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特許7052348情報端末、プログラム、及び情報端末の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-04-04
(45)【発行日】2022-04-12
(54)【発明の名称】情報端末、プログラム、及び情報端末の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 11/00 20060101AFI20220405BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220405BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20220405BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20220405BHJP
   H04B 17/27 20150101ALI20220405BHJP
   H04B 17/23 20150101ALI20220405BHJP
【FI】
H04B11/00 B
H04M1/00 R
G06F3/0481
H04R3/00 320
H04B17/27
H04B17/23
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017252641
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019118083
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】武捨 章洋
(72)【発明者】
【氏名】松下 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】淺井 章弘
(72)【発明者】
【氏名】落合 恭也
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-013925(JP,A)
【文献】特開2013-110702(JP,A)
【文献】特開2007-228175(JP,A)
【文献】特開2012-088734(JP,A)
【文献】特開2014-187686(JP,A)
【文献】特表2017-502554(JP,A)
【文献】特開2011-242165(JP,A)
【文献】特開2009-200826(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0369170(US,A1)
【文献】特表2010-537535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 11/00
H04M 1/00
G06F 3/0481
H04R 3/00
H04B 17/27
H04B 17/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置が出力する、所定の情報を含む音波を受信する情報端末であって、
前記音波を受信する音波受信部と、
前記音波受信部による前記音波の受信に基づき、前記情報端末の姿勢の変更を促す第1の情報を前記情報端末の表示部に表示させる表示制御部と、
前記情報端末の姿勢を検出する姿勢検出部と、
前記第1の情報に基づき操作者により変更された前記情報端末の各姿勢において、前記音波受信部が受信した前記音波の強度を測定する測定部と、
前記測定部が測定した、前記情報端末の各姿勢における前記音波の強度に基づき、前記音波に含まれる前記所定の情報の取得に適する前記情報端末の向きを示す第2の情報を出力する出力部と、
を有し、
前記表示制御部は、前記情報端末が前記所定の情報の取得に適する向きになったとき、前記情報端末への表示の方向を固定する、情報端末。
【請求項2】
前記第2の情報は、前記情報端末を前記所定の情報の取得に適する向きにするように促す表示情報であり、前記出力部は、当該第2の情報を前記表示部に出力する、請求項1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記第2の情報は、前記情報端末を前記所定の情報の取得に適する向きにするように促す音声情報であり、前記出力部は、当該第2の情報を音声にて出力する、請求項1に記載の情報端末。
【請求項4】
前記測定部が測定した、前記情報端末の各姿勢における前記音波の強度を用いて、前記第1の情報を表示したときよりも前記音波の強度が高くなるように、前記所定の情報の取得に適する前記情報端末の向きを決定する決定部を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項5】
前記測定部が測定した、前記情報端末の各姿勢における前記音波の強度を用いて、前記音波の強度が最大となるように、前記所定の情報の取得に適する前記情報端末の向きを決定する決定部を有する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項6】
前記音波受信部が受信した前記音波から前記所定の情報を抽出する抽出部を有し、
前記表示制御部は、前記音波受信部が受信した前記音波に前記所定の情報が含まれているとき、前記第1の情報を前記表示部に表示させる、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項7】
前記音波受信部は、前記情報端末が備える1つ以上のマイクを用いて、前記音波を受信する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項8】
前記音波受信部は、前記情報端末に接続された外部マイクをさらに用いて、前記音波を受信する、請求項に記載の情報端末。
【請求項9】
前記外部装置は、前記音波受信部が受信可能な周波数範囲のうち、16kHz以上の周波数を用いて前記音波を出力し、
前記測定部は、前記音波受信部が受信した前記音波の16kHz以上の周波数における前記強度を測定する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項10】
前記測定部は、前記音波受信部が受信した前記音波をオクターブ分析し、オクターブ分析した複数の周波数範囲のうち、前記外部装置が前記音波を出力する周波数範囲の前記強度を測定する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項11】
前記測定部は、前記音波受信部が受信した前記音波をFFT解析し、FFT解析した複数の周波数のうち、前記外部装置が前記音波を出力する周波数、又は周波数範囲の前記強度を測定する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項12】
前記音波受信部は、複数のマイクを用いて前記音波を受信し、
前記測定部は、前記複数のマイクを用いて受信した複数の音波の強度を加算して前記音波の前記強度を測定する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の情報端末。
