IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本放送協会の特許一覧

<>
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図1
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図2
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図3
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図4
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図5
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図6
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図7
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図8
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図9
  • 特許-送信装置、受信装置及びチップ 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-28
(45)【発行日】2022-04-05
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
   H04J 3/06 20060101AFI20220329BHJP
   H04J 3/00 20060101ALI20220329BHJP
   H04L 7/04 20060101ALI20220329BHJP
   H04N 21/236 20110101ALI20220329BHJP
   H04N 21/61 20110101ALI20220329BHJP
【FI】
H04J3/06 A
H04J3/00 M
H04L7/04 100
H04N21/236
H04N21/61
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017252584
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2018110395
(43)【公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2016255314
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】津持 純
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 史人
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 敬文
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】濱住 啓之
(72)【発明者】
【氏名】今村 浩一郎
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-289286(JP,A)
【文献】特開2014-064273(JP,A)
【文献】特開2015-041954(JP,A)
【文献】特開2006-165599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 3/06
H04J 3/00
H04L 7/04
H04N 21/236
H04N 21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1送信系統及び第2送信系統を有している送信装置であって、
前記第1送信系統に対応しており、第1DVB-ASI方式の入力端子を介して入力されたTSパケットを含むDVB-ASI方式の信号に対する受信処理を行うように構成されている第1DVB-ASI受信処理部と、
前記第2送信系統に対応しており、第2DVB-ASI方式の入力端子を介して入力されたTSパケットを含むDVB-ASI方式の信号に対する受信処理を行うように構成されている第2DVB-ASI受信処理部と、
前記第1DVB-ASI受信処理部及び前記第2DVB-ASI受信処理部から出力された所定数の前記TSパケットを多重してデータフレームを生成するように構成されているデータフレーム同期部とを具備しており、
前記データフレーム同期部は、前記第1DVB-ASI受信処理部から出力された前記TSパケット及び前記第2DVB-ASI受信処理部から出力された前記TSパケットを交互に並べて前記データフレームを生成するように構成されており、
前記データフレーム同期部は、前記データフレームの先頭の前記TSパケットに対して付与されているTSパケットの同期ワードを当該データフレームの同期ワードに変更するように構成されていることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記データフレーム同期部によって出力された前記データフレームに対して変調処理を施すように構成されている前記第1送信系統に対応する第1変調部と、
前記データフレーム同期部によって出力された前記データフレームに対して変調処理を施すように構成されている前記第2送信系統に対応する第2変調部とを具備しており、
前記データフレーム同期部は、生成した前記データフレームの各々を、前記第1変調部及び前記第2変調部に交互に出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
第1受信系統及び第2受信系統を有している受信装置であって、
FPU方式のシステムから受信したデータフレームからTSパケットを分離して出力するように構成されているTSパケット分離部と、
前記第1受信系統に対応しており、前記TSパケットを含むDVB-ASI方式の信号を生成して第1DVB-ASI方式の出力端子を介して出力するように構成されている第1DVB-ASI送信処理部と
