(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-01
(45)【発行日】2022-04-11
(54)【発明の名称】内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20220404BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20220404BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20220404BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
A61B1/045 640
A61B1/045 610
A61B1/07 736
A61B1/06 510
A61B1/00 510
(21)【出願番号】P 2020501632
(86)(22)【出願日】2019-01-31
(86)【国際出願番号】 JP2019003444
(87)【国際公開番号】W WO2019163471
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-08-07
(31)【優先権主張番号】P 2018029496
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】特許業務法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩根 弘亮
【審査官】北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-067775(JP,A)
【文献】特開2007-153194(JP,A)
【文献】特開2006-296458(JP,A)
【文献】特開2015-195845(JP,A)
【文献】国際公開第2015/151703(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 -23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した画像の画像処理を行う画像処理部と、
前記取得した画像および/または前記画像処理を行った画像を表示する表示部と、
内視鏡に備えられる少なくとも1つの自動復帰型のスイッチと、
を有し、
前記照明光および/または前記画像処理により、互いに異なる種類の前記画像を前記表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有し、
前記スイッチの1つは、前記観察モードを変更するモード切替スイッチであり、
前記モード切替スイッチのみを操作し、前記第1観察モードにおいて、前記モード切替スイッチのオン状態の継続時間が長押し判定時間以上の場合は、前記長押し判定時間経過後であって前記オン状態が継続する間は前記第2観察モードに移行し、前記モード切替スイッチがオフ状態となった場合に前記第1観察モードに復帰し、
前記第1観察モードにおいて、前記モード切替スイッチのオン状態の継続時間が前記長押し判定時間未満の場合は、前記特定観察モードに移行する内視鏡システム。
【請求項2】
波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した画像の画像処理を行う画像処理部と、
前記取得した画像および/または前記画像処理を行った画像を表示する表示部と、
内視鏡に備えられる少なくとも1つの自動復帰型のスイッチと、
を有し、
前記照明光および/または前記画像処理により、互いに異なる種類の前記画像を前記表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有し、
前記スイッチの1つは、前記観察モードを変更するモード切替スイッチであり、
前記モード切替スイッチのみを操作し、前記第1観察モードにおいて、特定のクリック判定時間以内に、前記モード切替スイッチのオンとオフとの一連の操作が2回以上繰り返されるダブルクリックが行われた場合
、2回目のオフの後に第2観察モードに移行し、引き続き、前記クリック判定時間以内に、前記モード切替スイッチの前記ダブルクリックが行われた場合、前記第2観察モードにおける前記2回目のオフの後に前記第1観察モードに復帰し、
前記第1観察モードにおいて、前記クリック判定時間以内に、前記モード切替スイッチにおいて前記ダブルクリック以外の操作が行われた場合、前記特定観察モードに移行する内視鏡システム。
【請求項3】
前記第1観察モードは、前記照明光として第1特殊光が照明された前記被写体を撮像することにより得られる第1特殊画像を前記表示部に表示する第1特殊観察モードであり、
前記第2観察モードは、前記照明光として第2特殊光が照明された前記被写体を撮像することにより得られる第2特殊画像を前記表示部に表示する第2特殊観察モードであり、
前記特定観察モードは、前記照明光として通常光が照明された前記被写体を撮像することにより得られる通常画像を前記表示部に表示する通常観察モードであり、
前記通常光、前記第1特殊光、又は前記第2特殊光はそれぞれスペクトルが異なっている請求項
1又は2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
静止画を取得する静止画制御部と、
前記静止画を保存する静止画保存部と、
を有し、
前記スイッチの1つは、前記静止画を取得する静止画取得スイッチであり、
前記第1観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、または前記第2観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第1観察モードおよび前記第2観察モードの前記静止画を取得および保存する請求項
1ないし3のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記第1観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第1観察モードにおける前記静止画を取得および保存した後、
前記モード切替スイッチの操作によらないで、前記観察モードを前記第2観察モードに移行した後、前記第2観察モードにおける前記静止画を取得および保存し、その後、前記第1観察モードに復帰する請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記第1観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第1観察モードにおける前記静止画を取得および保存した後、前記静止画に対する静止画生成用画像処理により、前記第2観察モードの前記静止画を取得および保存する
請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記第2観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第2観察モードにおける前記静止画を取得および保存した後、前記静止画に対する静止画生成用画像処理により、前記第1観察モードの前記静止画を取得および保存する
請求項4に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記通常光は、青色レーザ光と前記青色レーザ光を蛍光体に照射して発光する蛍光を含む光であり、
前記第1特殊光は、青紫色レーザ光及び青色レーザ光と前記青紫色レーザ光及び青色レーザ光を前記蛍光体に照射して発光する蛍光を含み、且つ、前記青紫色レーザ光の発光比率が前記青色レーザ光の発光比率よりも大きい光であり、
前記第2特殊光は、前記青紫色レーザ光及び青色レーザ光と前記青紫色レーザ光及び青色レーザ光を前記蛍光体に照射して発光する蛍光を含み、且つ、前記青色レーザ光の発光比率が前記青紫色レーザ光の発光比率よりも大きい光である
請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記通常光、前記第1特殊光、又は前記第2特殊光は、紫色光、青色光、緑色光、又は赤色光を含み、且つ、それぞれの光強度比が異なっている
請求項8に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記第1特殊光は、紫色光の光強度が、青色光、緑色光、赤色光の光強度よりも大きく、
前記第2特殊光は、紫色光の光強度が、青色光、緑色光、赤色光の光強度よりも小さい
請求項9に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記第1特殊光は表層血管を強調し、前記第2特殊光は前記表層血管よりも深い位置にある深層血管を強調する請求項
8ないし10いずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項12】
前記第1特殊光と前記第2特殊光とでは、腺管構造を含む構造物に対する視認性が異なる請求項
8ないし10いずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項13】
前記画像処理部は、前記第1観察モードに対応する画像処理、前記第2観察モードに対応する画像処理、または前記特定観察モードに対応する画像処理を行う
請求項1ないし12いずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項14】
波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した画像の画像処理を行う画像処理部と、
前記取得した画像および/または前記画像処理を行った画像を表示する表示部と、
内視鏡に備えられる少なくとも1つの自動復帰型のスイッチと、
静止画を取得する静止画制御部と、
前記静止画を保存する静止画保存部と、を有し、
前記照明光および/または前記画像処理により、互いに異なる種類の前記画像を前記表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有し、
前記スイッチの1つは、前記観察モードを変更するモード切替スイッチであり、
前記第1観察モードにおいて、
