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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-31
(45)【発行日】2022-04-08
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/38 20100101AFI20220401BHJP
【FI】
H01L33/38
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020019410
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021125621
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2021-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】中川 豪文
(72)【発明者】
【氏名】青木 祐介
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-041612(JP,A)
【文献】特開2014-229626(JP,A)
【文献】特開2013-051298(JP,A)
【文献】特開2007-335529(JP,A)
【文献】特開2013-247288(JP,A)
【文献】特開2011-204840(JP,A)
【文献】特開2010-141176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1辺と、前記第1辺と交差する第2辺と、を含む第1半導体層と、前記第1半導体層上の一部に設けられた発光層と、前記発光層上に設けられた第2半導体層と、を有する上面視形状が矩形状の半導体構造であって、前記第1辺は前記第1半導体層のm面に平行であり、前記第2辺は前記第1半導体層のa面に平行である前記半導体構造と、
前記第1半導体層上に設けられた第1導電部材と、
前記第2半導体層上に設けられた第2導電部材と、
前記第1導電部材上に設けられた第1端子と、
前記第2導電部材上に設けられた第2端子と、
前記第1導電部材の側面、前記第2導電部材の側面、前記第1端子の側面、及び、前記第2端子の側面を覆う被覆部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第2導電部材と対向する第1端面を含み、
前記第2導電部材は、前記第1導電部材と対向し、前記第1端面に沿う第2端面を含み、
前記第1端面及び前記第2端面は、前記m面に対して傾斜する面で実質的に構成され、
前記第1端子の一部及び前記第2端子の一部は、前記被覆部材から露出している、発光装置。
【請求項2】
前記第1端面は、第1面と第2面とを含み、
前記第1面の延びる第1方向は、前記m面と交差し、
前記第2面の延びる第2方向は、前記m面と交差し、前記第1方向と交差し、
前記第2端面は、第3面と第4面とを含み、
前記第3面は、前記第1方向に沿い、
前記第4面は、前記第2方向に沿う、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1端面の一部と、前記m面と、の間の角度は、20度以上40度以下である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1端面は、曲面部を有する、請求項1~3のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1辺は、前記第2辺よりも短く、
前記第1端子の前記一部及び前記第2端子の前記一部は、前記第2辺に沿って設けられる、請求項1~4のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1端子の前記一部と前記第2端子の前記一部との間の最短距離は、前記第1端面と前記第2端面との間の最短距離よりも長い、請求項1~5のいずれか1つに記載の発光装置。
【請求項7】
波長変換層をさらに備え、
前記波長変換層は、前記第1半導体層と接する、請求項1~6のいずれか1つに記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体層を成長するために用いた基板を除去し、半導体層の表面に蛍光体層を設けた発光装置が開示されている(特許文献1)。このような発光装置において、強度の向上が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-41612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態は、高い強度を備えた発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、発光装置は、半導体構造、第1導電部材、第2導電部材、第1端子及び第2端子を含む。