【請求項13】
自端末の姿勢を検出する姿勢検出部と、外部装置が出力する音波を受信する音波受信部と、各種情報を表示する表示部とを備える情報端末に、
前記音波受信部による前記音波の受信に基づき、前記情報端末の姿勢の変更を促す第1の情報を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記第1の情報に応じて変更された前記情報端末の各姿勢において、前記音波受信部が受信した前記音波の強度を測定するステップと、
前記測定するステップで測定した、前記情報端末の各姿勢における前記音波の強度を用いて、前記音波に含まれる所定の情報の取得に適する前記情報端末の向きを示す情報を出力するステップと、
を実行させ
前記表示制御ステップは、前記情報端末が前記所定の情報の取得に適する向きになったとき、前記情報端末への表示の方向を固定する、プログラム。
【請求項14】
自端末の姿勢を検出する姿勢検出部と、外部装置が出力する音波を受信する音波受信部と、各種情報を表示する表示部とを備える情報端末の制御方法であって、
前記情報端末が、
前記音波受信部による前記音波の受信に基づき、前記情報端末の姿勢の変更を促す第1の情報を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記第1の情報に応じて変更された前記情報端末の各姿勢において、前記音波受信部が受信した前記音波の強度を測定するステップと、
前記測定するステップで測定した、前記情報端末の各姿勢における前記音波の強度を用いて、前記音波に含まれる所定の情報の取得に適する前記情報端末の向きを示す情報を出力するステップと、
を実行し、
前記表示制御ステップは、前記情報端末が前記所定の情報の取得に適する向きになったとき、前記情報端末への表示の方向を固定する、情報端末の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、プログラム、及び情報端末の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の情報を含む音波を出力する複数の出力装置を配置し、利用者が所持する情報端末のマイクで音波を取得することにより、情報を提供する情報提供システムが知られている。
【0003】
また、音声の入力と、音声の出力との双方の機能を切り替え可能な2つのデバイスを備え、音声が入力されたデバイスを音声入力モードに設定すると共に、他方のデバイスを音声出力モードに設定する携帯端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出力装置(外部装置)が出力する音波を用いて情報端末に情報を提供する情報提供システムでは、出力装置が取り付けられている場所(例えば、天井、壁、床等)によって、情報の取得に適した情報端末の向きが異なる。
【0005】
また、特許文献1に開示された技術を利用して、情報端末の向きを変更せずに、音声の入力方向を切り替える方法も考えられるが、音声の出力との双方の機能を切り替え可能な特別な情報端末が必要になる。
【0006】
本発明の実施の形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、外部装置が出力する音波を用いて情報を提供する情報提供システムにおいて、特別な情報端末を用いずとも、音波に含まれる所定の情報をより効率的に取得できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る情報端末は、外部装置が出力する、所定の情報を含む音波を受信する情報端末であって、前記音波を受信する音波受信部と、前記音波受信部による前記音波の受信に基づき、前記情報端末の姿勢の変更を促す第1の情報を前記情報端末の表示部に表示させる表示制御部と、前記情報端末の姿勢を検出する姿勢検出部と、前記第1の情報に基づき操作者により変更された前記情報端末の各姿勢において、前記音波受信部が受信した前記音波の強度を測定する測定部と、前記測定部が測定した、前記情報端末の各姿勢における前記音波の強度に基づき、前記音波に含まれる前記所定の情報の取得に適する前記情報端末の向きを示す第2の情報を出力する出力部と、を有し、前記表示制御部は、前記情報端末が前記所定の情報の取得に適する向きになったとき、前記情報端末への表示の方向を固定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、外部装置が出力する音波を用いて情報を提供する情報提供システムにおいて、特別な情報端末を用いずとも、音波に含まれる所定の情報をより効率的に取得できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る情報提供システムのシステム構成の例を示す図(1)である。
図2】一実施形態に係る情報提供システムのシステム構成の例を示す図(2)である。
図3】一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成の例を示す図である。
図4】一実施形態に係る情報端末の機能構成の例を示す図である。
図5】一実施形態に係る情報端末の姿勢の検出方法について説明するための図である。
図6】一実施形態に係る音波の強度の測定方法について説明するための図である。
図7】第1の実施形態に係る情報端末の処理の例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係る情報端末の表示画面の例を示す図(1)である。
図9】第1の実施形態に係る情報端末の向きの決定方法について説明するための図である。
図10】第1の実施形態に係る情報端末の表示画面の例を示す図(2)である。
図11】第2の実施形態に係る表示画面、及び情報端末の向きの決定方法の一例を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る表示画面の別の一例を示す図である。
図13】第3の実施形態に係る情報端末のイメージを示す図である。
図14】第3の実施形態に係る情報端末の向きの決定方法について説明するための図である。
図15】第4の実施形態に係る情報端末の向きの決定方法について説明するための図である。
図16】第5の実施形態に係る情報端末の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0011】
<システムの構成>
図1、2は、一実施形態に係る情報提供システムのシステム構成の例を示す図である。情報提供システム100は、例えば、図1に示すように、情報端末101、複数の出力装置102a、102b、102c、・・・、ゲートウェイ103、及び管理サーバ104等を有する。なお、以下の説明の中で、複数の出力装置102a、102b、102c、・・・のうち、任意の出力装置を示す場合、「出力装置102」を用いる。また、図1、2に示す出力装置102、及びゲートウェイ103の数は一例である。
【0012】