前記モード切替スイッチがオン状態とされた場合、前記オン状態とされた時刻から特定の移行時間、前記第2観察モードに移行し、前記移行時間経過後に、前記第1観察モードに復帰
し、
前記スイッチの1つは、前記静止画を取得する静止画取得スイッチであり、
前記第1観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、または前記第2観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第1観察モードおよび前記第2観察モードの前記静止画を取得および保存し、
前記第1観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第1観察モードにおける前記静止画を取得および保存した後、前記静止画に対する静止画生成用画像処理により、前記第2観察モードの前記静止画を取得および保存する内視鏡システム。
【請求項15】
波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する画像取得部と、
前記取得した画像の画像処理を行う画像処理部と、
前記取得した画像および/または前記画像処理を行った画像を表示する表示部と、
内視鏡に備えられる少なくとも1つの自動復帰型のスイッチと、
静止画を取得する静止画制御部と、
前記静止画を保存する静止画保存部と、を有し、
前記照明光および/または前記画像処理により、互いに異なる種類の前記画像を前記表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有し、
前記スイッチの1つは、前記観察モードを変更するモード切替スイッチであり、
前記第1観察モードにおいて、
前記モード切替スイッチがオン状態とされた場合、前記オン状態とされた時刻から特定の移行時間、前記第2観察モードに移行し、前記移行時間経過後に、前記第1観察モードに復帰
し、
前記スイッチの1つは、前記静止画を取得する静止画取得スイッチであり、
前記第1観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、または前記第2観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第1観察モードおよび前記第2観察モードの前記静止画を取得および保存し、
前記第2観察モードにおける前記静止画取得スイッチの操作により、前記第2観察モードにおける前記静止画を取得および保存した後、前記静止画に対する静止画生成用画像処理により、前記第1観察モードの前記静止画を取得および保存する内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の観察モードを有し、異なる観察モードへの移行と元の観察モードへの復帰とを、簡便に行うことができる内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野においては、光源装置、内視鏡、及びプロセッサ装置を備える内視鏡システムを用いて診断することが一般的になっている。近年では、照明光として白色光を用いて観察対象を撮像し、観察対象を自然な色合いで観察可能な画像を取得及び表示する通常観察モードだけでなく、観察対象に照射する照明光の波長を工夫したり、観察対象を撮像して得た画像信号に分光推定処理等の信号処理を施したりすることによって、粘膜表層の微細な変化、または血管や腺管等の特定の組織や構造を強調した観察画像等を得る特殊観察モードを備えた内視鏡システムが利用されている。観察者は、これらの複数の観察モードを切替えて、異なる種類の画像を表示して比較することにより、病変のスクリーニングまたは診断を可能とし、より確実なものとしている。例えば、色調を変化させた複数の特殊観察モードの画像を比較することにより、胃などの病変部分において、癌とそれ以外の部分を表示画面上の色により識別できる可能性がある。
【0003】
通常観察モードおよび特殊観察モード等を含む観察モードの切替えは、一般的に、内視鏡に付属している押しボタン形式の自動復帰型スイッチ(モーメンタリスイッチ)により行われている。観察者により上記の押しボタンが1回押されるたびに、特定の順番で観察モードが移行し、これに応じてモニタに表示される画像も移行する。このように、観察者は、内視鏡の操作中であっても、複数の観察モードによる表示画像を、特定の順で切替えることができる。これにより、異なる種類の画像を比較することができる。
【0004】
特許文献1では、適切な観察モードが自動的に選択される内視鏡システム等が開示されている。具体的には、特許文献1の内視鏡システムは、観察モードとして特殊観察モードを有し、特殊観察モードとしてさらに2つのサブモードである特殊観察モードAと特殊観察モードBとを有し、これらの2つのサブモードのうち、拡大操作等に応じてどちらかが自動的に選択される。したがって、より適切な観察モードへの移行により、好ましい種類の画像を迅速に表示することができる。
【0005】
また、観察者が手動でスイッチを操作することにより、色調を変化させた画像に表示画像を切替えることができる内視鏡装置として、特許文献2が開示されている。この内視鏡装置は、スイッチの個数が異なる内視鏡を用いても、個数に応じてそれぞれのスイッチに柔軟に機能が割り振られ、表示画像切替の機能も所望するスイッチに割り振ることができる。したがって、観察者は、適切なスイッチを操作することにより、色調を変化させた画像に切替えて画像を比較することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-54062号公報
【文献】特開2001-70225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したとおり、通常観察モードに加えて複数の特殊観察モードを有する内視鏡システムでは、観察モードを切替えて表示画像を比較することにより、スクリーニングや診断に有用な情報が得られる。より高度に識別するためには、上記の複数の特殊観察モードの画像を、複数回、見比べることが好ましい場合がある。
【0008】
観察モードの移行は、観察者の操作により行われる場合、観察者の内視鏡の操作の妨げにならない操作方法であることが必要である。例えば、これまでは、観察者がスイッチを押下する毎に、観察モードが特定の順で循環して移行していた。この操作方法では、観察者が単一のスイッチを押下するといった、容易な方法で観察モードを移行することができる。しかしながら、例えば、3種類の観察モードが手動操作により特定の順で循環して移行する内視鏡システムでは、直前の観察モードに復帰して画像を確認したい場合、2回の押下操作が必要であった。したがって、スクリーニングまたは診断を迅速に、また高度に行うために、所望の観察モード間を迅速に切替えつつ、他の観察モードへの移行も可能である、簡便な方法が望まれる。
【0009】
本発明は、複数の観察モードを有する内視鏡システムにおいて、異なる観察モードへの移行と元の観察モードへの復帰とを、簡便に行うことができる内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の内視鏡システムは、画像取得部と、画像処理部と、表示部と、自動復帰型のスイッチとを有する。画像取得部は、波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する。画像処理部は、取得した画像の画像処理を行う。表示部は、取得した画像および/または画像処理を行った画像を表示する。自動復帰型のスイッチは、少なくとも1つ、内視鏡に備えられる。照明光および/または画像処理により、互いに異なる種類の画像を表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有する。スイッチの1つは、観察モードを変更するモード切替スイッチであり、モード切替スイッチのみを操作し、第1観察モードにおいて、モード切替スイッチのオン状態の継続時間が長押し判定時間以上の場合は、長押し判定時間経過後であってオン状態が継続する間は第2観察モードに移行し、モード切替スイッチがオフ状態となった場合に第1観察モードに復帰し、第1観察モードにおいて、モード切替スイッチのオン状態の継続時間が長押し判定時間未満の場合は、特定観察モードに移行する。
【0012】
本発明の内視鏡システムは、画像取得部と、画像処理部と、表示部と、自動復帰型のスイッチとを有する。画像取得部は、波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する。画像処理部は、取得した画像の画像処理を行う。表示部は、取得した画像および/または画像処理を行った画像を表示する。自動復帰型のスイッチは、少なくとも1つ、内視鏡に備えられる。照明光および/または画像処理により、互いに異なる種類の画像を表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有する。スイッチの1つは、観察モードを変更するモード切替スイッチであり、モード切替スイッチのみを操作し、第1観察モードにおいて、特定のクリック判定時間以内に、モード切替スイッチのオンとオフとの一連の操作が2回以上繰り返されるダブルクリックが行われた場合、2回目のオフの後に第2観察モードに移行し、引き続き、クリック判定時間以内に、モード切替スイッチのダブルクリックが行われた場合、第2観察モードにおける2回目のオフの後に第1観察モードに復帰し、第1観察モードにおいて、クリック判定時間以内に、モード切替スイッチにおいてダブルクリック以外の操作が行われた場合、特定観察モードに移行する。
【0013】
第1観察モードは、照明光として第1特殊光が照明された被写体を撮像することにより得られる第1特殊画像を表示部に表示する第1特殊観察モードであり、第2観察モードは、照明光として第2特殊光が照明された被写体を撮像することにより得られる第2特殊画像を表示部に表示する第2特殊観察モードであり、特定観察モードは、照明光として通常光が照明された被写体を撮像することにより得られる通常画像を表示部に表示する通常観察モードであり、通常光、第1特殊光、又は第2特殊光はそれぞれスペクトルが異なっていることが好ましい。
【0014】
