IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図1
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図2
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図3
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図4
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図5
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図6
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図7
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図8
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図9
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図10
  • 特許-表示パネルおよび画像形成装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】表示パネルおよび画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
G09F9/00 309Z
G09F9/00 350Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017165549
(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公開番号】P2019045565
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】小島 玲央
(72)【発明者】
【氏名】小川 隆
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0153473(US,A1)
【文献】特開2017-156623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0057780(US,A1)
【文献】特開2006-276601(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0183305(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に、
基板に設けられる光源と、
一端側が前記筐体の外部へ露出し、前記光源からの光を外部へ導光する導光部材と、を有する表示パネルであって、
少なくとも一部が前記導光部材と前記光源との間に配置されるシート部材を有し、
前記シート部材は、
絶縁性を有する第1のシート部材と、
該第1のシート部材の一面側の所定範囲に形成される遮光性および導電性を有する第2のシート部材と、からなり、
前記第2のシート部材の非形成面が前記基板に対向し、
前記光源からの光は、前記第2のシート部材の非形成部で前記第1のシート部材を介して前記導光部材に案内されるとともに、
前記第2のシート部材は、前記筐体内で他の導電性部材に接触していることを特徴とする表示パネル。
【請求項2】
前記導光部材の前記筐体の外部へ露出した部分から前記光源までの最短距離をとったとき、
前記導光部材から、前記第2のシート部材、前記第1のシート部材、前記光源の順に配置されることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記第2のシート部材は、前記筐体内に設けられる板金部材と接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記シート部材の前記第2のシート部材の形成部が、
前記導光部材と前記筐体との境界部と、前記光源との間に配置されることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の表示パネル。
【請求項5】
前記筐体は、2以上のカバー部材が接合されてなり、
前記シート部材の前記第2のシート部材の形成部が、
前記2以上のカバー部材の接合部と、前記光源との間に配置されることを特徴とする請求項1から4までのいずれかに記載の表示パネル。
【請求項6】
前記光源を第1の光源としたとき、前記基板の反対面に第2の光源を有し、
前記シート部材の前記第2のシート部材の形成部が、前記基板の電気配線の非形成部の少なくとも一部を覆うことを特徴とする請求項1から5までのいずれかに記載の表示パネル。
【請求項7】
