者端末10で単体動作するネイティブアプリケーションであってもよく、または、Webブラウザ上で動作するWebアプリケーションであってもよい。
【0017】
ネットワーク2は、例えば、LAN(Local Area Network)、専用回線またはインターネット等の双方向にデータ通信が可能な通信ネットワークである。なお、ネットワーク2には、プロトコルが異なる複数種類のネットワークが含まれていてもよく、有線または無線のいずれのネットワークが含まれていてもよい。
【0018】
(参加者端末のハードウェア構成)
図2は、実施形態に係る参加者端末の外観の一例を示す図である。
図3は、実施形態に係る参加者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2および
図3を参照しながら、本実施形態に係る参加者端末10のハードウェア構成について説明する。
【0019】
図3に示すように、本実施形態に係る参加者端末10は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリ202と、記憶装置203と、タッチパネルディスプレイ204と、マイク206と、スピーカ207と、操作部208と、無線通信部209と、を備えている。これらの各機器は、アドレスバスおよびデータバス等のバス215によって互いに通信可能に接続されている。
【0020】
CPU201は、参加者端末10全体の動作を制御する集積回路である。
【0021】
メモリ202は、CPU201のワークエリアとして使用される揮発性のRAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。
【0022】
記憶装置203は、参加者端末10の動作を実現する各種プログラム、ならびに会議で使用する会議資料等の各種データを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。記憶装置203は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等である。
【0023】
タッチパネルディスプレイ204は、会議資料等を表示デバイスに表示する機能、および、ペン(例えば、
図2に示すペン251)がタッチパネルに触れた座標をCPU201に送信するタッチ検出機能を備えたタッチ検出機能付き表示デバイスである。タッチパネルディスプレイ204は、
図2に示すように、例えば、ペン251でパネルの表面をなぞった軌跡を表示させることによってメモの書き込みが可能な電子黒板としての機能を有する。すなわち、タッチパネルディスプレイ204に書き込まれた描画データを、相手拠点の参加者端末10と共有することが可能となる。また、タッチパネルディスプレイ204の表示デバイスは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0024】
マイク206は、例えば、会議に参加している参加者の音声を入力する収音装置である。
【0025】
スピーカ207は、CPU201の制御に従って、音声を出力する装置である。スピーカ207は、例えば、
図2に示すように、タッチパネルディスプレイ204の上側に設置されており、例えば、ネットワーク2を介して受信された相手拠点の参加者端末10により収音された音声データを音声として出力する。
【0026】
操作部208は、参加者端末10に対する各種操作を行うためのボタン等の入力装置である。操作部208は、例えば、
図2に示すように、タッチパネルディスプレイ204の下側に設置されている。なお、操作部208は、
図2に示すように、ハードウェアとしてのボタン等により構成されることに限定されるものではなく、例えば、タッチパネルディスプレイ204によるタッチ検出機能によりタッチパネルディスプレイ204上にソフトウェアスイッチとして構成されるものとしてもよい。
【0027】
無線通信部209は、インターネット等のネットワーク(例えば、上述の
図1に示すネットワーク2)を利用して、外部機器との間でデータを無線通信するための装置である。無線通信部209は、例えば、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)等の無線通信規格によって実現される。
【0028】
なお、参加者端末10のハードウェア構成は、
図3に示す構成に限定されるものではない。例えば、参加者端末10は、参加者端末10を制御するためのファームウェア等を記憶した不揮発性の記憶装置であるROM(Read Only Memory)、または、PC(Personal Computer)もしくは外付けの記憶装置等を接続するための外部機器用のI/F等を備えるものとしてもよい。
【0029】
また、
図2では、参加者端末10は、マイク206およびスピーカ207を本体に内蔵する構成を示したが、これらの少なくともいずれかが別体として構成されているものとしてもよい。例えば、スピーカ207が内蔵されているものではなく別体の外部機器である場合、上述の外部機器用のI/Fを介して、参加者端末10に接続されるものとしてもよい。
【0030】
(会議サーバのハードウェア構成)
図4は、実施形態に係る会議サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4を参照しながら、本実施形態に係る会議サーバ20のハードウェア構成について説明する。
【0031】
図4に示すように、会議サーバ20は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、補助記憶装置304と、メディアドライブ306と、操作装置307と、ネットワークI/F308と、ディスプレイ309と、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ311と、を備えている。これらの各機器は、アドレスバスおよびデータバス等のバス312によって互いに通信可能に接続されている。
【0032】
CPU301は、会議サーバ20全体の動作を制御する装置である。ROM302は、会議サーバ20用のプログラムを記憶している不揮発性記憶装置である。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される揮発性記憶装置である。
【0033】
補助記憶装置304は、会議資料、および作成されたメモ付き資料等の各種データを記憶する不揮発性の記憶装置である。補助記憶装置304は、例えば、HDDまたはSSD等である。
【0034】
メディアドライブ306は、CPU301の制御に従って、フラッシュメモリ等のメディア305に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する装置である。メディア305は、メディアドライブ306に対して着脱自在の記憶装置である。なお、メディア305は、CPU301の制御に従ってデータの読み出しおよび書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリに限定されるものではなく、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
【0035】
操作装置307は、文字および数字等の入力、各種指示の選択、およびカーソルの移動等を行う入力装置である。操作装置307は、例えば、マウスまたはキーボード等である。
【0036】
ネットワークI/F308は、ネットワーク2を利用してデータを通信するためのインターフェースである。ネットワークI/F308は、例えば、NIC等である。
【0037】