前記半導体構造は、第1辺と、前記第1辺と交差する第2辺と、を含む第1半導体層と、前記第1半導体層上の一部に設けられた発光層と、前記発光層上に設けられた第2半導体層と、を有する。前記半導体構造の上面視形状は矩形状である。前記第1辺は前記第1半導体層のm面に平行である。前記第2辺は前記第1半導体層のa面に平行である。前記第1導電部材は、前記第1半導体層上に設けられる。前記第2導電部材は、前記第2半導体層上に設けられる。前記第1端子は、前記第1導電部材上に設けられる。前記第2端子は、前記第2導電部材上に設けられる。前記被覆部材は、前記第1導電部材の側面、前記第2導電部材の側面、前記第1端子の側面、及び、前記第2端子の側面を覆う。前記第1導電部材は、前記第2導電部材と対向する第1端面を含む。前記第2導電部材は、前記第1導電部材と対向し、前記第1端面に沿う第2端面を含む。前記第1端面及び前記第2端面は、前記m面に対して傾斜する面で実質的に構成される。前記第1端子の一部及び前記第2端子の一部は、前記被覆部材から露出している。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、強度を向上可能な発光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る発光装置を例示する模式的断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る発光装置を例示する模式的上面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図7】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図10】本発明の一実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
図11】本発明の一実施形態に係る発光装置を例示する模式的上面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る発光装置を例示する模式的上面図である。
図13】本発明の一実施形態に係る発光装置を例示する模式的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る発光装置110は、半導体構造16、第1導電部材21、第2導電部材22、第1端子51、第2端子52及び被覆部材60を含む。図1は、図2のI-I線断面図である。
【0010】
図1に示すように、半導体構造16は、第1半導体層11、第2半導体層12及び発光層13を含む。第1半導体層11は、例えば、n形の半導体層である。第2半導体層12は、例えば、p形の半導体層である。発光層13は、第1半導体層11と第2半導体層12の間に設けられる。例えば、発光層13は、第1半導体層11の一部の上に設けられている。第2半導体層12は、発光層13の上に設けられている。
【0011】
第1半導体層11及び第2半導体層12の積層方向において、例えば、第1半導体層11から第2半導体層12への方向をZ軸方向とする。Z軸方向に対して垂直な1つの方向をX軸方向とする。Z軸方向及びX軸方向に対して垂直な方向をY軸方向とする。
【0012】
第1半導体層11は、第1領域11p及び第2領域11qを含む、第2領域11qから第1領域11pへの方向は、Z軸方向と交差する。発光層13は、Z軸方向において、第2領域11qと第2半導体層12との間に設けられている。
【0013】
図2に示すように、半導体構造16の上面視形状は、矩形である。第1半導体層11は、第1辺11a及び第2辺11bを含む。第2辺11bは、第1辺11aと交差する。例えば、第1辺11aは、Y軸方向に沿って設けられている。第2辺11bは、X軸方向に沿って設けられている。第1半導体層11の上面視形状は、矩形である。第1辺11aの長さは、例えば、100μm以上1000μm以下である。第2辺11bの長さは、例えば、100μm以上1000μm以下である。
【0014】
第1辺11aは、第1半導体層11のm面に平行である。第2辺11bは、第1半導体層11のa面に平行である。
【0015】
第1導電部材21は、第1半導体層11上に設けられる。第2導電部材22は、第2半導体層12上に設けられる。例えば、第1半導体層11の第1領域11p及び第1導電部材21の積層方向において、第1半導体層11の第1領域11pから第1導電部材21への方向は、Z軸方向に沿う。第2半導体層12及び第2導電部材22の積層方向において、第2半導体層12から第2導電部材22への方向は、Z軸方向に沿う。
【0016】
第1端子51は、第1導電部材21上に設けられる。第2端子52は、第2導電部材22上に設けられる。第1導電部材21の厚さは、第1端子51の厚さよりも厚い。第2導電部材22の厚さは、第2端子52の厚さよりも厚い。第1端子51及び第2端子52の厚さは、例えば、10μm以上100μm以下である。第1導電部材21及び第2導電部材22の厚さは、例えば、10μm以上100μm以下である。第1端子51の平面積は、第1導電部材21の平面積よりも小さい。第2端子52の平面積は、第2導電部材22の平面積よりも小さい。第1導電部材21及び第2導電部材22は、例えば、AuやCuにより形成される。第1端子51及び第2端子52は、例えば、AuやCuにより形成される。