前記第2受信系統に対応しており、前記TSパケットを含むDVB-ASI方式の信号を生成して第2DVB-ASI方式の出力端子を介して出力するように構成されている第2DVB-ASI送信処理部とを具備しており、
前記TSパケット分離部は、分離した前記TSパケットの各々を、前記第1DVB-ASI送信処理部及び前記第2DVB-ASI送信処理部に交互に出力するように構成されており、
前記TSパケット分離部は、前記データフレームの先頭の前記TSパケットに対して付与されている当該データフレームの同期ワードをTSパケットの同期ワードに変更するように構成されていることを特徴とする受信装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1又は2に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【請求項5】
コンピュータを、請求項に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
スポーツ中継やニュース中継のような放送局外で制作する番組素材は、番組制作の現場から放送局へ無線で伝送される。かかる伝送の際に利用される様々な周波数に対応する標準規格として、FPU(Field Pick-up Unit:番組素材伝送装置)方式が提案されている(非特許文献1~4参照)。
【0003】
図9に、非特許文献1~4に記載されている従来のFPU方式の構成について示す。図9に示すように、従来のFPU方式の送信装置1は、1つの送信系統のみを有する構成である。
【0004】
また、図10に示すように、従来のFPU方式におけるデータフレーム同期処理では、270Mbpsの伝送レートを有するDVB-ASI入力端子から入力されるデータ系列(TSパケット)について、8個のTSパケットを1つの単位としたデータフレームを構成する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型マイクロ波帯デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B11 2.2版)、一般社団法人電波産業会
【文献】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型OFDM方式デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B33 1.2版)、一般社団法人電波産業会
【文献】テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型ミリ波帯デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B43 1.0版)、一般社団法人電波産業会
【文献】1.2GHz/2.3GHz帯テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型OFDM方式デジタル無線伝送システム、標準規格(ARIB STD-B57 2.0版)、一般社団法人電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
次世代の放送サービスの実現に向けて、2016年8月に、4K・8K試験放送が開始されている。特に、8K放送は、従来のハイビジョン放送より高精細な映像と臨場感のある音声を楽しむことができる一方で、伝送すべきデータの量が飛躍的に増加する。
【0007】
4K・8K試験放送のうち、特に、8K方式の試験放送については、家庭向けの伝送を想定したビットレートは、85Mbpsであり、現在の地上デジタル放送のビットレートである17Mbpsの5倍である。さらに、番組素材を伝送するためのビットレートは、映像のクオリティを保つために、さらに高いビットレートが要求される。
【0008】
しかしながら、番組素材を無線で伝送する既存のFPU方式のシステムでは、入出力インターフェースとしてDVB-ASI方式が採用されており、且つ、1つの送信系統のみを有する構成であるため、ビットレートの上限は、DVB-ASI方式の入力端子のビットレートの上限である213Mbpsに制限されるという問題点があった。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、DVB-ASI方式の入力端子のビットレートが制限されることによるボトルネックを解消することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の特徴は、複数の送信系統を有している送信装置であって、DVB-ASI方式の入力端子を介して入力されたTSパケットを含むDVB-ASI方式の信号に対する受信処理を行うように構成されているDVB-ASI受信処理部と、所定数の前記TSパケットを多重してデータフレームを生成するように構成されているデータフレーム同期部とを具備しており、前記データフレーム同期部は、前記データフレームの先頭の前記TSパケットに対して付与されているTSパケットの同期ワードを当該データフレームの同期ワードに変更するように構成されていることを要旨とする。
【0011】
本発明の第2の特徴は、複数の受信系統を有している受信装置であって、FPU方式のシステムから受信したデータフレームからTSパケットを分離して出力するように構成されているTSパケット分離部と、前記TSパケットを含むDVB-ASI方式の信号を生成してDVB-ASI方式の出力端子を介して出力するように構成されているDVB-ASI送信処理部とを具備しており、前記TSパケット分離部は、前記データフレームの先頭の前記TSパケットに対して付与されている当該データフレームの同期ワードをTSパケットの同期ワードに変更するように構成されていることを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、コンピュータを、上述の第1の特徴に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【0013】