ディスプレイ309は、文字、数字、各種画面および操作用アイコン等を表示する表示装置である。ディスプレイ309は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD、または有機ELディスプレイ等である。
【0038】
DVDドライブ311は、着脱自在な記憶媒体の一例としてのDVD310に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する装置である。DVD310は、例えば、DVD-ROM、DVD-R、またはDVD-RW(DVD ReWritable)等である。なお、上述の着脱可能な記録媒体としては、その他に、CD-R(Compact Disc Recordable)、またはブルーレイディスク等であってもよい。
【0039】
なお、会議サーバ20のハードウェア構成は、
図4に示す構成に限定されるものではない。例えば、外部のメディア(メディア305、およびDVD310等)を用いる必要がなければ、メディアドライブ306、およびDVDドライブ311を備えなくてもよい。
【0040】
(参加者端末の機能ブロックの構成および動作)
図5は、実施形態に係る参加者端末の機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図6は、MemoDataメッセージの構成の一例を示す図である。
図7は、MemoDataメッセージに対するリプライの構成の一例を示す図である。
図8は、NumberOfWaitingメッセージの構成の一例を示す図である。
図9は、NumberOfWaitingメッセージに対するリプライの構成の一例を示す図である。
図10は、StopMemoPhaseInfoメッセージの構成の一例を示す図である。
図11は、MemoPasswordメッセージの構成の一例を示す図である。
図5~
図11を参照しながら、本実施形態に係る参加者端末10の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0041】
図5に示すように、本実施形態に係る参加者端末10は、会議処理部401と、画面制御部402と、メモデータ管理部403と、作成要求部404と、資料取得部405(受信部)と、パスワード設定部406と、認証要求部407と、通信部408と、入力部409と、表示制御部410と、表示部411と、記憶部412と、を有する。
【0042】
会議処理部401は、ペーパーレス会議に参加してペーパーレス会議を行うための一般的処理(会議参加処理、同期処理、発表権取得処理等)を行う機能部である。会議処理部401は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0043】
画面制御部402は、表示部411に表示させる画面の画面遷移処理、および各画面での処理の制御を行う機能部である。画面制御部402は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0044】
メモデータ管理部403は、入力部409を介して書き込まれた(追加された)メモをメモデータとして記憶部412に記憶して管理する機能部である。メモデータ管理部403は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0045】
作成要求部404は、上述のメモデータと会議で使用した会議資料とをマージしたメモ付き資料の作成の要求、および、会議サーバ20のキューに保持された当該要求(リクエスト)の数の要求等を、会議サーバ20に対して行う機能部である。具体的には、作成要求部404は、上述のメモデータと会議で使用した会議資料とをマージしたメモ付き資料の作成の要求として、例えば、
図6に示すようなMemoDataメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
図6に示すように、MemoDataメッセージは、メッセージの種類を定義するヘッダ部と、メッセージの本体であるボディ部と、を含む。
図6に示すように、MemoDataメッセージのボディ部には、参加者端末10に保持されているメモデータのうち、メモ付き資料として取得すべく、別途選択された会議資料に書き込まれたメモデータが含まれる。メモデータは、1または複数のストローク情報から構成される。ストローク情報は、
図6に示すように、DocID、Page、およびTraceの各情報を含む。DocIDは、メモが書き込まれた会議資料のID(会議資料を一意に識別するID)である。Pageは、会議資料においてメモが書き込まれたページ番号である。Traceには、メモを構成する点の集まりが、画面上のXY座標の列として含まれる。なお、メモの実体としては、Traceのように、メモを構成する点の集まりである画面上のXY座標の列として説明したが、これに限定されるものではなく、図形データまたはスタンプデータ等が含まれるものとしてもよい。
【0046】
そして、作成要求部404は、上述のMemoDataメッセージを会議サーバ20へ送信した後、例えば、
図7に示すようなMemoDataメッセージに対するリプライを受信する。
図7に示すように、MemoDataメッセージのリプライは、リプライの種類を定義するヘッダ部と、リプライの本体であるボディ部と、を含む。
図7に示すように、MemoDataメッセージのリプライのボディ部には、会議サーバ20が受信したMemoDataメッセージ(メモ付き資料の作成の要求)に対して、会議サーバ20が一意に割り当てたMemoID(メモID)(
図7に示す例では、“12ab”)が含まれる。
【0047】
また、作成要求部404は、メモ付き資料の取得方法を選択する前に行う会議サーバ20のキューに保持された当該要求(リクエスト)の数の要求として、例えば、
図8に示すようなNumberOfWaitingメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
図8に示すように、NumberOfWaitingメッセージは、メッセージの種類を定義するヘッダ部と、メッセージの本体であるボディ部と、を含む。ただし、
図8に示すように、NumberOfWaitingメッセージのボディ部の中身はない。
【0048】
そして、作成要求部404は、上述のNumberOfWaitingメッセージを会議サーバ20へ送信した後、例えば、
図9に示すようなNumberOfWaitingメッセージに対するリプライを受信する。
図9に示すように、NumnberOfWaitingメッセージのリプライは、リプライの種類を定義するヘッダ部と、リプライの本体であるボディ部と、を含む。
図9に示すように、NumberOfWaitingメッセージのリプライのボディ部には、会議サーバ20がNumberOfWaitingメッセージを受信した時点でキューに保持されているメモ付き資料の作成要求(リクエスト)の数であるNumberOfWaiting(
図9に示す例では、5つ)が含まれる。
【0049】
作成要求部404は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0050】
なお、メモデータがマージされる会議資料としては、例えば、PDF(登録商標)(Portable Document Format)データ等のドキュメントデータに限られず、例えば、映像(動画)データまたは画像データ等であってもよい。
【0051】
資料取得部405は、作成要求部404により送信されたメモデータと会議資料とがマージされたメモ付き資料を、会議サーバ20から、ネットワーク2および通信部408を介して取得(ダウンロード)する機能部である。資料取得部405は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0052】