静止画を取得する静止画制御部と、静止画を保存する静止画保存部と、を有し、スイッチの1つは、静止画を取得する静止画取得スイッチであり、第1観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、または第2観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第1観察モードおよび第2観察モードの静止画を取得および保存することが好ましい。
【0015】
第1観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第1観察モードにおける静止画を取得および保存した後、モード切替スイッチの操作によらないで、観察モードを第2観察モードに移行した後、第2観察モードにおける静止画を取得および保存し、その後、第1観察モードに復帰することが好ましい。
【0016】
第1観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第1観察モードにおける静止画を取得および保存した後、静止画に対する静止画生成用画像処理により、第2観察モードの静止画を取得および保存することが好ましい。
【0017】
第2観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第2観察モードにおける静止画を取得および保存した後、静止画に対する静止画生成用画像処理により、第1観察モードの静止画を取得および保存することが好ましい。
【0018】
通常光は、青色レーザ光と青色レーザ光を蛍光体に照射して発光する蛍光を含む光であり、第1特殊光は、青紫色レーザ光及び青色レーザ光と青紫色レーザ光及び青色レーザ光を蛍光体に照射して発光する蛍光を含み、且つ、青紫色レーザ光の発光比率を青色レーザ光の発光比率よりも大きい光であり、第2特殊光は、青紫色レーザ光及び青色レーザ光と青紫色レーザ光及び青色レーザ光を蛍光体に照射して発光する蛍光を含み、且つ、青色レーザ光の発光比率を青紫色レーザ光の発光比率よりも大きい光であることが好ましい。
【0019】
通常光、第1特殊光、又は第2特殊光は、紫色光、青色光、緑色光、又は赤色光を含み、且つ、それぞれの光強度比が異なっていること好ましい。
【0020】
第1特殊光は、紫色光の光強度が、青色光、緑色光、赤色光の光強度よりも大きく、第2特殊光は、紫色光の光強度が、青色光、緑色光、赤色光の光強度よりも小さいことが好ましい。
【0021】
第1特殊光は表層血管を強調し、第2特殊光は表層血管よりも深い位置にある深層血管を強調することが好ましい。
【0022】
第1特殊光と第2特殊光とでは、腺管構造を含む構造物に対する視認性が異なることが好ましい。
【0023】
画像処理部は、第1観察モードに対応する画像処理、第2観察モードに対応する画像処理、または特定観察モードに対応する画像処理を行うことが好ましい。本発明の内視鏡システムは、画像取得部と、画像処理部と、表示部と、自動復帰型のスイッチと、静止画を取得する静止画制御部と、静止画を保存する静止画保存部と、を有する。画像取得部は、波長帯域が異なる複数の照明光を照射して被写体を撮像して得られる複数の画像を取得する。画像処理部は、取得した画像の画像処理を行う。表示部は、取得した画像および/または画像処理を行った画像を表示する。自動復帰型のスイッチは、少なくとも1つ、内視鏡に備えられる。照明光および/または画像処理により、互いに異なる種類の画像を表示部に表示する、少なくとも第1観察モード、第2観察モード、及び特定観察モードの3種類の観察モードを有する。スイッチの1つは、観察モードを変更するモード切替スイッチであり、第1観察モードにおいて、モード切替スイッチがオン状態とされた場合、オン状態とされた時刻から特定の移行時間、第2観察モードに移行し、移行時間経過後に、第1観察モードに復帰し、スイッチの1つは、静止画を取得する静止画取得スイッチであり、第1観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、または第2観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第1観察モードおよび第2観察モードの静止画を取得および保存する。第1観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第1観察モードにおける静止画を取得および保存した後、静止画に対する静止画生成用画像処理により、第2観察モードの静止画を取得および保存する。また、第2観察モードにおける静止画取得スイッチの操作により、第2観察モードにおける静止画を取得および保存した後、静止画に対する静止画生成用画像処理により、第1観察モードの静止画を取得および保存する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の内視鏡システムによれば、異なる観察モードへの移行と元の観察モードへの復帰とを、簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図2】第1実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
【
図4】第1特殊光のスペクトルを示すグラフである。
【
図5】第2特殊光のスペクトルを示すグラフである。
【
図8】切替スイッチ操作(長押し)と観察モードとの関係を示す説明図である。
【
図9】切替スイッチ操作(押下-開放)と観察モードとの関係を示す説明図である。
【
図10】切替スイッチ操作(長押し)と観察モード復帰との関係を示す説明図である。
【
図11】従来の切替スイッチ操作と観察モードとの関係を示す説明図である。
【
図12】切替スイッチ操作(ダブルクリック)と観察モードとの関係を示す説明図である。
【
図13】切替スイッチ操作(押下-開放)と観察モードとの関係を示す説明図である。
【
図14】切替スイッチ操作(押下-開放)と観察モード復帰との関係を示す説明図である。
【
図15】切替スイッチ操作(押下-開放)と観察モード自動復帰との関係を示す説明図である。
【
図16】静止画保存部の機能を示すブロック図である。
【
図17】切替スイッチ操作(押下-開放)および静止画スイッチ操作(押下-開放)と静止画一時保存との関係を示す説明図である。
【
図18】切替スイッチ操作(ダブルクリック)および静止画スイッチ操作(押下-開放)と静止画一時保存との関係を示す説明図である。
【
図19】画像処理部の機能を示すブロック図である。
【
図20】切替スイッチ操作(押下-開放)および静止画スイッチ操作(押下-開放)と静止画生成との関係を示す説明図である。
【
図22】第2実施形態の内視鏡システムの機能を示すブロック図である。
【
図23】紫色光V、青色光B、緑色光G、および赤色光Rの発光スペクトルを示すグラフである。
【
図24】紫色光V、青色光B、緑色光G、および赤色光Rを含む第1特殊光の発光スペクトルを示すグラフである。
【
図25】紫色光V、青色光B、緑色光G、および赤色光Rを含む第2特殊光の発光スペクトルを示すグラフである。
【0026】
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態の内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、コンソール19とを有する。内視鏡12は光源装置14と光学的に接続され、且つ、プロセッサ装置16と電気的に接続される。内視鏡12は、被検体内に挿入される挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられる湾曲部12c及び先端部12dを有している。操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより、湾曲部12cは湾曲動作する。この湾曲動作に伴って、先端部12dが所望の方向に向けられる。なお、コンソール19は図示したキーボードの他、マウスなどが含まれる。
【0027】
また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、観察モードの切り替え操作に用いるモード切替スイッチ(以下、切替SWという)13aが設けられている。内視鏡システム10は、通常観察モード、第1特殊観察モード、および第2特殊観察モードの3つの観察モードを有している。通常観察モードは、照明光に白色光を用いて観察対象を撮像して得た自然な色合いの画像(以下、通常画像という)をモニタ18に表示する。第1特殊観察モードは、表層血管を強調した第1特殊画像をモニタ18上に表示する。第2特殊観察モードは、深層血管を強調した第2特殊画像をモニタ18に表示する。第1特殊観察モードと第2特殊観察モードとでは、粘膜の他、腺管構造や凹凸などの構造物に対する視認性が異なっている。例えば、第1特殊観察モードにおいて表示する第1特殊画像では、浅い腺管構造に対する視認性が高くなっており、第2特殊観察モードにおいて表示する第2特殊画像では、深い腺管構造に対する視認性が異なっている。
【0028】
また、操作部12bには、静止画を取得するための静止画取得スイッチ(以下、静止画取得SWという)13bが設けられている。ユーザーが診断に有効と思われる部位を検出した場合には、切替SW13aと静止画取得SW13bとが交互に操作されることがある。
【0029】
プロセッサ装置16は、モニタ18及びコンソール19と電気的に接続される。モニタ18は、観察対象の画像や、観察対象の画像に付帯する情報などを出力表示する、表示部の一例である。コンソール19は、機能設定などの入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像や画像情報などを記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
【0030】
図2に示すように、光源装置14は、青色レーザ光源20aと、青紫色レーザ光源20bと、光源制御部21とを有している。光源装置14は、複数波長帯域の光を発するために、中心波長445±10nmの青色レーザ光を発する青色レーザ光源(
図2では「445LD(Laser Diode)」と表記)20aと、中心波長405±10nmの青紫色レーザ光を発する青紫色レーザ光源(