【0017】
第1端子51は、第1導電部材21を介して、第1半導体層11と電気的に接続される。第2端子52は、第2導電部材22を介して、第2半導体層12と電気的に接続される。例えば、第1端子51と第2端子52との間に供給された電流により、発光層13から光が放出される。発光層13の発光ピーク波長は、例えば、430nm以上540nm以下である。半導体構造16を備えた発行装置110は、例えば、LEDである。
【0018】
図1に示すように、第1半導体層11、第2半導体層12及び発光層13は、半導体積層体15に含まれる。半導体構造16は、半導体積層体15を含む。半導体積層体15は、例えば、ガリウムを含む窒化物半導体層により形成される。窒化物半導体とは、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)なる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含む。半導体構造16は、バッファ層などをさらに含んでも良い。半導体積層体15の厚さは、例えば、5μm以上15μm以下である。後述するように、半導体構造16の半導体層は、基板の上に成長される。基板には、例えば、c面(0001)を半導体層の成長面とするサファイア基板を用いる。半導体構造16の半導体層は、基板のc軸方向に沿って積層される。例えば、半導体構造16の上面は、半導体層のc面(0001)である。例えば、第1半導体層11及び第2半導体層12の上面は、半導体層のc面(0001)である。
【0019】
図1に示すように、被覆部材60は、第1導電部材21の側面21s、第2導電部材22の側面22s、第1端子51の側面51s、及び、第2端子52の側面52sを覆う。第1導電部材21の側面21s、第2導電部材22の側面22s、第1端子51の側面51s、及び、第2端子52の側面52sは、X-Y平面と交差する。第1導電部材21の側面21s、第2導電部材22の側面22s、第1端子51の側面51s、及び、第2端子52の側面52sは、半導体構造16の積層方向に対して垂直な平面と交差する。半導体構造16の積層方向は、例えば、第1半導体層11から第2半導体層12への方向である。
【0020】
図1に示すように、第1端子51の一部51p、及び、第2端子52の一部52pは、被覆部材60から露出している。第1端子51の一部51pは、被覆部材60から露出する第1端子51の表面の一部である。第2端子52の一部52pは、被覆部材60から露出する第2端子52の表面の一部である。
【0021】
図1及び図2に示すように、第1導電部材21は、第1端面21eを含む。第2導電部材22は、第2端面22eを含む。第1端面21eは、第2導電部材22の第2端面22eと対向する。第2導電部材22は、第2端面22eを含む。第2端面22eは、第1導電部材21の第1端面21eと対向する。第2端面22eと、第1端面21eは、X軸方向及びY軸方向に対して傾斜した方向に沿う。
【0022】
第1端面21e及び第2端面22eは、第1半導体層11のm面に対して傾斜する面で実質的に構成されている。上述したように、第1半導体層11の上面はc面であり、第1半導体層11のm面は、第1半導体層11の劈開面である。ここで、第1端面21e及び第2端面22eが、第1半導体層11のm面に対して傾斜する面で実質的に構成されている、とは、第1端面21e及び第2端面22eの95%以上の面が第1半導体層11のm面に対して傾斜する面であることを意味する。例えば、第1端面21e及び第2端面22eが、第1半導体層11のm面に沿う面を3%程度含む面で構成されている形態は、第1端面21e及び第2端面22eが、第1半導体層11のm面に対して傾斜する面で実質的に構成されている形態に含まれる。
既に説明したように、第1辺11aは、第1半導体層11のm面に平行である。例えば、第1半導体層11のm面は、Y-Z平面に沿っている。例えば、第1端面21eは、Y-Z平面に対して傾斜している。例えば、第2端面22eは、Y-Z平面に対して傾斜している。
【0023】
例えば、発光装置110を実装部品などに実装する際に、第1導電部材21と第2導電部材22との間に応力が加わる場合がある。この応力は、半導体構造16にも加わる。例えば、応力の方向が、第1半導体層11のm面に対して垂直または平行の場合は、応力によって、半導体構造16に損傷(割れなど)が生じやすい。本実施形態においては、第1端面21e及び第2端面22eは、第1半導体層11のm面に対して傾斜している。これにより、応力が生じた場合でも、半導体構造16における損傷が抑制される。本実施形態によれば、発行装置11の強度を向上させることができるため、高い強度を備えた発光装置が提供できる。