パスワード設定部406は、後述するパスワード設定画面(
図27参照)で入力され、メモ付き資料を取得する際に会議サーバ20での認証に用いるパスワードを、会議サーバ20へ送信する機能部である。具体的には、パスワード設定部406は、例えば、
図11に示すような、パスワード設定画面で入力されたパスワードを含むMemoPasswordメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
図11に示すように、MemoPasswordメッセージは、メッセージの種類を定義するヘッダ部と、メッセージの本体であるボディ部と、を含む。
図11に示すように、MemoPasswordメッセージのボディ部には、MemoID、およびPassword(パスワード)が含まれる。MemoIDは、会議資料にマージされたメモデータを識別するID(
図11に示す例では、“12ab”)であり、上述したMemoIDと同様である。Passwordは、パスワード設定画面で入力されたパスワードの文字列(
図11に示す例では、“myp@ssword”)である。
【0053】
また、パスワード設定部406は、上述のパスワード設定画面が表示される際に、会議サーバ20におけるメモ付き資料の作成処理の状態(進捗)の通知を停止させるために、例えば、
図10に示すようなStopMemoPhaseInfoメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
図10に示すように、StopMemoPhaseInfoメッセージは、メッセージの種類を定義するヘッダ部と、メッセージの本体であるボディ部と、を含む。
図10に示すように、StopMemoPhaseInfoメッセージのボディ部には、メモ付き資料の作成処理の状態(進捗)の通知を停止する対象となるメモデータを識別するMemoID(メモID)(
図10に示す例では、“12ab”)が含まれる。
【0054】
パスワード設定部406は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0055】
認証要求部407は、メモ付き資料を取得する際に、会議サーバ20での認証を要求するために、後述するパスワード入力画面(
図29参照)で入力されたパスワード、および、取得を要求するメモ付き資料にマージされたメモデータを識別するMemoID(メモID)を、会議サーバ20へ送信する機能部である。認証要求部407は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0056】
通信部408は、ネットワーク2を介して、他の参加者端末10および会議サーバ20とデータ通信をする機能部である。通信部408は、例えば、
図3示す無線通信部209、および、CPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0057】
入力部409は、会議の参加者のペンによる書き込みを受け付ける機能部である。入力部409は、
図3に示すタッチパネルディスプレイ204におけるタッチ検出機能によって実現される。
【0058】
表示制御部410は、表示部411に各種画面および映像等を表示させる制御を行う機能部である。表示制御部410は、例えば、
図3に示すCPU201がプログラムを実行することによって実現される。
【0059】
表示部411は、表示制御部410の制御に従って、各種画面および映像等を表示する機能部である。表示部411は、
図3に示すタッチパネルディスプレイ204における表示デバイスに表示する機能によって実現される。
【0060】
記憶部412は、参加者端末10の動作を実現する各種プログラム、映像データ、音声データ、および描画データ等の各種データを記憶する機能部である。また、記憶部412は、
図5に示すように、会議情報記憶部412aと、メモデータ記憶部412bと、を含む。
【0061】
会議情報記憶部412aは、全参加者に共有される会議資料、現在の表示ページ情報、会議の参加者情報、現在の発表者情報、およびダウンロードしたメモ付き資料等を記憶する。メモデータ記憶部412bは、参加者により入力部409を介して書き込まれたメモをメモデータとして記憶する。
【0062】
なお、会議処理部401、画面制御部402、メモデータ管理部403、作成要求部404、資料取得部405、パスワード設定部406、認証要求部407、通信部408および表示制御部410の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0063】
また、
図5に示した各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図5で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図5の1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0064】
(参加者端末での動作の概要)
図12は、会議中の資料表示画面の一例を示す図である。
図12を参照しながら、本実施形態に係る参加者端末10において表示される画面での操作およびそれに伴う動作の概要を説明する。
【0065】
参加者端末10は、会議サーバ20に対して特定の会議に参加要求をすると、会議サーバ20から当該会議で使用する会議資料をダウンロードする。
図12に示す画面は、参加者端末10がダウンロードした会議資料の特定の頁を表示部411に表示した資料表示画面の一例である。この資料表示画面では、後述する発表者権限を有する参加者のページめくり操作等に同期して、表示されるページが変わる。
【0066】
図12に示す資料表示画面は、「個人」ボタン、「共有」ボタン、「発表者」ボタン、「メモ記入」ボタン、「退出」ボタン、および「終了」ボタンを含む。
【0067】
「個人」ボタンは、当該参加者端末10を使用する参加者が個人的なメモ(個人メモ)を書き込みするためのボタンである。参加者は、「個人」ボタンを押下した状態(
図12示す例では、「個人」ボタンが押下された状態となっている)で、かつ、「メモ記入」ボタンを押下しておくことにより、入力部409を介して個人メモを書き込むことができる。書き込まれた個人メモは、上述のように、メモデータ管理部403によってメモデータとして記憶部412(メモデータ記憶部412b)に記憶される。
【0068】
「共有」ボタンは、当該参加者端末10を使用する参加者が書き込んだメモ(共有メモ)を、会議に参加している参加者全員の参加者端末10に対して同期(反映)させるためのボタンである。したがって、参加者端末10上で書き込まれた共有メモのデータは、すぐに会議サーバ20へ送信される必要がある。また、参加者が共有メモを書き込むためには、会議における発表者権限を有していなければならなく、そのためには、「発表者」ボタンを押下することによって発表者権限を獲得する必要がある。例えば、会議に参加中の参加者のいずれもが発表者権限を有していない場合に、「発表者」ボタンを押下することによって、発表者権限を獲得できるものとすればよい。
【0069】
「退出」ボタンは、会議から退出するためのボタンである。後述するが、「退出」ボタンを押下すると、メモ付き資料を作成するか否かを選択するためのメモ保存・退出画面(
図20参照)が表示される。
【0070】
「終了」ボタンは、会議を終了させるためのボタンである。なお、「終了」ボタンは、会議を進行する管理者が使用する参加者端末10のみに表示させるものとしてもよく、誤って会議を終了させてしまうことを防ぐために、押下された場合には会議を終了させるためのパスワードを要求する画面を表示させるものとしてもよい。
【0071】
(会議サーバの機能ブロックの構成および動作)
