(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-29
(45)【発行日】2022-04-06
(54)【発明の名称】シャワーヘッド支持構造
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20220330BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2021002565
(22)【出願日】2021-01-12
(62)【分割の表示】P 2019129871の分割
【原出願日】2016-08-22
【審査請求日】2021-01-12
(32)【優先日】2015-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】タイナー ロビン エル
(72)【発明者】
【氏名】ラウ アレン ケー
【審査官】田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-121057(JP,A)
【文献】特表2013-533388(JP,A)
【文献】特表2010-520370(JP,A)
【文献】特表2011-501412(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0014609(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの側面、第1の主面、及び第1の主面に対向する第2の主面を有する直方体の本体、並びに第1の主面と第2の主面との間の長手方向に直方体の本体を貫通して形成された複数のガス通路を備えるガス分配シャワーヘッドと、
直方体の本体にその中央領域で結合された中央支持部材と、
中央領域と4つの側面のうちの1つとの間で直方体の本体に結合された複数の中間支持部材であって、
中間支持部材の各々は、シャフトの一端に枢軸構造と、シャフトの他端にインターフェース本体とを備える懸架機構を備え、
インターフェース本体は、直方体の本体の外側に配置され、
懸架機構は、インターフェース本体に結合された1つ以上の延長部分を備え、
インターフェース本体
と1つ以上の延長部分は、複数のガス通路のうちの第1のガス通路に配置された締結具を受け入れる
複数の開口部を備えている中間支持部材とを備える装置。
【請求項2】
複数のガス通路の各々は、第1の主面内に形成された第1の孔を備え、
第1の孔は、第2の主面内に形成された第2の孔にオリフィス孔によって流体結合されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第2のガス通路は、第1のガス通路の第1の孔と交差する第1のガス通路の長手方向に対して傾斜した角度で直方体の本体を貫通して形成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
中間支持部材の少なくとも一部は、懸架機構に結合するスロット/キー装置を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
インターフェース本体
と1つ以上の延長部分の開口部は円錐形凹部を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
シャフトの一端はねじ部を備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
側面と、第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有する本体を備えるガス分配シャワーヘッドであって、
本体は第1の主面と第2の主面との間に形成された複数のガス通路を有し、
複数のガス通路の各々は、第1の主面内に形成された第1の開口部を有し、
第1の開口部は、第2の主面内に形成された第2の開口部に規制オリフィスによって流体結合されているガス分配シャワーヘッドと、
本体の中央領域内で本体に結合された1つ以上の中央支持部材と、
中央領域と側面との間で本体に結合された複数の中間支持部材であって、
中間支持部材の各々は、シャフトの一端に枢軸構造と、シャフトの他端にインターフェース本体とを備える懸架機構を備え、
インターフェース本体は、本体の外側に配置され、
懸架機構は、インターフェース本体に結合された1つ以上の延長部分を備え、
インターフェース本体
と1つ以上の延長部分は、複数のガス通路のうちの第1のガス通路に配置された締結具を受け入れる
複数の開口部を備え、
複数の開口部は円錐形凹部を備えている中間支持部材とを備える装置。
【請求項8】
中央支持部材は、本体の横方向移動を提供する枢軸構造を備えている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
中間支持部材は、懸架機構に結合するスロット/キー装置を備えている、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
本体は、複数のガス通路のうちの第1のガス通路を囲む複数の第2のガス通路を備え、
複数の第2のガス通路の各々は、複数のガス通路のうちの第1のガス通路の長手方向に対してある角度で第1の主面から本体を貫通して形成され、第1のガス通路と交差するように本体内で終端を迎えている、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
複数の第2のガス通路の各々は、横方向に配向された孔を備えている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
複数の第2のガス通路の各々は、1つ以上の孔を備え、これらの孔の各々は、複数のガス通路のうちの1つ以上の隣接する第1のガス通路を少なくとも部分的に貫通して延在している、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
1つ以上の孔の各々は、規制オリフィスの上流の位置で終端を迎えている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
