(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-23
(45)【発行日】2022-03-31
(54)【発明の名称】発光装置及び照明装置、並びに、それらの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/48 20100101AFI20220324BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20220324BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20220324BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220324BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/58
F21V19/00 450
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019170634
(22)【出願日】2019-09-19
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡久 強志
(72)【発明者】
【氏名】四宮 智人
(72)【発明者】
【氏名】喜羽 大造
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-027914(JP,A)
【文献】特開2012-099358(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0074849(US,A1)
【文献】特開2011-171190(JP,A)
【文献】特開2017-068990(JP,A)
【文献】特開2011-134665(JP,A)
【文献】特開2012-104256(JP,A)
【文献】特開2010-040801(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107420773(CN,A)
【文献】特開2015-018647(JP,A)
【文献】特開2013-084433(JP,A)
【文献】特開2015-156417(JP,A)
【文献】特開2016-085954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L33/00
H01L33/48-33/64
F21V19/00-19/06
G03B15/04-15/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置される発光素子と、
前記発光素子の光取出面に配置される光透過性部材と、
前記発光素子を離間して覆うカバーと、を備え、
前記カバーは、前記発光素子からの光を透過する上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有し、
前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であ
り、
前記凸部は、前記側壁の外側面に連続して平面視で環状に形成される発光装置。
【請求項2】
基板と、
前記基板上に配置される発光素子と、
前記発光素子の光取出面に配置される光透過性部材と、
前記発光素子を離間して覆うカバーと、を備え、
前記カバーは、前記発光素子からの光を透過する上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有し、
前記側壁は、内部部材と、前記内部部材を被覆する外部部材と、を有し、
前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であり、前記内部部材は、前記軟質部材よりも硬い硬質部材である発光装置。
【請求項3】
前記硬質部材は、ポリカーボネート樹脂である請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記軟質部材は、シリコーン樹脂である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記カバーは、前記上部にフレネルレンズ面を有する請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記凸部は、前記側壁の外側面に連続して平面視で環状に形成される
、請求項1を引用する場合を除く、請求項
2乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記凸部は、前記側壁の高さ方向において、前記側壁の外側面の上端及び下端から前記側壁の高さの10%の範囲を除く位置に設けられている請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に配置される発光素子と、
前記発光素子の光取出面に配置される光透過性部材と、
前記発光素子を離間して覆うカバーと、を備え、
前記カバーは、前記発光素子からの光を透過する上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有し、
前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であり、
前記軟質部材は、シリコーン樹脂である発光装置。
【請求項9】