【0024】
実施形態において、第1端面21eの一部と、第1半導体層11のm面と、の間の角度は、20度以上40度以下である。これにより、第1端面21eが第1半導体層11のm面に対してより傾斜した面になるため、半導体構造16の損傷(割れ)をより効果的に抑制できる。
【0025】
図1に示すように、発光装置110は、波長変換層30をさらに含む。波長変換層30は、例えば、複数の波長変換粒子31と、透光部材32と、を含む。複数の波長変換粒子31は、蛍光体粒子などである。透光部材32は、複数の波長変換粒子31の周りに設けられる。透光部材32は、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂及びエポキシ樹脂よりなる群から選択された少なくとも1つを含む。透光部材32は、例えば、光拡散部材を含んでいてもよい。光拡散部材は、例えば、酸化チタン及び酸化アルミニウムよりなる群から選択された少なくとも1つである。発光層13から出射した光の波長が、波長変換層30により変換される。例えば、発光層13から出射した光が青色である場合、波長変換層30を通過した光の一部は黄色に変換される。発光層13から出射された光と、波長変換層30を通過した光とが取り出されることで、発光装置110から、例白色の光が取り出される。
【0026】
本実施形態においては、例えば、波長変換層30は、第1半導体層11と接する。例えば、波長変換層30は、半導体構造16と接する。後述するように、半導体構造16の半導体層は、基板の上に成長される。半導体層の成長の後に基板が除去され、波長変換層30が半導体構造16に設けられる。基板が除去されているため、半導体構造16は、薄い。半導体構造16が薄いと、上述した発光装置110を実装する際に生じる応力の影響をより受け易い。このような場合においても、第1端面21e及び第2端面22eが第1半導体層11のm面に対して傾斜することで、損傷(割れなど)をより効果的に抑制できる。波長変換層30の厚さは、例えば、10μm以上100μm以下であり、好ましくは、20μm以上100μm以下である。
【0027】
実施形態において、図1及び図2に示すように、第1端子51の一部51pと第2端子52の一部52pとの間の最短距離は、第1端面21eと第2端面22eとの間の最短距離よりも長い。これにより、第1導電部材21及び第2導電部材22により発光装置110の強度を向上させつつ、実装時に第1端子51と第2端子52とが接合部材等で短絡されることを抑制できる。第1端子51の一部51pと第2端子52の一部52pとの間の最短距離は、例えば、100μm以上500μm以下である。第1端面21eと第2端面22eとの間の最短距離は、例えば、10μm以上200μm以下であり、好ましくは、20μm以上100μm以下である。例えば、第1辺16aと第2端子52の一部52pとの間の最短距離は、第3辺部16cと第1端子51の一部51pとの間の最短距離と略等しい。
【0028】
図2に示すように、例えば、第1辺11aは、第2辺11bよりも短くても良い。第1端子51の一部51p、及び、第2端子52の一部52pは、第2辺11bに沿って設けられる。
【0029】
図2に示すように、例えば、半導体構造16は、第1辺部16a、第2辺部16b、第3辺部16c及び第4辺部16dを含む。第1辺部16aから第3辺部16bへの方向は、例えば、X軸方向に沿う。第2辺部16bから第4辺部16dへの方向は、Y軸方向に沿う。第3辺部16cの延びる方向は、第1辺部16aの延びる方向に沿っている。第4辺部16dの延びる方向は、第2辺部16bの延びる方向に沿っている。
【0030】
第1辺部16aは、第2辺部16b及び第4辺部16dと接続される。第1辺部16aと第2辺部16bとの接続部は、曲線部を含んでいても良い。第1辺部16aと第4辺部16dとの接続部は、曲線部を含んでいても良い。第3辺部16cは、第2辺部16b及び第4辺部16dと接続される。第3辺部16cと第2辺部16bとの接続部は、曲線部を含んでいても良い。第3辺部16cと第4辺部16dとの接続部は、曲線部を含んでいても良い。
【0031】
第1辺部16a及び第3辺部16cは、第1辺11aに沿っている。第2辺部16b及び第4辺部16dは、第2辺11bに沿っている。
【0032】
例えば、第1半導体層11の第1領域11pの少なくとも一部と、第1端子51の少なくとも一部と、の間に第1導電部材21がある。第2半導体層12の少なくとも一部と、第2端子52の少なくとも一部と、の間に第2導電部材22がある。
【0033】