側面と、第1の主面と、第1の主面に対向する第2の主面とを有する本体を備えるガス分配シャワーヘッドであって、
本体は第1の主面と第2の主面との間に形成された複数のガス通路を有し、
複数のガス通路の各々は、第1の主面内に形成された第1の孔を有する第1のガス通路を備え、
第1の孔は、第2の主面内に形成された第2の孔に規制オリフィスによって流体結合されているガス分配シャワーヘッドと、
複数のガス通路のうちの第1のガス通路の1つを囲む複数の第2のガス通路であって、
第2のガス通路の各々は、複数のガス通路のうちの第1のガス通路の長手方向に対してある角度で第1の主面から本体を貫通して形成され、第1のガス通路と交差するように本体内で終端を迎えている第2のガス通路と、
第1の懸架機構によって本体の中央領域で本体に結合された中央支持部材と、
第2の懸架機構によって中央領域と側面との間で本体に結合された複数の中間支持部材であって、
第2の懸架機構の各々は、シャフトの一端に枢軸構造と、シャフトの他端にインターフェース本体とを備え、
インターフェース本体は、本体の外側に配置され、
懸架機構は、インターフェース本体に結合された1つ以上の延長部分を備え、
インターフェース本体
と1つ以上の延長部分は、複数のガス通路のうちの第1のガス通路に配置された締結具を受け入れる
複数の開口部を備えている中間支持部材とを備える装置。
【請求項15】
インターフェース本体
と1つ以上の延長部分の開口部は円錐形凹部を備えている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
複数の開口部は、締結具が配置された第1のガス通路が互いに隣接しないように提供される請求項1、7又は14記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本開示の実施形態は、概して、プラズマチャンバ内でガス分配シャワーヘッドを支持することに関する。より具体的には、本開示は、ガス分配シャワーヘッドを通してチャンバへのガスの流れを可能にする支持構造に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
プラズマ強化化学気相成長(PECVD)は、処理ガスがガス分配シャワーヘッドを通して処理チャンバに導入される堆積方法である。シャワーヘッドは、電気的にバイアスが掛けられ、処理ガスを点火してプラズマにする。シャワーヘッドの反対側に位置するサセプタは電気的に接地され、アノードとして機能する。シャワーヘッドは、処理ガスがシャワーヘッドとサセプタの間の処理空間に流入する際に処理ガスを拡散させる。
【0003】
PECVDは、最近、大面積基板上への材料の堆積用に一般的になっている。大面積基板は、約1平方メートルより大きな表面積を有することができる。大面積基板は、フラットパネルディスプレイ(FPD)、ソーラーパネル、有機発光ディスプレイ(OLED)、及び他の用途に使用することができる。これらのプロセスは、大面積基板が300℃~400℃又はそれ以上のオーダーの温度にさらされることを要求し、堆積中にシャワーヘッドに対して固定された位置に維持され、堆積された層の均一性を保証する。
【0004】
シャワーヘッドは、一般的に、処理ガスを分散させるように構成された大面積基板の上方に間隔を隔てた関係で支持された多孔板であり、典型的には被処理基板と実質的に同じ面積を有する。シャワーヘッドは、一般的にアルミニウム製であり、PECVDプロセス中の温度に耐えながら、膨張及び収縮の影響を受ける。シャワーヘッドは、一般的に端部及び中心の周りに支持され、基板とシャワーヘッドとの間の処理空間を維持する。しかしながら、典型的なシャワーヘッド支持方式は、処理空間に影響を及ぼすことができる高温でたわむ可能性がある。更に、堆積中にガス流がシャワーヘッドを通って十分に分配されない場合、プロセスは基板上に均一な堆積を生成しない可能性があり、使用不能な大面積基板をもたらす可能性がある。
【0005】
したがって、基板とガス分配シャワーヘッドとの間の処理空間を維持し、ガス分配シャワーヘッドを通して十分なガス流を維持するガス分配シャワーヘッドを支持するための装置及び方法が必要とされている。
【概要】
【0006】
本開示は、概して、真空チャンバ内でガス分配シャワーヘッドを支持するための方法及び装置に関する。一実施形態では、真空チャンバ用のガス分配シャワーヘッドは、4つの側面、第1の主面、及び第1の主面に対向する第2の主面を有する直方体の本体と、第1の主面と第2の主面との間の長手方向に本体を貫通して形成された複数のガス通路と、本体の中央領域で本体に結合された複数の中央支持部材と、中央領域と側面との間で本体に結合された複数の中間支持部材とを含む。
【0007】
別の一実施形態では、真空チャンバ用のガス分配シャワーヘッドが提供され、第1の主面と第1の主面に対向する第2の主面とを有する本体であって、本体は第1の主面と第2の主面との間に形成された複数のガス通路を有し、複数のガス通路のそれぞれは、規制オリフィスによって第2の主面内に形成された第2の開口部に流体結合された第1の主面内に形成された第1の開口部を有する本体と、本体の中央領域内で本体に結合された複数の中央支持部材と、中央領域と側面との間で本体に結合された複数の中間支持部材とを含む。
【0008】
別の一実施形態では、真空チャンバ用のガス分配シャワーヘッドが提供され、第1の主面と第1の主面に対向する第2の主面とを有する本体であって、本体は第1の主面と第2の主面との間に形成された複数のガス通路を有し、複数のガス通路のそれぞれは、規制オリフィスによって第2の主面内に形成された第2の孔に流体結合された第1の主面内に形成された第1の孔を有する本体と、複数のガス通路のうちの1つのガス通路を囲む複数のガスバイパス穴であって、複数のガスバイパス穴の各々は、複数のガス通路のうちのガス通路の長手方向に対してある角度で第1の主面から本体を貫通して形成され、ガス通路と交差するように本体内で終端を迎える複数のガスバイパス穴と、第1の懸架機構によって本体の中央領域で本体に結合された中央支持部材と、第2の懸架機構によって中央領域と側部との間で本体に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本開示の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【