前記第2のシート部材は、光を反射する部材からなることを特徴とする請求項1から6までのいずれかに記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1のシート部材は、PETシートであることを特徴とする請求項1から7までのいずれかに記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第2のシート部材は、アルミニウムシートであることを特徴とする請求項1から8までのいずれかに記載の表示パネル。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の表示パネルを備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の表示パネルに、表示パネルの内部に設けたLEDなどの光源を発光させ、表示パネルの筐体(カバー部材)まで連続した樹脂製の導光部材を設け、導光部材を点灯させることが知られている。
【0003】
例えば、スキャン、印刷、コピー、およびFAX送受信等の機能のうち、2以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機(画像形成装置)が備える表示パネルに、ファクシミリの受信通知や、トナーエンド、用紙ジャムなどのエラー発生、等の各種の状態をユーザに通知させるため、表示パネルの内部に設けたLEDを発光させて、表示パネルの筐体の導光部材を点灯させることが知られている。
【0004】
このような表示パネルでは、光量を確保するため、光源は筐体内部で筐体に近い位置に設けられ、そのため光源が設けられる基板も筐体内部で筐体に近い位置まで形成されるため、外部からのノイズの影響を受けやすい。特に、薄型の表示パネルでは、その影響が顕著である。ノイズとその影響としては、例えば、表示パネルの筐体と導光部材との間の隙間や、筐体を構成する部材間(例えば、表示パネルの表示面側の部材と他面側の部材の隙間)などを通して、外部から内部の基板に静電気が飛んでしまうことで、内部の基板に実装された電子部品が電気的に破損するおそれがあることが知られている。
【0005】
また、光源からの光が上記の隙間から漏れてしまうことも考えられる。表示パネルの光源の光量は小さいため、光の漏れが生じると点灯が不十分となってしまうことも考えられる。
【0006】
遮光と静電気対策を目的とした技術として、例えば、特許文献1には、内部の遮光シートに重ねた導光部材(キートップ)に導電性塗料を塗布した携帯電話機器が開示されている。
【0007】
また、静電気対策としては、筐体外部から基板までの距離を大きく取ることや、さらに、筐体内部に接地したシールドプレート等の板金部材を設けておき、これを基板の電子部品に近づけて配置しておくことで、外部からの静電気が基板の電子部品に影響を与えないようにすることが考えられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、導光部材を設ける場合は光量確保のために、筐体外部から基板までの距離を大きくして絶縁することは難しい。また、板金部材を設ける場合、光源から導光部材への光路を塞がないように板金部材を設ける必要があるとともに、省スペース化がされた表示パネルの筐体内部の端部に設けられる基板の電子部品に対して、板金部材を配置するためのスペースは十分でないため、表示パネルの筐体内における板金部材の設置が難しかった。なお、特許文献1のように、ユーザの操作に供するキートップに導電性塗料を塗布する構成では、経時により塗料が摩耗して落ちてしまい機能が成立しなくなるおそれがある。
【0009】
このように、従来、導光部材を有する表示パネルにおける静電気対策等の外部からのノイズの影響の低減や、光の漏れを抑制することに検討の余地が残されていた。
【0010】
そこで本発明は、外部からのノイズの影響を低減するとともに光の漏れを抑制することができる表示パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる目的を達成するため、本発明に係る表示パネルは、筐体内に、基板に設けられる光源と、一端側が前記筐体の外部へ露出し、前記光源からの光を外部へ導光する導光部材と、を有する表示パネルであって、少なくとも一部が前記導光部材と前記光源との間に配置されるシート部材を有し、前記シート部材は、絶縁性を有する第1のシート部材と、該第1のシート部材の一面側の所定範囲に形成される遮光性および導電性を有する第2のシート部材と、からなり、前記第2のシート部材の非形成面が前記基板に対向し、前記光源からの光は、前記第2のシート部材の非形成部で前記第1のシート部材を介して前記導光部材に案内されるとともに、前記第2のシート部材は、前記筐体内で他の導電性部材に接触しているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部からのノイズの影響を低減するとともに光の漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】画像形成装置の一例を示す外観斜視図である。
図2】画像形成装置が備える操作表示部の概略構成図である。
図3】操作表示部の外観の一部を示す斜視図である。
図4】操作表示部の内部構成を示す斜視図(1)である。
図5】操作表示部の内部構成を示す斜視図(2)である。
図6図3のA-A’線での断面を示す斜視図である。
図7図3のA-A’線での断面図である
図8】本実施形態に係る操作表示部の要部説明図である。
図9】比較例に係る操作表示部の要部説明図である。