図2では「405LD」と表記)20bとを発光源として備えている。これら各光源20a及び20bの半導体発光素子からの発光は、光源制御部21により個別に制御されており、青色レーザ光源20aの出射光と、青紫色レーザ光源20bの出射光の光量比は変更自在になっている。
【0031】
光源制御部21は、通常観察モードの場合には、青色レーザ光源20aを駆動させる。第1特殊観察モードの場合には、青色レーザ光源20aと青紫色レーザ光源20bの両方を駆動させ、且つ、青紫色レーザ光の発光比率を青色レーザ光の発光比率よりも大きくなるように制御する。第2特殊観察モードの場合には、青色レーザ光源20aと青紫色レーザ光源20bの両方を駆動させ、且つ、青色レーザ光の発光比率を青紫色レーザ光の発光比率よりも大きくなるように制御する。
【0032】
なお、青色レーザ光又は青紫色レーザ光の半値幅は±10nm程度にすることが好ましい。また、青色レーザ光源20a及び青紫色レーザ光源20bは、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオードを用いることもできる。また、上記光源として、発光ダイオード等の発光体を用いた構成としてもよい。
【0033】
照明光学系24aには、照明レンズ28の他に、ライトガイド26からの青色レーザ光又は青紫色レーザ光が入射する蛍光体30が設けられている。蛍光体30に、青色レーザ光が照射されることで、蛍光体30から蛍光が発せられる。また、一部の青色レーザ光は、そのまま蛍光体30を透過する。青紫色レーザ光は、蛍光体30を励起させることなく
透過する。蛍光体30を出射した光は、照明レンズ28を介して、検体内に照射される。
【0034】
ここで、通常観察モードにおいては、主として青色レーザ光が蛍光体30に入射するため、
図3に示すような、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体30から励起発光する蛍光を合波した通常光が、観察対象に照射される。第1特殊観察モードにおいては、青紫色レーザ光と青色レーザ光の両方が蛍光体30に入射するため、
図4に示すような、青紫色レーザ光、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体30から励起発光する蛍光を合波した第1特殊光が、検体内に照射される。この第1特殊光においては、青紫色レーザ光の光強度は青色レーザ光の光強度よりも大きくなっている。
【0035】
第2特殊観察モードにおいても、青紫色レーザ光と青色レーザ光の両方が蛍光体30に入射するため、
図5に示すような、青紫色レーザ光、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体30から励起発光する蛍光を合波した第2特殊光が、検体内に照射される。この第2特殊光においては、青色レーザ光の光強度は青紫色レーザ光の光強度よりも大きくなっている。
【0036】
なお、蛍光体30は、青色レーザ光の一部を吸収して、緑色~黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl10O17)等の蛍光体)を含んで構成されるものを使用することが好ましい。本構成例のように、半導体発光素子を蛍光体30の励起光源として用いれば、高い発光効率で高強度の白色光が得られ、白色光の強度を容易に調整できる上に、白色光の色温度及び色度の変化を小さく抑えることができる。
【0037】
図2に示すように、ライトガイド26は、内視鏡12及びユニバーサルコード(内視鏡12と光源装置14及びプロセッサ装置16とを接続するコード)内に内蔵されており、光源装置14からの光を内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。
【0038】
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系24aと撮像光学系24bが設けられている。照明光学系24aは照明レンズ28を有しており、この照明レンズ28を介して、ライトガイド26からの光が観察対象に照射される。撮像光学系24bは、対物レンズ32及び撮像センサ34を有している。観察対象からの反射光は、対物レンズ32を介して、撮像センサ34に入射する。これにより、撮像センサ34に観察対象の反射像が結像される。
【0039】
撮像センサ34はカラーの撮像センサであり、被検体の反射像を撮像して画像信号を出力する。この撮像センサ34は、CCD(Charge Coupled Device)撮像センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像センサ等であることが好ましい。本発明で用いられる撮像センサ34は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の3色のRGB画像信号を得るためのカラーの撮像センサ、即ち、Rフィルタが設けられたR画素、Gフィルタが設けられたG画素、Bフィルタが設けられたB画素を備えた、いわゆるRGB撮像センサである。
【0040】
なお、撮像センサ34としては、RGBのカラーの撮像センサの代わりに、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(緑)の補色フィルタを備えた、いわゆる補色撮像センサであっても良い。補色撮像センサを用いる場合には、CMYGの4色の画像信号が出力されるため、補色-原色色変換によって、CMYGの4色の画像信号をRGBの3色の画像信号に変換する必要がある。
【0041】
図2に示すように、撮像センサ34から出力される画像信号は、CDS・AGC回路36に送信される。CDS・AGC回路36は、アナログ信号である画像信号に相関二重サンプリング(CDS(Correlated Double Sampling))や自動利得制御(AGC(Auto Gain Control))を行う。CDS・AGC回路36を経た画像信号は、A/D変換器(A/D(Analog /Digital)コンバータ)38により、デジタル画像信号に変換される。A/D変換されたデジタル画像信号は、プロセッサ装置16に入力される。
【0042】
プロセッサ装置16は、内視鏡12で得られた画像などの医用画像を処理する医用画像処理装置に対応している。このプロセッサ装置16は、画像取得部40と、DSP(Digital Signal Processor)42と、ノイズ除去部44と、画像処理部46と、パラメータ切替部48と、静止画保存部49と、映像信号生成部50と、中央制御部52とを備えている。画像取得部40には、内視鏡12からのデジタルのカラー画像信号が入力される。カラー画像信号は、撮像センサ34のR画素から出力されるR画像信号と、撮像センサ34のG画素から出力されるG画像信号と、撮像センサ34のB画素から出力されるB画像信号とから構成されるRGB画像信号である。
【0043】
DSP42は、受信した画像信号に対して、欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン処理、色調整処理、ガンマ変換処理、又はデモザイク処理等の各種信号処理を施す。欠陥補正処理では、撮像センサ34の欠陥画素の信号が補正される。オフセット処理では、欠陥補正処理が施されたRGB画像信号から暗電流成分が除かれ、正確な零レベルが設定される。
【0044】
ゲイン処理では、オフセット処理後のRGB画像信号に特定のゲインパラメータを乗じることにより信号レベルが整えられる。特定のゲインパラメータは、観察モード毎に異なっている。例えば、通常観察モードの場合であれば、通常光の照明及び撮像により得られた画像信号に対して、特定のゲインパラメータとして、通常光用ゲインパラメータを乗じる通常光用ゲイン処理を行う。また、第1特殊観察モードの場合であれば、第1特殊光の照明及び撮像により得られたRGB画像信号(第1画像)に対して、特定のゲインパラメータとして、第1特殊光用ゲインパラメータを乗じる第1特殊光用ゲイン処理を行う。また、第2特殊観察モードの場合であれば、第2特殊光の照明及び撮像により得られたRGB画像信号(第2画像)に対して、特定のゲインパラメータとして、第2特殊光用ゲインパラメータを乗じる第2特殊光用ゲイン処理を行う。
【0045】
その後、ガンマ変換処理によって明るさや彩度が整えられる。リニアマトリクス処理後のRGB画像信号には、デモザイク処理(等方化処理、同時化処理とも言う)が施され、各画素で不足した色の信号が補間によって生成される。このデモザイク処理によって、全画素がRGB各色の信号を有するようになる。
【0046】
ノイズ除去部44は、DSP42でガンマ補正等が施されたRGB画像信号に対してノイズ除去処理(例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等)を施すことによって、RGB画像信号からノイズを除去する。ノイズが除去されたRGB画像信号は、画像処理部46に送信される。
【0047】
画像処理部46は、
図6に示すように、色調整処理部53、構造強調処理部54、一般画像処理部55、および静止画制御部56を有する。画像処理部46は、RGB画像信号に対して、各種の画像処理を施す。各種の画像処理には、観察モードに関わらず同じ条件で行われる一般画像処理の他、観察モード毎に異なる条件で行われる画像処理がある。一般画像処理部55は、一般画像処理を行う。観察モード毎に異なる条件で行われる画像処理には、色再現性を高めるための色調整処理、及び、血管や凹凸などの各種構造を強調するための構造強調処理が含まれる。色調整処理部53は、色調整処理を行い、構造強調処理部54は、構造強調処理を行う。色調整処理及び構造強調処理は、2次元LUT(Look Up Table)、3次元LUT(Look Up Table)、又はマトリックスなどを用いる処理である。画像処理部46では、色調整処理及び構造強調処理を行う場合には、観察モード毎に設定された色調整処理パラメータと、構造強調処理パラメータが用いられる。これら色調整処理パラメータ又は構造強調処理パラメータの切替は、切替SW13aが操作されたことに従って、パラメータ切替部48により行われる。
【0048】