図1】チャンバの一実施形態の概略側面断面図である。
【
図3】ガス分配シャワーヘッド145内に配置された懸架取付具(サスペンションフィッティング)の一実施形態の拡大断面図である。
【
図5A】懸架取付具の一実施形態の側面断面図である。
【
図6】バッキングプレートとガス分配シャワーヘッドとの間に結合された支持部材の別の一実施形態の断面図である。
【
図7】バッキングプレートとガス分配シャワーヘッドとの間に結合された支持部材の別の一実施形態の断面図である。
【
図8】
図1のチャンバ内で利用することができるバッキングプレートの一実施形態の平面図である。
【
図9】本明細書記載の実施形態に係るガス分配シャワーヘッドの一実施形態の一部の概略底面図である。
【
図10B】ガス分配シャワーヘッドの代替の実施形態の概略部分断面図である。
【0010】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。また、一実施形態の要素及び構成を更なる説明なしに他の実施形態に有益に組み込んでもよいと理解される。
【詳細な説明】
【0011】
本開示の実施形態は、概して、処理チャンバ内でガス分配シャワーヘッドを支持するための装置及び方法を提供する。一実施形態では、ガス分配シャワーヘッドの中心と側部の間の領域に結合された少なくとも1つの支持部材は、ガス分配シャワーヘッドを支持するように構成される。少なくとも1つの支持部材が使用され、重力、高い処理温度、及び負圧の1つ又は組合せによって引き起こされる垂れ下がり又は湾曲に対する抵抗を促進し、それによってガス分配シャワーヘッド内で所望の水平プロファイルを維持する。所望の水平プロファイルは、水平(例えば、平面)の水平プロファイル、凸型の水平プロファイル、又は凹型の水平プロファイルのうちの少なくとも1つとすることができる。所望の水平プロファイルは、少なくとも部分的に、少なくとも1つの支持部材によって提供される力によって形成又は維持することができる。本明細書で使用されるガス分配シャワーヘッド又はディフューザの水平プロファイルは、適用可能な図に示されるように、ガス分配シャワーヘッドの断面を指す。本開示は、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社(Applied Materials Inc.)の子会社であるAKTアメリカ社(AKT America、Inc.)から入手可能なPECVD装置に関連して以下に記載される。本開示は、他の製造業者から入手可能な堆積チャンバ及びPECVD装置を含む他の堆積チャンバにおいても適用可能であることが理解されるべきである。
【0012】
図1は、チャンバ100の一実施形態の概略側面断面図である。チャンバ100は、ガラス、ポリマー、又は他の適切な基板でできた大面積基板105上に回路を製造するためのプラズマ強化化学気相成長(PECVD)プロセスに適している。チャンバ100は、液晶ディスプレイ(LCD)又はフラットパネルディスプレイ、太陽電池アレイ用の光起電力装置、又は他の構造の製造に使用するための大面積基板105上に構造及びデバイスを形成するように構成される。構造は、複数の連続的な堆積及びマスキングステップを含むことができる複数のバックチャネルエッチング・インバーテッド・スタガード型(ボトムゲート)薄膜トランジスタであってもよい。他の構造は、p-n接合を含み、太陽電池用のダイオードを形成してもよい。
【0013】
チャンバ100は、チャンバ側壁110、底部115、処理中に大面積基板105を支持する基板支持体120(例えば、サセプタ)を含む。ガス分配シャワーヘッド145は、基板支持体120及び大面積基板105に対向して配置される。チャンバ100はまた、選択的に開閉することにより大面積基板105の搬送及び大面積基板105上での堆積プロセスを促進するポート125(例えば、スリットバルブ)を有する。チャンバ100はまた、蓋構造130、バッキングプレート140、及びガス分配シャワーヘッド145を含む。一実施形態では、蓋構造130は、バッキングプレート140及びガス分配シャワーヘッド145を支持する。一実施形態では、バッキングプレート140の内面146及びチャンバ側壁110の内面147は、可変圧力領域148を境界付ける。一態様では、チャンバ100は、可変圧力領域148を境界付ける、チャンバ側壁110、底部115、及びバッキングプレート140を含む本体を含む。バッキングプレート140は、バッキングプレート140及び蓋構造130が互いに接触することができる境界面において適切なOリングによってその周辺部上で封止されている。Oリングは、電気的絶縁を促進し、ならびに、チャンバ100に結合された真空ポンプによって負圧が供給されるとき、可変圧力領域148を密封する。
【0014】
図示の実施形態では、ガス分配シャワーヘッド145は、1以上の中央支持部材150によってバッキングプレート140の中央領域でバッキングプレート140によって支持されている。中央支持部材150の外側には、単独で又は中央支持部材150に加えて使用することができる1以上の中間支持部材又は中間支持部材152がある。本明細書記載の支持部材に関して「中央」という用語は、ガス分配シャワーヘッド145及び/又は中央支持部材150の幾何学的中心の周りの領域として定義することができる。同様に、本明細書記載の支持部材に関して「中間」という用語は、ガス分配シャワーヘッド145及び/又はバッキングプレート140の「中心」領域と周縁部との間の領域として定義することができる。
【0015】
1以上の中央支持部材150及び/又は中間支持部材152は、ガス分配シャワーヘッド145の支持を促進して、ガス分配シャワーヘッド145の水平プロファイルを制御する。1以上の中央支持部材150及び/又は中間支持部材152はまた、熱、重力、及び真空のうちの1つ又は組合せによるガス分配シャワーヘッド145が垂れ下がる又は撓む傾向を緩和するために利用することもできる。ガス分配シャワーヘッド145はまた、その周囲で可撓性懸架具155によって支持することができる。可撓性懸架具155は、ガス分配シャワーヘッド145をその縁部から支持し、ガス分配シャワーヘッド145の横方向の膨張及び収縮を可能にするように構成される。