前記凸部は、前記側壁の高さ方向において、前記側壁の外側面の上端及び下端から前記側壁の高さの10%の範囲を除く位置に設けられている請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項
9のいずれか一項に記載の発光装置と、前記他の部材である貫通孔を有する筐体と、を備え、
前記発光装置の前記凸部が変形して前記貫通孔内の前記筐体の内壁と接触することで、前記発光装置が前記筐体に固定される照明装置。
【請求項11】
金型で挟み込まれる空間内に透光性部材を注入し、前記透光性部材を固化又は硬化して、上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有するカバーを作製する工程と、
基板上に配置する発光素子の光取出面に光透過性部材を配置する工程と、
前記発光素子を前記凹部内に配置するように前記カバーを設ける工程と、を含み、
前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であ
り、
前記カバーを作製する工程は、前記空間内の前記側壁が形成される部位に、前記軟質部材よりも硬い硬質部材を配置する発光装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の発光装置の製造方法を用いて発光装置を準備する工程と、
前記他の部材である貫通孔を有する筐体に、前記発光装置の前記凸部が変形して前記貫通孔内の前記筐体の内壁と接触するように前記発光装置を固定する工程と、を含む照明装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置及び照明装置、並びに、それらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、LED素子と、リード電極を備えLED素子が実装されたパッケージと、パッケージに取り付けられ光透過部を有するカバー部材と、を備える照明装置が開示されている。また、特許文献2には、回路基板にLED素子が搭載されLED素子を樹脂で封止したLEDランプに、LED素子からの光を集光する集光手段を有するカバーを取り付けた発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-103404号公報
【文献】特開2010-040801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献の技術では、装置の薄型化について、更なる改善の余地がある。
本開示に係る実施形態は、薄型化が可能な発光装置及び照明装置、並びに、それらの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光装置は、基板と、前記基板上に配置される発光素子と、前記発光素子の光取出面に配置される光透過性部材と、前記発光素子を離間して覆うカバーと、を備え、前記カバーは、前記発光素子からの光を透過する上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有し、前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材である構成を備えている。
【0006】
本開示の実施形態に係る発光装置は、基板と、前記基板上に配置される発光素子と、前記発光素子の光取出面に配置される光透過性部材と、前記発光素子を離間して覆うカバーと、を備え、前記カバーは、前記発光素子からの光を透過する上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有し、前記側壁は、内部部材と、前記内部部材を被覆する外部部材と、を有し、前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であり、前記内部部材は、前記軟質部材よりも硬い硬質部材である構成を備えている。
【0007】
本開示の実施形態に係る照明装置は、前記記載の発光装置と、前記他の部材である貫通孔を有する筐体と、を備え、前記発光装置の前記凸部が変形して前記貫通孔内の前記筐体の内壁と接触することで、前記発光装置が前記筐体に固定されるものである。
【0008】
本開示の実施形態に係る発光装置の製造方法は、金型で挟み込まれる空間内に透光性部材を注入し、前記透光性部材を固化又は硬化して、上部と、前記上部の周縁に設けられる側壁と、で囲まれる凹部を持ち、前記側壁の外側面の一部に凸部を有するカバーを作製する工程と、基板上に配置する発光素子の光取出面に光透過性部材を配置する工程と、前記発光素子を前記凹部内に配置するように前記カバーを設ける工程と、を含み、前記凸部は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材である。
【0009】
本開示の実施形態に係る照明装置の製造方法は、前記記載の発光装置の製造方法を用いて発光装置を準備する工程と、前記他の部材である貫通孔を有する筐体に、前記発光装置の前記凸部が変形して前記貫通孔内の前記筐体の内壁と接触するように前記発光装置を固定する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示に係る実施形態の発光装置及び照明装置は、薄型化が可能である。
本開示に係る実施形態の発光装置の製造方法及び照明装置の製造方法は、薄型化が可能な発光装置及び照明装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。
【
図1B】第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す平面図である。