図13は、実施形態に係る会議サーバの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図14は、MemoPhaseInfoメッセージの構成の一例を示す図である。
図15は、メモ付き資料管理テーブルの構成の一例を示す図である。
図16は、メモ付き資料の作成を要求するリクエストのキューを説明する図である。
図13~
図16を参照しながら、本実施形態に係る会議サーバ20の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0072】
図13に示すように、本実施形態に係る会議サーバ20は、会議制御部501と、資料データ管理部502(取得部)と、作成部503と、作成状態通知部504(第1通知部、第2通知部)と、URL通知部505(第3通知部)と、認証部506と、資料送付部507(送付部)と、通信部508と、記憶部509と、を有する。
【0073】
会議制御部501は、ペーパーレス会議を実現して進行するための一般的処理(会議参加・退出のユーザ管理、同期処理、表示ページの管理、発表者の管理等)を行う機能部である。会議制御部501は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0074】
資料データ管理部502は、参加者端末10から通信部508を介して、MemoDataメッセージを取得した場合に、MemoDataメッセージ(例えば、
図6参照)に含まれるメモデータを一意に識別するMemoID(メモID)を発行して、後述するメモ付き資料管理テーブル509cに登録して管理する機能部である。具体的には、資料データ管理部502は、例えば、
図15に示すようなメモ付き資料管理テーブル509cに、発行したMemoID(メモID)を登録する。
図15に示すように、メモ付き資料管理テーブル509cは、メモIDと、パスワードと、メモ付き資料パスとを関連付けるテーブルである。パスワードは、会議資料にメモデータがマージされたメモ付き資料を、会議の後で取得する場合の認証のために設定される文字列・数字列等である。メモ付き資料パスは、作成部503により作成されたメモ付き資料が保存(記憶)されている保存先を示すパスである。資料データ管理部502によりメモIDが発行された時点では、パスワードおよびメモ付き資料パスは生成されていないので、メモIDのみが登録される。
【0075】
なお、
図15に示すメモ付き資料管理テーブル509cは、テーブル形式の情報としているが、これに限定されるものではなく、メモIDと、パスワードと、メモ付き資料パスとを関連付ける情報であれば、テーブル形式に限定されるものではない。
【0076】
また、資料データ管理部502は、発行したMemoIDを、MemoDataメッセージに対するリプライ(例えば、
図7参照)に含めて、通信部508およびネットワーク2を介して参加者端末10へ送信する。また、資料データ管理部502は、取得したメモデータをリクエストとして、会議資料(会議使用データ)とマージしてメモ付き資料(メモ付きデータ)を作成するためのキュー(待ち行列)に格納する。
【0077】
具体的には、資料データ管理部502は、例えば、
図16に示すような、キュー601にメモデータをリクエストとして格納する。
図16に示すキュー601は、リクエスト(1)、リクエスト(2)、リクエスト(3)、リクエスト(4)・・・の順に格納されており、例えば、FIFO(First In,First Out)形式の順序で各リクエストが処理されるものとすればよい。キュー601に格納された各リクエストは、例えば、
図16に示すリクエスト602のような構成となっており、MemoID、UserID、Notification、および、1または複数のストローク情報を含む。UserIDは、参加者端末10によりメモデータを会議サーバ20へ送信した参加者(ユーザ)を識別するIDである。Notificationは、作成部503によりメモ付き資料が作成される際の進捗の状態を通知するか否かを示す情報である。ストローク情報は、資料データ管理部502により取得されたメモデータの本体の情報であり、上述した通りである。リクエスト602に含まれる各ストローク情報は、
図16に示すストローク情報603のように、DocIDと、Pageと、Traceとを含む。
【0078】
資料データ管理部502は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0079】
作成部503は、資料データ管理部502により取得されたメモデータと、会議で使用した会議資料とをマージしてメモ付き資料を作成する機能部である。作成部503は、作成したメモ付き資料を資料記憶部509bに記憶させると共に、記憶させた保存先を示すパスを、メモ付き資料管理テーブル509cに登録されたメモIDと関連付けて記憶させ、メモ付き資料管理テーブル509cを更新する。作成部503は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0080】
作成状態通知部504は、作成部503によりメモ付き資料の作成処理が開始されると、その作成の進捗の状態を、当該メモ付き資料の作成の要求を行った参加者端末10へ通知する機能部である。具体的には、作成状態通知部504は、例えば、
図14に示すようなMemoPhaseInfoメッセージを、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。
図14に示すように、MemoPhaseInfoメッセージは、メッセージの種類を定義するヘッダ部と、メッセージの本体であるボディ部と、を含む。
図14に示すように、MemoPhaseInfoメッセージのボディ部には、MemoID(メモID)、Phase、およびNumberOfWaitingが含まれる。Phaseは、MemoIDで識別されるメッセージに基づくメモ付き資料の作成の状態を示す。Phaseとしては、例えば、“waiting”(作成開始待ち)、“processing”(作成中)、“downloading”(ダウンロード中)、“complete”(ダウンロード完了)がある。NumberOfWaitingは、MemoPhaseInfoメッセージが送信された時点でキューに保持されているメモ付き資料の作成要求(リクエスト)の数である。
【0081】
作成状態通知部504は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0082】
URL通知部505は、メモ付き資料の作成要求を行った参加者端末10に対して、作成部503により作成されたメモ付き資料をダウンロードするためのアクセス先を示すURLを、参加者端末10へ通知する機能部である。URL通知部505は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0083】
認証部506は、参加者端末10からメモ付き資料を要求された場合に、共に受信したパスワードによって当該メモ付き資料の送付を許可するか否かの認証を行う機能部である。認証部506は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0084】
資料送付部507は、参加者端末10から要求されたメモ付き資料を、通信部508およびネットワーク2介して、参加者端末10へ送付(送信)する機能部である。資料送付部507は、例えば、
図4に示すCPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0085】
通信部508は、ネットワーク2を介して、参加者端末10とデータ通信をする機能部である。通信部508は、例えば、