【0016】
チャンバ100は、ガス源及びプラズマ源165に結合されたガス入口160に結合される。プラズマ源165は、直流電源、高周波(RF)電源、又は遠隔プラズマ源とすることができる。RF電源は、チャンバ100に誘導結合又は容量結合することができる。ガス入口160は、バッキングプレート140とガス分配シャワーヘッド145との間に画定された中間領域170に孔162を介してガス源から処理ガス又は洗浄ガスを供給する。
【0017】
動作の一例では、チャンバ100の内部が真空ポンプによって適切な圧力まで圧送されている間に、処理ガスがガス源から供給される。1以上の処理ガスは、バッキングプレート140とガス分配シャワーヘッド145との間に画定された中間領域170にガス入口160を通って流れる。その後、1以上の処理ガスは、中間領域170から、ガス分配シャワーヘッド145を貫通して形成された複数の開口部又はガス通路175を通って、ガス分配シャワーヘッド145の下方かつ基板支持体120の上方の領域内に画定された処理領域180まで流れる。
【0018】
大面積基板105は、基板支持体120をガス分配シャワーヘッド145に向かって移動させることによって、搬送位置から処理領域180まで上昇される。処理領域180の高さは、ガス分配シャワーヘッド145の下面と基板支持体120の基板受け面190との間の間隔に基づく処理パラメータとして変化させることができる。基板支持体120は、基板支持体120に結合されるか又は基板支持体120内に配置される一体型ヒータ120(例えば、加熱コイル又は抵抗ヒータ)によって加熱することができる。
【0019】
プラズマは、チャンバ100に結合されたプラズマ源165によって処理領域180内に形成することができる。プラズマ励起ガスがその上に堆積され、大面積基板105上に構造を形成する。一実施形態では、基板支持体120は接地電位にあり、処理領域180におけるプラズマ形成を促進する。プラズマはまた、他の手段(例えば、熱誘導プラズマ)によってチャンバ100内に形成してもよい。この実施形態では、プラズマ源165がガス入口160に結合されて示されているが、プラズマ源165は、ガス分配シャワーヘッド145又はチャンバ100の他の部分に結合されてもよい。
【0020】
ガス分配シャワーヘッド145は、導電性材料でできているか又は導電性材料でコーティングされており、ガス入口160又は他の接続を介してプラズマ源165に結合され、それによってチャンバ100内で第1の電極として機能することができる。ガス分配シャワーヘッド145用に選択される材料は、鋼、チタン、アルミニウム、又はそれらの組み合わせを含むことができ、表面は研磨又は陽極酸化することができる。ガス分配シャワーヘッド145は、第1の主面又は上面185A及び第2の主面又は下面185Bを含むことができる。一実施形態では、上面185A及び下面185Bは、断面において実質的に平行である。別の一実施形態では、上面185A及び下面185Bのうちの少なくとも1つは、断面が湾曲して凹面を画定することができる。別の一実施形態では、上面185A及び下面185Bのうちの少なくとも1つは、断面が湾曲して凸面を画定することができる。別の一実施形態では、上面185A及び下面185Bのうちの少なくとも1つは、非平行である。
【0021】
一実施形態において、ガス分配シャワーヘッド145は、その周縁部で厚く、中央部で薄い厚さ又は断面寸法を含み、皿状又は「スコップ状」の下面185Bを形成することができる。この実施形態では、少なくとも上面185Aは、実質的に平面又は水平である。したがって、ガス分配シャワーヘッド145の中央部に対してガス分配シャワーヘッド145の周縁部でより厚い断面寸法は、基板支持体120の水平プロファイルに対して凹状である所望の水平プロファイルを形成する。別の一実施形態では、基板支持体120の基板受け面190は実質的に平坦であり、ガス分配シャワーヘッド145の下面185Bは基板受け面190に対して凹状である。
【0022】
図2は、
図1のチャンバ100の拡大部分断面図である。バッキングプレート140は、貫通する複数の開口部(例えば、第1の開口部205A及び1以上の第2の開口部205B)を含む。一実施形態では、第1の開口部205Aは、ガス入口160を受けるように構成され、1以上の第2の開口部205Bは、それぞれの支持部材200を受けるように構成される。支持部材200は、
図1の中央支持部材150又は中間支持部材152とすることができる。一実施形態では、第1の開口部205Aは、バッキングプレート140の実質的な幾何学的中心に配置されるが、第1の開口部205Aは、他の場所に配置されてもよい。カバープレート135が利用される実施形態では、カバープレート135は、ガス入口160及び支持部材200を受けるための貫通穴を含む。オプションの冷却プレート(図示せず)をカバープレート135の上方に配置してもよい。オプションの冷却プレートは、カバープレート135に結合することができるカバー205の一部を受ける開口部を有することができる。カバー205は、1以上の締結具265によってカバープレート135に締結することができる。
【0023】
支持部材200は、第2の支持部材(例えば、懸架取付具220)に取り外し可能に結合する第1の支持部材215を含む。この実施形態に係る懸架取付具220は、懸架取付具220のインターフェース本体216をガス分配シャワーヘッド145に結合する締結具210を含む。締結具210は、それぞれのガス通路175内に配置され、これによって利用されるガス通路175を閉塞させることができる。ガス分配シャワーヘッド145の上面185Aから下面185Bへのガス流を促進するために、別のガス通路218を利用してもよい。代替ガス通路218は、ガス通路175の直径に実質的に等しい直径を含むことができる。
【0024】