【
図1D】第1実施形態に係る発光装置のカバーの上部の発光素子側から見た平面図である。
【
図2】第1実施形態に係る発光装置の製造方法のフローチャートである。
【
図3A】第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、カバーを作製する工程を示す断面図である。
【
図3B】第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、ハードコート層を形成する工程を示す断面図である。
【
図3C】第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、基板上に発光素子を配置する工程を示す断面図である。
【
図3D】第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、反射部材を形成する工程を示す断面図である。
【
図3E】第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、カバーを設ける工程を示す断面図である。
【
図4】第1実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図5】第1実施形態に係る照明装置の製造方法のフローチャートである。
【
図6A】第2実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す平面図である。
【
図7】第2実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す断面図である。
【
図8】他の実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る発光装置及び照明装置、並びに、それらの製造方法について図面を参照しながら説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置及び照明装置、並びに、それらの製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。
【0013】
<第1実施形態>
【0014】
[発光装置]
図1Aは、第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す斜視図である。
図1Bは、第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す平面図である。
図1Cは、
図1BのIC-IC線における断面図である。
図1Dは、第1実施形態に係る発光装置のカバーの上部の発光素子側から見た平面図である。
【0015】
第1実施形態に係る発光装置100は、基板10と、基板10上に配置される発光素子20と、発光素子20の光取出面に配置される光透過性部材30と、発光素子20を離間して覆うカバー50と、を備えている。そして、カバー50は、発光素子20からの光を透過する上部51と、上部51の周縁に設けられる側壁52と、で囲まれる凹部54を持ち、側壁52の外側面の一部に凸部53を有している。そして、凸部53は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材である。
【0016】
つまり、発光装置100は、主として、基板10と、発光素子20と、光透過性部材30と、反射部材40と、カバー50と、を備え、ここでは更にハードコート層60を有している。
以下、発光装置100の各構成について説明する。
【0017】
(基板)
基板10は、発光素子20が載置されるもので、表面及び内部のうちの一方又は両方に配置された配線を備えていることが好ましい。基板10では、配線と発光素子20の正負一対の電極とを導電性接着部を介して接続することによって、発光素子20と電気的に接続する。
基板10は、絶縁性材料を用いることが好ましく、かつ、発光素子20から出射される光や外光等を透過しにくい材料を用いることが好ましく、ある程度の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、基板10は、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド等の樹脂で構成することができる。基板10は、ガラスエポキシ基板や金属基板、一部絶縁処理された金属基板等も使用することができる。
【0018】
(発光素子)
発光素子20は、基板10上に配置される。発光素子20は、発光素子20の光取出面と反対側の下面には正負一対の電極が設けられていることが好ましく、基板10にフリップチップ実装されていることが好ましい。発光素子20の平面視における形状は、通常四角形であるが、円形、楕円形、三角形、六角形等の多角形であってもよい。また、発光素子20、光透過性部材30、及び、反射部材40からなる素子構造体1の平面視における形状も通常四角形であるが、円形、楕円形、三角形、六角形等の多角形であってもよい。
【0019】
発光素子20は、III~V族化合物半導体、II~VI族化合物半導体等の種々の半導体からなることが好ましい。半導体としては、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系半導体を使用することが好ましく、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等も使用できる。
【0020】
(光透過性部材)