本発明の第4の特徴は、コンピュータを、上述の第2の特徴に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、DVB-ASI方式の入力端子のビットレートが制限されることによるボトルネックを解消することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、第1の実施形態に係る送信装置1の構成図の一例である。
図2図2は、第1の実施形態に係る送信装置1のデータフレーム同期部14の動作の一例を説明するための図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る受信装置3の構成図の一例である。
図4図4は、第2の実施形態に係る送信装置1の構成図の一例である。
図5図5は、第2の実施形態に係る送信装置1のデータフレーム同期部14の動作の一例を説明するための図である。
図6図6は、第2の実施形態に係る受信装置3の構成図の一例である。
図7図7は、第3の実施形態に係る送信装置1の構成図の一例である。
図8図8は、第3の実施形態に係る受信装置3の構成図の一例である。
図9図9は、従来技術を説明するための図である。
図10図10は、従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、図1図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る放送システムについて説明する。本実施形態に係る放送システムは、上述の次世代の地上デジタル放送に対応するように構成されており、具体的には、FPU方式に対応しており、例えば、図1に示す送信装置1及び図3に示す受信装置3を具備する。
【0017】
本実施形態に係る送信装置1では、1本の送信アンテナによるSISO(Single-Input Single-Output)が適用されている。また、本実施形態に係る送信装置1は、送信系統1及び送信系統2の2つの送信系統を有している。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、DVB-ASI方式の入力端子1/2と、DVB-ASI受信処理部10a/10bと、TSパケット長変換部13a/13bと、データフレーム同期部14と、変調部15とを具備している。
【0019】
ここで、DVB-ASI方式の入力端子1、DVB-ASI受信処理部10a及びTSパケット長変換部13aは、送信系統1に対応し、DVB-ASI方式の入力端子2、DVB-ASI受信処理部10b及びTSパケット長変換部13bは、送信系統2に対応する。また、データフレーム同期部14及び変調部15は、送信系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0020】
DVB-ASI受信処理部10a/10bは、DVB-ASI方式の入力端子1/2を介して入力されたデータ系列(TSパケット)を含むDVB-ASI方式の信号に対する受信処理を行うように構成されている。
【0021】
具体的には、図1に示すように、DVB-ASI受信処理部10aは、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11aと、8B/10Bデコード部12aとを具備しており、DVB-ASI受信処理部10bは、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11bと、8B/10Bデコード部12bとを具備している。
【0022】
DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11a/11bは、それぞれ、DVB-ASI方式の入力端子1/2を介して入力されたDVB-ASI方式の信号に対して、同期ワード及びスタッフィングを除去する処理を施すように構成されている。
【0023】
8B/10Bデコード部12a/12bは、それぞれ、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11a/11bから入力された信号に対して、8B/10Bデコード処理を施すように構成されている。
【0024】
TSパケット長変換部13a/13bは、それぞれ、8B/10Bデコード部12a/12bから入力された信号に含まれているTSパケットの長さを変換する構成されている。
【0025】
具体的には、TSパケット長変換部13a/13bは、それぞれ、8B/10Bデコード部12a/12bから入力された信号に含まれているTSパケットの長さが188バイトである場合に、かかるTSパケットの長さを188バイトから204バイトに変更するように構成されている。
【0026】
一般的に、DVB-ASI方式の信号Aは、188バイト長のTSパケット及び204バイト長のTSパケットのいずれかを含むことができる。ここで、FPU方式では、204バイト長のデータとして変調部(本実施形態に係る送信装置1における変調部15)に入力する必要がある。したがって、通常は、DVB-ASI方式の入力端子1/2を介して204バイト長のTSパケットが入力されるように設定されるが、本実施形態に係る送信装置1では、TSパケット長変換部13a/13bによって、DVB-ASI方式の入力端子1/2を介して188バイト長のTSパケットが入力された場合であっても204バイト長のTSパケットに変換することができる。
【0027】
データフレーム同期部14は、TSパケット長変換部13a/13bから出力された所定数のTSパケットを多重してデータフレームを生成し、データフレーム単位の同期処理を行うように構成されている。
【0028】
具体的には、図2(a)及び図2(b)に示すように、1個のデータフレームは、送信系統1/2の各々を介して伝送されているTSパケットの中から選択された8個のTSパケットによって構成されている。
【0029】
すなわち、データフレーム同期部14は、送信系統1/2の各々を介して伝送されているTSパケットの中から8個のTSパケットを選択してデータフレームを生成することで、送信系統1/2の各々を介して伝送されているTSパケットを1つにまとめることができる。