管理サーバ104は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク105に接続された、PC(Personal Computer)等の情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。管理サーバ104は、ネットワーク105、及びゲートウェイ103等を介して複数の出力装置102と通信可能である。
【0013】
出力装置102は、例えば、屋内施設等の天井109、床110、又は壁等に設置され、所定の領域内に識別情報(以下、音波IDと呼ぶ)を含む音波を出力する装置である。図1の例では、出力装置102は、屋内施設等の天井109に取り付けられている。ただし、出力装置102は、例えば、図2に示すように、屋内施設等の床110に設置されているものであっても良いし、屋内施設等の壁等に設置されているものであっても良い。なお、出力装置102は、所定の情報を含む音波を出力する外部装置の一例である。
【0014】
出力装置102は、情報端末101が備えるマイクロフォン(以下、マイクと呼ぶ)で受信可能な周波数帯域(例えば、20Hz~24kHz)のうち、16kHz以上の周波数帯域の音波を用いて、音波IDを含む音波を出力する。音波は、高い周波数ほど指向性が高く、16kHz以上の周波数は人間にはほとんど聞こえないため、16kHz以上の周波数帯域の音波は、所定の領域内に向けて音波IDを含む音波を出力するために好適である。
【0015】
また、出力装置102は、例えば、近距離無線通信、無線LAN、又は920MHz帯の特定小電力無線等の無線通信108でゲートウェイ103に接続され、ゲートウェイ103を介して管理サーバ104と通信可能である。なお、出力装置102は、有線通信でゲートウェイ103に接続されているものであっても良い。
【0016】
ゲートウェイ103は、ネットワーク105を介して管理サーバ104と接続されており、また、複数の出力装置102と、例えば、無線通信108を用いて無線ネットワークを形成している。ゲートウェイ103は、出力装置102と管理サーバ104との間の通信を中継すると共に、必要に応じて、出力装置102と管理サーバ104との間のプロトコル変換を行う。
【0017】
情報端末101は、利用者106が所持する、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置である。情報端末101は、例えば、無線LAN(Local Area Network)や、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信を用いて、ネットワーク105に接続し、管理サーバ104と通信可能である。
【0018】
情報端末101は、情報提供システム100に対応するアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行することにより、情報端末101が備えるマイクを用いて出力装置102が出力する音波を取得し、取得した音波に含まれる音波IDを抽出する。
【0019】
上記の構成により、一例として、情報端末101は、出力装置102が出力した音波から抽出した音波IDと、情報端末101を識別する識別情報(以下、端末IDと呼ぶ)とを含む、情報の取得要求を管理サーバ104に送信する。
【0020】
一方、管理サーバ104は、一例として、出力装置102が設置された位置を示す情報(座標情報等)と、出力装置102が出力する音波IDとを対応付けて管理しており、情報端末101が取得した音波IDから、情報端末101の位置を特定することができる。これにより、管理サーバ104は、例えば、情報端末101から受け付けた情報の取得要求に応じて、要求元の情報端末101の位置を特定し、特定した位置に対応する情報(例えば、位置情報、経路情報、施設情報等)を、情報端末101に提供する。
【0021】
このとき、例えば、前述したように、出力装置102が、16kHz以上の周波数帯域を用いて、音波IDを含む音波を出力する場合、音波の直進性が高いため、情報端末101の向きによって、出力装置102が出力する音波を取得し難い場合がある。
【0022】
例えば、一般的なスマートフォン等の情報端末101では、音声通話の際の利便性を考慮して、タッチパネルディスプレイ等の表示画面の下側にマイクを備える場合が多い。この場合、例えば、図2に示すように、出力装置102が、屋内施設等の床110に取り付けられている場合(或いは、壁の下側に取り付けられている場合)、情報端末101は、出力装置102aが出力する音波を効率良く取得できると考えられる。
【0023】
一方、例えば、図1に示すように、出力装置102が、屋内施設等の天井109に取り付けられている場合(或いは、壁の上側に取り付けられている場合)、情報端末101は、出力装置102aが出力する音波を効率良く取得できない恐れがある。
【0024】
そこで、本実施形態に係る情報端末101は、情報提供システムに対応するアプリを実行し、出力装置102が出力する音波を検知すると、情報端末101の向き(情報端末101の姿勢)の変更を促す表示画面を、表示部に表示する。
【0025】
また、情報端末101は、利用者106が表示画面に応じて情報端末101の向きを変更すると、変更された各向きにおいて、マイクで取得した音波の強度を測定し、音波に含まれる音波IDの取得に適する情報端末101の向きを示す情報を出力する。
【0026】
例えば、図1に示すように、出力装置102が、屋内施設等の天井109に取り付けられている場合、情報端末101は、利用者106に対して、マイクを上にして情報端末101を持つことを促す表示画面を、表示部に出力する。或いは、情報端末101は、利用者106に対して、マイクを上にして情報端末101を持つことを促す音声情報を出力するものであっても良い。
【0027】
これにより、本実施形態によれば、出力装置(外部装置)102が出力する音波を用いて情報を提供する情報提供システム100において、一般的な情報端末101を用いて、音波に含まれる所定の情報をより効率的に取得できるようになる。
【0028】
<ハードウェア構成>
図3は、一実施形態に係る情報端末101のハードウェア構成の例を示す図である。情報端末101は、一般的なコンピュータの構成を有しており、例えば、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、ストレージ部304等を有する。また、情報端末101は、通信I/F(Interface)305、表示部306、入力部307、音声入力部308、1つ以上のマイク309、音声出力部310、スピーカ311、加速度センサ312、及びバス313等を有する。
【0029】
CPU301は、ROM303やストレージ部304等に格納されたプログラムやデータをRAM302上に読み出し、処理を実行することで、情報端末101の各機能を実現する演算装置である。RAM302は、CPU301のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM303は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
【0030】