図4に示すネットワークI/F308、および、CPU301がプログラムを実行することによって実現される。
【0086】
記憶部509は、会議サーバ20の動作を実現する各種プログラム、会議資料、作成されたメモ付き資料等の各種データを記憶する機能部である。また、記憶部509は、
図13に示すように、会議情報記憶部509aと、資料記憶部509bと、メモ付き資料管理テーブル509cと、を含む。
【0087】
会議情報記憶部509aは、現在の表示ページ情報、会議の参加者情報、および、現在の発表者情報等を記憶する。
【0088】
資料記憶部509bは、会議資料、および作成されたメモ付き資料等を記憶する。
【0089】
メモ付き資料管理テーブル509cは、
図15で上述した通りである。
【0090】
なお、会議制御部501、資料データ管理部502、作成部503、作成状態通知部504、URL通知部505、認証部506、資料送付部507および通信部508の一部または全部は、ソフトウェアであるプログラムではなく、FPGAまたはASIC等のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0091】
また、
図13に示した各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図13で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図13の1つ機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0092】
(会議システムの処理の流れ)
図17は、実施形態に係る会議システムのメモ付き資料取得方法の選択処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図18は、実施形態に係る会議システムのメモ付き資料作成・取得処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図19は、資料表示画面においてメモを書き込みした例を示す図である。
図20は、メモ保存・退出画面の一例を示す図である。
図21は、取得方法選択画面の一例を示す図である。
図22は、資料選択画面の一例を示す図である。
図23~
図26は、状態遷移画面の一例を示す図である。
図27は、パスワード設定画面の一例を示す図である。
図28は、取得用URL画面の一例を示す図である。
図29は、パスワード入力画面の一例を示す図である。
図17~
図29を参照しながら、本実施形態に係る会議システム1の処理の流れを説明する。
【0093】
<ステップS11>
参加者端末10を用いて会議に参加している参加者は、入力部409を介して、会議に関するメモを書き込む。以下、書き込んだメモは、参加者の個人的なメモである個人メモを書き込んだものとして説明する。ここで、資料表示画面においてメモ(個人メモ)が書き込まれた例を、
図19に示す。参加者端末10のメモデータ管理部403は、書き込まれたメモをメモデータとしてメモデータ記憶部412bに書き込む。
【0094】
<ステップS12>
図19に示すような資料表示画面において、「退出」ボタンが押下されると、参加者端末10の画面制御部402は、
図20に示すようなメモ保存・退出画面を表示部411に表示させる。メモ保存・退出画面において、「退出」ボタンが押下されると、ステップS13へ移行し、「メモ保存」ボタンが押下されると、ステップS14へ移行する。
【0095】
<ステップS13>
メモ保存・退出画面において、「退出」ボタンが押下されると、メモデータ記憶部412bに記憶されたメモデータに基づくメモ付き資料が作成されることなく退出する。
【0096】
<ステップS14>
メモ保存・退出画面において、「メモ保存」ボタンが押下されると、参加者端末10の作成要求部404は、会議サーバ20のキューに保持されたリクエスト(メモ付き資料の作成の要求)の数の要求として、NumberOfWaitingメッセージ(例えば、
図8参照)を、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。なお、「メモ保存」ボタンの押下は、会議が終了後であっても、会議中であっても可能であるものとしてもよい。
【0097】
<ステップS15>
会議サーバ20の資料データ管理部502は、通信部508を介して、参加者端末10からNumberOfWaitingメッセージを受信すると、その時点でのリクエストのキューの数を取得する。そして、資料データ管理部502は、当該メッセージに対するリプライに当該キューのリクエストの数を含めて、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。参加者端末10の作成要求部404は、リクエストのキューのリクエストの数を含むNumberOfWaitingメッセージのリプライを、通信部408を介して受信する。
【0098】
<ステップS16>
作成要求部404によりNumberOfWaitingメッセージのリプライが受信されると、画面制御部402は、
図21に示すような取得方法選択画面を表示部411に表示させる。画面制御部402は、
図21の取得方法選択画面に示すように、作成要求部404により取得されたリプライに含まれるリクエストの数を「待ち人数」(待ち期間の一例)として表示させる。このように、取得方法選択画面でリクエストの数が表示されることによって、メモ付き資料が作成されるまでの時間を予測することが可能となり、メモ付き資料をすぐに取得することが可能か、後で取得する方が適切かの判断をすることが容易になる。
【0099】
<ステップS17>
参加者は、取得方法選択画面において、メモ付き資料をすぐに取得するか、後で取得するかを選択する。作成要求部404は、参加者によって、メモ付き資料をすぐに取得するための「このまま取得する」ボタンが押下されたか、後で取得するための「後で取得する」ボタンが押下されたかを識別する値を所定の変数(取得変数)にセットする。
【0100】
ここで、「このまま取得する」とは、作成要求部404により会議サーバ20に対してメモ付き資料の作成の要求をしてから、メモ付き資料が作成完了した時点ですぐに当該メモ付き資料をダウンロードして取得する形態(第1取得形態)を示す。一方、「後で取得する」とは、作成要求部404により会議サーバ20に対してメモ付き資料の作成の要求のみを行い、その後、メモ付き資料が作成されてから任意のタイミングで会議サーバ20へアクセスして当該メモ付き資料をダウンロードして取得する形態(第2取得形態)を示す。
【0101】
<ステップS18>
参加者によって「このまま取得する」ボタン、または「後で取得する」ボタンが押下された場合、画面制御部402は、
図22に示すような資料選択画面を表示部411に表示させる。画面制御部402は、各会議資料のサムネイル画像を取得し、メモデータ記憶部412bから、各会議資料に書き込まれたメモデータの有無を確認し、資料選択画面に、取得したサムネイル画像、および、確認したメモデータの有無を表示させる。ここで、サムネイル画像は、会議情報記憶部412aに記憶された各会議資料のファイルから作成してもよく、または、会議サーバ20等の外部から取得してもよい。また、各会議資料に書き込まれたメモデータの有無については、例えば、メモデータに含まれるストローク情報のDocIDと、会議資料のDocIDとを対比することによって確認することができる。また、画面制御部402は、
図22に示すように、資料名、および総ページ数の情報を表示させるものとしてもよい。
【0102】
参加者は、資料選択画面において、自分が書き込んだメモ(個人メモ)のメモデータとマージさせる会議資料を選択する。資料選択画面において、いずれかの会議資料が選択された状態で、「次へ」ボタンが押下されると、ステップS19へ移行する。