図10】遮光シートによる光の反射の様子を示す説明図である。
図11】基板の両面に発光部を有する場合の遮光シートによる光の反射の様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る構成を図1から図11に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(画像形成装置)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態である画像形成装置1の全体構成を示す外観斜視図である。
【0016】
画像形成装置1は、例えば、スキャン、印刷、コピー、およびFAX送受信等の機能のうち、2以上の機能を一台の筐体によって実現する複合機(MFP(Multifunction Peripheral))である。但し、いずれか一つの機能を有するスキャナ、プリンタ、コピー機、又はファクシミリが画像形成装置1として用いられてもよい。
【0017】
図1に示す画像形成装置1は、給紙トレイ2または手差トレイ3に用紙を補給しておき、例えば、プリンタとして機能させる場合、ネットワークを介して接続されたパーソナルコンピュータなどの情報処理装置から印刷ジョブを送信した後、所定のタイミングで指定されたトレイから用紙が装置内部の搬送経路を通るように給紙される。また、コピーとして機能させる場合、操作表示部10で印刷設定を行って印刷開始ボタンを押下すると、スキャナ部4に載置した原稿や自動原稿給紙機構(ADF5)から給紙される原稿を読み取って、所定のタイミングで指定されたトレイから用紙が装置内部の搬送経路を通るように給紙される。
【0018】
この時、画像形成装置1の内部では、印刷ジョブの画像データまたは読み取った画像データと、印刷指令に基づいて、作像プロセスにて像担持体に画像が転写され、さらに搬送経路を通った用紙に画像が転写される。画像が転写された用紙は定着ユニットを経て、熱によって用紙上の画像のトナーが定着されて、排紙トレイ6に排出される。
【0019】
両面印刷を行う場合は、片面印刷が終わった用紙が排紙トレイ6に排出される手前で反転ローラによって両面搬送経路に搬送され、裏面の先端が再び搬送経路に戻され、前記プロセスを経て裏面の画像の定着が完了した後、用紙が排紙トレイ6に排出される。
【0020】
画像形成装置1における操作表示部10の備え付け位置は、図1の例に限られるものではないが、ユーザが操作および視認しやすい位置に設けられる。例えば、図1に示すように、画像形成装置1の上部側、かつ前面側に設けることが好ましい。これにより、操作性および視認性を良好にすることができる。
【0021】
(操作表示部)
本実施形態に係る表示パネルは、筐体(カバー部材12)内に、基板(基板30)に設けられる光源(発光部32)と、一端側が筐体の外部へ露出し、光源からの光を外部へ導光する導光部材(導光部材20)と、を有する表示パネル(操作表示部10)であって、少なくとも一部が導光部材と光源との間に配置されるシート部材(シート部材40)を有し、シート部材は、絶縁性を有する第1のシート部材(絶縁シート41)と、該第1のシート部材の一面側の所定範囲に形成される遮光性および導電性を有する第2のシート部材(遮光シート42)と、からなり、第2のシート部材の非形成面が基板に対向し、光源からの光は、第2のシート部材の非形成部で第1のシート部材を介して導光部材に案内されるとともに、第2のシート部材は、筐体内で他の導電性部材(板金部材35)に接触しているものである。なお、括弧内は実施形態での符号、適用例を示す。
【0022】
図2は、本発明に係る表示パネルの一実施形態である操作表示部10の概略構成図である。操作表示部10は、タッチパネル機能を備えた液晶表示装置(LCD)を備えている。すなわち、操作表示部10は入力操作機能および表示機能を備えるものである。なお、本実施形態では、本発明に係る表示パネルの例として、入力操作機能および表示機能を備える操作表示部(操作表示パネル)について説明するが、本発明に係る表示パネルは、少なくとも表示機構を備えるものであればよい。
【0023】
操作表示部10において、印刷の設定や指示などの各種の情報は液晶表示部11に表示される。液晶表示部11は、タッチパネルで表示されたアイコンに触れることで様々な操作が可能となっている。なお、液晶表示部11は、液晶表示装置(LCD)に限られず、有機EL表示装置等であってもよい。
【0024】
操作表示部10の筐体であるカバー部材12の外周部には、導光部材20a,20b,20c(以下、区別しない場合は、導光部材20と呼ぶ)が設けられており、導光部材20が点灯又は点滅することでユーザに所定の状態であることを通知する。また、導光部材20の傍には、それぞれの導光部材20が意味する画像形成装置1のステータスが記載されている。
【0025】
図2に示す操作表示部10の例では、導光部材20aはデータイン(ジョブ受信)時に点灯する点灯部、導光部材20bはファクシミリ受信時に点灯する点灯部、導光部材20cは、トナーエンドやジャムといったトラブル時に点灯する状態確認警告の点灯部である。
【0026】
操作表示部10は、画像形成装置1に対し着脱可能に設けられていることが好ましい。図3は、操作表示部10の外観の一部を示す斜視図であって、液晶表示部11の設けられる面(以下、表面ともいう)とは反対側の面(以下、裏面ともいう)から見た斜視図を示している。