ストレージ部304は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置であり、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
【0031】
通信I/F305は、情報端末101をネットワーク105に接続するための、例えば、無線LAN、LTE等の無線通信インタフェースである。表示部306は、各種情報を表示する表示デバイスである。入力部307は、利用者106による入力操作を受け付ける入力デバイスである。なお、表示部306、及び入力部307は、例えば、タッチパネルディスプレイ等の表示入力デバイスであっても良い。
【0032】
音声入力部308は、情報端末101が備える1つ以上のマイク309や、情報端末101に接続される外部マイク314等から入力される音波信号を増幅し、必要に応じて、所定の音声データに変換して出力する回路である。マイク309、及び外部マイク314は、情報端末101の周辺の音波を取得して、音波信号に変換し、音声入力部308に出力する。
【0033】
音声出力部310は、音波信号を増幅してスピーカ311に出力する音声回路である。スピーカ311は、音声出力部310から入力された音波信号を、音波に変換して出力する。なお、スピーカ311は、情報端末101に接続されるイヤホンやヘッドホン等であっても良い。
【0034】
加速度センサ312は、情報端末101の加速度を検出する加速度センサである。加速度センサ312は、重力加速度等の静的な加速度を測定可能であり、情報端末101の姿勢(向き)の検出に用いることができる。バス313は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0035】
<機能構成>
次に、情報端末101の機能構成について説明する。
【0036】
図4は、第1の実施形態に係る情報端末101の機能構成の例を示す図である。情報端末101は、音波受信部401、情報抽出部402、表示制御部403、姿勢検出部404、強度測定部405、決定部406、出力部407、通信部408、操作受付部409、及び記憶部410等を有する。
【0037】
情報端末101は、例えば、図3のCPU301で実行されるプログラム(アプリ、OS等)により、上記の各機能構成を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0038】
音波受信部401は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、情報端末101が備える1つ以上のマイク309、外部マイク314等を用いて、情報端末101の周辺の音波を受信する。
【0039】
情報抽出部402は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、音波受信部401が受信した音波に含まれる音波IDを抽出する。なお、本実施形態では、音波による情報の転送方法について、特に限定しないが、例えば、予め定められた周波数(例えば、18kHz、18.5kHz、・・・等)の音波をオン/オフさせることにより、デジタル値の「1」/「0」を表すもの等であっても良い。この場合、情報抽出部402は、所定のサンプリングレートで予め定められた周波数の音波の有無を判断することにより、音波に含まれる音波ID等の情報を抽出することができる。
【0040】
表示制御部403は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、各種の表示画面を、表示部306に表示させる。例えば、表示制御部403は、音波受信部401による、出力装置102が出力した音波の受信に基づき、情報端末101の姿勢の変更を促すメッセージや画面(第1の情報)を、表示部306に表示させる。また、表示制御部403は、例えば、出力部407からの制御に従って、情報端末101を音波に含まれる音波IDの取得に適する向きにするように促すメッセージや画面(第2の情報)を、表示部306に表示させる。
【0041】
姿勢検出部404は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、加速度センサ312を用いて、自端末である情報端末101の姿勢(例えば、情報端末101の向き)を検出する。
【0042】
図5は、一実施形態に係る情報端末の姿勢の検出方法について説明するための図である。ここでは説明のため、図5に示すように、情報端末101の表示部306が手前、マイク309が下となるように持ったときの左右方向をX軸、上下方向をY軸、奥行き方向をZ軸とする。この場合、情報端末101を、Z軸を中心にして回転させて静的な加速度を測定すると、例えば、図5(b)に示すように、各方向において、重力加速度「g」が測定される。
【0043】
従って、例えば、図5(c)に示すように、情報端末101の向きと、測定される重力加速度の値とを対応付けて予め記憶しておくことにより、加速度センサ312で測定された加速度の値から、情報端末101の向きを検出することができる。
【0044】
図5(c)の例では、情報端末101の向きが「0°」のときに、Y軸方向に「-g」の加速度が測定され、情報端末101の向きが「90°」のときに、X軸方向に「-g」の加速度を測定されることが示されている。また、情報端末101の向きが「180°」のときに、Y軸方向に「g」の加速度が測定され、情報端末101の向きが「270°」のときに、X軸方向に「g」の加速度が測定されることが示されている。
【0045】
なお、情報端末101の向き「0°」、「90°」、「180°」、及び「270°」は、情報端末101の姿勢の一例である。
【0046】
強度測定部(測定部)405は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、音波受信部401が受信した音波の強度を測定する。例えば、強度測定部405は、表示制御部403が、情報端末101の姿勢の変更を促すメッセージや画面(第1の情報)を表示させた後、利用者(操作者)106により変更された情報端末101の各姿勢において、音波の強度を測定し、記憶部410に記憶する。
【0047】
好ましくは、強度測定部405は、音波受信部401が受信した音波のうち、出力装置102が音波を出力する、予め定められた周波数、又は周波数範囲の音波の強度を測定する。
【0048】
図6は、一実施形態に係る音波の強度の測定方法について説明するための図である。例えば、強度測定部405は、図6(a)に示すように、音波受信部401が受信した音波をFFT(Fast Fourier Transform)解析して、周波数毎の音波の強度を算出する。また、強度測定部405は、解析した複数の周波数のうち、出力装置102が音波を出力する周波数範囲611(例えば、f1~f2)の音波の強度を測定する。これにより、強度測定部405は、例えば、帯域外の音波612による測定結果への影響を低減させることができる。
【0049】
同様に、強度測定部405は、図6(b)に示すように、音波受信部401が受信した音波をオクターブ分析して、周波数範囲毎の音波の強度を算出するものであっても良い。この場合、強度測定部405は、分析した複数の周波数範囲のうち、出力装置102が音波を出力する周波数(例えば、f1、f2)を含む周波数範囲621の音波の強度を測定する。これにより、強度測定部405は、例えば、帯域外の音波622による測定結果への影響を低減させることができる。