光透過性部材30は、発光素子20の光取出面となる上面に配置される。光透過性部材30は、発光素子20を、外力、埃、水分等から保護すると共に、発光素子20の耐熱性、耐候性、耐光性を良好なものとするために設けられている。光透過性部材30の材質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ハイブリッドシリコーン樹脂等が挙げられる。
光透過性部材30には、出射光の色調整のために、発光素子20からの光を波長変換する蛍光体等の波長変換部材を含有するものが好ましい。蛍光体には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体等を使用することが好ましい。また、光透過性部材30は、充填材(拡散剤、着色剤等)を含有してもよい。充填材としては、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、ガラス、蛍光体の結晶又は焼結体、蛍光体と無機物の結合剤との焼結体等を使用することが好ましい。
【0021】
(反射部材)
反射部材40は、光透過性部材30の上面を除いて、発光素子20の側面と光透過性部材30の側面とを覆っている。反射部材40は、光取出し効率を向上させるためのもので、白色顔料等を含有するシリコーン樹脂等の合成樹脂からなることが好ましい。白色顔料には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素のうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0022】
(カバー)
カバー50は、発光素子20を離間して覆う部材である。カバー50は、発光素子20からの光を透過する上部51と、上部51の周縁に設けられる側壁52と、で囲まれて基板10側に向けて凹部状に形成される凹部54を持っている。
【0023】
上部51は、発光素子20に対向し離間して配置され、発光素子20からの光を屈折させて透過し、所望の画角内に出射するものである。上部51の外形形状は、平面視で円形や楕円形であることが好ましく、四角形や六角形等の多角形であってもよい。
上部51は、発光素子20と対向する下面には複数の環状の突出部7からなるフレネルレンズ面5を備えることが好ましい。また、上部51は、凸レンズ又は凹レンズであってもよい。上部51は、フレネルレンズ面5に、発光素子20側に凸の中央突出部6と、中央突出部6の外側に同心円状に配置され発光素子20側に凸状となる複数の環状の突出部7と、を備えることが好ましい。複数の環状の突出部7は、平面視で中央突出部6に対して同心状に配置され、中央突出部6の形状に併せて環状となる形状に形成されることが好ましい。つまり、中央突出部6が平面視で円形であれば、突出部7は平面視が円環状に形成され、中央突出部6が平面視で矩形であれば、突出部7は平面視が矩形環状に形成される。また、突出部7のそれぞれは、発光素子20からの光を屈折させるフレネルレンズ面5の機能を有するように形成されていることが好ましい。フレネルレンズ面5は、平面視で素子構造体1を内包する大きさに形成されていることが好ましい。
【0024】
上部51のフレネルレンズ面5の反対側は平坦に形成されている。側壁52は、一例として上部51の側方に連続して筒形状に形成されている。また、カバー50は、側壁52の下面と基板10の上面とが接着部材を介して固定されることが好ましい。ここで、接着部材は、接着テープ等の公知の接着材を使用する。カバー50は、上部51及び側壁52が、一例として、同じ部材から加工して一体に形成されている。なお、上部51は、光を透過する樹脂或いはガラス材で形成され、側壁52を樹脂(上部51が樹脂の場合は上部51と異なる樹脂)で形成することとしても構わない。上部51の材質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ハイブリッドシリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。また、上部51の材質としては、ハイブリッドガラスを用いることもできる。側壁52の材質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。具体的には、エポキシ、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ハイブリッドシリコーン樹脂等が挙げられる。また、側壁52の材質としては、ハイブリッドガラスを用いることもできる。
【0025】
カバー50は、側壁52の外側面の一部に凸部53を有する。凸部53は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材である。ここで、他の部材とは、例えば携帯電話機に用いられる筐体70である。また、押圧により変形するとは、例えば、カバー50を筐体70の貫通孔71内にはめ込んだ際に、発光装置100が筐体70に固定されるように潰れることも含み、凸部53の形状が変わることをいう。凸部53は、側壁52から突出する凸部53の高さを1としたときに、0.2倍~0.9倍の高さに変形するものが好ましく、0.4倍~0.7倍の高さに変形することがより好ましい。当該変形量によりカバー50を筐体70にはめ込んだ際の固定強度を高くすることができるからである。
発光装置100は、凸部53により筐体70に固定することで、発光装置及び照明装置を薄型化することができる。
以下、他の部材として筐体70を例にして更に凸部53について説明する。