【0103】
<ステップS19>
会議システム1は、資料選択画面で選択された会議資料と、当該会議資料に書き込まれたメモデータとをマージしてメモ付き資料を作成および取得するためのメモ付き資料作成・取得処理を実行する。メモ付き資料作成・取得処理は、
図18に示すステップS1901~S1935の流れで実行される。
【0104】
<<ステップS1901>>
参加者端末10の作成要求部404は、資料選択画面で選択された会議資料と、当該会議資料に書き込まれたメモデータとをマージしてメモ付き資料を作成する要求をするために、MemoDataメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。MemoDataメッセージには、メモデータを構成する1または複数のストローク情報として、資料選択画面で選択された会議資料のIDであるDocID、メモが書き込まれたページ番号であるPage、および、メモを構成する点の集合を示すTraceが含まれる。
【0105】
<<ステップS1902>>
会議サーバ20の資料データ管理部502は、通信部508を介してMemoDataメッセージを受信すると、当該MemoDataメッセージに含まれるメモデータを一意に識別するMemoID(メモID)を発行(生成)する。
【0106】
<<ステップS1903>>
資料データ管理部502は、メモ付き資料管理テーブル509cに、発行したMemoID(メモID)を登録する。この場合、登録されたメモIDのレコードにおけるパスおよびパスワードは空の状態である。
【0107】
<<ステップS1904>>
資料データ管理部502は、発行したMemoIDを、MemoDataメッセージに対するリプライ(例えば、
図7参照)に含めて、通信部508およびネットワーク2を介して参加者端末10へ送信する。
【0108】
<<ステップS1905>>
資料データ管理部502は、取得したメモデータをリクエストとして、会議資料とマージしてメモ付き資料を作成するためのキューに格納する。具体的には、資料データ管理部502は、MemoID(メモID)、UserID、Notification、および、1または複数のストローク情報を含む構成のリクエストをキューに格納する。ここで、資料データ管理部502は、リクエストのNotificationには“true”をセットする。
【0109】
<<ステップS1906>>
会議サーバ20の作成部503は、キューに格納されたリクエストの順に従って、各リクエストで特定されるメモデータと、会議資料とのマージによりメモ付き資料の作成を開始する。上述した参加者端末10における作成要求部404によって取得変数に「このまま取得する」ボタンが押下されたことを識別する値がセットされた場合(第1取得形態が選択された場合)、ステップS1907へ移行し、「後で取得する」ボタンが押下されたことを識別する値がセットされた場合(第2取得形態が選択された場合)、ステップS1920へ移行する。
【0110】
<<ステップS1907>>
会議サーバ20の作成状態通知部504は、キューに格納されたリクエストに含まれるNotificationが“true”であることを確認し、作成部503によりメモ付き資料の作成の進捗の状態を通知するために、MemoPhaseInfoメッセージを、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。作成状態通知部504によるメモ付き資料の作成の進捗の状態を通知するMemoPhaseInfoメッセージの送信は、例えば、所定間隔ごと(例えば、10秒ごと)に行われる。MemoPhaseInfoメッセージには、メモ付き資料の作成対象であるメモデータを識別するMemoID(メモID)、作成の状態を示すPhase、およびNumberOfWaitingが含まれる。メモ付き資料の作成対象となるリクエストがキューにおいて待ち状態となっている場合、作成状態通知部504は、Phaseを“waiting”(作成開始待ち)にセットして、MemoPhaseInfoメッセージを送信する。
【0111】
<<ステップS1908>>
参加者端末10の画面制御部402は、会議サーバ20から通信部408を介して、Phaseが“waiting”(作成開始待ち)であるMemoPhaseInfoメッセージを受信すると、
図23に示すような、メモ付き資料の作成が開始待ちの状態である旨、および、「待ち人数」を表示する状態遷移画面を表示部411に表示させる。このように、状態遷移画面でリクエストの数が表示されることによって、メモ付き資料が作成されるまでの時間を予測することが可能となり、ステップS17でメモ付き資料をすぐに取得する第1取得形態を選択したとしても、下記で示すように、メモ付き資料を後で取得する第2取得形態に切り替えるか否かの判断を容易にすることができる。
【0112】
図23に示すように、状態遷移画面には、「後で取得」ボタンが配置されており、参加者は、この「後で取得」ボタンを押下することによって、上述のステップS17でメモ付き資料の取得方法として第1取得形態を選択していたとしても、後で取得する第2取得形態に切り替えることができる。この「後で取得」ボタンが押下されたときの動作は、ステップS1915で後述する。
【0113】
<<ステップS1909>>
作成状態通知部504は、作成部503によりメモ付き資料の作成中の状態になると、作成中の状態であることを示すMemoPhaseInfoメッセージを、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。具体的には、作成状態通知部504は、Phaseを“processing”(作成中)にセットして、MemoPhaseInfoメッセージを送信する。
【0114】
<<ステップS1910>>
画面制御部402は、会議サーバ20から通信部408を介して、Phaseが“processing”(作成中)であるMemoPhaseInfoメッセージを受信すると、
図24に示すような、メモ付き資料が作成中の状態である旨、および、「待ち人数」を表示する状態遷移画面を表示部411に表示させる。ここでは、既に取得対象のメモ付き資料が作成中であるので「待ち人数」は0となっている。
【0115】
<<ステップS1911、ステップS1912>>
作成部503は、メモ付き資料の作成要求であるリクエストで特定されるメモデータと、会議資料とのマージによりメモ付き資料の作成が完了すると、資料記憶部509bに記憶させると共に、記憶させた保存先を示すパスを、メモ付き資料管理テーブル509cに登録されたメモIDと関連付けて記憶させ、メモ付き資料管理テーブル509cを更新する。その後、作成部503は、キューにおける次のリクエストの処理へ移る。
【0116】
<<ステップS1913>>
作成状態通知部504は、作成部503によりメモ付き資料の作成完了によりダウンロードの準備ができているので、ダウンロード中の状態であることを示すMemoPhaseInfoメッセージを、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。具体的には、作成状態通知部504は、Phaseを“downloading”(ダウンロード中)にセットして、MemoPhaseInfoメッセージを送信する。
【0117】
<<ステップS1914>>
画面制御部402は、会議サーバ20から通信部408を介して、Phaseが“downloading”(ダウンロード中)であるMemoPhaseInfoメッセージを受信すると、