【0050】
なお、強度測定部405は、FFT解析、オクターブ分析に限られず、例えば、フィルタ等を用いて、16kHz以上の周波数における音波の強度を測定するもの等であっても良い。
【0051】
決定部406は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、強度測定部405が測定した、情報端末101の各姿勢における音波の強度を用いて、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを決定する。
【0052】
例えば、決定部406は、強度測定部405が測定した、情報端末101の各姿勢における音波の強度を用いて、音波受信部401が受信する音波の強度が最大となるように、情報端末101の向きを決定する。
【0053】
また、これに限られず、決定部406は、表示制御部403が、情報端末101の姿勢の変更を促すメッセージや画面(第1の情報)を表示させたときより、音波受信部401が受信する音波の強度が大きくなるように、情報端末101の向きを決定しても良い。
【0054】
出力部407は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、決定部406が決定した、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを示す情報を、表示部306や、音声出力部310等に出力する。
【0055】
好ましくは、出力部407は、情報端末101を、決定部406が決定した音波IDの取得に適する向きにするように促すメッセージや画面(第2の情報)を、表示制御部403を用いて表示部306に表示させる。
【0056】
通信部408は、例えば、CPU301で実行されるプログラム、及び通信I/F305等によって実現され、情報端末101をネットワーク105に接続して、管理サーバ104との通信を行う。
【0057】
操作受付部409は、例えば、CPU301で実行されるプログラムによって実現され、例えば、入力部307を用いて、利用者106による操作を受け付ける。
【0058】
記憶部410は、例えば、CPU301で実行されるプログラム、及び図3のストレージ部304、RAM302等によって実現され、強度測定部405が測定した、情報端末101の各姿勢における音波の強度の測定結果等の様々な情報を記憶する。
【0059】
なお、図4に示す情報端末101の機能構成は一例である。例えば、出力部407の機能は、表示制御部403が有していても良い。また、決定部406の機能は、出力部407が有していても良い。
【0060】
[第1の実施形態]
<処理の流れ>
続いて、情報端末101の制御方法について説明する。
【0061】
図7は、第1の実施形態に係る情報端末の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、情報端末101で、情報提供システム100に対応するアプリを起動したとき等に実行される処理の一例を示している。なお、第1の実施形態では、情報端末101は、例えば、図5(a)に示すように、1つのマイク309を備えているものとして、以下の説明を行う。
【0062】
ステップS701において、情報端末101の音波受信部401は、マイク309を用いて音波を受信する。
【0063】
ステップS702において、情報端末101の情報抽出部402は、音波受信部401が受信した音波から音波IDを抽出し、受信した音波に音波IDが含まれるか否かを判断する。これにより、情報端末101は、音波受信部401が受信した音波が、出力装置102が出力した音波であるか否かを判断することができる。
【0064】
受信した音波に音波IDが含まれていない場合、情報端末101は、処理をステップS701に戻して、同様の処理を再び実行する。一方、受信した音波に音波IDが含まれている場合、情報端末101は、処理をステップS703に移行させる。
【0065】
ステップS703に移行すると、情報端末101の表示制御部403は、後述する調整開始画面を表示部306に表示させる。
【0066】
ステップS704において、情報端末101の姿勢検出部404は、情報端末101の姿勢を検出する。ここでは、姿勢検出部404は、図5(c)に示す情報端末101の4つの向き、「0°」、「90°」、「180°」、及び「270°」を検出するものとする。
【0067】
ステップS705において、情報端末101の表示制御部403は、後述する調整画面を表示部306に表示させる。
【0068】
ステップS706において、情報端末101の音波受信部401は音波を受信し、強度測定部405は、受信した音波の強度を測定する。
【0069】
ステップS707において、情報端末101は、測定が完了したか否かを判断する。例えば、情報端末101は、情報端末101の4つの向き、「0°」、「90°」、「180°」、及び「270°」において、音波の強度の測定が完了したか否かを判断する。
【0070】
測定が完了していない場合、情報端末101は、処理をステップS704に戻して、同様の処理を再び実行する。一方、測定が完了した場合、情報端末101は、処理をステップS708に移行させる。
【0071】
ここで、ステップS703~S707において、表示制御部403が表示部306に表示させる表示画面(表示情報)の例を図8に示す。
【0072】
例えば、ステップS703において、表示制御部403は、図8(a)に示すような、サービスを開始することを示すメッセージ811を含むサービスの開始画面810を情報端末101の表示部306に表示させる。また、表示制御部403は、サービスの開始画面810に続いて、例えば、図8(b)に示すような、調整開始画面820を、情報端末101の表示部306に表示させる。図8(b)の例では、調整開始画面820には、利用者106に、情報端末101の回転を促すメッセージ821が表示されている。
【0073】
図8(b)に示す調整開始画面820において、例えば、利用者106が「OK」ボタン822を選択すると、ステップS704において、姿勢検出部404は、情報端末101の方向が「0°」であることを検出する。また、ステップS705において、表示制御部403は、例えば、図8(c)に示すような、情報端末101の向きが「0°」(以下、「回転角0°」と呼ぶ)の調整画面830を、情報端末101の表示部306に表示させる。図8(c)の例では、表示制御部403は、「回転角0°」の音波の強度の測定が完了すると、「回転角0°」の情報端末のアイコン831と、次の回転角を示す矢印832とを強調表示させて、利用者106に情報端末101の回転を促す。
【0074】