【0026】
凸部53は、側壁52と同じ部材、例えば軟質部材から加工して、側壁52と一体に形成されている。
凸部53として用いられる軟質部材は、シリコーン樹脂であることが好ましい。シリコーン樹脂は、筐体70との係合時に生じる押圧により、より変形し易く、また、耐光性及び耐熱性が高いため好ましい。
凸部53の断面形状は、先端が円弧状に形成された形状である。これによりカバー50を筐体70にはめ込む際にカバー50の滑りをよくし、はめ込み易くすることができる。ただし、凸部53の断面形状は、筐体70に係合した際に押圧により変形し、発光装置100が筐体70に固定される形状であればどのような形状であってもよい。例えば、凸部53の断面形状は、四角形状、三角形状、半円形状、半楕円形状等であってもよい。
【0027】
凸部53は、側壁52の外側面に連続して平面視で環状に形成されていることが好ましい。このような構成であれば、発光装置100を筐体70に係合し易く、また、安定して筐体70と係合し易くなる。また、発光装置100の製造時に側壁52の外側面に凸部53を形成し易い。
凸部53は、側壁52の高さ方向において、側壁52の外側面の上端から側壁52の高さの10%の範囲α1を除く位置、及び、側壁52の外側面の下端から側壁52の高さの10%の範囲α2を除く位置に設けられていることが好ましい。このような構成であれば、発光装置100を筐体70に係合し易く、また、安定して筐体70と係合し易くなる。
【0028】
(ハードコート層)
ハードコート層60は、カバー50の上面を覆う部材である。ハードコート層60は、カバー50よりも硬質のものをいう。ハードコート層60は透光性であり、カバー50の上部51の上面及び側壁52の上面を連続して覆っている。発光装置100は、ハードコート層60を備えることで、カバー50の変形を抑制することができる。また、発光装置100は、ハードコート層60を備えることで、カバー50の上面を、外力、埃、水分等から保護し、キズ等がつくことを防止することができる。
ハードコート層60の材質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの変性樹脂又はこれらの樹脂を1種以上含むハイブリッド樹脂等が挙げられる。具体的には、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ハイブリッドシリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0029】
[発光装置の動作]
次に、発光装置100の動作について説明する。
発光装置100は、駆動させると、外部電源から発光素子20に電流が供給され、発光素子20が発光する。発光素子20が発光した光は、上方へ進む光が、光透過性部材30を介して出射し、カバー50の上部51に入射する。また、下方へ進む光は、基板10で反射され、光透過性部材30を介して出射し、カバー50の上部51に入射する。また、発光素子20の側方に進む光は、反射部材40で反射され、光透過性部材30を介して出射し、カバー50の上部51に入射する。カバー50の上部51では、素子構造体1の中央部からの光は中央突出部6に入射され光軸方向及び集光する方向に出射する。また、カバー50の上部51では、素子構造体1の中央部以外からの光はフレネルレンズ面5の突出部7から入射し、所望の画角内に屈折して出射される。すなわち、カバー50の上部51では、突出部7から入射された光を屈折させて出射することにより、所望の画角内での発光効率を向上させることができる。このようにして、発光素子20が発光した光は、発光装置100の外部に取り出される。
【0030】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100の製造方法の一例について説明する。
図2は、第1実施形態に係る発光装置の製造方法のフローチャートである。
図3Aは、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、カバーを作製する工程を示す断面図である。
図3Bは、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、ハードコート層を形成する工程を示す断面図である。
図3Cは、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、基板上に発光素子を配置する工程を示す断面図である。
図3Dは、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、反射部材を形成する工程を示す断面図である。
図3Eは、第1実施形態に係る発光装置の製造方法において、カバーを設ける工程を示す断面図である。ただし、反射部材40つきの発光素子20を基板10上に配置することが好ましいため、
図3Cの工程を省略して、
図3Dの工程から発光装置100の製造を始めてもよい。
【0031】
発光装置100の製造方法は、金型80で挟み込まれる空間内に透光性部材を注入し、透光性部材を固化又は硬化して、上部51と、上部51の周縁に設けられる側壁52と、で囲まれる凹部54を持ち、側壁52の外側面の一部に凸部53を有するカバー50を作製する工程であるカバー作製工程S101と、カバー50の上面にハードコート層60を形成する工程であるハードコート層形成工程S102と、基板10上に配置する発光素子20の光取出面に光透過性部材30を配置する工程である光透過性部材配置工程S103と、光透過性部材30が上になるように基板10上に発光素子20を配置する工程である発光素子配置工程S104と、発光素子20の側面と光透過性部材30の側面とを覆う反射部材40を形成する工程である反射部材形成工程S105と、発光素子20を凹部54内に配置するようにカバー50を設ける工程であるカバー設置工程S106と、を含む。