【0027】
カバー部材12は、裏面側の第1カバー部材12aと表面側の第2カバー部材12bからなり、第1カバー部材12aには、SDカード挿入部13やUSBポート14が設けられている。また、導光部材20dとして、SDカードの挿入を検知した際に点灯する点灯部が設けられている。
【0028】
図4は、図3から第1カバー部材12aを外した状態を示しており、操作表示部10の内部構成を示す斜視図である。また、図5は、図4の矢印A方向から見た別角度での操作表示部10の内部構成を示す斜視図である。また、図6は、図3のA-A’線での断面を示す斜視図であって、第1カバー部材12aを透視させた図を示している。また、図7は、図3のA-A’線での断面図である。
【0029】
また、図8は、本実施形態に係る操作表示部10の要部説明のため図7を簡略化した模式図を示している。さらに、図9は、本実施形態に係る操作表示部10との対比のため、図8のシート部材40を設けていない例を示している。
【0030】
基板30は、例えば、図8に示されるように、両面にレジストパターン31が形成されたプリント基板(PCB)であって、発光部32(LED)を含む電子部品が実装されている。なお、図8および図9の例では、説明のため、基板30とシート部材40との間に発光部32の高さ分の隙間が形成されているが、実装時は、シート部材40は基板30にほぼ接地した状態となっている(図7参照)。
【0031】
操作表示部10の内部は、図7図9に示すように、表面側から、液晶表示部11、基板30、裏面側の第1カバー部材12aの順に構成される。また、導光部材20dは、裏面側の第1カバー部材12aと基板30との間であって、一端側が第1カバー部材12aから露出するように配置される。なお、図8および図9では、液晶表示部11、板金部材35、導光部材20b等の図示は省略している。
【0032】
このような操作表示部10の構成において、図8に示すように、導光部材20dを第1カバー部材12aに挿通する箇所(すなわち、導光部材20とカバー部材12との境界部)(導光部材隙間15という))や、第1カバー部材12aと第2カバー部材12bとの接合部(筐体隙間16という)には、僅かな隙間が生じることは避けられない。
【0033】
このため、図9の矢印で示すように、導光部材隙間15や筐体隙間16を介して基板30側に静電気が飛ぶ(導電する)ことで、基板30の電子部品が電気的に破損するおそれがある。特に、操作表示部10を薄型とするほど、導光部材隙間15や筐体隙間16と基板30の位置は近接するため、基板30に静電気が飛びやすくなってしまう。また、発光部32や導光部材20は、光量確保のために外装面に近接して配置されるため、図9の矢印で示すように、第1カバー部材12aと第2カバー部材12bとの間から発光部32からの光が漏れてしまったり、また、第1カバー部材12aと第2カバー部材12bの板厚、材質、色によっては、発光部32の光が透過して見えてしまったりすることもある。
【0034】
そこで、本実施形態に係る操作表示部10は、図4図8に示すように、シート部材40を配置するものである。シート部材40は、絶縁シート41の一面側の所定範囲に遮光シート42を粘着材等を用いて貼付してなる。以下、シート部材40において遮光シート42が貼付された面を遮光シート42の形成面、遮光シート42が貼付されていない面を遮光シート42の非形成面という。また、シート部材40において遮光シート42が貼付された範囲を遮光シート42の形成部、遮光シート42が貼付されていない範囲(絶縁シート41のみの範囲)を遮光シート42の非形成部という。
【0035】
絶縁シート41は、光透過性および絶縁性を有するシート部材であって、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)シートである。また、遮光シート42は、遮光性および導電性を有するシート部材であって、例えば、アルミニウムシート(アルミ箔)である。
【0036】
シート部材40は、図8等に示すように、基板30(発光部32)と導光部材20dとの間、基板30(発光部32)と導光部材隙間15との間、基板30(発光部32)と筐体隙間16との間に配設され、この間の空間を遮る。
【0037】
ここで、シート部材40は、遮光シート42の非形成面が基板30側に対向または接触し、遮光シート42の形成面が導電部材20d側に対向するように配置される。
【0038】
また、基板30と導光部材隙間15との間、および基板30と筐体隙間16との間には、遮光シート42の形成部が配置される。これにより、遮光シート42により発光部32から導光部材隙間15および筐体隙間16への光路を遮って、発光部32からの光が導光部材隙間15および筐体隙間16から漏れてしまう光漏れを抑制することができる。
【0039】
一方、発光部32と導光部材20dとの間の少なくとも一部は、遮光シート42の未形成部が配置される。これにより、発光部32からの光は、遮光シート42によって遮光されず、絶縁シート41を透過して、導光部材20dに案内されるようになっている。
【0040】