通常観察モードにセットされている場合には、画像処理部46は、パラメータ切替部48によって通常光用色調整処理パラメータと通常光用構造強調処理パラメータに切り替えられる。そして、通常光用色調整処理パラメータを用いて、RGB画像信号に対して通常光用色調整処理を施し、且つ、通常光用構造強調処理パラメータを用いて、RGB画像信号に対して通常光用構造強調処理を施す。そして、その他の通常観察モードに対応する画像処理が施されたRGB画像信号は、通常画像として、映像信号生成部50に入力される。
【0049】
第1特殊観察モードにセットされている場合には、画像処理部46は、パラメータ切替部48によって第1特殊光用色調整処理パラメータと第1特殊光用構造強調処理パラメータに切り替えられる。そして、第1特殊光用色調整処理パラメータを用いて、RGB画像信号に対して第1特殊光用色調整処理を施し、且つ、第1特殊光用構造強調処理パラメータを用いて、RGB画像信号に対して第1特殊光用構造強調処理を施す。そして、その他の第1特殊観察モードに対応する画像処理が施されたRGB画像信号は、第1特殊画像として、映像信号生成部50に入力される。
【0050】
第2特殊観察モードにセットされている場合には、画像処理部46は、パラメータ切替部48によって第2特殊光用色調整処理パラメータと第2特殊光用構造強調処理パラメータに切り替えられる。そして、第2特殊光用色調整処理パラメータを用いて、RGB画像信号に対して第2特殊光用色調整処理を施し、且つ、第2特殊光用構造強調処理パラメータを用いて、RGB画像信号に対して第2特殊光用構造強調処理を施す。そして、その他の第2特殊観察モードに対応する画像処理が施されたRGB画像信号は、第2特殊画像として、映像信号生成部50に入力される。
【0051】
静止画制御部56は、各観察モードの静止画に関する制御を行う。静止画制御部56の詳細については、以下で説明する。
【0052】
静止画保存部49は、静止画制御部56の指示により、各観察モードの静止画を保存する。保存された静止画は、静止画制御部56の指示により映像信号生成部50へ送られる。なお、モニタ18に表示するために映像信号生成部50へ送られる静止画は、1つとは限らず、例えば、観察モード毎の複数の静止画とすることができる。この場合、モニタ18は複数の静止画を同時に、または特定の順番で表示する。
【0053】
映像信号生成部50は、画像処理部46から入力された通常画像、第1特殊画像、もしくは第2特殊画像または静止画保存部49から入力された静止画を、モニタ18で表示可能な画像として表示するための映像信号に変換する。この映像信号に基づいて、モニタ18は、通常画像、第1特殊画像、もしくは第2特殊画像または静止画を表示する。
【0054】
中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部の制御を行う。また、中央制御部52は、内視鏡12又は光源装置14からの情報を受信し、受信した情報に基づいて、プロセッサ装置16の各部の制御や、内視鏡12又は光源装置14の制御を行う。
【0055】
図7に示すように、中央制御部52は、モード切替SW検出部57、判定部58および静止画取得SW検出部59を有する。モード切替SW検出部57は、切替SW13aのオン状態またはオフ状態の操作を検出する。静止画取得SW検出部59は、静止画取得SW13bのオン操作を検出する。判定部58は、モード切替SW検出部57の結果に基づき、予め設定された条件により、各種の判定を行う。上記モード切替SW検出部57の結果とは、例えば、切替SW13aのオン状態またはオフ状態の継続時間、切替回数等である。中央制御部52、モード切替SW検出部57、および判定部58は、以下の(1)または(2)のように機能する。
【0056】
(1)サブモード移行および復帰ならびにメインモード移行
例えば、第1特殊観察モードで観察している場合に、切替SW13aの操作のみで、第2特殊観察モードへ移行し、その後、第1特殊観察モードへ復帰することができる。また、第1特殊観察モードで観察している場合に、切替SW13aの操作のみで、通常観察モードへの移行を行うことができる。したがって、切替SW13aの単一スイッチの操作のみで、特殊観察モード間の移行および復帰と、通常観察モードへの移行を行うことができる。第1特殊観察モードと通常観察モードとをメインモード、第2特殊観察モードをサブモードとした場合、切替SW13aの単一スイッチの操作のみで、サブモードへの移行と復帰、およびメインモードの移行を行うことができる。
【0057】
具体的には、第1特殊観察モードにおいて、切替SW13aのオン状態の継続時間が、長押し判定時間t1以上であった場合、中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部の制御や、内視鏡12又は光源装置14の制御として、観察モードを第2観察モードに移行する指示を行う。一方、第1特殊観察モードにおいて、切替SW13aのオン状態の継続時間が、長押し判定時間t1未満であった場合、中央制御部52は、同様に、観察モードを第3観察モードに移行する指示を行う。なお、本実施形態において、切替SW13aは、モーメンタリスイッチまたはプッシュスイッチと呼ばれる自動復帰型のスイッチである。
【0058】
図示により説明すると、
図8および
図9において、上部が切替SW13a(切替SW)のオフ(off)およびオン(on)の状態を、下部が観察モードの種類を、時間軸(t)で示している。第1特殊観察モード(
図8、第1)において、モード切替SW検出部57により、切替SW13aがオン状態となり、オン状態が継続され、その後、長押し判定時間t1を超えてオン状態が継続していることが検出された場合、判定部58は、切替SW13aが長押しされたと判定する。つまり、判定部58は、オン状態の継続時間tonと長押し判定時間t1とを比較する。判定部58が、切替SW13aが長押しをされたと判定した場合、中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部、内視鏡12または光源装置14の制御として、観察モードを第2観察モードに移行する指示を行う。その結果、観察モードは、第1特殊観察モードから、切替SW13aのオン状態の継続時間tonが長押し判定時間t1を超えたときに、第2特殊観察モード(
図8、第2)に移行する。続いて、モード切替SW検出部57が、オン状態からオフ状態となったことを検出すると、中央制御部52は、観察モードを第1特殊観察モードに復帰する指示を行う。その結果、観察モードは、第2特殊観察モードから、切替SW13aがオフ状態とされたときに、第1特殊観察モードに移行する。以上により、切替SW13aを長押ししている期間、サブモードに一時的に移行し、切替SW13aの長押しを解除すると、元の観察モードに復帰し、サブモードへの移行と復帰とが容易に行われる。
【0059】
一方、
図9に示すように、第1特殊観察モード(
図9、第1)において、モード切替SW検出部57により、切替SW13a(
図9、切替SW)がオン(on)状態となり、オン状態が継続され、その後、長押し判定時間t1に達する前にオフ(off)状態となったことが検出された場合、判定部58は長押しがされていないと判定する。中央制御部52は、切替SW13aが長押しをされなかったと判定した場合、プロセッサ装置16の各部、内視鏡12または光源装置14の制御として、観察モードを通常観察モードに移行する指示を行う。その結果、観察モードは、第1特殊観察モードから、切替SW13aがオフ状態とされたときに、通常観察モード(
図9、通常)に移行する。以上により、切替SW13aを長押ししなかった場合は、メインモードの移行が行われる。
【0060】
上記のような切替SW13aの操作と、観察モードの移行および復帰との流れの一例を、
図10に示す。通常観察モードにおいて(
図10、通常)、切替SW13aを一度、長押し判定時間t1より短い時間、オン状態となるように押下し、その後開放させることにより(
図10、押下-開放)、通常観察モードから第1特殊観察モード(
図10、第1特殊)への移行が行われる。すなわち、切替SW13aを一度クリックすることにより、メインモードの移行が行われる。その後、切替SW13aを押下して、押下の状態を維持し(
図10、押下中(長押し))、押下中の時間が長押し判定時間t1以上の場合、長押し判定時間t1経過後に第2特殊観察モード(
図10、第2特殊)へ移行し、その後切替SW13aを開放すると(
図10、開放)、第1特殊観察モード(
図10、第1特殊)へ移行し、サブモードの移行と復帰が行われる。なお、図示はしていないが、第1特殊観察モードにおいて、さらに切替SW13aの長押しを行うことにより、複数回、第1特殊観察モードから第2特殊観察モードへの移行が可能である。また、第1特殊観察モードにおいて、長押し判定時間t1より短い時間オン状態となるように、切替SW13aをクリックすることにより、メインモードの移行が行われ、通常観察モードに移行する。
【0061】
図11は、従来技術における、切替SW13aの操作と観察モードの移行および復帰との流れの一例を示している。切替SW13aは、いわゆる、トグル式のスイッチであり、切替SW13aの1回の押下および開放により、予め設定されている観察モードの移行順番に従って、観察モードが移行する。通常観察モードにおいて(
図11、通常)、切替SW13aを1回クリック等することにより(
図11、押下-開放・1)、次の観察モードに設定されている第1特殊観察モード(
図11、第1特殊)に移行し、ここで切替SW13aを1回クリック等することにより(
図11、押下-開放・2)、次の観察モードに設定されている第2特殊観察モード(
図11、第2特殊)に移行し、ここで切替SW13aを1回クリック等(
図11、押下-開放・3)することにより、次の観察モードに設定されている通常観察モード(
図11、通常)に移行する。これ以降も、上記と同様に操作と以降とが繰り返される(
図11、押下―開放・4)。つまり、切替SW13aの操作により、通常観察モード、第1特殊観察モード、および第2特殊観察モードを、循環して移行する。この場合、例えば、第2特殊観察モードから、第1特殊観察モードへ移行したい場合、切替SW13aの操作が2回(