そして、カバー作製工程S101で設けられる凸部53は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材である。
なお、各部材の材質や配置等については、前記した発光装置100の説明で述べた通りであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
【0032】
(カバー作製工程)
カバー作製工程S101は、金型80で挟み込まれる空間内に透光性部材を注入し、透光性部材を固化又は硬化する工程である。この工程S101では、透光性部材を固化又は硬化し、上部51と、上部51の周縁に設けられる側壁52と、で囲まれる凹部54を持ち、側壁52の外側面の一部に凸部53を有するカバー50が作製される。
【0033】
この工程S101では、まず、金型80として、上金型81と、下金型82と、左金型83と、右金型84と、を準備する。次に、これらの金型80で挟み込まれる空間内に、樹脂注入口85から透光性部材を注入する。透光性部材は、固化又は硬化後に、前記した軟質部材となる部材である。次に、空間内に注入した透光性部材を固化又は硬化し、金型80を取り外す。これにより、カバー50が作製される。ここで、透光性部材として熱可塑性樹脂を用いる場合に、加熱溶融した熱可塑性樹脂を冷却して固体化することを「固化」と呼ぶ。また、透光性部材として熱硬化性樹脂を用いる場合に、液状の熱硬化性樹脂を加熱して固体化することを「硬化」と呼ぶ。
【0034】
(ハードコート層形成工程)
ハードコート層形成工程S102は、カバー50の上面にハードコート層60を形成する工程である。
この工程S102では、例えば、スプレー法や、樹脂シートの貼り付け等により、カバー50の上部51の上面及び側壁52の上面に連続してハードコート層60を形成する。
【0035】
(光透過性部材配置工程)
光透過性部材配置工程S103は、基板10上に配置する発光素子20の光取出面に光透過性部材30を配置する工程である。
この工程S103では、例えば、発光素子20の光取出面に、所定形状の光透過性部材30を接合する。発光素子20に光透過性部材30を接合する場合、直接接合で接合させてもよく、透光性の接合部材を介して接合するようにしてもよい。なお、光透過性部材30は、スプレー法等によって形成してもよい。
【0036】
(発光素子配置工程)
発光素子配置工程S104は、光透過性部材30が上になるように基板10上に発光素子20を配置する工程である。
発光素子20は、電極形成面を実装面として、導電性接着部材により基板10上に配置される配線上にフリップチップ実装されている。導電性接着部材としては、例えば共晶はんだ、導電ペースト、バンプ等を用いればよい。
なお、光透過性部材配置工程S103と発光素子配置する工程S104とは、明確に区別されていなくてもよく、例えば、基板10上に発光素子20を配置した後で、発光素子20と光透過性部材30とを接合してもよい。
【0037】
(反射部材形成工程)
反射部材形成工程S105は、発光素子20の側面と光透過性部材30の側面とを覆う反射部材40を形成する工程である。
この工程S105では、反射部材40は、例えば、基板10に対して上下方向或いは水平方向等に移動(可動)させることができる吐出装置(ディスペンサー)を用いて、反射部材40を構成する樹脂等を基板10上に充填することにより形成することができる。また、反射部材40は、圧縮成形法、トランスファー成形法等によって形成することもできる。
反射部材40は、基板10上に発光素子20を配置する前に設ける方が好ましい。つまり、発光素子20の上面に光透過性部材30を配置し、発光素子20及び光透過性部材30の側面に反射部材40を配置した発光素子20を用意し、その反射部材40つきの発光素子20を基板10上に配置することが好ましい。これにより簡易に反射部材40つきの発光素子20を形成できたり、基板10への熱又は圧力を低減することができたりするからである。
【0038】
(カバー設置工程)
カバー設置工程S106は、発光素子20を凹部54内に配置するようにカバー50を設ける工程である。
この工程S106では、カバー50の側壁52の下面と基板10の上面とを接着部材を介して固定する。これにより、発光素子20は、カバー50の凹部54内に配置される。
【0039】
[照明装置]
図4は、第1実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す断面図である。
第1実施形態に係る照明装置200は、前記記載の発光装置100と、他の部材である貫通孔71を有する筐体70と、を備えている。そして、照明装置200は、発光装置100の凸部53が変形して貫通孔71内の筐体70の内壁と接触することで、発光装置100が筐体70に固定されている。
発光装置100は前記説明した通りの構成を備えている。
【0040】
(筐体)
筐体70は、貫通孔71を有する。筐体70は、発光装置100を固定するもので、例えば、発光装置100をフラッシュ光源として用いる携帯電話機の筐体の一部であってもよい。