【0030】
例えば、データフレーム同期部14は、図2(a)及び図2(b)に示すように、送信系統1を介して伝送されているTSパケット(DVB-ASI方式の入力端子1から入力されたTSパケット)及び送信系統2を介して伝送されているTSパケット(DVB-ASI方式の入力端子2から入力されたTSパケット)を交互に並べてデータフレームを生成するように構成されていてもよい。
【0031】
ここで、データフレーム同期部14は、各データフレームの先頭のTSパケットに対して付与されているTSパケットの同期ワードを、データフレームに対して付与されている同期ワードに変更するように構成されている。具体的な例については、後述する。
【0032】
例えば、図2(a)及び図2(b)に示すように、データフレーム同期部14は、送信系統1を介して伝送されているTSパケット1_1~1_4及び送信系統2を介して伝送されているTSパケット2_1~2_4によって構成されているデータフレームの先頭のTSパケット1_1に対して付与されているTSパケットの同期ワード「47」をデータフレームの同期ワード「B8」に変更するように構成されている。ここで、データフレームの同期ワード「B8」は、TSパケットの同期ワードの役割も果たすように構成されている。
【0033】
かかる場合、図2(a)及び図2(b)に示すように、データフレーム同期部14は、かかるデータフレームの先頭以外のTSパケット1_2~1_4及び2_1~2_4に対して付与されているTSパケットの同期ワードについては変更しないように構成されている。
【0034】
変調部15は、FPU方式の変調部であって、データフレーム同期部14から入力されたデータフレームに対して変調処理を施すように構成されている。
【0035】
本実施形態に係る受信装置3では、1本の受信アンテナによるSISOが適用されている。また、本実施形態に係る受信装置3は、受信系統1及び受信系統2の2つの受信系統を有している。
【0036】
図3に示すように、本実施形態に係る受信装置3は、復調部31と、TSパケット分離部32と、TSパケット長選択部33a/33bと、DVB-ASI送信処理部34a/34bと、DVB-ASI方式の出力端子1/2とを具備している。
【0037】
ここで、TSパケット長選択部33a、DVB-ASI送信処理部34a及びDVB-ASI方式の出力端子1は、受信系統1に対応し、TSパケット長選択部33b、DVB-ASI送信処理部34b及びDVB-ASI方式の出力端子2は、受信系統2に対応する。また、復調部31及びTSパケット分離部32は、受信系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0038】
復調部31は、FPU方式の復調部であって、上述の送信装置1によって送信された信号に対して復調処理を施すように構成されている。
【0039】
TSパケット分離部32は、復調部31から受信したデータフレームからTSパケットを分離してTSパケット長選択部33a/33bの各々に出力するように構成されている。
【0040】
具体的には、TSパケット分離部32は、データフレーム同期部14と逆の処理、すなわち、各データフレーム内のTSパケットを分離して、各TSパケットが対応するTSパケット長選択部33a/33bの各々に出力するように構成されている。
【0041】
なお、TSパケット分離部32は、各データフレームの先頭のTSパケットのデータフレーム同期バイト「B8」をTSパケットの同期ワード「47」に戻すように構成されている。
【0042】
TSパケット長選択部33a/33bは、それぞれ、TSパケットの長さを188バイト或いは204バイトのいずれかを設定してDVB-ASI方式の信号に含めるように構成されている。
【0043】
FPU方式では、通常は、復調部31によって復調されたデータフレームに含まれているTSパケットの長さは、204バイトであるが、本実施形態に係る受信装置3によれば、TSパケット長選択部33a/33bによって、DVB-ASI方式の出力端子1/2を介して出力されるDVB-ASI方式の信号に含まれるべきTSパケットの長さである188バイトに変換することができる。
【0044】
DVB-ASI送信処理部34a/34bは、それぞれ、TSパケット長選択部33a/33bから入力されたTSパケットを含むDVB-ASI方式の信号を生成してDVB-ASI方式の出力端子1/2を介して出力するように構成されている。
【0045】
図3に示すように、DVB-ASI送信処理部34a/34bは、それぞれ、8B/10Bエンコード部35a/35bと、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング挿入部36a/36bとを具備している。
【0046】
8B/10Bエンコード部35a/35bは、それぞれ、TSパケット長選択部33a/33bから入力されたTSパケットに対して、8B/10Bエンコード処理を施すように構成されている。
【0047】
DVB-ASI同期ワード・スタッフィング挿入部36a/36bは、それぞれ、8B/10Bエンコード部35a/35bの各々から入力されたTSパケットに対して、同期ワード及びスタッフィングを挿入する処理を施すように構成されている。
【0048】
本実施形態に係る放送システムによれば、FPU方式のシステムにおいて、数100Mbpsといった大きな伝送容量を必要とする4K放送やSHV放送用である8K放送の番組素材を伝送できるという効果を奏する。
【0049】
また、本実施形態に係る放送システムによれば、従来のFPU方式のシステムの処理系統を再利用することができる他、開発コストの低減を期待することができる。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図4図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る放送システムについて、上述の第1の実施形態に係る放送システムとの相違点に着目して説明する。
【0051】