図11、押下-開放・3および押下-開放・4)必要である。一方、本実施形態の場合は、上記移行は、切替SW13aの押下中は、切替SW13aの開放のみの操作で行うことができる(
図10参照)。
【0062】
なお、中央制御部52および/または判定部58には、予め観察モードの移行の仕方を自由に設定することができる。したがって、例えば、メインモードおよびサブモードに設定する観察モードの種類、切替SW13aを長押ししてどの観察モードに移行するかの移行の仕方などを、自由に設定することができる。また、判定部58において、長押し判定時間t1の具体的な数値は、予めまたはリアルタイムで設定することができる。なお、長押し判定時間t1は、本実施形態では、例えば、2秒に設定される。
【0063】
上記と異なる操作によっても、切替SW13aの操作と、モード切替SW検出部57および/または判定部58の設定とにより、同様に観察モードの移行を行うことができる。例えば、切替SW13aの操作として、クリックとダブルクリックとを採用することができる。上記の長押しの代わりにダブルクリックを検出させることによっても、切替SW13aの単一のスイッチの操作のみで、サブモードへの移行と復帰およびメインモードの移行を、容易に行うことができる。
【0064】
具体的には、第1特殊観察モードにおいて、モード切替SW検出部57により切替SW13aのオンとオフとの一連の操作が少なくとも2回検出され、かつ、この複数の一連の操作が、判定部58に予め設定された特定の期間(以下、クリック判定時間という。)以内に行われたと判定部58が判定した場合、中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部の制御や、内視鏡12又は光源装置14の制御として、観察モードを、第2観察モードに移行する指示を行う。なお、本実施形態では、切替SW13aのオンとオフとの一連の操作が少なくとも2回行われることを、ダブルクリックとしている。一方、切替SW13aの操作が上記条件に合致しない場合、すなわち、第1特殊観察モードにおいて、クリック判定時間以内に、切替SW13aのオンとオフとの一連の操作が少なくとも2回行われる以外の態様で切替SW13aが操作された場合、中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部の制御や、内視鏡12又は光源装置14の制御として、観察モードを、通常観察モードに移行する指示を行う。つまり、ダブルクリックによりサブモードの切替を行い、ダブルクリック以外の操作によりメインモードの切替を行う。
【0065】
図示により説明すると、
図12および
図13において、上部が切替SW13a(切替SW)のオフ(off)およびオン(on)の状態を、下部が観察モードの種類を、時間軸(t)で示している。第1特殊観察モード(
図12、第1)において、モード切替SW検出部57により、切替SW13aのオンとオフとの一連の操作が少なくとも2回検出され、判定部58が、この複数の一連の操作が、クリック判定時間t2以内に行われたと判定した場合、判定部58は、切替SW13aがダブルクリックされたと判定する。この場合、中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部、内視鏡12または光源装置14の制御として、ダブルクリックにおける2回目のオフの後、観察モードを第2観察モードに移行する指示を行う。その結果、観察モードは、第1特殊観察モードから第2特殊観察モード(
図12、第2)に移行する。第2特殊観察モードにおいても、上記と同様であり、モード切替SW検出部57により、切替SW13aのオンとオフとの一連の操作が少なくとも2回検出され、判定部58が、この複数の一連の操作が、クリック判定時間t2以内に行われたと判定した場合、判定部58は、切替SW13aがダブルクリックされたと判定し、ダブルクリックにおける2回目のオフの後、観察モードは、第2特殊観察モードから第1特殊観察モードに復帰する。なお、クリック判定時間t2は、予めまたはリアルタイムで自由に設定可能である。本実施形態では、クリック判定時間t2は、例えば、0.5秒に設定されている。一方、
図13に示すように、第1特殊観察モード(
図13、第1)において、モード切替SW検出部57により、切替SW13aのオンとオフとの一連の操作が1回のみ検出され、判定部58が、この1回の操作が、クリック判定時間t2以内に行われたと判定した場合、判定部58は、切替SW13aによりダブルクリックが行われなかったと判定する。この場合、中央制御部52は、第1特殊観察モードから通常観察モードに移行する。
【0066】
なお、上記のような、長押し、ダブルクリック、またはその他の操作を組み合わせて使用しても良い。例えば、第1特殊観察モードにおいて、切替SW13aの長押し中はサブモードである第2観察モードに移行し、長押しを開放することにより第1特殊観察モードに復帰し、かつ、第1特殊観察モードにおいて、ダブルクリックすることによりメインモードが切替わり、通常観察モードに移行する等である。また、観察モード毎に、切替SW13aの操作とその作用を異なるようにすることもできる。例えば、通常モードにおいては、切替SW13aの長押し中は第1特殊観察モードに移行し、第1特殊観察モードにおいては、切替SW13aの長押し中は第2特殊観察モードに移行することができる。これらのような組み合わせによっても、切替SW13aの単一のスイッチの操作のみで、サブモードへの移行と復帰およびメインモードの移行を、容易に行うことができる。
【0067】
以上のとおり、切替SW13aの押下または開放の操作のみで、一時的にサブモードへの移行および復帰が容易に行うことができ、さらに、同じ切替SW13aの押下または開放の操作のみで、メインモードの移行をすることができる。したがって、例えば、第1特殊観察モードと第2特殊観察モードなどの2種類の異なる種類の画像を短時間に容易に切替えて表示し、さらに、迅速に通常観察モードに移行することができる。これにより、第1特殊観察モードまたは第2特殊観察モードにより、異なる画像を比較しながら病変部の観察を迅速かつ高度に行うことができ、さらに、迅速に通常観察モードに移行して、観察位置が把握しやすい画像を表示させることにより、安全かつ迅速に、別の観察位置に内視鏡を移動させることができる。したがって、内視鏡による高度な観察を、安全、迅速に行うことができる。
【0068】
(2)一時的なサブモードへの移行
一時的にサブモードに移行する他の態様として、以下の態様が挙げられる。切替SW13aが自動復帰型スイッチであって、オン状態とされた場合、その後特定の時間(以下、移行時間という)第2観察モードに移行し、移行期間経過後に第1特殊観察モードに復帰する。
【0069】
図示により説明すると、
図14において、上部が切替SW13a(切替SW)のオン(on)およびオフ(off)の状態を、下部が観察モードを、時間軸(t)で示している。第1特殊観察モードにおいて、モード切替SW検出部57により、切替SW13aがオン状態となったことが検出された場合、判定部58は、一時的にサブモードへの移行を行うことを判定し、中央制御部52は、プロセッサ装置16の各部、内視鏡12または光源装置14の制御として、観察モードを第2観察モードに移行期間t3の間移行させ、移行期間t3経過後に第1特殊観察モードに復帰する指示を行う。その結果、観察モードは、第1特殊観察モード(
図14、第1)から第2特殊観察モード(
図14、第2)に、直ちに移行する。その後、移行期間t3の間は、第2特殊観察モードが継続され、移行期間t3経過後は、第1特殊観察モードに復帰する。以上により、切替SW13aを一度オン状態に押下することにより、別の観察モードに一時的に移行し、移行期間後、自動的に元の観察モードに復帰し、観察モードの移行と復帰とが容易に行われる。
【0070】
この場合は、切替SW13aを押下してオン状態にした後、切替SW13aを開放しても、開放せずに押下しつづけても、どちらであっても、移行期間t3経過後に自動的に元の観察モードに復帰する。メインモードの移行は、例えば、切替SW13aをダブルクリックすることにより移行してもよい。また、移行期間t3は、予めまたはリアルタイムで自由に設定することができる。本実施形態では、例えば、移行期間t3は、5秒に設定されている。
【0071】
上記のような切替SW13aの操作と、観察モードの移行および復帰との流れの一例を、
図15に示す。
図15において、切替SW13aを1回操作して押下および開放することにより(
図15、押下-開放・5)、通常観察モード(
図15、通常)から第1特殊観察モード(
図15、第1特殊)への移行が行われる。すなわち、切替SW13aを一度クリックすることにより、メインモードの移行が行われる。その後、第1特殊観察モードにおいて、切替SW13aを1回オン状態となるように押下および開放すると(
図15、押下-開放・6)、第2特殊観察モード(
図15、第2特殊)へ移行し、移行期間t3経過後、第1特殊観察モードへ復帰する。なお、図示はしていないが、第1特殊観察モードにおいて、さらに切替SW13aの押下を行うことにより、複数回、第1特殊観察モードから第2特殊観察モードへの移行が可能である。
【0072】
上記の実施形態では、通常観察モードおよび第1特殊観察モードをメインモードとし、第1特殊観察モードのサブモードとして第2特殊観察モードを設定した。第1特殊観察モードは、表層血管を強調した第1特殊画像をモニタ18上に表示する。第2特殊観察モードは、深層血管を強調した第2特殊画像をモニタ18に表示する。第1特殊観察モードと第2特殊観察モードとでは、粘膜の他、腺管構造や凹凸などの構造物に対する視認性が異なっている。例えば、第1特殊観察モードにおいて表示する第1特殊画像では、浅い腺管構造に対する視認性が高くなっており、第2特殊観察モードにおいて表示する第2特殊画像では、深い腺管構造に対する視認性が異なっている。したがって、サブモードの切替により、血管の立体的な構造を把握したり、表層血管だけでは診断が難しい病変を、凹凸および/または腺管構造を把握することにより、診断を容易にすることが可能となる。
【0073】
以上のとおり、切替SW13aの1回の押下の操作のみで、一時的にサブモードへの移行および復帰を容易に行うことができる。したがって、2種類の異なる種類の画像を容易に切替えて表示することができ、例えば、病変部の観察を、2種類の特殊観察モードによる画像を容易に切替えて表示して行うことができる。