この例では、図1に示すように、第1半導体層11の第1領域11pと、第1導電部材21と、の間に第1金属導電層11eが設けられる。第1金属導電層11eは、第1領域11pと接続されている。第1金属導電層11eと第1導電膜21Lとの間には部分的に第1絶縁膜17aが設けられ、第1金属導電層11eと第1導電膜21Lとは部分的に接続されている。第1領域11pは、第1金属層11e、及び、第1導電膜21Lを介して、第1導電部材21と電気的に接続される。第2半導体層12と、第2導電部材22と、の間に第2金属層12eが設けられる。第2金属導電層12eは、第2半導体層12と接続されている。第2金属導電層12eと第2導電膜22Lとの間には部分的に第2絶縁膜17bが設けられ、第2金属導電層12eと第2導電膜22Lとは部分的に接続されている。第2半導体層12は、第2金属層12e、及び、第2導電膜22Lを介して、第2導電部材22と電気的に接続される。
【0034】
以下、発光装置110の製造方法の例について、説明する。
図3図10は、実施形態に係る発光装置の製造方法を例示する模式的断面図である。
【0035】
図3に示すように、基板10sの上に、第1半導体層11、発光層13、及び、第2半導体層12を順に形成する。第2半導体層12の一部、及び、発光層13の一部を除去することで、第1半導体層11の一部を露出させる。これにより、半導体構造16が形成される。半導体構造16の上に、第1半導体層11の一部を露出させる孔と、第2半導体層12の一部を露出させる孔とを有する第1絶縁膜17aを形成する。第1絶縁膜17aは、第1半導体層11の側面と、発光層13の側面と、第2半導体層12の側面及び上面を被覆する。第1半導体層11の一部と電気的に接続される第1金属層11eを形成する。第1金属層11eの一部は、第1絶縁膜17aの上に設けられる。第2半導体層12と第1金属層11eとの間に、第1絶縁膜17aの一部が設けられる。第2半導体層12の一部と電気的に接続される第2金属層12eを形成する。第2金属層12eの一部は、第1絶縁膜17aの上に設けられる。第2半導体層12と第2金属層12eとの間に第1絶縁膜17aの一部が設けられる。第1金属層11e及び第2金属層12eの上に、第1金属層11eの一部を露出させる孔と、第2金属層12eの一部を露出させる孔とを有する第2絶縁膜17bを形成する。第1金属層11eの一部電気的に接続される第1導電膜21Lを形成する。第2金属層12eに電気的に接続される第2導電膜22Lを形成する。
【0036】
図4に示すように、第1導電膜21Lに第1導電部材21を形成し、第2導電膜22Lに第2導電部材22を形成する。例えば、第1導電膜21L及び第2導電膜22Lの上に孔が設けられたレジストを形成し、その後、レジストの孔内に導電材料を形成する。そして、レジストを除去することで、第1端面21eを有する第1導電部材21と、第2端面22eを有する第2導電部材22とが形成される。第1導電部材21の第1端面21eは、第2導電部材22の第2端面22eと対向する。第1端面21e及び第2端面22eは、第1半導体層11のm面に対して傾斜する。導電材料は、例えば、めっき法やスパッタリング法などで形成される。
【0037】
例えば、第1導電部材21の第1端面21e及び第2導電部材22の第1端面21eを覆い、第1導電部材21及び第2導電部材22の上に孔が設けられたレジスト65を形成する。レジスト65の孔内に、導電材料を設けることで、図5に示すように、第1導電部材21と接続された第1端子51及び第2導電部材22と接続された第2端子52が形成される。導電材料は、例えば、めっき法やスパッタリング法などで形成される。
【0038】
図6に示すように、レジスト65を除去する。レジスト65を除去することで、第1導電部材21及び第2導電部材22の表面の一部と、第1端子51及び第2端子52の表面の一部が露出される。第1導電部材21の上に第1端子51が設けられた積層構造が形成される。第2導電部材22の上に第2端子52が設けられた積層構造が形成される。
【0039】
図7に示すように、第1端子51及び第2端子52を支持基板35に対向させて、半導体構造16を支持基板35に固定する。半導体構造16を支持基板35に固定した状態で、基板10sを除去する。半導体構造16の表面が露出される。半導体構造16に含まれる第1半導体層11のm面、a面に沿って分離し、それぞれに半導体構造16が設けられた複数の構造体を形成する。その後、支持基板35を除去する。
【0040】
図8に示すように、半導体構造16を含む複数の構造体を波長変換シート30Fに固定する。例えば、波長変換シート30Fは、第1半導体層11と接する。波長変換シート30Fは、例えば、蛍光体シートである。
【0041】
図9に示すように、第1端子51の一部51p及び第2端子52の一部52pが露出された被覆部材60を形成する。例えば、第1導電部材21の表面及び第2導電部材22の表面と、第1端子51の表面及び第2端子52の表面を覆う被覆材料を形成する。そして、被覆部材60の一部を第1端子51及び第2端子52が設けられている側から除去して、第1端子51の一部51p及び第2端子52の一部52pを被覆材料から露出させる。被覆材料は、例えば、圧縮成形などで形成される。
【0042】
図10に示すように、波長変換シート30F及び被覆部材60を切断することで、それぞれに波長変換層30が設けられた複数の発光装置110が製造される。
【0043】