本実施形態に係る送信装置1は、複数本(具体的には、2本)の送信アンテナにより送受信を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)方式が適用されており、送信系統1及び送信系統2の2つの送信系統を有している。
【0052】
図4に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、DVB-ASI方式の入力端子と、DVB-ASI受信処理部10と、TSパケット長変換部13と、データフレーム同期部14と、変調部15a/15bとを具備している。
【0053】
ここで、変調部15aは、送信系統1に対応し、変調部15bは、送信系統2に対応する。また、DVB-ASI方式の入力端子、DVB-ASI受信処理部10、TSパケット長変換部13及びデータフレーム同期部14は、送信系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0054】
DVB-ASI受信処理部10は、DVB-ASI方式の入力端子を介して入力されたデータ系列(TSパケット)を含むDVB-ASI方式の信号に対する受信処理を行うように構成されている。
【0055】
具体的には、図4に示すように、DVB-ASI受信処理部10は、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11と、8B/10Bデコード部12とを具備している。
【0056】
DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11は、DVB-ASI方式の入力端子1を介して入力されたDVB-ASI方式の信号に対して、同期ワード及びスタッフィングを除去する処理を施すように構成されている。
【0057】
8B/10Bデコード部12は、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部11から入力された信号に対して、8B/10Bデコード処理を施すように構成されている。
【0058】
TSパケット長変換部13は、8B/10Bデコード部12から入力された信号に含まれているTSパケットの長さを変換するように構成されている。
【0059】
具体的には、TSパケット長変換部13は、8B/10Bデコード部12から入力された信号に含まれているTSパケットの長さが188バイトである場合に、かかるTSパケットの長さを188バイトから204バイトに変更するように構成されている。
【0060】
データフレーム同期部14は、TSパケット長変換部13から出力された所定数のTSパケットを多重してデータフレームを生成し、データフレーム単位の同期処理を行うように構成されている。
【0061】
具体的には、データフレーム同期部14は、図5(a)及び図5(b)に示すように、TSパケット長変換部13から出力されたTSパケットの中から8個のTSパケットを選択してデータフレームを生成するように構成されている。
【0062】
ここで、データフレーム同期部14は、各データフレームの先頭のTSパケットに対して付与されているTSパケットの同期ワードをデータフレームの同期ワードに変更するように構成されている。
【0063】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示すように、データフレーム同期部14は、TSパケット1_1~1_4及び2_1~2_4によって構成されているデータフレームの先頭のTSパケット1_1に対して付与されているTSパケットの同期ワード「47」をデータフレームの同期ワード「B8」に変更するように構成されている。ここで、データフレームの同期ワード「B8」は、TSパケットの同期ワードの役割も果たすように構成されている。
【0064】
かかる場合、図5(a)及び図5(b)に示すように、データフレーム同期部14は、かかるデータフレームの先頭以外のTSパケット1_2~1_4及び2_1~2_4に対して付与されているTSパケットの同期ワードについては変更しないように構成されている。
【0065】
なお、データフレーム同期部14は、生成したデータフレームの各々を変調部15a/15b(すなわち、送信系統1/2)のいずれかに出力するように構成されている。
【0066】
例えば、図5(a)及び図5(b)に示すように、データフレーム同期部14は、生成したデータフレームの各々を変調部15a/15b(すなわち、送信系統1/2)に交互に出力するように構成されていてもよい。
【0067】
変調部15a/15bは、それぞれ、FPU方式の変調部であって、データフレーム同期部14から入力されたデータフレームに対して変調処理を施すように構成されている。
【0068】
本実施形態に係る受信装置3では、複数本(具体的には、2本)の受信アンテナによるMIMOが適用されている。また、本実施形態に係る受信装置3は、受信系統1及び受信系統2の2つの受信系統を有している。
【0069】
図6に示すように、本実施形態に係る受信装置3は、復調部31a/31bと、TSパケット分離部32と、TSパケット長選択部33と、DVB-ASI送信処理部34と、DVB-ASI方式の出力端子とを具備している。
【0070】
ここで、復調部31aは、受信系統1に対応し、復調部31bは、受信系統2に対応する。また、TSパケット分離部32、TSパケット長選択部33、DVB-ASI送信処理部34及びDVB-ASI方式の出力端子は、受信系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0071】
復調部31a/31bは、それぞれ、FPU方式の復調部であって、上述の送信装置1によって送信された信号に対して復調処理を施すように構成されている。
【0072】
TSパケット分離部32は、復調部31a/31bから受信したデータフレームからTSパケットを分離してTSパケット長選択部33に出力するように構成されている。
【0073】
具体的には、TSパケット分離部32は、データフレーム同期部14と逆の処理、すなわち、各データフレーム内のTSパケットを分離して各TSパケットが対応するTSパケット長選択部33aに出力するように構成されている。
【0074】