これに応じて、利用者106が、情報端末101の向きを「90°」に変更すると、ステップS704において、姿勢検出部404は、情報端末101の方向が「90°」であることを検出する。また、ステップS705において、表示制御部403は、例えば、図8(d)に示すような、情報端末101の向きが「90°」(以下、「回転角90°」と呼ぶ)の調整画面840を、情報端末101の表示部306に表示させる。図8(d)の例では、表示制御部403は、「回転角90°」の音波の強度の測定が完了すると、「回転角90°」の情報端末のアイコン841と、次の回転角を示す矢印842とを強調表示させて、利用者106に情報端末101の回転を促す。
【0075】
これに応じて、利用者106が、情報端末101の向きを「180°」に変更すると、ステップS704において、姿勢検出部404は、情報端末101の方向が「180°」であることを検出する。また、ステップS705において、表示制御部403は、例えば、図8(e)に示すような、情報端末101の向きが「180°」(以下、「回転角180°」と呼ぶ)の調整画面850を、情報端末101の表示部306に表示させる。図8(e)の例では、表示制御部403は、「回転角180°」の音波の強度の測定が完了すると、「回転角180°」の情報端末のアイコン851と、次の回転角を示す矢印852とを強調表示させて、利用者106に情報端末101の回転を促す。
【0076】
これに応じて、利用者106が、情報端末101の向きを「270°」に変更すると、ステップS704において、姿勢検出部404は、情報端末101の方向が「270°」であることを検出する。また、ステップS705において、表示制御部403は、例えば、図8(f)に示すような、情報端末101の向きが「270°」(以下、「回転角270°」と呼ぶ)の調整画面860を、情報端末101の表示部306に表示させる。一例として、図8(f)において、表示制御部403は、「回転角270°」の音波の強度の測定が完了すると、「回転角270°」の情報端末のアイコン861、次の回転角を示す矢印852とを強調表示させて、測定が完了したことを利用者106に通知する。
【0077】
なお、図8(b)~(f)に示す表示画面は、表示制御部403が、情報端末101の姿勢の変更を促す第1の情報の一例である。
【0078】
ここで、図7に戻り、フローチャートの説明を続ける。
【0079】
ステップS708に移行すると、情報端末101の決定部406は、強度測定部405が測定した、情報端末101の各姿勢における測定結果を用いて、出力装置102が出力する音波に含まれる音波IDの取得に適する情報端末101の向きを決定する。
【0080】
図9は、第1の実施形態に係る情報端末の決定方法について説明するための図である。図9には、情報端末101の各姿勢(回転角「0°」、「90°」、「180°」、「270°」)で測定された音波の強度の一例が示されている。
【0081】
図9の例では、決定部406は、回転角「0°」、「90°」、「180°」、「270°」における音波の強度V、V90、V180、V270のうち、最大の強度V180に対応する角度「180°」を、音波IDの取得に適する情報端末101の向きに決定する。
【0082】
ステップS709において、情報端末101の出力部407は、音波IDの取得に適する情報端末101の向きがあるか否かを判断する。例えば、出力部407は、図9に示すような、音波IDの取得に必要な音波レベルの閾値902を予め記憶しておき、情報端末101のいずれの向きにおいても、強度が閾値未満である場合、音波IDの取得に適する情報端末101の向きがないと判断する。
【0083】
音波IDの取得に適する情報端末101の向きがある場合、出力部407は、処理をステップS710に移行させる。一方、音波IDの取得に適する情報端末101の向きがない場合、情報端末101は、処理を終了させる。
【0084】
ステップS710に移行すると、出力部407は、決定部406が決定した、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを示す表示画面を出力する。例えば、出力部407は、情報端末101を音波IDの取得に適する向きにするように促すメッセージや画面(第2の情報)を、表示制御部403を用いて、表示部306に表示させる。
【0085】
ステップS711において、出力部407は、姿勢検出部404を用いて情報端末101の向き(姿勢)を検出し、情報端末101が正しい向き(音波IDの取得に適する向き)になると、処理を終了する。
【0086】
図10に、ステップS710、S711において、出力部407が出力する表示画面の例を示す。
【0087】
図10(a)、(b)は、例えば、図1に示すように、出力装置102が天井109等に取り付けられており、上から音波IDを含む音波107が出力されている場合における、出力部407が出力する表示画面(表示情報)の例を示している。
【0088】
この場合、出力部407は、例えば、図10(a)に示すような表示画面1010を出力する。図10(a)の例では、表示画面1010には、情報端末101を音波IDの取得に適する向きにするように促すメッセージ1011と、音波IDの取得に適する向きを示すアイコン1012とが表示されている。これにより、利用者106は、例えば、図10(b)に示すように、マイク309が上になるように情報端末101を持ち替えることができる。
【0089】
また、出力部407は、情報端末101が正しい向きになったことを検知すると、例えば、図10(b)に示すような表示画面1020を表示させる。図10(b)の例では、表示画面1020には、情報端末101の向きをこのまま維持することを促すメッセージ1021が表示されている。これにより、利用者106は、情報端末101を現在の向きで維持して、サービスを受ければ良いことを認識することができる。
【0090】
好ましくは、表示制御部403は、情報端末101が正しい向きになった後、情報端末101の表示画面の表示方向を固定する。例えば、表示制御部403は、図10(b)に示す表示画面1020を表示した後は、情報端末101の向きが変わっても、表示画面の表示方向が変わらないように制御する。
【0091】
これにより、例えば、利用者106が情報端末101を持ち替えた場合や、ポケット等に入れた後に再度使用する場合等においても、情報端末101の正しい方向がすぐに判るようになる。なお、情報端末101における表示画面の表示方向の固定は、所定の操作により解除できることが望ましい。
【0092】
図10(c)、(d)は、例えば、図2に示すように、出力装置102が床110等に取り付けられており、下から音波IDを含む音波107が出力されている場合における、出力部407が出力する表示画面(表示情報)の例を示している。
【0093】
この場合、出力部407は、例えば、図10(c)に示すような表示画面1030を出力する。図10(a)の例では、表示画面1030には、情報端末101を音波IDの取得に適する向きにするように促すメッセージ1031と、音波IDの取得に適する向きを示すアイコン1032とが表示されている。ただし、この場合、出力部407は、情報端末101が正しい向きであることをすぐに検知し、例えば、図10(d)に示すような表示画面1040を表示させる。図10(d)の例では、表示画面1040には、情報端末101の向きをこのまま維持することを促すメッセージ1041が表示されている。これにより、利用者106は、情報端末101の向きを変更する必要がないことを認識することができる。