支持部材200は、任意の適切な方法で(例えば、差し込み式(バイオネット)締結具を嵌合させる、ねじ部を嵌合させる、1/4回転締結具を嵌合させるなどによって)、懸架取付具220に取り外し可能に結合することができる。
図2に示す実施形態では、第1の支持部材215は、第1の端部にシャフト230を、第2の端部にねじ部235を含む。ねじ部235は、支持ナットアセンブリ225に結合するように構成される。支持ナットアセンブリ225は、ロッキングナットとして利用される第1のナット及び第2のナットを含むことができる。支持ナットアセンブリ225は、ねじ部235及び枢軸構造238に対して回転するように構成される。枢軸構造238は、球状座部240と接触するように構成される。球状座部240は、バッキングプレート140の上面245内に形成された凹部242内に配置されている。枢動構造238及び球状座部240は、ガス分配シャワーヘッド145がバッキングプレート140に対して横方向(X方向及び/又はY方向)に移動することを可能にし、これによって使用時にガス分配シャワーヘッド145の膨張及び収縮を促進する。
【0025】
締結具210によってガス分配シャワーヘッド145に固定された懸架取付具220と、インターフェース本体216に結合されたシャフト230と、枢動構造238に結合されたシャフト230との組み合わせは、ガス分配シャワーヘッド145が、支持ナットアセンブリ225によって印加された力によって、垂直上方(Z方向)に引っ張られるか、又はバッキングプレート140によって懸架されるのを可能にするように、支持部材200がガス分配シャワーヘッド145と嵌合するのを可能にする。支持部材200の支持ナットアセンブリ225によってガス分配シャワーヘッド145に印加された力は、単にガス分配シャワーヘッド145に作用する重力に対抗することができる。あるいはまた、支持部材200は、バッキングプレート140に対するガス分配シャワーヘッド145の水平プロファイル(すなわち、それらの間の高さ又は間隔)を調整するように使用してもよい。
【0026】
バッキングプレート140は、ガス分配シャワーヘッド145よりも断面において相対的に厚い。ガス分配シャワーヘッド145は、ガス分配シャワーヘッド145内の相対的な厚さ及び穿孔により、バッキングプレート140に対してより可撓性がある。バッキングプレート140は、ガス分配シャワーヘッド145よりも剛性があるように構成され、したがって、力(例えば、重力、真空、及び熱)の影響を受けにくい。バッキングプレート140は、これらの力のために反る可能性があるが、ガス分配シャワーヘッド145によって経験され得る程度ではない。したがって、ガス分配シャワーヘッド145は、上述の力によって引き起こされる何らかの変形を経験し得るが、変形は、バッキングプレート140とその間に配置された支持部材200の剛性によって効果的に制限される。したがって、ガス分配シャワーヘッド145及び/又はバッキングプレート140内の撓み又は変形は、支持ナットアセンブリ225の調整によって予め決定され、相殺させることができる。
【0027】
枢軸構造238の表面に対する支持ナットアセンブリ225の回転は、シャフト230、懸架取付具220、及びガス分配シャワーヘッド145をバッキングプレート140に対して上昇又は下降させ、こうしてガス分布の水平プロファイルを制御する。一実施形態では、シャフト230の第1の端部は、第1の支持部材215と懸架取付具220のインターフェース本体216との結合及び分離を促進する結合機構247を含む。
【0028】
キャップ250は、支持ナットアセンブリ225のそれぞれの上に配置され、第2の開口部205Bの周りの真空密閉を促進する。キャップ250は、締結具255によってバッキングプレート140の上面245に結合することができる。Oリングなどのシール(この図には図示せず)は、締結具255の内部のバッキングプレート140の上面245の間に配置されてもよい。
【0029】
図3は、ガス分配シャワーヘッド145内に配置された懸架取付具220の一実施形態の拡大断面図である。一実施形態では、ガス分配シャワーヘッド145は、ガス分配シャワーヘッド145の上面185Aから下面185Bまで延在する第1の孔335を有する複数のガス通路175を含む。第1の孔335は、第1の孔335に流体結合された少なくとも第2の孔340に結合されている。第2の孔340は、円錐又は錐台の形状でフレア状とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の孔335及び第2の孔340は、第1の孔335及び第2の孔340の直径よりも小さい直径を有する規制オリフィス345によって結合される。
【0030】
懸架取付具220は、第1の孔335の直径より大きい直径を有する拡大された第2の孔350内に配置することができるが、隣接する第1の孔335間のピッチ又は距離よりも小さい。したがって、壁352は、隣接する第1の孔335と拡大された第2の孔350との間に維持され、締結具210のねじ部354がガス分配シャワーヘッド145内に形成された嵌合ねじ部に結合されることを可能にする。一態様では、懸架取付具220の利用は、ガス分配シャワーヘッド145内に2つのタイプのガス通路175(例えば、懸架取付具220の存在によって妨害される第1のタイプと妨害されない第2のタイプ)を生成する。したがって、懸架取付具220を含まないガス通路175は、中間領域170から処理領域180への妨害されないガスの流れを提供し、一方、懸架取付具220が内部に配置されたガス通路175を通るガス流は、懸架取付具220の存在によって少なくとも部分的に閉塞される可能性がある。懸架取付具220が内部に配置された妨害されたガス通路175にガスを提供するために、代替ガス通路218が利用される。代替ガス通路218は、ガスが中間領域170から締結具210の下の第1の孔335に流れることを可能にするために利用される。したがって、ガスは、懸架取付具220の周りで第2の孔350に、そして規制オリフィス345を通って処理領域180へ供給することができる。
【0031】