図25に示すような、メモ付き資料がダウンロード中の状態である旨、および、「待ち人数」を表示する状態遷移画面を表示部411に表示させる。ここでは、既に取得対象のメモ付き資料がダウンロード中であるので「待ち人数」は0となっている。
【0118】
<<ステップS1915>>
参加者が、対象のリクエストに基づいてメモ付き資料の作成が要求されてから、当該メモ付き資料がダウンロードされるまでに、第1取得形態から第2取得形態に切り替えるため、状態遷移画面において、「後で取得」ボタンが押下された場合、ステップS1920へ移行する。この際、作成要求部404は、「後で取得」ボタンが押下されたことを示す(すなわち、第2取得形態が選択されたことを示す)値を上述の取得変数にセットする。なお、メモ付き資料のダウンロード(取得)中に「後で取得」ボタンが押下された場合、参加者端末10の資料取得部405は、ダウンロードを停止し、途中までダウンロードしたメモ付き資料の一部を、そのまま保持しておいてもよく、破棄するものとしてもよい。このように、第1取得形態から第2取得形態に切り替えられた場合、資料取得部405によりダウンロードを停止、すなわち、資料送付部507による送信処理を停止することにより、ネットワーク2におけるトラフィックを軽減し、会議サーバ20による負荷を低減させることができる。また、メモ付き資料のダウンロードが開始された後は、「後で取得」ボタンが押下できないように、当該ボタンを無効状態にするものとしてもよい。
【0119】
<<ステップS1916>>
会議サーバ20の資料送付部507は、作成部503によりメモ付き資料の作成が完了すると、当該メモ付き資料を、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送付(送信)する。
【0120】
<<ステップS1917>>
作成状態通知部504は、資料送付部507によりメモ付き資料のダウンロード(送付)が完了の状態になると、ダウンロード完了の状態であることを示すMemoPhaseInfoメッセージを、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。具体的には、作成状態通知部504は、Phaseを“complete”(ダウンロード完了)にセットして、MemoPhaseInfoメッセージを送信する。また、作成状態通知部504は、Phaseが“complete”(ダウンロード完了)であるMemoPhaseInfoメッセージを送信した後は、当該MemoPhaseInfoメッセージの送信(進捗の状態の通知)を停止する。
【0121】
<<ステップS1918>>
画面制御部402は、会議サーバ20から通信部408を介して、Phaseが“complete”(ダウンロード完了)であるMemoPhaseInfoメッセージを受信すると、
図26に示すような、メモ付き資料がダウンロード完了の状態である旨、および、「待ち人数」を表示する状態遷移画面を表示部411に表示させる。ここでは、既に取得対象のメモ付き資料がダウンロード完了の状態であるので「待ち人数」は0となっている。
【0122】
<<ステップS1919>>
画面制御部402は、ダウンロード完了の状態を示す状態遷移画面において、参加者により「閉じる」ボタンが押下されると、再び、
図22に示すような資料選択画面を表示部411に表示させる。
【0123】
<<ステップS1920>>
参加者によりメモ付き資料の取得の形態として第2取得形態(「後で取得する」)が選択されている場合、参加者端末10のパスワード設定部406は、会議サーバ20におけるメモ付き資料の作成処理の状態(進捗)の通知を停止させるために、メモデータを識別するメモIDを含めたStopMemoPhaseInfoメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
【0124】
<<ステップS1921>>
画面制御部402は、パスワード設定部406によりStopMemoPhaseInfoメッセージが送信されると、
図27に示すようなパスワード設定画面を表示部411に表示させる。
【0125】
<<ステップS1922>>
参加者は、表示部411に表示されたパスワード設定画面において、メモ付き資料の取得の要求の際の認証に必要となるパスワードを入力し、「送信」ボタンを押下する。
【0126】
<<ステップS1923>>
作成状態通知部504は、参加者端末10から通信部508を介して、メモデータを識別するメモIDを含むStopMemoPhaseInfoメッセージを受信すると、キューに格納されているリクエストのうち、当該メモIDで識別されるリクエストのNotification=“false”に変更する。これによって、作成状態通知部504は、以後、メモ付き資料の作成の進捗の状態の通知を参加者端末10へ通知しないものとする。
【0127】
<<ステップS1924>>
パスワード設定部406は、パスワード設定画面(
図27参照)で入力され、メモ付き資料を取得する際に会議サーバ20での認証に用いるパスワード、およびメモ付き資料作成の対象となるメモデータを識別するメモIDを含むMemoPasswordメッセージを、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
【0128】
<<ステップS1925>>
会議サーバ20の認証部506は、参加者端末10から通信部508を介して、MemoPasswordメッセージを受信すると、当該メッセージに含まれるパスワードを、メモ付き資料管理テーブル509cにおいて当該メッセージに含まれるメモIDと一致するメモIDと関連付けて記憶させ、メモ付き資料管理テーブル509cを更新する。
【0129】
<<ステップS1926>>
会議サーバ20のURL通知部505は、メモ付き資料の作成要求を行った参加者端末10に対して、作成部503により作成されたメモ付き資料をダウンロードするためのアクセス先を示すURLを、参加者端末10へ通知する。ここで、URL通知部505は、参加者端末10からメモIDが受信されていれば、メモ付き資料のダウンロードするためのアクセス先を、当該メモIDを含むURLとして予め定義することができるので、メモ付き資料の作成完了前であっても、当該URLを通知する。
【0130】
<<ステップS1927>>
画面制御部402は、会議サーバ20から通信部408を介して、メモ付き資料をダウンロードするためのアクセス先を示すURLを受信すると、
図28に示すような当該URLを表示する取得用URL画面を表示部411に表示させる。参加者は、取得用URL画面で通知されたURLを控えておく。
【0131】
<<ステップS1928、S1929>>
参加者は、任意のタイミングで、Webブラウザ等によりステップS1927で控えておいたURLにアクセスする。
【0132】
<<ステップS1930>>
認証部506は、参加者端末10から、URL通知部505により通知されたURLへのアクセスを受けると、参加者端末10が要求するメモ付き資料の送付を許可するか否かの認証をするための認証要求を、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送信する。
【0133】
<<ステップS1931>>
画面制御部402は、会議サーバ20から通信部408を介して、認証要求を受信すると、
図29に示すようなパスワード入力画面を表示部411に表示させる。
【0134】
<<ステップS1932>>
参加者は、ステップS1922で、パスワード設定画面において入力して設定したパスワードを、パスワード入力画面で入力して、「送信」ボタンを押下する。参加者端末10の認証要求部407は、会議サーバ20でメモ付き資料の取得の認証を受けるために、パスワード入力画面で入力されたパスワード、および、取得を要求するメモ付き資料にマージされたメモデータを識別するMemoID(メモID)を含むメモ付き資料要求を、通信部408およびネットワーク2を介して、会議サーバ20へ送信する。