さらに、導電性を有する遮光シート42は、筐体内で他の導電性部材と接触して配置されることで筐体内で電気的に接地されている。遮光シート42の設置について図5を参照して説明する。本実施形態では、図5に示すように、シート部材40は、遮光シート42の形成部において、基板30と板金部材35との位置決めを行う基準ボス33に挿通されることで、基板30に張り付くように固定されるとともに、その上側から板金部材35で押さえられている。また、板金部材35と基板30は、シート部材40が形成されていない箇所(接触箇所34)で接触している。
【0041】
これにより、導電性を有する遮光シート42は、板金部材35と接続して、板金部材35および基板30(レジストパターン31のグラウンド)に電気的に接地している。なお、図5において、符号36で示す範囲は、基板30におけるレジスト剥離部36を示している。
【0042】
このように遮光シート42が板金部材35と接触して電気的に接地した状態とすることで、静電気が導光部材隙間15や筐体隙間16からカバー部材12の内部に飛んだ際にも、基板30の電子部品側には飛ばず、遮光シート42からアースに流れるため、基板30上の電子部品を保護することができる。
【0043】
なお、ここまで説明したように、本実施形態の操作表示部10は、導光部材20dの筐体外装へ露出した部分から発光部32までの最短距離を取ると、導光部材20d、遮光シート42、絶縁シート41、発光部32の順で配置される。ここで、導光部材20d、絶縁シート41、遮光シート42、発光部32の順とすると、遮光シート42は導電性を有するため、基板30と接触してショートするおそれがある。このため、この順とすることはできない。
【0044】
また、遮光シート42として、上述のアルミ箔のように、光を反射する性質を有する部材(反射部材)を用いることが好ましい。これにより、図10に示すように、筐体内部において、発光部32から導光部材20dに案内された光のうち、図中の矢印のように導光部材20dから漏れてしまった光を遮光シート42で反射して、導光部材20dに戻すことが可能となる。これにより、導光部材20dから筐体外部への光量を増大し、導光部材20dを明るく点灯させることが可能となる。
【0045】
また、例えば、図11に示すように、導光部材20bの光源として、基板30の発光部32(第1発光部32ともいう)が設けられる面と反対側の面に発光部37(第2発光部37ともいう)を有する場合において、図中の矢印に示すように、第2発光部37の光の一部は基板30を透過してしまうことがある。これは、基板30の端部にはレジストパターン31が形成されないため、基板30の材料、厚みによっては、基板30の端部は光を透過してしまうためである。
【0046】
そこで、シート部材40の遮光シート42の形成部を、基板30の端部(外形)を覆うように形成することで、第1発光部32の光が第2発光部37が実装された面へ漏れるのを防ぐようにするとともに、第2発光部37の光が第1発光部32が実装された面へ漏れても導光部材20dへは案内されないようにしている。このように、シート部材40を基板30の端部を覆うように設けることで、基板30の表裏で発光部が近接して設けられる場合においても、反対側への光漏れを防ぐことが可能となる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る操作表示部10は、カバー部材12、導光部材20および発光部32間の密度が高い構成であっても、シート部材40を備えることで、静電気等の外部からのノイズの影響の低減を図ることで、基板30の電子部品への影響を抑制することができる。また、シート部材40を備えることで、遮光性能を向上して光の漏れを抑制することができる。また、シート部材40を設けることにより、静電気を逃がすための板金部材35を筐体外部に近接する位置まで設ける必要が無くなるため、組立性等に悪影響を与えずに静電気対策をすることができる。
【0048】
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0049】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置が表示パネルを備える例について説明したが、ユーザに所定の状態を通知するための光学窓(導光部材)と光源を有する表示パネルであれば、画像形成装置に限らず、他の様々な電子機器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 画像形成装置
2 給紙トレイ
3 手差トレイ
4 スキャナ部
5 ADF
6 排紙トレイ
10 操作表示部
11 液晶表示部
12 カバー部材(筐体)
12a 第1カバー部材
12b 第2カバー部材
13 SDカード挿入部
14 USBポート
15 導光部材隙間
16 筐体隙間
20(20a~20d) 導光部材
30 基板
31 レジストパターン
32 発光部
33 基準ボス
34 (基板と板金部材の)接触箇所
35 板金部材
36 レジスト剥離部
37 発光部
40 シート部材
41 絶縁シート
42 遮光シート
【先行技術文献】
【特許文献】
【0051】
【文献】特開2008-294804号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11