以下、本実施形態に係る発光装置のいくつかの例について説明する。
図11図13は、本実施形態に係る発光装置を例示する模式的上面図である。
図11図13に示すように、本実施形態に係る発光装置111~113も、半導体構造16、第1導電部材21、第2導電部材22、第1端子51、第2端子52及び被覆部材60を含む。発光装置111~113において、第1導電部材21及び第2導電部材22の形状が、発光装置110における第1導電部材21及び第2導電部材22の形状とは異なる。以下、発光装置111~113における、第1導電部材21及び第2導電部材22の形状について説明する。
【0044】
図11に示すように、発光装置111においては、第1導電部材21の第1端面21eは、第1面21ea及び第2面21ebを含む。第1面21eaと第2面21ebは連続している。第1面21ea及び第2面21ebは、第1半導体層11のm面に対して傾斜する面で実質的に構成されている。第1面21eaの延びる第1方向D1は、第1半導体層11のm面と交差する。第2面21ebの延びる第2方向D2は、第1半導体層11のm面と交差し、第1方向D1と交差する。
【0045】
第2導電部材22の第2端面22eは、第3面22ec及び第4面22edを含む。第3面22ecと第4面22edは連続している。第3面22ec及び第4面22edは、第1半導体層11のm面に対して傾斜する面で実質的に構成されている。第3面22ecは、第1方向D1に沿う。第4面22edは、第2方向D2に沿う。
【0046】
第1面21ea、第2面21eb、第3面22ec及び第4面22edは、第1半導体層11のm面と交差する。第1面21eaは、第3面22ecと対向する。第2面21ebは、第4面22edと対向する。発光装置111は、第1端面21e及び第2端面22eが、第1方向D1及び第2方向D2に沿った面を有するため、例えば第1端面21e及び第2端面22eが第1方向D1に沿った面のみを有する発光装置に比べて、さらに高い強度を備える発光装置とすることができる。
【0047】
図12に示すように、発光装置112においては、第1端面21eは、複数の第1面21ea、及び、複数の第2面21ebを含む。第2端面22eは、複数の第3面22ec、及び、複数の第4面22edを含む。上述した発光装置111と同様に、第1面21ea、第2面21eb、第3面22ec及び第4面22edは、第1半導体層11のm面と交差する。発光装置111は、第1端面21e及び第2端面22eが、第1方向D1及び第2方向D2に沿った複数の面を有することで、例えば第1端面21e及び第2端面22eが第1方向D1に沿った面のみを有する発光装置に比べて、さらに高い強度を備える発光装置とすることができる。
【0048】
図13に示すように、発光装置113においては、第1端面21eは、第1曲面部21cを有する。第2端面22eは、第2曲面部22cを有する。第2曲面部22cは、第1曲面部21cに沿う。発光装置113は、第1端面21e及び第2端面22eが第1方向D1に沿った面のみを有する発光装置に比べて、実装時の応力が直線に沿って生じにくく分散されやすいため、さらに高い強度を備える発光装置とすることができる。
【0049】
発光装置111~113においても、実装時に応力が生じた場合でも半導体構造16における損傷が抑制される。本実施形態の例示によれば、発光装置111~113の強度を向上させ、高い強度を備える発光装置を提供できる。
【0050】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、発光装置に含まれる、半導体積構造、導電部材及び端子などのそれぞれの具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
【0051】
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0052】
10s…基板、 11…第1半導体層、 11a…第1辺、 11b…第2辺、 11e第1金属層、 11p…第1領域、 11q…第2領域、 12…第2半導体層、 12e…第2金属層、 13…発光層、 15…半導体積層体、 16…半導体構造、 16a~16d…第1~第4辺部、 21…第1導電部材、 21L…第1導電膜、 21c…第1曲面部、 21e…第1端面、 21ea…第1面、 21eb…第2面、 21s…側面、 22…第2導電部材、 22L…第2導電膜、 22c…第2曲面部、 22e…第2端面、 22ec…第3面、 22ed…第4面、 22s…側面、 30…波長変換層、 30F…波長変換シート、 31…波長変換粒子、 32…透光部材、 35…支持基板、 51…第1端子、 51p…一部、 51s…側面、 52…第2端子、 52p…一部、 52s…側面、 60…被覆部材、 65…レジスト、 110~113…発光装置、 D1…第1方向、D2…第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13