【0074】
(3)静止画
次に、静止画の取得および保存は以下のように行われる。例えば、第1特殊観察モードにおいて静止画取得SW13b(
図1参照)が操作された場合、または第2特殊観察モードにおいて静止画取得SW13bが操作された場合、静止画制御部56(
図6参照)が、静止画取得SW検出部59(
図7参照)の操作の検出にしたがって、第1特殊観察モードの静止画(以下、第1静止画という)および第2特殊観察モードの静止画(以下、第2静止画という)を取得および保存に関する制御を行う。
図16に示すように、静止画保存部49は、一時保存部60と保存部61とを有し、取得された静止画は、まず一時保存部60に保存され、その後、適切な静止画が保存部61に保存される。第1静止画および第2静止画を取得および保存する方法としては、観察モードの切替に応じて静止画を取得する場合と、観察モードの切替を行わずに静止画を取得する場合とがある。
【0075】
観察モードの切替に応じて静止画を取得する一例を
図17および
図18に示して説明する。
図17および
図18において、上部から順に、切替SW13a(切替SW)のオン(on)およびオフ(off)の状態、その下に、順に、静止画取得SW13b(静止画SW)のオン(on)およびオフ(off)の状態、観察モード、一時保存されている静止画、および保存された静止画が、時間軸(t)で示されている。例えば、切替SW13aを操作することにより(
図17、切替SW)、観察モードが第1特殊観察モードとなる(
図17、観察モード)。ここで、静止画取得SW13bを操作することにより(
図17、静止画SW)、中央制御部52(
図2参照)および静止画制御部56は、静止画取得SW13bが操作された時点の第1静止画を取得および一時保存する(
図17、一時保存)。第1静止画が一時保存された後に、自動的に観察モードを第2特殊観察モードに移行させ(
図17、観察モード)、第2静止画を取得および一時保存する(
図17、一時保存)。第2静止画が一時保存された後に、一時保存されていた第1静止画と上記の第2静止画とが保存部61に保存され、かつ、観察モードが自動的に第1特殊観察モードに復帰する(
図17、観察モード)。保存部61に保存された第1静止画および第2静止画は、モニタ18に表示するために、映像信号生成部50に送られる。第2特殊観察モードへの移行と第1特殊観察モードへの復帰は、中央制御部52により自動的に行われる。上記移行および復帰の期間は、第2静止画が取得および保存できる期間であればよく、このような各種制御は中央制御部52により行われる。
【0076】
以上のように、静止画取得SW13bの1度の操作により、第1特殊観察モードおよび第2特殊観察モードの静止画が保存され、これらの静止画を同時に表示することができる。したがって、2つの異なった種類の静止画をより良く比較することができる。なお、上記では、第1特殊観察モードにおいて静止画取得SW13bを操作することにより、切替SW13aを操作することなく第2特殊観察モードに移行して静止画を取得する場合について記載したが、第2特殊観察モードにおいても同様に、静止画取得SW13bを操作することにより、切替SW13aを操作することなく第1特殊観察モードに移行して静止画を取得する。
【0077】
観察モードの切替に応じて静止画を取得する他の一例を
図18に示して説明する。例えば、切替SW13aを操作することにより、観察モードが第1特殊観察モードから第2特殊観察モードに移行する指示がされると(
図18、切替SW)、第1静止画を一時保存した後に(
図18、一時保存)、観察モードが第2観察モードに移行される(
図18、観察モード)。第2観察モードにおいて、静止画取得SW13b(
図1参照)を操作することにより(
図18、静止画SW)、静止画取得SW13bが操作された時点の第2静止画が取得および一時保存される(
図18、一時保存)。第2静止画が一時保存された後に、観察モードを移行する際に一時保存されていた第1静止画と上記の第2静止画とが、保存部61に保存される。保存部61に保存された第1静止画および第2静止画は、モニタ18に表示するために、映像信号生成部50に送られる。
【0078】
以上の方法によっても、静止画取得SW13bの1度の操作により、第1特殊観察モードおよび第2特殊観察モードの静止画が保存され、これらの静止画を同時に表示することができる。したがって、2つの異なった種類の静止画をより良く比較することができる。なお、上記では、第2特殊観察モードにおいて静止画取得SW13bを操作することにより、第1静止画および第2静止画を取得する場合について記載したが、第1特殊観察モードにおいても同様に、静止画取得SW13bを操作することにより、第1静止画および第2静止画を取得する。
【0079】
観察モードの切替を行わずに静止画を取得する一例を
図19および
図20に示して説明する。
図19に示すように、画像処理部46は、静止画生成部62を有する。
図20において、上部から順に、切替SW13a(切替SW)のオン(on)およびオフ(off)の状態、静止画取得SW13b(静止画SW)のオン(on)およびオフ(off)の状態、観察モード、一時保存されている静止画(一時保存)、生成された静止画(静止画生成)、および保存された静止画(保存)が、時間軸(t)で示されている。例えば、切替SW13aを操作することにより(
図20、切替SW)、観察モードが第1特殊観察モードとされている(
図20、観察モード)。ここで、静止画取得SW13bを操作することにより(
図20、静止画SW)、静止画取得SW13bが操作された時点の第1静止画を取得および一時保存する(
図20、一時保存)。静止画生成部62は、一時保存された第1静止画のRGB画像信号を画像処理することによって、第2特殊観察モードの表示用静止画(以下、第2表示用静止画という)を生成する(
図20,静止画生成)。生成された第2表示用静止画は、第1静止画とともに、保存される(
図20、保存)。
【0080】
なお、第1静止画のRGB画像信号は、B画像信号、G画像信号、およびR画像信号を含む。第2表示用静止画を生成する方法としては、第1静止画のB画像信号、G画像信号、およびR画像信号に対して、輝度色差信号変換処理、輝度信号割り当て処理、色差信号補正処理、およびRGB変換処理を行う静止画生成用画像処理による方法があげられる。静止画生成用画像処理では、輝度色差信号変換処理、輝度信号割り当て処理、色差信号補正処理、およびRGB変換処理の4つの処理を行う。
【0081】
第1静止画から第2表示用静止画を作成する方法の一例を以下に説明する。まず、第1静止画におけるB画像信号、G画像信号、R画像信号に対して、輝度色差信号変換処理を行って、輝度信号Y、色差信号Cr、Cbに変換する。次に、輝度信号YをG画像信号(第1静止画の緑色信号)に割り当てる輝度信号割り当て処理を行うことによって、輝度信号Yを輝度信号Ymに変換する。G画像信号は、中深層血管の情報を含んでいることから、第2表示用静止画を、中深層血管を強調した画像にすることができる。次に、輝度信号Yを輝度信号Ymに変換することに伴う色差信号Cr、Cbのずれを補正する色差信号補正処理を行う。そして、輝度信号Ym、色差信号Cr×Ym/Y、色差信号Cb×Ym/Yに対して、RGB変換処理を行うことによって、B2画像信号、G2画像信号、R2画
像信号に変換する。これらのB2画像信号、G2画像信号、R2画像信号が、第2表示用静止画となる。
【0082】
また、上記と同様に、
図20に示すように、第2特殊観察モードにおいて静止画取得SW13b(
図1参照)が操作された場合(
図20、静止画SW)、静止画取得SW13bが操作された時点の第2静止画を取得および一時保存する(
図20、一時保存)。静止画生成部62は、一時保存された第2静止画のRGB画像信号を画像処理することによって、第1特殊観察モードの表示用静止画(以下、第1表示用静止画という)を生成し(
図20,静止画生成)、一時保存する(
図20、一時保存)。なお、上記と同様、第2静止画のRGB画像信号は、B画像信号、G画像信号、およびR画像信号を含み、第1表示用静止画を生成する方法は、上記と同様であり、第2静止画を対象として静止画生成用画像処理を行うことにより、第1表示用静止画を生成する。すなわち、第2静止画におけるB画像信号、G画像信号、R画像信号に対して、輝度色差信号変換処理を行なった後、輝度信号YをBs画像信号(観察画像の第1色信号(青色信号))に割り当てる輝度信号割り当て処理を行うことによって、輝度信号Yを輝度信号Ynに変換する。Bs画像信号は、後述するように、表層血管の情報を含んでいることから、第1表示用観察画像を、表層血管を強調した画像にすることができる。その後、上記と同様に、色差信号補正処理を行い、引き続き、RGB変換処理を行うことによって、B1画像信号、G1画像信号、R1画像信号に変換する。これらのB1画像信号、G1画像信号、R1画像信号が、第1表示用静止画となる。
【0083】
なお、上記の静止画取得方法では、一例として、第1特殊観察モードと第2特殊観察モードとの静止画取得について説明したが、その他の観察モードにおいても、同様の方法により複数の観察モードにおける静止画を取得することが可能である。例えば、第1特殊観察モードにおいて静止画取得SW13b(
図1参照)が操作された場合は、上記のとおり、第1特殊観察モードの静止画と第2特殊観察モードの静止画とを取得および保存する場合と、第1特殊観察モードの静止画と通常観察モードの静止画とを取得および保存する場合がある。
【0084】
同様に、第2特殊観察モードにおいて静止画取得SW13b(
図1参照)が操作された場合は、第2特殊観察モードの静止画と第1特殊観察モードの静止画とを取得および保存する場合と、第2特殊観察モードの静止画と通常観察モードの静止画とを取得および保存する場合がある。同様に、通常観察モードにおいて静止画取得SW13bが操作された場合は、通常観察モードの静止画と第1特殊観察モードの静止画とを取得および保存する場合と、通常観察モードの静止画と第2特殊観察モードの静止画とを取得および保存する場合がある。
【0085】