平面視において、貫通孔71の大きさは、カバー50の上面、ここでは、ハードコート層60の上面が露出するようにカバー50よりも大きく、かつ、発光装置100の凸部53を含めた大きさよりも小さく形成されている。これにより、照明装置200は、凸部53が貫通孔71内の筐体70の内壁と接触すると共に筐体70の内壁の押圧により押し潰され、発光装置100が筐体70に固定される。また、筐体70は、遮光部材からなることが好ましく、発光装置100から出射される光の配光方向を制限できるように、例えば、フィラーを含有させて光を反射させるようにした反射性樹脂、光を吸収する光吸収樹脂等により構成することが好ましい。貫通孔71は、平面視で円形、楕円形、三角形、四角形、六角形等が好ましい。
【0041】
[照明装置の製造方法]
次に、照明装置200の製造方法の一例について説明する。
図5は、第1実施形態に係る照明装置の製造方法のフローチャートである。
【0042】
照明装置200の製造方法は、発光装置100の製造方法を用いて発光装置100を準備する工程である発光装置準備工程S11と、他の部材である貫通孔71を有する筐体70に、発光装置100の凸部53が変形して貫通孔71内の筐体70の内壁と接触するように発光装置100を固定する工程である発光装置固定工程S12と、を含む。
なお、各部材の材質や配置等については、前記した照明装置200の説明で述べた通りであるので、ここでは適宜、説明を省略する。
【0043】
(発光装置準備工程)
発光装置準備工程S11は、前記した発光装置100の製造方法を用いて発光装置100を準備する工程である。
この工程S11では、前記した工程S101~工程S106を行うことで発光装置100を製造する。
【0044】
(発光装置固定工程)
発光装置固定工程S12は、他の部材である貫通孔71を有する筐体70に、発光装置100の凸部53が変形して貫通孔71内の筐体70の内壁と接触するように発光装置100を固定する工程である。
この工程S12では、筐体70の貫通孔71内に、カバー50の上部51側から発光装置100を挿入し、凸部53を筐体70の内壁と接触させて発光装置100と筐体70とを係合する。この際、凸部53は、筐体70との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であるため、筐体70の内壁と接触する際に変形することで発光装置100が筐体70に固定される。
なお、筐体70は、例えば、貫通孔71を有する上部部材と、下部部材とからなり、上部部材の下面側から発光装置100を貫通孔71内に挿入した後、上部部材と下部部材とを接合する。
【0045】
<第2実施形態>
[発光装置]
図6Aは、第2実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す平面図である。
図6Bは、
図6AのVIB-VIB線における断面図である。
【0046】
第2実施形態に係る発光装置100Aは、基板10と、基板10上に配置される発光素子20と、発光素子20の光取出面に配置される光透過性部材30と、発光素子20を離間して覆うカバー50Aと、を備えている。カバー50Aは、発光素子20からの光を透過する上部51と、上部51の周縁に設けられる側壁52Aと、で囲まれる凹部54を持ち、側壁52Aの外側面の一部に凸部53を有している。また、側壁52Aは、内部部材90と、内部部材90を被覆する外部部材55と、を有している。そして、凸部53は、他の部材との係合時に生じる押圧により変形する軟質部材であり、内部部材90は、軟質部材よりも硬い硬質部材である。
【0047】
つまり、発光装置100Aは、主として、基板10と、発光素子20と、光透過性部材30と、反射部材40と、カバー50Aと、ハードコート層60と、内部部材90と、外部部材55と、を備えている。
以下、発光装置100Aの各構成について、発光装置100と異なる事項について説明する。
【0048】
発光装置100Aは、側壁52Aが、内部部材90と、内部部材90を被覆する外部部材55と、を有している。内部部材90は、側壁52Aの内部に設けられた部材である。内部部材90は、凸部53の材質である軟質部材よりも硬い硬質部材である。外部部材55は、凸部53と同じ軟質部材であり、外部部材55と凸部53とが一体に形成されている。外部部材55は、側壁52Aのうち、内部部材90及び凸部53以外の部位を構成するものである。
【0049】
内部部材90に用いる硬質部材としては、外部部材55よりも硬い部材であればよく、例えば、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ハイブリッドガラス等が挙げられる。硬質部材は、ポリカーボネート樹脂であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂は、加工がし易いと共に、適度な硬さがあるため好ましい。
発光装置100Aは、側壁52Aが内部部材90を備えることで、カバー50A、特に上部51が変形することを防止することができる。これによりレンズの変形に伴う照射パターンの変化を低減することができる。
内部部材90は、一例として、側壁52Aの形状に合わせて筒形状に形成されている。また、内部部材90は、側壁52Aの高さよりも若干低い高さで形成されている。ただし、内部部材90は、平面視で、側壁52Aに沿って断続的に形成されていてもよく、また、側壁52Aの高さの2/3程度や、1/2程度の高さで形成されていてもよい。
【0050】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100Aの製造方法の一例について説明する。