【0135】
<<ステップS1933>>
認証部506は、参加者端末10から通信部508を介して、メモ付き資料要求を受信すると、当該要求に含まれるパスワードによって、メモ付き資料の送付を許可するか否かの認証を行う。具体的には、認証部506は、メモ付き資料管理テーブル509cを参照し、メモ付き資料要求に含まれるメモIDと一致するレコードのパスワードと、メモ付き資料要求に含まれるパスワードとが一致するか否かによって認証を行う。
【0136】
なお、認証要求部407によるメモ付き資料要求にはパスワードのみを含めるものとし、認証部506は、パスワードを含むメモ付き資料要求を受信した場合、アクセス先のURLに含まれるメモIDと一致するレコードのパスワードと、メモ付き資料要求に含まれるパスワードとが一致するか否かによって認証を行うものとしてもよい。
【0137】
<<ステップS1934>>
資料送付部507は、認証部506により認証が許可されると、メモ付き資料要求で特定されるメモ付き資料を、資料記憶部509bから抽出する。
【0138】
<<ステップS1935>>
資料送付部507は、抽出したメモ付き資料を、通信部508およびネットワーク2を介して、参加者端末10へ送付(送信)する。そして、資料取得部405は、会議サーバ20から、通信部508を介して、要求したメモ付き資料を取得(受信)する。
【0139】
以上のように、本実施形態に係る会議システム1では、ペーパーレス会議において、当該会議の終了(または退出)後、参加者端末10で書き込みしたメモを会議資料にマージさせて作成されるメモ付き資料を、すぐに取得する(第1取得形態)か、後で取得する(第2取得形態)かを選択できるものとしている。これによって、参加者の都合により、メモ付き資料の取得タイミングを選択することができるので、メモ付き資料を取得する際の利便性が向上する。
【0140】
また、参加者によって一旦、すぐに取得すること(第1取得形態)が選択された場合でも、例えば、上述した第1取得形態を選択した場合に表示される状態遷移画面において、「後で取得」ボタンを押下することによって、メモ付き資料を後で取得する第2取得形態に切り替えることができる。これによって、会議の参加者がメモ付き資料を取得する際の利便性をさらに向上させることができる。
【0141】
なお、第1取得形態が選択された後、第2取得形態に切り替える方法として、
図18では画面制御部402により表示された状態遷移画面に配置された「後で取得」ボタンを押下することによって切り替えるものとしているが、これに限定されるものではない。例えば、状態遷移画面以外の画面であって、第2取得形態に切り替えるための操作画面において、第2取得形態に切り替えるものとしてもよく、または、画面上での操作によるものではなく、入力部409に対する所定のコマンド操作により第2取得形態に切り替わるものとしてもよい。
【0142】
また、
図21に示す取得方法選択画面においてNumberOfWaitingメッセージのリプライに含まれるリクエストの数、および、
図23~
図26に示す状態遷移画面においてMemoPhaseInfoメッセージに含まれるリクエストの数を「待ち人数」として表示されているが、これに限定されるものではない。例えば、画面制御部402は、リクエストの数に基づいて予測される「待ち時間」(待ち期間の一例)を各画面において表示させるものとしてもよく、上述のNumberOfWaitingメッセージのリプライ、およびMemoPhaseInfoメッセージによって、リクエストの数ではなく待ち時間そのものを受信して表示するものとしてもよい。
【0143】
また、
図17および
図18のシーケンス図では、参加者によって書き込まれたメモが個人メモであるものとし、会議資料にマージされるメモが個人メモであるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、共有メモをマージの対象としてもよい。例えば、
図22に示す資料選択画面において、メモ付き資料を作成する会議資料を選択することのほか、当該会議資料にマージさせるメモとして個人メモ、共有メモ、または個人メモおよび共有メモの双方を選択可能としてもよい。
【0144】
また、「後で取得する」とは、上述のように、作成要求部404により会議サーバ20に対してメモ付き資料の作成の要求のみを行い、その後、メモ付き資料が作成されてから任意のタイミングで会議サーバ20へアクセスして当該メモ付き資料をダウンロードして取得する形態(第2取得形態)としているが、例えば、当該要求後、予め設定してある日時となった場合にダウンロードが開始されるように、当該日時を設定ができるような取得形態であってもよい。
【0145】
また、上述の実施形態において、会議サーバ20および参加者端末10の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態に係る会議サーバ20および参加者端末10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、またはDVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の会議サーバ20および参加者端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態の会議サーバ20および参加者端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態の会議サーバ20および参加者端末10で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU301、201が上述の記憶装置(例えば、補助記憶装置304、記憶装置203)からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置(例えば、RAM303、メモリ202)上にロードされて生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0146】
1 会議システム
2 ネットワーク
10、10a~10e 参加者端末
20 会議サーバ
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
204 タッチパネルディスプレイ
206 マイク
207 スピーカ
208 操作部
209 無線通信部
215 バス
251 ペン
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 補助記憶装置
305 メディア
306 メディアドライブ
307 操作装置
308 ネットワークI/F
309 ディスプレイ
310 DVD
311 DVDドライブ
312 バス
401 会議処理部
402 画面制御部
403 メモデータ管理部
404 作成要求部
405 資料取得部
406 パスワード設定部
407 認証要求部
408 通信部
409 入力部
410 表示制御部
411 表示部
412 記憶部
412a 会議情報記憶部
412b メモデータ記憶部
501 会議制御部
502 資料データ管理部
503 作成部
504 作成状態通知部
505 URL通知部
506 認証部
507 資料送付部
508 通信部
509 記憶部
509a 会議情報記憶部
509b 資料記憶部
509c メモ付き資料管理テーブル
601 キュー
602 リクエスト
603 ストローク情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0147】