なお、TSパケット分離部32は、各データフレームの先頭のTSパケットのデータフレーム同期バイト「B8」をTSパケットの同期ワード「47」に戻すように構成されている。
【0075】
TSパケット長選択部33は、TSパケットの長さを188バイト或いは204バイトのいずれかを設定してDVB-ASI方式の信号に含めるように構成されている。
【0076】
DVB-ASI送信処理部34は、TSパケット長選択部33から入力されたTSパケットを含むDVB-ASI方式の信号を生成してDVB-ASI方式の出力端子を介して出力するように構成されている。
【0077】
図6に示すように、DVB-ASI送信処理部34は、8B/10Bエンコード部35と、DVB-ASI同期ワード・スタッフィング挿入部36とを具備している。
【0078】
8B/10Bエンコード部35は、TSパケット長選択部33から入力されたTSパケットに対して、8B/10Bエンコード処理を施すように構成されている。
【0079】
DVB-ASI同期ワード・スタッフィング挿入部36は、8B/10Bエンコード部35から入力されたTSパケットに対して、同期ワード及びスタッフィングを挿入する処理を施すように構成されている。
【0080】
本実施形態に係る放送システムによれば、従来の送信装置1(図9参照)の変調部15や従来の受信装置3の復調部の処理を変更することなく、MIMOへの対応を可能とすることができる。
【0081】
(第3の実施形態)
以下、図7及び図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係る放送システムについて、上述の第1及び第2の実施形態に係る放送システムとの相違点について説明し、第1及び第2の実施形態と同一の説明は省略する。
【0082】
本実施形態に係る送信装置1では、複数本(具体的には、2本)の送信アンテナによるMIMOが適用されている。また、本実施形態に係る送信装置1は、送信系統1及び送信系統2の2つの送信系統を有している。
【0083】
図7に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、DVB-ASI方式の入力端子1/2と、DVB-ASI受信処理部10a/10bと、TSパケット長変換部13a/13bと、データフレーム同期部14と、変調部15a/15bとを具備している。
【0084】
ここで、DVB-ASI方式の入力端子1、DVB-ASI受信処理部10a、TSパケット長変換部13a及び変調部15aは、送信系統1に対応し、DVB-ASI方式の入力端子2、DVB-ASI受信処理部10b、TSパケット長変換部13b及び変調部15bは、送信系統2に対応する。また、データフレーム同期部14は、送信系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0085】
本実施形態に係る受信装置3では、複数本(具体的には、2本)の受信アンテナによるMIMOが適用されている。また、本実施形態に係る受信装置3は、受信系統1及び受信系統2の2つの受信系統を有している。
【0086】
図8に示すように、本実施形態に係る受信装置3は、復調部31a/31bと、TSパケット分離部32と、TSパケット長選択部33a/33bと、DVB-ASI送信処理部34a/34bと、DVB-ASI方式の出力端子1/2とを具備している。
【0087】
ここで、復調部31a、TSパケット長選択部33a、DVB-ASI送信処理部34a及びDVB-ASI方式の出力端子1は、受信系統1に対応し、復調部31b、TSパケット長選択部33b、DVB-ASI送信処理部34b及びDVB-ASI方式の出力端子2は、受信系統2に対応する。また、TSパケット分離部32は、受信系統1/2の両者に対して処理を施すように構成されている。
【0088】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0089】
なお、上述の実施形態では、2つの送信系統が設けられているケースを例に挙げて説明しているが、本発明は、かかるケースに限定されることなく、2以上の送信系統が設けられているケースにも適用可能である。
【0090】
また、上述の実施形態では特に触れていないが、上述の送信装置1及び受信装置3によって行われる各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、かかるプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、かかるプログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、かかるプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0091】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【0092】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能は、製造後に購入者や設計者が構成を設定できるPLD(Programmable Logic Device)の一種であるFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路によって実現されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…送信装置
10、10a、10b…DVB-ASI受信処理部
11、11a、11b…DVB-ASI同期ワード・スタッフィング除去部
12、12a、12b…8B/10Bデコード部
13、13a、13b…TSパケット長変換部
14…データフレーム同期部
15、15a、15b…変調部
3…送信装置
31、31a、31b…復調部
32…TSパケット分離部
33、33a、33b…TSパケット長選択部
34、34a、34b…DVB-ASI送信処理部
35、35a、35b…8B/10Bエンコード部
36、36a、36b…DVB-ASI同期ワード・スタッフィング挿入部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10