発光装置100Aの製造方法は、前記した発光装置100の製造方法のカバー作製工程S101において、金型80で挟み込まれる空間内の側壁52Aが形成される部位に、軟質部材よりも硬い硬質部材を配置する。この事項以外は第1実施形態の発光装置100の製造方法と同様である。以下、発光装置100Aの製造方法のカバー作製工程について説明する。
【0051】
発光装置100Aの製造方法のカバー作製工程は、金型80で挟み込まれる空間内の側壁52Aが形成される部位に、軟質部材よりも硬い硬質部材を配置する工程である。また、発光装置100Aの製造方法のカバー作製工程は、金型80で挟み込まれる空間内に透光性部材を注入し、透光性部材を固化又は硬化する工程である。この工程では、透光性部材を固化又は硬化し、上部51と、上部51の周縁に設けられる側壁52Aと、で囲まれる凹部54を持ち、側壁52Aの内部に内部部材90を有し、側壁52Aの外側面の一部に凸部53を有するカバー50Aが作製される。
発光装置100Aの製造方法のカバー作製工程では、金型80で挟み込まれる空間内の側壁52Aが形成される部位に硬質部材を配置した後、空間内に透光性部材を注入する。硬質部材は、具体的には内部部材90である。
その他の事項は、発光装置100の製造方法におけるカバーを作製する工程と同様である。
【0052】
[照明装置]
図7は、第2実施形態に係る照明装置の構成を模式的に示す断面図である。
第2実施形態に係る照明装置200Aは、前記記載の発光装置100Aと、他の部材である貫通孔71を有する筐体70と、を備えている。そして、照明装置200Aは、発光装置100Aの凸部53が変形して貫通孔71内の筐体70の内壁と接触することで、発光装置100Aが筐体70に固定されている。
照明装置200Aは、前記した発光装置100Aを用いること以外は第1実施形態の照明装置200と同様である。
【0053】
[照明装置の製造方法]
次に、照明装置200Aの製造方法の一例について説明する。
照明装置200Aの製造方法は、前記した発光装置100Aの製造方法を用いて準備した発光装置100Aを用いること以外は第1実施形態の照明装置200の製造方法と同様である。
【0054】
以上、発光装置及び照明装置、並びに、それらの製造方法について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれる。
【0055】
<他の実施形態>
図8は、他の実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す断面図である。
発光装置100Bは、カバー50Bの環状の凸部53が側壁52の高さ方向に隣り合うように2つ設けられている。このような構成であれば、発光装置100Bをより安定して筐体と係合し易くなる。このように、発光装置及び照明装置は、環状の凸部53が側壁52の高さ方向に隣り合うように複数設けられたものであってもよい。
なお、凸部53を複数設ける場合、凸部53の少なくとも一部が、側壁52の高さ方向において、側壁52の外側面の上端から側壁52の高さの10%の範囲を除く位置、及び、側壁52の外側面の下端から側壁52の高さの10%の範囲を除く位置に設けられていることが好ましい。更には、複数の凸部53の全てが、側壁52の外側面の上端及び下端から側壁52の高さの10%の範囲を除く位置に設けられていることが好ましい。これらのような構成であれば、発光装置を筐体に係合し易く、また、安定して筐体と係合し易くなる。
【0056】
また、例えば、発光装置及び照明装置は、ハードコート層を有していてもよいし、ハードコート層を有さないものであってもよい。また、発光装置及び照明装置は、反射部材を有していてもよいし、反射部材を有さないものであってもよい。
また、発光装置及び照明装置は、カバーの上部が、軟質部材よりも硬い硬質部材である内部部材と、内部部材を被覆する外部部材と、を有していてもよい。
【0057】
また、発光装置の製造方法及び照明装置の製造方法は、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間、或いは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程等を含めてもよい。
【0058】
また、発光装置の製造方法及び照明装置の製造方法において、一部の工程は、順序が限定されるものではなく、順序が前後してもよい。例えば、カバー作製工程は、光透過性部材を配置する工程の後、発光素子配置工程の後、或いは、反射部材形成工程の後に行ってもよい。また、ハードコート層形成工程は、光透過性部材配置工程の後、発光素子配置工程の後、反射部材形成工程の後、或いは、カバー設置工程の後に行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本実施形態に係る発光装置、照明装置は、照明用途に使用することができ、携帯電話やカメラのフラッシュ光源等に採用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 素子構造体
5 フレネルレンズ面
6 中央突出部
7 突出部
10 基板
20 発光素子
30 光透過性部材
40 反射部材
50、50A、50B カバー
51 上部
52、52A 側壁
53 凸部
54 凹部
55 外部部材
60 ハードコート層
70 筐体
71 貫通孔
80 金型
81 上金型
82 下金型
83 左金型
84 右金型
85 樹脂注入口
90 内部部材
100、100A、100B 発光装置
200、200A 照明装置
α1 側壁の外側面の上端から側壁の高さの10%の範囲
α2 側壁の外側面の下端から側壁の高さの10%の範囲