【0094】
なお、図7に示す処理を終了した後、情報端末101は、情報提供システム100が提供する提供情報(例えば、位置情報、経路情報、施設情報等)の提供を受ける所定のサービスを開始する。
【0095】
以上、本実施形態によれば、出力装置(外部装置)102が出力する音波を用いて情報を提供する情報提供システム100において、特別な情報端末101を用いずとも、音波に含まれる所定の情報をより効率的に取得できるようになる。
【0096】
[第2の実施形態]
図8に示した、第1の実施形態に係る情報端末101のメッセージや表示画面は、情報端末101の姿勢の変更を促す第1の情報の一例である。第2の実施形態では、表示制御部403が表示させる第1の情報の別の一例について説明する。
【0097】
図7のステップS705において、情報端末101の表示制御部403は、例えば、図11(a)に示すような第1の情報1110を、情報端末101の表示部306に表示させるものであっても良い。図11(a)の例では、情報端末101の表示部には、情報端末101の回転を促すメッセージ1111と、情報端末101の回転方向を示す画像情報1112とを含んだ第1の情報1110が表示されている。
【0098】
これに応じて、利用者106が情報端末101を回転させると、情報端末101の加速度センサ312により、例えば、図11(b)に示すような加速度が検出される。この場合、重力加速度「g」に加えて、情報端末101の回転による加速度が検出されるため、図5(b)に示すような円にはならず、例えば、図11(b)に示すような検出結果が得られる。
【0099】
この場合、姿勢検出部404は、例えば、図11(b)に示すように、Y軸方向の加速度「-g」と、その周辺1121の測定結果を、情報端末101の向き「0°」と判断する。同様に、姿勢検出部404は、X軸方向の加速度「-g」と、その周辺1122の測定結果を、情報端末101の向き「90°」と判断する。また、姿勢検出部404は、Y軸方向の加速度「g」と、その周辺1123の測定結果を、情報端末101の向き「180°」と判断する。さらに、姿勢検出部404は、X軸方向の加速度「g」とその周辺1124の測定結果を、情報端末101の向き「270°」と判断する。
【0100】
また、情報端末101の決定部406は、例えば、図11(c)に示すように、情報端末101の向き「0°」と、その周辺1131における音波の強度1130の代表値(平均値、最大値等)を、情報端末101の向き「0°」に対応する音波の強度とする。同様に、決定部406は、情報端末101の向き「90°」と、その周辺1132における音波の強度1130の代表値を、情報端末101の向き「90°」に対応する音波の強度とする。また、決定部406は、情報端末101の向き「180°」と、その周辺1133における音波の強度1130の代表値を、情報端末101の向き「180°」に対応する音波の強度とする。さらに、決定部406は、情報端末101の向き「270°」と、その周辺1134における音波の強度1130の代表値を、情報端末101の向き「270°」に対応する音波の強度とする。
【0101】
これにより、決定部406は、例えば、図9に示した第1の実施形態に係る情報端末101の向きの決定方法と同様にして、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを決定することができる。
【0102】
また、情報端末101は、1回転分の音波の強度が測定できれば良いので、図7のステップS705において、表示制御部403は、図12(a)~(c)に示すような第1の情報を、表示部306に表示させるものであっても良い。
【0103】
例えば、図12(a)では、8の字を描くように、情報端末101を回転させることを促すメッセージと画像が含まれた画面1210が表示されている。また、図12(b)では、前後方向に情報端末101を回転させることを促すメッセージと画像が含まれた画面1220が表示されている。さらに、図12(c)では、情報端末101を任意の方向に回転させることを促すメッセージが含まれた画面1230が表示されている。
【0104】
このように、情報端末101が表示させる、情報端末101の姿勢の変更を促す第1の情報は、様々な応用、変形が可能である。
【0105】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、情報端末101が複数のマイクを備えている場合の例について説明する。
【0106】
図13は、第3の実施形態に係る情報端末のイメージを示す図である。図13(a)の例では、情報端末101はマイク309を備え、さらに、外部マイク314が接続されている。この場合、情報端末101の音波受信部401は、図7のステップS701において、マイク309と、外部マイク314とを用いて、それぞれ、音波を受信する。また、情報端末101の強度測定部405は、音波受信部401が受信した2つの音波の強度を、それぞれ測定する。
【0107】
また、図13(b)の例では、情報端末101は、2つのマイク309a、309bを備えている。この場合、情報端末101の音波受信部401は、図7のステップS701において、マイク309aと、マイク309bとを用いて、それぞれ、音波を受信する。また、情報端末101の強度測定部405は、音波受信部401が受信した2つの音波の強度を、それぞれ測定する。
【0108】
図14は、第3の実施形態に係る情報端末の向きの決定方法について説明するための図である。
【0109】
図14(a)は、情報端末101の各向きにおける、第1のマイクで受信した第1の音波の強度1411と、第2のマイクで受信した第2の音波の強度1412の一例を示している。なお、第1のマイクは、図13(a)のマイク309、又は図13(b)のマイク309aに対応しており、第2のマイクは、図13(a)の外部マイク314、又は図13(b)のマイク309bに対応しているものとする。
【0110】
一例として、情報端末101の決定部406は、図14(a)に示すように、音波の強度の最大値により、第2のマイクが第1のマイクより感度が高いと判断することができる。また、決定部406は、より感度の高い第2のマイクで受信した第2の音波の強度1412を用いて、音波IDの取得に適する情報端末101の向き1413を決定する。これにより、情報端末101は、より感度の高い第2のマイクを用いて、音波IDを含む音波を好適に受信することができるようになる。
【0111】
また、別の一例として、決定部406は、図14(b)に示すように、第1の音波の強度1411と、第2の音波の強度1412とを加算した総強度1421を用いて、音波IDの取得に適する情報端末101の向き1422を決定しても良い。これにより、情報端末101は、第1のマイクと第2のマイクとを用いて、音波IDを含む音波を好適に受信することができるようになる。
【0112】