また、上記のとおり、2種類の静止画を取得および保存する以外にも、上記と同様の手法により、3種類の観察モードの全ての静止画を取得および保存してもよい。また、観察モードが2種類または4種類以上の場合も同様であり、2種類または3種類以上の静止画を取得および保存することができる。また、観察モードの種類の数にかかわらず、どの観察モードの静止画を選択して取得および保存するかは、設定により指定することができる。
【0086】
取得および保存された静止画の表示態様は、設定により適宜指定できる。一例として、本実施形態では、
図21に示すように、第1観察モードにおいて、表示に供される第1静止画66と第2静止画67とを順に自動的に切替える、アニメーションのような表示態様にてモニタ18に表示することができる。モニタ18において、表層血管が強調された第1静止画66と深層血管が強調された第2静止画67とが、例えば、色調が調整された上で、1秒間隔で自動的に切替えられながら、大きいメイン画面64に表示される。このように静止画が切替えられる間も、第1特殊観察モードの動画は、小さいサブ画面63に、切替えられずに継続して表示される。したがって、メイン画面64を見ることにより、2つの静止画の異なった箇所を見つけやすくなり、また、アニメーションによる残像のため、立体的に血管を把握できるイメージ65を得ることができる。
【0087】
以上のように、静止画取得SW13b(
図1参照)の1度の操作により、第1特殊観察モードおよび第2特殊観察モードの静止画が保存され、これらの静止画を同時に表示することができる。したがって、2つの異なった種類の静止画をより良く比較することができ、2つの静止画における相違点が見つけやすくなる。また、例えば、表層血管が強調された第1特殊観察モードの静止画と、深層血管が強調された第2特殊観察モードの静止画とが、短い間隔で切替えられ、アニメーションのように表示される。したがって、人が見た場合に、残像により立体的に血管を把握できるイメージ65(
図21参照)を得ることができ、診断を容易、確実にできる可能性がある。なお、静止画の各種画像処理、切替の間隔、またはアニメーションの詳細等は、適宜、設定により指定できる。また、静止画は他の表示態様により表示してもよく、例えば、一つのモニタに2種類の観察モードのそれぞれの静止画を並べて表示する等の態様により、これらの静止画の比較を容易にすることもできる。
【0088】
[第2実施形態]
第2実施形態では、上記第1実施形態で示したレーザ光源の代わりに、4色のLEDを光源として用いる。それ以外については、第1実施形態と同様であり、
図22において、
図1~21と同じ符号を付したものは、第1実施形態にて説明したとおりであるので説明を略す。
【0089】
図22に示すように、内視鏡システム70において、光源装置71は、光源73と、光源制御部72と、光路結合部74とを有している。光源73は、複数波長帯域の光を発光し、且つ、各波長帯域の光の発光強度の変更が可能となっている。光源73は、複数波長帯域の光を発するために、V-LED(Violet Light Emitting Diode)73a、B-LED(Blue Light Emitting Diode)73b、G-LED(Green Light Emitting Diode)73c、R-LED(Red Light Emitting Diode)73dを有している。なお、LEDの代わりに、LD(Laser Diode)を用いてもよい。
【0090】
光源制御部72は、LED73a~73dの駆動を制御する。光路結合部74は、4色のLED73a~73dから発せられる4色の光の光路を結合する。光路結合部74で結合された光は、挿入部12a内に挿通されたライトガイド26及び照明レンズ28を介して、被検体内に照射される。
【0091】
図23に示すように、V-LED73aは、中心波長405±10nm、波長範囲380~420nmの紫色光Vを発生する。B-LED73bは、中心波長460±10nm、波長範囲420~500nmの青色光Bを発生する。G-LED73cは、波長範囲が480~600nmに及ぶ緑色光Gを発生する。R-LED73dは、中心波長620~630nmで、波長範囲が600~650nmに及ぶ赤色光Rを発生する。なお、以上の4色の光のうち紫色光Vについては、波長範囲380~420nmのように、狭帯域化することが好ましい。
【0092】
光源制御部72は、いずれの観察モードにおいても、V-LED73a、B-LED73b、G-LED73c、及びR-LED73dを点灯する制御を行う。また、光源制御部72は、通常観察モード時には、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光R間の光強度比がVc:Bc:Gc:Rcとなる通常光(
図23参照)を発光するように、各LED73a~73dを制御する。
【0093】
なお、本明細書において、光強度比は、少なくとも1つの半導体光源の比率が0(ゼロ)の場合を含む。したがって、各半導体光源のいずれか1つまたは2つ以上が点灯しない場合を含む。例えば、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光R間の光強度比が1:0:0:0の場合のように、半導体光源の1つのみを点灯し、他の3つは点灯しない場合も、光強度比を有するものとする。
【0094】
また、光源制御部72は、第1特殊観察モード時には、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rの光強度比がVs1:Bs1:Gs1:Rs1である第1特殊光を発光するように、各LED73a~73dを制御する。第1特殊光は、表層血管を強調するために、400nm以上440nm以下にピークを有することが好ましい。そのため、第1特殊光は、
図24に示すように、紫色光Vの光強度が、その他の青色光B、緑色光G、及び赤色光Rの光強度よりも大きくなるように、Vs1:Bs1:Gs1:Rs1が設定されている(Vs1>Bs1、Gs1、Rs1)。また、第1特殊光には、赤色光Rのような第1の赤色帯域を有しているため、粘膜の色を正確に再現することができる。さらに、第1特殊光には、紫色光V、青色光B、緑色光Gのように第1の青色帯域及び第1の緑色帯域を有しているため、上記のような表層血管の他、腺管構造や凹凸など各種構造も強調することができる。
【0095】
また、光源制御部72は、第2特殊観察モード時には、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rの光強度比がVs2:Bs2:Gs2:Rs2である第2特殊光を発光するように、各LED73a~73dを制御する。第2特殊光は、深層血管を強調するために、第1特殊光に対して、540nm、600nm、630nmの強度比を大きくすることが好ましい。
【0096】
そのため、第2特殊光は、
図25に示すように、第1特殊光における青色光B、緑色光G、及び赤色光Rの光量と比較して、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rの光量が大きくなるように、Vs2:Bs2:Gs2:Rs2が設定されている。また、紫色光Vの光強度は、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rの光強度よりも小さくなるように、Vs2:Bs2:Gs2:Rs2が設定されている(Vs2<Bs2、Gs2、Rs2)。また、第2特殊光には、赤色光Rのような第2の赤色帯域を有しているため、粘膜の色を正確に再現することができる。さらに、第2特殊光には、紫色光V、青色光B、緑色光Gのように第2の青色帯域及び第2の緑色帯域を有しているため、上記のような深層血管の他、腺管構造や凹凸など各種構造も強調することができる。
【0097】
上記実施形態において、画像取得部40、DSP42、ノイズ除去部44、画像処理部46、パラメータ切替部48、静止画保存部49、映像信号生成部50、中央制御部52など、プロセッサ装置16に含まれる処理部(processing unit)のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウエア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、各種の処理を実行するために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0098】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合せ(例えば、複数のFPGAや、CPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウエアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0099】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた形態の電気回路(circuitry)である。
【符号の説明】
【0100】
10、70 内視鏡システム
12 内視鏡
12a 挿入部
12b 操作部
12c 湾曲部
12d 先端部
12e アングルノブ
13a モード切替スイッチ
13b 静止画取得スイッチ
14、71 光源装置
16 プロセッサ装置
18 モニタ
19 コンソール
20、73 光源
20a 青色レーザ光源
20b 青紫色レーザ光源
21、72 光源制御部
24a 照明光学系
24b 撮像光学系
26 ライトガイド
28 照明レンズ
30 蛍光体
32 対物レンズ
34 撮像センサ
36 CDS・AGC回路
38 A/D変換器
40 画像取得部
42 DSP
44 ノイズ除去部
46 画像処理部
48 パラメータ切替部
49 静止画保存部
50 映像信号生成部
52 中央制御部
53 色調整処理部
54 構造強調処理部
55 一般画像処理部
56 静止画制御部
57 モード切替SW検出部
58 判定部
59 静止画取得SW検出部
60 一時保存部
61 保存部
62 静止画生成部
63 サブ画面
64 メイン画面
65 イメージ
66 表層血管
67 深層血管
73a V-LED
73b B-LED
73c G-LED
73d R-LED
74 光路結合部
t1 長押し判定時間
ton オン状態の継続時間
t2 クリック判定時間
t3 移行時間