この図では、支持部材200の結合機構247がより明確に示されている。一態様では、結合機構247は、懸架取付具220内に形成されたそれぞれのスロット325と嵌合するシャフト230の遠位端に配置された1以上のキー320を含む着脱可能なインターフェースを提供するスロット/キー装置を含む。結合機構247は、第1の支持部材215を回転させて、懸架取付具220と結合及び分離し、第1の支持部材215を懸架取付具220から取り外すことを可能にする。インターフェース本体216内に形成された(点線で示す)間隙360は、以下に詳細に説明するように、回転されるとシャフト230の取り外しを提供する。
【0032】
図4Aは、第1の支持部材215の一実施形態の側面図である。第1の支持部材215は、一実施形態では円形の断面を含む支持体405を含む。支持体405は、第1の端部415において支持体本体405から半径方向外向きに延びる1以上のキー部分410と、第1の端部415に対向する第2の端部420上のねじ部235とを含む。第1の端部415の少なくとも一部は、ねじ部235が支持ナットアセンブリ225(
図2)によって受け入れられるように構成された状態で、懸架取付具220(
図2~
図3)に挿入される大きさである。一実施形態では、第1の端部415は、ベベル又は半径とすることができるテーパ425を含み、懸架取付具220への挿入を促進する。第2の端部420はまた、ツールインターフェース430を含み、支持ナットアセンブリ225を締める及び/又は緩める際に使用される第1の支持部材215の回転制御を促進することができる。ツールインターフェース430は、他のタイプのねじ駆動構成の中でも、六角形キー、四角形キー、TORX(商標名)レンチに適合した雌型開口部とすることができる。
【0033】
図4Bは、
図4Aの第1の支持部材215の平面図である。キー部分410は、懸架取付具220の内部チャネル内に挿入され回転するように寸法決めされた外寸(例えば、外径435)を含む。
【0034】
図5Aは、第1の支持部材215の(点線で示す)シャフト230が内部に配置された懸架取付具220の一実施形態の側面断面図である。懸架取付具220は、平面部分508に向かって先細(テーパ)になる円形の支持体本体505(インターフェース本体216)を含む。支持体本体505の平坦な表面535と平面部分508との間に外部テーパ545を含むことができる。支持体505は、内部チャネル515と、平面部分508を貫通して形成された締結具開口部512とを含むことができる中央開口部510を含む。内部チャネル515は、中央開口部510の表面および中央開口部510の直径の一部に外接するリップ520によって少なくとも部分的に収容される。内部チャネル515は、側壁550によって囲まれることができる。一実施形態では、締結具210のねじ部354は、第1の嵌合機構(例えば、雄嵌合機構)を含み、一方、中央開口部510及びリップ520は、第2の嵌合機構(例えば、第1の支持部材215の第1の端部415を受け入れるように構成された雌嵌合機構)を含む。第1の支持部材215の第1の端部415は、内部チャネル515内で回転するように構成される。一実施形態では、中央開口部510を囲むリップ520は、第1の支持部材215のキー部分410を受け入れて嵌合するように構成されたスロット付きリセプタクル555を含む。
【0035】
支持体本体505はまた、ねじ付き支持部材215のキー部分410のためのストッパとして機能するように、及び/又は設置後に第1支持部材215の回転を制限するように構成された少なくとも1つのピン525(2つが
図5Bには示されている)を含む。ピン525は、図示されるように長手方向に配置することができるか、又はピンは、懸架取付具220の長手軸に垂直に支持体本体505に結合することができる。支持体本体505の中心は、シャフト230の一部を受け入れるように構成された中央開口部510を含む。この実施形態では、ねじ付き支持部材215のシャフト230は固定位置にあり、これによってキー部分410が懸架取付具220のリップ520と接触し、バッキングプレート140からガス分配シャワーヘッド145の支持を促進する(両方共
図1~
図2に示されている)。また、キー部分410に類似する少なくとも1つの構成を含むツールを中央開口部510に挿入して、ガス分配シャワーヘッド145上に懸架取付具220を設置する際に、懸架取付具220の回転及び締め付けを促進させてもよい。
【0036】
一実施形態では、中央開口部510は、内側チャネル515から締結具210に向かって円錐形凹部またはテーパ面530を含む。一実施形態では、締結具210は、その第1の端部に頭部540を含み、その第2の端部にねじ部354を含む。頭部540は、ねじ部354ならびに開口部512の直径に対してより大きい寸法又は直径を含む。一実施形態では、頭部540は第1の直径を含み、ねじ部354は、第1の直径よりも小さい第2の直径を含む。肩部536が、平面部508と頭部540との間の開口部512内に形成される。頭部540は、他のタイプのねじ回し構成の中でも、ツール(例えば、六角形キー、四角形キー、TORX(商標名)レンチ)用のツールインターフェース(図示せず)を含むことができる。
【0037】
図5Bは、
図5Aに示す懸架取付具220の平面図である。キー部分410は、ねじ付き支持部材215が懸架取付具220との固定位置にあるように、リップ520の下に点線で示されている。シャフト230の対向する側の間隙360は、懸架取付具220のテーパ面530の一部を露出して示されている。間隙360は、キー部分410のための空間が中央開口部510に挿入されることを可能にする。
【0038】
図5Cは、
図5Bに示す懸架取付具220の上面図である。この実施形態では、シャフト230は、除去位置において点線で示されている。シャフト230は、約45°回転して、キー部分410がリップ520の対向する側の間の開口部と整列することを可能にする。キー部分410が
図5Cに示すように位置合わせされるとき、ねじ付き支持部材215は、懸架取付具220の中央開口部510から取り外すことができる。
【0039】