また、例えば、図14(c)に示すように、第1の音波の強度1411と、第2の音波の強度1412との最大値に差がなく、情報端末101の向きによる改善が期待できない場合がある。このような場合、決定部406は、情報端末101の現在の向きを維持するように、情報端末101の向きを決定しても良い。これにより、利用者106は、情報端末101を好みの向きで使用することができるようになる。
【0113】
或いは、決定部406は、図14(d)に示すように、第1の音波の強度1411と、第2の音波の強度1412とを加算した総強度1421を用いて、音波IDの取得に適する情報端末101の向き1422を決定しても良い。また、例えば、図14(d)に示すように、音波の強度が最大値となる情報端末101の向きが複数ある場合、決定部406は、音波の強度が最大値となる複数の向きの中から、例えば、1つの向きを、例えば、ランダムに決定しても良い。
【0114】
同様にして、情報端末101は、3つ以上のマイクを有している場合であっても、感度が最も高いマイクの音波の強度、又は各マイクの総強度を用いて、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを決定することができる。
【0115】
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、ピンマイクや、イヤホンマイク等のような外部マイク314が、情報端末101に接続されている場合の例について説明する。なお、ここでは、外部マイク314の向きは、情報端末101を回転させても変わらないものとする。外部マイク314の向きが、情報端末101と共に変わる場合は、第2の実施形態と同様の処理を適用することができる。
【0116】
図15(a)に示すように、情報端末101には、外部マイク314がケーブル、又は無線接続等により接続されているものとする。また、情報端末101が備えるマイク309で受信した第1の音波の強度1501は、図15(a)に示すように、情報端末101の向きに応じて変化し、外部マイク314で受信した第2の音波の強度1502は、変化しない(又は変化が少ない)ものとする。
【0117】
また、第1の音波における強度1501の最大値は、第2の音波における強度1502より大きいものとする。この場合、情報端末101の決定部406は、第1の音波の強度1501を用いて、音波IDの取得に適する情報端末101の向き1503を決定すると良い。
【0118】
一方、図15(b)に示すように、第1の音波の強度1501の最大値が、第2の音波の強度1502より小さい場合、情報端末101の決定部406は、情報端末101の向きを変更せずに、外部マイク314を選択すると良い。
【0119】
或いは、情報端末101の決定部406は、図15(c)に示すように、第1の音波の強度1501と、第2の音波の強度1502とを加算した総強度1503を用いて、情報端末101の向き1504を決定しても良い。
【0120】
なお、情報端末101によっては、外部マイク314を接続した場合、情報端末101が備えるマイク309、又は外部マイク314のいずれかしか使用できない場合がある。このような場合、情報端末101は、マイク309と、外部マイク314とを切り替えながら音波を受信し、どちらのマイクを用いるかを決定すると良い。このとき、情報端末101は、どちらのマイクを使用するかを利用者106に通知して、情報端末101の向きを切り替えることが望ましい。
【0121】
このように、本実施形態によれば、例えば、ピンマイクや、イヤホンマイク等の外部マイク314を用いた場合でも、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを決定し、第1の実施形態と同様の処理を実行することができる。
【0122】
なお、上記の説明では、外部マイク314の向きは、情報端末101を回転させても変わらないものとして説明を行ったが、外部マイク314も回転の対象としても良い。この場合、外部マイク314の形状等は、情報端末101で認識することができないため、外部マイク314の情報を、情報端末101に予め登録しておき、外部マイク314の回転を促す表示画面を表示することが望ましい。
【0123】
[第5の実施形態]
第1の実施形態では、情報端末101の出力部407が、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを示す情報の一例として、図10に示すようなメッセージや画面(第2の情報の一例)を表示部306に出力するものとして説明を行った。
【0124】
第5の実施形態では、情報端末101の出力部407が、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを示す情報の一例として、情報端末101を音波IDの取得に適する向きを示す音声情報(第2の情報の別の一例)を出力する場合の例について説明する。
【0125】
<処理の流れ>
図16は、第5の実施形態に係る情報端末の処理の例を示すフローチャートである。なお、図16に示す処理のうち、ステップS701~709、S711の処理は、図7に示す第1の実施形態に係る情報端末101の処理と同様なので、ここでは、図7に示す処理との相違点を中心に説明を行う。
【0126】
ステップS709において、情報(音波ID)の取得に適する情報端末101の向きがあると判断された場合、情報端末101の出力部407は、情報の取得に適する情報端末101の向きを示す音声情報を、音声出力部310を用いて出力する。
【0127】
例えば、情報端末101の出力部407は、「マイクが上になるように端末を回転させて下さい。」、又は「端末を時計方向に回して、ディスプレイを横向きにして下さい。」等、複数の音声メッセージの音声データを記憶部410に予め記憶しておく。また、出力部407は、記憶部410に記憶した音声メッセージの中から、情報端末を音波IDの取得に適した向きにするように促す音声メッセージを選択して、音声出力部310を用いて出力する。
【0128】
なお、音声出力部310を用いて出力する音声メッセージは、情報端末101が備えるスピーカ311から出力されるものであっても良いし、情報端末101に接続されたヘッドホンやイヤホン等から出力されるものであっても良い。
【0129】
また、第5の実施形態は、第1の実施形態と組み合わせて実行することもできる。例えば、情報端末101の出力部407は、音波IDの取得に適する情報端末101の向きを示すメッセージや画面と、音声情報とを出力するものであっても良い。
【0130】
以上、上記の各実施形態によれば、出力装置102が出力する音波を用いて情報を提供する情報提供システム100において、一般的な情報端末101を用いて、音波に含まれる所定の情報をより効率的に取得できるようになる。
【符号の説明】
【0131】
100 情報提供システム
101 情報端末
102 出力装置(外部装置)
401 音波受信部
403 表示制御部
404 姿勢検出部
405 強度測定部(測定部)
406 決定部
407 出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【文献】特開2009-200664号公報
図1
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図16