図6は、バッキングプレート140とガス分配シャワーヘッド145との間に結合された支持部材600の別の一実施形態の断面図である。支持部材600は、
図2の支持部材200であってもよく、又は
図1の中央支持部材150及び中間支持部材152の一方又は両方であってもよい。
【0040】
支持部材600は、結合機構247に結合されたねじ付き支持部材601を含み、これは次にガス分配シャワーヘッド145に結合される。支持部材600は、
図2に示す支持部材200と同様の枢動構造238と球状座部240を含む。枢軸構造238は、内部に形成された中央開口部603を含み、それはねじ付き支持部材601の一部を受け入れる。枢軸構造238及び球状座部240は、キャップ250によって囲まれている。キャップ250は、1以上の締結具255によってバッキングプレート140に結合される。シール605(例えば、Oリング)が、球状座部240と締結具255との間に配置され、真空密閉を促進する。
【0041】
支持ナットアセンブリ225は、ねじ付き支持部材601のねじ部235に結合されている。この実施形態に係る支持ナットアセンブリ225は、回転してねじ部235上で締め付けられると、枢軸構造238の表面に接触する少なくとも第1のナット610を含む。いくつかの実施形態では、支持ナットアセンブリ225は、第1のナット610と共にロックナットとして使用することができる第2のナット615を含む。
【0042】
この実施形態に係る結合機構247は、
図3で説明した結合機構247と同様に、締結具210によってガス分配シャワーヘッド145に結合されたインターフェース本体216を含む。しかしながら、この実施形態では、
図3~
図5Bに記載されるスロット/キー構成に代えて、枢軸構造620を含む。締結具210は、ガス分配シャワーヘッド145のガス通路175内に配置され、閉塞されたガス通路608を形成することができる。ガスバイパス穴又は代替ガス通路218を利用して、ガス分配シャワーヘッド145の上面185Aから下面185Bへとガス流を供給することができる。
【0043】
枢動構造620は、ねじ付き支持部材601のねじ付き部分235に対向する端部に形成されてもよい。枢軸構造620は、懸架取付具220のインターフェース本体216内に形成された球状座部625内に少なくとも部分的に受け入れられてもよい。ブッシング630が、カバー635と枢軸構造620との間に配置されてもよい。カバー635は、ねじ付き支持部材601の直径を受け入れる開口部640を含む。カバー635は、1以上の締結具645によってインターフェース本体216に固定されてもよい。したがって、枢軸構造620及びブッシング630は、インターフェース本体216に固定され、これによってねじ付き支持部材601をガス分配シャワーヘッド145結合することができる。枢動構造620及び球状座部625は、ガス分配シャワーヘッド145がバッキングプレート140に対して横方向(X及び/又はY方向)に移動し、これによって使用中のガス分配シャワーヘッド145の膨張及び収縮を可能にする。
【0044】
図7は、バッキングプレート140とガス分配シャワーヘッド145との間に結合された支持部材700の別の一実施形態の断面図である。支持部材700は、
図2の支持部材200であってもよく、又は
図1の中央支持部材150及び中間支持部材152のちの一方又は両方であってもよい。
【0045】
支持部材700は、以下の例外を除いて、
図6に示す支持部材600と同様である。この実施形態に係るインターフェース本体216は、中央本体710から延びる1以上の延長部分705を含む。締結具210は、中央本体710及び延長部分705の各々の中にそれぞれの開口部を通して配置することができる。更に、各々の締結具210は、ガス分配シャワーヘッド145のそれぞれのガス通路175内に配置され、閉塞されたガス通路608を形成することができる。少なくとも1つの代替ガス通路218を利用して、ガス分配シャワーヘッド145の上面185Aから下面185Bまでガス流を供給することができる。
【0046】
図6及び7に記載された支持部材600及び700の実施形態では、枢動構造620は、
図3~
図5Bに記載されたスロット/キー構成に置き換えられてもよい。
【0047】
図8は、バッキングプレート140の一実施形態の平面図である。この実施形態では、中央領域800は、バッキングプレート140上に示され、中央支持部材150のパターンは、中央領域800内に示されている。バッキングプレート140はまた、中間支持領域805と、中間支持領域805内の中間支持部材152のパターンとを含む。中央領域800は、ガス分配シャワーヘッド145に対する支持点として決定される、バッキングプレート140及びガス分配シャワーヘッド145の中央に位置する任意の領域とすることができる。中間支持領域805は、バッキングプレート140の中心領域800と縁部810との間の領域とすることができる。この図には示されていないガス分配シャワーヘッド145は、典型的にはバッキングプレート140の下に位置し、バッキングプレート140の寸法と実質的に等しい寸法を有する。したがって、ガス分配シャワーヘッド145は、対応する中心領域を有し、バッキングプレート140内に示される要素の何れかがガス分配シャワーヘッド145と嵌合することを可能にすることができる。
【0048】
この実施形態では、8つの中央支持部材150が対称的なパターンで示されているが、複数の中央支持部材150は、バッキングプレート140の中央領域800内において任意のパターン、数、及び大きさであってもよい。同様に、6つの中間支持部材152が中間支持領域805内に示されているが、複数の中間支持部材152は、バッキングプレート140の中間支持領域805内において任意のパターン、数、及び大きさであってもよい。また、(この図ではバッキングプレート140の下に位置することができる)ガス分配シャワーヘッド145にガスを供給するようにガス入口160を受け入れるように構成されたバッキングプレート140内の第1の開口部205Aが図示される。代替のガス導入ポート815も示されており、処理ガスをガス分配シャワーヘッド145に単独で又はガス入口160と組み合わせて提供するために使用することができる。追加のガス導入ポート(図示せず)はまた、バッキングプレート140を通してガス分配シャワーヘッド145にガスを創出するために使用してもよい。
【0049】
図9は、ガス分配シャワーヘッド145の一実施形態の一部の概略底面図である。ガス分配シャワーヘッド145は、複数の外側ガスバイパス穴905A及び内側ガスバイパス穴905Bを含み、ガス分配シャワーヘッド145の本体900内において点線で示されている。外側ガスバイパス穴905A及び内側ガスバイパス穴905Bは、他の図と同様に
図2に示される代替ガス通路218に対応する。ガスバイパス穴905A、905Bと交差する拡大された第2の孔350は、
図9には示されていない。ガスバイパス穴905A、905Bは、ガス分配シャワーヘッド145内において実質的に対称的なパターンで形成されて、(
図6及び
図7に示す)閉塞されたガス通路608に対称的なガス流を供給することができる。対称パターンは、図示のパターンに限定されない。外側ガスバイパス穴905Aは、独占的に又は内側ガスバイパス穴905Bと共に利用することができる。同様に、内側ガスバイパス穴905Bは、独占的に又は外側ガスバイパス穴905Aと共に利用することができる。各懸架取付具220に対応して外側ガスバイパス穴905A及び内側ガスバイパス穴905Bが示されているが、懸架取付具220当たりのガスバイパス穴905A、905Bの数は、懸架取付具220当たり2未満としてもよい。一実施形態では、複数の外側ガスバイパス穴905Aが、各懸架取付具220と交互に配置されてもよい。代替的に又は追加的に、複数の内側ガスバイパス穴905Bが、複数の外側ガスバイパス穴905A及び/又は各懸架取付具220と交互に配置されてもよい。
【0050】
図10A及び
図10Bは、それぞれガス分配シャワーヘッド1000A及び1000Bの実施形態の概略部分断面図である。
図10Aは、バッキングプレート140及びガス分配シャワーヘッド1000Aの中央領域1010を、バッキングプレート140に対して凹形の水平プロファイルで示している。したがって、この実施形態では、ガス分配シャワーヘッド1000Aの下面185Bは、バッキングプレート140の水平の向きに対して非平行又は凹んでいる。一実施形態では、バッキングプレート140の内面146と、ガス分配シャワーヘッド1000Aの中央領域1010内の上面185Aとの間に、第1の空間間隙G’が含まれ、一方、バッキングプレート140の内面146と、ガス分配シャワーヘッド1000Aの外周の上面185Aとの間に、第2の空間間隙G”が含まれる。
【0051】
第1の空間間隙G’は、1以上の中央支持部材150及び/又は中間支持部材152(いずれも
図10A及び10Bには図示されない)を調節することによって調整することができる。中央支持部材150及び/又は中央支持部材152の調整を利用して、ガス分配シャワーヘッド1000A、1000Bをバッキングプレート140から押して離すか、又はガス分配シャワーヘッド1000A、1000Bをバッキングプレート140に向けて引き、ガス分配シャワーヘッド1000A、1000Bの水平プロファイルを制御することができる。第1の空間間隙G’及び第2の空間間隙G”は、実質的に等しいか又は異なるように維持又は調整することができる。一例では、第1の空間間隙G’と第2の空間間隙G”は実質的に等しい。別の一例では、第1の空間間隙G’は、第2の空間間隙G”より小さくてもよい。一実施形態では、ガス通路175は、ガス分配シャワーヘッド1000Aの中心でのガス通路175に対してガス分配シャワーヘッド1000Aの周縁でより長い長さを有する。一態様では、ガス通路175の各々のフレア状孔は、ガス分配シャワーヘッド1000Aの中心でより長い長さを含み、長さは、ガス分配シャワーヘッド1000Aの中心からガス分配シャワーヘッド1000Aの周縁まで徐々に増加する。
【0052】
図10Bは、バッキングプレート140及びガス分配シャワーヘッド1000Bの中心領域1010を、バッキングプレート140に対して凸状水平プロファイルで示す。図示されないが、第1の空間間隙G’及び第2の空間間隙G”は、バッキングプレート140の内面146とガス分配シャワーヘッド1000Bの上面185Aとの間に含まれる。第1の空間間隙G’及び第2の空間間隙G”は、
図10Aを参照して説明したように維持又は調整することができる。一実施形態では、第1の空間間隙G’と第2の空間間隙G”は実質的に等しい。別の一例では、第2の空間間隙G”は第1の空間間隙G’より小さくてもよい。一実施形態では、ガス流路175は、ガス分配シャワーヘッド1000Bの周縁でのガス流路175に対してガス分配シャワーヘッド1000Bの中心でより長い長さを有する。一態様では、ガス通路175の各々のフレア状孔は、ガス分配シャワーヘッド1000Bの中心でより長い長さを含み、長さは、ガス分配シャワーヘッド1000Aの中心からガス分配シャワーヘッド1000Aの周縁まで徐々に減少する。
【0053】
基板とガス分配シャワーヘッドとの間の処理空間を維持し、ガス分配シャワーヘッドを通るガス流を妨害しないガス分配シャワーヘッドを支持するための装置及び方法が記載される。本装置は、ガス分配シャワーヘッド145の断面曲率又は水平プロファイルを維持及び/又は操作する1以上の中央支持部材150及び/又は中間支持部材152を含む。ガス分配シャワーヘッド145は、平面、凸面、又は凹面のうちの1つである水平プロファイルを呈するように操作することができる。ガス分配シャワーヘッド145の水平プロファイルは、チャンバ内の基板支持体120及び/又はバッキングプレート140に対して調整することができる。本明細書に記載されるような中央支持部材150の実施形態はまた、ガス流を妨害せず、それによって中央支持部材150及び/又は中間支持部材152に隣接する基板の位置での堆積を促進する。
【0054】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の及び更なる実施形態は本開示の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。